JP5211851B2 - 電子式計算機 - Google Patents

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Description

本発明は、入力された数式や計算結果を教科書通りの自然な表記形態にして表示(自然表示)する電子式計算機に関する。
従来、関数電卓と称する電子式計算機において、ユーザによってキー入力された数式やその計算結果の表記形態は、そのまま1行にして表示されるものが多かった。
例えば平方根の数式を入力する場合、ルート「√」の掛かる範囲を自然表示できないために、当該ルート記号「√」と共に小括弧や中括弧などの記号が組み合わされて入力され、例えば「√(2)」のようにそのまま1行表示されていた。
また、例えば分数を含む数式の場合も同様に、当該分数記号を挟んだ分子と分母を上下方向に自然表示できないために、「A/B」などと入力されそのまま1行表示されていた。
また、例えばべき数を含む数式の場合も同様に、べき数を当該べき数が掛かる数字や文字の右上に上付文字として自然表示できないために、当該べき数の前にそれがべき数であることを示す「∧」記号が組み合わされて、例えば「x∧2」のようにそのまま1行表示されていた。
そこで、数式を教科書に記載されるような自然な形式で表示するようにした関数電卓が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
なお、このように自然な形式として表現するのに上下方向に数字・文字を重ねたりシフトしたりして表示することを2D(dimension)表示と称し、また、この2D表示が必要になるルート「√」、分数「a/b」、べき数「m」などの関数を2D関数と称する。
特開2007−264765号公報
前記従来の自然表示が可能な関数電卓において、入力された数式、特にべき数を含む数式の該べき数の直前の数字や文字を削除し、挿入して、訂正したり変更したりする場合に、自然表示のバランスが崩れて訂正に不都合な表示となることがあった。
具体的には、べき数は何らかの数字や文字に付けられるものであるが、例えば「x」なるべき数式の「x」にカーソルをセットして削除すると、その削除後は「|」のようにカーソル直後にべき数が単独で存在する違和感のある表示状態になってしまう。
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、上下方向の関係を持って数字を配置する自然な表記形態を要する、べき数式の訂正・変更に際して、違和感のある表示状態になることなく、当該べき数式の訂正・変更を容易に行うことが可能になる電子式計算機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の電子式計算機は、数式を自然表示する電子式計算機であって、数式を入力する数式入力手段と、この数式入力手段により入力された数式を表示部に表示させる数式表示制御手段と、この数式表示制御手段により表示された数式に対して、カーソルをユーザ操作に応じ移動可能にして表示させるカーソル表示制御手段と、前記数式の前記カーソルの位置に対応するところのデータをユーザ操作に応じて削除する削除手段と、この削除手段により前記数式に含まれるべき数の前のデータが削除された結果、前記カーソルの位置が当該数式の特定の位置にあるか否かを判断する削除後カーソル位置判断手段と、この削除後カーソル位置判断手段により前記カーソルの位置が前記数式の特定の位置にあると判断された場合に、当該カーソルの位置に対応した前記べき数の前に文字・記号の入力対象を示す特殊マークを表示させる削除後マーク表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項2に記載の電子式計算機は、前記請求項1に記載の電子式計算機において、前記削除後カーソル位置判断手段は、前記削除手段により前記数式に含まれるべき数の前のデータが削除された結果、前記カーソルの位置が当該数式の先頭または左括弧記号または区切り記号または算術記号の何れかの位置にあるか否かを判断することを特徴としている。
請求項3に記載の電子式計算機は、前記請求項1または請求項2に記載の電子式計算機において、前記数式の前記カーソルの位置に対応するところにユーザ操作に応じて任意のデータを挿入する挿入手段と、この挿入手段により前記数式に含まれるべき数の前にデータが挿入された場合に、当該挿入されたデータが特定の記号であるか否かを判断する挿入データ判断手段と、この挿入データ判断手段により前記数式に含まれるべき数の前に挿入されたデータが特定の記号であると判断された場合に、当該特定の記号に文字・記号の入力対象を示す特殊マークを付加して表示させる挿入後マーク表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項4に記載の電子式計算機は、前記請求項3に記載の電子式計算機において、前記挿入データ判断手段は、前記数式に含まれるべき数の前にデータが挿入された場合に、当該挿入されたデータが左括弧記号または区切り記号または算術記号の何れかの記号であるか否かを判断することを特徴としている。
本発明によれば、上下方向の関係を持って数字を配置する自然な表記形態を要する、べき数式の訂正・変更に際して、違和感のある表示状態になることなく、当該べき数式の訂正・変更を容易に行うことが可能になる電子式計算機を提供できる。
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の電子式計算機の実施形態に係る関数電卓10の外観構成を示す正面図である。
この関数電卓10は、その携帯性の必要からユーザが片手で十分把持し片手で操作可能な小型サイズからなり、この電卓10の本体正面にはキー入力部11および表示部16が設けられる。
キー入力部11には、数字や文字を入力したり計算の実行を指示したりするための数字・文字・演算記号キー群12、各種の関数を入力したりメモリ機能を立ち上げたりするための関数機能キー群13、各種動作モードのメニュー画面を表示させたり動作モードの設定を指示したりするためのモード設定キー群14、表示部16に表示されたカーソルCuの移動操作やデータ項目の選択操作などを行うためのカーソルキー15、表示部16の下端に沿ってメニュー表示される各種の機能を選択的に指定するためのファンクションキーF1〜F4が備えられる。
前記数字・文字・演算記号キー群12としては、「0」〜「9」(数字)キー、「+」「−」「×」「÷」(算術記号)キー、「:」「,」(区切り)キー、「<」「>」(比較記号)キー、「DEL」(削除)キー、「EXE」(実行)キー、「AC」(クリア)キーなどが配列される。
前記関数機能キー群13としては、「√」(ルート)キー、「a/b」(分数)キー、「∧」(べき数)キー、「sin」(サイン)キー、「M+」(メモリプラス)キーなどが配列される。
前記モード設定キー群14としては、「Menu」(メニュー)キー、「Insert」(取り込み入力)キー、「Grph」(グラフ)キー、「Trac」(グラフトレース)キーなどが配列される。
なお、本実施形態において、「√」(ルート)、「a/b」(分数)、「∧」(べき数)などのように、1行表示では特殊な記号を用いての表示が必要になり、教科書記載の自然表示では数字や関数記号を2次元に展開して上下方向に重なったりシフトしたりした表示が必要になる関数のことを2D(dimension)関数と称する。
前記表示部16は、ドットマトリクス型の液晶表示ユニットからなる。
図2は、前記関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図である。
この電卓10の電子回路は、コンピュータであるCPU21を備えている。
CPU21は、ROMなどの記憶装置22に予め記憶されている電卓制御プログラムに従い回路各部の動作を制御し、RAM23を作業用メモリとしてキー入力部11からのキー入力信号に応じた各種の演算処理を実行する。
RAM23には、表示データメモリ24、カーソルポインタメモリ25、入力バッファ26などが確保される。
表示データメモリ24には、前記表示部16に表示させるべき数式のデータやその演算結果のデータなどが、前記表示部16の表示領域に相当するビットマップデータに展開されて記憶される。
入力バッファ26(図6、図8参照)には、前記キー入力部11によりキー入力されたキーコードのデータが順次記憶される。例えば数字キーは当該数字を示すコードで、「sin」「cos」「a/b」「∧」などの関数キーはその関数を示すコードで、「+」「−」「×」「÷」などの算術記号キーはその算術記号を示すコードで記憶される。また、この入力バッファ26には、キーに対応するコードの他に制御コードも記憶される。例えば、図6や図8に示されるコードデータのうち、「EZ」は数式の終了を示すコード、「SQ」は数式の訂正や変更の操作に伴い補完される四角マーク「□」に対応するコードであり、この四角マーク「□」は、数字や文字や記号を入力すべき位置(桁)を示すものである。
カーソルポインタメモリ25(図6、図8参照)には、前記入力バッファ26にキーコードデータとして記憶されると共に前記表示部16に表示されたキー入力データを対象にして、カーソルキー15の操作により移動表示されるカーソルCuが位置するところを示すカーソルポインタPが記憶される。
本実施形態の関数電卓10におけるキー入力データ(キーコードデータ)とカーソルCu(カーソルポインタP)との関係において、キー入力部11により文字・数字・記号のキーデータが入力または挿入された場合には、当該入力または挿入されたキーデータは前記カーソルCu(カーソルポインタP)の位置に対応して入力または挿入される。一方、キー入力部11の「DEL」キーが操作された場合には、前記カーソルCu(カーソルポインタP)の直前に存在するキーデータが削除される。
次に、前記構成の関数電卓10による数式入力・計算機能について説明する。
図3は、前記関数電卓10による数式入力・計算処理を示すフローチャートである。
図4は、前記関数電卓10の数式入力・計算処理に伴う削除処理を示すフローチャートである。
まず、キー入力部11のキー操作に伴いユーザ所望のキーデータが入力され(ステップS1)、数字・文字・記号のデータが入力された場合には(ステップS2(No)→S4(Yes))、当該入力された数字・文字・記号のデータは、そのキーコードが入力バッファ26に順次記憶されると共に、式データとして表示部16に表示され式入力処理される(ステップS5(No)→S6)。
そして、カーソルキー15が入力された場合には(ステップS1,S2(Yes))、当該入力されたカーソルキー15が示す方向にカーソルポインタメモリ25に記憶されるカーソルポインタPが移動されるのに伴い、前記表示部16に表示されているカーソルCuが移動表示される(ステップS3)。
またキー入力部11において削除(「DEL」)キーが操作された場合は(ステップA9(Yes))、詳細を後述する削除処理が実行される(ステップSA)。
一方、前記ステップS6における式入力処理に従いユーザ任意の数式が入力表示された状態で「EXE」キーが操作されたと判断されると(ステップS10(Yes))、入力バッファ26に記憶されたキーコードデータが読み出されて演算対象となる数式として問題がないかチェックされる(ステップS11)。仮にこのステップS11の数式チェックで演算できない問題があると判断されたならばシンタックス・エラーの表示がなされる。前記入力された数式に問題がなければ演算処理が実行され(ステップS12)、その演算結果のデータが表示部16に表示される(ステップS13)。
図5は、前記関数電卓10の数式入力・計算処理でのべき数を含む数式においてそのべき数の直前にて挿入処理を行う場合の入力表示例を示す図である。
図6は、前記図5(A1)(A2)で示したべき数直前での左括弧記号「(」の挿入処理に伴う入力バッファ26での記憶コードの変化状態を示す図である。
前記ステップS1,S2→S4→S5→S6の処理に従った式入力処理を経て、例えばべき数の式「3」を入力表示させ、カーソルキー15の操作により当該式「3」のべき数の直前にカーソルCuを移動させると、表示状態は図5(A1)、入力バッファ26の内部状態は図6(A)のようになる。この状態で左括弧記号「(」キーが操作されると、カーソル位置が式の途中を指していることから、挿入であると判断される(ステップS4(Yes)→S5(Yes))。
すると、挿入された結果、前記べき数の直前が所定の記号であるか判断される(ステップS7)。ここで所定の記号とは、左括弧「(」や、コロン「:」、カンマ「、」、比較記号「=」「<」等の各種区切り記号や、「+」「―」等の算術記号である。本例の場合、左括弧記号の挿入は所定記号であると判断され(ステップS7(Yes))、入力バッファ26のカーソル位置に「(」のコードが入力されると共に四角マークコード「SQ」も補完して入力され図6(B)のようになり、表示部16では、当該べき数の直前位置に対し、前記挿入された左括弧記号「(」と共に数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Msが補完されて図5(A2)のように表示される(ステップS8)。
ここで、前記べき数を掛けるべき任意の数字・文字・記号キー、例えば「4」キーが操作されると、前記四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)の位置に当該数字・文字・記号が入力表示され、「3(4」として式の訂正・変更が行われる(ステップS1,S2→S4→S5→S7→S6)。
また、例えば図5(B1)に示すように、前記同様のべき数の式「3」を入力表示させた状態で、当該式「3」のべき数の直前にカーソルCuを移動表示させ、図5(B2)に示すように、区切り記号「:」を挿入する(ステップS4(Yes)→S5(Yes))。
すると、前記べき数の直前が所定の記号である区切り記号になると判断され(ステップS7(Yes))、当該べき数の直前位置に対し、前記挿入された区切り記号「:」と共に数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)が補完されて入力表示される(ステップS8)。
ここで、前記べき数を掛けるべき任意の数字・文字・記号を入力すると、前記四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)の位置に当該入力された数字・文字・記号が入力表示され、例えば「3:4」として式の訂正・変更が行われる(ステップS1,S2→S4→S5→S7→S6)。
また、例えば図5(C1)に示すように、前記同様のべき数の式「3」を入力表示させた状態で、当該式「3」のべき数の直前にカーソルCuを移動表示させ、図5(C2)に示すように、加算記号「+」を挿入する(ステップS4(Yes)→S5(Yes))。
すると、前記べき数の直前が所定の記号である算術記号になる判断され(ステップS7(Yes))、当該べき数の直前位置に対し、前記挿入された加算記号「+」と共に数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)が補完されて入力表示される(ステップS8)。
ここで、前記べき数を掛けるべき任意の数字・文字・記号を入力すると、前記四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)の位置に当該入力された数字・文字・記号が入力表示され、例えば「3+4」として式の訂正・変更が行われる(ステップS1,S2→S4→S5→S7→S6)。
このように、ユーザ入力されたべき数を含む数式において、そのべき数の直前に左括弧記号「(」、または区切り記号「:」「,」、または算術記号「+」「−」「×」「÷」の何れかの所定の記号が挿入され、不自然な数式表示になる場合には、当該所定の記号の後、つまりその時カーソルCu(カーソルポインタP)が位置する前記べき数の直前位置に数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)が補完されて入力表示される。このため、例えば「(|」や「:|」や「+|」のように不自然な表示になることなく、「(|□」や「:|□」や「+|□」のように、前記べき数を掛ける対象としての数字・文字・記号の入力を明確にユーザに促すことができ、自然な表示形態を維持して容易に入力式の訂正・変更を行うことができる。
図7は、前記関数電卓10の数式入力・計算処理でのべき数を含む数式においてそのべき数の直前にて削除処理を行う場合の式表示例を示す図である。
図8は、前記図7(A1)(A2)で示したべき数直前での数字削除処理に伴う入力バッファ26での記憶コードの変化状態を示す図である。
前記ステップS1,S2→S4→S5→S6の処理に従った式入力処理を経て、例えばべき数の式「2」を入力表示させ、カーソルキー15の操作により当該式「2」のべき数の直前にカーソルCuを移動させると、表示状態は図7(A1)、入力バッファ26の内部状態は図8(A)のようになる。この状態で「DEL」キーが操作されると、削除キーの入力であることが判断され(ステップS9(Yes))、図4における削除処理に移行される(ステップSA)。
すると、前記カーソルCu(カーソルポインタP)の直前位置に存在するデータが削除され(ステップA1)、次に当該削除処理により前記べき数の直前の数字・文字・記号が消去されたのか否かが判断される(ステップA2)。ここで、べき数前の数字・記号が消去されたのではないと判断された場合は(ステップA2(No))、そのまま削除処理を終了する。
本例の場合、べき数直前の数字「2」が削除されたので、ステップA2では「Yes」と判断される。
すると、この削除処理後のカーソルCu(カーソルポインタP)の位置が、入力バッファ26の先頭、つまり入力式の先頭に位置するか否か(ステップA3)、または「√」などの2D関数のノードの先頭に位置するか否か(ステップA4)、または左括弧記号「(」に位置するか否か(ステップA5)、または「:」(コロン)、「,」(カンマ)などの区切り記号に位置するか否か(ステップA6)、または「+」「−」「×」「÷」の算術記号に位置するか否か(ステップA7)が判断される。
前記図7(A1)で示す、べき数の式「2」の数字「2」が削除されると、図8(A)に示す入力バッファ26の内部では、カーソルポインタPの前に位置するデータ「2」が削除されるので、当該削除処理後のカーソルCu(カーソルポインタP)の位置が、入力バッファ26の先頭、つまり入力式の先頭に位置するようになる。したがって、ステップA3での判断は「Yes」となり、入力バッファ26のカーソル位置に四角マークコード「SQ」が補完して入力され図8(B)のようになり、表示部16では当該べき数の直前位置に対し、数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Msが補完されて図7(A2)のように表示される(ステップA3→A8)。
ここで、前記べき数を掛けるべき任意の数字・文字・記号を入力すると、前記四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)の位置に当該入力された数字・文字・記号が入力表示され、例えば「x」キーが入力されたならば「x」として式の訂正・変更が行われる(ステップS1,S2→S4→S5→S7→S6)。
また、図7(B1)に示すように、ルートの掛かったべき数の式「√3」を入力表示させた状態で、当該式「√3」のべき数の直前にカーソルCuを移動表示させ、図7(B2)に示すように、「DEL」キーを入力してべき数の掛かる数字「3」の削除操作を行うと(ステップS9(Yes))、前記同様に図4における削除処理に移行される(ステップSA)。
すると、前記カーソルCu(カーソルポインタP)の直前位置に存在する数字「3」が削除されると共に(ステップA1)、当該削除処理により前記べき数の直前の数字・文字・記号が消去されたと判断される(ステップA2(Yes))。
すると、前記削除処理後のカーソルCu(カーソルポインタP)の位置が、2D関数「√」のノードの先頭に位置すると判断されるので(ステップA4(Yes))、当該べき数の直前位置に対し、数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)が補完されて入力表示される(ステップA4→A8)。
ここで、前記べき数を掛けるべき任意の数字・文字・記号を入力すると、前記四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)の位置に当該入力された数字・文字・記号が入力表示され、例えば「√x」として式の訂正・変更が行われる(ステップS1,S2→S4→S5→S7→S6)。
また、図7(C1)に示すように、括弧に掛けて存在するべき数の式「(4」を入力表示させた状態で、当該式「(4」のべき数の直前にカーソルCuを移動表示させ、図7(C2)に示すように、「DEL」キーを入力してべき数の掛かる数字「4」の削除操作を行うと(ステップS9(Yes))、前記同様に図4における削除処理に移行される(ステップSA)。
すると、前記カーソルCu(カーソルポインタP)の直前位置に存在する数字「4」が削除されると共に(ステップA1)、当該削除処理により前記べき数の直前の数字・文字・記号が消去されたと判断される(ステップA2(Yes))。
すると、前記削除処理後のカーソルCu(カーソルポインタP)の位置が、左括弧記号「(」に位置すると判断されるので(ステップA5(Yes))、当該べき数の直前位置に対し、数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)が補完されて入力表示される(ステップA5→A8)。
ここで、前記べき数を掛けるべき任意の数字・文字・記号を入力すると、前記四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)の位置に当該入力された数字・文字・記号が入力表示され、例えば「(x」として式の訂正・変更が行われる(ステップS1,S2→S4→S5→S7→S6)。
また、図7(D1)に示すように、区切り記号を含むべき数の式「3:4」を入力表示させた状態で、当該式「3:4」のべき数の直前にカーソルCuを移動表示させ、図7(D2)に示すように、「DEL」キーを入力してべき数の掛かる数字「4」の削除操作を行うと(ステップS9(Yes))、前記同様に図4における削除処理に移行される(ステップSA)。
すると、前記カーソルCu(カーソルポインタP)の直前位置に存在する数字「4」が削除されると共に(ステップA1)、当該削除処理により前記べき数の直前の数字・文字・記号が消去されたと判断される(ステップA2(Yes))。
すると、前記削除処理後のカーソルCu(カーソルポインタP)の位置が、区切り記号「:」に位置すると判断されるので(ステップA6(Yes))、当該べき数の直前位置に対し、数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)が補完されて入力表示される(ステップA6→A8)。
ここで、前記べき数を掛けるべき任意の数字・文字・記号を入力すると、前記四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)の位置に当該入力された数字・文字・記号が入力表示され、例えば「3:x」として式の訂正・変更が行われる(ステップS1,S2→S4→S5→S7→S6)。
さらに、図7(E1)に示すように、算術記号を含むべき数の式「3+4」を入力表示させた状態で、当該式「3+4」のべき数の直前にカーソルCuを移動表示させ、図7(E2)に示すように、「DEL」キーを入力してべき数の掛かる数字「4」の削除操作を行うと(ステップS9(Yes))、前記同様に図4における削除処理に移行される(ステップSA)。
すると、前記カーソルCu(カーソルポインタP)の直前位置に存在する数字「4」が削除されると共に(ステップA1)、当該削除処理により前記べき数の直前の数字・文字・記号が消去されたと判断される(ステップA2(Yes))。
すると、前記削除処理後のカーソルCu(カーソルポインタP)の位置が、算術記号「+」に位置すると判断されるので(ステップA7(Yes))、当該べき数の直前位置に対し、数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)が補完されて入力表示される(ステップA7→A8)。
ここで、前記べき数を掛けるべき任意の数字・文字・記号を入力すると、前記四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)の位置に当該入力された数字・文字・記号が入力表示され、例えば「3+x」として式の訂正・変更が行われる(ステップS1,S2→S4→S5→S7→S6)。
このように、ユーザ入力されたべき数を含む数式において、そのべき数の直前に存在する該べき数が掛かる数字や文字が削除された際、同べき数が数式の先頭、または2D関数のノードの先頭の位置になったり、左括弧記号「(」、または区切り記号「:」「,」、または算術記号「+」「−」「×」「÷」の直後の位置になったりして、不自然な数式表示になる場合には、同べき数の直前位置、つまりその時カーソルCu(カーソルポインタP)がある位置に、数字・文字・記号の入力位置(桁)であることを示す四角マーク「□」Ms(四角マークコード「SQ」)が補完されて入力表示される。このため、例えば「|」や「√|」や「(|」や「:」や「+」のように不自然な表示になることなく、「|□」や「√|□」や「(|□」や「:□」や「+□」のように、前記べき数を掛ける対象としての数字・文字・記号の入力を明確にユーザに促すことができ、自然な表示形態を維持して容易に入力式の訂正・変更を行うことができる。
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
本発明の電子式計算機の実施形態に係る関数電卓10の外観構成を示す正面図。 前記関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図。 前記関数電卓10による数式入力・計算処理を示すフローチャート。 前記関数電卓10の数式入力・計算処理に伴う削除処理を示すフローチャート。 前記関数電卓10の数式入力・計算処理でのべき数を含む数式においてそのべき数の直前にて挿入処理を行う場合の入力表示例を示す図。 前記図5(A1)(A2)で示したべき数直前での左括弧記号「(」の挿入処理に伴う入力バッファ26での記憶コードの変化状態を示す図。 前記関数電卓10の数式入力・計算処理でのべき数を含む数式においてそのべき数の直前にて削除処理を行う場合の式表示例を示す図。 前記図7(A1)(A2)で示したべき数直前での数字削除処理に伴う入力バッファ26での記憶コードの変化状態を示す図。
符号の説明
10 …関数電卓
11 …キー入力部
12 …数字・文字・演算記号キー群
13 …関数機能キー群
14 …モード設定キー群
15 …カーソルキー
16 …表示部
21 …CPU
22 …記憶装置
23 …RAM
24 …表示データメモリ
25 …カーソルポインタメモリ
26 …入力バッファ
Cu …カーソル
P …カーソルポインタ
Ms …四角マーク
SQ …四角マークコード

Claims (4)

  1. 数式を自然表示する電子式計算機であって、
    数式を入力する数式入力手段と、
    この数式入力手段により入力された数式を表示部に表示させる数式表示制御手段と、
    この数式表示制御手段により表示された数式に対して、カーソルをユーザ操作に応じ移動可能にして表示させるカーソル表示制御手段と、
    前記数式の前記カーソルの位置に対応するところのデータをユーザ操作に応じて削除する削除手段と、
    この削除手段により前記数式に含まれるべき数の前のデータが削除された結果、前記カーソルの位置が当該数式の特定の位置にあるか否かを判断する削除後カーソル位置判断手段と、
    この削除後カーソル位置判断手段により前記カーソルの位置が前記数式の特定の位置にあると判断された場合に、当該カーソルの位置に対応した前記べき数の前に文字・記号の入力対象を示す特殊マークを表示させる削除後マーク表示制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電子式計算機。
  2. 前記削除後カーソル位置判断手段は、前記削除手段により前記数式に含まれるべき数の前のデータが削除された結果、前記カーソルの位置が当該数式の先頭または左括弧記号または区切り記号または算術記号の何れかの位置にあるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の電子式計算機。
  3. 前記数式の前記カーソルの位置に対応するところにユーザ操作に応じて任意のデータを挿入する挿入手段と、
    この挿入手段により前記数式に含まれるべき数の前にデータが挿入された場合に、当該挿入されたデータが特定の記号であるか否かを判断する挿入データ判断手段と、
    この挿入データ判断手段により前記数式に含まれるべき数の前に挿入されたデータが特定の記号であると判断された場合に、当該特定の記号に文字・記号の入力対象を示す特殊マークを付加して表示させる挿入後マーク表示制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子式計算機。
  4. 前記挿入データ判断手段は、前記数式に含まれるべき数の前にデータが挿入された場合に、当該挿入されたデータが左括弧記号または区切り記号または算術記号の何れかの記号であるか否かを判断することを特徴とする請求項3に記載の電子式計算機。
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