JP5215857B2 - 光変調器 - Google Patents

光変調器 Download PDF

Info

Publication number
JP5215857B2
JP5215857B2 JP2008531960A JP2008531960A JP5215857B2 JP 5215857 B2 JP5215857 B2 JP 5215857B2 JP 2008531960 A JP2008531960 A JP 2008531960A JP 2008531960 A JP2008531960 A JP 2008531960A JP 5215857 B2 JP5215857 B2 JP 5215857B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
phase
modulator
amplitude
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008531960A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008026326A1 (ja
Inventor
信彦 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2008531960A priority Critical patent/JP5215857B2/ja
Publication of JPWO2008026326A1 publication Critical patent/JPWO2008026326A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5215857B2 publication Critical patent/JP5215857B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/21Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  by interference
    • G02F1/225Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  by interference in an optical waveguide structure
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/50Transmitters
    • H04B10/501Structural aspects
    • H04B10/503Laser transmitters
    • H04B10/505Laser transmitters using external modulation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/50Transmitters
    • H04B10/516Details of coding or modulation
    • H04B10/5167Duo-binary; Alternative mark inversion; Phase shaped binary transmission
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/50Transmitters
    • H04B10/516Details of coding or modulation
    • H04B10/54Intensity modulation
    • H04B10/541Digital intensity or amplitude modulation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/50Transmitters
    • H04B10/516Details of coding or modulation
    • H04B10/548Phase or frequency modulation
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/21Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  by interference
    • G02F1/212Mach-Zehnder type

Description

本発明は、光変調器に関し、特に、光ファイバを介して行われる光情報伝送に適した多値光変調器に関するものである。
近年、一本の光ファイバで伝送可能な情報量(伝送容量)は、波長多重数の増加や、光信号の変調速度の高速化によって増加してきた。しかしながら、伝送容量は、略10T(テラ)bit/sに達した時点で限界に達した感がある。その理由は、光伝送に使用可能な波長帯域が、光ファイバアンプの波長帯域(C、L、Sバンドを合わせて、約80nm=10THz相当)で決まる限界値に到達し、波長数の増加余地がなくなったためである。
光ファイバの伝送容量を更に拡張するためには、変調方式を工夫し、周波数帯域の利用効率を向上する必要がある。無線通信の分野では、1960年代から多値変調技術が広く使われており、周波数利用効率が10を越えるような高効率の伝送が可能となっている。多値変調は、光ファイバを利用した光信号伝送においても有望であり、これまでにも多くの検討が行われきた。
例えば、"10Gb/s Optical Differential Quadrature Phase Shift Key (DQPSK) Transmission using GaAs/AlGaAs Integration," OFC2002, paper PD-FD6, 2003(非特許文献1)には、4値の位相変調を行うQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式が提案されている。また、本発明者等は、"Proposal and Demonstration of 10-Gsymbol/sec 16-ary (40 Gbit/s) Optical Modulation / Demodulation Scheme," paper We3.4.5, ECOC 2004, 2004(非特許文献2)において、4値の振幅変調と4値の位相変調を組み合わせた16値の振幅・位相変調を提案している。
このように様々な光多値変調が検討されているが、多値光変調の実用化を妨げている要因の一つとして、送信波形の符号間干渉がある。また、光ファイバ通信で用いられる信号ビットレートは、10Gbit/s 〜40 Gbit/sに達しており、非常に高速度の多値光変調技術が必要となっている。多値光変調信号の速度は、典型的な多値無線信号の100〜1000倍であり、多値光変調信号の生成過程において、光変調器および高周波部品の周波数特性や、高周波信号同士の加算処理によって、信号波形が著しく劣化する。
後述する本発明の理解を助けるために、多値光信号の生成過程で生じる波形劣化と符号間干渉について、図4を参照して説明しておく。
図4(A)は、多値信号の生成に用いられる10Gbit/sの2値電気波形のアイパターンを示している。このような単純なデジタル波形であっても、信号ビットレートが10Gbit/s以上になると、理想的な矩形波形を得ることが困難となり、デジタル波形の上、下2つのレベル、すなわち、マークとスペースが、符号間干渉(ISI)によって劣化し、図示したように、上下方向に或る程度の幅を持つのが一般的である。この結果、波形の中央部に位置したアイ開口の高さが減少し、受信感度や波長分散耐力の劣化に繋がることが知られている。
信号ビットレートが10Gbit/sを越えると、多値信号の直接的な生成が困難となるため、このような高速の多値信号は、一般的に、振幅値の異なる2値電気デジタル信号を加算することによって生成される。例えば、高速の4値電気デジタル信号を生成する場合、同一のビットレートを持つ独立した2列の2値デジタル信号を生成し、ビットタイミングを合わせた状態で、振幅比2:1で加算すればよい。
例えば、図4(A)に示した振幅「2」の2値電気信号と、(B)に示した振幅「1」の2値電気信号を高周波ディバイダを用いて加算すると、(C)に示すように、等間隔に配置された4つの電圧レベルを持つ4値電気信号が生成される。この場合、2列の高周波信号を加算した時、回路部品で起こる信号反射や回路部品の周波数特性などが原因となって符号間干渉が増大し、結果的に多値信号(この例では4値信号)の波形に、図(C)に示すような大きな劣化が生じる。
一方、多値振幅変調光を生成するためには、上述した多値電気信号を高速の光変調器に印加して、光振幅変調を行う必要がある。一般に、光変調器の駆動に必要な電圧振幅は2〜5Vであり、高周波信号にとっては極めて大きな振幅値となっている。このため、光変調器の駆動には、ドライバアンプを用いた電圧増幅が必要となるが、アンプ特性の非線形性や、出力飽和、周波数帯域、ピーキングなどの制限によって、多値波形には更に大きな劣化が発生する。
光変調に広く用いられているマッハツェンダ(MZ)型の光変調器は、光変調に付随して発生する光位相の揺らぎを高精度に制御でき、広帯域で良好な変調特性(駆動電圧に対する光透過率)を実現できるという特徴がある。しかしながら、MZ型光変調器の変調特性は、図5のグラフに示すように、印加電圧に対して正弦波状となる。
高速の光ファイバ通信で広く用いられている単純な2値振幅変調においては、電気信号のマークとスペースのレベルを、図5に示す正弦波状の変調特性のボトムとピークに合致させるのが一般的である。この場合、マークレベルとスペースレベルの電圧値が、符号間干渉によって或る程度ばらついたとしても、光信号の強度揺らぎが抑圧されているため、極めて良好な出力波形が得られる。これは、ボトムとピークの両点で、印加電圧に対する変調特性の傾きが略ゼロとなるからであり、MZ変調器の波形整形効果として知られている。
MZ型光変調器を4値光振幅変調に用いる場合は、図5に示すように、4値電気信号がもつ4つの電圧レベルと対応して異なった光強度が得られるように、4値電気信号を正弦波状の変調特性の肩の部分に合致させる。このとき、4値電気信号の両端の2つの電圧レベルを消光特性のピークとボトムに合致させることによって、上述したMZ変調器の波形整形効果を得ることができる。しかしながら、4値電気信号の中央の2つの電圧レベルでは、波形整形効果がないため、符号間干渉を抑圧できないという問題がある。
非特許文献2が示すように、高効率の光多値信号伝送では、光信号に振幅変調と同時に位相変調を印加する多値振幅・位相変調が検討されている。ここで用いられる光振幅変調では、光位相情報を常に利用可能にするため、最小振幅値をもつ光レベルL0がゼロより大きくなるように、光信号の消光比を意図的に低く設定する必要がある。この場合、図5に示すように、強度が最も弱い光レベルL0でも、波形整形効果を得ることができなくなり、出力光の4値波形に更に大きな波形劣化が生じる。このように、光振幅変調の生成においては、符号間干渉の発生が大きな問題となっている。
一方、光位相変調の分野では、符号間干渉を抑圧した変調器が提案されている。最も基本的な構成は、図6に示すような単相無チャープMZ型の光変調器を用いた変調量πの2値光位相変調器である。
図6に示した単相無チャープMZ型光変調器120では、入力光経路102から入力された無変調の入力光101が、変調器内の導波路構造を伝搬し、光分岐器103によって2つの光導波路127−1と127−2に分離される。これらの光導波路を通過した2つの光は、光結合器109で合成され、変調度πの2値位相変調を受けた出力光126として、出力光経路110に出力される。
変調器の基板上面には、2つの導波路127−1、127−2の間に位置して、変調信号用の進行波形電極121が配置されている。進行波形電極121の一端には、変調信号入力端子122が接続され、他端には、終端抵抗125が接続されている。変調信号入力端子122に印加された高速の2値電気デジタル信号は、電極121を伝搬した後、終端抵抗125に吸収される。進行波形電極121を伝搬する過程で、2値電気デジタル信号が生じた電界が、2つの導波路127−1、127−2に電気光学効果を引き起こす。その結果、両導波路に位相差が生じ、進行波形電極121に印加される信号電圧Vに応じて、光信号の透過強度が、図7に示すように正弦波状に変化する。
上記単相MZ変調器では、2つの導波路127−1、127−2に生ずる位相差が互いに逆相になるため、光波形の強度変化に伴う位相揺らぎを無視でき(無チャープ)、図7に示すように、光信号強度がゼロとなる点で、出力光信号の位相がπだけ瞬時に切り替わることが知られている。また、上記正弦波の位相は、端子124を介してバイアス用電極123に印加されるバイアス電圧によって、任意の電圧位置に移動させることができる。
上述した単相無チャープMZ変調器を2値光位相変調に用いる場合、進行波形電極121に印加される2値電気デジタル信号の振幅を光透過特性の正弦波周期(2Vπ)に合致させ、且つ、バイアス電圧を調整することによって、図7に示すように、2値電気デジタル信号のスペースの平均レベルL0とマークの平均レベルL1を、正弦波状光透過特性の2つのピークに一致させる。これによって、光信号の位相は、2値電気デジタル信号がスペースの時にゼロ、マークの時にπに切り替えられることになる。マークとスペースの電圧は、両方ともMZ変調器のピーク部分に合致しているため、電圧波形の変動に対して波形整形効果が得られ、光強度の変動を抑圧できる。
図8(A)は、単相無チャープMZ型光変調器を用いた2値光位相変調器において、実験で得られた光強度波形を示す。この波形から、光強度が変動するのは各ビットの境界部分のみであり、波形の中央付近では、強度変動が抑圧され、光強度が一定となっていることがわかる。
図8(B)は、上記2値光位相変調器における光信号の位相点配置を示す。これは、複素平面状に光信号のビット中央時刻での複素電界をプロットしたものであり、原点からの距離(半径)が電界振幅を示し、I軸からの角度が位相を示している。この2値光位相変調器では、I軸上の振幅が一定で、位相0と位相πの2点に位相点が配置され、振幅方向にも位相方向にも殆んど広がりの無い、ほぼ理想的な(符号間干渉の無い)位相変調光が得られる。
尚、上述した変調度πの2値光位相変調は、変調器内部の2つの光導波路にそれぞれ個別の変調電極を持つ両相のMZ変調器においても、略同様に生成できることが知られている。この場合、2つの変調電極に、同一の振幅(Vπ)で互いに逆相の2値デジタル信号を同一のタイミングで印加することによって、同じ動作点で変調動作が実行されるようにすればよい。
図9は、上記2値位相変調器を用いて構成された従来の直交4値の光位相変調器133を示す。此の種の直交位相変調器は、例えば、半導体光MZ変調器を用いたものが非特許文献1に記載されている。
入力光経路102から入力された無変調の入力光101は、光分岐器103で2つの光経路104−1、104−2に分岐される。光経路104−1、104−2は、光導波路によって構成されており、各経路には、上述した単相MZ型2値光位相変調器105−1、105−2が配置され、それぞれの変調信号入力端子112−1、112−2に、互いに独立した同一ビットレートの2値電気デジタル信号が印加されている。これらの2値電気デジタル信号は、ビットタイミングが互いに一致するように、信号遅延量が調整されている。上記2値電気デジタル信号の印加によって、光経路104−1、104−2の通過光には、それぞれ変調度πの2値位相変調が加えられる。
一方の光経路104−1には、2値光位相変調器105−1の後方にπ/2光位相シフタ131が設けてあり、2値位相変調光の位相がπ/2だけ回転するようになっている。この結果、光経路104−1を通過した2値位相変調光107−1の位相点配置は、図10(A)のようになり、他方の光経路104−2を通過した2値位相変調光107−2の位相点配置は、図8(B)のようになる。
これらの2値位相変調光は、同一の光強度で光結合器109に入力され、互いに干渉する。上記2値位相変調光の位相は、瞬時的には、図10(A)または図8(B)に示した2つの位相点の何れかとなるため、光結合器109からの出力光134の位相点配置は、図10(B)に示すように、図10(A)と図8(B)の位相点をベクトル合成したものとなる。出力光134の位相点は、互いに90度ずつずれたπ/4、3π/4、−3π/4、−π/4の4点であり、出力光134は直交4値の位相変調光となる。
上記直交4値位相変調器133では、位相点の拡がり(符号間干渉)の無い2つの2値位相変調光をベクトル合成しているため、合成角度が安定であれば、出力光134は、符号間干渉の無い理想的な4値位相変調光となる。
図11は、特開2004−348112号(US 6,798,557:特許文献1)に示された任意変調度をもつ2値光位相変調器130の構成を示す。
ここに示した2値光位相変調器130は、図9に示した直交4値位相変調器133と略同一の構造となっているが、π/2光位相シフタ131が設けられた光経路104−2には光変調器が存在していない。従って、光結合器109において、2値位相変調光107と無変調光108とが合成される。2値位相変調光107と無変調光108は、強度が同一ではなく、その振幅比が意図的に1:aに設定されている。
図12(A)に、振幅「1」の無変調光108の位相点配置を、また、図12(B)に、2値位相変調光107の位相点配置を示す。無変調光108は、π/2の位相シフトを受けた結果、Q軸上の点(0,1)に頂点を持つ。また、2値位相変調光107の位相点は、(−a,0)と(a,0)の何れかである。よって、これら2つの光信号を光結合器109で干渉して得られた出力光132の位相点は、図12(C)に示すように、(−a,1)と(a,1)の何れかになる。これら2点は、互いに原点からの距離が等しく、位相角が±φ=arctan(a)だけ変化しており、変調量2φの位相変調光となっていることがわかる。
上記2値光位相変調器130は、2つの光信号107、108の比率aを調整することによって、変調位相角φを任意に設定でき、前述した直交変調器と同様、位相方向と振幅方向の両方で、符号間干渉の発生を抑圧できる特徴がある。特許文献1では、位相変調量をそれぞれπ、π/2、π/4に設定した任意位相変調器を2進法的に多段縦続接続することによって、8値、16値などの多値位相変調器を構成できることを開示している。
R. A. Griffin, et. al., "10Gb/s Optical Differential Quadrature Phase Shift Key (DQPSK) Transmission using GaAs/AlGaAs Integration," OFC2002, paper PD-FD6, 2003. Kenro Sekine, Nobuhiko Kikuchi, Shinya Sasaki, Shigenori Hayase and Chie Hasegawa, "Proposal and Demonstration of 10-Gsymbol/sec 16-ary (40 Gbit/s) Optical Modulation / Demodulation Scheme," paper We3.4.5, ECOC 2004, 2004. 特開2004−348112号(US 6,798,557:Sep. 28,2004 "Direct optical N-state phase shift keying" Appl. No.: 443328, Filed: May 22, 2003) 特開2002−328347号
上述したように、位相変調に関しては、符号間干渉を略完全に抑圧する波形生成技術が知られていたが、振幅変調と、振幅と位相を同時に変調する2値および多値の光変調技術は報告されていない。例えば、特許文献1では、強度変調波形の生成法については、全く触れていない。
一方、多値振幅変調における波形歪の低減は重要視されており、例えば、特開2002−328347号(特許文献2)には、MZ変調器の2つの電極に互いに変調度の異なる2値電気信号を印加することによって、4値光信号を生成する方法が示されている。しかしながら、この方法では、2つの電気信号を直接加算する場合に比較して、加算時に生ずる波形劣化を抑制できるという利点はあるものの、MZ変調器の消光特性の傾斜部分が使われているため、元の2値電気信号の持っている波形歪を抑圧することはできない。また、2つの電極での独立した変調動作に伴って、位相方向に大きな揺らぎを発生するという問題がある。
尚、2値の振幅変調においては、2値電気デジタル信号のマークとスペースをMZ変調器の正弦波状の変調特性のピークとボトムに一致させることによって、符号間干渉を抑圧した強度波形が簡単に生成できると認識されていた。しかしながら、一般の多値光位相変調で用いられる2値の光変調においては、強度変調でデジタル信号のスペースを送信する時、光強度をゼロにはできないため、スペースレベルを変調特性のボトムに一致させることができず、スペース部で波形整形効果が得られないという問題がある。
従って、本発明の第1の目的は、符号間干渉の発生を抑圧し、振幅と位相の双方に歪の無い信号波形をもつ2値または多値の振幅変調光の生成できる光変調器を提供することにある。
本発明の第2の目的は、光多値振幅・位相変調においても、符号間干渉の発生を抑圧することにある。
従来技術における多値光変調における多値数の最大値は、非特許文献2で報告されている16値振幅・位相変調である。このような多値数の多い光変調では、変調時に発生する振幅と位相の符号間干渉が障害となって、受信感度や波長分散耐力などの伝送特性が制限され、16値以上の多値数をもつ光変調が困難となっていた。
本発明の第3の目的は、多値数を増加でき、必要に応じて多値数を柔軟に変更可能で、情報を効率的に送信できる多値光変調器を提供することにある。
光多値振幅・位相変調には、光信号の位相点を同心円状、あるいは格子状に配置する手法が知られている。しかしながら、大きい多値数をもつ現実的な光波形の生成方法については、殆んど検討されていない。無線通信で使われているように、多値信号同士を最終段でベクトル合成する直交合成法を光波形生成に適用することも、理論上は可能である。しかしながら、光信号の変調に直交合成法を用いると、複雑な多値光変調器を含む干渉系を構成する必要があり、その小型化が困難になるという問題点がある。
図9、図11で説明した従来の光変調器は、無変調光と位相変調器(BPSK)を通過した2値位相変調光、またはそれぞれが位相変調器を通過した2つの2値位相変調光を互いにπ/2だけ位相をずらして干渉させることによって、2値または4値の位相変調光を生成している。
本発明は、位相変調器を適用して、振幅変調光、または振幅と位相の両方が変調された3値以上の多値振幅・位相変調光を生成できるようにしたものであり、少なくとも1つの光経路に光位相変調器が配置されている複数の光経路からの出力光を同一位相、または、±π/2以外の任意位相角で干渉させることを特徴とする。
更に詳述すると、本発明の光変調器は、入力光経路と、上記入力光経路から入力された光信号をN本(Nは2以上の整数)の光経路に分岐する光分岐器と、上記N本の光経路のうちの少なくともN−1本の光経路に配置された多値数KのM個(MはN−1以上の整数)の光位相変調器と、上記N本の光経路の出力光を同一の偏波状態で互いに干渉させ、出力光経路に送出する光結合器とからなり、少なくとも2本の光経路の出力光を同一位相、または、±π/2以外の任意位相角で干渉させることによって、上記光出力経路に、KのM乗値以下の振幅値を持った振幅変調光、またはKのM乗値以下の位相点を持った振幅と位相の両方が変調された多値振幅・位相変調光を出力することを特徴とする。
また、本発明は、入力光経路からの入力光をN本(Nは2以上の整数)の光経路に分岐し、これらの光経路からの出力光を互いに干渉させて、出力光経路に変調光信号を生成する光変調器において、上記N本の光経路の少なくとも1つに2値光位相変調器を有し、上記2値光位相変調器をもつ光経路を含む少なくとも2本の光経路の出力光を同一位相、または、±π/2以外の任意位相角で干渉させることによって、上記入力光経路に入力された光に2値以上の多値振幅変調、または振幅と位相の両方が変調された3値以上の多値振幅・位相変調を与えることを特徴とする。
本発明によれば、特定タイプの変調器、例えば、マッハツェンダ型2値光位相変調器を構成要素として、光振幅変調器、あるいは光振幅・位相変調器を構成できる。また、位相変調器として、変調時に符号間干渉の発生しない変調器、例えば、単相型または両相型のMZ変調器を用いた変調度πの2値位相変調器、任意変調度の2値位相変調器、直交型4値位相変調器を適用すると、これらの変調器で生成された光信号のベクトル合成によって生成される多値振幅変調光、多値振幅・位相変調光の符号間干渉を略完全に抑圧できる。
光位相変調器として、例えば、π変調電圧がVπの単相無チャープマッハツェンダ型光変調器を使用する場合、該光位相変調器に対して、略2Vπの振幅を有し、マークの平均レベルとスペースの平均レベルが、それぞれ該光位相変調器の光出力強度が最大となる2つの隣接する電圧点に合致した2値高速電気デジタル信号を入力する。
光位相変調器として、例えば、π変調電圧がVπの両相マッハツェンダ型光変調器を適用する場合、該光位相変調器に対して、略Vπの振幅を有する互いに反転した2列の2値高速電気デジタル信号を入力し、マークとスペースの送信時に、該光位相変調器の動作点がそれぞれ上記マッハツェンダ型光変調器の光出力強度が最大となる2つの隣接する電圧点に合致させる。
本発明の他の特徴は、上述した光変調器の出力光経路に第2の変調器を縦続接続した構成にある。この構成によれば、後述する実施例から明らかなように、16QAM信号などの複雑な位相点配置を持った光信号を容易に生成できる。本発明の光変調器は、本発明を適用した他の光変調器と組み合わせても良い。
本発明の更に他の特徴は、入力光が分岐されるN本の光経路のうちの少なくとも1本に、他の特定の光経路の出力光との間の位相差を調整するための光位相調整器を配置し、少なくとも光位相変調器が配置された光経路に、光信号の振幅を調整するための可変光減衰器を配置したことにある。合成される光信号の電界振幅比と位相差を変えることによって、光変調器の出力光波形における振幅開口値や位相点配置を変更できる。この場合、振幅比を適切に設定することによって、1対の位相点が重なった位相点配置とし、意図的にMのN乗(NはM値位相変調器の個数)以下の任意の多値数をもった多値光信号や、光パーシャルレスポンス信号を生成できる。
上記構成において、例えば、出力光経路に第2の光位相変調器を縦続接続した場合、光位相調整器と可変光減衰器を制御することによって、上記第2の光位相変調器から出力される変調光の多値数、位相点配置を変えることができる。
複数の光経路から出力された光信号を同位相で合成したい時、位相ずれが発生すると、波形劣化の原因となるが、この問題は、実施例で詳述するように、合成された出力光における振幅変調成分が最大になるように、光信号の位相を自動制御することによって解消できる。
本発明によれば、複数光経路の出力光を同一位相、または、±π/2以外の任意位相角で干渉させることによって、位相変調器を適用して、振幅変調光、または振幅と位相の両方が変調された3値以上の多値振幅・位相変調光を生成できる。また、多値光振幅変調において、振幅方向の符号間干渉を抑圧することによって、2値電気信号に波形劣化があった場合でも、波形劣化の少ない多値光信号を生成でき、多値光信号波形のアイ開口を拡大できるため、効率的な情報伝送が可能となり、受信装置側で光信号の受信感度も大幅に改善できる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施例として、4値光振幅変調器100の構成を示す。
入力光経路102から供給された入力光101は、光分岐器103で第1光経路104−1、第2光経路104−2、第3光経路104−3に分岐される。これらの光経路のうち、第2光経路104−2と第3光経路104−3には、それぞれ単相MZ型の2値光位相変調器105−1、105−2が配置され、第1光経路104−1と第3光経路104−3には、それぞれ光位相調整器106−1、106−2が設けてられている。
2値光位相変調器105−1、105−2の変調信号入力端子112−1、112−2には、それぞれ個別の2値電気デジタル信号が印加されている。これらの電気信号は、ビットレートが等しく、互いにビットタイミングが合致するように、信号遅延量が調整されている。これによって、第2光経路104−2と第3光経路104−3を通過する光には、それぞれ変調度πの2値位相変調が加えられる。
光位相調整器106−1、106−2には、それぞれバイアス端子113−1、113−2を介して、外部からバイアス信号を印加され、これによって、各光経路から出力される光信号の位相状態が調整される。本実施例では、上記バイアス信号によって、それぞれ光経路104−1、104−2、104−3を通過した3つの光信号、すなわち、無変調光108と2値位相変調信号107−1、107−2の位相が互いに完全に一致する(位相差がゼロとなる)ように調整される。
位相が揃った状態で、上記光信号108、107−1、107−2を光結合器109で相互干渉させることによって、出力光経路110に出力される出力光111に4値振幅変調を生じさせることができる。この時、光信号108、107−1、107−2は、電界振幅比率が「1:a:b」となっている。尚、各光信号の瞬時光強度は、電界振幅の二乗となるため、瞬時光強度の比率は「1:a^2:b^2」となる。
図2を参照して、上記4値光振幅変調器100における4値光振幅変調の生成原理を説明する。
図2(A)、(B)、(C)は、それぞれ無変調光108、2値位相変調光107−1、2値位相変調光107−2の位相点配置を示している。これらの光信号は、それぞれの光位相が互いに一致するように位相調整されている。基準位相をI軸とすると、無変調光108の位相点は、図2(A)に示すように座標(1,0)、2値位相変調光107−1の位相点は、図2(B)に示すように(−a,0)または(a,0)、2値位相変調光107−2の位相点は、図2(C)に示すように(−b,0)または(b,0)となる。従って、これら3つの光信号を合成(干渉)して得られる出力光111の位相点配置は、(1−a−b,0)、(1−a+b,0)、(1+a−b,0)、または(1+a+b,0)の4点となる。
ここで、振幅比a、bを0<b<a<1とすると、出力光111の位相点配置は、、図2(D)に黒丸で示すように、I軸上の原点からの距離(電界振幅)が異なる4点となり、出力光信号111は、異なる4つの強度レベル(1−a−b)^2、(1−a+b)^2、(1+a−b)^2、(1+a+b)^2を持つ4値振幅変調光となる。
光結合器109に入力される光信号は、無変調光108と、符号間干渉(位相点の拡がり)の無い理想的な2値位相変調光107−1、107−2となっているため、これらの光信号をベクトル加算して得られる出力光信号(4値振幅変調光)111も、符号間干渉が抑圧された理想的な波形となる。また、出力光信号111は、全ての位相点がI軸上に配置されているため、変調時に位相揺らぎが発生しない。
本実施例によれば、変調器100から出力される4値振幅変調光の信号レベルは、上述したように、電界振幅比a、bによって決まるため、これらの強度を適切に設定することにより、所望のレベル比の光信号を得ることができる。例えば、a=2/3、b=1/3とすると、出力信号の4つの強度レベルは、電界比で、下から順に0:2/3:4/3:2=0:1:2:3となり、最低レベル(電界振幅1−a−b)の光強度を0として、各レベルの光電界の間隔を一定にすることができる。
このように電界を等間隔に配置すると、各レベルの光強度比は、0:1:4:9のように、二乗ルールで上のレベルほど間隔が広がっていく。光増幅器を用いた光伝送システムでは、光増幅器からの雑音光が受信感度の制限要因となるため、光強度レベルをこのように二乗ルールに従って配置すると、受信感度の面で最も理想的となる。
本実施例で得られた4値強度変調光は、無チャープであるため、これを利用して、光位相変調を加えた多値振幅・位相変調光を生成することが可能となる。この場合、最低レベルの光強度がゼロにならないように、例えば、a=0.4,b=0.2とする。このとき、出力光信号の4つのレベルは、電界比で下から順に0.4:0.8:1.2:1.6=1:2:3:4となり、最低レベルを含めて、上述した二乗ルールを実現できる。但し、下側のアイ開口が小さくなり過ぎると、受信特性が劣化するため、実際の応用においては、光強度レベルが等間隔配置と二乗ルール配置との中間ぐらいになるように、レベル設定するのが望ましい。
図3は、本実施例の変調方法で実験により生成された4値強度変調光の信号波形を示している。
実験系は、図1と同じように、光信号を3つに分岐した後に、第2、第3の光経路に、それぞれ単相MZ型光変調器を配置し、無変調光と、単相MZ型光変調器を通過した2つの2値位相変調光を再び光結合する構成となっている。これらの部品は、略同一長さの光ファイバで結合され、単相MZ型光変調器に印加するデータ信号のビットレートは、10Gbit/sとし、その振幅は、理想的な振幅値2Vπのおよそ90%としてある。また、干渉計で結合された3つの光経路には、それぞれ光アッテネータを挿入し、3つの光信号108、107−1、107−2の強度比を凡そ「1:−11.4dB:−16.5dB」とし、電界比で「1:0.26:0.15」とした。4値光信号の各レベルの強度比は、計算上では、L0:L1:L2:L3=1:2.2:3.53:5.66となる。
図3(A)が、実際に生成された4値強度変調光のアイパターンを示す。電圧振幅の不足のため、ビットの前半などで、各レベルに多少の拡がりが見られるものの、どのレベルも略同一の太さの良好なアイ開口が得られており、符号間干渉の抑圧効果が確認できる。
図3(B)は、この4値強度変調光をパルス化した光波形、図3(C)は、従来の電気信号の合成で生成した4値光波形を示している。後者は、符号間干渉による波形劣化のために、各光強度レベルの幅が増大し、アイ開口幅が縮小しているが、前者は、符号間干渉が抑圧されて、各レベルの幅が十分狭くなっており、極めて良好なアイ開口が得られることが確認できる。このように、本実施例によれば、符号間干渉を抑圧した理想的な光強度変調波形を生成することができる。
本実施例は、実装において、各経路の光信号をコヒーレントに干渉させ、且つ、光位相雑音が光強度雑音に変換されることを防ぐために、各光経路長の差をできるだけ短く(レーザ光源の線幅にもよるが、通常は数10cm以内)保つ必要がある。また、3つの光信号を効率よく干渉させるため、光信号の偏波状態を一定に保つ必要である。これらの条件は、偏波保持光ファイバ干渉系を用いて実現可能であるが、装置をより小型化するためには、空間光学系を用いた干渉系を使用し、複数の光部品を集積化して導波路で結合する構成とすればよい。
図1に示した4値光振幅変調器100の構成は、既に、LN結晶や半導体チップ上で集積化されている図9に示した直交4値位相変調器と略同一規模の光回路であり、製品を実現上での問題はない。小型の集積回路構造とすることによって、温度の変化等による干渉系の位相ずれを小さくし、安定に動作する光振幅変調器を実現できる。これは、後述する本発明による光多値振幅・位相変調器においても同様である。
図1において、位相調整器106(106−1、106−2)は、光信号の位相を波長以下のレベルで微調整する部分であり、その機能は、電気光学効果やシュタルク効果などを利用した光位相変調器の採用、遅延線または光導波路の一部に高屈折領域を設けたりレーザトリミング技術など、種々の手法で実現できる。また、本実施例では、光経路104−1と104−3に位相調整器106を配置しているが、結果的に3本の光経路の位相差を相対的に調整できればよいため、位相調整器106は、実施例とは異なった位置に配置してもよい。
尚、4値光振幅変調器100の製造時点で、例えば、経路長の高精度管理、温度依存性の排除技術などによって、3本の光経路に位相差が生じない構造となっていれば、位相調整器106の配置は不要となる。従って、位相調整器106は、本実施例における必須の構成要件ではない。
単相MZ型2値光位相変調器105の代わりに、従来技術として説明した両相MZ型2値位相変調器を適用してもよい。但し、後者は、2系統の互いに反転した2値電気デジタル信号を必要としているため、これらのデジタル信号間で振幅差が発生すると、前者に比較して、符号間干渉の抑制効果が低下する可能性がある。
本実施例では、4値振幅変調信号を生成しているが、並列に配置される光経路の本数と変調器の個数を増やすことによって、例えば、8値、16値など、多値数の高い光振幅変調を実現できる。電界振幅比a、bの値は、生成すべき光信号の位相点配置に応じて、広い範囲で変更可能であり、例えば、aとbの大小関係を逆転したり、aとbの値を等しくてもよい。また、基準となる電界振幅の値を1より大きくしても構わない。
これらの電界振幅比の大きさは、例えば、光分岐器103の分岐比、光結合器109の結合比を変えることによって、所望の値に設定できる。電界振幅比の調整には、光経路104−1〜104−3、2値光変調器105−1〜105−2、光位相調整部106−1〜106−2における損失差や、後述するように、光強度調節に専用の光アッテネータや光増幅器を利用してもよい。光経路にMZ型や電界吸収型などの光変調器を配置し、電極に直流電圧を印加することによって光損失を制御する構造を採用してもよい。
尚、本実施例の構成では、位相ずれが丁度πとなっても、符号間干渉の無い4値振幅変調波形を生成できるが、この場合、伝送される2値デジタル信号の極性が反転するという問題がある。
しかしながら、このような符号反転は、受信側で検出できるため、例えば、受信器側の復号器に符号補正回路を設けることによって、符号反転を自動的に補正することができる。別の方法として、送信器側に、4値光振幅変調器100で生成した光信号から符号反転を検出する光検出器を設けておき、符号反転を送信側で修正するようにしてもよい。
符号反転の発生は、例えば、各光位相変調器に印加するバイアス信号に低周波のディザリング信号を重畳しておき、出力光の一部を送信器内に設けた低速光受信器で受信して、ディザリング信号の位相を調べることによって検出するようにしてもよい。
図13は、本発明の第2実施例として、自動位相調整機能を備えた4値光振幅変調器100Aを示す。
光結合器109に接続される各光経路の長さが、例えば、環境温度の変化や経年変化によって変動すると、光結合器109から出力される光多値強度変調波形のアイ開口の大きさが変化し、伝送特性が劣化する。アイ開口が大きく変化すると、デジタル信号の論理値が反転し、信号伝送が不能となる可能性がある。この場合、各位相点が位相方向にも変化し、波形のチャープによる伝送劣化や、位相変調結果にも大きな劣化が生じる可能性がある。
第2実施例では、これらの現象を防止するため、光結合器109の出力光111の一部を光経路110−2を介して光検出器(PD)142に導き、出力光111の振幅変調成分を電気信号に変換する。光検出器142の出力信号は、高周波検出器143に入力され、振幅を示す直流電気信号に変換される。この信号は、A/D変換器144でディジタル信号に変換した後、最大値制御部145に入力される。
最大値制御部145は、A/D変換器144の出力が示す振幅値が最大となるように、1対の制御信号Vp1、Vp2を生成する。制御信号Vp1、Vp2は、それぞれD/A変換器146−1、146−2でアナログ信号に変換した後、光位相調整器106−1、106−2のバイアス端子113−1、113−2に印加される。
図14は、最大値制御部145が実行する制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
最大値制御部145は、高周波検出器143で観測される1つの検出信号に基いて、2つの光位相調整器106−1、106−2を制御する必要があり、ここでは、変数iの値を判定して(ステップ1401)、2つ光位相調整器を時分割で制御している。
すなわち、変数iが奇数の場合は、ステップ1402〜1406からなる制御シーケンスで、光位相調整器106−1の制御信号Vp1を調整し、変数iが偶数の場合は、ステップ1412〜1416からなる制御シーケンスで、光位相調整器106−2の制御信号Vp1を調整している。変数iの値は、各制御シーケンスの実行の都度、インクリメント(i=i+1)される。
例えば、変数iが奇数の場合、制御信号Vp1を一定値ΔVだけ増加して(1402)、高周波検出器143の出力(A/D変換器144の出力)が増加したか否かを判定する(1403)。検出器出力が増加していれば、変数iをインクリメントして、他方の制御シーケンスに移行する。逆に、検出器出力が減少した場合は、制御信号Vp1を元の値からΔVだけ減少させ(1404)、高周波検出器143の出力が増加したか否かを判定する(1405)。検出器出力が増加していれば、変数iをインクリメントして、他方の制御シーケンスに移行する。検出器出力が減少した場合は、制御信号Vp1の値を元に戻して(1406)、他方の制御シーケンスに移行する。
変数iが偶数の場合、ステップ1412〜1416からなる制御シーケンスが実行される。ステップ1412〜1416は、制御信号がVp2に変わっただけで、ステップ1402〜1406と対応している。
上記最大値制御によれば、例えば、各光経路での光位相が温度変化によって変化した場合でも、光強度変調成分が最大となるように光位相調整器106−1、106−2の状態が自動的に調整されるため、4値光強度変調波形の劣化を最小限に抑えられる。
光位相調整器106−1、106−2の制御には、例えば、最大傾斜法を利用した制御アルゴリズムのように、本例以外の他の制御アルゴリズムを適用してもよい。実施例では、1つの検出信号に基いて、2つの制御信号Vp1とVp2を生成したが、例えば、制御信号Vp1とVp2に周波数の異なるディザリングをかけておき、これらのディザリング成分を別々に抽出することによって、独立した検出信号を得るようにしてもよい。ここでは、2変数制御の例を示しているが、光経路や変調器の個数を増加した場合でも、同様の制御アルゴリズムを適用可能である。
上述した最大振幅制御に用いる光検出器142は、光信号の強度変調成分を或る程度受信できれば十分であり、各変調器105に印加される電気2値デジタル信号のビットレートよりも帯域の狭い廉価な検出器を適用できる。その理由は。通信に用いる2値デジタル信号のデータパターンは略ランダムであり、電気2値デジタル信号には、高周波から低周波までの広い周波数成分が含まれているためである。例えば、図3の実験例では、帯域1.5GHz程度の光検出器を用いて、図14のアルゴリズムによる自動制御を行い、問題なく動作することを確認している。
光強度検出器142、高周波検出器143、A/D変換機144からなる回路部は、光信号の持つ振幅変調成分を抽出するためのものであり、他の回路構成に置き換え可能である。例えば、光検出器142の直後にDフリップフロップを設け、出力電気信号を非同期でサンプリングすることによって、出力データの分布幅や最大・最小レベルを調べ、これらが最大・最小となるように制御してもよい。また、光スペクトル成分を観測し、変調に対応したスペクトル成分が最大となるように制御してもよい。
本実施例では、結果的に出力光の振幅変調成分が最大にできればよいため、最大値制御部145の代わりに、例えば、最小値制御回路や、一定値制御回路など、他の機能回路が使用されてもよい。
尚、図13では、光信号経路104−2、104−3に光アッテネータ140−1、140−2を配置し、制御端子141−1、141−2に外部から減衰量制御信号を与えることによって、光信号の振幅を調整できるようにしている。光アッテネータ140−1、140−2での振幅減衰量は、光振幅変調器100を装備した送信器の出荷時に、所望の出力波形が得られるように調整し、最適減衰量に固定してもよいし、例えば、光結合器109の直前で各光経路の光信号の強度を観測し、それぞれの信号強度が常に所定値になるように減衰量を自動制御するようにしてもよい。更には、光検出器142で、多値振幅変調光の強度レベルを直接観察し、それぞれの強度レベルが所定値になるように光アッテネータ140−1、140−2をフィードバック制御するようにしてもよい。
上記光アッテネータによって、例えば、製造誤差や経時劣化によって、各光経路の信号強度が変動した場合でも、合成時の光振幅比を一定の値に維持し、所定の振幅比を持った多値振幅変調波形を得ることが可能となる。また、用途に応じて光信号の振幅を可変し、最適な多値振幅変調波形を得ることが可能となる。
図15は、本発明の第3実施例として、8値光振幅・位相変調器(振幅2値、位相4値)200の構成例を示す。本実施例では、本発明の基本的な形態である2値光振幅変調器153が使用されている。
半導体レーザ光源150から出力された無変調光151は、公知の直交4値光位相変調器(QPSK)133に入力され、直交4値の位相変調光152−1に変換される。直交4値位相変調光152−1は、2値光振幅変調器153に入力され、無チャープの2値振幅変調を受ける。2値光振幅変調器153の内部では、入力された直交4値光位相変調光152−1が、第1光経路104−1と第2光経路104−2に分岐される。第1光経路104−1の入力光は、無変調のまま光結合器109に入力される。一方、第2光経路104−2の入力光は、単相MZ型2値光位相変調器105で2値位相変調を受けた後、可変減衰器140、位相調整器106によって振幅をa、位相差を0に調整した光信号135となって、光結合器109に入力される。
ここでは、理解を容易にするため、2値光振幅変調器153への入力光152−1が無変調であったと仮定する。この場合の2値光振幅変調器153の出力光を2値強度変調光111と呼ぶ。このとき、第2光経路の出力光信号135は、2値の位相変調光となり、位相ずれがなければ、その位相点配置は、図16(A)に示す黒丸の2点(半径:a、位相:0またはπ)となる。もし、光位相が所定値よりθだけずれた場合、位相点配置は、図16(A)に示す白丸の2点(半径:a、位相:θまたはπ+θ)となる。
位相ずれが無い場合、第1光経路104−1を通過した振幅1の無変調光152−2と、第2光経路の出力光信号135を光結合器109で合成すると、2値強度変調光111の位相点は、図16(B)の左図に示すように(1−a,0)、(1+a,0)の2点となる。このとき、2値強度変調光111は、図16(B)の右図に示すように、符号間干渉が抑圧された理想的な2値振幅変調光となる。
本実施例では、振幅比aによってスペースレベルL0の消光比を自由に設定可能であり、例えば、a=1のときは完全消光(L0=0)、a=0.5にすると消光比1/3となる。通常のMZ型光振幅変調器を用いた場合、消光を劣化させるに伴ってスペースレベルでの波形整形効果が失われてしまうが、本実施例では、符号間干渉を常に抑圧した良好な波形を生成できる。
図16(C)の左図は、位相ずれθがあった場合の2値強度変調光111の位相点を示す。この場合、2つの位相点は、白丸で示すように、(1,0)を中心に角度θだけ回転してしまう。2値強度変調光111の強度波形は、図16(C)の右図に示すように、角度θの位相回転によって、内側の位相点(座標:「1−a,0」、強度:L0)が原点から遠ざかり、外側の位相点(座標:「1+a,0」、強度:L1)が原点に近づく。その結果、それぞれの強度レベルが「L0’」、「L1’」となって、強度波形の振幅が減少するため、この振幅を常に最大に保つことによって、常に最適の2値光振幅変調波形を保つことができる。これが本発明において光振幅変調波形の生成に用いる最大値制御の原理であり、この制御は2値を越える振幅変調の際にも同様に適用できる。
また、上記制御は、入力光152−1に他の変調、例えば、図15に示したように、直交4値位相変調が加えられていた場合にも有効となる。入力光152−1が4値位相変調光の場合、位相ずれが無ければ、出力光157は、正しい8値振幅・位相変調となる。
8値振幅・位相変調光の位相点配置は、図16(D)に8つの黒丸で示すように、放射状2重の同心円配置(位相4値、振幅2値)となる。また、2値光振幅変調器153で位相ずれθがあった場合、内側円上と外側円上の2個の位相点が対になって、位相点配置は、図10(B)に示した元の4値位相変調の位相点を中心にθだけ回転し、図16(D)に白丸で示すような不完全な配置に遷移する。この遷移によって、内側円上と外側円上の位相点の距離が縮まり、振幅変調成分が小さくなる。
この場合、上述したように振幅変調成分が最大となるように制御すれば、位相ずれの影響を抑圧できる。上記最大値制御は、入力光に4値位相変調以外の他の複雑な変調が加えられていた場合でも有効であり、これによって常に良好な位相点配置を維持できる。
図17は、本発明の第4実施例として、振幅2値、位相2値に変調された4値光振幅・位相変調器154の構成例を示す。
本実施例では、入力光101が、光分岐器103で第1光経路104−1と第2光経路104−2に分岐されている。第1、第2光経路104−1、104−2には、それぞれ単相MZ型2値光位相変調器(BPSK)105−1、105−2と、可変光減衰器140−1、140−2とが配置されている。第2光経路103−2には、更に、光位相調整器106が配置され、第1、第2光経路から出力される2値位相変調光107−1、107−2が、光結合器109で合成されている。また、光位相調整器106は、図13に示した第2実施例と同様、最大値制御部145によって、制御されている。
上記構成は、一見すると、図9に示した従来の直交4値光位相変調器と類似している。しかしながら、本実施例は、光結合器109が、第1、第2光経路の出力光信号を位相差0で合成(干渉)し、この状態を維持するように光位相調整器106が自動制御されている点で、従来の直交4値光位相変調器と相違している。また、本実施例は、光結合器109に入力される2つの光信号(2値位相変調光)の一方、この例では第2光経路の光信号を可変減衰器140−2で意図的に減衰することによって、光結合器109が2つの光信号を異なった振幅比a:bで合成している点で、従来の直交4値光位相変調器と相違している。
ここで、図18を参照して、4値振幅・位相変調の原理について説明する。
第1光経路の2値位相変調光107−1の位相点配置は、図2(B)と同一であり、第2光経路の2値変調光107−2の位相点配置は、図18(A)の黒丸のようになる。
図18(A)で、白丸は、光信号の位相がθだけずれた場合の位相点を示している。
ここで、振幅b<aと仮定すると、光信号107−1と107−2を合成して得られた光信号156の位相点は、座標(−a−b,0)、(−a+b,0)、(a−b,0)、(a+b,0)の4点となる。
これらの位相点は、図18(B)の左図に示すように、実軸上に配置された振幅位相変調光(振幅は、a−b、a+bの2値、位相は、0またはπ)となる。図18(B)の右図は、上記振幅位相変調光の強度波形であり、レベルL0が振幅a−bの位相点に対応し、レベルL1が振幅a+bの位相点に対応している。
図18(C)の左図は、光信号の位相がθだけずれた場合の位相点配置を示す。前述したように、位相ずれθ分だけ、各位相点が、元の2値位相変調光107−1の位相点の周りに回転した形となっている。この結果、強度波形は、図18(C)の右図に示すように、上側の開口が縮小する。従って、本実施例でも、出力波形の振幅変調成分を高周波検出器143で検出し、これが最大となるように、最大値制御回路145で光位相調整器106を制御することによって、図18(B)に示すように位相歪の無い最良の位相点配置を維持することができる。
本実施例では、比率a:bを調整することによって、任意の消光比(L0/L1)を持った光多値振幅・位相変調光156を生成できる。尚、ここでは、振幅値a、bを異なる値としたが、仮に、従来の直交4値光位相変調器のようにa=bであったと仮定すると、合成された出力光信号156の位相点配置は、原点に近い2つの位相点が互いに重なって、図18(D)に示すように3値になり、所望の変調光が得られない。
図19は、本発明の第5実施例として、3値の光多値振幅・位相変調器の一種である光デュオバイナリ変調器155の構成を示す。本実施例では、第4実施例で振幅値がa=bの時に縮退した3点の位相点配置を積極的に利用している。このため、ここに示した光デュオバイナリ変調器155の構成は、図17に示した4値光振幅・位相変調器154と類似している。本実施例では、単相MZ型2値光位相変調器105−1、105−2の変調信号入力端子112−1、112−2に、デュオバイナリ符号器161の出力D0、D1が供給されている。
図20(A)は、光デュオバイナリ変調信号の位相点配置を示す。これは、図18(D)に示した位相点配置と一致している。光デュオバイナリ変調信号は、光多値信号の位相、振幅の冗長性を利用したパーシャルレスポンス符号であり、データ信号入力端子160に入力された2値デジタル信号Dをデュオバイナリ符号器161で符号化することによって、単相MZ型2値光位相変調器105−1、105−2に供給すべき2値の電気デジタル信号D0、D1が生成される。
図20(B)は、デュオバイナリ符号器161の符号化規則を示している。ここで、nは、入力データのビット番号を示しており、第nビットのデジタル値をD(n)=0またはD(n)=1で表す。デュオバイナリ符号DB(n)の符号化規則は、
DB(n)=D(n)+D(n−1)
である。
上記符号化規則から、DB(n)の値は、入力デジタル値D(n)、D(n−1)の組み合わせに対応して、図20(B)が示すように、0、1、2の3値となる。これらの3つの状態は、図20(A)が示す3つの位相点(−2a,0)、(0,0)、(2a,0)に順に割り当てることができる。
この場合、各位相点を生成するために単相MZ型2値位相変調器105−1、105−2に実際に印加すべきデジタル信号D0(n)、D1(n)の組み合わせは、D(n)、D(n−1)の組み合わせから逆算して、D0(n)=D(n−1)、D1(n)=D(n)にすればよい。従って、デュオバイナリ符号器161は、図20(C)に示すように、入力デジタルD(n)をそのままD1(n)として出力し、D(n)の1ビット遅延信号をD0(n)として出力する構成にすればよい。
本実施例は、4値光振幅・位相変調器の変形(3値の光多値振幅・位相変調器)によって、光デュオバイナリ信号162を生成できる。本実施例によれば、従来技術のようにローパスフィルタ、電気信号の加算器のような特別なデュオバイナリエンコーダが不要になる。また、図20(A)の右図に示すように、光波形が矩形に近くなるため、従来技術で生成される光デュオバイナリ波形に比べて、受信感度の劣化が少ない。
尚、光信号の波形が矩形に近づき過ぎると、光信号のスペクトル帯域幅が拡がる可能性があるが、この問題は、変調信号入力線112の途中に帯域制限用の低域透過フィルタを配置するか、狭帯域光バンドパスフィルタで出力光信号から余分な帯域を削減することによって解消できる。
図19の実施例では、2値デジタル信号から3つの光位相点をもつ光デュオバイナリ波形を生成したが、同一ルールで更に複雑な光デュオバイナリ波形(例えば、振幅3値、位相点5値)を生成することも可能である。従って、本実施例によれば、より伝送効率の高い符号を適用した通信が可能となる。
図21は、本発明の第6実施例として、第1実施例における光結合器109を複数のサブ光結合器109−1、109−2に分割し、異なる光経路を通過した光信号をこれらのサブ光結合器で逐次に干渉させ、各サブ光結合器の出力から抽出した個別の検出信号に基づいて、光位相調整器に与える制御信号を生成するようにした多値光振幅変調器100Bを示す。
ここでは、第1実施例と同様、入力光を第1、第2、第3の光経路104−1、104−2、104−3に分岐し、第1、第3光経路104−1、104−3には光位相調整器106−1、106−2を配置し、第2、第3光経路104−2、104−3に単相MZ型2値位相変調器105−1、105−2を配置している。第2、第3光経路は、第5実施例と同様の構成となっている。従って、第2、第3光経路を結合するサブ光結合器109−2からは、消光度の高い3値の振幅・位相変調光162が出力される。
サブ光結合器109−2の出力光162は、サブ光結合器109−1によって、第1光経路104−1の出力光と合成され、多値光振幅変調器100Bの出力光165となる。尚、第1光経路104−1の出力光信号の振幅を1としたとき、第2、第3光経路104−2、104−3の出力光信号の振幅a、bは、可変減衰器141−1、141−2によって、それぞれ0.5に調整され、光位相は互いに合致させてある。
本実施例では、第2、第3光経路104−2、104−3の出力光をサブ光結合器109−2で合成する。サブ光結合器109−2の出力光162は、図20(A)に示した位相点配置を持つ3値の振幅・位相変調光であり、その一部が光検出器142−2に入力され、高周波検出器143−2、A/D変換器144−2、最大値制御部145−2、D/A変換器146−2によって、位相調整器106−2に印加すべきバイアス電圧Vp2に変換される。
サブ光結合器109−2から出力された3値の振幅・位相変調光162は、サブ光結合器109−1で、第1光経路を通過した無変調光108と合成(干渉)され、出力光165となる。出力光165の位相点配置は、図22(A)の左図に示す黒丸のようになる。
本実施例では、振幅a=0.5、b=0.5とすることによって、振幅最小の位相点を原点に合致させ、変調光の消光度を高めている。出力光165の強度波形は、図22(A)の右図に示すように、最低レベルの強度L0が0となり、3つの信号レベルL0、L1、L2の間に、上下2つのアイ開口をもっている。
出力光165の一部は、光検出器142−1に入力され、高周波検出器143−1、A/D変換器144−1、最大値制御回路145−1、D/A変換器146−1によって、位相調整器106−1に印加すべきバイアス電圧Vp1に変換される。
本実施例では、サブ光結合器を多段に接続することによって、位相調整器106−1、106−2の制御系を独立させている。この構成によれば、各位相調整器が、個別の観測量(検出量)に基づいて制御されるため、位相ずれの制御精度が向上し、制御誤差の少ない、劣化の小さい波形を生成することが可能となる。
尚、図22(A)の左図に示した3つの位相点は、本来は、図18(B)に示すように、4個ある位相点のうちの2つの位相点が同じ位置に重なったものであり、見かけ上で3値の光信号となっているに過ぎない。そこで、本実施例では、伝送すべき3値の電気データ信号163を符号器164に入力し、この符号器164で、2つの単相MZ型光位相変調器105−1、105−2に入力すべき2値の電気デジタル信号D0とD1を生成している。符号器164は、図22(B)の真理値表に従って、真の3値光振幅変調信号を生成する。
本実施例は、上述したように、光信号の位相点の一部を互いに重ね合わせ縮退させ、符号器によって適切な多値符号化を行うことによって、2のべき乗に限らない任意の多値数を持った光多値信号伝送にも適用できる。
次に、上記図21に示した変調器構成で、グレイ符号化を適用した4値の振幅多値信号を伝送する例について説明する。
図21の回路構成において、第2、第3光経路の光信号振幅比がb<a<0となるように可変減衰器140−1、140−2を調整すると、多値振幅・位相変調光156の位相点配置は、図23(A)に示すように、4値の振幅・位相変調光となる。これに第1光経路を通過した振幅1の無変調光108を加算すると、生成された出力光165の位相点配置は、図23(B)に示すように、4値の振幅変調光となる。
上記出力光165は、4値の多値信号伝送に使用可能であるが、このままでは、例えば、雑音によって受信側で光信号の判定を誤り、隣接する位相点を正しく判定できなかった場合に、2ビット分の誤りが発生する可能性がある。この場合、符号器164としてグレイ符号器を使用し、入力データを図23(C)に示す真理値表に従ってグレイ符号に変換するとよい。グレイ符号器を使用すると、2ビット単位の4値の入力信号163を、4つの位相点「1−a−b」、「1−a+b」、「1+a−b」、「1+a+b」に割り当てることができ、位相点(レベル)の判定ミスによって生じるビット誤りを1ビットに制限することが可能となる。入力信号のこのような符号化は、本実施例に限らず、本発明の他の実施例が示す多値振幅・位相変調に全般的に適用できる。
図24は、本発明の第7実施例として、4値振幅・位相変調器を使用した16QAM光送信器201を示す。光16QAM信号は、位相と振幅を複雑に組み合わせたものであり、本実施例では、中心4回点対称性を利用して16QAM信号を生成する。
16QAM光送信器201は、半導体レーザ光源150と、4値振幅・位相変調器171と、直交4値位相変調器(QPSK)133−2とからなる。
半導体レーザ光源150から出力された無変調光151は、4値振幅・位相変調器171に入力され、その出力光172が直交4値位相変調器(QPSK)133−2に入力され、16QAM変調の光信号173として出力される。
4値振幅・位相変調器171に入力された無変調光151は、光分岐器103で第1、第2の光経路104−1、104−2に分岐される。第1光経路104−1に分岐した無変調光は、可変光減衰器140−1を通って、振幅1の無変調光108となって光結合器109に入力される。第2光経路104−2に分岐した無変調光は、直交4値位相変調器(QPSK)133−1で4値位相変調光に変換され、可変光減衰器140−1と光位相調整器106を通して、振幅aの4値位相変調光134となって、光結合器109に入力さる。
図25(A)は、無変調光108の位相点配置を示し、図25(B)は、電界振幅をa=0.5とした場合の4値位相変調光134の位相点配置を示している。光結合器109で上記2つの光信号を同相で干渉させると、出力光172は、図25(C)に示すように、4値振幅・位相変調光となる。また、この4値振幅・位相変調光172に、直交4値位相変調器133−2で4値の直交位相変調をかけると、出力光173は、図25(D)に示すように、16個の位相点が格子状に配置された16QAM信号となる。
このように、本発明の多値振幅・位相変調器171に位相変調器133−2を縦続接続することによって、原点中心にN回の回転対称性を持つ複雑な位相点配置を生成することが可能となる。尚、多値振幅・位相変調器171に縦続接続される位相変調器133−2として、例えば、従来例で示した単相MZ型2値位相変調器、直交4値位相変調器、任意変調量の位相変調器のように、符号間干渉を抑圧した位相変調器を適用することによって、符号間干渉を完全に抑圧した理想的な多値変調光を生成することが可能となる。
図26は、上記第7実施例における出力光(第2の光多値信号)173の生成原理の説明図である。
図24において、位相調整器106で入力光信号の位相をπ/2だけずらし、電界振幅をa=0.3程度に設定すると、4値位相変調光134の位相点配置は、図26(B)のようになる。4値位相変調光134を図26(A)に示す位相点配置をもつ無変調光108と干渉させると、光結合器109の出力光172の位相点配置は、図26(C)に示すようにI軸に沿ってシフトする。この出力光172に、直交4値位相変調器133−2で4値の直交位相変調を加えると、直交4値位相変調器133−2の出力光173の位相点配置は、図26(D)のようになり、図25(D)とは異なった位相点配置となる。
このように、本実施例では、光位相調整器106による位相のシフト量や、可変光減衰器140による減衰量を変えることによって、異なる位相点配置を持った光多値振幅・位相変調光を生成できるため、柔軟性のある光送信器を実現できる。
図27は、本発明の第8実施例として、同心円状の位相点配置をもつ8値の光振幅・位相変調信号157を生成する8値光振幅・位相変調器156の構成を示す。
8値光振幅・位相変調器156の左半分は、図9に示した従来の直交位相変調器と類似しているが、本実施例では、2値光位相変調器(BPSK)105−1、105−2から出力された2値位相変調光107−1、107−2が、図28(A)に示すように、位相を意図的に一定値角度θだけずらして合成されている点が、従来例とは異なっている。この結果、出力光172は、振幅と位相の両方が変調された光信号となり、その位相点配置は、図28(B)に示すように、原点を中心とした菱形配置となる。
本実施例では、上記出力光172が、変調量が90度に設定された変調度可変の2値位相変調器(BPSK)130に入力される。この結果、BPSK130の出力光157は、図28(C)に黒丸と白丸で表される8つの位相点が同心円状に配置された8値の振幅位相変調光(振幅2値、位相4値)となる。振幅変調の大きさは、合成角θを変えることによって調整できる。
本実施例のような8値位相変調光の生成は、例えば、最初に、図17の構成によって、図18(B)に示す原点を中心に4つ位相点を全てI軸上に配置した振幅・位相変調光を生成しておき、次に、変調度可変の2値位相変調器で90度の位相変調を加えるようにしてもよい。このように、本発明の光振幅変調器や多値光振幅・位相変調器は、従来の位相変調器、特に符号間干渉を抑圧する特性をもった位相変調器と縦続接続することによって、符号間干渉を抑圧した複雑な多値振幅・位相変調光の生成に適用できる。
尚、従来の多値位相変調器は、位相変調光しか生成できないため、本実施例のように位相変調器と縦続接続した場合でも、出力光としては位相変調光しか得られず、本発明と同等の効果を得ることはできない。また、従来の光振幅変調器や多値光振幅・位相変調器は、本発明とは異なって、符号間干渉を完全に抑圧することができないため、これを従来の位相変調器と組み合わせたとしても、波形の劣化が大きく、不完全な多値信号しか生成できない。
図29は、本発明の第9実施例として、図24に示した光送信器201を使用した可変多値光送信器180を示す。
図24と同様、レーザ光源150から出力された無変調光151は、4値光振幅・位相変調器(MOD4)171に入力され、変調器171から出力された多値光信号182が、後続の直交4値位相変調器(QPSK)133に入力され、光出力経路110に多値光信号183が出力される。可変多値光送信器180は、CPU181と、可変符号器186を備えており、CPU181が、通信経路187を介して外部からの受けた指令に応じて、送信多値信号の位相点配置を変更する。
具体的には、CPU181は、制御信号184−1、184−2によって、4値光振幅・位相変調器171に内蔵される可変光減衰器または位相調整器の設定値を変更し、所望の位相点配置を生成する。上記設定値の変更に伴って、CPU181は、可変符号器186における電気データ信号188の符号化処理が位相点配置に適合するように、符号切替信号185によって可変符号器186の動作モードを変更する。これによって、可変符号器186から、適切に符号化処理されたデータ信号がデータ信号入力端子160−1〜4に供給される。
図30は、第9実施例における位相点配置の変更例を示す。
ここでは、CPU181は、図24に示した4値光振幅・位相変調器171の可変光減衰器141−2の設定を変更することによって、直交4値位相変調光の振幅aを変更している。a=0.5の場合、出力光183は、図30(A)に示す位相点配置をもった16QAM変調光となる。a=1.0に変更すると、出力光183は、例えば、図30(B)に示すように、一部の位相点が互いに重なって9つの位相点が格子状に配置された9QAM変調光となる。逆に、a=0にすると、4値光振幅・位相変調器171の出力182が無変調光となり、出力光183は、図30(C)に示す位相点配置をもった直交4値位相変調光となる。
多値光信号は、多値数が少ないほど伝送できる情報量は小さくなるが、反面、受信感度が高くなり、光ファイバの波長分散や非線形効果などの伝送劣化に強くなる。従って、伝送路のSN比や伝送距離に応じて、最適の位相点配置を選択することが望ましい。本実施例によれば、例えば、伝送距離が長く、SNや波形劣化が大きい場合は、4値位相変調を選択し、伝送距離が短い区間では、例えば、16値位相変調のように2倍の情報伝送が可能な位相点配置を選択することが可能となる。
図31は、本発明の第10実施例として、上記可変多値光送信器180を適用した波長多重光伝送装置190−1、190−2からなる波長多重光伝送系の構成例を示す。
光伝送装置190−1は、波長合波器192−1に接続された可変多値光送信器180−1〜180−3と、波長分波器195−2に接続された可変多値光受信器196−4〜196−6とを備え、光伝送装置190−2は、波長合波器192−2に接続された可変多値光送信器180−4〜180−6と、波長分波器195−1に接続された可変多値光受信器196−1〜196−3を備えている。波長合波器192−1と波長分波器195−1、波長合波器192−2と波長分波器195−2は、それぞれ上り下り2組の光ファイバ伝送路194−1〜194−2、および194−3〜194−4によって、対向接続されている。また各光ファイバ伝送路の途中には、光信号の損失を補償する光増幅器193−1〜193−4が配置されている。
各光ファイバ伝送路には、異なる3波長λ1〜λ3、およびλ4〜λ6がそれぞれ波長多重されている。各送信器180(180−1〜180−3、180−4〜180−6)の出力光は、波長合波器192−1または192−2で合波された後、光ファイバ伝送路に入力され、対向する波長多重伝送装置内で、波長分波器195−1または195−2によって、波長毎に分離して可変多値光受信器196(196−1〜196−3、196−4〜196−6)で受信される。波長多重伝送装置190−1、190−2には、それぞれ光波長多重端局制御部191−1、191−2が設けられている。
例えば、波長多重光伝送装置190−1(190−2)において、光波長多重端局制御部191−1(191−2)は、各受信器196−4〜196−6(196−1〜196−3)の直後に設けられた伝送品質抽出装置197−4〜197−6(197−1〜197−3)が出力する伝送品質信号198によって、受信信号の品質劣化を監視する。監視結果は、破線で示す通信回線199を介して、対向する光波長多重端局制御部191−2(191−1)に通知される。光波長多重端局制御部191−2(191−1)は、上記監視結果に基いて、伝送品質劣化の少ない波長でデータ送信中の光送信器における多値数を増やすことによって、より多くの情報伝送を可能にする。
伝送品質抽出回路装置197としては、例えば、Q値や波形のモニタ、SNモニタなどの専用の検出回路、または伝送信号の誤り率算出部などを利用してもよい。また、通信回線199は、光ファイバ伝送路とは別の通信回線であってもよいし、光ファイバ伝送路で通信される光信号のオーバーヘッド部や監視パケットを用いたインチャネル形式としてもよい。
図32は、光波長多重端局制御部191(191−1、191−2)の起動時に実行される多値数設定ルーチンのフローチャート例を示す。
制御部191は、全ての可変多値光送信器180の多値数を最小状態にして(ステップ301)、通信を開始する。その後、チャネル(可変多値光送信器180)を特定するためのパラメータiを初期値「1」に設定し、パラメータiの値がチャネル数N(図31ではN=3)を超えたか否かを判定する(302)。iの値がNを超えた場合は、このルーチンを終了する。
iの値がNを超えていなければ、制御部191は、第iチャネルの送信器180−iの多値数を1ステップ増加し、対向伝送装置に対して第iチャネルの多値数の設定状態を通知する(303)。制御部191は、対向伝送装置が検出した伝送品質情報を受信すると(304)、伝送品質が十分か否かを判定する(305)。伝送品質が十分であれば、制御部191は、ステップ303と304を繰り返し、第iチャネルの伝送品質が許容限度を超えた時点で、多値数の増加を停止する。この時、制御部191は、第iチャネルの送信器180−iの多値数を伝送品質が許容限度を超える直前の値に戻し、これを対向伝送装置に通知して(306)、パラメータiの値をインクリメントしてステップ302を実行する。
上記実施例では、波長多重伝送装置が、伝送品質の検出機能と送信器の多値数変更機能を備える場合について示したが、同様の機能は、1対の可変多値光送信器と可変多値光受信器からなる可変多値光トランスポンダに実装することみできる。この場合、各トランスポンダは、対向する可変多値光トランスポンダとの間で、互いに伝送品質情報を交換しながら、それぞれが最適な多値数をもつ変調器を構成するようにすればよい。
以上の複数の実施例から明らかなように、本発明では、複数光経路の出力光を同一位相、または、±π/2以外の任意位相角で干渉させることによって、位相変調器を適用して、振幅変調光、または振幅と位相の両方が変調された3値以上の多値振幅・位相変調光を生成できる。
実施例で示したように、位相変調器として波形歪抑制型のものを適用した場合、位相方向の揺らぎを抑圧できるので、位相変調と振幅変調とを組み合わせて、多値数が大きく、伝送効率の高い多値光振幅・位相変調が可能になる。また、多値光強度変調の位相揺らぎ(チャープ)と、位相方向の符号間干渉を抑圧することによって、光ファイバで光信号を伝送したときに生じる波長分散による波形劣化を最小にとどめ、伝送距離を拡大できる。
本発明は、光ファイバを利用した光伝送システムにおいて、符号間干渉の発生を抑圧した光変調信号の送信に有効となる。
本発明の第1実施例の4値光振幅変調器の構成図。 第1の実施例における4値光振幅変調信号の生成原理の説明図。 第1の実施例の実験結果を示す信号波形図。 光多値信号の生成過程で生ずる波形劣化と符号間干渉の説明図。 多値信号の変調特性を説明するための図。 単相MZ型光変調器を用いた従来の2値光位相変調器の構成図。 単相MZ型光変調器の変調特性を説明するための図。 単相MZ型光変調器を用いた従来の2値光位相変調器の光強度波形と位相点配置を示す図。 従来の直交4値光位相変調器の構成図。 従来の直交4値光位相変調器における2値光位相変調光の位相点配置と直交4値光位相変調光の位相点配置を示す図。 任意変調量をもつ従来の2値光位相変調器の構成図。 任意変調量をもつ従来の2値光位相変調器の動作説明のための位相点配置図。 本発明の第2実施例である自動位相調整回路を備えた4値光振幅変調器の構成図。 第2実施例における最大値制御アルゴリズムを示すフローチャート。 本発明の第3実施例である8値光振幅・位相変調器の構成図。 第3実施例における多値光信号の生成原理を説明するための図。 本発明の第4実施例である4値光振幅・位相変調器の構成図。 第4実施例における多値振幅・位相変調信号の生成原理を説明するための図。 本発明の第5実施例である光デュオバイナリ変調器の構成図。 第5実施例における光デュオバイナリ変調信号の生成原理を説明するための図。 本発明の第6実施例である多値光変調器の構成図。 第6実施例における多値光信号の生成原理を説明するための図。 第6実施例の多値光変調器にグレイ符号器を使用した場合の説明図。 本発明の第7実施例である16QAM光送信器の構成図。 第7実施例における第1の多値光信号の生成原理を説明するための位相点配置図。 第7実施例における第2の多値光信号の生成原理を説明するための位相点配置図。 本発明の第8実施例である8値光振幅・位相変調器の構成図。 第8実施例における多値光信号の生成原理を説明するための位相点配置図。 本発明の第9実施例である可変多値光送信器の構成図。 第9実施例における可変多値光信号の位相点配置図。 本発明の第10実施例である可変多値光変調器を用いた波長多重光伝送システムの構成図。 第10実施例における多値数設定ルーチンのフローチャート。
符号の説明
100:本発明の4値光振幅変調器、101:入力光、102:入力光経路、
103:光分岐器、104:光経路、105:単相MZ型2値光位相変調器、
106:光位相調整器、107:2値位相変調光、108:無変調光、109:光結合器、110:出力光経路、111:4値振幅変調の印加された出力光、112:変調信号入力端子、113:バイアス端子、120:単相無チャープMZ型光変調器、130:2値光位相変調器、133:直交4値位相変調器、140:可変光減衰器、141:減衰量制御端子、142:光検出器、143:高周波検出器、144:A/D変換器、145:最大値制御回路、146:D/A変換器、150:半導体レーザ光源、151:無変調光、
152:直交4値位相変調(QPSK)光、153:本発明の2値光振幅変調器、
154:本発明の4値光振幅・位相変調器、155:本発明のデュオバイナリ変調器、
156、200:本発明の8値光振幅・位相変調器、201:本発明の16QAM光送信器、171:本発明の4値振幅・位相光変調器、180:本発明の可変多値光送信器、
190:本発明の光波長多重伝送装置、191:光波長多重端局制御部、
192:波長合波器、193:光増幅器、194:光ファイバ伝送路、195:波長分波器、196:可変多値光受信器、197:伝送品質抽出装置、、199:通信回線。

Claims (11)

  1. 入力光経路と、
    上記入力光経路から入力された光信号をN本(Nは2以上の整数)の光経路に分岐する光分岐器と、
    上記N本の光経路のうちのN−1本の光経路に配置された多値数KのM個(MはN−1以上の整数)の光位相変調器と、
    上記N本の光経路の出力光を同一の偏波状態で互いに干渉させ、出力光信号として出力光経路に送出する光結合器とからなり、
    上記光位相変調器を配置した光経路に出力される位相変調光の各信号点と、光位相変調器を持たない光経路の出力光を上記光結合器で同一位相、または±π/2以外の任意位相角で干渉させることによって、上記光出力経路に、KのM乗値以下の振幅値を持った振幅変調光、またはKのM乗値以下の位相点を持った振幅と位相の両方が変調された多値振幅・位相変調光を出力することを特徴とする光変調器。
  2. 入力光経路からの入力光をN本(Nは2以上の整数)の光経路に分岐し、これらの光経路からの出力光を互いに干渉させて、出力光経路に変調光信号を生成する光変調器であって、
    上記N本の光経路のうちのN−1本光経路に2値光位相変調器を有し、
    上記2値光位相変調器を配置した光経路に出力される位相変調光の各信号点と、光位相変調器を持たない光経路の出力光を上記光結合器で同一位相、または±π/2以外の任意位相角で干渉させることによって、上記入力光経路に入力された光に2値以上の多値振幅変調、または振幅と位相の両方が変調された3値以上の多値振幅・位相変調を与えることを特徴とする光変調器。
  3. 前記N本の光経路の少なくとも2本に前記2値光位相変調器を有し、該2値光位相変調器の全てがマッハツェンダ型光位相変調器であることを特徴とする請求項2に記載の光変調器。
  4. 前記N本の光経路のうちの少なくとも1本に、他の特定の光経路の出力光との間の位相差を調整するための光位相調整器を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  5. 前記出力光信号の振幅変調成分が最大となるように、前記光位相調整器を自動制御する位相制御部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の光変調器。
  6. N>2の場合に、前記N本の光経路の少なくとも2本が前記光位相調整器を備え、前記位相制御部が、前記出力光信号の振幅変調成分が最大となるよう上記各光位相調整器を制御することを特徴とする請求項5に記載の光変調器。
  7. 1対の光経路から出力される光信号を第1の結合器で干渉させた後に、第2の結合器で更に別の光経路から出力される光信号と干渉させるように、前記N本の光経路が多段に配置された複数の結合器で結合されており、
    前記光位相調整器が、上記1対の光経路の一方に配置された第1の光位相調整器と、上記別の光経路に配置された第2の光位相調整器とを含み、
    前記位相制御部が、上記各光結合器から出力される光信号の振幅変調成分が最大となるように、上記第1の光位相調整器を上記第1の結合器の出力光に基づいて、上記第2の光位相調整器を上記第2の結合器の出力光に基いて個別に制御することを特徴とする請求項6に記載の光変調器。
  8. 前記光位相変調器が配置されたN−1本の光経路に、光信号の振幅を調整するための可変光減衰器を有し、
    前記N本の光経路からの出力光を所定の振幅比で干渉させることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  9. 前記N本の光経路のうちの少なくとも1本が、他の特定の光経路の出力光との間の位相差を調整するための光位相調整器を備え、
    少なくとも前記光位相変調器が配置された光経路に、光信号の振幅を調整するための可変光減衰器を備えることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  10. 前記出力光経路に縦続接続して第2の光位相変調器を有し、第2の光位相変調器から出力される変調光の多値数または位相点配置が、上記出力光経路に前記出力光信号として出力される振幅変調光または多値振幅位相変調光に応じて変化するようにしたことを特徴とする請求項に記載の光変調器。
  11. 前記光位相変調器が、符号間干渉を抑圧する機能をもつ波形歪抑圧型の2値位相変調器からなることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
JP2008531960A 2006-08-30 2007-01-11 光変調器 Expired - Fee Related JP5215857B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008531960A JP5215857B2 (ja) 2006-08-30 2007-01-11 光変調器

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006233972 2006-08-30
JP2006233972 2006-08-30
JP2008531960A JP5215857B2 (ja) 2006-08-30 2007-01-11 光変調器
PCT/JP2007/050220 WO2008026326A1 (fr) 2006-08-30 2007-01-11 Modulateur optique

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008026326A1 JPWO2008026326A1 (ja) 2010-01-14
JP5215857B2 true JP5215857B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=39135615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008531960A Expired - Fee Related JP5215857B2 (ja) 2006-08-30 2007-01-11 光変調器

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7978390B2 (ja)
EP (1) EP2058690A4 (ja)
JP (1) JP5215857B2 (ja)
CN (1) CN101501554B (ja)
WO (1) WO2008026326A1 (ja)

Families Citing this family (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7355470B2 (en) 2006-04-24 2008-04-08 Parkervision, Inc. Systems and methods of RF power transmission, modulation, and amplification, including embodiments for amplifier class transitioning
US7327803B2 (en) 2004-10-22 2008-02-05 Parkervision, Inc. Systems and methods for vector power amplification
US9106316B2 (en) 2005-10-24 2015-08-11 Parkervision, Inc. Systems and methods of RF power transmission, modulation, and amplification
US8334722B2 (en) 2007-06-28 2012-12-18 Parkervision, Inc. Systems and methods of RF power transmission, modulation and amplification
US7911272B2 (en) * 2007-06-19 2011-03-22 Parkervision, Inc. Systems and methods of RF power transmission, modulation, and amplification, including blended control embodiments
US8013675B2 (en) 2007-06-19 2011-09-06 Parkervision, Inc. Combiner-less multiple input single output (MISO) amplification with blended control
US8031804B2 (en) 2006-04-24 2011-10-04 Parkervision, Inc. Systems and methods of RF tower transmission, modulation, and amplification, including embodiments for compensating for waveform distortion
US7860402B2 (en) * 2007-01-26 2010-12-28 Fujitsu Limited Modulating a signal according to 2n-PSK modulation
WO2008144017A1 (en) 2007-05-18 2008-11-27 Parkervision, Inc. Systems and methods of rf power transmission, modulation, and amplification
EP2174185B1 (en) 2007-06-13 2015-04-22 Ramot at Tel-Aviv University Ltd. System and method for converting digital data into an analogue intensity-modulated optical signal
JP5113456B2 (ja) * 2007-08-28 2013-01-09 株式会社アドバンテスト 光変調装置および試験装置
EP2260588B1 (en) * 2008-02-24 2017-12-27 Finisar Corporation Method and apparatus for demodulating and regenerating phase modulated optical signals
US8155534B2 (en) * 2008-06-30 2012-04-10 Alcatel Lucent Optical modulator for higher-order modulation
US8472807B2 (en) * 2008-11-28 2013-06-25 Hitachi, Ltd. Optical field transmitter and optical transmission system
US20100247103A1 (en) * 2009-03-31 2010-09-30 Young-Kai Chen Method and apparatus of microwave photonics signal processing
ES2334759B1 (es) * 2009-06-16 2011-02-02 Das Photonics S.L. Enlaces inalambricos digitales con modulacion de fase multinivel basados en fotonica.
EP2523367A4 (en) * 2010-01-07 2015-11-04 Hitachi Ltd OPTICAL TRANSMISSION SYSTEM
JP2011158764A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Fujitsu Ltd 光変調装置および光変調方法
JP5577778B2 (ja) * 2010-03-18 2014-08-27 沖電気工業株式会社 光多値信号生成装置及び方法
JP5506575B2 (ja) * 2010-07-08 2014-05-28 三菱電機株式会社 光変調器、光送信装置およびバイアス調整方法
JP5643037B2 (ja) * 2010-09-17 2014-12-17 日本電信電話株式会社 光変調器
FR2967319B1 (fr) * 2010-11-04 2012-10-26 Alcatel Lucent Procede de conversion d'un signal numerique en impulsions optiques
WO2012139126A1 (en) 2011-04-08 2012-10-11 Parkervision, Inc. Systems and methods of rf power transmission, modulation, and amplification
EP2715867A4 (en) 2011-06-02 2014-12-17 Parkervision Inc ANTENNA CONTROL
JP5748370B2 (ja) * 2011-08-22 2015-07-15 日本電信電話株式会社 光変調装置及びバイアス電圧制御方法
WO2013056734A1 (en) * 2011-10-19 2013-04-25 Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) Optical modulator and method of encoding communications traffic in a multilevel modulation format
JP2013187662A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Japan Oclaro Inc 光伝送システム、光送信モジュール、光受信モジュール、及び光モジュール
JP6047899B2 (ja) * 2012-03-19 2016-12-21 富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社 光変調器
JP5909692B2 (ja) * 2012-04-03 2016-04-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 映像データ送信装置及び受信装置
CN102833205B (zh) * 2012-09-06 2015-04-29 昆山胜泽光电科技有限公司 非等间距dqpsk耦合干涉信号解调方法
CN104541196B (zh) * 2012-09-28 2018-01-09 日本电信电话株式会社 光调制电路
EP2747311B1 (en) * 2012-12-19 2015-03-11 Alcatel Lucent Method of optical data transmission
US9172472B2 (en) * 2013-09-04 2015-10-27 Finisar Sweden Ab Method for modulating a carrier light wave
US20150080063A1 (en) 2013-09-17 2015-03-19 Parkervision, Inc. Method, apparatus and system for rendering an information bearing function of time
US9531478B2 (en) * 2013-11-08 2016-12-27 Futurewei Technologies, Inc. Digital optical modulator for programmable n-quadrature amplitude modulation generation
US9733542B2 (en) * 2014-08-25 2017-08-15 Futurewei Technologies, Inc. Multi-segment Mach-Zehnder modulator-driver system
US9906305B2 (en) * 2015-03-11 2018-02-27 Zte Corporation Quadrature amplitude modulation (QAM) vector signal generation by external modulator
US9753224B2 (en) * 2015-03-25 2017-09-05 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Field-programmable optical component
EP3076625B1 (de) * 2015-03-31 2017-09-27 Airbus Defence And Space Gmbh Verfahren und system zur erhöhung der datenrate und/oder robustheit bei der übertragung von ternär vorkodierten signalen
US10200130B2 (en) * 2016-02-19 2019-02-05 Mitsubishi Electric Corporation Optical transmitter
JP6681217B2 (ja) * 2016-02-29 2020-04-15 日本ルメンタム株式会社 光情報伝送システム、及び光送信器
WO2017160863A1 (en) 2016-03-15 2017-09-21 Louisiana Tech Research Corporation Method and apparatus for constructing multivalued microprocessor
JP6798676B2 (ja) * 2016-05-27 2020-12-09 住友電工デバイス・イノベーション株式会社 光送信装置及び光送信装置の駆動調整方法
WO2018090382A1 (zh) * 2016-11-21 2018-05-24 华为技术有限公司 一种激光器及光线路终端、光网络单元、无源光网络
JP6931527B2 (ja) * 2016-12-06 2021-09-08 日本ルメンタム株式会社 光送信モジュール
US10291327B1 (en) 2017-11-29 2019-05-14 Electronics And Telecommunications Research Institute Optical signal generating apparatus and operating method thereof
CN108900253B (zh) * 2018-07-19 2020-09-29 中国科学院西安光学精密机械研究所 多调制格式兼容的高速激光信号产生系统与方法
JP7467398B2 (ja) 2021-09-06 2024-04-15 Kddi株式会社 光変調器及び光送信装置
CN114422036A (zh) * 2021-11-26 2022-04-29 国网四川省电力公司天府新区供电公司 一种可调的全光信号格式转换组件、装置及转换方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6313017A (ja) * 1986-07-03 1988-01-20 Nec Corp 光振幅位相変調器
JP2003255283A (ja) * 2002-03-04 2003-09-10 Opnext Japan Inc マッハツェンダ型光変調器
JP2003258733A (ja) * 2001-12-27 2003-09-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多値光強度変調回路

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3167383B2 (ja) * 1991-11-19 2001-05-21 富士通株式会社 光送信機
DE10013197A1 (de) * 2000-03-17 2001-09-27 Siemens Ag Verfahren und Anordnung zur Amplitudenmodulation eines optischen Signals
JP4704596B2 (ja) 2001-04-26 2011-06-15 三菱電機株式会社 光4値変調器および光4値変調方法
US6798557B1 (en) 2003-05-22 2004-09-28 Lucent Technologies Inc. Direct optical N-state phase shift keying
JP4053473B2 (ja) * 2003-06-25 2008-02-27 日本電信電話株式会社 光送信器

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6313017A (ja) * 1986-07-03 1988-01-20 Nec Corp 光振幅位相変調器
JP2003258733A (ja) * 2001-12-27 2003-09-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多値光強度変調回路
JP2003255283A (ja) * 2002-03-04 2003-09-10 Opnext Japan Inc マッハツェンダ型光変調器

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013003983; IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS Vol.12,No.4,JULY/AUGUST 2006, 596-602 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN101501554A (zh) 2009-08-05
JPWO2008026326A1 (ja) 2010-01-14
US7978390B2 (en) 2011-07-12
WO2008026326A1 (fr) 2008-03-06
EP2058690A4 (en) 2010-10-20
US20090324247A1 (en) 2009-12-31
CN101501554B (zh) 2011-07-27
EP2058690A1 (en) 2009-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5215857B2 (ja) 光変調器
JP4934557B2 (ja) 4値位相変調器
US9874800B2 (en) MZM linear driver for silicon photonics device characterized as two-channel wavelength combiner and locker
JP5182290B2 (ja) 光変調器および光通信システム
US9485032B2 (en) Optical multilevel transmitter and optical transponder
US20060159466A1 (en) Offset quadrature phase-shift-keying method and optical transmitter using the same
CN1571307A (zh) 用于缓解符号间干扰的多信道光均衡器
WO2014141337A1 (ja) 光変調器、光送信器、光送受信システム及び光変調器の制御方法
US20150063822A1 (en) Optical transmitter, optical transmission/reception system, and drive circuit
US7450861B2 (en) Return-to-zero alternative-mark-inversion optical transmitter and method for generating return-to-zero alternative-mark-inversion optical signal using the same
WO2018172183A1 (en) Optical modulator and method of use
US20110164844A1 (en) Optical modulator
JP2008216824A (ja) 光強度変調装置及びその方法並びにそれを用いた光伝送システム
JP6032274B2 (ja) 光送信器、光送受信システム及び駆動回路
US7212691B2 (en) Polarization-shaped duobinary optical transmission apparatus
JP2014146915A (ja) デジタル光送信機、光通信システム及びデジタル光送信方法
EP1749357B1 (en) Method and apparatus for producing high extinction ratio data modulation formats
US11899333B2 (en) Apparatus and method of generating multilevel quadrature amplitude modulated signal using electro-absorption modulators
US9425898B2 (en) Optical transmission system, optical phase modulator, and optical modulation method
US20050053382A1 (en) Duobinary optical transmitter
US20220311534A1 (en) Optical transmitter and transmission device
Mazur et al. Lossless and muxless frequency comb modulation
JP6032275B2 (ja) 光送信器、光送受信システム及び駆動回路
EP1641151A1 (en) Method and device for generating a four-level optical signal
GB2414563A (en) Method and apparatus for producing high extinction ratio data modulation format

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees