JP2012020916A - サファイア単結晶の製造方法およびサファイア単結晶基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属不純物、結晶欠陥(気泡)の少ないサファイア単結晶基板の製造方法およびサファイア単結晶基板を提供する。
【解決手段】サファイアインゴットの製造方法は、加熱炉内のるつぼ内に充填された固体の酸化アルミニウム(アルミナ)を、融点(2050℃)未満の温度において加熱して保持する固相での加熱工程(S101)、るつぼ内の酸化アルミニウムを、融解する溶融工程(S102)、酸化アルミニウムの融点より高い温度において加熱しつつ保持する液相での加熱工程(S103)、種結晶を回転させながら上方に引き上げることにより、種結晶の下方に肩部を形成する肩部形成工程(S105)、アルミナ融液に肩部の下端部を接触させた状態で、種結晶を介して肩部を回転させながら上方に引き上げることにより、肩部の下方に直胴部を形成する直胴部形成工程(S106)を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、サファイア単結晶の製造方法およびサファイア単結晶基板に関する。
一般に、III−V族化合物半導体層等の化合物半導体層を有する半導体発光素子は、サファイア単結晶等からなる基板上に化合物半導体層を成膜し、その上にさらに正極や負極等を設けた後、基板の被研削面を研削及び研磨し、その後、適当な形状に切断することにより発光素子チップとして調製される(特許文献1)。
高品質のサファイア単結晶の育成技術について、Si濃度の低い種結晶を用いる製法(特許文献2)、アルミナ融液中のジルコニウム(Zr)不純物を低減した製法(特許文献3)等が、提案されている。
特開2008−177525号公報 特開2008−260640号公報 特開2008−081370号公報
ところで、化合物半導体層が積層されるサファイア単結晶基板は、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)により製造された単結晶のインゴットを切り出して得られる。一般に、CZ法では、アルミナ融液からサファイア単結晶を成長させる際、製造条件のわずかな変動により、サファイア単結晶に結晶欠陥、歪が生じることが知られている。特に、直径100mm以上の大口径サファイアインゴットは、不純物の制御、歪緩和技術、温度の均一性、温度勾配などの精密制御が必要となり、インゴット全体にわたり結晶欠陥、歪、不純物の少ない結晶を作製することが困難である為、新しい育成条件の検討、最適化が必要である。
中でも、気泡などの結晶欠陥の低減が重要である。特に、大口径基板は、結晶中に気泡を取り込みやすく、品質低下の大きな要因であった。また、気泡は、切断工程などで、割れ、クラックの原因にもなり、また、表面加工収率が低下する原因でもあった。発明者は、気泡の発生原因が、主に、特定の金属元素であることを見出した。具体的には、酸化物の分解温度がサファイアの融点に近いナトリウム(Na)、バリウム(Ba)、バナジウム(V)およびこれらの化合物の低減対策が重要な課題であることを導き出した。
前記金属元素の中でNaは、原料である高純度アルミナに1〜20ppm程度含まれるとともに、作業環境、人体に多く存在するため、原料を汚染する可能性がある。
一方、結晶欠陥(気泡)、金属不純物が多いサファイア単結晶基板では、化合物半導体層をエピタキシャル成長させる工程において、良質な化合物半導体層を形成できない場合がある。すなわち、化合物半導体層の品質が、半導体発光素子の発光効率、電気特性に影響を及ぼすことになる。
本発明の目的は、金属不純物、結晶欠陥(気泡)の少ないサファイア単結晶基板の製造方法およびサファイア単結晶基板を提供することにある。
本発明によれば、下記[1]〜[7]に係る発明が提供される。
[1]チョクラルスキー法(CZ法)によるサファイア単結晶引き上げ装置において、ナトリウム(Na)濃度が1ppm以上である酸化アルミニウムの原料を、酸化アルミニウムの融点を超える温度で、るつぼ中で溶融した融液の状態で保持する液相での加熱工程と、前記るつぼ中の酸化アルミニウムの前記融液に付着させた種結晶を回転させながら引き上げることにより、当該種結晶の下方に向かって直径が大きくなる肩部を形成する肩部形成工程と、前記融液に付着させた前記肩部を回転させながら引き上げることにより、当該肩部の下方に円柱状の胴部を形成する胴部形成工程とを含むサファイア単結晶の製造方法。
[2]前記液相での加熱工程は、酸化アルミニウムの融点より30℃以上且つ300℃以下の温度において高い温度で行われることを特徴とする前項[1]に記載のサファイア単結晶の製造方法。
[3]前記液相での加熱工程における前記融液は、前記るつぼの下部から上部に向かって、当該るつぼ中の酸化アルミニウムの原料が溶融されて形成されたことを特徴とする前項[1]または[2]に記載のサファイア単結晶の製造方法。
[4]前記液相での加熱工程の前に、前記るつぼ中の酸化アルミニウムの原料を、酸化アルミニウムの融点未満の温度で保持する固相での加熱工程をさらに含むことを特徴とする前項[1]ないし[3]のいずれか1項に記載のサファイア単結晶の製造方法。
[5]前記固相での加熱工程は、1200℃以上且つ2050℃未満の温度で行われることを特徴とする前項[4]に記載のサファイア単結晶の製造方法。
[6]前記固相での加熱工程での前記るつぼ中の酸化アルミニウムの原料は、当該るつぼの下部から上部に向かって昇温されたことを特徴とする前項[4]または[5]に記載のサファイア単結晶の製造方法。
[7]前記請求項1ないし6のいずれか1項に記載のサファイア単結晶の製造方法にて製造された、ナトリウム(Na)、バリウム(Ba)およびバナジウム(V)のそれぞれの濃度が、いずれも1ppm未満である直径100mm以上のサファイア単結晶基板。
本発明によれば、本構成を有しない場合と比べ、金属不純物、結晶欠陥(気泡)が少ないサファイア単結晶が得られ、表面加工収率の向上が図れるとともに、サファイア単結晶基板上に化合物半導体層を成膜して製造した半導体発光素子は、発光特性、電気特性が向上する。
単結晶引き上げ装置の一例を説明する図である。 図1に示す単結晶引き上げ装置を用いて製造されるサファイアインゴットの構成の一例を示している。 図1に示す単結晶引き上げ装置を用いて、図2に示すサファイアインゴットを製造する手順を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態で製造される半導体発光素子の一例を説明する図である。 実施例1〜3および比較例1〜3の、固相での加熱工程および液相での加熱工程における温度と時間および評価結果を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、使用する図面は本実施の形態を説明するための一例であり、実際の大きさを表すものではない。
<単結晶引き上げ装置I>
本実施の形態では、100mm以上の大口径サファイア単結晶を育成できる所定の単結晶引き上げ装置(サファイア単結晶引き上げ装置)Iを使用し、CZ法によりサファイア単結晶のインゴット(サファイアインゴット30)を製造する。ここでは、サファイアインゴット30を製造することを、サファイア単結晶を製造すると表記する。
図1は、単結晶引き上げ装置Iの一例を説明する図である。図1に示すように、単結晶引き上げ装置Iは、サファイアの単結晶からなるサファイアインゴット30を成長させるための加熱炉10を備える。加熱炉10は断熱容器11を備える。断熱容器11は円柱状の外形を有し、その内部には円柱状の空間が形成されている。断熱容器11は、例えば、ジルコニア(ZrO)製の断熱材からなる部品を組み立てて構成される。加熱炉10は、内部の空間に断熱容器11を収容するチャンバ14を備える。加熱炉10は、チャンバ14の側面に貫通形成され、チャンバ14の外部からチャンバ14を介して断熱容器11の内部にガスを供給するガス供給管12を備える。同じく、チャンバ14の側面に貫通形成され、断熱容器11の内部からチャンバ14を介して外部にガスを排出するガス排出管13をさらに備える。
断熱容器11の内側下方には、るつぼ15が、鉛直上方に向かって開口するように配置されている。るつぼ15は、例えばイリジウム(Ir)によって構成され、酸化アルミニウムを溶融してなるアルミナ融液35を収容する。
加熱炉10は、金属製の加熱コイル16を備えている。加熱コイル16は、断熱容器11の下部側の側面外側であってチャンバ14の下部側の側面内側となる部位に巻き回されている。加熱コイル16は、断熱容器11を介して、るつぼ15の壁面と対向するとともに、上下方向に移動可能に配置されている。
加熱コイル16は、例えば、中空状の銅管によって構成され、螺旋状に巻き回され、全体としてみたときに円筒状の形状を有している。本実施の形態では、加熱コイル16の上部側の内径と下部側の内径とがほぼ同一である。これにより、巻き回された加熱コイル16によってその内部に形成される空間が円柱状となっている。また、円柱状の空間を通る加熱コイル16の中心軸は、水平方向に対しほぼ垂直、すなわち鉛直方向に沿うようになっている。るつぼ15は、加熱コイル16によって形成される円柱状の空間の内側に配置されている。そして、るつぼ15は、加熱コイル16によって形成される円形状の領域のほぼ中央となる部位に置かれる。
加熱炉10は、断熱容器11、チャンバ14それぞれの上面に設けられた貫通孔を介して上方から下方に伸びる引き上げ棒17を備えている。引き上げ棒17は、鉛直方向への移動および軸を中心とする回転が可能となるように取り付けられている。なお、チャンバ14に設けられた貫通孔と引き上げ棒17との間には、図示しないシール材が設けられている。そして、引き上げ棒17の鉛直下方側の端部には、サファイアインゴット30を成長させるための基となる種結晶31(後述する図2参照)を装着、保持させるための保持部材18が取り付けられている。
単結晶引き上げ装置Iは、引き上げ棒17を鉛直上方に引き上げるための引き上げ駆動部19および引き上げ棒17を回転させるための回転駆動部20を備えている。ここで、引き上げ駆動部19はモータ等で構成されており、引き上げ棒17の引き上げ速度を調整できるようになっている。また、回転駆動部20もモータ等で構成されており、引き上げ棒17の回転速度を調整できるようになっている。
単結晶引き上げ装置Iは、ガス供給管12を介してチャンバ14の内部にガスを供給するガス供給部21を備えている。本実施の形態において、ガス供給部21は、O源22から供給される酸素とN源23から供給される不活性ガスの一例としての窒素とを混合した混合ガスを供給する。そして、ガス供給部21は、酸素と窒素との混合比を可変することで、混合ガス中の酸素濃度を調整する。また、チャンバ14の内部に供給する混合ガスの流量の調整も行う。
単結晶引き上げ装置Iは、ガス排出管13を介してチャンバ14の内部からガスを排出する排気部24を備えている。排気部24は、例えば、真空ポンプ等を備え、チャンバ14内の減圧や、ガス供給部21から供給されたガスの排気をすることが可能である。
単結晶引き上げ装置Iは、加熱コイル16に電流を供給するコイル電源25を備える。コイル電源25は、加熱コイル16への電流の供給の有無および供給する電流量を設定する。
また、引き上げ棒17を介して引き上げ棒17の下部側に成長するサファイアインゴット30の重量を検出する重量検出部27を備える。この重量検出部27は、例えば、公知の重量センサ等を含んで構成される。
さらに、単結晶引き上げ装置Iは、加熱コイル16を上下方向に移動させるコイル駆動部28を備えている。なお、加熱コイル16を上下方向に移動することに替えて、るつぼ15を上下方向に移動できるようにしてもよい。
そして、単結晶引き上げ装置Iは、上述した引き上げ駆動部19、回転駆動部20、ガス供給部21、排気部24、コイル電源25、コイル駆動部28を制御する制御部26を備えている。また、制御部26は、重量検出部27から出力される重量信号に基づき、引き上げられるサファイアインゴット30の結晶直径の計算をおこない、コイル電源25にフィードバックする。
<サファイアインゴット30>
図2は、図1に示す単結晶引き上げ装置Iを用いて製造されるサファイアインゴット30の構成の一例を示している。
このサファイアインゴット30は、サファイアインゴット30を成長させるための基となる種結晶31と、種結晶31の下部に延在しこの種結晶31と一体化した肩部32と、肩部32の下部に延在し肩部32と一体化した直胴部(胴部)33と、直胴部33の下部に延在し直胴部33と一体化した尾部34とを備えている。本実施の形態では、このサファイアインゴット30においては、上方の種結晶31側から下方の尾部34側に向けてc軸方向にサファイアの単結晶が成長している。
ここで、肩部32は、種結晶31側から直胴部33側に向けて、徐々にその直径が拡大していく形状を有している。また、直胴部33は、上方から下方に向けてその直径がほぼ同じとなるような形状を有している。なお、直胴部33の直径は、予め設計されたサファイア単結晶基板110(後述する図4参照)の直径よりもわずかに大きな値に設定される。
なお、直胴部33は胴部である。しかし、円柱状であることから直胴部と呼ぶ。
発明者は、気泡発生は酸化物などとして含まれる金属化合物の分解によるものであることを見出し、特定の元素の濃度に着目することで、結晶欠陥を低減できることを導き出した。
すなわち、サファイアインゴット30の育成前に、原料である酸化アルミニウム(アルミナ)中に存在し、サファイアインゴット30の結晶育成温度に近い温度で分解する金属不純物、例えば、ナトリウム(Na)、バリウム(Ba)、バナジウム(V)を除去することが重要である。この中でも、アルミナ融液35に混入しやすく、環境に多く存在するNaが、特に重要であることを見出した。なお、これらの金属不純物は多くは酸化物として含まれている。気泡の原因は、これらの酸化物が、分解、蒸発したガスが、サファイア単結晶であるサファイアインゴット30に取り込まれることによることを導き出した。
これらの金属化合物を除去する手段の1つとして、サファイアインゴット30の育成の前に、サファイアインゴット30の原料である酸化アルミニウム(アルミナ)を高温で加熱(ベーク)することが有効である。
高温における加熱は減圧下で行うことが望ましい。また、るつぼ15の上部と下部に温度差をつけて加熱することにより、対流を促進させることも好適な方法である。
NaOは、分解温度が1950℃、BaOは、沸点が2000℃、Vは、分解温度が1750℃である。よって、高温における加熱によって、これらの金属酸化物を、サファイアインゴット30の育成の前に分解または揮発させることで、サファイアインゴット30への気泡、金属の取り込みが抑制できる。
一方、Naの源になる塩化ナトリウム(NaCl)は、環境や作業者から原料への混入される場合がある。NaClの融点は801℃、沸点は1413℃である。主に、原料が溶解する前の固相の状態で加熱することにより蒸発させ、サファイアインゴット30への取り込みを抑制できる。
本方法の他に、原料である酸化アルミニウムの精製や前処理、断熱容器11を構成する断熱材の高純度化、チャンバ14内の雰囲気の清浄化など、不純物の混入を抑制する対策も有効である。
酸化アルミニウムが固相の状態で加熱する場合の加熱温度は、前記3つの金属酸化物が分解または蒸発し始める温度が望ましく、NaClが減圧下で蒸発すること考慮し、低くても1200℃以上、望ましくは、1750℃以上である。固相で行うため、酸化アルミニウムの融点(2050℃)未満、望ましくは、2000℃未満、さらに1800℃未満が好適である。固相の状態で加熱する場合は、分解物、蒸発物が雰囲気中に放出されやすい利点がある。
これらにより、サファイア単結晶基板110(後述する図4参照)の金属の不純物濃度の低減と伴に、サファイア単結晶基板110内の気泡が低減できることを見出した。微細な気泡も、サファイア単結晶基板110上にエピタキシャル成長されるIII族化合物半導体層100(後述する図4参照)の膜質に影響を及ぼすと考えられる。これらの方法により、大口径のサファイアインゴット30中のNa濃度が低下し、安定的に1ppm未満の高純度のサファイア単結晶の育成が可能となった。さらに、条件を適正化することにより、0.5ppm未満のNa濃度が達成された。
<サファイアインゴット30を製造する手順>
図3は、図1に示す単結晶引き上げ装置Iを用いて、図2に示すサファイアインゴット30を製造する手順を説明するためのフローチャートである。
サファイアインゴット30の製造にあたっては、まず、加熱炉10内のるつぼ15内に充填された固体の酸化アルミニウム(アルミナ)を、融点(2050℃)未満の温度において加熱(ベーク)して保持する固相での加熱工程を実行する(ステップ101)。
次いで、るつぼ15内の酸化アルミニウムを、融解する溶融工程を実行する(ステップ102)。
そして、酸化アルミニウムの融点より高い温度において加熱(ベーク)しつつ保持する液相での加熱工程を実行する(ステップ103)。
次に、酸化アルミニウムの融液すなわちアルミナ融液35に種結晶31の下端部を接触させる(ステップ104)。その状態で、種結晶31を回転させながら上方に引き上げることにより、種結晶31の下方に肩部32を形成する肩部形成工程を実行する(ステップ105)。
引き続いて、アルミナ融液35に肩部32の下端部を接触させた状態で、種結晶31を介して肩部32を回転させながら上方に引き上げることにより、肩部32の下方に直胴部(胴部)33を形成する直胴部形成工程(胴部形成工程)を実行する(ステップ106)。
さらに引き続いて、アルミナ融液35に直胴部33の下端部を接触させた状態で、種結晶31および肩部32を介して直胴部33を回転させながら上方に引き上げてアルミナ融液35から引き離すことにより、直胴部33の下方に尾部34を形成する尾部形成工程を実行する(ステップ107)。
その後、得られたサファイアインゴット30が冷却された後に加熱炉10の外部に取り出され、一連の製造工程を完了する。
次に、インゴット状態で、サファイアインゴット30の熱処理を行いインゴット内の温度分布によって生じた歪を緩和する。例えば、サファイアインゴット30が直径100mm相当であれば、1200℃以上で、3時間以上、望ましくは、1500℃以上で5時間以上の条件で熱処理を実施する。昇温、降温速度は、1.0℃/分〜10.0℃/分、望ましくは2.0℃/分〜7.0℃/分である。
これらの条件は、サファイア単結晶基板110(後述する図4参照)の直径(サイズ)が大きくなれば、例えば、直径150mmになれば、温度を高く、時間を長くした条件が好適な範囲となる。
次に、このようにして得られたサファイアインゴット30は、先ず、肩部32と直胴部33との境界および直胴部33と尾部34との境界においてそれぞれ切断され、直胴部33が切り出される。次に、切り出された直胴部33は、さらに、例えば、マルチワイヤーソーにより、サファイアインゴット30の長手方向と直交する方向に切断され、表面が研磨されてサファイア単結晶基板110となる。このとき、本実施の形態のサファイアインゴット30は、サファイア単結晶のc軸方向に結晶成長していることから、得られるサファイア単結晶基板110の主面は、サファイア単結晶のC面((0001)面)となる。
なお、化合物半導体層の成長条件によっては、基板の主面をC面からオフ角を付けて加工しても良い。また、C面以外で切り出すことも可能である。
では、上述した各工程について具体的に説明を行う。ただし、ここでは、ステップ101の固相での加熱工程の前に実行される準備工程から順を追って説明を行う。
(準備工程)
準備工程では、まず、引き上げ棒17の保持部材18に種結晶31を取り付け、所定の位置にセットする。このとき、種結晶31の下端にサファイアのC面((0001)面)が露出するようにする。次に、るつぼ15内に酸化アルミニウムの原料を充填し、ジルコニア製の断熱材からなる部品を用いて断熱容器11を組み立てる。なお、原料である酸化アルミニウムは、粉末または微細な結晶片である。原料の酸化アルミニウム中のNa濃度は、1〜10ppm程度である。さらに、1ppm未満に純度をあげるためには、精製処理など高度な技術が必要で、生産性も低下し、原料のコストの上昇を招く。また、徹底したNa汚染対策を施した作業環境、作業方法の整備も、生産性の低下につながる。
一方、原料中のV、Baは、1ppm未満の低濃度であるが、製造メーカー、製造時期などにより、濃度が変動する場合がある。
そして、ガス供給部21からのガス供給を行わない状態で、排気部24を用いて断熱容器11内を減圧する。
このとき、断熱容器11内は、1Pa以下、好ましくは10−3Pa以下、さらに好ましくは10−5Pa以下に減圧される。
(固相での加熱工程)
次に、るつぼ15内に充填された固体の酸化アルミニウムを、1200℃以上且つ酸化アルミニウムの融点(2050℃)未満の温度において、加熱(ベーク)する。すなわち、酸化アルミニウムは溶解しないので固相における加熱となる。なお、加熱する温度が1800℃を超えると、サファイアインゴット30の原料である酸化アルミニウムの粉末または結晶片同士が融着し、金属化合物の分解および金属化合物の揮発を阻害する。よって、加熱する温度は、1200℃以上且つ1800℃未満が好ましい。
また、固相での加熱工程において、原料である酸化アルミニウムを充填するるつぼ15の最下端から加熱をおこない、るつぼ15の下方から上方へと順次、原料の酸化アルミニウムの加熱を行うことが好ましい。これにより、NaClなどの金属化合物および金属化合物が分解してできた金属、酸素などのガスの揮発が促進され、好ましい。
るつぼ15の加熱は、コイル電源25が加熱コイル16に高周波の交流電流(以下の説明では高周波電流と呼ぶ。)を供給することで行われる。コイル電源25から加熱コイル16に高周波電流が供給されると、加熱コイル16の周囲において磁束が生成・消滅を繰り返す。そして、加熱コイル16で生じた磁束が、断熱容器11を介して、るつぼ15を横切ると、るつぼ15の壁面にはその磁界の変化をさまたげるような磁界が発生し、それによってるつぼ15内に渦電流が発生する。そして、るつぼ15は、渦電流(I)によってるつぼ15の表皮抵抗(R)に比例したジュール熱(W=IR)が発生し、るつぼ15が加熱されることになる。るつぼ15が加熱され、それに伴って、るつぼ15内に収容される酸化アルミニウムが加熱される。
そして、るつぼ15の下方から上方へと加熱するには、コイル駆動部28により、加熱コイル16の上下方向の中心位置をるつぼ15の下端部に移動させたのち、コイル電源25から加熱コイル16に通電して、るつぼ15の誘導加熱を開始するとともに、コイル駆動部28により、徐々に加熱コイル16を上方に移動させればよい。
なお、るつぼ15は、加熱コイル16に隣接した部分がもっとも加熱されるが、熱伝導により、るつぼ15全体の温度も上昇していく。
固相での加熱工程は、少なくとも1時間以上、好ましくは2時間以上行うことが好ましい。生産性を考慮し、10時間未満が望ましい。
なお、金属化合物および金属化合物が分解してできた金属、酸素などのガスの揮発を促進するため、断熱容器11内は減圧状態に保つのが好ましい。また、不活性ガスを流すことも望ましい。
(溶融工程)
次いで、るつぼ15内の酸化アルミニウムを完全に融解させ、アルミナ融液35とする。
原料である酸化アルミニウムを充填するるつぼ15の最下端から酸化アルミニウムの融解を開始させ、るつぼ15の下方から上方へと順次、原料の酸化アルミニウムの融解を行うことが好ましい。これには、固相での加熱工程が終了した後に、コイル駆動部28により、加熱コイル16の上下方向の中心位置をるつぼ15の下端部に移動させたのち、酸化アルミニウムを完全に融解させる温度にするための電流を、コイル電源25から加熱コイル16に通電するとともに、コイル駆動部28により、徐々に加熱コイル16を上方に移動させればよい。
これにより、金属化合物および金属化合物が分解してできた金属、酸素などのガスの揮発が促進される。このとき、酸化アルミニウムを急速に融解させると、金属化合物および金属化合物が分解してできた金属、酸素などのガスが排出される前にアルミナ融液35中に取り残される。よって、原料である酸化アルミニウムを完全に融解させるまでに少なくとも3時間以上、好ましくは10時間以上をかける必要がある。
なお、溶融工程においても、金属化合物および金属化合物が分解してできた金属、酸素などのガスの揮発を促進するため、断熱容器11内は減圧状態に保つのが好ましい。また、不活性ガスを流すことも望ましい。
(液相での加熱工程)
次いで、アルミナ融液35を、酸化アルミニウムの融点より30℃〜300℃高い温度で保持する。加熱温度がこの温度範囲より低いと、分解物、気泡が抜けにくいため、数時間の処理では効果がなく、長時間の加熱が必要になると考えられ、生産性が著しく低下する。一方、加熱温度がこの温度範囲より高い場合は、るつぼ15、断熱容器11など加熱炉10の損傷が大きくなるため、装置上の限界が存在する。このとき、原料である酸化アルミニウムは溶融して液相となっている。保持する時間は、例えば2〜20時間である。
なお、液相での加熱工程においても、金属化合物、金属化合物が分解してできた金属、酸素などのガスの揮発を促進するため、断熱容器11内は減圧状態に保つのが好ましい。また、不活性ガスを流すことも望ましい。
なお、固相での加熱工程および液相での加熱工程における温度および時間は原料である酸化アルミニウムを入れるるつぼ15の材質および原料である酸化アルミニウムの粉末または結晶片に含まれる不純物としての金属化合物の濃度によって変更すればよい。
(肩部形成工程)
肩部形成工程では、ガス供給部21がO源22およびN源23を用いて窒素および酸素を所定の割合で混合させた混合ガスを断熱容器11内に供給する。ただし、肩部形成工程においては、後述するように、必ずしも酸素と窒素との混合ガスを供給する必要はなく、例えば窒素のみを供給するようにしても差し支えない。
また、コイル電源25は、引き続き加熱コイル16に高周波電流の供給を行い、るつぼ15を介してアルミナ融液35を加熱する。
さらに、引き上げ駆動部19は、保持部材18に取り付けられた種結晶31の下端がるつぼ15内のアルミナ融液35と接触する位置まで引き上げ棒17を下降させて停止させた後、引き上げ棒17を第1の引き上げ速度にて引き上げる。
さらにまた、回転駆動部20は、引き上げ棒17を第1の回転速度で回転させる。
すると、種結晶31は、その下端部がアルミナ融液35に浸った状態で回転されつつ引き上げられることになり、種結晶31の下端には、鉛直下方に向かって拡開する肩部32が形成されていく。
なお、所謂4インチ(直径100mm)のウェーハを得るためのサファイアインゴット30を製造する場合、肩部32の直径がほぼ120mm程度になった時点で、肩部形成工程を完了する。気泡は、直径が大きいほど取り込まれやすい。
(直胴部形成工程)
直胴部形成工程では、ガス供給部21がO源22およびN源23を用いて窒素および酸素を所定の割合で混合させ、酸素濃度を0.6%以上3.0%以下の範囲に設定した混合ガスを断熱容器11内に供給する。
また、コイル電源25は、引き続き加熱コイル16に高周波電流の供給を行い、るつぼ15を介したアルミナ融液35を加熱する。
さらに、引き上げ駆動部19は、引き上げ棒17を第2の引き上げ速度にて引き上げる。ここで第2の引き上げ速度は、肩部形成工程における第1の引き上げ速度と同じ速度であってもよいし、異なる速度であってもよい。
さらにまた、回転駆動部20は、引き上げ棒17を第2の回転速度で回転させる。ここで、第2の回転速度は、肩部形成工程における第1の回転速度と同じ速度であってもよいし、異なる速度であってもよい。
種結晶31と一体化した肩部32は、その下端部がアルミナ融液35に浸った状態で回転されつつ引き上げられることになるため、肩部32の下端部には、好ましくは円柱状の直胴部33が形成されていく。直胴部33の直径は、所定の口径以上であればよい。
なお、直胴部形成工程において、鉛直上方に引き上げられる直胴部33の下端は、アルミナ融液35と接触した状態を維持している。
(尾部形成工程)
尾部形成工程では、ガス供給部21がO源22およびN源23を用いて窒素および酸素を所定の割合で混合させ、酸素濃度を上記直胴部形成工程よりも高く設定した混合ガスを断熱容器11内に供給する。ただし、尾部形成工程における混合ガス中の酸素濃度は、1.0%以上且つ5.0%以下の範囲に設定される。
また、コイル電源25は、引き続き加熱コイル16に高周波電流の供給を行い、るつぼ15を介してアルミナ融液35を加熱する。
さらに、引き上げ駆動部19は、引き上げ棒17を第3の引き上げ速度にて引き上げる。ここで第3の引き上げ速度は、肩部形成工程における第1の引き上げ速度あるいは直胴部形成工程における第2の引き上げ速度と同じ速度であってもよいし、これらとは異なる速度であってもよい。
さらにまた、回転駆動部20は、引き上げ棒17を第3の回転速度で回転させる。ここで、第3の回転速度は、肩部形成工程における第1の回転速度あるいは直胴部形成工程における第2の回転速度と同じ速度であってもよいし、これらとは異なる速度であってもよい。
なお、尾部形成工程の序盤において、尾部34の下端は、アルミナ融液35と接触した状態を維持する。
そして、予め定められた時間が経過した尾部形成工程の終盤において、引き上げ駆動部19は、引き上げ棒17の引き上げ速度を増速させて引き上げ棒17をさらに上方に引き上げさせることにより、尾部34の下端をアルミナ融液35から引き離す。これにより、図2に示すサファイアインゴット30が得られる。
なお、本実施の形態では、酸素と窒素とを混合した混合ガスを用いていたが、これに限られるものではなく、例えば酸素と不活性ガスの一例としてのアルゴンとを混合したものを用いてもかまわない。
また、本実施の形態では、所謂電磁誘導加熱方式を用いて、るつぼ15の加熱を行ったが、これに限られるものではなく、例えば抵抗加熱方式を採用するようにしても差し支えない。抵抗加熱方式で、るつぼ15を回転できる構造の場合は、各加熱工程において、撹拌のためにるつぼ15を回転することが望ましい。
上述したようにして製造されたサファイアインゴット30から、前述したようにサファイア単結晶基板110が製造される。サファイア単結晶基板110は、光学顕微鏡により、気泡の有無を目視で観察して、気泡の有無が判断された。このとき、観察可能な気泡の大きさは、1μm以上であった。
また、サファイア単結晶基板110の表面は、半導体発光素子(LC)として用いられる場合には、化合物半導体層の結晶性の向上、発光効率向上のため、平滑化または凹凸加工されることが望ましい。
なお、上述したように製造されたサファイアインゴット30は、サファイアインゴット30の長手方向と直交する方向に切断する工程および表面を研磨する工程における割れやクラックなどの発生が非常に小さく、良好な加工収率であった。
<半導体発光素子(LC)>
次に、上述したサファイアインゴット30の製造方法により、製造されたサファイア単結晶基板110を用いて製造した半導体発光素子(LC)について説明する。
本実施の形態において半導体発光素子(LC)は、直径100mm、厚さ約900μmのサファイア単結晶基板110(後述する図4参照)上にIII族化合物半導体層を成膜し、次いで、III族化合物半導体層を成膜したサファイア単結晶基板110の裏面を予め定めた厚さになるように研削し、ラッピング処理を経てたのち、チップの大きさに切断して形成される。
次に、本実施の形態が適用される半導体発光素子(LC)の製造方法により製造される半導体発光素子(LC)の構成を説明する。本実施の形態において製造される半導体発光素子(LC)は、サファイア単結晶基板110と基板上に成膜された化合物半導体層とを有している。化合物半導体層を構成する化合物半導体としては、例えば、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体、IV−IV族化合物半導体等が挙げられる。本実施の形態では、III−V族化合物半導体が好ましく、中でも、III族窒化物化合物半導体が好ましい。以下に、III族窒化物化合物半導体から構成された化合物半導体層を有する半導体発光素子(LC)を例に挙げて説明する。
図4は、本実施の形態で製造される半導体発光素子(LC)の一例を説明する図である。
図4に示すように、半導体発光素子(LC)は、サファイア単結晶基板110上に形成された中間層120の上に、下地層130とIII族化合物半導体層100とを有している。III族化合物半導体層100は、n型半導体層140、発光層150、p型半導体層160が順次積層されている。半導体層を形成するサファイア単結晶基板110表面を微細な凸形状を多数配置するように加工することは、発光出力向上に効果がある為、望ましい。
さらに、p型半導体層160上に透明正極170が積層され、その上に正極ボンディングパッド180が形成されるとともに、n型半導体層140のn型コンタクト層140aに形成された露出領域140cに負極190が積層されている。
ここで、下地層130上に成膜されたn型半導体層140は、n型コンタクト層140a及びn型クラッド層140bを有する。発光層150は、障壁層150a及び井戸層150bが交互に積層された構造を有する。p型半導体層160は、p型クラッド層160a及びp型コンタクト層160bが積層されている。
本実施の形態では、サファイア単結晶基板110上に成膜された化合物半導体層(中間層120、下地層130及びIII族化合物半導体層100を合わせた層)の合計の厚さは、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上、さらに望ましくは8μm以上である。また、これらの合計の厚さは、好ましくは15μm以下がよい。
次に、半導体発光素子(LC)を構成する各層の材料について説明する。
(中間層120)
本実施の形態では、III族化合物半導体層100を有機金属化学気相成長法(MOCVD)により成膜する際に、バッファ機能を発揮する中間層120をサファイア単結晶基板110上に設けることが好ましい。特に、中間層120が単結晶構造であることは、バッファ機能の面から好ましい。単結晶構造を有する中間層120をサファイア単結晶基板110上に成膜した場合、中間層120のバッファ機能が有効に作用し、中間層120上に成膜される下地層130とIII族化合物半導体層100は、良好な配向性及び結晶性を持つ結晶膜となる。
中間層120は、Alを含有することが好ましく、III族窒化物であるAlNを含むことが特に好ましい。中間層120を構成する材料としては、一般式AlGaInNで表されるIII族窒化物化合物半導体であれば特に限定されない。さらに、V族として、AsやPが含有されても良い。中間層120が、Alを含む組成の場合、AlGaNとすることが好ましく、III族元素の内Alの組成が50%以上であることが好ましい。
(下地層130)
下地層130に用いる材料としては、Gaを含むIII族窒化物(GaN系化合物半導体)が用いられ、特に、AlGaN、又はGaNを好適に用いることができる。下地層130の膜厚は0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。
(n型半導体層140)
n型半導体層140は、n型コンタクト層140a及びn型クラッド層140bから構成される。n型コンタクト層140aとしては、下地層130と同様にGaN系化合物半導体が用いられる。また、下地層130及びn型コンタクト層140aを構成する窒化ガリウム系化合物半導体は同一組成であることが好ましく、これらの合計の膜厚を0.1μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜15μm、さらに好ましくは1μm〜12μmの範囲に設定することが好ましい。n型コンタクト層140aは、電流が流れるため、薄い場合、抵抗が高くなり電気特性上好ましくない。また、厚い場合は、成長時間、材料費が増大し、生産性、コスト面から、好ましくない。
n型クラッド層140bは、AlGaN、GaN、GaInN等によって形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。GaInNとする場合には、後述する発光層150を構成する井戸層150bのGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましい。n型クラッド層140bの膜厚は、好ましくは5nm〜500nm、より好ましくは5nm〜100nmの範囲である。
(発光層150)
発光層150は、窒化ガリウム系化合物半導体からなる障壁層150aと、インジウムを含有する窒化ガリウム系化合物半導体からなる井戸層150bとが交互に繰り返して積層され、且つ、n型半導体層140側及びp型半導体層160側に障壁層150aが配される順で積層して形成される。本実施の形態では、発光層150は、6層の障壁層150aと5層の井戸層150bとが交互に繰り返して積層されている。
井戸層150bには、インジウムを含有する窒化ガリウム系化合物半導体として、例えば、Ga1−sInN(0<s<0.4)等の窒化ガリウムインジウムを用いることができる。
障壁層150aとしては、インジウムを含有した窒化ガリウム系化合物半導体からなる井戸層150bよりもバンドギャップエネルギーが大きいAlGa1−cN(0≦c≦0.3)等の窒化ガリウム系化合物半導体を好適に用いることができる。
(p型半導体層160)
p型半導体層160は、p型クラッド層160a及びp型コンタクト層160bから構成される。p型クラッド層160aとしては、好ましくは、AlGa1−dN(0<d≦0.4)が挙げられる。p型クラッド層160aの膜厚は、好ましくは1nm〜400nmであり、より好ましくは5nm〜100nmである。
p型コンタクト層160bとしては、少なくともAlGa1−eN(0≦e<0.5)を含んでなる窒化ガリウム系化合物半導体層が挙げられる。p型コンタクト層160bの膜厚は、特に限定されないが、10nm〜500nmが好ましく、より好ましくは50nm〜200nmである。
(透明正極170)
透明正極170を構成する材料としては、例えば、ITO(In−SnO)、AZO(ZnO−Al)、IZO(In−ZnO)、GZO(ZnO−Ga)等の従来公知の材料が挙げられる。また、透明正極170の構造は特に限定されず、従来公知の構造を採用することができる。透明正極170は、p型半導体層160上のほぼ全面を覆うように形成しても良く、格子状や樹形状に形成しても良い。
(正極ボンディングパッド180)
透明正極170上に形成される電極としての正極ボンディングパッド180は、例えば、従来公知のAu、Al、Ni、Cu等の材料から構成される。正極ボンディングパッド180の構造は特に限定されず、従来公知の構造を採用することができる。
正極ボンディングパッド180の厚さは、100nm〜1,000nmの範囲内であり、好ましくは300nm〜500nmの範囲内である。
(負極190)
図4に示すように、負極190は、サファイア単結晶基板110上に成膜された中間層120及び下地層130の上にさらに成膜されたIII族化合物半導体層100(n型半導体層140、発光層150及びp型半導体層160)において、n型半導体層140のn型コンタクト層140aに接するように形成される。このため、負極190を形成する際は、p型半導体層160、発光層150及びn型半導体層140の一部を除去し、n型コンタクト層140aの露出領域140cを形成し、この上に負極190を形成する。
負極190の材料としては、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
本実施の形態では、先ず、サファイア単結晶基板110上に、V族元素を含むガスと金属材料とをプラズマで活性化して反応させ、III族窒化物からなる中間層120を成膜する。続いて、成膜した中間層120上に、下地層130、n型半導体層140、発光層150、及びp型半導体層160を順次積層する。
本実施の形態では、サファイア単結晶基板110上にIII族窒化物化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させる際、中間層120は、スパッタ法を用いて、プラズマで活性化して反応した原料をサファイア単結晶基板110上に成膜することが好ましい。ここで、V族元素を窒素とし、中間層120を成膜する際のガス中における窒素のガス分率を50%〜99%以下の範囲とするとともに、中間層120を単結晶構造として形成する。これにより、短時間で結晶性の良い中間層120が、異方性を持つ配向膜としてサファイア単結晶基板110上に成膜される。その結果、中間層120上に、中間層120を設けない場合と比較して、結晶性の良好なIII族窒化物化合物半導体が成長する。
本実施の形態では、中間層120をスパッタ法によって形成した後、その上に、有機金属化学気相成長法(MOCVD)によって、下地層130、n型半導体層140、発光層150及びp型半導体層160を順次成膜することが好ましい。
MOCVD法では、キャリアガスとして、例えば、水素(H)又は窒素(N)等が用いられる。III族原料であるGa源として、トリメチルガリウム(TMG)、トリエチルガリウム(TEG)等が用いられる。Al源として、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)等が用いられる。In源として、トリメチルインジウム(TMI)、トリエチルインジウム(TEI)等が用いられる。V族原料であるN源として、アンモニア(NH)、ヒドラジン(N)等が用いられる。
ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH)、ジシラン(Si)等が用いられる。Ge原料として、ゲルマンガス(GeH)、テトラメチルゲルマニウム((CHGe)、テトラエチルゲルマニウム((CGe)等の有機ゲルマニウム化合物を利用できる。
尚、窒化ガリウム系化合物半導体は、Al、Ga、In以外にも、他の元素を含有してもよい。例えば、Ge、Si、Mg、Ca、Zn、Be等のドーパント元素が挙げられる。さらに、意図的に添加した元素に限らず、成膜条件等に依存して必然的に含まれる不純物や、原料、反応管材質に含まれる微量不純物を含む場合もある。
尚、下地層130をMOCVD法によって形成した後、n型コンタクト層140a及びn型クラッド層140bの各層をスパッタ法で形成し、その上の発光層150をMOCVD法で形成し、次いで、p型半導体層160を構成するp型クラッド層160a及びp型コンタクト層160bの各層を反応性スパッタ法で形成してもよい。
前述した直径100mm、厚さ約900μmを有するサファイア単結晶基板110上に中間層120、下地層130及びIII族化合物半導体層100を成膜した後、III族化合物半導体層100のp型半導体層160上に透明正極170が積層され、その上に正極ボンディングパッド180が形成される。さらに、n型半導体層140のn型コンタクト層140aに形成された露出領域140cに負極190が設けられたウェーハが形成される。
前述した化合物半導体層を成膜したサファイア単結晶基板110は、その後、サファイア単結晶基板110の被研削面(裏面)を、予め定めた厚さになるまで研削及び研磨する。本実施の形態では、市販の研削機(図示せず)にウェーハを取り付け、研削工程により、ウェーハのサファイア単結晶基板110の厚さは、例えば、約900μmから約120μm迄減少する。
次いで、サファイア単結晶基板110の厚さが調整されたウェーハは、例えば、350μm角の正方形に切断することにより、サファイア単結晶基板110上に中間層120、下地層130及びIII族化合物半導体層100が成膜された半導体発光素子(LC)が形成される。
上述したように、本実施の形態では、単結晶のサファイアインゴット30から切り出した所定の厚さのサファイア単結晶基板110を使用し、その被成膜面には、III族化合物半導体層のエピタキシャル成長が良好に行われる。そして、このようなサファイア単結晶基板110とIII族化合物半導体層100とを有する半導体発光素子(LC)は、発光特性、電気特性が良好である。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施の形態において説明した単結晶引き上げ装置I(図1参照)を用いて、サファイアインゴット30を作製した。
まず、準備工程として、イリジウム(Ir)のるつぼ15に高純度の酸化アルミニウムの原料(Na濃度=5ppm)を投入し、断熱容器11を0.1Paに減圧した。
その後、図3に示した固相での加熱工程として、加熱コイル16に高周波電流を供給することにより、酸化アルミニウムの融点(2050℃)未満の温度である1700℃において、2時間、加熱保持した(ステップ101)。
その後、図3に示した溶融工程として、るつぼ15の温度を、2100℃に上げて、酸化アルミニウムを溶融し、アルミナ融液35とした(ステップ102)。
次いで、図3に示した液相での加熱工程として、るつぼ15の温度を2150℃に4時間、維持するとともに、るつぼ15下部の温度を2150℃に対して20℃上げて対流を促進した(ステップ103)。
その後、図3の種付け工程として、るつぼ15の温度を2050℃に下げ、断熱容器11の圧力を大気圧に上昇させ、窒素ガスを供給した状態でサファイアインゴット30の引き上げを開始した(ステップ104)。
肩部32を形成(ステップ105)し、直径が約100mmの直胴部33を形成し(ステップ106)、長さ約20cmのサファイアインゴット30を作製した。
単結晶引き上げ装置Iから、サファイアインゴット30を取り出し、1200℃で4時間、熱処理(アニール)して、サファイアインゴット30の熱歪を除去した。
サファイアインゴット30から、厚さ約1mmの板を切り出し、表面、裏面を研磨し、厚さ約900μmのサファイア単結晶基板110を得た。
次に、光学顕微鏡にて、気泡の有無を観察した。また、グロー放電質量分析(GD−MS)法により、サファイア単結晶基板110中の不純物を分析した。
図5は、実施例1〜3および比較例1〜3の、固相での加熱工程および液相での加熱工程における温度および時間と評価結果とを示す。
評価結果は、光学顕微鏡において観察した気泡の有無、GD−MS法により分析したサファイア単結晶基板110中のNa、V、Baの濃度、サファイア単結晶基板110を用いて作製した半導体発光素子(LC)の特性である。なお半導体発光素子(LC)の特性は、発光強度Po(mW)、順方向電流が20mAにおける順方向電圧VF(V)、逆方向電圧20Vにおける逆方向電流Ir(μA)である。
ここで、発光強度Poは大きいほど、順方向電圧VFは小さいほど、逆方向電流Irは小さいほど、半導体発光素子(LC)の特性がよいことになる。
なお、光学顕微鏡において観察では、微細な気泡(例えば、1μm未満)は見出すことが困難であった。
実施例1〜3および比較例1〜3におけるサファイア単結晶基板110の直径は、100mmである。
なお、実施例1〜3および比較例1〜3における半導体発光素子(LC)は、実施の形態に記載した条件で作製され、同一の形状を有している。そして、半導体発光素子(LC)の特性は、半導体発光素子(LC)が形成されたウェーハ面から、均等に20個の半導体発光素子(LC)を取り出して測定した特性の平均値である。
実施例1〜3および比較例1〜3における半導体発光素子(LC)の発光の中心波長λdは450nmであった。
実施例1では、気泡は観測されず、結晶欠陥を発生させやすい金属不純物であるNaは0.3ppm、V、Baは検出限界0.1ppm以下と低濃度であった。
そして、実施例1では、気泡が観測されず、Na、V、Baの濃度が低いこと、すなわち結晶欠陥が少ないことを反映して、半導体発光素子(LC)の特性は、発光出力Po=20mW、VF(20mA)=3.1V、Ir(20V)=0μAと良好であった。
実施例2は、固相での加熱温度を2000℃で2時間、液相での加熱温度を2100℃で4時間実施した。気泡は観測されず、結晶欠陥を発生させやすい金属不純物であるNaは0.6ppm、V、Baは検出限界0.1ppm以下と低濃度であった。半導体発光素子(LC)の特性は、発光出力Po=20mW、VF(20mA)=3.1V、Ir(20V)=0μAと良好であった。
実施例3は、固相での加熱工程をなくし、液相での加熱温度を2080℃で4時間に変更した。気泡は観測されず、結晶欠陥を発生させやすい金属不純物であるNaは、0.9ppm、V、Baは検出限界0.1ppm以下と低濃度であった。半導体発光素子(LC)の特性は、発光出力Po=20mW、VF(20mA)=3.1V、Ir(20V)=1μAと良好であった。
一方、比較例1は、固相での加熱工程および液相での加熱工程を設けていない。気泡が観測され、結晶欠陥を発生させやすい金属不純物であるNaは3ppm、Vは0.5ppm、Baは0.4ppmであった。半導体発光素子(LC)の特性は、発光出力Po=15mW、VF(20mA)=3.3V、Ir(20V)=4μAで、実施例1〜3に比較して劣る結果であった。
また、比較例2は、固相での加熱工程の条件を1100℃で2時間に変更した。液相での加熱工程を設けていない。気泡が観測され、結晶欠陥を発生させやすい金属不純物であるNaは2ppm、Vは0.2ppm、Baは0.4ppmであった。半導体発光素子(LC)の特性は、発光出力Po=16mW、VF(20mA)=3.2V、Ir(20V)=3μAで、実施例1〜3に比較して劣る結果であった。
比較例3は、固相での加熱工程はなく、液相での加熱工程の条件を2060℃で4時間に変更した。気泡が観測され、結晶欠陥を発生させやすい金属不純物であるNaは1.3ppm、V、Baは検出限界0.1ppm以下であった。半導体発光素子(LC)の特性は、発光出力Po=18mW、VF(20mA)=3.2V、Ir(20V)=2μAで、実施例1〜3に比較して劣る結果であった。
図5にまとめて示すように、実施例1〜3では、気泡が観測されず、Na、V、Baの濃度が低く、半導体発光素子(LC)の特性も良好であった。
これに対し、比較例1〜3では、気泡の発生が観察されるとともに、Na、V、Baの濃度が、実施例1〜3に比べて高い。また、半導体発光素子(LC)も、実施例1〜3に比べ、発光出力Poが低く、逆方向電流Irが高くなっている。
以上説明したように、サファイア単結晶基板110に見られる気泡は、不純物として含まれるNa、V、Baの酸化物などの金属化合物に起因して発生する。そして、これらの不純物として含まれる金属化合物の濃度は、サファイアインゴット30を引き上げる前に、原料である酸化アルミニウムの融点未満の温度で加熱する固相での加熱工程と、融点以上の温度で加熱する液相での加熱工程とを設けることで、減少させることができる。
なお、固相での加熱工程を設けず、液相での加熱工程だけを用いてもよい。
これにより、サファイア単結晶基板110の結晶欠陥および気泡の発生を抑制することで、サファイア単結晶基板110に形成される半導体発光素子(LC)の特性が向上する。
10…加熱炉、11…断熱容器、12…ガス供給管、13…ガス排出管、14…チャンバ、15…るつぼ、16…加熱コイル、17…引き上げ棒、19…駆動部、30…サファイアインゴット、31…種結晶、32…肩部、33…直胴部、34…尾部、35…アルミナ融液、100…III族化合物半導体層、110…基板、120…中間層、130…下地層、140…n型半導体層、150…発光層、160…p型半導体層、170…透明正極、180…正極ボンディングパッド、190…負極、I…単結晶引き上げ装置、LC…半導体発光素子

Claims (7)

  1. チョクラルスキー法(CZ法)によるサファイア単結晶引き上げ装置において、
    ナトリウム(Na)濃度が1ppm以上である酸化アルミニウムの原料を、酸化アルミニウムの融点を超える温度で、るつぼ中で溶融した融液の状態で保持する液相での加熱工程と、
    前記るつぼ中の酸化アルミニウムの前記融液に付着させた種結晶を回転させながら引き上げることにより、当該種結晶の下方に向かって直径が大きくなる肩部を形成する肩部形成工程と、
    前記融液に付着させた前記肩部を回転させながら引き上げることにより、当該肩部の下方に円柱状の胴部を形成する胴部形成工程と
    を含むサファイア単結晶の製造方法。
  2. 前記液相での加熱工程は、酸化アルミニウムの融点より30℃以上且つ300℃以下の温度において高い温度で行われることを特徴とする請求項1に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  3. 前記液相での加熱工程における前記融液は、前記るつぼの下部から上部に向かって、当該るつぼ中の酸化アルミニウムの原料が溶融されて形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  4. 前記液相での加熱工程の前に、前記るつぼ中の酸化アルミニウムの原料を、酸化アルミニウムの融点未満の温度で保持する固相での加熱工程をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  5. 前記固相での加熱工程は、1200℃以上且つ2050℃未満の温度で行われることを特徴とする請求項4に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  6. 前記固相での加熱工程での前記るつぼ中の酸化アルミニウムの原料は、当該るつぼの下部から上部に向かって昇温されたことを特徴とする請求項4または5に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれか1項に記載のサファイア単結晶の製造方法にて製造された、ナトリウム(Na)、バリウム(Ba)およびバナジウム(V)のそれぞれの濃度が、いずれも1ppm未満である直径100mm以上のサファイア単結晶基板。
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