JP5214934B2 - 電動モータ - Google Patents

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Description

本願発明は、小型化及び高電圧化を図って高速回転、高効率を行わせる電動モータに関し、特に建設機械車両等に対して好適に搭載される電動モータに関する。
ハイブリッド車など車載用の電動モータにおいて、電動モータを搭載する車体サイズは限られているため、電動モータを小型化することが求められている。しかも、電動モータを小型化しながら高出力化を図ることが求められているため、コイルの巻線数を多くするとともに、コイルの端子間に加える電圧を高電圧化することが進められている。
このため、高電圧化を図っていない従来の電動モータでは、問題として提起されていなかった部位における絶縁の問題が、クローズアップされてきている。即ち、モータケース内において、絶縁を確保し難い部位であるモータケースとコイルエンドとの間における絶縁を確保できるようにすることが、求められてきている。しかしながら、モータケースとコイルエンドとの間における望ましい絶縁状態を確保する構成については、未だ満足するものは提案されていない。
ところで、一般にハイブリッド用の電動モータとしては、モータケース内に固定したステータコアにコイル巻線が巻装されており、ステータコアの内径面側に所定のエアギャップを介して、永久磁石を内蔵したロータコアを配した構成が多く採用されている。そしてこの種の電動モータでは、ロータコアの回転と同期をとりながら、ステータコアのコイル巻線に電流を流すことで回転磁界を発生させる構造となっており、一般的には同期モータとも呼ばれている。
即ち、コイル巻線を含むステータは、モータケースの内壁部に固定されている。そして、ステータの内側に配した回転子としてのロータは、モータケースに対して一定の同軸度を保った状態で、モータケースの上下フランジ部に嵌め込まれた2つの軸受によって回転自在に支持されている。ロータの回転は、ロータ軸の軸端に固定される回転角度センサによって、回転角度位置として検出され、その検出信号はインバータ等の制御部に送られる。
ロータ軸の回転角度位置信号と電動モータを駆動するための制御指令信号との差異信号に基づいて、制御部ではコイル巻線に供給する電流波形を計算し、計算により得られた電流波形に基づいた電流をコイル巻線に対して供給することになる。これにより、ロータは制御指令信号に従った回転を続けることができる。
制御部からステータのコイル巻線に対して電流が供給されている間、コイル巻線の端子間には電流を流すのに十分なだけの電圧が加わっている。このため、モータケースとコイル巻線のコイルエンドとの間には、一定以上の大きな電気抵抗を備えさせておくことが必要となる。この電気抵抗の値としては、一般に、数MΩという大きな抵抗値を持たせておくことが必要であり、言い換えると、モータケースとコイルエンドとの間を絶縁状態しておくことが必要となる。
モータケースとコイルエンドとの間での絶縁レベルが低下していると、コイル巻線に対して十分な電流を流すことができなくなる。しかも、コイルエンドとモータケースとの間の空間距離を通ってアーク放電やアーク放電による短絡が生じ易くなり、短絡によってコイルエンドとモータケースとの間で常時電流が流れてしまう通電状態が発生する。モータケースに流れた電流は、電動モータを機械的に固定している車両フランジから車両全体へと流れ出てしまうことになり、所謂、漏電状態となってしまう。このようにして漏電状態が発生すると、車両のオペレータや運転手を感電させてしまう恐れが生じる。
ハイブリッド車をはじめとする車載用の電動モータにおいては、このような漏電状態になることに対して、最高レベルにおいて危険を回避する措置を施しておくことが要求されている。
続いて、モータケース内において絶縁を確保し難い部位である、モータケースとコイルエンドとの間における絶縁構造について説明する。
コイル巻線を含むステータコアをモータケース内に固定するため、モータケースの一方の開放端側からステータコアをモータケース内に挿入する必要がある。そして、モータケース内においてステータコアを一定位置で支持固定するため、モータケースの内壁部に位置決め用の係止部を設けておき、ステータの一端部を係止部に密着させる構成となっている。係止部は、モータケースの内壁部に形成された段差面を備えた構成となっている。
図10には、ステータコア44の一端部を係止部42に密着させた状態を示した、一般的な電動モータ40における概略縦断面図を示している。図10に示すように、ステータコア44は、モータケース41の一方の開放端側から係止部42としての段差面43に当接するまで挿入され、ステータコア44の一端部が段差面43に密着した状態で、ステータコア44はモータケース41に固定されることになる。
この状態において、段差面43に密着したステータコア44の一端部側におけるコイルエンド45bとモータケース41との距離は、ステータコア44の他端部側におけるコイルエンド45aとモータケース41との距離よりも、短く構成されることになる。図10においては、ステータコア44の一端部側におけるコイルエンド45bとモータケース41との距離をδ1とし、ステータコア44の他端部側におけるコイルエンド45aとモータケース41との距離をδ2とした場合には、δ1<δ2となる。
コイル巻線に電圧が加わっている場合に、コイルエンド45bとモータケース41との間の距離δ1が短くなりすぎると、モータケース41との間での絶縁状態が保てなくなり、コイルエンド45bとモータケース41との間においてアーク放電が発生する。最悪の場合には、コイルエンド45bとモータケース41との間が、アーク放電によって短絡を生じてしまい、モータケース41を通じて外部に電流が流れ出てしまう。所謂、漏電状態となってしまう。
これを防止する対策としては、δ1の値をできるだけ大きく構成できるように、ステータコア44やモータケース41を大きめに構成しておくことがまず考えられる。しかし、アーク放電を生じさせないδ1の許容値としては、コイル巻線に加わる電圧の値とも大きく関係しており、電動モータ40の高電圧化と小型化との、相反する二つの要求を満たすことが必要となる。
そこで近年においては、ステータコア44の一端部側におけるコイルエンド45bとモータケース41との距離δ1を小さくするため、様々な工夫が行われている。例えば、コイルエンドに絶縁体を配したモータ(特許文献1参照)や、樹脂等によってコイルエンドをモールド整形した回転電機(特許文献2参照)などが提案されている。
特許文献1に記載されたモータを本願発明の従来例1として、図11には同モータの側断面図を示している。図11に示すように、モータは、ステータコア51とステータコア51に巻装したコイル52からなるステータと、コイル52のコイル端53の結線処理を行い、コイル52の軸方向端部の傍らに配した基板55と、軸受け59を介してボビン50に支持されたロータ54とを備えた構成となっている。
そして、ステータコア51とコイル52との間、及びコイル52の軸方向のコイル端53と基板55との間に、それぞれ絶縁体56,57を介挿させるとともに、絶縁性の紐58で、コイル52、絶縁体56、57、及び基板55の束線の固定を行っている。
特許文献2に記載されたモータを本願発明の従来例2として、図12には同回転電機の側断面図を示している。図12に示すように、回転電機60は、永久磁石66を備えた回転子65と、回転子65の周囲に配置され、フレーム61の内側に嵌合した固定子鉄心62と、固定子鉄心62に巻装した固定子巻線63とを備えた構成となっている。
固定子巻線63のコイルエンド64a,64bとフレーム61との間には、熱伝導絶縁体67a、67bが充填固着している。そして、セラミック粉末を混合した熱硬化性樹脂で熱伝導絶縁体67a、67bを構成している。尚、熱伝導絶縁体67a、67bとしては、電気的な絶縁体でもある旨の記載がなされている。
特開2007−28850号公報 特開2002−191149号公報
特許文献1に記載されたように、絶縁テープ等をコイルエンドに巻く方法では、コイルをステータコアの磁極に挿入する前に絶縁テープを巻いておくことが必要となる。このため、コイルの結束を固定するワニス工程において、コイル巻線内部にワニスが十分浸透しない問題が生じてしまう。
また、特許文献1に記載されたものでは、電動モータの振動等によって絶縁性の紐58がほどけたり、電動モータ内に冷却用の油を溜めてある場合には冷却用の油の影響によって絶縁性の紐58がほどけてしまったりして、絶縁テープ等が外れたり、あるいは、絶縁テープ等がそのまま抜け落ちてしまったりする事態が発生する。
特許文献2に記載されたように、熱伝導絶縁体67a、67bでコイルエンド64a,64bとフレーム61との間をモールド整形するためには、大型の設備が必要である。そして、大型の設備を必要とする以前の問題として、特許文献2のものでは、そもそもコイルエンドの領域を小さく構成しておくことができないという問題がある。
そこで、モータケース側に絶縁物を貼り付けたり、塗布する方法も用いられているが、モータケースがアルミ製や鋳鉄製であるのに対し、絶縁物は耐熱性の樹脂材であったり、テープである。このため、長期間の使用の間には、絶縁物が剥がれたり、脱落したりするなどの問題が生じてしまう。また、絶縁性樹脂をモータケースに塗布する場合においても、塗布した絶縁性樹脂が、長期間の使用に耐えうるか否かの問題が生じてしまう。
更に、ボルトを介してモータケースに絶縁材を固定する方法も考えられるが、ボルトの頭がコイルエンドの近くに配される構成とならざるを得ないので、ボルトとしては樹脂ボルトが使われることになる。しかし、樹脂ボルトに対しては、長期に亘っての信頼性に問題がある。
本願発明は、従来から試みられていた各種方法では解決できなかった、モータケースとモータケースに近接配設されるコイルエンドとの間を絶縁状態にしておくことができ、しかも、簡単な構成にて確実に絶縁状態を維持できる電動モータを提供することにある。
本願発明の課題は、請求項1〜3に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明の上記目的は本願発明の最も主要な構成である、モータケース内に両端部が軸受を介して支持されたロータシャフトと、前記ロータシャフトに嵌着支持され、前記ロータシャフトと共に回転するロータコアと、前記モータケースの内壁部に固設され、内径面が前記ロータコアの外径面と微小なエアギャップを介して対設されたステータコアと、を有し、前記ステータコアの一端部が、前記モータケースの内壁部に形成した位置決め用の係止部に密着してなる電動モータにおいて、
前記ステータコアの一端部側におけるコイルエンドと、同コイルエンドに対峙する前記モータケースの部位と、の間に介挿した円筒形状の絶縁紙と、前記円筒形状の絶縁紙の一端縁部側に形成され、放射方向に突出した複数のタブと、前記係止部に複数形成され、前記各タブをそれぞれ係合させる溝と、を備え、前記各タブを前記溝に係合させ、前記ステ
ータコアの一端部と前記係止部との間に前記各タブが挟まれた状態にしてなることを特徴とする電動モータにより効果的に達成される。
好適な態様によれば、モータケースの軸方向における長さ寸法において、絶縁紙の長さ寸法をコイルエンドの長さ寸法よりも長く構成しておくこともできる。
更に、各タブに複数の切り込みを形成して各タブが略平面状に構成されるようにしておくこともできる。
本願発明によって、係止部に密着したステータコアの一端部側におけるコイルエンドとモータケースとの距離を、短く構成しておかなければならない場合であったとしても、コイルエンドとモータケースとの間に円筒形状の絶縁紙を介挿させておくことができる。しかも、ステータコアの一端部が密着する係止部の一部を、絶縁紙のタブを係合させる溝として構成しておくことができる。
絶縁紙としては所定の剛性を有しているので、溝に係合した絶縁紙のタブは、ステータコアの一端部と係止部との間に挟まれた状態となり、タブが溝からすり抜けてしまって、絶縁紙がコイルエンドとモータケースとの間から脱落してしまうのを防止できる。しかも、円筒形状の絶縁紙は、平面状の絶縁紙を円筒形状に丸めることより、極めて容易に形成することができる。
また、タブは、円筒形状に丸めた絶縁紙の一端縁側に切り込みを入れて折り曲げることにより、極めて容易に形成することができる。切り込みの形成方法としては、各タブにおいて放射方向に切り込みを形成したり、各タブの根元部である絶縁紙の一端縁側に沿って切り込みを形成したり、あるいは前記した両方の切り込みを併用して形成したりすることができる。
円筒形状の絶縁紙は、平面状の絶縁紙を円筒形状に丸めて構成する代わりに、予めタブ付きの筒状の絶縁紙として構成しておくことも、筒状の絶縁紙の一端縁側に切込みを入れた後に外側に折り曲げることで、タブ付きの円筒形状の絶縁紙とした構成にしておくこともできる。
また、電動モータの組立てに当たっては、予めタブを形成した円筒形状の絶縁紙をモータケース内に挿入して、タブを係止部に形成した溝に係合させた後に、定法に従ってステータコアをモータケース内に挿入固定すれば、コイルエンドとモータケースとの間に円筒形状の絶縁紙を簡単に介在させることができる。
これにより、コイルエンドとモータケースとの間に絶縁空間(アークスペース)を確保することができる。従って、コイルエンドとモータケースとの間において放電が発生してしまうことや、アーク放電によってコイルエンドとモータケースとの間が短絡してしまうことを防止できる。このように、モータケースに電流が流れ出てしまう漏電状態の発生を確実に防止できる。
このように、本願発明によって、電動モータの小型化を図るためにコイルエンドとモータケースとの間の距離を短く構成したとしても、円筒形状の絶縁紙によってコイルエンドとモータケースとの間に絶縁空間(アークスペース)を確保することができる。しかも、円筒形状の絶縁紙をコイルエンドとモータケースとの間に介挿させるのを容易に行うことができる。従って、小型化した電動モータを、高電圧化させることが可能となる。
以下、本願発明の代表的な実施形態として、ハイブリッド車両に搭載される電動モータを例にとって図面を参照しながら具体的に説明する。以下において電動モータとして、ハイブリッド車両に搭載する電動モータを例に挙げて説明しているが、小型化及び高電圧化を図った他の構成の電動モータに対しても、本願発明を有効に適用することができる。
図1には、本実施形態である電動モータの概略的な縦断面図を示している。尚、図1に示した電動モータの縦断面図は、従来例として示した図10の縦断面図と同じ図面を用いている。しかし、本願の実施例である図1ではコイルエンド8bとモータケース2との間に絶縁紙17を介挿した構成となっており、この点で図1は図10とは異なった構成となっている。他の構成は、図10で示した構成と同じ構成となっているが、構成部材の部材番号としては、図1と図10とでは異なった番号を用いている。
図1に示すように、この電動モータ1においては、ロータコア3内の永久磁石、ステータコイル8等を主に冷却する第1冷却油通路13及び第2冷却油通路14を備えた構成となっている。ロータコア3内の永久磁石、ステータコイル8等の冷却を行う構成は、本願発明の特徴部を構成するものではなく、他の構成を用いて、ロータコア3内の永久磁石、ステータコイル8等の冷却を行わせることもできる。また、モータケース2内に水冷ジャケットを形成しておくこともできる。
図1の縦断面図で示された電動モータ1は、ロータシャフト5の回転を回転角度センサ等で検出し、回転角度センサ等で検出した回転角度位置は、図示せぬ制御部に入力される。制御部は入力した回転角度位置に応じて、電動モータ1の駆動を制御することになる。このように、電動モータ1は同期モータとして構成されている。
また、ロータコア4内の周方向には、等間隔に配した図示せぬ永久磁石が内蔵されており、ロータコア4の外径面との間に微小なエアギャップを空けて、モータケース1の垂直円筒部2aの内壁面に固設されたステータコア3を備えた構成となっている。
電動モータ1の出力軸であるロータシャフト5の駆動力は、図示せぬ車両用動力伝達装置等に供給することができる。本願発明の電動モータ1は、ロータシャフト5を垂直方向に配して作業車両等に設置することができる。ロータシャフト5は、モータケース2の天井部2bと底部2cにそれぞれ設けた軸受6a、6bを介して軸支されており、ロータシャフト5の一端部側はモータケース2の底部2cから外部に突出している。また、ロータシャフト5の上端には、ロータシャフト5の回転角度位量を検出するための図示せぬ回転角度センサ等を直結しておくことができる。
ロータコア4は、電磁鋼板からなる鉄心を軸方向に多数積層して、熱圧着等により一体化された円筒形をなしており、ロータシャフト5に回り止め嵌合されている。ロータコア4の内部には周方向に所定個数の永久磁石(不図示)が埋設一体化されている。また、ロータコア4の上下両面には、上部プレート12と下部ブレート11とが密接して配設されている。
上部プレート12と下部ブレート11は、ドーナツ円板状に形成されており、ロータコア4内に配した複数の永久磁石における軸方向の位置決めを行うとともに、ロータコア4を構成する積層した電磁鋼板を狭持している。そして、上部プレート12と下部ブレート11とは、それぞれの中央部に形成されたシャフト嵌挿孔を介して、ロータシャフト5に密嵌固定されている。
ロータシャフト5の中心には、上端からロータコア4の下端位置にまで至る軸方向に延びた第1冷却油通路13が形成されている。第1冷却油通路13の下端部は、ロータコア4の下端部に密接させた下部プレート11の面に形成した径方向の溝と連通している。前記径方向の溝は、径方向の溝を形成した下部プレート11の面に同じく形成した環状溝11bと連通している。
ロータコア4内に内蔵された各永久磁石の内径側にそれぞれ隣接する形で、軸方向に延びる第2冷却油通路14が、上下方向に貫通して複数形成されている。各第2冷却油通路14の下端部は、下部プレート11に形成した環状溝11bと連通し、各第2冷却油通路14の上端部は、上部プレート12に形成したノズル12aに連通している。
第1冷却油通路13の上端部は、外部に配した図示せぬ冷却装置と連通しており、同冷却装置で冷却された冷却油を流入させることができる。第1冷却油通路13内に流入した冷却油は、下部プレート11に形成した径方向の溝から環状溝11b内に流入し、環状溝11bに連通している第2冷却油通路14内を上昇する。第2冷却油通路14内を冷却油が流通することによって、第2冷却油通路14の近傍に配した各永久磁石を冷却することができる。
各永久磁石を冷却した冷却油は、上部プレート12に形成したノズル12aから噴出し、ロータコア4の周囲に配した上部コイルエンド8aやステータコア3、ステータコイル8等を満遍なく冷却する。
モータケース2の底部2cには、油溜め部が構成されている。油溜め部には、ノズル12aから噴出して、ステータコア3、ステータコイル8を冷却した油を一時的に溜めておくことができる。
油溜め部は、外部に油を排出する排出油路と連通しており、同排出油路は上述した冷却装置に連通している。これにより、冷却装置で冷却した油を電動モータ1内で循環させることができる。また、油溜め部に溜められた油が外部に漏れ出ないようにするため、ロータシャフト5の下端部側とモータケース2との間には、オイルシール7が設けられている。
油溜め部における油面レベルとしては、電動モータ1の駆動中、常に油溜め部の油が、ステータコイル8の下部コイルエンド8bと常に接触する高さ位置であって、ロータコア4の下面とは接触しない高さ位置となるように設定しておくことが望ましい。
ロータコア4の外径面とエアギャップを介して対峙するステータコア3は、モータケース2の天井部2b側の開放端側から挿入され、係止部15における段差15aに密着した状態でモータケース2に固定される。ステータコア3の内径面には、ロータシャフト5の中心に向けて周方向に所定のピッチで多数の極となる突部3aが突設されており、各突部3aの周面には、ステータコイル8が定法に従って巻装されている。
突部3aに巻装されたステータコイル8の折返し端部である上部コイルエンド8a、下部コイルエンド8bは、それぞれステータコア3の軸線方向外側に突出している。
尚、ステータコア3の構成としては、ロータコア4における構成と同様に電磁鋼板からなる鉄心を軸方向に多数積層し、熱圧着等により一体化した構成としておくことができる。
図1やモータケース2の円筒部2aにおける要部の部分斜視図である図3に示しているように、円筒部2aの内壁面10には、円筒部2a内に挿入したステータコア3の位置決めを行う係止部15が、内壁面10の内径側に突出する形で構成されている。係止部15としては、ステータコア3の一端部が当接する段差面15aと、定法に従ってステータコア3の突部3aに巻装したステータコイル8の下部コイルエンド8bが対峙する係止部内壁面15bと、を備えた構成となっている。
段差面15aには、図2(b)で示すような円筒形状の絶縁紙17のタブ17aを係合する溝16が、複数形成されている。絶縁紙17は、例えば、全芳香族ポリアミドポリマなどから作られており、耐熱性、難燃性、電気的絶縁性、剛性等の特性を備えている。絶縁紙17としては、図2(a)で示すようにシート状の絶縁紙17の一側縁部に切り込みを入れて、複数のタブ17aを形成してある。
複数のタブ17aに対して更に放射方向の切り込み17bを形成しておくことで、シート状の絶縁紙17を図2(b)に示すように円筒形状に丸めて筒状となし、タブ17aを放射方向に折り曲げたとき、タブ17aの面が略平面状となるように構成しておくことができる。また、折り曲げたタブ17aの面が略平面状となるようにするためには、図2(c)に示すように、タブ17aを折り曲げる絶縁紙17の一側縁部に沿った切り込み17dを、タブ17aの根元部に形成しておくこともできる。放射方向の切り込み17bと絶縁紙17の一側縁部に沿った切り込み17dとを一つのタブ17aに対して同時に形成しておくこともできる。
図2(b)に示すように円筒形状に丸めた絶縁紙17をモータケース2の円筒部2a内に挿入して、各タブ17aを段差面15aの溝16に係合させることができる。絶縁紙17を円筒部2a内に挿入した状態で、定法に従ってステータコア3をモータケース2の円筒部2a内に挿入して、係止部15に位置決め固定することで、絶縁紙17を下部コイルエンド8bと係止部内壁面15
bとの間に介在させることができる。
このとき、絶縁紙17のタブ17aは、ステータコア3の一端部と係止部15との間に挟まれた状態となるので、タブ17aが溝16からすり抜けて、絶縁紙17が下部コイルエンド8bと係止部内壁面15bとの間から脱落してしまうのを防止できる。図6に係止部15近傍における絶縁紙17と下部コイルエンド8bとの配置関係の要部を示す縦断面図を示しているように、溝16の深さδ4としては、タブ17aの厚みδ3よりも多少浅めの深さとして構成しておくことも、タブ17aの厚みδ3と略同じ長さ寸法の深さとして構成しておくこともできる。
このように溝16の深さδ4を構成しておくことによって、ステータコア3をモータケース2の円筒部2a内に固定したとき、タブ17aを多少厚み方向に変形させて挟持しておくことも、ステータコア3に対してタブ17aから抜ける方向へのストレスを与えずに、溝16内に係合させておくこともできる。
絶縁紙17を円筒形状に丸めたときに、図2(b)、図9(a)、(b)で示すように絶縁紙17の一部が重ね合わせ部18において重なり合い、円筒形状にした絶縁紙17の周面に隙間が形成されないように構成しておくことが必要である。尚、図9(a)は、絶縁紙17の上面図を示し、図9(b)には、絶縁紙17の重ね合わせ部18側を見た側面図を示している。
円筒形状にした絶縁紙17の周面に隙間が形成されないように構成しておくことによって、下部コイルエンド8bの周囲を全て絶縁紙17で覆って絶縁状態にしておくことができる。また、図1、特に、図6で示すように、絶縁紙17の長さ寸法を、下部コイルエンド8bの長さ寸法よりもδ5(図6参照)だけ長く構成しておくことで、下部コイルエンド8bと係止部内壁面15bとの間での絶縁状態をより確実に確保することができる。
次に、図3、図4を用いて電動モータ1の組立て時における、絶縁紙17の装着について説明する。図2で示すように、シート状の絶縁紙17を丸めて環状の円筒部17cと放射方向にタブ17aを折り曲げておく。図示例では、モータケース2の円筒部2a内に挿入する絶縁紙17として、シート状のものを丸めた例を説明しているが、予め円筒形状に絶縁紙17を成形等によって製造しておくこともできる。
環状に丸めて円筒形状にした絶縁紙17をモータケース2の円筒部2a内に挿入して、係止部15の段差面15aに形成した各溝16にそれぞれタブ17aを係合させる。図7には、絶縁紙17をモータケース2の円筒部2a内に挿入した状態での上面図を示している。図7に示すように、タブ17aは周方向に等間隔に配置することができる。
図7では、溝16の幅よりもタブ17aの幅が狭く、しかも、隣接する溝16間の間隔がタブ17aの幅よりも広く形成されている例を示しているが、タブ17aの幅と溝16の幅とを略等しい幅として構成し、段差面15aに配したタブ17aの総面積の方が、隣接するタブ17a間で占める段差面15aの総面積よりも大きくなるように構成しておくこともできる。尚、このとき、タブ17aを溝16に係合し易くするため、溝16の幅は溝16に係合されるタブ17aの幅よりの多少広く構成しておくことが望ましい。
絶縁紙17をモータケース2の円筒部2a内に挿入して、タブ17aを各溝16に係合させた後に、ステータコア3を定法に従ってモータケース2の円筒部2a内に挿入する。このとき、ステータコア3とモータケース2との位置決めを行い易くするため、ステータコア3の外周面に長手方向に沿った回り止め突起3bを複数形成しておくことができる。そして、各回り止め突起3bと係合する位置決め溝19を、モータケース2の円筒部2aの内壁面に複数形成しておくことができる。
ステータコア3の一端部を係止部15の段差面15aに当接させた後、ステータコア3とモータケース2との固定を行う。ステータコア3のモータケース2への固定方法としては、焼き嵌め、冷間圧入、溶接、ボルト固定等の従来から公知の固定方法を採用することができる。ボルト固定で行う場合には、図8(a)、(b)で示すように、ステータコア3の回り止め突起3bにボルト挿入孔20を形成しておき、モータケース2の円筒部2aに形成した位置決め溝19の底部にボルトと螺合する雌ネジ孔を形成しておくことができる。
絶縁紙17を円筒部2a内に装着し、ステータコア3を円筒部2a内で固定すると、図5、図6に示すように、係止部15と下部コイルエンド8bとの間隔が短い隙間に、絶縁紙17を確実に介在させることができる。しかも、電動モータ1の振動によっても、また冷却用の油が絶縁紙17に振りかかっても、絶縁紙17はタブ17aによって溝16から抜け落ちることがない。このため、係止部15と下部コイルエンド8bとの間の絶縁状態を常に良好に保っておくことができる。
電動モータを概略的に示す縦断面図である。(実施例) 絶縁紙の展開図及び斜視図である。(実施例) モータケースの要部を示す部分斜視図である。(実施例) 絶縁紙、ステータの組立て前の状態を示す斜視図である。(実施例) 電動モータの縦断面を示す斜視図である。(実施例) 係止部近傍を示す断面図である。(実施例) 絶縁紙を挿入したポンプケーシングの上面図である。(実施例) ステータの上面図である。(実施例) 絶縁紙の重ね合わせ部を示す断面図と側面図である。(実施例) 電動モータを概略的に示す縦断面図である。(従来例の説明) モータの側断面図である。(従来例1) 回転電機の側断面図である。(従来例2)
符号の説明
1・・・電動モータ、
2・・・モータケース、
3・・・ ステータコア、
4・・・ ロータコア、
5・・・ ロータシャフト、
8・・・ステータコイル、
8a・・・上部コイルエンド、
8b・・・下部コイルエンド、
10・・・内壁面、
15・・・係止部、
15a・・・段差面、
15b・・・係止部内壁面、
16・・・溝、
17・・・絶縁紙、
17a・・・タブ、
18・・・重ね合わせ部、
40・・・電動モータ、
41・・・モータケース、
42・・・係止部、
43・・・段差面、
44・・・ステータコア、
45a、45b・・・コイルエンド、
50・・・ボビン、
51・・・ステータコア、
52・・・コイル、
53・・・コイル端、
54・・・ロータ、
55・・・基板、
56,57・・・絶縁体、
58・・・紐、
60・・・回転電機、
61・・・フレーム、
62・・・固定鉄心、
63・・・固定巻線、
64a、64b・・・コイルエンド、
65・・・回転子、
67a、67b・・・熱伝導絶縁体。

Claims (3)

  1. モータケース内に両端部が軸受を介して支持されたロータシャフトと、
    前記ロータシャフトに嵌着支持され、前記ロータシャフトと共に回転するロータコアと、
    前記モータケースの内壁部に固設され、内径面が前記ロータコアの外径面と微小なエアギャップを介して対設されたステータコアと、
    を有し、
    前記ステータコアの一端部が、前記モータケースの内壁部に形成した位置決め用の係止部に密着してなる電動モータにおいて、
    前記ステータコアの一端部側におけるコイルエンドと、同コイルエンドに対峙する前記モータケースの部位と、の間に介挿した円筒形状の絶縁紙と、
    前記円筒形状の絶縁紙の一端縁部側に形成され、放射方向に突出した複数のタブと、
    前記係止部に複数形成され、前記各タブをそれぞれ係合させる溝と、を備え、
    前記各タブを前記溝に係合させ、前記ステータコアの一端部と前記係止部との間に前記各タブが挟まれた状態にしてなることを特徴とする電動モータ。
  2. 前記モータケースの軸方向における長さ寸法において、前記係止部の各溝に前記各タブをそれぞれ係合させた前記絶縁紙の長さ寸法が、前記ステータコアの一端部側におけるコイルエンドの長さ寸法よりも長く構成されてなることを特徴とする請求項1記載の電動モータ。
  3. 前記各タブに複数の切り込みが形成され、前記各タブを略平面状に構成してなることを特徴とする請求項1又は2記載の電動モータ。
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