以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の数式計算機の実施形態に係る電子式計算機(関数電卓)10の外観構成を示す正面図である。
この電子式計算機(関数電卓)10の本体ケースには、本体正面の下端から3分の2程度の範囲でキーボード12が設けられ、上端から3分の1程度の範囲で液晶表示部13が設けられる。液晶表示部13には、透明のタブレット14が重ねて設けられている。
キー入力部12には、数値キー12a、関数・記号・演算子キー12b、「MENU」キー12c、「SHIFT」キー12d、「OPTN」キー12e、「EXE」キー12f、カーソルキー12g等が備えられる。
数値キー12aは、テンキー「0」〜「9」および小数点キー「・」を配列した数値入力用キー群からなる。
関数・記号・演算子キー12bは、演算式や関数式を入力する際に操作される「log」「ln」「sin」「cos」「tan」などの関数記号キーや「+」「−」「×」「÷」「=」などの演算子キーからなる。
「MENU」キー12cは、四則演算等の任意の演算式を入力して演算処理を行なう演算モード、任意の関数式を入力して対応するグラフの描画処理を行なうグラフモード、任意のプログラムを入力して対応する計算処理を行うプログラムモード等の各種の動作モードの選択設定メニューを表示させる際に操作される。
「SHIFT」キー12dは、キー入力部12における各キートップの左上に記述された各種の記号や機能を指定入力する際に該当するキーと合わせて操作される。
「OPTN」キー12eは、キー入力部12における各キートップの右上に記述された各種の記号や機能を指定入力する際に該当するキーと合わせて操作される。
「EXE」キー12fは、選択されたデータの確定や計算処理の実行を指示する際に操作される。
カーソルキー「↑」「↓」「←」「→」12gは、それぞれ表示されたデータの選択,送り操作や、カーソルの移動操作を行なう際等に操作される。なお、数式の表示状態において、当該カーソルキー12gのうちの「↑」キーは、数式編集モードの設定キーとして機能する。
また、キー入力部12の最上部には、グラフや図形の描画表示機能など種々の機能を起動させる際に選択操作されるファンクション「F1」〜「F6」キーが設けられる。
図2は、前記電子式計算機(関数電卓)10の電子回路の構成を示すブロック図である。
この電子式計算機10の電子回路は、コンピュータ等からなる制御部(CPU)11を備えている。
制御部(CPU)11は、キー入力部12から入力されるキー入力データや、液晶表示部13の表示画面上に重ねて設けられたタブレット14から位置検出回路20を介して入力されるタッチ位置データに応じて、ROM15に予め記憶されているシステムプログラムを起動させ、あるいは外部記憶媒体16に予め記憶されている計算機制御用プログラムを記憶媒体読み取り部17により読み取らせて起動させ、あるいは通信制御部18によって他のコンピュータ端末から通信ネットワークNを介して受信された計算機制御用プログラムを起動させ、RAM19をワークメモリとして回路各部の動作制御を行なうものである。
この制御部(CPU)11には、前記キー入力部12、液晶表示部13、タブレット14、位置検出回路20、ROM15、RAM19、記録媒体読み取り部17、通信制御部18が接続され、また、液晶表示部13が表示駆動回路21を介して接続される。
タブレット14は、液晶表示部13の表示画面上に重ねて設けられ、タッチされた位置に応じた電圧信号を発生するもので、このタブレット14から出力されるタッチ位置に応じた電圧信号に基づき、位置検出回路20により表示画面に対応させた座標が検出され、このタッチ位置座標に応じて制御部(CPU)11により操作の内容が判断される。
ROM15には、本電子式計算機10の電子回路における全体の処理を司るシステムプログラムデータが予め記憶されると共に、演算(計算)モード処理、この演算(計算)モード処理に伴う数式編集モード処理、グラフモード処理、プログラムモード処理等、前記動作モードの選択設定メニュー画面において設定可能な各種の動作モードに対応した制御プログラムデータも予め記憶される。
図3は、前記電子式計算機(関数電卓)10のRAM19に確保される主要なデータメモリの構成を示す図である。
RAM19には、表示データメモリ19a、モードデータメモリ19b、キー入力メモリ19c、入力式メモリ19d、計算結果メモリ19e、カーソル位置メモリ19f、及びワークエリア19g等の各種のデータメモリが備えられる。
表示データメモリ19aには、例えば演算(計算)モードでは入力・編集される数式データや計算結果データなど、前記各種の動作モードにおいて液晶表示部13に表示すべき表示データがビットマップのパターンデータとして展開されて記憶される。
モードデータメモリ19bには、前記動作モードの選択設定メニュー画面において設定可能な各種の動作モードを示すモードデータが記憶される。
キー入力メモリ19cには、キー入力部12のキー操作に伴い入力されるキーコードのデータが当該キー操作毎に一時記憶される。
入力式メモリ19dには、前記キー入力された任意の数式(計算式)データが記憶される。
計算結果メモリ19eには、前記入力式メモリ19dに記憶された数式(計算式)データに基づき演算(計算)処理された演算(計算)結果のデータが記憶される。
カーソル位置メモリ19fには、表示データメモリ19aに記憶されて表示部13に表示出力される表示データ上でのカーソルKの位置データが記憶されるもので、例えば数式データの入力・表示状態では、表示されている数式中のカーソル位置を示すデータが前記入力式メモリ19dに記憶された数式内の各文字・記号の位置に対応するデータとして記憶される。
ワークエリア19gには、各種動作モードの制御処理に伴ない制御部(CPU)11により入出力されるデータが一時的に記憶される。
次に、前記構成による電子式計算機(関数電卓)10の第1実施形態の計算機能について説明する。
図4は、前記電子式計算機10の第1実施形態の計算処理を示すフローチャートである。
図5は、前記電子式計算機10の第1実施形態の計算処理に伴う数式入力およびその編集表示動作の具体例(その1)を示す図である。
キー入力部12のキー操作に応じて、図5(A)に示すように、数式「123+456÷3+5」が自然表示形式で入力され入力式メモリ19dに記憶されると共に(ステップS1)、液晶表示部13に表示され(ステップS2)、「EXE」キー12fが入力されると(ステップS3)、この入力表示された数式「123+456÷3+5」に従った計算処理が制御部(CPU)11にて実行され、その計算結果データ「280」が計算結果メモリ19eに記憶されて液晶表示部13に表示される(ステップS4)。
すると、ユーザによる次のキー入力待機状態となり(ステップS5)、編集モードキーとして機能するカーソルキー12gの「↑」キーが操作されたか(ステップS6)、またはその他の数字・記号などによる新規入力が行われたか否かが判断される(ステップS7)。
新規の数式入力が行われた場合には(ステップS7(Yes))、前記ステップS1からの処理に戻り新たなキー入力に伴う数式入力・表示処理が繰り返される(ステップS1,S2)。
一方、前記図5(A)で示したように、入力された数式「123+456÷3+5」およびその計算結果「280」が表示された状態で(ステップS1〜S4)、当該一旦計算実行した数式中の一部数字や演算記号を修正して再計算したい場合に、図5(B)に示すように、カーソルキー12gの「↑」キーが操作されて編集モードに設定されると(ステップS5,S6)、ユーザによる次のキー入力待機状態となり(ステップS8)、カーソルキー12gの「←」または「→」キーが操作されたか(ステップS9)、または数字キー(テンキー)「0」〜「9」が操作されたか(ステップS13)、または関数記号・演算記号キーが操作されたか(ステップS16)、またはそれ以外の操作であるかが判断される。
ここで、カーソルキー12gの「←」または「→」キーが操作されたと判断されると(ステップS9(Yes))、前記表示数式中のカーソル(「←」または「→」)が指示する方向の末端にある数字または記号に対応させた位置にカーソルKが表示される(ステップS10)。
すなわち、カーソルキー12g「←」が操作された場合には、表示数式中の先頭の数字または記号を編集対象とする当該数字または記号の右側の位置にカーソルKが表示され、また逆にカーソルキー12g「→」が操作された場合には、表示数式中の末尾の数字または記号を編集対象とする当該数字または記号の右側の位置にカーソルKが表示される(ステップS9,S10)。
こうして、カーソルキー12gの「←」または「→」キーの操作に応じて表示数式中の先頭または末尾の文字または記号の位置にカーソルKが表示された状態で、数字または記号などのキー入力操作が為されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象の数字または記号が当該キー入力された数字または記号に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
一方、前記図5(B)で示したように、数式「123+456÷3+5」が表示されている編集モードの設定状態において、当該数式中の2項目先頭に存在する数字“4”を修正したい場合に、図5(C)に示すように、それと同一数字の数字キー(テンキー)12aの「4」が指定入力されると(ステップS13)、当該表示数式中に同数字キー12aの「4」に対応する数字“4”が存在するか否かがその数式先頭から順に検索される(ステップS14)。
そして、前記表示数式中「123+456÷3+5」に前記指定入力された数字キー「4」に対応する数字“4”が存在すると判断されると(ステップS14(Yes))、当該数字“4”を編集対象として該数字“4”の右側(後)の位置にカーソルKが表示される(ステップS15)。
こうして、数字キー「4」の操作に応じて表示数式中の同一の数字“4”の位置にカーソルKが表示された状態で、図5(D)に示すように、「DEL」キーおよび数字キー「7」が入力操作されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象の数字“4”が当該キー入力された数字“7”に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
一方、前記図5(C)で示したように、数字キー「4」の操作に応じて表示数式中の同一の数字“4”の位置にカーソルKが表示された状態で(ステップS13〜S15)、さらに図5(E)に示すように、前記編集モードキーとして機能するカーソルキー12gの「↑」キーが操作されて新たな編集モードが設定され(ステップS11,S12(Yes))、数字キー(テンキー)12aの「3」が指定入力されると(ステップS13)、表示数式中の現在のカーソル位置から次以降の文字・記号について、同数字キー12aの「3」に対応する数字“3”が存在するか否かが検索される(ステップS14)。
そして、前記表示数式中「123+4|56÷3+5」の現在のカーソル位置から次以降の文字・記号について、前記指定入力された数字キー「3」に対応する数字“3”が存在すると判断されると(ステップS14(Yes))、当該数字“3”を編集対象として該数字“3”の右側(後)の位置にカーソルKが表示される(ステップS15)。
一方、前記図5(B)で示したように、計算実行された数式「123+456÷3+5」に対する編集モードが設定された状態で、図5(F)に示すように、演算記号キー12bの「+」キーが指定入力されると(ステップS16)、当該表示数式中に同演算記号キー12bの「+」に対応する演算記号“+”が存在するか否かがその数式先頭から順に検索される(ステップS17)。
そして、前記表示数式中「123+456÷3+5」に前記指定入力された演算記号キー「+」に対応する演算記号“+”が存在すると判断されると(ステップS17(Yes))、当該演算記号“+”を編集対象として該演算記号“+”の右側(後)の位置にカーソルKが表示される(ステップS18A)。
こうして、演算記号キー「+」の操作に応じて表示数式中の同一の演算記号“+”の位置にカーソルKが表示された状態で、図5(G)に示すように、「DEL」キーおよび演算記号キー「−」が入力操作されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象の演算記号“+”が当該キー入力された演算記号“−”に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
一方、前記図5(F)で示したように、演算記号キー「+」の操作に応じて表示数式中の同一の演算記号“+”の位置にカーソルKが表示された状態で(ステップS16〜S18A)、さらに図5(H)に示すように、前記編集モードキーとして機能するカーソルキー12gの「↑」キーが操作されて新たな編集モードが設定され(ステップS11,S12(Yes))、カーソルキー12gの「→」キーが操作されると(ステップS9(Yes))、現在カーソルKが表示位置する次の演算項「456」の末尾に該カーソルKが移動されて表示される(ステップS10)。
こうして、編集モードキーとしての「↑」キーおよびカーソル移動キーとしての「→」キーの操作に応じて表示数式中の第2項目の演算項「456」の末尾位置にカーソルKが表示された状態で、図5(I)に示すように、「DEL」キーおよび数字キー「7」が入力操作されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象の数字“6”が当該キー入力された数字“7”に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
図6は、前記電子式計算機10の第1実施形態の計算処理に伴う数式入力およびその編集表示動作の具体例(その2)を示す図である。
図6(A)に示すように、自然表示形式で入力表示された分数式「1/2+1/3−1/6」に対して、カーソルキー12gの「↑」キーが操作されて編集モードに設定された状態で(ステップS5,S6)、図6(B)に示すように、数字キー(テンキー)12aの「3」が指定入力されると(ステップS8→S13)、当該表示分数式中に同数字キー12aの「3」に対応する数字“3”が存在するか否かがその分数式先頭から順に検索される(ステップS14)。
そして、前記表示分数式中「1/2+1/3−1/6」に前記指定入力された数字キー「3」に対応する分母数字“3”が存在すると判断されると(ステップS14(Yes))、当該分母数字“3”を編集対象として該分母数字“3”の右側(後)の位置にカーソルKが表示される(ステップS15)。
こうして、数字キー「3」の操作に応じて表示分数式中の同一の分母数字“3”の位置にカーソルKが表示された状態で、図6(C)に示すように、「DEL」キーおよび数字キー「7」が入力操作されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象の分母数字“3”が当該キー入力された数字“7”に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
一方、前記図6(A)で示したように、分数式「1/2+1/3−1/6」に対する編集モードが設定された状態で、図6(D)に示すように、演算記号キー12bの分数キー12b1が指定入力されると(ステップS16)、当該表示数式中に同分数キー12b1に対応する演算記号“□/□”が存在するか否かがその数式先頭から順に検索される(ステップS17)。
そして、前記表示分数式「1/2+1/3−1/6」に前記指定入力された分数キー12b1に対応する演算記号“1/2”が存在すると判断されると(ステップS17(Yes))、当該演算記号“1/2”を編集対象として該演算記号“1/2”の右側(後)の位置に分数入力マークMおよびそのカーソルKが表示される(ステップS18A)。
こうして、分数キー12b1の操作に応じて表示数式中の同一の演算記号“□/□”の位置にカーソルKが表示された状態で、図6(E)に示すように、数字キー12aおよびカーソルキー12gを組み合わせて「2」「↓」「3」が入力操作されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象の分数“1/2”が当該キー入力された分数“2/3”に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
図7は、前記電子式計算機10の第1実施形態の計算処理に伴う数式入力およびその編集表示動作の具体例(その3)を示す図である。
図7(A)に示すように、自然表示形式で入力表示されたルート数式「√1√2+…+6」に対して、カーソルキー12gの「↑」キーが操作されて編集モードに設定された状態で(ステップS5,S6)、図7(B)に示すように、数字キー(テンキー)12aの「2」が指定入力されると(ステップS8→S13)、当該表示ルート数式中「√1√2+…+6」に同数字キー12aの「2」に対応する数字“2”が存在するか否かがそのルート数式先頭から順に検索される(ステップS14)。
そして、前記表示ルート数式中「√1√2+…+6」に前記指定入力された数字キー「2」に対応する数字“2”が存在すると判断されると(ステップS14(Yes))、当該数字“2”を編集対象として該数字“2”の右側(後)の位置にカーソルKが表示される(ステップS15)。
こうして、数字キー「2」の操作に応じて表示ルート式中の同一の数字“2”の位置にカーソルKが表示された状態で、図7(C)に示すように、「DEL」キーおよび数字キー「7」が入力操作されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象の数字“2”が当該キー入力された数字“7”に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
一方、前記図7(A)で示したように、ルート式「√1√2+…+6」に対する編集モードが設定された状態で、図7(D)に示すように、演算記号キー12bの「√」キー12b2が指定入力されると(ステップS16)、当該表示数式中に同「√」キー12b2に対応する演算記号“√”が存在するか否かがその数式先頭から順に検索される(ステップS17)。
そして、前記表示ルート式「√1√2+…+6」に前記指定入力された「√」キー12b2に対応する演算記号“√”が存在すると判断されると(ステップS17(Yes))、当該表示ルート式の中の最も内側のルート演算記号“√(3+4)”を編集対象として該演算記号“√(3+4)”の右側(後)の位置にカーソルKが表示される(ステップS18A)。
こうして、「√」キー12b2の操作に応じて表示数式中の同一の演算記号“√”の位置にカーソルKが表示された状態で、図7(E)に示すように、「DEL」キーおよび数字キー「7」が入力操作されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象のルート演算値“√(3+4)”が当該キー入力されたルート演算値“√(3+7)”に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
したがって、前記構成による電子式計算機(関数電卓)10の第1実施形態の数式編集表示機能によれば、カーソルキー12gの「↑」キーを操作して表示中の数式に対する編集モードを設定した状態で、数字キー(12a)を指定操作すれば当該指定操作された数字と同一の数式中の数字の位置に直ちに編集対象としてカーソルKが表示され、その場で所望の数字を入力することで前記カーソルKを位置させた数字を容易に修正できるようになる。
また、前記同様にカーソルキー12gの「↑」キーを操作して表示中の数式に対する編集モードを設定した状態で、関数あるいは演算記号キー12bを指定操作すれば当該指定操作された関数あるいは演算記号と同一の数式中の記号の位置に直ちに編集対象としてカーソルKが表示され、その場で所望の関数あるいは演算記号を入力することで前記カーソルKを位置させた関数あるいは演算記号を容易に修正できるようになる。
図8は、前記電子式計算機10の第1実施形態の計算処理に伴う数式入力およびその編集表示動作の具体例(その4)を示す図である。
すなわち、前記図4〜図7を参照して説明した数式編集表示機能と同様に、例えば図8(A1)に示すように、べき乗数式「44+33+22+1」に対してカーソルキー12gの「↑」キーが操作されて編集モードに設定された状態で、図8(A2)に示すように、べき乗関数記号キー「^」が操作入力されると、直ちに表示数式中の先頭のべき乗値“4”の位置を編集対象として該べき乗値“4”の右側(後)の位置にカーソルKが表示されるので、この後の数字キー12aの1キー操作入力によって非常に簡単に前記編集対象のべき乗値“4”を所望のべき乗値に修正できるようになる。
また、図8(B1)に示すように、変数式「A−2×B−M」に対してカーソルキー12gの「↑」キーが操作されて編集モードに設定された状態で、図8(B2)に示すように、変数記号キー「B」が操作入力されると、直ちに表示数式中の同一の変数記号“B”の位置を編集対象として該変数記号“B”の右側(後)の位置にカーソルKが表示されるので、この後の記号キー12bの1キー操作入力によって非常に簡単に前記編集対象の変数記号“B”を所望の変数記号に修正できるようになる。
また、図8(C1)に示すように、関数式「sin(A)−cos(A+B)」に対してカーソルキー12gの「↑」キーが操作されて編集モードに設定された状態で、図8(C2)に示すように、関数記号キー「cos」が操作入力されると、直ちに表示数式中の同一の関数記号“cos”の位置を編集対象として該関数記号“cos”の演算項(引数)の右側(後)の位置にカーソルKが表示されるので、この後の1キー操作入力によって非常に簡単に前記編集対象の関数記号“cos”に掛かる演算項(引数)を修正できるようになる。
また、図8(D1)に示すように、組合せ関数式「5P3−5C3+5C2」に対してカーソルキー12gの「↑」キーが操作されて編集モードに設定された状態で、図8(D2)に示すように、組合せ記号キー「nCr」が操作入力されると、直ちに表示数式中で先頭に位置する同一の組合せ記号“5C3”の位置を編集対象として該記号係数“5”の右側(後)の位置にカーソルKが表示されるので、この後の数字キー12aの1キー操作入力によって非常に簡単に前記編集対象の記号係数“5”を所望の係数に修正できるようになる。
また、図8(E1)に示すように、積分式「∫(3~-1)x2−2x+2dx」に対してカーソルキー12gの「↑」キーが操作されて編集モードに設定された状態で、図8(E2)に示すように、積分記号キー「∫」が操作入力されると、直ちに表示数式中の先頭に位置する同一の積分記号“∫”の位置を編集対象として該積分記号“∫”の演算項(引数)の右側(後)の位置にカーソルKが表示されるので、この後の1キー操作入力によって非常に簡単に前記編集対象の積分記号“∫”に掛かる演算項(引数)を修正できるようになる。
さらに、図8(F1)に示すように、微分式「d/dx・(x+2)|x=3」に対してカーソルキー12gの「↑」キーが操作されて編集モードに設定された状態で、図8(F2)に示すように、微分記号キー「d/dx」が操作入力されると、直ちに表示数式中の先頭に位置する同一の微分記号“d/dx”の位置を編集対象として該微分記号“d/dx”の演算項(引数)の右側(後)の位置にカーソルKが表示されるので、この後の1キー操作入力によって非常に簡単に前記編集対象の微分記号“d/dx”に掛かる演算項(引数)を修正できるようになる。
なお、前記第1実施形態の数式編集表示機能では、例えば図5(B)で示したように、数式「123+456÷3+5」に対して編集モードが設定された状態で、図5(F)で示したように、演算記号キー「+」が指定入力されると(ステップS16)、表示数式中の同一の演算記号“+”が検索され(ステップS17)、当該演算記号“+”を編集対象としてその右側(後)の位置にカーソルKを表示させる(ステップS18A)構成としたが、次の第2実施形態の数式編集表示機能において説明するように(図9参照)、前記指定入力された演算記号キー「+」に掛かる演算項(引数)の全体「456」に対応させてカーソルKを表示させ(ステップS18B)、該演算項(引数)の全体「456」を容易に一括修正できる構成としてもよい。
また、前記第1実施形態の数式編集表示機能では、例えば図7(A)で示したように、ルート式「√1√2+…+6」に対して編集モードが設定された状態で、図7(D)で示したように、演算記号キー12bの「√」キー12b2が指定入力されると(ステップS16)、表示数式中の同一の演算記号“√”が検索され(ステップS17)、当該演算記号“√”の演算項(引数)を編集対象としてその右側(後)の位置にカーソルKを表示させる(ステップS18A)構成としたが、次の第2実施形態の数式編集表示機能において説明するように(図10参照)、前記指定入力された「√」キー12b2に掛かる演算項(引数)の全体「3+4」に対応させてカーソルKを表示させ(ステップS18B)、該演算項(引数)の全体「3+4」を容易に一括修正できる構成としてもよい。
(第2実施形態)
図9は、前記電子式計算機10の第2実施形態の計算処理に伴う数式入力およびその編集表示動作の具体例(その1)を示す図である。
図9(A)に示すように、数式「123+456÷3+5」に対する編集モードが設定された状態で、図9(B)に示すように、演算記号キー12bの「+」キーが指定入力されると(ステップS16)、当該表示数式中に同演算記号キー12bの「+」に対応する演算記号“+”が存在するか否かがその数式先頭から順に検索される(ステップS17)。
そして、前記表示数式中「123+456÷3+5」に前記指定入力された演算記号キー「+」に対応する演算記号“+”が存在すると判断されると(ステップS17(Yes))、当該演算記号“+”に掛かる演算項(引数)「456」の全体を編集対象として該演算項(引数)「456」の全体に対応してカーソルKが表示される(ステップS18B)。
こうして、演算記号キー「+」の操作に応じて表示数式中の同一の演算記号“+”に掛かる演算項(引数)「456」の全体にカーソルKが表示された状態で、図9(C)に示すように、数字キー「7」「8」が入力操作されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象の演算項(引数)“456”が当該キー入力された数字“78”に一括に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
一方、前記9(B)で示したように、演算記号キー「+」の操作に応じて表示数式中の同一の演算記号“+”に掛かる演算項(引数)“456”の全体にカーソルKが表示された状態で(ステップS16〜S18B)、さらに図9(D)に示すように、カーソルキー12gの「→」キーが操作されると(ステップS9(Yes))、現在カーソルKが表示位置する演算項(引数)“456”の末尾に該カーソルKが移動されて表示され、対応する数字“6”が編集対象とされる(ステップS10)。
図10は、前記電子式計算機10の第2実施形態の計算処理に伴う数式入力およびその編集表示動作の具体例(その2)を示す図である。
図10(A)に示すように、ルート式「√1√2+…+6」に対する編集モードが設定された状態で、図10(B)に示すように、演算記号キー12bの「√」キー12b2が指定入力されると(ステップS16)、当該表示数式中に同「√」キー12b2に対応する演算記号“√”が存在するか否かがその数式先頭から順に検索される(ステップS17)。
そして、前記表示ルート式「√1√2+…+6」に前記指定入力された「√」キー12b2に対応する演算記号“√”が存在すると判断されると(ステップS17(Yes))、当該表示ルート式の中の最も内側のルート演算記号“√(3+4)”の引数全体“3+4”を編集対象としてカーソルKが表示される(ステップS18B)。
こうして、「√」キー12b2の操作に応じて表示数式中の同一の演算記号“√”の引数全体“3+4”にカーソルKが表示された状態で、図10(C)に示すように、数字キー「3」「4」が入力操作されると(ステップS11)、前記カーソルKにより指示される編集対象の引数“3+4”が当該キー入力された数字“34”に一括に置き換えられて修正され、数式編集される(ステップS12(No)→S19)。
一方、前記10(B)で示したように、「√」キー12b2の操作に応じて表示数式中の最も内側のルート演算記号“√”に掛かる演算項(引数)“3+4”の全体にカーソルKが表示された状態で(ステップS16〜S18B)、さらに図10(D)に示すように、カーソルキー12gの「→」キーが操作されると(ステップS9(Yes))、現在カーソルKが表示位置する演算項(引数)“3+4”の末尾に該カーソルKが移動されて表示され、対応する数字“4”が編集対象とされる(ステップS10)。
したがって、前記構成による電子式計算機(関数電卓)10の第2実施形態の数式編集表示機能によれば、カーソルキー12gの「↑」キーを操作して表示中の数式に対する編集モードを設定した状態で、関数あるいは演算記号キー12bを指定操作すれば当該指定操作された関数あるいは演算記号と同一の数式中の記号に掛かる引数全体に、直ちに編集対象としてカーソルKが表示され、その場で所望の引数を入力することで前記カーソルKを位置させた関数あるいは演算記号の引数全体を容易に一括修正できるようになる。
なお、前記各実施形態において記載した電子式計算機(関数電卓)10による各処理の手法、すなわち、図4のフローチャートに示す第1、第2実施形態の計算処理での各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体16に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、この外部記憶媒体16に記憶されたプログラムを記憶媒体読み取り部17によって読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した数式編集表示機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワークN上を伝送させることができ、このネットワークNに接続されたコンピュータ端末の通信制御部18によって前記のプログラムデータを取り込み、前述した計算処理に伴う数式編集表示機能を実現することもできる。
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。