JP5217205B2 - モータ - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器等に用いられるモータに関する。
従来、電子機器等に用いられるモータとして、図12に示すように構成されたディスクスピンドルモータや、図13に示すように構成された軸流ファンモータ等が知られている。図12及び図13に示すモータは、いずれも回転軸を回転可能に支持し、あるいは軸に対し回転体(ロータ)を回転可能に支持するラジアル軸受133として滑り軸受が用いられており、軸131がロータ111のステータ112に対する回転を支える構成とされている。
この図12に示すディスクスピンドルモータ101Aは、光ディスクに対して情報信号の安定した記録及び再生を行うために、ターンテーブル102の位置を一定に保つ必要がある。また、図13に示す軸流ファンモータ101Bは、あらゆる向き・姿勢に対して、羽根車119の重量を支持してまた羽根車119の回転時の推力によらず、羽根車119を安定して回転させる必要がある。これらの事情から、上述のような滑り軸受であるラジアル軸受133と、スラスト軸受134とを用いるモータ101A,101Bは、軸131をスラスト軸受134側に押し付ける力(以下、「スラスト吸引力」ともいう。)を発生させる必要がある。ここで、この軸131をスラスト軸受134側に押し付ける力を発生させる方法について図14を用いて説明する。尚、図14は、例えば図12及び図13に示すようなモータ101A,101Bにスラスト吸引力を発生させるためのマグネット120と鉄心115の位置関係を拡大した図である。
スラスト吸引力を発生させるモータは、図14に示すように、鉄心115のスラスト方向の磁気中心C01と、マグネット120のスラスト方向の磁気中心C02とを、所定の寸法Lだけスラスト方向にずらして偏倚されるように設定されて構成されている。かかるモータにおいて、マグネット120から出た磁力線が鉄心115に向かうが、互いの磁気中心が寸法Lだけずれて偏倚されているため、鉄心115のスラスト方向の一方側(上側)と他方側(下側)とでは磁力線の状態が異なる。ここで、磁力線は、最短距離を通り磁気抵抗を最小にするように形成される。
磁気中心のズレ(偏倚量)を表す寸法Lを変化させたとき、L=0とした場合が安定状態であり、この安定状態から偏倚された場合には、磁力線が上側と下側とで異なるため、この磁力線の違いによる反抗推力がスラスト方向に発生し、上側の磁力が大きくなるように設定することで、軸131をスラスト軸受134側に向けた方向に引き付ける力であるスラスト吸引力Fsが発生することとなる。尚、この鉄心115の中心とマグネット120の中心を偏倚させることによるスラスト吸引力は、上述したディスクスピンドルモータ101A、軸流ファンモータ101B以外の多くのモータにおいても用いられている。
しかしながら、上述のスラスト吸引力を発生させたモータは、安価で、且つ軸をスラスト方向に引き付ける方法としては優れているが、以下のような騒音や振動が発生するおそれがある。以下に、図15を用いて騒音や振動が発生する原理について説明する。
図15及び図16は、コイル114が巻回された鉄心115(以下、「鉄心コイル」ともいう。)と、マグネット120との関係について図14の外側から透視した状態を示す図であり、すなわち、鉄心コイル114,115及びマグネット120を半径方向の外側から内側に見た場合の側面図と、鉄心コイル114,115及びマグネット120のスラスト方向の位置関係を示す断面図である。尚、図15において、(a)〜(c)が寸法Lの偏倚を有することによりスラスト吸引力を発生させる場合の側面図であり、(d)が(a)〜(c)の各状態の断面を示すものであり寸法Lの偏倚状態を示す断面図である。また、図16において、(a)〜(c)がL=0として偏倚がなくスラスト吸引力を発生させない場合の側面図であり、(d)が(a)〜(c)の各状態の断面を示すものであり寸法L=0であることを示す断面図である。
また、図15(a)、図15(b)及び図15(c)は、ロータ111が回転することにより、鉄心115とこれに正対するマグネット120との関係の変化を示す図である。すなわち、図15(a)は、マグネット120がN極に着磁された部分に鉄心115が正対する関係にある状態を示し、図15(b)は、図15(a)の状態からロータ111が少し回転した状態を示し、すなわちマグネット120がN極及びS極に着磁された境界部分に鉄心115が正対する関係にある状態を示し、図15(c)は、図15(b)の状態からさらにロータ111が少し回転した状態を示し、すなわちマグネット120がN極及びS極に着磁された境界部分に対してS極に着磁された側の部分に鉄心が正対する関係にある状態を示す。
このような、図15(a)、図15(b)及び図15(c)の状態のいずれの状態においても、図15(d)に示すように、鉄心115と、マグネット120とのスラスト方向の磁気中心が偏倚(オフセット)されている関係(以下、この状態を「磁気中心偏倚」ともいう。)となっており、この磁気中心偏倚によるスラスト吸引力Fsにより軸131をスラスト軸受134側に引き付けた状態となっている。
しかし、この鉄心115と、マグネット120との磁気中心偏倚は、鉄心115に巻き回されたコイル114に影響を及ぼすこととなり、すなわち、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち鉄心115に対してスラスト方向の両側のうち、マグネット120の磁気中心C02が鉄心115の磁気中心C01に対してずれて偏倚された側の一方側のコイル114aにはマグネット120からの相対的に密な磁束M01が寄与し、他方側のコイル114bにはマグネット120からの相対的に疎な磁束M02が寄与することとなる。換言すると、マグネット120からのロータ111を回転させるためのトルクに寄与しない磁束がコイル114と直交する関係にあることとなる。
この磁束の影響により、例えば、図15(a)に示すような状態においては、一定のスラスト吸引力Fsが上述のように発生するのみならず、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち鉄心115に対してスラスト方向の一方側のコイル114aにスラスト吸引力Fsの方向X1とは反対方向X2に不要な力F01が発生することとなる。尚、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち鉄心115に対してスラスト方向の他方側のコイル114bにもスラスト吸引力Fsと同一方向X1に力F02が発生することとなるが、上述のように影響を及ぼす磁束M02が一方側の磁束M01に比べて疎であることから反対方向X2に発生した不要な力F01を相殺できない。
ここで、発生する不要な力F01,F02は、図15(a)に示すような方向に電流がコイル114に流されていると想定し、図15(a)に示すようにN極が支配的な状態から所謂フレミング左手則を適用すればスラスト方向に発生し、さらに、上述のように、スラスト方向の一方側においてスラスト吸引力Fsと反対方向X2に発生するとともに、スラスト方向の他方側においてスラスト吸引力Fsと同一方向X1に発生することが明らかである。尚、コイル114に流されている電流値は、マグネット120のN極及びS極の位相がホール素子119にて検出されタイミングよく切り替えられることについては、従来の一般的なモータと同様である。尚、図15(a)の状態のときは、相対的に小電流が供給され、後述する図15(b)の状態のときは、最大電流が供給され、図15(c)の状態のときは、相対的に中電流が供給されることとなる。同様に、後述の図16(a)のとき、小電流が供給され、図16(b)のとき、最大電流が供給され、図16(c)のとき、中電流が供給される。
また、図15(b)に示すような状態においては、一方側のコイル114a及び他方側のコイル114bに対する磁束が密と疎とである点については、上述の図15(a)の場合と同様であるが、正対するマグネット120の部分がN極とS極との境界部分であることから、一方側及び他方側のコイル114a,114bのいずれにおいても、このN極とS極とからの磁束によりそれぞれの部分において不要な力を相殺していることから、不要な力が発生することなく、上述のように一定のスラスト吸引力Fsのみが発生していることとなる。
さらに、図15(c)に示すような状態においては、図15(a)で説明した状態とは逆の関係であり、一定のスラスト吸引力Fsが上述のように発生するのみならず、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち鉄心115に対してスラスト方向の一方側のコイル114aにスラスト吸引力Fsと同一方向X1に不要な力F03が発生することとなる。尚、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち鉄心115に対してスラスト方向の他方側のコイル114bにもスラスト吸引力Fsと反対方向X2に力F04が発生することとなるが、上述のように影響を及ぼす磁束関係が一方側のものに比べて疎であることから同一方向に発生した不要な力F03を相殺できない。
ここで、発生する不要な力F03,F04は、図15(c)に示すような方向に電流がコイル114に流されていることとなり、図15(c)に示すようにS極が支配的な状態に変化することとなり、所謂フレミング左手則を適用すればスラスト方向に発生し、さらに、上述のように、スラスト方向の一方側においてスラスト吸引力Fsと同一方向X1に発生するとともに、スラスト方向の他方側においてスラスト吸引力Fsと反対方向X2に発生することが明らかである。
以上のような、ロータ111の回転により図15(a)〜図15(c)の状態における不要な力・方向が変動して発生することが繰り返し行われることにより、ロータ111がスラスト方向の上下であるX1方向又はX2方向に微細な力が変化して加わったり、これに伴う微細な運動をすることとなり、このことから有害な振動や騒音が発生するおそれがあった。
以上のような図15(a)〜図15(c)のようなスラスト吸引力を発生させた状態に対し、図16(a)〜図16(c)のようなL=0として磁気中心偏倚がなくスラスト吸引力を発生させない場合には、上述の図15(a)〜図15(c)の場合のようなロータ111がスラスト方向に微細な運動をすることがなく、有害な振動や騒音が発生するおそれもない。
すなわち、図16(a)〜図16(c)の状態のいずれの状態においても、図16(d)に示すように、鉄心115と、マグネット120とのスラスト方向の磁気中心C01,C02が一致している関係となっている。
そして、この鉄心115と、マグネット120との磁気中心が一致していることから、鉄心115に巻き回されたコイル114へ影響を及ぼすことがなく、すなわち、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち鉄心115に対してスラスト方向の両側のコイル114a,114bには、略同一の密度の磁束M03,M04が寄与することとなる。
例えば、図16(a)に示すような状態においては、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち一方側のコイル114aに一方向側(図中上側)X2に不要な力F05が発生することとなるが、同時に、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち他方側のコイル114bに上述の一方側のコイル114aに発生する不要な力F05と反対方向(図中下側)X1に不要な力F06が発生することとなり、この一方側及び他方側のコイル114a,114bに略同一密度の磁束M03,M04が影響することから互いの力が相殺されることとなる。
また、図16(b)に示すような状態においては、上述した図15(b)の場合と同様に、一方側及び他方側のコイル114a,114bのいずれにおいても、このN極とS極とからの磁束によりそれぞれの部分において不要な力を相殺していることから、不要な力が発生することがない。
さらに、図16(c)に示すような状態においては、図16(a)の場合と同様に、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち一方側のコイル114aに他方向側X1に不要な力F07が発生することとなるが、同時に、鉄心115に巻き回されたコイル114のうち他方側のコイル114bに上述の一方側のコイル114aに発生する不要な力F07と反対方向X2に不要な力F08が発生することとなり、この一方側及び他方側のコイル114a,114bに略同一密度の磁束M03,M04が影響することから互いの力が相殺されることとなる。
以上のように、図16(a)〜図16(c)を用いて説明した鉄心115とマグネット120との磁気中心偏倚がない場合には、図15(a)〜図15(c)を用いた場合に発生するロータ111のスラスト方向の微細な運動や、これに起因する有害な振動や騒音が発生することがない。
しかしながら、図16(a)〜図16(c)のような、鉄心115とマグネット120との磁気中心偏倚がない場合には、モータとしての機能成立のために不可欠なスラスト吸引力を別の構成により発生させる必要がある。
従来から、特開平11−252878号公報に記載されたモータのように、専用のスラスト吸引用のマグネットによりスラスト吸引力を得るようにしたモータが知られている。具体的には、図17及び図18に示すようなディスクスピンドルモータ141Aや軸流ファンモータ141Bがある。ここで、図17及び図18に用いられるスラスト吸引用のマグネット142の構成について図19を用いてさらに詳細に説明する。尚、図19は、図17及び図18に示すモータのスラスト吸引用のマグネット142が取り付けられた部分を示す拡大図である。尚、図17〜図19及び以下の説明において、図12及び図13に示すモータと共通する部分については、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
かかるモータ141A,141Bは、図19に示すようにステータ112側にバックヨーク143を備えたスラスト吸引用マグネット142が設けられている。このスラスト吸引用マグネット142がロータヨーク111aを吸引し、ロータ111及びこれに一体に取り付けられた軸131をスラスト軸受134に引き付けるスラスト吸引力を発揮させている。図17及び図18に示すモータは、上述のようなスラスト吸引用マグネット142によりスラスト吸引力を発生させるとともに、不要な振動及び騒音を回避するようにするものである。尚、図17及び図18のモータ141A,141Bでは、ステータ112側にマグネット142を備えるように構成しているが、ロータ111側にマグネットを備え、ステータ112側に磁性体の吸着ヨークを備えるように構成してもよい。尚、スラスト吸引用マグネットは、吸引力の安定化、ばらつき防止のため比較的エネルギー積の大きいネオジウムマグネット等が用いられている。
しかし、かかるスラスト吸引用マグネット142を有するモータ141A,141Bは、構成の追加による製造コストの増大、設置スペースの設計的制約が増大し、さらには、マグネットと吸着ヨークのエアギャップgaの管理等が必要となる。このことから、構成を追加して振動・騒音を対策することによる高コスト化が問題となり、構成の簡素化、低コスト化と、振動・騒音の低減とを両立することが困難であった。
特開平11−252878号公報
本発明の目的は、コイルが巻き回された鉄心と、マグネットとのスラスト方向の磁気中心を偏倚させることにより軸をスラスト軸受側に引き付けたモータにおいて、回転中の固有振動を抑えることを可能とするモータを提供することにある。
この目的を達成するため、本発明に係るモータは、ステータに対してロータを回転させる際の回転中心となる軸と、上記軸の周回り方向の支持を行う軸受と、上記軸のスラスト方向の一端を支持するスラスト軸受と、上記ロータに取り付けられ、上記軸の軸回り方向において交互に異なる極に着磁されたマグネットと、上記ステータに取り付けられ、上記マグネットに対して上記軸の径方向に対向する鉄心と、上記鉄心に巻き回されるコイルとを備え、上記スラスト方向に上記鉄心と上記マグネットとの磁気中心を偏倚させることにより上記軸を上記スラスト軸受側に引き付けたモータにおいて、上記マグネットから上記コイルへの漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材が設けられてなる。そして、上記磁気遮蔽部材は、上記コイルの上記スラスト方向の一方側及び他方側の両方を覆うように略円盤状に形成され、該コイルの該スラスト方向の両側に設けられている。
本発明に係るモータは、コイルが巻き回された鉄心と、マグネットとの磁気中心をスラスト方向に偏倚させることにより軸をスラスト軸受側に引き付ける構成に加えて、マグネットがコイルへの漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材が設けられている構成を有することにより、コイルに漏れ磁束が影響を及ぼすことにより発生する不要な振動・騒音を抑えることができ、すなわち、スラスト吸引専用のマグネット等を設けることなく、構成の簡素化、低コスト化を可能とするとともに、不要な振動・騒音を抑えることを可能とする。
以下、本発明を適用したモータについて、図面を参照して説明する。
ここでは、各種情報の演算処理を行う情報処理装置である携帯型コンピュータ等の電子機器に設けられる放熱装置に用いるモータについて説明する。この携帯型コンピュータ等の内部には放熱装置が設けられている。この放熱装置は、金属製のベースと、このベースに取り付けられたモータ1と、このモータ1によって回転操作されるファン3と、ファン3を収納したファンケース4と、ヒートシンクとを有している。この放熱装置のファン3を回転駆動するモータ1について詳細に説明する。
本発明を適用したモータ1は、図1に示すように、ロータ11とステータ12とを備える。
ステータ12は、モータ1と共にこのモータ1によって回転操作されるファン3を収納したファンケース4に一体に設けられている。ステータ12は、軸受ユニット30と、コイル14と、このコイル14が巻回される鉄心15とを備える。ステータ12は、ファンケース4の上面部4aに取り付けられて一体とされている。ステータ12は、例えば鉄により形成されている。軸受ユニット30は、ステータ12の中心部に筒状に形成されたホルダー16中に圧入若しくは接着、又は圧入と共に接着を行うことにより固定されている。尚、軸受ユニット30が圧入されるホルダー16は、ステータ12と一体に円筒状に形成されている。
ステータ12に一体に固定された軸受ユニット30の外周部であるホルダー16の外側には、図1に示すように、駆動電流が供給されるコイル14が巻回された鉄心15が取り付けられている。
ステータ12と共にモータ1を構成するロータ11は、軸受ユニット30に回転可能に支持された回転軸31に取り付けられ、回転軸31と一体に回転する。ロータ11は、羽根ボス部17と、この羽根ボス部17と一体に回転する複数の羽根19を有するファン3と、羽根ボス部17の内周面に取り付けられるロータヨーク11aとを有する。ファン3の羽根19は、例えば、羽根ボス部17の外周面にアウトサート成形することにより、羽根ボス部17と一体に形成される。
羽根ボス部17に取り付けられたロータヨーク11aの内周面には、ステータ12のコイル14と対向するように、リング状のロータマグネット20が設けられている。このマグネット20は、回転軸31の周回り方向にS極とN極とが交互に着磁されたマグネットであり、例えば接着剤等によりロータヨーク11aの内周面に固定され羽根ボス部17と一体とされている。尚、上述のコイル14が巻回された鉄心15は、このマグネット20に対して回転軸31の半径方向に対向することとなる。
羽根ボス部17は、軸受ユニット30に支持された回転軸31の先端側に設けた取付部32に、平板部17bの中心部に設けた貫通孔21aが設けられたボス部21を圧入することによって回転軸31と一体に回転可能に取り付けられる。
ステータ12に取り付けられ回転軸31を回転自在に支持する軸受ユニット30は、回転軸31の周回り方向の支持を行うラジアル軸受33と、ラジアル軸受33に支持された回転軸31のスラスト方向の一端部に設けた軸受支持部31aを回転可能に支持するスラスト軸受34とを有する。
ラジアル軸受33は、回転軸31の周回り方向の支持を行う滑り軸受である。ここで、ラジアル軸受33を滑り軸受としたが、これに限られるものではなく、例えば、燒結含油軸受、動圧流体軸受であってもよい。
軸受ユニット30は、ラジアル軸受33及びスラスト軸受34により、回転軸31を回転自在に周回り方向及びスラスト方向の支持を行う。
上述のような構成を備えたモータ1は、ステータ12側のコイル14に、モータ1の外部に設けた駆動回路部から所定の通電パターンにより駆動電流が供給されると、コイル14に発生する磁界とロータ11側のロータマグネット20からの磁界との作用によって、ロータ11が回転軸31と一体に回転する。ロータ11が回転することにより、このロータ11に取り付けられた複数の羽根19を有するファン3もロータ11と一体に回転する。このモータ1を有する放熱装置は、ファン3が回転されることにより、例えば装置外部のエアーを吸引しコンピュータの筐体内を流通させ、筐体内に設けたヒートシンク中を流通して筐体の外部に排気されることにより、発熱素子から発生する熱をコンピュータ本体の外部に放熱し、コンピュータ本体を冷却する。
以上のようなモータ1を構成するコイル14が巻回された鉄心15と、マグネット20とは、それぞれのスラスト方向の磁気中心をずらして偏倚(オフセット)させて配置されている。すなわち、回転軸31がスラスト軸受34に支持されている方向とは逆方向に引き付け力を発生させるために、鉄心15及びマグネット20のうち、回転軸31に一体に取り付けられる一方側の磁気中心を、スラスト軸受34に一体に取り付けられる他方側の磁気中心に対して支持されている方向に離間させて配置されている。
具体的には、回転軸31にロータ11を介して一体に取り付けられているマグネット20の磁気中心C12を、スラスト軸受34にステータ12を介して一体に取り付けられている鉄心15の磁気中心C11に対して支持されている方向である図中上側に離間させて配置されている。
このように配置された鉄心15及びマグネット20は、互いのスラスト方向の磁気中心をずらして偏倚させる関係(以下、この状態を「磁気中心偏倚」ともいう。)を有して配置されていることにより、ロータ11側の回転軸31をステータ12側のスラスト軸受34側に引き付ける力(以下、「スラスト吸引力」ともいう。)Fsを発生させて引き付けることができる。
また、モータ1は、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材35が設けられている。すなわち、この磁気遮蔽部材35は、スラスト吸引力Fsを発生させるためにコイル14が巻回された鉄心15(以下、「鉄心コイル」ともいう。)とマグネット20とが磁気中心偏倚を有して設けられていることにより、図15(a)〜図15(c)を用いて上述したように、不要な力が大きさ及び方向を変動して発生し、この不要な力による有害な振動や騒音が発生するという問題を解消するものである。
具体的には、磁気遮蔽部材35は、図2に示すように、コイル14のスラスト方向の一方側の部分14aを覆うように略円盤状に形成されコイル14のスラスト方向の一方側に設けられた第1の遮蔽板35aと、コイル14のスラスト方向の他方側の部分14bを覆うように略円盤状に形成されコイル14のスラスト方向の他方側に設けられた第2の遮蔽板35bとを有する。
第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、図2及び図3に示すように、それぞれ、その最外周部が鉄心15の外側の端部より内側に位置するように形成されている。
また、第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、その中心部付近に回転軸31等を挿通するための挿通孔35c,35dが略円形に設けられ、すなわち略円環状に形成されている。そして、第1及び第2の遮蔽板35a,35bの最内周部が鉄心15の内側の端部と略同じ位置又は内側の端部より外側に位置するように形成されている。
換言すると、第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、図3に示すように、コイル14の半径方向の幅より大きく、鉄心15の内径と外径の間をスラスト方向から覆う略円環状の形状とされている。
尚、第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、上述では、その最外周部が鉄心15の外側の端部より内側に位置するように形成されるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、その最外周部が鉄心15の外側の端部と略同じ位置に位置するように形成されるように構成してもよい。同様に、第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、その最内周部が鉄心15の内側の端部と略同じ位置に位置してもよく、鉄心15の内側の端部より外側に位置するようにしてもよい。
第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、その最外周部が鉄心15の外側の端部と略同じ位置又は鉄心15の外側の端部より内側に位置するように形成され、その最内周部が鉄心15の内側の端部と略同じ位置又は鉄心15の内側の端部より外側に位置するように形成されることにより、コイル14に駆動電流が供給されることによりロータ11を回転するために作用させるマグネット20からの磁界、及び上述のスラスト吸引力に影響を与えることなく、後述するコイル14への漏れ磁束のみを遮蔽することを可能とする。
第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、ステータ12側のハウジングの一部であるホルダー16に固定されている。第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、プレス加工等により、板厚よりもスラスト方向に大きな寸法を有する内周壁部35e,35fが形成され、圧入、接着、熱溶着等によりホルダー16に固定される。尚、この内周壁部35e,35fの内周面の内側が上述した挿通孔35c,35dとなる。
また、磁気遮蔽部材35である第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、磁性材料により形成されており、例えば絞り加工に適したスズメッキ鋼板等が用いられる。
磁気遮蔽部材35である第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、鉄心15とマグネット20との磁気中心偏倚により鉄心15に巻き回されたコイル14にマグネット20からの影響を及ぼす磁束を遮蔽して、この影響を排除することができる。このように、第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、コイル14とマグネット20からの漏れ磁束とが交差しないようにすることができる。
第1及び第2の遮蔽板35a,35bからなる磁気遮蔽部材35は、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽することにより、鉄心15とマグネット20との磁気中心をずらして偏倚させることによりスラスト吸引力を発生させることの弊害である、鉄心15に対してスラスト方向の一方側のコイル14aと、他方側のコイル14bとに、それぞれ密な磁束M11と疎な磁束M12とが寄与することによる不要な力の発生及びこれに起因する振動、騒音等の問題を解消する。
また、円環状に形成された第1及び第2の遮蔽板35a,35bの内周及び外周の中心と、鉄心15の中心とが略一致するように、すなわち同軸度を可能な限り小さくして配置されており、このことから回転トルクとコギングの影響を小さくすることができる。
また、第1及び第2の遮蔽板35a,35bは、可能な限りコイル14に近接する位置に配置されており、これにより、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を効果的に遮蔽することができる。
以上のように、本発明を適用したモータ1は、ステータ12に対してロータ11を回転させる際の回転中心となる回転軸31と、回転軸31の周回り方向の支持を行うラジアル軸受33と、回転軸31のスラスト方向の一端を支持するスラスト軸受34と、ロータ11に取り付けられ、回転軸31の軸回り方向において交互に異なる極に着磁されたマグネット20と、ステータ12に取り付けられ、マグネット20に対して回転軸31の径方向に対向して配置される鉄心15と、鉄心15に巻き回されるコイル14とを備え、スラスト方向に鉄心15の磁気中心とマグネット20の磁気中心とを偏倚させることにより回転軸31をスラスト軸受34側に引き付けたモータであって、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材35としての第1及び第2の遮蔽板35a,35bが設けられていることから、鉄心15とマグネット20との磁気中心偏倚によりスラスト吸引力を発生させることにより独立した専用のスラスト吸引手段としてのマグネット等を設ける必要がなく、また、磁気遮蔽部材35により鉄心15とマグネット20との磁気中心偏倚による弊害であるマグネット20からコイル14への漏れ磁束による不要な力の発生並びにこれに起因する不要な振動及び騒音を低減・防止することを実現できる。よって、本発明を適用したモータ1は、スラスト吸引専用のマグネット等を設けることなく構成の簡素化、低コスト化を実現するとともに、不要な振動・騒音を抑えることを実現する。
換言すると、このモータ1は、ラジアル軸受としてすべり軸受等を用いた場合の不要な振動及び騒音を回避するために必要なスラスト吸引力を上述の磁気中心偏倚等の簡易な構成、低コストで実現するとともに、このスラスト吸引力を発生させた磁気中心偏倚の構成による弊害としての不要な振動・騒音をも抑えることを実現するものである。
また、このモータ1を構成するラジアル軸受として動圧流体軸受を用いた場合には、上述のスラスト吸引専用のマグネット等を設けることなく、不要な振動・騒音を抑えるという効果に加えて、この動圧流体軸受によるさらに円滑な回転性能により、ラジアル軸受自体の性能による低振動・低騒音を可能として、全体としてより一層の低振動・低騒音を可能にする。
また、上述のモータ1において、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材として、コイル14のスラスト方向の一方側の部分14aを覆うようにコイル14のスラスト方向の一方側に設けられた第1の遮蔽板35aと、コイル14のスラスト方向の他方側の部分14bを覆うようにコイル14のスラスト方向の他方側に設けられた第2の遮蔽板35bとを設けるように構成したが、本発明はこれに限られるものではなく、本発明を適用したモータを構成する磁気遮蔽部材は、コイル14のスラスト方向のいずれか一方側の部分を覆うようにコイル14のスラスト方向の少なくともいずれか一方側に設けられるように構成すればよい。ここで、磁気遮蔽部材をコイル14のスラスト方向の一方側を覆うように構成する場合には、マグネット20からコイル14への漏れ磁束の密度が高い側、すなわち、鉄心15の磁気中心に対してマグネット20の磁気中心を偏倚させた側の一方側に設けることにより、その磁気遮蔽部材の効果をより発揮することが可能となる。
すなわち、例えば、図4に示すように、本発明を適用するモータは、コイル14のマグネット20からの漏れ磁束の密度が高い側のスラスト方向の一方側の部分14aを覆うようにコイル14のスラスト方向の一方側に設けられた第1の遮蔽板35aのみからなる磁気遮蔽部材を有するように構成してもよい。この図4に示す第1の遮蔽板35aのみからなる磁気遮蔽部材を有するモータは、鉄心15とマグネット20との磁気中心偏倚によりスラスト吸引力を発生させることにより独立した専用のスラスト吸引手段を設ける必要がなく、またこの磁気中心偏倚による弊害であるマグネット20からコイル14への漏れ磁束による不要な力の発生並びにこれに起因する不要な振動及び騒音を上述の第1及び第2の遮蔽板35a,35bを設ける場合に比べてより簡易な構成で低減・防止することを実現し、構成の簡素化、低コスト化を実現するとともに、不要な振動・騒音を抑えることを実現する。尚、図4に示すモータには、絶縁部材36を追加して設ける構成となっているが、この効果については、次に図5を用いて説明する。
また、本発明を適用するモータとして、上述の構成に加えて、図5に示すように、磁気遮蔽部材35とコイル14との絶縁不良を防ぐために絶縁部材36を設けるように構成してもよい。
すなわち、図5に示す絶縁部材36は、コイル14のスラスト方向の一方側及び/又は他方側の部分14a,14bを覆うように略円環状に形成されコイル14のスラスト方向の一方側及び/又は他方側に設けられた第1及び/又は第2の遮蔽板35a,35bと、これに覆われるコイル14のスラスト方向の一方側及び/又は他方側の部分14a,14bとの間に設けられる。この絶縁部材36として、絶縁性を有するものであればよいが、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリイミド等のプラスチックが好ましい。この絶縁部材36は、例えば、第1及び第2の遮蔽板35a,35bの内側に取り付けられることで上述の位置に配置される。
絶縁部材36は、磁気遮蔽部材35とコイル14とを確実に絶縁することを可能とし、これにより磁気遮蔽部材35によるマグネット20からコイル14への磁束の漏れ込みをより確実に低減することを実現する。
図4に示すような絶縁部材36を有するモータは、上述のモータ1と同様に、回転軸31と、ラジアル軸受33と、スラスト軸受34と、マグネット20と、鉄心15と、コイル14とを備え、スラスト方向に鉄心15の磁気中心とマグネット20の磁気中心とを偏倚させることにより回転軸31をスラスト軸受34側に引き付けたモータであって、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材35と、この磁気遮蔽部材35とコイル14との間に設けられる絶縁部材36とが設けられていることから、スラスト吸引力を発生させるための磁気中心偏倚の弊害であるマグネット20からコイル14への漏れ磁束をより効果的に遮蔽し、この漏れ磁束による不要な力の発生並びにこれに起因する不要な振動及び騒音を低減・防止することを実現できる。
また、磁気遮蔽部材の形状が異なるモータは、図6に示すように構成してもよい。尚、以下の説明において、図1に示すモータ1と共通する部分については、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明を適用したモータ41は、図6に示すように、ロータ11と、ステータ12と、回転軸31と、ラジアル軸受33及びスラスト軸受34からなる軸受ユニット30と、マグネット20と、鉄心15と、コイル14とを備える。
モータ41を構成するコイル14が巻回された鉄心15と、マグネット20とは、上述したモータ1と同様に、それぞれのスラスト方向の磁気中心をずらして偏倚(オフセット)させて配置されており、これにより上述と同様のスラスト吸引力を発生させて、回転軸31をスラスト軸受34側に引き付けるようにしている。
また、モータ41は、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材45が設けられている。すなわち、この磁気遮蔽部材45は、スラスト吸引力を発生させるために鉄心コイル14,15とマグネット20とが磁気中心偏倚を有して設けられていることにより、不要な力が大きさ及び方向を変動して発生し、この不要な力による有害な振動や騒音が発生するという問題を解消するものである。
具体的には、磁気遮蔽部材45は、図7に示すように、コイル14のスラスト方向の一方側の部分14aを覆う第1の遮蔽板45aと、コイル14のスラスト方向の他方側の部分14bとを覆う第2の遮蔽板45bとを有する。
この第1の遮蔽板45aは、コイル14のスラスト方向の一方側の部分14aを覆うように略円盤状に形成された円盤部45eと、この円盤部45eの最外周部から鉄心15側に向けて立ち上げて形成されるとともに、コイル14の鉄心15よりスラスト方向に突出した部分14aを回転軸31の半径方向外側から覆うように筒状に形成された外周壁部45fとからなる。
また、第2の遮蔽板45bは、コイル14のスラスト方向の他方側の部分14bを覆うように略円盤状に形成された円盤部45gと、この円盤部45gの最外周部から鉄心15側に向けて立ち上げて形成されるとともに、コイル14の鉄心15よりスラスト方向に突出した部分14bを回転軸31の半径方向外側から覆うように筒状に形成された外周壁部45hとからなる。このように、第1及び第2の遮蔽板45a,45bは、略カップ形状に形成されている。
第1及び第2の遮蔽板45a,45bは、それぞれ、その最外周部が鉄心15の外側の端部より内側に位置するように形成されている。
また、第1及び第2の遮蔽板45a,45bの円盤部45e,45gは、その中心部付近に回転軸31等を挿通するための挿通孔45c,45dが略円形に設けられ、すなわち略円環状に形成されている。そして、第1及び第2の遮蔽板45a,45bの最内周部が鉄心15の内側の端部と略同じ位置又は内側の端部より外側に位置するように形成されている。
換言すると、第1及び第2の遮蔽板45a,45bの円盤部45e,45gは、コイル14の半径方向の幅より大きく、鉄心15の内径と外径の間をスラスト方向から覆う略円環状の形状とされている。
尚、上述した磁気遮蔽部材35と同様に、磁気遮蔽部材45である第1及び第2の遮蔽板45a,45bは、その最外周部が鉄心15の外側の端部と略同じ位置に位置するように形成されるように構成してもよい。
第1及び第2の遮蔽板45a,45bは、その最外周部が鉄心15の外側の端部と略同じ位置又は鉄心15の外側の端部より内側に位置するように形成され、その最内周部が鉄心15の内側の端部と略同じ位置又は鉄心15の内側の端部より外側に位置するように形成されることにより、コイル14に駆動電流が供給されることによりロータ11を回転するために作用させるマグネット20からの磁界、及び上述のスラスト吸引力に影響を与えることなく、後述するコイル14への漏れ磁束のみを遮蔽することを可能とする。
第1及び第2の遮蔽板45a,45bは、ステータ12側のハウジングの一部であるホルダー16に固定されている。第1及び第2の遮蔽板45a,45bは、プレス加工等により、板厚よりもスラスト方向に大きな寸法を有する内周壁部45i,45jが形成され、圧入、接着、熱溶着等によりホルダー16に固定される。尚、この内周壁部45i,45jの内周面の内側が上述した挿通孔45c,45dとなる。
磁気遮蔽部材45である第1及び第2の遮蔽板45a,45bは、鉄心15とマグネット20との磁気中心偏倚により鉄心15に巻き回されたコイル14にマグネット20からの影響を及ぼす磁束を遮蔽して、この影響を排除することができる。このように、第1及び第2の遮蔽板45a,45bは、コイル14とマグネット20からの漏れ磁束とが交差しないようにすることができる。
第1及び第2の遮蔽板45a,45bからなる磁気遮蔽部材45は、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽することにより、鉄心15とマグネット20との磁気中心をずらして偏倚させることによりスラスト吸引力を発生させることの弊害である、鉄心15に対してスラスト方向の一方側のコイル14aと、他方側のコイル14bとに、それぞれ密な磁束M11と疎な磁束M12とが寄与することによる不要な力の発生及びこれに起因する振動、騒音等の問題を解消する。尚、この磁気遮蔽部材45は、上述した磁気遮蔽部材35に対して、外周壁部45f,45hをさらに追加したような構成とされていることから、一方側及び他方側のコイル14a,14bへのマグネット20からの漏れ込み磁束をより確実に遮蔽することを可能とし、これにより不要な力の発生及びこれに起因する振動、騒音等の問題をより効果的に解消することができる。
また、モータ41は、第1及び第2の遮蔽板45a,45bの円盤部45e,45gと、これに覆われるコイル14のスラスト方向の一方側及び他方側の部分14a,14bとの間に設けられる絶縁部材36を有する。
以上のように、本発明を適用したモータ41は、ステータ12に対してロータ11を回転させる際の回転中心となる回転軸31と、回転軸31の周回り方向の支持を行うラジアル軸受33と、回転軸31のスラスト方向の一端を支持するスラスト軸受34と、ロータ11に取り付けられ、回転軸31の軸回り方向において交互に異なる極に着磁されたマグネット20と、ステータ12に取り付けられ、マグネット20に対して回転軸31の径方向に対向して配置される鉄心15と、鉄心15に巻き回されるコイル14とを備え、スラスト方向に鉄心15の磁気中心とマグネット20の磁気中心とを偏倚させることにより回転軸31をスラスト軸受34側に引き付けたモータであって、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材45として、それぞれ円盤部45e,45g及び外周壁部45f,45hを有する第1及び第2の遮蔽板45a,45bが設けられていることから、鉄心15とマグネット20との磁気中心偏倚によりスラスト吸引力を発生させることにより独立した専用のスラスト吸引手段としてのマグネット等を設ける必要がなく、また、磁気遮蔽部材45により鉄心15とマグネット20との磁気中心偏倚による弊害であるマグネット20からコイル14への漏れ磁束による不要な力の発生並びにこれに起因する不要な振動及び騒音を低減・防止することを実現できる。よって、本発明を適用したモータ41は、スラスト吸引専用のマグネット等を設けることなく構成の簡素化、低コスト化を実現するとともに、不要な振動・騒音を抑えることを実現する。
また、本発明を適用したモータ41は、磁気遮蔽部材45とコイル14との間に設けられる絶縁部材36を設けるように構成したことから、スラスト吸引力を発生させるための磁気中心偏倚の弊害であるマグネット20からコイル14への漏れ磁束をより効果的に遮蔽し、この漏れ磁束による不要な力の発生並びにこれに起因する不要な振動及び騒音を低減・防止することを実現できる。
尚、上述のモータ41では、絶縁部材36を設けるように構成したが、上述のモータ1と同様に絶縁部材36を有しないように構成してもよい。
また、上述のモータ41においてもモータ1の場合と同様に、コイル14のスラスト方向のいずれか一方側の部分を覆うようにコイル14のスラスト方向の少なくともいずれか一方側に設けられるように構成すればよい。ここで、磁気遮蔽部材をコイル14のスラスト方向の一方側を覆うように構成する場合には、マグネット20からコイル14への漏れ磁束の密度が高い側、すなわち、鉄心の磁気中心に対してマグネット20の磁気中心をずらした側の一方側に設けることにより、その磁気遮蔽部材の効果をより発揮することが可能となる。
すなわち、例えば、図8に示すように、本発明を適用するモータは、コイル14のマグネット20からの漏れ磁束の密度が高い側のスラスト方向の一方側の部分14aを覆うようにコイル14のスラスト方向の一方側に設けられた第1の遮蔽板45aのみからなる磁気遮蔽部材を有するように構成してもよい。この図8に示す第1の遮蔽板45aのみからなる磁気遮蔽部材を有するモータは、鉄心15とマグネット20との磁気中心偏倚によりスラスト吸引力を発生させることにより独立した専用のスラスト吸引手段を設ける必要がなく、またこの磁気中心偏倚による弊害であるマグネット20からコイル14への漏れ磁束による不要な力の発生並びにこれに起因する不要な振動及び騒音を上述の第1及び第2の遮蔽板45a,45bを設ける場合に比べてより簡易な構成で低減・防止することを実現し、構成の簡素化、低コスト化を実現するとともに、不要な振動・騒音を抑えることを実現する。尚、図8に示すモータには、絶縁部材を設けないように構成したが、絶縁部材を追加して設けるように構成してもよい。
尚、上述の図1及び図2を用いて説明したモータ1、並びに上述の図6及び図7を用いて説明したモータ41では、磁気遮蔽部材35,45としてスラスト方向の一方側及び他方側に設けた第1及び第2の遮蔽板35a,35b,45a,45bが略対称形状のものとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば、以下の図9に示すような磁気遮蔽部材55を設けるように構成してもよい。
具体的には、磁気遮蔽部材55は、図9に示すように、コイル14のスラスト方向の一方側の部分14aを覆うように略円盤状に形成されコイル14のスラスト方向の一方側に設けられた第1の遮蔽板55aと、コイル14のスラスト方向の他方側の部分14bを覆うように略円盤状に形成されコイル14のスラスト方向の他方側に設けられた第2の遮蔽板55bとを有する。
第1の遮蔽板55aは、上述の磁気遮蔽部材35を構成する第1の遮蔽板35aと略同様の構成とするものであり、その最外周部が鉄心15の外側の端部より内側に位置するように形成されている。
第2の遮蔽板55bは、第1の遮蔽板55aの最外周部に対してその最外周部が内側に位置するように形成されている。具体的には、回転軸31の中心から第1の遮蔽板55aの最外周部までの距離をr1として、回転軸31の中心から第2の遮蔽板55bの最外周部までの距離をr2としたときに、第1及び第2の遮蔽板55a,55bは、r1>r2の関係となるように形成されている。
また、第1及び第2の遮蔽部55a,55bは、上述の第1及び第2の遮蔽部35a,35bと同様に、その中心部付近に回転軸31を挿通するための挿通孔55c,55dが略円形に設けられ、略円環状に形成され、第1及び第2の遮蔽板55a,55bの最内周部が鉄心15の内側の端部と略同じ位置又は内側の端部より外側に位置するように形成されている。
第1及び第2の遮蔽板55a,55bは、第1の遮蔽板55aの最外周部が鉄心15の外側の端部と略同じ位置又は鉄心15の外側の端部より内側に位置するように形成され、第2の遮蔽板55bの最外周部が第1の遮蔽板55aの最外周部より内側に位置するように形成され、第1及び第2の遮蔽板55a,55bの最内周部が鉄心15の内側の端部と略同じ位置又は鉄心15の内側の端部より外側に位置するように形成されることにより、コイル14に駆動電流が供給されることによりロータ11を回転するために作用させるマグネット20からの磁界、及び上述のスラスト吸引力に影響を与えることなく、後述するコイル14への漏れ磁束のみを遮蔽することを可能とする。
第1及び第2の遮蔽部55a,55bは、上述した第1及び第2の遮蔽板35a,35bと略同等の内周壁部55e,55fを有し、同様の固定方法でホルダー16に固定される。
磁気遮蔽部材55である第1及び第2の遮蔽板55a,55bは、鉄心15とマグネット20の磁気中心偏倚により鉄心15に巻き回されたコイル14にマグネット20からの影響を及ぼす磁束を遮蔽することで低減して、この影響を排除することができる。このように、第1及び第2の遮蔽板55a,55bは、コイル14とマグネット20からの漏れ磁束とが交差しないようにすることができる。
第1及び第2の遮蔽板55a,55bからなる磁気遮蔽部材55は、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽することにより、鉄心15とマグネット20との磁気中心を偏倚させることによりスラスト吸引力を発生させることの弊害である、鉄心15に対してスラスト方向の一方側のコイル14aと、他方側のコイル14bとに、それぞれ密な磁束M11と疎な磁束M12とが寄与することによる不要な力の発生及びこれに起因する振動、騒音等の問題を解消する。
さらに、この磁気遮蔽部材55は、上述の図7を用いて説明した磁気遮蔽部材45のような外周壁部45f,45hを有しない構成において、マグネット20からの径方向への漏れ磁束を遮蔽できないことから、例えば第1及び第2の遮蔽板55a,55bと鉄心15との間隔が大きい場合等に、この径方向への漏れ磁束が問題となることを防止することができる。
すなわち、この磁気遮蔽部材55は、マグネット20からコイル14への漏れ磁束の疎密に起因して問題が発生したことに着目したものであり、漏れ磁束が密である一方側のコイル14aを遮蔽する第1の遮蔽板55aの最外周部の位置より、漏れ磁束が疎である他方側のコイル14bを遮蔽する第2の遮蔽板55bの最外周部の位置が内側に位置するように構成されていることから、コイル14aに漏れ込む密な磁束M11を大きく遮蔽し、コイル14bに漏れ込む疎な磁束M12を小さく遮蔽することにより、スラスト方向の一方側及び他方側へのコイル14a,14bに寄与する漏れ磁束を略均等となるように制御して、上述した図16(a)〜図16(c)で説明したような一方側及び他方側のコイル14a,14bに発生する不要な力を互いに相殺することができる。換言すると、磁気遮蔽部材55は、磁気中心偏倚を有するように配置されたマグネット20からのコイル14への影響力を調整し、マグネット20のコイルの一方側及び他方側の部分14a,14bへの影響力を相殺するものである。
図9に示すような磁気遮蔽部材55を有するモータは、上述のモータ1,41と同様に、回転軸31と、ラジアル軸受33と、スラスト軸受34と、マグネット20と、鉄心15と、コイル14とを備え、スラスト方向に鉄心15の磁気中心とマグネット20の磁気中心とを偏倚させることにより回転軸31をスラスト軸受34側に引き付けたモータであって、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材55が設けられていることから、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を低減して不要な力の発生を極限まで抑えるとともに、例えばコイル14や鉄心15の形状等の要因で漏れ磁束の確実な遮蔽が困難である場合にもスラスト方向の一方側及び他方側のコイル14a,14bへの漏れ磁束を略均等となるように制御することができ、不要な力を互いに相殺することで、上述の不要な力の発生に起因する不要な振動及び騒音を低減・防止することを実現でき、よって、構成の簡素化、低コスト化を実現するとともに、不要な振動・騒音を抑えることを実現する。
また、図9に示すような磁気遮蔽部材55を有するモータは、磁気遮蔽部材55とコイル14との間に絶縁部材36を設けるように構成したことから、漏れ磁束をより効果的に遮蔽し、この漏れ磁束による不要な力の発生並びにこれに起因する不要な振動及び騒音を低減・防止することを実現できる。尚、図9においては、絶縁部材36を設けるように構成したが、磁気遮蔽部材55を用いる場合においても、上述のモータ1と同様に絶縁部材36を有しないように構成してもよい。
また、本発明が適用されるモータを構成する磁気遮蔽部材としては、上述のものに限られるものではなく、例えば、以下の図10に示すような磁気遮蔽部材65を設けるように構成してもよい。
図10に示す磁気遮蔽部材65は、モータ中に配置されるコイル14の凹凸形状に合わせた形状とされることで、より効果的にマグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽することができるものである。
具体的に、磁気遮蔽部材65は、コイル14のスラスト方向の一方側の部分14aを覆うとともに、円周上に並べて設けられた各コイルに沿った凹部及び突部からなる凹凸形状を有した形状に形成されコイル14のスラスト方向の一方側に設けられた遮蔽板65aを有してなる。尚、同様の遮蔽板をスラスト方向の他方側にも設けてもよいことは、上述と同様である。
この遮蔽板65aは、その中心部付近に回転軸31を挿通するための挿通孔がそのスラスト方向から見た形状が略円形に設けられており、全体のスラスト方向から見た形状が略円環状となるとともに、コイル14の一方側の部分14aが設けられた位置に形成される突部65bと、コイル14が設けられていない位置に形成される凹部65cとがその円環形状の径方向に形成された複数の壁部65dを介して連続して設けられた形状に形成されている。
また、遮蔽板65aは、上述の遮蔽板34a,34b等と同様に、その最外周部が鉄心15の外側の端部と略同じ位置又は外側の端部より内側に位置するように形成されており、その最内周部が鉄心15の内側の端部と略同じ位置又は内側の端部より外側に位置するように形成されている。
磁気遮蔽部材65である遮蔽板65aは、鉄心15とマグネット20の磁気中心偏倚により鉄心15に巻き回されたコイル14にマグネット20からの影響を及ぼす磁束を遮蔽することで低減して、この影響を排除することができる。さらに、この遮蔽板65aは、凹部65c及び突部65bを有した形状とされてコイル14の一方側の部分14aに沿った形状とされていることから、コイル14への漏れ磁束をコイル14により近い位置で効果的に遮蔽することを可能とする。
このように、磁気遮蔽部材65は、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽することにより、鉄心15とマグネット20との磁気中心を偏倚させることによりスラスト吸引力を発生させることの弊害である、コイル14にマグネット20からの漏れ込み磁束が寄与することによる不要な力の発生及びこれに起因する振動、騒音等の問題を解消する。
図10に示すような磁気遮蔽部材65を有するモータは、上述のモータ1,41と同様に、回転軸31と、ラジアル軸受33と、スラスト軸受34と、マグネット20と、鉄心15と、コイル14とを備え、スラスト方向に鉄心15の磁気中心とマグネット20の磁気中心とを偏倚させることにより回転軸31をスラスト軸受34側に引き付けたモータであって、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材65が設けられていることから、この磁気遮蔽部材65の凹凸形状によりコイル14のより近い位置での遮蔽により、マグネット20からコイル14への漏れ磁束を低減して不要な力の発生を効果的に抑えることができ、不要な力の発生に起因する不要な振動及び騒音を低減・防止することを実現でき、よって、構成の簡素化、低コスト化を実現するとともに、不要な振動・騒音を抑えることを実現する。
ここで、上述した磁気遮蔽部材のうち、図1及び図2を用いて説明した磁気遮蔽部材35を有するモータ1を実施例のモータとして、この実施例のモータと、これと比較するために、上述の図1及び図2に示すモータに対して磁気遮蔽部材35のみを設けない構成としたモータ(以下、「比較例のモータ」という。)との時間に対するノイズレベルとの変化の関係を示す実験結果を図11に示す。尚、図11(a)及び図11(b)中において、横軸は、時間(sec)の変化を示し、縦軸は、ノイズレベル(V)の変化を示し、図11(a)は、比較例のモータのノイズレベルの変化を示し、図11(b)は、本発明に係る実施例のモータのノイズレベルの変化を示すものである。
図11(b)に示すように、上述した磁気遮蔽部材35を有する本実施例のモータは、図11(a)に示す比較例のモータに対してノイズレベルを約半分以下にすることができることを確認でき、振動及び騒音を抑えることができることが確認できた。
以上のように、本発明に係るモータは、上述のような様々な構成とされた磁気遮蔽部材を設けることにより、安価にスラスト吸引力を維持したまま、振動・騒音を小さく抑えることができ、また、高価なスラスト吸引専用のマグネットを不要とすることによりコストダウンを図ることができ、モータ自体の振動を大幅に低減することにより、機器に組み込まれた状態にて機器の加振源とならないので機器全体としての予期し難い振動・騒音の発生を防止することができる。
本発明に係るモータは、上述の放熱装置のモータに用いられるのみならず、ディスクドライブ装置のスピンドルモータを含めた各種のモータとして用いることができ、特に、ファンモータやスピンドルモータ等の低振動・低騒音が要求されるモータとして最適である。
本発明を適用したモータの構成を示す断面図である。 本発明を適用したモータを構成するマグネット、コイル、鉄心、磁気遮蔽部材等を示す拡大断面図である。 本発明を適用したモータを構成する磁気遮蔽部材の構成を説明するための図であり、モータの平断面図である。 本発明を適用したモータの磁気遮蔽部材を一方にのみ設けた例を示す断面図である。 本発明を適用したモータに絶縁部材を設けた例を示す拡大断面図である。 本発明を適用したモータの更に他の例を示す断面図である。 図6に示すモータを構成するマグネット、コイル、鉄心、磁気遮蔽部材等を示す拡大断面図である。 図6に示すモータに対して磁気遮蔽部材を一方にのみ設けた例を示す断面図である。 本発明を適用したモータを構成する磁気遮蔽部材の他の例を示す拡大断面図である。 本発明を適用したモータを構成する磁気遮蔽部材のさらに他の例を示す図であり、コイル、鉄心、磁気遮蔽部材等を軸の径方向外側からの状態を示す拡大側面図である。 本発明を適用したモータと、これに比較するモータとのノイズレベルの変化を比較して示すための図であり、(a)は、磁気遮蔽部材を設けない場合のノイズレベルの結果を示す図であり、(b)は、磁気遮蔽部材を設けた場合のノイズレベルの結果を示す図である。 従来のモータとしてディスクスピンドルモータを示す側面図及び断面図である。 従来のモータとして軸流ファンモータを示す断面図である。 従来のモータを構成するマグネット、コイル、鉄心の位置関係を示す拡大断面図である。 従来のモータにおいて磁気中心偏倚によりスラスト吸引力を発生した場合の回転時に振動・騒音が発生することを説明するための図であり、(a)は、鉄心及びコイルがマグネットのN極に着磁された部分に対向した状態を示す側面図であり、(b)は、鉄心及びコイルがマグネットのN極及びS極の境界部分に対向した状態を示す側面図であり、(c)は、鉄心及びコイルがマグネットのS極が支配的な部分に対向した状態を示す側面図であり、(d)は、この鉄心とマグネットの磁気中心偏倚を示す断面図である。 図15の場合に対して従来のモータにおいて磁気中心偏倚がない場合の回転時に振動・騒音が発生しないことを説明するための図であり、(a)は、鉄心及びコイルがマグネットのN極に着磁された部分に対向した状態を示す側面図であり、(b)は、鉄心及びコイルがマグネットのN極及びS極の境界部分に対向した状態を示す側面図であり、(c)は、鉄心及びコイルがマグネットのS極が支配的な部分に対向した状態を示す側面図であり、(d)は、この鉄心とマグネットの磁気中心偏倚がない状態を示す断面図である。 従来のモータとしてディスクスピンドルモータのスラスト吸引用のマグネットを設けた例を示す断面図である。 従来のモータとして軸流ファンモータのスラスト吸引用のマグネットを設けた例を示す断面図である。 従来のスラスト吸引用のマグネットを設けたモータを構成するスラスト吸引用のマグネットを示す拡大断面図である。
符号の説明
1 モータ、 3 ファン、 4 ファンケース、 11 ロータ、 11a ロータヨーク、 12 ステータ、 14 コイル、 15 鉄心、 16 ホルダー、 17 羽根ボス部、 19 羽根、 20 マグネット、 30 軸受ユニット、 31 回転軸、 33 ラジアル軸受、 34 スラスト軸受、 35 磁気遮蔽部材

Claims (8)

  1. ステータに対してロータを回転させる際の回転中心となる軸と、
    上記軸の周回り方向の支持を行う軸受と、
    上記軸のスラスト方向の一端を支持するスラスト軸受と、
    上記ロータに取り付けられ、上記軸の軸回り方向において交互に異なる極に着磁されたマグネットと、
    上記ステータに取り付けられ、上記マグネットに対して上記軸の径方向に対向する鉄心と、
    上記鉄心に巻き回されるコイルとを備え、
    上記スラスト方向に上記鉄心と上記マグネットとの磁気中心を偏倚させることにより上記軸を上記スラスト軸受側に引き付けたモータにおいて、
    上記マグネットから上記コイルへの漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽部材が設けられ、
    上記磁気遮蔽部材は、上記コイルの上記スラスト方向の一方側及び他方側の両方を覆うように略円盤状に形成され、該コイルの該スラスト方向の両側に設けられていることを特徴とするモータ。
  2. 上記磁気遮蔽部材は、その最外周部が上記鉄心の外側の端部と略同じ位置又は鉄心の外側の端部より内側に位置するように形成されている請求項記載のモータ。
  3. 上記磁気遮蔽部材は、その中心部付近に上記軸を挿通するための挿通孔が略円形に設けられ、磁気遮蔽部材の最内周部が上記鉄心の内側の端部と略同じ位置又は鉄心の内側の端部より外側に位置するように形成されている請求項記載のモータ。
  4. 上記磁気遮蔽部材は、上記コイルの上記スラスト方向の一方側及び他方側を覆うように略円盤状に形成された円盤部と、円盤部の最外周部から上記鉄心側に向けて立ち上げて形成されるとともに、コイルの鉄心よりスラスト方向に突出した部分を上記軸の半径方向から覆うように筒状に形成された外周壁部とを有し、コイルのスラスト方向の両側に設けられている請求項1記載のモータ。
  5. 上記磁気遮蔽部材は、その最外周部が上記鉄心の端部と略同じ位置又は鉄心の外側の端部より内側に位置するように形成されている請求項記載のモータ。
  6. 上記磁気遮蔽部材は、その中心部付近に上記軸を挿通するための挿通孔が略円形に設けられ、磁気遮蔽部材の最内周部が上記鉄心の内側の端部と略同じ位置又は鉄心の内側の端部より外側に位置するように形成されている請求項記載のモータ。
  7. 上記軸の周回り方向の支持を行う軸受は、動圧流体軸受である請求項1記載のモータ。
  8. 上記磁気遮蔽部材と上記コイルの上記スラスト方向の一方側及び他方側との間のそれぞれに絶縁部材を更に備える請求項1〜7いずれか1項記載のモータ。
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