JP2009184448A - 車両の前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の前部構造において、重量物であるバンパレインフォースメントの重心位置を後退させること、フロントオーバーハングを部分的に短縮すること、車両のヨー慣性モーメントを低減すること、車両の操縦安定性(ハンドリング性能)を向上させること、エンジンに低温の外気を導入して、エンジンの吸気効率を向上させ、エンジンのトルク(出力・燃費)を向上させること、等である。
【解決手段】バンパレインフォースメント23は、1対のフロントサイドフレーム22との連結部23aの間に連結部23aよりも後退させた車幅方向中間部23cを有し、エンジン5に外気を導入する吸気ダクト26の吸気口26aが車幅方向中間部23cよりも前方に位置するように、吸気ダクト26が配設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は車両の前部構造に関し、特に、バンパレインフォースメントの車幅方向中間部を1対のフロントサイドフレームとの連結部よりも後退させ、この車幅方向中間部の前側にパワートレインに外気を導入する吸気ダクトの吸気口を配置したものである。
一般に、自動車等の車両の前部構造では、車室の前端が(車室とエンジンルームとが)ダッシュパネルで仕切られ、このダッシュパネルから左右1対のフロントサイドフレームが前方へ延び、1対のフロントサイドフレームの前端側に車幅方向に長いバンパレインフォースメント(以下、バンパレインという)が架着され、このバンパレインが車両の前外装面を形成するバンパ部材で覆われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
バンパレインは、全体的に多少前方凸に湾曲しているものが多いが、こうしたものを含めて、基本的に、車幅方向に略ストレートに延びるように形成されている。また、1対のフロントサイドフレームの前端部に衝突荷重を吸収可能な1対のクラッシュカンが取付けられ、この1対のクラッシュカンにバンパレインが連結されたものが公知である。
ここで、本願出願人は、ダッシュパネル(ダッシュロアパネル)の車幅方向中央部分に後方へ凹む凹部を形成し、この凹部にエンジンの後端部が収容されて、エンジンが前輪の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジンをエンジンルームに後方配置した車両を実用化している(特許文献1〜3等参照)。
特許文献1,3の車両の前部構造では、バンパレインの後側において車幅方向に延びる中間クロスメンバが1対のフロントサイドフレームに架着され、特許文献1の構造では、バンパレインの後方にラジエータが前傾姿勢で配設され、中間クロスメンバの上側にバッテリが配設され、特許文献3の構造では、バンパレインと中間クロスメンバとの間にフロントトランクボックスが配設されている。特許文献2,3の車両の前部構造では、バンパレインから後方へ比較的離隔した位置でエンジンの直ぐ前側にラジエータが鉛直姿勢で配設され、エンジンの前方且つラジエータの上側にエアクリーナが配設されている。
一般的な車両の前部構造では、エンジンルーム内にエアクリーナと吸気ダクトが配設され、エアクリーナがエンジンの吸気系(吸気マニホールド)に接続され、吸気ダクトがエアクリーナに接続され、吸気ダクトの吸気口から吸気された外気がエアクリーナに導入され、エアクリーナにより清浄化されてエンジンに導入される。エンジンに導入する外気は、エンジンの吸気効率を向上させる上で低温であることが望ましく、また、吸気ダクトの吸気口から雨水等の水分が侵入しないようにすることも必要である。
そのために、吸気ダクトの吸気口は、バンパレインの後側のエンジンルーム内において、エンジンルーム内に導入された低温の走行風(外気)を吸気可能な位置に下方又は車幅方向に指向するように配置されている。特許文献2,3の車両の前部構造でも、吸気ダクトの吸気口が、バンパレインの直ぐ後側に車幅方向に指向するように配置されている。
特開2003−326981号公報 特開2005−28911号公報 特開2005−29057号公報
従来の車両の前部構造では、バンパレインが車幅方向に略ストレートに延びるように形成されているため、バンパレインの1対のフロントサイドフレームとの連結部の位置を後退させるのに限界があることから、重量物であるバンパレインの重心位置を後退させること、フロントオーバーハングを短縮すること、車両のヨー慣性モーメントを低減すること、車両の操縦安定性(ハンドリング性能)を向上させること、等に限界がある。
エンジンが前輪の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジンをエンジンルームに後方配置した車両では、ヨー慣性モーメントの低減、操縦安定性の向上を実現しているが、こうした改善を更に図りたいという要望に対して、上記課題が障害となる。
また、従来の車両の前部構造では、バンパレインが車幅方向に略ストレートに延びるように形成され、バンパレインの1対のフロントサイドフレームとの連結部の位置を後退させるのに限界があることから、エンジンルームに前後方向のデッドスペースが大きくなる場合があり、こうした問題は、特に、エンジンが前輪の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジンをエンジンルームに後方配置した場合に顕著になり、また、車両の前外装面を形成するバンパ部材の形状を含むデザインの自由度が小さいという問題もある。
更に、一般的な車両の前部構造では、エアクリーナがエンジンの吸気系に接続され、吸気ダクトがエアクリーナに接続され、吸気ダクトの吸気口から吸気された外気がエアクリーナに導入され、エアクリーナにより清浄化されてエンジンに導入されるが、吸気ダクトの吸気口がバンパレインの後側のエンジンルーム内に配置されているため、エンジンに低温の外気を常時確実に導入して、エンジンの吸気効率(外気充填効率)を向上させ、エンジンのトルク(出力・燃費)を向上させることに限界がある。そこで、吸気ダクトの吸気口をエンジンルーム外に配置することが考えられても、吸気ダクトの吸気口を含む上流側部分をエンジンルーム外に見栄えを悪くしないように配置することは難しい。
本発明の目的は、車両の前部構造において、重量物であるバンパレインフォースメントの重心位置を後退させること、フロントオーバーハングを部分的に短縮すること、車両のヨー慣性モーメントを低減すること、車両の操縦安定性(ハンドリング性能)を向上させること、エンジンルームの前後方向のデッドスペースを縮小すること、車両の前外装面を形成するバンパ部材の形状を含むデザインの自由度を向上させること、エンジンに外気を導入する吸気ダクトの吸気口をバンパレインフォースメントの前側に見栄えを悪くしないように配置して、エンジンに低温の外気を常時確実に導入し、エンジンの吸気効率(外気充填効率)を向上させ、エンジンのトルク(出力・燃費)を向上させること、等である。
請求項1の車両の前部構造は、車室の前端を仕切るダッシュパネルと、このダッシュパネルから前方へ延びる左右1対のフロントサイドフレームと、1対のフロントサイドフレームの前端側に架着された車幅方向に長いバンパレインフォースメントと、このバンパレインフォースメントを覆うバンパ部材とを備えた車両の前部構造であって、前記バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後退させた車幅方向中間部を有し、パワートレインに外気を導入する吸気ダクトの吸気口が前記車幅方向中間部よりも前方に位置するように、前記吸気ダクトを配設したことを特徴とする。
バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後退させた車幅方向中間部を有するので、重量物であるバンパレインフォースメントの重心位置が後退し、車幅方向中央部分におけるフロントオーバーハングが短縮され、車両のヨー慣性モーメントの低減、車両の操縦安定性(ハンドリング性能)の向上が図られる。パワートレインに外気を導入する吸気ダクトは、その吸気口が前記車幅方向中間部よりも前方に位置するように配設されたので、吸気ダクトの吸気口の配置にバンパレインフォースメントの後側へ凹んだ車幅方向中間部の前側のスペースが有効利用され、つまり、吸気ダクトの吸気口が見栄えを悪くしないように配置されて、エンジンに低温の外気が常時確実に導入され、エンジンの吸気効率(外気充填効率)が向上し、エンジンのトルク(出力・燃費)が向上する。
請求項1の従属請求項として次の構成を採用可能である。
前記車幅方向中間部の前側において、前記吸気ダクトのうち前記車幅方向中間部の前側に位置する吸気口を含む上流側部分を前方から覆うようにライセンスプレートが取付けられる(請求項2)。前記吸気ダクトの吸気口が下方に指向するように構成される(請求項3)。前記吸気ダクトの吸気口が車幅方向に指向するように構成される(請求項4)。
前記バンパレインフォースメントの後側に、パワートレインの吸気系に接続されたエアクリーナユニットが配設され、このエアクリーナユニットに前記吸気ダクトが接続される(請求項5)。前記エアクリーナユニットが、前記吸気ダクトの吸気口の後方位置から車幅方向へオフセットした位置に配設される(請求項6)。
前記車幅方向中間部が平面視にて後方凸のV字形状に形成され、この車幅方向中間部の車幅方向中央部の前側に前記吸気ダクトの吸気口が配置される(請求項7)。前記バンパ部材は、前記車幅方向中間部に沿って後退させたバンパ部材車幅方向中間部を有し、このバンパ部材車幅方向中間部の前側に前記吸気ダクトの吸気口が配置される(請求項8)。前記ダッシュパネルの前方且つ1対のフロントサイドフレームの間にパワートレインが配設される(請求項9)。
請求項1の車両の前部構造によれば、バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後退させた車幅方向中間部を有するので、前記連結部の位置を後退させるのに限界があっても、重量物であるバンパレインフォースメントの重心位置を後退させて、車幅方向中央部分におけるフロントオーバーハングを短縮でき、故に、車両のヨー慣性モーメントを低減でき、車両の操縦安定性(ハンドリング性能)を向上させ、また、エンジンルームの前後方向のデッドスペースを縮小でき、車両の前外装面を形成するバンパ部材の形状を含むデザインの自由度を向上させ、更に、パワートレインに外気を導入する吸気ダクトを、その吸気口が前記車幅方向中間部よりも前方に位置するように配設したので、この吸気ダクトの吸気口の配置にバンパレインフォースメントの後側へ凹んだ車幅方向中間部の前側のスペースを有効利用し、つまり、吸気ダクトを見栄えを悪くしないように配設でき、エンジンに低温の外気を常時確実に導入し、エンジンの吸気効率(外気充填効率)を向上させ、エンジンのトルク(出力・燃費)を向上させることができる。
請求項2の車両の前部構造によれば、前記車幅方向中間部の前側において、吸気ダクトのうち前記車幅方向中間部の前側に位置する吸気口を含む上流側部分を前方から覆うようにライセンスプレートを取付けるので、吸気ダクトの吸気口を含む上流側部分を車両の前方外へ露出させないようにライセンスプレートで覆って見栄えを良くすることができ、車両衝突時には、歩行者等の障害物が吸気ダクト等に直接当たらないようにライセンスプレートで受止めて、障害物の保護を図って衝突安全性を向上させることができる。
請求項3の車両の前部構造によれば、吸気ダクトの吸気口が下方に指向するように構成したので、また、請求項4の車両の前部構造によれば、吸気ダクトの吸気口が車幅方向に指向するように構成したので、吸気ダクトの吸気口から雨水等の水分が侵入するのを防止できる。
請求項5の車両の前部構造によれば、バンパレインフォースメントの後側に、パワートレインの吸気系に接続されたエアクリーナユニットを配設し、このエアクリーナユニットに吸気ダクトを接続したので、吸気ダクトの吸気口から吸気された外気をエアクリーナユニットに導入し、エアクリーナユニットにより清浄化してエンジンに導入できる。
請求項6の車両の前部構造によれば、エアクリーナユニットを、吸気ダクトの吸気口の後方位置から車幅方向へオフセットした位置に配設したので、吸気ダクトの吸気口を前記車幅方向中間部の最も後方へ凹んだ部分の前側に配置して、吸気ダクトを見栄えを悪くしないように配設でき、この吸気ダクトの吸気口の後方位置から車幅方向へオフセットした位置では、前方のバンパレインフォースメントまでの空間が広くなるので、エアクリーナユニットが比較的大型でも、そのエアクリーナユニットを整然と配設できる。
請求項7の車両の前部構造によれば、前記車幅方向中間部を平面視にて後方凸のV字形状に形成し、この車幅方向中間部の車幅方向中央部の前側に吸気ダクトの吸気口を配置したので、吸気ダクトを見栄えを悪くしないように配設でき、エアクリーナユニットを、吸気ダクトの吸気口の後方位置から車幅方向へオフセットした位置に確実に配設できる。
請求項8の車両の前部構造によれば、バンパ部材は、前記車幅方向中間部に沿って後退させたバンパ部材車幅方向中間部を有し、このバンパ部材車幅方向中間部の前側に吸気ダクトの吸気口を配置したので、エンジンに低温の外気を確実に導入できる。
請求項9の車両の前部構造によれば、ダッシュパネルの前方且つ1対のフロントサイドフレームの間にパワートレインを配設したので、パワートレインの低重心化を図って、車両の操縦安定性を更に向上させ、また、エンジンが前輪の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジンをエンジンルームに後方配置する場合に有利になり、こうして、ヨー慣性モーメントの低減、操縦安定性の向上を一層図ることが可能になる。
本発明の車両の前部構造は、車室の前端を仕切るダッシュパネル、ダッシュパネルから前方へ延びる左右1対のフロントサイドフレーム、1対のフロントサイドフレームの前端側に架着された車幅方向に長いバンパレインフォースメント、バンパレインフォースメントを覆うバンパ部材を備え、バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後退させた車幅方向中間部を有し、パワートレインに外気を導入する吸気ダクトの吸気口が前記車幅方向中間部よりも前方に位置するように、吸気ダクトが配設されている。
図1〜図3に示すように、車両1(自動車1)は、左右1対の前輪2、左右1対の後輪3を備え、車両1の前部のエンジンルーム4にパワートレインであるエンジン5を搭載し、このエンジン5により後輪3を駆動するFR車である。
図1〜図7に示すように、車両1の前部構造20は、車室6の前端を(車室6とエンジンルーム4とを)仕切るダッシュパネル21、ダッシュパネル21から前方へ延びる左右1対のフロントサイドフレーム22、1対のフロントサイドフレーム22の前端側に架着された車幅方向に長いバンパレインフォースメント23(以下、バンパレイン23という)、バンパレイン23を覆うバンパ部材24、バンパレイン23の後側において車幅方向に延びて1対のフロントサイドフレーム22に架着された中間クロスメンバ25を備えている。
更に、車両1の前部構造20は、エンジン5に外気を導入する吸気ダクト26及びエアクリーナユニット27及び吸気接続ダクト28を備え、吸気ダクト26の上流端に吸気口26aが形成され、吸気ダクト26の下流端がエアクリーナユニット27に接続され、エアクリーナユニット27が吸気接続ダクト28を介してエンジン5の吸気系である吸気マニホールド5aに接続されている。吸気口26aから吸気された外気は吸気ダクト26を通ってエアクリーナユニット27に導入され、エアクリーナユニット27により清浄化されて、吸気接続ダクト28を通ってエンジン5(吸気マニホールド5a)に導入される。
ダッシュパネル21の下端部には、車室6のフロアを形成するフロアパネル7の前端部が結合され、フロアパネル7の車幅方向両端部に左右1対のサイドシル8が結合されている。1対のフロントサイドフレーム22の後端部分は、ダッシュパネル21の前面に沿って下方へ延び、ダッシュパネル21の下端部において、フロアパネル7の下面に結合されて前後方向へ延びる左右1対のフロアフレーム9の前端部に結合されている。
車室6には、ダッシュボード10、ステアリングホイール11、左右1対の前席12、左右1対の後席13等が配設され、車室6の少なくとも前席12の外側方がサイドドア14(図4参照)により開閉される。尚、図4の符号15は左右1対のヘッドランプ、図4の符号16は左右1対のサイドミラーである。
車両1の前部構造20について詳しく説明する。
エンジンルーム4は、ダッシュパネル21、ダッシュパネル21に結合された左右1対のフロントエプロン部材35、バンパ部材24等で囲まれた部分に形成され、ボンネット36により開閉される。ボンネット36は、その後端部がダッシュパネル21の上端側のカウル部材(図示略)にヒンジ結合され、その後端部を中心に上下に回動され開閉する。
1対のフロントサイドフレーム22の前端部に衝突荷重を吸収可能な1対のクラッシュカン30が取付けられ、また、中間クロスメンバ25の車幅方向中央部の前端部に衝突荷重を吸収可能な中間クラッシュカン31が取付けられ、これらクラッシュカン30,31にバンパレイン23が連結されている。
バンパレイン23は、1対のフロントサイドフレーム22との(1対のフロントサイドフレーム22と連結される)連結部23aを有するとともに1対のフロントサイドフレーム22の前側に位置する左右1対のフレーム前側部23b、1対の連結部23a(フレーム前側部23b)の間の車幅方向中間部23c、1対の連結部23a(フレーム前側部23b)よりも車幅方向外側の左右1対の車幅方向外側部23dを有する。
1対のフレーム前側部23bは、バンパレイン23の最前端部分であり、例えば、その前端面が前方へ向くように形成されている。車幅方向中間部23cは、全体的に連結部23aよりも後退するように形成され、フロントサイドフレーム22の前端部よりも後方に位置するように後退させた中間後退部23eを有する。
車幅方向中間部23cは、1対のフレーム前側部23bから夫々車幅方向内方且つ後方へ略ストレートに延びる左右の傾斜部を、車幅方向中央部で繋いで平面視にて後方凸(前方開)のV字形状に形成され、この繋ぎ部とその近傍部が中間後退部23eとなり、この中間後退部23eから後方へ少し隔てて中間クロスメンバ25が配置されて、中間後退部23eと中間クロスメンバ25とが中間クラッシュカン31を介して連結されている。
1対の車幅方向外側部23dは、連結部23aよりも後方に位置するように後退させた外側後退部23fを有する。1対の車幅方向外側部23dは、1対のフレーム前側部23bから夫々車幅方向外方且つ後方へ略ストレートに延びる左右の傾斜部からなる。
以上のように、バンパレイン23は、1対のフレーム前側部23b、車幅方向中間部23c、1対の車幅方向外側部23dにより平面視にて車幅方向へ引き延ばしたようなM字形状に形成されている。尚、バンパレイン23は、例えば、ハイドロフォーム成形により、或いは、2部材を結合して、閉断面構造に構成されている。尚、バンパレイン23として、断面コ字状の開断面構造のバンパレインを採用してもよい。
バンパ部材24は、1対のフロントエプロン部材35及びボンネット36から略連続するように前方へ延びて車両1の前外装面を形成し、このバンパ部材24のうちバンパレイン23の前側に位置する部分は、全体的にバンパレイン23に沿った形状に形成されている。即ち、バンパ部材24は、1対のフレーム前側部23b、車幅方向中間部23c、1対の車幅方向外側部23dに夫々対応する、1対のバンパ部材フレーム前側部24b、バンパ部材車幅方向中間部24c、1対のバンパ部材車幅方向外側部24dを有し、バンパ部材車幅方向中間部24cは、中間後退部23eに対応する、即ち、中間後退部23eに沿って後退させたバンパ部材中間後退部24eを有する。
バンパレイン23に合成樹脂製(又は金属製)のプレート取付部材32が取付けられ、このプレート取付部材32にライセンスプレート33(ナンバープレート33)が取付けられている。プレート取付部材32は、バンパレイン23の中間後退部23eを含む車幅方向中間部23cの前側に配設され、平面視にてベース形状に形成されて、1対のフロントサイドフレーム22間の距離よりも短い(例えば、1/2〜2/3程度の)車幅方向長さを有し、車幅方向中心をバンパレイン23の車幅方向中心に一致させて、その後端傾斜面をバンパレイン23の車幅方向中間部23cに当接させた状態で取付けられている。
プレート取付部材32は、バンパ部材24のバンパ部材中間後退部24eを含むバンパ部材車幅方向中間部24cを前方へ貫通して張出している。バンパ部材車幅方向中間部24cには、プレート取付部材32の貫通孔24caが形成されている。例えば、プレート取付部材32は、バンパレイン23の最前端位置(フレーム前側部23b)よりも前方へ少し張出し、その前面位置がバンパ部材24の最前端位置(バンパ部材フレーム前側部24b)よりも少し後方へ位置している。
プレート取付部材32の前面は正面に向く平滑な鉛直面に形成され、ライセンスプレート33は、その前面が正面に向いて、例えば、バンパ部材24の最前端位置と略一致するように、プレート取付部材32の前面に取付けられている。
プレート取付部材32のバンパレイン23への取付けと、ライセンスプレート33のプレート取付部材32への取付けについては、図6に示すように、プレート取付部材32は複数(例えば、左右1対)のボルト32aでバンパレイン23の前面部に締結され、ライセンスプレート33は複数(例えば、左右2対)のボルト33aでプレート取付部材32の前面部に締結されている。プレート取付部材32には、その前面側から複数のボルト32aの取付穴32bが形成されている。
尚、プレート取付部材32の上下幅と車幅方向幅はライセンスプレート33の同幅と合わせているが、そうする必要はなく、例えば、プレート取付部材32の上下幅を縮小してフロントサイドフレーム22の上下幅と略同じにする、等々、プレート取付部材32の上下幅と車幅方向幅については種々設定可能である。
エンジン5は、エンジンルーム4において、ダッシュパネル21の前方且つ中間クロスメンバ25の後方且つ1対のフロントサイドフレーム22の間に、その大部分がフロントサイドフレーム22の上端よりも下方位置となるように配設されている。ダッシュパネル21の車幅方向中央部分に後方へ凹む凹部21aが形成され、この凹部21aにエンジン5の後端部が収容されて、エンジン5が前輪2の車軸位置よりも後方に位置するようにエンジンルーム4に後方配置されている。
エンジン5の駆動力は、トランスミッション40、プロペラシャフト41、差動装置42、左右1対の後輪車軸43を介して1対の後輪3に伝達され、トランスミッション40、プロペラシャフト41等は、フロアパネル7の車幅方向中央部に形成された上方凸のトンネル部(図示略)の内部(下面側)に配設されている。
エンジンルーム4の下端側には、フロントサスペンション(図示略)を支持するサスペンションクロスメンバ45、前輪2を操舵する為のパワーステアリング装置46、ラジエータとクーリングファンを有するクーリングユニット47が配設されている。
クーリングユニット47は、1対のフロントサイドフレーム22間の距離と略同じ車幅方向幅を有し、フロントサイドフレーム22よりも下方位置であって、バンパレイン23の中間後退部23e及び中間クロスメンバ25の下側において、サスペンションクロスメンバ45、パワーステアリング装置46と干渉しないように後傾姿勢で配置されている。
尚、図示省略するが、少なくともクーリングユニット47のラジエータを冷却するために、バンパ部材24に走行風を導入するエア導入口を形成し、更に、このエア導入口からクーリングユニット47に走行風を導くエアダクトを配設してもよい。尚、エンジンルーム4には、図示略のオイルクーラ、バッテリ等の車両装備品が所定の配置で配設される。
次に、吸気ダクト26、エアクリーナユニット27について詳細に説明する。
吸気ダクト26は、合成樹脂製であり、その吸気口26aがバンパレイン23の車幅方向中間部23cよりも前方に位置するように配設されて、吸気ダクト26の吸気口26aが下方へ指向するように構成されている。車幅方向中間部23cの前側において、吸気ダクト26のうち車幅方向中間部23cの前側に位置する吸気口26aを含む上流側部分を前方から覆うようにライセンスプレート33が取付けられる。
エアクリーナユニット27は、合成樹脂製のクリーナケースを主体に構成されて、バンパレイン23の後側のエンジンルーム4内に、吸気ダクト26の吸気口26aの後方位置から車幅方向(左方)へオフセットした位置に配設され、このエアクリーナユニット27に吸気ダクト26の下流端が接続されている。
具体的に説明すると、吸気ダクト26の吸気口26aは、車幅方向中間部23cの車幅方向中央部(中間後退部23e)の前側に、且つ、バンパ部材車幅方向中間部24cの車幅方向中央部(バンパ部材中間後退部24e)の前側に配置され、エアクリーナユニット27は、エンジンルーム4の車幅方向一端(左端)寄りの且つエンジン5よりも前方位置に、フロントサイドフレーム22よりも上方位置に配置されて、少なくともフロントサイドフレーム22と中間クロスメンバ25の一方にブラケット等を介して支持されている。
吸気ダクト26は、エアクリーナユニット27の前端側近傍から車両1(エンジンルーム4)の車幅中央部まで(右方へ)延びる横ダクト部26bと、横ダクト部26bの車幅中央側端部(右端部)から前方へ延びる縦ダクト部26cと、縦ダクト部26cの前端部から下方へ延びる鉛直ダクト部26dとを有し、鉛直ダクト部26dの下端部に下方程大径化するラッパ形状の吸気口26aが形成されている。
縦ダクト部26cは、横ダクト部26bからバンパレイン23の中間後退部23eの上側を通り、バンパ部材中間後退部24eを貫通するように前方へ延び、縦ダクト部26cの前端部分及び鉛直ダクト部26dがバンパ部材中間後退部24eの前側に位置し、ライセンスプレート33よりも後方に位置している。バンパ部材中間後退部24eには、縦ダクト部26cの貫通孔24cbが形成されている。
鉛直ダクト部26dは、その上端部分を除く部分がプレート取付部材32に上下に貫通状に配設され、その下端部の吸気口26aがプレート取付部材32の下端位置と略一致して、プレート取付部材32から下方外へ臨んでいる。プレート取付部材32には、鉛直ダクト部26dの貫通孔部32cが形成され、この貫通孔部32cに鉛直ダクト部26dが貫通状に支持されている。
そして、ライセンスプレート33により、吸気ダクト26の吸気口26aを含む上流側部分(鉛直ダクト部26dの上端部分を除く部分)がプレート取付部材32と共に前方から覆われている。尚、吸気ダクト26は、その1又は複数の適当部位がバンパレイン23等の車体部材に連結支持されている。
以上説明した車両1の前部構造20によれば次の効果を奏する。
バンパレイン23は、1対のフロントサイドフレーム22との連結部23aの間に連結部23aよりも後退させた車幅方向中間部23cを有するので、連結部23aの位置を後退させるのに限界があっても、重量物であるバンパレイン23の重心位置を後退させて、車幅方向中央部分におけるフロントオーバーハングを短縮でき、故に、車両1のヨー慣性モーメントを低減でき、車両1の操縦安定性(ハンドリング性能)を向上させることができ、また、エンジンルーム4の前後方向のデッドスペースを縮小でき、車両1の前外装面を形成するバンパ部材24の形状を含むデザインの自由度を向上させることができる。
特に、この車両1では、エンジン5が前輪2の車軸位置よりも後方に位置するように且つ低重心にてエンジンルーム4に後方配置されることで、ヨー慣性モーメントの低減、操縦安定性の向上を実現しているが、バンパレイン23の車幅方向中間部23cにより、こうした改善を更に図ることができ、また、エンジン5の前記後方配置により、従来のバンパレインでは、エンジンルーム4に前後方向のデッドスペースが大きくなり易いが、このデッドスペースを確実に縮小しつつ、上記効果を発揮できる。
バンパレイン23は、車幅方向中間部23cに、フロントサイドフレーム22の前端部よりも後方に位置するように後退させた中間後退部23eを有するので、バンパレイン23の重心位置を一層後退させて、車幅方向中央部分におけるフロントオーバーハングの短縮、車両1のヨー慣性モーメントの低減、車両1の操縦安定性の向上、バンパ部材24のデザインの自由度の向上を更に図ることができる。
バンパレイン23は、連結部23aよりも車幅方向外側部23dに、連結部23aよりも後方に位置するように後退させた外側後退部23fを有するので、バンパレイン23の重心位置を一層後退させて、車幅方向両端部分におけるフロントオーバーハングを短縮でき、車両1のヨー慣性モーメントの低減、車両1の操縦安定性の向上、バンパ部材24のデザインの自由度の向上を更に図ることができる。
1対のフロントサイドフレーム22の前端部に衝突荷重を吸収可能な1対のクラッシュカン30を取付け、この1対のクラッシュカン30にバンパレイン23を連結したので、更に、バンパレイン23の中間後退部23eと中間クロスメンバ25とを衝突荷重を吸収可能な中間クラッシュカン31を介して連結したので、衝撃吸収性能を高めて衝突安全性の向上させることができる。
バンパレイン23の最前端部分であるフレーム前側部23bに連結部21aを有するので、連結部21aの位置を従来の位置よりも後退させずに、バンパレイン23の重心位置を後退させて、フロントオーバーハングを部分的に短縮でき、また、衝突発生時には、バンパレイン23のフレーム前側部23bから衝突加重が入力されることが多く、故に、クラッシュカン30の機能を確実に発揮させて衝突安全性を向上させることができる。
バンパ部材24は、バンパレイン23の中間後退部23eに沿って後退させたバンパ部材中間後退部24eを有するので、バンパ部材24の車幅方向中央部分を後方へ凹ませて、バンパ部材24のデザイン性を高めることができる。
ダッシュパネル21の前方且つ1対のフロントサイドフレーム22の間にパワートレインであるエンジン5を配設したので、エンジン5の低重心化を図って、車両1の操縦安定性を更に向上させ、また、エンジン5が前輪2の車軸位置よりも後方に位置するように、エンジン5をエンジンルーム4に後方配置する場合に有利になり、こうして、ヨー慣性モーメントの低減、操縦安定性の向上等を一層図ることが可能になる。
バンパレイン23の後側において車幅方向に延びて1対のフロントサイドフレーム22に架着された中間クロスメンバ25を備え、バンパレイン23の車幅方向中間部23cを中間クロスメンバ25に連結したので、この中間クロスメンバ25により、車両1の車体捩じれ剛性を高めるとともに、車両衝突時、バンパレイン23に入力された衝突荷重は、1対のフロントサイドフレーム22にその前端側から伝達されるとともに、中間クロスメンバ25に伝達され中間クロスメンバ25から1対のフロントサイドフレーム22の長さ方向途中部に伝達され、故に、バンパレイン23からの衝突荷重の分散性を高くして、バンパレイン23の車幅方向中間部23cが不適切に折曲がる等して損傷することを防止し、衝撃吸収性能と共に衝突安全性を向上させることができ、また、中間クロスメンバ25を種々の車両装備品を連結支持するために有効利用することもできる。
エンジン5に外気を導入する吸気ダクト26を、その吸気口26aが車幅方向中間部23cよりも前方に位置するように配設したので、この吸気ダクト26の吸気口26aの配置にバンパレイン23の後側へ凹んだ車幅方向中間部23cの前側のスペースを有効利用し、つまり、吸気ダクト26を見栄えを悪くしないように配設でき、エンジン5に低温の外気を常時確実に導入し、エンジン5の吸気効率(外気充填効率)を向上させ、エンジン5のトルク(出力・燃費)を向上させることができる。
車幅方向中間部23cの前側において、吸気ダクト26のうち車幅方向中間部23cの前側に位置する吸気口26aを含む上流側部分を前方から覆うようにライセンスプレート33を取付けるので、吸気ダクト26の吸気口26aを含む上流側部分を車両1の前方外へ露出させないようにライセンスプレート33で覆って見栄えを良くすることができ、車両衝突時には、歩行者等の障害物が吸気ダクト26等に直接当たらないようにライセンスプレート33で受止めて、障害物の保護を図って衝突安全性を向上させることができる。
吸気ダクト26の吸気口26aが下方に指向するように構成したので、吸気ダクト26の吸気口26aから雨水等の水分が侵入するのを防止できる。バンパレイン23の後側に、エンジン5の吸気マニホールド5aに接続されたエアクリーナユニット27を配設し、このエアクリーナユニット27に吸気ダクト26を接続したので、吸気ダクト26の吸気口26aから吸気された外気をエアクリーナユニット27に導入し、エアクリーナユニット27により清浄化してエンジン5に導入できる。
エアクリーナユニット27を、吸気ダクト26の吸気口26aの後方位置から車幅方向へオフセットした位置に配設したので、吸気ダクト26の吸気口26aを車幅方向中間部23cの最も後方へ凹んだ部分の前側に配置して、吸気ダクト26を見栄えを悪くしないように配設でき、この吸気ダクト26の吸気口26aの後方位置から車幅方向へオフセットした位置では、前方のバンパレイン23までの空間が広くなるので、エアクリーナユニット27が比較的大型でも、そのエアクリーナユニット27を整然と配設できる。
車幅方向中間部23cを平面視にて後方凸のV字形状に形成し、この車幅方向中間部23cの車幅方向中央部の前側に吸気ダクト26の吸気口26aを配置したので、吸気ダクト26を見栄えを悪くしないように配設でき、エアクリーナユニット27を、吸気ダクト26の吸気口26aの後方位置から車幅方向へオフセットした位置に確実に配設できる。バンパ部材24は、車幅方向中間部23cに沿って後退させたバンパ部材車幅方向中間部24cを有し、このバンパ部材車幅方向中間部24cの前側に吸気ダクト26の吸気口26aを配置したので、エンジン5に低温の外気を確実に導入できる。
次に、前記メイン実施例の構成を部分的に変更した車両の前部構造について説明する。但し、前記メイン実施例と同一又は類似する構成については、同一符号又は類似符号を付して説明して、適宜、詳細な説明を省略し、前記メイン実施例と基本的に同じ効果については説明を省略する。
1]図8、図9に示すように、変形例1の車両の前部構造20Aでは、吸気ダクト26Aは、その左右1対の吸気口26Aaがバンパレイン23の車幅方向中間部23cよりも前方に位置するように配設されて、吸気ダクト26Aの1対の吸気口26Aaが車幅方向へ指向するように構成されている。車幅方向中間部23cの前側において、吸気ダクト26Aのうち車幅方向中間部23cの前側に位置する1対の吸気口26Aaを含む上流側部分を前方から覆うようにライセンスプレート33が取付けられる。
具体的に、吸気ダクト26Aの1対の吸気口26Aaは、バンパ部材車幅方向中間部24cの前側に車幅方向両側に指向するように配置されている。吸気ダクト26Aは、メイン実施例と同様の横ダクト部26bと縦ダクト部26cとを有するとともに、縦ダクト部26cの前端部から下方へ延びる鉛直ダクト部26Adと、鉛直ダクト部26Adの下端部から車幅方向両側へ延びる左右1対の上流側横ダクト部26Aeとを有し、1対の上流側横ダクト部26Aeの車幅方向外端部に、車幅方向外方程大径化するラッパ形状の1対の吸気口26Aaが形成されている。
鉛直ダクト部26Adがバンパ部材中間後退部24eの前側に位置し、ライセンスプレート33よりも後方に位置している。鉛直ダクト部26Adは、その上端部分を除く部分がプレート取付部材32Aに上側から挿入状に配設され、1対の上流側横ダクト部26Aeは車幅方向にストレート状に一体的に延びて、プレート取付部材32Aに貫通状に配設され、その車幅方向外端部の吸気口26Aaがプレート取付部材32Aの車幅方向外端位置と略一致して、プレート取付部材32から車幅方向外へ臨んでいる。
プレート取付部材32Aには、鉛直ダクト部26Adの挿入孔部32Acが形成され、この挿入孔部32Acに鉛直ダクト部26Adが挿入状に支持され、また、1対の上流側横ダクト部26Aeの貫通孔部32Adが形成され、この貫通孔部32Adに1対の上流側横ダクト部26Aeが貫通状に支持されている。
そして、ライセンスプレート33により、吸気ダクト26Aの1対の吸気口26Aaを含む上流側部分(鉛直ダクト部26Adの上端部分を除く部分と1対の上流側横ダクト部26Ae)がプレート取付部材32Aと共に前方から覆われている。吸気ダクト26Aの吸気口26Aaが車幅方向に指向するように構成したので、吸気ダクト26Aの吸気口26Aaから雨水等の水分が侵入するのを防止できる。尚、1対の吸気口26Aaの一方(即ち、1対の上流側横ダクト部26Aeの一方)を省略してもよい。
2]図10に示すように、変形例2の車両の前部構造20Bでは、ライセンスプレート33が、プレート取付部材32Bと協働して、車幅方向中間部23cの前側において、吸気ダクト26Bのうち車幅方向中間部23cよりも前方に位置する1対の吸気口26Aaを含む上流側部分の全体を覆うように構成されている。
そのために、吸気ダクト26Bにおいて、縦ダクト部26Bcの高さ位置が、前記縦ダクト部26cの高さ位置よりも低くてバンパレイン23の直ぐ上側に位置するとともに、その分、鉛直ダクト部26Bdが前記鉛直ダクト部26dよりも短く形成されている。プレート取付部材32Bには、縦ダクト部26Bcの一部が嵌合する凹部32Bfが形成されて、バンパ部材24Bには、プレート取付部材32B及び縦ダクト部26Bcに共通の貫通孔24Bcaが形成されている。
また、プレート取付部材32Bの前端部分に、縦ダクト部26Bcよりも上方へ張出す上方張出部32Bgが形成され、この上方張出部32Bgを利用して、ライセンスプレート33がメイン実施例の位置よりも高い位置に配置固定されている。このプレート取付部材32Bとライセンスプレート33の構成により、吸気ダクト26Bを車両1の前方外へ露出させないようにすることができるので、見栄えを非常に良くすることができる。
3]図11に示すように、変形例3の車両の前部構造20Cでは、ライセンスプレート33が、バンパ部材24Cと協働して、車幅方向中間部23cの前側において、吸気ダクト26のうち車幅方向中間部23cよりも前方に位置する1対の吸気口26aを含む上流側部分の全体を覆うように構成されている。
そのために、バンパ部材24Cにおいて、バンパ部材車幅方向中間部24Ccの上側部分に、バンパ部材車幅方向中間部24Ccよりも前方へ突出する上部前方突出部24Cgが形成され、この上部前方突出部24Cgに、吸気ダクト26の縦ダクト部26cの前端部分と鉛直ダクト部26dの上端部分を覆う上部カバー部24Chが形成されている。
4]変形例4として、図示省略するが、バンパレイン23については、メイン実施例のようにM字形状する必要はなく、例えば、車幅方向中間部を前側から後側に凹形に凹んだ形状にする、或いは、バンパレイン23の車幅方向中間部にフロントサイドフレーム22の前端よりも後退させた中間後退部を設けない等々、種々の構成を採用可能である。
5]変形例5として、図示省略するが、プレート取付部材32をエネルギー吸収性のある部材(所謂EA材)で構成してもよい。これにより、車両衝突時、歩行者等の障害物がライセンスプレート33に衝突した場合に、エネルギー吸収性のあるプレート取付部材32で衝撃を吸収でき、障害物の保護を図って衝突安全性を向上させることができる。
6]メイン実施例の各構成と変形例1〜5の各構成とを可能であれば組合わせて、車両の前部構造を構成してもよい。
7]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の構成を付加して実施可能であり、また、本発明については、実施例に開示の車両に限らず、FF車等の種々の車両に適用可能である。
車両の前部構造を含む要部平断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII −III 線断面図である。 車両の前部構造の前方斜め上側からの斜視図である。 車両の前部構造の要部の前方斜め上側からの斜視図である。 図4のVI−VI線断面図である。 図4のVII −VII 線断面図である。 変形例1の図5相当図である。 変形例1の図7相当図である。 変形例2の図7相当図である。 変形例3の図7相当図である。
符号の説明
1 車両
5 エンジン
6 車室
20,20A,20B,20C 前部構造
21 ダッシュパネル
22 フロントサイドフレーム
23 バンパレイン(バンパレインフォースメント)
23a 連結部
23c 車幅方向中間部
24,24B,24C バンパ部材
24c,24Cc バンパ部材車幅方向中間部
26,26A,26B 吸気ダクト
26a,26Aa 吸気口
27 エアクリーナユニット
33 ライセンスプレート

Claims (9)

  1. 車室の前端を仕切るダッシュパネルと、このダッシュパネルから前方へ延びる左右1対のフロントサイドフレームと、1対のフロントサイドフレームの前端側に架着された車幅方向に長いバンパレインフォースメントと、このバンパレインフォースメントを覆うバンパ部材とを備えた車両の前部構造であって、
    前記バンパレインフォースメントは、1対のフロントサイドフレームとの連結部の間に前記連結部よりも後退させた車幅方向中間部を有し、
    パワートレインに外気を導入する吸気ダクトの吸気口が前記車幅方向中間部よりも前方に位置するように、前記吸気ダクトを配設したことを特徴とする車両の前部構造。
  2. 前記車幅方向中間部の前側において、前記吸気ダクトのうち前記車幅方向中間部の前側に位置する吸気口を含む上流側部分を前方から覆うようにライセンスプレートが取付けられることを特徴とする請求項1に記載の車両の前部構造。
  3. 前記吸気ダクトの吸気口が下方に指向するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の前部構造。
  4. 前記吸気ダクトの吸気口が車幅方向に指向するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の前部構造。
  5. 前記バンパレインフォースメントの後側に、パワートレインの吸気系に接続されたエアクリーナユニットが配設され、このエアクリーナユニットに前記吸気ダクトが接続されたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の車両の前部構造。
  6. 前記エアクリーナユニットが、前記吸気ダクトの吸気口の後方位置から車幅方向へオフセットした位置に配設されたことを特徴とする請求項5に記載の車両の前部構造。
  7. 前記車幅方向中間部が平面視にて後方凸のV字形状に形成され、この車幅方向中間部の車幅方向中央部の前側に前記吸気ダクトの吸気口が配置されたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の車両の前部構造。
  8. 前記バンパ部材は、前記車幅方向中間部に沿って後退させたバンパ部材車幅方向中間部を有し、このバンパ部材車幅方向中間部の前側に前記吸気ダクトの吸気口が配置されたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の車両の前部構造。
  9. 前記ダッシュパネルの前方且つ1対のフロントサイドフレームの間にパワートレインが配設されたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の車両の前部構造。
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JP2021021342A (ja) * 2019-07-25 2021-02-18 マツダ株式会社 エンジンの吸気装置

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