JP5212615B2 - 車両の前部構造 - Google Patents

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本発明は車両の前部構造に関し、特に、バンパレインフォースメントの車幅方向中間部を1対のフロントサイドフレームとの連結部よりも後退させ、この車幅方向中間部の下方位置に車幅方向に長い歩行者案内部材を配設したものである。
一般に、自動車等の車両の前部構造では、車室の前端が(車室とエンジンルームとが)ダッシュパネルで仕切られ、このダッシュパネルから左右1対のフロントサイドフレームが前方へ延び、1対のフロントサイドフレームの前端側に車幅方向に長いバンパレインフォースメント(以下、バンパレインという)が架着され、このバンパレインが車両の前外装面を形成するバンパ部材で覆われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
バンパレインは、全体的に多少前方凸に湾曲しているものが多いが、こうしたものを含めて、基本的に、車幅方向に略ストレートに延びるように形成されている。また、1対のフロントサイドフレームの前端部に衝突荷重を吸収可能な1対のクラッシュカンが取付けられ、この1対のクラッシュカンにバンパレインが連結されたものが公知である。
ここで、本願出願人は、ダッシュパネル(ダッシュロアパネル)の車幅方向中央部分に後方へ凹む凹部を形成し、この凹部にエンジンの後端部が収容されて、エンジンが前輪の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジンをエンジンルームに後方配置した車両を実用化している(特許文献1〜3等参照)。
特許文献1,3の車両の前部構造では、バンパレインの後側において車幅方向に延びる中間クロスメンバが1対のフロントサイドフレームに架着され、特許文献1の構造では、バンパレインの後方にラジエータが前傾姿勢で配設され、中間クロスメンバの上側にバッテリが配設され、特許文献3の構造では、バンパレインと中間クロスメンバとの間にフロントトランクボックスが配設されている。特許文献2,3の車両の前部構造では、バンパレインから後方へ比較的離隔した位置でエンジンの直ぐ前側にラジエータが鉛直姿勢で配設され、エンジンの前方且つラジエータの上側にエアクリーナが配設されている。
特開2003−326981号公報 特開2005−28911号公報 特開2005−29057号公報
従来の車両の前部構造では、バンパレインが車幅方向に略ストレートに延びるように形成されているため、バンパレインの1対のフロントサイドフレームとの連結部の位置を後退させるのに限界があることから、重量物であるバンパレインの重心位置を後退させること、フロントオーバーハングを短縮すること、車両のヨー慣性モーメントを低減すること、車両の操縦安定性(ハンドリング性能)を向上させること、等に限界がある。
エンジンが前輪の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジンをエンジンルームに後方配置した車両では、ヨー慣性モーメントの低減、操縦安定性の向上を実現しているが、こうした改善を更に図りたいという要望に対して、上記課題が障害となる。
また、従来の車両の前部構造では、バンパレインが車幅方向に略ストレートに延びるように形成され、バンパレインの1対のフロントサイドフレームとの連結部の位置を後退させるのに限界があることから、エンジンルームに前後方向のデッドスペースが大きくなる場合があり、こうした問題は、特に、エンジンが前輪の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジンをエンジンルームに後方配置した場合に顕著になり、また、車両の前外装面を形成するバンパ部材の形状を含むデザインの自由度が小さいという問題もある。
そこで、本願発明者は、本願発明の一部でもあるが、車両の前部構造において、バンパレインの1対のフロントサイドフレームとの連結部の間の車幅方向中間部を、前記連結部よりも後退させた構造の実用化を検討したところ、歩行者保護の観点から改良の余地があることに着目し、その技術改良について創案した。
本発明の目的は、車両の前部構造において、重量物であるバンパレインフォースメントの重心位置を後退させること、フロントオーバーハングを部分的に短縮すること、車両のヨー慣性モーメントを低減すること、車両の操縦安定性(ハンドリング性能)を向上させること、エンジンルームの前後方向のデッドスペースを縮小すること、車両の前外装面を形成するバンパ部材の形状を含むデザインの自由度を向上させること、バンパレインフォースメントよりも下方位置に車幅方向に長い歩行者案内部材を配設して、歩行者保護を図って衝突安全性を向上させること、等である。
請求項1の車両の前部構造は、車室の前端を仕切るダッシュパネルと、このダッシュパネルから前方へ延びる左右1対のフロントサイドフレームと、1対のフロントサイドフレームの前端側に架着された車幅方向に長いバンパレインフォースメントと、このバンパレインフォースメントを覆うバンパ部材とを備えた車両の前部構造であって、前記バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後方凸のV字形状に後退させた車幅方向中間部であって前記フロントサイドフレームの前端部よりも後方に位置する車幅方向中間部を有し、前記車幅方向中間部の下方位置に配設された車幅方向に長い歩行者案内部材であって、歩行者が衝突した場合に車幅方向の荷重を受けるように、その歩行者を案内する歩行者案内部材を備え、前記歩行者案内部材は、前記左右のフロントサイドフレーム間に亙って延在し且つ前記車幅方向中間部よりも前方に設置されて歩行者を歩道側へ案内するように構成されたことを特徴とする。
バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後退させた車幅方向中間部であって前記フロントサイドフレームの前端部よりも後方に位置する車幅方向中間部を有するので、重量物であるバンパレインフォースメントの重心位置が後退し、車幅方向中央部分におけるフロントオーバーハングが短縮され、車両のヨー慣性モーメントの低減、車両の操縦安定性(ハンドリング性能)の向上が図られる。前記車幅方向中間部の下方位置に車幅方向に長い歩行者案内部材が配設され、前記歩行者案内部材は、前記左右のフロントサイドフレーム間に亙って延在し且つ前記車幅方向中間部よりも前方に設置されて歩行者を歩道側へ案内するように構成されている。
そのため、車両衝突時、歩行者案内部材に当たった歩行者はボンネット上に掬い上げられ、そのボンネットに衝撃吸収機能を持たせることで、歩行者保護が図られて衝突安全性が向上するが、その際、歩行者案内部材により歩行者が車幅方向の荷重を受けるように案内され、故に、歩行者(特に、歩行者の頭部)が衝撃吸収機能を確実に発揮し得るボンネット上の領域に導かれるようにして、歩行者保護が確実に図られて衝突安全性が確実に向上する。
請求項1の従属請求項として次の構成を採用可能である。
記歩行者案内部材は、前記車幅方向中間部よりも前方において、車幅方向に対して傾斜した傾斜案内部を有する(請求項)。前記歩行者案内部材は、平面視にて後方凸のV字形状に形成される(請求項)。
前記歩行者案内部材は、その車幅方向両端部分の剛性を異ならせて構成される(請求項)。前記歩行者案内部材は、その車幅方向両端部分が1対のブラケットを介して1対のフロントサイドフレームに連結され、この1対のブラケットの剛性を異ならせる(請求項)。前記バンパレインフォースメントは、前記連結部よりも車幅方向外側部に、前記連結部よりも後方に位置するように後退させた外側後退部を有する(請求項)。前記ダッシュパネルの前方且つ1対のフロントサイドフレームの間にパワートレインが配設される(請求項)。
請求項1の車両の前部構造によれば、バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後方凸のV字形状に後退させた車幅方向中間部であって前記フロントサイドフレームの前端部よりも後方に位置する車幅方向中間部を有するので、前記連結部の位置を後退させるのに限界があっても、重量物であるバンパレインフォースメントの重心位置を後退させて、車幅方向中央部分におけるフロントオーバーハングを短縮でき、故に、車両のヨー慣性モーメントを低減でき、車両の操縦安定性(ハンドリング性能)を向上させ、また、エンジンルームの前後方向のデッドスペースを縮小でき、車両の前外装面を形成するバンパ部材の形状を含むデザインの自由度を向上させることができる。更に、前記車幅方向中間部の下方位置に配設された車幅方向に長い歩行者案内部材であって、歩行者が衝突した場合に車幅方向の荷重を受けるように、その歩行者を案内する歩行者案内部材を備え、前記歩行者案内部材は、前記左右のフロントサイドフレーム間に亙って延在し且つ前記車幅方向中間部よりも前方に設置されて歩行者を歩道側へ案内するように構成されているので、車両衝突時、歩行者案内部材に当たった歩行者はボンネット上に掬い上げられ、そのボンネットに衝撃吸収機能を持たせることで、歩行者保護を図って衝突安全性を向上させることができる。
このとき、歩行者案内部材により歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を案内し、この歩行者案内部材による案内機能を、バンパレインフォースメントの後側へ凹んだ車幅方向中間部を利用して達成させることができ、これにより、歩行者(特に、歩行者の頭部)を、例えば、ボンネット上において、ボンネットの後端側のカウル部材やボンネットに接近するエンジンルーム内の機器(例えば、エンジンの補機)に近い領域を避けて、衝撃吸収機能を確実に発揮し得るボンネット上の領域に導くようにして、歩行者保護を確実に図って衝突安全性を確実に向上させることができ、また、歩行者案内部材に当たった障害物が車室に侵入するのを防止することも期待できる。
しかも、歩行者案内部材は、歩行者を歩道側へ案内するように構成したので、車両衝突時、歩行者案内部材に当たった歩行者を、他車両の通行が無い可能性がある歩道側へ導いて、歩行者保護を一層図ることができる。
請求項の車両の前部構造によれば、歩行者案内部材は、前記車幅方向中間部よりも前方において、車幅方向に対して傾斜した傾斜案内部を有するので、その傾斜案内部により、歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を確実に案内することができ、更には、歩行者を歩道側へ確実に案内することができる。
請求項の車両の前部構造によれば、歩行者案内部材を、平面視にて後方凸のV字形状に形成したので、この歩行者案内部材のV字形状を形成する左右の傾斜案内部により、歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を確実に案内することができ、左右一方の傾斜案内部により、歩行者を歩道側へ確実に案内することができる。
請求項の車両の前部構造によれば、歩行者案内部材は、その車幅方向両端部分の剛性を異ならせて構成したので、通常状態では、歩行者案内部材が車幅方向に略ストレートに延びるように構成し、車両衝突時、歩行者から歩行者案内部材に入力された衝突荷重によって、歩行者案内部材の車幅方向両端部分の内の剛性が低い一方を後方変位させることで、歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を案内可能に、歩行者案内部材を車幅方向に対して傾斜させ、また、歩行者案内部材の車幅方向両端部分の内の歩道側の一方を他方よりも剛性が低くなるように設定して、歩行者を歩道側へ案内可能に、歩行者案内部材を車幅方向に対して傾斜させることができる。
請求項の車両の前部構造によれば、歩行者案内部材の車幅方向両端部分を1対のブラケットを介して1対のフロントサイドフレームに連結し、この1対のブラケットの剛性を異ならせたので、通常状態では、歩行者案内部材が車幅方向に略ストレートに延びるように構成し、車両衝突時、歩行者から歩行者案内部材に入力された衝突荷重によって、1対のブラケットの内の剛性が低い一方を後方変位させることで、歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を案内可能に、歩行者案内部材を車幅方向に対して傾斜させ、また、1対のブラケットの内の歩道側の一方を他方よりも剛性が低くなるように設定して、歩行者を歩道側へ案内可能に、歩行者案内部材を車幅方向に対して傾斜させることができる。
請求項の車両の前部構造によれば、バンパレインフォースメントは、前記連結部よりも車幅方向外側部に、前記連結部よりも後方に位置するように後退させた外側後退部を有するので、バンパレインフォースメントの重心位置を一層後退させて、車幅方向両端部分におけるフロントオーバーハングを短縮でき、車両のヨー慣性モーメントの低減、車両の操縦安定性の向上、バンパ部材のデザインの自由度の向上を更に図ることができる。
請求項の車両の前部構造によれば、ダッシュパネルの前方且つ1対のフロントサイドフレームの間にパワートレインを配設したので、パワートレインの低重心化を図って、車両の操縦安定性を更に向上させ、また、エンジンが前輪の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジンをエンジンルームに後方配置する場合に有利になり、こうして、ヨー慣性モーメントの低減、操縦安定性の向上を一層図ることが可能になる。
本発明の車両の前部構造は、車室の前端を仕切るダッシュパネル、ダッシュパネルから前方へ延びる左右1対のフロントサイドフレーム、1対のフロントサイドフレームの前端側に架着された車幅方向に長いバンパレインフォースメント、バンパレインフォースメントを覆うバンパ部材を備え、バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後退させた車幅方向中間部を有し、この車幅方向中間部の下方位置に配設された車幅方向に長い歩行者案内部材であって、歩行者が衝突した場合に車幅方向の荷重を受けるように、その歩行者を案内する歩行者案内部材を備えている。
図1〜図3に示すように、車両1(自動車1)は、左右1対の前輪2、左右1対の後輪3を備え、車両1の前部のエンジンルーム4にパワートレインであるエンジン5を搭載し、このエンジン5により後輪3を駆動するFR車である。
図1〜図5に示すように、車両1の前部構造20は、車室6の前端を(車室6とエンジンルーム4とを)仕切るダッシュパネル21、ダッシュパネル21から前方へ延びる左右1対のフロントサイドフレーム22、1対のフロントサイドフレーム22の前端側に架着された車幅方向に長いバンパレインフォースメント23(以下、バンパレイン23という)、バンパレイン23を覆うバンパ部材24、バンパレイン23の後側において車幅方向に延びて1対のフロントサイドフレーム22に架着された中間クロスメンバ25、バンパレイン23よりも下方位置に配設された車幅方向に長い歩行者案内部材26、歩行者案内部材26を1対のフロントサイドフレーム22に連結する左右1対のブラケット27を備えている。
ダッシュパネル21の下端部には、車室6のフロアを形成するフロアパネル7の前端部が結合され、フロアパネル7の車幅方向両端部に左右1対のサイドシル8が結合されている。1対のフロントサイドフレーム22の後端部分は、ダッシュパネル21の前面に沿って下方へ延び、ダッシュパネル21の下端部において、フロアパネル7の下面に結合されて前後方向へ延びる左右1対のフロアフレーム9の前端部に結合されている。
車室6には、ダッシュボード10、ステアリングホイール11、左右1対の前席12、左右1対の後席13等が配設され、車室6の少なくとも前席12の外側方がサイドドア14(図4参照)により開閉される。尚、図4の符号15は左右1対のヘッドランプ、図4の符号16は左右1対のサイドミラーである。
車両1の前部構造20について詳しく説明する。
エンジンルーム4は、ダッシュパネル21、ダッシュパネル21に結合された左右1対のフロントエプロン部材30、バンパ部材24等で囲まれた部分に形成され、ボンネット31により開閉される。ボンネット31は、その後端部がダッシュパネル21の上端側のカウル部材(図示略)にヒンジ結合され、その後端部を中心に上下に回動され開閉する。
1対のフロントサイドフレーム22の前端部に衝突荷重を吸収可能な1対のクラッシュカン28が取付けられ、また、中間クロスメンバ25の車幅方向中央部の前端部に衝突荷重を吸収可能な中間クラッシュカン29が取付けられ、これらクラッシュカン28,29にバンパレイン23が連結されている。
バンパレイン23は、1対のフロントサイドフレーム22との(1対のフロントサイドフレーム22と連結される)連結部23aを有するとともに1対のフロントサイドフレーム22の前側に位置する左右1対のフレーム前側部23b、1対の連結部23a(フレーム前側部23b)の間の車幅方向中間部23c、1対の連結部23a(フレーム前側部23b)よりも車幅方向外側の左右1対の車幅方向外側部23dを有する。
1対のフレーム前側部23bは、バンパレイン23の最前端部分であり、例えば、その前端面が前方へ向くように形成されている。車幅方向中間部23cは、全体的に連結部23aよりも後退するように形成され、フロントサイドフレーム22の前端部よりも後方に位置するように後退させた中間後退部23eを有する。
車幅方向中間部23cは、1対のフレーム前側部23bから夫々車幅方向内方且つ後方へ略ストレートに延びる左右の傾斜部を、車幅方向中央部で繋いで平面視にて後方凸(前方開)のV字形状に形成され、この繋ぎ部とその近傍部が中間後退部23eとなり、この中間後退部23eから後方へ少し隔てて中間クロスメンバ25が配置されて、中間後退部23eと中間クロスメンバ25とが中間クラッシュカン29を介して連結されている。
1対の車幅方向外側部23dは、連結部23aよりも後方に位置するように後退させた外側後退部23fを有する。1対の車幅方向外側部23dは、1対のフレーム前側部23bから夫々車幅方向外方且つ後方へ略ストレートに延びる左右の傾斜部からなる。
以上のように、バンパレイン23は、1対のフレーム前側部23b、車幅方向中間部23c、1対の車幅方向外側部23dにより平面視にて車幅方向へ引き延ばしたようなM字形状に形成されている。尚、バンパレイン23は、例えば、ハイドロフォーム成形により、或いは、2部材を結合して、閉断面構造に構成されている。尚、バンパレイン23として、断面コ字状の開断面構造のバンパレインを採用してもよい。
歩行者案内部材26は、バンパレイン23の車幅方向中間部23cの下方位置に配設され、歩行者が衝突した場合に車幅方向の荷重を受けるように、その歩行者を案内するように構成されている。歩行者案内部材26は、1対のフロントサイドフレーム22の車幅方向外端間の距離と略同じ車幅方向長さを有し、断面が前後方向に多少長い矩形状(或いは、帯板状)に形成されて、平面視にて後方凸(前方開)のV字形状に形成されている。
歩行者案内部材26は、平面視にてバンパレイン23の1対のフレーム前側部23b及び車幅方向中間部23cと略同形同サイズに形成されて、1対のフレーム前側部23bと車幅方向中間部23cよりも前方へ張出すように位置し、1対のフレーム前側部23bと車幅方向中間部23cとに対応する、1対の案内部材フレーム前側部26bと案内部材車幅方向中間部26cとを有する。案内部材車幅方向中間部26cは、1対の案内部材フレーム前側部26bから夫々車幅方向内方且つ後方へ略ストレートに延びて、車幅方向中央部で互いに繋がれた左右1対の傾斜案内部26aからなる。
このように、歩行者案内部材26は、バンパレイン23の車幅方向中間部23cよも前方において、車幅方向に対して傾斜した左右1対の傾斜案内部26aを有し、車両1を基準に、左側の傾斜案内部26aに歩行者が当たった場合には、その傾斜案内部26aから歩行者に右向き成分を含む荷重が付加され、右側の傾斜案内部26aに歩行者が当たった場合には、その傾斜案内部26aから歩行者に左向き成分を含む荷重が付加される。即ち、歩行者案内部材26は、1対の傾斜案内部26aにより、歩行者が衝突した場合に車幅方向の荷重を受けるように、その歩行者を案内し、更に、車両1の右側が歩道側となるため、左側の傾斜案内部26aにより、歩行者を歩道側へ案内するように構成されている。
歩行者案内部材26は、その車幅方向両端部分の1対の案内部材フレーム前側部26bが1対のブラケット27を介して1対のフロントサイドフレーム22に連結支持されている。尚、歩行者案内部材26が、1対のフレーム前側部23bと車幅方向中間部23cよりも前方へ張出すようにする場合、1対のフレーム前側部23b及び車幅方向中間部23cと前後方向にオーバーラップするように配置されてもよい。
1対のブラケット27は、夫々、鉛直支持部27a、鉛直支持部27aの下端部から前方へ延びる水平支持部27bを有し、鉛直支持部27aの上端部がフロントサイドフレーム22の前端部分の下端部に結合され、水平支持部27bの前端部が歩行者案内部材26の案内部材フレーム前側部26bの後端部に結合されている。
フロントサイドフレーム22とブラケット27との結合、歩行者案内部材26とブラケット27との結合については、夫々、種々の結合構造を採用可能であるが、例えば、フロントサイドフレーム22とブラケット27との結合については、図示省略するが、ブラケット27の鉛直支持部27aの上端部にフランジが形成され、そのフランジがフロントサイドフレーム22の下端面に当接した状態でボルトで締結されている。
バンパ部材24は、1対のフロントエプロン部材30及びボンネット31から略連続するように前方へ延びて車両1の前外装面を形成し、このバンパ部材24のうちバンパレイン23の前側に位置する部分は、全体的にバンパレイン23に沿った形状に、また、バンパ部材24のうち歩行者案内部材26の前側に位置する部分は、歩行者案内部材26に沿った形状に形成されている。尚、バンパレイン23とバンパ部材24との間や、歩行者案内部材26とバンパ部材24との間に、ウレタンフォーム等で構成された緩衝部材をバンパレイン23や歩行者案内部材26に取付けて設けてもよい。
即ち、バンパ部材24は、1対のフレーム前側部23b、車幅方向中間部23c、1対の車幅方向外側部23dに夫々対応する、1対のバンパ部材フレーム前側部24b、バンパ部材車幅方向中間部24c、1対のバンパ部材車幅方向外側部24dを有し、バンパ部材車幅方向中間部24cは、中間後退部23eに対応する、即ち、中間後退部23eに沿って後退させたバンパ部材中間後退部24eを有する。
また、バンパ部材24は、歩行者案内部材26に対応する部分に、歩行者案内部材26を覆う案内部材カバー部24fを有する。この案内部材カバー部24fは、1対のバンパ部材フレーム前側部24bとバンパ部材車幅方向中間部24cに対して前方へ少し突出して、歩行者案内部材26に沿って後方へV字状に凹む形状に形成されている。
エンジン5は、エンジンルーム4において、ダッシュパネル21の前方且つ中間クロスメンバ25の後方且つ1対のフロントサイドフレーム22の間に、その大部分がフロントサイドフレーム22の上端よりも下方位置となるように配設されている。ダッシュパネル21の車幅方向中央部分に後方へ凹む凹部21aが形成され、この凹部21aにエンジン5の後端部が収容されて、エンジン5が前輪2の車軸位置よりも後方に位置するようにエンジンルーム4に後方配置されている。
エンジン5の駆動力は、トランスミッション40、プロペラシャフト41、差動装置42、左右1対の後輪車軸43を介して1対の後輪3に伝達され、トランスミッション40、プロペラシャフト41等は、フロアパネル7の車幅方向中央部に形成された上方凸のトンネル部(図示略)の内部(下面側)に配設されている。
エンジンルーム4の下端側には、フロントサスペンション(図示略)を支持するサスペンションクロスメンバ45、前輪2を操舵する為のパワーステアリング装置46、ラジエータとクーリングファンを有するクーリングユニット47が配設されている。
クーリングユニット47は、中間クロスメンバ25の下方から後方に亙って、サスペンションクロスメンバ45、パワーステアリング装置46と干渉しないように後傾姿勢で配置されている。
尚、図示省略するが、バンパ部材24に、少なくともクーリングユニット47のラジエータを冷却するために、走行風を導入するエア導入口を形成し、更に、このエア導入口からクーリングユニット47に走行風を導くエアダクトを配設してもよい。尚、エンジンルーム4には、図示略のオイルクーラ、エアクリーナ、バッテリ等の車両装備品が所定の配置で配設される。
以上説明した車両1の前部構造20によれば次の効果を奏する。
バンパレイン23は、1対のフロントサイドフレーム22との連結部23aの間に連結部23aよりも後退させた車幅方向中間部23cを有するので、連結部23aの位置を後退させるのに限界があっても、重量物であるバンパレイン23の重心位置を後退させて、車幅方向中央部分におけるフロントオーバーハングを短縮でき、故に、車両1のヨー慣性モーメントを低減でき、車両1の操縦安定性(ハンドリング性能)を向上させることができ、また、エンジンルーム4の前後方向のデッドスペースを縮小でき、車両1の前外装面を形成するバンパ部材24の形状を含むデザインの自由度を向上させることができる。
特に、この車両1では、エンジン5が前輪2の車軸位置よりも後方に位置するように且つ低重心にてエンジンルーム4に後方配置されることで、ヨー慣性モーメントの低減、操縦安定性の向上を実現しているが、バンパレイン23の車幅方向中間部23cにより、こうした改善を更に図ることができ、また、エンジン5の前記後方配置により、従来のバンパレインでは、エンジンルーム4に前後方向のデッドスペースが大きくなり易いが、このデッドスペースを確実に縮小しつつ、上記効果を発揮できる。
バンパレイン23は、車幅方向中間部23cに、フロントサイドフレーム22の前端部よりも後方に位置するように後退させた中間後退部23eを有するので、バンパレイン23の重心位置を一層後退させて、車幅方向中央部分におけるフロントオーバーハングの短縮、車両1のヨー慣性モーメントの低減、車両1の操縦安定性の向上、バンパ部材24のデザインの自由度の向上を更に図ることができる。
バンパレイン23は、連結部23aよりも車幅方向外側部23dに、連結部23aよりも後方に位置するように後退させた外側後退部23fを有するので、バンパレイン23の重心位置を一層後退させて、車幅方向両端部分におけるフロントオーバーハングを短縮でき、車両1のヨー慣性モーメントの低減、車両1の操縦安定性の向上、バンパ部材24のデザインの自由度の向上を更に図ることができる。
1対のフロントサイドフレーム22の前端部に衝突荷重を吸収可能な1対のクラッシュカン28を取付け、この1対のクラッシュカン28にバンパレイン23を連結したので、更に、バンパレイン23の中間後退部23eと中間クロスメンバ25とを衝突荷重を吸収可能な中間クラッシュカン29を介して連結したので、衝撃吸収性能を高めて衝突安全性の向上させることができる。
バンパレイン23の最前端部分であるフレーム前側部23bに連結部23aを有するので、連結部23aの位置を従来の位置よりも後退させずに、バンパレイン23の重心位置を後退させて、フロントオーバーハングを部分的に短縮でき、また、衝突発生時には、バンパレイン23のフレーム前側部23bから衝突加重が入力されることが多く、故に、クラッシュカン28の機能を確実に発揮させて衝突安全性を向上させることができる。
バンパ部材24は、バンパレイン23の中間後退部23eに沿って後退させたバンパ部材中間後退部24eを有するので、バンパ部材24の車幅方向中央部分を後方へ凹ませて、バンパ部材24のデザイン性を高めることができる。
ダッシュパネル21の前方且つ1対のフロントサイドフレーム22の間にパワートレインであるエンジン5を配設したので、エンジン5の低重心化を図って、車両1の操縦安定性を更に向上させ、また、エンジン5が前輪2の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジン5をエンジンルーム4に後方配置する場合に有利になり、こうして、ヨー慣性モーメントの低減、操縦安定性の向上等を一層図ることが可能になる。
バンパレイン23の後側において車幅方向に延びて1対のフロントサイドフレーム22に架着された中間クロスメンバ25を備え、バンパレイン23の車幅方向中間部23cを中間クロスメンバ25に連結したので、この中間クロスメンバ25により、車両1の車体捩じれ剛性を高めるとともに、車両衝突時、バンパレイン23に入力された衝突荷重は、1対のフロントサイドフレーム22にその前端側から伝達されるとともに、中間クロスメンバ25に伝達され中間クロスメンバ25から1対のフロントサイドフレーム22の長さ方向途中部に伝達され、故に、バンパレイン23からの衝突荷重の分散性を高くして、バンパレイン23の車幅方向中間部23cが不適切に折曲がる等して損傷することを防止し、衝撃吸収性能と共に衝突安全性を向上させることができ、また、中間クロスメンバ25を種々の車両装備品を連結支持するために有効利用することもできる。
バンパレイン23の車幅方向中間部23cの下方位置に配設された車幅方向に長い歩行者案内部材26であって、歩行者が衝突した場合に車幅方向の荷重を受けるように、その歩行者を案内する歩行者案内部材26を備えたので、車両衝突時、歩行者案内部材26に当たった歩行者はボンネット31上に掬い上げられ、そのボンネット31に衝撃吸収機能を持たせることで、歩行者保護を図って衝突安全性を向上させることができる。
このとき、歩行者案内部材26により歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を案内し、この歩行者案内部材26による案内機能を、バンパレイン23の後側へ凹んだ車幅方向中間部23cを利用して達成させることができる。つまり、車幅方向中間部23cの前方における歩行者を歩行者案内部材26に確実に当てることができ、しかも、車幅方向中間部23cの傾斜部分に当たった歩行者は、歩行者案内部材26から受ける車幅方向の荷重と同車幅方向の荷重を車幅方向中間部23cから受けることになる。
これにより、歩行者(特に、歩行者の頭部)を、例えば、ボンネット31上において、ボンネット31の後端側のカウル部材やボンネット31に接近するエンジンルーム内の機器(例えば、エンジン5の補機)に近い領域を避けて、衝撃吸収機能を確実に発揮し得るボンネット31上の領域に導くようにして、歩行者保護を確実に図って衝突安全性を確実に向上させることができ、また、歩行者案内部材26に当たった障害物が車室6に侵入するのを防止することも期待できる。
歩行者案内部材26は、歩行者を歩道側へ案内するように構成したので、車両衝突時、歩行者案内部材26に当たった歩行者を、他車両の通行が無い可能性がある歩道側へ導いて、歩行者保護を一層図ることができる。
歩行者案内部材26は、車幅方向中間部23cよりも前方において、車幅方向に対して傾斜した傾斜案内部26aを有するので、その傾斜案内部26aにより、歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を確実に案内することができ、更には、歩行者を歩道側へ確実に案内することができる。
歩行者案内部材26を、平面視にて後方凸のV字形状に形成したので、この歩行者案内部材26のV字形状を形成する左右の傾斜案内部26aにより、歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を確実に案内することができ、左右一方の傾斜案内部26aにより、歩行者を歩道側へ確実に案内することができる。
次に、前記メイン実施例の構成を部分的に変更した車両の前部構造について説明する。但し、前記メイン実施例と同一又は類似する構成については、同一符号又は類似符号を付して説明して、適宜、詳細な説明を省略し、前記メイン実施例と基本的に同じ効果については説明を省略する。
1]図6〜図8に示すように、変形例1の車両の前部構造20Aでは、歩行者案内部材26Aの全体が、歩道側である車幅方向一端側(右側)程後方へ移行するように傾斜する傾斜案内部26Aaに形成され、この歩行者案内部材26Aの車幅方向両端部分が左右1対のブラケット27A1,27A2を介して1対のフロントサイドフレーム22に連結されている。ブラケット27A1の水平支持部27A1bは、ブラケット27A2の水平支持部27A2bよりも長く且つ前方へ突出するように形成されて、これらブラケット27A1,27A2により歩行者案内部材26Aが傾斜状に支持されている。
歩行者案内部材26Aは、1対のフロントサイドフレーム22の車幅方向外端間の距離と略同じ車幅方向長さを有し、全体(傾斜案内部26Aa)がバンパレイン23の車幅方向中間部23cよりも前方に配置され、その傾斜案内部26Aaに当たった歩行者を全て歩道側に案内するように構成されている。
バンパ部材24Aは、歩行者案内部材26Aに対応する部分に、歩行者案内部材26Aを覆う案内部材カバー部24Afを有し、この案内部材カバー部24Afは、1対のバンパ部材フレーム前側部24b及びバンパ部材車幅方向中間部24cに対して前方へ突出し、その案内部材カバー部24Afの前端部は車幅方向に延びるように形成されている。即ち、外見上は歩行者案内部材26Aが左右非対称であることを見せないようにしている。
2]図9〜図11に示すように、変形例2の車両の前部構造20Bでは、歩行者案内部材26Bが、通常状態では、車幅方向にストレートに延びるように構成され、この歩行者案内部材26Bの車幅方向両端部分が1対のブラケット27B1,27B2を介して1対のフロントサイドフレーム22に連結されている。尚、変形例1と同様の案内部材カバー部24Afを有するバンパ部材24Aとなっている。
1対のブラケット27B1,27B2は、それらの剛性を異ならせて構成され、そのために、1対のブラケット27B1,27B2は同形同サイズに形成されているが、一方のブラケット27B2に他方のブラケット27B1には無い切欠部27B2cが形成され、例えば、この切欠部27B2cは、ブラケット27B2の鉛直支持部27B2aに前後両側から形成されて、鉛直支持部27B2aの一部を他部よりも細くしている。
一方のブラケット27B2については、歩行者から歩行者案内部材26Bに、例えば、歩行者がボンネット31に掬いあげられる程度の荷重が入力された場合に、変形又は破断して後方変位する剛性に設定されている。尚、1対のブラケット27B1,27B2の剛性を異ならせるために、一方のブラケット27B2を他方のブラケット27B1よりも全体的に細くする、1対のブラケット27B1,27B2を異種の材料で構成する(例えば、一方のブラケット27B2を合成樹脂で他方のブラケット27B1を金属で構成する)、等の種々の態様を採用可能である。
この車両の前部構造20Bによれば、1対のブラケット27B1,27B2の剛性を異ならせたことで、通常状態では、歩行者案内部材26Bが車幅方向にストレートに延びるように構成し、車両衝突時、歩行者から歩行者案内部材26Bに入力された衝突荷重によって、1対のブラケット27B1,27B2の内の剛性が低い一方のブラケット27B2を後方変位させることで、図10に仮想線で示すように、歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を案内可能に、歩行者案内部材26Bを車幅方向に対して傾斜させ、また、1対のブラケット27B1,27B2の内の歩道側の一方のブラケット27B2を他方のブラケット27B1よりも剛性が低くなるように設定して、歩行者を歩道側へ案内可能に、歩行者案内部材26Bを車幅方向に対して傾斜させることができる。
3]図12に示すように、変形例3の車両の前部構造20Cでは、歩行者案内部材26Cが、変形例2の歩行者案内部材26Bと同様に、通常状態では、車幅方向にストレートに延びるように構成され、この歩行者案内部材26Cの車幅方向両端部分が1対のブラケット27Cを介して1対のフロントサイドフレーム22に連結されている。
歩行者案内部材26Cは、その車幅方向両端部分の剛性を異ならせて構成され、そのために、歩行者案内部材26Cの一端部分に他端部分には無い切欠部26Caが形成され、例えば、この切欠部26Caは、歩行者案内部材26Cの一端部分に後側から形成されて、歩行者案内部材26Cの一端部分の一部を他部よりも細くしている。
歩行者案内部材26Cの一端部分については、歩行者から歩行者案内部材26Cに、例えば、歩行者がボンネット31に掬いあげられる程度の荷重が入力された場合に、変形又は破断して後方変位する剛性に設定されている。尚、歩行者案内部材26Cの両端部分の剛性を異ならせるために、歩行者案内部材26Cの一端部分の肉厚を他端部分の肉厚よりも全体的に小さくする、等の種々の態様を採用可能である。
この車両の前部構造20Cによれば、歩行者案内部材26Cの車幅方向両端部分の剛性を異ならせたことで、通常状態では、歩行者案内部材26Cが車幅方向に略ストレートに延びるように構成し、車両衝突時、歩行者から歩行者案内部材26Cに入力された衝突荷重によって、歩行者案内部材26Cの車幅方向両端部分の内の剛性が低い一方を後方変位させることで、図12に仮想線で示すように、歩行者が車幅方向の荷重を受けるように歩行者を案内可能に、歩行者案内部材26Cを車幅方向に対して傾斜させ、また、歩行者案内部材26Cの車幅方向両端部分の内の歩道側の一方を他方よりも剛性が低くなるように設定して、歩行者を歩道側へ案内可能に、歩行者案内部材26Cを車幅方向に対して傾斜させることができる。
4]図13に示すように、変形例4の車両の前部構造20Dでは、歩行者案内部材26Dが、バンパレイン23と同様に平面視にてM字形状に形成され、即ち、バンパレイン23の1対のフレーム前側部23bと車幅方向中間部23cと1対の車幅方向外側部23dに対応する、1対の案内部材フレーム前側部26bと案内部材車幅方向中間部26cと1対の案内部材車幅方向外側部26Ddを有する。
5]図14に示すよう、変形例5の車両の前部構造20Eでは、歩行者案内部材26の車幅方向両端部が1対のブラケット27を介して1対のフロントサイドフレーム22に連結されるとともに、歩行者案内部材26の車幅方向中央部がブラケット27Eを介して中間クロスメンバ25に連結されている。これにより、歩行者案内部材26の支持剛性を高めることができる。
6]変形例6として、図示省略するが、バンパレイン23については、メイン実施例のようにM字形状する必要はなく、例えば、車幅方向中間部を前側から後側に凹形に凹んだ形状にする、或いは、バンパレイン23の車幅方向中間部にフロントサイドフレーム22の前端よりも後退させた中間後退部を設けない等々、種々の構成を採用可能である。
7]メイン実施例の各構成と変形例1〜6の各構成とを可能であれば組合わせて、車両の前部構造を構成してもよい。
8]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の構成を付加して実施可能であり、また、本発明については、実施例に開示の車両に限らず、FF車等の種々の車両に適用可能である。
車両の前部構造を含む要部平断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII −III 線断面図である。 車両の前部構造の前方斜め上側からの斜視図である。 車両の前部構造の要部の前方斜め上側からの斜視図である。 変形例1の図1相当図である。 変形例1の図4相当図である。 変形例1の図5相当図である。 変形例2の図1相当図である。 変形例2の図5相当図である。 変形例2の要部斜視図である。 変形例3の図5相当図である。 変形例4の図1相当図である。 変形例5の図1相当図である。
1 車両
5 エンジン
6 車室
20,20A,20B,20C,20D,20E 前部構造
21 ダッシュパネル
22 フロントサイドフレーム
23 バンパレイン(バンパレインフォースメント)
23a 連結部
23c 車幅方向中間部
23d 車幅方向外側部
23f 外側後退部
24,24A バンパ部材
26,26A,26B,26C 歩行者案内部材
26a,26Aa 傾斜案内部
27,27A1,27A2,27B1,27B2,27C,27E ブラケット

Claims (7)

  1. 車室の前端を仕切るダッシュパネルと、このダッシュパネルから前方へ延びる左右1対のフロントサイドフレームと、1対のフロントサイドフレームの前端側に架着された車幅方向に長いバンパレインフォースメントと、このバンパレインフォースメントを覆うバンパ部材とを備えた車両の前部構造であって、
    前記バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後方凸のV字形状に後退させた車幅方向中間部であって前記フロントサイドフレームの前端部よりも後方に位置する車幅方向中間部を有し、
    前記車幅方向中間部の下方位置に配設された車幅方向に長い歩行者案内部材であって、歩行者が衝突した場合に車幅方向の荷重を受けるように、その歩行者を案内する歩行者案内部材を備え
    前記歩行者案内部材は、前記左右のフロントサイドフレーム間に亙って延在し且つ前記車幅方向中間部よりも前方に設置されて歩行者を歩道側へ案内するように構成されたことを特徴とする車両の前部構造。
  2. 前記歩行者案内部材は、前記車幅方向中間部よりも前方において、車幅方向に対して傾斜した傾斜案内部を有することを特徴とする請求項1に記載の車両の前部構造。
  3. 前記歩行者案内部材は、平面視にて後方凸のV字形状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両の前部構造。
  4. 前記歩行者案内部材は、その車幅方向両端部分の剛性を異ならせて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部構造。
  5. 前記歩行者案内部材は、その車幅方向両端部分が1対のブラケットを介して1対のフロントサイドフレームに連結され、この1対のブラケットの剛性を異ならせたことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部構造。
  6. 前記バンパレインフォースメントは、前記連結部よりも車幅方向外側部に、前記連結部よりも後方に位置するように後退させた外側後退部を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の車両の前部構造。
  7. 前記ダッシュパネルの前方且つ1対のフロントサイドフレームの間にパワートレインが配設されたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の車両の前部構造。
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