以下、この発明の実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
[第1の実施形態]
この発明に第1の実施形態に係る半導体記憶装置について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリのブロック図である。
<NAND型フラッシュメモリの構成>
図示するようにNAND型フラッシュメモリは、メモリセルアレイ1、制御部2、ロウデコーダ3、センスアンプ4、nチャネルMOSトランジスタ5、カラムデコータ8、データ入出力回路10、及び高耐圧nチャネルMOSトランジスタ15を備えている。まずメモリセルアレイ1について説明する。
<メモリセルアレイ1の構成例>
メモリセルアレイ1は、データ保持可能な複数の不揮発性のメモリセルトランジスタMTを備えている。そしてメモリセルトランジスタMTは、例えば電荷蓄積層と制御ゲートを含む積層ゲートを備えたnチャネルMOSトランジスタである。メモリセルトランジスタMTの制御ゲートはワード線として機能し、ドレインはビット線に電気的に接続され、ソースはソース線に電気的に接続されている。そして、メモリセルアレイ1は複数の不揮発性のメモリセルトランジスタMTを含んだブロックBLK0乃至BLKsを備える(sは自然数)
図示するようにブロックBLK0乃至BLKsの各々は、不揮発性のメモリセルトランジスタMTが直列接続された複数のNANDストリング7を備えている。NANDストリング7の各々は、例えば64個のメモリセルトランジスタMTと、選択トランジスタST1、ST2とを含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された電荷蓄積層(例えば絶縁膜)と、電荷蓄積層上に形成され、電荷蓄積層より誘電率の高い絶縁膜(以下、ブロック層と呼ぶ)と、更にブロック層上に形成された制御ゲート電極とを有するMONOS構造である。なお、メモリセルトランジスタMTの個数は64個に限られず、128個や256個、512個等であってもよく、その数は限定されるものではない。またメモリセルトランジスタMTは、隣接するもの同士でソース、ドレインを共有している。そして、選択トランジスタST1、ST2間に、その電流経路が直列接続されるようにして配置されている。直列接続されたメモリセルトランジスタMTの一端側のドレイン領域は選択トランジスタST1のソース領域に接続され、他端側のソース領域は選択トランジスタST2のドレイン領域に接続されている。
同一行にあるメモリセルトランジスタMTの制御ゲート電極はワード線WL0〜WL63のいずれかに共通接続され、同一行にあるメモリセルトランジスタMTの選択トランジスタST1、ST2のゲート電極は、それぞれセレクトゲート線SGD1、SGS1に共通接続されている。なお説明の簡単化のため、以下ではワード線WL0〜WL63を区別しない場合には、単にワード線WLと呼ぶことがある。また、メモリセルアレイ1において同一列にある選択トランジスタST1のドレインは、いずれかのビット線BL0〜BLnに共通接続される。以下、ビット線BL0〜BLnについても、これらを区別しない場合には一括してビット線BLと呼ぶ(n:自然数)。選択トランジスタST2のソースはソース線SLに共通接続される。なお、選択トランジスタST1、ST2は必ずしも両方必要ではなく、NANDストリング7を選択出来るのであればいずれか一方のみが設けられていても良い。なお、本実施形態においてビット線BLnを偶数番目に配置されているものとし、以下、偶数番目に配置されたビット線BLをビット線BL2(j−1)とする。他方、ビット線BL(n−1)を奇数番目に配置されているものとし、以下、奇数番目に配置されたビット線BLをビット線BL(2j−1)とする(j:自然数)。
また、同一のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTには一括してデータが書き込まれ、この単位をページと呼ぶ。更に、複数のNANDストリング7はブロックBLK単位で一括してデータが消去される。
<メモリセルトランジスタMTの閾値分布について>
次に上記メモリセルトランジスタMTの閾値分布について図2を用いて説明する。図2は、横軸に閾値分布をとり、縦軸にメモリセルトランジスタMTの存在確率を示したグラフである。
図示するように、各々のメモリセルトランジスタMTは、例えば8値(8-levels)のデータ(3ビットデータ)を保持できる。すなわち、メモリセルトランジスタMTは、閾値電圧Vthの低い順に‘0’、‘1’、‘2’、‘3’、‘4’、‘5’、‘6’及び‘7’の8種のデータを保持できる。メモリセルトランジスタMTにおける‘0’データの閾値電圧Vth0は、Vth0<V01である。‘1’データの閾値電圧Vth1は、V01<Vth1<V12である。‘2’データの閾値電圧Vth2は、V12<Vth2<V23である。‘3’データの閾値電圧Vth3は、V23<Vth3<V34である。‘4’データの閾値電圧Vth4は、V34<Vth4<V45である。‘5’データの閾値電圧Vth5はV45<Vth5<V56である。‘6’データの閾値電圧Vth6は、V56<Vth6<V67である。そして、‘7’データの閾値電圧Vth7は、V67<Vth7である。
そして、例えば上記電圧V12が0Vである。すなわち‘0’データ、及び‘1’データの閾値電圧Vth0、Vth1は負の値であり、‘2’〜‘7’データ閾値電圧Vth2〜Vth7は正の値である。そして、‘0’〜‘7’データのうち、‘0’、及び‘1’データの読み出しレベルが負の値であり、‘2’データ以上についての読み出しレベルは正の値である。そして、データの読み出し時には、上記読み出しレベルに相当する電圧が、メモリセルトランジスタMTのゲート・ソース間に印加される。
このようにメモリセルトランジスタMTは、閾値に応じて‘0’乃至‘7’データの3ビットデータを保持可能とされている。この閾値電圧は、電荷蓄積層に電荷を注入することによって変動する。
なお、0Vとなる読み出しレベルはVth2に限られるものでは無く、電圧Vth3やまたはVth4であってもよく、少なくとも1つの読み出しレベルが負の値であれば良い。また、メモリセルトランジスタMTが保持可能なデータは上記8値に限られない。例えば、2値(1ビットデータ)、4値(2ビットデータ)、または16値(4ビットデータ)などであっても良い。
<メモリセルアレイ1の平面構成について>
次に図3を用いて上記構成のメモリセルアレイ1の平面構成について説明する。図3はブロックBLK0乃至BLKsの平面図である。
図3に示すように、p型半導体基板20中には第1方向に沿ったストライプ形状の活性領域AA0乃至AAnが、第1方向に直交する第2方向に沿って複数設けられている。なお説明の簡単化のため、以下では活性領域AA0〜AAnを区別しない場合には、単に活性領域AAと呼ぶことがある。なお、ビット線BL同様、本実施形態において活性領域AAnを偶数番目に配置されているものとし、以下、偶数番目に配置された活性領域AAを活性領域AA2(j−1)とする。他方、活性領域AA(n−1)を奇数番目に配置されているものとし、以下、奇数番目に配置された活性領域AAを活性領域AA(2j−1)とする。すなわち、活性領域AAn上には、ビット線BLnが形成され、また活性領域AA(n−1)上にはビット線BL(n−1)が形成される。そして、隣接する活性領域AA間には素子分離領域STIが形成され、この素子分離領域STIによって活性領域AAは電気的に分離されている。p型半導体基板20上には、複数の活性領域AAを跨ぐようにして、第2方向に沿ったストライプ形状のワード線WL及びセレクトゲート線SGD1、SGS1が形成されている。ワード線WLと活性領域AAとが交差する領域には、電荷蓄積層が設けられている。そして、ワード線WLと活性領域AAとが交差する領域にはメモリセルトランジスタMTが設けられ、セレクトゲート線SGD1、SGS1と活性領域AAとが交差する領域には、それぞれ選択トランジスタST1、ST2が設けられている。第1方向で隣接するワード線WL間、セレクトゲート線間、及びワード線WLとセレクトゲート線との間の活性領域AAには、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のソース領域またはドレイン領域となる不純物拡散層が形成されている。
第1方向で隣接するセレクトゲート線SGD1間の活性領域AAに形成される不純物拡散層は、選択トランジスタST1のドレイン領域として機能する。そしてこのドレイン領域上にはコンタクトプラグCP1が形成される。コンタクトプラグCP1は、第1方向に沿って設けられたストライプ形状のビット線BL(図示せず)に接続される。そして、該ビット線BLの線幅は、W1、またはW2いずれかの値を備える。具体的には例えば、本実施形態において偶数ビット線BL2(j−1)が線幅W1を有し、奇数ビット線BL(2j−1)が線幅W2を有するものとする。
そして本実施形態ではW1>W2とする。つまり、偶数ビット線BL2(j−1)(以下、単に、ビット線BL2(j−1)と呼ぶことがある)、奇数ビット線BL(2j−1)(以下、単に、ビット線BL(2j−1)と呼ぶことがある)とで線幅Wが異なる。なお、線幅W1、W2を区別しない場合は、一括して線幅Wと呼ぶ。また第1方向で隣接するセレクトゲート線SGS1間の活性領域AAに形成される不純物拡散層は、選択トランジスタST2のソース領域として機能する。そしてこのソース領域上には、コンタクトプラグCP2が形成される。コンタクトプラグCP2は図示せぬソース線SLに接続される。
<メモリセルアレイ1の断面構成について>
次に図4、及び5を用いて、上記構成のブロックBLK0乃至BLKsの断面構成について説明する。図4は図3においてA−A線に沿ったNANDストリング7の断面図、図5は図3においてB−B線に沿ったNANDストリング7の断面図を示している。つまり、本実施形態では活性領域AAは2つ以上あればよいが、便宜上、図5は特に活性領域AA(n−2)乃至AAnの断面について示している。
図4及び図5に示すように、p型半導体基板20の表面領域内にn型ウェル領域21が形成され、更にn型ウェル領域21上にp型ウェル領域22が形成されている。また、p型ウェル領域22中には、第2方向に沿って、溝40が複数形成されている。溝40内には例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜41が埋め込まれている。この溝40と絶縁膜41によって、素子分離領域42が形成されている。また、隣接する素子分離領域42間の領域が、活性領域AAとなる。また、隣接する活性領域AAは素子分離領域42によって分離されている。そして、活性領域AA上に、ゲート絶縁膜として機能する例えば、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜24が形成され、ゲート絶縁膜24上にメモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート電極が形成されている。メモリセルトランジスタMTにおけるゲート絶縁膜24は、電子がトンネルするトンネル膜として機能する。
メモリセルトランジスタMTのゲート電極は、積層構造を有する。すなわち、ゲート絶縁膜24上に形成された絶縁膜25、絶縁膜25上に形成された絶縁膜26、及び絶縁膜26上に形成された多結晶シリコン層27を備えている。絶縁膜25は、電荷を蓄積する電荷蓄積層として機能する。絶縁膜26は、絶縁膜25に電荷を閉じこめるためのブロック層として機能し、絶縁膜25に用いられる材料よりも誘電率の高い材料を用いて形成される。また多結晶シリコン層27は、制御ゲート(ワード線WL)として機能する。以下、メモリセルトランジスタMTにおける絶縁膜25、26、及び多結晶シリコン層27を、電荷蓄積層25、ブロック層26、及び制御ゲート27と呼ぶことがある。なお、多結晶シリコン層27はワード線の低抵抗化のため、上部または全てがシリサイド化されていても良い。また本実施形態において電荷蓄積層25は、メモリセルトランジスタMT毎に分離され、ブロック層26及び制御ゲート27はワード線方向で隣接するメモリセルトランジスタMT間で共通に接続されている。すなわち、各メモリセルトランジスタMTのブロック層26は、ワード線に沿った方向において、隣接する素子分離領域42を跨いで、隣接する活性領域AA間で共通接続されている。なお場合によっては、電荷蓄積層25は、隣接するメモリセルトランジスタMT間で共通接続されていてもよい。
そして本実施形態では電荷蓄積層25は、その上面が素子分離領域42の上面の高さと一致するように形成される。また、素子分離領域42上のブロック層26の底面と素子分離領域42の上面とが接する面は、活性領域AA上における電荷蓄積層25の上面と同じ高さ、すなわち同一平面上に位置する。なお、電荷蓄積層25の上面と素子分離領域42の上面とが必ずしも一致しなくともよい。
選択トランジスタST1、ST2のゲート電極は多結晶シリコン層30を備えている。以下、多結晶シリコン層30をゲート電極30と呼ぶことがある。なお、多結晶シリコン層30はゲート電極の低抵抗化のため、上部または全てがシリサイド化されていても良い。また、選択トランジスタST1、ST2においては、ゲート電極30は第2方向で隣接するもの同士で共通接続されている。そして、ゲート電極30が、セレクトゲート線SGS1、SGD1として機能する。
またゲート電極間に位置するp型半導体基板20表面内には、n+型不純物拡散層23が形成されている。n+型不純物拡散層23は、隣接するトランジスタ同士で共用されており、ソース(S)またはドレイン(D)として機能する。また、隣接するソースとドレインとの間の領域(ゲート電極直下の領域)は、電子の移動領域となるチャネル領域として機能する。これらのゲート電極、n+型不純物拡散層23及びチャネル領域によって、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2が形成されている。
更にp型半導体基板20上には、上記メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2を被覆するようにして、層間絶縁膜31が形成されている。層間絶縁膜31中には、ソース側の選択トランジスタST2の不純物拡散層(ソース)23に達するコンタクトプラグCP2が形成されている。そして層間絶縁膜31表面には、コンタクトプラグCP2に接続される金属配線層32が形成されている。金属配線層32はソース線SLの一部として機能する。また層間絶縁膜31中には、ドレイン側の選択トランジスタST1の不純物拡散層(ドレイン)23に達するコンタクトプラグCP3が形成されている。そして層間絶縁膜31表面に、コンタクトプラグCP3に接続される金属配線層33が形成されている。
層間絶縁膜31上には、例えばシリコン酸化膜を材料に用いて層間絶縁膜34が形成されている。層間絶縁膜34上には絶縁膜35が形成されている。絶縁膜35は、層間絶縁膜34よりも誘電率の高い材料、例えばシリコン窒化膜を材料に用いて形成される。絶縁膜35上には、例えば側壁加工技術を用いて形成された金属配線層36が形成されている。金属配線層36はビット線BLとして機能する。そして、ビット線BLとして機能する金属配線層36はW1、及びW2の線幅を備え、該線幅Wは交互に形成されている。すなわち、本実施形態では前述したように、ビット線BL2(j−1)が線幅W1を有し、ビット線BL(2j−1)が線幅W2を有する。絶縁膜34及び層間絶縁膜31中には、その上面で金属配線層36に接し、底面で金属配線層33に接するコンタクトプラグCP4が形成されている。すなわち、コンタクトプラグCP4の上部は、金属配線層36内に潜り込むようにして形成されている。そして、コンタクトプラグCP3、金属配線層33、及びコンタクトプラグCP4が、図2においてコンタクトプラグCP1として機能する。なお、本実施形態では一例としてコンタクトプラグCP4の上面は、絶縁膜35の上面より高い場合を示しているが、そうでなくともよい。そして、絶縁膜35上、及び金属配線層36上に、例えばシリコン酸化膜を材料に用いて層間絶縁膜37が形成されている。層間絶縁膜37は、隣接するビット線BL間の領域を埋め込んでいる。
<データ入出力回路10について>
次に図1に戻って、データ入出力回路10の説明を行う。データ入出力回路10は、図示せぬI/O端子を介してホスト(host)から供給されたアドレス及びコマンドを制御部2へ出力する。またデータ入出力回路10は、書き込みデータを、データ線を介してセンスアンプ4へと出力する。また、データをホストへ出力する際は、制御部2からの命令を受け、センスアンプ4が増幅したデータを、データ線を介して受け取った後、I/O端子を介してホストへ出力する。
<センスアンプ4について>
次にセンスアンプ4について説明する。センスアンプ4は、データの読み出し時にメモリセルトランジスタMTからビット線BLに読み出されたデータをセンスして増幅する。またデータの書き込み時には、対応するビット線BLに書き込みデータを転送する。
そして、本実施形態に係るセンスアンプ4はデータの読み出しモードを切り替えることで、電圧検出型(以下、この手法を用いたセンス方式を電圧センスと呼ぶことがある)または電流検出型(以下、この手法を用いたセンス方式を電流センスと呼ぶことがある)として機能する。以下、ここでは電流検出型におけるセンス方式について簡単に説明する。
電圧検出型として機能する場合、センスアンプ4は、ビット線BLを所定の電圧にプリチャージした後、ロウデコーダ3により選択されたNANDストリング7によってビット線BLを放電させ、そのビット線BLの放電状態をセンスする。つまり、センスアンプ4でビット線BLの電圧を増幅してメモリセルトランジスタMTの有するデータをセンスする。
そして、電流検出型として機能する場合、センスアンプ4は、ビット線BLを介してNANDストリング7が備えるメモリセルトランジスタMTが流す電流をセンスする。すなわち、センスアンプ4は、ビット線BLの電圧を一定にしつつ、メモリセルトランジスタMTが流す電流を直接センスする。そして、メモリセルトランジスタMTの有するデータによりビット線BLの電流が決まる。このため、最終的にビット線BLに接続されたセンスアンプ4における‘1’、または‘0’の判定は該メモリセルトランジスタMTが流す電流の値の相違により決定される。
次に、上記説明した電圧検出型または電流検出型として機能するセンスアンプ4の構成について図6を用いて説明する。
<センスアンプ4の構成例について>
図6は、上記電圧検出型または電流検出型として機能するセンスアンプ4の回路図の一例である。図示するように、センスアンプ4は、nチャネルMOSトランジスタ73、75、76、77、86、87、pチャネル型MOSトランジスタ72、74、78、キャパシタ素子79、及びラッチ回路85を備えている。
MOSトランジスタ72の電流経路の一端は、ノードN_VDDに接続され、他端はノードN1に接続され、ゲートには信号INVが与えられる。なお、信号INVは後述するノードN5に接続されている。すなわち、ノードN5における状態で、MOSトランジスタ72のゲートに与えられる信号INVが決定される。MOSトランジスタ76の電流経路の一端はノードN1に接続され、他端はノードN2に接続され、ゲートには信号BLXが与えられる。ノードN2はMOSトランジスタ5、及びMOSトランジスタ15の電流経路を介してビット線BLに接続される。
MOSトランジスタ73の電流経路の一端はノードN1に接続され、他端はノードN3に接続され、ゲートには信号HLLが与えられる。MOSトランジスタ77の電流経路の一端はノードN2に接続され、他端はノードN3に接続され、ゲートには信号XXLが与えられる。ノードN3は、MOSトランジスタ72、及び73を介してノードN_VDDに接続される。そして、ノードN3における電位を、電圧Vn3をする。
キャパシタ素子79の一方電極はノードN3に接続され、他方電極はノードN_CLKに接続される。なお、ノードN3側におけるキャパシタ素子79の容量をC2とする。
MOSトランジスタ74の電流経路の一端は、ノードN_VDDに接続され、他端はノードN4に接続され、ゲートには信号STBが与えられる。MOSトランジスタ78の電流経路の一端は、ノードN4に接続され、他端はノードN5を介してラッチ回路85に接続され、ゲートはノードN3に接続される。そして、ノードN5にはMOSトランジスタ87のドレイン端が接続され、該MOSトランジスタ87のソース端はノードN_VSSに接続され、ゲートには信号RSTが与えられる。
MOSトランジスタ75の一端は、ビット線BLに接続され、ゲートには信号INVが与えられる。なお、信号INVはMOSトランジスタ72と同様にノードN5に接続されている。すなわち、ノードN5における状態で、MOSトランジスタ75のゲートに与えられる信号INVが決定される。MOSトランジスタ86の一端は、MOSトランジスタ75の他端に接続され、他端はノードN_VSSに接続され、ゲートには信号GRSが与えられる。
なお、ノードN_VDDはセンスアンプ4の電源電圧ノードとして機能し、例えばVDDの電圧が与えられている。またノードN_CLKには、例えばCLKの電圧が与えられている。電圧CLKは例えば、接地電位(0V)である。
そして、上記構成においてセンスアンプ4におけるMOSトランジスタ5、73、76、77が該電圧検出型または電流検出型のいずれかモードに合わせて動作する。なお、センスアンプ4が電圧検出型として機能する場合におけるデータの読み出し動作の詳細については後述する。
なお本実施形態では、センスアンプ4は電流検出型として機能する。
<制御部2の構成例について>
次に、制御部2の説明を行う。制御部2は、NAND型フラッシュメモリ全体の動作を制御する。すなわち、データ入出力回路10を介して、図示せぬホストから与えられた上記アドレス、及びコマンドに基づいて、データの書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作における動作シーケンスを実行する。そして、制御部2は上記アドレス、及び動作シーケンスに基づき、ブロック選択信号/カラム選択信号を生成する。制御部2は、ブロック選択信号をロウデコーダ3に出力する。ブロック選択信号とは、データの読み出し、書き込み、消去など行う際に、ロウデコーダ3が複数あるメモリブロックBLK0乃至BLKsのうちいずれかを選択する信号である。また、制御部2はカラム選択信号をカラムデコーダ8に出力する。カラム選択信号とは、カラムデコーダ8のカラム方向を選択する信号である。
また、制御部2には、図示せぬメモリコントローラから供給された制御信号が与えられる。そして、供給された制御信号により、図示せぬI/O端子を介してホスト(host)からデータ入出力回路10へと供給された信号がアドレスであるのか、データであるのかを区別する。
また制御部2は、高電圧発生回路9、及びコアドライバ16を備える。そして、コアドライバ16はBLCドライバ6、及び高耐圧トランジスタ用ドライバ14を含む。
高電圧発生回路9は、データの書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な電圧を発生する。そして、高電圧発生回路9により発生された所望の電圧が、コアドライバ16を介してNAND型フラッシュメモリ内の例えば、ロウデコーダ3、センスアンプ4、及びメモリセルアレイ1に供給される。なお、メモリセルアレイ1への供給とは、該メモリセルアレイ1におけるソース線SLに接続されたソース線ドライバ、及び該メモリセルアレイ1が形成されたウェル領域への供給を意味する。
BLCドライバ6は、nチャネルMOSトランジスタ5のゲートに、必要とされる電圧を印加する。
そして、高耐圧トランジスタ用ドライバ14は、nチャネルMOSトランジスタ15のゲートに、例えば8[V]の電圧を印加する。なお、MOSトランジスタ15はMOSトランジスタ5に比べゲート絶縁膜の膜厚が大きく形成された高耐圧型のエンハンスメント型nチャネルMOSトランジスタである。
<MOSトランジスタ5について>
nチャネルMOSトランジスタ5の各々は、ビット線BLとセンスアンプ4とを接続する。すなわち、各々のMOSトランジスタ5は、電流経路の一端がMOSトランジスタ15を介して対応するビット線BLに接続され、電流経路の他端が対応するセンスアンプ4に接続される。また、ゲートにはBLCドライバ6が発生する信号BLCが与えられる。なお、MOSトランジスタ5の閾値をVt2とする。
<MOSトランジスタ15について>
nチャネルMOSトランジスタ15の各々は、該MOSトランジスタ15に対応するMOSトランジスタ5を介してビット線BLとセンスアンプ4とを接続する。つまり、各々のMOSトランジスタ15は、電流経路の一端が対応するMOSトランジスタ5を介してセンスアンプ4と接続され、電流経路の他端には対応するビット線BLに接続される。そして、ゲートには高耐圧トランジスタ用ドライバ14の発生する例えば8[V]の電圧が与えられる。そして、高耐圧トランジスタ用ドライバ14により8[V]の電圧が与えられることで、MOSトランジスタ15がオン状態とされ、これにより、ビット線BLとセンスアンプ4とが電気的に接続される。なお、このときMOSトランジスタ5はオン状態であるものとする。
また特にデータの消去時において、コアドライバ16がメモリセルアレイ1のp型半導体基板20の表面上に形成されたp型ウェル領域22に例えば20[V]程度の高電圧を与える。このとき、MOSトランジスタ15をオフ状態にすることで、該p型ウェル領域22に与えられた20[V]程度の電圧が、コンタクトプラグCP1、及びビット線BLを介してセンスアンプ4に伝達されてしまうことを防いでいる。
<BLCドライバ6の構成例ついて>
次に上記制御部2が備えるBLCドライバ6の構成例について、図7を用いて説明する。図7は、BLCドライバ6の回路図である。そしてBLCドライバ6は、BLC_eドライバ17、及びBLC_oドライバ18を備えている。そして、BLC_eドライバ17はビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに、印加すべき信号BLC_eとして電圧Vblc_eを出力する。またBLC_oドライバ18はビット線(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに、印加すべき信号BLC_oとして電圧Vblc_oを出力する。
BLC_eドライバ17はBLC_eドライバ171乃至173、MOSトランジスタ174乃至176を備える。そして、MOSトランジスタ174の電流経路の一端にはBLC_eドライバ171が接続され、他端にはノードN20が接続され、ゲートには信号TG1が与えられる。なお、制御部2は信号TG1として‘L’レベル、または‘H’レベルのいずれかを与える。そして、信号TG1が‘H’レベルであるとMOSトランジスタ174はオン状態となる。そして、BLC_eドライバ171はMOSトランジスタ174、及びノードN20を介して高電圧発生回路9から与えられた電圧Vblc_e(例えば、4[V])を信号BLC_eとして出力する。
そして、MOSトランジスタ175の電流経路の一端にはBLC_eドライバ172が接続され、他端にはノードN21が接続され、ゲートには信号TG3が与えられる。なお、制御部2は信号TG3として‘L’レベル、または‘H’レベルのいずれかを与える。そして、信号TG3が‘H’レベルであるとMOSトランジスタ175はオン状態となる。そして、BLC_eドライバ172はMOSトランジスタ175、及びノードN20を介して例えば、センスアンプ4によるデータの読み出しに必要とされる電圧Vblc_eを信号BLC_eとして出力する。
更に、MOSトランジスタ176の電流経路の一端にはBLC_eドライバ173が接続され、他端にはノードN20が接続され、ゲートには信号TG5が与えられる。なお、制御部2は信号TG5として‘L’レベル、または‘H’レベルのいずれかを与える。そして、信号TG5が‘H’レベルであるとMOSトランジスタ176はオン状態となる。そして、BLC_eドライバ173は例えば、電圧Vblc_e(例えば接地電位となる0[V])を、MOSトランジスタ176、及びノードN20を介して信号BLC_eとして出力する。
BLC_oドライバ18はBLC_oドライバ181乃至183、MOSトランジスタ184乃至186を備える。そして、MOSトランジスタ184の電流経路の一端にはBLC_oドライバ181が接続され、他端にはノードN22が接続され、ゲートには信号TG2が与えられる。なお、制御部2は信号TG2として‘L’レベル、または‘H’レベルのいずれかを与える。そして、信号TG2が‘H’レベルであるとMOSトランジスタ184はオン状態となる。そして、BLC_oドライバ181はMOSトランジスタ184、及びノードN22を介して高電圧発生回路9から与えられた電圧Vblc_o(例えば、4[V])を信号BLC_oとして出力する。
また、MOSトランジスタ185の電流経路の一端にはBLC_oドライバ182が接続され、他端にはノードN22が接続され、ゲートには信号TG4が与えられる。なお、制御部2は信号TG4として‘L’レベル、または‘H’レベルのいずれかを与える。そして、信号TG4が‘H’レベルであるとMOSトランジスタ185はオン状態となる。そして、BLC_oドライバ182はMOSトランジスタ185、及びノードN22を介して例えば、センスアンプ4によるデータの読み出しに必要とされる電圧Vblc_oを信号BLC_oとして出力する。
更に、MOSトランジスタ186の電流経路の一端にはBLC_oドライバ183が接続され、他端にはノードN22が接続され、ゲートには信号TG6が与えられる。なお、制御部2は信号TG6として‘L’レベル、または‘H’レベルのいずれかを与える。そして、信号TG6が‘H’レベルであるとMOSトランジスタ183はオン状態となる。そして、BLC_oドライバ183はMOSトランジスタ186、及びノードN22を介して例えば、電圧Vblc_o(例えば接地電位となる0[V])を、信号BLC_oとして出力する。
なお、本実施形態では特にBLC_eドライバ172、及びBLC_oドライバ182の構成について図8を用いて説明する。図8は、BLC_eドライバ172、及びBLC_oドライバ182の回路図である。以下、BLC_eドライバ172を第1ドライバ回路、BLC_oドライバ182を第2ドライバ回路と呼ぶ。なお、信号BLC_e、信号BLC_oを区別しない場合には端に信号BLCと呼ぶ。
第1ドライバ回路は、前述したようにビット線BL2(j−1)に対応したドライバ回路であり、該ビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加すべき信号BLC_eを発生する。そして、第2ドライバ回路は、ビット線BL(2j−1)に対応したドライバ回路であり、該ビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加すべき電圧を発生させ、信号BLC_oとして出力する。
まず第1ドライバ回路について説明する。図示するように、第1ドライバ回路は、電流源60、nチャネルMOSトランジスタ62乃至65、及び抵抗素子70を備えている。電流源60の出力ノードはMOSトランジスタ62の電流経路の一端に接続されている。以下、電流源60とMOSトランジスタ62の電流経路の一端との接続ノードをノードN13と呼ぶ。また、電流源60には、図示せぬ昇圧回路によって生成された電圧が与えられる。MOSトランジスタ62の電流経路の他端はノードN14に接続され、ゲートはノードN15に接続されている。そして、ノードN13とノードN15とが電気的に接続されている。なお、MOSトランジスタ62の閾値はVt1である。また、MOSトランジスタ64の電流経路の一端はノードN14に接続され、他端はノードN16に接続され、ゲートはノードN17に接続されている。そして、ノードN14とノードN17とが電気的に接続されている。なお、MOSトランジスタ64の閾値は、前述したMOSトランジスタ5の閾値と同じVt2である。また、抵抗素子70の一端は、ノードN16に接続されており、他端は接地されている。また、MOSトランジスタ63の電流経路の一端は、図示せぬ電圧発生回路に接続され、他端はノードN18に接続され、ゲートはノードN15に接続される。また、MOSトランジスタ63の閾値は、MOSトランジスタ62と同一であり、Vt1である。また、MOSトランジスタ65の電流経路の一端はノードN18に接続され、他端はノードN16に接続され、ゲートはノードN17に接続される。すなわち、MOSトランジスタ64、及び65の電流経路の他端はノードN16で共通している。また、MOSトランジスタ65の閾値は、MOSトランジスタ64、及びMOSトランジスタ5の閾値と同一のVt2である。
また、MOSトランジスタ62乃至65の特性はそれぞれ同一である。そして、MOSトランジスタ62、及び63とでカレントミラー回路を形成し、MOSトランジスタ64、及び65とでカレントミラー回路を形成する。つまり、MOSトランジスタ63、及び65には、電流源60が出力する電流Irefが流れることから、ノードN16に一端が接続された抵抗素子70には電流2・Irefが流れることになる。すなわち、抵抗素子70の抵抗値はR_eであるため、ノードN16の電位は、2・Iref・R_eとなる。そして、MOSトランジスタ65の閾値がVt2であるため、ノードN18の電位は、ノードN16の電位に、閾値Vt2を足した、すなわち、電圧(Vt2+2・Iref・R_e)となる。
そして、ノードN18は、MOSトランジスタ175の電流経路、ノードN20、及びノードN21を介して図示せぬビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに接続されている。つまり、ノードN20、21からMOSトランジスタ5のゲートに印加される信号BLC_eを電圧Vblc_eとすると、ノードN20、21における電圧Vblc_eは、電圧(Vt2+2・Iref・R_e)となる。そして、MOSトランジスタ5の閾値はVt2であるため、ビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5が転送可能な最大電位は、該抵抗素子70により発生する電圧降下、すなわちノードN16の電位となる。なお、抵抗素子70は可変である。このため、抵抗値R_eによって電圧Vblc_eを変えることが出来る。
次に第2ドライバ回路について説明する。第2ドライバ回路は電流源61、nチャネルMOSトランジスタ66乃至69、及び抵抗素子71を備えている。図示するように、電流源61の出力ノードはMOSトランジスタ66の電流経路の一端に接続されている。以下、電流源61とMOSトランジスタ66の電流経路の一端との接続ノードをノードN7と呼ぶ。また、電流源61には、図示せぬ昇圧回路によって生成された電圧が与えられる。MOSトランジスタ66の電流経路の他端はノードN8に接続され、ゲートはノードN9に接続されている。そして、ノードN7とノードN9とが電気的に接続されている。なお、MOSトランジスタ66の閾値はVt1である。また、MOSトランジスタ68の電流経路の一端はノードN8に接続され、他端はノードN10に接続され、ゲートはノードN11に接続されている。そして、ノードN8とノードN11とが電気的に接続されている。なお、MOSトランジスタ68の閾値はVt2である。また、抵抗素子71の一端は、ノードN10に接続されており、他端は接地されている。また、MOSトランジスタ67の電流経路の一端は、図示せぬ電圧発生回路に接続され、他端はノードN12に接続され、ゲートはノードN9に接続される。また、MOSトランジスタ67の閾値は、MOSトランジスタ66と同一であり、Vt1である。また、MOSトランジスタ69の電流経路の一端はノードN12に接続され、他端はノードN10に接続され、ゲートはノードN11に接続される。すなわち、MOSトランジスタ68、及び69の電流経路の他端はそれぞれノードN10で共通している。また、MOSトランジスタ69の閾値は、MOSトランジスタ68、及びMOSトランジスタ5の閾値と同一のVt2である。
また、MOSトランジスタ66乃至69の特性はそれぞれ同一である。そして、MOSトランジスタ66、呼び67とでカレントミラー回路を形成し、MOSトランジスタ68、及び69とでカレントミラー回路を形成する。つまり、MOSトランジスタ67、及び69のチャネルには、電流源61が出力する電流Irefが流れ、ノードN10に一端が接続された抵抗素子71には電流2・Irefが流れることになる。すなわち、抵抗素子71の抵抗値はR_oであるため、ノードN10の電位は、2・Iref・R_oとなる。そして、MOSトランジスタ69の閾値がVt2であるため、ノードN12の電位は、ノードN10の電位に、閾値Vt2を足した、すなわち、Vt2+2・Iref・R_oとなる。
そして、ノードN12は、MOSトランジスタ185の電流経路、ノードN22、及びノードN23を介して図示せぬビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに接続されている。つまり、ノードN22、23からMOSトランジスタ5のゲートに信号BLC_oとして電圧(Vt2+2・Iref・R_o)となる電圧Vblc_oが印加される。そして、MOSトランジスタ5の閾値はVt2であるため、ビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5が転送可能な電位は、該抵抗素子71により発生する電圧降下、すなわちノードN10の電位となる。
なお、MOSトランジスタ63、及び67の電流経路の一端に印加される電圧は例えば5[V]であり、半導体装置の外部から供給しても良い。
<カラムデコーダ8の構成例について>
カラムデコーダ8は、上記制御部2から与えられたカラム選択信号に基づき、メモリセルアレイ1のカラム方向を選択する。また、センスアンプ4へカラム選択信号を与えることで、データ線を介したデータの入出力の転送を行う。
<ロウデコーダ3の構成例について>
次に、ロウデコーダ3について説明する。ロウデコーダ3は、データの書き込み動作時、読み出し動作時、及び消去時において、制御部2から与えられたブロック選択信号に基づいてブロックBLK0乃至BLKsのいずれかを選択する。そして更に、制御部2から与えられるロウアドレスに基づいてセレクトゲート線SGD1、SGS1、及びワード線WL0〜WL63に対し電圧を印加する。
図1に示すように、ロウデコーダ3は、セレクトゲート線SGD1、SGS1毎に設けられたセレクトゲート線ドライバ11、12、及びワード線WL毎に設けられたワード線ドライバ13を備える。
セレクトゲート線ドライバ11は、ロウアドレス(ページアドレス)のデコード結果に応じて、セレクトゲート線SGD1を介し、必要とする電圧を選択トランジスタST1のゲートへと転送する。つまり、セレクトゲート線ドライバ11は、メモリセルトランジスタMTにおいて書き込み時、読み出し時、消去時、更には書き込み時、及び消去時におけるベリファイ時に、セレクトゲート線SGD1を介してそれぞれ必要とされる電圧を選択トランジスタST1のゲートに転送する。
セレクトゲート線ドライバ12は、データの書き込み時、読み出し時、更にはそれら一連の動作で得られたデータのベリファイ時にセレクトゲート線SGS1を介してそれぞれ必要とする電圧を選択トランジスタST2のゲートに転送する。
次に、ワード線ドライバ13について説明する。ワード線ドライバ13は、ページアドレスのデコード結果に応じて、選択されたブロックBLKのワード線WLを選択し、該選択したワード線WLを介し、コアドライバ16から与えられた必要とされる電圧をメモリセルトランジスタMTの制御ゲートへと転送する。
<NANDフラッシュメモリの製造工程について>
次に、本実施形態に係るNANDフラッシュメモリの製造工程について、特にビット線BLの製造工程に着目しつつ図9(a)、(b)乃至図16(a)、(b)を用いて説明する。なお、ビット線BLは、ビット線BLの線幅を小さくするため側壁加工技術(側壁転写プロセス)を用いて所望の溝を形成した後、ダマシーン(Damascene)法によって製造される。すなわち、リソグラフィの解像限界以下のパターンを形成するものである。なお以下製造工程では、後述する側壁として機能する絶縁膜50の幅が絶縁膜46の幅W1よりも大きく形成される場合について説明する。
図9(a)、(b)乃至図16(a)、(b)は、本実施形態に従ったメモリセルアレイ1の製造工程を順次示す断面図であり、(a)図はメモリセルトランジスタMTのビット線BL方向の断面、(b)図はメモリセルトランジスタMTのワード線WL方向の断面構成について示している。
まず、周知の方法で半導体基板20上にメモリセルトランジスタMTを形成した後、該メモリセルトランジスタMTを被覆するように半導体基板20上に層間絶縁膜31を形成する。
次に、層間絶縁膜31上に、層間絶縁膜34を形成する。そして層間絶縁膜34上に絶縁膜35を形成させる。絶縁膜35は、層間絶縁膜34よりも誘電率の高い材料を材料に用いて形成される。引き続き、絶縁膜35上に、層間絶縁膜48を形成し、該層間絶縁膜48上に、例えばシリコン窒化膜を材料として絶縁膜46を形成する。そして該絶縁膜46上にフォトレジスト49を形成することで図9(a)、及び(b)を得る。
次に図10(a)、(b)に示すように、フォトレジスト49を、フォトリソグラフィ法により、所望のパターンにフォトレジストを現像し、所望のパターン形状を有するフォトレジスト49を形成する。このとき、フォトレジスト49は最小加工寸法の2倍の線幅を有する。すなわち、フォトレジストの最小加工寸法をW1とすると、図10(b)に示す線幅は2・W1である。また、フォトレジスト49が形成されている領域をラインとし、フォトレジスト49が形成されていない領域をスペースとすると、ラインとスペースとの比率は1:1であり、すなわち、スペースは2・W1である。
次に、図11(a)、(b)に示すように、等方性エッチングにより、フォトレジスト49を、スリミング処理して、フォトリソグラフィの解像限界以下の幅までフォトレジスト49を細化する。これにより、フォトレジスト49の線幅はW1となる。これにより、スペースは3・W1へと広がる。すなわち、ラインとスペースとの比率は1:3となる。
その後、フォトレジスト49をマスクとして絶縁膜46をエッチングし、フォトレジスト49を除去する。
引き続き、図12(a)、(b)に示すように、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により例えばシリコン絶縁膜からなる絶縁膜50を、絶縁膜46を覆うように堆積させる。その後、絶縁膜46をストッパとして例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により絶縁膜50を研磨する。また前述したように絶縁膜46の側壁部分に位置する絶縁膜50の幅は、W1よりも大きく形成されてしまう。このため、絶縁膜46の側壁として形成された絶縁膜50間、すなわちスペースはW2(<W1)となる。なお、絶縁膜46の両側壁に形成される絶縁膜50の幅は、それぞれ均一であるものとする。
次に図13(a)、(b)に示すように、例えばウェットエッチングを用いて絶縁膜46だけを除去し、溝44を形成する。引き続き、絶縁膜50をマスクとして、層間絶縁膜48を例えばRIEなどの異方性エッチング技術を用いてエッチングする。これにより、絶縁膜35の表面を露出させる。この結果、図14(b)に示すように溝45が得られる。
次に、図15(a)、(b)に示すように、絶縁膜50を、例えばウェットエッチング等により除去した後、層間絶縁膜48間を埋め込むように溝45に金属膜36を形成させる。
そして、層間絶縁膜48をストッパとして用いたCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により、金属膜36を研磨し、上面を平坦にすると共に、金属膜36を、溝45内にのみ残存させる。その後、金属膜36、及び層間絶縁膜48上に絶縁膜37を形成することで図16(a)、(b)が得られる。
以上によりNANDフラッシュメモリが完成する。なお、該ビット線BLの線幅はW1、及びW2が交互に形成される。ここで、ビット線BL2(j−1)の線幅をW1とし、ビット線BL(2j−1)の線幅をW2とする。すなわち、ビット線BL2(j−1)とビット線BL(2j−1)とが交互に形成される。このとき、ビット線BL2(j−1)の単位長さ当たりの抵抗値をR1とし、ビット線BL(2j−1)の単位長さ当たりの抵抗値をR2とすると、R2>R1なる関係が成り立つ。なお、上記製造工程では、側壁として機能する絶縁膜50の幅が絶縁膜46の幅W1よりも大きくなる場合について説明したが、絶縁膜50の幅が絶縁膜46の幅W1よりも小さい場合であってもよい。すなわち、ビット線BL2(j−1)の線幅がW1に対し、ビット線BL(2j−1)の線幅が該W1よりも大きい例えばW3となる。そして、この時ビット線BL2(j−1)の単位長さ当たりの抵抗値をR1とし、ビット線BL(2j−1)の単位長さ当たりの抵抗値をR3とするとの抵抗R3は、R3<R1となる。なお以下、実施形態では、側壁として機能する絶縁膜50の幅が絶縁膜46の幅W1よりも大きい場合について説明を行う。
次に、読み出し時におけるワード線ドライバ13の動作について説明する。
<読み出し時におけるワード線ドライバ13の動作>
読み出し動作において、選択ワード線に対応するワード線ドライバ13は、選択ワード線WLに電圧VCGRを転送する。他方、非選択ワード線に対応するワード線ドライバ13は、非選択ワード線WLに例えば電圧VREADを転送する。
電圧VREADは、メモリセルトランジスタMTのデータに関わらず、メモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧である。電圧VCGRは、読み出そうとするデータに応じて変化される。
例えば、選択ワード線WLがワード線WL31の場合、選択ワード線WL31に対応するワード線ドライバ13は、選択ワード線WL31に電圧VCGRを転送する。他方、非選択ワード線WL0〜WL30及び非選択ワード線WL32〜63に対応するワード線ドライバ13は、非選択ワード線WL0〜WL30及び非選択ワード線WL32〜63に電圧VREADを転送する。そして、選択ワード線WL31に接続されたメモリセルトランジスタMTがオン状態となれば、ビット線BLとソース線SLとが導通状態となる。すなわち、ビット線BLからソース線SLへ電流が流れる。他方、メモリセルトランジスタMTがオフ状態であれば、ビット線BLとソース線SLとは電気的に非導通状態となる。すなわち、ビット線BLからソース線SLへは電流は流れない。以上の動作により、全ビット線につき一括してデータが読み出される。なお、電圧VCGRは図2で説明した電圧V01乃至V67に相当する。
<書き込み時におけるワード線ドライバ13の動作>
書き込み動作において、選択ワード線WLに対応するワード線ドライバ13は、選択ワード線WLに電圧VPGMを転送する。他方、非選択ワード線WLに対応するワード線ドライバ13は、非選択ワード線WLに例えばVPASSを転送する。
電圧VPASSは、メモリセルトランジスタMTのデータに関わらず、メモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧である。そして、電圧VPGMは、FN Tunnelingにより電荷蓄積層に電子を注入する際、必要な高電圧である。
<NAND型フラッシュメモリの読み出し動作について>
次に、上記構成のNAND型フラッシュメモリの読み出し動作について、例えば図1のブロックBLKsにおけるワード線WL31を選択ワード線とした場合を例に挙げて、以下、説明する。
まず、センスアンプ4が、MOSトランジスタ5の電流経路を介して全ビット線BLをプリチャージする。
更に、ロウデコーダ3は制御部2により与えられたブロック選択信号により、例えばブロックBLKsを選択状態とする。そして更に、制御部2から与えられたロウアドレスに基づき、ロウデコーダ3はワード線WL31を選択し、選択ワード線WL31に読み出し電圧VCGRを印加する。更にロウデコーダ3は、非選択ワード線WL0〜30及び非選択ワード線WL32〜63に例えば、電圧VREADを印加する。更にロウデコーダ3は、セレクトゲートSGD1、SGS1に電圧Vscを印加する。なお、電圧Vscは、例えば4.0 [V]である。
電圧VREADは、前述した通りデータに関わらずメモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧である。また前述した通り電圧VCGRは、読み出し対象となるメモリセルトランジスタMTに印加される電圧であり、読みだそうとするデータに応じて変化される。セレクトゲート線SGD1、SGS1に印加される電圧Vscは、選択トランジスタST1、ST2をオン状態とすることの出来る電圧である。
以上の結果、非選択ワード線WL0〜30及び非選択ワード線WL32〜63に接続されたメモリセルトランジスタMTはオン状態となり、チャネルが形成される。また選択トランジスタST1、ST2もオン状態となる。
そして、選択ワード線WL31に接続されたメモリセルトランジスタMTがオン状態となれば、ビット線BLとソース線SLとが電気的に導通状態となる。すなわちビット線BLからソース線SLへ電流が流れる。これにより、センスアンプ4は、ビット線BLに流れるドレイン電流Idをセンスすることで、読み出しデータを‘1’と判定する。他方、オフ状態であれば、ビット線BLとソース線SLとは電気的に非導通状態となる。すなわち、ビット線BLからソース線SLへは電流は殆ど流れない。このため、センスアンプ4は読み出しデータを‘0’と判定する。以上の動作により、全ビット線BLにつき一括してデータが読み出される。
また、本実施形態に係るセンスアンプ4は、センスアンプ4に接続された全てのビット線BLに流れる電流の変動をセンスする。つまり、センスアンプ4は、全ビット線BLに対して一括してデータの読み出しを行う方式を用いる。
<NANDフラッシュメモリの書き込み動作について>
次に、上記構成のNAND型フラッシュメモリの書き込み動作について、例えば図1におけるワード線WL31を選択ワード線とした場合を例に挙げて、以下、説明する。
データの書き込み時に、ビット線BLには書き込みデータが転送される。すなわち、電荷蓄積層に電子を注入することによりメモリセルトランジスタMTの閾値を上昇させる際には、ビット線BLに書き込み電圧(0[V])が印加される。他方、電子を注入しない際には、書き込み禁止電圧(例えば、VDD)が印加される。
そして、選択ワード線WL31に対応するワード線ドライバ13は、選択ワード線WL31に電圧VPGMを転送する。他方、非選択ワード線WL0〜30及び非選択ワード線WL32〜63に対応するワード線ドライバ13は、非選択ワード線WL0〜30及び非選択ワード線WL32〜63に例えば、電圧VPASSを転送する。
この結果、選択ワード線WL0〜30及び非選択ワード線WL32〜63に接続されたメモリセルトランジスタMTトランジスタMTはオン状態となり、チャネルが形成される。すなわち、NANDストリング7内に電流経路が形成され、それらが導通状態となる。また、選択トランジスタST1は、書き込みデータに応じてオン状態、又はカットオフ状態となり、選択トランジスタST2はオフ状態である。
そして、例えばビット線BLに、書き込み電圧が印加されている場合、選択トランジスタST1はオン状態となり、書き込み電圧がメモリセルトランジスタMTのチャネルへ転送される。すると、選択ワード線WL31に接続されたメモリセルトランジスタMTでは、ゲートとチャネル間との電位差がほぼ電圧VPGMとなり、電荷が電荷蓄積層に注入される。その結果、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が上昇する。
他方、ビット線BLに書き込み禁止電圧が印加されている場合には、選択トランジスタST1はカットオフ状態となる。従って、NANDストリング7内のメモリセルトランジスタMTのチャネルは、電気的にフローティングの状態となる。すると、メモリセルトランジスタMTのチャネル電位は、ゲート電位(電圧VPGM、電圧VPASS)とのカップリングにより上昇する。そのため、選択ワード線WL31に接続されたメモリセルトランジスタMTでは、ゲートとチャネルとの電位差が電圧VPGMに比べ小さいため、電荷蓄積層に電荷が(保持データが遷移するほどには)注入されない。その結果、メモリセルトランジスタMTの閾値は変わらない。以上のようにして、データの書き込み動作が行われる。
本実施形態に係る半導体記憶装置であると、図8において説明したように、ビット線BL2(j−1)に電気的に接続されているMOSトランジスタ5のゲートには電圧Vblc_eが与えられる。またビット線BL(2j−1)に電気的に接続されているMOSトランジスタ5のゲートには電圧Vblc_oが与えられる。この様子を、図17を用いて示す。図17は、上記メモリセルトランジスタMTに接続されたビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)、並びにビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)に対応するセンスアンプ4、並びにセンスアンプ4とビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)を繋ぐMOSトランジスタ5に着目した回路図である。
図示するように、図17は図1においてビット線BL2(j−1)とMOSトランジスタ5の電流経路の一端とが接続された接続ノードをノードN30とし、ビット線BL2(j−1)と該ビット線BL2(j−1)とに接続されたメモリセルトランジスタMTのドレイン端との接続ノードをノードN31としたものである。同様に、ビット線BL(2j−1)とMOSトランジスタ5の電流経路の一端とが接続された接続ノードをノードN32とし、ビット線BL(2j−1)と該ビット線BL(2j−1)とに接続されたメモリセルトランジスタMTのドレイン端との接続ノードをノードN33としたものである。
そしてビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに図示せぬBLCドライバ6から信号BLC_eとして前述した電圧Vblc_eが与えられる。またビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに図示せぬBLCドライバ6から信号BLC_oとして前述した電圧Vblc_oが与えられる。そして前述したようにMOSトランジスタ5の閾値はVt2であるため、ノードN30には信号BLC_eから閾値Vt2を引いた電圧2・Iref・R_e、ノードN32には、信号BLC_oから閾値Vt2を引いた電圧2・Iref・R_oがそれぞれ印加される。そして、ノードN30、及びN31間、並びにノードN32、及びN33間にはそれぞれ配線抵抗が存在する。このためノードN31、及びN33における電圧は、配線抵抗による電圧降下のためノードN30、及びN32における電位2I・ref・R_e、または2・Iref・R_oよりも低くなる。
また、ビット線BL2(j−1)の線幅はW1、ビット線BL(2j−1)の線幅はW2(<W1)である。すなわち、前述の通りR2>R1であるため、ビット線BL(2j−1)の配線抵抗の値は、ビット線BL2(j−1)における配線抵抗の値よりも大きい。すなわち、ノードN32、N33間における電圧降下する値はノードN30、N31間における電圧降下する値よりも大きい。そこで本実施形態では、ビット線BLの線幅Wに応じて抵抗値R_o>R_eとなるような抵抗値を選択し、Vblc_o>Vblc_eとすることで、ノードN31、及びN33の電位を等しくする。これにより、該ノードN31、及びN33に接続されたメモリセルトランジスタMTのドレイン端に等電位の電圧が印加される。なお、幅W2を有し、抵抗値R1よりも高い抵抗値R2であるビット線BL(2j−1)のノードN32には、信号BLC_oとして電圧Vblc_oからMOSトランジスタ5の閾値分を引いた電圧2・Iref・R_oが与えられ、幅W1を有し、抵抗値R1であるビット線BL2(j−1)のノードN30には信号BLC_eとして電圧Vblc_eからMOSトランジスタ5の閾値分を引いた電圧2・Iref・R_eが与えられる。以上より、線幅Wの異なるビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)に流れる電流Id_a、及び電流Id_bの値は同じ値とすることが出来る。この様子を図18に示す。
図18は、メモリセルトランジスタMTのI−V特性、ビット線BL2(j−1)及びビット線BL(2j−1)の負荷線をそれぞれ示したグラフである。そして、横軸にメモリセルトランジスタMTのドレイン−ソース間に印加する電圧Vbcを、縦軸にメモリセルトランジスタMTのチャネル領域に流れるドレイン電流を取る。
図示するように、BLCドライバ6がビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに信号BLC_eとして電圧Vblc_eよりも大きな電圧Vblc_oを与えることで、(B)線に示すように、ビット線BL(2j−1)に流れるドレイン電流Id_aを、ビット線BL2(j−1)に流れるドレイン電流Id_bの値に近づけることができる。つまり図示するように、メモリセルトランジスタMTのI−V曲線と(A)線、及びメモリセルトランジスタMTのI−V特性と(B)線との動作点を近づけることができる。この動作点をA1とする。すなわち、ノードN31とノードN33とに流れる電流の差|Id_a−Id_b|を、ΔIab=とすると、ΔIab≒0とすることができる。また、このとき、ノードN31とノードN33との電位は等電位となる。
これにより、センスアンプ4はデータの読み出し時にビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)にそれぞれ流れる電流Id_a、及び電流Id_bの誤読み出しの発生を抑制できる。
なお、図中、点CはノードN32とノードN33とが等電位を示す。すなわち、この場合ビット線BL(2j−1)には電流Id_bは流れないことになる。同様に点EはノードN30とノードN31とが等電位を示す。すなわち、この場合ビット線BL2(j−1)には電流Id_aは流れないことになる。
なお、ビット線BL2(j−1)が線幅W2で、ビット線BL(2j−1)が線幅W1である場合には、上記電圧Vblc_oと電圧Vblc_eとが逆の値を取れば良い。
[第2の実施形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、NAND型フラッシュメモリを例に挙げて説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態において、センスアンプ4を電圧検出型として機能させたものである。これにより、上記第1の実施形態と異なり、ビット線BLの線幅Wのバラつきによる、ビット線BLが有するビット線BL容量の差異が問題となる。以下、ビット線BLがバラついた場合におけるビット線BL容量について図19を用いて説明する。なお、BLCドライバ6は上記第1の実施形態と構成が同一であるため説明を省略する。
<ビット線BL容量について>
図19は、図5に示した本実施形態に係る半導体記憶装置の断面図であって、活性領域AAに対応するビット線BL、及び該ビット線BLのビット線BL容量に着目したものである。なお便宜上、活性領域AA(n−3)乃至AAn上に形成されたビット線BL(n−3)乃至ビット線BLnについて示す。つまり、活性領域AA(n−3)、及び活性領域AA(n−1)には奇数のビット線BL(2j−1)が設けられ、活性領域AA(n−2)、及び活性領域AAn上には偶数のビット線BL2(j−1)が設けられる。以下では、活性領域AA(n−2)上に設けられた偶数のビット線BL2(j−1)と、活性領域AA(n−1)上に設けられた奇数のビット線BL(2j−1)とが有するビット線BL容量に着目しそれぞれ説明する。そして、図19において、活性領域AA(n−2)上に形成されたビット線BL2(j−1)が線幅W1を有し、活性領域AA(n−1)上に形成されたビット線BL(2j−1)線幅W2を有する。なお、上記第1の実施形態と同様、W2<W1とする。またなお、ビット線BL2(j−1)の有するビット線BL容量を容量C2(j−1)とし、ビット線BL(2j−1)の有するビット線BL容量を容量C(2j−1)とする。以下、この場合におけるビット線BL容量C2(j−1)、及びビット線BL容量C(2j−1)について求める。またなお、活性領域AA(n−3)乃至活性領域AAnの間に形成される素子分離領域については省略する。
まず、ビット線BL2(j−1)のビット線BL容量C2(j−1)は、活性領域AA(n−2)上に形成された該ビット線BL2(j−1)と、第2方向で隣接し活性領域AA(n−3)及び活性領域AA(n−1)上にそれぞれ形成されたビット線BL(2j−1)、活性領域AAn上に形成されたビット線BL2(j−1)、金属配線層M1、及び例えば、ワード線WLとして機能する金属配線層M3との容量の和で表すことができる。
すなわち、活性領域AA(n−2)上に形成されたビット線BL2(j−1)と第2方向で隣接するビット線BL(2j−1)との容量をC0、活性領域AA(n−2)上に形成されたビット線BL2(j−1)と活性領域AAn上に形成されたビット線BL2(j−1)との容量をC22(j−1)、活性領域AA(n−2)上に形成されたビット線BL2(j−1)と金属配線層M1との容量をC42(j−1)、及び活性領域AA(n−2)上に形成されたビット線2(j−1)と金属配線層M3との容量をC32(j−1)とすると、着目している活性領域AA(n−2)上に形成されたビット線BL2(j−1)のビット線BL容量C2(j−1)は、下記(1)式で表される。
C2(j−1)=2C0+C22(j−1)+C32(j−1)+C42(j−1) (1)
同様に、活性領域AA(n−1)上に形成されたビット線BL(2j−1)のビット線BL容量C(2j−1)は、活性領域AA(n−1)上に形成されたビット線BL(2j−1)と第2方向で隣接し活性領域AA(n−3)及び活性領域AAn上にそれぞれ形成されたビット線BL2(j−1)との容量をC0、活性領域AA(n−3)上に形成されたビット線BL(2j−1)と活性領域AA(n−1)上に形成されたビット線BL(2j−1)との容量をC2(2j−1)、活性領域AA(n−1)上に形成されたビット線BL(2j−1)と金属配線層M1との容量をC4(2j−1)、及びビット線(2j−1)と金属配線層M3との容量をC3(2j−1)とすると、下記(2)式で表される。
C(2j−1)=2C0+C2(2j−1)+C3(2j−1)+C4(2j−1) (2)
そして、ビット線BL2(j−1)の線幅W1>ビット線BL(2j−1)の線幅W2なる関係から、C22(j−1)>C2(2j−1)、C32(j−1)>C3(2j−1)、C42(j−1)>C4(2j−1)となる。このため、ビット線BL容量C2(j−1)>ビット線BL容量C(2j−1)となる。そして、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)は、データの読み出し時においてセンスアンプ4によりそれぞれのビット線BL容量に応じた電荷を蓄積する。なお、ビット線BLの製造工程は、上記第1の実施形態と同一であるため、説明を省略する。
<メモリセルトランジスタMTの電流分布について>
次に、上記ビット線BLに接続されたNANDストリング7におけるメモリセルトランジスタMTがオン状態、またはオフ状態の場合における、該NANDストリング7に流れるそれぞれのドレイン電流Idについて説明する。
上記第1の実施形態で説明したようにメモリセルトランジスタMTは、ワード線WLドライバ13から与えられる電圧に応じて、オン状態とオフ状態とのいずれかの状態を取る。そして、オン状態であるメモリセルトランジスタMT(以下ONセルと称することがある)のチャネル領域にはドレイン電流Id(on)が流れ、オフ状態にあるメモリセルトランジスタMT(以下OFFセルと称することがある)のチャネル領域にはドレイン電流Id(off)が流れる。このようにメモリセルトランジスタMTは、オン又はオフ状態に応じて流れる電流値が変化し、Id(on)>Id(off)なる関係がある。
なお、ドレイン電流Id(on)及びドレイン電流Id(off)はそれぞれ、一定の幅を持って分布する。なお、ドレイン電流Id(on)とドレイン電流Id(off)とを区別しない場合には単にドレイン電流Idと呼ぶ。
<センスアンプ4の読み出し動作について>
次に、電圧検出型として機能するセンスアンプ4のデータの読み出し動作について図20乃至図22を用いて説明する。図20乃至図22は、それぞれセンスアンプ4の回路図である。
データの読み出しでは、メモリセルトランジスタMTによりビット線BLを放電させた後、センスアンプ4が該ビット線BLの電位をセンスすることで ‘1’データまたは‘0’データのいずれかを判定する。この際のセンスアンプ4による判定基準は、信号BLCの電位により決定される。つまりMOSトランジスタ5がオン状態となるか、またはオフ状態となるかの閾値は、信号BLCの電位により決定される。
MOSトランジスタ5は、ビット線BLの電位に応じて、オンまたはオフ状態となる。より具体的には、メモリセルトランジスタMTが‘1’データを保持する場合には、ビット線BLの電位が低下し、MOSトランジスタ5はオン状態となる。これによりセンスアンプ4は、読み出しデータを‘1’データと判定する。この場合、ビット線BLとソース線SLとは導通状態となり、メモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはドレイン電流Id(on)が流れる。他方、‘0’データを保持する場合には、ビット線BLの電位はプリチャージされた電位を維持し、MOSトランジスタ5はオフ状態となる。すなわち、ビット線BLとソース線SLとは非導通状態である。これによりセンスアンプ4は、読み出しデータを‘0’データと判定する。またこの場合メモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはドレイン電流Id(off)が流れる。
なおセンスアンプ4による読み出し動作の間、XXLは例えば電圧(Vt+0.9V)とされる。また、信号BLXは、電圧(Vt+VDD)以上、または0[V]のいずれか値をとる。つまり、センスアンプ4によるビット線BLのプリチャージ時においては、信号BLXとして電圧(Vt+VDD)が与えられ、また電圧データのセンス時には信号BLXは0[V]とされる。信号INVは、例えば0[V]または電圧VDDのいずれか値である。そして、信号INVとして、0[V]の電圧が与えられる場合の信号を‘L’レベルとし、電圧VDDが与えられる場合の信号を‘H’レベルとする。信号INVはノードN5の電位に応じて‘L’、または‘H’いずれかの信号をとる。換言すれば、信号INVは、ノードN5に接続されたラッチ回路28の状態に応じて‘L’、または‘H’いずれかの状態をとる。また、信号HLLは、電圧(Vt+VDD)以上の値である。つまり、センスアンプ4によるビット線BLのプリチャージ時においては、信号HLLは電圧(Vt+VDD)以上であり、また電圧データのセンス時では、信号HLLは0[V]となる。また更に、信号GRSは、例えば0[V]またはVDD[V]のいずれか値である。そして、信号GRSとして、0[V]の電圧が与えられる場合の信号を‘L’レベルとし、VDD[V]が与えられる場合の信号を‘H’レベルとする。VtはMOSトランジスタ72乃至77の閾値電圧であり、Vt2はMOSトランジスタ5の閾値電圧である。また、信号STBは0[V]、または電圧VDDいずれかの値をとる。なお、上記信号BLX、XXL、HLLは制御部2から各々与えられる。
まず、センスアンプ4によるデータの読み出しにおいて、ビット線BLの電位に応じてBLCドライバ6が与える信号BLCによりMOSトランジスタ5がオン状態となることで、該センスアンプ4が‘1’データと判定する場合につき、CASEIとして、以下説明する。
(CASEI)
<プリチャージ>
図20に示すように、センスアンプ4はビット線BLのプリチャージを行う。以下では、ビット線BLのプリチャージレベルVpreが0.5Vである場合を仮定する。
この時、ラッチ回路85には、MOSトランジスタ87により‘0’が保持されている。すなわちこの場合、ノードN5の電圧は0[V]となるため、MOSトランジスタ72のゲートに信号INVとして‘L’レベルが与えられる。そしてMOSトランジスタ76のゲートに電圧(Vt+VDD)が与えられる。これにより、MOSトランジスタ72、及びMOSトランジスタ76がそれぞれオン状態とされる。すると、NANDストリング7は導通状態にあるから、MOSトランジスタ72、ノードN1、MOSトランジスタ76、ノードN2、MOSトランジスタ5、及びMOSトランジスタ15の電流経路を介して、ビット線BLにドレイン電流I(d)が流れる。その結果、ビット線BLの電位は例えば0.5V程度となる。また、MOSトランジスタ73のゲートに電圧(Vt+VDD)が与えられ、MOSトランジスタ73がオン状態とされる。これにより、キャパシタ素子79が充電され、ノードN3の電位はVDD[V]程度となる。MOSトランジスタ74、75はオフ状態である。なおこの場合、BLCドライバ6はMOSトランジスタ5のゲートに信号BLCとして電圧(Vt2+Vpre)を与える。
<ディスチャージ>
次に図21に示すように、MOSトランジスタ5、及びMOSトランジスタ76がオフ状態となる。このためNANDストリング7が備えるメモリセルトランジスタMTがオン状態とされ、該NANDストリング7が導通状態であるためビット線BLの放電が行われる。すなわち、メモリセルトランジスタMTに流れるドレイン電流Id(on)によってビット線BLが放電され、その電位は0.5[V]から例えば約0.3[V]程度に低下する。この時、ノードN3の電圧Vn3は電圧VDDを維持する。
<センス>
次に図22に示すように、センスアンプ4によりデータのセンスが行われる。また信号BLCによりMOSトランジスタ5がオフからオン状態へと切り替るため、ノードN3、ノードN2、及びビット線BLが電気的に繋がる。そしてこのとき、キャパシタ素子79の容量よりもビット線BL容量が十分大きいため、ノードN3の電位がビット線BLと同一の約0.3[V]になる。この現象を、チャージトランスファと呼ぶ。なお、チャージトランスファにより変化するノードN3の電位の詳細については後述する。
その後、MOSトランジスタ77のゲートに0[V]が与えられるため、該MOSトランジスタ77はオフ状態となる。すなわち、ノードN3とビット線BLとを電気的に非接続とする。その後、MOSトランジスタ74のゲートに信号STBとして0[V]が与えられることで該MOSトランジスタ74はオン状態とされ、ノードN4の電位は電圧VDDとなる。その結果、MOSトランジスタ78のゲート・ソース間電圧は、MOSトランジスタ78の閾値電圧Vtpよりも大きくなる。そのため、MOSトランジスタ78はオン状態となる。換言すれば、センス時においてMOSトランジスタ78のソースには電圧VDDが印加されるから、MOSトランジスタ78は、ゲート電圧が(VDD−|Vtp|)以下であるか否かによってオン、またはオフ状態を取る(この値を電圧Vtripと呼ぶ)。そして、‘1’データ読み出しの際には、Vn3≦Vtripとなる。これによりノードN5の電位は0[V]から電圧VDDへと上昇する。つまり、信号INVは‘L’レベルから‘H’レベルへと切り替るため、ラッチ回路85が保持するデータは、電圧VDDから電圧VSSへと変化する。
そして、MOSトランジスタ72のゲートには信号INVとして‘H’レベルが与えられるため、該MOSトランジスタ72はオフ状態となり、MOSトランジスタ75はオン状態となる。また、ビット線BLからMOSトランジスタ75、86を介してノードN_VSSに電流が流れ、ビット線BLの電位は0Vとなる。
以上のようにデータの読み出し動作は、ビット線BLの電圧をセンスアンプ4によりセンスアンプすることによって行われる。換言すれば、ノードN3の電位をセンスすることによってデータの読み出し動作が行われる。
すなわち、‘1’データと判定するか‘0’データと判定するかの判断基準となるノードN3の電位は前述したように電圧Vn3であるので、Vn3≦Vtripとなった場合に、MOSトランジスタ78はオン状態となり、ラッチ回路85には‘1’データが格納される。
(CASEII)
次にデータのセンス時において、メモリセルトランジスタMTに電流が流れなく、センスアンプ4が‘0’データの読み出しを行う場合につき、CASEIIとして、以下説明する。
この場合、ビット線BLに流れるドレイン電流Idは‘1’データの読み出し時に比べとても小さく、ビット線BLの電位は、例えば約0.5Vを維持する。すなわち、ビット線BLからソース線SLにドレイン電流Id(off)を流しながら、ビット線BLの電位は、例えば約0.5Vに固定される。なお、プリチャージレベルはCASEIと同様に0.5[V]である。したがって、MOSトランジスタ5はオフ状態を維持するため、該ビット線BLとノードN3とが電気的に接続されない。これにより、ノードN3の電圧Vn3はVDD[V]を維持する。その後、MOSトランジスタ77をオフ状態とし、更にその後、MOSトランジスタ74のゲートに信号STBとして0[V]が与えられることで該MOSトランジスタ74はオン状態とする。これにより、ノードN4の電位は電圧VDDとなる。その結果、MOSトランジスタ78のゲート・ソース間電圧は0[V]となるため、MOSトランジスタ78の閾値電圧Vtpよりも小さくなる。そのため、MOSトランジスタ78はオフ状態となる。従って、ラッチ回路28は電位0Vを維持する。すなわち‘0’データの読み出し時、ノードN3の電圧Vn3の値は、電圧Vtripよりも大きい電圧VDDとなる。換言すれば、Vn3>Vtripである。
<センスアンプ4によるチャージトランスファについて>
次に上記説明した電圧検出型として機能するセンスアンプ4によるデータのセンスの前後において遷移するノードN3の電圧Vn3について説明する。そこで以下説明ではまず、放電後のビット線BLの電位の大きさを述べつつ、さらに、該放電後のビット線BLの電位の大きさと、BLCドライバ6が出力する信号BLCとを比較した上で電圧Vn3の値の詳細について説明する。すなわち、放電後のビット線BLの電位にMOSトランジスタ5の閾値を足した電位よりも信号BLCの方が大きい場合(以下(A)とする)と、放電後のビット線BLの電位にMOSトランジスタ5の閾値を足した電位よりも信号BLCの方が小さい場合(以下(B)とする)とに分け、それぞれの場合における電圧Vn3について述べる。なお、説明を簡単にするため、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)を一括してビット線BLとし、まずは該ビット線BLの線幅Wに応じてMOSトランジスタ5のゲートに与えられる信号BLCの詳細について説明する。その後、ビット線BL2(j−1)、ビット線BL(2j−1)に応じた信号BLCについてそれぞれ説明する。なお、ビット線BLのビット線BL容量をC1とする。
まず前述したように、データの読み出し時においてセンスアンプ4はビット線BLを電圧Vpreで充電する。その後、NANDストリング7のメモリセルトランジスタMTのチャネル領域にドレイン電流Idが流れることによりビット線BLは放電され、放電後のビット線BLの電圧を例えば電圧Vdisc1とする。
そして、BLCドライバ6により出力される信号BLCにおいて、(A)BLC≧(Vt2+Vdisc1)である場合と、(B)BLC<(Vt2+Vdisc1)である場合とで電圧Vn3の値が異なる。以下(A)と(B)とに分けて説明する。なお、前述したようにMOSトランジスタ5の閾値はVt2である。
(A)BLC≧(Vt2+Vdisc1)の場合
BLCドライバ6から出力される信号BLCとビット線BLの電位とを比較し、BLC≧(Vt2+Vdisc1)であった場合、MOSトランジスタ5はオン状態となる。すなわち前述したようにNANDストリング7のメモリセルトランジスタMTがオン状態、すなわち該NANDストリング7が導通状態となる。換言すれば、センスアンプ4により‘1’データと判定される。ここで、メモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはドレイン電流Id(on)が流れる。そして、メモリセルトランジスタMTがオン状態であるため、NANDストリングが導通状態によりビット線BLの電圧が放電された時間を時間Tとする。すると、ビット線BL容量C1を備えたビット線BLにおいて、放電時間Tの間に、電圧Vpreから電圧Vdisc1に変化した場合に、該ビット線BLに流れた電荷Qは、放電時間Tの間、メモリセルトランジスタMTにドレイン電流Id(on)を流した値と同じである。なお、ドレイン電流Id(on)は、ある放電時間に変化する電圧に応じた値をとる。このため、放電時間Tの間におけるドレイン電流Id(on)を、便宜上Id(on)avrとする。つまり、下記(3)式で表される。
C1(Vpre−Vdisc1)=T・Id(on)avr (3)
(3)式を電圧Vdisc1について纏めると、下記(4)式で表される。
Vdisc1=Vpre−T・Id(on)avr/C1 (4)
ここでBLCドライバ6から信号BLCとして、BLC≧(Vt2+Vdisc1)なる電圧がMOSトランジスタ5のゲートに与えられるため(4)式は、下記(5)式で表される。
(Vt2+Vdisc1)=Vt2+(Vpre−T・I(on)davr/C1)≦BLC (5)
すなわち、(5)式を満たす信号BLCがビット線BL容量C1を有するビット線BLに接続されるMOSトランジスタ5に与えられることで、該MOSトランジスタ5はオン状態となる。なお、ビット線BL2(j−1)では、ビット線BL容量が容量C2(j−1)であるため、該ビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加すべき信号BLC_eは、下記(6)式で表される。
(Vt2+Vdisc1)=Vt2+(Vpre−T・I(on)davr/C2(j−1))≦BLC_e (6)
すなわち、第1ドライバ回路に関して、下記(7)式で表される。
Vdisc1=(Vpre−T・Id(on)avr/C2(j−1))≦2・Iref・R_e (7)
すなわち、(7)式が成り立つ時の抵抗R_eを選択することでMOSトランジスタ5はオン状態となる。これにより、メモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはドレイン電流Id(on)が流れる。同様に、該ビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加すべき信号BLC_oは、下記(8)式で表される。
(Vt2+Vdisc1)=Vt2+(Vpre−T・Id(on)avr/C(2j−1))≦BLC_o (8)
すなわち、第2ドライバ回路に関して、下記(9)式で表される。
Vdisc1=(Vpre−T・Id(on)avr/C(2j−1))≦2・Iref・R_o (9)
すなわち、(9)式が成り立つ時の抵抗R_oを選択することでMOSトランジスタ5はオン状態となる。すなわち、メモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはドレイン電流Id(on)が流れる。
次にVn3の値について説明する。なお以下説明では、n本から形成されるビット線BLのちの1本のビット線BLと、該ビット線BLに対応するセンスアンプ4に着目する。
NANDストリング7による放電の結果、ビット線BLのビット線BL容量C1には電荷Q1が蓄積されているものとする。このとき、放電後におけるビット線BLの電圧Vdisc1、容量C1、及び該容量C1に蓄積された電荷Qの関係は、下記(10)式で表される。
Vdisc1=Q1/C1 (10)
なお、前述したようにセンスアンプ4によるデータのセンス前は、MOSトランジスタ5のゲートに与えられる信号BLCは0[V]のため、ノードN3の電圧Vn3は電圧VDDを維持している。そして、キャパシタ素子79に電荷Q2が蓄積されている場合の、ノードN3側における該キャパシタ素子79の電圧を電圧Vq2とする。前述したように、該ノードN3側におけるキャパシタ素子79の容量はC2であるから、電荷Q2が蓄積された場合のキャパシタ素子79の電圧Vq2は下記(11)式で表される。
Vq2=Q2/C2 (11)
ここで、センス時により、MOSトランジスタ5がオン状態となるため、ノードN3とビット線BLとが電気的に接続され、該ノードN3とビット線BLとの間でチャージトランスファが生じる。また、チャージトランスファの前後において電荷保存則が成立する。このため、チャージトランスファ後のキャパシタ素子79とビット線BLの電圧Vは、下記(12)式で表される。
V=(Q1+Q2)/C=(C1Vdisc1+C2Vq2)/(C1+C2) (12)
なお、容量Cはキャパシタ素子79とビット線BL容量との結合容量である。また(12)式を纏めると、下記(13)式で表される。
V=C1Vdisc1/(C1+C2)+C2Vq2(C1+C2) (13)
また、C1の値はC2の約100倍程度の大きさであるため、C1>>C2とみなすことができる。つまり、(13)式においてC2/C1≒0とすると、下記(14)式が得られる。
V=Vdisc1 (14)
つまり、電圧検出型として機能するセンスアンプ4によるデータのセンスの前後において、電圧Vn3の電圧はたとえば、電圧VDDからビット線BLと同程度の値となる。すなわち、ビット線BLの電圧Vdisc1により、ノードN3の電圧Vn3が決定される。換言すれば、放電後のビット線BLの電位を問わず信号BLCの値を確定することで、センスアンプ4のセンスレベルを決定している。
(B)BLC<(Vt2+Vdisc1)の場合
BLCドライバ6から出力される信号BLCとビット線BLの電位とを比較し、BLC<(Vt2+Vdisc1)であった場合、MOSトランジスタ5はオフ状態を維持する。このため、前述したようにNANDストリング7のメモリセルトランジスタMTがオフ状態、すなわち該NANDストリング7が非導通状態となる。換言すれば、センスアンプ4により‘0’データと判定される。ここで、メモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはドレイン電流Id(off)が流れる。
そしてBLCドライバ6から信号BLCとして、BLC<(Vt2+Vdisc1)なる電圧がMOSトランジスタ5のゲートに与えられるため(4)式において、ドレイン電流Id(on)をドレイン電流Id(off)と書き換え、下記(15)式で表される。
(Vt2+Vdisc1)=Vt2+(Vpre−T・Id(off)avr/C1)>BLC (15)
また、ビット線BL2(j−1)では、ビット線BL容量が容量C2(j−1)であるため、該ビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加すべき信号BLC_eは、下記(16)式で表される。
(Vt2+Vdisc1)=Vt2+(Vpre−T・Id(off)avr/C2(j−1))>BLC_e (16)
すなわち、第1ドライバ回路に関して、下記(17)式で表される。
Vdisc1=(Vpre−T・Id(off)avr/C2(j−1))>2・Iref・R_e (17)
同様に、該ビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加すべき信号BLC_oは、下記(18)式で表される。
(Vt2+Vdisc1)=Vt2+(Vpre−T・Id(off)avr/C(2j−1))>BLC_o (18)
すなわち、第2ドライバ回路に関して、下記(19)式で表される。
Vdisc1=(Vpre−T・Id(off)avr/C(2j−1))>2・Iref・R_o (19)
この場合、MOSトランジスタ5はオフ状態であるため、ノードN3とビット線BLとは電気的に非接続となる。すなわち、ノードN3の電圧Vn3は電圧VDDを維持する。
なお、(7)式、及び(9)式より信号BLC_eと信号BLC_oとの関係は、下記(21)式で表される。
BLC_e=BLC_o+(1/C(2j−1)−1/C2(j−1))Id(on)avr・T (20)
なお、本実施形態では、NANDストリング7が備えるメモリセルトランジスタMTの特性は同一であることから、該メモリセルトランジスタMTのチャネルに流れるドレイン電流Idは同一である。
<半導体記憶装置の読み出し動作について>
次に、本実施形態に係る半導体記憶装置におけるデータの読み出し動作について図23を用いて説明する。図23は、センスアンプ4によるデータの読み出し時における、ビット線BL2(j−1)、ビット線BL(2j−1)、信号SGD、信号SGS、及びMOSトランジスタ5のゲートに印加する信号BLCにおける電位の変化を示したタイムチャートである。また図示するように、縦軸に各信号線の電位を取り、横軸に時間を取る。なお、以下では、センスアンプ4により‘1’データが読み出されるものとする。すなわち、放電後のビット線BL2(j−1)、及びビット線(2j−1)の電圧をそれぞれ電圧V2(j−1)、V(2j−1)とすると、信号BLC_e、及びBLC_oは下記(21)、(22)式で表される。
BLC_e≧(Vt2+V2(j−1)) (21)
BLC_o≧(Vt2+V(2j−1)) (22)
まず、時刻t0において、センスアンプ4はデータの読み出しを開始すべく、ビット線BLに対しプリチャージを行う。具体的には、BLCドライバ6が、たとえば信号BLCとして電圧(Vt2+Vpre)をMOSトランジスタ5のゲートに与えることで、ビット線BLの電位を電圧Vpreにまで充電する。これにより、同時刻t0において、センスアンプ4によりビット線BLの電位が上昇し始める。そして、時刻t1において、セレクトゲート線ドライバ11は選択トランジスタST1のゲートに信号SGD1として、電圧Vscを与える。これにより、時刻t1で、選択トランジスタST1のゲート電極に印加される電圧が上昇する。そして、時刻t2において信号SGD1が電圧Vscに達する。電圧Vscは例えば4[V]である。またこれにより時刻t2において選択トランジスタST1はオン状態となる。そして時刻t2において、信号BLCは電圧(Vt2+Vpre)に達すると共に、ビット線BLの電位が電圧Vpreにまで達する。そして、時刻t3において、センスアンプ4によるプリチャージを終了すべく、BLCドライバ6は信号BLCとして0[V]を出力する。これにより、MOSトランジスタ5がオフ状態となる。そして時刻t5において該MOSトランジスタ5のゲートに与えていた信号BLCは0[V]とされる。なお、時刻t4において、セレクトゲート線ドライバ12により、選択トランジスタST2のゲート電極に与えられる信号SGS1が立ち上がる。そして、時刻t5になると、信号SGS1として電圧Vscに達する。電圧Vscは例えば、4.0[V]である。これにより、時刻t5において選択トランジスタST2がオン状態となる。すると、選択トランジスタST2はオン状態であるため、ビット線BL2(j−1)、ビット線BL(2j−1)にそれぞれ接続されたメモリセルトランジスタMTには同一の大きさのドレイン電流Idが流れる。これは、前述したように、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)に接続されたメモリセルトランジスタMTの特性が同一だからである。そして、ドレイン電流Id(on)がソース線SLへと流れ込む。すなわち、メモリセルトランジスタMTにより、ビット線BLの放電が開始される。以下時刻t5以降では、線幅W1を有したビット線BL2(j−1)と線幅W2を有したビット線BL(2j−1)とに区別して説明する。
時刻t5になると、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)の放電が始まる。それぞれのメモリセルトランジスタMTには同一のドレイン電流Idが流れているにも関わらず、ビット線BLの有するビット線BL容量に応じて、該ビット線BLの放電速度が異なる。これは、上記説明したように、ビット線BL2(j−1)のビット線BL容量C2(j−1)はビット線BL(2j−1)のビット線BL容量C(2j−1)に比べ大きいためである。このため、ビット線BL2(j−1)における放電の傾きは、ビット線BL(2j−1)における放電の傾きよりも小さくなる。つまり、ビット線BL2(j−1)に比べビット線BL(2j−1)はビット線BL容量が小さい為、同じ放電時間Tであっても、放電後の電圧がビット線BL2(j−1)よりも小さくなる。なお、放電時間Tは(t6−t5)である。
そして、時刻t6において、セレクトゲート線ドライバ11、及び12は、選択トランジスタST1、及びST2のゲートに与えている信号SGD1、SGS1の出力をそれぞれ終了させる。これにより、選択トランジスタST1、及びST2はそれぞれオフ状態となる。これにより、メモリセルトランジスタMTによるビット線BLの放電が終了する。なお、時刻t6におけるビット線BL2(j−1)の電位を電圧V2(j−1)とし、ビット線BL(2j−1)の電位を電圧V(2j−1)とする。そして、電圧V2(j−1)>電圧V(2j−1)である。
その後、時刻t7において、データの読み出しをするためBLCドライバ6は信号BLCとして、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)にそれぞれ接続されたMOSトランジスタ5のゲートに(22)、(23)式を満たす信号BLC_e、及びBLC_o、すなわち電圧Vblc_e、及び電圧Vblc_eをそれぞれ与える。そして、時刻t8において、データの読み出しを終了すべく、BLCドライバ6は信号BLCの出力を終了させる。
本実施形態に係る半導体記憶装置であると、センス時にBLCドライバ6は、ビット線BL2(j−1)のビット線BL容量C2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)のビット線BL容量C(2j−1)、に応じた信号BLCを発生させることができる。このため、誤読み出しを低減することができる。以下、本実施形態に係る半導体記憶装置においてデータの読み出し動作について図23を用いて説明する。また、図23は、センス時におけるBLCドライバ6が出力する信号BLCをビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)の線幅Wに応じて変化させたものである。
図示するように、本実施形態に係る半導体記憶装置であるとBLCドライバ6は時刻t7において、前述したビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)の線幅Wに応じた信号BLC_e、及び信号BLC_oを発生させる。具体的にはBLCドライバ6は、放電後において電圧V2(j−1)であるビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに、信号BLC_eとして電圧(Vt2+V2(j−1))を与える。更に、BLCドライバ6は、放電後において電圧V(2j−1)であるビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに、信号BLC_oとして電圧(Vt2+V(2j−1))を与える。これにより、たとえビット線BLの線幅によって該ビット線BLのビット線BL容量が異なり、放電後のビット線BLの電圧が異なったとしても、センスアンプ4によるデータの誤読み出しが低減できる。すなわち、線幅W1は線幅W2よりも大きいため、放電後の電圧が高い。このため、センス時にビット線BL2(j−1)がノードN3と電気的に接続されるためには、ビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加する信号BLC_oよりも大きくなくてはならない。つまり、BLCドライバ6は、ビット線BL2(j−1)の電圧と該ビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートとの電圧差以上の例えば、電圧(Vt2+V2(j−1))を信号BLC_eとして与える。
<変形例>
次に、読み出し動作時における、本実施形態の半導体記憶装置の変形例に係るデータの読み出し動作について図24を用いて説明する。図24は、図23のタイムチャートにおいて、BLCドライバ6により、プリチャージする電圧をビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)に応じて変え、またセンス時における信号BLCを、ビット線BLの線幅Wを問わず電圧(Vt2+V(2j−1))としたものである。なお、図23で説明したタイムチャートと同一の動作に関しては説明を省略する。
図24に示すように、変形例に係るデータの読み出し動作では、放電後のビット線BLの線幅Wによる該ビット線BLの電位の差異を考慮して、プリチャージの時点で、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)の電位を変えたものである。以下、図24を用いて説明する。
まず、時刻t0において、BLCドライバ6は、例えば信号BLC_eとしてビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに電圧(Vt2+Vpre_e)を与える。さらに、BLCドライバ6は、例えば信号BLC_oとしてビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに電圧(Vt2+Vpre_o)を与える。すなわち、下記(23)、及び(24)式で表される。
Vpre_e=2・Iref・R_e (23)
Vpre_o=2・Iref・R_o (24)
すなわち、(23)、(24)式の関係を満たす抵抗素子R_e、及びR_oを選択する。なお、電圧(Vt2+Vpre_o)>電圧(Vt2+Vpre_e)である。これにより、ビット線BL2(j−1)は電圧Vpre_eに、ビット線BL(2j−1)は電圧Vpre_oにまで充電される。すなわち、放電が開始される時刻t5におけるビット線2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)の電位はそれぞれ電圧Vpre_e、電圧Vpre_oである。
また、時刻t5において、BLCドライバ6が出力する信号BLCは0[V]となる。そして、時刻t6においてセレクトゲート線ドライバ11、及び12は信号SGD1、及びSGS1をそれぞれ終了するため、ビット線BL2(j−1)、及びビット線(2j−1)の放電がストップする。なお、時刻t6におけるビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)の電圧は同一である。そして、時刻t6におけるビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)の電位を電圧Vdiscとする。
なお、BLCドライバ6がMOSトランジスタ5のゲートに与える信号BLC_eと信号BLC_oとの関係は下記(25)式で表される。
BLC_e=BLC_o−(1/C(2j−1)−1/C2(j−1))Id・T (25)
本実施形態の変形例に係る半導体記憶装置であると、データの読み出し時において、センスアンプ4による誤読み出しが軽減できる。すなわち変形例では、BLCドライバ6により、プリチャージ時において、放電後におけるビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)の電位差を考慮した電圧(Vt2+Vpre_e)、及び電圧(Vt2+Vpre_o)を出力させる。これにより、たとえ、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)のビット線BL容量がそれぞれ異なっていたとしても、データの読み出し時におけるセンスアンプ4による誤読み出しを軽減できる。
[第3の実施形態]
次に、この発明の第3の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態においても、上記第1、及び第2の実施形態と同様、NAND型フラッシュメモリを例に挙げて説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態において、側壁加工技術を用いて溝を形成した後に、ダマシーン法を適用することで活性領域AAを形成したものである。
本方法によると、大小異なる幅を有した活性領域AAが、繰り返し形成される場合がある。すなわち、第2方向に沿って、異なる特性を有したメモリセルトランジスタMTが繰り返し形成される。
そして本実施形態では、信号BLCを制御することで、異なるメモリセルトランジスタMTの特性を制御する。信号BLCの制御方法を以下、CASEI乃至CASEIIIに分けて説明する。なお、本実施形態では、上記第1の実施形態で説明したビット線BLのバラつかない場合があってもよいものとする。以下、側壁加工技術を用いる際、活性領域AAにダマシーン法を適用した製造工程について図25(a)、(b)乃至図33(a)、(b)を用いて説明する。図25(a)、(b)乃至図33(a)、(b)はメモリセルトランジスタMTが形成される活性領域の製造工程を順次示す断面図であり、(a)図はメモリセルトランジスタMTのビット線BL方向の断面、(b)図はメモリセルトランジスタMTのワード線WL方向の断面構成について示している。
<活性領域AAの製造工程>
まず、必要とされるイオン注入を施すことでp型半導体基板20表面にn型ウェル領域21、及び該n型ウェル領域21上にp型ウェル領域22を形成する。その後p型ウェル領域22上に例えばシリコン窒化膜を材料として絶縁膜51を形成した後、該絶縁膜51上にフォトレジスト38を形成させる。そして、フォトレジスト38を、フォトリソグラフィ法により、所望のパターンにフォトレジストを現像することで、図25(a)、(b)に示す所望のパターン形状を有するフォトレジスト38を得る。このとき、フォトレジスト38は最小加工寸法の2倍の線幅を有する。すなわち、フォトレジストの最小加工寸法をW7とすると、図25(b)に示す線幅は2・W7である。また、フォトレジスト38が形成されている領域をラインとし、フォトレジスト38が形成されていない領域をスペースとすると、ラインとスペースとの比率は1:1であり、すなわち、スペースは2・W7である。
次に図26(a)、(b)に示すように等方性エッチングにより、フォトレジスト38をスリミンング処理することでフォトリソグラフィの解像限界以下の幅までフォトレジスト38を細化する。これにより、フォトレジスト38の線幅はW7となる。これにより、スペースは3・W7へと広がる。すなわち、ラインとスペースとの比率は1:3となる。
そして、フォトレジスト38をマスクとして絶縁膜51をエッチングした後、フォトレジスト38を除去する。引き続き、例えばCVD法により例えばシリコン酸化膜からなる絶縁膜39を、絶縁膜51を覆うように堆積させた後、該絶縁膜51をストッパとして例えば、CMP法により絶縁膜39を研磨することで図27を得る。図示するように、絶縁膜51に絶縁膜39を堆積させた結果、等方的にではなく、ある方向へ偏りを生じることがある。本実施形態に係る半導体記憶装置では、例えば絶縁膜51の右側面よりも左側面に堆積された絶縁膜39の幅が大きい場合を挙げたものである。
次に、図28(a)、(b)に示すように、例えばウェットエッチングを用いて絶縁膜51だけを除去し、溝43を形成する。引き続き、絶縁膜39をマスクとして、p型ウェル領域22を例えばRIEなどの異方性エッチング技術を用いてエッチングする。この結果、図29(b)に示すように溝40が得られる。
次に、図30(a)、(b)に示すように、絶縁膜39を、例えばウェットエッチング等により除去する。その後、p型ウェル領域22を埋め込むように溝40に絶縁膜41を形成させることで図31(a)、(b)を得る。
そして、図32(a)、(b)に示すようにp型ウェル領域22をストッパとして用いたCMP法等により、絶縁膜41を研磨し、上面を平坦にすると共に、該絶縁膜41を溝40内にのみ残存させることで素子分離領域42を形成する。また、素子分離領域42で囲まれた領域は活性領域AAとなる。この際、W3、及びW4の幅を有した活性領域AAが交互に形成される。なお、W3>W4である。これは、図27において、絶縁膜39がフォトレジスト38に対し左右偏りを生じて堆積されることが原因である。その後、活性領域AA、及び素子分離領域42上に、ゲート絶縁膜24、絶縁膜25、26、多結晶シリコン層27、層間絶縁膜31、34、絶縁膜35、金属配線層36、及び層間絶縁膜37を順次形成することで、図33(a)、(b)を得る。すなわち、図33(b)に示すように、活性領域AAの幅が交互に形成されるため、該活性領域AA上に形成され、チャネル幅がW3、W4を有したメモリセルトランジスタMTが交互に形成される。
以下、活性領域AAが交互にバラつく場合であって、上記第1の実施形態において説明したビット線BLの線幅のバラつきがない場合をCASEIとする。そして、CASEIでは、偶数活性領域AA2(j−1)が幅W3を有し(以下、単に、活性領域AA2(j−1)と呼ぶことがある)、奇数活性領域AA(2j−1)が幅W4を有するものとする(以下、単に、活性領域AA(2j−1)と呼ぶことがある)。つまり、活性領域AA2(j−1)、ビット線BL(2j−1)とで線幅が異なる。つまり、幅W3と幅W4とを備えた活性領域AAが繰り返し形成される。
更に、活性領域AA、及びビット線BLの線幅がそれぞれバラつく場合を、活性領域AAの幅とビット線BLの線幅について、以下のCASEIIとCASEIIIとの2パターンに分ける。
つまり、CASEIIは、活性領域AA2(j−1)が幅W3を有し、該活性領域AA2(j−1)に対応したビット線BL2(j−1)が線幅W1である場合であって、更に活性領域AA2(j−1)に隣接する活性領域AA(2j−1)が幅W4を有し、該活性領域AA(2j−1)上に対応するビット線BL(2j−1)が線幅W2を有する場合とする。
CASEIIIは、活性領域AA2(j−1)が幅W4を有し、且つ該活性領域AA2(j−1)に対応するビット線BL2(j−1)が線幅W1である場合であって、活性領域AA2(j−1)に隣接する活性領域AA(2j−1)が幅W3を有し、該活性領域AA(2j−1)に対応するビット線BL(2j−1)が線幅W2である場合とする。なお、以下説明では上記第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
(CASEI)
以下、CASEIについて図34、及び図35を用いて説明する。図34は、メモリセルアレイの平面図である。そして図35は、図34におけるB−B線に沿った断面図である。
図示するように、CASEIに係るメモリセルアレイは、上記第1の実施形態で説明した図3において、第2方向に沿って活性領域AAが幅W3と幅W4とで交互に形成されたものである。つまり活性領域AA2(j−1)の幅がW3であり、活性領域AA(2j−1)の幅がW4である。そして、ワード線WLと活性領域AA2(j−1)とが交差する領域における電荷蓄積層の大きさをS1とし該ワード線WLと活性領域AA(2j−1)とが交差する領域における電荷蓄積層の大きさをS2とした場合、S1>S2なる関係となる。
また選択トランジスタST1、ST2についても同様であり、活性領域AA2(j−1)上の選択トランジスタST1、ST2のゲート幅W3は、活性領域AA(2j−1)上の選択トランジスタST1、ST2のゲート幅W4よりも大きい。
以上のように、活性領域AA2(j−1)上にそれぞれ形成されたメモリセルトランジスタMTと活性領域AA(2j−1)上に形成されたメモリセルトランジスタMTとの特性がそれぞれ異なる。なお、ビット線BLの線幅をW0とする。
次に、上記メモリセルトランジスタMTの特性について図36を用いて説明する。図36は、メモリセルトランジスタMTのドレイン−ソース間に電圧Vbcが印加された場合に流れるドレイン電流Idついてのグラフであり、メモリセルトランジスタMTの動作曲線を示したものである。図示するように、図中(a)は活性領域AA2(j−1)上に形成されたメモリセルトランジスタMTの特性を示し、図中(b)は活性領域AA(2j−1)上に形成されたメモリセルトランジスタMTの特性を示す。そして横軸にメモリセルトランジスタMTのドレイン−ソース間に印加するVbcを、縦軸にドレイン電流Idを取る。
図示するように、活性領域AA2(j−1)上のメモリセルトランジスタMTは、活性領域AA(2j−1)上のメモリセルトランジスタMTよりも大きなドレイン電流Idを流す。これは、活性領域AA(2j−1)上のメモリセルトランジスタMTよりも該メモリセルトランジスタMTのゲート幅が大きく、その結果、電流駆動力が大きいからである。
次に制御部2が発生する信号BLCの電圧について図37を用いて説明する。図37は、信号BLCの電圧を示すグラフである。図示するように、横軸にビット線BLを、そして縦軸に該ビット線BLにそれぞれ接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加される信号BLCの電圧を取る。図示するように、制御部2はビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加する信号BLC_eの電圧を電圧V1とする。他方、ビット線BL(2j−1)に対応するMOSトランジスタ5のゲートに印加する信号BLC_oの電圧を、電圧V1よりも大きな電圧V2とする。
(CASEII)
次に、CASEIIについて図38、図39を用いて以下説明する。図38は、メモリセルアレイ1の平面図である。そして、図39は、図38におけるB−B線に沿った断面図である。
図示するように、CASEIIに係るメモリセルアレイは、上記図34において、活性領域AAに加え、第2方向に沿ってビット線BLの線幅Wが、1つおきに大小繰り返し形成されたものである。すなわち、上記第1の実施形態で説明したように、側壁加工技術を用いて溝を形成した後、ダマシーン法を用いてビット線BLが形成される。そして、幅W3を有した活性領域AA2(j−1)に対応するビット線BL2(j−1)の幅がW1であり、幅W4を有した活性領域AA(2j−1)に対応するビット線BL(2j−1)の幅がW2である。すなわち、活性領域AA2(j−1)、ビット線BL2(j−1)の幅が共に大きく、そして、活性領域AA(2j−1)、ビット線BL(2j−1)の線幅を共に小さくしたものである。
つまり、ワード線WLと活性領域AA2(j−1)とが交差する領域における電荷蓄積層の大きさをS3とし、該ワード線WLと活性領域AA(2j−1)とが交差する領域における電荷蓄積層の大きさをS4とした場合、S3>S4なる関係となる。
また選択トランジスタST1、ST2についても同様であり、活性領域AA2(j−1)上の選択トランジスタST1、ST2のゲート幅W3は、活性領域AA(2j−1)上の選択トランジスタST1、ST2のゲート幅W4よりも大きい。
以上のように、活性領域AA2(j−1)、活性領域AA(2j−1)の幅はCASEIと同様であるため、CASEIIにおけるメモリセルトランジスタMTの特性においても、図36におけるメモリセルトランジスタMTと同一のI−V特性であるため説明を省略する。
次に制御部2が発生する信号BLCの電圧について図40を用いて説明する。図40は、信号BLCの電圧を示すグラフである。図示するように、横軸にビット線BLを、そして縦軸に該ビット線BLにそれぞれ接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加される信号BLCの電圧を取る。図示するように、制御部2はビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加する信号BLC_eの電圧を電圧V3とする。他方、ビット線BL(2j−1)に対応するMOSトランジスタ5のゲートに印加する信号BLC_oの電圧を、電圧V3よりも大きな電圧V4とする。なお、上記CASEIにおける電圧V1と電圧V2との電位差、すなわち|V1−V2|と、CASEIIにおける電圧V3と電圧V4との電位差、すなわち|V3−V4|とは、|V1−V2|>|V3−V4|であってもよいし、|V1−V2|<|V3−V4|であってもよい。また、|V4|>|V2|であってもよいし、|V4|<|V2|であってもよい。更には、|V1|>|V3|であってもよいし、|V1|<|V3|であってもよい。
(CASEIII)
次に、CASEIIIの場合について図41、図42を用いて以下説明する。図41はメモリセルアレイの平面図である。そして図42は、図41におけるB−B線に沿った断面図である。
図示するように、CASEIIIに係るメモリセルアレイは、図38において、第2方向に沿って形成されるビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)の線幅の大小が逆に形成されたものである。つまり、線幅W3を有する活性領域AA2(j−1)に対応するビット線BL2(j−1)の線幅がW2である。そして、線幅W4を有する活性領域AA(2j−1)に対応するビット線BL(2j−1)の線幅がW1である。
つまり、ワード線WLと活性領域AA2(j−1)とが交差する領域における電荷蓄積層の大きさをS5とし、該ワード線WLと活性領域AA(2j−1)とが交差する領域における電荷蓄積層の大きさをS6とした場合、S5>S6なる関係となる。
また選択トランジスタST1、ST2についても同様であり、活性領域AA(2j−1)上の選択トランジスタST1、ST2のゲート幅W3は、活性領域AA2(j−1)上の選択トランジスタST1、ST2のゲート幅W4よりも大きい。
以上のように、活性領域AA2(j−1)、活性領域(2j−1)の幅はCASEI、及びCASEIIと同様であるため、CASEIIIにおけるメモリセルトランジスタMTの特性においても、図36におけるメモリセルトランジスタMTと同一のI−V特性であるため説明を省略する。
次に制御部2が発生する信号BLCの電圧について信号BLCとして印加される電圧について図43を用いて説明する。
図43は、信号BLCの電圧を示すグラフである。図示するように、横軸にビット線BLを、そして縦軸に該ビット線BLにそれぞれ接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加される信号BLCの電圧を取る。図示するように、制御部2はビット線BL2(j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに印加する信号BLC_eの電圧を電圧V5とする。他方、ビット線BL(2j−1)に対応するMOSトランジスタ5のゲートに印加する信号BLC_oの電圧を、電圧V5よりも大きな電圧V6とする。また、ビット線BL2(j−1)の有する線幅W2が、ビット線BL(2j−1)の有する線幅W1に比べ、W1>>W2である場合、図43における電圧V5、及び電圧V6は、V6<V5なる関係となる。なお、以下、CASEIIIに係る半導体記憶装置においては、W1>W2の場合においてのみ説明する。
なお、また上記電圧V1、電圧V3、及び電圧V5は上記第1の実施形態で説明したBLC_eドライバ172が出力する電圧Vblc_eであってもよい。そして、電圧V2、電圧V4、及び電圧V6は上記第1の実施形態で説明したBLC_oドライバ182が出力する電圧Vblc_oであってもよい。
またなお、|V1−V2|>|V3−V4|である場合、電圧V5と電圧V6との電位差、すなわち|V5−V6|は、|V5−V6|>|V1−V2|であっても良いし、|V3−V4|<|V5−V6|<|V1−V2|、|V5−V6|<|V3−V4|であっても良い。また、|V1−V2|<|V3−V4|である場合、|V5−V6|は、|V5−V6|>|V3−V4|であっても良いし、|V1−V2|<|V5−V6|<|V3−V4|、|V1−V2|<|V5−V6|であっても良い。
本実施形態に係る半導体記憶装置であると、上記第1の実施形態で説明したビット線BLの線幅に加え、活性領域AAが大小交互に形成されたとしても、データの読み出し時においてセンスアンプ4による誤読み出しが改善される。上記CASEI乃至CASEIIIの場合における半導体記憶装置において、図37、40、43に示したような信号BLCをMOSトランジスタ5のゲートに与えることで、隣接するメモリセルトランジスタMTのチャネル領域に流れるドレイン電流IdについてCASEI’乃至CASEIII’として以下説明する。
(CASEI’)
まずCASEI’として図44に、図36のI−V特性においてビット線BLの各々についての負荷線を示したグラフを示す。そして図示するように、横軸にメモリセルトランジスタMTのドレイン−ソース間に印加するVbcを、縦軸にドレイン電流Idを取る。
前述したようにCASEIでは、ビット線BLは線幅W0である。このため、各ビット線BLの有する抵抗値は同じである。そしてビット線BLの単位長さ辺りの抵抗値をR0とする。すなわち、図44に示すように、全てのビット線BLの各々についての負荷線は同じ傾きをとる。このため、ビット線BLに接続されたメモリセルトランジスタMTのドレイン端には等電位の電圧が印加される。しかし、隣接したビット線BLにそれぞれ対応したメモリセルトランジスタMTの特性が異なる。すなわち、隣接したビット線BLにそれぞれ対応するメモリセルトランジスタMTのチャネル領域には異なるドレイン電流Idが流れてしまう。
そこで、CASEIにおけるI−V特性において、BLCドライバ6が、図37で説明した電圧V2(>電圧V1)を、活性領域AA(2j−1)上に形成されたメモリセルトランジスタMTに対応するMOSトランジスタ5のゲートに信号BLC_oとして印加する。このとき、ビット線BL(2j−1)と縦軸、及び横軸との交点はそれぞれV2/R0、V2となる。また、ビット線BL2(j−1)と縦軸、及び横軸との交点はそれぞれV1/R0、V1となる。
これにより、ビット線BL2(j−1)の負荷線と(a)線との交点における電圧Vbcが電圧VIとなり、ビット線BL(2j−1)の負荷線と(b)線との交点における電圧Vbcは電圧(V2−Id・R0)(>電圧VI)となるため、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)に流れるドレイン電流Idはそれぞれ電流Id(I)とすることが出来る。つまり、活性領域AA(2j−1)、及びAA2(j−1)上に形成されたメモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはほぼ同一のドレイン電流Idが流れる。そしてこれは、ビット線BLに接続されるMOSトランジスタ5のゲートに例えば、信号BLCとして電圧V1のみを与える場合に比べ、センスアンプ4によるデータの誤読み出しが少ない。なぜなら、線幅W2を有するビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに信号BLC_oとして電圧V1を印加する半導体記憶装置だったとすると、ビット線BL(2j−1)の負荷線と(b)線との交点における電圧Vbcは電圧VI’となり、該ビット線BL(2j−1)に接続されたメモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはドレイン電流Id(I)よりも小さい、例えばドレイン電流Id(I’)が流れる(図示せぬ)。このため、センスアンプ4はデータの誤読み出しをしてしまう。この点、本実施形態に係る半導体記憶装置であると、センスアンプ4によるデータの誤読み出しが軽減できる。
(CASEII’)
次にCASEII’として図45に、図36のI−V特性においてビット線BLの各々についての負荷線を示したグラフを示す。そして図示するように、横軸にメモリセルトランジスタMTのドレイン−ソース間に印加するVbcを、縦軸にドレイン電流Idを取る。
前述したように、CASEIIではビット線BLの線幅Wもバラつくため、図示するように線幅W1を有したビット線BL2(j−1)(以下、(c)線と呼ぶ)、及び線幅W2を有したビット線BL(2j−1)(以下、(d)線、及び(d’)線とする)の負荷線とがそれぞれ存する。そして、図45に示すように、ビット線BL2(j−1)とビット線BL(2j−1)とで負荷線はそれぞれ異なる傾きをとる。このため、ビット線BLに接続されたメモリセルトランジスタMTのドレイン端には異なる電圧が印加される。また更に、隣接したビット線BLにそれぞれ対応したメモリセルトランジスタMTの特性が異なる。これらにより、該隣接したビット線BLにそれぞれ対応するメモリセルトランジスタMTのチャネル領域には異なるドレイン電流Idが流れてしまう。
そこで、CASEIIにおけるI−V特性において、BLCドライバ6が、図40で説明した電圧V4(>電圧V3)を、活性領域AA(2j−1)上に形成されたメモリセルトランジスタMTに対応するMOSトランジスタ5のゲートに信号BLC_oとして印加する。このとき、(d’)線と縦軸、及び横軸との交点はそれぞれV4/R2、V4となる。また、(c)線と縦軸、及び横軸との交点はそれぞれV3/R1、V3となる。
これにより、(c)線と(a)線との交点における電圧Vbcは電圧VIIとなり、(d’)線と(b)線との交点における電圧Vbcは電圧(V4−Id(II)・R2)(>電圧VII)となるため、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)に流れるドレイン電流Idはそれぞれ電流Id(II)とすることが出来る。つまり、活性領域AA(2j−1)、及びAA2(j−1)上に形成されたメモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはほぼ同一のドレイン電流Id(II)が流れる。そしてこれは、ビット線BL2(j−1)及びビット線BL(2j−1)にそれぞれ接続されるMOSトランジスタ5のゲートに例えば、信号BLCとして例えば電圧V3のみを与える場合に比べセンスアンプ4によるデータの誤読み出しが少ない。なぜなら、線幅W2を有するビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに信号BLC_oとして電圧V3を印加する半導体記憶装置だとすると、該ビット線BL(2j−1)に接続されたメモリセルトランジスタMTのドレイン端には電圧V(II’)が印加され、また該メモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはドレイン電流Id(II)よりも小さい、例えばドレイン電流Id(II’)が流れる((d)線と(b)線との交点)。このため、センスアンプ4はデータの誤読み出しをしてしまう。この点、本実施形態に係る半導体記憶装置であると、センスアンプ4によるデータの誤読み出しが軽減できる。
(CASEIII’)
更に、CASEIII’として上記CASEII’同様、図46に、図36のI−V特性においてビット線BLの各々についての負荷線を示したグラフを示す。そして図示するように、横軸にメモリセルトランジスタMTのドレイン−ソース間に印加するVbcを、縦軸にドレイン電流Idを取る。
前述したように、CASEIIIではCASEIIにおいてビット線BLの線幅Wが逆に形成される。すなわち、図示するように線幅W2を有したビット線BL2(j−1)(以下、(f)線と呼ぶ)、及び線幅W1を有したビット線BL(2j−1)(以下、(e)線、及び(e’)線とする)の負荷線とがそれぞれ存する。そして、図46に示すように、ビット線BL2(j−1)とビット線BL(2j−1)とで負荷線はそれぞれ異なる傾きをとる。このため、ビット線BLに接続されたメモリセルトランジスタMTのドレイン端には異なる電圧が印加される。また更に、隣接したビット線BLにそれぞれ対応したメモリセルトランジスタMTの特性が異なる。これらにより、該隣接したビット線BLにそれぞれ対応するメモリセルトランジスタMTのチャネル領域には異なるドレイン電流Idが流れてしまう。
そこで、CASEIIIにおけるI−V特性において、BLCドライバ6が、図43で説明した電圧V6(>電圧V5)を、活性領域AA(2j−1)上に形成されたメモリセルトランジスタMTに対応するMOSトランジスタ5のゲートに信号BLC_oとして印加する。このとき、(e’)と縦軸、及び横軸との交点はそれぞれV6/R1、V6となる。また、(f)線と縦軸、及び横軸との交点はそれぞれV5/R2、V5となる。
これにより、(f)線と(a)線との交点における電圧Vbcは電圧VIIIとなり、(e’)線と(b)線との交点における電圧Vbcは電圧(V6−Id(III)・R1)(>電圧VIII)となるため、ビット線BL2(j−1)、及びビット線BL(2j−1)に流れるドレイン電流Idはそれぞれ電流Id(III)とすることが出来る。つまり、活性領域AA(2j−1)、及びAA2(j−1)上に形成されたメモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはほぼ同一のドレイン電流Id(III)が流れる。そしてこれは、ビット線BL2(j−1)及びビット線BL(2j−1)にそれぞれ接続されるMOSトランジスタ5のゲートに例えば、信号BLC_oとして例えば電圧V5のみを与える場合に比して、センスアンプ4によるデータの誤読み出しが少ない。なぜなら、線幅W2を有するビット線BL(2j−1)に接続されたMOSトランジスタ5のゲートに信号BLCとして電圧V5を印加する半導体記憶装置だとすると、該ビット線BL(2j−1)に接続されたメモリセルトランジスタMTのドレイン端には電圧V(III’)が印加され、また該メモリセルトランジスタMTのチャネル領域にはドレイン電流Id(III)よりも小さい、例えばドレイン電流Id(III’)が流れる((e)線と(b)線との交点)。このため、センスアンプ4はデータの誤読み出しをしてしまう。この点、本実施形態に係る半導体記憶装置であると、センスアンプ4によるデータの誤読み出しが軽減できる。
[第4の実施形態]
次に、この発明の第4の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態においても、上記第1乃至第3の実施形態と同様、NAND型フラッシュメモリを例に挙げて説明する。本実施形態は、ワード線WLの線幅Lがバラついた場合における書き込み電圧VPGMの制御方法、及び書き込み電圧VPGMを発生させる構成について説明する。なお、上記第1乃至第3の実施形態と同様、ワード線WLは側壁加工技術を用いて溝を形成された後に、ダマシーン法を用いて形成された金属配線である。すなわち、線幅Lが1つ置きに大小繰り返されたワード線WLが形成される。
<メモリセルアレイ1の平面構成について>
図47に本実施形態に係るブロックBLK0乃至BLKsの平面図を示す。図示するように、本実施形態に係るメモリセルトランジスタMTは、図3において、ワード線WLの線幅Lが線幅L1、及び線幅L2とで交互に形成されたものである。すなわち、本実施形態では、メモリセルトランジスタMTのチャネル長L、つまり制御ゲート長がL1、またはL2のいずれかの長さとなる。なお、本実施形態では説明を簡単にするため、上記第1乃至第3の実施形態におけるビット線BL、及び活性領域AAのバラかないものとする。そして、図示するように本実施形態に係る半導体記憶装置では、偶数ワード線WL(以下、ワード線WL(2l)と呼ぶことがある)(l:0〜7の実数)は線幅L1を有し、ワード線WL(2l+1)(以下、ワード線WL(2l+1)と呼ぶことがある))は線幅L2を有するものとする。また、チャネル長L1を有するメモリセルトランジスタMTが設けられたワード線WL(2l)と活性領域AA0との交差部分を領域1とし、該領域1の面積をS7とする。更にチャネル長L2を有するメモリセルトランジスタMTが設けられたワード線WL(2l+1)と活性領域AA0との交差部分を領域2とし、該領域2の面積をS8とする。また、本実施形態では、L1>L2とする。すなわち、S7>S8なる関係となる。つまり、ゲート電極が形成される面積に応じた、異なる特性が2種類存在することになる。なお、上記説明した構成以外、図3と同一であるので説明を省略する。
<メモリセルアレイ1の断面構成について>
次に、上記メモリセルアレイ1の断面図について図48を用いて説明する。図48は、図47で示した第1方向に沿ったメモリセルアレイ1の断面図である。図示するように、ワード線WLとして機能する制御ゲートのチャネル長Lに応じて、大小交互に形成された線幅Lを有したゲート電極が半導体基板20上に形成されている。なお、上記説明した構成以外は上記第1、第3の実施形態と同一であるので説明を省略する。また、本実施形態においても、側壁加工技術及びダマシーン工程を用いたワード線WLの製造方法は、上記第1の実施形態で説明したビット線BLの製造方法と同様であるので説明を省略する。
<高電圧発生回路9の構成例について>
次に、図49を用いて、本実施形態に係る高電圧発生回路9の構成の詳細について、特に書き込み電圧VPGMを発生するための構成について説明する。図49は、制御部2が備える高電圧発生回路9の回路図である。図示するように、高電圧発生回路9は、チャージポンプ80、比較器81、抵抗素子82、抵抗群83、及び生成部84を備える。
チャージポンプ80は電圧VPGMを発生し、ノードN40に出力する。そして、ノードN40の出力電圧が、図示せぬロウデコーダ3へと供給される。また、ノードN40における電圧が、抵抗素子82、及び抵抗群83により分圧される。すなわち、抵抗素子82の一端は上記ノードN40に接続され、該抵抗素子82の他端は、抵抗群83の一端と接続されており、該抵抗群83の他端は接地されている。また、抵抗素子82の抵抗値はRL、抵抗群83の抵抗値はRDである。なお、抵抗群83は複数の抵抗素子を含み、その一端と他端との間の抵抗値は可変な可変抵抗である。
比較器81の反転入力端子には、例えば、BGR回路で生成された基準電圧VREFが供給される。また、抵抗素子82、及び抵抗群83とのノードN41における電圧VMONが比較器81の正入力端子に供給される。すなわち、比較器81は、該比較器81に供給される基準電圧Vrefと該ノードN41とにおける電圧VMONとが一致するように、チャージポンプ80が出力する電圧VPGMを制御する。すなわち、比較器81は基準電圧Vrefと電圧VMONとを比較し、Vref≦VMONであると、チャージポンプ80に信号EN_CPとして、‘L’を出力する。これにより、チャージポンプ80はポンピングを停止する。また、Vref>VMONであると、比較器81は、チャージポンプ80に信号EN_CPとして、‘H’を出力する。これにより、チャージポンプ80はポンピングを行い、出力電圧を上昇させる。
なお、抵抗群83は可変抵抗であるため、抵抗群83の抵抗値RDにより、ノードN41の電圧VMONが変化する。すなわち、電圧VMONに応じて、書き込み電圧VPGMの大きさが変化する。たとえば、抵抗群83の抵抗値RDが小さくなる程、電圧VMONと基準電圧Vrefとの電圧差がより広がるため、比較器81は、電圧VMONと基準電圧Vrefとの電圧差を一致させようと信号EN_CPとして‘H’レベルをチャージポンプ80に出力する。このため、ノードN40の書き込み電圧VPGMは更に大きくなる。逆に、抵抗群83の抵抗値RDが大きくなる程、電圧VMONと基準電圧Vrefとの電圧差が小さいため、比較器81は電圧VMONと基準電圧Vrefとの電圧差を一致させようと信号EN_CPとして‘H’レベルをチャージポンプ80に出力してもノードN40の書き込み電圧VPGMは小さくなる。すなわち、高電圧発生回路9は抵抗群83の抵抗値RDに応じた書き込み電圧VPGMを階段状に生成することができる。
また、電圧VMONを決定する抵抗群83の抵抗値RDは、生成部84により与えられる信号により決定される。なお、抵抗群83の抵抗値RDを決定する生成部84の構成の詳細については後述する。
<抵抗群83の構成例について>
次に、上記抵抗群83の構成について図50を用いて詳細に説明する。図50は、上記抵抗群83の回路図である。図示するように、抵抗群83は抵抗素子90乃至97、及びMOSトランジスタ108乃至114を備える。そして、抵抗素子90乃至97の抵抗値はそれぞれRD0〜RD7である。
また、抵抗素子90乃至97は直列接続されている。そして、抵抗素子90の他端と抵抗素子91の一端との接続ノードをN50とする。抵抗素子91の他端と抵抗素子92の一端との接続ノードをN51とする。抵抗素子92の他端と抵抗素子93の一端との接続ノードをN52とする。そして以下、図中では省略するが、抵抗素子93の他端と抵抗素子94の一端との接続ノードをN53、抵抗素子94の他端と抵抗素子95の一端との接続ノードをN54とし、抵抗素子95の他端と抵抗素子96の一端との接続ノードをN55とし、抵抗素子96の他端と抵抗素子97の一端との接続ノードをN56とする。以下、抵抗素子9tの抵抗値をRDt(t=0〜7のいずれか)とし、抵抗素子9tの他端と、抵抗素子9(t+1)との接続ノードをN5tとする。
そして、MOSトランジスタ108は、電流経路の一端がノードN50に接続され、電流経路の他端が接地され、ゲートには、後述する生成部が出力する信号PARAM_VPGM[0]が与えられる。MOSトランジスタ109は、電流経路の一端がノードN51に接続され、電流経路の他端が接地され、ゲートには、生成部が出力する信号PARAM_VPGM[1]が与えられる。MOSトランジスタ100は、電流経路の一端がノードN52に接続され、電流経路の他端が接地され、ゲートには、生成部が出力する信号PARAM_VPGM[2]が与えられる。また、以下、図中では省略するが、MOSトランジスタ101は、電流経路の一端がノードN53に接続され、電流経路の他端が接地され、ゲートには、生成部が出力する信号PARAM_VPGM[3]が与えられる。MOSトランジスタ102は、電流経路の一端がノードN54に接続され、電流経路の他端が接地され、ゲートには、生成部が出力する信号PARAM_VPGM[4]が与えられる。MOSトランジスタ103は、電流経路の一端がノードN55に接続され、電流経路の他端が接地され、ゲートには、生成部が出力する信号PARAM_VPGM[6]が与えられる。そして、MOSトランジスタ104は、電流経路の一端がノードN56に接続され、電流経路の他端が接地され、ゲートには、生成部が出力する信号PARAM_VPGM[7]が与えられる。
そして、例えば生成部は信号PARAM_VPGM[t]のうちいずれか1つを‘H’レベル、それ以外を‘L’レベルとして出力する。つまり、信号PARAM_VPGM[t]として、‘H’レベルを与えられたMOSトランジスタ108乃至114のいずれかひとつがオン状態となり、それ以外のMOSトランジスタがオフ状態を維持する。そして、生成部が、例えば信号PARAM_VPGM[t]として‘H’レベルをいずれか1つ出力した場合、抵抗素子RDtと抵抗素子RDt+1とのノードN5tに一端が接続されたMOSトランジスタがオン状態となるため、抵抗群83の抵抗値RDは、下記(26)式で表される。
<生成部の構成例について>
次に、上記生成部84の構成について図51を用いて詳細に説明する。図51は、上記抵抗群83の抵抗値RDを決定する生成部84の回路図である。図示するように、生成部84は、デコーダ120、OR回路121乃至123、及びAND回路124乃至129を備えている。
次に、抵抗素子RDの抵抗値を決定すべく、生成部84内で演算される各信号について詳細に説明する。まず、信号P_VPGM_E、及び信号P_VPGM_Oはそれぞれ3ビットの信号である。すなわち、信号P_VPGM_E、及び信号P_VPGM_O は[000]、[001]、[010]、[011]、[100]、[101]、[110]、[111]のいずれか信号を備える。そして、その信号は、選択する抵抗値RDに応じて、いずれか1つの信号に決定される。なお、本実施形態では、信号P_VPGM_Eとして、[001]、[011]、[101]、[111]の情報を有し、信号P_VPGM_Oとして、[000]、[010]、[100]、[110]の情報を有する。
また、信号SEL_WLE、及び信号SEL_WLOはそれぞれ1ビットの情報を備える。つまり、信号SEL_WLO、及び信号SEL_WLEとして出力されるビット信号は、‘0’、または‘1’のいずれかのビット信号である。そして例えば、選択ワード線WLとして、ワード線WL(2l)が選択された場合、信号SEL_WLEは‘1’を出力し、ワード線WL(2l+1)が選択された場合、信号SEL_WLOは‘1’を出力する。
そして、AND回路124、126、及び128は信号P_VPGM_E、と信号SEL_WLEとのAND演算を行う。そして、AND回路125、127、129は、信号P_VPGM_Oと信号SEL_WLOとのAND演算を行う。つまり、AND回路124は、信号P_VPGM_Eの最上位ビットと信号SEL_WLEとをAND演算する。AND回路126は、信号P_VPGM_Eの中位ビットと信号SEL_WLEとをAND演算する。AND回路128は、信号P_VPGM_Eの最下位ビットと信号SEL_WLEとをAND演算する。
AND回路125は、信号P_VPGM_Oの最上位ビットと信号SEL_WLOとをAND演算する。AND回路127は、信号P_VPGM_Oの中位ビットと信号SEL_WLOとをAND演算する。AND回路129は、信号P_VPGM_Oの最下位ビットと信号SEL_WLOとをAND演算する。
OR回路121は、AND回路124の演算結果とAND回路125の演算結果のOR演算を行う。OR回路122は、AND回路126の演算結果とAND回路127の演算結果のOR演算を行う。OR回路123は、AND回路128の演算結果とAND回路129の演算結果のOR演算を行う。デコータ120は、OR回路121乃至123から与えられたそれぞれの信号につきデコードする。そして、デコーダ120は、そのデコード結果に基づき、信号PARAM_VPGM出力する。
上記構成において、例えば、選択ワード線WLが奇数であり、OR回路121乃至123から与えられたビット信号が[000]であった場合、デコーダ120はデコード結果として‘0’を出力する。すなわち、PARAM_VPGM[0]となり、抵抗群83の抵抗値RDはRD0となる。
同様に、選択ワード線WLが偶数であり、OR回路121乃至123から与えられたビット信号が[001]であった場合、デコード結果として‘1’が出力される。このため、PARAM_VPGM[1]=‘H’となり、抵抗群83の抵抗値RDは(RD0+RD1)となる。
同様に選択ワード線WLが奇数である場合における抵抗値RDは、以下の通りである。つまり、OR回路121乃至123から与えられたビット信号が[010]が出力された場合、デコーダ120によりデコード結果として出力は‘2’とされる。このため、PARAM_VPGM[2] =‘H’となり、抵抗群83の抵抗値RDは(RD0+RD1+RD2)となる。OR回路121乃至123から与えられたビット信号が[100]であった場合、デコーダ120によりデコード結果として出力は‘4’とされる。このため、PARAM_VPGM[4] =‘H’となり、抵抗群83の抵抗値RDは(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4)となる。
OR回路121乃至123から与えられたビット信号が[110]であった場合、デコーダ90によりデコード結果として出力は‘6’とされる。このため、PARAM_VPGM[6] =‘H’となり、抵抗群83の抵抗値RDは(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4+RD5+RD6)となる。
そして、選択ワード線WLが偶数である場合における抵抗値RDは、以下の通りである。つまり、OR回路121乃至123から与えられたビット信号として[011]が出力された場合、デコーダ120によりデコード結果として出力は‘3’とされる。このため、PARAM_VPGM[3] =‘H’となり、抵抗群123の抵抗値RDは(RD0+RD1+RD2+RD3)となる。
OR回路121乃至123から与えられたビット信号が[101]であった場合、デコーダ120によりデコード結果として出力は‘5’とされる。このため、PARAM_VPGM[5] =‘H’となり、抵抗群83の抵抗値RDは(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4+RD5)となる。そして、OR回路121乃至123から与えられたビット信号が[111]であった場合、デコーダ120によりデコード結果として出力は‘7’とされる。このため、PARAM_VPGM[7] =‘H’となり、抵抗群83の抵抗値RDは(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4+RD5+RD6+RD7)となる。すなわち、選択ワード線WLがワード線WL(2l+1)であって、つまりワード線WLの線幅L2である場合、信号PARAM_VPGM[0]、[2]、[4] [6]のいずれか1つか‘H’レベルとなり、決定されたPARAM_VPGMにより抵抗値RDが確定する。また、選択ワード線WLがワード線WL(2l)であって、つまりワード線WLの線幅L1である場合、信号PARAM_VPGM[1]、[3]、[5]、[7]のいずれか1つか‘H’レベルとなり、これにより決定されたPARAM_VPGMにより抵抗値RDが確定する。
<高電圧発生回路9の動作の流れについて>
次に、上記生成部84を備えた高電圧発生回路9の動作について、図52を用いて説明する。図52は、高電圧発生回路9、及び該高電圧発生回路9が備える生成部84が、データの書き込み動作時に書き込み電圧VPGMを発生させる流れを示したフローチャートである。
まず、生成部84は、データの書き込み時に一番低い書き込み電圧VPGMから生成すべく、m=3と設定する(ステップS0)。次に、生成部84は、図示せぬアドレス回路から与えられたアドレス信号に基づいて、書き込み電圧VPGMを印加するワード線WLが偶数か、奇数かを判断する(S1)。
その結果、アドレス回路から与えられたアドレス信号が、選択ワード線WLは奇数を示す信号であると判断した場合(YES、S1)、生成部84は、t=(2m+1)として、信号PARAM_VPGM[t]を生成する。m=3であれば、t=2・3+1=7であるので、PARAM[7]を出力する。すなわち、生成部84は、信号SEL_WLOとして出力された‘1’と、信号P_VPGM_Oとして出力された[111]とをそれぞれAND演算、OR演算を行い、更には該演算結果をデコーダ120によりデコードすることで、MOSトランジスタ114のゲートに‘H’レベル信号を出力する。これにより、抵抗群83の抵抗値RDは、(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4+RD5+RD6+RD7)と決定される(S2)。
ステップS2の結果、比較器81は、抵抗値RDにより生じる電圧降下に基づいたノードN41の電圧VMONと基準電圧Vrefとを比較し、該電圧VMONと該基準電圧Vrefとが一致するよう、チャージポンプ80に信号EN_CPとして‘H’レベルを出力する。これにより、ノードN40の書き込み電圧VPGMが電圧Vprg2に設定される。そして、高電圧発生回路9は、電圧Vprg2とされた書き込み電圧VPGMを、ロウデコーダ3へと転送する(S3)。
その後、制御部2は、選択ワード線WLに接続された制御ゲートを備えたメモリセルトランジスタMTにデータが書き込まれたかを確認する。書き込みが終了している場合(YES、S4)、高電圧発生回路9は、選択ワード線WLへの書き込み電圧VPGMの転送を終了する。
また、ステップS4にて、書き込み電圧Vprg2では、データの書き込みが行われなかったと制御部2が判断した場合(NO、S4)、生成部84へとm=0かどうかを確認するよう指示する。これにより、m=0である場合(YES、S5)も、高電圧発生回路9は、選択ワード線WLへの書き込み電圧VPGMの転送を終了する。
ステップS5において、m=0でない場合(NO、S5)、生成部84はそれまで保持していたmの値から1を引いた値、つまりm=(m−1)とすることで(S7)、新しいmを決定し、更にV2よりも高い書き込み電圧VPGMを生成すべく、生成部84は上記ステップS2、S3の動作を繰り返す。
また、ステップS1において、アドレス回路から与えられたアドレス信号に基づき、生成部84が選択ワード線WLを偶数であったと判断した場合(NO、S1)、生成部84は、t=(2m+1)として、信号PARAM_VPGMを生成する。ステップS1よりm=3が与えられていることから、t=2・3=6であるので、PARAM[6]を出力する。すなわち、生成部64は、信号SEL_WLEとして出力された‘1’と、信号P_VPGM_Eとして出力された[110]とをそれぞれAND演算、OR演算を行い、更には該演算結果をデコーダ120によりデコードすることで、MOSトランジスタ113のゲートに‘H’レベル信号を出力する。これにより、抵抗群83の抵抗値RDは、(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4+RD5+RD6)と決定される(S6)。
ステップS6の結果、比較器81は、抵抗値RDにより生じる電圧降下に基づいたノードN41の電圧VMONと基準電圧Vrefとを比較し、該電圧VMONと該基準電圧Vrefとが一致するよう、チャージポンプ80に信号EN_CPとして‘H’レベルを出力する。これにより、ノードN40の書き込み電圧VPGMが電圧Vprg1に設定される。そして、高電圧発生回路9は、電圧Vprg1とされた書き込み電圧VPGMを、ロウデコーダ3へと転送する(S3)。
その後、高電圧発生回路9を含む制御部2は、m=0に達するまで、上記ステップS4乃至S6までの作業を繰り返しつつ、選択ワード線WLに接続された制御ゲートを備えたメモリセルトランジスタMTにデータが書きこまれたかを確認する。すなわち、書き込みが終了している場合(YES、S4)、高電圧発生回路9は、選択ワード線WLへの書き込み電圧VPGMの転送を終了する。
<高電圧発生回路9が出力する電圧VPGMについて>
次に、上記生成部84が抵抗群83の抵抗値RDを変化させた場合の、高電圧発生回路9が出力する書き込み電圧VPGMのタイムチャートを、図53を用いて示す図53は、実線に奇数ワード線WL(2l+1)に印加する書き込み電圧VPGM_O(図中(a))を実線で、破線に偶数ワード線WL(2l)に印加する書き込み電圧VPGM_E(図中(b))を破線で示したグラフである。
(a)に示すように、ワード線WL(2l+1)に印加される書き込み電圧は、低い方から電圧Vprg1、電圧Vprg3、電圧Vprg5、電圧Vprg7となる値をとる。すなわち、前述したデコーダ120に与えられるビット信号が[110]である場合、ノードN40の書き込み電圧VPGMは電圧Vprg1となる。以下、ビット信号が[100]である場合、ノードN40の書き込み電圧VPGMは電圧Vprg3となる。ビット信号が[010]である場合、ノードN40の書き込み電圧VPGMは電圧Vprg5となる。そして、ビット信号が[000]である場合、ノードN40の書き込み電圧VPGMは電圧Vprg7となる。
また、(b)に示すように、ワード線WL(2l)に印加される書き込み電圧は、低い方から電圧Vprg2、電圧Vprg4、電圧Vprg6、電圧Vprg8となる値をとる。すなわち、前述したデコーダ120に与えられるビット信号が[111]である場合、ノードN40の書き込み電圧VPGMは電圧Vprg2となる。以下、ビット信号が[101]である場合、ノードN40の書き込み電圧VPGMは電圧V4となる。ビット信号が[011]である場合、ノードN40の書き込み電圧VPGMは電圧Vprg6となる。そして、ビット信号が[001]である場合、ノードN40の書き込み電圧VPGMは電圧Vprg8となる。すなわち、抵抗群83の抵抗値RDが大きい程、ノードN41における電圧VMONと基準電圧Vrefとの電圧差を一致させるように、チャージポンプ80が接続ノード40に対し書き込み電圧を上昇させるためにポンピング量が少なく済む。すなわち、書き込み電圧VPGMの値が小さくなる。
逆に、抵抗群83の抵抗値RDが小さい程、ノードN41における電圧VMONと基準電圧Vrefとの電圧差を一致させるように、チャージポンプ80が接続ノード40に対し書き込み電圧VPGMを上昇させるためのポンピング量が多くなる。すなわち、書き込み電圧VPGMの値が大きくなる。
本実施形態に係る半導体記憶装置であって、図48乃至図50のような構成を含む高電圧発生回路9であると、大小異なるワード線WLの線幅Lに応じた書き込み電圧VPGMを生成することができる。すなわち、ワード線WLに対応し、チャネル長L1よりも小さなチャネル長L2を有するメモリセルトランジスタMTの制御ゲート27に対し、図53の(a)のグラフに示すような、適切な書き込み電圧VPGMを印加することができる。
これにより、たとえ線幅L1を有したゲート電極よりも小さな線幅L2を有したゲート電極であっても、該ゲート電極の制御ゲート27に印加した書き込み電圧VPGMをゲート絶縁膜24へと十分伝えることができる。すなわち、データの書き込み時において、メモリセルトランジスタMTのオン・オフ比を十分とることが出来る。また、ここでのオン・オフ比とは、例えば、メモリセルトランジスタMTのゲート電極の制御ゲート27に電圧を印加することで、メモリセルトランジスタMTに接続されたビット線BL、及びソース線SLが導通した際に流れる最小の電流値(以下、Imin)と、非導通であっても流れてしまう最大の電流値(以下、Imax)との比率である。つまり、この比率(Imin/Imax)の値が大きくなる程、セル特性が良好となる。そして、本実施形態に係る半導体記憶装置であると、(Imin/Imax)の値が大きくなることから、読み出し時において、センスアンプ4による誤読み出しも防止することができる。更には、ゲート絶縁膜24に印加される電界が、該ゲート絶縁膜の中心部に比べ、端部に向かうほど弱くなることを回避することができる。
なお、本実施形態に係る半導体記憶装置では、ビット線BL、及び活性領域AAがバラつかず、ワード線WLのみがバラつく場合について述べたが、以下説明する組み合わせの場合であっても、上記電圧発生回路9を適用することで、データの書き込み時、メモリセルトランジスタMTの特性のバラつきによる、書き込みのバラつきを抑制することが出来る。以下、ワード線WL(2l)が線幅L1、ワード線WL(2l+1)が線幅L2とした場合におけるビット線BL、及び活性領域の大小の組み合わせを説明する。なお、組み合わせは、ワード線WL(2l)が線幅L2、ワード線WL(2l+1)が線幅L1であっても同一であるので説明を省略する。
<ビット線BL、及び活性領域AAの組み合わせについて>
(i)線幅W1、及びW2を備えたビット線BLのみがバラつく。
(ii)線幅W3、及びW4を備えた活性領域AAのみがバラつく。
(iii)線幅W3を備えた活性領域AA2(j−1)に対応するビット線BL(2j−1)が線幅W1であって、線幅W4を備えた活性領域AA(2j−1)に対応するビット線BL(2j−1)が線幅W2である場合。
(iv)線幅W4を備えた活性領域AA2(j−1)に対応するビット線BL2(j−1)が線幅W2であって、線幅W3を備えた活性領域AA(2j−1)に対応するビット線BL(2j−1)が線幅W1である場合。
(v)線幅W3を備えた活性領域AA2(j−1)に対応するビット線BL2(j−1)が線幅W2であって、線幅W4を備えた活性領域AA(2j−1)に対応するビット線BL(2j−1)が線幅W1である場合。
(vi)線幅W4を備えた活性領域AA2(j−1)に対応するビット線BL2(j−1)が線幅W1であって、線幅W3を備えた活性領域AA(2j−1)に対応するビット線BL(2j−1)が線幅W2である場合。
なお、本実施形態に係る半導体記憶装置では、線幅L1をワード線WL(2l)が有し、線幅L1よりも小さな線幅L2をワード線WL(2l+1)が有するものとして説明した。しかし、ワード線WL(2l)が線幅L2であって、ワード線WL(2l+1)が線幅L1であっても、本実施形態に係る高電圧発生回路9を適用することは有効である。すなわち、ワード線WL(2l+1)が選択された場合、抵抗群83の抵抗値RDがPARAM_VPGM[1]、[3]、[5]、[7]のいずれか1つに決定されるよう、図51で説明した信号P_VPGM_Eに[001]、[011]、[101]、[111]を設定する。逆に、ワード線WL(2l)が選択された場合、抵抗群63の抵抗値RDがPARAM_VPGM[0]、[2]、[4]、[6]のいずれか1つに決定されるよう、図51で説明した信号P_VPGM_Eに[000]、[010]、[100]、[110]を設定すればよい。
なお、側壁加工技術を用いて溝を形成した後、ダマシーン法を用いた手法に限らず、ビット線BL、活性領域AA、及びワード線WLの幅が大小交互にバラついた場合であっても、本実施形態に係る高電圧発生回路9を適用することが可能である。そして、更に複数存在し、隣接するワード線WL間隔が、大小繰り返された場合であっても、本実施形態に係る高電圧発生回路9を適用することが可能である。
なお、本実施形態に係る高電圧発生回路9は、上記説明したデータの書き込み時に、選択ワード線WLに転送される電圧VPGMのみならず、非選択ワード線WLに転送される電圧VPASSを生成することに対しても適用可能である。更には、データを読み出し時に選択ワード線WLに転送されるVCGR、非選択ワード線WLに転送される電圧VREADにも適用可能である。
まず、高電圧発生回路9が、電圧VPGMの代わりに、電圧VPASSを生成する場合について説明する。電圧VPASSは、メモリセルトランジスタMTの保持するデータに関わらず、メモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧である。つまり、電圧VPASSは、図53で示すステップアップ状の電圧VPGMとは異なり、一定の高い電圧である必要がある。つまり、生成部84は、電圧VPASSを大きくすべく、抵抗群83の抵抗値を選択する。すなわち、選択ワード線WLが、ワード線WL(2l)であった場合、生成部84は、例えば、抵抗群83の抵抗値RDを、(RD0+RD1)とする。また選択ワード線WLが、ワード線WL(2l+1)であった場合、生成部84は、例えば抵抗群83の抵抗値RDを、RD0とする。また、比較器81の正入力端子に供給される基準電圧Vrefは、電圧VPASSに応じた大きさを持つ。
なお、上記抵抗値RDの選択方法は、ワード線WL(2l)の線幅がW1を、ワード線WL(2l+1)の線幅がW2である場合について説明したが、線幅が逆に形成された場合は、抵抗値を上記の逆にすればよい。なお、高電圧発生回路9が出力する電圧VPASSは、メモリセルトランジスタMTがオン状態になる程度の十分高い電圧であれば良いため、生成部84が選択する抵抗値RDは、RD0や、(RD0+RD1)のみに限られない。
上記のように、電圧VPGMよりも低い電圧VPASSであっても、第4の実施形態に係るNAND型フラッシュメモリを備えた半導体記憶装置、及びその制御方法が適用できる。
更に、高電圧発生回路9が、電圧VPGMの代わりに、電圧VCGR、及び電圧VREADを生成する場合について説明する。前述したように、電圧VREADは、メモリセルトランジスタMTの保持するデータに関わらず、メモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧であるであるため、電圧VPASS同様、一定の高い電圧である必要がある。つまり、生成部84は、電圧VREADを大きくすべく、抵抗群83の抵抗値を選択する。すなわち、選択ワード線WLが、ワード線WL(2l)であった場合、生成部84は、例えば、抵抗群83の抵抗値RDを、(RD0+RD1)とする。また選択ワード線WLが、ワード線(2l+1)であった場合、生成部84は、例えば抵抗群83の抵抗値RDを、RD0とする。また、比較器81の正入力端子に供給される基準電圧Vrefは、電圧VREADに応じた大きさを持つ。
そして、電圧VCGRは、メモリセルトランジスタMTの読み出すべきデータに応じて変化する。すなわち選択ワード線WLがワード線WL(2l)であった場合、生成部84は、まずは低い電圧VCGRを生成すべく、抵抗群83の抵抗値RDを適切な値に設定する。また選択ワード線WLが、ワード線(2l+1)であった場合、生成部84は、例えば抵抗群83の抵抗値RDを適切な値に設定する。以下、図2のメモリセルトランジスタMTの閾値分布を用いて、例えばワード線WL(2l)、及びワード線WL(2l+1)に対応するメモリセルトランジスタMTが‘1’データを読み出したい場合を例に挙げて説明する。
選択ワード線WLがワード線WL(2l)である場合、電圧VCGRとして、V01を生成すべく生成部84は、抵抗値RDの値を(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4+RD5+RD6+RD7)とする。この時、メモリセルトランジスタMTが‘1’データを保持していると、メモリセルトランジスタMTはオフ状態となり、該メモリセルトランジスタMTのチャネル領域には電流が流れない。そこで、生成部84は、V12を生成すべく抵抗値RDの値を(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4+RD5)とする。これにより、電圧VCGRとして、電圧V12を生成させる。この場合、メモリセルトランジスタMTがオン状態となれば、当該メモリセルトランジスタMTが保持するデータは‘1’データであるということが分かる。
更に選択ワード線WLがワード線WL(2l+1)である場合、電圧VCGRとして、V01よりも高いV01’を生成すべく生成部84は、抵抗値RDの値を(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4+RD5+RD6)とする。この時、メモリセルトランジスタMTは‘1’データを保持していると、メモリセルトランジスタMTはオフ状態となり、該メモリセルトランジスタMTのチャネル領域には電流が流れない。そこで、生成部84は、V12よりも高いV12’を生成すべく抵抗値RDの値を(RD0+RD1+RD2+RD3+RD4)とする。これにより、電圧VCGRとして、電圧V12’を生成させる。この場合、メモリセルトランジスタMTがオン状態となれば、当該メモリセルトランジスタMTが保持するデータは‘1’データであるということが分かる。また、比較器81の正入力端子に供給される基準電圧Vrefは、電圧VCGRに応じた大きさを持つ。
なお、上記抵抗値RDの選択方法は、ワード線WL(2l)の線幅がW1を、ワード線(2l+1)の線幅がW2である場合について説明したが、線幅が逆に形成された場合は、抵抗値を上記の逆にすればよい。
なお、上記第1の実施形態において、ノードN4、及びノードN10にそれぞれ接続された可変抵抗素子70、及び71を示したが、抵抗値がそれぞれR_e、及びR_oであれば、該抵抗素子70、及び71以外であってもよい。
なお、前記設定部は、論理回路と、前記論理回路の出力端が接続されたデコーダとを備え、前記設定部は、前記チャージポンプに前記第1電圧、または前記第2電圧を発生させるべく、前記論理回路に入力された第1信号と前記ロウデコーダにより前記第1ワード線が選択されるとHレベルを出力する第3信号との演算結果、並びに第2信号と前記ロウデコーダにより前記第2ワード線が選択されるとHレベルを出力する第4信号との演算結果を、前記デコーダによりデコードされた結果に基づき、前記第2抵抗素子の値を設定する。
なお、以上MONOS構造について説明したが、FG型の構成をとるメモリセルでもよい。FG型の構成であると、積層ゲートはp型半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された浮遊ゲート(導電層)と、浮遊ゲート上にゲート間絶縁膜を介在して形成された制御ゲートとを含む。
なお、本実施形態では、一例として、偶数ビット線BL2(j−1)が線幅W1(>W2)を有し、奇数ビット線BL(2j−1)が線幅W2を有するものとして説明をするが、この逆であっても良い。すなわち、W1<W2であってもよい。つまり抵抗素子70、及び抵抗素子71の抵抗値R_e、及びR_oは、ビット線BLの線幅Wに応じて、最適な値を選択されることができる。
なお、本実施形態ではビット線BLnを奇数番目に配置されているものとし、ビット線BL(n−1)を偶数番目に配置されているものとしてもよい。この場合、ビット線BLnは線幅W2を有し、ビット線BL(n−1)は線幅W1を数する。なお、活性領域AAn、及びAA(n−1)についても同様である。
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
1…メモリセルアレイ、2…制御部、3…ロウデコーダ、4…センスアンプ、5…MOSトランジスタ、6…ビット線BLドライバ、7…NANDストリング、10…データ入出力回路、11、12…セレクトゲート線、13…ワード線WLドライバ、20…半導体基板、21…nウェル、22…pウェル、23…n型ウェル領域、24…ゲート絶縁膜、25…電荷蓄積層、26…ブロック膜、27…制御ゲート、30…ゲート電極、31、34…層間絶縁膜、32、33…配線金属膜、35、37、39、41、49…絶縁膜、38、49…フォトレジスト、40…溝、42…素子分離領域、60、61…電流源、62〜69…MOSトランジスタ、70、71…可変抵抗、80…チャージポンプ、81…比較器、82…抵抗RL、83…可変抵抗RD、84…生成部、90乃至97…抵抗素子RD、108乃至114…MOSトランジスタ、120…デコーダ、121乃至123…OR回路、124乃至129…NAND回路