JP5214534B2 - 熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材 - Google Patents

熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材 Download PDF

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Description

本発明は、ステンレス製熱交換器のろう材に関し、特にNi−Cr−Cu−Fe系ろう材に関する。
Ni−Cr系ろう材として、61%Ni、29%Cr、4%Si、6%Pよりなるろう材が知られている。
また、下記特許文献1には、Crを10〜30%、Pを2〜11%、Siを1〜10%、P+Siの合計が10〜13%を含み、残部はNiよりなるNi基耐熱ろう材が知られている。
さらには、下記特許文献2には、Crを25〜35%、Pを4〜8%、Siを3〜6%、P+Siの合計が9〜11.5%、Al、Ca、Y、ミッシュメタルの1種以上を0.01〜0.10%含み、残部はNiよりなるNi基耐熱ろう材が知られている。
特開平9−225679号公報 特開2002−144080号公報
上記のNi−Cr系ろう材は、Ni材が他の合金成分の材料に対しより高価であるので、Ni材の比率のさらなる低減が求められている。しかし、Niを単に他の材料に置き換えた場合、ろう材の拡がり性やそのフィレットのせん断強度が充分でなくなると共に、耐食性が低下するおそれがある。また、ろう材の溶融温度を低くして、ろう付け温度を比較的低い温度に保つ必要がある。これは、ろう付け温度が高いと、ステンレス鋼板がろう付け中に劣化するからである。
そこで本発明は、可能な限り低い溶融温度、たとえば炉内温度1100℃(溶融温度はそれより少し低い必要がある)でも充分ろう付けすることができると共に、ろう付け性が良く、フィレットのせん断強度が強く且つ、耐食性の高い熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材を提供することを課題とする。
請求項1に記載の本発明は、重量%で、Crを20〜30%、Cuを5〜15%、Feを5〜30%、Siを3〜6%、Pを3〜8%、残部をNiと不可避不純物からなる熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材である。
請求項2に記載の本発明は、重量%で、Crを20〜30%、Cuを5〜15%、Feを5〜30%、Siを3〜6%、Pを3〜8%、Mnを10%以下、残部をNiと不可避不純物からなる熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2において、
前記Fe含有量を5〜30%として、その少なくとも一部にFeを用い、その酸素量を0.01〜0.7%とした熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材である。
即ち、この発明はNi−Crに加えて、Cu、Fe、Si,Pの各成分の有効な範囲を実験的に見出したものである。
本発明において上記のように、各成分範囲を限定した理由は次の通りである。
Crは、既に知られている通り、Ni−Crの固溶体となり、耐食性・耐熱性を向上させるものであるが、30%を超えると融点、特に液相線が高くなり、ろう付け中にステンレス材の劣化を生じるおそれがある。また、それが20%未満では耐食性・耐熱性の効果が少なくなる。そこで、Crは20〜30%の範囲とした。
Cuは、ろう付けにおける拡がり性を向上させるものであり、5%未満ではその効果が少なく、15%を越えると急に耐食性が悪くなる。
Feは、ろう材の低価格化につながるが、5%未満ではその効果が少なく、30%を越えるとろう材の拡がり性が低下すると共に、耐食性が低下する。また、このFeはその融点が1600℃と高いため、ろう材の融点を上昇させる原因になる。そこで、CuとFeを共存させることで、融点上昇をCuにより緩和させることができる。そのためにも、Cuは5〜10%とする必要がある。
さらに、Si及びPは耐食性及び、合金の融点並びに、強度に影響を与えるものであり、Siが3%未満では耐食性が悪くなり強度も低下する。6%を超えると合金の融点が上昇する。Pは3%未満では融点が上昇し、8%を超えると耐食性が劣化する。
次に、Mnを10%以下含むことができる。このMnは、ろう材の拡がり性を向上させる効果があるが、10%を超えると融点を高めることになる。
本発明の熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材は、各種ステンレス鋼に対し、融点が低く、ろう付け性が良好で、ろうフィレット部の耐食性が良く、そのフィレット部の強度の大きなものとなる効果を有する。
次に、本発明の実施例及び比較例に付き説明する。
これらは、夫々の合金組成に対し融点・ろう付け性・抗析力・フィレット部の耐食性に付き夫々実験を行ったものである。その結果は、表1の通りである。
Figure 0005214534
表1の融点は、ろう材を溶融したときの液相線及び固相線における温度を測定したものである。ろう付け性は、ステンレス鋼板上にろう材を載せ溶融させて、広がった面積を元の面積との割合として測定したものである。
抗析力試験は、ろう材により接合した2部材を万能試験機にかけ、その破断荷重を測定したものである。
耐食性は、特にろう材フィレット部において、交互浸漬腐食試験(SO 2‐(硫酸イオンを多量に含む))を行った。即ち、ろう材フィレットのサンプルを腐食液に浸漬した後、昇温し、次いで空冷し、再度腐食液に浸漬し、同様のことを繰り返し実験を行った後、ろうフィレット部の浸食深さを顕微鏡により観察したものである。
本願発明では、融点の許容範囲を1100℃の炉内温度で確実にろう付け固定される必要から、液相線が1080℃以下を良いものと定めた。また、ろう付けの拡がり性については、4倍を超えることを条件とし、抗析力については100N/mm以上とした。さらに、フィレットの耐食性については腐蝕孔の深さが60μmを超えないものとした。
本発明の実施例は、表1の各合金No.1〜No.22において、全てこれらの条件を満足するものであった。その結果から、本発明の請求項1〜請求項3が特定されている。
次に、比較例として表1に示した各合金a〜hは、本発明の範囲を超えるろう材であり、上記の条件のうち何れか1以上に問題があった。
比較例のaは拡がり性に欠け、bは耐食性に欠け、cは抗析力が小さく、d及びeは融点・拡がり係数・耐食性に問題があった。また、比較例のfは耐食性に問題があり、g及びhは融点が高い欠点があった。
なお、本発明のろう材は不可避不純物として、Tiが0.15〜0.9%含んでいる。このTiは、ろう材の拡がり性を低下するので、ろう材製造過程においてOを供給し、Tiを酸化させてTiOとすることで、Tiの影響を本発明は軽減している。そのために、請求項3においてその酸素量を0.01〜0.7%とするものである。これはTiを全て酸化させるのに必要な酸素量である。

Claims (3)

  1. 重量%で、Crを20〜30%、Cuを5〜15%、Feを5〜30%、Siを3〜6%、Pを3〜8%、残部をNiと不可避不純物からなる熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材。
  2. 重量%で、Crを20〜30%、Cuを5〜15%、Feを5〜30%、Siを3〜6%、Pを3〜8%、Mnを10%以下、残部をNiと不可避不純物からなる熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記Fe含有量を5〜30%として、その少なくとも一部にFeを用い、その酸素量を0.01〜0.7%とした熱交換器用Ni−Cr−Cu−Fe系ろう材。
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