JP5313512B2 - 酒気帯び運転防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、飲酒により血液中に溶け込んでいるエチルアルコールを人体から放射する赤外線に基づいて測定して酒気帯び運転を防止する酒気帯び運転防止装置に関する。
従来、酒気帯び運転を防止するための装置にあっては、運転者の呼気に含まれるエチルアルコールをガスセンサにより検知し、自動車を始動させないように構成している(特許文献1)。
一般に、呼気中に含まれるアルコールの濃度は血液中のアルコール濃度と比例関係にある。法規上定められた酒気帯び運転の基準は、呼気中のアルコール濃度0.15mg/Lであり、これは血中アルコール濃度で0.03%に相当する。このため呼気中のアルコール濃度を測定することで、酒気帯び状態を検知して運転を防止することができる。
また近年にあっては自動車メーカーから飲酒運転防止コンセプトカーの開発が公表されており、次の装置が提案されている。
シフトレバーに組み込んだアルコール臭気センサーにより、シフトレバーに触れた掌の汗に含まれるアルコールを検知し、音声とカーナビ画面への表示によってドライバーへ警告し、同時にシフトロックする。
シート周辺に配置したアルコール臭気センサーにより、シフトレバーに触れた掌の汗に含まれるアルコールを検知し、音声とカーナビ画面への表示によってドライバーへ警告する。
メータ内に装備したカメラによって、ドライバーの顔をモニターし、覚醒度を推定し、酒気帯び運転の可能性があると判断した場合、音声とカーナビ画面への表示によってドライバーへ警告し、同時にシートベルトを巻き上げる等して、より強く警報を行う。
車両の運転挙動を検出し、ドライバーの運転状態を評価し、飲酒運転の可能性があると判断した場合、音声とカーナビ画面への表示によってドライバーへ警告し、同時にシートベルトを巻き上げる等して、より強く警報を行う。
特開平8−150853号公報
しかしながら、このような従来の酒気帯び防止装置にあっては、運転者の呼気に含まれるエチルアルコールをガスセンサにより検知しようとした場合、同の正常者等が酒気帯び状態の運転者に代わってガスセンサに呼気を吹きかけることにより、容易になり替わりがなされてしまう。

また、このような従来の酒気帯び防止装置にあっては、運転者の位置する頭上近辺の空間の空気をファンにより吸引してガスセンサでアルコールを間接的に検知するようにしているため、呼気を直接採取してアルコール濃度を測定する場合に比べ、測定値が実際の呼気中のアルコール濃度に対し低めの値となり、確実に酒気帯び運転を防止できない恐れがある。
またアルコールを検知するガスセンサは使用中に異物の付着や酸化などにより感度が変化するため、自動的に感度を調整する校正処理が必要であり、更に、定期的に清掃点検などのメンテナンスをしなければ検出精度を維持することができないという問題がある。このような問題は、臭気センサーによるアルコールを検知する場合も同様に生ずる。
またシフトレバーに組み込んだアルコール臭気センサーにより手の汗に含まれるアルコールを検知するものにあっては、運転者が手袋をすることによって、容易にすり抜けが可能となってしまう問題がある。
また、カメラによりモニターしたドライバーの顔から覚醒度を推定して酒気帯びの可能性を判断するものにあっては、アルコールを直接検知していないため、精度にばらつきがあり、信頼性の点で解決すべき課題が多く、実用化には時間がかかることが懸念される。
また、車両の挙動から酒気帯びの可能性を判断するものにあっても、アルコールを直接検知していないため、個人差の大きい運転の仕方による車両の挙動の中から酒気帯び運転の可能性を判断するアルゴリズムを確立することは、信頼性の点で解決すべき課題が多く、同様に、実用化には時間がかかることが懸念される。
本発明は、運転者の放射または反射する赤外線から血中のエチルアルコールを検知して酒気帯び防止し且つメンテナンスフリーで信頼性の高い酒気帯び運転防止装置を提供することを目的とする。
本発明は、
運転者から放射または反射される赤外線の被写体画像に基づいて、運転者の血液中に溶け込んでいるエチルアルコール濃度を測定して酒気帯び状態を定期的に検出する酒気帯び検出部と、
エンジン始動操作時に酒気帯び検出部で酒気帯び状態を検出した場合はエンジンの始動を停止し、エンジン始動後に酒気帯び検出部で酒気帯び状態を検出した場合は車両を速度制御して停車状態に案内する酒気帯び処理部と、
を備えた酒気帯び運転防止装置を対象とする。

ここで、酒気帯び検出部は、
赤外線波長帯域に感度を有する撮像素子と、
被写体像を撮像素子に結像させる光学系と、
被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
被写体からの第1波長帯域の近傍となるエチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
被写体からのエチルアルコールと同じ第1波長体域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む第3波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第3フィルタと、
第1のフィルタを透過して結像された第1被写体画像、第2フィルタを透過して結像された第2被写体画像、及び第3フィルタを透過して結像された第3被写体画像を、撮像素子により撮像してメモリに格納する撮像制御部と、
メモリに格納された第1被写体画像と第2被写体画像に基づいてエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
メモリに格納された第2被写体画像と第3被写体画像に基づいて外乱物質の濃度に対応した外乱度を算出する外乱物質検出部と、
エチルアルコール含有度が所定の閾値以上で外乱度が所定の閾値未満の場合に酒気帯び状態と判定し、エチルアルコール含有度が所定の閾値以上で外乱度が所定の閾値以上の場合に正常状態と判定する判定部と、
を備える。

また酒気帯び検出部は、
1又は複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサと、
被写体像を赤外線受光センサに結像させる光学系と、
被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
被写体からの第1波長体域の近傍となるエチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
被写体からのエチルアルコールと同じ第1波長体域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む第3波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第3フィルタと、
赤外線センサにより、第1フィルタを透過して受光された被写体の第1受光信号、第2フィルタを透過して受光された被写体の第2受光信号、及び第3フィルタを透過して受光された被写体の第3受光信号を検出してメモリに格納する受光制御部と、
メモリに格納された第1受光信号と第2受光信号に基づいてエチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
メモリに格納された第2受光信号と第3受光信号に基づいて外乱物質の濃度に対応した外乱度を算出する外乱物質検出部と、
エチルアルコール含有度が所定の閾値以上で外乱度が所定の閾値未満の場合に酒気帯び状態と判定し、エチルアルコール含有度が所定の閾値以上で外乱度が所定の閾値以上の場合に正常状態と判定する判定部と、
を備える。

酒気帯び検出部について、
第1フィルタは第1波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
第2フィルタは、第1波長帯域を含まない第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
第3フィルタは、外乱物質がメントールの場合、第3波長帯域として3.28μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、外乱物質がステアリン酸の場合、第3波長帯域として5.88μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させる。

酒気帯び検出部は、更に、撮像素子の撮像時又は赤外線センサの受光検出時に、運転者に赤外線を照射して反射させる赤外線光源を設ける。また、気帯び検出部は、運転者の正常時のエチルアルコール含有度を初期値として記憶し、運転時に都度測定されるエチルアルコール含有度と比較することで、運転者の酒気帯び度を検知するようにしてもよい。

酒気帯び処理部は、速度制御により停車状態に案内して停止した時にエンジンを停止し、外部に酒気帯び運転に対する対処要請を通知する。
酒気帯び処理部は、速度制御により停車状態に案内して停止した時に、ナビゲーション装置を作動して周辺の休憩場所を画面表示し、目的地に選択した所定の休憩場所に安全速度を超えない速度制御の下にルートガイドさせる。
酒気帯び処理部は、速度制御により停車状態に案内して停止した時に、代行運転サービス機関に代行運転の依頼を通知する。
本発明によれば、運転者の体温による人体からの赤外線放射光、特に、皮膚が露出している顔からの赤外線放射光から毛細血管中のエチルアルコールによる特徴的な吸収スペクトルを検知して、血中アルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を得ることができ、このエチルアルコール含有度から運転者の酒気帯び状態を正確に判定して適切な措置をとることができる。
また化粧品に含まれるメントールは、エチルアルコールと同じ波長にも吸収スペクトルをもつことで外乱要因となるが、エチルアルコールにはないメントール固有波長の吸収スペクトルを外乱度として検知することで、化粧品などによるエチルアルコールの誤検出を確実に防止することができる。
またエチルアルコール含有度を、エチルアルコール固有波長の吸収スペクトルの受光量と吸収スペクトルのない別波長の受光量との比率、差分などの値として検出しているため、赤外線放射量の強弱の影響を受けることなく、高いS/N比により毛細血管中のエチルアルコールを正確に検知することができる。
更に、被写体からの赤外光におけるエチルアルコール吸収スペクトルからエチルアルコール含有度を検知しているため、従来のガスセンサによるアルコール検知のような感度調整や清掃点検などのメンテナンスが不要であり、長期間に亘り安定した高い精度で人体のエチルアルコール含有度を検知し、酒気帯び運転を正確に判定することができる。
また、エンジン始動時に酒気帯び運転を検出した場合はエンジン始動を禁止して運転できないようにするが、飲酒していない同乗者にエンジンを始動してもらう等してすり抜けにより酒気帯び運転をした場合には、エンジン始動後も定期的に検知処理を繰り返しているため、酒気帯び運転で走行を始めた際にも、運転者の赤外線画像に基づくメタルアルコール含有度から酒気帯び運転が検出されると、音声やカーナビ画面による警告と同時に車両を停止させるための速度制御を開始し、路肩などの安全な場所に案内して停止させ、酒気帯び運転を確実に止めさせることができる。
また、速度制御により路肩などの安全な場所に停止させた後に、ナビゲーション装置を作動して車両を止めて休める周辺の休憩場所を画面表示し、運転者が選択した休憩場所を目的地に設定して安全速度を越えないようにする速度制御の下にルートガイドし、近くの休憩場所に車両を移動させ、酔いを醒ますために運転者に休憩を取らせることができる。
更に、速度制御により路肩などの安全な場所に停止させた場合や、ルートガイドに従って近くの休憩場所に移動した後、運転者のメニュー選択操作などにより外部の運転代行サービス機関に通知して代行運転を依頼することで、酒気帯び運転を防止することができる。
図1は本発明による酒気帯び運転防止装置の実施形態を示した説明図である。図1において、酒気帯び運転防止装置10は、コンピュータのハードウェア環境を代表して示すCPU11を有し、CPU11に対しては運転者の酒気帯び状態を検出するため、赤外線カメラ12、波長可変フィルタ14、カメラ制御部16、フィルタ駆動部18及び赤外線光源20が設けられている。
赤外線カメラ12は例えば車両のダッシュボードやメータパネルなどに内蔵されており、波長可変フィルタ14を介して、被写体となる運転者の顔から放射または反射される赤外線放射光による画像を撮像する。
図2は本実施形態で使用する波長可変フィルタを用いた赤外線カメラを示した説明図である。図2において、赤外線カメラ12の対物レンズ54と結像レンズ56の間には波長可変フィルタ14が設けられ、波長可変フィルタ14の透過波長はフィルタ駆動部18により制御される。赤外線カメラ12内には撮像素子58が配置され、結像レンズ56により結像された波長可変フィルタ14を透過した波長帯域の赤外線画像を撮像する。
波長可変フィルタ14はファブリペロー型干渉フィルタとして知られており、例えば200〜300オングストローム程度の厚みを有するAuなどの反射膜となる透過性の金属膜を対向する面に蒸着した一対のガラス基板を有し、一対のガラス基板を間に圧電素子を介して対向配置し、その間に微小間隔を設定している。ガラス基板の間の圧電素子は、フィルタ駆動部18による直流電圧の印加を受けて、基板間隔を変化させることができる。
波長可変フィルタ14は、一方のガラス基板側からの入射光に対し、透過性を持つ金属膜の間で多重反射によって生ずる干渉作用に起因して複数の透過スペクトルが分布して光を透過する。このような波長可変フィルタ14としては、例えば特開平8−285688号のものが使用できる。
再び図1を参照するに、CPU11に対しては、個人認証メモリ22とワーク用のメモリ24が設けられる。個人認証メモリ22には、運転者を識別するための基準画像が予め登録されている。メモリ24には、波長可変フィルタ14による異なる波長帯域の切替えにより撮像された運転者の画像がλ1画像46−1、λ2画像46−2及びλ3画像46−3として記憶される。
また、CPU11に対しては、エンジンECU26、音声警報部28、外部通報部30、ディスプレイ34を備えたナビゲーションシステム32が設けられている。
更に、CPU11には、プログラムの実行により実現される機能として、酒気帯び検出部35と酒気帯び処理部36が設けられている。酒気帯び検出部35は、運転者から放射される赤外線の被写体画像に基づいて、運転者の血液中に溶け込んでいるエチルアルコール濃度を測定して酒気帯び状態を定期的に検出する。
酒気帯び処理部36はエンジン始動操作時に酒気帯び検出部35で酒気帯び状態を検出した場合はエンジンの始動を停止し、エンジン始動後に酒気帯び検出部35で酒気帯び状態を検出した場合は車両を速度制御して停車状態に案内する。
酒気帯び検出部35の機能は、詳細には、撮像制御部38、エチルアルコール検出部40、外乱物質検出部42及び判定部44で構成される。また、酒気帯び処理部36の機能は、詳細には、ガイダンス処理部48、速度制御部50及び通報処理部52で構成される。

本実施形態の酒気帯び運転防止装置10にあっては、運転者の酒気帯び状態を顔面などの皮膚直下の毛細血管に表れる含有エチルアルコールにより検出する。毛細血管中の含有エチルアルコールの検出は、運転者の体温による人体からの赤外線放射光におけるエチルアルコールによる特定波長の吸収スペクトルによる減衰を検知することを基本としている。
図3は本実施形態で検知するエチルアルコールの波長スペクトル分布を示した説明図である。エチルアルコールC25OHは、その分子構造に由来する吸収スペクトルを2.77μm、3.37μm及び9.5μmなどの特定波長に持っている。例えば波長2.77μmの吸収スペクトルは、エチルアルコール中の−CH3の結合伸縮に伴い、エチルアルコール分子が吸光する波長帯である。
そこで運転者からの赤外光のうち、エチルアルコールの吸収波長λ1として、λ1=2.77μmを含む第1波長帯域を選択的に透過させる第1フィルタとしてλ1フィルタに波長可変フィルタ14を制御して赤外光を監視すると、エチルアルコールが毛細血管中に含まれている状態即ち酒気帯び状態では、λ1=2.77μmを含む第1波長帯域の赤外光は毛細血管中のエチルアルコール濃度に応じた吸光度を示し、このときの撮像素子58で撮像されたλ1画像46−1における各画素から求められた受光量I1は小さくなる。

次に本実施形態にあっては、エチルアルコールの吸収スペクトルを与える波長λ1=2.77μmの近傍にエチルアルコールによる吸収率の小さな波長λ2として、例えばλ2=3.0μmを含む第2波長帯域を選択的に透過させる第2フィルタとしてλ2フィルタに波長可変フィルタ14を制御して運転者からの赤外光を監視する。
λ2フィルタを透過して得られる運転者からの赤外光の撮像画像であるλ2画像46−2の画素から求められた受光量I2は、エチルアルコールの有無に関係なく、人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られる。
ここで正常状態での人体よりの赤外線放射量をI0とすると、エチルアルコール吸収スペクトルとなる波長λ1=2.77μmを含む第1波長帯域における吸光度aは
a=ln(I1/I0
となる。またエチルアルコールによる吸収率の小さな波長λ2=3.00μmを含む第2波長帯域における吸光度bは
b=ln(I2/I0
となる。
そして、第1波長帯域の吸光度aと第2波長帯域の吸光度bとの間には
a<b<0=ln(I1/I0)<In(I2/I0)<0
の関係が成り立つ。
ここでエチルアルコール含有度A1を
A1=b−a=ln(I2/I0)−In(I1/I0
と表わし、これを変形すると、
A1=ln(I2/I0)−In(I1/I0
=ln{In(I2/I0)/In(I1/I0)}=In(I2/I1
となる。
このため、特性値として単に(I2/I1)を求めることで、エチルアルコール含有度Aを表わすことができる。即ち本実施形態にあっては、エチルアルコール含有度Aを
A=I2/I1 (1)
として算出する。この(1)式で与えられるエチルアルコール含有度Aが、予め定めた所定値以上であれば、酒気帯びの度合が大きいと判断することができる。このような本実施形態におけるエチルアルコール含有度Aの算出は、図1のCPU11に設けた撮像制御部38及びエチルアルコール検出部40により行われる。

撮像制御部38は、運転開始時は運転者が運転を開始するためにイグニッションキーをオンとしたような所定の検出タイミングで動作し、また、走行中は所定周期の検出タイミング毎に動作し、フィルタ駆動部18による波長可変フィルタ14の切替動作で、λ1フィルタ、λ2フィルタ、更に後の説明で明らかにするλ3フィルタとしての波長帯域に切り替えながら、運転者の顔の画像を赤外線カメラ12により撮像し、λ1フィルタを透過して結像された第1被写体画像であるλ1画像46−1、λ2フィルタを透過して結像された第2被写体画像であるλ2画像46−2、更にλ3フィルタを透過して結像された第3被写体画像であるλ3画像46−3のそれぞれをメモリ24に格納する。
エチルアルコール検出部40は、メモリ24に格納されたλ1画像46−1とλ2画像46−2に基づいて、エチルアルコール濃度に対応した前記(1)式で与えられるエチルアルコール含有度Aを算出する。
図4は図1のエチルアルコール検出部40でエチルアルコール含有度Aを計算する際に用いられる運転者の特徴領域の抽出画像を示している。運転者60の毛細血管中のエチルアルコールの濃度を赤外線受光量から検出するためには、運転者の顔の毛細血管が皮膚表面に表われていてエチルアルコールによる吸収スペクトルの減衰が十分に得られる場所を特定して、エチルアルコール含有度Aを算出する必要がある。
図4の場合にあっては、エチルアルコールの有無に関係ない人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られるλ2フィルタを透過して得られたλ2画像46−2を対象に、毛細血管からの体温による赤外線放射が出易い例えば唇などの皮膚の薄い特徴抽出領域62−1や、両目の周囲に設定した特徴抽出領域62−2,62−3を使用して、エチルアルコール含有度Aを算出する。
前記(1)式におけるエチルアルコール含有度Aを算出するためのλ1画像46−1の受光量I1及びλ2画像46−2の受光量I2の計算は、特徴抽出領域62−1〜62−3に含まれる画素値の総和または平均値を求め、これをI1,I2として前記(1)式からエチルアルコール含有度Aを算出する。

前記(1)式にあっては、λ1画像46−1の受光量I1とλ2画像46−2の受光量I2の除算値(I2/I1)を計算しているが、この代わりに減算値(I2−I1)を計算しても良いし、二乗誤差(I2−I1)2を計算しても良い。

また、ログアンプなどを使用することにより直接的に吸光度
ln(I2/I1)=ln(I2)−ln(I2
を計算してもよい。
更に本実施形態にあっては、波長可変フィルタ14を更にλ3フィルタとしての波長帯域に切替えて撮像したλ3画像46−3から、外乱物質検出部42により外乱度Bを算出し、エチルアルコール検出部40で算出されたエチルアルコール含有度Aの適否を判定部44で判定するようにしている。
これは被写体となる運転者60が例えば女性であった場合には、撮影対象とする顔には化粧が施されており、この化粧品に含まれる物質として例えばメントールC1020Oが存在した場合には、エチルアルコールが存在しないにも関わらず、メントールについてλ1画像46−1にλ1=2.77μmの吸収スペクトルが存在し、エチルアルコール含有度Aを誤検出する場合がある。
即ち、化粧品などに含まれるメントールC1020Oはエチルアルコールと同様、2.77μmと3.37μmに吸収スペクトルを持っている。これに加え、メントールのベンゼン殻に由来する波長λ3=3.28μmにも固有の吸収スペクトルを持っている。
そこで本実施形態にあっては、化粧品などに含まれるメントールをエチルアルコール検出に対する外乱物質と見なし、エチルアルコールと同じ吸収波長λ1=2.77μm及び3.37μm以外の固有の吸収波長λ3=3.28μmを選択的に透過させる第3フィルタとしてのλ3フィルタの波長帯域に波長可変フィルタ14を切替え、λ3フィルタを透過した赤外線放射光の撮像画像、即ちλ3画像46−3から受光量I3を測定し、人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られるλ2画像46−2から得られた受光量I2を使用してメントールを判定するための外乱度Bとして
B=I2/I3 ・・・(2)
を設定する。
この(2)式で与えられる外乱度Bが予め定めた所定値以上であれば、それはメントールであり、エチルアルコールではないと判断することができる。
即ち、図1のCPU11に設けた外乱物質検出部42は、メモリ24に格納されたλ2フィルタを透過して得られたλ2画像46−2の受光量I2と、λ3フィルタを透過して得られたλ3画像46−3から得られた受光量I3に基づき、前記(2)式に従って外乱度Bを算出する。
判定部44は、エチルアルコール検出部40で検出されたエチルアルコール含有度Aと、外乱物質検出部42で検出された外乱度Bに基づいて、エチルアルコール検出による酒気帯び状態と、メチルアルコール非検出による正常状態を判定する。
具体的には、判定部44はエチルアルコール含有度Aが所定値以上で外乱度Bが所定値未満の場合にエチルアルコール検出ありと判定し、酒気帯び運転を判定する。一方、エチルアルコール含有度Aが所定値未満で外乱度Bが所定値以上の場合には、エチルアルコールではなく、外乱物質である例えば化粧品などに含まれるメントールであることからエチルアルコールの非検出と判定し、正常状態を判定する。
本実施形態における外乱物質は、メントール以外に、同じく化粧品などに多く使用されているステアリン酸C1735COOHが対象となる。ステアリン酸はエチルアルコールと同じ波長2.77μmと3.37μmに吸収スペクトルを持つが、エチルアルコールにはない−C00Hに起因した波長5.88μmに吸収スペクトルが表れる。
したがって、ステアリン酸については更に波長λ4=5.88μmを選択的に透過するように波長可変フィルタ14を切替えて第3フィルタとしてのλ4フィルタを準備し、この状態で赤外線カメラ12で撮像したλ4画像をメモリ24に格納する。
このステアリン酸の吸収スペクトルに対応したλ4画像についての外乱物質検出部42の処理は、λ4画像から受光量I4を算出し、λ3画像46−3の場合と同様、前記(2)式からステアリン酸についての外乱度Bを算出し、判定部44で外乱度Bが所定値以上であればステアリン酸であり、エチルアルコールではないと判断できる。

更に、エチルアルコールに対する外乱物質としてグリセリンC35(OH)3の場合には−CH3に由来する吸収スペクトルの波長2.77μmが表れないため、グリセリンについてはλ1フィルタのλ1画像46−1につき、その受光量I1に減衰が起きず、前記(1)式で算出されるアルコール含有度Aが所定値未満となってエチルアルコールでないことが確認でき、したがってグリセリンについては外乱物質として考慮する必要はない。
本実施形態は外乱物質として化粧品などに多く含まれるメントールとステアリン酸を例に取っているが、これ以外のエチルアルコールと同じ波長にスペクトル吸収を持つ物質が存在する場合には、それぞれの物質につきエチルアルコールの吸収波長以外の固有の波長につき、その波長固有のフィルタによる画像を取得して外乱度を求めることで、外乱物質によるエチルアルコールの誤検出を確実に回避することができる。
なお、-CH3と−OHをもつ物質は無数にあり、その内、積極的に顔に付着させる可能性がある物質として、化粧品に含まれるメントールとステアリン酸を例示している。他にも、糖尿病患者の体内で生成されるアセト酢酸も、−CH3と−OHを持ち、エタノールと同じスペクトル吸収帯を持つが、エタノールにはない5.83μmの吸収帯を第3波長帯域として測定することにより、外乱物質であることを認識できる。
ここで、赤外線カメラ12により被写体となる運転者の顔から反射される赤外線放射光による画像を撮像する場合には、カメラ制御部16により赤外線光源20を動作して赤外線を運転者に照射する。
本実施形態にあっては、人体から体温により発せられる赤外線の、血液中エチルアルコールによる吸収スペクトル特性を検知することで、血中アルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を得ているが、CCD撮像素子58の信号量が不足する場合には、補助光源として赤外線光源20を用いることができる。

CCD撮像素子58の信号量が不足する理由としては、赤外線カメラ12と人体との距離が長い、赤外線カメラ12のレンズ径が十分大きくできない等の、カメラ配置上の制限条件が挙げられる。赤外線光源20を用いた場合、酒気帯び検出部35は人体で反射される赤外線の、血液中エチルアルコールによる反射スペクトル特性を検知することにより、血中アルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度Aを得ることができる。

図5は図1の実施形態による酒気帯び運転防止処理を示したフローチャートであり、実際には、このフローチャートに従ったプログラムが図1のCPU11で実行されることになる。
図5の酒気帯び運転防止処理は、運転者がイグニッションキーをセットしてエンジン始動操作を行ったときに起動する。まずステップS1で運転者認証処理を実行する。このステップS1の運転者認証処理の詳細は図6のフローチャートに示す。
図6において、運転者認証処理は、ステップS15で赤外線カメラ12により運転者画像を撮像して読み取り、ステップS16で個人認証メモリ22に予め登録している登録画像と照合する。撮影画像と登録画像の照合一致により、ステップS17で認証に成功すると、図5のメインルーチンにリターンし、次のステップS2に進む。
ステップS17で個人認証メモリ22に予め登録している登録画像以外の運転者による撮影画像であった場合には、認証不成功となり、処理を終了することでエンジンは始動せず、車両を運転することができない。なお本実施形態にあっては運転者認証処理を設けた場合を例に取っているが、個人認証メモリ22に基準画像の登録をしていなければ、この認証処理はスキップすることになる。
再び図5を参照するに、ステップS1の運転者認証処理が認証成功もしくは登録画像がないことによりスキップしてステップS2に進むと、CPU11に設けた酒気帯び検出部35により、赤外線カメラ12により運転者画像を取得してエチルアルコール検出処理を実行する。
エチルアルコール検出処理においては、検出されたアルコール含有度Aと外乱度Bを算出し、予め定められた閾値と比較して酒気帯び状態を判定する。この際に個人認証メモリ22に各人の正常状態のアルコール含有度Aと外乱度Bを閾値として記憶させ、これと測定されたアルコール含有度Aと外乱度Bを比較することにより、各人の個人差を解消することもできる。

例えば、各人の持病や既往症、または服用薬剤によっては、正常状態においてもアルコール含有度A及び外乱度Bが一般人と異なる場合が考えられる。この場合には一様に定められた閾値によりアルコール含有度Aと外乱度Bを判断することが難しく、各人の正常状態におけるアルコール含有度Aと外乱度Bを個人認証メモリ22上に閾値として記憶し、これと運転時に測定されたアルコール含有度Aと外乱度Bと比較することにより正しい酒気帯び判定がなされる
続いてステップS3で、ステップS2のエチルアルコール検出処理の処理結果から酒気帯び状態を判定した場合には、ステップS4に進み、運転者に警告を発信する。例えば音声警報部28を使用して「酒気帯び運転が検知されました。始動できません」の音声メッセージを出力する。同時に、例えばナビゲージョンシステム32のディスプレイ34を利用して、運転者に酒気帯び運転の検知とエンジンが始動できない旨のメッセージ表示を行う。そしてステップS5でエンジン始動を禁止して処理を終了する。

このため、運転者が酒気帯び状態で車両のエンジンを始動して運転しようとしても、酒気帯び状態が検知されて、エンジンを始動することができず、酒気帯び運転を確実に防止できる。
一方、酒気帯び状態にある運転者が例えば酒を飲んでいない同乗者に依頼して車両のエンジンを始動させるような場合がある。このような運転者以外によるエンジンの始動は、ステップS1の運転者認証処理において運転者の基準画像の登録を行っていないような場合に可能である。
このように酒気帯び状態の運転者に代わって同乗者が成り済まし運転者となって車両のエンジンを始動した場合には、ステップS2のアルコール検出処理を行ってもステップS3で酒気帯び状態は判別されず、ステップS6に進んでエンジンが正常に始動する。
このように酒気帯び状態にある運転者に成り済まして同乗者がエンジンを始動することで、結果的にステップS2〜ステップS5の処理をすり抜けて酒気帯び運転が行われてしまう場合が想定される。
しかしながら、成り済ましによりエンジンを始動した後の酒気帯び運転については、ステップS7で走行中にあっても一定時間ごとの検査タイミングへの到達を判別するとステップS8に進み、ステップS2と同様に運転者画像を赤外線カメラ12で撮像してエチルアルコール検出処理が実行される。
このエチルアルコール検出処理により、ステップS9で酒気帯び状態が判定されると、ステップS10で運転者に警告を発信する。具体的には、音声警報部28を使用して例えば「酒気帯びが検知されました。速度制御を開始します」との音声メッセージを出力する。同時に、ナビゲージョンシステム32のディスプレイ34などを利用して運転者に警告表示を行う。
続いてステップS11に進み、酒気帯び状態の検出に基づき酒気帯び運転を強制的に止めさせるため、そのときの走行速度から徐々に速度を低下させて、最終的に停止速度に移行させる速度制御を行う。このステップS11における速度制御に伴い、ステップS12で速度制御に伴うガイダンスを音声警報部28から行う。
このガイダンスは、例えば「停止します。安全な位置に車を移動して下さい」との音声メッセージを出力する。同時に、同じ音声メッセージの内容をディスプレイ34に表示する。
このステップS11の速度制御は、車両の速度は周囲の安全を確認して例えば路肩などに止めるに十分な時間、例えば2〜3分程度の時間に亘り、そのときの走行速度から停止速度に徐々に減速し、ステップS13で、車両停止となった段階でエンジンを強制的に停止する。
そしてステップS14で、警察や適宜の管理機関に対し、酒気帯び運転に対する対処要請を外部通報部30を使用して行う。ここで警察に対する通報としては、酒気帯び運転の通報ではなく、酒気帯び状態にあることから車両を運転せずに路肩に停止していることを知らせる交通情報としての情報通告が主なものとなる。
同様な通報は、道路の管理機関である例えば国もしくは地方公共団体の道路管理事務所に対しても、酒気帯び運転を行わないために車両を路肩に停車している旨を通知する。このような警察機関もしくは道路管理事務所などの管理機関に対する酒気帯び運転を回避するための車両停止に関する交通情報が通報されることで、適切な道路交通に対する対処が可能となる。
図7は図5のステップS2及びS8におけるエルエチルアルコール検出処理の詳細を示したフローチャートである。図7において、エチルアルコール検知処理は、まずステップS18で波長可変フィルタ14をλ1フィルタとしての帯域にセットし、ステップS19で赤外線カメラ12の撮像動作を行ってλ1画像46−1を取得してメモリ24に保存する。
次にステップS20で波長可変フィルタ14をλ2フィルタとしての帯域にセットし、ステップS21で赤外線カメラ12によりλ2画像46−2を取得してメモリ24に保存する。
更にステップS22で波長可変フィルタ14をλ3フィルタとしての帯域にセットし、ステップS23で撮像動作によりλ3画像46−3をメモリ24に保存する。このステップS18〜S23におけるλ1画像46−1、λ2画像46−2、λ3画像46−3の撮像によるメモリ保存は、1回であってもよいし、必要に応じてn回連続的に撮像保存するようにしてもよい。

続いてステップS24で、図4に示したように、エチルアルコールの有無に関係なく、人体よりの赤外線放射量に相当する受光量が得られるλ2画像46−2を対象に、唇及び目などの毛細血管からの熱が表れ易い場所につき特徴抽出領域62−1〜62−3を設定し、この領域の画素につき受光量の算出を行う。
まずステップS25でλ1画像46−1から受光量I1を計算し、次にステップS26でλ2画像46−2から受光量I2を計算し、更にステップS27でλ3画像46−3から受光量I3を計算する。

次にステップS28で、前記(1)式によりアルコール含有度Aを計算する。続いてステップS29で、算出したアルコール含有度Aは予め定めた所定値以上か否か判断する。この場合の所定値は製造時に設計上定めた値であってもよいし、運転者の正常状態で取得したアルコール含有度Aの初期値を予め登録して使用してもよい。これにより例えば、糖尿病患者のように血液中に−CH3基や−OH基を含む体質の被験者の初期正常状態を正しく判断でき、酒気帯び度を正しく判定できる。すなわち酒気帯び状態でなくても少量の−CH3基が血中に存在する状態を初期値として記憶し、初期値と都度の運転時のアルコール含有度Aの差を判定することで、個人差の影響を小さくすることができる。
ステップS29でアルコール含有度Aが所定値以上であった場合には毛細血管中にエチルアルコールが含有していると判断されてステップS30に進み、一方、エチルアルコール含有度Aが所定値未満の場合にはエチルアルコールによるスペクトル吸収はないことから、ステップS33に進んでエチルアルコール非検出から正常状態を判定し、図5のメインルーチンに戻る。
ステップS30にあっては、外乱度Bを前記(2)式から算出し、算出した外乱度Bが所定値以上であることをステップS31で判定した場合には、これはエチルアルコール以外の外乱物質によるエチルアルコール含有度Aの誤検知と判断し、ステップS33に進んでエチルアルコール非検出から正常状態を判定し、図5のメインルーチンに戻る。
一方、ステップS31で外乱度Bが所定値未満の場合には、外乱物質によるエチルアルコールの誤検出はないもとのと判定し、ステップS32に進み、酒気帯び状態と判定し、図5のメインルーチンに戻る。
図8は本発明による酒気帯び運転防止装置の他の実施形態で使用する回転円板を用いたフィルタ切替えの赤外線カメラを示した説明図である。赤外線カメラ12には光学系と赤外線波長帯域に感度を持つ撮像素子(CCD)が設けられている。赤外線カメラ12の前には図1の波長可変フィルタ14に代えてフィルタ切替ユニット64が配置され、回転円盤の例えば3箇所に帯域の異なるフィルタとして、本実施形態にあってはλ1フィルタ66−1、λ2フィルタ66−2及びλ3フィルタ66−3を装着し、これらのフィルタをモータを備えた駆動部により順次切り替えながら、運転者の顏の赤外線放射光による画像を撮像する。
図9は本発明による酒気帯び運転防止装置の他の実施形態を示したブロック図であり、この実施形態にあっては、赤外線撮像素子に代えて1または複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサを使用するようにしたことを特徴とする。
図9において、酒気帯び運転防止装置10には、図1の赤外線カメラ12に代えてマルチ赤外線センサ68と信号制御部70を設けている。
図10は図9のマルチ赤外線センサ68を示している。マルチ赤外線センサ68は、受光側にウィンドウ80を備えたケース78内に、例えば4つの赤外線受光素子82−1〜82−4を配置し、その前方にλ1フィルタ86−1、λ2フィルタ86−2、λ3フィルタ86−3及びλ4フィルタ86−4を配置している。赤外線検出素子82−1〜82−4からは外部にリード84が取り出されている。
赤外線検出素子82−1〜82−4としては、焦電素子、サーモパイル、サーミスタ、ボロメータなどの非冷却型素子を使用できる。またMCT、Insbなどの冷却型素子を用いてもよい。
λ1フィルタ86−1は、エチルアルコールのスペクトル吸収波長λ1=2.77μmを透過するフィルタである。λ2フィルタ86−2は、エチルアルコールのスペクトル吸収波長の近傍のエチルアルコールの有無の影響を受けない波長λ2=3.00μmを透過するフィルタである。
λ3フィルタ86−3は、外乱物質であるメントールに固有な波長λ3=3.28μmを透過するフィルタである。更にλ4フィルタ86−4は、外乱物質であるステアリン酸に固有な波長λ4=5.88μmを透過するフィルタである。
このようにフィルタと受光素子を1対1に対応して組み合わせたマルチ赤外線センサ68によれば、マルチ赤外線センサ68自体で固定的に波長λ1,λ2,λ3,λ4に対応した受光量を直接検出できるため、図1の実施形態に示した波長可変フィルタ14とフィルタ駆動部18が不要となり、装置構成が簡単に出来ると共に、CPU11による処理も簡略化されて処理負荷が低減できる。
一方、CPU11の酒気帯び検出部35には、マルチ赤外線センサ68に対応して受光制御部74の機能が設けられている。受光制御部74は、マルチ赤外線センサ68によりλ1フィルタ86−1を透過して受光された被写体の第1受光信号であるλ1受光量76−1をメモリ24に記憶し、またλ2フィルタ86−2を透過して受光された被写体の第2受光信号であるλ2受光量76−2をメモリ24に記憶し、またλ3フィルタ86−3を透過して受光された被写体の第3受光信号であるλ3受光量76−3をメモリ24に記憶し、更にλ4フィルタ86−4を透過して受光された被写体の第4受光信号であるλ4受光量76−4をメモリ24に格納している。

即ちマルチ赤外線センサ68を使用した場合には、受光制御部74による受光制御でメモリ24に直接、λ1受光量76−1としてI1、λ2受光量76−2としてI2、λ3受光量76−3としてI3、更に、λ4受光量76−4としてI4のそれぞれが得られる。

このためエチルアルコール検出部40にあっては、メモリ24に格納されているλ1受光量I1とλ2受光量I2から前記(1)式によりエチルアルコール含有度Aを算出する。また外乱物質検出部42はメモリ24に格納されているλ2受光量I2とλ3受光量I3から前記(2)式により外乱度B1を算出し、また、λ2受光量I2とλ4受光量I4から前記(2)式により外乱度B2を算出し、最終的に判定部44でエチルアルコールの検出、非検出を判定する。

CPU11に設けた酒気帯び処理部36の機能は図1の実施形態と同じであり、ガイダンス処理部48、速度制御部50及び通報処理部52の機能を備えている。
図11は図9の実施形態による酒気帯び運転防止処理を示したフローチャートであり、実際には、このフローチャートに従ったプログラムが図9のCPU11で実行されることになる。
図11のステップS1〜S12に示す酒気帯び運転防止処理は、図5のフローチャートに示した図1の実施形態と基本的に同じであるが、ステップS2及びS8におけるエチルアルコール検出処理がマルチ赤外線センサ68に対応した固有の処理となる。
これ加え図9に固有な処理としてステップS46,S47が加えられている。即ち、ステップS7〜S12により酒気帯び状態を判定して速度制御により路肩などに車両を停止させた後、ステップS46でシフトロックして運転をできないようにし、この場値でステップS47においてナビゲーションシステム32を利用した対処処理を実行する。

図12は図11のステップS2,S8におけるマルチ赤外線センサ68を用いた図9の実施形態に固有なエチルアルコール検出処理を示したフローチャートである。図12において、ステップS34〜S37はマルチ赤外線センサ68の赤外線検出素子82−1〜82−4によりλ1受光量I1、λ2受光量I2、λ3受光量I3及びλ4受光量I4を順次検出して、メモリ24に保存する。
続いてステップS38でアルコール含有度Aを計算し、ステップS39でアルコール含有度Aが所定値未満なら、エチルアルコールの非検出と判断し、ステップS45に進んで正常状態を判定して図5と同じメインルーチンにリターンする。
ステップS39でアルコール含有度Aが所定値以上であれば、エチルアルコールの検出と判断し、ステップS40で外乱度B1を計算する。外乱度B1はメントールの固有吸収スペクトルλ3=3.28μmから求めた外乱度である。
ステップS41で外乱度B1が所定値未満の場合には、外乱物質であるメントールによるエチルアルコール含有度Aではなく、正しいエチルアルコール含有度Aであると判断し、ステップS42に進み、外乱度B2を計算する。
外乱度B2は外乱物質としてλ4=5.88μmに吸収スペクトルを持つステアリン酸についての計算である。ステップS43で外乱度B2が所定値未満の場合には、外乱物質であるステアリン酸によるエチルアルコール含有度Aではなく、正しいエチルアルコール検出度Aであると判断し、ステップS44に進んで酒気帯び運転と判定して図5と同じメインルーチンにリターンする。
図13は図11のステップS47における酒気帯び状態を検出して車両を停止してシフトロックさせた後に行う対処処理の詳細を示したフローチャートである。本実施形態の酒気帯び状態に対する対処処理としては、道路の路肩などに車両を停止したままにしておくことは交通安全上、好ましいものでないことから、図9に示すように、車両に搭載しているナビゲージョンシステム32を利用して、現在位置から見て、その周辺に利用可能な駐車場などの休憩場所を画面表示させ、その中から運転者が選択した休憩場所を目的地としてナビゲージョンシステムによるルートガイドを行い、安全な場所に移動して車両を停止できるようにしている。
更に、車両を道路の路肩もしくは休憩場所に置いておけないような場合には、運転者の選択操作により運転者代行サービスに対する連絡を行うようにしている。
図13において、酒気帯び状態に対する対処処理として、ステップS48で対応メニューをナビゲージョンシステム32のディスプレイ34に表示する。この対応メニューとしては
(1)休憩場所ルートガイド
(2)代行運転サービス
の2つが少なくとも表示される。
この対応メニューに対し、ステップS9で休憩場所ルートガイドの選択が判別されると、ステップS50に進み、周辺の休憩場所を示した地図をディスプレイ34に表示する。
図14はステップS50の処理によりディスプレイ34に表示された地図画面88の一例を示している。地図画面88において、車両の現在位置90を中心に周辺の地図が表示され、周辺地図には車両を駐車可能な場所である休憩場所90−1,90−2,90−3,90−4が表示される。
このような地図画面88に対し、運転者が最寄りの休憩場所例えば休憩場所90−1を選択したとすると、ステップS51で休憩場所の選択が判別され、ステップS52で選択した休憩場所を目的地に設定してルートガイドが行われる。即ち、図14(B)に示すように、休憩場所90−1の選択に対し、現在位置90から太線で示すルートガイド92の表示が行われ、このルートガイド92に沿って運転者が運転を行うことで、選択した休憩場所90−1に向かうことができる。
ステップS52におけるルートガイドについては、次のステップS53で図11のステップS46で行ったシフトロックを解除して走行可能とし、続いてステップS54で速度制御を行う。この状態では、既に酒気帯び状態が判別されていることから、車両をルートガイドに従って選択した休憩場所に安全に向かわせるため、例えば車両の最高速度を時速15km/hといった安全速度を最大速度とする速度制御を行う。
これによって、酒気帯び状態であっても、ルートガイドに従って運転者は安全な例えば15kmを超えない速度でゆっくりと運転をし、近くにあるルートガイドに従った休憩場所に車両を安全に運転して移動することができる。
この際には、ステップS55に示すように、運転注意ガイダンスが音声警報部28による音声出力及びディスプレイ34の表示として行われる。この運転注意ガイダンスは、例えば「安全速度に制限します。十分に注意を払い、慎重に運転して下さい。」といった内容を出力する。
このような選択した休憩場所に対し、速度制御の下でのルートガイドに従った運転により、ステップS56で目的地への到達が判別されると、ステップS57に進み、ルートガイドの終了と休憩ガイダンスを音声警報部28の音声メッセージとして出力する。例えば「休憩場所に到着しました。ルートガイドを終了します。酒気帯び状態が検知されています。酒気帯び状態が解消するには数時間かかります。その間は車を運転しないで下さい」といった内容を出力する。
続いてステップS58で代行運転サービスのメニュー表示を行う。酒気帯び状態にある運転者は酒気帯びがなくなるまで車を運転できないことから、このメニュー表示された代行運転サービスを選択することで代行運転サービスに自動通報することができる。
即ち、ステップS59で運転者による代行運転サービスの選択が判別されると、ステップS60に進み、外部通報部30により代行運転サービス先に代行運転の依頼を連絡する。もちろん、運転者が代行運転サービスを選択しなければ、ステップS60はスキップする。そして最終的に、ステップS61でエンジンを停止する。
なお、上記の実施形態にあっては、波長可変フィルタによるフィルタ切替えやフィルタ切替ユニットによる機械的なフィルタ切替えを例に取るものであったが、これ以外に回析格子などを用いた分光器により、目的とするスペクトル帯域の画像もしくは受光量を測定するようにしてもよい。
また図9の実施形態にあっては、図10に示すマルチ赤外線センサ68を使用した場合を例に取っているが、センサ自体にλ1,λ2,λ3,λ4フィルタを持たない1または複数の赤外線検出素子を備えた赤外線センサを使用し、この場合には図1に示したように、波長可変フィルタ14を使用するか、あるいは図8のフィルタ切替ユニット64を使用することで、同様に目的とするスペクトル帯域の受光量を測定することができる。

また上記の実施形態にあっては、赤外線カメラ12またはマルチ赤外線センサ68で運転者の赤外線画像または赤外線受光量を取得する際に、カメラ制御部16または信号制御部70により、赤外線光源20を点灯して赤外光を被写体としての運転者に照射し、エチルアルコール吸収波長による赤外線反射光の変化量を大きくして、SN比を高めるようにしているが、赤外線を外部から照射しなくても十分にエチルアルコール吸収波長によるSN比が得られるような場合には、赤外線光源20を点灯する必要はない。
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
本発明による酒気帯び運転防止装置の実施形態を示したブロック図 本実施形態で使用する波長可変フィルタを用いた赤外線カメラを示した説明図 エチルアルコールの波長スペクトラム分布を示した説明図 本実施形態における特徴領域の抽出を示した説明図 図1の実施形態による酒気帯び運転防止処理を示したフローチャート 図5のステップと1における運転者認証処理の詳細を示したフローチャート 図5のステップS2、S8におけるエチルアルコール検出処理の詳細を示したフローチャート 本実施形態で使用するフィルタ切替えの赤外線カメラを示した説明図 本発明による酒気帯び運転防止装置の他の実施形態を示したブロック図 図9の赤外線センサを示した説明図 図9の実施形態におけるエチルアルコール検出処理を示したフローチャート 本発明の他の実施形態による酒気帯び運転防止処理を示したフローチャート 図12のステップS47における対処処理の詳細を示したフローチャート 図13の対処処理で使用するナビゲーション画面を示した説明図
符号の説明
10:酒気帯び運転防止装置
11:CPU
12:赤外線カメラ
14:波長可変フィルタ
16:カメラ制御部
18:フィルタ駆動部
20:赤外線光源
22:個人認証メモリ
24:メモリ
26:エンジンECU
28:音声警報部
30:外部通報部
32:ナビゲーションシステム
34:ディスプレイ
35:酒気帯び検出部
36:酒気帯び処理部
38:撮像制御部
40:エチルアルコール検出部
42:外乱物質検出部
44:判定部
46−1:λ1画像
46−2:λ2画像
46−3:λ3画像
48:ガイダンス処理部
50:速度制御部
52:通報処理部
54:対物レンズ
56:結像レンズ
58:撮像素子
60:運転者
62−1〜62−3:特徴抽出領域
64:フィルタ切替ユニット
66−1:λ1フィルタ
66−2:λ2フィルタ
66−3:λ3フィルタ
68:マルチ赤外線センサ
70:信号制御部
72:可視カメラ
74:受光制御部
78:ケース
80:ウンドウ
82−1〜82−4:赤外線検出素子
84:リード
84−1:λ1フィルタ
84−2:λ2フィルタ
84−3:λ3フィルタ
84−3:λ4フィルタ

Claims (8)

  1. 運転者から放射または反射される赤外線の被写体画像に基づいて、前記運転者の血液中に溶け込んでいるエチルアルコール濃度を測定して酒気帯び状態を検出する酒気帯び検出部と、
    エンジン始動操作時に前記酒気帯び検出部で酒気帯び状態を検出した場合はエンジンの始動を停止し、エンジン始動後に前記酒気帯び検出部で酒気帯び状態を検出した場合は車両を速度制御して停車状態に案内する酒気帯び処理部と、
    を備えた酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び検出部は、
    赤外線波長帯域に感度を有する撮像素子と、
    被写体像を前記撮像素子に結像させる光学系と、
    前記被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
    前記被写体からの前記第1波長帯域の近傍となる前記エチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
    前記被写体からの前記エチルアルコールと同じ前記第1波長体域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む第3波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第3フィルタと、
    前記第1のフィルタを透過して結像された第1被写体画像、前記第2フィルタを透過して結像された第2被写体画像、及び前記第3フィルタを透過して結像された第3被写体画像を、前記撮像素子により撮像してメモリに格納する撮像制御部と、
    前記メモリに格納された第1被写体画像と第2被写体画像に基づいて前記エチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
    前記メモリに格納された第2被写体画像と第3被写体画像に基づいて前記外乱物質の濃度に対応した外乱度を算出する外乱物質検出部と、
    前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以上で前記外乱度が所定の閾値未満の場合に酒気帯び状態と判定し、前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以上で前記外乱度が所定の閾値以上の場合に正常状態と判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  2. 運転者から放射または反射される赤外線の被写体画像に基づいて、前記運転者の血液中に溶け込んでいるエチルアルコール濃度を測定して酒気帯び状態を検出する酒気帯び検出部と、
    エンジン始動操作時に前記酒気帯び検出部で酒気帯び状態を検出した場合はエンジンの始動を停止し、エンジン始動後に前記酒気帯び検出部で酒気帯び状態を検出した場合は車両を速度制御して停車状態に案内する酒気帯び処理部と、
    を備えた酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び検出部は、
    1又は複数の赤外線受光素子を備えた赤外線センサと、
    被写体像を前記赤外線受光センサに結像させる光学系と、
    前記被写体からのエチルアルコールの吸収波長を含む第1波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第1フィルタと、
    前記被写体からの前記第1波長体域の近傍となる前記エチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第2フィルタと、
    前記被写体からの前記エチルアルコールと同じ前記第1波長体域に吸収波長を持つ外乱物質の他の吸収波長であり、かつエチルアルコールの吸収波長ではない波長を含む第3波長帯域の赤外光を選択的に透過させる第3フィルタと、
    前記赤外線センサにより、前記第1フィルタを透過して受光された被写体の第1受光信号、前記第2フィルタを透過して受光された被写体の第2受光信号、及び前記第3フィルタを透過して受光された被写体の第3受光信号を検出してメモリに格納する受光制御部と、
    前記メモリに格納された第1受光信号と第2受光信号に基づいて前記エチルアルコール濃度に対応したエチルアルコール含有度を算出するエチルアルコール検出部と、
    前記メモリに格納された第2受光信号と第3受光信号に基づいて前記外乱物質の濃度に対応した外乱度を算出する外乱物質検出部と、
    前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以上で前記外乱度が所定の閾値未満の場合に酒気帯び状態と判定し、前記エチルアルコール含有度が所定の閾値以上で前記外乱度が所定の閾値以上の場合に正常状態と判定する判定部と、を備えたことを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  3. 請求項又は記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、
    前記第1フィルタは、第1波長帯域として2.77μm又は3.37μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
    前記第2フィルタは、前記第1波長帯域を含まない第2波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、
    前記第3フィルタは、前記外乱物質がメントールの場合、前記第3波長帯域として3.28μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させ、前記外乱物質がステアリン酸の場合、前記第3波長帯域として5.88μmを含む波長帯域の赤外光を選択的に透過させることを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  4. 請求項又は記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び検出部は、更に、前記撮像素子の撮像時又は前記赤外線センサの受光検出時に、前記運転者に赤外線を照射して反射させる赤外線光源を設けたことを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  5. 請求項1又は2記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び検出部は、運転者の正常時のエチルアルコール含有度を初期値として記憶し、運転時に都度測定されるエチルアルコール含有度と比較することで、運転者の酒気帯び度を検知することを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  6. 請求項1又は2記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び処理部は、速度制御により停車状態に案内して停止した時にエンジンを停止し、外部に酒気帯び運転に対する対処要請を通知することを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  7. 請求項1又は2記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び処理部は、速度制御により停車状態に案内して停止した時に、ナビゲーション装置を作動して周辺の休憩場所を画面表示し、目的地に選択した所定の休憩場所に安全速度を超えない速度制御の下にルートガイドさせることを特徴とすることを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
  8. 請求項1又は2記載の酒気帯び運転防止装置に於いて、前記酒気帯び処理部は、速度制御により停車状態に案内して停止した時に、代行運転サービス機関に代行運転の依頼を通知することを特徴とすることを特徴とする酒気帯び運転防止装置。
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