JP5096126B2 - エチルアルコール検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、飲酒により血液中に溶け込んでいるエチルアルコールを人体から放射する赤外線に基づいて検知して酒気帯び運転などを判定するエチルアルコール検知装置に関する。
従来、酒気帯び運転を防止するための装置にあっては、運転者の呼気に含まれるエチルアルコールをガスセンサにより検知し、自動車を始動させないように構成している。(特許文献1)。
一般に、呼気中に含まれるアルコールの濃度は血液中のアルコール濃度と比例関係にある。法規上定められた酒気帯び運転の基準は、呼気中のアルコール濃度0.15mg/Lであり、これは血中アルコール濃度で0.03%に相当する。このため呼気中のアルコール濃度を測定することで、酒気帯び状態を検知して運転を防止することができる。
特開平8−150853号公報
しかしながら、このような従来の酒気帯び防止装置にあっては、運転者の位置する頭上近辺の空間の空気をファンにより吸引してガスセンサでアルコールを間接的に検知するようにしているため、呼気を直接採取してアルコール濃度を測定する場合に比べ、測定値が実際の呼気中のアルコール濃度に対し低めの値となり、確実に酒気帯び運転を防止できない恐れがある。
またアルコールを検知するガスセンサは使用中に異物の付着や酸化などにより感度が変化するため、自動的に感度を調整する校正処理が必要であり、更に、定期的に清掃点検などのメンテナンスをしなければ検出精度を維持することができないという問題がある。
本発明は、運転者の放射する赤外線から血中のエチルアルコールを検知して酒気帯び防止などに利用可能で且つメンテナンスフリーなエチルアルコール検知装置を提供することを目的とする。
(赤外線撮像素子を用いた装置)
本発明は赤外線撮像素子を用いたエチルアルコール検知装置を提供する。本発明のエチルアルコール検知装置は、
赤外線波長帯域に感度を有する撮像素子と、
被写体像を撮像素子に結像させる光学系と、
被写体からのエチルアルコールの吸収波長(λ1)を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
被写体からの第1波長帯域の近傍となるエチルアルコールによる吸収率の小さな波長(λ2)を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
被写体からのエチルアルコールと同じ第1波長帯域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長(λ3)であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む第3波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第3フィルタと、
第1のフィルタを透過して結像された第1被写体画像、第2フィルタを透過して結像された第2被写体画像、及び第3フィルタを透過して結像された第3被写体画像を、撮像素子により撮像してメモリに格納する撮像制御部と、
メモリに格納された第1被写体画像と第2被写体画像に基づいてエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
メモリに格納された第2被写体画像と第3被写体画像に基づいて外乱物質の濃度に対応した外乱度を算出する外乱物質検出部と、
エチルアルコール含有度と外乱度に基づいてエチルアルコールの検出又は非検出を判定する判定部と、
を備えたことを特徴とするエチルアルコール検知装置。
ここで、第1フィルタは第1波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
第2フィルタは第1波長帯域を含まない第2波長帯域として3.00μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
第3フィルタは、外乱物質がメントールの場合、第3波長帯域として3.28μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、外乱物質がステアリン酸の場合、第3波長帯域として5.88μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させる。
エチルアルコール検出部は、第1被写体画像と第2被写体画像の同一位置の画素間の相関値の総和又は平均値からエチルアルコール濃度に対応したエチルアルール含有度を算出し、
外乱物質検出部は、第2被写体画像と第3被写体画像の同一位置の画素間の相関値の総和又は平均値から外乱度を算出する。
エチルアルコール検出部及び外乱物質検出部は、相関値として、画素間の減算値又は除算値、画素値に所定係数を乗じた画素値の減算値又は除算値、若しくは画素間の二乗誤差値の各々の総和又は平均値を算出する。
判定部は、エチルアルコール含有度が所定の閾値以下で外乱度が所定値を超えている場合にエチルアルコールの検出を判定し、エチルアルコール含有度が所定の閾値以下で外乱度が所定の閾値以下の場合にエチルアルコールの非検出を判定する。
(赤外線検出素子を用いた装置)
本発明は1又は複数の赤外線受光素子を用いたエチルアルコール検知装置を提供する。本発明のエチルアルコール検知装置は、
1又は複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサと、
被写体像を記赤外線受光センサに結像させる光学系と、
被写体からのエチルアルコールの吸収波長(λ1)を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
被写体からの第1波長体域の近傍となるエチルアルコールによる吸収率の小さな波長(λ2)を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
被写体からのエチルアルコールと同じ第1波長体域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長(λ3)であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む第3波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第3フィルタと、
赤外線センサにより、第1フィルタを透過して受光された被写体の第1受光信号、第2フィルタを透過して受光された被写体の第2受光信号、及び第3フィルタを透過して受光された被写体の第3受光信号を検出してメモリに格納する受光制御部と、
メモリに格納された第1受光信号と第2受光信号に基づいてエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
メモリに格納された第2受光信号と第3受光信号に基づいて外乱物質の濃度に対応した外乱度を算出する外乱物質検出部と、
エチルアルコール含有度と外乱度に基づいてエチルアルコールの検出又は非検出を判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする。
ここで、第1フィルタは第1波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
第2フィルタは第1波長帯域を含まない第2波長帯域として3.00μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
第3フィルタは、外乱物質がメントールの場合、第3波長帯域として3.28μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、外乱物質がステアリン酸の場合、第3波長帯域として5.88μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させる。
赤外線センサは、第1フィルタ、第2フィルタ、1又は複数の第3フィルタの各々と赤外線受光素子を組み合わせてセンサ筐体に組込み配置する。
赤外線センサは、複数の赤外線受光素子を2次元配置し、
受光制御部は、第1フィルタを透過して複数の赤外線受光素子により受光された被写体の第1受光信号群、第2フィルタを透過して複数の赤外線受光素子により受光された被写体の第2受光信号群、及び第3フィルタを透過して複数の赤外線受光素子により受光された被写体の第3受光信号群を検出してメモリに格納し、
エチルアルコール検出部は、第1受光信号群と第2受光信号群における同一位置の赤外線受光素子間の相関値の総和又は平均値からエチルアルコール濃度に対応したエチルアルール検出値を算出し、
外乱物質検出部は、第2受光信号群と第3受光信号群における同一位置の赤外線受光素子間の相関値の総和又は平均値から外乱度を算出する。
エチルアルコール検出部及び外乱物質検出部は、相関値として、受光信号間の減算値又は除算値、受光信号に所定係数を乗じた受光信号間の減算値又は除算値、若しくは受光信号間の二乗誤差値を算出する。
判定部は、エチルアルコール含有度が所定の閾値以下で外乱度が所定値を超えている場合にエチルアルコールの検出を判定し、エチルアルコール含有度が所定の閾値以下で外乱度が所定の閾値以下の場合にエチルアルコールの非検出を判定する。
本発明によれば、運転者の体温による人体からの赤外線放射光、特に、皮膚が露出している顔からの赤外線放射光から毛細血管中のエチルアルコールによる特徴的な吸収スペクトルを検知して、血中アルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を得ることができ、このエチルアルコール含有度から運転者の酒気帯び運転などを正確に判定して注意喚起や運転防止などの適切な措置をとることができる。
また化粧品に含まれるメントールは、エチルアルコールと同じ波長にも吸収スペクトルをもつことで外乱要因となるが、エチルアルコールにはないメントール固有波長の吸収スペクトルを外乱度として検知することで、化粧品などによるエチルアルコールの誤検出を確実に防止することができる。
またエチルアルコール含有度を、エチルアルコール固有波長の吸収スペクトルの受光量と吸収スペクトルのない別波長の受光量との比率、差分などの値として検出しているため、赤外線放射量の強弱の影響を受けることなく、高いS/N比により毛細血管中のエチルアルコールを正確に検知することができる。
更に、被写体からの赤外光におけるエチルアルコール吸収スペクトルからエチルアルコール含有度を検知しているため、従来のガスセンサによるアルコール検知のような感度調整や清掃点検などのメンテナンスが不要であり、長期間に亘り安定した高い精度で酒気帯び運転の原因である人体のエチルアルコール含有度を検知することができる。
図1は本発明によるエチルアルコール検知装置の実施形態を示した説明図である。図1において、エチルアルコール検知装置10はコンピュータのハードウェア環境で実現されており、エチルアルコール検知装置10に対しては赤外線カメラ12とフィルタ切替ユニット14が設けられている。
赤外線カメラ12は例えば車両のダッシュボードなどに内蔵されており、フィルタ切替ユニット14を介して、被写体となる運転者18の顔から放射される赤外線放射光による画像を撮像する。
フィルタ切替ユニット14は、図2に取り出して示すように、赤外線カメラ12の前に配置された回転円盤の例えば3箇所に帯域の異なるフィルタとして、本実施形態にあってはλ1フィルタ20−1、λ2フィルタ20−2及びλ3フィルタ20−3を装着し、これらのフィルタを順次切り替えながら、運転者18の顏の赤外線放射光による画像を撮像する。
再び図1を参照するに、赤外線カメラ12には光学系22と赤外線波長帯域に感度を持つ撮像素子(CCD)24が設けられている。フィルタ切替ユニット14は、モータなどを備えた駆動部16により円盤を回転してフィルタ切替えを行うことができる。
エチルアルコール検知装置10にはCPU26が設けられ、CPU26のバス28に対し、AD変換器30、出力インタフェース32,34,35、及びメモリ36を接続している。
AD変換器30には赤外線カメラ12が接続され、撮像素子24で撮像された運転者18の画像をデジタル画像データに変換し、メモリ36にλ1画像46−1、λ2画像46−2、λ3画像46−3として格納する。この赤外線カメラ12を用いた画像撮影の制御動作は、CPU26に設けた撮像制御部38により行われる。
出力インタフェース32には駆動部16が接続され、エチルアルコール検知装置10からの制御信号で駆動部16を切り替えて、赤外線カメラ12の撮像動作に連動してフィルタ切替ユニット14のフィルタ切替えを行う。
出力インタフェース34には表示部52が接続され、また出力インタフェース35には制御部54が接続されている。表示部52には、エチルアルコール検知装置10で処理された検出結果、例えば運転者18の酒気帯びの有無などが表示される。制御部54は、エチルアルコール検知装置10で運転者18の酒気帯び運転が判別された際に、例えばエンジンの始動をできないようにするような酒気帯び運転防止制御などを行う。
CPU26には、プログラムの実行により実現される機能として、撮像制御部38、エチルアルコール検出部40、外乱物質検出部42及び判定部44が設けられている。本実施形態のエチルアルコール検知装置10にあっては、運転者18の酒気帯び状態を顔面などの皮膚直下の毛細血管に表れる含有エチルアルコールにより検出する。
毛細血管中の含有エチルアルコールの検出は、運転者18の体温による人体からの赤外線放射光におけるエチルアルコールによる特定波長の吸収スペクトルによる減衰を検知することを基本としている。
図3は本実施形態で検知するエチルアルコールの波長スペクトル分布を示した説明図である。エチルアルコールC25OHは、その分子構造に由来する吸収スペクトルを2.77μm、3.37μm及び9.5μmなどの特定波長に持っている。例えば波長2.77μmの吸収スペクトルは、エチルアルコール中の−CH3の結合伸縮に伴い、エチルアルコール分子が吸光する波長帯である。
そこで運転者からの赤外光のうち、エチルアルコールの吸収波長λ1として、λ1=2.77μmを含む第1波長帯域を選択的に透過させる第1フィルタとしてλ1フィルタ20−1を介して赤外光を監視すると、エチルアルコールが毛細血管中に含まれている状態即ち酒気帯び状態では、λ1=2.77μmを含む第1波長帯域の赤外光は毛細血管中のエチルアルコール濃度に応じた吸光度を示し、このときの撮像素子24で撮像されたλ1画像46−1における各画素から求められた受光量I1は小さくなる。
次に本実施形態にあっては、エチルアルコールの吸収スペクトルを与える波長λ1=2.77μmの近傍にエチルアルコールによる吸収率の小さな波長λ2として、例えばλ2=3.0μmを含む第2波長帯域を選択的に透過させる第2フィルタとしてλ2フィルタ20−2を設け、λ2フィルタ20−2により運転者18からの赤外光を監視する。λ2フィルタ20−2を透過して得られる運転者18からの赤外光の撮像画像であるλ2画像の画素から求められた受光量I2は、エチルアルコールの有無に関係なく、人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られる。
ここで正常状態での人体よりの赤外線放射量をI0とすると、エチルアルコール吸収スペクトルとなる波長λ1=2.77μmを含む第1波長帯域における吸光度aは
a=In(I1/I0
となる。またエチルアルコールによる吸収率の小さな波長λ2=3.00μmを含む第2波長帯域における吸光度bは
b=In(I2/I0
となる。
そして、第1波長帯域の吸光度aと第2波長帯域の吸光度bとの間には
In(I1/I0)<In(I2/I0)<0
の関係が成り立つ。
ここでエチルアルコールの含有度A
=In(I1/I0)−In(I2/I0
と表わし、これを変形すると、
In(I1/I0)−In(I2/I0)=In{In(I1/I0)/In(I2/I0)}
=In(I1/I2
となる。
即ち、特性値として単に(I1/I2)を求めることで、エチルアルコール含有度Aを表わすことができる。即ち本実施形態にあっては、エチルアルコール含有度Aを
A=I1/I2 (1)
として算出する。この(1)式で与えられるエチルアルコール含有度Aが、予め定めた所定値以下であれば、酒気帯びの度合が大きいと判断することができる。このような本実施形態におけるエチルアルコール含有度Aの算出は、図1のCPU26に設けた撮像制御部28及びエチルアルコール検出部40により行われる。
撮像制御部38は、運転者18が運転を開始するためにイグニッションキーをオンとしたような所定の検出タイミングで動作し、フィルタ切替ユニット14の駆動部16による切替動作で、λ1フィルタ20−1、λ2フィルタ20−2、更に後の説明で明らかにするλ3フィルタ20−3を切り替えながら、運転者18の顔の画像を赤外線カメラ12により撮像し、λ1フィルタ20−1を透過して結像された第1被写体画像であるλ1画像46−1、λ2フィルタ20−2を透過して結像された第2被写体画像であるλ2画像46−2、更にλ3フィルタ20−3を透過して結像された第3被写体画像であるλ3画像46−3のそれぞれを、AD変換器30でデジタル画像データに変換し、メモリ36に格納する。
エチルアルコール検出部40は、メモリ36に格納されたλ1画像46−1とλ2画像46−2に基づいて、エチルアルコール濃度に対応した前記(1)式で与えられるエチルアルコール含有度Aを算出する。
図4は図1のエチルアルコール検出部40でエチルアルコール含有度Aを計算する際に用いられる運転者18の特徴領域の抽出画像を示している。運転者18の毛細血管中のエチルアルコールの濃度を赤外線受光量から検出するためには、運転者の顔の毛細血管が皮膚表面に表われていてエチルアルコールによる吸収スペクトルの減衰が十分に得られる場所を特定して、エチルアルコール含有度Aを算出する必要がある。
図4の場合にあっては、エチルアルコールの有無に関係ない人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られるλ2フィルタ20−2を透過して得られたλ2画像46−2を対象に、毛細血管からの体温による赤外線放射が出易い例えば唇などの皮膚の薄い特徴抽出領域50−1や、両目の周囲に設定した特徴抽出領域50−2,50−3を使用して、エチルアルコール含有度Aを算出する。
前記(1)式におけるエチルアルコール含有度Aを算出するためのλ1画像46−1の受光量I1及びλ2画像46−2の受光量I2の計算は、特徴抽出領域に含まれる画素値の総和または平均値を求め、これをI1,I2として前記(1)式からエチルアルコール含有度Aを算出する。
前記(1)式にあっては、λ1画像の受光量I1とλ2画像46−2の受光量I2の減算値(I1/I2)を計算しているが、この代わりに減算値(I1−I2)を計算しても良いし、二乗誤差(I1−I2)2を計算しても良い。
また、ログアンプなどを使用することにより直接的に吸光度
In(I1/I2)=In(I1)−In(I2
を計算してもよい。
更に本実施形態にあっては、フィルタ切替ユニット14に図2に示すように更にλ3フィルタ20−3を設け、CPU26に設けた外乱物質検出部42で外乱度Bを算出し、エチルアルコール検出部40で算出されたエチルアルコール含有度Aの適否を判定部44で判定するようにしている。
これは被写体となる運転者18が例えば女性であった場合には、撮影対象とする顔には化粧が施されており、この化粧品に含まれる物質として例えばメントールC1020Oが存在した場合には、エチルアルコールが存在しないにも関わらず、メントールについてλ1フィルタ20−1画像46−1にλ1=2.77μmの吸収スペクトルが存在し、エチルアルコール含有度Aを誤検出する場合がある。
即ち、化粧品などに含まれるメントールC1020Oはエチルアルコールと同様、2.77μmと3.37μmに吸収スペクトルを持っている。これに加え、メントールのベンゼン殻に由来する波長λ3=3.28μmにも固有の吸収スペクトルを持っている。
そこで本実施形態にあっては、化粧品などに含まれるメントールをエチルアルコール検出に対する外乱物質と見なし、エチルアルコールと同じ吸収波長λ1=2.77μm及び3.37μm以外の固有の吸収波長λ3=3.28μmを選択的に透過させる第3フィルタとしてλ3フィルタ20−3を設け、λ3フィルタ20−3を透過した赤外線放射光の撮像画像、即ちλ3画像46−3から受光量I3を測定し、人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られるλ2画像46−2から得られた受光量I2を使用してメントールを判定するための外乱度Bとして
B=I3/I2 ・・・(2)
を設定する。
この(2)式で与えられる外乱度Bが予め定めた所定値以下であれば、それはメントールであり、エチルアルコールではないと判断することができる。
即ち、図1のCPU26に設けた外乱物質検出部42は、メモリ36に格納されたλ2フィルタ20−2を透過して得られたλ2画像46−2の受光量I2と、λ3フィルタ20−3を透過して得られたλ3画像46−3から得られた受光量I3に基づき、前記(2)式に従って外乱度Bを算出する。
判定部44は、エチルアルコール検出部40で検出されたエチルアルコール含有度Aと、外乱物質検出部42で検出された外乱度Bに基づいて、エチルアルコールの検出と非検出を判定する。
具体的には、判定部44はエチルアルコール含有度Aが所定値以下で外乱度Bが所定値を超えている場合にエチルアルコールの検出を判定し、一方、エチルアルコール含有度Aが所定値以下で外乱度Bが所定値以下の場合には、エチルアルコールではなく、外乱物質である例えば化粧品などに含まれるメントールであると判断し、エチルアルコールの非検出を判定する。
本実施形態における外乱物質は、メントール以外に、同じく化粧品などに多く使用されているステアリン酸C1735COOHが対象となる。ステアリン酸はエチルアルコールと同じ波長2.77μmと3.37μmに吸収スペクトルを持つが、エチルアルコールにはない−C00Hに起因した波長5.88μmに吸収スペクトルが表れる。
したがって、ステアリン酸については更に波長λ4=5.88μmを選択的に透過する別の第3フィルタとしてλ4フィルタを準備し、図2に示すフィルタ切替ユニット14の回転円盤にλ4フィルタを追加して、図1のエチルアルコール検出装置10の動作の際に切り替えて、メモリ36にλ4画像を取得するようにする。
このステアリン酸の吸収スペクトルに対応したλ4画像についての外乱物質検出部42の処理は、λ4画像から受光量I4を算出し、λ3画像の場合と同様、前記(2)式からステアリン酸についての外乱度Bを算出し、判定部44で外乱度Bが所定値以下であればステアリン酸であり、エチルアルコールではないと判断できる。
更に、エチルアルコールに対する外乱物質としてグリセリンC35(OH)3の場合には−CH3に由来する吸収スペクトルの波長2.77μmが表れないため、グリセリンについてはλ1フィルタ20−1のλ1画像46−1につき、その受光量I1に減衰が起きず、前記(1)式で算出されるアルコール含有度Aが所定値を超えていることでエチルアルコールでないことが確認でき、したがってグリセリンについては外乱物質として考慮する必要はない。
本実施形態は外乱物質として化粧品などに多く含まれるメントールとステアリン酸を例に取っているが、これ以外のエチルアルコールと同じ波長にスペクトル吸収を持つ物質が存在する場合には、それぞれの物質につきエチルアルコールの吸収波長以外の固有の波長につき、その波長固有のフィルタによる画像を取得して外乱度を求めることで、外乱物質によるエチルアルコールの誤検出を確実に回避することができる。
なお、-CH3と−OHをもつ物質は無数にあり、その内、積極的に顔に付着させる可能性がある物質として、化粧品に含まれるメントールとステアリン酸を例示している。他にも、糖尿病患者の体内で生成されるアセト酢酸も、−CH3と−OHを持ち、エタノールと同じスペクトル吸収帯を持つが、エタノールにはない5.83μmの吸収帯を第3波長帯域として測定することにより、外乱物質であることを認識できる。
図5は図1の実施形態によるエチルアルコールの検出処理を示したフローチャートである。図5において、まずステップS1でエチルアルコールの検知要求の有無をチェックしている。この検知要求は、例えば運転者が座席に座ってイグニッションキーをオン位置に回した際に、検知要求信号がエチルアルコール検知装置10に出力され、検知処理が開始される。
エチルアルコール検知処理は、まずステップS1でλ1フィルタ20−1を赤外線カメラ12にセットし、ステップS3で赤外線カメラ12の撮像動作を行ってλ1画像46−1を取得してメモリ36に保存する。次にステップS4でλ2フィルタ20−2を赤外線カメラ12にセットし、ステップS5で赤外線カメラ12によりλ2画像46−2を取得してメモリ36に保存する。
更にステップS6でλ3フィルタ20−3を赤外線カメラ12にセットし、ステップS7で撮像動作によりλ3画像46−3をメモリ36に保存する。このステップS2〜S7におけるλ1画像、λ2画像、λ3画像の撮像によるメモリ保存は、1回であってもよいし、必要に応じてn回連続的に撮像保存するようにしてもよい。
続いてステップS8で、図4に示したように、エチルアルコールの有無に関係なく、人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られるλ2画像46−2を対象に、唇及び目などの毛細血管からの熱が表れ易い場所につき特徴抽出領域50−1〜50−3を設定し、この領域の画素につき受光量の算出を行う。
まずステップS9でλ1画像から受光量I1を計算し、次にステップS10でλ2画像から受光量I2を計算し、更にステップS11でλ3画像から受光量I3を計算する。
次にステップS12で、前記(1)式によりアルコール含有度Aを計算する。続いてステップS13で、算出したアルコール含有度Aは予め定めた所定値以下か否か判断する。この場合の所定値は製造時に設計上定めた値であってもよいし、運転者の正常状態で取得したアルコール含有度Aの初期値を予め登録して使用してもよい。
ステップS13でアルコール含有度Aが所定値以下であった場合には毛細血管中にエチルアルコールが含有していると判断されてステップS14に進み、一方、エチルアルコール含有度Aが所定値を超えている場合にはエチルアルコールによるスペクトル吸収はないことから、エチルアルコール非検出と判断され、ステップS1に戻る。
ステップS14にあっては、外乱度Bを前記(2)式から算出し、ステップS15で、算出した外乱度Bが所定値以下であった場合には、これはエチルアルコール以外の外乱物質によるエチルアルコール含有度Aの誤検知と判断し、ステップS1に戻る。
一方、ステップS15で外乱度Bが所定値を超えていた場合には、外乱物質によるエチルアルコールの誤検出はないもとのと判定し、ステップS16に進み、酒気帯びと判定して対応処理を実行する。酒気帯びと判定した場合の対応処理は、図1において表示部52に酒気帯び運転をしないように促す警告表示を出力表示したり、制御部54によりイグニッションキーをスタート位置に回してもエンジンを始動させないように禁止動作を掛けるなどして、酒気帯び運転を行わせないようにする。
図6は本実施形態で使用する波長可変フィルタを用いた赤外線カメラを示した説明図である。図6において、赤外線カメラ12の対物レンズ22aと結像レンズ22bの間には波長可変フィルタ25が設けられ、波長可変フィルタ25の透過波長は波長可変フィルタコントローラ48により制御される。赤外線カメラ12内には撮像素子24が配置され、結像レンズ22bにより結像された波長可変フィルタ25を透過した波長帯域の赤外線画像を撮像する。
波長可変フィルタ25はファブリペロー型干渉フィルタとして知られており、例えば200〜300オングストローム程度の厚みを有するAuなどの反射膜となる透過性の金属膜を対向する面に蒸着した一対のガラス基板を有し、一対のガラス基板を間に圧電素子を介して対向配置し、その間に微小間隔を設定している。ガラス基板の間の圧電素子は、波長可変フィルタコントローラ48による直流電圧の印加を受けて、基板間隔を変化させることができる。
波長可変フィルタ25は、一方のガラス基板側からの入射光に対し、透過性を持つ金属膜の間で多重反射によって生ずる干渉作用に起因して複数の透過スペクトルが分布して光を透過する。この透過スペクトルを本実施形態におけるエチルアルコールを検出するためのλ1=2.77μm、エチルアルコールの有無に依存しない波長λ2=3.0μm、また外乱物質である例えばメントールのλ3=3.28μm、更に同じく外乱物質であるステアリン酸に固有なλ4=5.88μmに制御し、それぞれの設定波長を透過した赤外線放射光による画像、即ちλ1画像、λ2画像、λ3画像、必要があればλ4画像を取得して、メモリに記憶させることができる。このような波長可変フィルタ25としては、例えば特開平8−285688号のものが使用できる。
この図6の波長可変フィルタ25を備えた赤外線カメラ12については、図1に設けている赤外線カメラ12、フィルタ切替ユニット14及びその駆動部16に代えて置き換えることで、そのまま適用できる。
図7は本発明によるエチルアルコール検知装置の他の実施形態を示したブロック図であり、この実施形態にあっては、赤外線撮像素子に代えて1または複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサを使用するようにしたことを特徴とする。図7において、エチルアルコール検知装置10に対し設けられた赤外線カメラ12は、図1の撮像素子24に代えて赤外線センサ56を設けている。
図8は図7の赤外線センサ56を示している。赤外線センサ56はケース62の受光側にガラスなどのウィンドウ64を有し、ウィンドウ64の背後に、透視状態で示すように赤外線検出素子65を備えており、赤外線検出素子65は外部のリード66に接続されている。
赤外線検出素子65としては、焦電素子、サーモパイル、サーミスタ、ボロメータなどの非冷却型素子を使用できる。またMCT、Insbなどの冷却型素子を用いてもよい。
図7の実施形態は、撮像素子24の代わりに赤外線センサ56を設けた以外の構成は、図1の実施形態と基本的に同じである。
一方、エチルアルコール検知装置10に設けたCPU26には、赤外線センサ56に対応して受光制御部60の機能が設けられている。受光制御部60は、赤外線センサ56によりλ1フィルタ20−1を透過して受光された被写体の第1受光信号であるλ1受光量58−1をメモリ36に記憶し、またλ2フィルタ20−2を透過して受光された被写体の第2受光信号であるλ2受光量58−2をメモリ36に記憶し、更に図示しないλ3フィルタを透過して受光された被写体の第3受光信号であるλ3受光量58−3をメモリ36に格納している。
即ち赤外線センサ56を使用した場合には、受光制御部60によるフィルタ切替えに伴う受光制御でメモリ36に直接、λ1受光量58−1としてI1、λ2受光量58−2としてI2、更にλ3受光量58−3としてI3のそれぞれが得られる。
このためエチルアルコール検出部40にあっては、メモリ36に格納されているλ1受光量I1とλ2受光量I2から前記(1)式によりエチルアルコール含有度Aを算出し、また外乱物質検出部42はメモリ36に格納されているλ2受光量I2とλ3受光量I3から前記(2)式により外乱度Bを算出し、最終的に判定部44でエチルアルコールの検出、非検出を判定する。
図9は図8の実施形態によるエチルアルコール検出処理を示したフローチャートである。図9において、ステップS1で検知要求を判別すると、ステップS2でλ1フィルタをセットし、ステップS3で赤外線検出素子によりλ1受光量I1を検出して、メモリ36に保存する。
次にステップS4でλ2フィルタをセットし、ステップS5でλ2受光量I2を取得してメモリ36に保存する。続いてステップS6でλ3フィルタをセットし、ステップS7でλ3受光量I3を取得してメモリ36に保存する。
次にステップS8でアルコール含有度Aを計算し、ステップS9でアルコール含有度Aが所定値以下であればエチルアルコールの検出と判断し、ステップS10に進む。ステップS10では外乱度Bを計算し、ステップS11で外乱度Bが所定値を超えている場合には、外乱物質によるエチルアルコール含有度Aではなく、エチルアルコールによるエチルアルコール検出度Bであると判断し、ステップS12で酒気帯び運転と判定して対応処理を実行する。
図10は本発明によるエチルアルコール検出処理の他の実施形態を示したブロック図であり、この実施形態にあっては、赤外線カメラ12に設けた赤外線センサ68として複数の赤外線受光素子を用いたことを特徴とし、それ以外の構成は図7の実施形態と基本的に同じである。
図11は図10の実施形態の赤外線センサ68を示している。赤外線センサ68は、受光側にウィンドウ64を設けたケース62を有し、内部に透過的に示すように、この実施形態にあっては4つの赤外線検出素子65−1〜65−4を配置している。
このため、赤外線センサ68に運転者である被写体の像が結像されると、被写体の像即ち運転者の顔の像につき4つに分割した領域ごとに、赤外線検出素子65−1〜65−4に対応した受光量が得られる。この4分割された赤外線検出素子65−1から得られた受光量につき、その総和あるいは平均値を算出することで、λ1受光量I1、λ2受光量I2及びλ3受光量I3を求めればよい。
図12は図10の実施形態によるエチルアルコール検出処理を示したフローチャートである。図12において、ステップS1で検知要求があると、ステップS2でλ1フィルタをセットし、ステップS3で図11に示した赤外線センサ68の複数の赤外線検出素子についてのλ1受光量を取得してメモリに保存する。
続いて、ステップS4,S5において、λ2フィルタについて同様に複数のλ2受光量を取得してメモリに保存する。更にステップS6,S7で、λ3フィルタについて複数のλ3受光量を取得してメモリに保存する。
続いてステップS8〜S10のそれぞれで複数のλ1受光量、λ2受光量、λ3受光量のそれぞれから、総和または平均値として受光量I1,I2,I3を計算する。続いてステップS11でアルコール含有度Aを計算し、ステップS12で所定値以下であれば、ステップS13に進み、外乱度Bを計算し、ステップS14で所定値を超えていれば、ステップS15で酒気帯び運転と判定して対応処理を実行する。
なお図11の赤外線センサ68については、縦横2×2の4素子を例にとるものであったが、必要に応じて縦×横=4×4の16素子、8×8の64素子など、適宜の複数素子を用いるようにしてもよい。
図13は本発明によるエチルアルコール検知装置の他の実施形態を示したブロック図であり、この実施形態にあっては赤外線カメラ12にマルチ赤外線センサ72を使用したことを特徴とする。
図14は図13のマルチ赤外線センサ72を取り出し、内部構造を透視状態で示している。マルチ赤外線センサ72は、受光側にウィンドウ64を備えたケース62内に、例えば4つの赤外線受光素子65−1〜65−4を配置し、その前方にλ1フィルタ74−1、λ2フィルタ74−2、λ3フィルタ74−3及びλ4フィルタ74−4を配置している。
λ1フィルタ74−1は、エチルアルコールのスペクトル吸収波長λ1=2.77μmを透過するフィルタである。λ2フィルタ74−2は、エチルアルコールのスペクトル吸収波長の近傍のエチルアルコールの有無の影響を受けない波長λ2=3.00μmを透過するフィルタである。
λ3フィルタ74−3は、外乱物質であるメントールに固有な波長λ3=3.28μmを透過するフィルタである。更にλ4フィルタ74−4は、外乱物質であるステアリン酸に固有な波長λ4=5.88μmを透過するフィルタである。
このようにフィルタと受光素子を1対1に対応して組み合わせたマルチ赤外線センサ72によれば、図7及び図10の実施形態に示すようなフィルタ切替ユニット14によるフィルタ切替えが不要となり、マルチ赤外線センサ72自体で固定的に波長λ1,λ2,λ3,λ4に対応した受光量を直接、検出でき、装置構成が簡単に出来ると共に、CPU26による処理も簡略化されて処理負荷が低減できる。
図15は図13の実施形態によるエチルアルコール検出処理を示したフローチャートである。図15において、ステップS1で検知要求を判別すると、ステップS2〜S5のそれぞれにおいて順次、λ1,λ2,λ3,λ4の各受光量I1,I2,I3,I4を取得してメモリに保存する。
続いてステップS6でアルコール含有度Aを計算し、ステップS7でアルコール含有度Aが所定値以下であれば、ステップS8で外乱度B1を計算する。外乱度B1はメントールの固有吸収スペクトルλ3=3.28μmから求めた外乱度である。ステップS9で外乱度B1が所定値を超えている場合には、ステップS10に進み、外乱度B2を計算する。外乱度B2は外乱物質としてλ4=5.88μmに吸収スペクトルを持つステアリン酸についての計算である。
ステップS11で外乱度B2が所定値を超えていた場合には、ステップS12に進み、酒気帯び運転と判定して対応処理を実行する。
なお上記の実施形態にあっては、フィルタ切替ユニットによる機械的なフィルタ切替えや、波長可変フィルタによるフィルタ切替えを例にとるものであったが、これ以外に回析格子などを用いた分光器により、目的とするスペクトル帯域の画像もしくは受光量を測定するようにしてもよい。
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
本発明によるエチルアルコール検知装置の実施形態を示したブロック図 本実施形態で使用するフィルタ切替えの赤外線カメラを示した説明図 エチルアルコールの波長スペクトラム分布を示した説明図 本実施形態における特徴領域の抽出を示した説明図 図1の実施形態によるエチルアルコールの検出処理を示したフローチャート 本実施形態で使用する波長可変フィルタを用いた赤外線カメラを示した説明図 本発明によるエチルアルコール検知装置の他の実施形態を示したブロック図 図9の赤外線センサを示した説明図 図8の実施形態によるエチルアルコールの検出処理を示したフローチャート 本発明によるエチルアルコール検知装置の他の実施形態を示したブロック図 図10の赤外線センサを示した説明図 図10の実施形態によるエチルアルコールの検出処理を示したフローチャート 本発明によるエチルアルコール検知装置の他の実施形態を示したブロック図 図13の赤外線センサを示した説明図 図13の実施形態によるエチルアルコールの検出処理を示したフローチャート
符号の説明
10:エチルアルコール検知装置
12:赤外線カメラ
14:フィルタ切替ユニット
16:駆動部
18:被験者
20−1:λ1フィルタ
20−2:λ2フィルタ
20−3:λ3フィルタ
22:光学系
22a:対物レンズ
22b:結像レンズ
24:撮像素子
25:波長可変フィルタ
26:CPU
28:バス
30:AD変換器
32,34,35:出力IF
36:メモリ
38:撮像制御部
40:エチルアルコール検出部
42:外乱物質検出部
44:判定部
46:画像
46−1:λ1画像
46−2:λ2画像
46−3:λ3画像
48:波長可変フィルタコントローラ
50−1〜50−3:特徴抽出領域
52:表示部
54:制御部
56,68:赤外線センサ
60:受光制御部
62:ケース
64:ウインドウ
65,65−1〜65−4:赤外線検出素子
66:リード
72:マルチ赤外線センサ
74−1:λ1フィルタ
74−2:λ2フィルタ
74−3:λ3フィルタ

Claims (11)

  1. 赤外線波長帯域に感度を有する撮像素子と、
    被写体像を前記撮像素子に結像させる光学系と、
    前記被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
    前記被写体からの前記第1波長帯域の近傍となる前記エチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
    前記被写体からの前記エチルアルコールと同じ前記第1波長体域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む第3波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第3フィルタと、
    前記第1のフィルタを透過して結像された第1被写体画像、前記第2フィルタを透過して結像された第2被写体画像、及び前記第3フィルタを透過して結像された第3被写体画像を、前記撮像素子により撮像してメモリに格納する撮像制御部と、
    前記メモリに格納された第1被写体画像と第2被写体画像に基づいて前記エチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
    前記メモリに格納された第2被写体画像と第3被写体画像に基づいて前記外乱物質の濃度に対応した外乱度を算出する外乱物質検出部と、
    前記エチルアルコール含有度と外乱度に基づいて前記エチルアルコールの検出と非検出を判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  2. 請求項1記載のエチルアルコール検知装置に於いて、
    前記第1フィルタは第1波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
    前記第2フィルタは前記第1波長帯域を含まない第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
    前記第3フィルタは、前記外乱物質がメントールの場合、前記第3波長帯域として3.28μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、前記外乱物質がステアリン酸の場合、前記第3波長帯域として5.88μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させることを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  3. 請求項1記載のエチルアルコール検知装置に於いて、
    前記エチルアルコール検出部は、前記第1被写体画像と第2被写体画像の同一位置の画素間の相関値の総和又は平均値からエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出し、
    前記外乱物質検出部は、前記第2被写体画像と第3被写体画像の同一位置の画素間の相関値の総和又は平均値から外乱度を算出することを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  4. 請求項3記載のエチルアルコール検知装置に於いて、前記エチルアルコール検出部及び外乱物質検出部は、前記相関値として、画素間の減算値又は除算値、画素値に所定係数を乗じた画素値の減算値又は除算値、若しくは画素間の二乗誤差値の各々の総和又は平均値を算出することを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  5. 請求項3記載のエチルアルコール検知装置に於いて、前記判定部は、前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以下で前記外乱度が所定値を超えている場合にエチルアルコールの検出を判定し、前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以下で前記外乱度が所定の閾値以下の場合にエチルアルコールの非検出を判定することを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  6. 1又は複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサと、
    被写体像を前記赤外線受光センサに結像させる光学系と、
    前記被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
    前記被写体からの前記第1波長体域の近傍となる前記エチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
    前記被写体からの前記エチルアルコールと同じ前記第1波長体域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む第3波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第3フィルタと、
    前記赤外線センサにより、前記第1フィルタを透過して受光された被写体の第1受光信号、前記第2フィルタを透過して受光された被写体の第2受光信号、及び前記第3フィルタを透過して受光された被写体の第3受光信号を検出してメモリに格納する受光制御部と、
    前記メモリに格納された第1受光信号と第2受光信号に基づいて前記エチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
    前記メモリに格納された第2受光信号と第3受光信号に基づいて前記外乱物質の濃度に対応した外乱度を算出する外乱物質検出部と、
    前記エチルアルコール含有度と外乱度に基づいて前記エチルアルコールの検出と非検出を判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  7. 請求項6記載のエチルアルコール検知装置に於いて、
    前記第1フィルタは第1波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
    前記第2フィルタは前記第1波長帯域を含まない第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
    前記第3フィルタは、前記外乱物質がメントールの場合、前記第3波長帯域として3.28μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、前記外乱物質がステアリン酸の場合、前記第3波長帯域として5.88μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させることを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  8. 請求項6記載のエチルアルコール検知装置に於いて、前記赤外線センサは、第1フィルタ、第2フィルタ、1又は複数の第3フィルタの各々と赤外線受光素子を組み合わせてセンサ筐体に組込み配置したことを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  9. 請求項6記載のエチルアルコール検知装置に於いて、
    前記赤外線センサは、複数の赤外線受光素子を2次元配置し、
    前記受光制御部は、前記第1フィルタを透過して前記複数の赤外線受光素子により受光された被写体の第1受光信号群、前記第2フィルタを透過して前記複数の赤外線受光素子により受光された被写体の第2受光信号群、及び前記第3フィルタを透過して前記複数の赤外線受光素子により受光された被写体の第3受光信号群を検出してメモリに格納し、
    前記エチルアルコール検出部は、前記第1受光信号群と第2受光信号群における同一位置の赤外線受光素子間の相関値の総和又は平均値からエチルアルコール濃度に対応したエチルアルール含有度を算出し、
    前記外乱物質検出部は、前記第2受光信号群と第3受光信号群における同一位置の赤外線受光素子間の相関値の総和又は平均値から外乱度を算出することを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  10. 請求項9記載のエチルアルコール検知装置に於いて、前記エチルアルコール検出部及び外乱物質検出部は、前記相関値として、受光信号間の減算値又は除算値、受光信号に所定係数を乗じた受光信号間の減算値又は除算値、若しくは受光信号間の二乗誤差値を算出することを特徴とするエチルアルコール検知装置。
  11. 請求項10記載のエチルアルコール検知装置に於いて、前記判定部は、前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以下で前記外乱度が所定値を超えている場合にエチルアルコールの検出を判定し、前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以下で前記外乱度が所定の閾値以下の場合にエチルアルコールの非検出を判定することを特徴とするエチルアルコール検知装置。
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