JP5216198B2 - イソシアネートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ホスゲン化工程の過程で製造される塩化水素の電気化学的酸化により生成する塩素を、ホスゲンを製造するためにリサイクルすることを含む、ホスゲンおよび少なくとも1種のアミンからイソシアネートを製造するための、一体化された方法に関する。
塩素は、多数の有機化合物の調製およびポリマー製造用の原料の調製における一連の製造において、酸化剤として非常に一般的に用いられる。塩化水素は、副産物として頻繁に生成する。例えば、塩素はイソシアネートの製造に用いられ、そのとき塩化水素が副産物として生成する。塩化水素の付加的な利用法としては、例えば水溶液(塩酸)の上市や、他の化学製品の合成への使用が挙げられる。しかしながら、必ずしも製造される塩化水素の全量を市場に出したりその他の合成に用いたりできるわけではない。さらに塩化水素は、適切な手段により精製されてはじめて、合成用に用いることが可能とある。一方、塩化水素の市場への出荷は、塩化水素または塩酸を長距離輸送しなくでもよい場合に限り、一般的にコスト効率が高い。生成する塩化水素の最も一般的な使用法の一つは、PVC製造における原料として用いることであり、その際エチレンが塩化水素でオキシ塩素化されて二塩化エチレンを生成する。塩化水素の廃棄、例えばアルカリ溶液により中和する方法は、経済的および環境保護的展望から、魅力的とはいえない。
塩化水素のリサイクル工程、および塩素および/または水素を塩化水素が製造される製造工程へ戻すことはそれ故、望ましい操作方法である。リサイクル工程には、例えばディーコン法による塩化水素の触媒酸化、塩化水素ガスの電気分解、および塩化水素水溶液(塩酸)の電気分解が含まれる。こうして、イソシアネートを製造しディーコン法により塩化水素を触媒酸化するための一体化された方法が、例えばWO04/14845に開示され、イソシアネートを製造し塩化水素を気相電気分解するための一体化された方法がWO97/24320に開示されている。
電気化学的リサイクル法について、「第12回国際フォーラム 化学工業における電気分解−合成、分離、リサイクルおよび環境改善のための清浄および効率的プロセシング電気化学技術、1998年10月11〜15日、シェラトンサンドキー、クリアウォータービーチ、フロリダ州」で発表されたデニイ・ツリン・マー著、論文「無水塩化水素からの塩素の再生」で論評されている。
例えばWO04/014845に記述されているように、リサイクル法としてのディーコン法による塩化水素触媒酸化には、多くのプロセシング上の短所がある。例えば、不均一に触媒された塩化水素の酸化は、一定の限界内でのみ、種々の負荷状態に対して調節が可能である。ディーコン法は、電気分解に比べて、負荷変化に著しく影響される。塩化水素の触媒酸化のために、工業プラントのキャパシティを変えることも煩雑である。
塩化水素触媒酸化の更なる短所は、反応に用いられる触媒が、塩化水素中の不純物の影響を非常に受けやすいことである。触媒活性の損失により、リサイクル能力が急激に低下する。同時に、リアクター内の塩化水素酸化の反応率の低下により、リアクターから発生する反応生成物ガス(酸素、塩化水素、塩素、水蒸気)の回収が、より一層困難となる。これにより、全体的に触媒酸化法のコスト効率が著しく低下する。
WO97/24320およびEP876 335Aには、イソシアネート製造中に生成する塩化水素が気相電気分解により塩素に転化され、塩素がイソシアネート調製のためのホスゲン製造に戻されることが記載されている。トルエンジイソシアネート(TDI)調製の特別の場合に、水素もトルエンジアミン(TDA)製造に戻される。気相電気分解による塩化水素の塩素への転化は、工業的規模では、今だかつて試みられたことがなく、これには、工業的な実績のために、プラント構成要素に対する、例えば耐圧性などの技術的必要条件が増大したり、安全対策のためのコストの増大が伴ったりするという短所がある。更なる短所は、塩化水素が塩素に完全に転化しない場合、生成する塩素を余剰の塩化水素から分離する工程がさらに必要になることである。EP1 106 714Aによれば、酸素を塩化水素ガスに添加して、気相電気分解の反応率を改善する。この場合の短所は、酸素の反応率が不完全であると、生成する塩素を、例えば全体液化などにより、塩化水素のほかに酸素からも分離しなければならないことである。
さらに、WO97/24320およびその他によれば、陽極および陰極がイオン交換膜のそれぞれの側に配置される、いわゆる固体電解質システム、例えばナフィオン(登録商標)膜などを用いることができる。陽極および陰極は、例えばガス拡散電極でよい。あるいは、陽極または陰極として作用する触媒活性物質をイオン交換膜中に組み込むか、またはイオン交換膜に貼り付けることができる。この場合の短所は、イオン交換膜または触媒活性物質が汚染されたり損傷したりしていると、イオン交換膜および電極の触媒活性物質を含むユニット全体を取り換えなければならないことである。
陰極としてガス拡散電極を用いる塩化水素水溶液の電気化学的酸化が、例えばWO00/73538およびWO02/18675に記載されている。これらの開示された方法では、陰極での酸素還元用の触媒として、硫化ロジウムが用いられる。WO02/18675によれば、この触媒は、塩酸中に不純物として存在する可能性のある、例えば上流の合成工程から由来する有機成分に対して、非常に抵抗性がある。有機成分は、イオン交換膜を通して陽極室から陰極室に移動する。長時間の電気分解の運転時間にわたり、有機化合物は電圧上昇を引き起こし、プロセスのコスト効率にマイナスの影響を及ぼす。有機成分を除去するために、塩酸の精製に活性炭を用いたり、場合により付加的に、例えばモレキュラーシーブなどのイオン交換樹脂を用いたりすることが、WO02/18675に提案されている。
したがって、本発明の1つの目的は、イソシアネートの製造中に製造される塩化水素のリサイクルを含む、操作が簡単で確実なイソシアネート製造方法を提供することである。特に、迅速な起動と停止および種々の負荷状態での簡単な操作を提供する方法を提供することである。生産能力の増大も容易に達成できる。
当業者には明らかであろう上記およびその他の目的は、塩素を製造するための、アミンのホスゲン化反応中に生成する塩化水素の電気化学的酸化により達成され、この塩素は、引き続くホスゲン化反応に用いるホスゲンを製造するために用いられる。
[発明の詳細な説明]
本発明は、下記複数のステップを含むイソシアネートの製造方法を提供する。
(a)塩素と一酸化炭素とを反応させてホスゲンを製造し、
(b)ホスゲン、好ましくはステップ(a)で生成したホスゲンと、少なくとも1種の有機アミンとを反応させて、少なくとも1種のイソシアネートと塩化水素を生成させ、
(c)ステップ(b)で生成したイソシアネートを塩化水素から分離回収し、
(d)ステップ(b)で生成した塩化水素を、任意に精製して、分離し、
(e)塩化水素水溶液を調製し、
(f)任意に、塩化水素水溶液を精製し、
(g)塩化水素水溶液の少なくとも一部を、電気化学的に酸化処理して塩素に転化し、かつ
(h)ステップ(g)において製造された塩素の少なくとも一部を、ステップ(a)のホスゲン製造に戻す。
本発明による方法は、イソシアネートの製造と、イソシアネート製造用の出発生成物としてのホスゲンを合成するための塩素を回収する、塩化水素水溶液の電気分解とが一体化された方法である。
本発明による方法の最初のステップ(a)では、塩素を一酸化炭素と反応させることによりホスゲンを製造する。ホスゲンの合成は知られており、例えば「ウルマン工業化学百科事典、第3版、13巻、494〜500頁」に記載されている。イソシアネート製造のその他の方法は、例えばUS4764308およびWO03/072237に記載されている。ホスゲンは、技術的規模ではその大部分が、好ましくは触媒としての活性炭上で、一酸化炭素を塩素と反応させることにより製造されている。高度な発熱気相反応が、少なくとも250℃から最高600℃の範囲の温度で、通常は多管固定床リアクター中で行われる。反応熱は種々の方法で、例えばWO03/072237に記述されているように液体熱交換媒体を用いて、または例えばUS4764308に開示されているように反応熱を同時に水蒸気生成に用いる二次冷却回路を介する熱間冷却により、放散される。
ステップ(b)では、少なくとも1種の有機アミンまたは2種以上のアミンの混合物と反応させることにより、ステップ(a)で製造されたホスゲンから少なくとも1種のイソシアネートが生成する。ステップ(b)の工程を、以降ホスゲン化とも称する。反応は、副生成物としての塩化水素の生成を伴う。
イソシアネートの合成も、従来技術においてよく知られており、この合成においてはホスゲンは通常、アミンに対し化学量論的過剰量で用いられる。ステップ(b)のホスゲン化は、従来は液相中で行われ、その際ホスゲンとアミンは溶媒に溶解されている。好ましい溶媒の例としては、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン類および対応するクロロトルエン類またはクロロキシレン類、クロロエチルベンゼン、モノクロロジフェニル、α−またはβ−塩化ナフチルなどの塩素化芳香族炭化水素類;安息香酸エチル、フタル酸ジアルキル、フタル酸ジイソジエチル、トルエン、およびキシレンなどが挙げられる。適切な溶媒の更なる例は、当業者には公知である。例えば、WO96/16028などの従来技術においては公知であるように、生成するイソシアネートそれ自身も、ホスゲンに対する溶媒として作用することができる。別の好ましい実施形態において、ホスゲン化反応、特に適切な芳香族および脂肪族アミンのホスゲン化反応は気相で、即ちアミンの沸点以上で行われる。気相ホスゲン化反応は、例えばEP570 799Aに記載されている。
他の従来技術の液相ホスゲン化反応と比べてこの方法は、溶媒とホスゲンの複雑な循環を最小限に抑えることによりエネルギーを節約できる、との有利な点を有する。
原則として、1以上の一級アミノ基を有する全ての一級アミンは、ホスゲンと反応して、1以上のイソシアネート基を有する1以上のイソシアネートを生成することができるので、有機アミンとして適切である。アミンは少なくとも1つの、好ましくは2つの、場合により3つ以上の一級アミノ基を有する。したがって、脂肪族アミン、脂環式アミン、脂肪族−芳香族アミン、芳香族アミン、ジアミンおよび/またはポリアミンは、有機一級アミンとして適切である。適切な有機一級アミンの具体例としては、アニリン;4−クロロフェニルアミンなどのハロゲン置換フェニルアミン;1,6−ジアミノヘキサン;1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノシクロヘキサン;2,4−,2,6−ジアミノトルエンおよびその混合物;4,4’−,2,4’−,2,2’−ジフェニルメタンジアミンおよびその混合物;および上記アミンおよびポリアミンの高分子量アイソマー、オリゴマーまたはポリマー誘導体;が挙げられる。その他の使用できるアミンは、当業者に公知である。本発明にとって好ましいアミンは、ジフェニルメタンジアミン類(モノマー、オリゴマーおよびポリマーのアミン);2,4−,2,6−ジアミノトルエン;イソホロンジアミン;およびヘキサメチレンジアミン;などのアミンである。対応するイソシアネート、即ちジイソシアネートジフェニルメタン(MDI、モノマー、オリゴマーおよびポリマー誘導体)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)およびイソホロンジイソシアネート(IPDI)が、ホスゲン化反応中に得られる。
アミンはホスゲンと、1段階反応、2段階反応、または場合によっては多段階反応で反応させることができる。連続的または非連続的形式の操作が可能である。
気相1段階ホスゲン化反応を選択する場合、反応はアミンの沸点以上で、好ましくは平均接触時間0.5〜5秒以内、温度200〜600℃で行われる。
液相ホスゲン化反応の場合、温度20〜240℃、圧力1〜約50barで通常行われる。液相ホスゲン化反応は、1段階工程または多段階工程として行うことができ、ホスゲンは化学量論的な過剰量で用いられる。この場合、アミン溶液およびホスゲン溶液は、静電気混合エレメントを用いて混合され、この溶液が、例えば1または2以上の反応塔を通して底部から塔頂部まで流され、その際に混合溶液が反応して、目的とするイソシアネートを生成する。適切な混合エレメントを備える反応塔に加えて、撹拌器を有する反応槽も用いることができる。静電気混合エレメントと同様に、特殊な動力学的混合エレメントも用いることができる。適切な静電気および動力学的混合エレメントは、当業者には公知である。
連続的液相イソシアネート製造は、一般に、工業的規模では2段階で行われる。第1段階では、一般には最高220℃、好ましくは最高160℃の温度で、アミンおよびホスゲンから塩化カルバモイルが、アミンおよび排出された塩化水素から塩酸アミンが、それぞれ生成する。この第1段階は、高度に発熱反応である。第2段階では、塩化カルバモイルが分解してイソシアネートと塩化水素とを生成し、塩酸アミンが反応して塩化カルバモイルを生成する。第2段階は一般的には、少なくとも90℃、好ましくは100〜240℃の温度で行われる。
ステップ(b)のホスゲン化の後、ホスゲン化で生成したイソシアネートは、本発明にしたがいステップ(c)で分離される。これはまず、ホスゲン化反応からの反応混合物を、当業者に公知の方法により、液体状および気体状生成物流に分離することにより行われる。液体状生成物流は、実質的に、イソシアネートまたはイソシアネート混合物、溶媒および少量の未反応ホスゲンを含有している。気体状生成物流は、実質的に、塩化水素ガス、余剰のホスゲン、および少量の溶媒と不活性ガス(例えば、窒素および一酸化炭素など)からなる。ステップ(c)での分離後の液状流は処理され、好ましくは蒸留され、連続的にホスゲンと溶媒とに分離される。場合により、生成したイソシアネートの更なる処理が、ステップ(c)にしたがって行われる。この処理は例えば、当業者には公知の方法で、得られたイソシアネート生成物を分留することにより行われる。
ホスゲンと有機アミンとの反応により得られる塩化水素は、一般的に、ステップ(g)での塩化水素水溶液の電気化学的酸化を妨害する有機成分を含有する。この有機成分には、例えばクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンまたはp−ジクロロベンゼンなどの、イソシアネート製造に用いられた溶媒が含まれる。電気分解が膜法により行われる場合、これら有機成分により、または例えば鉄、けい素またはアルミニウムの化合物などの無機不純物により、イオン交換膜の機能が損なわれる。不純物は、イオン交換膜上に析出し、電気分解の電圧を上昇させる。電気分解の陰極としてガス拡散電極を用いる場合、ガス拡散電極の触媒もまた、無機または有機の不純物により活性を奪われる。さらにこれらの不純物は、集電装置上に析出してガス拡散電極と集電装置との間の接触を減少させ、電圧を上げることとなる。塩酸の電気分解に隔膜電解槽電気分解法を用いる場合、上記の有機または無機成分がグラファイト電極および/または隔膜上に析出して、電気分解の電圧を上昇させる。
したがって、ステップ(b)のホスゲン化反応で製造された塩化水素の、気体状生成物流からの分離が、さらなるステップ(d)で行われる。ステップ(c)によるイソシアネートの分離中に得られる気体状生成物流は、ステップ(d)において、ホスゲンはホスゲン化反応に戻され、塩化水素は電気化学的酸化により処理されるような方法で、処理される。
ステップ(d)における塩化水素の分離は、まず、ホスゲンを気体状生成物流から分離することにより達成される。ホスゲンは、例えば1つまたは直列に連結された1以上のコンデンサーでホスゲンを液化することにより分離される。液化は、用いられる溶媒に応じて、好ましくは−15〜−40℃の温度範囲で行われる。溶媒残渣の部分も、この低温冷却により、気体状生成物流から除去できる。
ホスゲンは、付加的にまたは代替的に、1の段階またはそれ以上の段階で、冷溶媒または溶媒−ホスゲン混合物を用いて、気体状流から洗い流すことができる。このための溶媒としては、例えばホスゲン化反応で既に用いた溶媒であるクロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼンが適切である。溶媒または溶媒−ホスゲン混合物の温度は、一般的に−15〜−46℃の範囲である。
気体状生成物流から分離されたホスゲンは、ステップ(b)のホスゲン化に戻すことができる。ホスゲンおよび溶媒残渣部分の分離後に得られる塩化水素には、例えば窒素や一酸化炭素などの不活性ガスに加えて、0.1〜1重量%の溶媒および0.1〜2重量%のホスゲンが含まれる。
溶媒の比率を低下させるための塩化水素の精製は、任意に、ステップ(d)にしたがって行われる。この精製は、凍結により行うことができ、溶媒の物性に応じて、塩化水素を1または複数の極低温トラップに通すことにより行うことができる。
1つの好ましい実施形態において、塩化水素は、直列に連結された2つの熱交換器に通すことにより精製され、除去される溶媒は、凝固点に応じて、例えば−40℃で凍結析出させる。2つの熱交換器を交替に運転すると、最初に気体状流が通過した熱交換器が、先に凍結された溶媒を解かし出す。溶媒は、ホスゲン溶液の製造に再利用することができる。下流に連結された第2熱交換器は、冷凍機用の従来の熱交換媒体、例えばフレオン類の化合物を含有し、その第2熱交換器の中では、気体が溶媒の凝固点以下まで冷却され、溶媒が晶出する。解凍および晶出工程の終了時に、気体状流と冷媒流とが交換され、熱交換器の機能が反転する。このようにして、塩化水素を含有する気体状流は、その溶媒含有量が好ましくは最大500ppm、より好ましくは最大50ppm、最も好ましくは最大20ppmとなるまで、溶媒を除去することができる。
あるいは、塩化水素の精製は、2つの直列に連結された熱交換器中で、US6,719,957に記述されているように行うことができる。この場合、塩化水素は5〜20bar、好ましくは10〜15barの圧力にまで圧縮され、圧縮された塩化水素ガスは20〜60℃、好ましくは30〜50℃の温度で第1熱交換器に通される。この塩化水素は、第2熱交換器から来る冷塩化水素により、−10〜−30℃の温度に冷却される。有機成分はこの工程で凝縮し、廃棄またはリサイクルに送ることができる。第1熱交換器に供給された塩化水素は、第1熱交換器を出るときはその温度が−20〜0℃であり、第2熱交換器に入って−10〜−30℃の温度にまで冷却される。第2熱交換器内で生成する凝縮物は、付加的な有機成分および少量の塩化水素から成る。塩化水素のロスを避けるために、第2熱交換器から排出される凝縮物は、分離蒸発器ユニットに送られる。この分離蒸発器ユニットは、例えば蒸留カラムであり、その中で塩化水素は凝縮物から除去され、第2熱交換器に戻される。除去された塩化水素は、第1熱交換器に戻すことも可能である。第2熱交換器で冷却され有機成分を含まなくなった塩化水素は、−10〜−30℃の温度で第1熱交換器に通される。10〜30℃に加熱された後、有機成分を含まない塩化水素は、第1熱交換器から出て行く。
別法では、任意にステップ(d)で行われる塩化水素の精製は、例えば溶媒残渣などの有機不純物を活性炭に吸着させることにより行われる。この場合、0〜5bar、好ましくは0.2〜2barの圧力で余剰のホスゲンを除去した後、塩化水素を、例えば活性炭床上にまたは活性炭床中に通す。流速および滞留時間は、当業者に公知の方法で、不純物含有量に合わせて調節する。有機不純物の吸着は、例えばゼオライトなどの他の適切な吸着剤を用いても、同様に可能である。
さらに別の方法においては、塩化水素は蒸留により精製できる。蒸留は、塩化水素ガスを凝縮した後に行う。凝縮塩化水素の蒸留において、精製塩化水素は、蒸留の塔頂留出物として除去され、蒸留は当業者に公知の蒸留における従来の圧力、温度などの条件で行われる。
ステップ(e)において、塩化水素水溶液は、分離され、任意にステップ(d)で精製された塩化水素から調製される。このために、塩化水素は、好ましくは適切な吸収剤を含む吸収カラム中で行われる断熱塩化水素吸収に送られる。1つの好ましい実施形態において、吸収剤は、濃度が20重量%以下の、好ましくは16〜18重量%の塩化水素水溶液(塩酸)である。あるいは、より低濃度の塩酸、脱イオン水または復水も、吸収剤として使用できる。塩化水素を塩酸水溶液へ断熱吸収させることによる濃塩酸の製造は、従来技術として公知である。吸収は例えば、塩化水素流を、例えばふるい板または充填物などの物質交換エレメントを備えた吸収カラムの下部に導入することにより行われる。吸収剤は、物質交換エレメントより上方の吸収カラム上部に導入される。塩化水素ガスは、物質交換エレメントに対し向流的に吸収剤に吸収され、すなわち吸収剤に溶解する。
通常の温度範囲90〜120℃、好ましくは105〜109℃において、吸収カラムの頂部から流出する気体状流(即ち蒸気)は、実質的に水蒸気から成る。加えて、塩化水素、窒素や一酸化炭素などの不活性ガス、水と未だ反応していないホスゲンおよび残留量の溶媒がまだ含まれている。例えば水、塩酸および溶媒残渣などの凝縮可能成分を分離除去するため、および凝縮熱を放散するために、気体状塔頂留出物流は、好ましくは凝縮ユニットに通される。この凝縮ユニットは、例えば、1または2以上の直列に連結されたシェル−チューブ型熱交換器からなり、冷却水を用いて運転される。この凝縮システムからの流出液体は、好ましくは分離器に送られ、凝縮析出した溶媒成分を塩酸水溶液相から分離除去する。この分離器は、好ましくは静電相分離器である。有機相と水相の分離は、この分離器中の対応する分離エレメントによって行われる。分離された有機相は、適切な回収装置に送られる。溶媒を除去された塩化水素相は、吸収カラムの上部に戻すことができる。
吸収カラムの下部から流出する塩化水素水溶液(塩酸)は、必要ならば適切な冷却器により冷却され、任意にステップ(f)にしたがって精製された後、ステップ(g)の電気化学的酸化反応に送られる。この溶液は、概して約24〜30重量%、好ましくは27〜30重量%の塩酸(以降、濃塩酸とも称される)であり、好ましくは最大0.05重量%、最も好ましくは最大0.005重量%の比率の溶媒を含む。塩酸のホスゲン含有率は、好ましくは約0.1〜0.0001重量%の範囲であるが、0.0001重量%未満とすることも可能である。
塩化水素水溶液は、任意に、特に溶媒比率およびホスゲン含有率をさらに低減させるために、ステップ(f)において精製処理される。この精製処理は、当業者に公知の方法により、例えば、循環蒸発器または水蒸気流入口を備えた充填カラム中に濃塩酸を導入し、カラム中で不純物を除去することにより実施できる。除去カラムからの蒸気は、吸収カラムに戻すことが可能である一方、精製濃塩酸としてのカラムからの流出液体は、ステップ(g)の塩酸電気分解へ、任意に冷却器を介して送ることができる。分離除去カラム中で不純物除去を行う代わりに、吸収カラムそれ自身の中に、好ましくは吸収カラムの下に位置する不純物除去部に、直接水蒸気を注入することによっても除去を行いうる。吸収カラム中で不純物除去を行う代わりに、吸収カラムの下流に連結された熱交換器を用いて部分蒸留することにより、塩化水素中の溶媒含有率を低減することもできる。
任意のステップ(f)において、塩化水素水溶液は、鉄、アルミニウムおよび/またはけい素の化合物を除去するために精製処理される。鉄、アルミニウムおよび/またはけい素の化合物の除去は、好ましくはキレートイオン交換剤を用いて行される。そうしたイオン交換剤は市販されている。
したがって、例えば鉄化合物の除去は、例えば市販のローム&ハース社製「アンバージェット(Amberjet)4400CI」またはランゼス社製「レワチット(Lewatit)M500」という名称のイオン交換剤を用いて行うことができる。鉄除去のための塩酸の濃度は、好ましくは少なくとも8重量%である。
鉄含有化合物の除去は、難溶性化合物としての沈殿、および引き続くろ過によっても可能である。
ステップ(e)により塩化水素水溶液を調製し、任意にステップ(f)により塩化水素水溶液を精製した後、塩酸を電解槽に通す。ステップ(g)による塩酸の電気化学的酸化は、膜法、あるいは、陽極室と陰極室とからなる2室電解槽中での、または陽極室と、陰極室と、陽極室と陰極室との間の電解質室とからなる3室電解槽中での隔膜電解槽電解法により行うことができる。2室電解槽が好ましい。膜法では、陽極室はイオン交換膜(以降、単に膜とも称する)、特にカチオン交換膜により、陰極室から隔離されている。隔膜電解槽電解法では、陽極室は隔膜により、陰極室から隔離されている。電極(陽極および陰極)の隔膜または膜からの距離は、好ましくは0〜3mm、より好ましくは0〜2mmである。適切なイオン交換膜は市販されている。硫酸基を有する適切な単層イオン交換膜の一例は、デュポン社から市販されているナフィオン(登録商標)117膜である。
隔膜としては、例えばDE3 321 159 Aに記載されている織布の隔膜を用いることができる。これには、プラスチックの糸を用いることができる。ポリビニルクロライド(PVC)またはふっ化ポリビニリデン(PVDF)の布、またはPVC糸とPVDF糸との混合布が、適切な織布製隔膜を製造するのに用いることのできる糸材料の例である。縦糸または横糸を、モノフィラメント糸と同様、DE3 321 159 Aに記載されているようなマルチフィラメント糸で構成することができる。隔膜を織った後、得られた織布を例えばカレンダー加工により圧縮して、ガス透過性を最適化することができる。
グラファイトを含む電極であって、陽極および/または陰極が好ましくは実質的にグラファイト製である電極を、隔膜電解槽電解法または膜法による塩酸の電気分解に用いることができる。両極性グラファイト電極が、最も好ましく用いられる。DE4 417 744 Aによれば、陰極および/または陽極の特に有利な設計は、貴金属含有被覆、例えばイリジウム含有被覆を有するグラファイト陰極および/または陽極である。
DE3 041 897 Aに公知なように、グラファイト陽極は、特に幾何学的形状を有する。陰極も、好ましくは陽極と類似の構造を有する。陽極および/または陰極の形状は、好ましくは垂直に配置された溝、縦溝、切込みまたは窪みの形状を示す。これらの溝は実質的に、電気分解の間に生成するガス、即ち塩素および水素を、電極と隔膜または膜との間の狭い間隙から上方に運び出す役割を果たす。溝は、好ましくは5〜35mm、最も好ましくは15〜25mmの深さ、および好ましくは1〜5mmの幅を有する。互いにほぼ平行に配置される2つの隣り合った溝の間の距離は、一般に4〜6mmである。別の実施形態において、溝の深さおよび/または幅は、溝の長さに沿って変化する。したがって、溝の深さは溝の下部端においては12〜15mm、溝の上部端においては20〜30mmとすることができる。
塩酸は、陽極室および陰極室の双方において、電解質として用いられる。電気分解の間、塩素が陽極で生成し、水素が陰極で生成する。
塩酸の電気化学的酸化操作の好ましい方法は、白金族の金属イオン、好ましくは白金および/またはパラジウムの金属イオンを、陰極室で電解質の役割を担う塩酸に添加することを含む。したがって例えば、六塩化白金(IV)酸(HPtCl)の溶液、四塩化パラジウム(II)酸ニナトリウム(NaPdCl)の溶液、またはこれらの混合溶液を添加することができる。添加は連続的に、または非連続的に行うことができる。陰極室中の塩酸に金属イオンを添加することは、5kA/m、70〜80℃、および塩酸濃度が好ましくは15〜25%、より好ましくは約20%の各条件下で、電解電圧を、金属イオンを添加しなかった場合の2.2〜2.3Vに比べて低い、1.6〜2.1Vの範囲に保つ役割を果たす。金属イオンの量については、電解電圧を1.8〜2.1Vの範囲に保つのに十分な量が、一般的に添加される。このことは、電気分解の操作中、電解電圧が上昇するにつれ金属イオンの添加量が増大することを意味する。
ステップ(g)の電気分解は、好ましくは50〜90℃の温度で行われる。用いられる塩化水素水溶液の濃度は、好ましくは15〜25重量%である。電気分解は、1barの絶対圧力または2bar以下のより高い圧力で行われる。さらに高い圧力も、一般的には可能であるが、その分、より複雑な電解槽の設計が必要になる。陽極室と陰極室との間の差圧は、好ましくは0〜10mbar、最も好ましくは約1mbarであり、その結果、陽極側におけるより高い圧力に起因して、生成する痕跡量の塩素ガスが隔膜を通して陰極側へ通過し、陰極で生成する水素ガスと混合することが可能となる。
1つの別の実施形態において、ステップ(g)における塩化水素水溶液の電気化学的酸化は、陰極としてガス拡散電極を用いる膜法により行われる。この場合、電解槽は2室または3室からなることができ、好ましくは2室である。酸素含有ガス、例えば酸素、空気または酸素添加空気が、陰極半電池に供給される。酸素はガス拡散電極で還元され、水を生成する。塩化水素水溶液が陽極半電池に供給され、塩化水素は陽極で塩素に酸化される。陽極半電池および陰極半電池は、カチオン交換膜により互いに隔離される。陰極としてガス拡散電極を用いる塩酸の電気分解は、例えばWO00/73538に記載されている。
電解槽は、非金属材質(例えばDE 103 47 703 Aに開示されている)または金属材質で作製することができる。チタン、または例えばチタン−パラジウム合金などのチタン合金が、電解槽に適した金属材料である。この場合、陽極半電池および陰極半電池のシェル、給電体、および供給リード線は、チタンまたはチタン合金で作製される。
陽極は、例えばDE 102 34 806 Aにしたがって設計することができる。この場合、陽極は貴金属酸化物(例えば、酸化ルテニウム)で被覆された金属(好ましくはチタン)で作製される。さらに、DE 102 00 072 Aによれば、チタン陽極は、炭化チタンまたはホウ化チタンの中間層を有することができ、この層は、貴金属酸化物被覆が施される前に、プラズマ溶射またはフレーム溶射によりチタン陽極に形成される。DE 102 34 806 Aによれば、金属陽極は、電気分解の間に生成するガスの流路のための開口を有し、この開口は好ましくは、生成するガスを、金属陽極の、イオン交換膜から離れる方向の側へ導く案内構造を有する。ここで、開口の総断面積は、陽極の高さと幅とで形成される面積の20%〜70%の範囲である。さらに、金属陽極は波形、ジグザグ形、または長方形の断面を有することができる。陽極の深さは、少なくとも1mmである。金属陽極の電気化学的に活性な面積の、金属電極の高さと幅とで形成される面積に対する比率は、少なくとも1.2である。1つの特別な実施形態において、金属陽極は2つの隣接するエクスパンドメタルのメッシュで作製することができ、イオン交換膜に面するエクスパンドメタルのメッシュは、イオン交換膜から離れた面を向くエクスパンドメタルのメッシュよりも、より繊細な構造を有する。さらに、より繊細な構造のエクスパンドメタルメッシュは、平らに圧延され、より粗い構造のエクスパンドメタルメッシュは、メッシュのストランドが陰極の方へ傾き、案内構造の役割を果たすように配置される。あるいは、陽極もまた、エクスパンドメタルメッシュで作製することができる。原則として、陽極は15〜70%の自由表面積を有さなければならない。個々の電解浴(槽エレメント)の電解槽へのバイポーラ連結に伴って追加の電気抵抗が発生しないように、エクスパンドメタルメッシュの厚さを選択しなければならない。電気抵抗は実質的に、例えば陽極と陽極半電池後壁との間にある電流供給連結エレメントの数などの、陽極の電気的接触に依存する。
ガス拡散電極を用いる電気分解の場合、陽極室と陰極室とを、市販のイオン交換膜で隔離することができる。例えば、デュポン社製のナフィオン(登録商標)324またはナフィオン(登録商標)117イオン交換膜を用いることができる。膜としては、WO05/12596に記述されているように、ガス拡散電極に面する側に平滑な表面組織を有するものが好ましく用いられる。膜の平滑な表面組織によって、ガス拡散電極および膜は、圧力250g/cmおよび温度60℃の条件下で、それらの接触面積が膜の幾何学的表面積の少なくとも50%となるように、互いに対向して配置されることが可能となる。
ガス拡散電極が貼り付けられる陰極側給電体は、好ましくはDE 102 03 689 Aにしたがって設計される。この給電体は、5%を超え65%未満の自由表面積を有する。給電体の厚さは、少なくとも0.3mmである。給電体は、エクスパンドメタルメッシュ、格子、織布、発泡体、不織布、または金属製の溝付き板または穿孔された板で作製することができる。陰極側給電体は、好ましくは、メッシュ長さ4〜8mm、メッシュ幅3〜5mm、ストランド幅0.4〜1.8mm、および厚さ0.4〜2mmを有するエクスパンドメタルメッシュである。陰極側給電体は、さらに、第1のエクスパンドメタルメッシュのサポートとしての第2のエクスパンドメタルメッシュを有することができる。サポートとしての第2のエクスパンドメタルメッシュは、好ましくは、メッシュ長さ10〜40mm、メッシュ幅5〜15mm、ストランド幅2〜5mm、および厚さ0.8〜4mmを有する。好ましくはワイヤー厚さ1〜4mmおよびメッシュサイズ7〜25mmの格子も、サポートとして用いることができる。さらに、好ましくは開口面積60%未満および厚さ1〜4mmの穿孔された板または溝付き板も、サポートとして用いることができる。チタン、または、例えばチタン−パラジウムなどの貴金属含有チタン合金も、陰極側給電体の材料として用いることができる。給電体がエクスパンドメタルメッシュである場合、それは好ましくは圧延されたものである。
適切な触媒を備えた市販のガス拡散電極を、ガス拡散電極として用いることができる。WO00/73538によれば、適切な触媒には、ロジウムおよび/または少なくとも1種の硫化ロジウム、またはロジウムと少なくとも1種の硫化ロジウムとの混合物が含まれる。EP 931 857 Aによれば、ロジウムおよび/または酸化ロジウムまたはこれらの混合物も用いることができる。ガス拡散電極は、好ましくは、炭素から製造した、導電性織布、紙または不織布からなり、それらの織布、紙、または不織布は、片側に炭素含有触媒層を、もう一方の側にガス拡散層を有している。触媒は、好ましくはポリテトラフルオロエチレン粒子を混入した炭素からなる基体に塗布されることが好ましい。ガス拡散層は、好ましくは炭素およびポリテトラフルオロエチレン粒子からなり、炭素のPTFEに対する比率は、例えば50:50である。ガス拡散電極は、イオン交換膜と恒久的に連結しないように配置することができる。ガス拡散電極と給電体およびイオン交換膜との接触は、好ましくは押圧接触により、即ち、ガス拡散電極、給電体および膜を互いに押圧することにより行われる。ガス拡散電極は、DE 101 48 600 Aに記述されているように、集電装置に連結することができる。
ガス拡散電極を用いる膜法による塩酸の電気分解は、通常40〜70℃の温度で行われる。陽極室における塩化水素水溶液の濃度は、10〜20重量%、好ましくは12〜17重量%である。電解槽は、例えば陽極室内の圧力が陰極室内の圧力より高くなるように操作することができる。このようにして、陽イオン交換膜はガス拡散電極に押圧され、次にこれは給電体に押圧される。あるいは、DE 101 38 214 Aに記述されているような電解槽の設計を選択することができる。陽極および/または給電体は、例えばそれぞれの半電池の後壁にバネで連結されることにより、弾力的に支持される。陽極がイオン交換膜と直接接触し、次にイオン交換膜がガス拡散電極と直接接触し、次にガス拡散電極が給電体と直接接触するように電解槽を組み立てた場合、電解槽はいわゆるゼロギャップ構成となる。弾性を有する基体を用いることにより、陽極、膜、ガス拡散電極および給電体が互いに押圧される。
電気分解法の1つの好ましい実施形態において、DE 10 152 275 Aに記載された電解槽が始動すると、陽極半電池は、少なくとも10ppmの遊離塩素を含む5〜20重量%の塩酸で充填され、始動時の塩酸濃度は5重量%を超えている。陽極室を流れる塩酸の体積流速は、電気分解の開始時に塩酸が陽極室中を0.05〜0.15cm/sの流速で流れるように調節される。電気分解は、電流密度0.5〜2kA/mで開始され、電流密度は5〜25分間隔で毎回0.5〜1.5kA/mずつ増加される。電流密度が所定の値、好ましくは4〜7kA/mに達すると、塩酸の体積流速は、塩酸が陽極半電池内を0.2〜0.4cm/sで流れるように調節される。
電解槽操作の特に有利な方法は、陰極室内の圧力を高めて電解槽電圧を低下させる電解槽の操作法を教示するDE 101 38 215 Aにしたがって実施できる。陽極室と陰極室との間の差圧は0.01〜1000mbarであり、陰極室内の酸素圧は少なくとも1.05bar絶対圧である。
本発明によれば、ステップ(h)の工程において、ステップ(g)で製造された塩素の少なくとも一部をステップ(a)のホスゲン製造に戻す。戻す前に、塩素は好ましくは、例えば管状熱交換器などの冷却器を用いて1段階または多段階冷却工程で冷却され、乾燥される。乾燥は、例えば物質交換エレメントを備える吸収カラム中で、適切な乾燥剤を用いて行うことができる。モレキュラーシーブまたは吸湿性の吸着剤に加えて、適切な吸湿剤には、例えばDE 10 235 476に記述されているように硫酸がある。乾燥は、1段階またはそれ以上の段階で行うことができる。乾燥は、好ましくは2段階で行われ、まず第1段階で、好ましくは70〜80%、最も好ましくは75〜80%に濃度を下げた硫酸と乾燥させる塩素を接触させる。第2段階においては、好ましくは88〜96%の、最も好ましくは92〜96%のより高い濃度の硫酸を用いて、残留水分を塩素から除去する。このように乾燥され、好ましくは最大100ppmの、より好ましくは最大20ppmの残留水分を有する塩素を液滴分離器に通すことにより、塩素中に残留する全ての硫酸液滴を除去することができる。
本発明にしたがった方法における操作の循環様式では、ステップ(g)の電気分解で製造された塩素に加えて、さらに塩素をステップ(a)のホスゲン製造に添加する必要がある。これは、塩素−塩化水素循環において、塩素および塩化水素のロスが生じるからである。その塩素の一部は、外部供給源、例えば塩化ナトリウム水溶液の電気分解からの塩素元素として添加することができる。しかしながら、生じる塩素および塩化水素のロスは、塩化水素の一部を外部供給源から供給することにより補充することもできる。外部供給源からの(例えば、塩化水素水溶液が副産物として製造される製造工程からの)塩化水素水溶液としての塩化水素の一部は、好ましくはステップ(g)における電気分解のための塩化水素水溶液を製造するステップ(e)における約30重量%の塩酸として供給される。これに対し、より低い濃度の塩酸は、ステップ(e)の塩化水素の吸収工程に供給することができる。
ロスした量を塩素で補充する場合、この塩素、例えば岩塩の電気分解で製造される塩素は、少量の臭素またはヨウ素を含むことがある。この塩素がMDIの製造に用いられた場合、例えばDE 10 235 476 Aに記述されているように、一定濃度の臭素およびヨウ素化合物により、MDIから製造されるポリウレタン製品に変色が生じることがある。これに対し、本発明の工程に戻される塩素は臭素およびヨウ素を殆ど含まないので、リサイクルされる塩素に対する外部から供給される塩素の比率に応じた量の臭素およびヨウ素が存在することになる。したがって、ステップ(g)の電気分解からの低臭素および低ヨウ素の塩素がMDA(ジフェニルメタンジアミン)のホスゲン化のためのホスゲンの製造に用いられる一方、本発明の方法にしたがった1つの好ましい実施形態では、TDAのホスゲン化に用いられるホスゲンの製造において、本発明の方法にしたがった電気化学的酸化以外の供給源からの少量の塩素を用いることが含まれる。TDAのホスゲン化によるTDIの製造において、臭素およびヨウ素はTDI中に閉じ込められ、したがって塩化水素循環から排除される。しかし、蒸留によるTDIの回収において、臭素およびヨウ素はTDIから分離され、残渣中に留まる。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、ステップ(a)のホスゲン製造に用いられる一酸化炭素は、水蒸気改質装置中でメタンを水と反応させることにより製造され、その工程で製造される水素を、少なくとも1種の有機窒素化合物と反応させて、ステップ(b)のイソシアネート製造に用いる少なくとも1種のアミンを生成することができる。水蒸気改質装置中でメタンを水と反応させて一酸化炭素を製造する方法は、以前から知られてきた。水素を有機ジニトロ化合物と反応させてアミンを製造する方法(水素化)も、同様に知られている。水蒸気改質装置が一酸化炭素の製造に用いられる場合、ホスゲン製造のための一酸化炭素の化学量論的必要量およびジニトロ化合物の水素化のための水素の化学量論的量が使用できる。例えば、ニトロベンゼンおよびジニトロトルエン(DNT)を、ニトロ化合物として用いることができる。ニトロベンゼンおよびジニトロトルエンは、水素化されて、アニリンおよびトルエンジアミン(TDA)を生成する。アニリンはさらに処理されて、ジフェニルメタン系列のポリアミンを製造する。その他のアミンに加えて、MDAおよびTDAをステップ(c)によるイソシアネート製造に用いることができる。イソシアネート製造のための全体的なプロセスのコスト効率の評価には、一酸化炭素の製造法、好ましくは水蒸気改質装置中で天然ガスから製造される一酸化炭素の製造法も含まれる。例えば石炭のガス化または石油留分の熱分解などの他の改質法が用いられる場合、水素に対する一酸化炭素の種々の比率が得られる。水素に対する一酸化炭素の比率が高ければ高いほど、全体的なプロセスのコスト効率は低下する。これは、水素の比率が低いと、同族のジアミンを生成するためのジニトロ化合物の水素化のために不足する水素を、別の供給源から供給しなければならなくなるためである。不足する水素は、例えば隔膜電解槽電気分解法による塩酸の電気分解により供給することができる。
イソシアネート製造に際して製造される塩化水素水溶液の電気化学的酸化を用いて、ホスゲン合成用の塩素を回収する、本発明の一体化されたイソシアネート製造法の長所は、電気化学的酸化が、ディーコン法による触媒酸化よりも、より簡単に操作できるという事実にある。より簡単な操作は、電解槽の始動と停止、および種々の負荷状態やプラントのより高いまたはより低いキャパシティに対する調節に関連している。さらに、塩化水素水溶液の電気化学的酸化は、塩化水素の気相電気分解より、より簡単に操作可能である。これは、プロセスが気相で行われるのではなく、溶液を用いて行われるからである。
ステップ(f)における約17%の塩酸からの約30%濃塩酸の製造を通して、塩酸の電気化学的酸化と連結したイソシアネートの製造は、必要ならば他の応用のために、循環系から濃塩酸を抜き取る可能性を提供する。この濃塩酸を用いる可能性の一つは、食品分野である。この目的のために、本発明の方法により製造される濃塩酸に関し、例えば従来技術に公知であるような、活性炭床への吸収による後精製により、食品工業にとって十分に高い純度が達成される。さらに、濃塩酸はMDA製造の触媒として用いることができる。ジフェニルメタン系列のポリアミンの製造は、通常、技術常識であるように、酸触媒の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとを反応させて行う。塩酸は、通常、酸触媒として用いられる。
本発明を説明するために上記において詳細に記載してきたが、そのような詳述は単にその目的だけのためであり、特許請求の範囲に限定される以外に、本発明の思想および範囲から外れることなく、当業者による種々の変更が加えられてもよいことを理解されたい。
この実施例では、出発物質として、MDIが除去された後にMDI製造工程から得られた塩化水素ガスであって、まだホスゲンを含むものを用いる。
HClガスからホスゲンを除去した後、44,660kg/hのHClを13.4barに圧縮する。HClの温度は約40℃、モノクロロベンゼン(MCB)の含有量は200ppm、オルトジクロロベンゼン(ODB)の含有量は70ppmである。このHCl流を第1熱交換器に通し、約−9.2℃に冷却する。この工程で、塩化水素の一部がODBおよびMDBと共に凝縮析出する。この部分は約62kg/h、温度が−9.2℃であり、これを分離器/蒸発器ユニットに通す。44,598kg/hの精製された残留流を、第2熱交換器に通し、−23.4℃に冷却する。この冷却の間、不純物としてMCB、ODBおよび存在しうるその他の高沸点成分を含む塩化水素の部分流が、再び凝縮析出する。この部分流998kg/hを、分離器/蒸発器ユニットに通す。残りの2度精製された残留HCl流は、44,573kg/hで−23.4℃であり、これを、上記の粗製HClガス流を冷却するために第1熱交換器にリサイクルし、そこで約21℃に加熱され、HCl吸収のために水中に通す。第1熱交換器から流出する加熱されたHCl流は、そのMCBおよびODBの含有量が1ppm未満である。
第1および第2熱交換器からのHCl部分流(62kg/hおよび998kg/h)を、不純物(高沸点成分)から塩化水素を分離するために、分離器/蒸発器ユニットに通す。温度約−12.2℃の87kg/hのHClを分離器/蒸発器ユニットから排出し、973kg/hの残留量を第2熱交換器に通す。分離器/蒸発器ユニットとして、例えばカラムの底部に蒸発器を備える蒸留カラムを使用できる。
2度精製された塩化水素を、上述したように水中に吸収させ、30%塩酸を製造する。
30%塩酸を、酸素欠乏陰極を陰極として用いる塩化水素電気分解に通す。電気分解の陽極室および陰極室を、デュポン社製ナフィオン324のイオン交換膜で隔離する。陽極液の温度は50℃、電流密度は、電解電圧1.39Vにおいて5kA/mである。陽極には、デノラ社製の貴金属被覆を備えたチタンを用いる。用いられる酸素欠乏陰極は、パラジウムで安定化されたチタン製の給電体上に載置された、エテック社製の硫化ロジウム含有ガス拡散電極である。陽極室と陰極室との間の差圧を調節して、膜を酸素欠乏陰極と給電体上に押圧する。差圧は200mbarである。電解槽は、1.01barの絶対圧力で操作される。電気分解の陽極室に、濃度14重量%の塩酸1466t/hを充填し、濃度12.2重量%の塩酸を陽極室から除去する。12.2重量%の塩酸96t/hのパージ流を継続的に除去し、残留塩酸流を精製30%塩酸148.5t/hで強化して、電気分解にリサイクルする。32.4t/hの塩素を、陽極室から抜き取ることができる。
プロトン1molに対して1.2molの水を、膜を通して移送し、19.7t/hの水が膜を通して陰極室に流入する。この陰極室においてこの水は、凝縮物の形態の、酸素還元の反応生成水と共に除去される。0.8重量%のHClを含む28.1t/hの凝縮物を得る。7.29t/hの純酸素を、陰極室に導入する。

Claims (22)

  1. (a)塩素と一酸化炭素とを反応させてホスゲンを製造し、
    (b)ステップ(a)で生成したホスゲンと少なくとも1種の有機アミンとを溶媒中で反応させてイソシアネートおよび塩化水素を生成させ、
    (c)イソシアネートを塩化水素から分離し、
    (d)塩化水素を精製し、
    (e)塩化水素水溶液を調製し、
    (f)任意に塩化水素水溶液を精製し、
    (g)24〜30重量%の塩化水素水溶液であって、0.05重量%以下で前記溶媒を含む、塩化水素水溶液の少なくとも一部を電気化学的に酸化処理して塩素を生成させ、かつ
    (h)(g)において製造された塩素の少なくとも一部を(a)へ戻すこと、
    を含むイソシアネートの製造方法。
  2. ホスゲンが(d)において液化によって塩化水素から分離される、請求項1に記載の方法。
  3. 塩化水素が(d)において凍結により精製される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 16〜20重量%の濃度を有する塩化水素水溶液への吸収により(e)における塩化水素水溶液が生成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. (f)における精製が、蒸気を用いた塩化水素水溶液の不純物除去により行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. (f)における精製が、キレートイオン交換剤を用いて行われ、鉄、けい素および/またはアルミニウムの化合物が塩化水素水溶液から除去される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 塩化水素水溶液が少なくとも8重量%の溶液である、請求項6に記載の方法。
  8. (g)が、互いにイオン交換膜により隔離された陽極室および陰極室を有する電解槽中で行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. (g)が、互いに隔膜により隔離された陽極室および陰極室を有する電解槽中で行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 陽極および/または陰極がグラファイトを含む、請求項8または9に記載の方法。
  11. 陰極がグラファイトを含み、かつ、イリジウムを含む被覆を有する、請求項10に記載の方法。
  12. 陽極および/または陰極が、垂直に配置された溝を有する、請求項10又は1に記載の方法。
  13. (g)の前に、白金族金属のイオンを塩化水素水溶液に添加する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. (g)の前に、白金および/またはパラジウムのイオンを塩化水素水溶液に添加する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. (g)において、ガス拡散電極を陰極として用いる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  16. ガス拡散電極が、炭素含有触媒層とガス拡散層との間に配された炭素製の、導電性織布、混交布、編布、格子または不織布を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 触媒層が、ロジウム、硫化ロジウム、またはロジウムと硫化ロジウムとの混合物を含む、請求項16に記載の方法。
  18. (g)において、チタンを含み、かつ、少なくとも1種の貴金属の酸化物の被覆を有する陽極が用いられる、請求項1〜8および15〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. (g)において、チタンを含み、かつ、酸化ルテニウムの被覆を有する陽極が用いられる、請求項1〜8および15〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. (e)において、チタンおよび/またはチタン合金を含む電解槽が用いられる、請求項1〜8および15〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. (i)(a)において用いられる一酸化炭素が、水蒸気改質装置中でメタンを水と反応させることにより製造され、(ii)水とメタンとの反応の間に製造される水素を有機窒素化合物と反応させることによりアミンを製造し、(iii)(ii)において製造されるアミンを(b)において用いる、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 臭素および/またはヨウ素を含む塩素が(a)において用いられ、それにより(b)においてTDAと反応させるためのホスゲンが生成される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
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