JP5215073B2 - 炭素繊維ウェブの製造方法 - Google Patents

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本発明は、炭素繊維ウェブの製造方法に関するものである。
炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維と熱可塑性樹脂からなる繊維強化成形基材は、比強度、比剛性に優れているため、電気・電子用途、土木・建築用途、自動車用途、航空機用途等に広く用いられている。なかでも強化繊維が均一に分散した基材を用いた成形品は、力学特性が等方的になり、さらには高強度を発現するものであれば適用可能な用途は非常に多くなる。従ってこのように強化繊維が均一に分散した繊維強化成形基材の製造条件についてはこれまで様々な検討がなされてきた。
特許文献1(国際公開第2007/97436号パンフレット)には、繊維強化熱可塑性樹脂成形体の強化繊維として、単繊維状の炭素繊維であって質量平均繊維長が0.5〜10mmであり、かつ、配向パラメーターが−0.25〜0.25である炭素繊維を用いると、力学特性に優れ、等方的な力学特性を有する成形体が得られることが記載されている。この繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、(I)成形材料に含まれる熱可塑性樹脂を加熱溶融する工程、(II)金型に成形材料を配置する工程、(III)金型で成形材料を加圧する工程、(IV)金型内で成形材料を固化する工程、(V)金型を開き、繊維強化熱可塑性樹脂成形体を脱型する工程により製造されうるとされている。
このような繊維強化成形基材に用いられる炭素繊維について、種々の検討がなされてきた。
特許文献2(国際公開第2006/019139号パンフレット)には、複数本の単繊維が収束されている炭素繊維であって、表面酸素指数が0.03以上0.12未満であり、かつ単繊維に界面活性剤を主成分とするサイジング剤が付着しており、水との接触角が75度以下である水系プロセス用炭素繊維が、炭素繊維抄紙基材や成形用中間基材等の作製に好適に用いられる旨が記載されている。
特許文献3(国際公開第2001/056103号パンフレット)には、バインダーとしての有機高分子化合物と炭素繊維とからなり、平均直径5μm未満かつ平均繊維長が3〜10mmの細繊維を含む炭素繊維紙が、電極基材などに好適に用いられる旨が記載されている。
特許文献4(特開平9−324390号公報)には、太さの異なる2種類以上の炭素短繊維であって、最も細い炭素短繊維と最も太い炭素短繊維の太さの比が限定された炭素短繊維が、実質的に2次元ランダムな方向に分散させて有機物で結着してなる炭素繊維紙として用いられることが記載されている。
国際公開第2007/97436号パンフレット 国際公開第2006/019139号パンフレット 国際公開第2001/056103号パンフレット 特開平9−324390号公報
しかしながら、特許文献3の方法を用いて繊維強化成形基材の中間体として有用な炭素繊維ウェブを製造すると、抄造時の炭素繊維の繊維分散性がまだまだ十分ではなく、結果的にウェブから得られる成形品も強度に劣り、外観にも問題のあるものであった。
特許文献2では、水系プロセス用の炭素繊維が開示されており、様々な用途への展開が期待されているが、単一の炭素繊維に関する記載のみであり、成形品の力学特性などをより高性能なものとする水分散性炭素繊維の開発が望まれていた。
特許文献4には太径と細径の炭素繊維に有機繊維をバインダー成分として添加した炭素繊維紙が開示されているが、炭素繊維の径以外の条件は特に変更しておらず、繊維の分散状態についてはさらなる改良が望まれていた。
本発明は、抄造時の炭素繊維の繊維分散性に優れ、成形品とした場合に力学特性及び外観に優れる炭素繊維ウェブを得ることのできる炭素繊維束を提供することを目的とする。
本発明者らは検討を重ねた結果、炭素繊維束を構成する単繊維の炭素繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角、表面積比、二乗平均粗さ、および長さについて、それぞれ異なる炭素繊維束を含む2種類以上の強化繊維束を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、下記の〔1〕〜〔10〕を提供するものである。
〔1〕炭素繊維束(a)と少なくとも1種以上の他の強化繊維束(b)とを含む炭素繊維ウェブの製造方法であって、炭素繊維束(a)を形成する単繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角が40°を超え、かつ他の強化繊維束(b)を形成する単繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角が40°以下であり、炭素繊維束(a)を30〜99質量%、強化繊維束(b)を1〜70質量%含む強化繊維束を抄造してなる炭素繊維ウェブの製造方法。
〔2〕炭素繊維束(a)と少なくとも1種以上の他の強化繊維束(b)とを含む炭素繊維ウェブの製造方法であって、炭素繊維束(a)を形成する単繊維の表面積比が1.00〜1.05であり、他の強化繊維束(b)を形成する単繊維の表面積比が1.06以上であり、炭素繊維束(a)を30〜99質量%、強化繊維束(b)を1〜70質量%含む強化繊維束を抄造してなる炭素繊維ウェブの製造方法。
〔3〕炭素繊維束(a)の単繊維の表面の二乗平均粗さが1nm以上20nm未満であり、他の強化繊維束(b)の単繊維の表面の二乗平均粗さが20nm以上であり、炭素繊維束(a)を30〜99質量%、強化繊維束(b)を1〜70質量%含む強化繊維束を抄造してなる炭素繊維ウェブの製造方法。
〔4〕炭素繊維束(a)と少なくとも1種以上の他の強化繊維束(b)とを含む炭素繊維ウェブの製造方法であって、炭素繊維束(a)は長さ5〜50mmであり、強化繊維束(b)は長さ5mm未満であり、炭素繊維束(a)を30〜99質量%、他の強化繊維束(b)を1〜70質量%含む強化繊維束を抄造してなる炭素繊維ウェブの製造方法。
〔5〕前記強化繊維束(b)が炭素繊維束、ガラス繊維束及びバサルト繊維束より選ばれる少なくとも1種以上の強化繊維束である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
〔6〕前記炭素繊維束(a)が単繊維数50,000〜300,000本の繊維束である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
〔7〕前記抄造後さらに炭素繊維ウェブを引取速度が10m/分以上で引き取る、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
〔8〕前記炭素繊維ウェブの目付が10〜500g/m2である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
〔9〕前記炭素繊維のX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度比O/Cが0.05〜0.50である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
〔10〕〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の製造方法で製造された炭素繊維ウェブを用いる、電気・電子機器部品、土木・建築用部品、自動車・二輪車用の構造部品又は航空機用部品。
本発明によれば、抄造時の炭素繊維の繊維分散性に優れる炭素繊維ウェブが得られる。かかる炭素繊維ウェブを用いて作成した成形品は樹脂の含浸性が良好で、強度及び外観に優れるものとなる。
本発明の炭素繊維ウェブの製造方法は、炭素繊維束(a)と少なくとも1種以上の他の強化繊維束(b)とを含む炭素繊維ウェブの製造方法である。
炭素繊維束とは炭素繊維から構成される繊維束を意味する。強化繊維束とは、強化繊維から構成される繊維束を意味する。
強化繊維としては、炭素繊維、金属繊維、有機繊維、無機繊維が例示される。これらのうち、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維が好ましい。
炭素繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、気相成長系炭素繊維、これらの黒鉛化繊維などが例示される。PAN系炭素繊維は、ポリアクリロニトリル繊維を原料とする炭素繊維である。ピッチ系炭素繊維は石油タールや石油ピッチを原料とする炭素繊維である。セルロース系炭素繊維はビスコースレーヨンや酢酸セルロースなどを原料とする炭素繊維である。気相成長系炭素繊維は炭化水素などを原料とする炭素繊維である。このうち、強度と弾性率のバランスに優れる点で、PAN系炭素繊維が好ましい。
金属繊維としては例えば、アルミニウム、黄銅、ステンレスなどの金属からなる繊維が挙げられる。有機繊維としては、アラミド、PBO、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ポリエチレンなどの有機材料からなる繊維が挙げられる。無機繊維としては、ガラス、バサルト、シリコンカーバイト、シリコンナイトライドなどの無機材料からなる繊維が挙げられる。
強化繊維束を構成する強化繊維は1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。また、炭素繊維束を構成する炭素繊維は1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
炭素繊維は、そのX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度比O/Cが0.05〜0.50であるものが好ましく、0.06〜0.3であるものがより好ましく、0.07〜0.2であるものがさらにより好ましい。表面酸素濃度比が0.05以上であることにより、炭素繊維表面の極性官能基量を確保し、熱可塑性樹脂組成物との親和性が高くなるので、より強固な接着を得ることができる。また、表面酸素濃度比が0.5以下であることにより、表面酸化による炭素繊維自身の強度の低下を少なくすることができる。
表面酸素濃度比とは、繊維表面の酸素(O)と炭素(C)の原子数の比を意味する。表面酸素濃度比をX線光電子分光法により求める場合の手順を、以下に一例を挙げて説明する。まず、溶剤で炭素繊維表面に付着しているサイジング剤などを除去した炭素繊維を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×108Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202cVに合わせる。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。
表面酸素濃度は、上記O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出したものである。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74として算出し得る。
炭素繊維の表面酸素濃度O/Cを0.05〜0.5に制御する手段としては、特に限定されるものではないが、電界酸化処理、薬液酸化処理、気相酸化処理などの手法が例示される。中でも電界酸化処理が取り扱いやすく好ましい。
電界酸化処理に用いられる電解液としては、以下に挙げる化合物の水溶液が好ましく用いられる。硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化バリウム等の無機水酸化物、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機金属塩類、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等の有機塩類、さらにこれらナトリウム塩の代わりにカリウム塩、バリウム塩その他の金属塩、アンモニウム塩、その他にはヒドラジンなどの有機化合物である。これらの中でも電解液としては無機酸が好ましく、硫酸及び硝酸が特に好ましく使用される。電界処理の程度は、電界処理で流れる電気量を設定することにより炭素繊維表面のO/Cを制御することができる。
強化繊維束は、連続した強化繊維から構成されるもの、あるいは不連続な強化繊維から構成されるもののどちらでもよい。また、炭素繊維束も、連続した炭素繊維から構成されるもの、あるいは不連続な炭素繊維から構成されるもののどちらでもよい。より良好な分散状態を達成するためには、それぞれ、不連続な強化繊維束および炭素繊維束が好ましく、チョップド繊維がより好ましい。
また、強化繊維束及び炭素繊維を構成する単繊維の本数には、特に制限はないが、生産性の観点からは24,000本以上が好ましく、48,000本以上がさらに好ましい。単繊維の本数の上限については特に制限はないが、分散性や取り扱い性とのバランスも考慮して、300,000本程度もあれば生産性と分散性、取り扱い性を良好に保つことができる。
炭素繊維束(a)としては、上述した炭素繊維束のうち1または2種類以上を適宜選択して用い得る。一方、強化繊維束(b)は、炭素繊維束(a)以外の強化繊維束、すなわち、材料や性質の異なる強化繊維束を1または2種類以上適宜選択して用い得る。
単繊維数(請求項6)
炭素繊維束(a)を形成する単繊維の数は、50,000〜300,000本であることが好ましく、70,000〜250,000本であることがより好ましい。50,000本未満であると炭素繊維を効率良く製造し、低コストで供給することが難しい場合があり、300,000本を超えると抄造時の分散状態が不十分となるおそれがある。単繊維の数の測定は、紡糸の際の口金ホール数を確認することや、炭素繊維束の密度を測定し、その炭素繊維束より単繊維数十本の既知数の繊維束を取り出して密度を測定して結果より割り返すことにより測定することができる。
炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)の第1の組み合わせとしては、接触角の違いに基づく組み合わせを挙げ得る。すなわち、炭素繊維束(a)が、繊維束を形成する単繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角が40°を超える炭素繊維束(炭素繊維束(a−1))であり、強化繊維束(b)が、単繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角が40°以下である強化繊維束(強化繊維束(b−1))である場合である。
ウィルヘルミ法で測定される水との接触角とは、「表面科学」vol.21,No.10,pp.643−650(2000)に開示されている、薄い基板を液体に入れ、基板にかかる力Fを計測し、接触角を算出する方法によることができる。ウィルヘルム法による接触角の算出法を一例を挙げて説明すると次の通りである。試料となる単繊維8本を適当な長さにカットした後、試料専用ホルダー(例えばFH12(表面が粘着物質でコーティングされた平板))に貼り付ける。次に各単繊維の先端を切りそろえて試料専用ホルダーを測定装置(例えばDataPhysics製DCAT11)にセットする。精製水その他液状媒体の入ったセルを単繊維の下端に近づけ単繊維の先端から浸漬させた後単繊維を引き上げて、測定する。この測定を4回以上繰り返し、液体中に浸漬しているとき、すなわち単繊維が前進している時に単繊維の受ける力Fを電子天秤で測定し、この値を用いて次の式より接触角θを測定する。
〔式〕Cosθ=(8本の単繊維が受ける力F(mN))/((8(単繊維の数)×単繊維の円周(m)×液体の表面張力(mJ/m2
接触角θの算出において、通常は1〜4回の平均値を用いる。また、測定は繊維束のうち複数の異なる箇所から抜き出した単繊維を用いて行い、その平均値を接触角として算出することが好ましい。
炭素繊維の接触角が上記範囲となるようにする方法としては、界面活性剤を主成分とするサイジング剤を付着させる方法が例示される。界面活性剤としては、開繊性を高める観点からノニオン系界面活性剤が好ましく用いられ、中でも、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が10〜20の範囲内のものが好ましく、11〜19の範囲のものがより好ましい。さらに、HLB値10〜13の界面活性剤(a)とHLB値14〜20である界面活性剤(b)とを併用することが好ましい。界面活性剤(a)のHLB値は10〜14であることがより好ましい。また、界面活性剤(b)のHLB値は15〜20であることがより好ましい。これらを併用することにより、炭素繊維の優れた開繊性が安定して発揮される。界面活性剤(a)と界面活性剤(b)の混合比率は、開繊性と集束性のバランスから1/1〜9/1とすることが好ましい。
ここで、HLB値は、単一の化合物の構造式から数平均分子量Mn及び親水基部分の式量Mn1を算出し、次式を用いて求められ得る。
(式)HLB=20×Mn1/Mn
界面活性剤はポリオキシアルキレン基を含有していてもよく、これにより炭素繊維の水系媒体への親和性が高まるので好ましい。界面活性剤におけるポリオキシアルキレン基の式量は600〜4000であることが好ましく、700〜3000であることがより好ましい。尚、2種類以上のポリオキシアルキレン基を含有する場合の式量は、これらの総量として算出され得る。ポリオキシアルキレン基とは、炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドが単独で繰り返してなる骨格、または炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドが共重合されてなるポリオキシアルキレン骨格である。ポリオキシアルキレン基としては、ポリエチレンオキサイド骨格、ポリプロピレンオキサイド骨格が例示される。界面活性剤は2種類以上のポリオキシアルキレン基を含有し得る。
界面活性剤は炭素数6以上の炭化水素から構成される疎水部を有することが好ましい。これにより炭素繊維との親和性が向上する。疎水部の炭化水素の炭素数は8以上が好ましく、とりわけ10以上であることが好ましい。
界面活性剤の選定にあたっては、炭素繊維の表面酸素指数O/Cを考慮することが好ましい。例えばO/Cが0.03以上0.12未満の場合、長鎖のアルキル基からなる疎水部を有する界面活性剤の使用が好ましい。また例えばO/Cが0.12以上0.20未満の場合、芳香環構造や環骨格の炭化水素からなる疎水部を有する界面活性剤の使用が好ましい。さらに例えばO/Cが0.20以上0.30以下の場合は、芳香環構造や環骨格の炭化水素からなる疎水部を有する界面活性剤と両性界面活性剤とを併用することが好ましい。
サイジング剤は、界面活性剤を主成分として70質量%以上を含むことが好ましく、90質量%以上を含むことが好ましく、95質量%以上を含むことがより好ましい。
サイジング剤の炭素繊維への付着量は、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、1〜3質量%であることがより好ましい。上記範囲であることにより集束性と開繊性のバランスを保つことができる。
サイジング剤には本発明の目的を損なわない範囲で、消泡剤、乳化剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、その他種々の熱可塑性樹脂などの公知のサイジング剤に添加されうる成分が添加されていてもよい。
サイジング剤を炭素繊維に付着させる方法については特に限定はない。例えば、サイジング剤を溶液にし、炭素繊維をこれに浸漬、或いは炭素繊維にこれを滴下又は散布した後、溶媒を乾燥、除去するなどの方法を挙げることができる。
また、サイジング剤を除去する方法についても特に限定はない。例えば、サイジング剤を溶解する溶媒で洗浄する方法、サイジング剤を熱分解で消失させる方法などが挙げられる。
炭素繊維束(a−1)のウィルヘルミ法で測定される水との接触角は40°を超え、好ましくは50°以上である。強化繊維束(b−1)のウィルヘルミ法で測定される水との接触角は40°以下であり、好ましくは35°以下である。炭素繊維束(a−1)の接触角が40°以下であると、その状態を達成するための炭素繊維束への表面処理や薬液処理などが多く必要となり、工程的にもコスト的にも適用しにくくなる。一方、強化繊維束(b−1)の接触角が40°を超えると、抄造時の分散状態が不十分となる。炭素繊維束(a−1)のウィルヘルミ法で測定される水との接触角の上限は、通常90°以下である。強化繊維束(b−1)のウィルヘルミ法で測定される水との接触角の下限は、通常10°以上である。
炭素繊維束(a−1)のみ、あるいは強化繊維束(b−1)のみを用いた場合には、本発明の目的を達成することができない。
炭素繊維束(a−1)と強化繊維束(b−1)の、単繊維の表面積比や二乗平均粗さ、および繊維束の長さの関係については特に限定されないが、炭素繊維束(a−1)と強化繊維束(b−1)とが、本発明における炭素繊維束(a−2)と強化繊維束(b−2)との関係、炭素繊維束(a−3)と強化繊維束(b−3)との関係、及び炭素繊維束(a−4)と強化繊維束(b−4)との関係のうちのいずれか、或いは2以上の関係を有していてもよい。
炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)の第2の組み合わせとしては、単繊維の表面積比の違いに基づく組み合わせを挙げ得る。すなわち、炭素繊維束(a)が、繊維束を形成する単繊維の表面積比が1.00〜1.05である炭素繊維束(炭素繊維束(a−2))であり、強化繊維束(b)が、繊維束を形成する単繊維の表面積比が1.06以上である強化繊維束(強化繊維束(b−2))である場合である。
繊維束を形成する単繊維の表面積比とは、繊維束を形成する単繊維の投影面積に対する実表面積の比を意味する(表面積比=実表面積/投影面積)。実表面積と投影面積の測定は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて繊維束の単糸1本の1ヶ所を観察して行うことができる。
単繊維の表面積比を調整する方法としては、例えば、繊維を紡糸する際に口金形状を調整し、断面積を増やす方法や、繊維の薬液処理、電解処理、プラズマ処理などのエッチングにより繊維表面を粗面化する方法などが例示される。
炭素繊維束(a−2)の繊維束を形成する単繊維の表面積比は1.00〜1.05であり、1.00〜1.04であることが好ましい。強化繊維束(b−2)の繊維束を形成する単繊維の表面積比は1.06以上であり、1.10以上であることが好ましい。炭素繊維束(a−2)の繊維束を形成する単繊維の表面積比が1.05を超えると、繊維の表面積を大きくするために表面を粗面化させたり、凹凸を形成させる必要があるために、1.05以下の繊維と比較して繊維強度が低下し、強化繊維全体的に強度が低下してしまうことや、必要となる表面処理工程の増加およびそれによるコスト増加の要因となる。一方、強化繊維束(b−2)の繊維束を形成する単繊維の表面積比が1.06未満であると、抄造時の分散不良となる。強化繊維束(b−2)の繊維束を形成する単繊維の表面積比の上限は、通常は2.00以下である。
炭素繊維束(a−2)のみ、あるいは強化繊維束(b−2)のみを用いた場合には、本発明の目的を達成することができない。
炭素繊維束(a−2)と強化繊維束(b−2)の、単繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角や二乗平均粗さ、および繊維束の長さの関係については特に限定されないが、炭素繊維束(a−1)と強化繊維束(b−1)とが、本発明における炭素繊維束(a−1)と強化繊維束(b−1)との関係、炭素繊維束(a−3)と強化繊維束(b−3)との関係、及び炭素繊維束(a−4)と強化繊維束(b−4)との関係のうちのいずれか、或いは2以上の関係を有していてもよい。
ここで、炭素繊維束(a−2)と強化繊維束(b−2)は、単繊維の二乗平均粗さが互いに異なることが好ましい。炭素繊維束(a−2)が、繊維束を形成する単繊維の表面の二乗平均粗さが1nm以上20nm未満である炭素繊維束(炭素繊維束(a−3))であり、強化繊維束(b−2)が、繊維束を形成する単繊維の表面の二乗平均粗さが20nm以上である強化繊維束(強化繊維束(b−3))である場合である。
繊維束を形成する単繊維の表面の二乗平均粗さとは、平均線から測定曲線までの偏差の二乗を平均した値の平方根を意味する。測定の一例を挙げると次の通りである。Digital Instruments社製NanoScope IIIa原子間力顕微鏡(AFM)により得られた炭素繊維の単繊維の原像について、前記装置に付属のソフトウエア(NanoScope IIIバージョン4.22r2)によりデータ処理し、繊維断面の曲率を考慮した3次元近似曲面を求める。原像からこの3次元近似曲面をバックグラウンドとして差し引き、二乗平均粗さを求める。
単繊維の二乗平均粗さを調整する方法としては、例えば、繊維を紡糸する際に口金形状を調整し、断面積を増やす方法や、繊維の薬液処理、電解処理、プラズマ処理などのエッチングにより繊維表面を粗面化する方法などが例示される。
炭素繊維束(a−3)の繊維束を形成する単繊維の表面の二乗平均粗さは1nm以上20nm未満であり、3nm以上18nm以下であることが好ましい。強化繊維束(b−3)の繊維束を形成する単繊維の表面の二乗平均粗さは20nm以上であり、25nm以上であることが好ましい。炭素繊維束(a−3)の繊維束を形成する単繊維の表面の二乗平均粗さが1nm未満であると、繊維の分散が不十分となるおそれがあり、20nmを超えると、繊維の二乗平均粗さを大きくするために表面を粗面化させたり、凹凸を形成させる必要があるために、二乗平均粗さが20nm以下の繊維と比較して繊維強度が低下し、強化繊維全体的に強度が低下してしまうことや、必要となる表面処理工程の増加およびそれによるコスト増加の要因となる。一方、強化繊維束(b−3)の繊維束を形成する単繊維の表面の二乗平均粗さが20nm未満であると、抄造時の分散不良となる。強化繊維束(b−3)の繊維束を形成する単繊維の表面積比の上限は、通常は50μm以下である。
炭素繊維束(a−3)のみ、あるいは強化繊維束(b−3)のみを用いた場合には、本発明の目的を達成することができない。
炭素繊維束(a−3)と強化繊維束(b−3)の、単繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角や表面積、および繊維束の長さの関係については特に限定されないが、炭素繊維束(a−1)と強化繊維束(b−1)とが、本発明における炭素繊維束(a−1)と強化繊維束(b−1)との関係、炭素繊維束(a−2)と強化繊維束(b−2)との関係、及び炭素繊維束(a−4)と強化繊維束(b−4)との関係のうちのいずれか、或いは2以上の関係を有していてもよく、炭素繊維束(a−2)と強化繊維束(b−2)との関係を有することが好ましい。すなわち、炭素繊維束(a−3)と強化繊維束(b−3)は、それぞれ、繊維束を形成する単繊維の表面積比が1.00〜1.05である炭素繊維束、繊維束を形成する単繊維の表面積比が1.06以上である強化繊維束であることが好ましい。
炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)の第3の組み合わせとしては、繊維束の長さの違いに基づく組み合わせを挙げ得る。すなわち、炭素繊維束(a)が、長さ5〜50mmの炭素繊維束(炭素繊維束(a−4))であり、強化繊維束(b)が、長さ5mm未満の強化繊維束(強化繊維束(b−4))である場合である。
繊維束の長さとは、繊維束を構成する繊維の長さを意味し、繊維束を調製するときに繊維を所定の長さにカットすることにより調整可能である。
炭素繊維束(a−4)の長さは5〜50mmであり、6〜30mmであることが好ましい。強化繊維束(b−4)の長さは5mm未満であり、4mm以下であることが好ましい。炭素繊維束(a−4)の長さが5mm未満或いは50mmを超えると、強化繊維の補強効果が低くなることや、抄造時の分散が不十分となる。一方、強化繊維束(b−4)の長さが5mm以上であると、抄造時の分散不良となる。強化繊維束(b−4)の長さの下限は、通常は0.1mm以上である。
炭素繊維束(a−4)のみ、あるいは強化繊維束(b−4)のみを用いた場合には、本発明の目的を達成することができない。
炭素繊維束(a−4)と強化繊維束(b−4)の、単繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角、表面積比、および二乗平均粗さの関係については特に限定されないが、炭素繊維束(a−1)と強化繊維束(b−1)とが、本発明における炭素繊維束(a−1)と強化繊維束(b−1)との関係、炭素繊維束(a−2)と強化繊維束(b−2)との関係、及び炭素繊維束(a−3)と強化繊維束(b−3)との関係のうちのいずれか、或いは2以上の関係を有していてもよい。
炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)の配合比は、質量比で30:70〜99:1であることが好ましく、50:50〜70:30であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、分散状態の優れた炭素繊維ウェブを得ることができる。
本発明の製造方法においては、上記炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)とを抄造する。抄造は、湿式法、或いは乾式法のいずれかによることができる。湿式法とは炭素繊維束を水中で分散させ抄造する方法であり、乾式法とは炭素繊維束を空気中で分散させ抄造する方法である。
湿式法による場合、炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)の分散を水中で行い得られるスラリーを抄造して強化繊維ウェブを得ることができる。
炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)を分散させる水(分散液)は、通常の水道水のほか、蒸留水、精製水等の水を使用することができる。水には必要に応じて界面活性剤を混合し得る。界面活性剤は、陽イオン型、陰イオン型、非イオン型、両性の各種に分類されるが、このうち非イオン性界面活性剤が好ましく用いられ、中でもポリオキシエチレンラウリルエーテルがより好ましく用いられる。界面活性剤を水に混合する場合の界面活性剤の濃度は、通常は0.0001質量%以上0.1質量%以下、好ましくは0.0005質量%以上0.05質量%以下である。
水(分散液)に対する炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)の添加量は、水(分散液)1lに対する量として、通常0.1g以上10g以下、好ましくは0.3g以上5g以下の範囲で調整し得る。前記範囲とすることにより、炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)が水(分散液)に効率よく分散し、均一に分散したスラリーを短時間で得ることができる。水(分散液)に対し炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)を分散させる際には、必要に応じて撹拌を行う。
スラリーとは固体粒子が分散している懸濁液をいい、本発明においては水系スラリーであることが好ましい。
スラリーにおける固形分濃度(スラリー中の炭素繊維及び強化繊維の質量含有量)は、0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。上記範囲であることにより抄造を効率よく行うことができる。
スラリーの抄造は、上記スラリーから水を吸引して行うことができる。スラリーの抄造は、いわゆる抄紙法に倣って行うことができる。一例を挙げて説明すると、底部に抄紙面を有し水を底部から吸引できる槽に、スラリーを流し込み水を吸引して行うことができる。前記槽としては、熊谷理機工業株式会社製、No.2553−I(商品名)、底部に幅200mmの抄紙面を有するメッシュコンベアを備える槽が例示される。
乾式法による場合、炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)を気相中で分散させて強化繊維ウェブを得ることができる。すなわち、強化繊維束を気相中で分散させて、分散後の炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)を堆積させて、強化繊維ウェブを得ることができる。
気相中での分散は、炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)を非接触式で開繊し開繊した強化繊維束を堆積させて行う方法(非接触式法)、炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)に空気流を当てて開繊し、開繊した強化繊維束を堆積させて行う方法(空気流を用いる方法)、炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)を接触式で開繊し、開繊した強化繊維束を堆積させて行う方法(接触式法)の3種類がある。
非接触式法は、炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)に固体や開繊装置を接触させることなく開繊させる方法である。例えば、空気や不活性ガスなどの気体を強化繊維束に吹き付ける方法、なかでもコスト面で有利な空気を加圧して吹き付ける方法が好ましく挙げられる。
空気流を用いる方法において、炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)に対し空気流を当てる条件は特に限定されない。一例を挙げると、加圧空気(通常0.1MPa以上10MPa以下、好ましくは0.5MPa以上5MPa以下の圧力がかかるような空気流)を炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)が開繊するまで当てる。空気流を用いる方法において、使用し得る装置は特に限定されないが、空気管を備え、空気吸引が可能であり、繊維束を収容し得る容器を例示し得る。かかる容器を用いることにより、繊維束の開繊と堆積を一つの容器内で行うことができる。
接触式法とは、炭素繊維束(a)と強化繊維束(b)に固体や開繊装置を物理的に接触させて開繊させる方法である。接触式法としては、カーディング、ニードルパンチ、ローラー開繊が例示されるが、このうちカーディング、ニードルパンチによることが好ましく、カーディングによることがより好ましい。接触式法の実施条件は特に限定されず、繊維束が開繊する条件を適宜定めることができる。
炭素繊維ウェブの目付は、10〜500g/m2であることが好ましく、50〜300g/m2であることがより好ましい。10g/m2未満であると基材の破れなどの取り扱い性に不具合を生じるおそれがあり、500g/m2を超えると、湿式法では基材の乾燥に長時間かかることや、乾式法ではウェブが厚くなる場合があり、その後のプロセスで取り扱い性が難しくなる場合がある。
本発明においては、抄造後、得られる炭素繊維ウェブを引き取る工程を有してもよい。炭素繊維ウェブの引き取りは、ロールに巻き取って行うことができる。引取速度は10m/分以上であることが好ましい。引取速度の上限は通常は、100m/分以下である。
本発明において得られる炭素繊維ウェブは、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を含む繊維強化成形基材として用いることができる。繊維強化成形基材は、電気・電子機器部品、土木・建築用部品、自動車・二輪車用部品、航空機用部品等の各種用途に用いることができる。
製造例1(A1:PAN系炭素繊維)
アクリロニトリル(AN)99.4モル%とメタクリル酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸方法により単繊維デニール1d、フィラメント数12,000のアクリル系繊維束を得た。得られたアクリル系繊維束を240〜280℃の温度の空気中で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、次いで窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温速度を200℃/分とし10%の延伸を行った後、1,300℃の温度まで昇温し焼成した。この炭素繊維束に硫酸を電解質とした水溶液で、炭素繊維1gあたり3クーロンの電解表面処理を行い、さらに浸漬法によりサイジング剤を付与し、120℃の温度の加熱空気中で乾燥しPAN系炭素繊維A1を得た。
総フィラメント数 12,000本
単繊維直径 7μm
単位長さ当たりの質量 0.8g/m
比重 1.8g/cm3
引張強度(注1) 4.2GPa
引張弾性率(注2) 230GPa
サイジング種類 ポリオキシエチレンオレイルエーテル
サイジング付着量(注3) 1.5質量%
O/C(注4) 0.10
水との接触角(注5) 63°
表面積比(注6) 1.00
表面の2乗平均粗さ(注7) 3nm
製造例2(A2:PAN系炭素繊維)
アクリロニトリル(AN)99.4モル%とメタクリル酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸方法により単繊維デニール1d、フィラメント数12,000のアクリル系繊維束を得た。得られたアクリル系繊維束を240〜280℃の温度の空気中で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、次いで窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温速度を200℃/分とし10%の延伸を行った後、1,300℃の温度まで昇温し焼成した。さらに浸漬法によりサイジング剤を付与し、120℃の温度の加熱空気中で乾燥しPAN系炭素繊維A2を得た。
総フィラメント数 12,000本
単繊維直径 7μm
単位長さ当たりの質量 0.8g/m
比重 1.8g/cm3
引張強度(注1) 4.2GPa
引張弾性率(注2) 230GPa
サイジング種類 ポリオキシエチレンオレイルエーテル
サイジング付着量(注3) 1.5質量%
O/C(注4) 0.05
水との接触角(注5) 70°
表面積比(注6) 1.00
表面の2乗平均粗さ(注7) 3nm
製造例3(A3:PAN系炭素繊維)
アクリロニトリル(AN)99.4モル%とメタクリル酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、湿式紡糸方法により単繊維デニール1d、フィラメント数12,000のアクリル系繊維束を得た。得られたアクリル系繊維束を240〜280℃の温度の空気中で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、次いで窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温速度を200℃/分とし10%の延伸を行った後、1,300℃の温度まで昇温し焼成した。この炭素繊維束に硫酸を電解質とした水溶液で、炭素繊維1gあたり3クーロンの電解表面処理を行い、さらに浸漬法によりサイジング剤を付与し、120℃の温度の加熱空気中で乾燥しPAN系炭素繊維A3を得た。
総フィラメント数 12,000本
単繊維直径 7μm
単位長さ当たりの質量 0.8g/m
比重 1.8g/cm3
引張強度(注1) 3.2GPa
引張弾性率(注2) 225GPa
サイジング種類 ポリオキシエチレンオレイルエーテル
サイジング付着量(注3) 1.5質量%
O/C(注4) 0.10
水との接触角(注5) 47°
表面積比(注6) 1.10
表面の2乗平均粗さ(注7) 28nm
製造例4(A4:PAN系炭素繊維)
アクリロニトリル(AN)99.4モル%とメタクリル酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸方法により単繊維デニール1d、フィラメント数12,000のアクリル系繊維束を得た。得られたアクリル系繊維束を240〜280℃の温度の空気中で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、次いで窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温速度を200℃/分とし10%の延伸を行った後、1,300℃の温度まで昇温し焼成した。この炭素繊維束に炭酸アンモニウムを電解質とした水溶液で、炭素繊維1gあたり80クーロンの電解表面処理を行い、さらに浸漬法によりサイジング剤を付与し、120℃の温度の加熱空気中で乾燥しPAN系炭素繊維を得た。
総フィラメント数 12,000本
単繊維直径 7μm
単位長さ当たりの質量 0.8g/m
比重 1.8g/cm3
引張強度(注1) 4.2GPa
引張弾性率(注2) 230GPa
サイジング種類 水溶性ポリウレタン樹脂(吉村油化学(株)製“テキサノール”PE−10F)
サイジング付着量(注3) 1.5質量%
O/C(注4) 0.25
水との接触角(注5) 38°
表面積比(注6) 1.00
表面の2乗平均粗さ(注7) 3nm
製造例5(F:酸変性ポリプロピレン樹脂フィルム)
三井化学(株)製の酸変性ポリプロピレン樹脂“アドマー”(登録商標)QE510を温度200℃、圧力20MPaで1分間プレス成形し、厚み50μmの酸変性ポリプロピレン樹脂フィルムFを作製した。
(注1)引張強度、(注2)引張弾性率の測定条件
日本工業規格(JIS)−R−7601「樹脂含浸ストランド試験法」に記載された手法により、求めた。ただし、測定する炭素繊維の樹脂含浸ストランドは、“BAKELITE”(登録商標)ERL4221(100質量部)/3フッ化ホウ素モノエチルアミン(3質量部)/アセトン(4質量部)を、炭素繊維に含浸させ、130℃、30分で硬化させて形成した。また、ストランドの測定本数は、6本とし、各測定結果の平均値を、その炭素繊維の引張強度、引張弾性率とした。
(注3)サイジング剤の付着量の測定条件
試料として、サイジング剤が付着している炭素繊維約5gを採取し、耐熱性の容器に投入した。次にこの容器を120℃で3時間乾燥した。吸湿しないようにデシケーター中で注意しながら室温まで冷却後、秤量した質量をW1(g)とした。続いて、容器ごと、窒素雰囲気中で、450℃で15分間加熱後、同様にデシケーター中で吸湿しないように注意しながら室温まで冷却後、秤量した質量をW2(g)とした。以上の処理を経て、炭素繊維へのサイジング剤の付着量を次の式により求めた。
(式)付着量(質量%)=100×{(W1−W2)/W2
なお、測定は3回行い、その平均値を付着量として採用した。
(注4)O/Cの測定条件
X線光電子分光法により次の手順に従って求めた。まず、溶剤で炭素繊維表面に付着物などを除去した炭素繊維を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた。X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×108Torrに保った。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202cVに合わせた。C1sピーク面積を、K.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積を、K.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。
表面酸素濃度を、上記O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出した。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とした。
(注5)水との接触角の測定条件
接触角の測定装置としてDataPhysics社製DCAT11を用い、試料専用ホルダーはFH12(表面が粘着物質でコーティングされた平板)を用いた。試料である単繊維8本を適当な長さにカットした後、試料専用ホルダーFH12に、単繊維間が2〜3mmとなるように平行に貼り付けた。次に各単繊維の先端を切りそろえて測定装置DCAT11にセットした。精製水その他液状媒体の入ったセルを8本の単繊維の下端に0.2mm/sの速度で近づけ、単繊維の先端から5mmまで浸漬させた後、0.2mm/sの速度で単繊維を引き上げて、測定した。この測定を4回以上繰り返し、液体中に浸漬しているとき、すなわち単繊維が前進している時に単繊維の受ける力Fを電子天秤で測定し、この値を用いて次の式より接触角θを測定した。
〔式〕Cosθ=(8本の単繊維が受ける力F(mN))/((8(単繊維の数)×単繊維の円周(m)×液体の表面張力(mJ/m2
接触角θは、1〜4回の平均値とした。なお、測定は繊維束の異なる箇所から抜き出した単繊維について実施した。すなわち、1つの繊維束1検体に対して合計24本の単繊維についての接触角の平均値を求めた。
(注6)表面積比の測定条件
測定する繊維束を、銀ペーストを用いて基板(シリコンウエハ)上に固定し、原子間力顕微鏡(AFM、メーカー名Digital Instruments社製、商品名 NanoScope IIIa原子間力顕微鏡)を用いて、下記条件にて単糸の中央部について3次元表面形状の像を得た。
・走査モード:タッピングモード
・探針:オリンパス光学工業製Siカンチレバー一体型探針OMCL−AC120TS
・走査範囲:2.5μm×2.5μm
・走査速度:0.4Hz・ピクセル数:512×512
・測定環境:室温、大気中
単繊維1本から1箇所ずつ観察して得られた像について、前記装置に付属のソフトウエア(NanoScope IIIバージョン4.22r2)によりデータ処理し、1次Flattenフィルタ、Lowpassフィルタ、3次Plane Fitフィルタを用いてフィルタリングし、得られた像全体を対象として実表面積と投影面積を算出した。なお、投影面積については、繊維断面の曲率を考慮し近似した3次曲面への投影面積とした。表面積比は次式で求めた。各繊維束について、任意に選んだ5箇所について上記の測定を行い、最大値、最小値を除いた3カ所の相加平均値を最終的な表面積比とした。
(式)表面積比=実表面積/投影面積
(注7)表面の2乗平均粗さ
上記の方法に従いAFMにより得られた原像について、前記装置に付属のソフトウエアによりデータ処理し、繊維断面の曲率を考慮した3次元近似曲面を求めた。原像からこの3次元近似曲面をバックグラウンドとして差し引き、2乗平均粗さを求めた。任意の5箇所について同様の測定を行い、最大値、最小値を除いた3カ所の相加平均値を最終的な表面の2乗平均粗さとした。
・強化繊維分散状態の評価
抄紙により得られた炭素繊維ウェブの任意の部位より、50mm×50mmの正方形状にウェブを切り出して顕微鏡にて観察した。10本以上の炭素繊維の単繊維が束状になった状態、すなわち分散が不十分な炭素繊維の束の個数を測定した。この手順で20回の測定をおこない、その平均値をもって、分散が不十分な炭素繊維の束が1個未満を二重丸、分散が不十分な炭素繊維の束が1個以上5個未満を○、分散が不十分な炭素繊維の束が5個以上10個未満を△、分散が不十分な炭素繊維の束が10個以上を×で評価した。
・成形品力学特性の評価
抄紙により得られた炭素繊維ウェブを200mm×200mmに切り出して、120℃で1時間乾燥させた。乾燥後の炭素繊維ウェブと、酸変性ポリプロピレン樹脂フィルムFを、樹脂フィルムF/炭素繊維ウェブ/樹脂フィルムFとなるように3層積層した。この積層物を温度200℃、圧力30MPaで5分間プレス成形し、圧力を保持したまま50℃まで冷却して厚み0.12mmの炭素繊維強化樹脂シートを作製した。この樹脂シートを8枚積層し、温度200℃、圧力30MPaで5分間プレス成形し、圧力を保持したまま50℃まで冷却して厚み1.0mmの炭素繊維強化樹脂成形品を得た。得られた成形品を用いて、ISO178法(1993)に従い、曲げ強度をn=10で評価した。なお、曲げ強度の評価結果は実施例1を100として相対値で記載した。
(実施例1)水との接触角
炭素繊維A1をカートリッジカッターで6.4mmにカットし、チョップド炭素繊維(A1−1)を得た。
炭素繊維束(a)を構成する単繊維として炭素繊維A1−1を、強化繊維束(b)を構成する単繊維として、水との接触角が35°のガラス繊維(GF、商品名 PF−E001、メーカー名 日東紡)により構成されるガラス繊維束を用いて、炭素繊維ウェブを製造した。
製造には図1に示す装置03を用いた。製造装置03は、分散槽11としての直径300mmの円筒形状の容器、底部に幅200mmの抄紙面19を有するメッシュコンベア21を備える抄紙槽12、分散槽11と抄紙槽12とを接続する直線状の輸送部(傾斜角45°)13、メッシュコンベア21に接続し、炭素繊維ウェブ(抄紙基材)20を運搬可能なコンベア22炭素繊維ウェブを備えている。分散槽11は上面に2つの開口部(広口開口部23、狭口開口部24)を備える凹型形状をしており、撹拌機16が広口開口部23側に設置されており、狭口開口部24から炭素繊維束17および分散液(分散媒体)18を投入可能である。
水と界面活性剤(ナカライテクス(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名))からなる濃度0.1質量%の分散液を作成した。分散槽内へ、前記分散液と前記繊維束の投入を開始した。製造中、分散槽中のスラリー中の炭素繊維濃度が一定濃度になるように、かつ、分散槽内のスラリーの液面の高さH1が一定となるように投入量を調整しながら、連続的に上記分散液とチョップド炭素繊維投入を継続した。容器への原料の投入開始とともに撹拌を開始し、スラリーを調製した。スラリーが40リットル溜まった時点で容器下部の開口コックを開放調整し、輸送部を介して抄紙槽に流し込んだ。このとき、分散槽内のスラリー液面の高さH1は抄紙槽内のスラリー液面H2よりも50cmだけ高い位置にあった。該スラリーから水を吸引して、10m/分の速度で引き取り、幅200mmの炭素繊維ウェブを連続的に得た。炭素繊維ウェブの目付は20g/m2であった。
実施条件および得られた炭素繊維ウェブの評価結果を、表1に示した。
(実施例2)水との接触角
炭素繊維A4をカートリッジカッターで6.4mmにカットし、チョップド炭素繊維(A4−1)を得た。
炭素繊維束(a)としてチョップド炭素繊維A1−1を、強化繊維束(b)としてチョップド炭素繊維A4−1を用いたほかは、実施例1と同様に行った。
実施条件および得られた炭素繊維ウェブの評価結果を、表1に示した。
参考)単繊維の表面積比および単繊維の表面の二乗平均粗さ
炭素繊維A3をカートリッジカッターで6.4mmにカットし、チョップド炭素繊維(A3−1)を得た。
炭素繊維束(a)としてチョップド炭素繊維A1−1を、強化繊維束(b)としてチョップド炭素繊維A3−1を用いたほかは、実施例1と同様に行った。実施条件および得られた炭素繊維ウェブの評価結果を、表1に示した。
参考)繊維の長さ
炭素繊維A1をカートリッジカッターで3.2mmにカットし、チョップド炭素繊維(A1−2)を得た。
炭素繊維束(a)としてチョップド炭素繊維A1−1を、強化繊維束(b)としてチョップド炭素繊維A1−2を用いたほかは、実施例1と同様に行った。実施条件および得られた炭素繊維ウェブの評価結果を、表1に示した。
(実施例)水との接触角
炭素繊維A2をカートリッジカッターで6.4mmにカットし、チョップド炭素繊維(A2−1)を得た。
炭素繊維束(a)としてチョップド炭素繊維A2−1を用いたほかは、実施例1と同様に行った。
実施条件および得られた炭素繊維ウェブの評価結果を、表1に示した。
(比較例1)
強化繊維束(b)としてチョップド炭素繊維A1−1を用いたほかは、実施例1と同様に行った。
実施条件および得られた炭素繊維ウェブの評価結果を、表1に示した。
(比較例2)
参考例2において、炭素繊維束(a)の配合割合を10質量%とし、強化繊維束(b)の配合割合を90質量%としたほかは、参考例2と同様に行った。実施条件および得られた炭素繊維ウェブの評価結果を、表1に示した。
Figure 0005215073
表1から明らかなように、繊維束を構成する単繊維の水との接触角、表面積比、および二乗平均粗さのうちいずれかを異にする強化繊維束および炭素繊維束の組み合わせを用いることにより、分散状態に優れていることから外観にも問題なく、成形品とした際に力学特性に優れた炭素繊維ウェブを得ることができた(実施例1〜3、参考例1〜2及び比較例1〜2参照)。
炭素繊維基材の製造装置の一例を示す水平断面図である。
符号の説明
03 抄紙基材の製造装置
11 分散槽
12 抄紙槽
13 輸送部
14 輸送部と分散槽との接続部
16 撹拌機
17 チョップド炭素繊維(炭素繊維束)
18 分散液(分散媒体)
19 抄紙面
20 炭素繊維ウェブ(抄紙基材)
21 メッシュコンベア
22 コンベア
23 広口開口部
24 狭口開口部

Claims (10)

  1. 炭素繊維束(a)と少なくとも1種以上の他の強化繊維束(b)とを含む炭素繊維ウェブの製造方法であって、炭素繊維束(a)を形成する単繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角が40°を超え、かつ他の強化繊維束(b)を形成する単繊維のウィルヘルミ法で測定される水との接触角が40°以下であり、炭素繊維束(a)を30〜99質量%、強化繊維束(b)を1〜70質量%含む強化繊維束を抄造してなる炭素繊維ウェブの製造方法。
  2. 炭素繊維束(a)を形成する単繊維の表面積比が1.00〜1.05であり、他の強化繊維束(b)を形成する単繊維の表面積比が1.06以上である、請求項1に記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
  3. 炭素繊維束(a)の単繊維の表面の二乗平均粗さが1nm以上20nm未満であり、他の強化繊維束(b)の単繊維の表面の二乗平均粗さが20nm以上である、請求項1又は2に記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
  4. 炭素繊維束(a)は長さ5〜50mmであり、強化繊維束(b)は長さ5mm未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
  5. 前記強化繊維束(b)が炭素繊維束、ガラス繊維束及びバサルト繊維束より選ばれる少なくとも1種以上の強化繊維束である、請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
  6. 前記炭素繊維束(a)が単繊維数50,000〜300,000本の繊維束である、請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
  7. 前記抄造後さらに炭素繊維ウェブを引取速度が10m/分以上で引き取る、請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
  8. 前記炭素繊維ウェブの目付が10〜500g/m2である、請求項1〜7のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
  9. 前記炭素繊維のX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度比O/Cが0.05〜0.50である、請求項1〜8のいずれかに記載の炭素繊維ウェブの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法で製造された炭素繊維ウェブを用いる、電気・電子機器部品、土木・建築用部品、自動車・二輪車用の構造部品又は航空機用部品。
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