JP5218414B2 - 光学式情報再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学式情報再生装置に関し、特に、情報トラックの少なくとも一部が所定のデータの変調信号に対応して形成されたウォブル形状からなる光ディスクから情報を再生する光学式情報再生装置に関する。
光学式情報再生装置は、光ディスクから情報を読み出す再生装置である。光ディスクは、一般に、半径方向に螺旋状又は同心円状に形成されたトラックを有する光透過性の保護層の上に情報記録層を有しており、前記トラックに沿って記録データが配置されている。光ディスクからの情報再生に際しては、光学式情報再生装置(以下、単に光ディスク装置:Optical disk driveと呼ぶ)は、光ヘッドから集光照射されるビームの集光スポットを記録データ上に正しく位置制御する必要がある。光ディスク装置は、そのための制御機構として、サーボコントローラを備えている。
サーボコントローラが行う制御には、フォーカス制御とトラック制御とがある。サーボコントローラは、フォーカス制御により、集光スポットを情報記録層の法線方向に位置制御する。その後、トラック制御により、その集光スポットを、トラックの半径方向の中心に位置制御する。これらの動作により、光ディスク装置は、光ディスクの情報記録層の記録データを正しく再生することができる。
近年、光ディスクの大容量化が進んでいる。最近では、波長405nmの半導体レーザと開口数(NA)0.85の対物レンズとを用いて集光スポットを微小化する技術によって、情報記録面当たり約25GBの記録容量を有する高密度光ディスクが開発されている(例えば、非特許文献1参照)。このような高密度ディスクとして、BD(Blu−Ray Disk)規格のディスクがある。BD規格のディスクには、再生専用型のディスクや書換え可能型のディスクなどがある。
BDのうちで書き換え可能なディスクであるBD−RE(Blu-ray Disc Rewritable)のディスク構造は、例えば、特許文献1に説明されている。BD−REは、内周側から順次に、クランピング領域、トランジション領域、BCA(Burst Cutting Area)領域、リードイン領域、データ領域、リードアウト領域を有する。リードイン領域には、高周波変調(HFM:High Frequency Modulated)グルーブが形成されており、データ領域へのデータの記録又は再生に必要なディスク情報が予め保存されている。特許文献1に示されるように、HFMグルーブは、矩形波状のウォブル形状をしており、バイフェーズ変調方式により変調されたディスク情報を格納する。光ディスク装置は、HFMグルーブに対するトラッキングサーボ動作を実施し、このディスク情報を復調する。
光ディスクでは、光ディスクの保護層の厚みが仕様値と異なる場合がある。このような場合には、高NAの対物レンズを用いて光ディスクから情報を再生する光ディスク装置では、光ディスクに入射する光束が断面の中心から離れるにつれてNAの4乗に比例した球面収差が発生する。球面収差は、RF信号品質やプッシュプル信号品質を劣化させるため、光ディスク装置では、球面収差を補正する手段が不可欠となる。球面収差補正手段により球面収差補正量を調整する方法として、例えば、特許文献2に記述された方法がある。特許文献2には、信号品質指標が最適となる球面収差補正量とフォーカス位置とを探査する光情報処理装置が記述されている。信号品質指標が最適とは、例えばトラックエラー信号振幅が最大である、RF信号エラーレートが最小である、RF信号振幅が最大である、RF信号ジッタが最小である、ウォブル信号振幅が最大であることを意味する。
また、未記録ディスクに対して、記録時に最適な球面収差補正量とフォーカスオフセットとを調整する方法は、例えば、特許文献3に記載されている。特許文献3では、HFMグルーブ領域内でウォブル信号のエンベロープ振幅レベルが最大となるように球面収差補正量とフォーカスオフセットとを調整する。
Blu-ray Disc Association、February 2006、White paper Blu-ray Disc Format 1.A Physical Format Specifications for BD-RE 2nd Edition February 2006 特開2005−310375号公報 特開2003−233917号公報 特開2006−302326号公報
以下では、光ディスク装置が、波長λ=405nmの半導体レーザと、NA=0.85の対物レンズとを有する光記録再生装置である例を説明する。また、光ディスクとしては、BD−REを例として説明する。BD−REのリードインのHFMグルーブは、36Tの区間と18Tの区間(Tはチャネルビット長)で構成されている。図17に、BD−REのリードインのHFMグルーブを例示する。同図では、18Tの区間のHFMグルーブ30のみで、集光スポット122が走査する目標トラック31と、目標トラック31に隣接する隣接トラック32との形状切り替わり部33が一致している。図17に示すように、HFMグルーブ30は4つのパターン(PatternA〜PatternD)を基本とし、目標トラック31に対して、両側の隣接トラック32が相対的にずれる。すなわち、各パターンの形状切替り点が、矢印35で示した集光スポット122の移動方向にずれている。このため、HFMグルーブ30はトラックごとに異なるパターンを持っている。
図18に、ウォブル信号波形を示す。同図には、BD−REのリードインのHFMグルーブ領域において、プッシュプル信号振幅を最大にする球面収差補正量及びフォーカスオフセットで集光スポットがトラックを走査しているときのウォブル信号波形が示されている。この球面収差補正量とフォーカスオフセットとでは、ウォブル信号振幅も最大となる。しかし、目標トラックとは異なるウォブルである隣接トラックからの外乱、すなわち、隣接グルーブトラックのウォブル成分の洩れ込みが異なるため、ウォブル信号には局所的な波形歪や振幅低下が発生する。図18には、デジタル信号の1/0を判定する電圧値(スライスレベル)を破線36で示している。
また、特許文献1に記載されているように、36Tの区間で一律にラジアル方向へずれたグルーブ形状である場合をウォブル信号の「0」とし、36Tの区間で2つの18Tの区間がラジアル方向に互いにずれたグルーブ形状である場合をウォブル信号の「1」とする。スライスレベルを基準にウォブル信号を2値化する場合、図18の矢印で示した37の波形部分は、‘00’か‘01’かの区別がつけにくい。例えば、この部分で本来‘01’であるべき信号を‘00’と判定すると、ディスク情報を復調する際に読み誤ることになる。すなわち、プッシュプル信号振幅最大で所定のデータの変調信号に対応して形成されたウォブルに含まれるディスク情報を復調しようとすると、読み誤りが発生する。
本発明は、所定のデータの変調信号に対応して形成されたウォブルから、ウォブルに含まれるデータを復調する際に、読み誤りを低減できる光ディスク装置を提供することを目的とする。
本発明は、スパイラル状又は同心円状の情報トラックを有し、該情報トラックの少なくも一部が所定のデータの変調信号に対応して形成されたウォブルを有する光ディスクにビームを集光照射する照射装置と、
記ビームを前記情報トラックに追従させるサーボコントローラと、
前記光ディスクからの反射光から抽出されたウォブル信号に含まれる所定のデータを復調するウォブル信号処理手段と、
前記ウォブル信号から前記所定のデータを復調する際に、前記ウォブル信号に含まれる、前記情報トラックに隣接するトラックからの干渉成分を低減させるように、情報トラックに記録された情報を再生する際に前記ビームに与える波面収差とは、球面収差成分の位相差が異なる波面収差を前記ビームに加える波面収差変化手段を有することを特徴とする光ディスク装置を提供する。
本発明の光ディスク装置では、変調されたウォブル信号からデータを復調するときの読み誤りを低減することができる。
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利益は、図面を参照する以下の説明により明らかになる。
本発明の第1の実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図。 図1の光ディスク装置で用いられる光ヘッドの構成を示すブロック図。 情報記録層上の光束の断面の位相分布を示す図。 球面収差変化手段の構成例を示すブロック図。 球面収差変化手段を透過した光束の断面の位相分布を示す図。 図6A〜6Dはそれぞれ、目標トラックと隣接トラックとのHFMグルーブのパターンを例示する平面図。 プッシュプル信号の振幅を最大としたときのウォブル信号の計算結果を示す波形図。 球面収差変化量とフォーカスオフセットとを与えたときのウォブル信号の計算結果の一例を示す波形図。 光ディスクの半径方向の断面を示す断面図。 本発明の第2実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図。 図10の光ディスク装置で用いられる光ヘッドの構成を示すブロック図。 図12A及び12Bはそれぞれ、位相板の概略を示す断面図及び上面図。 位相板への印加電圧と位相板を透過する平行光束の位相差との関係を示すグラフ。 位相板を透過した平行光束の位相分布を示す図。 ステップ状の位相差を与えたときのウォブル信号の計算結果を示す波形図。 球面収差変化量の有無におけるフォーカス位置を法線方向に移動したときのフォーカス誤差信号を示すグラフ。 一般的な光ディスクで、集光スポットが走査する目標トラックとその隣接トラックの向きのパターンの一例を示す図。 プッシュプル信号振幅を最大に設定したときのウォブル信号の実測値を示す波形図。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、理解を容易にするために、全図を通して同様な要素には同様な符号を付して示す。図1は、本発明の第1実施形態の光ディスク装置の構成を示している。この光ディスク装置は、光ヘッド11、レーザ制御手段14、ウォブル信号処理手段15、サーボコントローラ16、スピンドルモータ17、スピンドルコントローラ18、及び、システムコントローラ19を備える。スピンドルモータ17は、光ディスク10を回転させる。スピンドルコントローラ18は、スピンドルモータ17の駆動を制御する。光ディスク10は、バイフェーズ変調方式により変調されたディスク情報を格納したHFMグルーブが形成されている領域を有する。
光ヘッド11は、半導体レーザ12、光検出器13、及び、対物レンズ110を有している。光ヘッド11は、半導体レーザ12から出射した光を対物レンズ110で集光し、集光した光束を、光ディスク10に照射する。また、光ディスク10からの戻り光束を、光検出器13によって検出する。光ヘッド11は、図示しないスレッド機構により光ディスク10の半径方向に移動する。スレッド機構には、例えば、ステッピングモータとリードスクリューを用いる駆動機構、或いは、DCモータとギアトレインを用いる駆動機構を用いることができる。
レーザ制御手段14は、システムコントローラ19からの指令に従って、半導体レーザ12を所定のパワーで発光させる。ウォブル信号処理手段15は、光検出器13の出力信号を入力し、この出力信号からウォブルを検出してウォブル信号を生成する。ウォブル信号処理手段15は、生成したウォブル信号を波形等化し、システムコントローラ19からの指令信号に従って、波形等化したウォブル信号を所定のフォーマットで復調する。ウォブル信号処理手段15は、ウォブル信号から復調したディスク情報を、システムコントローラ19に出力する。
サーボコントローラ16は、フォーカス制御部161とトラック制御部162と球面収差制御部163とを有する。サーボコントローラ16は、光ヘッド11が光ディスク10へ照射する集光スポット122の位置と、対物レンズ110へ入射する光束が持つ波面収差とを制御する。具体的には、フォーカス制御部161は、光検出器13の出力信号から生成した誤差信号に基づいて、集光スポット122が所定のフォーカス位置となるように対物レンズアクチュエータ111を制御する。また、トラック制御部162は、光検出器13の出力信号から生成した誤差信号に基づいて、集光スポット122がトラックの半径方向の中心に走査するように対物レンズアクチュエータ111を制御する。更に、トラック制御部162は、システムコントローラ19からの指令に従って、集光スポット122を所定のトラックに移動させる。また、サーボコントローラ16が制御する波面収差成分の一つは、球面収差である。球面収差制御部163は、後述する球面収差変化手段を透過する光束が所定の球面収差となるように球面収差変化手段を制御する。
システムコントローラ19は、レーザ制御手段14、ウォブル信号処理手段15、サーボコントローラ16、及び、スピンドルコントローラ18の動作をモニタし、装置全体の動作を統括する。システムコントローラ19は、具体的には、光ヘッド11に搭載されている半導体レーザ12を所定のパワーで発光させるためのパワー指令信号を作成し、レーザ制御手段14に出力する。また、バイフェーズ変調方式により変調されたディスク情報を復調させるための指令信号を作成し、ウォブル信号処理手段15に出力する。集光スポット122が光ディスク10のHFMグルーブ領域を走査しているか否かは、ウォブル信号処理手段15からのウォブル信号、或いは、光ディスク10における光ヘッド11の半径方向の位置によって判断する。
システムコントローラ19は、集光スポット122を所定のトラックに移動させるための指令信号を生成し、サーボコントローラ16に出力する。また、スピンドルモータ17を所定の周期で所定の回転方向に回転させるための指令信号を生成し、スピンドルコントローラ18に出力する。スピンドルコントローラ18は、システムコントローラ19の指令に従い、スピンドルモータ17を、所定の周期で所定の回転方向に回転させる。レーザ制御手段14、ウォブル信号処理手段15、システムコントローラ19、サーボコントローラ16、及び、スピンドルコントローラ18は、CPUやメモリやLSI等で適宜実現すればよい。
図2は、光ヘッド11の構造を示している。光ヘッド11は、対物レンズ110、対物レンズアクチュエータ111、半導体レーザ12、コリメータレンズ112、偏光ビームスプリッタ113、球面収差変化手段114、1/4波長板115、凸レンズ116、円筒レンズ117、及び、光検出器13を有する。対物レンズ110、対物レンズアクチュエータ111、及び、球面収差変化手段114は、波面収差変化手段20を構成する。対物レンズアクチュエータ111は、サーボコントローラ16によって制御され、対物レンズ110を、法線方向123と光ディスク10の半径方向とにそれぞれ駆動する。
半導体レーザ12からの出射光束は、コリメータレンズ112で平行光束121となる。平行光束121は、偏光ビームスプリッタ113に対してP偏光として入射し、ほぼ100%が透過し、球面収差変化手段114に入射する。球面収差変化手段114は、サーボコントローラ16によって制御され、偏光ビームスプリッタ113から入射する平行光束に所定の球面収差を付加する。1/4波長板115は、球面収差変化手段114にて球面収差が付加された光を入射する。1/4波長板115は、入射する直線偏光の光を、円偏光に変換して出射する。1/4波長板115を透過した光束は、対物レンズ110で集束され、光ディスク10の保護層101を通して情報記録層102上に集光される。
光ディスク10からの反射光束は、対物レンズ110を透過して1/4波長板115に入射する。1/4波長板115は、入射する円偏光の光を、直線偏光に変換して出射する。復路の直線偏光は、往路の直線偏光とは偏光方向が直交している。直線偏光に変換された光束は、球面収差変化手段114を逆向きに透過する。その後、偏光ビームスプリッタ113にS偏光として入射し、そのほぼ100%が反射する。偏光ビームスプリッタ113で反射した光は、凸レンズ116、円筒レンズ117を透過して光検出器13で受光される。
対物レンズアクチュエータ111により、対物レンズ110を駆動して、集光スポット122を情報記録層102上に配置したとき、このときのフォーカスオフセットを0μmとする。波面収差のフォーカスオフセット成分は、光ディスク10の法線方向123における集光スポット122の位置と光ディスク10の情報記録層102までの距離とに依存しており、フォーカスオフセット0μmの場合、前記フォーカスオフセット成分は0となる。図3に、フォーカスオフセットに対する情報記録層102上における集光照射された光束の断面の位相分布を示す。図3に示す位相分布aのように、前記フォーカスオフセット成分が0の場合、情報記録層102上の集光照射光束の断面の位相分布は、平坦な分布となる。
一方、フォーカスオフセット0μmの位置から、対物レンズ110を光ディスク10から離れる方向に動かすと、波面収差のフォーカスオフセット成分の位相差の絶対値は大きくなり、情報記録層102上の集光照射光束の断面の位相分布は、情報記録層102上の集光照射光束の光軸の周りで同心円状に対称な位相分布bとなる。この分布は、情報記録層102上の集光照射光束の断面の半径位置の2乗に比例しており、この集光スポット122の焦点位置は、光束の入射側から見て情報記録層102より手前となる場合である。このときのフォーカスオフセットの符号を「正」とする。
また、フォーカスオフセット0μmの位置から対物レンズ110を光ディスク10へ近づく方向に動かすと、波面収差のフォーカスオフセット成分の位相差の絶対値は大きくなり、情報記録層102上の集光照射光束の断面の位相分布は、位相分布cになる。これは、位相分布aを基準として位相分布bを反転した分布であり、この集光スポット122の焦点位置は光束の入射側から見て情報記録層102より奥になる場合である。このときのフォーカスオフセットの符号を「負」とする。
図4に、球面収差変化手段の構成例を示す。この例では、球面収差変化手段114は、凹レンズ130及び凸レンズ131と、両者の間の距離を変化させる駆動素子132とを有する。球面収差変化手段114は、サーボコントローラ16の指令信号に従って駆動素子132を駆動し、凹レンズ130と凸レンズ131との間の距離を変化させる。凹レンズ130と凸レンズ131との間の距離を変化させることで、球面収差変化手段114にて、保護層101の厚さずれ(保護層101の実際の厚さと保護層101の厚さの理想値との差)に起因する波面収差の球面収差成分と同じ大きさで符号が逆の波面収差の球面収差成分を発生させることができる。従って、球面収差変化手段114が発生する波面収差の球面収差成分を、保護層101の厚さずれに応じて制御することで、保護層101の厚さずれに起因した波面収差の球面収差成分を補正することが可能である。
図5に、球面収差変化手段114を出射する光束の位相分布を示す。球面収差変化手段114の出射光束は、凹レンズ130と凸レンズ131との間の距離に応じて、平行光束、発散光束、又は、収束光束となる。球面収差変化手段114の出射光束が平行光束のとき、対物レンズ110に入射する光束の位相分布は、図5の位相分布Aのように、出射光束の光軸に垂直な光束断面の半径位置によらず平坦な分布となる。対物レンズ110は、平行光束入射を前提として、保護層101の厚さが理想値のときに、波面収差の球面収差成分が0となるように設計されている。従って、保護層101の厚さが理想値のときに、凹レンズ130と凸レンズ131との間の距離を、所定の距離(距離L)に制御し、球面収差変化手段114の出射光束を平行光束とすると、対物レンズ110を通して波面収差の球面収差成分が0になり、情報トラックに記録された情報を良好に再生することができる。
一方、凹レンズ130と凸レンズ131との間の距離を、出射光束が平行光束となる距離Lより広くすると、球面収差変化手段114からの出射光束は収束光束となる。このときの位相分布は、出射光束の光軸の周りで同心円状に対称な位相分布Bとなる。この分布は、出射光束の光軸に垂直な光束断面の半径位置の4乗に比例しており、波面収差の球面収差成分の位相差の絶対値が大きくなる。保護層101の厚さずれに起因した波面収差の球面収差成分を、対物レンズ110に入射する光束の位相分布に置き換えると、前記光束の光軸に垂直な光束断面の半径位置の4乗に比例する。図5に示す位相分布Bを、保護層101の厚さずれに置き換えて考えると、保護層101の厚さが理想値よりも厚くなる場合に相当する。従って、保護層101の厚さが理想値よりも厚いときには、凹レンズ130と凸レンズ131との間の距離を距離Lよりも広くし、球面収差変化手段114の出射光束を収束光束とすることで、保護層101の厚さずれに起因する波面収差の球面収差成分を打ち消す球面収差を発生させることができる。
また、凹レンズ130と凸レンズ131との間の距離を、出射光束が平行光束となる距離Lよりも狭くすると、球面収差変化手段114からの出射光束は発散光束となり、位相分布は位相分布Cとなる。これは、位相分布Aを基準として位相分布Bを反転した分布であり、波面収差の球面収差成分の位相差の絶対値が大きくなる。この位相分布Cを、保護層101の厚さずれに置き換えて考えると、保護層101の厚さが理想値よりも薄くなる場合に相当する。従って、保護層101の厚さが理想値よりも薄いときには、凹レンズ130と凸レンズ131との間の距離を距離Lよりも狭くし、球面収差変化手段114の出射光束を発散光束とすることで、保護層101の厚さずれに起因する波面収差の球面収差成分を打ち消す球面収差を発生させることができる。
ここで、球面収差変化手段114が与える球面収差変化量は、保護層101の厚さが理想値である場合を基準とし、保護層101の厚さずれに換算した値で表記する。例えば、保護層101の厚さが理想値のときに、球面収差変化手段が与える球面収差変化量は0μmと表記する。また、球面収差変化量の符号は、球面収差変化手段114の出射光束を収束光束とするとき、すなわち、保護層101の厚さが理想値よりも厚いときに与える球面収差変化量の符号を「正」とする。逆に、球面収差変化手段114の出射光束を発散光束とするとき、すなわち、保護層101の厚さが理想値よりも薄いときに与える球面収差変化量の符号を「負」とする。
次に、本実施形態におけるHFMグルーブ領域のウォブル信号のジッタを縮小する動作について説明する。ジッタは、波面収差変化手段20の球面収差変化量とフォーカスオフセットとに応じて変化する。情報再生装置は、HFMグルーブ領域とは異なる領域を再生する際は、良好な情報再生を可能とする球面収差変化量及びフォーカスオフセット、例えばプッシュプル信号振幅最大となる球面収差変化量及びフォーカスオフセットにて、情報再生を行う。これにより、情報再生の際の読み誤りを低減できる。しかし、プッシュプル信号振幅を最大とする球面収差変化量とフォーカスオフセットにてHFMグルーブ領域を再生すると、ウォブル信号振幅は最大となるものの、ウォブル信号には局所的な波形歪や振幅低下が発生する。このため、変調されたウォブルトラックから情報を復調する際に、読み誤りが発生することがある。そこで、HFMグルーブ領域再生時には、球面収差変化量及びフォーカスオフセットを、プッシュプル信号振幅最大となる球面収差変化量及びフォーカスオフセットから変化させる。
ウォブル信号のジッタは、波面収差変化手段20の球面収差変化量とフォーカスオフセットとに応じて変化する。ジッタを縮小させる球面収差変化量及びフォーカスオフセットの求め方としては、球面収差変化量とフォーカスオフセットとを変化させた際のウォブル信号を、光学回折理論を用いたシミュレーションにより求め、ジッタを最小にする球面収差変化量及びフォーカスオフセットを求める方法がある。以下、光学回折のシミュレーションから、ジッタを縮小させる球面収差変化量とフォーカスオフセットとを求める場合を説明する。まず、光ディスク10におけるHFMグルーブを、図6A〜6Dに示すような配置とする。具体的には、集光スポット122が走査する目標トラックのHFMグルーブパターンは36T−18T−18T−36T−36Tと変化するパターンとし、隣接トラックのHFMパターンは18T−18T−18T−18T−18T−18T−18T−18Tと変化するパターンとする。
目標トラックの18T−18TのHFMグルーブに着目したとき、図6AのPatternAは、例えばディスク外周側の隣接トラック321が集光スポット122の進行方向に0.501μmずれて目標トラック31の18Tと同相に変化し、ディスク内周側の隣接トラック322が集光スポット122の進行方向に0.167μmずれて目標トラック31の18Tと同相に変化する。図6BのPatternBは、ディスク外周側の隣接トラック321が集光スポット122の進行方向に0.501μmずれて目標トラック31の18Tと逆相に変化し、ディスク内周側の隣接トラック322が集光スポット122の進行方向に0.167μmずれて目標トラック31の18Tと同相に変化する。
また、図6CのPatternCは、ディスク外周側の隣接トラック321が集光スポット122の進行方向に0.501μmずれて目標トラック31の18Tと同相に変化し、ディスク内周側の隣接トラック322が集光スポット122の進行方向に0.167μmずれて目標トラック31の18Tと逆相に変化する。図6DのPatternDは、ディスク外周側の隣接トラック321が集光スポット122の進行方向に0.501μmずれて目標トラック31の18Tと逆相に変化し、ディスク内周側の隣接トラック322が集光スポット122の進行方向に0.167μmずれて目標トラック31の18Tと逆相に変化する。
図7及び図8に、光学回折理論を用いて、球面収差とフォーカス位置との違いによるウォブル信号をシミュレーションした結果を示す。ここでは、プッシュプル信号振幅を最大とする球面収差変化量及びフォーカスオフセットを、0μmとし、HFMグループ領域以外の再生では、この球面収差変化量及びフォーカスオフセットにて再生を行っているものとする。図7、図8におけるPatternA〜Dは、図6のPatternA〜Dに対応する。光学回折シミュレーションの計算条件は、表1の通りである。更に、図9に、光ディスク10の接線方向からみた断面を示す。同図において、X方向が光ディスクの接線方向を、Y方向が光ディスクの半径方向を、Z方向が入射光の光軸方向をそれぞれ示す。光ディスク10は、基板104、基板上に形成された情報記録層102、保護層101を有し、保護層の表面が光入射面を構成する。情報記録層102には、ランドトラック105と、グルーブトラック106とが形成され、双方のトラックに情報が記録される。ここで、矩形波状ウォブルは、グルーブトラック106に形成されているものとする。なお、各々のウォブル信号は和信号で規格化する。
Figure 0005218414
図7は、対物レンズ110に入射する光束の断面の位相分布が平坦な分布である球面収差変化量=0μm、及び、情報トラック面上における光束の断面の位相分布が平坦な分布であるフォーカスオフセット=0μmでウォブル信号を計算した結果である。それぞれの位相分布が平坦であるときプッシュプル信号振幅は最大となり、高NAの対物レンズ110に対して波面収差の球面収差成分を補正した状態である。しかし、この状態では、隣接トラックのパターンによって、ウォブル信号の波形の歪や振幅低下が生じ、HFMウォブル信号波形の振幅0をクロスする集光スポット122の移動量が異なってみえる。すなわち、ウォブル信号のジッタが大きくなっている。
図7においてウォブル信号の波形の歪や振幅低下が発生している要因は、集光スポット122のメインローブの一部とサイドローブとが隣接するトラックのグルーブを走査しており、隣接トラックからの外乱、すなわち、隣接グルーブトラックのウォブル成分が回り込んでいるためである。そのために、サーボコントローラ16が波面収差変化手段20の球面収差変化量を0μm、フォーカスオフセットを0μmと設定すると、プッシュプル信号振幅は最大となるものの、ウォブル信号のジッタは大きくなる。
一方、図8は、球面収差変化量、フォーカスオフセットを図7とは異なる値とした場合の計算結果である。図8では、球面収差変化量=3μm、フォーカスオフセット=−0.47μmとしている。この球面収差変化量は、保護層の厚さが厚くなる方向の球面収差変化量を与えたことに相当し、フォーカスオフセットは、光ディスク10への光束の入射側から見て、集光スポット122の焦点位置が情報記録層102よりも奥となるようにフォーカスオフセットを与えたことに相当する。図8では、各パターンにおけるウォブル信号には波形の歪がなく、振幅が概ね揃っている。また、ウォブル信号のジッタが縮小している。
球面収差変化量及びフォーカスオフセットを、情報再生を良好に行うことができる条件(球面収差変化量=0μm、フォーカスオフセット=0μm)から変化させると、集光スポット122のスポット形状が変化する。すなわち、隣接グルーブトラックを走査しているメインローブの一部とサイドローブの形状が変化する。ジッタが縮小しているのは、集光スポット122のメインローブとサイドローブの電界の位相が反転しているため、前記のような形状の変化により、メインローブの一部から漏れ込んでくる隣接グルーブトラックのウォブル信号成分をサイドローブに含まれる隣接グルーブトラックから漏れ込んでくるウォブル信号成分で相殺できているためである。そのため、サーボコントローラ16が波面収差変化手段20の球面収差変化量を3μm、フォーカスオフセットを−0.47μmと設定すると、隣接トラックからの外乱が小さいウォブル信号を得ることができ、変調されたウォブルトラックからデータを復調する際の読み誤りを低減することができる。
なお、上記では、波面収差変化手段20の球面収差変化量とフォーカスオフセットとは、物理定数を元にあらかじめ計算した値としたが、光ディスク装置を動作させて導出した値としてもよい。具体的には、プッシュプル信号振幅が最大となる球面収差変化量を0μm、フォーカスオフセットを0μmとし、サーボコントローラ16により、球面収差変化量とフォーカスオフセットとを随時変化させながら、ウォブル信号のジッタが最小となる波面収差変化手段20の球面収差変化量とフォーカスオフセットとを導出する。この波面収差変化手段20の球面収差変化量とフォーカスオフセットとの導出は、ウォブル信号からディスク情報を復調する前に行ってもよいし、ウォブル信号に含まれるディスク情報を復調しながら行ってもよい。
また、隣接グルーブトラックからの外乱を低減する波面収差変化手段20の球面収差変化量とフォーカスオフセットとは、ジッタが最小とする代わりに、ジッタが所定の値より小さくなる球面収差補正量とフォーカスオフセットとしてもよい。また、HFM領域からのデータ読出しに際して設定する、波面収差変化手段20の球面収差変化量とフォーカスオフセットとは、波面収差変化手段20に記憶してもよく、或いは、光ディスク10やサーボコントローラ16やシステムコントローラ19に記憶してもよい。
上記では、矩形波状ウォブルがグルーブトラック106に形成される例で説明したが、矩形波状ウォブルがランドトラック105に形成される構成も可能である。矩形波状ウォブルがランドトラック105に形成される場合、プッシュプル信号振幅最大の球面収差変化量とフォーカスオフセットとに対して、球面収差変化量は保護層の厚さが薄くなる方向の球面収差変化量を与える。また、フォーカスオフセットは、光ディスク10への光束の入射側から見て、集光スポット122の焦点位置が情報記録層102よりも手前となるようにフォーカスオフセットを与える。このようにすることで、隣接トラックからの外乱が小さなウォブル信号を得ることができる。
上記実施形態の光ディスク装置は、本発明の基本構成である、光ディスクにビームを集光照射する照射装置と、集光ビームを情報トラックに追従させるサーボコントローラと、光ディスクからの反射光から抽出されたウォブル信号に含まれるデータを復調するウォブル信号処理手段と、ウォブル信号から前記所定のデータを復調する際に、前記ウォブル信号に含まれる、前記情報トラックに隣接するトラックからの干渉成分を低減させるように、情報トラックに記録された情報を再生する際に前記ビームに与える波面収差とは異なる波面収差を前記ビームに加える波面収差変化手段とを有する構成により、波面収差変化手段が、HFM領域の再生時に、ウォブル信号に含まれる情報トラックに隣接するトラックからの干渉成分を低減させるように、光ディスクに集光照射するビームへ波面収差を与える。この波面収差は、HFM領域以外の情報を再生する際にビームに与える波面収差とは異なる値である。再生する領域に応じて、異なる波面収差をビームに与えることで、データ領域で情報を再生する際の読み誤りと、変調されたウォブルトラックからデータを復調する際の読み誤りとを、同時に低減することができる。
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態の光ディスク装置の構成を示している。本実施形態の光ディスク装置は、図1に示す第1実施形態の光ディスク装置とは、光ヘッド11aとサーボコントローラ16aが異なる。第1実施形態と同じ構成要素については、図1と同じ符号を用いる。図11に、本実施形態で用いる光ヘッド11aの構成を示す。本実施形態で用いる光ヘッド11aは、図2に示す光ヘッド11の往路光学系に、位相板21が加えられた構成である。その他の構成要素は、第1実施形態で用いる光ヘッド11と同様である。位相板21は、例えば、液晶素子で構成される。
本実施形態で用いるサーボコントローラ16aは、第1実施形態で用いるサーボコントローラ16に、位相板21を透過する平行光束121が、所定の位相分布となるように位相板21を制御する位相板制御部を有する。本実施形態では、波面収差変化手段20aは、対物レンズ110、対物レンズアクチュエータ111、球面収差変化手段114、及び、位相板21によって構成される。
図12A及び12Bに、位相板21の断面図及び上面図を示す。図12Bに示すように、位相板21は、中央に第1の領域211を有し、その周辺に第2の領域212を有する。第1の領域211の直径は、対物レンズの外径213よりも小さいものとする。図12Aに示すように、位相板21は、液晶高分子を含む液晶層220と、液晶層220を挟む配向膜221と、液晶高分子の配向方向224を制御するための透明電極222と、液晶層220、配向膜221、及び、透明電極222を保護するガラス板223とを有する。配向膜221は、液晶高分子の配向方向224を決定する。本実施形態では、図12Bに示すように、位相板21への入射光束の光軸方向に直交する面内における液晶高分子の配向方向224を、光ディスク10の半径方向に平行とする。
透明電極222には、サーボコントローラ16aの位相板制御部によって電圧が印加され、入射光束の光軸方向に平行な方向に電界が生じる。この電界の大きさにより、図12Aに示すように、入射光束の光軸方向と光ディスク10の半径方向とを含む面内における液晶高分子の配向方向224が変化する。液晶高分子は、液晶高分子の配向方向224に対して平行な方向と垂直な方向との間で屈折率異方性を有している。従って、位相板21は、透過する平行光束121に対して、第1の領域211及び第2の領域212にて、印加電圧の大きさに応じた位相差を付加することができる。
図13は、位相板21の各領域へ印加する電圧と位相板21を透過する平行光束121の位相差との関係を示している。図13を参照すると、印加電圧が1Vから3Vの範囲では、位相板21を透過する平行光束121の位相差は、印加電圧に対して線形に変化することがわかる。
図14は、位相板21を透過する平行光束121に付加された、光束の光軸の周りで同心円状に対称な位相分布を示している。図14の横軸は、位相板21を透過する平行光束121の光軸に直交する断面の半径方向位置である。R1は、第1の領域211の半径を、R2は対物レンズの半径を示す。縦軸は、位相板21を透過する平行光束121の位相差であり、第1の領域211を透過する平行光束121の位相差を基準としている。サーボコントローラ16aの位相板制御部は、第1の領域211に電圧Vaを印加し、第2の領域212に電圧Vbを印加する。Va>Vbとなる電圧を位相板21の各領域へ印加することで、第2の領域212を透過する平行光束121の位相差に対して、第1の領域211を透過する平行光束121の位相差が「−(マイナス)」となる位相分布ができる。
次に、本実施形態におけるHFMグルーブ領域のウォブル信号のジッタを縮小する動作について説明する。サーボコントローラ16aは、光ディスク10に集光照射されたビームの断面の位相分布を平坦な分布とするために、位相板21に、ステップ状の位相差0を設定する。位相板制御部が位相板21の電圧をVa=Vbとすると、第1の領域211、第2の領域212を透過する平行光束121の位相差は同じになる。このとき、サーボコントローラ16aが、プッシュプル信号振幅が最大となるように球面収差変化量とフォーカスオフセットとを調整すれば、高NAの対物レンズ110に対して球面収差を補正した状態となり、ウォブル信号は、図7と同じである。
一方、リードイン領域からディスク情報を読み出す場合、サーボコントローラ16aは、プッシュプル信号振幅が最大となる球面収差変化量とフォーカスオフセットとを変えずに、位相板21にステップ状の位相差−πを設定する。サーボコントローラ16aが、位相板21の電圧をVa=2V,Vb=1Vとすることで、第1の領域211透過する光束に対する第2の領域212を透過する光束のステップ状の位相差が−πとなる。
図15に、位相板21を透過する平行光束121にステップ状の位相差−πを付加したときのウォブル信号を計算した結果を示す。ここでは、第1の領域211の半径は、対物レンズの半径の2/7としている。サーボコントローラ16aは、位相板21にステップ状の位相差―πを設定することで、隣接グルーブトラックから漏れ込んでくるウォブル成分を最小とする。その結果、ジッタが縮小する。これより、バイフェーズ変調されたHFMグルーブ領域のウォブル信号の読み誤りが少ない情報再生動作を実現することができる。
ここで、図16に、第1実施形態における、フォーカス位置を法線方向123に移動したときのフォーカス誤差信号Efを示す。横軸はフォーカス位置を示し、ディスク入射面に近い方を正方向で示している。信号A1は、球面収差変化量なし(0μm)の場合、信号B1は、球面収差変化量あり、すなわち、HFM領域再生時に球面収差変化量をプッシュプル信号振幅最大から変化させた場合である。信号A1は、集光スポット122が情報記録層102上に配置されるフォーカス位置0において基準電位(図中0レベル)となる。信号A1の最大値A1MAX及び最小値A1MINの絶対値は、ほぼ一致する。一方、信号B1は、集光スポット122が情報記録層102上に配置されるフォーカス位置0において基準電位(図中0レベル)と一致しない。また、信号B1の最大値B1MAX及び最小値B1MINの絶対値は、異なる。第1の実施形態では、球面収差変化量を付加しているため、信号B1のようにフォーカス誤差信号は変化する。ただし、この程度の変化であれば、実用上は問題ない。
本実施形態では、位相板21のステップ状の位相差を−πとしている場合、対物レンズ110で集光照射している光束の断面の位相分布は、図16のフォーカス位置0を中心に、法線方向123に対して対称となる。これより、本実施形態では、HFM領域の再生時にも、図16に示す信号Aと同等なフォーカス誤差信号を得ることができる。つまり、本実施形態では、第1実施形態に比して、HFM領域再生時にも、良好なフォーカス誤差信号を得ることができる。
なお、本実施形態においても、矩形波ウォブルをランドトラックに形成することができる。その場合には、ステップ状の位相差の符号を、反転すればよい。すなわち、ステップ状の位相差+πを付加すればよい。また、光ヘッド11aが球面収差変化手段114を有する構成について説明したが、これには限定されない。光ヘッド11aが球面収差変化手段114を備えずに、波面収差変化手段を、対物レンズ110と、対物レンズアクチュエータ111と位相板21とで構成してもよい。
また、第1及び第2の実施形態では、保護層101の厚さが理想値である場合を基準として説明したが、それに限るものではない。例えば、球面収差変化手段114が、保護層101の厚さずれに起因する波面収差の球面収差成分を補正する球面収差成分を与える状態を基準とし、そのときの球面収差変化量を0μmとして定義してもよい。その場合は、HFM領域を再生する際に、球面収差変化量を0μmから、ウォブル信号のジッタを縮小できる所定の球面収差変化量へ変化させればよい。
また、第1及び第2の実施形態では、HFMグルーブ領域のウォブル信号からディスク情報を復調する際に新たに波面収差を加える場合について説明したが、それに限るものではない。データ領域に記録された情報を再生する動作から、データ領域に形成されているウォブルからアドレス情報などを復調する動作に切り替える場合に、新たに波面収差を加えても良く、或いは、データ領域に情報を記録する動作から、データ領域に形成されているウォブルからアドレス情報などを復調する動作へ切替える場合に、新たに波面収差を加えても良い。また、光ディスク10がBD−REである場合について説明したが、光ディスクはこれに限るものではなく、情報トラックの少なくとも一部が所定のデータの変調方式に対応して形成されたウォブルからなる領域を有する光ディスクからウォブルに含まれるデータを復調する場合に新たに波面収差を加えても良い。さらに、矩形波状ウォブルについて説明したが、ウォブル形状は、正弦波、三角波、或いは、ノコギリ波などであってもよく、矩形波に限定されない。
本発明を特別に示し且つ例示的な実施形態を参照して説明したが、本発明は、その実施形態及びその変形に限定されるものではない。当業者に明らかなように、本発明は、添付のクレームに規定される本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更が可能である
本出願は、2007年9月27日出願に係る日本特許出願2007−252185号を基礎とし且つその優先権を主張するものであり、引用によってその開示の内容の全てを本出願の明細書中に加入する。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の光ディスク装置は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。

Claims (6)

  1. スパイラル状又は同心円状の情報トラックを有し、該情報トラックの少なくも一部が所定のデータの変調信号に対応して形成されたウォブルを有する光ディスクにビームを集光照射する照射装置と、
    記ビームを前記情報トラックに追従させるサーボコントローラと、
    前記光ディスクからの反射光から抽出されたウォブル信号に含まれる所定のデータを復調するウォブル信号処理手段と、
    前記ウォブル信号から前記所定のデータを復調する際に、前記ウォブル信号に含まれる、前記情報トラックに隣接するトラックからの干渉成分を低減させるように、情報トラックに記録された情報を再生する際に前記ビームに与える波面収差とは、球面収差成分の位相差が異なる波面収差を前記ビームに加える波面収差変化手段とを有することを特徴とする光ディスク装置。
  2. スパイラル状又は同心円状の情報トラックを有し、該情報トラックの少なくとも一部が所定のデータの変調信号に対応して形成されたウォブルを有する光ディスクにビームを集光照射する照射装置と、
    前記ビームを前記情報トラックに追従させるサーボコントローラと、
    前記光ディスクからの反射光から抽出されたウォブル信号に含まれる所定のデータを復調するウォブル信号処理手段と、
    前記ウォブル信号から前記所定のデータを復調する際に、前記ウォブル信号に含まれる、前記情報トラックに隣接するトラックからの干渉成分を低減させるように、情報トラックに記録された情報を再生する際に前記ビームに与える波面収差とは、球面収差成分の位相差が異なる波面収差を、前記ビームに加える波面収差変化手段とを有し、
    前記波面収差変化手段は、光源側からの入射光に対し、所定の円形領域内を通る光束と、前記円形領域外を通る光束との間に、ステップ状の位相差π又は−πを与える位相板を含むことを特徴とする光ディスク装置。
  3. 前記波面収差変化手段は、前記ビームに対し、該ビームの光軸の周りに同心円状の位相分布を加えることを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク装置。
  4. 前記波面収差変化手段は、前記ビームを集光照射する対物レンズに入射するビームに対し、該ビームの光軸からの距離の4乗に比例して変化する位相分布を加え、かつ、前記情報トラックの記録面上における前記ビームに対し、該ビームの光軸からの距離の2乗に比例して変化する位相分布を加えることを特徴とする、請求項1又は3に記載の光ディスク装置。
  5. 前記波面収差変化手段は、対物レンズを少なくともフォーカス方向に駆動する対物レンズアクチュエータと、光源側からの入射光に球面収差を付加して前記対物レンズ側に出射する球面収差変化手段とを含むことを特徴とする、請求項1〜の何れか一に記載の光ディスク装置。
  6. 前記波面収差変化手段は、前記ビームを集光照射する対物レンズに入射するビームに対し、該ビームの光軸からステップ状に変化する位相分布を加えることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一に記載の光ディスク装置。
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