JP3931574B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、業務用または家庭用、あるいは乗り物用の冷凍空調、あるいは冷蔵庫などに用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和装置等の冷凍サイクルに使用される密閉型圧縮機の一例を図4に示す。両端が閉鎖された筒状の密閉容器101の内側には電動機102とスクロール圧縮機構103とが内蔵されている。電動機102は密閉容器101の内壁面に固定された固定子104と、固定子104の内側に対向して回転自在に支持された回転子105とからなり、回転子105にはクランク軸106が貫通状態に結合されている。このクランク軸106の一端はスクロール圧縮機構103の一部を構成する主軸受部材107の軸受部Bに回転自在に支持されている。
【0003】
クランク軸106の他端側は回転子105から突出しており、かつ先端部が密閉容器101底部に収容されたオイルbに没している。また、クランク軸106には、オイルbを吸入して摺動部に供給する油通路108が軸方向に穿設されており、オイルbがこの油通路108を経て主軸受部材107などの各摺動部に供給された後、再循環されるようになっている。
【0004】
そして、主軸受部材107に貫通する状態に支持されたクランク軸106の一端部はその中心がクランク軸106の軸心と偏心して設けたピン部(クランク部)109として形成されており、このピン部109には旋回スクロール110が連接されている。旋回スクロール110は円盤状に形成されており一側面の中央部にピン部109が接続されるボス穴部111が形成されている。旋回スクロール110の他側面には渦巻き形状のラップ112が一体に形成されている。また、主軸受部材107には固定スクロール113が結合されている。固定スクロール113には旋回スクロール110に対面する部分に渦巻き形状のラップ114が形成されており、ラップ112との間に複数の圧縮室115を形成している。これらの圧縮室115は吸入管116を介して外周部から冷媒ガスを吸込み、漸次中心に移動していくことで容積を縮小して冷媒ガスを圧縮し、固定スクロール113の中央部に設けた吐出ポート117から密閉容器101上部の高圧空間内に吐出され、矢印で示したように吐出管118を経て密閉容器101外に吐出される。
【0005】
主軸受部材107にはオイル逃し穴119が貫通して設けられていおり、スクロール圧縮機構103の摺動部を潤滑したオイルが下方に向かって放出される。この時、放出されたオイルがクランク軸106と共に回転するバランスウェート120に衝突して飛散すると、吸入管116から密閉容器101内に吸入された冷媒と混合して圧縮機構103に送られ、圧縮された冷媒と共に外部の冷凍サイクルに吐出されることになり、冷凍サイクルのパイプ内壁面にオイルが付着し、その結果として冷凍サイクルの効率低下やパイプ詰り等の不都合な現象を発生させる事になる。これを防止するため、クランク軸106およびオイル逃し穴119を包囲するように円筒状カバー121がビス123により主軸受部材107の下面に装着されている。
【0006】
この時、円筒状カバー121が金属製である場合は、固定子104のコイルエンド部122との絶縁距離を確保するために、円筒状カバー121とコイルエンド部122との間に充分な隙間dが必要となるので、その隙間dからオイルが飛散し冷媒と共に密閉容器101外にでるオイルの吐出量が増加してしまう問題があった。このような問題を解決するために、例えば特開平11−182471号公報においては図5に示すように、円筒状カバー121の下端部に絶縁材料である合成樹脂製フィルムから成るスカート124を取り付け、このスカート124の一端を固定子のコイルエンド部122に接触させて円筒状カバー121とコイルエンド部122との間隙を塞いでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術で説明した圧縮機は電動機が配置される空間が低圧雰囲気である低圧型圧縮機に関するものであり、吸入された冷媒ガスが電動機により加熱され圧縮機の効率が低下するという欠点があった。これに対して、冷媒ガスを直接スクロール圧縮機構に吸入し、圧縮された冷媒ガスを電動機が配置された空間を含めた密閉容器内に吐出循環させた後、外部の冷凍サイクルに吐出する高圧型圧縮機は、吸入される冷媒ガスが電動機で加熱される事が無いので効率を高くすることが可能である。しかしながら上記従来の技術で説明した合成樹脂製フィルムからなるスカートを用いた場合には、スカートに高温高圧の吐出ガスが直接ぶつかり、樹脂フィルムでできたスカートを変形させて仕切り効果が悪くなり、オイル飛び出しが多くなったり、ガスの流れによりスカートが振動を起こして電動機の固定子コイルを傷つけたりするという不具合が発生するという問題点があった。
【0008】
本発明の目的は吐出ガス雰囲気のガス通路におかれた仕切り部材に十分な剛性を持たせる構成を提供することにより、十分にオイル分離された冷媒ガスを吐出することができる高圧密閉型圧縮機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決する為に本発明は、仕切り部材として剛性を有する固定部と電気絶縁性を有するガイド部を有し、ガイド部をその材料のガラス転移点よりも高い温度でアニーリング処理したものを使用するものである。また、中央部に穴を設けた平板からなる固定部と圧縮機構部とでガイド部の端部に径方向外側に向かって延設された脚部を挟持するものである。あるいは、コイルエンド絶縁紙を圧縮機構部に当接するように延設、又はコイルエンド部を樹脂により一体成形し、この樹脂部を圧縮機構に当接させるものであるこれにより、ガイド部は高温高圧の吐出ガスにさらされた場合でも変形することが無く、高圧密閉型圧縮機においても充分に分離された冷媒ガスを吐出することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願請求項1記載の発明は、電動機によって駆動される圧縮機構と、底部にオイル溜めを有し前記電動機及び圧縮機構を収納する密閉容器とからなり、前記オイル溜めに貯留されたオイルは電動機及び圧縮機構に供給されて潤滑またはシールに供され、前記圧縮機構から吐出された圧縮ガスを密閉容器内部で循環させる往路と復路とからなるガス通路を備えた密閉型圧縮機であって、前記往路と復路の間を仕切る隔壁の一部分が前記電動機の固定子により構成され、電動機固定子に隣接して圧縮機構との間に配置される往復路間の隔壁を剛性を有する固定部と電気絶縁性を有するガイド部とからなる仕切り部材とし、前記ガイド部をその材料のガラス転移転よりも高い温度でアニ−リング処理したものであり、ガイド部がその材料のガラス転移転よりも高い温度の吐出ガスにさらされても変形することが少なく、変形によりガスが漏れたりフィルムを傷つけたりすることを防止できるという作用を有する。
【0011】
請求項2記載の発明は、電動機によって駆動される圧縮機構と、底部にオイル溜めを有し前記電動機及び圧縮機構を収納する密閉容器とからなり、前記オイル溜めに貯留されたオイルは電動機及び圧縮機構に供給されて潤滑またはシールに供され、前記圧縮機構から吐出された圧縮ガスを密閉容器内部で循環させる往路と復路とからなるガス通路を備えた密閉型圧縮機であって、前記往路と復路の間を仕切る隔壁の一部分が前記電動機の固定子により構成され、電動機固定子に隣接して圧縮機構との間に配置される往復路間の隔壁が剛性を有する固定部と電気絶縁性を有するガイド部とからなる仕り切部材であり、固定部は中央部に穴をあけた平板とし、ガイド部は外径が前記固定部の穴よりわずかに小さい円筒形状部分と、前記円筒形状部分の一方の端部に形成された径方向外側に向かって延設された脚部を有し、前記脚部が固定部と圧縮機構部の間に挟持されているものであり、容易且つ確実にガイド部と固定部を圧縮機構部に取り付け固定することができるという作用を有する。
【0012】
請求項3記載の発明は、電動機によって駆動される圧縮機構と、底部にオイル溜めを有し前記電動機及び圧縮機構を収納する密閉容器とからなり、前記オイル溜めに貯留されたオイルは電動機及び圧縮機構に供給されて潤滑またはシールに供され、前記圧縮機構から吐出された圧縮ガスを密閉容器内部で循環させる往路と復路とからなるガス通路を備えた密閉型圧縮機であって、前記往路と復路の間を仕切る隔壁の一部分が前記電動機の固定子により構成され、前記電動機固定子に隣接して圧縮機構との間に配置される往復路間の隔 壁が電動機固定子のコイルエンド絶縁紙を延設して構成するものであり、容易且つ確実に隔壁を形成することができるという作用を有する。
【0013】
請求項4記載の発明は、電動機によって駆動される圧縮機構と、底部にオイル溜めを有し前記電動機及び圧縮機構を収納する密閉容器とからなり、前記オイル溜めに貯留されたオイルは電動機及び圧縮機構に供給されて潤滑またはシールに供され、前記圧縮機構から吐出された圧縮ガスを密閉容器内部で循環させる往路と復路とからなるガス通路を備えた密閉型圧縮機であって、前記往路と復路の間を仕切る隔壁の一部分が前記電動機の固定子により構成され、前記電動機固定子に隣接して圧縮機構との間に配置される往復路間の隔壁が電動機固定子のコイルエンド部に一体成形された樹脂成形品で構成されてなるものであり、請求項3記載の発明と同様に容易且つ確実に隔壁を形成することができるという作用を有する。
【0014】
以下、本発明における実施の形態に係る密閉型圧縮機および仕切り部材構成について図を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0015】
(実施の形態1)
本実施の形態では縦型でスクロール式圧縮機構を内蔵した冷凍サイクル用密閉型圧縮機で冷媒ガスを圧縮する場合について説明する。しかし、本発明はこれに限られることはなく、ロータリ式圧縮機構などを搭載した密閉型圧縮機など他の方式による圧縮機に適用する場合についても有効であり、圧縮される気体についても冷媒ガスに限らずガス一般を対象とすることができる。
【0016】
図1に本発明第1の実施の形態による密閉型圧縮機を示す。図1において1は密閉容器で、圧縮機構2と電動機3を内部に固定して収納し、底部にはオイル6が貯留されたオイル溜め5を有する。圧縮機構2はクランク軸4により電動機3に結合されて駆動される。密閉容器1内部は、圧縮機構2の上部に形成された第1の部屋8と、圧縮機構2と電動機3との間に形成された第2の部屋9と、電動機3の下部に形成された第3の部屋10とに区分されている。
【0017】
圧縮機構2は、クランク軸4を回転自在に支持する主軸受4aを備えた主軸受部材11と、主軸受部材11にボルト止めされた固定スクロール12と、主軸受部材11と固定スクロール12との間にスクロールラップ同士が噛み合う様に挟みこまれた旋回スクロール13と、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に配置されて旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内する自転規制機構14(オルダムリング)とから構成されている。
【0018】
クランク軸4の下端はオイル溜め5に達しており、密閉容器1内に溶接や焼き嵌め等の手段で固定された副軸受部材21により回転自在に支持されている。
【0019】
電動機3は密閉容器1に溶接や焼き嵌めなどの手段で固定された固定子3aと、クランク軸4に結合された回転子3bとで構成され、回転子3bの上下端面にはバランスウエイト23、24が固定されている。
【0020】
圧縮機構2と電動機3の間に形成された第2の部屋9には円筒状の仕切り部材17が設けられ、この部屋を電動機3の回転子3bの回転子上部室18と固定子3aの固定子上部室19に区分している。
【0021】
上記のような構成でクランク軸4が電動機3により回転されると、クランク軸4の上端にある偏心軸7と摺動自在に結合した旋回スクロール13は自転を伴わない円軌道運動を行い、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成されている圧縮室が外周側から中央部に向かって移動しながらその容積を縮小していき、吸入パイプ15から固定スクロール12の外周部に吸入した冷媒ガスを圧縮し、最終的には所定圧以上になった冷媒ガスを固定スクロール12の中央部に設けた吐出口16から密閉容器1内の吐出マフラー空間31に吐出させる。これを連続的に繰り返すことにより圧縮動作が行われる。
【0022】
上記構成の圧縮機について以下にオイルの流れを説明する。オイル溜め5内のオイル6はクランク軸4の下端に配置されたポンプ25によって汲み上げられ、クランク軸4を軸方向に貫通するオイル供給穴26を介して圧縮機構2の軸受部4aや各摺動部に供給される。軸受や摺動部に供給されて潤滑を行った後のオイル6は、供給圧力や重力によって主軸受部油溝4cを通じ主軸受部材11の下方に流出滴下して回転子上部室18に流れ出た後、回転子と固定子の間の隙間や回転子内部を貫通して設けた通路36を通って最終的にオイル溜め5に回収される。
【0023】
次に吐出された冷媒ガスの流れを説明する。圧縮機構2により圧縮された冷媒ガス27は、圧縮機構2の上部中央に設けた吐出口16を覆うように形成された吐出マフラー空間31に吐出され、しかる後圧縮機構連通路32および連絡路34を通って回転子上部室18に導かれ、更に回転子3bに設けた回転子通路36を通って回転子下部室35へと導かれる。回転子下部室35に導かれた冷媒ガスは固定子3aを貫通するように設けた固定子通路37を上昇して固定子上部室19に抜けた後、ガス通路A(図示せず)を通って圧縮機構2の上部に形成された第1の部屋8に流れ込み、最終的に外部吐出口パイプ39を通って密閉容器外1に吐出される。
【0024】
このような曲がりくねった冷媒ガス経路とすることで、冷媒ガスに混合したオイルを効果的に分離することができる。すなわち、冷媒ガス27が圧縮機構2内部や回転子上部室18を経る間にオイル6と接触してそれを随伴していても、強い旋回流による遠心力でオイル6を外方向に付勢して固定子3aの内周側に付着させることにより分離し、しかる後オイル溜め5に滴下させることにより再び冷媒ガス27に混じることなく分離回収することができる。
【0025】
また、回転子通路36を通る冷媒ガス27に随伴しているオイル6は回転子3bの回転による遠心力で回転子通路36の外側面に押し付けられてミスト状態から凝集してオイル滴に成長するので、遠心分離による気液分離効率をより高めるし、回転子通路36内で遠心分離されたオイル滴は重力により下降して回転子下方空間35に放出されるが、このとき遠心力により外側方向に付勢されているので固定子3aの内周に衝突して凝集し、さらに大きく成長して下方のオイル溜め5に滴下する。一方、冷媒ガスの流れは回転子下部室35から電動機下部室41に至って後、上向きにユーターンして固定子通路37に向かうが、ユーターンする冷媒ガス27の流れCは随伴しているオイル6をその重力と遠心力によりオイル溜め5に向け振り落とすので、オイル6の回収率をさらに高めることができる。
【0026】
以上のようにしてオイル6を分離された冷媒ガス27が、固定子通路37を通って固定子上部室19に達し、密閉容器1の外部吐出口パイプ39から密閉容器1外に吐出されるので、オイルが十分に分離された状態で冷凍サイクルに供給することができる。
【0027】
ここで重要な点は、第2の部屋9において、オイルをたくさん含んだ吐出冷媒ガスが流れる回転子上部室18とオイルが分離された吐出冷媒ガスが流れる固定子上部室19の隔離である。この隔離機能は仕切り部材17によって果たされる。本実施例において仕切り部材17はフランジ部28aとボス部28bとからなる固定部28と、電気絶縁体のフィルムを巻いて円筒状にしたガイド部29とからなり、ガイド部29はボス部28bに挿入されてリベット30により一体に止められている。固定部28は鉄板でできており、主軸受け部材11にネジ止めされている。一方、ガイド部29は固定子3aのコイルエンド3cに内側深くまで挿入されており、固定子上部室19と回転子上部室18を完全に分離している。
【0028】
圧縮機運転中、回転子上部室18には連絡路34から100℃程度の高温となった冷媒ガスが高速で流れ込む。さらに主軸受油溝4cを出たオイルは回転子3bの回転による遠心力で外側に向かって弾き飛ばされてガイド部29に衝突する。この時ガイド部29は変形を起こしたり、振動してコイルエンド3cを傷つけたりしないように充分な剛性を持つ必要がある。
【0029】
図2a、図2bは図1にしめす実施の形態における仕切り部材17の部品図および組立図である。仕切り部材17は固定部28とガイド部29からなり、固定部28は鉄板を絞ってフランジ部28aとボス部28bを形成している。フランジ部28aの周縁部には穴28cがあけられ、この穴を介して主軸受部材11に固定される。ガイド部29はフィルム状の電気的絶縁材を巻いて、円筒状にしている。フィルムの端部はかなりの重なり代20をもっており、その外側端部20aが熱溶着されている。この部分は接着剤で接着しても良いが耐冷媒性を考慮すると熱溶着が望ましい。フィルム材料はPETフィルムが安価で、剛性もあり、耐冷媒性、耐油性、耐熱性があり望ましい。PETフィルムはガラス転移点が60℃から70℃の間にあり、この温度より高い100℃近い温度の吐出ガスに晒されると変形してしまうが、シート状態の時にガラス転移点を超える温度でアニーリングを施すことにより変形を防ぐことができる。吐出温度がより高い場合はPPSまたはポリイミドのシート等を用いる必要があるが、これらの材料においてもガラス転移転以上でアニーリングをする必要がある。安価なものとして紙等セルロース系のシートもあるが密閉型圧縮機にはケバ等が出てあまり向かない。PTFEは剛性の点で向かない。
【0030】
図2bは仕切り部材17を組み立てた図で、ガイド部29は固定部28のボス部28bに外側から挿入されている。ボス部の長さを長くして、ガイド部の長さの1/4以上の挿入代を取るとガイド部の開口部が楕円になったりする変形を押さえることができる。外側端部20aを外側にしてボス部28bに挿入することにより溶着しないもう一方の端部22はボス部28bとフィルムとの間に挟み込まれてしっかりと固定される。内側の端部も熱溶着しても良いが、ボス部とガイド部内径のクリアランスを小さく設定するほど、ガイド部29の剛性があがるので、熱溶着による変形部はできる限りすくない方がよい。フィルムの重なり代20の部分にリベット30が入る穴30aがあけられている。これに対応する部分のボス部28bにもリベット穴30bがあけられ、ガイド部を挿入後リベット止めされる。リベット止め箇所は2カ所以上が望ましい。リベット止めの箇所はネジ止めしても良い。これによりガイド部の剛性が確保される。
【0031】
(実施の形態2)
図3a、図3bは本発明第2の実施の形態を示すものである。図3aは部品図で、中央部に穴71aをあけた平板71を固定部とし、この穴よりわずかに小さい外径の円筒形状に成形したガイド部72の端部に複数の半径方向外側に張り出す脚部73を設け、この脚部73を平板71と圧縮機構2の間に挟みこんでボルト締め等により固定し、仕切り部材とする方法である。この方法は剛性がやや落ちるが最も安価で容易に仕切り部材176を構成することができる。冷媒吐出ガスの流速が遅い場合はこの方法が選択できる。
【0032】
(実施の形態3)
さらに別の実施の形態として、図1において固定子上部室19側のコイルエンド3c自体を絶縁材料によって固めることにより、圧縮機構部2との絶縁距離を保つと同時に、コイルエンド3cが仕切り部材17の役目をし、回転子上部室18と固定子上部室19を隔てることができる。
【0033】
(実施の形態4)
コイルエンド3c自体を絶縁材料によって固める方法以外にも、コイルエンド3cの絶縁紙を圧縮機構部2までのばし、それを仕切り部材17とする方法もある。
【0034】
以上のような電気的な絶縁体でできた剛性のある仕切り部材により、高温高速の吐出ガスの流れに晒されても変形することがなく、電動機と圧縮機構間の第2の部屋を確実に分離することができ、さらに仕切り板を電動機のコイルに近接させても絶縁破壊が起こることがなく、十分なガス流通経路がとれるので圧縮機の外部に吐出される冷媒ガスのオイル分離効果を高めることができ、さらに電動機のコイルを傷めない利点がある。
【0035】
また、本実施の形態では冷媒ガスが圧縮機構の上部に吐出するスクロール式圧縮機構について説明したが、本発明はこれに限られることはなくロータリタイプのものなど他の形式のものでもよいし、横型圧縮機にも適用できることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、電気絶縁体からなる剛性のある仕切り部材を提供することにより、高温で高速の吐出ガスの流れにぶつかっても、変形することがなく、電動機と圧縮機構間の第2の部屋を確実に分離することができ、さらに仕切り板を電動機のコイルに近接させても絶縁破壊が起こることがなく、十分なガス流通経路がとれるので圧縮機の外部に吐出される冷媒ガスのオイル分離効果を高めることができ、さらに電動機のコイルを傷めないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明第1の実施の形態による密閉型圧縮機を示す断面図
【図2】 (a)本発明第1の実施の形態における仕切り部材の部品図
(b)本発明第1の実施の形態における仕切り部材の組立図
【図3】 本発明第2の実施の形態による仕切り部材を示す斜視図
【図4】 従来の密閉型圧縮機を示す断面図
【図5】 従来の密閉型圧縮機を示す断面の拡大図
【符号の説明】
1 密閉容器
2 圧縮機構
3 電動機
3a 固定子
3b 回転子
3c コイルエンド
4 クランク軸
5 オイル溜め
6 オイル
7 偏心軸
8 第1の部屋
9 第2の部屋
10 第3の部屋
11 主軸受部材
17 仕切り部材
18 回転子上部室
19 固転子上部室
28 固定部
28a フランジ部
28b ボス部
29 ガイド部
30 リベット
31 吐出マフラー空間
32 圧縮機構連通路
34 連絡路
35 回転子下部室
36 回転子通路
37 固定子通路
39 外部吐出パイプ
41 電動機下部室

Claims (4)

  1. 電動機によって駆動される圧縮機構と、底部にオイル溜めを有し前記電動機及び圧縮機構を収納する密閉容器とからなり、前記オイル溜めに貯留されたオイルは電動機及び圧縮機構に供給されて潤滑またはシールに供され、前記圧縮機構から吐出された圧縮ガスを密閉容器内部で循環させる往路と復路とからなるガス通路を備えた密閉型圧縮機であって、前記往路と復路の間を仕切る隔壁の一部分が前記電動機の固定子により構成され、電動機固定子に隣接して圧縮機構との間に配置される往復路間の隔壁が剛性を有する固定部と、ガラス転移転よりも高い温度でアニ−リング処理された電気絶縁性を有する材料からなるガイド部とを有する仕切り部材であることを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 電動機によって駆動される圧縮機構と、底部にオイル溜めを有し前記電動機及び圧縮機構を収納する密閉容器とからなり、前記オイル溜めに貯留されたオイルは電動機及び圧縮機構に供給されて潤滑またはシールに供され、前記圧縮機構から吐出された圧縮ガスを密閉容器内部で循環させる往路と復路とからなるガス通路を備えた密閉型圧縮機であって、前記往路と復路の間を仕切る隔壁の一部分が前記電動機の固定子により構成され、電動機固定子に隣接して圧縮機構との間に配置される往復路間の隔壁が剛性を有する固定部と電気絶縁性を有するガイド部とからなる仕り切部材であり、固定部は中央部に穴をあけた平板とし、ガイド部は外径が前記固定部の穴よりわずかに小さい円筒形状部分と、前記円筒形状部分の一方の端部に形成された径方向外側に向かって延設された脚部を有し、前記脚部が固定部と圧縮機構部の間に挟持されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  3. 電動機によって駆動される圧縮機構と、底部にオイル溜めを有し前記電動機及び圧縮機構を収納する密閉容器とからなり、前記オイル溜めに貯留されたオイルは電動機及び圧縮機構に供給されて潤滑またはシールに供され、前記圧縮機構から吐出された圧縮ガスを密閉容器内部で循環させる往路と復路とからなるガス通路を備えた密閉型圧縮機であって、前記往路と復路の間を仕切る隔壁の一部分が前記電動機の固定子により構成され、前記電動機固定子に隣接して圧縮機構との間に配置される往復路間の隔壁が電動機固定子のコイルエンド絶縁紙を延設して構成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  4. 電動機によって駆動される圧縮機構と、底部にオイル溜めを有し前記電動機及び圧縮機構を収納する密閉容器とからなり、前記オイル溜めに貯留されたオイルは電動機及び圧縮機構に供給されて潤滑またはシールに供され、前記圧縮機構から吐出された圧縮ガスを密閉容器内部で循環させる往路と復路とからなるガス通路を備えた密閉型圧縮機であって、前記往路と復路の間を仕切る隔壁の一部分が前記電動機の固定子により構成され、前記電動機固定子に隣接して圧縮機構との間に配置される往復路間の隔壁が電動機固定子のコイルエンド部に一体成形された樹脂成形品で構成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
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