JP5209597B2 - 穏やかな反応条件でのセルロース溶媒に基づくリグノセルロースの分別および試薬の再循環 - Google Patents

穏やかな反応条件でのセルロース溶媒に基づくリグノセルロースの分別および試薬の再循環 Download PDF

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Description

本発明は、リグノセルロース系バイオマスをセルロース、ヘミセルロース糖、リグニン、および酢酸に変換する前処理方法および分別方法の分野に関する。
バイオリファイナリーは21世紀における産業開発の基幹となりうる。原油ではなくバイオマス原材料の変換に基づいていることを除けば、バイオリファイナリーは石油精製の概念と類似している。理論上バイオリファイナリーは、化学物質、燃料、電力、熱、および物質などの柔軟性のある産物の混合物を得るために複数の形態のバイオマスを使用することができる。
バイオリファイナリーの概念は、地球規模の農産物および林産物産業においてすでに成功しており、現在このような施設では、食料、飼料、繊維、または化学物質、ならびに工場操業のための熱および電気が生み出されている。バイオリファイナリーは、長い間、広葉樹または針葉樹を製紙およびその他の用途のパルプに変換する紙パルプ産業内に存在していた。現在、高い加工費、および原材料費と生産物の価値との間の狭い利幅は、これらの伝統的産業を越えて商業化するためには重要な障害となっている。
バイオリファイナリー産業の成長は、木材だけではなく、毎年豊富に利用可能な多くの他の種類のリグノセルロース系バイオマスを効率的に変換することに依拠している。このようなリグノセルロース系バイオマスの例としては、広葉樹、針葉樹、再生紙、古紙、森林刈り込み物(forest trimming)、紙パルプ廃棄物、トウモロコシ茎葉、トウモロコシ繊維、麦わら、稲わら、サトウキビの絞りかす、およびスイッチグラスを含む。効率的な変換は、天然リグノセルロース系バイオマス中に含まれるセルロースの扱いにくさという、新興のバイオリファイナリー産業の重要な技術的問題の1つの克服を含む。グルコースに解重合できるようなセルロースの扱いにくさの克服が重要であり、その理由は、グルコースは、発酵または反応させて、エタノール、クエン酸などの工業的に関連のある多種多様な化学物質を得ることができるバイオリファイナリーの根幹となる中間体であるからである。
リグノセルロース系バイオマスは、その原材料に依存するが、一般的には、35〜50重量%のセルロース、15〜35重量%のヘミセルロース、および5〜30重量%のリグニンを含む(ZhangおよびLynd,2004;KleinおよびSnodgrass,1993;Wyman,1994)。通常、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンは、リグノセルロース系バイオマスの主要成分であるが、各種量の他の物質も結合した形態および結合していない形態で存在する。このような少量成分としては、タンパク質、ウロン酸、酢酸、灰分、スクロースなどの遊離糖類、土、および収穫作業に由来する金属などの異物が挙げられる。
セルロースは、天然に最も多量に存在するポリマーであり、これはグルコースのポリマーである。グルコース分子は、β−1,4−グリコシド結合によって結合し、これによってグルコース鎖は伸張したリボン構造をとると考えられる。鎖間の水素結合は、ねじれた状態で互いの上に位置するフラットシートを形成する。その結果、セルロースは化学的に非常に安定であり、植物細胞壁の構造用成分として機能する(Pasterら、2003年)。
ヘミセルロースは、主としてキシロースおよびアラビノースなどの五炭糖を含み、全体にある程度グルコースおよびマンノースが分散したポリマーである。ヘミセルロースは、植物細胞壁中でセルロースおよびリグニンと相互作用して細胞壁を補強するポリマーを形成する。
リグニンは、可撓性を付与しながらセルロース−ヘミセルロースマトリックスの結合を促進する。リグニンポリマーの分子構造は、不規則で無秩序であり、主に多糖によって相互に連結した炭素環構造(メトキシル基、ヒドロキシル基、およびプロピル基を有するベンゼン環)からなる。
リグノセルロース系バイオマスの扱いにくさは、(i)いくつかの主要な多糖のセルロース、ヘミセルロース、およびリグニンの間の複雑な結合のため、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、およびラッカーゼの加水分解作用が制限されること、および(ii)セルロース系物質に固有の性質であるセルラーゼへの低基質到達性、高い重合度、およびセルロース断片の水に対する低い溶解性に起因すると考えられる(ZhangおよびLynd,2004年)。リグニン−ヘミセルロースマトリックスはセルロースを包み込み、セルラーゼ酵素のセルロース相への到達を妨害する。天然のリグノセルロース系バイオマス中のセルロースおよびヘミセルロースは、セルラーゼ酵素およびヘミセルラーゼ酵素によってわずかしか消化されない。
リグノセルロース系バイオマスの前処理は、数十年間活発に研究されてきた分野であり、多種多様の熱的、機械的、および化学的な前処理方法(ならびにそれらの組み合わせ)が研究され、科学文献中に報告されている(McMillan,1994年)。前処理の目的は、歴史的には、リグニンおよび/またはヘミセルロースを除去することによってセルロース、ヘミセルロース、およびリグニンの間の結合を破壊して、酵素消化可能なセルロース固体を得ることであった。この目標は、炭水化物ポリマーの所望のモノマーへの変換を最大限に行いながら、所望のモノマーが分解生成物となり損失するのを最小限にすることであった。
現在の前処理方法は、第2次世界大戦前に開発された従来の熱化学的バイオマス加水分解方法を発展させたものである(McMillan,1994年)。これらの方法では、一般的には、バイオマスを酸触媒(多くの場合塩酸または硫酸)とともに加圧反応器中で加熱して、バイオマスのセルロース分画をグルコースに加水分解することが使用されていた。このような方法では、グルコースの収率は、一般的には約60%以下であり、その原因は、セルロースの加水分解に過酷な条件が要求されるので、遊離したグルコースのかなりの部分が5−ヒドロキシメチルフルフラールなどの非発酵性糖分解生成物に変換されるためである。さらに、セルロース加水分解のために計画された一段階方法では、ヘミセルロース分画からペントース炭水化物(C糖)が損失する結果となった。
セルラーゼ酵素の発見、および次の工業用セルラーゼ産業の発展に、有効なペントース発酵微生物の利用が組み合わさったことで、バイオマスの前処理方法が大きく変化した。セルロースをグルコースに加水分解する熱化学的な方法を必要とするのではなく、多くの前処理方法の目的は、セルラーゼ酵素によってセルロースを効率的に消化(グルコースに解重合)することができる固体基質を製造することである。
リグノセルロース系バイオマスの前処理は、全体の変換プロセス中の最も費用のかかる工程であることが多く、前処理前の原材料の微小化、ならびに前処理後の酵素加水分解および発酵などを含む大部分の他の作業の費用に影響を与える。前処理は、酵素加水分解、電力消費、生成物の濃縮、阻害物質の解毒、生成物の精製、発電、廃棄物処理の必要性、およびその他の処理操作などの下流の費用と強く関連しうる(Wooleyら、1999年;Wymanら、2005年)。
集中的なリグノセルロース前処理の努力が過去数十年間行われてきたが、現在の技術は、高い加工費および大きな投資リスクのために大規模での商業化は行われていない(Wymanら、2005年)。多くの前処理技術では過酷な反応条件を使用しているため、糖の分解および阻害物質の形成が起こり、一般に加工費が高くなる。
一般に、非晶質セルロースは結晶セルロースよりも消化されやすいと当該技術分野においては考えられている。非晶質セルロースの加水分解は、結晶セルロースと比較して、必要な触媒が少なく、反応時間が短く、糖の収率が高い。非晶質セルロースは、酸結晶セルロースの酸による加水分解(FengelおよびWegener,1984年)、またはセルロース酵素による加水分解(ZhangおよびLynd,2005年)の反応速度よりも少なくとも1けた大きい反応速度を有する均一な基質であると見なすことができる。
前処理技術分野のあるレビュー(ChangおよびHoltzapple,2000年)によると、リグノセルロース系バイオマスの酵素反応性は、リグニン含有率およびセルロースの結晶性と最も密接に関連することが分かっており、これら両方はセルロースの到達性と関連がある。したがって、効率的なリグノセルロース系バイオマス前処理方法は、セルロースの一部を脱結晶化する工程と、それを非晶質にする工程と、出発物質から一部のリグニンを除去する工程とを含むことが認識される。ヘミセルロース糖および酢酸を回収可能となるようにバイオマスを分別することも望ましい。
リグノセルロース系バイオマスに効率的な前処理および/または分別技術であって、セルロースが脱結晶化され、リグニンが実質的に除去および回収され、ヘミセルロース糖が実質的に除去および回収され、反応分離を実施するための処理条件によって、抽出された糖を分解したり、下流の発酵の阻害物質を多量に生成したりすることがない技術が必要とされている。
リグノセルロース系バイオマスの分別に関するもう1つの経済的な障害は、一般に多量の溶媒を必要とするため、工場の資本および運営コストが高くなることである。したがって、約5以下の溶媒/固体比などの比較的少量の溶媒を使用して前述の特徴の利益を実現可能な方法が必要とされている。
このような効率的な前処理および/または分別技術が、多種多様のバイオマス原材料および副産物の選択に対して適応性であり、経済的となるように穏やかな処理条件を必要とすることがさらに望ましい。
本発明は、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、および酢酸の分別及び回収を行うことによるリグノセルロース系バイオマスのすべての主要成分の利用、グルコースに容易に変換可能な高非晶質セルロースの製造、ならびに資本および運営コストを比較的下げる穏やかな処理条件を可能とする効率的な溶媒など、当技術分野におけるいくつかの要求に対処する。
本発明のいくつかの実施形態においては、リグノセルロース系バイオマスの分別方法を提供する。本発明のいくつかの実施形態は、リグノセルロース系バイオマスの分別に有効な溶媒の組み合わせを教示する。本発明のいくつかの実施形態では、製造可能であり、発酵またはその他の使用のためのグルコースに容易に変換することができる高反応性非晶質セルロースを示す。本発明のいくつかの実施形態は、リグノセルロース系バイオマスをセルロース、ヘミセルロース、リグニン、および酢酸に分別するシステムを提供する。
本発明の実施形態は、本発明のシステムの要素にも関連する以下の処理工程によって説明することができる。
工程(i)は、たとえば、広葉樹、針葉樹、再生紙、古紙、森林刈り込み物、紙パルプ廃棄物、トウモロコシ茎葉、トウモロコシ繊維、麦わら、稲わら、サトウキビ絞りかす、またはスイッチグラスであってよい、リグノセルロース系バイオマスを提供する。リグノセルロース系バイオマスは、工程(i)の前に調整することができる。たとえば、微粉化、洗浄、含水率の調整、またはコンディショニングを、本発明の方法およびシステムに使用する前の原材料の一部またはすべてに対して行うことができる。
工程(ii)は、第1の溶媒をリグノセルロース系バイオマスと混ぜ合わせ、存在するセルロースおよびヘミセルロースの一部、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは実質的にすべてを溶解させる。
工程(iii)は、第2の溶媒を、工程(ii)で得られた物質と混ぜ合わせ、非晶質セルロースおよび溶解したヘミセルロースの一部、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは実質的にすべてを沈殿させ、リグニンの一部、好ましくは少なくとも50%、およびより好ましくは少なくとも75%を抽出する。
第1の溶媒は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルスルホキシド/フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物、N−メチルモルホリン−N−オキシド、一酸化カドミウム/エチレンジアミン(カドキセン)、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む。いくつかの好ましい実施形態においては、第1の溶媒はポリリン酸を含む。
第2の溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む。ある好ましい実施形態においては、第2の溶媒はアセトンを含む。
いくつかの実施形態においては、本発明は以下の工程を含む。
工程(iv)は、第3の溶媒(第2の溶媒と同じ場合も異なる場合もある)を工程(iii)で得られた物質と混ぜ合わせて、第1の溶媒およびリグニンを固体非晶質セルロースから洗浄し、続いて固相を黒液から分離する。いくつかの好ましい実施形態においては、この第3の溶媒は、下流の溶媒回収の複雑さを軽減するためにアセトンも含む。
工程(v)は、好ましくは水を含む第4の溶媒を、工程(iv)で得られた固相と混ぜ合わせて、第2および/または第3の溶媒ならびにヘミセルロース糖を固体非晶質セルロースから洗浄し、続いて固相を軽液から分離する。
いくつかの実施形態においては、本発明は、以下の工程をさらに含むが、これらは必ずしも順序通りに行う必要はない。
工程(vi)は、黒液を第1の溶媒、第2の溶媒、および/または第3の溶媒、リグニンリッチ液体、ならびに酢酸に分離する。好ましくは、第2および/または第3の溶媒を除去することによってリグニンの溶解性を低下させることでリグニンを沈殿させ、これによって次の工程(vii)の効率を増加させる。
工程(vii)は、工程(vi)中のリグニンリッチ液体から低分子量リグニンを回収する。
工程(viii)は、軽液を可溶性ヘミセルロース糖と、第2の溶媒、第3の溶媒、および第4の溶媒の1つ以上とに分離する。
工程(ix)は、工程(viii)を出たプロセス流から第1の溶媒をさらに回収する。回収した溶媒は、保存することもできるし、工程(ii)中に再循環することもできる。
種々の副次的工程は、溶媒をさらに精製または他の方法で処理した後、それらを本発明の方法またはシステムに戻して再循環することが望ましい場合がある。
本発明の方法においては、リグノセルロース系バイオマスがセルロース、ヘミセルロース糖、リグニン、および酢酸に分別される。「リグノセルロース系バイオマス」は、広葉樹、針葉樹、再生紙、古紙、森林刈り込み物、紙パルプ廃棄物、トウモロコシ茎葉、トウモロコシ繊維、麦わら、稲わら、サトウキビ絞りかす、スイッチグラス、および1種類以上のリグノセルロース系バイオマスの混合物などの多種多様の物質であってよい。当業者には、その他のセルロース含有原材料が存在し、それらを本発明の方法を実施することで分別可能であることが、理解されよう。
一般に、リグノセルロース系バイオマスは粒子形態であるが、粒度が重要であるとは見なされない。固体のリグノセルロース系バイオマスを好的に処理するために、微粉化を本発明の方法と共に行うことができる。
本明細書において使用される場合、「分別」は、少なくとも一部のセルロースをリグノセルロース系バイオマス原材料から除去することを意味する。「前処理」は、結晶性、ポリマーの重合度、表面積、ヘミセルロースおよび/またはリグニンに対する結合性、ならびに特定の溶媒に対する溶解性の変化などの何らかの方法で、リグノセルロース系バイオマスのセルロース相を調整することを意味する。
本明細書において使用される場合、「非晶質セルロース」は、セルロース分子のばらばらになった物理的状態であって、溶液中、および沈殿後で、天然セルロースに関連する高い規則性の結晶構造に戻る前の物理的状態を意味する。周知のように、このような非晶質状態にあるとき、セルロースは、天然状態の結晶よりもはるかに容易に加水分解する。
ある成分の「実質的にすべて」の出発物質からの分離は、出発物質中に残留するその成分の量が、標準的な分析技術の検出限界以下の濃度となる量であることを意味する。検出限界は、その成分および技術によって、1%以下となりうる。
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される成分の濃度、反応条件、分離条件などを表すすべての数字は、すべての場合に用語「約」で修正されるものと理解されたい。したがって、反対のことを意味するのでなければ、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、少なくとも個別の分析技術に依存して変動しうる近似値である。これらの数値はできる限り正確に報告している。しかしながら、あらゆる数値は、本来それぞれの試験測定において見出される標準偏差から得られるある種の誤差を必然的に含む。
本発明は、図1中のブロック流れ図を参照することによって理解することができ、この図はいくつかの実施形態を表しているが、請求される本発明の範囲を限定することを意図したものではない。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分詳細に説明され、本発明の意図及び範囲を逸脱することなく、開示される種々の実施形態に対する修正を行うことができ、その他の実施形態も利用可能であることを理解されたい。したがって以下の詳細な説明を限定するものと決して見なすべきではない。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載されるように、記載の工程すべてよりも少ない工程を含んでいる。また、工程(iv)〜(ix)は必ずしも順次的である必要はない。
工程(i)はリグノセルロース系バイオマスを提供する。
工程(ii)は、第1の溶媒をリグノセルロース系バイオマスと混ぜ合わせ、存在するセルロースおよびヘミセルロースの一部を溶解させる。後述するように、この溶媒は、セルロースおよびヘミセルロースを中程度に加水分解して小さな断片にするためにある程度触媒活性を有してもよい。
工程(iii)は、第2の溶媒を、工程(ii)で得られた物質と混ぜ合わせ、非晶質セルロースおよび溶解したヘミセルロースの一部を沈殿させ、リグニンの一部を抽出する。
工程(iv)は、第3の溶媒を工程(iii)で得られた物質と混ぜ合わせて、第1の溶媒および一部のリグニンを固体非晶質セルロースから洗浄し、続いて固相を黒液から分離する。
工程(v)は、第4の溶媒を、工程(iv)で得られた固相と混ぜ合わせて、第2および/または第3の溶媒ならびに一部のヘミセルロース糖を固体非晶質セルロースから洗浄し、続いて固相を軽液から分離する。
工程(vi)は、黒液を第1の溶媒、第2の溶媒、および/または第3の溶媒、リグニンリッチ液体、ならびに酢酸に分離する。好ましくは、第2および/または第3の溶媒を除去することによってリグニンの溶解性を低下させることでリグニンを沈殿させ、それによって次の工程(vii)の効率を増加させる。
工程(vii)は、工程(vi)中のリグニンリッチ液体から低分子量リグニンを回収する。
工程(viii)は、軽液を可溶性ヘミセルロース糖と、第2の溶媒、第3の溶媒、および第4の溶媒の1つ以上とに分離する。
工程(ix)は、工程(viii)からのプロセス流から第1の溶媒をさらに回収する。
以下の説明によって当業者は本発明を実施できるであろう。
図1にでは、リグノセルロース系バイオマスが工程(i)において提供される。バイオマス前処理または分別の当業者であれば、工程(ii)中の反応器の前に、リグノセルロース系バイオマス原材料に対して行うことができる多数の可能な準備手順が存在することを認識されるであろう。準備の例の一部としては、破砕、粉砕、裁断などによる微粉化;土および/または他の外来粒子を除去するための洗浄;固形分の含水率の調整;ならびに特定の保存条件に通すことなどのコンディショニングを含む。このような準備手順(およびその他)を使用することの望ましさは、リグノセルロース系バイオマスの種類および供給源、下流の設備の選択、ならびにある程度は所望の製品構成によって変動する。次の工程において経済的に最適となる処理条件は、原材料の準備方法に依存する場合があるが、本発明の方法による分別効率に対する原材料の準備の影響を理解するために過度の実験を行う必要はない。
工程(ii)〜(v)のいずれにおいても、反応器または分離器(「容器」)は、一般に、連続撹拌タンク、連続管型反応器、またはバッチ式タンクであってよい。固体および液体の物質をシステムに出し入れする手段(さらに工程(ii)の場合には、蒸気流のための手段)が存在するのであれば、あらゆる容器を使用できる。溶媒と固相との間の物質移動の制限を軽減し、相平衡に近づく速度を高めるために、容器の内容物が好ましくはある程度混合される。構成材料は、選択した溶媒および処理条件、ならびに個別の容器に望まれる適応性に基づいて選択される。本発明を実施するための処理条件は穏やかであるため、一般に、特殊な容器は不要である。
工程(ii)中、リグノセルロース系バイオマスおよび第1の溶媒が反応器に供給される。工程(ii)の第1の溶媒は、出発固相中に存在するセルロースの一部を溶解させるように選択される。「セルロース溶媒」は、セルロース−ヘミセルロース−リグニンマトリックスに浸透してセルロースを溶解させることができる液体を意味し、これはいくつかの機構によって起こりうる。可能性のある機構の1つは、たとえば、セルロースを膨潤させ、結晶セルロース分子に溶媒を到達させることに関連する。しかし、膨潤が必ずしも溶解につながるわけではなく、同様に、それ自体で膨潤が起こらなくても溶解が起こることもある。セルロース溶媒による「セルロースの溶解」は、2相系から1相系への転移を含み、それによってセルロースの本来の超分子が破壊される(Klemmら,1998)。溶解の他の機構は、溶媒とセルロース−ヘミセルロース−リグニンマトリックスとの間の可逆化学反応に関連する。少なくとも1つの成分がセルロース、ヘミセルロース、およびリグニンの間の結合を破壊することができる、および/またはセルロースおよび/またはヘミセルロースを小さな断片に穏やかに加水分解することができるように、溶媒が触媒活性を有することができる。ある実施形態においては、ヘミセルロースは、工程(ii)中に加水分解され、それによってヘミセルロースオリゴマーは水に対して良好な溶解性を有し、それによって、工程(v)が存在する場合にはその工程中の分離効率が上昇しやすくなる。非晶質セルロースおよびセルロースオリゴマーは、一般に水に対する溶解性が良好ではなく、そのため工程(v)中のセルロースとヘミセルロースとを(希望するなら)きれいに分離することができる。
好ましくは、第1の溶媒は、存在するセルロースの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える量を溶解させる。最も好ましくは、第1の溶媒は、存在する実質的にすべてのセルロースを溶解させる。ある実施形態においては、第1の溶媒は、存在するヘミセルロースの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える量も溶解させる。
セルロースの溶媒(「第1の溶媒」)は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルスルホキシド/フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物、N−メチルモルホリン−N−オキシド、一酸化カドミウム/エチレンジアミン(カドキセン)、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む。有効な濃度は、少なくとも選択した個別の溶媒によって変動する。
セルロースに特に有効な溶媒の1つはポリリン酸である。以下の考察は、本発明のいくつかの実施形態のセルロース溶媒(第1の溶媒)であるポリリン酸に関する特徴を説明するものである。ポリリン酸以外の酸含有溶媒に関する類似の特徴は、当業者には理解されるであろう。
「ポリリン酸」は、多数のリン酸ポリマーが溶液中に存在しうる濃リン酸を意味する。リン酸(オルトリン酸とも呼ばれる)は一般に、置換可能な3つの水素原子を有する三塩基酸HPOである。2つのリン酸分子が縮合して1分子になると、以下のようにピロリン酸(H)が得られる:
[化1]
2HPO→H+H
この処理を繰り返すことで、存在するリン酸の平均重合度を増加させることができる。ポリリン酸分子は、一列に結合したこのようなリン酸単位を多数有することができる。ポリリン酸の一般式はHO(POOH)Hであり、式中のxは分子中のリン酸単位の数である。あらゆる濃厚溶液が、重合度の分布を有する。ポリリン酸は、工程(ii)中のセルロースおよびヘミセルロースを加水分解に向かわせる触媒活性を付与し、個別の活性は重合度の関数となる。
リン酸単位が互いに結合して、メタリン酸分子を形成する環状構造となることができる。最も簡単なこのような構造はトリメタリン酸またはシクロトリリン酸Hである。
ポリリン酸繰り返し単位上の第3の−OH基を使用して他のリン酸基と縮合して、ポリリン酸鎖中の分岐を形成することもできる。すべての水が除去された二重に分岐した環状4リン酸単位は無水リン酸P10を形成し、これは実験的にPと書かれることが多い。Pは、溶媒回収作業中などにリン酸またはポリリン酸の溶液を燃焼(またはその他の酸化)させることによって生成される酸化リン化合物でもある。Pは形式上プロトン供与体ではないが、本発明の目的ではPは「ポリリン酸」に属するリン化合物と見なされる。
ポリリン酸は水溶性である。水溶液中で、水によってポリリン酸はより小さな単位に加水分解し、十分な水があれば最終的には単量体のリン酸(HPO)まで加水分解する。加水分解によって溶液が分子量の平衡分布に達する速度は、少なくとも温度およびpHに依存する。高温および低pHであれば加水分解が速くなりやすい。
ポリリン酸中、それらの中の多数のある程度酸性の−OH基が解離して、負に帯電した酸素部位となり、多価に帯電したポリリン酸陰イオンの多数の組み合わせを形成することができる。水溶液中、この解離の程度はpHに依存する。ポリリン酸は、1つ以上の反応可能な水素原子が1つ以上の他の陽イオンで置換されることによってポリホスフェートを形成することができる。次に、反応器中に存在する陽イオンに依存して、ポリリン酸の塩またはエステルが形成されうる。
周知のように、リグノセルロース系バイオマスは、陽イオンを溶液に与えることができる種々の塩および緩衝成分を含むことができる。工程(ii)中に生成されうるポリリン酸塩の一部の例は、リン酸カルシウムCa(PO、第一リン酸カルシウムCa(HPO、第二リン酸カルシウムCaHPO、第三リン酸カルシウムCa(PO、リン酸アンモニウム(NHHPO、ヘキサメタリン酸ナトリウムNa18、およびそれらのオリゴマーである。一般に、ポリリン酸塩の濃度は低く、それらの存在が工程(ii)や他の下流の操作の効率を必ずしも低下させるものではない。本発明の目的では、「ポリリン酸」は、同様に形成されうる種々のポリリン酸塩を含むことを意味している。
いかなる特別な理論によって限定しようとするものではないが、ポリリン酸に対するセルロースの溶解は、(1)セルロースのアルコール性ヒドロキシル基とポリリン酸との間のエステル化反応によるポリリン酸セルロースの形成、ならびに(2)セルロース鎖ヒドロキシル基間の水素結合の形成と、セルロース鎖の1つのヒドロキシル基と水分子または水素イオンとの水素結合の形成との競合の、2つの過程を伴う。ポリリン酸セルロースは、顕著な置換および再結晶が起こることなく、遊離のポリリン酸および非晶質セルロースに可逆的に戻る。ポリリン酸は、セルロースを低温で迅速に溶解させるが、その理由の一部は、ポリリン酸からの水素イオンの不均一セルロース相への拡散が速いことである。再生したセルロースは依然として非晶質であり、高い反応性を有する。
工程(iii)の第2の溶媒は主として、工程(ii)中に得られた混合物中に存在する非晶質セルロースの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える量が沈殿するように選択される。最も好ましくは、第2の溶媒によって、実質的にすべての非晶質セルロースが沈殿する。この沈殿は、溶解したセルロースの溶解性が低下し、それによって相分離が起こることによって生じると考えられ、非晶質セルロースを含有する固相は回収することができる。
ある実施形態においては、さらに第2の溶媒によって、工程(ii)中で得られた混合物中に存在する溶解したヘミセルロースの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える量が沈殿する。
ある実施形態においては、さらに第2の溶媒によって、混合物中に存在する一部のリグニンが溶解する。工程(iii)中の溶媒中にリグニンが溶解するとによって、高純度のセルロースおよびヘミセルロースが得られ、このことは下流でのグルコースおよびヘミセルロース糖への変換に好都合であると考えられ、後の工程(vii)中に回収可能なリグニン量が増加する。好ましくは、第2の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するリグニンの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える量が液相中に抽出される。最も好ましくは、出発物質中の全リグニンの75%以上が工程(iii)中に溶解する。
工程(iii)の第2の溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む。工程(iii)中、あらゆる数の異なる化学物質を順次加えることができるが、第2の溶媒はこれらの化学物質の少なくとも1つを含む。
工程(iii)に望ましい性質を有する他の溶媒が存在し、第2の溶媒の選択が工程(ii)中の第1の溶媒の選択の影響を受けることがあることを、当業者には理解されよう。工程(vi)および/または(viii)中に経済的に回収できるように、第2の溶媒は好ましくは揮発性である。しかし、セルロースおよびヘミセルロースを沈殿させリグニンを溶解させるのに有効であれば、第2の溶媒は特に揮発性である必要はない。
工程(iv)が存在する場合、そのための第3の溶媒は、第1の溶媒、第2の溶媒、およびリグニンを非晶質セルロースから洗浄する手段を提供するように選択される。周知のように、機械的な力(すべての溶媒の場合)および/または熱力学的駆動力(リグニンを溶解する溶媒の場合)によって、緩く結合したリグニンをセルロースから溶媒中に移動しやすくなるため、有効な脱リグニン(リグニン除去)は前処理後の洗浄工程中に行うことができる。第3の溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む。好ましい実施形態においては、第3の溶媒は第2の溶媒と同じであるが、同じである必要はない。たとえば、第3の溶媒が熱水を含むことで、主として、単純な濾過中に発生するような機械的な力によって、一部のリグニンを除去することができる。
工程(viii)が存在する場合、そのための第4の溶媒は、主としてヘミセルロース糖(モノマーおよび/またはオリゴマー)を可溶化させるために選択される。存在しうるヘミセルロース糖の例としては、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース、およびグルコース(ヘミセルロースは、多くの場合ある種のグルカンを含有し、これはセルロースの主成分である)が含まれる。第4の溶媒は、非晶質セルロースから他の残留溶媒も洗浄できるべきである。残留溶媒は、第1の溶媒、第2の溶媒、および第3の溶媒の1つ以上である。ヘミセルロース糖は一般に水溶性であるため、特に処理過程中の前の溶媒が水溶性である場合には、水溶液が好ましい第4の溶媒である。第4の溶媒は好ましくは、液体の水、スチーム、再循環水、処理凝縮物、発酵ブロス凝縮物、および二酸化炭素からなる群から選択される1種類以上の物質を含む。
周知のように、リグノセルロース系バイオマスの総量に対する処理全体で使用される溶媒の量はの経済性に大きな影響を与える。本発明においては、任意の工程に有効な溶媒濃度は、少なくともある程度は、溶媒の種類、温度、pH、滞留時間、および設備の構成に依存する。
「溶媒/固体比」は、存在する全溶媒を、特定の工程中に存在する固相の全質量で割った質量比を意味する。この工程が、液体溶媒が通過する固体の固定相などの連続分離を含む場合、ある滞留時間中に供給される溶媒の全質量を、それと同じ滞留時間中に処理される固体の全質量で割ることによって溶媒/固体比が計算される。
工程(ii)中、第1の溶媒の溶媒/固体比は、約10未満、好ましくは約5未満、より好ましくは約3未満、最も好ましくは約2である。
工程(iii)中、第2の溶媒の溶媒/固体比は、約50未満、好ましくは約20未満、より好ましくは約10未満、最も好ましくは約5未満である。
工程(iv)中、第3の溶媒の溶媒/固体比は、約50未満、好ましくは約20未満、より好ましくは約10未満、最も好ましくは約5未満である。
工程(viii)中、第4の溶媒の溶媒/固体比は、約100未満、好ましくは約50未満、より好ましくは約20未満、最も好ましくは約10未満である。
本発明の好ましい実施形態において、過酷な反応器温度は必要ではない。工程(ii)中の温度は周囲温度(約25℃)であってよいし、約20℃〜約80℃であってもよい。工程(ii)の好ましい温度は約50℃である。本発明の他のすべての工程の温度も約20℃〜約80℃であってよい。いずれの工程中も、温度が(意図的またはその他で)変化してもよい。任意の処理工程の具体的な温度は、重要であるとは見なされず、約20〜80℃の範囲外の作業が本発明の範囲外の実施形態を表すものと見なす必要はない。しかし周知のように、過剰な温度によって、糖オリゴマーの加水分解、可溶性糖のフルフラールまたはヒドロキシメチルフルフラール等への分解、ならびに糖、リグニン、および溶媒の間で複合体を形成する反応などの望ましくない副反応が起こることが多い。
pHは、通常対象となるもう1つの処理パラメータである。性能基準を(広範囲のpKa値で)多くの異なる溶媒に適応させることができるので、本発明のいずれの工程中のpHも何らかの特定範囲に限定されない。温度の影響以外に、液相のpHも、副反応の動力学に影響を与えるが、前述の教示のように低温であれば、pHに関する処理の適応性が得られる。ある実施形態においては、工程(ii)中のpHは約1〜約2の間であり、工程(iii)〜(v)中のpH値は約4〜約8の間である。他の実施形態においては、pH値は異なる値となる。
意図する機能が実現されるのであれば、種々の工程の滞留時間も重要とは見なされない。この場合も低い温度によって、反応器(または分離器)の滞留時間の厳密な制御の必要性が低下する。説明のため、および本発明を十分に実現可能とすることを目的として、いくつかの実施形態においては、個別の工程(ii)〜(v)の滞留時間は、約5分〜約4時間の間であり、好ましくは約30分間であり、あくまでも好都合となるように選択される。
最も好ましくは、成分がほぼ均一に分布し、相平衡が実現されることで、分離/洗浄が最も効率的となる様な必要な長さの時間に各工程が最適化される。全体の工場の能力の観点からより長い時間は無駄となるが、一般にそれによってバイオマス分別の有効性が限定されるものではない。処理産業において理解されているように、種々の単位作業の滞留時間またはバッチ時間に関する融通性は、処理の混乱を緩和するために重要であり、それによって最終的には堅牢な製造工場が得られる。
本発明の種々の工程の圧力も自由度が高い。便宜上、すべての圧力が約1barとなるように選択される。圧力が低すぎると、溶媒の損失が生じることがあるのに対し、通常、高圧ではより高価な設備が要求される。好ましくは、圧力は、本発明の方法全体で約0.1bar〜約2barとなるように選択される。揮発性である特定の溶媒の場合、および高温(すなわち80℃付近)の場合には、より高い圧力が必要となりうる。最も好ましくは、すべての工程が大気圧またはその付近で行われる。
反応性の高い非晶質セルロースを製造可能となる上記特性以外に、経済的に実行可能なリグノセルロース系バイオマス分別方法では、その溶媒を再循環する必要があり、使用可能なヘミセルロース糖およびリグニンを回収する必要がある。工程(vi)〜(ix)では、溶媒、ヘミセルロース糖、酢酸、およびリグニンの回収が意図される。
工程(vi)中、工程(iv)で得られた黒液が、蒸留、一段階蒸発(フラッシュ)、多重効用式蒸発、熱圧縮、およびベンチュリ洗浄からなる群から選択される分離ユニット操作に供給される。好ましい実施形態においては、蒸留カラムが使用され、このカラムには、実質的に純粋な第2の溶媒(または第2の溶媒と第3の溶媒が異なる場合にはそれらの組み合わせ)を抜き取ることができるような十分な段数が設けられる。第2の溶媒がアセトンなどの低沸点溶媒である場合には、好ましくはカラムの上部付近から抜き取りが行われる。こうして回収された第2の溶媒は、続いてタンクに保管することもできるし、その溶媒を必要とする工程において処理に戻して再循環することもできる。
さらに、第1の溶媒、または第1の溶媒を含有する流れを、工程(vi)中の分離器から直接抜き取ることができる。工程(vi)が蒸留カラムを含み、第1の溶媒がポリリン酸である好ましい実施形態においては、物質流をカラムの底部付近から抜き取ることができる。この流れは、工程(ii)に直接戻して再循環することができるが、好ましくは、加熱炉または他の酸化に送られ、それを出た流れはHO(スチーム)、CO、およびPを含む。
この方法におけるポリリン酸の回収によって、種々の実施形態において実現可能ないくつかの利点が得られる。第1に、酸化工程によって第1の溶媒が顕著に精製され、高収率が実現可能となる。第2に、工程(ii)での再循環の前、平均分子量の調節、したがってポリリン酸溶媒の性質の調節の前に、P対スチーム比を調節できる。第3に、回収され再循環されるPはバイオマス原材料中の水と反応してポリリン酸を生成するので、工程(i)から入ってくるバイオマスの含水率に基づいてP濃度を調節できる。第4に、この回収工程で得られたスチームの含まれるエネルギーが、反応器の内容物の加熱することが望ましい場合に工程(ii)に戻される。第5に、液体のポリリン酸ではなく水およびPの蒸気流としての再循環される第1の溶媒の供給は、溶媒から固相への物質移動が速くなるため好都合である。最後に、P/HOが工程(ii)に再循環されることに加えて、COも工程(v)中の洗浄操作に再循環できるため、酸化による回収ですべての化学物質を完全に利用することができる。
また工程(vi)において、分離ユニットから酢酸が回収される。蒸留を使用する実施形態においては、そのカラムから酢酸を直接抜き取ることができる。酢酸の希望する用途に依存するが、工程(vi)以外にさらなる生成が必要となる場合もある。
工程(vi)におけるリグニンに対する1種類以上の溶媒の除去により、リグニンの溶解性が低下し、それによってリグニンが沈殿する。沈殿したリグニンを含む液体は、工程(vi)中に分離器から抜き取ることができ、蒸留器の場合にはカラム底部付近から通常は抜き取られる。リグニンリッチ液体は(エネルギー発生などに)直接使用することができる。あるいは、工程(vii)中の固液分離操作に供給することもでき、そこで液体が取り出されて工程(vi)に戻され、固形分は低分子量リグニンを含む。この固液分離器は好ましくは遠心機であるが、濾過装置、静電分離器、吸着カラム、または吸収カラム、あるいは液体を固体から分離するあらゆる他の手段であってもよい。希望するなら上記低分子量物質をさらに乾燥させることができる。
工程(viii)において、工程(v)で得られた軽液が、蒸留、一段階蒸発(フラッシュ)、多重効用式蒸発、熱圧縮、およびベンチュリ洗浄からなる群から選択される分離ユニット操作に供給される。いくつかの実施形態においては、工程(viii)の分離器はフラッシュタンクであり、その中の蒸気は回収された溶媒を含み、液体は可溶性ヘミセルロース糖を含む。別の実施形態においては、蒸留カラムが使用され、このようなカラムは、少なくとも1つの溶媒を(溶媒の1つがアセトンなどの低沸点溶媒である場合にはカラムの上部付近から)抜き取ることができるように十分な段数が設けられる。このカラムは、数種類の異なる溶媒を抜き取るように設計することもできる。これらの回収された溶媒、タンクに保管することもできるし、これらの個別の溶媒を必要とする工程において処理に戻して再循環することもできる。
工程(viii)で得られた可溶性ヘミセルロース糖は、エタノールを生成するための発酵槽への供給など直接使用することもできるし、タンク中または他の手段によって保管することもできるし、他の目的で使用することもできる。第1の溶媒を含む液体流は、工程(viii)の分離器から抜き取り、工程(ix)中の固液分離ユニットに供給し、そこで液体を取り出して工程(viii)に戻され、固形分は第1の溶媒を含む。この固液分離器は好ましくは遠心機であるが、濾過装置、または液体を固体から分離するあらゆる他の手段であってもよい。この第1の溶媒は、工程(vi)から回収された第1の溶媒と混合することもできるし、他の方法で回収および再循環することもできる。
本明細書で説明した容器に特有のいくつかのパラメータは、本発明の境界および範囲を画定するのに重要とはならないが、当業者には周知のように、バイオマスの経済的な分別方法を得るために、これらのパラメータのある種の好ましい組み合わせが存在する。別個の工程の条件の最適化は、処理全体を最適化することによって最良となるが、このためには、処理のモデル化およびシミュレーション、選択した原材料に対する種々の条件の試験、特定の場所に特有の基準の影響の理解などを伴う場合がある。
本発明の方法を実施することによって、リグノセルロース系バイオマスを、非晶質セルロース、ヘミセルロース糖、リグニン、および酢酸に分別することができる。好ましい実施形態においては、生成物の収率は高い。「収率」は、回収された特定の生成物の質量を、最初のリグノセルロース系バイオマス(セルロースおよびヘミセルロースの加水分解に加わる水を考慮する)中に存在する量に基づいた理論的最大値で割ったものである。本明細書において使用される場合、「正味の収率」は、生成物の質量を出発原材料の質量で割ることによって計算される。このような数値を求めるためには、最初の原材料中の対象成分の質量分率を収率に乗ずることだけでよい。たとえば、リグニンが30重量%の出発原材料から50%の収率でリグニンが得られる場合、正味の収率は15%となる(たとえば、バイオマス原材料1トン当たり150kgのリグニン)。
ある実施形態においては、非晶質セルロースの収率は、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える値となる。ある実施形態においては、非晶質セルロースをさらに加水分解してグルコースを得ることができ、そのグルコースの収率は、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える値となる。ある実施形態においては、ヘミセルロース糖の収率は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える値となる。ある実施形態においては、リグニンの収率は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える値となる。ある実施形態においては、酢酸の収率は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれを超える値となる。
本発明のある実施形態は、リグノセルロース系バイオマスをセルロース、ヘミセルロース糖、リグニン、および酢酸に分別するための特定の工程を含む方法またはシステムの使用に関する。分別方法またはシステムの使用は以下の要素を含む:
(i)リグノセルロース系バイオマスの使用。
(ii)リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースおよびヘミセルロースの一部を溶解させる、第1の溶媒の使用。
(iii)要素(ii)で得られた非晶質セルロースおよび溶解したヘミセルロースの一部を沈殿させ、リグニンの一部を抽出する、第2の溶媒の使用。
(iv)第1の溶媒および一部のリグニンを固体非晶質セルロースから洗浄するための第3の溶媒の使用。
(v)第2および/または第3の溶媒、ならびに一部のヘミセルロース糖を固体非晶質セルロースから洗浄するための第4の溶媒の使用。
(vi)第1の溶媒、第2の溶媒、および/または第3の溶媒、リグニンリッチ液体、ならびに酢酸に分離する手段の使用。
(vii)要素(vi)中のリグニンリッチ液体から低分子量リグニンを回収する手段の使用。
(viii)軽液を可溶性ヘミセルロース糖、ならびに第2の溶媒、第3の溶媒、および第4の溶媒の1つ以上に分離する手段の使用。
(ix)要素(viii)から出た処理またはシステムの流れから第1の溶媒を回収する手段の使用。
本発明のいくつかの実施形態は、溶媒の組み合わせであって、第1の溶媒が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルスルホキシド/フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物、N−メチルモルホリン−N−オキシド、および一酸化カドミウム/エチレンジアミン(カドキセン)からなる群から選択され、第2の溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される、溶媒の組み合わせの使用に関する。
本発明のいくつかの実施形態は、分別および回収した生成物の非晶質セルロース、ヘミセルロース糖、リグニン、および酢酸の使用をさらに含む。これら4種類の生成物は、本発明の種々の実施形態において少なくとも以下の方法で使用することができる。
得られた非晶質セルロースは、反応性が高く、セルロース酵素または硫酸などの酸のいずれかを使用して、グルコースモノマーに容易に変換または糖化することができる。次に、このグルコースを発酵させることで、エタノール、アセトン、有機酸、パン酵母、または発酵のために選択された微生物の細胞代謝のあらゆる他の産物などの多種多様な工業製品を得ることができる。当該技術分野において周知のように、非晶質セルロースは、上記の酵素または酸によるグルコースへの糖化を行わずに、微生物によって直接発酵させて生成物を得ることもできる。
同様に、ヘミセルロース糖も発酵させることができる。ヘミセルロース糖の特徴は、個別の原材料の種類によって変動する。たとえば、原材料が広葉樹チップまたはトウモロコシ茎葉である場合、主なヘミセルロース糖はキシロースである。ヘミセルロース糖も発酵させることで、エタノール、アセトン、有機酸、パン酵母、または発酵のために選択された微生物の細胞代謝のあらゆる他の産物を得ることができる。ヘミセルロース糖を、非晶質セルロースからグルコースと混ぜ合わせ、ともに発酵させたり、別々に発酵させたりすることができる。ヘミセルロース糖から製造可能な他の商業製品としては、動物用の飼料添加物、甘味料として使用可能なキシリトール、ならびに溶媒およびナイロン6およびナイロン6,6などの多くの用途を有するフルフラールが含まれる。
得られるリグニンは、高品質であり比較的純粋な低分子量リグニンであり、硫黄を含まない。リグニンを燃焼させてエネルギーを発生させることができる。可能性のある他のリグニンの用途としては、炭素繊維の製造、アスファルトの製造、およびバイオポリマーの成分としての用途を含む。本発明の種々の実施形態によって製造されるリグニンには多数の可能性のある用途が存在することは、バイオマス分野の当業者には理解されよう。
回収された酢酸は、販売することもできるし、さらに精製することもできる。酢酸は、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、およびポリ酢酸ビニルの製造に使用される重要な工業化学物質の1つである。希酢酸は、スケール除去剤として使用されることが多く、食品産業においては、酢酸は酸性調整剤として使用される。酢酸には大きな世界的需要があり、リグノセルロース系バイオマス中に含まれるアセチル基から価値を得る能力が、本発明の方法を使用したバイオリファイニングの経済的な実行可能性に寄与すると期待される。
本発明の実施形態は、以下の態様を参照することでさらに理解できるであろう。「態様」は、本発明の処理過程、本発明の方法、本発明のシステム、本発明の組成物、本発明の使用、および/または本発明のための使用を意味する。
態様1:リグノセルロース系バイオマスの分別方法であって、
(i)リグノセルロース系バイオマスを提供する工程と、
(ii)第1の溶媒を提供して、リグノセルロース系バイオマスと混ぜ合わせる工程であって、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの少なくとも一部を溶解させる工程と、
(iii)第2の溶媒を提供して、工程(ii)で得られた物質と混ぜ合わせる工程であって、工程(ii)中の第1の溶媒によって溶解したセルロースの少なくとも一部を液相から沈殿させる工程と、を含む、方法。
態様2:工程(iii)中に沈殿したセルロースが、工程(i)で得られたセルロースと比較して結晶化度が低下している、態様1に記載の方法。
態様3:工程(iii)で沈殿したセルロースの少なくとも90%が非晶質である、態様2に記載の方法。
態様4:第2の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するリグニンの少なくとも50%が液相中に抽出される、態様1に記載の方法。
態様5:第2の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するリグニンの少なくとも75%が液相中に抽出される、態様1に記載の方法。
態様6:工程(ii)中、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの少なくとも50%が溶解する、態様1に記載の方法。
態様7:工程(ii)中、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの少なくとも90%が溶解する、態様1に記載の方法。
態様8:工程(ii)中、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの実質的にすべてが溶解する、態様1に記載の方法。
態様9:工程(ii)中、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するヘミセルロースの少なくとも50%が溶解する、態様1に記載の方法。
態様10:工程(ii)中、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するヘミセルロースの少なくとも90%が溶解する、態様1に記載の方法。
態様11:工程(ii)中、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するヘミセルロースの実質的にすべてが溶解する、態様1に記載の方法。
態様12:工程(ii)中、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するヘミセルロースの少なくとも90%が溶解し、リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの少なくとも90%が溶解する、態様1に記載の方法。
態様13:工程(iii)中、第2の溶媒によって、溶解したセルロースの少なくとも50%が沈殿する、態様1に記載の方法。
態様14:工程(iii)中、第2の溶媒によって、溶解したセルロースの少なくとも90%が沈殿する、態様1に記載の方法。
態様15:工程(iii)中、第2の溶媒によって、溶解したセルロースの実質的にすべてが沈殿する、態様1に記載の方法。
態様16:工程(iii)中、第2の溶媒によって、溶解したヘミセルロースの少なくとも50%が沈殿する、態様1に記載の方法。
態様17:工程(iii)中、第2の溶媒によって、溶解したヘミセルロースの少なくとも90%が沈殿する、態様1に記載の方法。
態様18:工程(iii)中、第2の溶媒によって、溶解したヘミセルロースの実質的にすべてが沈殿する、態様1に記載の方法。
態様19:工程(iii)中、第2の溶媒によって、溶解したセルロースの少なくとも90%が沈殿し、溶解したヘミセルロースの少なくとも90%が沈殿する、態様1に記載の方法。
態様20:工程(iii)中、第2の溶媒によって、溶解したセルロースの少なくとも90%が沈殿し、溶解したヘミセルロースの少なくとも90%が沈殿し、リグノセルロース系バイオマス中に存在するリグニンの少なくとも75%が液相中に抽出される、態様1に記載の方法。
態様21。工程(iii)中に液相から沈殿したセルロースをグルコースモノマーおよび/またはオリゴマーに変換する工程をさらに含む、態様1に記載の方法。
態様22:セルロースをグルコースに変換する工程が酵素反応を含む、態様21に記載の方法。
態様23:セルロースをグルコースに変換する工程が酸加水分解を含む、態様21に記載の方法。
態様24:溶媒の少なくとも1つを回収し再循環して工程(ii)および/または(iii)に戻す工程をさらに含む、態様1に記載の方法。
態様25:工程(ii)および(iii)が約20℃〜約80℃の1つ以上の温度で実施される、態様1に記載の方法。
態様26:工程(ii)および(iii)が約0.1bar〜約2barの1つ以上の圧力で実施される、態様1に記載の方法。
態様27:工程(ii)および(iii)の滞留時間が、それぞれ約5分〜約4時間である、態様1に記載の方法。
態様28:工程(ii)および(iii)の一方または両方が連続的、半連続的、または疑似連続的に実施される、態様1に記載の方法。
態様29:工程(ii)および(iii)の一方または両方がバッチ式で実施される、態様1に記載の方法。
態様30:工程(ii)中の第1の溶媒が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルスルホキシド/フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物、N−メチルモルホリン−N−オキシド、一酸化カドミウム/エチレンジアミン(カドキセン)、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む、態様1に記載の方法。
態様31:工程(iii)中の第2の溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む、態様1に記載の方法。
態様32:少なくとも2種類の化学物質が工程(iii)中に順次加えられ、それらの化学物質が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される、態様31に記載の方法。
態様33:工程(ii)中の第1の溶媒がポリリン酸を含む、態様30に記載の方法。
態様34:工程(iii)中の第2の溶媒がアセトンを含む、態様31に記載の方法。
態様35:工程(iii)中の第2の溶媒が水を含む、態様31に記載の方法。
態様36:第2の溶媒がアセトンおよび水を含む、態様32に記載の方法。
態様37:工程(ii)の溶媒/固体比が約5未満である、態様30または33に記載の方法。
態様38:工程(ii)の溶媒/固体比が約3未満である、態様37に記載の方法。
態様39:工程(ii)の溶媒/固体比が約2未満である、態様37に記載の方法。
態様40:リグノセルロース系バイオマスの分別方法であって、
(i)リグノセルロース系バイオマスを提供する工程と、
(ii)第1の溶媒を提供して、リグノセルロース系バイオマスと混ぜ合わせる工程であって、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの少なくとも一部を溶解させる工程と、
(iii)第2の溶媒を提供して、工程(ii)で得られた物質と混ぜ合わせる工程であって、工程(ii)中の第1の溶媒によって溶解したセルロースの少なくとも一部を液相から沈殿させる工程と、
(iv)第3の溶媒を提供して、工程(iii)で得られた物質と混ぜ合わせ、続いて実質的な固相および黒液に分離する工程と、
(v)第4の溶媒を提供し、工程(iv)で得られた実質的な固相と混ぜ合わせ、続いて固相および軽液に分離する工程と、を含む、方法。
態様41:工程(ii)中の第1の溶媒が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルスルホキシド/フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物、N−メチルモルホリン−N−オキシド、一酸化カドミウム/エチレンジアミン(カドキセン)、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む、態様40に記載の方法。
態様42:工程(iii)中の第2の溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む、態様40に記載の方法。
態様43:工程(iv)中の第3の溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む、態様40に記載の方法。
態様44:工程(v)からの第4の溶媒が、液体の水、スチーム、再循環水、処理凝縮物、発酵ブロス凝縮物、および二酸化炭素からなる群から選択される1種類以上の物質を含む、態様40に記載の方法。
態様45:工程(iv)中に得られた黒液に対して、蒸留、一段階蒸発(フラッシュ)、多重効用式蒸発、熱圧縮、およびベンチュリ洗浄からなる群から選択される気液分離操作を行う工程(vi)をさらに含む、態様40に記載の方法。
態様46。工程(vi)が蒸留を含む、態様45に記載の方法。
態様47:酢酸が回収される、態様45または46に記載の方法。
態様48:第1の溶媒、第2の溶媒、第3の溶媒、および第4の溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒を回収する工程をさらに含む、態様45または46に記載の方法。
態様49:回収された溶媒の少なくとも1つを工程(ii)〜(v)の1つ以上に再循環する工程をさらに含む、態様48に記載の方法。
態様50:回収された溶媒の少なくとも1つがポリリン酸である、態様45または46に記載の方法。
態様51:回収された溶媒の少なくとも1つがアセトンである、態様45または46に記載の方法。
態様52:ポリリン酸およびアセトンの両方が回収される、態様45または46に記載の方法。
態様53:遠心機、濾過装置、静電分離器、吸着カラム、および吸収カラムからなる群から選択される固液分離操作である工程(vii)をさらに含む、態様45に記載の方法。
態様54:工程(vii)が遠心機を含む、態様53に記載の方法。
態様55:リグニンが回収される、態様53または54に記載の方法。
態様56:工程(v)中に得られた軽液に対して、蒸留、一段階蒸発(フラッシュ)、多重効用式蒸発、熱圧縮、およびベンチュリ洗浄からなる群から選択される気液分離操作を行う工程(viii)をさらに含む、態様40に記載の方法。
態様57:工程(viii)がフラッシュタンクを含む、態様56に記載の方法。
態様58:ヘミセルロース糖が回収される、態様56または57に記載の方法。
態様59:異なる工程中に使用された少なくとも1つの溶媒を回収する工程をさらに含む、態様56または57に記載の方法。
態様60:回収された溶媒の少なくとも1つを工程(iii)〜(v)の1つ以上に再循環する工程をさらに含む、態様59に記載の方法。
態様61:回収された溶媒の少なくとも1つがアセトンである、態様59または60に記載の方法。
態様62:遠心機、濾過装置、静電分離器、吸着カラム、および吸収カラムからなる群から選択される固液分離操作である工程(ix)をさらに含む、態様56に記載の方法。
態様63:工程(ix)が遠心機を含む、態様62に記載の方法。
態様64:第1の溶媒を回収する工程をさらに含む、態様62または63に記載の方法。
態様65:第1の溶媒を工程(ii)に再循環する工程をさらに含む、態様64に記載の方法。
態様66:工程(ii)〜(v)のそれぞれが約20℃〜約80℃の1つ以上の温度で実施される、態様40に記載の方法。
態様67:工程(ii)〜(v)のそれぞれが約0.1bar〜約2barの1つ以上の圧力で実施される、態様40に記載の方法。
態様68:工程(ii)〜(v)の滞留時間がそれぞれ約5分〜約4時間である、態様40に記載の方法。
態様69:工程(ii)〜(v)のそれぞれが連続的、半連続的、または疑似連続的に実施される、態様40に記載の方法。
態様70:工程(ii)〜(v)のそれぞれがバッチ式で実施される、態様40に記載の方法。
態様71:工程(ii)中の第1の溶媒がポリリン酸を含む、態様41に記載の方法。
態様72:工程(iii)中の第2の溶媒がアセトンを含む、態様42に記載の方法。
態様73:工程(iii)中の第2の溶媒が水を含む、態様42に記載の方法。
態様74:工程(ii)の溶媒/固体比が約5未満である、態様41または71に記載の方法。
態様75:工程(ii)の溶媒/固体比が約3未満である、態様41または71に記載の方法。
態様76:工程(ii)の溶媒/固体比が約2未満である、態様41または71に記載の方法。
態様77:工程(iii)中に液相から沈殿したセルロースをグルコースモノマーおよび/またはオリゴマーに変換する工程をさらに含む、態様40に記載の方法。
態様78:セルロースをグルコースに変換する工程が酵素反応を含む、態様77に記載の方法。
態様79:セルロースをグルコースに変換する工程が酸加水分解を含む、態様77に記載の方法。
態様80:グルコースの一部を発酵させる工程をさらに含む、態様21〜23および77〜79のいずれか1つに記載の方法。
態様81:発酵産物の1つがエタノールである、態様80に記載の方法。
態様82:発酵産物の1つがアセトンである、態様80に記載の方法。
態様83:非晶質セルロースの一部を直接発酵させる工程をさらに含む、態様1または40に記載の方法。
態様84:発酵産物の1つがエタノールである、態様83に記載の方法。
態様85:発酵産物の1つがアセトンである、態様83に記載の方法。
態様86:工程(i)中のリグノセルロース系バイオマスが、広葉樹、針葉樹、再生紙、古紙、森林刈り込み物、紙パルプ廃棄物、トウモロコシ茎葉、トウモロコシ繊維、麦わら、稲わら、サトウキビ絞りかす、スイッチグラス、およびそれらの混合物からなる群から選択される、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
態様87:工程(i)が、微粉化、洗浄、含水率の調整、およびコンディショニングからなる群から選択される1種類以上の原材料の調整を含む、態様86に記載の方法。
態様88:リグノセルロース系バイオマスの分別方法であって、
(i)リグノセルロース系バイオマスを提供する工程と、
(ii)ポリリン酸を提供して、リグノセルロース系バイオマスと混ぜ合わせる工程であって、ポリリン酸によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの少なくとも90%を溶解させる工程と、
(iii)アセトンを提供し、工程(ii)で得られた物質と混ぜ合わせる工程であって、工程(ii)中のポリリン酸によって溶解したセルロースの少なくとも90%を液相から沈殿させる工程と、
(iv)アセトンを提供して、工程(iii)で得られた物質と混ぜ合わせ、続いて実質的な固相および黒液に分離する工程と、
(v)水を提供して、工程(iv)で得られた実質的な固相と混ぜ合わせ、続いて固相および軽液に分離する工程とを含む、方法。
態様89:黒液を分離してポリリン酸を回収する工程をさらに含む、態様88に記載の方法。
態様90:ポリリン酸を回収する工程が、プロセス流を燃焼させ、Pおよびスチームを工程(ii)に戻して再循環する工程を含む、態様89に記載の方法。
態様91:黒液、軽液、またはその両方からアセトンを回収する工程をさらに含む、態様88に記載の方法。
態様92:グルコースの収率が少なくとも80%となる、態様1〜91のいずれか1つに記載の方法。
態様93:グルコースの収率が少なくとも90%となる、態様92に記載の方法。
態様94:グルコースの収率が少なくとも95%となる、態様92に記載の方法。
態様95:ヘミセルロース糖の収率が少なくとも70%となる、態様1〜91のいずれか1つに記載の方法。
態様96:ヘミセルロース糖の収率が少なくとも80%となる、態様95に記載の方法。
態様97:ヘミセルロース糖の収率が少なくとも85%となる、態様95に記載の方法。
態様98:リグニンの収率が少なくとも50%となる、態様1〜91のいずれか1つに記載の方法。
態様99:リグニンの収率が少なくとも75%となる、態様98に記載の方法。
態様100:酢酸の収率が少なくとも80%となる、態様1〜91のいずれか1つに記載の方法。
態様101:酢酸の収率が少なくとも90%となる、態様100に記載の方法。
態様102:同時に、グルコースの収率が少なくとも90%となり、ヘミセルロース糖の収率が少なくとも80%となり、リグニンの収率が少なくとも50%となり、酢酸の収率が少なくとも80%となる、態様1〜91のいずれか1つに記載の方法。
態様103:同時に、グルコースの収率が少なくとも95%となり、ヘミセルロース糖の収率が少なくとも90%となり、リグニンの収率が少なくとも75%となり、酢酸の収率が少なくとも90%となる、態様1〜91のいずれか1つに記載の方法。
態様104:リグノセルロース系バイオマスを分別するための溶媒の組み合わせであって:塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルスルホキシド/フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物、N−メチルモルホリン−N−オキシド、および一酸化カドミウム/エチレンジアミン(カドキセン)からなる群から選択される第1の溶媒と、
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される第2の溶媒と、
を含む、溶媒の組み合わせ。
態様105:第1の溶媒がポリリン酸を含む、態様104に記載の溶媒の組み合わせ。
態様106:第2の溶媒がアセトンを含む、態様104に記載の溶媒の組み合わせ。
態様107:第1の溶媒がポリリン酸を含み、第2の溶媒がアセトンを含む、態様104に記載の溶媒の組み合わせ。
態様108:第1の溶媒が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルスルホキシド/フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物、N−メチルモルホリン−N−オキシド、および一酸化カドミウム/エチレンジアミン(カドキセン)からなる群から選択される少なくとも2種類の化学物質を含む、態様104〜107のいずれか1つに記載の溶媒の組み合わせ。
態様109:第1の溶媒に選択される化学物質の1つが二酸化硫黄である、態様108に記載の溶媒の組み合わせ。
態様110:第1の溶媒がポリリン酸および二酸化硫黄を含む、態様30または41に記載の方法。
態様111:グルコースに加水分解したり、直接発酵させたりすることが可能な、態様1〜103のいずれか1つに記載の方法によって製造された非晶質セルロース。
態様112:リグノセルロース系バイオマスを分別するためのシステムであって、
(a)第1の溶媒および第2の溶媒を別々に収容する手段と、
(b)第1の溶媒をリグノセルロース系バイオマスと混ぜ合わせ、第1の溶媒によって、リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの少なくとも90%を溶解させる反応容器と、
(c)第2の溶媒を、容器(b)で得られた物質と混ぜ合わせ、容器(b)中の第1の溶媒によって溶解したセルロースの少なくとも90%を液相から沈殿させる沈殿容器と、
(d)沈殿した非晶質セルロースを回収する手段と、
を含む、システム。
態様113:容器(b)中の第1の溶媒が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルスルホキシド/フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物、N−メチルモルホリン−N−オキシド、一酸化カドミウム/エチレンジアミン(カドキセン)、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む、態様112に記載のシステム。
態様114:容器(c)中の第2の溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む、態様112に記載のシステム。
態様115:(e)第1の溶媒、第2の溶媒、またはその両方を回収する手段をさらに含む、態様112〜114のいずれか1つに記載のシステム。
態様116:第1の溶媒がポリリン酸を含み、第2の溶媒がアセトンを含む、態様115に記載のシステム。
態様117:(f)ヘミセルロース糖、酢酸、またはリグニンを回収する手段をさらに含む、態様112または115に記載のシステム。
これより本発明の好ましい一実施形態を例示する以下の実施例において本発明をさらに説明するが、この実施例が本発明を限定するものとは決して見なすべきではない。
図2は、本発明の方法によりトウモロコシ茎葉を非晶質セルロース、ヘミセルロース糖、リグニン、および酢酸に連続的に分別する本発明の実施例の簡略化された処理過程の流れ図を示している。第1の溶媒は、ポリリン酸(図中の「ポリ(HPO)」)であり、第2および第3の溶媒はアセトンであり、第4の溶媒は水である。
トウモロコシ茎葉(水分約50重量%)を前処理反応器(「消化槽」)中に再循環されるポリリン酸とともに供給し、このポリリン酸は約86重量%のHPO(当量)で消化槽中に存在する。消化槽中の溶媒対固体比は約5である。この混合物を、大気圧下約50℃で約30分間(滞留時間)反応させる。濃酸と水との混合は弱い発熱反応であるため、この工程中の入熱は不要である。ポリリン酸はリグニン、ヘミセルロース、およびセルロースの間の結合を破壊するだけでなく、基本セルロースフィブリルおよびヘミセルロースを溶解させる。大型の多糖を小さな断片にする小規模の加水分解が起こる。
「沈殿タンク」中に、アセトンを加えることで、溶解セルロースおよびヘミセルロースが不溶性非晶質形態で沈殿し、溶媒可溶性リグニンが抽出される。この沈殿タンク中の溶媒/固体比は約10である。沈殿タンク中の温度および圧力はほぼ周囲条件であり、滞留時間は約1時間である。
図2の単位操作「洗浄機1」(タンク)中には、存在するポリリン酸の99%を超える量、および溶媒可溶性リグニンを固形分から除去するために、より多くのアセトンが供給される。洗浄機1を出た液相は「黒液」と呼ばれ、ポリリン酸、アセトン、酢酸、および溶解したリグニンを含む。洗浄機1中の温度および圧力はほぼ周囲条件であり、滞留時間は約30分間である。
「洗浄機2」(タンク)中には、残留アセトン、残留ポリリン酸、および水溶性(低分子量)ヘミセルロースオリゴ糖を固体非晶質セルロースから洗浄するために水が供給される。洗浄機2を出た液体流は「軽液」と呼ばれ、水、アセトン、可溶性ヘミセルロース糖、および微量のポリリン酸を含む。固相は、主として再生した非晶質セルロースを含む。洗浄機2の温度および圧力はほぼ周囲条件であり、滞留時間は約30分間である。
この実施例の溶媒回収システムは、「蒸留器」(蒸留カラム)、「フラッシュタンク」、「加熱炉」、「遠心機1」、および「遠心機2」を含む。
蒸留器中では、ポリリン酸、アセトン、溶媒可溶性リグニン、および酢酸を含む黒液の分離とともに、ポリリン酸の再生およびリグニンの遠心分離が行われる。アセトンおよび酢酸は、蒸留後に容易に分離され、続いて凝縮される。アセトンが除去されると、酸性水に対する溶解性が低いため、溶解していたリグニンが沈殿する。沈殿したリグニンは遠心分離によって分離され、乾燥される。蒸留器の底部中では、トウモロコシ茎葉からの少量の糖および抽出物を含む濃ポリリン酸が、底部残留物を加熱炉に供給することで再生される。この底部残留物は、完全に燃焼するとPを含有する混合物が得られ、これが消化槽に再循環されて濃ポリリン酸を形成する。ポリリン酸の全体的な処理過程での回収率は高いため、新しいポリリン酸を消化槽に加える必要はほとんどまたは全くない(長時間の連続操作の場合には、少量のポリリン酸の補給が必要となる場合もある)。
フラッシュタンク中では、アセトン、水、一部のポリリン酸、および可溶性ヘミセルロース糖を含む軽液が、フラッシングおよび遠心分離によって分離された後、再生が行われる。弱酸性液体を中和し、Ca(POの沈殿を発生させるために少量のCaCOが加えられる。過不足のないCaCOが加えられると、約99%のPO 3−が固相中に存在する。Ca(POは遠心分離(遠心機2)によって分離され、続いて、リン酸産業において周知のように濃硫酸を加えることによってポリリン酸が再生される。アセトンは、フラッシングによって貯蔵タンクに再循環され、次にその蒸気を凝縮させる。フラッシュタンク底部から得られる液相は、pHが中性であり、水溶性ヘミセルロース糖を含む。
走査型電子顕微鏡検査によって、非晶質セルロース生成物中に繊維状セルロースが本質的に残存しないことが分かる。さらに、この非晶質セルロースはセルロース酵素とともに「加水分解タンク」に共有される。加水分解タンクから得られる生成物はグルコース溶液であり、これは「発酵槽」に供給されて、そこでエタノールが精製される。図2は、一般に非晶質セルロースの一部を発酵槽中に直接送ることが可能であることを示しているが、この実施例においてはすべての非晶質セルロースが加水分解タンクに送られる。非晶質セルロースの反応性は、標準的な消化率分析(50℃において15FPU/gグルカンを加えたトリコデルマ(Trichoderma)酵素を使用し、溶液1リットル当たり10gのグルカンを使用して24時間の糖化時間)において約97%のセルロース消化率が得られる様な反応性である。
本発明によるリグノセルロース系バイオマスの分別方法のいくつかの実施形態を表すブロック流れ図を示している。 本発明によるトウモロコシ茎葉の分別方法およびシステムの例示的な一実施形態を表す処理過程の流れ図を示している。

Claims (19)

  1. リグノセルロース系バイオマスの分別方法であって、
    (i)天然リグノセルロース系バイオマス中に含まれる量のヘミセルロースを含む、リグノセルロース系バイオマスを提供する工程と、
    (ii)塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルスルホキシド/フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物、N−メチルモルホリン−N−オキシド、一酸化カドミウム/エチレンジアミン(カドキセン)、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む第1の溶媒を提供して、20℃〜80℃で、前記リグノセルロース系バイオマスと混ぜ合わせる工程であって、前記第1の溶媒によって、前記リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの少なくとも一部を溶解させる工程と、
    (iii)メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール及び水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む第2の溶媒を提供して、工程(ii)で得られた物質と混ぜ合わせる工程であって、工程(ii)中の前記第1の溶媒によって溶解した前記セルロースの少なくとも一部を液相から沈殿させる工程と、
    を含む方法。
  2. 工程(iii)中に沈殿した前記セルロースが、工程(i)で得られた前記セルロースと比較して結晶化度が低下している、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(iii)で沈殿した前記セルロースの少なくとも90%が非晶質である、請求項2に記載の方法。
  4. 工程(iii)中に前記液相から沈殿した前記セルロースをグルコースモノマーおよび/またはオリゴマーに変換する工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記溶媒の少なくとも1つを回収し再循環して工程(ii)および/または(iii)に戻す工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程(ii)および(iii)の一方または両方がバッチ式で実施される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. (iv)メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、プロパナール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタナール、ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブタノール、および水からなる群から選択される1種類以上の化学物質を含む第3の溶媒を提供して、工程(iii)で沈殿された物質と混ぜ合わせ、続いて固相および液相に分離する工程、をさらに含む請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. (v)液体の水、スチーム、および二酸化炭素からなる群から選択される1種類以上の物質を含む、第4の溶媒を提供し、工程(iv)で得られた前記固相と混ぜ合わせ、続いて固相および液相に分離する工程、をさらに含む、請求項7記載の方法。
  9. 工程(iv)中に得られた前記液相に対して、蒸留、一段階蒸発(フラッシュ)、多重効用式蒸発、熱圧縮、およびベンチュリ洗浄からなる群から選択される気液分離操作を行う工程(vi)をさらに含む、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 工程(ii)〜(v)のそれぞれがバッチ式で実施される、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 工程(ii)中の前記第1の溶媒がポリリン酸を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 工程(iii)中の前記第2の溶媒がアセトンを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 工程(iv)中の第3の溶媒がアセトンを含む、請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 工程(v)中の第4の溶媒が液体の水を含む、請求項8〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 工程(ii)において、ポリリン酸によって、前記リグノセルロース系バイオマス中に存在するセルロースの少なくとも90%を溶解させる、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 工程(iii)において、工程(ii)においてポリリン酸によって溶解されたセルロースの少なくとも90%を液相から沈殿させる、請求項15に記載の方法。
  17. 工程(iv)で得られる液相を分離してポリリン酸を回収する工程をさらに含む、請求項15又は16に記載の方法。
  18. ポリリン酸を回収する工程が、プロセス流を燃焼させ、Pおよびスチームを工程(ii)に戻して再循環する工程を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記工程(iv)で得られる液相、前記工程(v)で得られる液相、またはその両方からアセトンを回収する工程をさらに含む、請求項13〜18のいずれか1項に記載の方法。
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