(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3に従って説明する。図1は、本実施形態にかかる部品試験装置の構造を斜視図により示したものである。
図1に示されるように、この部品試験装置は略長方形状の基台1を有している。基台1の上面には、その長手方向中央かつ奥寄りに部品試験部10が配設され、その部品試験部10の長手方向の一方(図1において左側)には部品供給手段としての部品供給装置20が、そして他方(図1において右側)には部品排出手段としての部品排出装置30がそれぞれ配設されている。
部品試験部10は、図2に示すように、略長方形状の上層支持体11と上層支持体11の下側に積層されて上層支持体11よりも一回り小さいこれも略長方形状の下層支持体(図示略)とにより構成されている。そして、上層支持体11には長手方向には中心の間隔をソケット長手間隔Lpだけ離れた3列配置の、また幅方向には中心の間隔をソケット幅間隔Lsだけ離れた2行配置の合計6つの貫通穴12が形成されている。そして、下層支持体において、長手方向左寄りの2つに貫通穴12に対応する位置には機能ステーションとしてのテストソケットSc1が、また前記2つの貫通穴12の右側の2つの各貫通穴12に対応する位置にはこれも機能ステーションとしてのテストソケットSc2がそれぞれ嵌め込まれるかたちで設置されている。さらに、長手方向右寄り2つの各貫通穴12に対応する位置にも機能ステーションとしてのテストソケットSc3が同様に嵌め込まれるかたちで設置されている。すなわち、6つのテストソケットSc1〜Sc3の中心の各間隔はこれも部品試験部10の長手方向にはソケット長手間隔Lp、幅方向にはソケット幅間隔Lsとなっている。また、本実施形態では、2つのテストソケットSc1を一群として第1ステーション、2つのテストソケットSc2を一群として第2ステーション、2つのテストソケットSc3を一群として第3ステーションともいう。
また各テストソケットSc1〜Sc3は、装着された電子部品T(図3参照)をその電子部品Tの試験装置81(図4参照)に電気的に接続させるものである。詳述すると、各テストソケットSc1〜Sc3には、電子部品(T)に備えられている複数の接続ピン(図示略)にそれぞれ対応した接触ピン(図示略)が設けられていて、各接触ピンはその電子部品(T)の電気的試験を行なう試験装置81の各対応する端子にそれぞれ電気的に接続されている。この試験装置81は、電子部品(T)に対して電気的試験として所定の第1〜第3の試験を行うものである。このことにより、各テストソケットSc1〜Sc3に装着された電子部品(T)は、その接続ピンが対応する接触ピンに電気的に接続されることを通じて試験装置81による電気的な第1〜第3の試験のいずれかが行われる。なお、本実施形態では、電子部品(T)に対して行なわれる試験が各ステーションごとに異なる設定となっており、テストソケットSc1では第1の試験が、テストソケットSc2では第2の試験が、そしてテストソケットSc3では第3の試験がそれぞれ行なわれる。また、これらの試験は、第1の試験、第2の試験、第3の試験の順番で行なわれるとする。
一方、図1に示す部品供給装置20は、供給トレイSTに載置された試験前の電子部品(T)を基台1の幅方向手前側、すなわち部品試験部10から離れたトレイ交換位置P1から基台1の幅方向奥側、すなわち部品試験部10の近傍である供給位置P2に供給するものである。詳述すると、部品供給装置20は、トレイ交換位置P1から供給位置P2まで基台1の幅方向に延びるように設置された一対のレール21を有し、その一対のレール21には各レール21上を移動するレール受け(図示略)を備えたトレイ支持体(図示略)が備えられている。そして、トレイ支持体には、電子部品(T)を保持するためのポケットPcが複数形成された供給トレイSTがその上面に載置されるようになっている。また、一対のレール21の間には、ホルダ24により両端部をそれぞれ回動可能に支持されたボールねじ25がレール21に平行して設けられている。ボールねじ25には供給モータM2が接続され、その供給モータM2の正逆回転によりボールねじ25は正逆回転されるようになっている。また、ボールねじ25にはトレイ支持体に設けられたボールねじ受け(図示略)が螺合されており、ボールねじ25の正逆回転によりトレイ支持体がトレイ交換位置P1と供給位置P2の間を往復移動するようになっている。すなわち、試験前の電子部品(T)が載置される供給トレイSTは、トレイ支持体に載置されてトレイ交換位置P1と供給位置P2との間を往復移動することができるようになっている。
他方、同じく図1に示す部品排出装置30は、排出トレイETに載置された試験済みの電子部品(T)を基台1の幅方向奥側、すなわち部品試験部10の近傍である排出位置P3から基台1の幅方向手前側、すなわち部品試験部10から少し離れたトレイ交換位置P4に排出するものである。詳述すると、部品排出装置30は、トレイ交換位置P4から排出位置P3まで基台1の幅方向に延びるように設置された一対のレール31を有し、その一対のレール31には各レール31上を移動するレール受け32を備えたトレイ支持体33が備えられている。そして、このトレイ支持体33の上面に、電子部品(T)を保持するためのポケットPcが複数形成された上記排出トレイETが載置される。またここでも、一対のレール31の間には、ホルダ34により両端部をそれぞれ回動可能に支持されたボールねじ35がレール31に平行に設けられている。ボールねじ35には排出モータM3が接続され、その排出モータM3の正逆回転によりボールねじ35は正逆回転されるようになっている。また、ボールねじ35にはトレイ支持体33に設けられたボールねじ受け(図示略)が螺合されており、ボールねじ35の正逆回転によりトレイ支持体33がトレイ交換位置P4と排出位置P3の間を往復移動するようになっている。すなわち、試験済みの電子部品(T)が載置される排出トレイETは、トレイ支持体33に載置されてトレイ交換位置P4と排出位置P3との間を往復移動することができるようになっている。
ところで、各テストソケットSc1〜Sc3(図2)を含む部品試験部10、部品供給装置20の供給位置P2、部品排出装置30の排出位置P3は基台1の上方から見てその長手方向に一直線上に配列されており、説明の便宜上、この配列のことを以下では部品搬送配列とも言う。
また一方、部品試験部10の基台1の幅方向の両側、すなわち部品搬送配列の基台1の幅方向の両側には、第1の搬送装置40Aと第2の搬送装置40Bが相対向するかたちで設置されている。このうち、第1の搬送装置40Aは部品搬送配列に対して基台1の幅方向の手前側に、また第2の搬送装置40Bは部品搬送配列に対して基台1の幅方向の奥側に配設されている。これら第1及び第2の搬送装置40A,40Bは、基台1の上面に垂直かつ部品搬送配列に並行する搬送ハンド支持体41をそれぞれ有している。搬送ハンド支持体41は、その側面のうち部品試験部10側にある面を内側面41aとし、内側面41aと反対側の面を外側面41bとしている。すなわち、第1及び第2の搬送装置40A,40Bは、それぞれの搬送ハンド支持体41の内側面41aを相対向させて基台1上に配置されている。また、搬送ハンド支持体41は、基台1において部品供給装置20及び部品排出装置30を跨ぐようなかたちにも構成されている。この搬送ハンド支持体41には、その外側面41bにおいて部品供給装置20から部品排出装置30までを跨ぐ部分に、部品搬送配列に並行かつ部品供給装置20から部品排出装置30までの長さに対応する一対のレール42が配設されている。一対のレール42には、該レール42上を移動する図示しないレール受けを介して水平移動体43が設けられている。すなわち、水平移動体43は、レール受けを介して案内される一対のレール42を往復移動するようになっている。一方、一対のレール42の間には、搬送ハンド支持体41の外側面41bに固定された2つのホルダ44により両端部を回動可能に支持されたボールねじ45が設けられている。ボールねじ45の一端は水平モータM4に接続され、その水平モータM4の正逆回転に伴ってボールねじ45が正逆回転するようになっている。また、ボールねじ45には水平移動体43に設けられた軸受け部43gが螺合されており、ボールねじ45の正逆回転により、水平移動体43が部品供給装置20の上方から部品排出装置30の上方までの間を水平方向に往復移動するようになっている。
水平移動体43は、水平連結体46a,46bを介して搬送ハンド支持体41の内側面41a側に位置する搬送ハンド50を支持している。詳述すると、水平移動体43の下部に基端が接続された水平連結体46aは、搬送ハンド支持体41の部品供給装置20及び部品排出装置30を跨ぐ部分と基台1の上面との間に形成される空間を通って、搬送ハンド支持体41の内側面41a側にその先端が延出されている。一方、水平移動体43の上部に基端が接続された水平連結体46bは、レール42に平行するように搬送ハンド支持体41に貫通形成された案内孔41dを通って、搬送ハンド支持体41の内側面41a側にその先端が延出されている。そして、この2つの水平連結体46a,46bのそれぞれの先端に1つの搬送ハンド50が接続されている。このことにより、搬送ハンド50は、水平移動体43の水平移動に伴って部品供給装置20の上方から部品排出装置30の上方までの間を水平方向に往復移動可能となっている。
ここで、搬送ハンド50は、図3に示すように、縦に長い略長方形板形状の垂直支持体51を有し、その垂直支持体51の下部に2つの水平連結体46a,46bの先端が接続されている。なお、垂直支持体51については、その部品試験部10側の面を内側面51aとし、搬送ハンド支持体41側の面を外側面51bとしている。垂直支持体51の内側面51aには、基台1に対して垂直方向に延びる3本のレール52A,52B,52Cがソケット長手間隔Lpの等間隔に配設されている。各レール52A,52B,52Cには、それぞれのレール受け53を介して上下方向に移動可能な垂直移動体54A,54B,54Cがそれぞれ設けられている。また、各レール52A,52B,52Cには、それぞれボールねじ55A,55B,55Cが並行に設けられている。各ボールねじ55A,55B,55Cの上端には各々独立駆動する垂直モータM5A,M5B,M5Cがそれぞれ連結されていて、各垂直モータM5A,M5B,M5Cの正逆回転に伴って各ボールねじ55A,55B,55Cが正逆方向に回転駆動されるようになっている。また、各ボールねじ55A,55B,55Cには、垂直移動体54A,54B,54Cに設けられたボールねじ受け(図示略)が螺合されている。すなわち、各垂直移動体54A,54B,54Cは、対応するボールねじ55A,55B,55Cの正逆回転に伴ってそれぞれ上下動するようになっている。
また、垂直移動体54A,54B,54Cはそれぞれ、搬送ハンド50のいわば割り出しユニットであるインデックスユニット60A,60B,60Cを備えている。各インデックスユニット60A,60B,60Cには、それらの基部が対応する垂直移動体54A,54B,54Cに、上記垂直支持体51の内側面51aの向いている方向にそれぞれ延出される水平部62が各々固定されている。詳述すると、各インデックスユニット60A,60B,60Cの水平部62は、その下面が基台1の部品試験部10に対して水平に設けられ、その長さは、部品試験部10(図2)に中心間隔をソケット幅間隔Lsとして配設された2つのテストソケットSc1(Sc2、Sc3)の両方と相対向することができる長さに設定されている。これにより、各インデックスユニット60A,60B,60Cの水平部62は、そのいずれかが一群のテストソケットSc1(第1ステーション)に相対向する位置である第1試験位置に配置されたとすると、垂直移動体54A,54B,54Cのうちの対応する移動体の上下動を行なう。その第1試験位置に対応した垂直移動体54A,54B,54Cの上下動を通じてそれら2つのテストソケットSc1に対する接近や離間が可能となっている。なお、前記第1試験位置の他にも同第1試験位置と同様に、各インデックスユニット60A,60B,60Cの水平部62のいずれかが一群のテストソケットSc2(第2ステーション)に相対向する位置を第2試験位置と、同様にそれが一群のテストソケットSc3(第3ステーション)に相対向する位置を第3試験位置としている。
また、インデックスユニット60A,60B,60Cのうち、例えばインデックスユニット60Aは、その水平部62の下面に、中心間隔を上記ソケット幅間隔Lsとした把持機構としての2つの部品把持部70を備えている。部品把持部70は、供給位置P2(図1)において供給トレイSTのポケットPc(図1)に載置された電子部品Tを把持するとともに、上述した第1〜第3試験位置のそれぞれにおいて把持した電子部品Tをその試験位置に対応する各テストソケットSc1〜Sc3(図2)に配置して押圧する。また、排出位置P3(図1)においては、排出トレイET(図1)のポケットPcに電子部品Tを載置する。このため、部品把持部70は、押込み機構71と、押込み機構71により上下方向に相対移動される吸着機構72とを有している。このうち、押込み機構71は、内部の空圧ピストンにより吸着機構72を下方に突出可能になっており、吸着機構72の突出により各テストソケットSc1〜Sc3に配置された電子部品TをそのテストソケットSc1〜Sc3に強く押付けて電子部品Tの接続ピンとテストソケットSc1〜Sc3の接触ピンとの電気的接続を図る。また、吸着機構72には、その底面に負圧発生装置(図示略)に接続され負圧を発生する吸着穴(図示略)が設けられている。これにより、供給トレイST(図1)から電子部品Tを把持する場合には、吸着機構72の底面の吸着穴を負圧にして電子部品Tを吸着把持する。一方、電子部品Tを排出トレイET(図1)に載置させる場合には、吸着機構72の底面の吸着穴を負圧発生装置との接続を解放させて大気圧にして電子部品Tを開放するようにしている。インデックスユニット60B,60Cも、その構成は、こうしたインデックスユニット60Aの構成と同様である。なお、各インデックスユニット60A,60B,60Cの水平部62の幅は、少なくとも部品把持部70が設置できる幅であればよい。
このような構成の場合、供給トレイSTや排出トレイETに配設されるポケットPcとしては、基台1長手方向にソケット長手間隔Lpで3列配置、基台1幅方向にソケット幅間隔Lsで2行配置(計6個)のように配置されることが望ましい。またこれに限らず、搬送ハンドの数に応じてソケット幅間隔Lsで4行配置(計12個)、同6行配置(計18個)などとして給排のタイミングに自由度を持たせる配置とすることもできる。ポケットPcがこのように配置された供給トレイSTを用いた場合、第1及び第2の搬送装置40A,40Bは、例えば供給位置P2において搬送ハンド50の各インデックスユニット60A〜60Cを同時に昇降させることにより、供給トレイSTから6個の電子部品Tを各部品把持部70のそれぞれに同時に把持させることがきるようになる。また、同様にポケットPcがこのように配置された排出トレイETを用いた場合、第1及び第2の搬送装置40A,40Bは、例えば排出位置P3においても、搬送ハンド50の各インデックスユニット60A〜60Cを同時に移動させることにより、各部品把持部70に把持させた計6個の電子部品Tを排出トレイETに同時に排出できるようになる。
次に図4を参照して、この部品搬送装置において主に電子部品Tの搬送に関する電気的構成について説明する。図4は、主に搬送ハンド50に関する電気的構成をブロック図として示したものである。なお、説明の便宜上、第1の搬送装置40Aに備えられた搬送ハンド50を第1の搬送ハンド50Aとし、第2の搬送装置40Bに備えられた搬送ハンド50を第2の搬送ハンド50Bとして説明する。
図4において、制御装置80は、CPU、ROM、RAMなどを有するマイクロコンピュータを中心に構成されており、メモリに格納されている各種データ及び各種制御プログラムに基づき、各搬送ハンド50A,50Bの動作をそのインデックスユニット60A,60B,60Cの昇降動作等もを含めて制御する装置である。例えば、電子部品Tの搬送処理では、予めデータとして保持されている部品試験部10のテストソケットSc1〜Sc3の配置位置や試験順序に関する情報などに基づいて制御プログラムを実行することにより搬送ハンド50A,50Bやそのインデックスユニット60A,60B,60Cの移動を制御する。すなわち、搬送ハンド50A,50Bやそのインデックスユニット60A,60B,60Cは、上記各種データや制御プログラムの変更により容易にその制御条件や制御態様が変更可能であり、例えば部品試験部10に配置されたソケットの配置や試験内容などの変更に応じた電子部品Tの搬送制御の変更も容易である。
一方、同図4に示されるように、本実施形態において、この制御装置80には試験装置81が電気的に接続されており、制御装置80では、部品試験部10の各テストソケットSc1〜Sc3に電子部品Tが配置されたことを判断すると、試験装置81に対して試験準備が完了した旨を示す信号を出力する。これにより試験装置81では、その信号に応答して電子部品Tにその配置されたソケットに対応する試験を開始する。そして試験装置81は、電子部品Tに対するこうした試験が終了するたびに、試験が終了した旨を示す信号を制御装置80に対して出力する。こうして全てのテストソケットSc1〜Sc3に各々対応する試験が終了し、その旨を示す信号が試験装置81から制御装置80に送られると、制御装置80ではこれに応答して、予め定められている制御条件の下で搬送ハンド50A,50Bによる電子部品Tの搬送を開始する。
また一方、上記制御装置80には、供給モータドライバ82が接続されており、制御装置80からこの供給モータドライバ82に対して駆動指令が出力されることにより、供給モータドライバ82はその駆動指令に応答して部品供給装置20の供給トレイSTを移動させる供給モータM2を正転又は逆転させる。また、この供給モータM2の回転角度を検出するエンコーダEN2からの回転角度信号が供給モータドライバ82を介して制御装置80に入力される。すなわち制御装置80は、エンコーダEN2からの回転角度信号に基づいて供給トレイSTの移動量をフィードバック制御する。
さらに制御装置80には、排出モータドライバ83が接続されており、制御装置80からこの排出モータドライバ83に対して駆動指令が出力されることにより、排出モータドライバ83はその駆動指令に応答して部品排出装置30の排出トレイETを移動させる排出モータM3を正転又は逆転させる。また、この排出モータM3の回転角度を検出するエンコーダEN3からの回転角度信号が排出モータドライバ83を介して制御装置80に入力される。すなわち制御装置80は、ここでもエンコーダEN3からの回転角度信号に基づいて排出トレイETの移動量をフィードバック制御する。
他方、制御装置80には、第1の搬送ハンド50Aを構成する第1水平モータドライバ84が接続されている。そして、制御装置80からこの第1水平モータドライバ84に対して駆動指令が出力されることにより、第1水平モータドライバ84はその駆動指令に応答して第1の搬送ハンド50Aの水平移動体43を移動させる水平モータM4を正転又は逆転させる。また、この水平モータM4の回転角度を検出するエンコーダEN4からの回転角度信号が第1水平モータドライバ84を介して制御装置80に入力される。すなわちここでも、制御装置80は、第1水平モータドライバ84からの回転角度信号に基づいて第1の搬送ハンド50Aの水平移動体43の移動量をフィードバック制御する。
同様に制御装置80には、第11垂直モータドライバ85Aが接続されており、制御装置80からこの第11垂直モータドライバ85Aに対して駆動指令が出力される。第11垂直モータドライバ85Aはその駆動指令に応答して第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Aを垂直移動体54Aを介して移動させる垂直モータM5Aを正転又は逆転させる。また、この垂直モータM5Aの回転角度を検出するエンコーダEN5Aからの回転角度信号が第11垂直モータドライバ85Aを介して制御装置80に入力される。ここでも制御装置80は、第11垂直モータドライバ85Aから回転角度信号に基づいて第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Aの移動量をフィードバック制御する。
また制御装置80には、第12垂直モータドライバ85Bが接続されており、制御装置80からこの第12垂直モータドライバ85Bに対して駆動指令が出力される。第12垂直モータドライバ85Bはその駆動指令に応答して第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Bを垂直移動体54Bを介して移動させる垂直モータM5Bを正転又は逆転させる。また、この垂直モータM5Bの回転角度を検出するエンコーダEN5Bからの回転角度信号が第12垂直モータドライバ85Bを介して制御装置80に入力される。こうして制御装置80は、第12垂直モータドライバ85Bから回転角度信号に基づいて第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Bの移動量をフィードバック制御する。
さらに制御装置80には、第13垂直モータドライバ85Cが接続されており、制御装置80からこの第13垂直モータドライバ85Cに対して駆動指令が出力される。第13垂直モータドライバ85Cはその駆動指令に応答して第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Cを垂直移動体54Cを介して移動させる垂直モータM5Cを正転又は逆転させる。また、この垂直モータM5Cの回転角度を検出するエンコーダEN5Cからの回転角度信号が第13垂直モータドライバ85Cを介して制御装置80に入力される。ここでも制御装置80は、第13垂直モータドライバ85Cからの回転角度信号に基づいて第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Cの移動量をフィードバック制御する。
また、制御装置80には、第2の搬送ハンド50Bについても、これらに設けられている各モータM4,M5A,M5B,M5Cを駆動するためのモータドライバ86,87A,87B,87Cや上記各モータに設けられたエンコーダEN4,EN5A,EN5B,EN5Cがそれぞれ電気的に接続されている。ただし、この第2の搬送ハンド50Bも上記第1の搬送ハンド50Aと同様の構成であり、その制御装置80との接続態様等も同様であることから、その詳細については説明を割愛する。
次に図5〜図10を参照して、このように構成された部品試験装置による上記電子部品Tの搬送、配置方法について説明する。なおここでは、電子部品Tが上記各テストソケットSc1〜Sc3においてそれぞれ第1〜第3の試験に順番に供されることで、この部品試験装置による全ての試験が終了するものとする。また、図5〜図10において、それぞれ(a)は、電子部品Tの搬送に伴う当該装置の平面構造を模式的に示す図であり、それぞれ(b)は、電子部品Tの搬送に伴う同装置の正面構造を模式的に示す図である。なお、上記第1〜第3の試験に要する時間は試験ごとにそれぞれ異なることが普通であるが、ここでは説明の便宜上、それらの試験時間は全て同一であるとする。また、本実施形態では、上述したソケット長手間隔Lpを1ピッチともいう。
まず、図5に示す状態においては、第1の試験が行なわれるテストソケットSc1に、第1試験位置に配置された第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Aに把持された2つの電子部品Tが配置され、それらの電気的試験が実施されている。一方、供給位置P2には第1の搬送ハンド50Aが配置され、試験待ち状態にある電子部品Tがその各部品把持部70に把持されている。またこのとき、そのインデックスユニット60A,60B,60Cの各部品把持部70は、第1の搬送ハンド50Aを第1の試験位置の方向に移動可能な高さである搬送高さh1まで上昇されている。すなわち、第1の搬送ハンド50Aは、その各部品把持部70の高さが上記搬送高さh1された状態で第1の試験位置の方向に移動し、そのインデックスユニット60Cが第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Cと1ピッチの間隔となる位置において第2の搬送ハンド50Bに隣接して待機する。
そして、所定の試験時間が経過して第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Aによって把持されている2つの電子部品Tの第1の試験が終了すると、テストソケットSc1から同2つの電子部品Tが離脱される。同2つの電子部品Tが離脱されると、図6に示すように、第2の搬送ハンド50Bと第1の搬送ハンド50Aとが同期して1ピッチだけ排出位置P3の方向である排出方向に移動される。すなわち、第2の搬送ハンド50Bの各インデックスユニット60B,60Aがそれぞれ第1または第2の試験位置に配置され、これらのインデックスユニット60B,60Aに把持されているそれぞれの電子部品TがテストソケットSc1,Sc2の各々に配置されて第1または第2の試験に供される。なお、第2の搬送ハンド50Bと第1の搬送ハンド50Aとが隣接している状態においては、第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Cが第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Cに対して平面的にソケット長手間隔Lp(1ピッチ)の位置となるように隣接される状態が保たれている。
その後、さらに所定の試験時間が経過して第2の搬送ハンド50Bの各インデックスユニット60A,60Bによって把持されている各2つの電子部品Tの試験が終了すると、上記テストソケットSc1,Sc2からそれら各2つの電子部品Tが離脱される。それら各2つの電子部品Tが離脱されると、図7に示すように、第2の搬送ハンド50Bと第1の搬送ハンド50Aとが同期して更に1ピッチだけ排出位置P3の方向である排出方向に移動される。すなわち、第2の搬送ハンド50Bの各インデックスユニット60C〜60Aがそれぞれ第1〜第3の試験位置に配置され、これらのインデックスユニット60C〜60Aに把持されている計6つの電子部品TがそれぞれテストソケットSc1〜Sc3の各々に配置されて第1〜第3の試験に供される。
続いて、次の所定の試験時間が経過して第2の搬送ハンド50Bの3つのインデックスユニット60C,60B,60Aによって把持されている各2つの電子部品Tの試験が終了すると、上記テストソケットSc1,Sc2,Sc3の各々からそれら電子部品Tがそれぞれ離脱される。そして、図8に示すように、これまでと同様に第2の搬送ハンド50Bと第1の搬送ハンド50Aとが同期して1ピッチだけ排出方向に移動される。すなわちこのときは、第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Cが第2の試験位置に配置され、同様にインデックスユニット60Bが第3の試験位置に配置されるとともに、全ての試験が終了した電子部品を把持しているインデックスユニット60Aのみはその部品把持部70が配置準備高さh2となるようにその高さが制御される。またこのとき、第1の搬送ハンド50Aは、その各部品把持部70がテストソケットSc1〜Sc3に近い高さである配置準備高さh2となるように各インデックスユニット60A〜60Cの高さが制御されるとともに、そのうちのインデックスユニット60Cのみは第1試験位置に配置される。これにより、第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Cに把持されている2つの電子部品TがテストソケットSc1に配置されて第1の試験に供される。また、第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Cに把持されている2つの電子部品TはテストソケットSc2に、第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Bに把持されている2つの電子部品TはテストソケットSc3にそれぞれ配置されて、それぞれ第2または第3の試験に供される。
さらにその後、所定の試験時間が経過して各テストソケットSc1〜Sc3において電子部品Tの試験がそれぞれ終了すると、それらテストソケットSc1〜Sc3から各該当する電子部品Tが離脱され、そして図9に示すように、ここでも第2の搬送ハンド50Bと第1の搬送ハンド50Aとが同期して1ピッチだけ排出方向に移動される。すなわちこのとき、第1の搬送ハンド50Aの各インデックスユニット60B,60Cはそれぞれ第1または第2試験位置に、第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Cは第3試験位置に配置される。そしてこれにより、第1の搬送ハンド50Aの各インデックスユニット60B,60Cに把持されているそれぞれ2つの電子部品TはそれぞれテストソケットSc1,Sc2に配置され、第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Cに把持されている2つの電子部品TはテストソケットSc3に配置されて各対応する試験に供される。
またその後、さらに所定の試験時間が経過して各テストソケットSc1〜Sc3において電子部品Tの各対応する試験が終了すると、それらテストソケットSc1〜Sc3からそれぞれ電子部品Tが離脱され、その後、これまでと同様に、第2の搬送ハンド50Bと第1の搬送ハンド50Aとが同期して1ピッチだけ排出方向に移動される。すなわち、第1の搬送ハンド50Aの各インデックスユニット60A,60B,60Cがそれぞれ第1〜第3試験位置に配置される。これにより、第1の搬送ハンド50Aの各インデックスユニット60A,60B,60Cに把持されている各2つの電子部品TがそれぞれテストソケットSc1〜Sc3に配置され、各対応する試験に供される。一方、把持した6つ全ての電子部品Tの試験が終了した第2の搬送ハンド50Bは、図10に示すように、上記テストソケットSc1〜Sc3での試験時間を利用して排出位置P3まで移動され、その排出位置P3にて、試験の終了した全ての電子部品Tを排出する。そしてその後、同じく上記試験時間を利用して第2の搬送ハンド50Bは排出位置P3から供給位置P2に戻される。なおこのとき、第2の搬送ハンド50Bは、その各部品把持部70の高さが戻り高さh3、すなわち第1の搬送ハンド50Aの部品把持部70が配置準備高さh2にあったとしてもそのどことも接触しない高さに制御されて、排出位置P3から第1の搬送ハンド50Aと接触することなくすれ違いながら供給位置P2まで戻される。すなわちこの際、第2の搬送ハンド50Bは、第1の搬送ハンド50Aの各インデックスユニット60A〜60Cの上方を、これらと接触することなく通過しながらロータリー移動する。そして、供給位置P2まで移動した第2の搬送ハンド50Bは、供給位置P2に供給されている6つの電子部品Tを同時に把持した後、先の図5に示した態様に準じて、その各部品把持部70の高さが搬送高さh1まで調整されたうえで第1の搬送ハンド50Aの方向に移動する。そしてこのとき、上述した第2の搬送ハンド50Bの電子部品Tの排出及び供給、さらには搬送ハンド50Aの方向への移動に要する時間が電子部品Tの試験に要する時間以内であれば、電子部品Tの搬送に要する時間による試験待ちを生ずることなく、それら電子部品Tの連続した試験が可能となる。
以上説明したように、上記実施形態によれば以下のような効果が得られるようになる。
(1)搬送ハンド50には異なる機能のテストソケットSc1〜Sc3の配列されるソケット長手間隔Lpと同じ間隔で独立駆動の可能な複数のインデックスユニット60A〜60Cが設けられた。このことにより、それらインデックスユニット60A〜60Cの各独立した駆動によって搬送ハンド50がテストソケットSc1〜Sc3に電子部品Tを配置する際の自由度も確実に向上される。すなわち、搬送ハンド50の把持する電子部品Tの数と各々のテストソケットSc1〜Sc3に配置される電子部品Tの数とが一致しない場合であっても、テストソケットSc1〜Sc3に対応するインデックスユニット60A(60B,60C)のみが駆動されるだけでそのテストソケットSc1〜Sc3に必要な電子部品Tが配置されるようになる。また、1つのテストソケットSc1(Sc2,Sc3)に搬送ハンド50の各インデックスユニット60A〜60Cが順次電子部品Tを配置することで、搬送ハンド50が各テストソケットSc1(Sc2,Sc3)に連続して電子部品Tを配置できる。すなわち、テストソケットSc1(Sc2,Sc3)の試験待ち時間を、そのテストソケットSc1(Sc2,Sc3)において搬送ハンド50が試験済みの電子部品Tを離脱させてから把持している試験前の電子部品Tを配置させることに要する最短の入れ替え時間(最短時間)とすることができるようになる。
(2)また、搬送ハンド50を順にテストソケットSc1〜Sc3の配列の間隔であるソケット長手間隔Lpと同じ間隔だけ移動させるようにすれば、搬送ハンド50に保持された電子部品Tを等間隔で配置された機能の異なるテストソケットSc1〜Sc3にインデックスユニット単位で順番に次々と配置させることもできる。すなわち、搬送ハンド50が把持する電子部品Tの数と各テストソケットSc1〜Sc3に配置される電子部品Tの数が不一致であっても、このような機能の異なる複数のテストソケットSc1〜Sc3の配列に対して迅速かつ容易に電子部品Tの搬送、配置を行うことができるようになる。
(3)さらに、テストソケットSc1〜Sc3には、同じ搬送ハンド50に把持された電子部品Tが入れ替え可能であることから、テストソケットSc1〜Sc3への電子部品Tの配置に伴う時間は確実に短縮される。すなわち、電子部品Tは、例えば順次隣のテストソケットSc1〜Sc3に搬送されるだけの操作を通じて次々に所用とされる試験に供されるようになる。
(4)複数のインデックスユニット60A〜60Cに把持されている電子部品Tについては搬送ハンド50を単位として搬送される。この搬送の単位となる搬送ハンド50自体が互いにロータリー移動可能に複数設けられることで、テストソケットSc1〜Sc3には電子部品Tが常に連続して配置されるようになるとともに、搬送ハンド50を単位とした試験時間を利用しての他の搬送ハンド50による電子部品Tの給排も可能となる。そしてこの場合、当該部品試験装置としてのテストソケットSc1〜Sc3への電子部品Tの配置にかかるスループットは上記テストソケットSc1〜Sc3を通じての試験時間と最短の入れ替え時間に依存するようになり、この配置に要する時間の短縮に伴って、電子部品Tの時間当たりの試験数も確実に向上されるようになる。またこの場合には、上記供給位置P2と排出位置P3とを単一の箇所として共用することも可能となり、設備コストの低減も併せて図られるようになる。
(5)2つの搬送ハンド50A,50Bを備えることで、搬送ハンド50A(50B)を単位とした試験時間を利用しての他の搬送ハンド50B(50A)による電子部品Tの給排を行なえるようにした。さらに、それら2つの搬送ハンド50A,50Bが各々複数のインデックスユニット60A〜60C同士が向き合いつつ上下方向にすれ違う態様でロータリー移動するようにしたことで、部品試験装置としての平面的な設置スペースも大きく節約されるようになる。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる部品試験装置及び部品搬送方法の第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図11及び図12を参照して説明する。これら図11及び図12においも、それぞれ(a)は、電子部品Tの搬送に伴う当該実施形態の装置の平面構造を模式的に示す図であり、それぞれ(b)は、電子部品Tの搬送に伴う同装置の正面構造を模式的に示す図である。なお、この第2の実施形態の装置では、部品試験部10に同一機能のテストソケットSc1〜Sc6が設けられ、そこでは同一の試験が電子部品Tに対して実施されるとともに、先の供給位置P2が第1の搬送ハンド50Aへの電子部品Tの供給及び排出に用いられ、先の排出位置P3が第2の搬送ハンド50Bへの電子部品Tの供給及び排出に用いられる。
以下、この第2の実施形態の部品試験装置による電子部品Tの搬送、配置方法について説明する。なお、図11及び図12において、第1の実施形態と同様の部材には同じ符号を付して示しており、その説明を割愛する。
この方法ではまず、図11に示すように、供給位置P2には第1の搬送ハンド50Aを配置し、試験待ち状態にある電子部品Tをその各部品把持部70に把持させるとともに、排出位置P3には第2の搬送ハンド50Bを配置し、同じく試験待ち状態にある電子部品Tをその各部品把持部70に把持させる。なお、本実施形態では、第1の搬送ハンド50Aの各インデックスユニット60A〜60CはそれぞれテストソケットSc1〜Sc3に割り当てられ、第2の搬送ハンド50Bの各インデックスユニット60C〜60AはそれぞれテストソケットSc4〜Sc6に割り当てられている。
次に、図12に示すように、各々電子部品Tを把持している第1の搬送ハンド50Aと第2の搬送ハンド50Bとを同時に試験位置まで移動させる。すなわち、第1の搬送ハンド50Aについてはこれを排出位置P3の方向に移動させ、それぞれインデックスユニット60AをテストソケットSc1に、インデックスユニット60BをテストソケットSc2に、インデックスユニット60CをテストソケットSc3に対応するように配置させる。また、第2の搬送ハンド50Bについてはこれを供給位置P2の方向に移動させ、それぞれインデックスユニット60CをテストソケットSc4に、インデックスユニット60BをテストソケットSc5に、インデックスユニット60AをテストソケットSc6に対応するように配置させる。そして、各搬送ハンド50A,50Bの各インデックスユニット60A〜60Cが把持する各電子部品Tをそれぞれ割り当てられた各対応するテストソケットSc1〜Sc6に配置して全ての電子部品Tを同時に試験する。試験後は、これら図11及び図12に示した電子部品Tの搬送、配置を繰り返すことにより、その排出、供給、試験を繰り返す。
以上説明したように、上記実施形態によっても先の第1の実施形態の前記(1)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(6)2つの搬送ハンド50A,50Bの自由度をインデックスユニット60A〜60Cの独立駆動により向上させた。このことにより、搬送ハンド50A,50Bが把持する電子部品Tの数と各々のテストソケットSc1〜Sc6が必要とする電子部品Tの数が一致しない場合であっても、全てのテストソケットSc1〜Sc6に必要な数の電子部品Tを2つの搬送ハンド50A,50Bの協働により配置することができる。つまり各搬送ハンド50A,50Bは、その搬送ハンド50A,50Bの把持する電子部品Tの数と全てのテストソケットSc1〜Sc6に配置する電子部品Tの数が不一致であっても、このような複数のテストソケットSc1〜Sc6の配列へ迅速かつ容易に対応して電子部品Tの搬送をすることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明にかかる部品試験装置及び部品搬送方法の第3の実施形態について、同じく第1の実施形態との相違点を中心に図13〜図15を参照して説明する。図13〜図15においても、それぞれ(a)は、電子部品Tの搬送に伴う当該実施形態の装置の平面構造を模式的に示す図であり、それぞれ(b)は、電子部品Tの搬送に伴う同装置の正面構造を模式的に示す図である。なお、この第3の実施形態の装置では、部品試験部10に同一機能のテストソケットSc1,Sc2が設けられ、それらテストソケットSc1,Sc2を通じて電子部品Tに対する同一の試験が実施される。
以下、この第3の実施形態の部品試験装置による電子部品Tの搬送、配置方法について説明する。なお、図13〜図15においても、第1の実施形態と同様の部材には同じ符号を付して示しており、その重複する説明を割愛する。
この方法ではまず、図13に示すように、第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60B,60Aに把持されている各電子部品Tが上記テストソケットSc1,Sc2に配置されて同一の試験に供される。またこのとき、第1の搬送ハンド50Aを第2の搬送ハンド50Bに隣接される位置に待機させる。すなわち、第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Cが第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Cに対して平面的にソケット長手間隔Lp(1ピッチ)の位置となるように配置させる。
そして、所定の試験時間が経過して上記テストソケットSc1,Sc2における各電子部品Tの試験が終了すると、それらテストソケットSc1,Sc2から電子部品Tを離脱させ、図14に示すように、第2の搬送ハンド50Bと第1の搬送ハンド50Aとを同期させてそれぞれ2ピッチだけ排出位置P3方向に移動させる。すなわちこのとき、第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60CはテストソケットSc2に対応する試験位置に配置され、第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60CはテストソケットSc1に対応する試験位置に配置される。これにより、第2の搬送ハンド50Bのインデックスユニット60Cと第1の搬送ハンド50Aのインデックスユニット60Cとにより把持されているそれぞれの2つの電子部品Tが上記各テストソケットSc1,Sc2に配置されて同一の試験に供されるようになる。
その後、所定の試験時間が経過して上記テストソケットSc1,Sc2における各電子部品Tの試験が終了すると、それぞれのテストソケットSc1,Sc2からそれぞれ2つの電子部品Tが離脱させ、第2の搬送ハンド50Bと第1の搬送ハンド50Aとを同期させて同様に2ピッチだけ排出位置P3方向に移動させる。すなわち、第1の搬送ハンド50Aの各インデックスユニット60A,60BがそれぞれテストソケットSc1,Sc2に対応する試験位置に配置される。これにより、第1の搬送ハンド50Aの各インデックスユニット60A,60Bに把持されている各2つの電子部品Tがそれぞれ上記テストソケットSc1,Sc2に配置され、同一の試験に供される。一方、把持した全ての電子部品Tの試験が終了した第2の搬送ハンド50Bは、図15に示すように、上記テストソケットSc1,Sc2での試験時間を利用して排出位置P3まで移動され、その排出位置P3にて、試験の終了した全ての電子部品Tを排出する。そしてその後、同じく上記試験時間を利用して第2の搬送ハンド50Bはその各部品把持部70の高さが戻り高さh3、すなわち第1の搬送ハンド50Aの部品把持部70が配置準備高さh2にあったとしてもそのどことも接触しない高さに調整されてから排出位置P3から供給位置P2に戻される。すなわちこの際、第2の搬送ハンド50Bは、第1の搬送ハンド50Aの各インデックスユニット60A〜60Cの上方を、これらと接触することなく通過しながらロータリー移動する。そして、第2の搬送ハンド50Bは、移動された供給位置P2に供給されている電子部品Tを把持した後、先の図13に示した態様に準じて、その高さが搬送高さh1まで調整されたうえで移動されて第1の搬送ハンド50Aに隣接される。
以上説明したように、上記実施形態によっても先の第1及び第2の実施形態の前記(1)〜(5)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(7)搬送ハンド50の自由度を、インデックスユニット60A〜60Cの独立駆動により向上させた。このことにより、その搬送ハンド50が把持する電子部品Tの数と複数のテストソケットSc1,Sc2に配置される電子部品Tの数が一致しない場合であっても、複数のテストソケットSc1,Sc2に必要な数の電子部品Tだけを対応するインデックスユニット60A(60B,60C)の移動により配置することができる。つまり搬送ハンド50は、搬送ハンド50の把持する電子部品Tの数と複数のテストソケットSc1,Sc2に必要とされる電子部品Tの数が不一致であっても、このような複数のテストソケットSc1,Sc2の配列へ迅速かつ容易に対応して電子部品の搬送をすることができる。
(8)2つの搬送ハンド50A,50Bの協働によって、テストソケットSc1,Sc2には電子部品Tが常に連続して配置されるようになる。このため、当該部品試験装置としての電子部品Tの時間当たりの試験数も確実に向上されるようになる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、機能ステーションであるテストソケットSc1〜Sc3(Sc1〜Sc6、Sc1,Sc2)として、その内部に電子部品Tが載置される形状のものを用いたが、テストソケットの形状は任意であり、IC等の電子部品の各電極との電気的接続が確実に図られる構造のものであればよい。また、試験の内容によっては、例えばCCD撮像素子等の映像デバイスが設けられたステーションであってもよい。
・上記いずれの実施形態であれ、各試験位置において各インデックスユニット60A〜60Cはその高さを独立して調整可能であることから、各試験位置に設けられる各ステーションの高さも異なるものでもよい。これにより、各ステーションに上記ソケットや撮像デバイス等を混在して設けることも可能となり、部品試験装置としての自由度、汎用性もより高められるようになる。
・上記各実施形態では、部品試験部10にはテストソケットSc1〜Sc3(Sc1〜Sc6、Sc1,Sc2)、すなわち機能ステーションが基台1の長手方向に直交する方向に2つ設けられ、それに対応するように各インデックスユニット60A〜60Cには2つの部品把持部70が設けられる構造とした。しかしこれに限らず、機能ステーションの数は1もしくは3以上でもよく、これに対応して各インデックスユニット60A〜60Cに設けられる部品把持部70の数も1もしくは3以上であってもよい。
・上記第1の実施形態では、部品試験部10には機能の異なる機能ステーション(テストソケットSc1〜Sc3)が基台1の長手方向に3つ設けられる場合について例示したが、こうして長手方向に設けられる機能ステーションの数は2つ以上であればよい。
・上記第2の実施形態では、部品試験部10に対し、2つの搬送ハンド50A,50Bがその移動方向に把持する電子部品Tの数と同じ数だけ機能ステーション(テストソケットSc1〜Sc6)を設ける構成としたが、それら把持可能な電子部品Tと部品試験部10に設ける機能ステーションの数とは異なっていてもよい。
・上記第3の実施形態では、各搬送ハンド50A,50Bがその移動方向に把持する電子部品Tの数は3つ(3列)で、部品試験部10には機能ステーション(テストソケットSc1,Sc2)を基台1の長手方向に2つ(2列)設けられる場合について例示した。しかしこれに限らず、各搬送ハンドがその移動方向に把持する電子部品の数(列数)が、長手方向に設けられる機能ステーションの数(列数)よりも多ければ同様の効果が得られる。
・上記各実施形態では、部品把持部70として吸着機構72と押込み機構71とを備えることとしたが、これに限らず、部品把持部70としてその部品把持機能を満たし得る機構であれば基本的にどのような機構を採用するようにしてもよい。また、吸着機構72は、電子部品Tを把持することができるものであれば吸着以外の方法で電子部品Tを把持するものであってもよい。
・上記第2の実施形態では、搬送ハンド50Aは供給位置P2において、搬送ハンド50Bは排出位置P3においてそれぞれ電子部品Tが供給・排出されるようにした。しかしこれに限らず、複数の搬送ハンドが共に供給位置において電子部品を把持し、排出位置において電子部品を排出するようにしてもよい。すなわち、複数の搬送ハンドが供給位置にて略同時に電子部品を把持して、協働して対応する機能ステーションに部品を配置し、排出位置にて略同時に電子部品を排出するようにするようにしてもよい。これにより、各搬送ハンドの把持する電子部品Tより多い数の機能ステーションに対してもスムーズに電子部品を配置することができるようになる。
・上記第1及び第3の実施形態では、部品搬送配列を、供給位置P2、機能ステーションが設けられる各試験位置、排出位置P3の順番に並べた。しかしこれに限らず、部品搬送配列を配置の都合によりその他の配置としてもよい。例えば排出位置、供給位置、各試験位置といった順番や供給位置、排出位置、各試験位置といった順番などのような配置を採用することもできる。また、供給位置、排出位置は必ずしも別々の位置である必要はなく、同じ位置とすることもでき、この場合にあっては部品供給装置と部品排出装置の共用も可能となる。
・上記各実施形態では、各搬送ハンド50A,50Bは部品搬送配列を往復移動するようにした。しかしこれに限らず、例えば供給位置、各試験位置、排出位置の順で移動した搬送ハンドを別途の経路で供給位置に戻すようにしてもよい。この場合の搬送ハンドの経路としては、例えば曲線経路や平面を回るような周回経路や、ベルトコンベアのベルトのような周回経路も考えられる。また、それら搬送ハンドがロータリー移動する構成である必要もない。
・上記各実施形態では、2台の搬送ハンド、すなわち第1及び第2の搬送ハンド50A,50Bを備えることとした。しかしこれに限らず、搬送ハンドは一つでもよい。搬送ハンドが複数のインデックスユニットを隣接したかたちで有しさえすれば、電子部品Tの機能ステーション(テストソケット)への入れ替え時間の短縮化を図ることはできる。また逆に、搬送ハンドを3台以上備える構成とすることもできる。特に、上記第2の実施形態では、搬送ハンドを3台以上備える構成も有効であり、例えば供給位置P2側では2つの搬送ハンドをロータリー移動させる構成とし、排出位置P3側では他の2つの搬送ハンドをロータリー移動させる構成とすることにより機能ステーションに電子部品を連続して配置することができるようになる。
・上記各実施形態では、各搬送ハンド50A,50Bはそれぞれ3つの独立移動するインデックスユニット60A,60B,60Cを備えることとした。しかしこれに限らず、搬送ハンドに備えられるインデックスユニットの数は複数であればいくつであってもよい。
・上記第1の実施形態では、部品試験部10には機能の異なる機能ステーション(テストソケットSc1〜Sc3)が基台1の長手方向に各々1つずつ設けられる場合について例示したが、これら機能ステーションの各機能ごとの機能ステーションは基台1の長手方向に複数配列されるように構成されることも可能である。このような場合には、各搬送ハンド50A,50Bのそのインデックスユニット60A〜60Cの上下動も含めた移動を、第1の実施形態における電子部品の搬送、配置方法と、複数のインデックスユニットを1つのまとまりとして扱う第3の実施形態に示す電子部品の搬送、配置方法との組み合わせにより実施することができる。また、インデックスユニットが複数配列された機能ステーションに対応して電子部品を把持するような構成とされてもよい。上述のように、上記各実施形態の電子部品の搬送、配置方法は、機能ステーションの態様や配列にもよるものの、相互にそれらを組み合わせることも可能であり、このような各実施形態の電子部品の搬送、配置方法の組み合わせにより部品試験装置としての電子部品の搬送、配置の態様も多様に拡張できるようになる。
・上記第2実施形態では、2つの搬送ハンドをそれぞれ異なる方向から部品試験部10に移動させるようにした。しかしこれに限らず、2つの搬送ハンドを供給位置P2側などの一方向から部品試験部の方向に移動させ、一方の搬送ハンドを排出位置P3寄りの機能ステーション(テストソケットSc4〜Sc6)に、他方の搬送ハンドを供給位置P2寄りの機能ステーション(テストソケットSc1〜Sc3)にそれぞれ割り当てるようにしてもよい。