第1の態様では、本発明は、式(I):
[式中、
R
5は、ハロゲン、C
1-6アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルコキシ、およびシアノから選択され;
R
6は、ハロゲン、C
1-6アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
3-6シクロアルキル、C
1-6アルコキシ、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルコキシ、およびシアノから選択され;
Qは、水素またはC
1-6アルキルである]
で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
本明細書で用いる場合、「アルキル」なる用語は、所定の数の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状炭化水素鎖をいう。例えば、例えば、C1-6アルキルは、少なくとも1個、最大6個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状アルキルを意味する。C1-3アルキルは、少なくとも1個、最大3個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状アルキルを意味する。本明細書で用いる「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソブチル、イソプロピル、t−ブチルおよび1,1−ジメチルプロピルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いる場合、「アルコキシ」なる用語は、所定の数の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基をいう。例えば、C1-6アルコキシは、少なくとも1個、最大6個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基を意味する。本明細書で用いる「アルコキシ」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロパ−2−オキシ、ブトキシ、ブタ−2−オキシ、1−メチルエチル−オキシ、2−メチルプロパ−1−オキシ、2−メチルプロパ−2−オキシ、ペントキシまたはヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いる場合、「シクロアルキル」なる用語は、所定の数の炭素原子を含有する非芳香族炭化水素環をいう。例えば、C3-6シクロアルキルは、少なくとも3個、最大6個の環炭素原子を含有する非芳香族環を意味する。本明細書で用いる「シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いる場合、「ハロゲン」なる用語(または略語「ハロ」)は、フッ素(「フルオロ」と略することができる)、塩素(「クロロ」と略することができる)、臭素(「ブロモ」と略することができる)およびヨウ素(「ヨード」と略することができる)なる元素をいう。ハロゲンの例は、フッ素、塩素および臭素である。
本明細書で用いる場合、「溶媒和物」なる用語は、溶質(本発明では、式(I)で示される化合物またはその塩)および溶媒によって形成される可変性化学量論の複合体をいう。本発明の目的のためのかかる溶媒は、溶質の生物学的活性を妨げないものであり得る。適当な溶媒の例としては、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられる。使用される溶媒が水である場合、溶媒和物は、水和物ということもできる。
本明細書で用いる場合、「置換されている」なる用語は、指定された置換基での置換をいい、特記しない限り多置換度が許容される。例えば、所定の置換された基上に1、2、3または4個の置換基があってよい。例えば、R6がC1-6アルキル基である場合、1、2、3または4個のフルオロ基によって置換されていてよく;R6がC1-6アルコキシ基である場合、1、2、3または4個のフルオロ基で置換されていてよい。例えば、R6は、3個のフルオロ基によって置換されているC1-6アルキル基であってよく;R6は、3個のフルオロ基によって置換されているC1-6アルコキシ基であってよい。例えば、R6はCF3であってもよい。同様に、R5が、1個またはそれ以上のフルオロ基で置換されているC1-6アルキル基である場合、1、2、3または4個のフルオロ基によって置換されていてよい;R5がC1-6アルコキシ基である場合、1、2、3または4個のフルオロ基によって置換されていてよい。例えば、R5は、3個のフルオロ基によって置換されているC1-6アルキル基であってよい;R5は、3個のフルオロ基によって置換されているC1-6アルコキシ基であってよい。例えば、R5は、CF3またはCH2Fであってよい。
一の実施態様では、R5は、ハロゲン、C1-6アルキル、1、2または3個のフッ素原子で置換されているC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、1、2または3個のフッ素原子で置換されているC1-6アルコキシ、およびシアノから選択される。
本発明の一の実施態様では、R5は、ハロゲン、C1-4アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC1-4アルコキシ、およびシアノから選択される。
本発明の一の実施態様では、R5は、ハロゲン、C1-4アルキル、1、2または3個のフッ素原子で置換されているC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、1、2または3個のフッ素原子で置換されているC1-4アルコキシ、およびシアノから選択される。
本発明の一の実施態様では、R5は、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、メトキシ、メチルエチルオキシ、シアノ、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルから選択される。
本発明の一の実施態様では、R5は、クロロ、ブロモ、フルオロ、C1-4アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC1-4アルキル、およびC1-4アルコキシから選択される。
本発明の一の実施態様では、R5は、クロロ、ブロモ、フルオロ、C1-4アルキル、1、2または3個のフッ素原子で置換されているC1-4アルキル、およびC1-4アルコキシから選択される。
本発明のさらなる実施態様では、R5は、クロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、エチル、メトキシおよびトリフルオロメチルから選択される。一の実施態様では、R5は、クロロ、ブロモおよびメチルから選択される。
本発明の一の実施態様では、R6は、クロロ、ブロモ、フルオロ、C1-4アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、および1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC1-4アルコキシから選択される。
本発明の別の実施態様では、R6は、クロロ、ブロモ、フルオロ、C1-4アルキル、1、2または3個のフッ素原子で置換されているC1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、および1、2または3個のフッ素原子で置換されているC1-4アルコキシから選択される。
本発明の一の実施態様では、R6は、クロロ、ブロモ、フルオロ、C1-4アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、および1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC1-4アルコキシから選択される。
本発明の一の実施態様では、R6は、クロロ、ブロモ、フルオロ、C1-4アルキル、1、2または3個のフッ素原子で置換されているC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、および1、2または3個のフッ素原子で置換されているC1-4アルコキシから選択される。
本発明の一の実施態様では、R6は、クロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、メトキシ、メチルエチルオキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される。例えば、R6は、クロロ、フルオロおよびメチルから選択される。
本発明の実施態様では、R6は、クロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される。一の実施態様では、R6は、クロロ、フルオロおよびメチルから選択される。
本発明の実施態様では、R5は、フルオロ、メチルまたはクロロから選択され、R6は、メチルである。
本発明の実施態様では、Qは、水素およびC1-3アルキルから選択される。さらなる実施態様では、Qは、水素、メチル、エチルおよびプロピルから選択される。一の実施態様では、Qは、水素またはメチルを表す。一の実施態様では、Qは、水素である。
本発明はまた、式(Ia):
[式中、
R
5は、ハロゲン、C
1-6アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、および1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルコキシから選択され;
R
6は、ハロゲン、C
1-6アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
3-6シクロアルキル、C
1-6アルコキシ、および1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルコキシから選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明はまた、式(Ib):
[式中、
R
5は、ハロゲン、C
1-6アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、および1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルコキシから選択され;
R
6は、ハロゲン、C
1-6アルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
3-6シクロアルキル、C
1-6アルコキシ、および1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されているC
1-6アルコキシから選択され;
Qは、水素またはC
1-6アルキルである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
式(I)についての特徴および実施態様は全て、必要な変更を加えて式(Ia)および(Ib)で示される化合物に適用する。以下、式(I)で示される化合物についての言及は全て、式(Ia)で示される化合物および式(Ib)で示される化合物を含む。
当然のことながら、医薬用について、式(I)の塩は医薬上許容されるべきである。適切な塩は、当業者に明らかであろうし、例えば、酸性塩、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびテトラアルキルアンモニウムなど、または、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸もしくはスルファミン酸、リン酸;および有機酸、例えば、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、酢酸、イセチオン酸、フマル酸、グルタミン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ラクトビオン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸もしくはナフタレンスルホン酸で形成された一もしくは二塩基性塩が挙げられる。塩の例としては、さらに、トリフルオロ酢酸塩およびギ酸塩が挙げられる。他の医薬上許容されない塩、例えば、シュウ酸塩は、例えば、式(I)で示される化合物の単離において使用することができ、本発明の範囲内に包含される。
本発明の化合物のいくつかは、水性溶媒および有機溶媒のような溶媒から結晶化または再結晶することができる。このような場合には、溶媒和物が形成され得る。本発明は、その範囲内に、水和物を含む化学量論的溶媒和物、および凍結乾燥のようなプロセスによって生成され得る可変量の水を含有する化合物を包含する。
式(I)で示される化合物のある種のものは、1当量未満の酸(例えば、二塩基酸0.5当量)または1当量もしくはそれ以上の酸との酸付加塩を形成し得る。本発明は、その範囲内に、その全ての起こり得る化学量論的形態および非化学量論的形態を包含する。
式(I)で示されるある種の化合物は、立体異性体形態で存在し得る(例えば、それらは、1個またはそれ以上の不斉炭素原子を含有し得る)。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびこれらの混合物は、本発明の範囲内に包含される。本発明はまた、1個またはそれ以上のキラル中心が逆転している異性体との混合物としての式(I)で示される化合物の個々の異性体を含む。同様に、式(I)で示される化合物は、この式で示されているもの以外の互変異性体で存在し得、これらもまた本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、その範囲内に、式(I)で示される化合物の医薬上許容される誘導体の全てを包含する。本明細書で用いる場合、「医薬上許容される誘導体」なる用語は、レシピエントへの投与後に式(I)で示される化合物またはその活性代謝物もしくは残分を(直接または間接的に)提供する能力を有する、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、例えばエステルを意味する。かかる誘導体は、過度の実験を伴わずに当業者に認識できる。それにもかかわらず、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1: Principles and Practiceの教示について言及する(かかる誘導体の教示という点で出典明示により本明細書の一部を構成する)。
当業者にとって当然のことながら、最終の脱保護工程の前に調製され得る式(I)で示される化合物のある種の保護誘導体は、自体、薬理活性を有しないことがあるが、場合によっては、経口もしくは非経口投与され得、その後、体内で代謝されて薬理学的に活性な本発明の化合物を形成することができる。したがって、このような誘導体は、「プロドラッグ」と記載され得る。また、本発明のある種の化合物は、本発明の他の化合物のプロドラッグとして作用することができる。本発明の化合物の保護誘導体およびプロドラッグは全て本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物に適している保護基の例は、本発明の化合物に適している保護基の例は、Drugs of Today, Volume 19, Number 9, 1983, pp 499-538、およびTopics in Chemistry, Chapter 31, pp 306-316、および“Design of Prodrugs” by H. Bundgaard, Elsevier, 1985, Chapter 1に記載されている(これらの文献の記載内容は出典明示により本明細書の一部を構成する)。当業者には当然のことながら、適当な官能基が本発明の化合物内に存在する場合には、例えばH. Bundgaardによって“Design of Prodrugs”(文献の記載内容は出典明示により本明細書の一部を構成する)に記載されているような「プロ部分」として当業者に知られているある部分がかかる官能基の上にあってよい。本発明の化合物についての適切なプロドラッグとしては、エステル、炭酸エステル、ヘミエステル、リン酸エステル、ニトロエステル、硫酸エステル、スルホキシド、アミド、カルバマート、アゾ化合物、ホスファミド、グリコシド、エーテル、アセタールおよびケタールが挙げられる。
本発明の個々の化合物としては、実施例において具体的に例示されるものおよび以下に挙げられるものが包含されるが、これらに限定されるものではない:
6−クロロ−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−クロロ−5−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−クロロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−メチル−5−(メチルオキシ)−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5−クロロ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5−フルオロ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5,6−ジメチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5−ブロモ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5,6−ジクロロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5−クロロ−6−メトキシ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5−フルオロ−6−ブロモ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−クロロ−5−トリフルオロメチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−ブロモ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−クロロ−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−ブロモ−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−メチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5−フルオロ−6−メチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−メチル−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−エチル−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−シクロプロピル−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5−クロロ−6−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5,6−ジフルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
6−メチル−2−オキソ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル、
6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
5,6−ジメチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、
ならびにそれらの塩および溶媒和物、例えば上記化合物のいずれかの塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩またはギ酸塩。
本発明の塩の具体的な例としては、以下のものが挙げられる:
6−クロロ−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−クロロ−5−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−クロロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−メチル−5−(メチルオキシ)−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5−クロロ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5−フルオロ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5,6−ジメチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5−ブロモ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5,6−ジクロロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5−クロロ−6−メトキシ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5−フルオロ−6−ブロモ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−クロロ−5−トリフルオロメチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−ブロモ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−クロロ−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−ブロモ−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−メチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5−フルオロ−6−メチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−メチル−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−エチル−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−シクロプロピル−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5−クロロ−6−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
5,6−ジフルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、
6−メチル−2−オキソ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル・塩酸塩、
6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩、および
5,6−ジメチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩。
さらなる態様では、本発明は、QがHである式(I)で示される化合物を製造するための一般的な方法(A1)であって、
式(II):
で示される化合物を式(III):
で示される化合物とカップリングさせることを含む方法を提供する(ここで、R
5'は、上記で定義した基R
5であるか、またはR
5に変換可能な基であり、R
6'は、上記で定義した基R
6であるか、またはR
6に変換可能な基である)。
該反応は、還元的アルキル化に適した条件下で行われる。還元的アルキル化反応は、典型的には、トリエチルアミンの存在下であってもよく、チタンテトライソプロポキシドの存在下であってもよく、ジクロロエタン中にてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを使用して行われる。別法として、シアノ水素化ホウ素ナトリウムをメタノールまたはエタノールのような溶媒中で還元剤として使用することができるか、または、該還元的アルキル化は、パラジウム触媒を使用して接触水素添加条件下で行うことができる。さらなるバリエーションでは、化合物(II)および(III)を脱水条件下(例えば、モレキュラーシーブまたは硫酸マグネシウム)で縮合することができ、得られたイミンまたはエナミンを、例えば水素化ホウ素ナトリウムを使用して、または接触水素添加によって還元することができる。
QがC1-6アルキルである場合には、一般的な方法(A1)の変更が必要となる。かくして、一般的な方法(A2)では、シアニド源、例えば、シアン化カリウムまたはアセトンシアノヒドリンの存在下にて式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物と反応させてシアノ中間体(XXXX)を形成することができ、それをアルキルグリニャール試薬QMgXと反応させて式(I)で示される化合物を形成することができる。
ここで、R
5'は、上記で定義した基R
5であるか、またはR
5に変換可能な基であり、R
6'は、上記で定義した基R
6であるか、またはR
6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC
1-6アルキルであり、Xは、クロロ、ブロモまたはヨードである。
該反応は、文献(Arch Pharm(Weinheim), 1987, 320(4), 348-361)に記載されている条件と同様の条件を用いて行われる。ピペリジンおよびケトン構成部分をpH3で水中にてシアン化カリウムで処理するか、または、高温にてジメチルアセトアミド中でアセトンシアノヒドリンと反応させて、付加物(XXXX)を形成する。エーテルまたはテトラヒドロフラン中にて付加物(XXXX)とアルキルグリニャール試薬QMgXとの反応により式(I)で示される化合物が得られる。
さらなる態様では、本発明は、式(I)で示される化合物を製造するための一般的な方法(B)であって、
式(IV):
で示される化合物を式(V):
で示される化合物とカップリングさせることを含む方法を提供する(ここで、R
5'は、上記で定義した基R
5であるか、またはR
5に変換可能な基であり、R
6'は、上記で定義した基R
6であるか、またはR
6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC
1-6アルキルであり、XおよびYはどちらも脱離基を表す)。XおよびYは、同一であっても異なっていてもよく、例えば、Cl、PhO、EtO、イミダゾールである。XおよびYが共にClである場合、すなわち、ホスゲンである場合、この試薬は、例えばジホスゲンまたはトリホスゲンから、その場で生じさせ得る。
上記反応は、標準的な方法論を用いて、例えば、トリエチルアミンまたは炭酸カリウムのような塩基の存在下であってもよく、加熱しながらであってもよく、不活性溶媒、例えばジクロロメタンまたはトルエンまたはジメチルホルムアミド中にて、ジアミン(IV)を試薬(V)と反応させて行われる。
さらなる態様では、本発明は、式(I)で示される化合物を製造するための一般的な方法(C)であって、
式(VI):
で示される化合物をパラジウムまたは銅触媒(VII)で処理して分子内環化を生じさせることを含む方法を提供する(ここで、R
5'は、上記で定義した基R
5であるか、またはR
5に変換可能な基であり、R
6'は、上記で定義した基R
6であるか、またはR
6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC
1-6アルキルであり、Zは、ブロモ、ヨード、クロロまたはトリフラートのような脱離基である)。
環化反応は、文献(JACS, 2003, 125, 6653、Tet. Lett., 2004, 45, 8535、またはJACS, 2002, 124, 7421)に記載されている種々のパラジウムまたは銅試薬を用いて行うことができる。
さらなる態様では、本発明は、式(I)で示される化合物を製造するための一般的な方法(D)であって、
式(VIII):
で示される化合物を式(IX):
で示される化合物とカップリングさせることを含む方法を提供する(ここで、R
5'は、上記で定義した基R
5であるか、またはR
5に変換可能な基であり、R
6'は、上記で定義した基R
6であるか、またはR
6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC
1-6アルキルであり、Rは、C
1-5アルキル基である)。
この縮合および環化反応は、類似の方法について文献(米国特許第3161645号)に記載されている反応条件と同様の反応条件下で(キシレンのような不活性溶媒中にて加熱すること)、次いで、例えばパラジウムまたはラネーニッケルでの接触水素添加を用いるピペリジン二重結合の還元により行われ得る。
さらなる態様では、本発明は、式(I)で示される化合物を製造するための一般的な方法(E)であって、
式(X):
で示される化合物をジフェニルホスホリルアジドまたは他の試薬/試薬の組合せと反応させて、化合物(X)のクルチウス転位を生じさせ、次いで、分子内環化を生じさせることを含む方法を提供する(ここで、R
5'は、上記で定義した基R
5であるか、またはR
5に変換可能な基であり、R
6'は、上記で定義した基R
6であるか、またはR
6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC
1-6アルキルである。
クルチウス転位は、典型的には、加熱しながらであってもよく、トルエンのような不活性溶媒中にて2つの反応体を混合することによって行われる。
さらなる態様では、本発明は、式(I)で示される化合物を製造するための一般的な方法(F)であって、
式(XI):
で示される化合物を式(XII):
で示される化合物とカップリングさせることを含む方法を提供する(ここで、R
5'は、上記で定義した基R
5であるか、またはR
5に変換可能な基であり、R
6'は、上記で定義した基R
6であるか、またはR
6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC
1-6アルキルであり、Zは、ヒドロキシ、または脱離基、例えばクロロ、ブロモもしくはヨード、またはアルキル/アリールスルホナートである)。
アルキル化反応(Z=脱離基)は、古典的アルキル化またはミツノブ反応(Z=OH)条件下で行うことができる。古典的アルキル化条件を用いて、ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中にて水素化ナトリウムのような塩基を用いてベンゾイミダゾロン中間体(XI)を脱プロトン化することができ、次いで、加熱しながらであってもよく、アルキル化試薬(XII)で処理することができる。Z=OHである(XII)とのミツノブ反応は、標準的な条件、例えば、室温でジクロロメタンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中にてトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルを用いて行うことができる。
R6'のR6への変換またはR6の相互変換は、以下に示すように行うことができる。
例えば、R6'がハロゲンである場合、アルコールまたはフルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチルを用いて銅触媒反応によりそれぞれアルコキシまたはトリフルオロメチル基に変換することができる。別法として、有機金属試薬、例えばアルキルスタンナンでアルキル基へ変換することもできる。
別の例として、R6'がヒドロキシである場合、アルキルハライドまたはスルホナートとの反応によりアルコキシへ、またはキサンテートへの変換に次いでフッ化物イオンの存在下での酸化によりトリフルオロメトキシへ変換することができる。
さらなる例として、R6'がメチルである場合、塩素化または臭素化に次いで導入されたハロゲンをフッ化物で置換することによってトリフルオロメチルへ変換することができる。
R5'のR5への変換またはR5の相互変換は、R6'のR6への変換またはR6の相互変換について示した方法と同様の方法で行うことができる。
式(II)で示される化合物は、一般的に文献で知られているか、または、様々な方法によって調製することができる:例えば、
(a)オルト−フルオロまたはオルト−クロロニトロベンゼン中間体(XIII)をアミン(XIV)で置換して(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Pは、窒素保護基、例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルを表す)、(XXIII)を得、次いで、ニトロ基を還元し、ホスゲンまたはホスゲン等価物を用いて環化し、標準的な文献条件を用いてピペリジン窒素を脱保護すること(スキーム1)。
式(XIII)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または、標準的な方法論によって製造することができる。PがBocである化合物(XIV)は、商業的に入手可能である。
(b)中間体(XV)を金属触媒環化し、次いで、ピペリジン窒素を脱保護すること(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Pは、窒素保護基、例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニルを表し、Zは、ブロモ、ヨード、クロロまたはトリフラートのような脱離基を表す)。Buchwald環化のための反応条件を方法Cにまとめる。尿素(XV)は、スキーム2に記載するように古典的尿素形成方法のいずれかを用いて製造することができる。この方法の出発物質は、商業的に入手可能であるか、または、標準的な方法論を用いて製造することができる。
(c)中間体(XVI)のクルチウス転位(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Pは、窒素保護基、例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニルを表し、Rは、HまたはC1-5アルキル基、例えば、メチルもしくはエチルを表す)、次いで、分子内環化およびピペリジン窒素の脱保護(スキーム3)。アントラニル酸またはエステル出発物(XVII)は、商業的に入手可能であるか、または、標準的な方法論によって製造することができる。ピペリドン出発物質(R=Bocまたはベンジル)は、商業的に入手可能である。クルチウス転位は、方法Eに記載した条件を用いて生じさせることができる。
(d)高温にて不活性溶媒中で加熱することによって、オルトフェニレンジアミン(VIII)を3−アルコキシカルボニル−4−ピペリドン(XX)と縮合させて(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Pは、窒素保護基、例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニルを表し、Rは、C1-5アルキル基である)(スキーム4)、テトラヒドロピリジン中間体(XXI)を得ること。二重結合の水素添加およびピペリジン窒素の脱保護は、保護基Pの正確な性質に依存して別々にまたは同時に行って、所望の生成物(II)を得ることができる。式(VIII)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または標準的な方法論によって製造することができる。式(XX)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または標準的な方法論によって製造することができる。
(e)例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて、オルトニトロアニリン(XXII)をN−保護4−ピペリドン(XVIII)で還元的アルキル化して(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Pは、窒素保護基、例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニルを表す)、中間体(XXIII)を得ること。ニトロ基の還元、次いで、上記した環化および脱保護により、所望の生成物(II)が得られる(スキーム5)。式(XXII)および(XVIII)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または、標準的な方法によって製造することができる。
(f)アミン(XIV)と適当に置換したニトロベンゼン化合物(XXIV)との間で金属触媒反応させること(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Pは、窒素保護基、例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニルを表し、Zは、ブロモ、ヨード、クロロまたはトリフラートのような脱離基を表す)(スキーム6)。この方法は、式(XXIII)で示される中間体を生じ、その後の反応は、スキーム5のものと同様である。式(XXIV)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または、公知の方法論によって製造することができる。PがBocである化合物(XIV)は、商業的に入手可能である。
(g)アミン(XIV)と保護アニリン(XXV)との間で金属触媒反応させて(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Pは、窒素保護基、例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニルを表し、Zは、ブロモ、ヨード、クロロまたはトリフラートのような脱離基を表す)、中間体(XXVI)を得ること(スキーム7)。アニリンの脱保護、次いで、スキーム6におけると同一の反応シーケンスにより、所望の中間体(II)が得られる。式(XXV)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または、公知の方法論、例えば、アニリン基に対してオルトのハロゲン化によって製造することができる。PがBocである化合物(XIV)は、商業的に入手可能である。
式(III)で示される化合物は、商業的に入手可能である。
式(IV)で示される化合物は、多種多様な方法によって製造することができる;例えば、
(h)オルト−フルオロまたはオルト−クロロニトロベンゼン中間体(XIII)をアミン(XXVII)で置換して化合物(XXVIII)を得(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC1-6アルキルである)、次いで、標準的な条件、例えば、パラジウムまたはラネーニッケルによる水素添加を用いて、ニトロ基を還元すること(スキーム8)。式(XIII)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または、標準的な方法論によって製造することができる。
(i)アミン(XXVII)をオルト置換ニトロベンゼン(XXIX)で金属触媒反応させて、化合物(XXVIII)を得(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC1-6アルキルである)(スキーム9)、次いで、スキーム8に記載と同一の方法を行うこと。式(XXIX)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または標準的な方法論によって製造することができる。
(j)アミン(XXVII)を保護アニリン誘導体(XXV)で金属触媒反応させて(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC1-6アルキルであり、Pは、アセチル、トリフルオロアセチル、Boc、フタルイミドのような窒素保護基を表す)、化合物(XXXI)を得(スキーム10)、次いで、アニリン基を脱保護すること。式(XXV)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または標準的な方法論によって製造することができる。
(k)例えばジクロロエタン中でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて、オルトニトロアニリン(XXII)をピペリドン(XXXII)で還元的アルキル化して中間体(XXVIII)を得ること(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC1-6アルキルである)(スキーム11)。例えばパラジウム−炭またはラネーニッケルを用いる、ニトロ基の還元により所望の中間体(IV)が得られる。。
式(V)で示される化合物は、商業的に入手可能であり、例えば、カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、トルエン中ホスゲン溶液、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸フェニル、炭酸ジエチルである。
式(VI)で示される化合物は、様々な方法によって製造することができ、例えば、尿素形成は、
標準的な条件を用いて2つのアミン(XXXIV)および(XXVII)をホスゲンまたはホスゲン等価物と合わせること(ホスゲン等価物としては、カルボニルジイミダゾール、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸フェニルが挙げられる)、
アミン(XXVII)をイソシアナート(XXXV)と反応させること、
アミン(XXXIV)をイソシアナート(XXXVI)と反応させること
によってスキーム12に示されるように行うことができる。
両方のイソシアナート(XXXV)および(XXXIV)は、イソシアナート形成についての標準的な方法論を用いて対応するアミンから製造することができる(ここで、R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC1-6アルキルである)。
パラジウムおよび銅触媒(VII)は、商業的な入手可能であるか、または、文献に記載されているように製造することができる(方法Cにおける参考文献を参照)。
式(VIII)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または、公知の文献ルート、例えば、モノまたはジニトロベンゼン前駆体の還元によって製造することができる。
式(IX)で示される化合物は、3−アルコキシカルボニル−4−ピペリドンのテトラヒドロピラン−4−オンによる還元的アルキル化によって製造することができる。
R5'は、上記で定義した基R5であるか、またはR5に変換可能な基であり、R6'は、上記で定義した基R6であるか、またはR6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC1-6アルキルである式(X)で示される化合物は、スキーム13に示されるように製造することができる。アントラニル酸またはエステル(XVII)のケトン(XXXII)による還元的アルキル化に次いで、必要に応じて、エステル基が加水分解される。
式(XI)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または文献の方法によって製造することができる。
式(XII)で示される化合物は、スキーム14に示されるように、(XXXVII)をケトン(III)で還元的アルキル化することによって製造することができる(ここで、Z'は、Zを表すか、またはZに変換可能な基を表し、QはHである)。Z'ヒドロキシ基のZ=クロロまたはブロモへの変換は、標準的な方法論、例えば、塩化チオニルまたはトリフェニルホスフィン/四臭化炭素での処理を用いて行うことができる。
Q=Hの化合物(XXVII)は、スキーム15に示されるように製造することができる。例えばジクロロエタン中でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いる、商業的に入手可能なアミン(XXXVIII)のテトラヒドロピラン−4−オン(III)での還元的アルキル化により、中間体(XXXIX)が得られ、エタノール中HClまたはトリフルオロ酢酸を用いて脱保護して、第1アミン(XXVII)が得られる。
したがって、本発明はまた、以下の化合物を提供する:
式(II):
で示される化合物、
式(IV):
で示される化合物、
式(VI):
で示される化合物、および
式(X):
で示される化合物(ここで、R
5'は、上記で定義した基R
5であるか、またはR
5に変換可能な基であり、R
6'は、上記で定義した基R
6であるか、またはR
6に変換可能な基であり、Qは、水素またはC
1-6アルキルであり、Zは、脱離基、例えば、ブロモ、ヨード、クロロまたはトリフラートである)。
化合物(II)、(IV)、(VI)および(X)は、式(I)で示される化合物の合成における中間体として有用である。
式(I)で示される化合物は、精神障害または認知障害の治療に有用であると考えられる。
本明細書で用いられる適応症状を説明する用語は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Edition、published by the American Psychiatric Association(DSM−IV)および/またはInternational Classification of Diseases, 10th Edition(ICD−10)に分類されている。本明細書に記載の様々なサブタイプの障害は、本発明の一部と考えられる。以下に挙げられる疾患の後の括弧中の数字は、DSM−IVの分類コードを表す。
本発明に関連して、精神障害なる用語としては、以下のものが含まれる:妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、非定型型(295.90)および残遺型(295.60)のサブタイプを含む統合失調症;統合失調症様障害(295.40);双極性型およびうつ型のサブタイプを含む統合失調感情障害(295.70);異常性欲型、誇大型、嫉妬型、被害型、身体型、混合型および詳細不明型のサブタイプを含む妄想性障害(297.1);簡易精神障害(298.8);共有精神障害(297.3);妄想を伴うサブタイプおよび幻覚を伴うサブタイプを含む一般的健康状態に起因する精神障害;妄想を伴うサブタイプ(293.81)および幻覚を伴うサブタイプ(293.82)を含む物質誘発性精神障害;および特定不能の精神障害(298.9);
以下のものを含むうつおよび気分障害:大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合エピソードおよび軽躁病エピソード;大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、特定不能のうつ病性障害(311)を含むうつ病性障害;双極性障害I型、双極性障害II型(軽躁病エピソードを伴う反復性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および特定不能の双極性障害(296.80)を含む双極性障害;一般的健康状態に起因する気分障害(293.83)(うつ病性特徴を伴うサブタイプ、大うつ病性様エピソードを伴うサブタイプ、躁病性特徴を伴うサブタイプおよび混合型特徴を伴うサブタイプを含む)、物質誘発性気分障害(うつ病性特徴を伴うサブタイプ、躁病性特徴を伴うサブタイプおよび混合型特徴を伴うサブタイプを含む)および特定不能の気分障害(296.90)を含む他の気分障害;
以下のものを含む不安障害:社会不安障害、パニック発作、広場恐怖症、パニック障害、パニック障害歴を伴わない広場恐怖症(300.22)、特定恐怖症(300.29)(動物型、自然環境型、血液−注射−損傷型、状況型および他の型のサブタイプを含む)、社会恐怖症(300.23)、強迫性障害(300.3)、外傷後ストレス障害(309.81)、急性ストレス障害(308.3)、全般性不安障害(300.02)、一般的健康状態に起因する不安障害(293.84)、物質誘発性不安障害および特定不能の不安障害(300.00);
以下のものを含む物質関連障害:物質依存症、物質渇望および物質乱用のような物質使用障害;薬物中毒、薬物離脱、物質誘発性せん妄、物質誘発性持続性認知症、物質誘発性持続性健忘症、物質誘発性精神障害、物質誘発性気分障害、物質誘発性不安障害、物質誘発性性機能障害、物質誘発性睡眠障害および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)のような物質誘発性障害;アルコール依存症(303.90)、アルコール乱用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘発性持続性認知症、アルコール誘発性持続性健忘症、アルコール誘発性精神障害、アルコール誘発性気分障害、アルコール誘発性不安障害、アルコール誘発性性機能障害、アルコール誘発性睡眠障害および特定不能のアルコール関連障害(291.9)のようなアルコール関連障害;アンフェタミン依存症(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘発性精神障害、アンフェタミン誘発性気分障害、アンフェタミン誘発性不安障害、アンフェタミン誘発性性機能障害、アンフェタミン誘発性睡眠障害および特定不能のアンフェタミン関連障害(292.9)ようなアンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害;カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘発性不安障害、カフェイン誘発性睡眠障害および特定不能のカフェイン関連障害(292.9)のようなカフェイン関連障害;大麻依存症(304.30)、大麻乱用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘発性精神障害、大麻誘発性不安障害および特定不能の大麻関連障害(292.9)のような大麻関連障害;コカイン依存症(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘発性精神障害、コカイン誘発性気分障害、コカイン誘発性不安障害、コカイン誘発性性機能障害、コカイン誘発性睡眠障害および特定不能のコカイン関連障害(292.9)のようなコカイン関連障害;幻覚剤依存症(304.50)、幻覚剤乱用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘発性精神障害、幻覚剤誘発性気分障害、幻覚剤誘発性不安障害および特定不能の幻覚剤関連障害(292.9)のような幻覚剤関連障害;吸入薬依存症(304.60)、吸入薬乱用(305.90)、吸入薬中毒(292.89)、吸入薬中毒せん妄、吸入薬誘発性持続性認知症、吸入薬誘発性精神障害、吸入薬誘発性気分障害、吸入薬誘発性不安障害および特定不能の吸入薬関連障害(292.9)のような吸入薬関連障害;ニコチン依存症(305.1)、ニコチン離脱(292.0)および特定不能のニコチン関連障害(292.9)のようなニコチン関連障害;オピオイド依存症(304.00)、オピオイド乱用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド離脱(292.0)、オピオイド中毒せん妄、オピオイド誘発性精神障害、オピオイド誘発性気分障害、オピオイド誘発性性機能障害、オピオイド誘発性睡眠障害および特定不能のオピオイド関連障害(292.9)のようなオピオイド関連障害;フェンシクリジン依存症(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘発性精神障害、フェンシクリジン誘発性気分障害、フェンシクリジン誘発性不安障害および特定不能のフェンシクリジン関連障害(292.9)のようなフェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害;鎮静薬、催眠薬または抗不安薬依存症(304.10)、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬乱用(305.40)、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬中毒(292.89)、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬離脱(292.0)、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬中毒せん妄、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬離脱せん妄、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬持続性認知症、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬持続性健忘症、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬誘発性精神障害、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬誘発性気分障害、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬誘発性不安障害、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬誘発性性機能障害、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬誘発性睡眠障害、および特定不能の鎮静薬、催眠薬または抗不安薬関連障害(292.9)のような鎮静薬、催眠薬または抗不安薬関連障害;多剤依存症(304.80)のような多剤関連障害;およびアナボリックステロイド、硝酸塩吸入薬および亜酸化窒素のような他の(または未知の)物質関連障害;
以下のものを含む睡眠障害:原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)および特定不能の睡眠異常(307.47)のような睡眠異常のような原発性睡眠障害;悪夢障害(307.47)、夜驚症(307.46)、夢遊病(307.46)および特定不能の睡眠時異常行動(307.47)のような睡眠時異常行動のような原発性睡眠障害;別の精神障害に関連する不眠症(307.42)および別の精神障害に関連する過眠症(307.44)のような別の精神障害に関連する睡眠障害;一般的健康状態に起因する睡眠障害;および不眠症型、過眠症型、睡眠時異常行動型および混合型のサブタイプを含む物質誘発性睡眠障害;
以下のような摂食障害:制限型および過食/瀉下型のサブタイプを含む神経性食欲不振症(307.1);瀉下型および非瀉下型のサブタイプを含む神経性過食症(307.51);肥満症;強迫性摂食障害;ならびに特定不能の摂食障害(307.50);
自閉症性障害(299.00);注意欠陥/多動性障害複合型(314.01)、注意欠陥/多動性障害不注意優位型(314.00)、注意欠陥/多動性障害多動衝動型(314.01)および特定不能の注意欠陥/多動性障害(314.9)のサプタイプを含む注意欠陥/多動性障害;過動性障害;小児期発症型(321.81)、青年期発症型(312.82)および発症不特定(312.89)を含む行動障害、反抗挑戦性障害(313.81)ならびに特定不能の崩壊性行動障害のような崩壊性行動障害;およびトゥレット障害(307.23)のようなチック障害;
以下のサブタイプを含む人格障害:妄想性人格障害(301.0)、統合失調質人格障害(301.20)、統合失調型人格障害(301,22)、反社会性人格障害(301.7)、境界性人格障害(301,83)、演技性人格障害(301.50)、自己愛性人格障害(301,81)、回避性人格障害(301.82)、依存性人格障害(301.6)、強迫性人格障害(301.4)および特定不能の人格障害(301.9);ならびに
以下のものを含む性機能障害:性的欲求低下障害(302.71)および性的嫌悪障害(302.79)のような性的欲求障害;女性の性的興奮障害(302.72)および男性の勃起障害(302.72)のような性的興奮障害;女性のオルガズム障害(302.73)、男性のオルガズム障害(302.74)および早漏(302.75)のようなオルガズム障害;性交疼痛症(302.76)および膣痙(306.51)のような性的疼痛障害;特定不能の性機能障害(302.70);露出症(302.4)、フェチシズム(302.81)、フロッタージュ症(302.89)、小児性愛(302.2)、性的マゾヒズム(302.83)、性的サディズム(302.84)、服装倒錯性フェチシズム(302.3)、窃視症(302.82)および特定不能の性嗜好異常(302.9)のような性嗜好異常;小児期の性同一性障害(302.6)および青年期または成人の性同一性障害(302.85)のような性同一性障害;ならびに特定不能の性的障害(302.9)。
式(I)で示される化合物はまた、認知障害自体の治療、ならびに認知障害を伴う統合失調症、双極性障害、うつ、他の精神障害および精神病的状態のような他の疾患における認知障害の治療の両方を含む認知の増強に有用であると考えられる。
本発明に関連して、認知障害なる用語としては、例えば、注意力、見当識、学習障害、記憶(すなわち、記憶障害、健忘症、健忘性障害、一過性全健忘症候群および加齢性記憶障害)および言語機能を含む認知機能の障害;脳卒中、アルツハイマー病、ハンチントン病、ピック病、エイズ関連認知症、または他の認知症状態(例えば、多発梗塞性認知症、アルコール性認知症、甲状腺機能低下症関連認知症、および小脳萎縮症および筋萎縮性側索硬化症のような他の変性疾患に伴う認知症)の結果としての認知障害;せん妄もしくはうつ(仮性認知症状態)外傷、頭部外傷、加齢関連認知低下、脳卒中、神経変性、薬物誘発状態、神経毒剤、軽度認知障害、加齢関連認知障害、自閉症関連認知障害、ダウン症候群、精神病に関連する認知障害、および電撃療法後関連認知障害のような認知低下を生じ得る他の急性または亜急性状態;ならびにパーキンソン病、神経遮断薬誘発パーキンソニズム、および遅発性ジスキネジアのような運動障害が挙げられる。
本発明の療法はまた、認知および/または記憶障害のない健康なヒトにおいて記憶および/または認知増強剤として用いることができる。
したがって、さらなる態様では、本発明は、治療で用いる上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
別の態様では、本発明は、ムスカリンM1受容体のアゴニズムを要する状態の治療で用いる式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
別の態様では、本発明は、精神障害の治療で用いる上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。本発明はまた、認知障害の治療で用いる上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
別の態様では、本発明は、ムスカリンM1受容体のアゴニズムを要する状態の治療薬の製造における上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、精神障害の治療薬の製造における上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。本発明はまた、認知障害の治療薬の製造における上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、ムスカリンM1受容体のアゴニズムを要する状態の治療方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、精神障害の治療方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の有効量を投与することを含む方法を提供する。本発明はまた、認知障害の治療方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
式(I)で示される化合物ならびにそれらの塩および溶媒和物はまた、定型および非定型抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ剤、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物ならびに向知性薬のような他の活性薬剤と組み合わせて精神障害の治療の改善をもたらすのに適している。
本発明の併用療法は、例えば、併用的に投与される。本発明の併用療法は、例えば、補助的に投与される。補助的投与とは、別々の医薬組成物またはデバイスの形態における各成分の同一延長のまたは重複する投与を意味する。2つまたはそれ以上の治療薬の治療的投与法は、当業者によって一般的に、および本明細書では、補助療法的投与と称される;それは、付加型治療的投与としても知られている。患者が式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物および少なくとも1種類の抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物または向知性薬の別々であるが同一延長のまたは重複する治療的投与を受けるあらゆる治療法は、本発明の範囲内である。本明細書に記載される補助療法的投与の一の実施態様では、患者は、典型的には、1種類またはそれ以上の成分の治療的投与後しばらくの間安定化され、次いで、別の成分の投与を受ける。式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、少なくとも1種類の抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物または向知性薬の投与を受けている患者に補助療法的治療として投与することができるが、本発明の範囲はまた、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の投与を受けている患者への少なくとも1種類の抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物または向知性薬の補助療法的投与を含む。
本発明の併用療法はまた同時に投与されてもよい。同時投与とは、両方の成分を含むかまたは含有する単一の医薬組成物またはデバイスの形態で一緒に投与するか、または各々が成分の1つを含む別々の組成物またはデバイスとして同時に投与する治療法を意味する。同時に併用するための別々の個々の成分のかかる併用は、キット・オブ・パーツの形態で提供され得る。
したがって、さらなる態様では、本発明は、少なくとも1種類の抗精神病薬の治療的投与を受けている患者への式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の補助療法的投与による精神障害の治療方法を提供する。さらなる態様では、本発明は、少なくとも1種類の抗精神病薬の治療的投与を受けている患者における精神障害の治療用の補助療法的投与用薬物の製造における式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。本発明はまた、少なくとも1種類の抗精神病薬の治療的投与を受けている患者における精神障害の治療のための補助療法的投与に用いる式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の治療的投与を受けている患者への少なくとも1種類の抗精神病薬の補助療法的投与による精神障害の治療方法を提供する。さらなる態様では、本発明は、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の治療的投与を受けている患者における精神障害の治療のための補助療法的投与用薬物の製造における少なくとも1種類の抗精神病薬の使用を提供する。本発明はまた、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の治療的投与を受けている患者における精神障害の治療のための補助療法的投与用の少なくとも1種類の抗精神病薬を提供する。
さらなる態様では、本発明は、少なくとも1種類の抗精神病薬と組み合わせた式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の同時治療的投与による精神障害の治療方法を提供する。本発明はまた、精神障害の治療における同時治療的投与用の薬物の製造における式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物および少なくとも1種類の抗精神病薬の組合せの使用を提供する。本発明はまた、精神障害の治療における少なくとも1種類の抗精神病薬との同時治療的投与のための薬物の製造における式(I)で示される化合物またはその塩の使用を提供する。本発明はまた、精神障害の治療における少なくとも1種類の抗精神病薬との同時治療的投与に用いる式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。本発明はまた、精神障害の治療における式(I)で示される化合物またはその塩との同時治療的投与用の薬物の製造における少なくとも1種類の抗精神病薬の使用を提供する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む第1の投与剤形および各々が同時治療的投与用の抗精神病薬を含む1つまたはそれ以上のさらなる投与剤形を含む、精神障害の治療で用いるキット・オブ・パーツを提供する。
別の態様では、本発明は、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の治療的投与を受けている患者への本発明の化合物の補助療法的投与による精神障害の治療方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の治療的投与を受けている患者における精神障害の治療のための補助療法的投与用の薬物の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
本発明はまた、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の治療的投与を受けている患者における精神障害の治療のための補助療法的投与における本発明の化合物の使用を提供する。
本発明はまた、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の治療的投与を受けている患者における精神障害の治療のための補助療法的投与のための本発明の化合物の使用を提供する。
さらなる態様では、本発明は、本発明の化合物の治療的投与を受けている患者への気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の補助療法的投与による精神障害の治療方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、本発明の化合物の治療的投与を受けている患者における精神障害の治療のための補助療法的投与用の薬物の製造における気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の使用を提供する。
本発明はまた、本発明の化合物の治療的投与を受けている患者における精神障害の治療のための補助療法的投与のための気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の使用を提供する。
さらなる態様では、本発明は、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分と組み合わせた本発明の化合物の同時治療的投与による精神障害の治療方法を提供する。
本発明はまた、精神障害の治療における同時治療的投与用の薬物の製造における本発明の化合物ならびに気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の組合せの使用を提供する。
本発明はまた、精神障害の治療における同時治療的投与のための本発明の化合物ならびに気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の組合せの使用を提供する。
本発明はまた、精神障害の治療における気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分との同時治療的投与用の薬物の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
本発明はまた、精神障害の治療における気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分との同時治療的投与のための本発明の化合物の使用を提供する。
本発明はまた、精神障害の治療における気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分との同時治療的投与用の本発明の化合物を提供する。
本発明はまた、精神障害の治療における本発明の化合物との同時治療的投与用の薬物の製造における気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の使用を提供する。
本発明はまた、精神障害の治療における本発明の化合物との同時治療的投与のための気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分の使用を提供する。
さらなる態様では、本発明は、本発明の化合物を含む第1の投与剤形、および各々が同時治療的投与のための気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路副作用用薬物および向知性薬からなる群から選択される活性成分を含む1つまたはそれ以上のさらなる投与剤形を含む精神障害の治療で用いるキット・オブ・パーツを提供する。
本発明において有用であり得る抗精神病薬の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:ナトリウムチャネル遮断薬;混合5HT/ドーパミン受容体アンタゴニスト;mGluR5ポジティブモジュレーター;D3アンタゴニスト;5HT6アンタゴニスト;ニコチンアルファ−7モジュレーター;グリシントランスポーターGlyT1阻害剤;D2部分アゴニスト/D3アンタゴニスト/H3アンタゴニスト;AMPAモジュレーター;オサネタントおよびタルネタント(talnetant)のようなNK3アンタゴニスト;非定型抗精神病薬、例えばクロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピラゾール、ジプラシドンおよびアミスルプリド;ハロペリドール、ピモジドおよびドロペリドールのようなブチロフェノン;クロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフロペラジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、トリフルプロマジン、プロクロルペラジンおよびアセトフェナジンのようなフェノチアジン;チオチキセンおよびクロルプロチキセンのようなチオキサンテン;チエノベンゾジアゼピン;ジベンゾジアゼピン;ベンズイソキサゾール;ジベンゾチアゼピン;イミダゾリジノン;ベンゾイソチアゾリル−ピペラジン;ラモトリジンのようなトリアジン;ロキサピンのようなジベンゾキサゼピン;モリンドンのようなジヒドロインドロン;アリピプラゾール;ならびに抗精神病活性を有するそれらの誘導体。
本発明で用いるのに適し得る選択された抗精神病薬の商標名および供給者の例は以下のとおりである:クロザピン(Mylan、Zenith Goldline、UDL、Novartisから商標名CLOZARIL(登録商標)の下に入手可能);オランザピン(Lillyから商標名ZYPREXA(登録商標)の下に入手可能);ジプラシドン(Pfizerから商標名GEODON(登録商標)の下に入手可能);リスペリドン(Janssenから商標名RISPERDAL(登録商標)の下に入手可能);フマル酸クエチアピン(AstraZenecaから商標名SEROQUEL(登録商標)の下に入手可能);セルチンドール(商標名SERLECT(登録商標)の下に入手可能);アミスルプリド(Sanofi-Synthelaboから商標名SOLION(登録商標)の下に入手可能);ハロペリドール(Ortho-McNeilから商標名HALDOL(登録商標)の下に入手可能);デカン酸ハロペリドール(商標名HALDOL decanoate(登録商標)の下に入手可能);乳酸ハロペリドール(商標名HALDOL(登録商標)およびINTENSOL(登録商標)の下に入手可能);クロルプロマジン(SmithKline Beecham(GSK)から商標名THORAZINE(登録商標)の下に入手可能);フルフェナジン(Apothecon、Copley、Schering、Teva、およびAmerican Pharmaceutical Partners、Pasadenaから商標名PROLIXIN(登録商標)の下に入手可能);デカン酸フルフェナジン(商標名PROLIXIN decanoate(登録商標)の下に入手可能);エナント酸フルフェナジン(商標名PROLIXIN(登録商標)の下に入手可能);塩酸フルフェナジン(商標名PROLIXIN(登録商標)の下に入手可能);チオチキセン(Pfizerから商標名NAVANE(登録商標)の下に入手可能);塩酸チオチキセン(商標名NAVANE(登録商標)の下に入手可能);トリフロペラジン(10−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピル]−2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン・二塩酸塩、SmithKline Beckmanから商標名STELAZINE(登録商標)の下に入手可能);ペルフェナジン(Scheringから商標名TRILAFON(登録商標)の下に入手可能);ペルフェナジンおよび塩酸アミトリプチリン(商標名ETRAFON TRILAFON(登録商標)の下に入手可能);チオリダジン(Novartis、Roxane、HiTech、Teva、およびAlpharmaから商標名MELLARIL(登録商標)の下に入手可能);モリンドン(Endoから商標名MOBAN(登録商標)の下に入手可能);塩酸モリンドン(商標名MOBAN(登録商標)の下に入手可能);ロキサピン(Watsonから商標名LOXITANE(登録商標)の下に入手可能);塩酸ロキサピン(商標名LOXITANE(登録商標)の下に入手可能);ならびにコハク酸ロキサピン(商標名LOXITANE(登録商標)の下に入手可能)。さらにまた、ベンペリドール(Glianimon(登録商標))、ペラジン(Taxilan(登録商標))またはメルペロン(Eunerpan(登録商標))を用いることができる。
他の適当な抗精神病薬としては、プロマジンプロマジン(商標名SPARINE(登録商標)の下に入手可能)、トリフルプロマジン(商標名VESPRIN(登録商標)の下に入手可能)、クロルプロチキセン(商標名TARACTAN(登録商標)の下に入手可能)、ドロペリドール(商標名INAPSINE(登録商標)の下に入手可能)、アセトフェナジン(商標名TINDAL(登録商標)の下に入手可能;)、プロクロルペラジン(商標名COMPAZINE(登録商標)の下に入手可能)、メトトリメプラジン(商標名NOZINAN(登録商標)の下に入手可能)、ピポチアジン(商標名PIPOTRIL(登録商標)の下に入手可能)、イロペリドン、ピモジドおよびフルペンチキソールが挙げられる。
上記商標名で挙げられた抗精神病薬はまた、別の商標名の下に他の供給者から入手可能であり得る。
本発明の一のさらなる態様では、適当な抗精神病薬としては、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドン、タルネタント(talnetant)およびオサネタントが挙げられる。
本発明の療法に使用できる気分安定剤としては、リチウム、バルプロ酸ナトリウム/バルプロ酸/ジバルプロエクス、カルバマゼピン、ラモトリジン、ガバペンチン、トピラメート、オキシカルバゼピンおよびチアガビンが挙げられる。
本発明の療法に使用できる抗うつ薬としては、以下のものが挙げられる:セロトニンアンタゴニスト、CRF−1アンタゴニスト、Cox−2阻害剤/SSRI二重アンタゴニスト;ドーパミン/ノルアドレナリン/セロトニン三重再取り込み阻害剤;NK1アンタゴニスト;NK1およびNK2二重アンタゴニスト;NK1/SSRI二重アンタゴニスト;NK2アンタゴニスト;セロトニンアゴニスト(例えば、ラウオルシン、ヨヒンビンおよびメトクロプラミド);セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、シタロプラム、エシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、フェモキセチン(femoxetine)、インダルピン、ジメルジン、パロキセチンおよびセルトラリン);セロトニン/ノルアドレナリン二重再取り込み阻害剤(例えば、ベンラファキシン、レボキセチン、デュロキセチンおよびミルナシプラン);ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(例えば、レボキセチン);三環系抗うつ剤(例えば、アミトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびトリミプラミン);モノアミンオキシダーゼ阻害剤(例えば、イソカルボキサジド、モクロベミド、フェネルジンおよびトラニルシプロミン);5HT3アンタゴニスト(例えば、オンダンセトロンおよびグラニセトロン);ならびに他の抗うつ薬(例えば、ブプロピオン、アミネプチン、ラダファキシン、ミアンセリン、ミルタザピン、ネファゾドンおよびトラゾドン)。
本発明の療法で使用できる抗不安薬としては、V1bアンタゴニスト、5HT7アンタゴニスト、ならびにアルプラゾラムおよびロラゼパムのようなベンゾジアゼピンが挙げられる。
本発明の療法で使用できる錐体外路副作用用薬物としては、抗コリン薬(例えば、ベンズトロピン、ピペリデン、プロシクリジンおよびトリヘキシフェニジル)、抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェンヒドラミン)およびドーパミン作用薬(例えば、アマンタジン)が挙げられる。
本発明の療法で使用できる認知増強剤としては、例えば、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、タクリン、ドネペジル、リバスチグミンおよびガランタミン)、H3アンタゴニストおよびムスカリンM1アゴニスト(例えば、セビメリン)が挙げられる。
一の実施態様では、本発明の化合物と組み合わせて用いる活性成分は、非定型抗精神病薬、例えば、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピラゾール、ジプラシドンまたはアミスルプリドである。
一の実施態様では、本発明の化合物と組み合わせて用いる活性成分は、定型抗精神病薬、例えばクロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、チオチキシン(thiothixine)、ハロペリドール、トリフルプロマジン、ピモジド、ドロペリドール、クロルプロチキセン、モリンドンまたはロキサピンである。
別の実施態様では、本発明の化合物と組み合わせて用いる活性成分は、気分安定剤、例えばリチウム、バルプロ酸ナトリウム/バルプロ酸/ジバルプロエクス、カルバマゼピン、ラモトリジン、ガバペンチン、トピラメート、オキシカルバゼピンまたはチアガビンである。
別の実施態様では、本発明の化合物と組み合わせて用いる活性成分は、抗うつ薬、例えば、セロトニンアゴニスト(例えば、ラウオルシン、ヨヒンビンおよびメトクロプラミド);セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、シタロプラム、エシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、フェモキセチン(femoxetine)、インダルピン、ジメルジン、パロキセチンおよびセルトラリン);セロトニン/ノルアドレナリン二重再取り込み阻害剤(例えば、ベンラファキシン、レボキセチン、デュロキセチンおよびミルナシプラン);ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(例えば、レボキセチン);三環系抗うつ剤(例えば、アミトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびトリミプラミン);モノアミンオキシダーゼ阻害剤(例えば、イソカルボキサジド、モクロベミド、フェネルジンおよびトラニルシプロミン);または他の抗うつ薬(例えば、ブプロピオン、アミネプチン、ラダファキシン、ミアンセリン、ミルタザピン、ネファゾドンまたはトラゾドン)である。
別の実施態様では、本発明の化合物と組み合わせて用いる活性成分は、抗不安薬、例えば、アルプラゾラムまたはロラゼパムのようなベンゾジアゼピンである。
医薬用について、本発明の化合物は、通常、標準的な医薬組成物として投与される。したがって、本発明は、さらなる態様では、上記式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、本明細書に記載する状態のいずれかの治療に用いることができる。
式(I)で示される化合物は、いずれもの好都合な方法によって、例えば、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内投与)、口腔投与、舌下投与、鼻腔内投与、直腸投与または経皮投与によって、およびそれにしたがって適した医薬組成物によって、投与することができる。
経口投与した場合に活性である上記式(I)で示される化合物およびそれらの塩もしくは溶媒和物は、液体または固体、例えば、シロップ剤、懸濁剤または乳剤、錠剤、カプセル剤およびロゼンジ剤として、処方することができる。
液体製剤は、一般に、当該化合物または塩もしくは溶媒和物の適当な液体担体(例えば、水、エタノールもしくはグリセリンのような水性溶媒、またはポリエチレングリコールもしくは油のような非水性溶媒)中懸濁液または溶液からなる。当該製剤はまた、懸濁化剤、保存剤、矯味矯臭剤または着色料を含有してもよい。
錠剤の剤形の組成物は、固体製剤の調製に通常用いられるいずれもの適当な医薬担体を用いて調製することができる。かかる担体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、シュークロースおよびセルロースが挙げられる。
カプセル剤の剤形の組成物は、通常のカプセル化法を用いて調製することができる。例えば、標準的な担体を用いて活性成分を含有するペレットを調製し、次いで、ハードゼラチンカプセルに充填することができる;別法として、いずれもの適当な医薬担体、例えば、水性ガム、セルロース、シリケートまたは油を用いて分散体または懸濁液を調製し、次いで、該分散体または懸濁液をソフトゼラチンカプセルに充填することができる。
典型的な非経口組成物は、当該化合物または塩もしくは溶媒和物の滅菌水性担体または非経口的に許容される油(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油またはゴマ油)中溶液または懸濁液からなる。別法として、該溶液を凍結乾燥させ、次いで、投与直前に適当な溶媒で復元することができる。
鼻腔内投与用組成物は、好都合には、エアゾール剤、滴剤、ゲル剤および散剤として処方することができる。エアゾール製剤は、典型的には、該活性物質の医薬上許容される水性または非水性溶媒中溶液または微細懸濁液を含み、通常、密閉容器中にて滅菌形態の1回投与量または複数回投与量で提供され、微粒化装置で用いるカートリッジまたはリフィルの形態をとることができる。別法として、該密閉容器は、容器の内容物が使い果たされたら廃棄される、1回投与量鼻吸入器、または計量バルブを装着したエアゾールディスペンサーのような単一の調剤装置であってよい。当該投与剤形がエアゾールディスペンサーを含む場合、それは、圧縮空気のような圧縮ガスまたはハイドロクロロフルオロカーボンのような有機噴射剤であり得る噴射剤を含有する。該エアゾール投与剤形はまた、ポンプ式噴霧器の形態をとることができる。
口腔投与または舌下投与に適した組成物としては、活性成分が糖およびアカシア、トラガカントまたはゼラチンおよびグリセリンのような担体と一緒に処方される、錠剤、ロゼンジ剤およびトローチ剤が挙げられる。
直腸投与用組成物は、好都合には、カカオ脂のような慣用の坐剤基剤を含有する坐剤の剤形である。
経皮投与に適した組成物としては、軟膏剤、ゲル剤およびパッチ剤が挙げられる。
当該組成物は、錠剤、カプセル剤またはアンプル剤のような単位投与剤形であり得る。
経口投与用の各投与単位は、例えば、式(I)で示される化合物またはその塩を遊離塩基として算出して1〜250mg含有する(非経口投与ついては、例えば、0.1〜25mg含有する)。
本発明の化合物は、通常、式(I)で示される化合物またはその塩を遊離塩基として算出して1mg〜500mg、例えば、10mg〜400mg、例えば、10〜250mgの経口投与量、または0.1mg〜100mg、例えば、0.1mg〜50mg、例えば、1〜25mgの静脈内、皮下または筋肉内投与量の1日投与計画(成人患者について)で投与され、当該化合物は、1日1〜4回投与される。好適には、当該化合物は、持続的療法の期間、例えば、1週間またはそれ以上、投与される。
本発明の補助療法で用いる抗精神病薬成分はまた、必要に応じてそれらの塩基性もしくは酸性形態で、または、必要に応じて塩もしくは他の誘導体の形態で投与することができる。本明細書に記載する抗精神病薬またはそれらの塩もしくは誘導体の全ての溶媒和物ならびに別の結晶形、非晶形および多形を包含するがこれらに限定されるものではない全ての別の物理的形態もまた本発明の範囲内である。抗精神病薬の場合、形態および誘導体は、例えば、上記のものを包含する単剤療法としての治療的投与が認められているものであるが、本明細書での抗精神病薬についての言及は全て、その塩または他の誘導体の全て、およびその溶媒和物および別の物理的形態の全てを包含する。
本発明による補助療法的投与について、式(I)で示される化合物または塩もしくは溶媒和物および抗精神病薬またはそれらの塩、誘導体もしくは溶媒和物は、各々、純粋な形態で投与され得るが、該成分の各々は、例えば、体内で個々の成分の有効レベルを提供するいずれもの適当な医薬上許容されかつ有効な組成物に処方される。各成分に最も適する医薬組成物の選択は、当該分野の技術の範囲内であり、該成分ごとに同一の形態であっても異なる形態であってもよい。適当な製剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、ロゼンジ剤、坐剤、復元用散剤、または経口もしくは滅菌非経口用液剤もしくは懸濁剤のような液体製剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の式(I)で示される化合物および抗精神病薬の混合組成物としての同時投与について、式(I)で示される化合物またはそれらの塩もしくは溶媒和物および抗精神病薬またはそれらの塩、誘導体もしくは溶媒和物は、純粋な形態で一緒に投与され得るが、組み合わせる成分は、例えば、体内で該成分の各々の有効レベルを提供するいずれもの適当な医薬上許容されかつ有効な組成物に処方される。組み合わせる成分に最も適する医薬組成物の選択は、当該分野の技術の範囲内である。適当な製剤としては、錠剤、舌下用錠剤、口腔内用組成物、カプセル剤、散剤、顆粒剤、ロゼンジ剤、坐剤、復元用散剤、または経口もしくは滅菌非経口用液剤もしくは懸濁剤のような液体製剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
補助投与の一貫性を得るために、成分の各々の組成物または成分の組合せの組成物は、例えば、単位投与の剤形である。
「治療」なる用語は、予防が関連する状態に適している場合には予防を含む。
生物学的試験法
アゴニスト/アンタゴニスト能を測定するためのM1受容体に対するFLIPR実験
FLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー)技術を用いて、ヒトムスカリン受容体の安定な発現をもつCHO細胞における細胞内カルシウム経路を活性化する能力を測定するために、機能アッセイにて本発明の化合物を特徴付けた。すなわち、CHO−M1細胞をプレーティングし(20,000/ウェル)、37度で一夜増殖させた。培地を除去し、FLIPRカルシウム3色素を含有するローディングバッファー(カリフォルニア州サニーベールのMolecular Devices Co.)30uLを製造者の使用説明書に従って添加した。37度で45〜60分間インキュベートした後、FLIPR装置の各ウェルに試験化合物を含有するアッセイバッファー10uLを加えた。カルシウム応答をモニターしてアゴニズムを測定した。次いで、プレートをさらに10〜15分間インキュベートした後、アセチルコリンを含有するアッセイバッファー10uLをアゴニストチャレンジとして加えた。次いで、カルシウム応答を再度モニターして、アセチルコリンに対する化合物のアンタゴニズムを測定した。各化合物についてM1受容体に対するアゴニズムおよびアンタゴニズムの両方の濃度−応答曲線が行われた。結果をActivityBaseデータ解析スイート(ニュージャージー州パーシパニィのID Business Solution Inc.)に入れ、そこで曲線を非線形曲線フィッティングにより解析し、得られたpEC50/pIC50を算出した。
アゴニスト固有活性を測定するためのM1受容体に対するFLIPR実験
M1アゴニスト化合物の固有活性を測定するために、ヒトムスカリンM1受容体の一過性発現をもつU2OS細胞に対するFLIPR実験にて本発明の化合物を特徴付けた。すなわち、0.1%ウイルス/細胞比(v/v)で2×10e5/mLの細胞懸濁液中にてU2OS細胞にM1 BacMamウイルス(#)を形質導入した。部分アゴニストの固有活性を測定するのに最も適している機能滴定によって別々の実験においてウイルス対細胞比を測定した。懸濁液中にてウイルスと混合した後、次いで、細胞をプレーティングし(10,000/ウェル)、37度で一夜増殖させた。次いで、翌日、CHO−M1細胞について上記したプロトコールと同じプロトコールを用いてFLIPR実験を行った。結果をActivityBaseデータ解析スイートに入れ、そこで曲線を非線形曲線フィッティングにより解析し、得られたpEC50値を算出した。アゴニスト化合物の固有活性を、同一の化合物プレートに対して対照として加えたアセチルコリンによって誘発された最大FLIPR応答のパーセンテージとして算出し、0〜1の分率に変換した。
#:Ames, R S; Fornwald, J A; Nuthulaganti, P; Trill, J J; Foley, J J; Buckley, P T; Kost, T A; Wu, Z and Romanos, M A.(2004)Use of BacMam recombinant baculoviruses to support G protein-coupled receptor drug discovery. Receptors and Channels 10(3-4): 99-109
例示した化合物は、ムスカリンM1受容体にて>6.0のpEC50値を有し、>0.5の固有活性を有する。
受容体サブタイプ選択性を測定するためのM2-5受容体に対するFLIPR実験
他のムスカリン受容体サブタイプに対する本発明の化合物の選択性を測定するために、ヒトムスカリン受容体、M2、M3、M4またはM5の安定な発現をもつCHO細胞におけるFLIPR実験において化合物を特徴付けた。M2およびM4受容体の場合、キメラGタンパク質Gqi5を共発現させて、受容体をカルシウムシグナリング経路に結合させた。すなわち、細胞をプレーティングし(20,000/ウェル)、37度で一夜増殖させた。次いで、翌日、CHO−M1細胞について上記したプロトコールと同じプロトコールを用いてFLIPR実験を行った。結果をActivityBaseデータ解析スイートに入れ、そこで曲線を非線形曲線フィッティングにより解析し、得られたpEC50/pIC50値を算出した。
例示した化合物は、≧10倍、および場合によっては≧100倍の典型的な選択性(pEC50の比)で、M2、M3、M4およびM5受容体よりもM1受容体に対して選択的である。
以下の非限定的実施例によって本発明をさらに説明する。
MDAPとは、アセトニトリル/水/0.1%ギ酸で溶離するC18固定相上での逆相クロマトグラフィーを用いるマス用自動精製をいう。
SCXとは、Varianにより供給されるスルホン酸イオン交換樹脂をいう。
全ての反応は、特記しない限り、アルゴン下で行われたか、または、アルゴン下で行うことができる(例えば、水素添加反応)。
記載例1 1−クロロ−2,5−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン(D1)
2−クロロ−1,4−ジフルオロベンゼン(1.34mmol、200mg)を濃硫酸(1.7ml)に溶解し、0℃に冷却した;KNO
3(1当量、1.34mmol、135mg)を1度に添加し、混合物を0℃で1時間、室温で2時間撹拌した。粗混合物を氷上に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した;有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、標記化合物を得、これをクロマトグラフィー(EtOAc n−ヘキサン)により精製して、高真空下にて標記生成物を得た(228mg、88%、揮発性油)。
1H NMR δ(DMSO,400MHz)8.168(1H,dd)、8.404(1H,dd)
記載例2 4−[(5−クロロ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)アミノ]−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D2)
1−クロロ−2,5−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン(D1)(1.18mmol、228mg)を乾燥ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解し、室温にてジイソプロピルエチルアミン(1当量、1.18mmol、0.209ml)、4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(1当量、1.18mmol、236mg)を添加し、混合物を50℃で一夜撹拌した。次いで、粗混合物を室温に冷却し、水(150ml)を添加した;水溶液を酢酸エチル(2×)で抽出した;有機層をブラインおよび水(2×)で交互に洗浄した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、標記化合物を得た(340mg、80%、鮮やかな橙色の固体、M
+−H=372)。
記載例3 4−[(2−アミノ−5−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D3)
4−[(5−クロロ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)アミノ]−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D2)(0.91mmol、340mg)をエタノール(20ml)に溶解し、ラネーニッケルの水性懸濁液(1ml)を室温にて添加した;混合物を40℃に加熱し、ヒドラジン・一水和物(15当量、13.7mmol、0.424ml)を40℃にて20分間にわたって添加した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過し、溶媒を蒸発させて標記化合物を得、これをクロマトグラフィーにより精製した(完全な変換、312mg、M
+−H=342)。
記載例4 4−(6−クロロ−5−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D4)
4−[(2−アミノ−5−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D3)(0.87mmol、300mg)をテトラヒドロフラン5mlに溶解し、カルボニルジイミダゾール(1,1'−(オキソメタンジイル)ビス−1H−イミダゾール)(3当量、2.6mmol、440mg)を室温にて添加した;混合物を50℃にて一夜還流した。該混合物を室温に冷却し、THFを蒸発させ、酢酸エチル/H
2O/NaHCO
3(飽和溶液)で希釈した;2つの層を分取し、水相を酢酸エチル(2×)で抽出した;有機相を合わせ、水およびNaHCO
3(飽和溶液)で洗浄し、それらをNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、粗化合物を得、これをクロマトグラフィー(メタノール−NH
3−ジクロロメタン)により精製して、標記化合物(170mg、53%、M
+−H=368)を得た。
記載例5 6−クロロ−5−フルオロ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D5)
4−(6−クロロ−5−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D4)(0.460mmol、170mg)をジクロロメタン−ジエチルエーテルに溶解し、HCl(1,4−ジオキサン中4M溶液5ml)を室温にて添加した;混合物を室温で一夜振盪した。溶媒を蒸発させて、標記化合物(一塩酸塩、完全な変換、M
++H=270)を得た。
記載例6 4−[(5−クロロ−4−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D6)
1,5−ジクロロ−2−メチル−4−ニトロベンゼン(2.42mmol、500mg)を乾燥ジメチルホルムアミド(5ml)に溶解し、室温にて、ジイソプロピルエチルアミン(1当量、2.42mmol、0.413ml)、4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(1当量、2.42mmol、484mg)を添加し、混合物を100℃で一夜撹拌した。次いで、粗混合物を室温に冷却し、水を添加した;水溶液を酢酸エチル(3×)で抽出した;有機層をブラインおよび水で交互に洗浄した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、粗化合物を得、これをクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標記化合物(98mg、11%、鮮やかな橙色の固体)を得た。
1H NMR δ(DMSO,400MHz)1.407(11H,s)、1.945(2H,dd broad)、2.243(3H,s)、2.950(2H,s broad)、3.888(3H,d broad)、7.291(1H,s)、7.810(1H,d)、8.071(1H,s)。
記載例7 4−[(2−アミノ−5−クロロ−4−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D7)
4−[(5−クロロ−4−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D6)(0.270mmol、100mg)をエタノール(10ml)に溶解し、ラネーニッケルの水性懸濁液(0.3ml)を室温にて添加した;混合物を40〜50℃に加熱し、ヒドラジン・一水和物(15当量、4mmol、0.14ml)を20〜30分間にわたって添加した;次いで、反応混合物を40℃でさらに10分間加熱し、次いで、室温に冷却し、セライトで濾過し、溶媒を蒸発させて、粗生成物を得た。次いで、粗生成物をクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して標記化合物(80mg、88%、M
+−Boc=240)を得た。
記載例8 4−(6−クロロ−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D8)
4−[(2−アミノ−5−クロロ−4−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D7)(0.292mmol、100mg)をジクロロメタン10mlに溶解し、ホスゲンのトルエン中20%溶液(1.05当量、150μl)、次いで、トリエチルアミン(2.1当量、85μl)を0℃にて添加した;次いで、反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、クエン酸(10%水溶液)でクエンチした。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、2つの相を分取し、水相をジクロロメタン(1×)で抽出した;有機相を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、粗化合物を得、これをクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(50mg、50%、M
+−H=364)を得た。
記載例9 6−クロロ−5−メチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D9)
4−(6−クロロ−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D8)(0.270mmol、100mg)をHCl(1,4−ジオキサン中4M溶液)8mlで室温にて処理した;混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、標記化合物(一塩酸塩、60mg、90%、M
++H=266)を得た。
記載例10 5−クロロ−2−ヨード−4−(トリフルオロメチル)アニリン(D10)
室温にて、3−クロロ−4−トリフルオロメチルアニリン(1.7g)、酢酸ナトリウム・三水和物(2.2g)、および酢酸(10ml)の混合物に一塩化ヨウ素(1.5g)を一度に添加した。30分後、炭酸水素ナトリウム水溶液/亜硫酸ナトリウムを添加し、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)により精製して、標記化合物2.2gを得た。
記載例11 4−[({[5−クロロ−2−ヨード−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D11)
5−クロロ−2−ヨード−4−(トリフルオロメチル)アニリンD10(7.7mmol、2.2g)、炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.35当量、2.7mmol、800mg)を1,4−ジオキサン(10ml)に溶解し、混合物を100℃に15分間加熱した;次いで、混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮して、1−クロロ−4−ヨード−5−イソシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンを得、これをジクロロメタン(10ml)に溶解し、4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(2当量、11.4mmol、2.28g)を室温にて添加した;混合物を室温で1.5時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、得られた粗物をクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン)により精製して、標記化合物(1.46g、46%、M
+−H=546)を得た。
記載例12 4−[5−クロロ−2−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D12)
アルゴン雰囲気下、乾燥1,4−ジオキサン(5ml)、パラジウム1,1'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)フェロセンジクロリド(10%mol、0.268mmol、220mg)、Na
tBuO(2当量、5.36mmol、520mg)を一緒に混合し、室温で10分間超音波処理した;次いで、4−[({[5−クロロ−2−ヨード−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチルD11(2.68mmol、1.5g)を室温で添加し、混合物を80℃に一夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、NH
4Cl(飽和溶液)でクエンチし、得られた水性溶液を酢酸エチルで抽出した;有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、粗化合物を得、これをクロマトグラフィー(メタノール−NH
3−ジクロロメタン)により精製して、標記化合物(115mg、10%、M
+−H=418)を得た。
記載例13 5−クロロ−1−(4−ピペリジニル)−6−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D13)
室温にて、4−[5−クロロ−2−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチルD12(0.27mmol、115mg)をHCl(1,4−ジオキサン中4M溶液315μl)で処理した;混合物を室温で2.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、標記化合物(一塩酸塩、82mg、96%、M
++H=320)を得た。
記載例14 4−フルオロ−2−メチルフェニルメチルカーボネート(D14)
アルゴン下のテトラヒドロフラン(10mL)中の4−フルオロ−2−メチルフェノール(4mmol、504mg)を0℃にてピリジン(8.8mmol、700mg、2.2当量)で処理し、次いで、クロロギ酸メチル(4.4mmol、415mg、1.1当量)で処理した。該混合物を室温に加温し、45分間撹拌した。次いで、濃縮し、ジクロロメタン(10mL)に溶解し、ピリジン(8.8mmol、700mg、2.2当量)、次いで、クロロギ酸メチル(4.4mmol、415mg、1.1当量)を再度添加し、30分間反応させた。次いで、溶解性を助けるためにジオキサン(3mL)を添加し、次いで、ピリジン(8.8mmol、700mg、2.2当量)およびクロロギ酸メチル(4.4mmol、415mg、1.1当量)を再度3回添加した。LC/MSは、実際に、添加ごとに出発物質の変換が進んでいることを示したが、5分後に反応が停止したことも示した。行われた変換は85%(UV)であった。該混合物を減圧濃縮し、ジクロロメタンに溶解し、1M HCl水溶液、次いで、10%Na
2CO
3水溶液で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、標記化合物を油状物として得た(2.5mmol、468mg、収率64%)。M+H=185.08
記載例15 4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェニルメチルカーボネート(D15)
アルゴン下にて、4−フルオロ−2−メチルフェニルメチルカーボネート(D14)(2.5mmol、468mg)を濃硫酸に溶解し、0℃に冷却した。次いで、温度を約0℃に維持しながらKNO
3(2.5mmol、253mg、1当量)を注意深く添加した。次いで、室温まで加温しながら該混合物を2時間撹拌し、次いで、氷上に注意深く注ぎ、エーテルで2回抽出した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、標記化合物を淡褐色の固体として得た(2.36mmol、540mg、収率94%)。
1H NMR δ(CDCl
3)7.92(1H,d)、7.18(1H,d)、3.95(3H,s)、2.33(3H,s)
記載例16 4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェノール(D16)
アルゴン下にて、4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェニルメチルカーボネート(D15)(2.36mmol、540mg)をアンモニアのメタノール中2M溶液(12mmol NH
3、5当量)6mLで処理し、1.5時間撹拌した。該混合物を減圧濃縮し、クロマトグラフィー(0〜25%酢酸エチル/石油エーテル)により精製して標記化合物を鮮やかな黄色の固体として得た(1.7mmol、290mg、収率72%)。M−H=170.12、Rt 2.34分、
1H NMR δ(CDCl
3)7.48(1H,d)、7.06(1H,d)、5.15(1H,s)、2.32(3H,s)
記載例17 1−フルオロ−5−メチル−4−メトキシ−2−ニトロベンゼン(D17)
アルゴン下のジメチルホルムアミド(5mL)中の4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェノール(D16)(0.85mmol、145mg)をK
2CO
3(0.85mmol、117mg、1当量)で処理し、次いで、ヨウ化メチル(1.7mmol、242mg、2当量)で処理した。該混合物を室温で1.5時間撹拌し、減圧濃縮し、10%Na
2CO
3水溶液で処理し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、標記化合物を鮮やかな黄色固体として得た(0.79mmol、146mg、収率93%)。Rt=2.84分
記載例18 4−{[5−メチル−4−メトキシ−2−ニトロフェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D18)
アルゴン下にて室温で、1−フルオロ−5−メチル−4−メトキシ−2−ニトロベンゼン(D17)(0.79mmol、146mg)を4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.8mmol、160mg、1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(0.8mmol、103mg、1当量)で処理し、次いで、75℃で一夜撹拌した。完了が観察されず、混合物を高温で加熱し、再度、4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.8mmol、160mg、1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(0.8mmol、103mg、1当量)を添加し、100℃で一夜反応させた。該混合物を減圧濃縮し、10%Na
2CO
3水溶液で処理し、エーテルで2回抽出した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、減圧濃縮し、クロマトグラフィー処理して(0〜50%酢酸エチル/石油エーテル)、標記化合物を橙色の残渣として得た(0.33mmol、120mg、収率42%)。M+H=310.1、主フラグメント(分子は、そのtert−ブチル基を消失していた)。
記載例19 4−{[2−アミノ−5−メチル−4−メトキシ−フェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D19)
4−[(2−アミノ−4−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D28)と同様の方法でD18から標記化合物を製造し、収率97%をもって生成物0.32mmol(108mg)を得た。M+H=336.18
記載例20 4−[6−メチル−5−メトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D20)
4−(5−フルオロ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D29)と同様の方法でD19から標記化合物を製造し、生成物0.39mmol(140mg)を得た。M−H=360.3
記載例21 6−メチル−5−メトキシ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D21)
5−フルオロ−6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D30)と同様の方法でD20から標記化合物を製造し、収率90%をもって生成物0.35mmol(92mg)を得た。M+H=262.04
記載例22 1−クロロ−4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロベンゼン(D22)
アルゴン下にて1−クロロ−4−フルオロ−2−メチルベンゼン(10mmol、1.44g)を濃硫酸に溶解し、0℃に冷却した。次いで、温度を約0℃に維持しながらKNO
3(10mmol、1.01g、1当量)を注意深く添加した。次いで、室温まで加温しながら該混合物を2時間撹拌し、次いで、氷上に注意深く注ぎ、エーテルで2回抽出した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、油状物(9.1mmol、1.73g、収率91%)を得、クロマトグラフィー処理して(0〜25%酢酸エチル/石油エーテル)、標記化合物を透明な油状物として得た(7mmol、1.3g、全収率70%)。
1H NMR δ(CDCl
3)8.09(1H,d)、7.19(1H,d)、2.46(3H,s)
記載例23 4−[(4−クロロ−5−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D23)
アルゴン下にて室温で、ジメチルホルムアミド(5mL)中の1−クロロ−4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロベンゼン(D22)(1.5mmol、284mg)を4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(1.5mmol、300.5mg、1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(1.5mmol、194mg、1当量)で処理し、次いで、75℃で一夜撹拌した。該混合物を減圧濃縮し、10%Na
2CO
3水溶液で処理し、エーテルで2回抽出した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、標記化合物をクリーンな橙色の固体として得た(1.46mmol、539mg、収率97%)。M−H=368.16
記載例24 4−[(2−アミノ−4−クロロ−5−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D24)
4−[(2−アミノ−4−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D28)と同様の方法で(D23)から標記化合物を製造し、収率98%をもって生成物1.43mmol(484mg)を得た。M+H=340.14
記載例25 4−(5−クロロ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D25)
4−(5−フルオロ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D29)と同様の方法でD24から標記化合物を製造し、収率62%をもって生成物0.89mmol(324mg)を得た。M−H=364.3
記載例26 5−クロロ−6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D26)
5−フルオロ−6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D30)と同様の方法でD25から標記化合物を製造し、収率100%をもって生成物0.98mmol(260mg)を得た。M+H=266.2
記載例27 4−[(4−フルオロ−5−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D27)
アルゴン下にて室温で、ジメチルホルムアミド(10mL)中の1,4−ジフルオロ−2−メチル−5−ニトロベンゼン(1.5mol、260mg)を4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(1.5mmol、300.5mg、1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(1.5mmol、260μL、1当量)で処理し、次いで、70(→80)℃で38時間撹拌した。該混合物を真空濃縮し、水で処理し、エーテルで2回抽出した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、真空濃縮して、赤−茶色の残渣を得、これをクロマトグラフィー処理して(0〜25%酢酸エチル/石油エーテル 6 CV)、標記化合物を赤色固体として得た(0.96mmol、340mg、収率64%)。M+H=298.07、主フラグメント(分子は、そのtert−ブチル基を消失していた)。
記載例28 4−[(2−アミノ−4−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D28)
アルゴン下にて室温で、エタノール(20mL)中の4−[(4−フルオロ−5−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D27)(0.96mmol、340mg)をラネーニッケル(懸濁液、水中50%、0.5mL)で処理し、次いで、エタノール中のヒドラジン・水和物(9.6mmol、10当量)で15分間にわたって滴下処理した。該混合物を45℃で50分間加熱した。ラネーニッケルを濾過し、エタノールで洗浄した。反応混合物を真空濃縮して、標記化合物を得た(0.88mmol、284mg、収率92%)。M+H=324.16
記載例29 4−(5−フルオロ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D29)
アルゴン下にて室温で、テトラヒドロフラン(30mL)中の4−[(2−アミノ−4−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D28)(0.88mmol、284mg)をN,N'−カルボニルジイミダゾール(0.88mmol、141mg、1当量)で処理し、室温で一夜撹拌した。次いで、反応混合物を真空濃縮し、残留物をTHF(5ml)に溶解し、3時間撹拌し、次いで、45℃で45分間加熱し、次いで、N,N'−カルボニルジイミダゾール(0.44mmol、70mg、0.5当量)を添加し、40分間反応させた。該混合物を濃縮し、10%Na
2CO
3水溶液と酢酸エチルとの間で分配させた。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濃縮し、クロマトグラフィー処理して(EtOAc/石油エーテル)、標記化合物を得た(0.68mmol、239mg、収率77%)。M−H=348.3
記載例30 5−フルオロ−6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D30)
アルゴン下にて室温で、ジクロロメタン(5mL)中の4−(5−フルオロ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D29)(0.68mmol、239mg)をトリフルオロ酢酸(1mL)で処理し、1時間撹拌した。該混合物を濃縮し、10%Na
2CO
3水溶液で処理し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、真空濃縮して、標記化合物を得た(0.64mmol、160mg、収率94%)。M+H=250.2
記載例31 5,6−ジメチル−1−[1−(フェニルメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D31)
4,5−ジメチル−1,2−ベンゼンジアミン(3mmol、408.6mg)および4−オキソ−1−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸エチル(3mmol、784mg、1当量)をキシレン(20mL)に溶解し、アルゴン下、還流下にて8時間加熱し、室温で一夜放置した。該混合物を減圧濃縮し、残留物を、微量のメタノールを含有する酢酸エチル中にて再結晶させて、標記化合物を白色結晶として得た(1.39mmol、463mg、収率46%)。M+H=334.3
記載例32 5,6−ジメチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンの酢酸との塩(D32)
5,6−ジメチル−1−[1−(フェニルメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D31)(0.6mmol、200mg)をエタノール(10mL)および酢酸(2mL)に溶解し、次いで、アルゴン下にてPd/炭(50mg)を添加し、混合物を50PSIの水素下にて室温で24時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮して、標記化合物を酢酸塩として得た(330mg)。
記載例33 1−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロベンゼン(D33)
アルゴン下にて、1−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルベンゼン(10mmol、1.89g)を濃H
2SO
4(比重1.18)(10mL)に溶解し、混合物を0℃に冷却した。温度を約0℃に維持しながらKNO
3(10mmol、1.01g)を滴下した。次いで、該混合物を0℃〜20℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷中に注ぎ、生成物をエーテル(×2)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を減圧除去して、生成物を油状物として得た(9.4mmol、2.2g、94%)。
1H NMR:400MHz;CDCl
3:δ 3.5(1H,s,2−CH
3);10.7(1H,d,J=12Hz,3−H);11.75(2H,d,J=9Hz,6−H)
記載例34 4−[(4−ブロモ−5−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D34)
1−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロベンゼン(D33)(3mmol、702mg)の乾燥ジメチルホルムアミド(20mL)中溶液を1−Boc−4−ピペリジンアミン(3mmol、601mg、1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(3mmol、520μL、1当量)で処理し、混合物をアルゴン下にて撹拌し、80℃に17時間加熱した。反応混合物を減圧濃縮し、水を添加し、生成物を酢酸エチル(×2)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を減圧除去して、生成物を橙色の固体として得た(2.3mmol、0.95g、77%)。
MH
+=360.1
記載例35 4−[(2−アミノ−4−ブロモ−5−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D35)
4−[(4−ブロモ−5−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D34)(2.3mmol、0.95g)をエタノール(40mL)に溶解し、ラネーニッケル(50%水性懸濁液、5mL)を添加した。撹拌混合物にヒドラジン・水和物の溶液(23mmol、1.15mL、10当量)を10分間にわたって滴下した。次いで、該混合物を45℃に1時間加熱した。該混合物をCeliteで濾過し、エタノールで洗浄し、溶媒を減圧除去して、生成物を茶色油状物として得た(2.1mmol、0.82g、92%)。
MH
+=386.2
記載例36 4−(5−ブロモ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D36)
4−[(2−アミノ−4−ブロモ−5−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D35)(2.1mmol、0.82g)を乾燥テトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、N,N'−カルボニルジイミダゾール(3.45mmol、553mg、1.5当量)を添加し、混合物を50℃に17時間加熱した。該混合物を減圧濃縮し、Na
2CO
3水溶液(10%、80ml)を添加し、生成物を酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を減圧除去して粗生成物を得た。生成物をクロマトグラフィー処理して石油エーテル60−80(5 CVs)中5%〜60%酢酸エチルで溶離することにより精製して、生成物を黄色固体として得た(1.32mmol、541mg、57%)
MH
+=412.1
記載例37 5−ブロモ−6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D37)
4−(5−ブロモ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D36)(1.32mmol、541mg)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5mL)を添加し、混合物をアルゴン下にて室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、Na
2CO
3(10%水溶液)を添加し、生成物を酢酸エチル(×3)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を減圧除去して、生成物を黄色固体として得た(1.16mmol、359mg、88%)
MH
+=311.99、309.99
記載例38 N−(4,5−ジクロロ−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D38)
4,5−ジクロロ−2−フルオロニトロベンゼン(315mg)を乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、室温にて、ジイソプロピルエチルアミン(0.85ml)および1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン・二塩酸塩(D40)(450mg)を添加した。該混合物を80℃で1時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、水および酢酸エチルを添加した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物350mgを得た。
記載例39 N−(4,5−ジクロロ−2−アミノフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D39)
N−(4,5−ジクロロ−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D38)(320mg)をエタノール(20ml)に溶解し、ラネーニッケル(50%水性懸濁液、0.5ml)を室温にて添加した;混合物を40℃に加熱し、ヒドラジン・一水和物(0.4ml)を20分間にわたって添加した。さらに30分後、反応混合物を室温に冷却し、Celiteで濾過し、溶媒を蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー処理してメタノール−ジクロロメタン混合物で溶離して、標記化合物150mgを得た。
記載例40 1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン・二塩酸塩(D40)
4−BOC−アミノピペリジン(10.60g、53mmol)およびテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(5.57g、55.7mmol)のジクロロメタン(300ml)中撹拌混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(22.47g、106mmol)を数回に分けて添加した。次いで、該混合物を室温で一夜撹拌し、次いで、希炭酸カリウム溶液(100ml)で処理した。10分間撹拌した後、有機相を分取し、水およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空下にて濃縮乾固した。固体残留物をエタノール(200ml)に溶解し、濃HCl(25ml)で処理し、撹拌し、2時間加熱還流した。冷却した混合物を真空下にて濃縮乾固し、ジエチルエーテルから無色の固体残留物を回収し、真空乾燥させて、標記化合物(10.92g、80%)を得た。
1H NMR δ(DMSO−d6)1.71(2H,m)、2.04(3H,m)、2.11(3H,m)、3.01(2H,m)、3.30(4H,m;H
2Oシグナルにより部分的に不明瞭)、3.52(2H,m)、3.97(2H,m)、8.43(3H,m)、および10.96(1H,m)。
記載例41 2−クロロ−4−ニトロ−5−フルオロフェノール(D41)
0℃での2−クロロ−5−フルオロフェノール(1.5g)のジクロロメタン(50ml)中溶液を硝酸(70%、0.7ml)で処理した。冷却浴を外し、室温で15分後、溶液を水で洗浄し、次いで、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。生成物をジエチルエーテルから結晶化させて、標記化合物500mgを得た。
記載例42 2−クロロ−4−ニトロ−5−フルオロアニソール(D42)
2−クロロ−4−ニトロ−5−フルオロフェノール(D41)(450mg)、炭酸カリウム(600mg)、ヨードメタン(1ml)、およびジメチルホルムアミド(5ml)の混合物を室温で一夜撹拌し、次いで、ジエチルエーテルを添加し、溶液を水で洗浄し、次いで、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。生成物をヘキサンから結晶化させて、標記化合物350mgを得た。
記載例43 4−[(4−フルオロ−5−ブロモ−2−ニトロフェニル)アミノ]−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D43)
4−ブロモ−2,5−ジフルオロニトロベンゼン(0.60g、2.5mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、室温にて、ジイソプロピルエチルアミン(0.39g、3.0mmol)および4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.53g、2.6mmol)を添加し、次いで、1時間撹拌した。次いで、該混合物を80℃で2.5時間撹拌し、次いで、室温に冷却した。該混合物を真空下にて濃縮乾固し、残留物を酢酸エチルと希炭酸カリウム水溶液との間で分配させた。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー処理して40−60石油エーテル中10〜50%ジエチルエーテルで溶離することにより精製して、標記化合物を橙/赤色固体として得た(0.91g、87%)。LC/MS − 97% m/e − 416/418(M−H)
記載例44 4−[(2−アミノ−4−フルオロ−5−ブロモフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D44)
4−[(4−フルオロ−5−ブロモ−2−ニトロフェニル)アミノ]−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D43)(0.91g、2.2mmol)をエタノール(25ml)に懸濁し、ラネーニッケル(50%水性懸濁液、100mg)を室温にて添加した;混合物を45℃に加熱し、ヒドラジン・一水和物(3.0ml)を10分間にわたって添加した。さらに1時間後、反応混合物を室温に冷却し、Celiteで濾過し、溶媒を蒸発させて、標記化合物を橙褐色のガム状物として得た(0.83g、98%)。LC/MS − 96% m/e 388/390(M+H)。
記載例45 4−(5−フルオロ−6−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D45)
4−[(2−アミノ−4−フルオロ−5−ブロモフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D44)(0.83g、2.1mmol)を無水テトラヒドロフラン(20ml)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(0.51g、3.2mmol)を数回に分けて15分間にわたって添加した。該混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、還流温度で18時間撹拌した。冷却した混合物を真空下にて濃縮乾固し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー処理してn−ペンタン中15〜100%酢酸エチルで溶離することにより精製して、標記化合物を黄褐色固体として得た(0.54g、51% LC/MS−85% m/e 412/414(MH−))。
記載例46 5−フルオロ−6−ブロモ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D46)
4−(5−フルオロ−6−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D45)(0.54g、1.3mmol)および6N HCl(1ml)のエタノール(15ml)中撹拌混合物を還流温度に4時間加熱した。該混合物を真空下にて濃縮乾固し、残留物を炭酸ナトリウム水溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、真空下にて濃縮乾固して、標記化合物を薄黄褐色粉末として得た(0.35g、85%)。LC/MS−92% 314/316(M+H)
記載例47 4−[(5−メトキシ−4−クロロ−2−ニトロフェニル)アミノ]−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D47)
2−クロロ−4−ニトロ−5−フルオロアニソール(D42)(300mg)を乾燥ジメチルホルムアミド(3ml)に溶解し、室温にて、ジイソプロピルエチルアミン(0.3ml)および4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(330mg)を添加した。該混合物を3時間撹拌し、次いで、水および酢酸エチルを添加した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、残留物をジエチルエーテルから結晶化させて、標記化合物400mgを得た。
記載例48 4−[(2−アミノ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D48)
4−[(5−メトキシ−4−クロロ−2−ニトロフェニル)アミノ]−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D47)(400mg)をエタノール(10ml)に溶解し、ラネーニッケル(50%水性懸濁液、1.0ml)を室温にて添加した;混合物を40℃に加熱し、ヒドラジン・一水和物(0.5ml)を30分間にわたって添加した。さらに30分後、反応混合物を室温に冷却し、Celiteで濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー処理して酢酸エチル−ヘキサン混合物で溶離して、標記化合物300mgを得た。
記載例49 4−(6−メトキシ−5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D49)
0℃にて、4−[(2−アミノ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D48)(280mg)をジクロロメタン5mlに溶解し、ホスゲン(トルエン中20%、0.5ml)およびトリエチルアミン(0.3ml)を添加し、混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、クエン酸水溶液で洗浄し、次いで、水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー処理してメタノール−ジクロロメタン混合物で溶離し、ジエチルエーテルから結晶化し、次いで、さらにMDAPにより精製して、標記化合物40mgを得た。
記載例50 6−メトキシ−5−クロロ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D50)
4−(6−メトキシ−5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D49)(35mg)をエタノール(1ml)に溶解し、室温にてHCl(1,4−ジオキサン中4M、1ml)を添加した。該混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、蒸発させて、標記化合物30mgを得た。
記載例51 N−(5−クロロ−4−トリフルオロメチル−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D51)
2,4−ジクロロ−5−ニトロベンゼントリフルオリド(0.70g、2.7mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.05g、8.1mmol)、および1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン・二塩酸塩(0.75g、2.9mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド(20ml)に溶解した。該混合物を90℃で18時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、真空下にて濃縮乾固した。残留物をジクロロメタン(75ml)に溶解し、連続的に希炭酸カリウム溶液、水およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー処理してジクロロメタン中1〜5%メタノールで溶離することにより精製して、標記化合物を黄色固体として得た(0.64g、58%)。MH
+=408および410。
記載例52 5−クロロ−N−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−4−トリフルオロメチル−1,2−ベンゼンジアミン(D52)
N−(5−クロロ−4−トリフルオロメチル−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D51)(0.64g、1.57mmol)をエタノール(25ml)に溶解し、ラネーニッケル(50%水性懸濁液、100mg)を室温にて添加した;混合物を60℃に加熱し、ヒドラジン・一水和物(0.8ml)を30分間にわたって添加した。さらに2時間後、反応混合物を室温に冷却し、Celiteで濾過し、溶媒を蒸発乾固させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー処理してジクロロメタン中2〜20%メタノールで溶離することにより精製して、標記化合物をクリーム色の固体として得た(0.34g、58%)。MH
+=378および380。
記載例53 1−ブロモ−5−フルオロ−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(D53)
0℃での2−ブロモ−4−フルオロベンゾトリフルオリド(1.0g、4.1mmol)の濃硫酸(10ml)中撹拌溶液をKNO
3(0.46g、4.6mmol)で滴下処理し、0℃で0.5時間維持した後、2時間にわたって室温に加温した。十分に撹拌した氷/水(100ml)に該混合物を添加し、次いで、酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥させ、真空濃縮して、標記化合物を黄色固体として得た(1.2g、100%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ: 7.75(1H,d)、8.45(1H,d)。
記載例54 N−[5−ブロモ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D54)
アルゴン下にて室温での1−ブロモ−5−フルオロ−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(D53)(0.30g、1.04mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)中撹拌溶液をジイソプロピルエチルアミン(0.59ml、3.3mmol)および1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン・二塩酸塩(D40)(0.28g、1.1mmol)で処理し、70℃で1時間加熱した。該混合物を真空濃縮し、残留物を10%Na
2CO
3溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥させ、真空濃縮して、橙色の固体を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー処理して0〜20%メタノール/酢酸エチルで溶離することにより精製して、標記化合物を鮮やかな黄色固体として得た(0.38g、81%)。MH
+=452、454。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:1.55−1.80(m,6H)、2.07−2.17(m,2H)、2.40−2.60(m,3H)、2.88−2.98(m,2H)、3.40(dt,2H)、3.5−3.62(m,1H)、4.00−4.09(m,2H)、7.18(s,1H)、8.30(d,1H)、8.50(s,1H)。
記載例55 5−ブロモ−N−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−4−(トリフルオロメチル)−1,2−ベンゼンジアミン(D55)
アルゴン下にて室温でのN−[5−ブロモ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D54)(380mg、0.84mmol)のエタノール(20ml)中撹拌懸濁液をラネーニッケル(20mg)で処理し、次いで、ヒドラジン・水和物(0.25ml、8.0mmol)を滴下した。該混合物を室温で0.5時間保持し、次いで、45℃で1時間加熱して、灰色の溶液を得、これをKieselguhrで濾過し、濾液を真空濃縮して、標記化合物を薄黄色の固体として得た(350mg、99%)。MH
+=422、424。
記載例56 1−フルオロ−5−メチル−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(D56)
4−フルオロ−2−メチル−1−(トリフルオロメチル)ベンゼン(5.6mmol、1g)を濃硫酸(7ml)に溶解し、0℃に冷却した;0℃にてKNO
3(1当量、5.6mmol、566mg)をワンポットで添加し、混合物を0℃で4時間撹拌した。粗混合物を氷上に注ぎ、酢酸エチルで抽出した;有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、標記化合物を得た(1.1g、88%)。
1H NMR δ(DMSO,400MHz)2.555(1H,s)、7.808(1H,d)、8.372(1H,d)
記載例57 4−{[5−メチル−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D57)
1−フルオロ−5−メチル−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(D56)(4.9mmol、1.1g)を乾燥ジメチルホルムアミド(3ml)に溶解し、室温にて、ジイソプロピルエチルアミン(1当量、4.9mmol、0.460ml)、4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(1当量、4.9mmol、981mg)を添加し、混合物を80℃で3時間撹拌した。次いで、粗混合物を室温に冷却し、水を添加した;水溶液を酢酸エチルで抽出した;有機層をブラインおよび水で交互に洗浄した。有機層を合わせて、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、粗化合物を得、これをクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た(1.29g、65%、M
+−H=402)。
記載例58 4−{[2−アミノ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D58)
4−{[5−メチル−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D57)(3.17mmol、1.29g)をエタノール(20ml)に溶解し、ラネーニッケルの水性懸濁液(3ml)を室温にて添加した;混合物を40〜50℃に加熱し、ヒドラジン・一水和物(15当量、48mmol、1.5ml)を20〜30分間にわたって添加した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過し、溶媒を蒸発させて、標記化合物を得た(1.1g、92%、M
+−Boc+H=274)。
記載例59 4−[6−メチル−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D59)
4−{[2−アミノ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D58)(2.92mmol、1.1g)をテトラヒドロフラン5mlに溶解し、CDI(1,1'−(オキソメタンジイル)ビス−1H−イミダゾール)(1.5当量、4.4mmol、0.71g)を室温にて添加した;混合物を50〜60℃で一夜撹拌した。該混合物を室温に冷却し、酢酸エチル/H
2O中にて分配させた;2つの層を分取し、水相を酢酸エチル(2×)で抽出した;有機相を合わせ、クエン酸溶液(10%水溶液)、ブラインで洗浄し、それらをNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、粗化合物を得、これをクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た(900mg、81%、M
+−H=398)。
記載例60 6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D60)
室温にて、4−[6−メチル−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D59)(2.23mmol、900mg)をHCl(1,4−ジオキサン中4M溶液10ml)で処理した;混合物を室温で一夜撹拌した。溶媒を蒸発させて、標記化合物を得た(一塩酸塩、完全な変換、M
++H=300)。
記載例61 4−[(4−トリフルオロメチル−5−クロロ−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D61)
1,5−ジクロロ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(5.5g)を乾燥ジメチルホルムアミド(50ml)に溶解し、室温にてジイソプロピルエチルアミン(5.1ml)および4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(5.0g)を添加した。該混合物を80℃で2.5時間撹拌し、次いで、水および酢酸エチルを添加した。有機層を水で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、残留物をジエチルエーテルから結晶化させて、標記化合物6.7gを得た。
記載例62 4−[(2−アミノ−5−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D62)
4−[(4−トリフルオロメチル−5−クロロ−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D61、6.7g)をエタノール(100ml)に溶解し、ラネーニッケル(50%水性懸濁液、5ml)を室温にて添加した;混合物を50℃に加熱し、ヒドラジン・一水和物(3ml)を30分間にわたって添加した。さらに1時間後、反応混合物を室温に冷却し、Celiteで濾過し、蒸発させ、トルエンから再蒸発させ、残留物をジクロロメタンから結晶化して、標記化合物4.0gを得た。
記載例63 4−(5−トリフルオロメチル−6−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D63)
0℃にて4−[(2−アミノ−5−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D62、2.2g)をジクロロメタン25mlに添加し、トリホスゲン(0.6g)およびジイソプロピルエチルアミン(1.0ml)を添加し、混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、クエン酸水溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー処理してメタノール−ジクロロメタン混合物で溶離し、次いで、ジエチルエーテルから結晶化させて、標記化合物1.0gを得た。
記載例64 5−トリフルオロメチル−6−クロロ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D64)
4−(5−トリフルオロメチル−6−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D63、1.0g)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、室温にてHCl(1,4−ジオキサン中4M、2.5ml)を添加した。該混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、蒸発させて、標記化合物850mgを得た。
記載例65 4−{4−[6−クロロ−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジニル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D65)
SCXを使用して5−トリフルオロメチル−6−クロロ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D64、850mg)を遊離塩基に変換し、次いで、アセトンシアノヒドリン(400mg)、テトラヒドロピラン−4−オン(500mg)、硫酸マグネシウム(1.5g)およびジメチルアセトアミド(2.5ml)と合わせ、該混合物をゆっくりとしたアルゴン流下にて60℃で18時間加熱した。冷却した混合物に水および酢酸エチルを添加した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、残留物をジエチルエーテルから結晶化させて、標記化合物160mgを得た。
記載例66 4−{[5−ブロモ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D66)
アルゴン下にて室温での2−ブロモ−4−フルオロ−5−ニトロベンゾトリフルオリド(1.15g、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(15ml)中撹拌溶液をジイソプロピルエチルアミン(1.8ml、10mmol)および4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.90g、4.5mmol)で処理し、次いで、75℃で3時間加熱した。該溶液を真空濃縮し、残留物を10%Na
2CO
3溶液(30ml)で処理し、酢酸エチル(2×40ml)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(40ml)で洗浄し、次いで、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮して、橙色の固体を得、これをシリカゲル(20g)でクロマトグラフィー処理してジクロロメタンで溶離することにより精製して、標記化合物を黄色固体として得た(1.08g、58%)。
1H NMR δ(CDCl
3,400MHz):8.51(1H,s)、8.27(1H,d)、7.20(1H,s)、4.15−4.00(2H,m)、3.75−3.63(1H,m)、3.15−3.00(2H,m)、2.12−2.02(2H,m)、1.65−1.50(2H,m)、1.48(9H,s)。
記載例67 4−{[2−アミノ−5−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D67)
アルゴン下にて室温での4−{[5−ブロモ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D66、1.10g、2.3mmol)のエタノール(50ml)中撹拌懸濁液をラネーニッケル(30mg)で処理し、次いで、ヒドラジン・水和物(0.50ml、16mmol)を10分間にわたって滴下した。該混合物を室温で20分間十分に撹拌し、次いで、45℃で1時間加熱した後、20℃に冷却し、Kieselguhrで濾過した。濾液を真空濃縮して、標記化合物を白色固体として得た(0.98g、95%)。
1H NMR δ(CDCl
3,400MHz):7.01(1H,s)、6.82(1H,s)、4.06(2H,br s)、3.75−3.68(1H,m)、3.50−3.40(1H,m)、3.28(2H,br s)、2.97(2H,t)、2.04(2H,dd)、1.50−1.35(2H,m)、1.47(9H,s)。
記載例68 4−[6−ブロモ−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D68)
アルゴン下にて室温での4−{[2−アミノ−5−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D67、0.98g、2.2mmol)のテトラヒドロフラン(25ml)中撹拌溶液をジイソプロピルエチルアミン(0.78ml、4.4mmol)で処理し、次いで、クロロギ酸エチル(0.24ml、2.5mmol)で処理し、20時間保持した。該溶液を真空濃縮し、残留物を10%Na
2CO
3溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮して、ベージュ色の固体を得、これをジメチルホルムアミド(20ml)に溶解し、アルゴン下にて1.5時間撹拌しながら加熱した。該混合物を真空濃縮し、残留物を10%Na
2CO
3溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮して、標記化合物を薄茶色の固体として得た(0.95g、91%)。
1H NMR δ(CDCl
3,400MHz):9.77(1H,br s)、7.44(1H,s)、7.42(1H,s)、4.50−4.25(3H,m)、2.95−2.80(2H,m)、2.35−2.20(2H,m)、1.84(2H,d)、1.52(9H,s)。
記載例69 6−ブロモ−1−(4−ピペリジニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D69)
4−[6−ブロモ−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D68、0.95g、2.0mmol)のジエチルエーテル(50ml)およびメタノール(10ml)中溶液を室温にて1M HCl/ジエチルエーテル(10ml、10mmol)で処理し、20時間撹拌した。沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、標記化合物をベージュ色の固体として得た(0.71g、87%)。
1H NMR δ(d
6DMSO,400MHz):11.55(1H,s)、9.21(1H,br d)、9.03(1H,br m)、7.97(1H,s)、7.35(1H,s)、4.65−4.55(1H,m)、3.5−3.35(2H,m)、3.13−3.00(2H,m)、2.70−2.50(2H,m)、1.88(2H,d)。
記載例70 4−{4−[6−ブロモ−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジニル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D70)
アルゴン下にて室温での6−ブロモ−1−(4−ピペリジニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D69の遊離塩基、0.28g、0.77mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(3ml)中撹拌溶液をアセトンシアノヒドリン(0.13g、1.5mmol)および乾燥硫酸マグネシウム(0.50g)で処理し、次いで、十分に撹拌した混合物に穏やかなアルゴン流を通しながら60℃で加熱した。48時間後、濃厚な薄黄色沈殿物を含有する混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(25ml)で処理し、次いで、15分間撹拌した。固体沈殿物の微細懸濁液を含有する液体をデカントしてフラスコの底に沈んでいる硫酸マグネシウムを取り除いた。次いで、デカントした混合物を濾過して、標記化合物を白色固体として得た(純度>90%)(0.24g、66%)。
1H NMR δ(d
6DMSO,400MHz):11.7(1H,vbr s)、8.23(1H,s)、7.67(1H,s)、4.72−4.61(1H,m)、4.32(2H,d)、3.82(2H,t)、3.60(2H,d)、2.82−2.70(2H,m)、2.61−2.50(4H,m)、2.16(2H,d)、2.10−1.95(2H,m)。
記載例71 4−{4−[6−メチル−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジニル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D71)
6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D60の遊離塩基、0.473g、1.47mmol)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル(2当量、2.94mmol、0.268ml)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(2当量、2.94mmol、0.27ml)、MgSO
4(880mg)およびN,N−ジメチルアセトアミド(4ml)をアルゴン下にて60℃で24時間加熱した。次いで、該混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン/水(70ml/70ml)を添加し、得られた二相混合物を室温で20分間超音波処理した。2つの相を分取し、有機相をハイドロマトリックスカートリッジにより乾燥させた。次いで、有機溶媒を蒸発させ、得られた固体をジエチルエーテルでトリチュレートして、標記化合物を得た(440mg、70%)。
1H NMR δ(d
6DMSO,400MHz):1.645(2H,m)、1.782(2H,d)、2.178(4H,m)、2.420(2H,m)、3.262(2H,d)、3.459(2H,t)、3.957(2H,d)、4.220(1H,m)、7.161(1H,s)、7.382(1H,s)、11.1(1H,s broad)。
記載例72 4−[4−(5−フルオロ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D72)
5−フルオロ−6−メチル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D30、0.6g、2.4mmol)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル(380mg、4.8mmol)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(480mg)、硫酸マグネシウム(1.4g)およびN,N−ジメチルアセトアミド(2.4ml)の混合物をゆっくりとしたアルゴン流下にて65℃で撹拌した。さらにDMA 2mlを添加し、さらに4時間撹拌した。該混合物をジクロロメタンと水との間で分配させた。ジクロロメタン層を分取し、3gハイドロマトリックスカートリッジに通すことによって乾燥させた。溶媒を除去し、標記化合物をエーテルからオフホワイト色の固体として得た(617mg)。M
+ 359。
1H NMR δ(d
6DMSO): 1.65(2H,m)、1.75(2H,m)、2.20(4H,m)、2.23(3H,s)、2.35(2H,m)、3 .25(2H,d)、3.45(2H,m)、3.95(2H,m)、4.15(1H,m)、6.77(1H,d)、7.17(1H,d)、10.87(1H,s)。
19F NMR δ(d
6DMSO):126.05
記載例73 4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェニル1−メチルエチルエーテル(D73)
アルゴン下にて室温で、4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェノール(D16)(0.85mmol、145mg)のテトラヒドロフラン(5mL)中溶液を2−プロパノール(0.85mmol、51.1mg、1当量)、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン(1.28mmol、335.7mg、1.5当量)およびアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.28mmol、293.5mg、1.5当量)で処理した。該混合物を3時間撹拌し、次いで、塩化水素のエーテル中溶液(1M)を添加し、混合物を1時間撹拌した。ガム状沈殿物が出現した。該混合物を減圧濃縮し、残留物をエーテルに溶解し、30分間、5M塩化水素水溶液で2回洗浄し、次いで、10%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機(エーテル)相を乾燥させ、減圧濃縮して、残留物を得、これをシリカによるクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)により精製して、標記化合物を薄黄色の固体として得た(0.53mmol、115mg、収率63%)。
記載例74 4−({5−メチル−4−[(1−メチルエチル)オキシ]−2−ニトロフェニル}アミノ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D74)
アルゴン下にて室温で、4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェニル1−メチルエチルエーテル(D73)(0.53mmol、115mg)のジメチルホルムアミド(3mL)中溶液を4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.53mmol、106mg、1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(0.53mmol、68.5mg、1当量)で処理し、次いで、80℃で一夜加熱した。次いで、該混合物を減圧濃縮し、次いで、10%炭酸ナトリウム水溶液で処理し、エーテル/酢酸エチルで抽出した。有機物を乾燥させ、減圧濃縮し、シリカによるクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)により精製して、標記化合物を固体として得た(0.2mmol、80mg、収率39%)。主フラグメント(tert−ブチル基の消失)についてM+H 338.1。
記載例75 4−({2−アミノ−5−メチル−4−[(1−メチルエチル)オキシ]フェニル}アミノ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D75)
4−({5−メチル−4−[(1−メチルエチル)オキシ]−2−ニトロフェニル}アミノ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D74)(0.2mmol、80mg)のエタノール(10mL)中懸濁液/溶液をラネーニッケルで処理し、次いで、アルゴン下にて室温でヒドラジン・水和物(2mmol、100mg、10当量)を5分間にわたって滴下した。次いで、該混合物を45℃で30分間加熱した。次いで、触媒を濾去し、エタノールおよびメタノールで洗浄した。濾液を減圧濃縮して、標記化合物を固体として得た(0.16mmol、60mg、収率83%)。M+H 364.3、308.2、264.2(完全分子ならびにtert−ブチル基を消失したフラグメントおよびBoc基を消失したフラグメント)。
記載例76 4−{6−メチル−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D76)
アルゴン下にて室温で、4−({2−アミノ−5−メチル−4−[(1−メチルエチル)オキシ]フェニル}アミノ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D75)(0.16mmol、60mg)のテトラヒドロフラン(0.5mL)中溶液をN,N'−カルボニルジイミダゾール(0.24mmol、38.5mg、1.5当量)で処理し、次いで、混合物を50℃で1時間加熱し、減圧濃縮し、残留物を10%炭酸ナトリウム水溶液で処理し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、減圧濃縮した。最後に残留物をシリカでのクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル、次いで、メタノール)により精製して、標記化合物を得た(0.14mmol、53mg、収率85%)。M+H 390.3、334.3、316.3(完全分子ならびにtert−ブチル基を消失したフラグメントおよびBoc基を消失したフラグメント)。
記載例77 6−メチル−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D77)
アルゴン下にて室温で、4−{6−メチル−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D76)(0.14mmol、53mg)のジクロロメタン(1mL)中溶液をトリフルオロ酢酸(1mL)で処理し、1時間撹拌した。次いで、該混合物を減圧濃縮し、残留物を10%炭酸ナトリウム水溶液で処理し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、減圧濃縮して、標記化合物を得た(118mg、>>100%)。M+H 290.3。
記載例78 N−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D78)
4−ブロモ−2,5−ジフルオロ−1−ニトロベンゼン(1g、4.2mmol)、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−4−アミン・二塩酸塩(D40、1.08g、4.2mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(2.2ml、1.26mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)中混合物をマイクロ波反応器中にて200℃で5分間加熱した。該混合物を水で洗浄し、次いで、ジクロロメタンで抽出し、抽出物をMgSO
4で乾燥させ、真空濃縮した。粗物質をシリカカラムにて精製して(シリカ100g、酢酸エチル/メタノール:1.0%〜0%、3CV;2.0%〜100% 2CV3、100%〜100% 5CV)、標記化合物と未知の不純物との混合物1.82g(96%)を得た(HPLCにより約3:1)。
MH
+=401、402、403および404。
記載例79 N−(5−エテニル−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D79)
N−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D78、800mg、純度約75%)およびn−トリブチルビニルスズ(0.697ml、2.3mmol)のトルエン(30ml)中溶液を正のアルゴン流下にてトリフェニルホスフィン(129.8mg、0.5mmol)およびビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(170.1mg、0.297mmol)で処理し、次いで、撹拌し、アルゴン雰囲気下にて130℃で1.5時間加熱した。該混合物をセライトパッドで濾過した。有機層をNH
4OH(10%水溶液)および水で洗浄し、次いで、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該混合物をシリカカラムにて精製して(シリカ100g、メタノール/ジクロロメタン、5%〜20%、15CV)、標記化合物550mgを得た。
MH
+=350および351。
記載例80 (2−アミノ−5−エチル−4−フルオロフェニル)−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]アミン(D80)
アルゴン下でのN−(5−エテニル−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D79、300mg、0.86mmol)およびギ酸アンモニウム(536mg、8.6mmol)のメタノール(50ml)中混合物を10%Pd−Cで処理し、次いで、室温で一夜撹拌した。該混合物をセライトパッドで濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物をジクロロメタンに溶解し、Na
2SO
4、真空濃縮して、標記化合物230mgを茶色油状物として得た(収率83%)。
MH
+=322、323。
記載例81 N−(5−シクロプロピル−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D81)
1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン・二塩酸塩(D40、0.70g)の水(5ml)中溶液を固体K
2CO
3でpH12に塩基性化し、次いで、ジクロロメタンで抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、真空下にて濃縮乾固して、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミンを薄黄色の固体として得た(0.22g)。
4−シクロプロピル−2,5−ジフルオロ−1−ニトロベンゼン(Fluorochem;150mg、0.75mmol)、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(153mg、0.83mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(103mg、0.80mmol)のジメチルホルムアミド(2ml)中混合物をマイクロ波反応器中にて200℃で3分間加熱した。該溶液を真空濃縮し、残留物を酢酸エチルと希K
2CO
3溶液との間で分配させた。有機相を分取し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空下にて濃縮乾固して、橙−茶色の固体を得た(214mg、純度61%)。
上記方法と同様の方法で以下の量を用いて標記生成物のもう1つのバッチを調製した:4−シクロプロピル−2,5−ジフルオロ−1−ニトロベンゼン(200mg、1.0mmol)、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(308mg、1.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(464mg、3.6mmol)およびジメチルホルムアミド(3ml)。
2つのバッチの粗生成物を合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー処理して1〜10%メタノール/ジクロロメタンで溶離することにより精製して、標記化合物を橙色の固体として得た。
1H NMR δ(CDCl
3,400MHz):0.80−0.87(2H,m)、1.08−1.16(2H,m)、1.55−1.70(4H,m)、1.70−1.80(2H,m)、2.00−2.14(3H,m)、2.38−2.58(3H,m)、2.82−2.94(2H,m)、3.40(2H,dt)、3.45−3.55(1H,m)、4.04(2H,dd)、6.28(1H,d)、7.82(1H,d)、8.07(1H,d)。
記載例82 5−シクロプロピル−4−フルオロ−N−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,2−ベンゼンジアミン(D82)
N−(5−シクロプロピル−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D81、0.38g、1.05mmol)、塩化スズ(II)(0.8mg、4.20mmol)および濃HCl(約0.9ml)の無水エタノール(30ml)中撹拌混合物を穏やかな還流温度で18時間加熱した。冷却後、減圧濃縮により溶媒の大部分を除去し、残留物を希K
2CO
3溶液(50ml)で処理し、酢酸エチルで抽出し、混合物を濾過して、スズ残留物を除去した。分取した有機相を乾燥させ(MgSO
4)、真空下にて濃縮乾固して、標記化合物を薄茶色の油状物として得た(340mg、97%)。
1H NMR δ(CDCl
3,400MHz):0.56−0.62(2H,m)、0.84−0.90(2H,m)、1.40−1.52(2H,m)、1.53−2.07(7H,m)、2.29(2H,dt)、2.43−2.54(1H,m)、2.87−2.97(2H,m)、3.03−3.14(1H,m)、3.39(2H,dt)、3.47(2H,br s)、4.03(2H,dd)、6.22(1H,d)、6.42(1H,d)。NHはスペクトルから識別できなかった。
記載例83 5−クロロ−2−フルオロ−4−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−ニトロベンゼン(D83)
2−クロロ−5−フルオロ−4−ニトロフェノール(287mg、1.5mmol)、プロパン−2−オール(90mg、1.5mmol)、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン(592mg、2.25mmol)およびアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(518mg、2.25mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)中混合物をアルゴン下にて室温で22時間撹拌した。該混合物を1M HCl/ジエチルエーテル(10ml)で処理し、室温で1時間撹拌し、次いで、真空濃縮し、残留物をジエチルエーテル(10ml)に溶解し、5M HCl(10ml)で処理し、30分間撹拌した。有機層を分取し、5M HCl(10ml)で洗浄し、次いで、10%Na
2CO
3溶液(2×10ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空濃縮した。残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー処理して5〜70%酢酸エチル/60−80石油エーテルで溶離することにより精製して、標記化合物を黄色固体として得た(153mg、43%)。
1H NMR δ (CDCl
3、250MHz):1.45(6H,d)、4.65(1H,septet)、6.76(1H,d)、8.19(1H,d)。
記載例84 4−({4−クロロ−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−2−ニトロフェニル}アミノ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D84)
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−ニトロベンゼン(D83、153mg、0.65mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)中溶液を4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(130mg、0.65mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.113ml、0.65mmol)で処理し、約80℃で17時間撹拌した。該混合物を真空濃縮し、残留物を水で処理し、ジエチルエーテル(×2)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、真空濃縮して、標記化合物を黄色固体として得た(260mg、97%)。
記載例85 4−({2−アミノ−4−クロロ−5−[(1−メチルエチル)オキシ]フェニル}アミノ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D85)
4−({4−クロロ−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−2−ニトロフェニル}アミノ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D84、260mg、0.63mmol)のエタノール(40ml)中溶液をラネーニッケルで処理し、次いで、ヒドラジン・水和物のエタノール中溶液(0.315ml、6.3mmol)を10分間にわたって滴下した。該混合物を45℃で1時間加熱し、次いで、ラネーニッケルを濾去し、エタノールで洗浄し、濾液を真空濃縮して、標記化合物を紫色の油状物として得た(200mg、83%)。
記載例86 4−{5−クロロ−6−[(1−メチルエチル)オキシ]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D86)
4−({2−アミノ−4−クロロ−5−[(1−メチルエチル)オキシ]フェニル}アミノ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D85、200mg、0.52mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)中溶液をN,N'−カルボニルジイミダゾール(125mg、0.78mmol)で処理し、50℃で17時間加熱した。該混合物を真空濃縮し、残留物をNa
2CO
3溶液(5ml)で処理し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、真空濃縮して、標記化合物を油状物として得た(140mg、65%)。M
+−H=408.2。
記載例87 5−クロロ−6−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D87)
4−{5−クロロ−6−[(1−メチルエチル)オキシ]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D86、140mg、0.34mmol)のジクロロメタン(3ml)中溶液をトリフルオロ酢酸(3ml)で処理し、アルゴン下にて室温で1時間撹拌した。該混合物を真空濃縮し、残留物を10%Na
2CO
3溶液で処理し、酢酸エチル(×3)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、真空濃縮して、標記化合物を赤色油状物として得た(94mg、83%)。M
++H=310.0。
記載例88 5,6−ジフルオロ−1−[1−(フェニルメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D88)
アルゴン下にて、4,5−ジフルオロ−1,2−ベンゼンジアミン(3mmol、432mg)のキシレン(20mL)中懸濁液を1−ベンジル−3−カルボエトキシ−4−ピペリドン(3mmol、783.9mg)で処理し、次いで、還流下にて8時間加熱した。該混合物を室温で7時間放置し、次いで、再度、混合物を還流下にて24時間加熱した。キシレンを減圧除去し、残留物をシリカにてクロマトグラフィー処理して(酢酸エチル/石油エーテル)、標記化合物を橙色の固体として得た(1.41mmol、482mg、収率47%)。
1H NMR δ(CDCl
3): 9.7(1H,s)、7.3(5H,m)、6.9(2H,m)、5.9(1H,s)、3.7(2H,s)、3.25(2H,q)、2.8(2H,t)、2.6(2H,d)。
記載例89 5,6−ジフルオロ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D89)
5,6−ジフルオロ−1−[1−(フェニルメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D88)(0.7mmol、240mg)のエタノール(10mL)および酢酸(2mL)中溶液をアルゴン下にて10%パラジウム−炭(50mg、約0.25当量)で処理し、混合物を、室温で、25〜30PSIの水素下にて一夜撹拌し、次いで、50PSIの水素下にて8時間撹拌した。該混合物を減圧濃縮して、黄色/橙色の油状物を得、これをメタノールのタッチで(メタノールの蒸発により)結晶化した。再度、残留物をエタノール10mLおよび酢酸2mLに溶解し、次いで、再度、アルゴン下にてパラジウム−炭50mgを添加し、反応が完了するまで混合物を50PSIの水素下にて9日間撹拌した。該混合物を減圧濃縮して、標記化合物を酢酸塩として得た。M+H 254.2、M−H 252.2
記載例90 4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロベンゾニトリル(D90)
アルゴン下にて4−フルオロ−2−メチルベンゾニトリル(10mmol、1.35g)を濃硫酸(10mL)に溶解し、次いで、0℃にて硝酸カリウム(10mmol、1.01g、1当量)で滴下処理して温度を約0℃に維持した。室温に加温しながら該混合物を2時間撹拌した。次いで、該混合物を氷上に注ぎ、エーテルで2回抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、減圧濃縮して、標記化合物を固体として得た(9.4mmol、1.7g、収率94%)。
1H NMR δ(CDCl
3):8.38(1H,d)、7.3(1H,d)、2.67(3H,s)。
記載例91 4−[(4−シアノ−5−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D91)
アルゴン下にて室温で、4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロベンゾニトリル(D90)(3mmol、540.3mg)のジメチルホルムアミド(20mL)中溶液を4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(3mmol、600.9mg、1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(3mmol、387.6mg、1当量)で処理し、次いで、80℃で一夜加熱した。次いで、該混合物を減圧濃縮し、次いで、10%炭酸ナトリウム水溶液で処理し、エーテル/酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ、減圧濃縮して、標記化合物を固体として得た(3.3mmol、1.19mg、収率>100%)。主フラグメント(tert−ブチル基の消失)についてM+H 304.97。
記載例92 4−[(2−アミノ−4−シアノ−5−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D92)
アルゴン下にて室温で、4−[(4−シアノ−5−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D91)(3mmol)のエタノール(30mL)中懸濁液をラネーニッケルおよびヒドラジン・水和物(30mmol、1.5g、10当量)で処理した。次いで、該混合物を45℃で1時間加熱した。次いで、触媒を濾去し、エタノールおよびメタノールで洗浄した。濾液を減圧濃縮して、標記化合物を固体として得た(2.55mmol、840mg、収率85%)。M+H 331.3、275.2、231.2(完全分子ならびにtert−ブチル基を消失したフラグメントおよびBoc基を消失したフラグメント)。
記載例93 4−(5−シアノ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D93)
アルゴン下にて室温で、4−[(2−アミノ−4−シアノ−5−メチルフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D92)(2.55mmol、840mg)のテトラヒドロフラン(8mL)中溶液をN,N'−カルボニルジイミダゾール(3.83mmol、613mg、1.5当量)で処理し、次いで、混合物を50℃で1時間加熱し、減圧濃縮し、残留物を10%炭酸ナトリウム水溶液で処理し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、減圧濃縮して、標記化合物を得た(3.23mmol、1.15g、収率>100%)。M+H 357.3、301.2(完全分子およびtert−ブチル基を消失したフラグメント)。
記載例94 6−メチル−2−オキソ−1−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル(D94)
アルゴン下にて室温で、4−(5−シアノ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D93)(2.6mmol、1.15g、粗物質)のジクロロメタン(3mL)中溶液をトリフルオロ酢酸(3mL)で処理し、1時間撹拌した。次いで、該混合物を減圧濃縮し、残留物を10%炭酸ナトリウム水溶液で処理し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、減圧濃縮して、標記化合物を得た(2.66mmol、680mg、約100%)。M+H 257.2。
記載例95 2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロベンズアルデヒド(D95)
アルゴン下にて0℃での2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド(1.0g、6.3mmol)の濃硫酸(8ml)中撹拌溶液を硝酸カリウム(0.70g、6.9mmol)で滴下処理し、0℃で30分間維持した後、1.5時間にわたって室温に加温した。反応混合物を十分に撹拌した氷/水(100ml)に添加し、次いで、酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥させ、濃縮して、標記化合物を薄黄色油状物として得た(1.15g、90%)。
1H NMR δ(CDCl
3,400MHz):7.50(1H,dd)、8.66(1H,dd)、10.41(1H,s)。
記載例96 1−クロロ−2−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−4−ニトロベンゼン(D96)
アルゴン下にて0℃での2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロベンズアルデヒド(D95、1.15g、5.6mmol)のジクロロメタン(25ml)中撹拌溶液を(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド(1.77g、11mmol)で滴下処理し、得られた混合物を室温に加温し、66時間撹拌した。次いで、該溶液を十分に撹拌したNaHCO
3溶液に添加し、45分間保持した。該混合物をジクロロメタンで抽出し、抽出物を乾燥させ、真空濃縮して、標記化合物を黄色油状物として得た(1.15g、91%)。
1H NMR δ(CDCl
3,400MHz):6.92(1H,t,J=54Hz)、7.46(1H,dd)、8.43(1H,dd)。
記載例97 N−[5−クロロ−4−(ジフルオロメチル)−2−ニトロフェニル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D97)
アルゴン下にて室温での1−クロロ−2−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−4−ニトロベンゼン(D96、200mg、0.89mmol)のジメチルホルムアミド(4ml)中撹拌溶液をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.47ml、2.7mmol)で処理し、次いで、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン・二塩酸塩(D40、240mg、0.94mmol)で処理し、次いで、70℃で1.5時間加熱した。反応混合物を真空濃縮し、残留物を10%Na
2CO
3溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥させ、真空濃縮して、橙色の固体を得た。これをシリカゲルにてクロマトグラフィー処理して0〜20%メタノール/酢酸エチルで溶離することにより精製して、標記化合物を黄色固体として得た(330mg、96%)。
1H NMR δ(CDCl
3,400MHz):1.55−1.80(6H,m)、2.05−2.18(2H,m)、2.40−2.60(3H,m)、2.88−3.00(2H,m)、3.39(2H,dt)、3.50−3.62(1H,m)、4.04(2H,dd)、6.79(1H,t,J=54Hz)、6.90(1H,s)、8.25(1H,d)、8.48(1H,s)。
記載例98 5−クロロ−4−(ジフルオロメチル)−N−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,2−ベンゼンジアミン(D98)
アルゴン下にて室温でのN−[5−クロロ−4−(ジフルオロメチル)−2−ニトロフェニル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D97、330mg、0.84mmol)のエタノール(20ml)中撹拌懸濁液をラネーニッケル(20mg)で処理し、次いで、ヒドラジン・水和物(0.25ml、8.0mmol)を滴下した。該混合物を室温で30分間保持し、次いで、45℃で1時間加熱した。該混合物をKieselguhrのパッドで濾過し、濾液を真空濃縮して、標記化合物を黄色固体として得た(180mg、純度約88%、収率59%)。
1H NMR δ(CDCl
3,400MHz):1.45−1.70(4H,m)、1.73−1,85(2H,m)、2.09(2H,br d)、2.37(2H,t)、2.48−2.60(1H,m)、2.97(2H,br d)、3.10−3.60(3H,br)、3.40(2H,t)、3.56−3.70(1H,m)、4.04(2H,dd)、6.54(1H,s)、6.85(1H,t,J=54Hz)、6.95(1H,s)。
記載例99 5,6−ジメチル−1−[1−(フェニルメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D99)
室温にて、1−ベンジル−3−カルボエトキシ−4−ピペリドン(3mmol、784mg)のキシレン(20mL)中溶液を4,5−ジメチル−1,2−ベンゼンジアミン(3mmol、408.6mg、1当量)で処理し、該懸濁液をアルゴン下にて還流させながら一夜、次いで、さらに5時間撹拌した。該混合物を減圧濃縮して、茶色の残留物を得、これを酢酸エチルおよびメタノールのタッチで処理した。この茶色の溶液からベージュ色の結晶が形成され、これを濾過し、減圧乾燥させて(真空オーブン)、標記化合物を得た(1.05mmol、350mg、収率35%)。M+H 334.3。
1H NMR δ(d
6DMSO):10.7(1H,s)、7.35(4H,m)、7.27(1H,m)、6.82(1H,s)、6.77(1H,s)、5.82(1H,t)、3.63(2H,s)、3.12(2H,d)、2.67(2H,t)、2.44(2H,d)、2.19(6H,s)。
記載例100 5,6−ジメチル−1−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D100)
5,6−ジメチル−1−[1−(フェニルメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D99)(1.05mmol、350mg)のエタノール(10mL)および酢酸(2mL)中溶液を10%パラジウム−炭(0.25当量、90mg)で処理し、次いで、50PSIの水素圧下にて24時間振盪した。触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮して、若干の飽和アナログ(ピペリジン核中のC=C二重結合の還元)を含有する標記化合物の酢酸塩をベージュ色の固体として得た(1.2mmol、370mg、収率>100%)。M+H 246.2、M−H 242.3。
記載例101 4−[4−(5,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3,6−ジヒドロ−1(2H)−ピリジニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D101)
HCl塩としての5,6−ジメチル−1−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D100)の水(5mL)中溶液を数滴の酢酸で処理し、次いで、若干の炭酸水素ナトリウムで処理して、pHを3〜4に調整した。次いで、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(1.16mmol、116mg、1.4当量)を添加し、混合物をアルゴン下にて室温で20分間撹拌した。シアン化カリウム(1.08mmol、70mg、1.3当量)を添加し、さらに6時間撹拌し、次いで、一夜撹拌した。該混合物を2.5日間放置し、次いで、減圧濃縮し、残留物を酢酸エチルと水との間で分配させた。LC/MSは、(減圧下での有機溶媒の除去後)最終残留物中に若干の標記化合物を示した。該固体を次工程に使用した。
アルゴン下にて室温で、上記固体のN,N−ジメチルアセトアミド(1mL)中溶液をテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(1.6mmol、160mg、2当量)、アセトンシアノヒドリン(1.6mmol、128mg、2当量)および硫酸マグネシウム(480mg)で処理した。次いで、該混合物を60℃で一夜加熱した。該混合物を減圧濃縮し、ジクロロメタンと10%炭酸ナトリウム水溶液との間で分配させた。水相をジクロロメタンで2回抽出し、有機層を合わせ、乾燥させ、減圧濃縮し、次いで、残留物をエーテルでトリチュレートして、対応する還元ピペリジン誘導体をなおも含有する標記化合物を固体として得た(0.32mmol、113mg、全収率40%)。M+H 355.2、M−H 351.2。
記載例102 5,6−ジメチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D102)
アルゴン下にて室温で、4−[4−(5,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3,6−ジヒドロ−1(2H)−ピリジニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D101)(0.32mmol、113mg)のテトラヒドロフラン(10mL)中懸濁液を臭化メチルマグネシウム(0.96mmol、テトラヒドロフラン中3M溶液0.32mL、3当量)で2分間にわたって滴下処理した。該混合物は溶液となり、それを45分間撹拌した。次いで、さらに6当量の臭化メチルマグネシウムを添加し、3時間撹拌した。該混合物を0℃に冷却し、全てのものが可溶化されるまで1M塩化アンモニウム水溶液を添加した。テトラヒドロフランを減圧除去し、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、濃縮して、白色固体を得た(0.26mmol、89mg、粗収率81%)。この固体をジクロロメタン3mLに溶解し、1Mエーテル性塩化水素1mLで処理した。該混合物から黄色ガム状物を得た。さらなるエーテルを添加し、トリチュレーション後、該ガム状物が結晶となった。該結晶を濾過し、乾燥させて、なおも水素化化合物(ピペリジン核中にC=C二重結合を有しない)を含有する標記化合物をその塩酸塩として得た(0.2mmol、75mg、収率62%)。M+H 342.1、344.1、M−H 340.3
実施例1 6−クロロ−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E1)
6−クロロ−5−フルオロ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D5)(0.286mmol、77mg)、Ti(iPrO)
4(2当量、0.572mmol、0.170ml)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(2当量、0.572mmol、0.053ml)を一緒に室温で1時間撹拌した;乾燥メタノール(2ml)、次いで、NaBH
3CN(2当量、0.572mmol、36mg)を添加し、混合物をアルゴン下にて室温で3時間撹拌した。次いで、粗混合物を水(5ml)でクエンチし、まず、SCXにより、次いで、クロマトグラフィー(メタノール−NH
3−ジクロロメタン)により精製して、6−クロロ−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンを得(15mg、13%、M
++H=353)、これを、ジエチルエーテル中1M HClを使用して塩酸塩に変換した。
1H NMR(遊離塩基)δ(DMSO,400MHz)1.45(2H,m)、1.677(4H,t)、2.29(4H,m)、2.99(2H,d)、3.28(2H,t)、3.90(2H,dd)、4.08(1H,m broad)、7.03(1H,d)、7.50(1H,d)、11.1(1H,s broad);残りの
1Hシグナルはスペクトルにおいて識別できなかった。
実施例2 6−クロロ−5−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E2)
6−クロロ−5−メチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D9)(約0.2mmol、60mg)、Ti(iPrO)
4(2当量、0.400mmol、0.130ml)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(2当量、0.400mmol、40ul)を一緒に室温で1時間撹拌した;乾燥MeOH(2ml)、次いで、NaBH
3CN(2当量、約30mg)を添加し、混合物をアルゴン下にて室温で3時間撹拌した。その後、粗混合物を水(5ml)でクエンチし、まず、SCXにより、次いで、クロマトグラフィー(メタノール−NH
3−ジクロロメタン)により精製して、6−クロロ−5−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンを得(10mg、14%、M
++H=350)、これを、ジエチルエーテル中1M HClを使用して塩酸塩に変換した。
1H NMR(遊離塩基)δ(DMSO,400MHz)1.45(2H,m)、1.68(4H,t)、2.24(4H,m)、2.29(3H,s)、3.00(2H,d)、3.283(2H,t)、3.90(2H,dd)、4.07(1H,m broad)、6.93(1H,d)、7.24(1H,d)、10.91(1H,s broad);残りの
1Hシグナルはスペクトルにおいて識別できなかった。
実施例3 5−クロロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−6−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E3)
5−クロロ−1−(4−ピペリジニル)−6−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(0.228mmol、82mg)をジクロロメタン(6ml)に溶解し、室温にて、トリエチルアミン(3当量、0.68mmol、50μl)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(7当量、1.6mmol、160mg)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(7当量、1.6mmol、340mg)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。室温にて、さらなるトリエチルアミン(4ml)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(3.5当量、0.8mmol、80mg)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.5当量、0.8mmol、170mg)を添加し、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、該混合物を炭酸水素ナトリウムおよびDCMで後処理した。溶媒を蒸発させ、トリエチルアミン(3当量、0.68mmol、50μl)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(7当量、1.6mmol、160mg)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(7当量、1.59mmol、340mg)およびDCE(4ml)を導入し、全てを一緒に室温にて1時間混合した。該混合物を水/NaHCO
3(飽和溶液)およびDCMでクエンチした。有機相を水相から分取し(疎水性フィルターによる)、有機溶媒を蒸発させて、粗生成物を得、これをクロマトグラフィー(MeOH−NH
3−ジクロロメタン)により精製して、5−クロロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−6−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(29mg、31%、M
++H=403)を得、その後、HCl(HClのジエチルエーテル中1M溶液から2当量)を使用して、これを一塩酸塩に変換した。
1H NMR δ(DMSO,400MHz、HCl塩)1.73(2H,m)、1.96(4H,d)、2.72(2H,m)、3.19(2H,q)、3.44(1H,m)、3.62(2H,d)、4.00(2H,dd)、7.28(1H,s)、7.76(1H,s)、11.51(1H,s broad);残りの
1Hシグナルはスペクトルにおいて識別できなかった。
実施例4 6−メチル−5−(メチルオキシ)−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E4)
5−フルオロ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(E6)と同様の方法でD21から標記化合物を製造し、生成物0.1mmol(40mg)を収率30%で得、ジエチルエーテル中1M HClを使用して、これを塩酸塩に変換した。
M+H=346.04、
1H NMR(HCl塩)(DMSO−d6)δ:11.13(1H,s)、10.76(1H,s)、7.62(1H,s)、6.60(1H,s)、4.54(1H,m)、3.97(2H,dd)、3.74(3H,s)、3,62(2H,d)、3.34(3H,m)、3.17(2H,q)、2.87(2H,q)、2.16(3H,s)、2.07(2H,d)、1.83(2H,d)、1.75(2H,m)
実施例5 5−クロロ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E5)
5−フルオロ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(E6)と同様の方法でD26から標記化合物を製造し、生成物0.23mmol(90mg)を収率24%で得、ジエチルエーテル中1M HClを使用して、これを塩酸塩に変換した。
M+H=350.08、
1H NMR(HCl塩)(DMSO−d6)δ: 11.20(1H,s)、10.97(1H,s)、7.87(1H,s)、6.98(1H,s)、4.57(1H,m)、3.98(2H,dd)、3,58(2H,d)、3.43(1H,m)、3.34(2H,t)、3.21(2H,q)、2.90(2H,q)、2.34(3H,s)、2.07(2H,d)、1.81(2H,d)、1.75(2H,m)
実施例6 5−フルオロ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E6)
アルゴン下にて室温で、メタノール(3mL)中の5−フルオロ−6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D30)(0.64mmol、160mg)をテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(1.28mmol、128mg、2当量)で処理し、次いで、チタンテトライソプロポキシド(1.28mmol、364mg、2当量)で処理した。該混合物をアルゴン下にて1.5時間撹拌し、次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.28mmol、80.4mg、2当量)を添加し、1.5時間撹拌した。該混合物をSCXカートリッジに負荷し、6 CV メタノールで洗浄し、メタノールおよびジクロロメタン中の6 CV 2Mアンモニアで溶離した。溶出液を減圧濃縮し、MeOH/DCM中の5〜100% 2M NH
3で精製して、5−フルオロ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンを得、ジエチルエーテル中1M HClを使用して、これを対応するHCl塩に変換した(0.27mmol、100mg、収率42%)。M+H=334.12
1H NMR(DMSO−d6)(遊離塩基)δ: 10.95(1H,s)、7.65(1H,d)、7.80(1H,d)、4.56(1H,m)、3.99(2H,dd)、3,59(2H,d)、3.38(2H,m)、3.18(3H,q)、2.86(2H,q)、2.24(3H,s)、2.05(2H,d)、1.87(2H,d)、1.75(2H,m)
1H NMR(DMSO−d6,HCl塩)1.72(2H,bdq)、1,83(2H,bd)、2.04(2H,bd)、2.33(3H,d,J=2Hz)、2.75(2H,bq)、3.19(2H,bq)、3.3−3.5(5H,m)、4.02(2H,bd)、6.80(1H,d,J=10Hz)、7.57(1H,d,J=7Hz)、10.63(1H,bs)、および10.93(1H,s)。
実施例7 5,6−ジメチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E7)
アルゴン下にて室温で、ジクロロメタン(10ml)中懸濁液としての5,6−ジメチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D32)(330mg、0.6mmol)をトリエチルアミン(4.2mmol、425mg、7当量)およびテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(4.2mmol、420mg、7当量)で処理した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.2mmol、890mg、7当量)を添加し、混合物を一夜撹拌した。次いで、再度、7当量の新しい水素化ホウ素およびケトンを添加し、2時間15分撹拌した。メタノール(3mL)を添加し、2時間撹拌した。再度、7当量の水素化ホウ素およびケトンを添加し、3.5時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(3mmol、188mg、5当量)を添加し、混合物を一夜放置した。該混合物をSCXカートリッジに負荷し、メタノールで洗浄し、メタノールおよびジクロロメタン中2Mアンモニアで溶離した。溶出液を減圧濃縮し、クロマトグラフィー処理して、5,6−ジメチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンを白色固体として得、これを対応するHCl塩に変換した。M+H=330.10、
1H NMR(遊離塩基)(CDCl
3)、δ: 9.29(1H,s)、7.09(1H,s)、6.89(1H,s)、4.34(1H,m)、4.06(2H,dd)、3.41(2H,t)、3.13(2H,d)、2.56(1H,m)、2.44(4H,m)、2.28(3H,s)、2.26(3H,s)、1.87−1.60(6H,m)
実施例8 5−ブロモ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E8)
5−ブロモ−6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D37)(1.16mmol、359mg)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、テトラヒドロピラン−4−オン(8.12mmol、7当量、813mg)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(8.12mmol、1.72g、7当量)およびトリエチルアミン(3.48mmol、352mg、3当量、0.48ml)を添加した。反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、NaOH水溶液(pH12)で洗浄し、生成物をジクロロメタン(×2)で抽出した。合わせた有機層をNaOH水溶液(pH12)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を減圧除去して、粗生成物を得た。生成物をクロマトグラフィー処理して、12+M、DCM/DCM中50%MeOH、00%〜50%、8CVsで溶離することにより精製して、5−ブロモ−6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンを薄黄色の固体として得た(0.3mmol、111mg、26%)。これをジクロロメタン(5mL)に溶解し、HCl(エーテル中1M溶液)を添加した。該混合物を室温で15分間撹拌した。溶媒を減圧除去して、標記化合物を白色固体として得た(0.02mmol、9mg、7%)
MH
+=396.2
実施例9 5,6−ジクロロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E9)
0℃にて、N−(4,5−ジクロロ−2−アミノフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(D39)(140mg、0.4mmol)をジクロロメタン10mlに溶解し、ホスゲン(トルエン中20%、0.25ml)およびトリエチルアミン(0.2ml、1.5mmol)を添加し、混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー処理してメタノール−ジクロロメタン混合物で溶離し、次いで、MDAPによりさらに精製して、5,6−ジクロロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン22mgを得、ジオキサン中4M HClを使用して、これを塩酸塩に変換した。
MH
+=370、372、および374、
1H NMR(HCl塩)(DMSO−d6)δ:1.72(2H,m)、1.90(2H,m)、2.02(2H,m)、2.78(2H,m)、3.18(2H,m)、3.35(2H,m)、3.48(1H,m)、4.01(2H,m)、4.59(1H,m)、6.52(1H,d,J=12Hz)、7.19(1H,s)、7.88(1H,s)、10.69(1H,bs)および11.42(1H,s)。
実施例10 5−クロロ−6−メトキシ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E10)
6−メトキシ−5−クロロ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D50)(30mg、0.1mmol)、Ti(iPrO)
4(0.15ml、0.5mmol)、およびテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(50mg、0.5mmol)を一緒に室温で1時間撹拌した;乾燥メタノール(1ml)、次いで、NaBH
3CN(30mg、0.5mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、粗混合物をメタノールでクエンチし、まず、SCXカラムクロマトグラフィーにより、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(10%メタノール−NH
3−ジクロロメタン)により精製して、5−クロロ−6−メトキシ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンを得た。塩酸塩への変換により標記化合物10mgを得た(MH
+=366および368)。
1H NMR δ(DMSO−d6)1.72(2H,m)、1.90(2H,m)、2.03(2H,m)、2.81(2H,m)、3.15(2H,m)、3.56(1H,m)、3.91(3H,s)、3,96(2H,m)、4.62(1H,m)、7.01(1H,s)、7.36(1H,s)、および10.89(2H,bs);残りの
1Hシグナルはスペクトルにおいて識別できなかった。
実施例11 5−フルオロ−6−ブロモ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E11)
アルゴン下でのフルオロ−6−ブロモ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D46)(50mg、0.16mmol)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(112mg、1.12mmol)およびトリエチルアミン(49mg、0.48mmol)のジクロロメタン(5ml)中撹拌溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(240mg、1.12mmol)を滴下した。該混合物を室温で24時間撹拌し、ジクロロメタン(5ml)で希釈し、0.5N水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、約半分の容量に濃縮した後、シリカゲルカラムに添加し、次いで、ジクロロメタン中2〜20%メタノールで溶離して、5−フルオロ−6−ブロモ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンを得た。単離した生成物を塩酸塩に変換し、無色の固体として得た(34mg、49%)。MH
+=398、および400、
1H NMR(HCl塩)(DMSO−d6)δ:1.24(2H,m)、1.73(3H,m)、1.89(2H,m)、2.03(2H,m)、2.83(2H,m)、3.17(2H,m)、3.58(2H,m)、3.76(1H,m)、4.59(2H,m)、7.04(1H,d,J=8Hz)、7.94(1H,d,J=5Hz)、10.89(1H,bs)および11.32(1H,s)。
実施例12 6−クロロ−5−トリフルオロメチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E12)
5−クロロ−N−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−4−トリフルオロメチル−1,2−ベンゼンジアミン(D52)(0.34g、0.9mmol)の無水テトラヒドロフラン(40ml)中撹拌溶液を、5分間にわたって一度に添加したカルボニルジイミダゾール(0.29g、1.80mmol)で処理した。該混合物をアルゴン下にて室温で4時間撹拌した。該混合物を穏やかな還流に加温した。18時間後、さらなるカルボニルジイミダゾール(0.29g、1.8mmol)を添加し、混合物を還流させながらさらに24時間保持した。該混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(40ml)で処理し、水およびブラインで洗浄し、次いで、MgSO
4で乾燥させ、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー処理してジクロロメタン中1〜10%メタノールで溶離することにより精製して、6−クロロ−5−トリフルオロメチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンを得、次いで、これを塩酸塩に変換し、クリーム色の粉末として単離した。0.25g、73%。MH
+=404および406
1H NMR(HCl塩)δ(DMSO−d6)1.75(2H,m)、1.94(2H,m)、2.05(2H,m)、2.84(2H,m)、3.17(2H,m)、3.33(2H,m;H
2Oシグナルにより部分的に不明瞭であった)、3.43(1H,m)、3.62(2H,m)、4.01(2H,m)、4.63(1H,m)、7.33(1H,s)、8.27(1H,s)、10.88(1H,bs)および11.50(1H,s)。
実施例13 6−ブロモ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E13)
アルゴン下にて室温での5−ブロモ−N−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−4−(トリフルオロメチル)−1,2−ベンゼンジアミン(D55)(0.34mmol)のテトラヒドロフラン(8ml)中撹拌溶液をジイソプロピルエチルアミン(0.12ml、0.68mmol)で処理し、次いで、クロロギ酸エチル(40mg、0.38mmol)で処理し、次いで、還流下にて2時間加熱した。該混合物を真空濃縮し、残留物をジメチルホルムアミドに溶解し、さらなるジイソプロピルエチルアミン(0.12ml)で処理し、150℃で0.75時間加熱した。次いで、溶液を真空濃縮し、残留物を10%Na
2CO
3溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥させ、真空濃縮した。残留物をジエチルエーテルでトリチュレートして、6−ブロモ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オンをベージュ色の固体として得た。これをベージュ色の固体としてのそのHCl塩に変換した(55mg、33%)。MH
+=448、450。
1H NMR 遊離塩基(400MHz、d
6DMSO)δ:1.39−1.52(m,2H)、1.62−1.75(m,4H)、2.20−2.40(m,4H)、2.45−2.55(m,1H)、2.94−3.08(m,2H)、3.23−3.35(m,2H)、3.85−3.95(m,2H)、4.10−4.22(m,1H)、7.30(s,1H)、7.71(s,1H)、11.30(br s,1H)。
実施例14 6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E14)
6−メチル−1−(4−ピペリジニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(D60)(2.2mmol)を1,2−ジクロロエタン(50ml)に溶解し、室温にて、トリエチルアミン(7ml)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(7当量、15.4mmol、1.4ml)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(7当量、約3.2g)をこの順序で添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をNaHCO
3(飽和溶液)10mlでクエンチし、ジクロロメタンで希釈した;2つの相を分取し、有機溶媒を蒸発させて、粗生成物を得た。得られた粗物を、再度、1,2−ジクロロエタン(50ml)に溶解し、室温にて、トリエチルアミン(7ml)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(7当量、15.4mmol、1.4ml)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(7当量、約3.2g)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をNaHCO
3(飽和溶液)10mlでクエンチし、ジクロロメタンで希釈した;2つの相を分取し、有機溶媒を蒸発させて、粗生成物を得、これをクロマトグラフィー(メタノール−NH
3−ジクロロメタン)により精製して、6−メチル−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(240mg、30%、M
++H=384)を得、次いで、HCl溶液(ジエチルエーテル中1M、2当量)を使用して、これを塩酸塩に変換した。
1H NMR δ(DMSO,400MHz、遊離塩基)1.459(2H,m)、1.688(4H,t)、2.291(4H,m)、2.452(3H,s)、3.023(2H,d)、3.252(2H,t)、3.903(2H,dd)、4.112(1H,m broad)、7.161(1H,d)、7.291(1H,d)、11.1(1H,s broad);残りの
1Hシグナルはスペクトルにおいて識別できなかった。
実施例15 6−クロロ−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E15)
4−{4−[6−クロロ−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジニル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D65、160mg、0.37mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)中溶液を臭化メチルマグネシウム(ジエチルエーテル中3M、1.0ml、3.0mmol)で処理した。室温で2時間後、該溶液をロシェル塩水溶液とジクロロメタンとの間で分配させ、有機層を乾燥させ(MgSO
4)、蒸発させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー処理してメタノール−ジクロロメタン混合物で溶離して、標記化合物を得、ジエチルエーテルからトリチュレートした塩酸塩として単離した(110mg)。MH
+=418および420、
1H NMR(HCl塩)δ(d
6DMSO):1.4(3H,s)、2.0(6H,m)、2.8(2H,m)、3.2(2H,m)、3.4(2H,m)、3.6(2H,m)、3.9(2H,m)、4.7(1H,m)、7.3(1H,s)、7.9(1H,s)、10.30(1H,bs)および11.5(1H,s)。
実施例16 6−ブロモ−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E16)
アルゴン下にて室温での4−{4−[6−ブロモ−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジニル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D70、100mg、0.21mmol)のテトラヒドロフラン(8ml)中撹拌懸濁液をジエチルエーテル中3M臭化メチルマグネシウム溶液(0.15ml、0.46mmol)で処理し、不溶物質を迅速に溶解した。さらなる臭化メチルマグネシウム溶液を合計50分後(0.15ml)および合計70分後(0.20ml)に添加した。さらに15分後、反応混合物を0℃に冷却し、1M NH
4Cl水溶液(3ml)で滴下処理し、次いで、水(15ml)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮して、標記化合物を白色固体として得た。これを白色固体としてのそのHCl塩に変換した(95mg、90%)。
1H NMR(遊離塩基)δ(CDCl
3,400MHz):10.37(1H,br s)、7.55(1H,s)、7.46(1H,s)、4.37−4.24(1H,m)、3.98−3.90(2H,m)、3.62−3.53(2H,m)、3.16(2H,d)、2.38−2.25(4H,m)、1.92−1.75(4H,m)、1.62−1.52(2H,m)、1.04(3H,s)。
実施例17 6−メチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E17)
4−{4−[6−メチル−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−ピペリジニル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D71、200mg、0.47mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、室温にてMeMgBr(5当量、2.3mmol、約0.8ml)を添加し、該混合物を室温で2時間撹拌した。再度、MeMgBr(5当量)を添加し、該混合物を室温で一夜撹拌した。該混合物を0℃に冷却し、NH
4Cl溶液でクエンチした。テトラヒドロフランを減圧除去し、水を添加し、次いで、水性混合物をジクロロメタンで抽出し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、溶媒を蒸発させて、標記化合物を得、これをクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン)により精製して、白色固体(50mg、26%)を得た。次いで、HCl溶液(Et
2O中1M、2当量)を使用して標記化合物を塩酸塩に変換した。
1H NMR δ(d
6DMSO,400MHz,遊離塩基):0.955(3H,s)、1.470(2H,m,broad)、1.681(4H,m)、2.170(2H,t)、2.294(2H,m)、2.458(3H,s)、3.053(2H,d)、3.438(2H,m)、3.764(2H,m)、4.106(1H,m)、7.161(1H,s)、7.288(1H,s)、11.1(1H,s broad)。
実施例18 5−フルオロ−6−メチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E18)
テトラヒドロフラン(10ml)中の4−[4−(5−フルオロ−6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル(D72、300mg)を臭化メチルマグネシウムのテトラヒドロフラン中3M溶液(1.4ml)で5分間にわたって処理し、1時間撹拌し、次いで、塩化アンモニウム飽和溶液(5ml)で処理した。該混合物をジクロロメタンおよび水で処理した。ジクロロメタン層を分取し、ハイドロマトリックスカートリッジに通すことによって乾燥させ、溶媒を除去した。Et
2Oからの白色固体をメタノールおよびジクロロメタンの混合物に溶解し、エーテル中の塩化水素で処理した。溶媒を除去し、エーテルから標記化合物を白色固体として得た(211mg)。M
+348
1H NMR(HCl塩)δ(d
6DMSO):1.39(3H,s)、1.9(4H,m)、2.10(2H,m)、2.24(3H,s)、2.87(2H,m)、3.20(2H,m)、3.45(2H,m)、3.6(不明瞭)、3.9(2H,m)、4.6(1H,m)、6.80(1H,d)、7.68(1H,d)10.25(1H,s)、10.9(1H,s)。
19F NMR δ(d
6DMSO):125.69
実施例19 6−メチル−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E19)
アルゴン下にて室温で、6−メチル−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D77)(推定0.14mmol−粗物質)のジクロロメタン(2mL)中溶液をテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(1.4mmol、140mg、10当量)およびトリエチルアミン(1.4mmol、141.7mg、10当量)で処理し、次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.4mmol、296.8mg、10当量)を添加し、混合物を3時間撹拌し、一夜放置した。該混合物をジクロロメタンで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液で処理して、pHを約12に維持した。水相を抽出し、有機層を合わせ、水酸化ナトリウム水溶液(約pH12)で洗浄し、乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン、0〜10% 5CV)により精製して、ガム状物を得、これをジクロロメタンおよびメタノールに溶解し、エーテル性塩化水素で処理し、次いで、減圧濃縮して、標記化合物を塩酸塩−白色固体として得た(0.071mmol、29mg、収率51%)。M+H 374.1。
実施例20 6−エチル−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E20)
アルゴン下にて室温で、(2−アミノ−5−エチル−4−フルオロフェニル)−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]アミン(D80、230mg、0.71mmol)のジクロロメタン(10ml)中撹拌溶液をカルボニルジイミダゾール(345mg、2.13mmol)で処理し、アルゴン下にて一夜撹拌した。該混合物を水で洗浄し、ジクロロメタンで抽出した。有機フラクションを回収し、MgSO
4で乾燥させ、真空濃縮した。固体残留物をジエチルエーテルから再結晶させ、濾過により回収して、クリーンな遊離塩基140mg(0.4mmol、収率57%)を得た。遊離塩基をメタノールに溶解し、ジエチルエーテル中1M HCl溶液(1ml)を添加した。溶媒の蒸発により塩酸塩を回収した。MH
+=348および349。
1H NMR(HCl塩)δ(CD
3OD,400MHz):1.3(3H,t)、1.85(2H,m)、2.1(4H,m)、2.7(2H,m)、2.85(2H,q)3.25(2H,m)、3.5(3H,m)、3.75(2H,m)、4.1(2H,m)、4.55(1H,m)、6.8(1H,d)、7.2(1H,d);残りの
1Hシグナルはスペクトルにおいて識別できなかった。
実施例21 6−シクロプロピル−5−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E21)
5−シクロプロピル−4−フルオロ−N−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,2−ベンゼンジアミン(D82、0.33g、1.0mmol)およびカルボニルジイミダゾール(0.32g、2.0mmol)の無水テトラヒドロフラン(20ml)中撹拌混合物を還流させながら8時間加熱した。該混合物を冷却し、酢酸エチル(25ml)で希釈し、水(×4)およびブライン(×2)で洗浄し、次いで、乾燥させ(MgSO
4)、真空濃縮した。残留物をジエチルエーテルでトリチュレートし、固体を濾過し、真空乾燥させて、標記化合物をクリーム色の固体として得た(242mg、67%)。これをエタノール(8ml)に懸濁し、1M HCl/ジエチルエーテル(3ml)で処理して、澄明な溶液を得、これを真空下にて濃縮乾固して、標記化合物のHCl塩をクリーム色の粉末として得た。M+H 360.0。
1H NMR(HCl塩)δ(CD
3OD,400MHz): 0.75−0.80(2H,m)、0.93−1.00(2H,m)、1.78−1.90(2H,m)、2.03−2.20(5H,m)、2.78−2.92(2H,m)、3.20−3.35(2H,m)、3.40−3.60(3H,m)、3.70−3.80(2H,m)、4.10(2H,dd)、4.50−4.62(1H,m)、6.80(1H,d)、6.93(1H,d)。
実施例22 5−クロロ−6−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E22)
5−クロロ−6−[(1−メチルエチル)オキシ]−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D87、94mg、0.30mmol)のジクロロメタン(3ml)中溶液をテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(0.213g、0.21mmol、7当量)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.445g、0.21mmol、7当量)およびトリエチルアミン(0.101g、1mmol、3当量)で処理し、アルゴン下にて室温で一夜撹拌した。該混合物をジクロロメタンで希釈し、NaOH水溶液(pH12)で洗浄した。NaOH洗液をジクロロメタン(×2)で抽出し、合わせた抽出物をNaOH水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空濃縮した。残留物をMDAPにより精製して、標記化合物を白色固体として得た(14mg、0.04mol、13%)。M
++H=394.2。
1H NMR(HCl塩)δ (d
6DMSO,400MHz):1.27(6H,d)、1.68−1.80(2H,m)、1.93(2H,br d)、2.02(2H,br d)、2.72−2.87(2H,m)、3.10−3.22(2H,m)、3.55−3.66(2H,m)、3.99(2H,br d)、4.5−4.60(1H,m)、4.65−4.75(1H,m)、7.00(1H,s)、7.32(1H,s)、10.35(1H,br s)、11.00(1H,s)。残りの
1Hはスペクトルから識別できなかった。
実施例23 5,6−ジフルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E23)
アルゴン下にて室温で、5,6−ジフルオロ−1−(4−ピペリジニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・酢酸塩(D89、0.51mmol、159mg)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液をトリエチルアミン(2.55mmol、258mg、5当量)およびテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(2.55mmol、255mg、5当量)で処理し、次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.55mmol、160mg、5当量)を添加した。該混合物を室温で一夜撹拌し、次いで、メタノール(5mL)を添加し、4時間撹拌した。該混合物を7日間放置し、次いで、酢酸(10当量)を添加し、1時間撹拌し、該混合物を週末にかけて放置した。該混合物を真空濃縮し、SCXカートリッジによって残留物から標記化合物を白色固体として単離し、次いで、塩酸塩(白色固体、0.14mmol、53mg、全収率28%)に変換した(HCl/エーテル(1M)1ml+DCM 5ml)。M+H 338.2、
1H NMR(HCl塩)δ(D
2O): 7.15(1H,t)、7.0(1H,t)、4.4(1H,m)、4.0(2H,dd)、3.68(2H,d)、3.5(3H,m)、3.13(2H,t)、2.6(2H,dq)、2.1(2H,d)、2.0(2H,d)、1.75(2H,dq)。
実施例24 6−メチル−2−オキソ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル・塩酸塩(E24)
アルゴン下にて室温で、6−メチル−2−オキソ−1−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル(D94)(1mmol、256mg)のジクロロメタン(10mL)中溶液をテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(10mmol、1.0g、10当量)およびトリエチルアミン(3mmol、303.6mg、3当量)で処理し、次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(10mmol、2.12g、10当量)を添加し、混合物を6.5時間撹拌し、一夜放置した。該混合物をジクロロメタンで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液で処理して、pHを約12に維持した。水相をジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、水酸化ナトリウム水溶液(約pH12)で洗浄し、乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)により精製して、ガム状物を得、これをジクロロメタンおよびメタノールに溶解し、塩化水素(エーテル中2M)で処理し、次いで、減圧濃縮して、標記化合物をその塩酸塩として得た(ベージュ色の固体、0.22mmol、83mg、収率22%)。M+H 341.1。
1H NMR(HCl塩)δ(DMSO,400MHz):11.27(1H,s)、10.7(1H,s)、7.81(1H,s)、7.32(1H,s)、4.6(1H,m)、4.0(2H,dd)、3.6(2H,d)、3.3(2H,m)、3.17(2H,m)、2.83(2H,q)、2.03(2H,d)、1.92(2H,d)、1.74(2H,m)
実施例25 6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E25)
アルゴン下にて室温での5−クロロ−4−(ジフルオロメチル)−N−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,2−ベンゼンジアミン(D98、180mg、0.50mmol)のテトラヒドロフラン(8ml)中撹拌溶液をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.18ml、1.0mmol)で処理し、次いで、クロロギ酸エチル(65mg、0.60mmol)で処理し、1時間保持した。該溶液を真空濃縮し、残留物をジメチルホルムアミド(5ml)に溶解し、アルゴン下にて150℃で1.5時間加熱した。該溶液を真空濃縮し、残留物を10%Na
2CO
3溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥させ、真空濃縮して、橙色の固体を得、これをジエチルエーテルで洗浄した。残存する固体をHCl塩に変換し、再度、ジエチルエーテルで洗浄して、標記化合物のHCl塩を薄黄色の固体として得た(92mg、47%)。
1H NMR(遊離塩基)δ(CDCl
3,400MHz):1.55−1.95(6H,m)、2.30−2.45(4H,m)、2.52−2.65(1H,m)、3.10−3.20(2H,m)、3.41(2H,t)、4.00−4.12(2H,m)、4.28−4.40(1H,m)、6.99(1H,t,J=54Hz)、7.35(1H,s)、7.39(1H,s)、10.04(1H,br s)。
実施例26 5,6−ジメチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン・塩酸塩(E26)
アルゴン下にて、塩酸塩としての5,6−ジメチル−1−[1−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(D102)(0.2mmol、75mg)のメタノール(7ml)中溶液を10%パラジウム−炭で処理し、50PSIの水素圧下にて4日間振盪した。触媒を濾去し、混合物を濃縮して、標記化合物を白色固体として得た(0.07mmol、27mg、収率35%)。M+H 344.3
1H NMR(HCl塩)δ(DMSO,400MHz):10.65(1H,s)、7.68(1H,s)、6.77(1H,s)、4.61(1H,t)、3.88(2H,dd)、3.59(2H,d)、3.44(2H,t)、3.17(2H,q)、2.95(2H,q)、2.23(3H,s)、2.19(3H,s)、1.83(インテグレーション不明瞭,m)、1.35(3H,d)
全ての1Hおよび19F NMRは示した構造と一致する。
本明細書にて引用した特許および特許出願を包含するがこれらに限定されない全ての刊行物は、個々の刊行物が十分に開示されているかの如く具体的かつ個別的に出典明示により本明細書の一部とすることが明示されているかのように出典明示により本明細書の一部とする。
この説明および特許請求の範囲が一部をなす本願は、いずれの後願についても優先権の基礎として使用することができる。このような後願の特許請求の範囲は、本明細書に記載されているいずれもの特徴または特徴の組合せを対象とすることができる。それらは、生成物、組成物、方法または使用の発明の形態を取ることができ、例えば、上記特許請求の範囲の1つまたはそれ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。: