JP2011040166A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動作性能を向上出来る半導体記憶装置を提供すること。
【解決手段】電荷蓄積層104と制御ゲート106とを含み、閾値電圧に応じて2値以上のデータを保持可能なメモリセルMTと、前記メモリセルMTのドレインに電気的に接続されたビット線BLと、前記メモリセルMTのソースに電気的に接続されたソース線SLと、前記データの読み出し動作時及びベリファイ動作時において、前記ソース線SLに流れる電流を検出する検出回路70と、前記ビット線BLに流れる電流をセンスして、前記データを読み出すセンスアンプ20とを具備し、前記検出回路70で検出された電流量に応じて、前記センスアンプ20が同一データについて再度センスするか否かが決定される。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体記憶装置に関する。例えば、NAND型フラッシュメモリの読み出し動作に関する。
従来、不揮発性の半導体メモリとしてNAND型フラッシュメモリが知られている。またNAND型フラッシュメモリでは、データの読み出し方法として、電流をセンスする方法を知られている(例えば特許文献1参照)。
本手法であると、ビット線の電位を一定に保つことで、ビット線間のノイズの影響を低減している。しかしながら、ビット線の電位を一定とするために、ビット線からソース線にセル電流を流し続ける必要がある。すると、1ページのサイズが例えば数Kバイト程度の場合、セル電流の総計は100mA程度の非常に大きな値となる。そのため、セル電流の総計が、1チップに許される電流スペックを超えてしまい、製品としての信頼性を悪化させる恐れがあった。
また電流をセンスする方法では、セル電流が大きいことを前提として、同一のデータにつき複数回のセンス動作を行っている。しかし、データパターンによってはセル電流が小さい場合もあり得る。つまり、この場合には、センス動作は1回で十分であり、複数回のセンス動作は無駄である。その結果、読み出し動作に必要な時間が無駄に長くなるという問題があった。
以上のように、従来のNAND型フラッシュメモリであると、セル電流の大小に起因して、その動作性能が悪化するという問題があった。
特表2006−500727号
この発明は、動作性能を向上出来る半導体記憶装置を提供する。
この発明の一態様に係る半導体記憶装置は、電荷蓄積層と制御ゲートとを含み、2値以上のデータを保持可能なメモリセルと、前記メモリセルのドレインに電気的に接続されたビット線と、前記メモリセルのソースに電気的に接続されたソース線と、前記データの読み出し動作及びベリファイ動作時において、前記ビット線に流れる電流をセンスして、前記データを読み出すセンスアンプと、前記データの読み出し動作時及びベリファイ動作時において、前記ビット線のプリチャージ電位を制御するビット線ドライバと、前記ビット線ドライバを制御する制御回路とを具備し、前記センスアンプは、同一の前記データにつき複数回にわたって読み出しを行い、前記制御回路は、前記ビット線ドライバに対して、読み出しレベルの最も低いデータの1回目の読み出し時における前記プリチャージ電位を第1電位とし、それ以降の読み出し時における前記プリチャージ電位を、前記第1電位よりも高い第2電位とするよう、命令する。
本発明によれば、動作性能を向上出来る半導体記憶装置を提供出来る。
この発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第1の実施形態に係るメモリセルアレイの断面図。 この発明の第1の実施形態に係るメモリセルの閾値分布を示すグラフ。 この発明の第1の実施形態に係るセンスアンプの回路図。 この発明の第1の実施形態に係るメモリセルユニットの回路図。 この発明の第1の実施形態に係るメモリセルユニットの一部領域の断面図。 この発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、読み出しレベルとワード線電圧との関係を示すグラフ。 この発明の第1の実施形態に係るセンスアンプの回路図。 この発明の第1の実施形態に係るセンスアンプの回路図。 この発明の第1の実施形態に係るセンスアンプの回路図。 この発明の第1の実施形態に係るセンスアンプの回路図。 この発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリの動作を示すフローチャート。 この発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリの一部領域の回路図。 この発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、読み出し動作時の各種電圧のタイミングチャート。 この発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、読み出し動作時の各種電圧のタイミングチャート。 フラッシュメモリにおける、読み出し動作時の各種電圧のタイミングチャート。 この発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、読み出し動作時の各種電圧のタイミングチャート。 この発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリの動作を示すフローチャート。 この発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、読み出し動作時の各種電圧のタイミングチャート。 プリチャージレベルとセル電流の総計との関係を示すグラフ。 この発明の第2の実施形態に係るメモリセルトランジスタの回路図であり、読み出し時における電圧関係を示す図。 この発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、プリチャージレベルとセル電流の総計との関係を示すグラフ。 この発明の第3の実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第4の実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第4の実施形態に係るフラッシュメモリの動作を示すフローチャート。 この発明の第4の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、読み出し動作時の各種電圧のタイミングチャート。 この発明の第5の実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第6の実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第7の実施形態に係るソース線制御回路及び検出回路のブロック図。 この発明の第7の実施形態に係るフラッシュメモリの動作を示すフローチャート。 この発明の第7の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、読み出し動作時の各種電圧のタイミングチャート。 この発明の第7の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、ソース線の電位とセル電流の総計との関係を示すグラフ。 この発明の第8の実施形態に係るソース線制御回路及び検出回路のブロック図。 この発明の第8の実施形態に係るフラッシュメモリの動作を示すフローチャート。 この発明の第8の実施形態に係るフラッシュメモリにおける、読み出し動作時の各種電圧のタイミングチャート。
以下、この発明の実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
[第1の実施形態]
この発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置について、NAND型フラッシュメモリを例に挙げて説明する。
<NAND型フラッシュメモリの構成>
図1は、この発明の第1の実施形態に係るNAND型フラッシュメモリのブロック図である。図示するようにNAND型フラッシュメモリ1は、メモリセルアレイ10、センスアンプ20、ロウデコーダ30、ビット線ドライバ40、MOSトランジスタ50、ソース線制御回路60、検出回路70、シーケンサ80、及びコア制御回路90を備えている。
まずメモリセルアレイ10について説明する。メモリセルアレイ10は、複数のメモリセルユニット11を備えている。メモリセルユニット11の各々は、例えば32個のメモリセルトランジスタMT0〜MT31と、選択トランジスタST1、ST2とを含んでいる。以下、メモリセルトランジスタMT0〜MT31を区別しない場合には、一括してメモリセルトランジスタMTと呼ぶことにする。メモリセルトランジスタMTは、半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された電荷蓄積層(例えば浮遊ゲート)と、電荷蓄積層上にゲート間絶縁膜を介在して形成された制御ゲートとを有する積層ゲート構造を備えている。なお、メモリセルトランジスタMTの個数は32個に限られず、8個や16個、64個、128個、256個等であってもよく、その数は限定されるものではない。メモリセルトランジスタMTは、隣接するもの同士でソース、ドレインを共有している。そして、選択トランジスタST1、ST2間に、その電流経路が直列接続されるようにして配置されている。直列接続されたメモリセルトランジスタMTの一端側のドレインは選択トランジスタST1のソースに接続され、他端側のソースは選択トランジスタST2のドレインに接続されている。
同一行にあるメモリセルトランジスタMTの制御ゲートはワード線WL0〜WL31のいずれかに共通接続され、同一行にあるメモリセルの選択トランジスタST1、ST2のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD、SGSに共通接続されている。なお説明の簡単化のため、以下ではワード線WL0〜WL31を、単にワード線WLと呼ぶことがある。また、メモリセルアレイ10において同一列にある選択トランジスタST1のドレインは、ビット線BL0〜BLm(mは自然数)に共通接続される。ビット線BL0〜BLmについても、単にビット線BLと呼ぶことがある。選択トランジスタST2のソースはソース線SLに共通接続される。なお、選択トランジスタST1、ST2は必ずしも両方必要ではなく、メモリセルユニット11を選択出来るのであればいずれか一方のみが設けられていても良い。
図1では、1行のメモリセルユニット11のみを図示している。しかし、メモリセルアレイ10内には複数行のメモリセルユニット11が設けられても良い。この場合、同一列にあるメモリセルユニット11は同一のビット線BLに接続される。また、同一のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTには一括してデータが書き込まれ、この単位をページと呼ぶ。更に、同一行にある複数のメモリセルユニット11は一括してデータが消去され、この単位をメモリブロックと呼ぶ。
次に、上記メモリセルアレイ10の備えるメモリセルユニット11の構成について、図2を用いて説明する。図2は、メモリセルユニット11のビット線方向に沿った断面図である。
図示するように、p型半導体基板100の表面領域内にn型ウェル領域101が形成され、n型ウェル領域101の表面領域内にp型ウェル領域102が形成されている。p型ウェル領域102上にはゲート絶縁膜103が形成され、ゲート絶縁膜103上に、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート電極が形成されている。メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート電極は、ゲート絶縁膜103上に形成された多結晶シリコン層104、多結晶シリコン層104上に形成されたゲート間絶縁膜105、及びゲート間絶縁膜105上に形成された多結晶シリコン層106を有している。ゲート間絶縁膜105は、例えばシリコン酸化膜、またはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造であるON膜、NO膜、またはONO膜、またはそれらを含む積層構造、またはTiO、HfO、Al、HfAlO、HfAlSi膜とシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜との積層構造で形成される。またゲート絶縁膜103はトンネル絶縁膜として機能するものである。
メモリセルトランジスタMTにおいては、多結晶シリコン層104は浮遊ゲート(FG)として機能する。他方、多結晶シリコン層106は、ビット線に直交する方向で隣接するもの同士で共通接続されており、制御ゲート(ワード線WL)として機能する。選択トランジスタST1、ST2においては、多結晶シリコン層104、106はワード線方向で隣接するもの同士で共通接続されている。そして、多結晶シリコン層104、106が、セレクトゲート線SGS、SGDとして機能する。なお、多結晶シリコン層104のみがセレクトゲート線として機能しても良い。この場合、選択トランジスタST1、ST2の多結晶シリコン層106の電位は、一定の電位、またはフローティングの状態とされる。ゲート電極間に位置する半導体基板100表面内には、n型不純物拡散層107が形成されている。不純物拡散層107は隣接するトランジスタ同士で共用されており、ソース(S)またはドレイン(D)として機能する。また、隣接するソースとドレインとの間の領域は、電子の移動領域となるチャネル領域として機能する。これらのゲート電極、不純物拡散層107、及びチャネル領域によって、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2となるMOSトランジスタが形成されている。
半導体基板100上には、上記メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2を被覆するようにして、層間絶縁膜108が形成されている。層間絶縁膜108中には、ソース側の選択トランジスタST2の不純物拡散層(ソース)107に達するコンタクトプラグCP1が形成されている。そして層間絶縁膜108上には、コンタクトプラグCP1に接続される金属配線層109が形成されている。金属配線層109はソース線SLの一部として機能する。また層間絶縁膜108中には、ドレイン側の選択トランジスタST1の不純物拡散層(ドレイン)107に達するコンタクトプラグCP2が形成されている。そして層間絶縁膜108上に、コンタクトプラグCP2に接続される金属配線層110が形成されている。
層間絶縁膜108上には、金属配線層109、110を被覆するようにして、層間絶縁膜111が形成されている。そして層間絶縁膜111中に、金属配線層110に達するコンタクトプラグCP3が形成されている。そして、層間絶縁膜111上には、複数のコンタクトプラグCP3に共通に接続された金属配線層112が形成されている。金属配線層112はビット線BLとして機能する。
次に、上記メモリセルトランジスタMTの閾値分布について図3を用いて説明する。図3は、横軸に閾値電圧Vthをとり、縦軸にメモリセルトランジスタMTの存在確率を示したグラフである。
図示するように、各々のメモリセルトランジスタMTは8値(8-levels)のデータ(3ビットデータ)を保持出来る。すなわちメモリセルトランジスタMTは、閾値電圧Vthの低い順に“0”、“1”、“2”、“3”、…“7”の8種のデータを保持出来る。メモリセルトランジスタMTにおける“0”データの閾値電圧Vth0は、Vth0<V01である。“1”データの閾値電圧Vth1は、V01<Vth1<V12である。“2”データの閾値電圧Vth2は、V12<Vth2<V23である。“3”データの閾値電圧Vth3は、V23<Vth3<V34である。“4”データの閾値電圧Vth4は、V34<Vth4<V45である。“5”データの閾値電圧Vth5は、V45<Vth5<V56である。“6”データの閾値電圧Vth6は、V56<Vth6<V67である。そして、“7”データの閾値電圧Vth7は、V67<Vth7である。
そして、例えば上記電圧V12が0Vである。すなわち、“0”データ及び“1”データの閾値電圧Vth0、Vth1は負の値であり、“2”〜“7”データの閾値電圧Vth2〜Vth7は正の値である。以下では、“i”データ(iは1〜7のいずれか)についての電圧V(i−1)iを、それぞれ“i”データについての「読み出しレベル」と呼ぶことにする。つまり、電圧V01は“1”データについての読み出しレベルであり、電圧V12は“2”データについての読み出しレベルである。そして“1”〜“7”データのうち、“1”データの読み出しレベルが負の値であり、“2”データについての読み出しレベルはゼロであり、“2”データ以上のについての読み出しレベルは正の値である。そしてデータの読み出し時には、上記読み出しレベルに相当する電圧が、メモリセルトランジスタMTのゲート・ソース間に印加される。
なお、0Vとなる読み出しレベルはV12に限られるものでは無く、電圧V23やまたはV34であっても良く、少なくとも1つの読み出しレベルが負の値であれば良い。また、メモリセルトランジスタMTが保持可能なデータは上記8値に限らない。例えば2値(1ビットデータ)、4値(2ビットデータ)、または16値(4ビットデータ)などであっても良い。
図1に戻って説明を続ける。ロウデコーダ30は、データの書き込み動作時、読み出し動作時、及び消去時において、セレクトゲート線SGD、SGS、及びワード線WLに電圧を印加する。
ロウデコーダ30は、データの書き込み時にはセレクトゲート線SGDに電圧を印加し、選択トランジスタST1をオンさせる。また、セレクトゲート線SGSに0Vを印加し、選択トランジスタST2をオフさせる。更に、いずれかのワード線WLを選択し、選択ワード線に対してプログラム電圧VPGMを印加し、非選択ワード線に対して電圧VPASSを印加する。プログラム電圧VPGMは、電荷蓄積層に電子を注入するための高電圧(例えば20V)であり、電圧VPASSは、保持するデータに関わらずメモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧である。
データの消去時には、全ワード線WLに0Vを印加し、メモリセルトランジスタMTが形成されるp型ウェル領域102に正電圧(例えば20V)を印加する。これにより、電荷蓄積層104内の電子がウェル領域102に引き抜かれ、データが消去される。データの読み出し時については、後に詳細に説明する。
MOSトランジスタ50の各々は、ビット線BLとセンスアンプ20とを接続する。すなわち、各々のMOSトランジスタ50は、電流経路の一端が対応するビット線BLに接続され、電流経路の他端が対応するセンスアンプ20に接続される。また、ゲートには電圧BLCLAMPが与えられる。そして、MOSトランジスタ50がオン状態とされることにより、ビット線BLとセンスアンプ20とが電気的に接続される。
ビット線ドライバ40は、MOSトランジスタ50のゲートに電圧BLCLAMPを与える。ビット線ドライバ40が電圧BLCLAMPを与えることにより、MOSトランジスタ50はオン状態となる。図1に示すようにビット線ドライバ40は、電流源回路41、nチャネルMOSトランジスタ42、及び可変抵抗素子43を備えている。電流源回路41の出力ノードは、MOSトランジスタ42の電流経路の一端に接続される。MOSトランジスタ42は、電流経路の一端とゲートとが共通に接続されている。すなわちMOSトランジスタ42は、ダイオード素子として機能する。抵抗素子43の一端は、MOSトランジスタ42の電流経路の他端に接続され、他端はソース線SLに接続されている。そして、電流源回路41とMOSトランジスタ42との接続ノードにおける電位が、信号BLCLAMPとしてMOSトランジスタ50のゲートに与えられる。
次にセンスアンプ20について説明する。センスアンプ20の各々は、データの読み出し時には、メモリセルトランジスタMTからビット線BLに読み出されたデータをセンスして増幅する。またデータの書き込み時には、対応するビット線BLに書き込みデータを転送する。センスアンプ20の構成について、図4を用いて説明する。図4はセンスアンプ20の回路図である。
図示するようにセンスアンプ20は、スイッチ素子120〜123、nチャネルMOSトランジスタ124、126、pチャネルMOSトランジスタ127、キャパシタ素子128、及びラッチ回路129を備えている。MOSトランジスタ124の電流経路の一端は、スイッチ素子120を介してノードN_VDDに接続され、他端はノードN1に接続され、ゲートには信号S1が入力される。ノードN1は、MOSトランジスタ50の電流経路を介してビット線BLに接続される。MOSトランジスタ126の電流経路の一端はノードN1に接続され、他端はノードN2に接続され、ゲートには信号S2が与えられる。ノードN2は、スイッチ素子121を介してノードN_VDDに接続される。キャパシタ素子128の一方電極はノードN2に接続され、他方電極はノードN_VSSに接続される。MOSトランジスタ127の電流経路の一端は、スイッチ素子122を介してノードN_VDDに接続され、他端はラッチ回路129に接続され、ゲートはノードN2に接続される。スイッチ素子123は、ラッチ回路129の保持するデータに応じて、ビット線BLをノードN_VSSに接続する。
なお、ノードN_VDDはセンスアンプ20の電源電圧ノードとして機能し、例えば(VDD+VREF_SRC)の電圧が与えられている。電圧VDDはフラッシュメモリ1の内部電源(例えば1.5V)であり、電圧VREF_SRCは後述するソース線制御回路60がソース線SLに与える電圧である。またノードN_VSSは、センスアンプ20の接地ノードとして機能し、例えば(VSS+VREF_SRC)の電圧が与えられている。電圧VSSは接地電位(0V)である。
引き続き図1に戻って説明を続ける。ソース線制御回路60は、ソース線SLの電位を制御する。図1に示すようにソース線制御回路60は、大まかには電圧比較部61及び電圧制御部62を備えている。
電圧比較部61は、ソース線SLの電位を基準電位VREF_SRCと比較すると共に、ソース線SLに電位を与える。図示するように電圧比較部61は、pチャネルMOSトランジスタ63及び比較器64を備えている。
MOSトランジスタ63は、ゲートにプリチャージ信号PRECHが入力され、電流経路の一端に外部から電圧VEXTが与えられ、電流経路の他端がソース線SLに接続されている。信号PRECHは、データの読み出し動作時におけるビット線のプリチャージ時に“L”レベルとされることで、MOSトランジスタ63をオン状態とする。その結果、ソース線SLの電位が上昇する。
比較器64は、正転入力端子(+)がソース線SLに接続され、反転入力端子(−)に電圧VREF_SRCが入力される。すなわち比較器64は、ソース線SLの電位と電圧VREF_SRCとを比較し、ソース線SLの電位が電圧VREF_SRCを超えた際に“H”レベルを出力する。電圧VREF_SRCは、最も閾値電圧の低い“0”データについての読み出しレベルV01の絶対値と同じか、それよりも大きい値とされる。
次に電圧制御部62につき説明する。電圧制御部62は、比較器64における比較結果に基づいて、ソース線SLの電位を制御する。図示するように電圧制御部62は、nチャネルMOSトランジスタ65及びpチャネルMOSトランジスタ66を備えている。
MOSトランジスタ65は、ドレインがソース線SLに接続され、ソースが接地され、ゲートに比較器64の比較結果が与えられる。以下、MOSトランジスタ65のゲート、すなわち比較器64の出力ノードを、ノードG_Sourceと呼ぶ。また、MOSトランジスタ65のゲート幅を、以下ゲート幅W1と呼ぶ。
MOSトランジスタ66は、ゲートに信号PLOADが入力され、ソースが電源電位VDDに接続され、ソースがソース線SLに接続されている。信号PLOADは、データの読み出し動作時において、ソース線SLの電位がMOSトランジスタ63によって上昇された後、“L”レベルとされることで、MOSトランジスタ66をオン状態とする。MOSトランジスタ66によりソース線SLに電圧を供給することで、ソース線SLの電位の急激な変動を抑制する。以上の構成により、ビット線のプリチャージにおけるソース線SLの電位は、VREF_SRC一定とされる。
次に検出回路70について説明する。検出回路70は、ノードG_Sourceの電位に基づいてソース線SLに流れるセル電流の総計を検出する。そしてその総計が基準電流よりも大きいか小さいかを判定し、判定結果をフラグFLAGとして出力する。図1に示すように検出回路70は、nチャネルMOSトランジスタ71、pチャネルMOSトランジスタ72、及びインバータ73を備えている。
MOSトランジスタ71は、ゲートがノードG_Sourceに接続され、ソースが接地されている。すなわちMOSトランジスタ71は、MOSトランジスタ65と共にカレントミラー回路を形成する。以下、MOSトランジスタ71のゲート幅を、ゲート幅W2と呼ぶ。ゲート幅W2はゲート幅W1よりも小さくされ、その比率は例えばW1:W2=10:1である。つまり、MOSトランジスタ71に流れる電流はMOSトランジスタ65に流れる電流(ソース線SLに流れる電流)よりも小さく、その値は(W2/W1)倍であり、例えば1/10の値である。
MOSトランジスタ72は、ゲートに信号P_GATEが入力され、ソースが電源電位VDDに接続され、ドレインがMOSトランジスタ71のドレインに接続されている。信号P_GATEがゲートに与えられることで、MOSトランジスタ72は電流を供給する。
インバータ73は、MOSトランジスタ71のドレインとMOSトランジスタ72のドレインとの接続ノードにおける電圧レベルを反転させる。そして反転結果を、フラグFLAGとして、シーケンサ80へ出力する。
シーケンサ80は、NAND型フラッシュメモリ1におけるデータの読み出し動作、書き込み動作、及び消去動作を制御する。読み出し動作は、例えば“1”データから順に“7”データまで順次読み出される(これを読み出しシーケンスと呼ぶ)。また書き込み動作は、データのプログラムと、プログラムベリファイとの繰り返しによって行われる(これを書き込みシーケンスと呼ぶ)。プログラムは、メモリセルトランジスタMTの制御ゲート106とチャネルとの間に電位差を発生させることで、電荷蓄積層104に電子を注入する動作である。またプログラムベリファイは、プログラムが行われたメモリセルトランジスタMTからデータを読み出すことによって、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が所望の値となっているか否かを確認する動作である。また消去動作は、データの消去及び消去ベリファイによって行われる(これを消去シーケンスと呼ぶ)。消去ベリファイは、消去が行われたメモリセルトランジスタMTからデータを読み出すことによって、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が所望の値となっているか否かを確認する動作である。以下では、プログラムベリファイと消去ベリファイとを区別しない場合には、まとめてベリファイと呼ぶことにする。シーケンサ80は、上記シーケンスを実行するよう、コア制御回路90に命令する。
コア制御回路90は、シーケンサ80に命令に従って、必要なシーケンスが実行されるよう、NAND型フラッシュメモリ1における各ブロック、例えばロウデコーダ30やセンスアンプ20の動作を制御する。
<データの読み出し動作>
次に、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリにおける、データの読み出し動作について、以下説明する。なお、下記説明はベリファイ時も同様である。また、プログラムベリファイと消去ベリファイとで異なる点は、ワード線WLに印加される電圧のみである。
<<各信号線の電圧関係について>>
まず図5を用いて、読み出し動作時における各信号線の電圧関係について説明する。図5は、データの読み出し時におけるメモリセルユニット11の回路図である。以下では、ワード線WL1に接続されたメモリセルトランジスタMTに対して読み出しが行われる場合を例に説明する。
まず、図示せぬセンスアンプ20が、MOSトランジスタ50の電流経路を介して全ビット線BLをプリチャージする。またソース線制御回路60はソース線SLに電圧VREF_SRCを印加する。またロウデコーダ30は、ウェル領域102に電圧VREF_SRCを印加する。
更にロウデコーダ30はワード線WL1を選択し、選択ワード線WL1に読み出し電圧VCGRを印加する。更にロウデコーダ30は、非選択ワード線WL0、WL2〜WL31に電圧VREADを印加する。更にロウデコーダ30は、セレクトゲート線SGD、SGSに電圧(VDD+VREF_SRC)を印加する。
電圧VREADは、保持するデータに関わらずメモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧である。また電圧VCGRは、読み出し対象となるメモリセルトランジスタに印加される電圧であり、読み出そうとするデータに応じて変化される。セレクトゲート線SGD、SGSに印加される電圧(VDD+VREF_SRC)は、選択トランジスタST1、ST2をオン状態とすることの出来る電圧である。
以上の結果、非選択ワード線WL0、WL2〜WL31に接続されたメモリセルトランジスタMTはオン状態となり、チャネルが形成される。また選択トランジスタST1、ST2もオン状態とされる。
そして、選択ワード線WL1に接続されたメモリセルトランジスタMTがオン状態となれば、ビット線BLとソース線SLとが電気的に導通状態となる。すなわち、ビット線BLからソース線SLへ電流が流れる。他方、オフ状態であれば、ビット線BLとソース線SLとは電気的に非導通状態となる。すなわち、ビット線BLからソース線SLへは電流は流れない。以上の動作により、全ビット線につき一括してデータが読み出される。
<<メモリセルトランジスタの電圧関係について>>
次に、メモリセルトランジスタMTの電圧関係について、以下“1”データを読み出す場合を例に挙げて、図6を用いて説明する。図6は、メモリセルユニット11の一部領域の断面図である。
図示するように、ソース線SL及びウェル領域102には電圧VREF_SRCが印加されている。またセレクトゲート線SGSには電圧(VDD+VREF_SRC)が印加され、ワード線WL0には電圧VREADが印加される。従って、選択トランジスタST2及びメモリセルトランジスタMT0にはチャネル113が形成される。選択トランジスタST1及びメモリセルトランジスタMT2〜MT31も同様である。そして、選択ワード線WL1には電圧VCGRが印加される。読み出しレベルが負である場合、電圧VCGRの値は、電圧VREF_SRCから読み出しレベルの絶対値を減算した値である。つまり“1”データを読み出す場合、電圧VCGR=V01’=(VREF_SRC−|V01|)であり、好ましくはゼロ以上の値である。例えば電圧VREF_SRC=|V01|であれば、電圧VCGR=V01’=0Vとなる。
従って、メモリセルトランジスタMT1においては、ゲート・ソース間電圧VGSとして、電圧V01が印加される。メモリセルトランジスタMT1が“1”データを保持していれば、メモリセルトランジスタMT1はオフ状態となり、セル電流は流れない。逆に、メモリセルトランジスタMT1がオン状態となれば、当該トランジスタMT1の保持するデータは“0”データであることが分かる。従って、上記読み出し方法であると、“1”データの読み出しは、同時に“0”データの読み出しでもある、と言うことが出来る。
読み出しレベルがゼロまたは正である場合、電圧VCGRの値は、電圧VREF_SRCに読み出しレベルを加算した値となる。つまり“2”データを読み出す場合、V12=0Vであるので、電圧VCGR=V12’=VREF_SRCとなる。また“3”データを読み出す場合には、電圧VCGR=V23’=(VREF_SRC+V23)となる。
図7は、読み出しレベルと電圧VCGRとの関係を示すグラフである。図示するように、読み出しレベルが負であるデータを読み出す際には、VREF_SRCから読み出しレベルの絶対値を減算した値をVCGRとし、正であるデータを読み出す際には、VREF_SRCに読み出しレベルを加算した値をVCGRとする。これにより、VCGRを常時0以上の値としつつ、メモリセルトランジスタMTのゲート・ソース間に、読み出しレベルの電圧を印加出来る。
<<センスアンプの動作について>>
次に、読み出し動作時におけるセンスアンプ20の動作について、図8乃至図11を用いて説明する。図8乃至図11は、センスアンプ20の回路図である。以下では、データの読み出し時にメモリセルトランジスタMTがオン状態となることを“1”読み出しと呼び、オフ状態であることを“0”読み出しと呼ぶことにする。なお、読み出し動作の間、信号S1、S2はそれぞれ(Vt+0.9V+VREF_SRC)、(Vt+1.2V+VREF_SRC)とされる。また、信号BLCLAMPは(VTN+0.7V+VREF_SRC)とされる。VtはMOSトランジスタ124、126の閾値電圧であり、VTNはMOSトランジスタ50の閾値電圧である。
(CASE I)
まず、“1”読み出しを行う場合につき、CASE Iとして、以下説明する。
初めに図8に示すように、ビット線BLのプリチャージが行われる。以下では、プリチャージレベルVPREが0.7Vである場合を仮定する。
図示するように、スイッチ素子120がオン状態とされる。すると、メモリセルユニット11は導通状態にあるから、スイッチ素子120、MOSトランジスタ124の電流経路、ノードN1、及びMOSトランジスタ50の電流経路を介して、ビット線BLに電流が流れる。その結果、ビット線BLの電位は(0.7V+VREF_SRC)程度となる。すなわち、ビット線BLからソース線SLに電流を流しながら、ビット線BLの電位は(0.7V+VREF_SRC)に固定される。また、スイッチ素子121がオン状態とされることで、容量素子128が充電され、ノードN2の電位は(2.5V+VREF_SRC)程度となる。スイッチ素子122、123はオフ状態である。
次に図9に示すように、ノードN2のディスチャージが行われる。すなわち、スイッチ素子121がオフ状態とされる。すると、ノードN2からビット線BLに流れる電流によって、ノードN2が放電され、その電位は約(0.9V+VREF_SRC)程度に低下する。
引き続き図10に示すように、ノードN2のディスチャージが行われる。図示するように、ノードN1の電位が(0.9V+VREF_SRC)以下に低下しようとすると、MOSトランジスタ124が電流を供給しはじめる。その結果、ノードN1の電位は(0.9V+VREF_SRC)に維持される。
次に図11に示すように、データのセンスが行われる。図示するように、スイッチ素子122がオン状態とされる。また、ノードN2の電位が(0.9V+VREF_SRC)であるので、MOSトランジスタ57がオン状態となる。よって、ラッチ回路129は電圧(VDD+VREF_SRC)を保持する。ラッチ回路129が(VDD+VREF_SRC)を保持することで、スイッチ素子120がオフ状態、スイッチ素子123がオン状態となる。その結果、ノードN2の電位はVREF_SRCとなる。その結果、ラッチ回路129は電圧VDDを保持し続ける。また、ビット線BLからスイッチ素子123を介してノードN_VSSに電流が流れ、ビット線BLの電位はVREF_SRCとなる。
すなわちデータの読み出し動作は、ビット線BLに流れる電流をセンスアンプ4によりセンスすることによって行われる。
また本実施形態では、各データを読み出す際において、図8乃至図11に示したプリチャージからセンスまでの処理が1回、または複数回(例えば2回)、行われる。2回のセンスを行う場合には、まず1回目の読み出しにおいて、セル電流の流れやすいメモリセルトランジスタMTについて読み出しを行い、次に流れにくいメモリセルトランジスタMTについて読み出しを行う。これは、ソース線SLのノイズ(変動)の影響を抑えるためであり、2回目の読み出しでは、1回目の読み出しでオン状態となったメモリセルトランジスタMTをオフ状態とさせつつ、読み出しが行われる。なお、センスの回数はシーケンサ80の命令によって決定される。この点については後述する。
(CASE II)
次に“0”読み出しを行う場合につき、CASE IIとして、以下説明する。
この場合、ビット線BLに電流は流れず、(0.7V+VREF_SRC)一定となる。そしてノードN2の電位は、約(2.5V+VREF_SRC)を維持する。従って、MOSトランジスタ127はオフ状態となり、ラッチ回路129は電圧VREF_SRCを保持する。これにより、スイッチ素子120がオン状態、スイッチ素子123がオフ状態となり、ノードN2の電位は(2.5V+VREF_SRC)を維持し、ラッチ回路129は電圧VREF_SRC)を保持し続ける。
<<検出回路70及びシーケンサ80の動作について>>
次に、読み出し動作時における検出回路70及びシーケンサ80の動作について、図12及び図13を用いて説明する。図12は読み出し動作時における検出回路70及びシーケンサ80の動作を示すフローチャートであり、図13は読み出し動作時におけるメモリセルアレイ10、ソース線制御回路60、検出回路70、及びシーケンサ80の回路図である。
まず、ソース線SLには、ビット線BLから各メモリセルユニット11を介してセル電流Icellが流れ込む(ステップS10、図13参照)。セル電流Icellの総計を、以下電流Icell_totalと呼ぶことにする。この電流Icell_totalは、MOSトランジスタ65の電流経路を介して接地電位に流れ込む。そして比較器64は、ソース線SLの電位がVREF_SRCを維持するよう、ノードG_Sourceの電位を制御する。
また検出回路70においては、MOSトランジスタ71が電流Icell_totalから電流Icmpを生成する(ステップS11)。前述の通り、MOSトランジスタ71はMOSトランジスタ65と共にカレントミラー回路を形成する。従って、電流Icmp=(W2/W1)・Icell_totalとなる。この電流Icmpが、MOSトランジスタ71のドレイン電流として流れる(図13参照)。
更にMOSトランジスタ72は、ゲートに信号P_GATEが与えられることで、基準電流Irefを生成する(図13参照)。すなわち、基準電流Irefが、MOSトランジスタ72のドレイン電流として流れる。基準電流Irefは、ソース線SLに流れる電流Icell_totalとして許される上限値の(W2/W1)倍の値とされる。つまり、電流Icmpが基準電流Irefに等しい場合には、電流Icell_totalはソース線SLに許容される上限値に等しく、電流Icmpが基準電流Irefを超える場合は、電流Icell_totalが上限値を超えることになる。
電流Icmpが基準電流Irefを超える場合(ステップS12、YES)、インバータ73の入力ノードは“L”レベルとなり、出力ノードは“H”レベルとなる。従って、検出回路70はフラグFLAH=“H”を出力する(ステップS13)。すると、シーケンサ80は、当該データについての読み出し(プリチャージ及びセンス)の回数を複数回とすることを決定し、コア制御回路90を介してその旨をセンスアンプ20に命令する(ステップS14)。すなわち、図8乃至図11で説明した動作が、同一データにつき例えば2回、繰り返される。
他方、電流Icmpが基準電流Iref2を超えない場合(ステップS12、NO)、または等しい場合、インバータの入力ノードは“H”レベルとなり、出力ノードは“L”レベルとなる。従って、検出回路70はフラグFLAH=“L”を出力する(ステップS15)。すると、シーケンサ80は、当該データについての読み出し(プリチャージ及びセンス)の回数を1回とすることを決定し、コア制御回路90を介してその旨をセンスアンプ20に命令する(ステップS16)。
そして、当該データの読み出し動作が消去ベリファイ時であれば(ステップS17、YES)、読み出し動作は終了し、それ以外であれば(ステップS17、NO)、シーケンサ80は次のデータの読み出しを行う。
<<読み出し動作時における各ノードの電圧変化について>>
上記説明した読み出し動作時におけるビット線BLの電位、信号BLCLAMP、ソース線SLの電位、ワード線WLの電位、及びセル電流の総計Icell_totalについて、Icell_totalが上限値を超える場合と、超えない場合とに分けて、以下説明する。なお、ウェル領域102の電位はソース線SLと同電位とされる。
まず図14を用いて、Icell_totalが上限値を超える場合について説明する。図14は、読み出し時における各種信号の変化を示すタイミングチャートである。
図示するように、時刻t0において読み出し動作が開始される。時刻t0においてロウデコーダ30は、選択ワード線WLに電圧VCGRを印加し、非選択ワード線WLに電圧VREADを印加する。電圧VCGRは、図7で説明したいずれかの値である。消去ベリファイ時には、ベリファイレベルVrfyに応じた電圧が印加される。
そしてビット線ドライバ40は、信号BLCLAMPとして電圧(VREF_SRC+VTN)を発生する。その結果、MOSトランジスタ50がオン状態となる。従って、ビット線BLとノードN1とが電気的に接続される。
またセンスアンプ20は、ビット線BLの電位をVREF_SRCとする。更にソース線制御回路60及びロウデコーダ30はそれぞれ、ソース線SL及びウェル領域102に電圧VREF_SRCを印加する。
次に時刻t1において、センスアンプ20によりプリチャージが行われる。そのために、信号BLCLAMPの電位は(VREF_SRC+VPRE+VTN)とされる。電圧VPREは、センスアンプ20によるプリチャージ電位である。その結果、ビット線BLの電位は、電圧(VREF_SRC+VPRE)とされる。この際のセンスアンプ4の動作は図8に示した通りである。
そして、図9及び図10で説明したディスチャージが行われ、ビット線BLからソース線SLにセル電流が流れる。この際、セル電流の総計Icell_totalが、上限値IREFを超えたとする。すなわち、Icmp>Irefであったとする。この様子を、図14では斜線を付した領域にて示している。
すると、シーケンサ80は、当該データについて2回の読み出しを行うことを決定する。すなわち、まず時刻t2において、図11で説明したデータのセンスが行われる。引き続き、同一のデータについての読み出しが行われる。すなわち、再度ビット線のプリチャージ及びディスチャージが行われ、時刻t3において2回目のセンスが行われる。前述の通り、2回目の読み出し時には、1回目の読み出しにおいてオン状態とされたメモリセルトランジスタMTが接続されたビット線については、ディスチャージは行われなず、その電位はVREF_SRCに固定される。
次に、図15を用いてIcell_totalが上限値IREFを超えない場合について説明する。図15は、読み出し時における各種信号の変化を示すタイミングチャートである。以下では、図14と異なる点についてのみ説明する。
図示するように、1回目の読み出しにおいて流れるセル電流の総計Icell_totalが、上限値IREF以下であったとする。すなわち、Icmp≦Irefであったとする。すると、シーケンサ80は、当該データについての読み出し回数を1回と決定する。従って、時刻t2において、図11で説明したデータのセンスが行われると、当該データについての読み出しは終了する。すなわち、消去ベリファイ時には、この時点でベリファイを終了し、それ以外の場合には次のデータについての読み出しが開始される。
<効果>
以上のように、この発明の第1の実施形態に係るNAND型フラッシュメモリであると、下記(1)の効果が得られる。
(1)NAND型フラッシュメモリの動作速度を向上出来る。
本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリであると、データの読み出し動作時及びベリファイ動作時においてソース線SLに流れる電流を検出する検出回路70を設けている。そして、検出回路70における検出結果に応じて、同一データについて行うセンス回数が決定される。従って、NAND型フラッシュメモリの動作速度を向上出来る。本効果につき、以下詳細に説明する。
従来、電流をセンスすることによって、全ビット線につき一括してデータを読み出す方法が知られている。この方式では読み出し中、隣接するビット線のノイズの影響を無くす為に、ビット線を一定電位に保つ必要がある。そのため、読み出し中は、ビット線に電流を流し続ける。すると、セル電流の総計は100mA程度の非常に大きいものとなる。そしてこの電流はソース線に流れ込むので、ソース線の電位も上昇する。
従って、データの誤読み出しを防止するためには、複数回のセンスが必要となる。つまり、セル電流の多いメモリセルトランジスタを順にふるい落として、最終的にはソース線の電位の上昇が抑えられた状態でセンスした結果を、ラッチ回路に取り込む方法をとることになる。他方、データパターンによってはセル電流総計が少ない場合もあり得る。この場合には、ソース線の電位が殆ど上昇せず、誤読み出しは生じにくいため、複数回のセンスは必要ない。
しかし、従来のNAND型フラッシュメモリであると、電流をモニタする手段を有しない。従って、読み出し動作はワーストデータパターンを想定して行う必要があり、その結果、データパターンに関わらず、常に複数回のセンスを行う必要がある。この様子を図16に示す。図16は、“1”データから順にデータの読み出しを行う際の、電圧VCGR、電流Icell_total、及びビット線BLの電位の変化を示すタイミングチャートである。
図示するように、読み出すべきデータの閾値電圧が低いほど、セル電流Icell_totalは大きく、また1回目のセンス動作で流れるセル電流Icell_totalは、2回目よりも大きい。従って、データの読み出しが進むにつれて、セル電流Icell_totalは小さくなっていく。つまり、例え“1”データについての1回目のセンス時に流れる電流Icell_totalが大きかったとしても、例えば“3”データ以降のセンス時に流れる電流Icell_totalは十分に小さいかもしれない。このような場合であっても、従来の手法であると全データにつき、2回のセンスを行っており、このことが動作速度を低下させる原因となる。
しかしながら、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ1であると、検出回路70がセル電流Icell_totalを検出している。そして、セル電流Icell_totalに応じた大きさの電流Icmpと、上限値IREFに応じた基準電流Irefと比較する。更に、電流Icmpが基準電流Irefを超える場合には、同一データにつき複数回(例えば2回、しかし2回に限定されない)のセンスを行い、超えない場合には、センス回数を1回とする。すなわちセンス回数を、セル電流Icell_totalが大きい場合には複数回、小さい場合には1回とする。従って、センス動作を必要な場合にのみ複数回行い、不要な場合には1回で済ませることが可能となる。従って、NAND型フラッシュメモリにおけるデータの読み出し動作速度を向上出来る。
以上の具体例につき、図17を用いて説明する。図17は図16と同様に、“1”データから順にデータの読み出しを行う際の、電圧VCGR、電流Icell_total、及びビット線BLの電位の変化を示すタイミングチャートである。
図示するように、“1”データを読み出す際の1回目のセンス時には、セル電流Icell_totalは上限値IREFを超えている。従って、“1”データについては2回目のセンスを行う。“2”データを読み出す際も同様である。しかし、“3”データ以降の読み出し時には、セル電流Icell_totalは上限値IREFを超えない。従って、これらのデータのセンスは1回だけで終了する。従って、図16の場合に比べて、読み出し動作を大幅に高速化出来る。
[第2の実施形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、セル電流Icell_totalに応じて、ビット線BLのプリチャージレベルを制御するものである。
<NAND型フラッシュメモリの構成>
図18は、この発明の第2の実施形態に係るNAND型フラッシュメモリのブロック図である。図示するようにNAND型フラッシュメモリ1は、第1の実施形態で説明した図1の構成と同様に、メモリセルアレイ10、センスアンプ20、ロウデコーダ30、ビット線ドライバ40、MOSトランジスタ50、ソース線制御回路60、検出回路70、シーケンサ80、及びコア制御回路90を備えている。
メモリセルアレイ10、センスアンプ20、ロウデコーダ30、MOSトランジスタ50、ソース線制御回路60、及びコア制御回路90の構成は第1の実施形態と同様であるので、これらの説明は省略する。以下では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
検出回路70は、第1の実施形態で説明した図1の構成において、インバータ73を廃した構成を有している。そして、MOSトランジスタ71、72の接続ノードにおける電位VAを、ビット線ドライバ40へ供給する。
シーケンサ80は、検出回路70における検出結果に応じることなく、前述したシーケンスを制御する。従って、センスアンプ20は全てのデータにつき、複数回のセンスを行う。
ビット線ドライバ40は、第1の実施形態で説明した図1の構成において、更にMOSトランジスタ44及び比較器45を備えている。
比較器45は、正転入力端子(+)に基準電圧VREFが与えられ、反転入力端子(−)に上記電圧VAが与えられる。そして、基準電圧VREFと電圧VAとを比較し、その比較結果を信号G_CLとして出力する。なお、基準電圧VREFは、セル電流Icell_totalの上限値IREFに相当する電圧であって、Icell_total=IREFとなった際における電圧VAに等しい電圧である。
MOSトランジスタ44は、ゲートに信号G_CLが与えられ、ドレインがMOSトランジスタ42と電流源回路41との接続ノードに接続され、ソースが接地(またはソース線SLに接続)されている。つまり、MOSトランジスタ44のドレインにおける電位が、信号BLCLAMPとなる。以下、電流源回路41の供給する電流を電流Iref1と呼び、MOSトランジスタ42のドレイン電流を電流Iref1Aと呼び、MOSトランジスタ44のドレイン電流を電流Iref1Bと呼ぶことにする。
<データの読み出し動作>
次に、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリにおける、データの読み出し動作について、以下説明する。なお、下記説明はベリファイ時も同様であり、以下では第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
各信号線の電圧や、メモリセルトランジスタの電圧、及びセンスアンプ20の動作は、第1の実施形態で説明した図5乃至図11と同様である。また、先述のようにシーケンサ80は、検出回路70における検出結果に応じることなく、前述したシーケンスを制御する。
<<ビット線ドライバ40の動作について>>
まず、読み出し動作時におけるビット線ドライバ40の動作について、図18及び図19を用いて説明する。図19は読み出し動作時におけるビット線ドライバ40の動作を示すフローチャートである。
ステップS10、S11の後、電流Icmpが基準電流Irefを超えない場合(ステップS12、NO)、電圧VAは論理的に“H”レベルとなる。すなわち、VA>VREFである(ステップS20)。従って、比較器45は信号G_CL=“L”を出力する(ステップS21)。よって、MOSトランジスタ44はオフ状態となり(ステップS22)、電流Iref1Bは流れない。その結果、BLCLAMPの電位は、MOSトランジスタ42に流れる電流Iref1Aと、抵抗素子43の抵抗値とによって決まる。つまり、通常の設定値とされる(ステップS23)。すなわち、第1の実施形態と同様にBLCLAMP=VREF_SRC+VTN+VPREとなる。その結果、ビット線BLのプリチャージレベルは通常の設定値となる(ステップS24)。つまりビット線BLの電位は、第1の実施形態と同様、(VREF_SRC+VPRE)となる。
他方、電流Icmpが基準電流Irefを超える場合(ステップS12、YES)、電圧VAは論理的に“L”レベルとなる。すなわち、VA<VREFである(ステップS25)。従って、比較器45は信号G_CL=“H”を出力する(ステップS26)。よって、MOSトランジスタ44はオン状態となり(ステップS27)、電流Iref1Bが流れる。電流Iref1Bが流れる結果、BLCLAMPの電位は、ステップS23の場合に比べて低下する(ステップS28)。よって、MOSトランジスタ50の電流駆動能力が低下し、ビット線BLのプリチャージレベルが低下する(ステップS29)。その結果、セル電流Icell_totalの増加が抑制され、上限値IREFよりも低くなる(ステップS30)。
<<読み出し動作時における各ノードの電圧変化について>>
上記説明した読み出し動作時におけるビット線BL、信号BLCLAMP、ソース線SL、及びワード線WLの電圧について、図20を用いて説明する。図20は、データの読み出し時における各種信号の電圧変化を示すタイミングチャートである。なお、ウェル領域102の電位はソース線SLと同電位とされる。
図示するように、時刻t1までは第1の実施形態で説明した図14と同様である。そして時刻t1において、センスアンプ20によりプリチャージが行われる。この際ビット線ドライバ40は、セル電流Icell_totalに応じてプリチャージレベルを決定する。すなわち、セル電流Icell_totalが上限値IREFを超えていなければ、MOSトランジスタ44をオフ状態とし、BLCLAMP=(VREF_SRC+VTN+VPRE1)とする。その結果、ビット線BLの電位は(VREF_SRC+VPRE1)となる。
他方、セル電流Icell_totalが上限値IREFを超えていれば、MOSトランジスタ44はオン状態となり、BLCLAMP=(VREF_SRC+VTN+VPRE2)とする。但し、VPRE2<VPRE1である。その結果、ビット線BLの電位は(VREF_SRC+VPRE2)となる。この際のセンスアンプ20の動作は図8に示した通りである。その後、図9及び図10で説明したディスチャージが行われ、時刻t2において、図11で説明したデータのセンスが行われる。
その後、同一のデータについての読み出しが再度行われる。すなわち、再度ビット線のプリチャージ及びディスチャージが行われ、時刻t3において2回目のセンスが行われる。なお、図示していないが、2回目の読み出し時においてもセル電流Icell_totalが上限値IREFを超える場合には、ビット線BLの電位は(VREF_SRC+VPRE2)とされる。
なお、電流源回路41の供給する電流Iref1は、Iref1=(Iref1A+Iref1B)なる関係があり、一定である。また、抵抗素子43の抵抗値をRvとすると、BLCLAMP=(Iref1A・Rv+VTN+VREF_SRC)であり、VPRE=Iref1A・Rvである。従って、図20におけるVPRE1は、電流Iref1Bが流れない場合のVPREであって、(Iref1・Rv+VREF_SRC)である。これは第1の実施形態と同様である。他方、VPRE2は、電流Iref1Bが流れる場合のVPREであって、((Iref1−Iref1B)・Rv+VREF_SRC)である。よって、当然ながらVPRE2<VPRE1となる。
<効果>
上記のように、この発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置であると、下記(2)の効果が得られる。
(2)NAND型フラッシュメモリの動作信頼性を向上出来る(その1)。
本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリであると、データの読み出し動作時及びベリファイ動作時においてソース線SLに流れる電流を検出する検出回路70を設けている。そして、検出回路70における検出結果に応じて、ビット線BLのプリチャージレベルを決定している。より具体的には、Icell_totalが上限値を超えないようにプリチャージレベルを制御している。従って、NAND型フラッシュメモリの信頼性を向上出来る。本効果につき、以下説明する。
図21は、本実施形態のようにビット線ドライバ40を検出回路70における検出結果に応じて制御しない場合の、ビット線のプリチャージレベルと電流Icell_totalの変化を示すグラフであり、電流Icell_totalが増加していく場合について示している。
図示するように、ビット線ドライバ40を制御しない場合、電流Icell_totalにかかわらず、ビット線BLの電位は一定値に固定される。つまり、電流Icell_totalは一切制御されないため、読み出しデータによっては、電流Icell_totalは上限値を超える場合があり得る。
しかしながら本実施形態であると、ビット線BLの電位を制御することで、ソース線SLの電流Icell_totalの過度の増加を抑制し、NAND型フラッシュメモリの信頼性を向上出来る。この点につき、まず図22を用いて説明する。図22は、本実施形態に係るメモリセルトランジスタMTの電圧関係を示す回路図である。
図示するように、電流Icell_totalが小さい場合には、ソース線SLの電位はVREF_SRCとされ、ビット線BLの電位は(VREF_SRC+VPRE)とされる。この場合、メモリセルトランジスタMTのゲート・ソース間電圧Vgsは、ほぼ読み出しレベルに等しい。
他方、電流Icell_totalが上昇した際には、ビット線ドライバ40はBLCLAMPを低下させる。すなわち、ビット線BLの電位は(VREF_SRC+VPRE)から、(VREF_SRC+VPRE−α)に低下される。この低下分αは、(Iref−Iref1B)・Rvに相当する。従って、電流Icell_totalが小さい場合に比べてVgs及びVdsが十分に取れなくなる。その結果、電流Icell_totalの増加も抑制され、電流Icell_totalが上限値を超えることを防止出来る。
本実施形態における、ビット線のプリチャージレベルと電流Icell_totalとの関係を、図23に示す。図23は図21と同様、電流Icell_totalが増加していく場合について示している。図示するように、本実施形態の場合には電流Icell_totalが上限値に達すると、ビット線BLのプリチャージレベルが低下されるため、それ以上の電流Icell_totalの増加が抑制される。
[第3の実施形態]
次に、この発明の第3の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第2の実施形態において、第2の実施形態と異なる手法により電圧VREFを生成するものである。以下では、上記第2の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図24は、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ1のブロック図である。図示するように、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ1は、第2の実施形態で説明した図18の構成において、検出回路70及びビット線ドライバ40に改良を加えたものである。
検出回路70は、図18に示す構成において、MOSトランジスタ72のゲートがMOSトランジスタ71のドレインに接続されている。そして、MOSトランジスタ72のドレインとMOSトランジスタ71のドレインとの接続ノードにおける電位が、電圧VAとしてビット線ドライバ40へ供給される。
ビット線ドライバ40は、図18に示す構成において更にnチャネルMOSトランジスタ46及びpチャネルMOSトランジスタ47を備えている。MOSトランジスタ46のソースは接地され、ゲートに信号N_GATEが与えられる。
MOSトランジスタ47は、ゲートがMOSトランジスタ72のゲートに接続され、ソースが電源電位VDDに接続され、ドレインがMOSトランジスタ46のドレインに接続されている。すなわち、MOSトランジスタ47は、MOSトランジスタ72と共にカレントミラー回路を形成している。従って、MOSトランジスタ47に流れる電流Iref2は、Irefに応じた電流である。すなわち、MOSトランジスタ47、72が同一のゲート幅を有していれば、Iref=Iref2となり、異なっていればその比率に応じた値となる。そして、MOSトランジスタ46のドレインとMOSトランジスタ47のドレインとの接続ノードにおける電位が、電圧VBとして比較器45の正転入力端子(+)に入力される。この電圧VBが、第2の実施形態で説明した基準電圧VREFに対応する。
比較器45は、電圧VAと電圧VBとを比較する。すなわち、VB≧VAの場合には信号G_CL=“H”を出力し、VB<VAの場合にはG_CL=“L”を出力する。
以上の構成において、信号N_GATEは、電圧VBを、Icell_total=IREF(すなわちIcmp=Iref)における電圧VAに等しくするような値に設定される。
上記構成によっても、Icell_totalがIREFを超えると、信号G_CLが“H”レベルとされ、MOSトランジスタ44がオン状態とされる。逆に、Icell_totalがIREFより小さければ、信号G_CLは“L”レベルとされ、MOSトランジスタ44がオフ状態とされる。従って、第2の実施形態で説明した(2)の効果が得られる。
[第4の実施形態]
次に、この発明の第4の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第2、第3の実施形態において、電流Icell_totalの大きさにかかわらず、読み出しレベルが最も低いデータについての1回目の読み出し時、または消去ベリファイ時において、ビット線BLのプリチャージレベルを低くするものである。以下では、上記第2、第3の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図25は、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ1のブロック図である。本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ1の構成は、第2の実施形態で説明した図18の構成及び第3の実施形態で説明した図24の構成において、検出回路70を廃すると共に、ビット線ドライバ40の構成を変形し、コア制御回路90がビット線ドライバ40の動作を制御するものである。
図示するように、本実施形態に係るビット線ドライバ40は、第2、第3の実施形態で説明した図18、図24の構成において、比較器45を廃した構成を有している。そして、信号G_CLは、シーケンサ80の命令に基づいてコア制御回路90によって与えられる。その他の構成は第2、第3の実施形態と同様であるので説明は省略する。
<ビット線ドライバ40、シーケンサ80、及びコア制御回路90の動作について>
次に図26を用いて、本実施形態に係るビット線ドライバ40、シーケンサ80、及びコア制御回路90の動作について説明する。図26は、ビット線ドライバ40、シーケンサ80、及びコア制御回路90の動作を示すフローチャートであり、第2の実施形態で説明した図19におけるステップS11以降の処理に相当する。
図示するように、読み出しレベルが最も低く(すなわち消去状態より一つ上の閾値電圧の最も低いデータ、更に換言すれば“1”データ)または消去ベリファイ動作時であって(ステップS40、YES)、且つ1回目の読み出しである場合(ステップS41、YES)、シーケンサ80はコア制御回路90に対して、信号G_CLを“H”レベルとするよう命令する。この命令に応答して、コア制御回路90は信号G_CLを“H”レベルとする(ステップS42)。
その結果、第2の実施形態で説明したように、MOSトランジスタ44がオン状態となり、BLCLAMP=(VREF_SRC+VTN+VPRE2)とされる(ステップS43)。そして、ビット線BLの電位は(BREF_SRC+VPRE2)となる(ステップS44)。
他方、消去ベリファイ動作時では無く、または読み出しレベルが最も低いデータではなく(すなわち“2”〜“7”データ、ステップS40、NO)、または1回目の読み出しでは無い場合(ステップS41、NO)、シーケンサ80はコア制御回路90に対して、信号G_CLを“L”レベルとするよう命令する。この命令に応答して、コア制御回路90は信号G_CLを“L”レベルとする(ステップS45)。
その結果、第2の実施形態で説明したように、MOSトランジスタ44がオフ状態となり、BLCLAMP=(VREF_SRC+VTN+VPRE1)とされる(ステップS46)。そして、ビット線BLの電位は(BREF_SRC+VPRE1)となる(ステップS47)。
図27は、消去ベリファイ動作時、または“1”データを読み出す際における、各種信号の電圧変化を示すタイミングチャートであり、ビット線BL、信号BLCLAMP、ソース線SL、及びワード線WLの電圧を示している。
図示するように、ワード線WL及びソース線SLの電位変化は、第2の実施形態で説明した図20と同様である。第2の実施形態と異なる点は、次の2点である。すなわち、“1”データについての1回目の読み出しの際、BLCLAMPが(VREF_SRC+VTN+VPRE2)に固定され、これによりビット線電位が(VREF_SRC+CPRE2)に固定される。また、2回目の読み出しの際(及び、図示しないが“2”データ以降の読み出しの際)、BLCLAMPが(VREF_SRC+VTN+VPRE1)に固定され、これによりビット線電位が(VREF_SRC+CPRE1)に固定される。
すなわち、ソース線SLに流れる電流Icell_totalの大きさにかかわらず、“1”データについての最初のセンス時におけるビット線BLの電位は、それ以降の読み出し時における電位よりも低い値とされる。
<効果>
上記のように、この発明の第4の実施形態に係る半導体記憶装置であると、下記(3)の効果が得られる。
(3)簡便な回路構成にて、上記(2)の効果が得られる。
通常、セル電流の総計Icell_totalが最も大きくなる読み出し動作は、読み出しレベルの最も低いデータ、すなわち“1”データについての1回目の読み出しである。この場合において、消去状態のセルの電流が流れる為Icell_totalが上限値を超える可能性が最も高い。これに対して、このレベルに対応するデータについての2回目の読み出し、及びこのレベルの読み出し以降に続いて行われる、このレベルよりも高い閾値電圧を有するデータの読み出し時には、Icell_totalの値は比較的小さい。
そこで本実施形態では、セル電流の総計Icell_totalの値にかかわらず、“1”データについての最初の読み出し時におけるビット線BLの電位(VREF_SRC+VPRE2)を、それ以降の読み出し時におけるビット線SLの電位(VREF_SRC+VPRE1)よりも低くしている。従って、“1”データについての最初の読み出し時においては、メモリセルトランジスタのゲート・ソース間電圧Vgs及びドレイン・ソース間電圧Vdsが抑制されるので、Icell_totalが上限値を超えることを防止出来る。それ以降の読み出し時には、Icell_totalの値は比較的小さいため、ビット線BLの電位を(VREF_SRC+VPRE1)としても、Icell_totalが上限値を超えることは実用上、殆ど無いと言うことが出来る。従って、上記第1の実施形態で説明した(1)と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では電流Icell_totalを監視する必要がなく、Icell_totalに応じたBLCLAMPの電位制御が不要である。従って、ビット線ドライバ40の構成を簡略化しつつ、上記効果が得られる。
なお、上記は読み出しシーケンスにおける最初の読み出し対象データが“1”データで始まる場合である場合を仮定している。従って、例えば最初の読み出し対象データが“4”データであれば、“4”データについての1回目の読み出し時において、セル電流の総計が最大となる。つまり、データの読み出し動作時における最初の読み出し対象データについての1回目の読み出し時において、セル電流が最大となる。このことは、本明細書における以降の記載においても同様である。従って、そのような場合ににおいて、ビット線BLの電位を(VREF_SRC+VPRE2)とすれば良い。
[第5の実施形態]
次に、この発明の第5の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態と、第2または第3の実施形態とを組み合わせたものである。
図28は、この発明の第5の実施形態に係るNAND型フラッシュメモリのブロック図である。図示するようにNAND型フラッシュメモリ1は、メモリセルアレイ10、センスアンプ20、ロウデコーダ30、ビット線ドライバ40、MOSトランジスタ50、ソース線制御回路60、検出回路70、シーケンサ80、及びコア制御回路90を備えている。
メモリセルアレイ10、センスアンプ20、ロウデコーダ30、MOSトランジスタ50、ソース線制御回路60、検出回路70、シーケンサ80、及びコア制御回路90の構成及び動作は、第1の実施形態で説明した通りである。
他方、ビット線ドライバ40は、第2の実施形態で説明した図18の構成、または第3の実施形態で説明した図24の構成を有している。すなわちビット線ドライバ40は、検出回路70から出力される電圧VAを、基準電圧VREFまたは電圧VBと比較し、その結果に応じてBLCLAMPを制御する。
本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ1の動作は、第1の実施形態で説明した図12のフローチャートと、第2の実施形態で説明した図19のフローチャートを組み合わせたものとなる。つまり、シーケンサ80は、セル電流Icell_totalが上限値IREFを超えると、同一データについての読み出し回数を複数回に決定する。同時にビット線ドライバ40は、MOSトランジスタ44をオン状態としてビット線BLのプリチャージレベルを下げる。
<効果>
本実施形態に係る構成であると、読み出し時間を短縮出来ると同時に、セル電流Icell_totalの過度の増加を防止出来る。すなわち、第1の実施形態で説明した(1)の効果と、第2の実施形態で説明した(2)の効果とを、併せて得ることが出来る。
[第6の実施形態]
次に、この発明の第6の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態と第4の実施形態とを組み合わせたものである。図29は、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリのブロック図である。
本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ1は、上記第1の実施形態で説明した構成において、ビット線ドライバ40を第4の実施形態で説明した構成に置き換えたものである。すなわち図29において、メモリセルアレイ10、センスアンプ20、ロウデコーダ30、MOSトランジスタ50、ソース線制御回路60、検出回路70、シーケンサ80、及びコア制御回路90の構成及び動作は、第1の実施形態で説明した通りである。
他方、ビット線ドライバ40は、第4の実施形態で説明した図25の構成を有している。すなわちビット線ドライバ40は、コア制御回路90から与えられる信号G_CLに応じて、BLCLAMPを制御する。
本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ1の動作は、第1の実施形態で説明した図12のフローチャートと、第4の実施形態で説明した図26のフローチャートを組み合わせたものとなる。つまり、シーケンサ80は、セル電流Icell_totalが上限値を超えるか否かに応じて、同一データについての読み出し回数を決定する。そしてビット線ドライバ40は、“1”データ読み出し時または消去ベリファイ時であって、且つ1回目の読み出し動作である場合にのみ、MOSトランジスタ44をオン状態として、ビット線BLのプリチャージレベルを下げる。
<効果>
本実施形態に係る構成であると、読み出し時間を短縮出来ると同時に、簡便な構成により、セル電流Icell_totalの過度の増加を防止出来る。すなわち、第1の実施形態で説明した(1)の効果と、第4の実施形態で説明した(3)の効果とを、併せて得ることが出来る。
[第7の実施形態]
次に、この発明の第7の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第1乃至第6実施形態のいずれかにおいて、セル電流Icell_totalに応じてソース線SLの電位を制御するものである。以下では、第1乃至第6の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
<ソース線制御回路60及び検出回路70の構成について>
図30は、本実施形態に係るソース線制御回路60及び検出回路70の回路図である。図示するように検出回路70は、第1の実施形態で説明した図1の構成において、nチャネルMOSトランジスタ74を更に備えている。
MOSトランジスタ74は、ゲートがインバータ73の出力ノードに接続され(すなわちフラグFLAGが入力され)、ソースが接地され、ドレインがノードG_Sourceに接続されている。
ソース線制御回路60は、第1の実施形態で説明した図1の構成において、MOSトランジスタ65のゲート(ノードG_Source)が、比較器64における比較結果と、MOSトランジスタ74のドレイン電位とによって制御される。
<ソース線制御回路60及び検出回路70の動作について>
次に、読み出し動作時及びベリファイ動作時におけるソース線制御回路60及び検出回路70の動作について、図31を用いて説明する。図31は、読み出し動作時及びベリファイ動作時における、ソース線制御回路60及び検出回路70の動作を示すフローチャートである。
図示するように、第1の実施形態で説明したステップS11の後、電流Icmpが基準電流Irefを超える場合(ステップS12、YES)、インバータ73の出力ノード(FLAG)は“H”レベルとなる。従って、MOSトランジスタ74がオン状態となる(ステップS50)。よって、ノードG_Sourceの電位が低下する。その結果、MOSトランジスタ65の駆動力が低下する。そのため、電流Icell_totalが低下し、ソース線SLに許容される上限値となる。またソース線SLの電位はVREF_SRCより上昇し、最終的に電流Icell_totalの上限値とつりあう値となる(ステップS51)。
他方、電流Icmpが基準電流Irefを超えない場合(ステップS12、NO)、インバータの出力ノードは“L”レベルとなる。従って、MOSトランジスタ74がオフ状態となる(ステップS52)。よって、ノードG_Sourceの電位は比較器64の出力によって制御される。その結果、ソース線SLの電位はVREF_SRCを維持する(ステップS53)。
上記説明した読み出し動作時及びベリファイ動作時におけるソース線SL及びワード線WLの電圧について、図32を用いて説明する。図32は、ソース線SL及びワード線WLの電位変化を示すタイミングチャートである。ビット線BL、BLCLAMP、ウェル領域32等の電位変化は、第1乃至第6の実施形態で説明した通りである。
図示するように、時刻t0において読み出し動作が開始される。時刻t0において、ロウデコーダ30は選択ワード線WLに電圧VCGRを印加し、非選択ワード線WLに電圧VREADを印加する。
更にソース線制御回路60は、ソース線SLの電位を制御する。前述の通り、ビット線BLからソース線SLに流れる電流Icell_totalが上限値IREFを超えていなければ、ソース線SLの電位はVREF_SRCに固定され、上限値を超えていれば、VREF_SRCよりも高い値となる。上限値を超えている場合のソース線SLの電位を、図32では斜線の領域として示している。
その後は、第1乃至第6の実施形態で説明した通り、プリチャージ、ディスチャージ、及びセンスが行われる。
<効果>
上記のように、この発明の第7の実施形態に係る半導体記憶装置であると、上記第1乃至第6の実施形態で説明した(1)乃至(3)の効果に加えて、下記(4)の効果が得られる。
(4)NAND型フラッシュメモリの動作信頼性を向上出来る(その2)。
本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリであると、検出回路70における電流Icell_totalの検出結果に応じてソース線SLの電位を変化させ、これによりIcell_totalが上限値を超えないように制御している。従って、NAND型フラッシュメモリの信頼性を向上出来る。本効果につき、以下説明する。
本実施形態に係る構成であると、電流Icell_totalが小さい場合には、メモリセルトランジスタMTのゲート・ソース間電圧Vgsは、ほぼ読み出しレベルに等しい。他方、電流Icell_totalが上昇した際には、検出回路70によるフィードバック制御により、ノードG_Sourceの電位が低下する。その結果、ソース線SLの電位が上昇する。すなわち、ソース線SLの電位は(VREF_SRC)から、電流Icell_totalに応じたαVだけ上昇する。従って、図22の場合と同様に、電流Icell_totalが小さい場合に比べてVgs及びVdsが十分に取れなくなる。図22と異なる点は、ソース線SLに対するビット線BLの電位を下げる代わりに、ビット線BLに対するソース線SLの電位を上げている点である。その結果、電流Icell_totalの増加も抑制され、電流Icell_totalが上限値を超えることを防止出来る。
図33は、ソース線SLの電位及び電流Icell_totalの変化を示すグラフである。図示するように、本実施形態の場合、電流Icell_totalが上限値に達すると、ノードG_Sourceの電位が低下される。そのため、それ以上の電流Icell_totalの増加が抑制される。それに伴い、電流Icell_totalが抑制された時点から、ソース線SLの電位が上昇する。
[第8の実施形態]
次に、この発明の第8の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、本実施形態は、上記第7の実施形態において、電流Icell_totalの大きさにかかわらず、消去ベリファイ時または読み出しレベルが最も低いデータについての、1回目の読み出し時において、ソース線SLの電位を高くするものである。以下では、上記第7の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図34は、本実施形態に係るソース線制御回路60及び検出回路70の回路図である。図示するように、ソース線制御回路60及び検出回路70の構成は第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なる点は、ソース線制御回路60の電圧比較部64の反転入力端子に入力される電圧が、コア制御回路90によってVREF_SRC1とVREF_SRC2とのいずれかに可変とされている点である。なお、VREF_SRC1<VREF_SRC2である。コア制御回路90は、シーケンサ90の命令によって、VREF_SRC1とVREF_SRC2とのいずれかを選択する。
<ソース線制御回路60、シーケンサ80、及びコア制御回路90の動作について>
次に図35を用いて、本実施形態に係るソース線制御回路60、シーケンサ80、及びコア制御回路90の動作について説明する。図35は、ソース線制御回路60、シーケンサ80、及びコア制御回路90の動作を示すフローチャートであり、第1の実施形態で説明したステップS11以降の処理に相当する。
図示するように、読み出しレベルが最も低くまたは消去ベリファイ動作時であって(ステップS40、YES)、且つ1回目の読み出しである場合(ステップS41、YES)、シーケンサ80はコア制御回路90に対してVREF_SRC2を選択するよう命令する。この命令に応答して、コア制御回路90はVREF_SRC2を、ソース線制御回路60の電圧比較部64に供給する(ステップS60)。従って、ソース線SLの電位はVREF_SRC2とされる(ステップS61)。
他方、消去ベリファイ動作時では無く、または読み出しレベルが最も低いデータではなく(ステップS40、NO)、または1回目の読み出しでは無い場合(ステップS41、NO)、シーケンサ80はコア制御回路90に対してVREF_SRC1を選択するよう命令する。この命令に応答して、コア制御回路90はVREF_SRC1を、ソース線制御回路60の電圧比較部64に供給する(ステップS62)。従って、ソース線SLの電位はVREF_SRC1とされる(ステップS63)。
図36は、消去ベリファイ動作時、または“1”データを読み出す際における、各種信号の電圧変化を示すタイミングチャートであり、ビット線BL、信号BLCLAMP、ソース線SL、及びワード線WLの電圧を示している。
図示するように、第7の実施形態と異なり、“1”データ(または消去ベリファイ)についての1回目の読み出しの際、ソース線SLの電位がVREF_SRC2に固定される。すなわち、ソース線SLに流れる電流Icell_totalの大きさにかかわらず、ソース線SLの電位は、それ以降の読み出し時における電位(VREF_SRC1)よりも高い値(VREF_SRC2)で固定される。
<効果>
上記のように、この発明の第8の実施形態に係る半導体記憶装置であると、第1乃至第6の実施形態で説明した(1)乃至(3)の効果に加えて、下記(5)の効果が得られる。
(5)簡便な回路構成にて、上記(4)の効果が得られる。
上記第4の実施形態で説明した通り、セル電流の総計Icell_totalが最も大きくなる読み出し動作は、“1”データについての1回目の読み出しである。この場合において、消去状態のセルの電流が流れる為Icell_totalが上限値を超える可能性が最も高い。
そこで本実施形態では、セル電流の総計Icell_totalの値にかかわらず、“1”データについての最初の読み出し時におけるソース線SLの電位(VREF_SRC2)を、それ以降の読み出し時におけるソース線SLの電位(VREF_SRC1)よりも高くしている。消去ベリファイ時も同様である。従って、“1”データについての最初の読み出し時においては、メモリセルトランジスタのゲート・ソース間電圧Vdsが抑制されるので、Icell_totalが上限値を超えることを防止出来る。従って、上記第1の実施形態で説明した(1)と同様の効果が得られる。
また、本実施形態によればIcell_totalに応じたノードG_Sourceの電位制御が不要である。従って、ソース線制御回路60の構成を簡略化しつつ、上記効果が得られる。
なお、第4の実施形態で説明した通り、例えば最初の読み出し対象データが“4”データであれば、“4”データについての1回目の読み出し時において、セル電流の総計が最大となる。つまり、データの読み出し動作時における最初の読み出し対象データについての1回目の読み出し時において、セル電流が最大となる。従って、そのような場合ににおいて、ソース線SLの電位をVREF_SRC2とすれば良い。
以上のように、この発明の第1乃至第8の実施形態に係る半導体記憶装置であると、データの読み出し動作時及びベリファイ動作時において、ソース線SLに流れる電流Icell_totalを検出する検出回路70を備えている。そして、検出回路70における検出結果に応じて、センスアンプ20及びビット線ドライバ40の動作が制御される。その結果、NAND型フラッシュメモリの動作性能を向上出来る。
すなわち、第1の実施形態に係る構成であると、センスアンプ20は、検出回路70で検出された電流量に応じて、同一データについて行うセンス回数を決定する。つまり、セル電流の総計Icell_totalをチップ内部でモニタし、その結果が、次のセンス動作を行うか否かの判断にフィードバックされる。より具体的には、一回のセンス動作の間に流れるセル電流総計が大きい場合には、もう一度同じレベルでセンス動作を行う。セル電流総計が小さい時はそのレベルでのセンス動作を終了する。この方法によれば、読み出し時及びベリファイ時におけるセンス動作回数を少なく出来、NAND型フラッシュメモリを高速化出来る。
また第2乃至第4の実施形態に係る構成であると、ビット線ドライバ40は、検出回路70で検出された電流量に応じて、ビット線のプリチャージ電位を制御する。つまり、セル電流の総計Icell_totalをチップ内部でモニタし、その結果が、ビット線プリチャージ電位にフィードバックされる。そして最終的には、メモリセルトランジスタMTのVdsが変化され、その結果、セル電流の総計Icell_totalが上限値IREFを越えないように制御される。より具体的には、セル電流総計が大きい場合には、ビット線プリチャージ電位を本来の設定値から下げることでVdsが小さくされる。逆に小さい場合には、ビット線プリチャージ電位は本来の設定値のままとされる。本制御により、チップの動作電流が許容電流スペックを越える事態になることを自動的に回避できる。更に、メモリセルトランジスタMTのバイアス条件も自動的に制御される。その結果、テスト等の手段による最適化の手間が短縮できる。
実施形態に係る半導体記憶装置は、電荷蓄積層と制御ゲートとを含み、閾値電圧に応じて2値以上のデータを保持可能なメモリセルと、前記メモリセルのドレインに電気的に接続されたビット線と、前記メモリセルのソースに電気的に接続されたソース線と、前記データの読み出し動作時及びベリファイ動作時において、前記ソース線に流れる電流を検出する検出回路と、前記データの読み出し動作時及びベリファイ動作時において、前記検出回路で検出された電流量に応じて、前記ビット線のプリチャージ電位を制御するビット線ドライバとを具備する。
また、前記ビット線ドライバは、前記検出回路で検出された前記電流量が予め定められた一定値を超えた際において、前記プリチャージ電位を、前記電流量が前記一定値を超えない場合に比べて低く設定することを特徴とする請求項4記載の半導体記憶装置。
更に第7、第8の実施形態に係る構成であると、ソース線制御回路60は、検出回路70で検出された電流量に応じて、ソース線の電位を制御する。つまり、セル電流の総計Icell_totalをチップ内部でモニタし、その結果がソース線の電位にフィードバックされる。より具体的には、電流量が予め定められた上限閾値を超えるような場合には、セル電流を接地電位に流すMOSトランジスタの電流駆動力を低下させる。これにより、ソース線SLの電位を上昇させてメモリセルトランジスタMTのVgsを低下させ、ソース線SLに流れる電流量が上限閾値を超えることを防止している。
更に第5乃至第8の実施形態に係る構成であると、セル電流に応じてセンス回数を制御すると共に、セル電流に応じてビット線及び/またはソース線の電位を、上記の通りに制御している。従って、NAND型フラッシュメモリの高速動作と高信頼性とを両立出来る。
なお、上記実施形態ではデータの読み出し時において、読み出しデータに関わらず、ソース線SLに正電位VREF_SRCが印加される場合について説明した。しかしながら、読み出しレベルが負であるデータの読み出し時にのみ、VREF_SRCをソース線SLに印加し、それ以外の場合にはソース線SLを0Vとしても良い。
このためには、例えばビット線ドライバ40においてスイッチ素子を設ける。そしてスイッチ素子により、読み出しレベルが負である場合には、抵抗素子43の他端をソース線SLに接続し、それ以外の場合には接地レベル(0V)ノードに接続すれば良い。更に、ソース線制御回路60においてスイッチ素子を設ける。そしてスイッチ素子により、読み出しレベルが負である場合には、ノードG_Sourceを比較器64に接続し、それ以外の場合には“H”レベルに接続してMOSトランジスタ65を常時オン状態とすれば良い。
しかしながら、全データにつきソース線SLにVREF_SRCを印加する方法であると、読み出しレベルに応じた上記スイッチング処理が不要となる。従って、ビット線ドライバ40及びソース線制御回路60の構成を簡略化出来ると共に、動作を高速化出来る。また、全データについて同一の読み出し方法に統一することで、閾値分布の間隔を狭めることも出来る。すなわち、読み出しレベルが負か否かによって読み出し方法を変える場合には、例えば図3の閾値分布の場合、“1”データの閾値分布と“2”データの閾値分布との間隔は、その他のデータ間の分布間隔よりも拡げる必要がある。しかし、読み出し方法を統一すれば、このような必要は無い。
更に、上記実施形態では、MOSトランジスタ71のゲート幅W2がMOSトランジスタ65のゲート幅W1よりも小さい場合を例に挙げて説明した。これにより、MOSトランジスタ71、72に流す電流を小さく出来、検出回路70における消費電流を削減出来る。しかし、消費電流が問題とならないような場合には、W1=W2であっても良い。
更に、上記実施形態では消去状態(“0”データ)以外の読み出しレベルが負であるデータが1個だけ(“1”データ)である場合を例に説明したが、勿論、2個以上あって良い。更に、上記実施形態ではNAND型フラッシュメモリを例に説明したが、例えばNOR型フラッシュメモリにも適用出来、セル電流の増加によりソース線電位の上昇が問題となる半導体記憶装置全般に適用可能である。
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
1…フラッシュメモリ、10…メモリセルアレイ、11…メモリセルユニット、20…センスアンプ、30…ロウデコーダ、40…ビット線ドライバ、41…電流源、42、44、63、65、66、71、72、74、124〜127…MOSトランジスタ、43…抵抗素子、45、64…比較器、46、47、50、100、102〜72、144〜、146、147…MOSトランジスタ、43…可変抵抗素子、60…ソース線制御回路、61…電圧比較部、62…電圧制御部、70…検出回路、73…インバータ、80…シーケンサ、90…コア制御回路、100…半導体基板、101、102…ウェル領域、103…ゲート絶縁膜、104、106…多結晶シリコン層、105…ゲート間絶縁膜、107…不純物拡散層、108、111…層間絶縁膜、109、110、112…金属配線層、113…チャネル

Claims (3)

  1. 電荷蓄積層と制御ゲートとを含み、2値以上のデータを保持可能なメモリセルと、
    前記メモリセルのドレインに電気的に接続されたビット線と、
    前記メモリセルのソースに電気的に接続されたソース線と、
    前記データの読み出し動作及びベリファイ動作時において、前記ビット線に流れる電流をセンスして、前記データを読み出すセンスアンプと、
    前記データの読み出し動作時及びベリファイ動作時において、前記ビット線のプリチャージ電位を制御するビット線ドライバと、
    前記ビット線ドライバを制御する制御回路と
    を具備し、前記センスアンプは、同一の前記データにつき複数回にわたって読み出しを行い、
    前記制御回路は、前記ビット線ドライバに対して、読み出しレベルの最も低いデータの1回目の読み出し時における前記プリチャージ電位を第1電位とし、それ以降の読み出し時における前記プリチャージ電位を、前記第1電位よりも高い第2電位とするよう、命令する、
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 前記制御回路は、前記ビット線ドライバに対して、消去ベリファイ時における前記プリチャージ電位を、前記第1電位とするよう、命令する、
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
  3. 前記データの読み出し動作時及びベリファイ動作時において、前記ソース線の電位を制御するソース線制御回路を更に備え、
    前記ソース線制御回路は、読み出しレベルの最も低いデータの1回目の読み出し時における前記ソース線の電位を第3電位とし、それ以降の読み出し時における前記ソース線の電位を、前記第3電位よりも低い第4電位とする、
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
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