JP5213109B2 - 酒気帯び運転防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、飲酒により血液中に溶け込んでいるエチルアルコールを人体から放射又は反射する赤外線に基づいて測定して酒気帯び運転を防止する酒気帯び運転防止装置に関する。
従来、酒気帯び運転を防止するための装置にあっては、運転者の呼気に含まれるエチルアルコールをガスセンサにより検知し、自動車を始動させないように構成している(特許文献1)。
一般に、呼気中に含まれるアルコールの濃度は血液中のアルコール濃度と比例関係にある。法規上定められた酒気帯び運転の基準は、呼気中のアルコール濃度0.15mg/Lであり、これは血中アルコール濃度で0.03%に相当する。このため呼気中のアルコール濃度を測定することで、酒気帯び状態を検知して運転を防止することができる。
また近年にあっては自動車メーカーから飲酒運転防止コンセプトカーの開発が公表されており、次の装置が提案されている。
シフトレバーに組み込んだアルコール臭気センサーにより、シフトレバーに触れた掌の汗に含まれるアルコールを検知し、音声とカーナビ画面への表示によってドライバーへ警告し、同時にシフトロックする。
シート周辺に配置したアルコール臭気センサーにより、シフトレバーに触れた掌の汗に含まれるアルコールを検知し、音声とカーナビ画面への表示によってドライバーへ警告する。
メータ内に装備したカメラによって、ドライバーの顔をモニターし、覚醒度を推定し、酒気帯び運転の可能性があると判断した場合、音声とカーナビ画面への表示によってドライバーへ警告し、同時にシートベルトを巻き上げる等して、より強く警報を行う。
車両の運転挙動を検出し、ドライバーの運転状態を評価し、飲酒運転の可能性があると判断した場合、音声とカーナビ画面への表示によってドライバーへ警告し、同時にシートベルトを巻き上げる等して、より強く警報を行う。
特開平8−150853号公報 公演要旨(VISION Vol.15, No.2, 101−104, 2003)、「車載表示器が自動車運転に及ぼす影響」、富山大学工学部、田村宏樹他
しかしながら、このような従来の酒気帯び運転防止装置にあっては、運転者の呼気に含まれるエチルアルコールをガスセンサにより検知しようとした場合、同上の正常者等が酒気帯び状態の運転者に代わってガスセンサに呼気を吹きかけることにより、容易になり替わりがなされてしまう。
また、このような従来の酒気帯び防止装置にあっては、運転者の位置する頭上近辺の空間の空気をファンにより吸引してガスセンサでアルコールを間接的に検知するようにしているため、呼気を直接採取してアルコール濃度を測定する場合に比べ、測定値が実際の呼気中のアルコール濃度に対し低めの値となり、確実に酒気帯び運転を防止できない恐れがある。
またアルコールを検知するガスセンサは使用中に異物の付着や酸化などにより感度が変化するため、自動的に感度を調整する校正処理が必要であり、更に、定期的に清掃点検などのメンテナンスをしなければ検出精度を維持することができないという問題がある。このような問題は、臭気センサーによるアルコールを検知する場合も同様に生ずる。
またシフトレバーに組み込んだアルコール臭気センサーにより手の汗に含まれるアルコールを検知するものにあっては、運転者が手袋をすることによって、容易にすり抜けが可能となってしまう問題がある。
また、カメラによりモニターしたドライバーの顔から覚醒度を推定して酒気帯びの可能性を判断するものにあっては、アルコールを直接検知していないため、精度にばらつきがあり、信頼性の点で解決すべき課題が多く、実用化には時間がかかることが懸念される。
また、車両の挙動から酒気帯びの可能性を判断するものにあっても、アルコールを直接検知していないため、個人差の大きい運転の仕方による車両の挙動の中から酒気帯び運転の可能性を判断するアルゴリズムを確立することは、信頼性の点で解決すべき課題が多く、同様に、実用化には時間がかかることが懸念される。
この問題を解決するため本願発明者にあっては、運転者から放射または反射される赤外線の被写体画像に基づいて、運転者の血液中に溶け込んでいるエチルアルコール濃度を測定して酒気帯び状態を検出し、エンジン始動操作時に酒気帯び状態を検出した場合はエンジンの始動を停止し、エンジン始動後に酒気帯び検出部で酒気帯び状態を検出した場合は車両を速度制御して停車状態に案内するようにした酒気帯び運転防止装置を提案している(特願2008−15915)。
この酒気帯び運転防止装置では、被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光による第1被写体画像、第1波長帯域の近傍となるエチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光による第2被写体画像、更に、エチルアルコールと同じ第1波長域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む第3波長帯域の赤外光による第3被写体画像をフィルタ切替えにより撮像し、第1被写体画像と第2被写体画像に基づいてエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出し、また、第2被写体画像と第3被写体画像に基づいて外乱物質の濃度に対応した外乱度を算出し、エチルアルコール含有度が所定の閾値以上で外乱度が所定値未満の場合に酒気帯び状態と判定している。

このため波長帯域の異なる3つのフィルタとその切替えが必要となり、撮像光学系の簡略化が課題として残されている。
本発明は、エチルアルコール吸収波長の画像から運転者の放射または反射する赤外線から血中のエチルアルコールを測定して酒気帯び防止し且つメンテナンスフリーで信頼性の高い酒気帯び運転防止装置を提供することを目的とする。
本発明は、酒気帯び運転防止装置であって、
エンジン始動操作時及び走行中の一定時間ごとに、運転者の顔から放射または反射される赤外線の被写体画像に基づいて、運転者の血液中に溶け込んでいるエチルアルコール濃度を測定して酒気帯び状態を推定する酒気帯び推定部と、
エンジン始動操作時に酒気帯び状態が推定された場合、運転者に反応テストを行わせ、反応テストの結果から酒気帯び状態を確定して対処する酒気帯び確定部と、
を備え
走行中に酒気帯び状態が推定された場合又はエンジン始動操作時に酒気帯び状態が確定された場合に、運転者に警告を発信することを特徴とする。

酒気帯び確定部は、
ブレーキ操作を指示してから実際にブレーキペダルが踏み込まれるまでの反応時間を測定する反応時間測定部と、
測定された反応時間が所定の閾値時間以上の場合に酒気帯び状態を確定する反応時間判定部と、
酒気帯び状態を確定した場合に、所定の対処処理を実行する酒気帯び対処実行部と、
を備え、
反応時間判定部は、通常状態での反応時間を運転者固有の閾値時間として予め記憶し、測定された反応時間が閾値時間以上の場合に酒気帯び状態を確定する

ここで、酒気帯び推定部は、2波長切替方式であり、
赤外線波長帯域に感度を有する撮像素子と、
被写体像を撮像素子に結像させる光学系と、
被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
被写体からの第1波長体域の近傍となるエチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
1フィルタを透過して結像された第1被写体画像及び第2フィルタを透過して結像された第2被写体画像を、撮像素子により撮像してメモリに格納する撮像制御部と、
メモリに格納された第1被写体画像と第2被写体画像に基づいてエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
エチルアルコール含有度が所定の閾値以上の場合に酒気帯び状態と判定する判定部と、
を備える。

また、酒気帯び推定部は、2波長方式であり、
1又は複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサと、
被写体像を赤外線受光センサに結像させる光学系と、
被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
被写体からの第1波長体域の近傍となるエチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
赤外線センサにより、第1フィルタを透過して受光された被写体の第1受光信号、及び第2フィルタを透過して受光された被写体の第2受光信号を検出してメモリに格納する受光制御部と、
メモリに格納された第1受光信号と第2受光信号に基づいてエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
エチルアルコール含有度が所定の閾値以上の場合に酒気帯び状態と判定する判定部と、
を備える

第1フィルタは、第1波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、第2フィルタは、第1波長帯域を含まない第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる

また、酒気帯び推定部は、1波長固定方式であり、
赤外線波長帯域に感度を有する撮像素子と、
被写体像を撮像素子に結像させる光学系と、
被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させるフィルタと、
ィルタを透過して結像された被写体画像を、撮像素子により撮像してメモリに格納する撮像制御部と、
撮像制御部によりフィルタを透過して結像された被写体画像を基準画像として不揮発メモリに予め格納する基準画像登録部と、
メモリの被写体画像と不揮発メモリの基準画像に基づいてエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
エチルアルコール含有度が所定の閾値以上の場合にエチルアルコールの検出を判定する判定部と、
を備える。

また、酒気帯び推定部は、1波長固定方式であり、
1又は複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサと、
被写体像を赤外線受光センサに結像させる光学系と、
被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させるフィルタと、
赤外線センサにより、フィルタを透過して受光された被写体の受光信号を検出してメモリに格納する受光制御部と、
受光制御部によりフィルタを透過して受光された受光信号を基準受光信号として不揮発メモリに予め格納する基準受光信号登録部と、
メモリの受光信号と不揮発メモリの基準受光信号に基づいてエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
エチルアルコール含有度が所定の閾値以上の場合にエチルアルコールの検出を判定する判定部と、
を備える

この場合、フィルタは、波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させる

酒気帯び確定部は、
ブレーキ操作を指示してから実際にブレーキペダルが踏み込まれるまでの反応時間を測定する反応時間測定部と、
測定された反応時間が所定の閾値時間以上の場合に酒気帯び状態を確定する反応時間判定部と、
酒気帯び状態を確定した時に、所定の対処処理を実行する酒気帯び対処実行部と、
を備える。
判定部は、所定の閾値として運転者の正常状態で取得したアルコール含有度を使用することが望ましい

酒気帯び確定部は、
ブレーキ操作を指示してから実際にブレーキペダルが踏み込まれるまでの反応時間を測定する反応時間測定部と、
測定された反応時間が所定の閾値時間以上の場合に酒気帯び状態を確定する反応時間判定部と、
酒気帯び状態を確定した時に、所定の対処処理を実行する酒気帯び対処実行部と、
を備え、
反応時間測定部は、音声出力、画面表示又は音声出力と画面表示の組合せによりブレーキ操作を指示する。

酒気帯び対処実行部は、エンジン始動禁止、代行運転の依頼、シフトレバーのニュートラル位置でのロック、最高速度の安全走行速度への制限、外部機関への自動通報、又は緊急停止ランプの自動点滅のいずれかを実行する。

本発明によれば、運転者の体温による人体からの赤外線放射光または赤外線反射光、特に、皮膚が露出している顔からの赤外線放射光または赤外線反射光から毛細血管中のエチルアルコールによる特徴的な吸収スペクトルを検知して、血中アルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を得ることができ、このエチルアルコール含有度から運転者の酒気帯び状態を正確に推定できる。
また化粧品に含まれるメントールは、エチルアルコールと同じ波長にも吸収スペクトルをもつことで外乱要因となるが、酒気帯び運転を推定した後に、運転者にブレーキ反応テストなどの反応テストを行わせ、反応テストの結果から酒気帯び状態を確定しているため、エチルアルコールと同じメントール固有波長の吸収スペクトルにより誤って酒気帯び状態が推定されても、反応テストの結果から酒気帯び状態にないことが確定され、化粧品などによるエチルアルコールの誤検出を確実に防止することができる。
また、化粧品に含まれるメントールなどの外乱物質を判定する必要がないために、エチルアルコールと同じ波長帯域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む波長帯域の赤外光による被写体画像をフィルタ切替えにより撮像する必要がなく、2波長切替方式または1波長固定方式とすることで、撮像光学系を簡単にしてコストの低減を図ることができる。

更に、被写体からの赤外光におけるエチルアルコール吸収スペクトルからエチルアルコール含有度を検知しているため、従来のガスセンサによるアルコール検知のような感度調整や清掃点検などのメンテナンスが不要であり、長期間に亘り安定した高い精度で人体のエチルアルコール含有度を検知し、酒気帯び運転を正確に判定することができる。
また、酒気帯び状態を確定した場合は、エンジン始動禁止、代行運転依頼、シフトレバーのニュートラル位置でのロック、最高速度の安全走行速度への制限、外部機関への自動通報、又は緊急停止ランプの自動点滅のいずれかを実行することにより、酒気帯び運転を確実に止めさせることができる。
(2波長切替方式)
図1は2波長切替方式をとる本発明による酒気帯び運転防止装置の実施形態を示した説明図である。図1において、酒気帯び運転防止装置10は、コンピュータのハードウェア環境を代表して示すCPU11を有し、CPU11に対しては運転者の酒気帯び状態を検出するため、赤外線カメラ12、波長可変フィルタ14、カメラ制御部16、フィルタ駆動部18が設けられている。

赤外線カメラ12は例えば車両のダッシュボードやメータパネルなどに内蔵されており、波長可変フィルタ14を介して、被写体となる運転者の顔から放射または反射される赤外線放射光による画像を撮像する。
図2は本実施形態で使用する波長可変フィルタを用いた赤外線カメラを示した説明図である。図2において、赤外線カメラ12の対物レンズ56と結像レンズ58の間には波長可変フィルタ14が設けられ、波長可変フィルタ14の透過波長はフィルタ駆動部18により制御される。赤外線カメラ12内には撮像素子60が配置され、結像レンズ58により結像された波長可変フィルタ14を透過した波長帯域の赤外線画像を撮像する。
波長可変フィルタ14はファブリペロー型干渉フィルタとして知られており、例えば200〜300オングストローム程度の厚みを有するAuなどの反射膜となる透過性の金属膜を対向する面に蒸着した一対のガラス基板を有し、一対のガラス基板を間に圧電素子を介して対向配置し、その間に微小間隔を設定している。ガラス基板の間の圧電素子は、フィルタ駆動部18による直流電圧の印加を受けて、基板間隔を変化させることができる。
波長可変フィルタ14は、一方のガラス基板側からの入射光に対し、透過性を持つ金属膜の間で多重反射によって生ずる干渉作用に起因して複数の透過スペクトルが分布して光を透過する。このような波長可変フィルタ14としては、例えば特開平8−285688号のものが使用できる。
再び図1を参照するに、CPU11に対しては、不揮発メモリ20とワーク用のメモリ22が設けられる。不揮発メモリ20には、ブレーキ操作テストで使用する反応閾値時間54、特徴領域抽出画像55が記憶され、更に、必要に応じて運転者を識別するための基準画像が予め登録されている。メモリ22には、波長可変フィルタ14による異なる波長帯域の切替えにより撮像された運転者の画像がλ1画像46−1及びλ2画像46−2として記憶される。
また、CPU11に対しては、エンジンECU24、音声警報部26、ブレーキスイッチ28、ディスプレイ32を備えたナビゲーションシステム30が設けられている。

更に、CPU11には、プログラムの実行により実現される機能として、酒気帯び推定部36と酒気帯び確定部38が設けられている。酒気帯び推定部36は、運転者から放射される赤外線の被写体画像に基づいて、運転者の血液中に溶け込んでいるエチルアルコール濃度を測定して酒気帯び状態を定期的に推定する。
酒気帯び確定部38は酒気帯び状態が推定された時に、運転者に反応テストを行わせ、反応テストの結果から酒気帯び状態を確定して対処する。本実施形態にあっては、反応テストとしてブレーキ操作テストを実行する。
酒気帯び推定部36の機能は、詳細には、撮像制御部40、エチルアルコール検出部42、及び判定部44で構成される。また、酒気帯び推定部38の機能は、詳細には、反応時間測定部48、反応時間判定部50及び対処実行部52で構成される。
本実施形態の酒気帯び運転防止装置10にあっては、運転者の酒気帯び状態を顔面などの皮膚直下の毛細血管に表れる含有エチルアルコールにより検出する。毛細血管中の含有エチルアルコールの検出は、運転者の体温による人体からの赤外線放射光におけるエチルアルコールによる特定波長の吸収スペクトルによる減衰を検知することを基本としている。
なお、補助光源として設けた赤外線光源により運転者に赤外線を照射して監視する場合には、人体表面での赤外線反射光におけるエチルアルコールによる特定波長の吸収スペクトルによる減衰を検知することを基本としている。
図3は本実施形態で検知するエチルアルコールの波長スペクトル分布を示した説明図である。エチルアルコールC25OHは、その分子構造に由来する吸収スペクトルを2.77μm、3.37μm及び9.5μmなどの特定波長に持っている。例えば波長2.77μmの吸収スペクトルは、エチルアルコール中の−CH3の結合伸縮に伴い、エチルアルコール分子が吸光する波長帯である。
そこで運転者からの赤外光のうち、エチルアルコールの吸収波長λ1として、λ1=2.77μmを含む第1波長帯域を選択的に透過させる第1フィルタとしてλ1フィルタに波長可変フィルタ14を制御して赤外光を監視すると、エチルアルコールが毛細血管中に含まれている状態即ち酒気帯び状態では、λ1=2.77μmを含む第1波長帯域の赤外光は毛細血管中のエチルアルコール濃度に応じた吸光度を示し、このときの撮像素子で撮像されたλ1画像46−1における各画素から求められた受光量I1は小さくなる。
次に本実施形態にあっては、エチルアルコールの吸収スペクトルを与える波長λ1=2.77μmの近傍にエチルアルコールによる吸収率の小さな波長λ2として、例えばλ2=3.0μmを含む第2波長帯域を選択的に透過させる第2フィルタとしてλ2フィルタに波長可変フィルタ14を制御して運転者からの赤外光を監視する。
λ2フィルタを透過して得られる運転者からの赤外光の撮像画像であるλ2画像46−2の画素から求められた受光量I2は、エチルアルコールの有無に関係なく、人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られる。
ここで正常状態での人体よりの赤外線放射量をI0とすると、エチルアルコール吸収スペクトルとなる波長λ1=2.77μmを含む第1波長帯域における吸光度aは
a=ln(I1/I0
となる。またエチルアルコールによる吸収率の小さな波長λ2=3.00μmを含む第2波長帯域における吸光度bは
b=ln(I2/I0
となる。
そして、第1波長帯域の吸光度aと第2波長帯域の吸光度bとの間には
a<b<0=ln(I1/I0)<In(I2/I0)<0
の関係が成り立つ。
ここでエチルアルコール含有度A1を
A1=b−a=ln(I2/I0)−In(I1/I0
と表わし、これを変形すると、
A1=ln(I2/I0)−In(I1/I0
=ln{In(I2/I0)/In(I1/I0)}=In(I2/I1
となる。
このため、特性値として単に(I2/I1)を求めることで、エチルアルコール含有度Aを表わすことができる。即ち本実施形態にあっては、エチルアルコール含有度Aを
A=I2/I1 (1)
として算出する。この(1)式で与えられるエチルアルコール含有度Aが、予め定めた所定値以上であれば、酒気帯びの度合が大きいと判断することができる。このような本実施形態におけるエチルアルコール含有度Aの算出は、図1のCPU11に設けた撮像制御部40及びエチルアルコール検出部42により行われる。
撮像制御部40は、運転開始時は運転者が運転を開始するためにイグニッションキーをオンとしたような所定の検出タイミングで動作し、また、走行中は所定周期の検出タイミング毎に動作し、フィルタ駆動部18による波長可変フィルタ14の切替動作で、λ1フィルタ、λ2フィルタとしての波長帯域に切り替えながら、運転者の顔の画像を赤外線カメラ12により撮像し、λ1フィルタを透過して結像された第1被写体画像であるλ1画像46−1、λ2フィルタを透過して結像された第2被写体画像であるλ2画像46−2のそれぞれをメモリ22に格納する。
エチルアルコール検出部42は、メモリ22に格納されたλ1画像46−1とλ2画像46−2に基づいて、エチルアルコール濃度に対応した前記(1)式で与えられるエチルアルコール含有度Aを算出する。
図4は図1のエチルアルコール検出部42でエチルアルコール含有度Aを計算する際に用いられる運転者の特徴領域抽出画像55を示している。運転者62の毛細血管中のエチルアルコールの濃度を赤外線受光量から検出するためには、運転者の顔の毛細血管が皮膚表面に表われていてエチルアルコールによる吸収スペクトルの減衰が十分に得られる場所を特定して、エチルアルコール含有度Aを算出する必要がある。
図4の場合にあっては、エチルアルコールの有無に関係ない人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られるλ2フィルタを透過して得られたλ2画像46−2を対象に、毛細血管からの体温による赤外線放射が出易い例えば唇などの皮膚の薄い特徴抽出領域64−1や、両目の周囲に設定した特徴抽出領域64−2,64−3を使用して、エチルアルコール含有度Aを算出する。
前記(1)式におけるエチルアルコール含有度Aを算出するためのλ1画像46−1の受光量I1及びλ2画像46−2の受光量I2の計算は、特徴抽出領域に含まれる画素値の総和または平均値を求め、これをI1,I2として前記(1)式からエチルアルコール含有度Aを算出する。
前記(1)式にあっては、λ1画像の受光量I1とλ2画像46−2の受光量I2の除算値(I2/I1)を計算しているが、この代わりに減算値(I2−I1)を計算しても良いし、二乗誤差(I2−I1)2を計算しても良い。
また、ログアンプなどを使用することにより直接的に吸光度
ln(I2/I1)=ln(I2)−ln(I2
を計算してもよい。
一方、被写体となる運転者62が例えば女性であった場合には、撮影対象とする顔には化粧が施されており、この化粧品に含まれる物質として例えばメントールC1020Oが存在した場合には、エチルアルコールが存在しないにも関わらず、メントールについてλ1画像46−1にλ1=2.77μmの吸収スペクトルが存在し、エチルアルコール含有度Aを誤検出する場合がある。このようにエチルアルコールを誤検出させる物質を外乱物質という。
即ち、化粧品などに含まれるメントールC1020Oはエチルアルコールと同様、2.77μmと3.37μmに吸収スペクトルを持っている。これに加え、メントールのベンゼン殻に由来する波長λ3=3.28μmにも固有の吸収スペクトルを持っている。
そこで本実施形態にあっては、化粧品などに含まれるメントールをエチルアルコールによる酒気帯び状態の誤検出を防止するため、酒気帯び推定部36の判定部44でエチルアルコール含有度Aが所定の閾値Ath以上となって酒気帯び状態が推定された場合、酒気帯び確定部38によりブレーキ反応テストを実行し、その結果から反応時間Tが閾値時間Tth以上と長くなった場合に、酒気帯び状態にあると確定し、対処処理を実行する。
本実施形態における外乱物質は、メントール以外に、同じく化粧品などに多く使用されているステアリン酸C1735COOHが対象となる。ステアリン酸はエチルアルコールと同じ波長2.77μmと3.37μmに吸収スペクトルを持つが、エチルアルコールにはない−C00Hに起因した波長5.88μmに吸収スペクトルが表れる。
更に、エチルアルコールに対する外乱物質としてグリセリンC35(OH)3の場合には−CH3に由来する吸収スペクトルの波長2.77μmが表れないため、グリセリンについてはλ1フィルタのλ1画像46−1につき、その受光量I1に減衰が起きず、前記(1)式で算出されるアルコール含有度Aが所定値未満となってエチルアルコールでないことが確認でき、したがってグリセリンについては外乱物質として考慮する必要はない。
本実施形態は外乱物質として化粧品などに多く含まれるメントールとステアリン酸を例に取っているが、これ以外のエチルアルコールと同じ波長にスペクトル吸収を持つ物質が存在する場合にも、酒気帯び状態を推定したのブレーキ操作テストにより、外乱物質によるエチルアルコールの誤検出を確実に回避することができる。

なお、-CH3と−OHをもつ物質は無数にあり、その内、積極的に顔に付着させる可能性がある物質として、化粧品に含まれるメントールとステアリン酸を例示している。他にも、糖尿病患者の体内で生成されるアセト酢酸も、−CH3と−OHを持ち、エタノールと同じスペクトル吸収帯を持ち、外乱物質として誤検出の原因になる。
図1の酒気帯び推定部38には、反応時間測定部48、反応時間判定部50及び対処実行部52が設けられている。
反応時間測定部48はブレーキ操作を指示してから実際にブレーキペダルが踏み込まれるまでの反応時間Tを測定する。このブレーキ操作の指示は、音声警報部26を用いた音声出力、ナビゲーションシステム30のディスプレイ32を用いた画面表示又は音声出力と画面表示の組合せにより行う。
反応時間判定部50は、反応時間測定部48により測定された反応時間Tが不揮発メモリ20に記憶されている所定の反応閾値時間Tth以上の場合に酒気帯び状態を確定する。不揮発メモリ20の反応閾値時間54は、製造段階では設計時に決定されたデフォルト閾値時間を記憶しているが、ユーザが使用を開始すると、運転者が正常な状態での行ったブレーキ操作テストで得られた運転者固有の反応時間に反応閾値時間54を更新する。
酒気帯び状態における運転者の反応時間への影響度は実験により確認されている。これによると反応すべき信号が表示されてから、ブレーキペダル操作を開始するまでの時間は、普通状態では約0.6秒なのに対し、酒気帯び状態では約0.75秒に遅延する(非特許文献1)。
また本実施形態にあっては、反応時間測定部48によるブレーキ操作テストは、酒気帯び状態が推定されない運転者が正常な状態で定期的に行われ、日常的に運転者がブレーキ操作テストを車両の安全を確保するためのテストと認識できるようにしており、併せて、反応閾値時間64を更新し、運転者の時間的な変化に対応させて正確に酒気帯び状態を判定できるようにしている。
酒気帯び対処部52は、酒気帯び確定部50により酒気帯び状態を確定した時に、所定の対処処理を実行する。酒気帯び対処部52により実行する対処処理としては、エンジン始動禁止、代行運転依頼、シフトレバーのニュートラル位置でのロック、最高速度の安全走行速度への制限、外部機関への自動通報、又は緊急停止ランプの自動点滅などがある。
なお、本実施形態にあっては、人体から体温により発せられる赤外線の、血液中エチルアルコールによる吸収スペクトル特性を検知することで、血中アルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を得ているが、CCD撮像素子の信号量が不足する場合には、補助光源として赤外線光源を用いても良い。
CCD撮像素子の信号量が不足する理由としては、赤外線カメラ12と人体との距離が長い、赤外線カメラ12のレンズ径が十分大きくできない等の、カメラ配置上の制限条件が挙げられる。赤外線光源を用いた場合、酒気帯び推定部36は人体で反射される赤外線の、血液中エチルアルコールによる反射スペクトル特性を検知することにより、血中アルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度Aを得ることができる。
図5は図1の実施形態による酒気帯び運転防止処理を示したフローチャートであり、実際には、このフローチャートに従ったプログラムが図1のCPU11で実行されることになる。
図5の酒気帯び運転防止処理は、運転者がイグニッションキーをセットしてエンジン始動操作を行ったときに起動する。まずステップS1で運転者認証処理を実行する。この運転者認証処理は赤外線カメラ12により運転者画像を撮像して読み取り、不揮発メモリ20に予め登録している登録画像と照合する。撮影画像と登録画像の照合一致により認証に成功するとステップS2に進む。
不揮発メモリ20に予め登録している登録画像以外の運転者による撮影画像であった場合には、認証不成功となり、処理を終了することでエンジンは始動せず、車両を運転することができないようにする。なお本、不揮発メモリ20に基準画像の登録をしていなければ、ステップS1の運転者認証処理はスキップすることになる。
ステップS1の運転者認証処理が認証成功もしくは登録画像がないことによりスキップしてステップS2に進むと、CPU11に設けた酒気帯び推定部36及び酒気帯び確定部38により、赤外線カメラ12により運転者画像を取得してエチルアルコール検出処理を含む酒気帯状態検出処理を実行する。ステップS2の酒気帯状態検出処理の詳細は図6に示す。
酒気帯び状態検出処理においては、運転者の画像から検出されたアルコール含有度Aと予め定められた閾値Athと比較して酒気帯び状態を推定する。この際に不揮発メモリ20に運転者の正常状態のアルコール含有度Aを閾値Athとして記憶させ、これと測定されたアルコール含有度Aを比較することにより、各人の個人差を解消することもできる。
例えば、各人の持病や既往症、または服用薬剤によっては、正常状態においてもアルコール含有度Aが一般人と異なる場合が考えられる。この場合には一様に定められた閾値によりアルコール含有度Aを判断することが難しく、各人の正常状態におけるアルコール含有度Aを不揮発メモリ20に閾値として記憶し、これと運転時に測定されたアルコール含有度Aと比較することにより正しい酒気帯び状態の推定がなされ、続いて行われるブレーキ操作テストにより、メントールなどの外乱物質による誤検出を回避した酒気帯び状態の確定判断が行われる。
続いてステップS3で、ステップS2の酒気帯び状態検出処理の処理結果から酒気帯び状態を判定した場合には、ステップS4に進み、運転者に警告を発信する。例えば音声警報部28を使用して「酒気帯び運転が検知されました。始動できません」の音声メッセージを出力する。同時に、例えばナビゲージョンシステム32のディスプレイ34を利用して、運転者に酒気帯び運転の検知とエンジンが始動できない旨のメッセージ表示を行う。そしてステップS5でエンジン始動を禁止して処理を終了する。
このため、運転者が酒気帯び状態で車両のエンジンを始動して運転しようとしても、酒気帯び状態が検知されて、エンジンを始動することができず、酒気帯び運転を確実に防止できる。
一方、酒気帯び状態にある運転者が例えば酒を飲んでいない同乗者に依頼して車両のエンジンを始動させるような場合がある。このような運転者以外によるエンジンの始動は、ステップS1の運転者認証処理において運転者の基準画像の登録を行っていないような場合に可能である。
このように酒気帯び状態の運転者に代わって同乗者が成り済まし運転者となって車両のエンジンを始動した場合には、ステップS2の酒気帯び状態検出処理を行ってもステップS3で酒気帯び状態は判別されず、ステップS6に進んでエンジンが正常に始動する。
このように酒気帯び状態にある運転者に成り済まして同乗者がエンジンを始動することで、結果的にステップS2〜ステップS5の処理をすり抜けて酒気帯び運転が行われてしまう場合が想定される。
しかしながら、成り済ましによりエンジンを始動した後の酒気帯び運転については、ステップS7で走行中にあっても一定時間ごとの検査タイミングへの到達を判別するとステップS8に進み、ステップS2と同様に運転者画像を赤外線カメラ12で撮像して酒気帯び状態検出処理が実行される。
この酒気帯び状態検出処理により、ステップS9で酒気帯び状態が判定されると、ステップS10で運転者に警告を発信する。具体的には、音声警報部28を使用して例えば「酒気帯びが検知されました。速度制御を開始します」との音声メッセージを出力する。同時に、ナビゲージョンシステム30のディスプレイ32などを利用して運転者に警告表示を行う。
続いてステップS11に進み、酒気帯び状態の検出に基づき酒気帯び運転を強制的に止めさせるため、そのときの走行速度から徐々に速度を低下させて、最終的に停止速度に移行させる速度制御を行う。このステップS11における速度制御に伴い、ステップS12で速度制御に伴うガイダンスを音声警報部26から行う。
このガイダンスは、例えば「停止します。安全な位置に車を移動して下さい」との音声メッセージを出力する。同時に、同じ音声メッセージの内容をディスプレイ32に表示する。
このステップS11の速度制御は、車両の速度は周囲の安全を確認して例えば路肩などに止めるに十分な時間、例えば2〜3分程度の時間に亘り、そのときの走行速度から停止速度に徐々に減速し、ステップS13で、車両停止となった段階でエンジンを強制的に停止する。
そしてステップS14で、警察や適宜の管理機関に対し、酒気帯び運転に対する対処要請を外部通報を行う。ここで警察に対する通報としては、酒気帯び運転の通報ではなく、酒気帯び状態にあることから車両を運転せずに路肩に停止していることを知らせる交通情報としての情報通告が主なものとなる。
同様な通報は、道路の管理機関である例えば国もしくは地方公共団体の道路管理事務所に対しても、酒気帯び運転を行わないために車両を路肩に停車している旨を通知する。このような警察機関もしくは道路管理事務所などの管理機関に対する酒気帯び運転を回避するための車両停止に関する交通情報が通報されることで、適切な道路交通に対する対処が可能となる。
図6は図5のステップS2及びS8における酒気帯び状態検出処理の詳細を示したフローチャートである。図6において、まずステップS15で波長可変フィルタ14をλ1フィルタとしての帯域にセットし、ステップS16で赤外線カメラ12の撮像動作を行ってλ1画像46−1を取得してメモリ22に保存する。
次にステップS17で波長可変フィルタ14をλ2フィルタとしての帯域にセットし、ステップS18で赤外線カメラ12によりλ2画像46−2を取得してメモリ22に保存する。このステップS15〜S18におけるλ1画像、λ2画像の撮像によるメモリ保存は、1回であってもよいし、必要に応じてn回連続的に撮像保存するようにしてもよい。
続いてステップS19でλ1画像、λ2画像を対象に図4に示した特徴領域抽出画像55の特徴抽出領域62−1〜62−3を設定し、この領域の画素につきλ1画像から受光量I1を計算し、λ2画像から受光量I2を計算し、前記(1)式によりアルコール含有度Aを計算する。
続いてステップS20で、算出したアルコール含有度Aは予め定めた所定の閾値Ath以上か否か判断する。この場合の閾値Athは製造時に設計上定めたデフォルト閾値であってもよいし、運転者の正常状態で取得したアルコール含有度Aの初期値を予め登録して使用してもよい。これにより例えば、糖尿病患者のように血液中に−CH3基や−OH基を含む体質の被験者の初期正常状態を正しく判断でき、酒気帯び度を正しく判定できる。すなわち酒気帯び状態でなくても少量の−CH3基が血中に存在する状態を初期値として記憶し、初期値と都度の運転時のアルコール含有度Aの差を判定することで、個人差の影響を小さくすることができる。
ステップS20でアルコール含有度Aが所定値以上であった場合には毛細血管中にエチルアルコールが含有していると判断され、酒気帯び状態にあることが推定される。
続いてステップS21〜S27のメントールなどの外乱物質による誤検出を回避するためのブレーキ操作テストを用いた酒気帯び状態の確定処理を実行する。まずステップS22でブレーキ操作テストのガイダンスを例えば音声合成出力により行う。続いてステップS22でブレーキ操作を音声合成出力により指示し、運転者にブレーキペダルを踏ませる。
次にステップS24でブレーキスイッチ28のオンを判別するとステップS25に進み、ブレーキ操作の指示でスタートし、ブレーキスイッチ28のオンでストップしたタイマの値から反応時間Tを測定する。
次にステップS26で測定した反応時間Tを不揮発メモリ20から読み出した反応閾値時間Tthと比較し、反応閾値時間Tth以上であればステップS27で酒気帯び状態を確定し、図5のメインルーチンにリターンする。
ここで、ステップS21〜S26の処理は、複数回行い、その結果から酒気帯び状態の有無を確定する。
一方、メントールのような外乱物質による酒気帯び状態の誤検出であって場合には、運転者は正常な状態にあることからブレーキ操作の反応時間Tは反応閾値時間Tth未満と短くなり、酒気帯び状態にないものと判断してステップS28に進み、正常状態を確定する。
続いて、ステップS29で不揮発メモリ20に記憶している反応閾値時間54の更新処理を実行して図5のメインルーチンにリターンする。ステップS29の反応閾値時間の更新処理の詳細は図7に示す。
ここで、ステップS21〜S27のブレーキ操作テストを伴う酒気帯び状態確定処理における音声ガイダンス及び画面表示による具体例を示すと次のようになる。
「安全運転のためブレーキの作動テストを行います。パーキングブレーキが入っていることを確認してください。ピッ、ピッ、ピッという発信音につづいてピーと連続音にかわりましたら、ブレーキペダルをすばやく踏み込んでください。」
「では、はじめます」
「ピッ、ピッ、ピッ、ピーッ」
「確認しています。しばらくお待ちください」
(反応速度が遅い場合)
「ブレーキは正常に動作しました。合図をしてからブレーキをふむまでの時間が遅れています。もう一度行います。」
「ピッ、ピッ、ピッという発信音につづいてピーと連続音にかわりましたら、ブレーキペダルをすばやく踏み込んでください。」
「では、はじめます」
「ピッ、ピッ、ピッ、ピーッ」
「確認しています。しばらくお待ちください」
(反応速度が再び遅い場合)
「ブレーキは正常に動作しますが、ブレーキを踏むまでにかなりの時間おくれがあります。体調がすぐれないか、酒気帯び運転と思われます。このまま運転をしますと重大な事故につながり危険です。酒気帯び運転の罰則は、免許停止6ケ月です。事故をおこしますと免許取り消しとなります。
運転を見合わせるか、代行運転を依頼してください。
代行運転を依頼する場合は、http//:www.daiko又は0120−xxx−xxxに連絡してください。」
「よろしければYes、このまま運転をする場合はNoを選択してください。」
(Noを選択)
対処例1:「酒気帯び運転と判断します。シフトレバーをニュートラルにロックしました。」
対処例2:「酒気帯び運転と判断します。現在の反応速度での安全走行速度は時速?Km/hです。最高速度を安全走行速度15Km/hに制限しました。」
対処例3:「酒気帯び運転と判断します。このまま走り始めた場合は、ただちに最寄の警察署に自動通報します」
対処例4:「酒気帯び運転と判断します。このまま走り始めた場合は、緊急停止ランプが自動的に点滅し、周囲の車両に注意を促します。」
これ以外にも様々な方法が可能であり、例えば次のようにできる。
(処理例1)
カーナビーションシステム等の表示画面上に、ブレーキ操作を指示する特定のマークを表示し、表示されてからブレーキペダルが操作されるまでの時間を計測する。例えば画面上のマークが緑から赤に変わった時点でブレーキ操作を行うよう指示する。
(処理例2)
ブレーキ操作を指示する音または表示を組み合わせることにより、判断の正確さと反応時間を評価し、酒気帯び度を判断する。例えば簡単な足し算を暗算で行わせ、10を越えた時点でブレーキ操作を行うよう指示する。
(処理例3)
発信音「ピッ、ピッ、ピッ、ピーッ」かつ表示色が例えば緑から赤に変化した時点で、ブレーキ操作を行うよう指示する。この場合、表示色は緑、黄、赤と変化するが、緑から黄では操作しないようにする。
図7は図6のステップS29における反応閾値時間更新処理の詳細を示したフローチャートである。図7において、まずステップS30で更新タイミングか否か判別する。更新タイミングは、ユーザが最初に車両を始動したとき、及びその後、一定の期間経過毎又は一定のエンジン始動回数毎とする。
ステップS30で更新タイミングが判別されると、ステップS31でブレーキ操作テストのガイダンスを例えば音声合成出力により行う。続いてステップS32でブレーキ操作を音声合成出力により指示し、運転者にブレーキペダルを踏ませる。
次にステップS33でブレーキスイッチ28のオンを判別するとステップS34に進み、ブレーキ操作の指示でスタートし、ブレーキスイッチ28のオンでストップしたタイマの値から反応時間Tを測定する。
次にステップS35で測定した反応時間Tを不揮発メモリ20に記憶している反応閾値時間Tthに上書きして更新する。このステップS21〜S35の処理についても、測定値のばらつきを抑えるために複数回行い、その平均値により反応式時間を更新することが望ましい。
ここで、ステップS30〜S35のブレーキ操作テストを伴う反応閾値時間更新処理における音声ガイダンス及び画面表示による具体例を示すと次のようになる。
「安全運転のためブレーキの作動テストを行います。パーキングブレーキが入っていることを確認してください。ピッ、ピッ、ピッという発信音につづいてピーと連続音にかわりましたら、ブレーキペダルをすばやく踏み込んでください。」
「では、はじめます」
「ピッ、ピッ、ピッ、ピーッ」
「確認しています。しばらくお待ちください」
「確認しました。」
「もう一度おこないます」
「ピッ、ピッ、ピッ、ピーッ」
「確認しています。しばらくお待ちください」
「確認しました。」
「ブレーキは正常に動作しています。安全運転を心がけてください。」
図8は本発明による酒気帯び運転防止装置の他の実施形態で使用する回転円板を用いたフィルタ切替えの赤外線カメラを示した説明図である。赤外線カメラ12には光学系と赤外線波長帯域に感度を持つCCD撮像素子が設けられている。赤外線カメラ12の前には図1の波長可変フィルタ14に代えてフィルタ切替ユニット66が配置され、回転円盤の2箇所に帯域の異なるフィルタとして、本実施形態にあってはλ1フィルタ68−1、λ2フィルタ68−2を装着し、これらのフィルタをモータを備えた駆動部により順次切り替えながら、運転者の顏の赤外線放射光による画像を撮像する。
図9は2波長切替方式をとる本発明による酒気帯び運転防止装置の他の実施形態を示したブロック図であり、この実施形態にあっては、複数の赤外線受光素子を備えたマルチ赤外線センサを使用したことを特徴とする。
図9において、酒気帯び運転防止装置10には、図1の赤外線カメラ12に代えてマルチ赤外線センサ70と信号制御部72を設けている。
図10は図9のマルチ赤外線センサ70を示している。マルチ赤外線センサ70は、受光側にウィンドウ80を備えたケース78内に、例えば4つの赤外線受光素子82−1〜82−4を配置し、その前方の対角位置に2つずつにλ1フィルタ86−1及びλ2フィルタ86−2を配置している。赤外線検出素子82−1〜82−4からは外部にリード84が取り出されている。
赤外線検出素子82−1〜82−4としては、焦電素子、サーモパイル、サーミスタ、ボロメータなどの非冷却型素子を使用できる。またMCT、Insbなどの冷却型素子を用いてもよい。
λ1フィルタ86−1は、エチルアルコールのスペクトル吸収波長λ1=2.77μmを透過するフィルタである。λ2フィルタ86−2は、エチルアルコールのスペクトル吸収波長の近傍のエチルアルコールの有無の影響を受けない波長λ2=3.00μmを透過するフィルタである。
このようにフィルタと受光素子を1対1に対応して組み合わせたマルチ赤外線センサ70によれば、マルチ赤外線センサ70自体で固定的に波長λ1,λ2に対応した受光量を直接検出できるため、図1の実施形態に示した波長可変フィルタ14とフィルタ駆動部18が不要となり、装置構成が簡単に出来ると共に、CPU11による処理も簡略化されて処理負荷が低減できる。
一方、CPU11の酒気帯び推定部36には、マルチ赤外線センサ70に対応して受光制御部74の機能が設けられている。受光制御部74は、マルチ赤外線センサ70によりλ1フィルタ86−1を透過して受光された被写体の第1受光信号であるλ1受光量76−1をメモリ22に記憶し、またλ2フィルタ86−2を透過して受光された被写体の第2受光信号であるλ2受光量76−2をメモリ36に記憶している。
なお、λ1受光量76−1及びλ2受光量76−2は、2つの赤外線検出素子の受光量の加算値又は平均値を求めて記憶している。
即ちマルチ赤外線センサ70を使用した場合には、受光制御部74による受光制御でメモリ22に直接、λ1受光量76−1としてI1、λ2受光量76−2としてI2、λ3受光量76−3としてI3、更に、λ4受光量76−4としてI4のそれぞれが得られる。

このためエチルアルコール検出部42にあっては、メモリ22に格納されているλ1受光量I1とλ2受光量I2から前記(1)式によりエチルアルコール含有度Aを算出し、判定部44で酒気帯び状態の有無を推定する。
CPU11に設けた酒気帯び確定部38の機能は図1の実施形態と同じであり、反応時間測定部48、反応時間判定部50及び対処実行部52の機能を備えており、ブレ壁操作テストの結果から酒気帯び状態の有無を確定している。
図9の実施形態における酒気帯び運転防止処理は図5のフローチャートと同じであるが、図5のステップS2,S8における酒気帯び状態検出処理がマルチ赤外線センサ70に固有な図11のフローチャートに示す処理となる。
図11において、まずステップS36で波長可変フィルタ14をλ1フィルタとしての帯域にセットし、ステップS17でマルチ赤外線センサ70からλ1受光量I1を検出してメモリ22に保存する。
次にステップS38で波長可変フィルタ14をλ2フィルタとしての帯域にセットし、ステップS19でマルチ赤外線センサ70からλ2受光量I2を検出してメモリ22に保存する。このステップS36〜S39におけるλ1受光量I1、λ2受光量I2の検出によるメモリ保存は、1回であってもよいし、必要に応じてn回連続的に撮像保存するようにしてもよい。続いてステップS40で前記(1)式によりアルコール含有度Aを計算する。
続いてステップS41で、算出したアルコール含有度Aは予め定めた所定の閾値Ath以上か否か判断する。ステップS20でアルコール含有度Aが所定値以上であった場合には毛細血管中にエチルアルコールが含有していると判断され、酒気帯び状態にあることが推定される。
続いてステップS42〜S51のメントールなどの外乱物質による誤検出を回避するためのブレーキ操作テストを用いた酒気帯び状態の確定処理を実行する。このステップS42〜51の処理は、図6のステップS20〜S29の処理と同じである。
(1波長固定方式)
図12は1波長固定方式をとる本発明による酒気帯び運転防止装置の実施形態を示したブロック図である。図12において、酒気帯び運転防止装置10にはCPU11が設けられ、CPU11に対し赤外線カメラ12、λ1フィルタ15及びカメラ制御部16が設けられている。
赤外線カメラ12は図2に示したように対物レンズ56と結像レンズ58を備えた光学系の間には波長可変フィルタ16に代えて波長固定のλ1フィルタ15を設けており、o]λ1フィルタ15は、エチルアルコールの吸収波長λ1であるλ1=2.77μmを含む波長帯域を選択的に透過させる。
CPU11に対しては、不揮発メモリ20とワーク用のメモリ22が設けられる。不揮発メモリ20には、ブレーキ操作テストで使用する反応時間閾値54、受光量の画素演算に用いる領域を特定する特徴領域抽出画像55に加え、エチルアルコール含有度Aの算出に用いる基準受光量88が記憶されている。
またメモリ22には、λ1フィルタ14を介して撮像された運転者の画像がλ1画像46−1として記憶される。
また、CPU11に対しては、エンジンECU24、音声警報部26、ブレーキスイッチ28、ディスプレイ32を備えたナビゲーションシステム30が設けられている。
更に、CPU11には、プログラムの実行により実現される機能として、酒気帯び推定部36と酒気帯び確定部38が設けられている。
酒気帯び推定部36は、運転者から放射される赤外線の被写体画像に基づいて、運転者の血液中に溶け込んでいるエチルアルコール濃度を測定して酒気帯び状態を推定する。酒気帯び確定部38は酒気帯び状態が推定された時に、運転者にブレーキ操作テストを行わせ、反応時間から酒気帯び状態を確定して対処する。
酒気帯び推定部36の機能は、詳細には、基準画像登録部92、撮像制御部94、エチルアルコール検出部96、及び判定部44で構成される。また、酒気帯び推定部38の機能は、詳細には、反応時間測定部48、反応時間判定部50及び対処実行部52で構成される。ここで、基準画像登録部92、撮像制御部94、及びエチルアルコール検出部9は、固定波長のλ1フィルタ15を用いた1波長固定方式に固有の処理を行うが、それ以外の判定部44、反応時間測定部48、反応時間判定部50及び対処実行部52は図1の実施形態と同じである。

酒気帯び運転推定部36は、装置の使用を開始する際の登録モードにおいて、毛細血管中にエチルアルコールが含まれていない正常時のエチルアルコールの吸収スペクトルを与える波長λ1=2.77μmを含むλ1フィルタ15を介して撮像したλ1画像を基準画像としてメモリ22に格納し、この基準画像から求めた受光量Ithを基準受光量55として不揮発メモリ20に記憶している。
ここで、装置使用前の状態にあっては、装置製造の段階で設計値として求められた基準受光量がデフォルト値(Ith)0として不揮発メモリ20に予め格納されており、登録モードの実行によりデフォルト値(Ith)0がユーザ固有の値Ithに更新されることになる。
登録モードにより基準画像から得られた基準受光量Ithは、エチルアルコールが含まれていない正常時に人体より放射(または反射)される赤外線放射量に相当する受光量が得られる。
ここで、エチルアルコールによる吸収スペクトルがある飲酒時のλ1受光量をI1とすると、エチルアルコール含有度Aは、正常時の基準受光量Ithとの比として次式で与えられる。
A=Ith/I1 (2)
(2)式のλ1受光量I1がエチルアルコール濃度の増加に応じて低下するため、エチルアルコール含有度Aは、エチルアルコール濃度に応じて増加する関係にある。また、正常時はλ1受光量I1は基準受光量Ithにほぼ等しいことからアルコール含有度チはA=1付近の値となる。
この(1)式で与えられるエチルアルコール含有度Aが、予め定めた所定の閾値Ath以上であれば、エチルアルコールの検出と判断でき、閾値未満であればエチルアルコールの非検出と判断できる。この場合の閾値Athは、正常時のアルコール含有度をAとすると、これに誤差を吸収するために1以上の所定の係数αを乗じて使用する例えばα=1.2とすれば、Ath=1.2Aで与えられる
このような図12の実施形態におけるエチルアルコール含有度Aの算出は、基準画像登録部92、撮像制御部94及びエチルアルコール検出部96により行われる。
基準画像登録部92は、酒気帯び運転防止装置10の使用を開始する登録モードの設定時に、撮像制御部94によりカメラ制御部16を制御し、λ1フィルタ15を透過したエチルアルコールの吸収波長λ1=2.77μmを含むλ1画像46−1を撮像し、基準画像における特徴抽出領域画像55で決まる図4に示した抽出領域64−1〜64−3の画素の値の総和又は平均値をIthとして算出し、これを基準受光量88としてその値Ithを不揮発メモリ20に格納する。
なお、登録を行う使用開始前の段階にあっては、不揮発メモリ20には設計値として求められたディフォルトの基準受光量(Ith)0が予め登録されている。このため、登録モードの設定による登録処理を行わない場合には、ディフォルトの基準受光量(Ith)0がエチルアルコールの検出処理に使用されることになる。
更に、基準画像登録部92は、基準画像からエチルアルコール検出に用いる運転者の特徴領域を抽出するための図4に示した特徴領域抽出画像55を生成し、これをテンプレートとして格納している。このため特徴領域抽出画像55は前述したように基準画像から基準受光量88を求める際にも使用されている。
撮像制御部94は、車両のエンジンを始動するためのイグニッションキーのオン操作に伴う検出要求の発生時に動作し、運転者の顔の画像を赤外線カメラ12により撮像し、λ1フィルタ15を透過して結像されたλ1画像46−1をメモリ22に格納する。
なお、人体から体温により発せられる赤外線の、血液中エチルアルコールによる吸収スペクトル特性を検知することで、血中アルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を得ているが、CCD撮像素子の信号量が不足する場合には、補助光源として赤外線光源を用いても良い。
エチルアルコール検出部96は、エチルアルコール含有度Aを算出するためのλ1画像46−1の受光量I1の計算として、図4に示した特徴領域抽出画像55の特徴抽出領域64−1〜64−3に含まれる画素値の総和または平均値を求め、これをI1として、既に不揮発メモリ20に格納している基準受光量88の値であるIthを用いて前記(2)式からエチルアルコール含有度Aを算出する。
前記(2)式にあっては、基準画像50の基準受光量Ithとλ1画像56の受光量I1の除算値(Ith/I1)を計算しているが、この代わりに減算値(Ith−I1)を計算しても良いし、二乗除算値(Ith/I12や二乗誤差(Ith−I12を計算しても良い。
判定部44は、エチルアルコール含有度Aが所定の閾値Ath以上であれば、酒気帯び状態と推定する。判定部44で酒気帯び運転状態が推定されると、酒気帯び確定部38が動作し、運転者にブレーキ操作テストを指示して反応時間Tを測定し、反応閾値時間Tth以上であれば、酒気帯び状態にあるとの判断を確定し、対処処理を実行する。一方、反応閾値時間Tth未満であれば、これはメントールなどの外乱物質による誤検出と判断し、正常状態にあるとの判断を確定する。
図12の実施形態における酒気帯び運転防止処理は、基準画像登録部92による処理が加わる以外は、図5のフローチャートに示したと基本的に同じであり、更に、図5のステップS2,S8の酒気帯び状態検出処理が図13のフローチャートに示すように1波長固定方式に固有な処理となる。
図13において、まずステップS52で赤外線カメラ12の撮影動作を行い、λ1画像46−1を取得してメモリ22に保存する。次にステップS53で、図4に示したように、特徴領域抽出画像55をメモリ22に保存しているλ1画像46−1に設定し、特徴領域64−1〜64−3に含まれる画素につき受光量I1を算出する。
次にステップS56で不揮発メモリ20から基準受光量Ithを読出し、前記(2)式によりアルコール含有度Aを計算する。そしてステップS57で、算出したアルコール含有度Aが閾値Ath以上か否かチェックし、閾値Ath以上であった場合には酒気帯び状態と推定してステップS58に進む。
続いてステップS58〜S66のメントールなどの外乱物質による誤検出を回避するためのブレーキ操作テストを用いた酒気帯び状態の確定処理を実行する。このステップS58〜66の処理は、図6のステップS21〜S29の処理と同じである。
このような図12の1波長固定方式の実施形態によれば、エチルアルコール含有度を求める際に使用するエチルアルコールが血中にない正常時の被写体の撮像で得られたエチルアルコール吸収波長の被写体画像を基準として使用開始時の登録モードで取得して不揮発メモリに予め登録しておくことで、図1の実施形態のように、フィルタ切替えによりエチルアルコールの吸収スペクトルが存在しない別の波長帯域の被写体画像を基準として撮像する必要がなく、単一の波長固定フィルタですむことから被写体赤外線画像を撮像する光学系を簡単し、コストを低減できる。
図14は1波長固定方式をとるマルチ赤外線センサを用いた酒気帯び運転防止装置の他の実施形態を示したブロック図である。図14において、酒気帯び運転防止装置10には赤外線カメラに代えてマルチ赤外線センサ102を設けている。

図15は図14のマルチ赤外線センサ102を示している。マルチ赤外線センサ102は、受光側にウィンドウ80を設けたケース78の内部に透過的に示すように、この実施形態にあっては4つの赤外線検出素子82−1〜82−4を配置している。赤外線検出素子82−1〜82−4の前にはエチルアルコールの吸収波長λ1であるλ1=2.77μmを含む波長帯域を選択的に透過させるλ1フィルタ86−1を配置している。

このため、マルチ赤外線センサ102に運転者である被写体の像が結像されると、被写体の像即ち運転者の顔の像につき、4つに分割した領域ごとに赤外線検出素子82−1〜84−4に対応したλ1受光信号が得られ、その総和あるいは平均値を算出することで、λ1受光量I1を求めることができる。

また基準受光信号の登録処理にあっては、4分割された赤外線検出素子82−1〜82−4から得られた4つの受光信号につき、その総和あるいは平均値を算出することで、求めたλ1受光量I1を基準受光量Ithとする。
図14のCPU11には酒気帯び推定部36と酒気帯び確定部38が設けられている。酒気帯び推定部36には、マルチ赤外線センサ102に対応した固有の処理を行う基準受光信号登録部98と受光制御部100とが設けられ、エチルアルコール検出部96と判定部44は図12の実施形態と同じある。

また、酒気帯び推定部38には、反応時間測定部48、反応時間判定部50及び対処実行部52が設けられ、これらは図12の実施形態と同じである。
図14の実施形態における酒気帯び運転防止処理は、基準受光信号登録部98による処理が加わる以外は、図5のフローチャートに示したと基本的に同じであり、更に、図5のステップS2,S8の酒気帯び状態検出処理が図16のフローチャートに示すようにマルチ赤外線センサを用いた1波長固定方式に固有な処理となる。

図16において、まずステップS67でマルチ赤外線センサ102によりλ1受光量I1を検出してメモリ22に保存する。次にステップS68で不揮発メモリ20に保存している基準受光量Ithを読出し、ステップS69で前記(2)式によりアルコール含有度Aを計算する。そしてステップS70で、算出したアルコール含有度Aが閾値Ath以上か否かチェックし、閾値Ath以上であった場合にはステップS71に進んで酒気帯び状態と推定し、ステップS72に進む。

続いてステップS72〜S79のメントールなどの外乱物質による誤検出を回避するためのブレーキ操作テストを用いた酒気帯び状態の確定処理を実行する。このステップS72〜79の処理は、図6のステップS21〜S29の処理と同じである。
なお、上記の実施形態にあっては、複数の赤外線検出素子を備えたマルチ赤外線センサを使用しているが、単一の赤外線検出素子を備えた赤外線センサであっても良い。
また、上記の実施形態にあっては、波長可変フィルタによるフィルタ切替えやフィルタ切替ユニットによる機械的なフィルタ切替えを例に取るものであったが、これ以外に回析格子などを用いた分光器により、目的とするスペクトル帯域の画像もしくは受光量を測定するようにしてもよい。
2波長切替え方式をとる本発明による酒気帯び運転防止装置の実施形態を示したブロック図 本実施形態で使用する波長可変フィルタを用いた赤外線カメラを示した説明図 エチルアルコールの波長スペクトラム分布を示した説明図 本実施形態における特徴領域の抽出を示した説明図 図1の実施形態による酒気帯び運転防止処理を示したフローチャート 図5のステップS2、S8における酒気帯び状態検出処理の詳細を示したフローチャート 図6のステップS29における反応閾値時間更新処理の詳細を示したフローチャート 本実施形態で使用するフィルタ切替えの赤外線カメラを示した説明図 2波長切替え方式をとる本発明による酒気帯び運転防止装置の他の実施形態を示したブロック図 図9のマルチ赤外線センサを示した説明図 図9の実施形態における酒気帯び状態検出処理を示したフローチャート 1波長固定方式をとる本発明による酒気帯び運転防止装置の実施形態を示したブロック図 図12の実施形態における酒気帯び運転防止処理を示したフローチャート 1波長固定方式をとる本発明による酒気帯び運転防止装置の他の実施形態を示したブロック図 図14のマルチ赤外線センサを示した説明図 図14の実施形態における酒気帯び運転防止処理を示したフローチャート
符号の説明
10:酒気帯び運転防止装置
11:CPU
12:赤外線カメラ
14:波長可変フィルタ
15:λ1フィルタ
16:カメラ制御部
18:フィルタ駆動部
20:個人認証メモリ
22:メモリ
24:エンジンECU
26:音声警報部
28:ブレーキスイッチ
30:ナビゲーションシステム
32:ディスプレイ
36:酒気帯び推定部
38:酒気帯び確定部
40,94:撮像制御部
42,96:エチルアルコール検出部
44:判定部
46−1:λ1画像
46−2:λ2画像
48:反応時間測定部
50:反応時間判定部
52:対処実行部
54:反応閾値時間
56:対物レンズ
58:結像レンズ
60:CCD撮像素子
62:画像
64−1〜64−3:特徴抽出領域
66:フィルタ切替ユニット
68−1:λ1フィルタ
68−2:λ2フィルタ
70,102マルチ赤外線センサ
72:信号制御部
74,100:受光制御部
78:ケース
80:ウインドウ
82−1〜82−4:赤外線検出素子
84:リード
−1:λ1フィルタ
−2:λ2フィルタ
88:基準受光量
90:特徴抽出領域画像
2:基準画像登録部
98:基準受光信号登録部

Claims (11)

  1. エンジン始動操作時及び走行中の一定時間ごとに、運転者の顔から放射または反射される赤外線の被写体画像に基づいて、前記運転者の血液中に溶け込んでいるエチルアルコール濃度を測定して酒気帯び状態を推定する酒気帯び推定部と、
    前記エンジン始動操作時に前記酒気帯び状態が推定された場合、前記運転者に反応テストを行わせ、前記反応テストの結果から前記酒気帯び状態を確定して対処する酒気帯び確定部と、
    を備え
    前記走行中に酒気帯び状態が推定された場合又は前記エンジン始動操作時に酒気帯び状態が確定された場合に、前記運転者に警告を発信することを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  2. 請求項記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、
    前記酒気帯び確定部は、
    ブレーキ操作を指示してから実際にブレーキペダルが踏み込まれるまでの反応時間を測定する反応時間測定部と、
    前記測定された反応時間が所定の閾値時間以上の場合に酒気帯び状態を確定する反応時間判定部と、
    前記酒気帯び状態を確定した場合に、所定の対処処理を実行する酒気帯び対処実行部と、
    を備え、
    前記反応時間判定部は、通常状態での反応時間を運転者固有の閾値時間として予め記憶し、前記測定された反応時間が前記閾値時間以上の場合に酒気帯び状態を確定することを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  3. 請求項1又は2記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び推定部は、
    赤外線波長帯域に感度を有する撮像素子と、
    被写体像を前記撮像素子に結像させる光学系と、
    前記被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
    前記被写体からの前記第1波長帯域の近傍となる前記エチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
    前記第1フィルタを透過して結像された第1被写体画像及び前記第2フィルタを透過して結像された第2被写体画像を、前記撮像素子により撮像してメモリに格納する撮像制御部と、
    前記メモリに格納された第1被写体画像と第2被写体画像に基づいて前記エチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
    前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以上の場合に酒気帯び状態と判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  4. 請求項1又は2記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び推定部は、
    1又は複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサと、
    被写体像を前記赤外線受光センサに結像させる光学系と、
    前記被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
    前記被写体からの前記第1波長体域の近傍となる前記エチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
    前記赤外線センサにより、前記第1フィルタを透過して受光された被写体の第1受光信号、及び前記第2フィルタを透過して受光された被写体の第2受光信号を検出してメモリに格納する受光制御部と、
    前記メモリに格納された第1受光信号と第2受光信号に基づいて前記エチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
    前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以上の場合に酒気帯び状態と判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  5. 請求項又は記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、
    前記第1フィルタは第1波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
    前記第2フィルタは前記第1波長帯域を含まない第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させることを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  6. 請求項1又は2記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び推定部は、
    赤外線波長帯域に感度を有する撮像素子と、
    被写体像を前記撮像素子に結像させる光学系と、
    前記被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させるフィルタと、
    前記フィルタを透過して結像された被写体画像を、前記撮像素子により撮像してメモリに格納する撮像制御部と、
    前記撮像制御部により前記フィルタを透過して結像された被写体画像を基準画像として不揮発メモリに予め格納する基準画像登録部と、
    前記メモリの被写体画像と前記不揮発メモリの基準画像に基づいて前記エチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
    前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以上の場合にエチルアルコールの検出を判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  7. 請求項1又は2記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び推定部は、
    1又は複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサと、
    被写体像を前記赤外線受光センサに結像させる光学系と、
    前記被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させるフィルタと、
    前記赤外線センサにより、前記フィルタを透過して受光された被写体の受光信号を検出してメモリに格納する受光制御部と、
    前記受光制御部により前記フィルタを透過して受光された受光信号を基準受光信号として不揮発メモリに予め格納する基準受光信号登録部と、
    前記メモリの受光信号と前記不揮発メモリの基準受光信号に基づいて前記エチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
    前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以上の場合にエチルアルコールの検出を判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  8. 請求項又は記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、
    前記フィルタは波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させることを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  9. 請求項3、4、6又はのいずれかに記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記判定部は、前記所定の閾値として運転者の正常状態で取得したアルコール含有度を使用することを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  10. 請求項記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、
    前記酒気帯び確定部は、
    ブレーキ操作を指示してから実際にブレーキペダルが踏み込まれるまでの反応時間を測定する反応時間測定部と、
    前記測定された反応時間が所定の閾値時間以上の場合に酒気帯び状態を確定する反応時間判定部と、
    前記酒気帯び状態を確定した場合に、所定の対処処理を実行する酒気帯び対処実行部と、
    を備え、
    前記反応時間測定部は、音声出力、画面表示又は音声出力と画面表示の組合せによりブレーキ操作を指示することを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  11. 請求項2又は10記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び対処実行部は、エンジン始動禁止、代行運転依頼、シフトレバーのニュートラル位置でのロック、最高速度の安全走行速度への制限、外部機関への自動通報、又は緊急停止ランプの自動点滅のいずれかを実行することを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
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