JP5217322B2 - αアルミナ粉末 - Google Patents
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Description
金属モリブデン製のルツボ内に充填し、加熱溶融させたのち、溶融物を引き上げる方法に
より、サファイア単結晶を製造することができる〔特許文献1:特開平5−97569号
公報〕。
JIS K 0069(1992)の乾式ふるい分け試験で求めた乾式ふるい分け粒子径の質量基準の粒子径分布において、
粒子径75μm未満の粒子が5質量%以下であり、
粒子径2.8mmを超える粒子が15質量%以下であり、
粒子径100μm以上、850μm未満の領域に1つ以上の頻度極大を示すことを特徴とするサファイア単結晶製造用原料であるαアルミナ粉末(ただし、粒子径はJIS Z8801(1987)で規定する標準篩のうちαアルミナ粉末が通過し得なかった標準篩の目開きの最大値である。)を提供するものである。
を酸化させるおそれもなく、さらにこれをルツボ内で加熱溶融したのち、引き上げる方法
により、ボイドの少ないサファイア単結晶を得ることができる。
り得られる。加水分解性アルミニウム化合物としては、例えばアルミニウムアルコキシド
、塩化アルミニウムなどが挙げられるが、純度99.99質量%以上という高純度な水酸化アルミニウムが容易に得られる点からアルミニウムアルコキシドが好ましい。
ているものであるものが望ましい。
。
えばボールミル、媒体撹拌ミルなどの粉砕装置を用いた粉砕方法が挙げられる。その際に
使用される溶媒としては通常、水が用いられるが、分散性よく粉砕するために、分散剤を
添加して粉砕してもよい。添加する分散剤は、高純度を維持する目的から、焼成により揮
発して、不純物として残存しないよう、例えばポリアクリル酸アンモニウム塩等の高分
子系分散剤が好ましい。
αアルミナ種粒子の汚染が少ない点で、αアルミナと接する面が高純度のαアルミナで構成されているか、あるいは、樹脂ライニングされていることが好ましい。媒体撹拌ミル等を用いて粉砕する場合に用いられる粉砕媒体も、高純度のαアルミナで構成されていることが好ましい。
、水酸化アルミニウムとαアルミナ種粒子を含有する混合物は、平均粒子径5μm以上の
水酸化アルミニウム粒子が凝集している状態である。このことから、αアルミナ種粒子を
均一に混合できるようにせん断力をかけながら混合できる点から、ブレード型混合機を用いることが好ましい。
せる際の温度は特に限定されないが、通常80℃〜180℃である。また、軽装かさ密度を向上させる観点から、流動層乾燥機を用いて流動乾燥させることが望ましい。
成保持時間は水酸化アルミニウムがα化して所定の密度のαアルミナが得られるに十分な時間であればよく、用いるアルミニウム化合物の種類、αアルミナ前駆体とαアルミナ種粒子との使用量比、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、例えば30分以上24時間以下、好ましくは1〜10時間である。
しても良い。また、水蒸気分圧が高い湿潤雰囲気中で焼成しても良い。
、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いるこ
とができる。混合物は回分式で焼成しても良いし、連続式で焼成してもよい。また静止式
で焼成しても良いし、流動式で焼成しても良い。
2×D1 ≦ D2 ≦ 20×D1 (1)
を満足し、M1とM2との比(M1/M2)が0.05以上であることが、より高い嵩密度でルツボへ充填しうる点で、好ましい。
5×D1 ≦ D2 ≦ 15×D1 (2)
を満足することがさらに好ましく、また、M1とM2との比(M1/M2)が0.1以上、さらには1以上であることが好ましい。
晶成長方法の原料として適用することができる。
定されるものではない。
(1)相対密度
得られたαアルミナの相対密度は、細孔容積(開気孔体積)と粒子密度から算出した閉気
孔体積から算出した焼結密度を用いた。細孔容積は試料を120℃で4時間乾燥後、オー
トポアIII9420装置(MICROMERITICS社製)を用いて水銀圧入法により細孔半径1μm以下の範囲の細孔容積として求めた。相対密度(%)=(焼結密度/3.98)×100
焼結密度(g/cm3)=1/{(1/3.98)+細孔容積+閉気孔体積}
閉気孔体積 (cm3/g)=(1/粒子密度)−(1/3.98)
(2)閉気孔率
閉気孔率は粒子密度から、下記の式で算出した。また粒子密度は、JIS R7222の
真比重測定方法に基づき算出した。
閉気孔率(%)=〔(閉気孔体積)/{(1/3.98)+細孔容積+閉気孔体積}〕×1
00
(3)不純物濃度、純度
Si、Fe、Cu、Mgの含有量は、固体発光分光法にて測定した。またNa,Caは、
アルカリ溶融後、それぞれ原子吸光、ICP発光分光法にて測定した。
純度は、αアルミナに含まれるAl2O3の総量とし、SiO2,MgO,CuO,Fe2O3,
CaO、Na2Oの総量(ppm)を不純物濃度から算出し、1から差し引いたものを用い
た。算出式は以下のとおりである。
純度(%)=100×{1−〔不純物の重量の総和(ppm)〕}
(4)粒子径分布
粒子径分布は、JIS K 0069(1992)の乾式ふるい分け試験法に基づき、JIS Z8801(1987)に指定された標準篩のうち、網目の目開きが 75μm、100μm、212μm、300μm、425μm、500μm、600μm、710μm、850μm、1mm、2mm、2.8mmの篩を用いて算出した。
(5)軽装かさ密度
軽装かさ密度は、JIS R9301−2−3に基づき、試料を規定の容器に充填した後、その試料の質量と容積から算出した。
(6)平均粒子径
αアルミナ種粒子の平均粒子径は、レーザー粒度分布測定装置〔日機装社製「マイクロト
ラック」〕を用いてレーザー回折法により、質量基準で累積百分率50%相当粒子径を平
均粒子径として測定した。
(7)比表面積
比表面積は、BET比表面積測定装置〔島津製作所社製「2300−PC−1A」〕を用
いて窒素吸着法により測定した。
(8)水分量
αアルミナ粉末に吸着している水分量は、JIS H 1901−1977に基づき、試料を110℃で乾燥した後、その減量として測定した。
αアルミナ種粒子として、高純度αアルミナ(商品名AKP−53、住友化学株式会社製)を用いた。このαアルミナを湿式ボールミル粉砕し、該アルミナ種粒子が固形分濃度で20重量部含まれたαアルミナ種粒子スラリーを作成した。該アルミナ種粒子の平均粒子径は0.25μmであった。
水酸化アルミニウムを用いた。該αアルミナ種スラリーと該水酸化アルミニウムは、高速
回転する多段十字型分解構造を有する撹拌羽を内面に有するブレンダー型混合機で混合した。混合時に添加したαアルミナ種粒子スラリー中に含まれるαアルミナは、得られるαアルミナ重量100重量部に対して1.7重量部であった。またスラリー中の水量は、水酸化アルミニウム100重量部に対して、149重量部であった。混合後、流動層乾燥機で乾燥して水分を揮発させた後に、αアルミナ種入りαアルミナ前駆物質粉体を得た。該粉体を、昇温速度100℃/hr、焼成温度1335℃で4時間焼成して、αアルミナ粉体を得た。
実施例1の方法で得られたαアルミナ粉末を篩別し、粒子径100μm以上、850μm未満の粒子を得た。該αアルミナ粉末は、質量基準の粒子径分布において、100μm以上、212μm未満の領域に1つの頻度極大を示し、軽装かさ密度は2.1g/cm3であり、軽装かさ密度の高いαアルミナ粉末であった。
実施例1の方法で得られたαアルミナ粉末を篩別し、粒子径100μm以上、500μm未満の粒子を得た。該αアルミナ粉末は、質量基準の粒子径分布において、100μm以上、212μm未満の領域に1つの頻度極大を示し、軽装かさ密度は1.9g/cm3であり、軽装かさ密度の高いαアルミナ粉末であった。
実施例1の方法で得られたαアルミナ粉末を篩別し、粒子径がそれぞれ100μm(実施例4)、212μm(実施例5)、300μm(実施例6)、400μm(実施例7)、500μm(実施例8)、600μm(実施例9)、710μm(実施例10)のαアルミナ粉末を得た。いずれのαアルミナ粉末も、質量基準の粒子径分布において、100μm以上、850μm未満の領域に1つの頻度極大を示し、軽装かさ密度は1.8〜1.9g/cm3であり、軽装かさ密度の高いαアルミナ粉末であった。
実施例1の方法で得られたαアルミナ粉末を篩別し、質量基準の粒子径分布において、粒子径75μm未満の粒子が0.3質量%、2.8mmを越える粒子が12.3質量%であり、100μm以上、212μm未満の領域に1つの頻度極大を示し、粒子径が850μm以上、1mm未満の粒子含有量が3.4質量%であり、1mm以上、2mm未満の領域に1つの頻度極大を示し、D2はD1の10倍であり、M1/M2比が0.06のαアルミナ粉末を得た。該αアルミナ粉末の軽装かさ密度は1.8g/cm3であり、軽装かさ密度の高いαアルミナ粉末であった。
実施例1の方法で得られたαアルミナ粉末を篩別し、質量基準の粒子径分布において、粒子径75μm未満の粒子が2.0質量%、2.8mmを越える粒子が9.2質量%であり、425μm以上、500μm未満の領域に1つの頻度極大を示し、粒子径が850μm以上、1mm未満の粒子含有量が3.4質量%であり、1mm以上、2mm未満の領域に1つの頻度極大を示し、D2はD1の2倍であり、M1/M2比が0.14のαアルミナ粉末を得た。該αアルミナ粉末の軽装かさ密度は2.1g/cm3であり、軽装かさ密度の高いαアルミナ粉末であった。
実施例1の方法で、該αアルミナ種を、得られるαアルミナ重量100重量部に対して、0.26重量部添加し、スラリー中の水量を水酸化アルミニウム100重量部に対して、150重量部として、αアルミナ種入りαアルミナ前駆体混合物を得て、実施例1の方法で1310℃で4時間焼成し、αアルミナ粉末を得た。
実施例1の方法で、該αアルミナ種を、得られるαアルミナ重量100重量部に対して、5.6重量部添加し、スラリー中の水量を水酸化アルミニウム100重量部に対して、150重量部として、αアルミナ種入りαアルミナ前駆体混合物を得て、実施例1の方法で1310℃で4時間焼成し、αアルミナ粉末を得た。
実施例1の方法で得られた、αアルミナ種入りαアルミナ前駆体混合物を、実施例1の方法で1275℃で4時間焼成し、αアルミナ粉末を得た。
実施例1の方法で得られた、αアルミナ種入りαアルミナ前駆体混合物を、実施例1の方法で1350℃で4時間焼成し、αアルミナ粉末を得た。
実施例1の方法で得られたαアルミナ粉末を篩別し、質量基準の粒子径分布において、850μm未満の粒子径粒子を含まず、1mm以上、2mm未満の領域にのみ頻度極大を示すαアルミナ粉末を得た。該αアルミナ粉末は、2.8mmを越える粒子が14.5質量%であるが、100μm以上、850μm未満の領域に頻度極大を示さないことから、軽装かさ密度は1.7g/cm3と低くなり、坩堝への充填性が下がるため、サファイア単結晶を効率よく製造できない。
実施例1の方法で得られたαアルミナ粉末を篩別し、質量基準の粒子径分布において、710μm以上、850μm未満の領域と、1mm以上、2mm未満の領域にそれぞれ1つの頻度極大を示が、D2がD1の1.4倍であるαアルミナ粉末を得た。該αアルミナ粉末は、粒子径75μm未満の粒子が0質量%、2.8mmを越える粒子が13.6質量%であり、粒子径が850μm以上、1mm未満の粒子含有量が3.3質量%であり、M1/M2比が0.06であるが、D2がD1の1.4倍であることから、軽装かさ密度は1.7g/cm3と低くなり、坩堝への充填性が下がるため、サファイア単結晶を効率よく製造できない。
実施例1の方法で得られたαアルミナ粉末を篩別し、質量基準の粒子径分布において、100μm以上、212μm未満の領域と、1mm以上、2mm未満の領域にそれぞれ1つの頻度極大を示すが、M1/M2比が0.02のαアルミナ粉末を得た。該αアルミナ粉末は、粒子径75μm未満の粒子が0.1質量%、2.8mmを越える粒子が13.0質量%であり、粒子径が850μm以上、1mm未満の粒子含有量が3.4質量%であり、D2がD1の10倍であるが、M1/M2比が0.05未満であるために、軽装かさ密度は1.7g/cm3と低くなり、坩堝への充填性が下がるため、サファイア単結晶を効率よく製造できない。
実施例13の方法で、αアルミナ種と水酸化アルミニウムを混合し、乾燥を行わず、αアルミナ前駆体混合物を得て、実施例1の方法で1310℃で4時間焼成し、αアルミナ粉末を得た。
実施例1に記載のαアルミナ種スラリー中の水量を、水酸化アルミニウム100重量部に
対して、1000重量部として混合し、エバポレータ−で乾燥した後に、1300度で2時間焼成してαアルミナを得た。
実施例1で得られたαアルミナ種入りαアルミナ前駆体混合物を、実施例1の方法で、1100℃で2時間焼成しαアルミナ粉末を得た。
実施例1で得られたαアルミナ種入りαアルミナ前駆体混合物を、実施例1の方法で、1500℃で2時間焼成しαアルミナ粉末を得た。
実施例1で得られたαアルミナ種入りαアルミナ前駆体混合物を、実施例1の方法で、1300℃で15分間焼成しαアルミナ粉末を得た。
Claims (3)
- 純度が99.99質量%以上であり、比表面積が0.1m2/g〜2.0m2/gであり、相対密度が55%〜90%の範囲であり、
閉気孔率が4%以下であり、
JIS K 0069(1992)の乾式ふるい分け試験で求めた乾式ふるい分け粒子径の質量基準の粒子径分布において、
粒子径75μm未満の粒子が5質量%以下であり、
粒子径2.8mmを超える粒子が15質量%以下であり、
粒子径100μm以上、850μm未満の領域に1つ以上の頻度極大を示す
ことを特徴とするサファイア単結晶製造用原料であるαアルミナ粉末(ただし、粒子径はJIS Z8801(1987)で規定する標準篩のうちαアルミナ粉末が通過し得なかった標準篩の目開きの最大値である。)。 - 前記粒子径分布において
粒子径850μm以上で1mm未満の粒子が10質量%以下であり、
粒子径1mm以上の領域に1つ以上の頻度極大が現れ、
該領域に現れる頻度極大のうち最も大きな極大粒子径を示す頻度極大の極大粒子径をD2、極大値をM2とし、
粒子径100μm以上、850μm未満の領域に現れる頻度極大のうち最も小さな極大粒子径を示す頻度極大の極大粒子径をD1、極大値をM1としたとき、
D2およびD1が式(1)
2×D1 ≦ D2 ≦ 20×D1 (1)
を満足し、
M1とM2との比(M1/M2)が0.05以上
である請求項1に記載のαアルミナ粉末。 - Si、Na、Ca、Fe、CuおよびMgの含有量がそれぞれ10ppm以下である請求項1または請求項2に記載のαアルミナ粉末。
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