JP5216168B1 - 綴具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 半リング(20、30)をそれぞれ固定支持した基板(42、44)をそれらの長手に沿って並べ且つ互いに軸着し、スプリングにより前記基板(42、44)を常時開放方向に付勢したルーズリーフ綴具において、一方の基板には前記半リング(20、30)の閉鎖状態で他方の基板の外縁部に係止する鈎形部(104)を設け、他方の基板には前記半リング(20、30)が長手方向に偏倚されたときに前記鈎形部(104)が落ち込んで該外縁部との係止状態から解放するロック解除溝(108)を設け、さらに、前記両基板(42、44)を前記半リング(20、30)が整列する前記第1位置へ向けて常時付勢するコイルばね(102)と、好ましくは該ロックの解除により半リング同士を開放させるばねを設けた。
【選択図】 図1
Description
また従来の技術では、半リングの先端を鉤状に形成するので、先端のロック状態を解除するには半リング同士を大きくずらす必要があるので軸線方向に両基板を指で相対的に大きくずらす必要がある。
本発明の他の目的は、両半リングの自由端が開放され且つ安定して開放位置に維持される作用を有する綴具を提供することである。
本発明の他の目的は、従来とは異なって基板の長手方向ではなくて、上下方向に係合する凸部と凹部とを両半リングの先端部に設けてルーズリーフの保持能力を向上させ、必要な時に両半リング同士を開放でき、また解放後に直ちに半リング同士が整列し、閉鎖時には半リングは整列状態を保持しながら回転して先端の凸部と凹部を嵌合させることで、ルーズリーフの加除が安定に容易に実施でき、またリングの閉鎖がより確実になるロック構造を提供することである。
本発明はこれらの課題を解決することに加えて、他の効果も得ることができるが、以下で順次説明する。
(1)すなわち本発明は、次の綴具を提供する。
並べて配置された細長い一対の基板(42、44)と、これ等の基板にそれぞれ一体に支持されていて、互いに先端が整列衝合して閉リングとなる複数の半リング(20、30)と、前記基板(42、44)の裏面側にそれぞれ一体形成され、両基板の間に共通の軸線を有する複数の軸受であってそれらの間に前記半リング(20、30)が互いに整列する第1位置と整列しない第2位置との間で基板(42、44)がその長さ方向に相対移動可能なように設定された相互間隙を有する複数の軸受(14)と、前記基板(42、44)の裏面側で前記複数の軸受(14)に支承された軸(100)と、を有するルーズリーフ綴具において、
一方の前記基板に、前記半リング(20、30)の閉鎖状態で他方の基板の外縁部に係止する鈎形部(104)を設け、他方の前記基板に、前記半リング(20、30)が非整列の第2位置へ偏倚されたときに前記鈎形部(104)が落ち込んで該外縁部との係止状態から解放するロック解除溝(108)を設け、
前記両基板(42、44)を前記半リング(20、30)が整列する前記第1位置へ向けて常時付勢するコイルばね(102)を設け、さらに、
前記一方の半リング先端部(20a)には、前記軸の軸線に沿った方向に見た場合に上下方向の凹凸部を、他方の半リング先端部(20b)には前記凹凸部と相補的な上下方向の凸凹部を設けた、ルーズリーフ綴具。
また、半リング同士が開放された後に、指を離すとコイルばね(102)の圧縮応力による復元力で、両基板は長手方向にスライドして半リングが開放されたままで、互いに整列する状態へと復帰移動する。
この構成により、半リング同士の軸周りの回転方向への開放を単独のコイルばね(102)により実現しうる。半リング同士の開きはコイルばね(102)により安定に維持されるので、ルーズリーフの交換や補充が容易にできる。
これにより、摘み部(88)を引くだけで半リングの開放動作とそれに次ぐ解放位置の安定な維持が可能となる。なお半リングの閉鎖には指で半リングを押せばよいことは従来通りである。
(4)前記半リング(20、30)を45〜90度回転に規制することができる。
従来は約45度程度(両者で90度程度)以下であったが開きが不十分な場合があった。この実施例のように大きい開放角度があるとルーズリーフの挿脱は格別容易となる。この開き角度は一方の基板に所定の開放角度において他方の基板に係合して回転角度を規制するストッパ(108)により定められる。
(5)上記(1)の特徴のため、前記半リング(20、30)の先端部はネスト形状などの単純な重畳構造を有することができ、半リング同士の閉鎖が容易になる。前記(2)の場合でも半リング同士の閉鎖も同様に直線的にリングの閉鎖が可能となる。
(6)前記軸は一本の軸であってもよいし、或いは
(7)前記軸は前記軸受(14)を有しない側の基板に一体成型されていて前記軸受(14)に支承された複数の軸であってもよい。
(8)一対で組み合わせて使用される基板と該基板に支持された半リングとを有する綴具構造であって、半リング(20a)の先端のくさび形部(111)の斜行面(115)は、対合する半リング(30a)の先端のくさび形部(119)の斜行面(118)と嵌合且つ衝合するように形成され、半リング(20a)のくさび形部(111)の下面には凸部(113)と凹部(114)が形成され、この凸部(113)は対合する半リング(30a)の上面の凹部(117)に嵌合でき、凹部(114)には半リング(30a)の凸部(116)が嵌合しうるように形成され、また半リング(20a)のくさび形部(111)の斜行面(115)側に接して低板(112)が設けられ、その上面が半リング(30a)のくさび形部(119)の底面(120)に接触できるように構成された、綴具の構造。
綴具の全体構造
図1を参照するに、この実施例による綴具は、並べて配置された細長い一対の基板42、44と、これ等の基板にそれぞれ一体に支持されていて、互いに先端が整列衝合して閉リングとなる複数の半リング20,30と、基板42、44の裏面側にそれぞれ一体形成され、両基板の間に共通の軸線を有する複数の軸受14a(図1の正面図において左側の基板42に一体)と、複数の軸受14b(正面図において右側の基板44に一体)が設けられる。少なくとも一対の隣接した軸受14aと軸受14bの間には、両基板42、44が縦軸線方向に移動して半リング20、30が互いに整列する位置(図1)と整列しない位置(図3)で基板42、44がそれらの長さ方向に相対移動可能であり、それ以上の相対移動はできないように設定された相互間隙Gを有する。その他の隣接した軸受同士は基板の移動を妨げないようにG以上の間隙を有する。
図1〜13に示した実施例では両半リング20、30の先端は同一に形成され、互いに180度反転した状態で使用されると先端同士は滑らかに接触する。図9と図11は半リングの詳細を示し、先端が表裏に斜行面23を有し、それらの間に半リングの中心線に沿う垂直面25の片側に沿って斜行面23から突出する突起部26と、垂直面25の他側に沿って凹入する凹入部24から構成される。半リング20と30とは鉤形ではなく、単に接触しているだけであるので、半リング同士の滑らかな開閉が可能となる。なお突起26の先端と、凹入部24の内端は同じ丸みを有し、両半リングの衝接時にぴったりと嵌合するようになっている。また、図11に示したように半リングは基板42と44を矢印で示す縦方向に相対移動した時にずれ、逆にずれた位置から反対方向に戻すときちんと衝合する。
また半リング20bの構造は半リング30aと同一であり、半リング30bの構造は半リング20aと同一であることは先に述べたとおりである。
本発明の一つの特徴は、半リング20、30の閉鎖状態で基板42、44をロックする手段、すなわち基板ロック部材104と基板ロック解除溝106の組合せにある。図1(完成した綴具)、図2(綴具各半分を構成する樹脂成形体)及び部分拡大図5を参照すると、基板42、44にはそれぞれ複数のロック部材104と同数のロック解除溝106とが形成されている。基板42、44の側をそれぞれaとbで区別すると、ロック部材104aとロック解除溝106bは隣接して設けられており、またロック部材104bとロック解除溝106aは隣接して設けられておりそれらの間隔は両基板の相対移動範囲内にある。かかるロック構造は一箇所だけに設けても良いが、より多くのロック構造を(実施例では8対)設けてより確実なロック作用を得ることが好ましい。
ロック部材104とロック解除溝106との組合せのため、半リング20、30の先端が鈎形でなくても半リング同士を閉鎖状態に維持することができ、先端が一部重畳する任意の形状に形成することができる利点が得られ、成形金型の構造もより単純になる。
より好ましくは、図4〜6に示したようにコイルばね102とそれらの脚部102a、102bを利用すると、基板42、44は直ちに半リング20、30が開放したままで基板は半リング同士が整列する位置に戻る。
また、図4、5、12のように、好ましい実施形態であるコイルばねの使用では、ロックが解除された瞬間に、コイルばねの両脚部102a、102bが基板42、44の内面を押圧してこれ等の基板を半リングの開放方向に回転させる。例示の場合には相互角度180度(最低約90度)まで開放して、図7のA−A断面図(開放時のもの)で示したように広く開く。適当なストッパを例えば図10に示したように、摘み部88の内部に設けるとか、基板の任意の箇所に設けておけば相互角度を例えば相対角度90〜180度の範囲の一つの角度にまで開放し、且つコイルばね102の作用で半リングをその位置に維持することができる。このような解放角度は、両基板がある角度で干渉して係止するように設計すればよく、例えば図10において、一方の基板の摘み部88の内部にはストッパ108を有する弧状溝110を形成し、その内部に他方の基板の弧状端部107を挿入支持させる。また、ストッパは両基板が所定の開き角度で衝接して停止するような任意の構造で実現することもできる。
ばね102はコイルばねである必要は必ずしもないが、一層好ましいものである。コイルばね102の例を図5〜6に関連して説明する。この例ではコイルばねは各基板に最大90度(両者で180度)の開きを与える場合を記載するが、45度以上を与える場合にはそれに対応してより狭い開きを有するコイルばねを設計してよい。コイルばね102は応力のない状態で互いに逆方向に延びた両脚部102a、102bを有している。コイルばねの全長はばね受け部80と半リングが互いに整列した状態でのばね受け部80、90間の距離Lよりも少し長い。そのため、この状態では両半リングはコイルばね102を少し圧縮しているので、半リング20、30は開、閉いずれの状態でも常に整列状態に復帰するように基板の長さ方向に付勢されている。さらに、両脚部102a、102bはコイルばねの装着状態で、両半リングを所定角度まで押し拡げうる程度に捩れ応力を受けている。
これを図12により説明すると、ロック部材104と基板42の側面が係合したロック状態では半リング20、30が整列して完全なリングを形成している(図の上段)。基板42を指で図でコイルばね102の圧縮応力に抗して黒矢印方向に引くと、ロック部材104が基板42の側面を滑り、ロック解除溝106に落ち込み解除状態となる(図の中段)。このとき図5のように、捩れ応力下にあるコイルばね102の両脚部102a、102bが両基板42、44の内面を外方に押すので、基板42、44、従って半リング20、30はストッパが作用する停止位置まで強制的に開放される(図の下段)。指を離すとコイルばね102の圧縮応力により基板42は半リング同士が開放したままの状態で元の位置に復帰する。リーズリーフの差し替え等が終わり、指で任意箇所の両半リング同士を互いの方向に押すと図12の上端の閉鎖状態に戻る。
図2はこの実施例による綴具に使用された1つの基板を示す。基板は中心点に関して対称であるので、図2の正面図の中心点の周りに180度回転させれば完全に重畳する。換言すれば同一の成型品を2個組み合わせて軸100で結合すれば本発明の綴具が完成する。図1の綴具はこのようにして2つの基板を組み合わせ、かつ軸受14a、14bに一本の軸100を支持させたものである。図8は図2のE−E、F−F断面図を示す。
図7には図1のリングが閉じた状態のA−A、B−B、C−C、D−D断面図を示す。なお、リングが開放した状態のA−A、C−C断面図も併記した。軸受14a、14bは、軸支持面15が円筒形軸100を横方向から挿入できるような横向き馬蹄形をなしているので(図8も参照されたい)、両基板を内縁部でそろえて円筒形の軸受け孔を形成し、そこに、軸100を縦方向から挿入することで綴具を組み立てることができる。
別の形態として、この例の軸受14a、14b及び一本の軸100の代わりに、基板42、44の裏面側にそれぞれ一体形成された複数の軸受14と、基板42、44の裏面側にそれぞれ一体形成され、相手側の前記軸受14にそれぞれ支承された複数の軸とを設けたものである。
15 半円筒形軸支持面
20、30 半リング
22、32 鉤形先端
23 斜行面
24 凹入部
25 垂直面
26 突起部
42、44 基板
80、90 ばね受け部
88 摘み部
100 軸
102 コイルばね
102a、102b コイルばねの両脚部
104 基板ロック部材
105 基板ロック部材の鈎部
106 基板ロック解除溝
107 弧状端部
108 ストッパ
110 弧状案内溝
111 くさび形先端部
112 低板
113 凸部
114 凹部
115 斜行面
116 凸部
118 斜行面
119 くさび形先端部
120 底面
G:軸受間の隙間(移動範囲)
L:半リング整列時のばね受部80、90間の距離
Claims (8)
- 並べて配置された細長い一対の基板(42、44)と、これ等の基板にそれぞれ一体に支持されていて、互いに先端が整列衝合して閉リングとなる複数の半リング(20、30)と、前記基板(42、44)の裏面側にそれぞれ一体形成され、両基板の間に共通の軸線を有する複数の軸受であってそれらの間に前記半リング(20、30)が互いに整列する第1位置と整列しない第2位置との間で基板(42、44)がその長さ方向に相対移動可能なように設定された相互間隙を有する複数の軸受(14)と、前記基板(42、44)の裏面側で前記複数の軸受(14)に支承された軸(100)と、を有するルーズリーフ綴具において、
一方の前記基板に、前記半リング(20、30)の閉鎖状態で他方の基板の外縁部に係止する鈎形部(104)を設け、他方の前記基板に、前記半リング(20、30)が非整列の第2位置へ偏倚されたときに前記鈎形部(104)が落ち込んで該外縁部との係止状態から解放するロック解除溝(108)を設け、
前記両基板(42、44)を前記半リング(20、30)が整列する前記第1位置へ向けて常時付勢するコイルばね(102)を設け、さらに、
前記一方の半リング先端部(20a)には、前記軸の軸線に沿った方向に見た場合に上下方向の凹凸部を、他方の半リング先端部(20b)には前記凹凸部と相補的な上下方向の凸凹部を設けた、ルーズリーフ綴具。 - 前記半リング(20、30)を開放させる回転方向へ常時付勢するように、コイルばね(102)の両脚部(102a、102b)を前記両基板(42、44)の内縁部にそれぞれ係合させた請求項1に記載のルーズリーフ綴具。
- 前記基板(42、44)を前記半リング(20、30)が閉鎖する前記第1位置から前記第2位置の方向に移動させたときに前記コイルばね(102)を圧縮する側の前記基板の一端に一体に設けられた摘み部であって、他方の基板の端部を保持しかつ回転と並進を許容する案内溝(110)を有する摘み部(88)を設けた請求項1又は2に記載のルーズリーフ綴具。
- 前記半リング(20、30)を45〜90度回転できる請求項1〜3のいずれか一項に記載のルーズリーフ綴具。
- 所定の開放角度において前記両基板に回転角度を規制する部分(106)を設けた請求項4に記載のルーズリーフ綴具。
- 前記軸は一本の軸である請求項1〜5のいずれか一項に記載のルーズリーフ綴具。
- 前記軸受(14)に支承された前記軸はその軸受を有する基板ではない方の基板に一体成型されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のルーズリーフ綴具。
- 一対の基板と該基板に支持された複数の半リングとからなり、各基板の半リング(20a)の先端のくさび形部(111)の斜行面(115)は、他方の基板の対合する半リング(30a)の先端のくさび形部(119)の斜行面(118)と嵌合且つ衝合するように形成され、該半リング(20a)のくさび形部(111)の下面には凸部(113)と凹部(114)が形成され、この凸部(113)は対合する半リング(30a)の上面の凹部(117)に嵌合でき、凹部(114)には半リング(30a)の凸部(116)が嵌合しうるように形成され、また前記半リング(20a)のくさび形部(111)の斜行面(115)側に接して低板(112)が設けられ、その上面が対合する半リング(30a)のくさび形部(119)の底面(120)に接触できるように構成された、綴具。
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