JP5209242B2 - 打継埋め込み部材および打継部の構造 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート建築物において上層階と下層階との間に形成されるコンクリートの打継部に耐震スリットを埋設するための打継埋め込み部材、および打継部の構造に関するものである。
柱および梁などで強度を確保するコンクリート建築物では、地震などによる力が柱および梁などから壁部に作用する。こうした力で壁部にひび割れや、梁や柱に亀裂等が生じないようにするために、コンクリート建築物においては、壁部を上層階側の梁(天井側の梁)と一体的に形成する一方、壁部の両側端と柱の間および壁部の下端と下層階側の梁(床側の梁)の間に耐震スリットを埋設し、地震などにより柱および梁などに作用する剪断応力等を緩和している(本明細書においては、床を基準に上層階側の梁と一体的に形成される壁部を「上層階壁部」と、また下層階側の梁と一体的に形成される壁部を「下層階壁部」と、壁部と下層階壁部との間に埋め込まれる耐震スリットを水平スリットと表示する)。
ところで上層階壁部と下層階壁部が水平スリットを介して接する打継部(水平打継部)においては、雨水等の浸水を防がなければならない。かかる打継部としては、図7に示すように、上層階壁部30と下層階壁部40にわたって止水部材1を埋設することで、上層階壁部外面30aおよび打継部50等から浸水した雨水が壁部30の室内側に浸水しないようにしたものがある(例えば特許文献1)。
特開2006−200173号公報
しかし、上述した従来の打継部50は、図7(a)に示すように、水平スリット20と上層階壁部外面30aとの間において、止水部材1を上層階壁部30および下層階壁部40の両方にわたって埋設するものであるから、上層階壁部30と下層階壁部40のそれぞれのコンクリートが直接接する境界面40sが形成されて、打継部50に作用する剪断応力等を充分緩和することができなくなる虞があり、また浸水が境界面40sから下層階壁部40に流下するのを阻止する(止水する)ことができないという問題がある。そこで、図7(b)に示すように、水平スリット20を、上層階壁部内面30bからコーキング部51にいたる領域に位置づけて、上層階壁部30と下層階壁部40を形成するそれぞれのコンクリートが直接接しないようにすれば、打継部50に作用する剪断応力等を緩和することができる。
しかし止水部材1は、水平スリット20を貫通するように上層階壁部30および下層階壁部40の両方にわたって埋設されるため、打継部50における浸水が境界面40sから下層階壁部40に流下することを阻止することができない。またコンクリートを打設する際、水平スリット20と上層階壁部外面30aとの間隔がコーキング部51(コンクリートを打設する際、コーキング部51となる部分には打継目地棒が存在している)の厚さとほぼ同一寸法(例えば20mm)になって、該領域を形成するためのコンクリートを打ち難いため、コーキング部51近傍の上層階壁部外面30aに欠落等を生じる虞がある。
そこで、本発明は、打継部に作用する剪断応力等を緩和するとともに、打継部等への浸水を壁部外面側へ向けて排水することに優れ、さらに打継部の形成に際し、水平スリットと壁部外面との間にコンクリートを良好に打設することができて壁部外面に欠落等を生じ難く、好ましくは、建築工期短縮に資することができる打継埋め込み部材と、打継部の構造の提供を課題とするものである。
上記課題を達成するため、本発明に係る打継埋め込み部材(請求項1)は、外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して形成される壁部の打継部に水平スリットを埋設するための打継埋め込み部材であって、スリット押さえ部と、外型枠に固定された打継目地棒に係合する目地棒係合部を有し、スリット押さえ部は、水平スリットの底面を支持するスリット支持部と、水平スリットの一側面と当接し、水平スリットを該打継埋め込み部材と内型枠との間に位置決めするスリット位置決め部を有し、目地棒係合部とスリット押さえ部との間には、上面板と底面板が介在して目地棒係合部とスリット押さえ部とが連結され、端部が開放した内部空間を形成し、スリット支持部には、上面板、底面板およびスリット押さえ部で規定される内部空間と連通する通水孔が形成され、底面板は、該打継埋め込み部材が打継部に埋め込まれた状態において、内部空間の底面に壁部の外面に向けて下降する斜面を形成して、壁部の外面から浸透し、スリット位置決め部を経て、通水孔から内部空間に流下した水分を、当該内部空間の開放した端部から壁部の外面方向へ向け排水させることにある。
かかる該打継埋め込み部材は、コンクリートを打設する型枠の外型枠に固定された打継目地棒に係合して、スリット押さえ部と内型枠との間に水平スリットを位置決めするから、壁部の厚さ方向のすべての領域にわたって、該打継埋め込み部材が水平スリットとともに上層階と下層階とのコンクリートの間に介在して、打継部に作用する剪断応力等を緩和することができる。また該打継埋め込み部材は、目地棒係合部とスリット押さえ部の間に上面板と底面板が位置して、外型枠と水平スリットの間隔を拡げるから、外型枠とスリット押さえ部の間の領域へのコンクリート打設を容易且つ確実なものにすることができる。また該打継埋め込み部材は、壁部外面から打継部に浸水した雨水が階下に流下するのを上面板によって阻止し、且つスリット位置決め部によって、室内側への浸水を阻止することができる。したがって浸水は、打継部近傍の上層階壁部外面から外気中に蒸発してしまう。さらに該打継埋め込み部材では、上面板、底面板およびスリット押さえ部で規定される内部空間が形成され、スリット押さえ部と内部空間との間が通水孔で連通し、そして底面板が、該打継埋め込み部材が打継部に埋め込まれた状態において、内部空間に壁部外面に向けて下降する斜面を形成している。したがって、打継部に埋め込まれた該打継埋め込み部材は、仮にスリット位置決め部を越えるスリット押さえ部側(室内側)への浸水があったとしても、かかる浸水を通水孔から内部空間に流下し、さらに壁部外面に向け排水して、外気中に蒸発させることができる。かかる打継埋め込み部材を用いる打継部の構造も同様である(請求項5)。
請求項2に係る打継埋め込み部材は、スリット位置決め部の上部が目地棒係合部側に折り曲がって水返し部を形成しているから、壁部外面から打継部に浸水した雨水が水平スリット側(室内側)に浸水することをより確実に阻止することができる。かかる打継埋め込み部材を用いる打継部の構造も同様である(請求項5)。
請求項3に係る打継埋め込み部材は、上面板が目地棒係合部とスリット押さえ部との間に室内側に向けて上昇する斜面を有しているから、外型枠とスリット押さえ部との間の領域へのコンクリート打設をさらに容易且つ確実にすることができ、また壁部外面から打継部に浸水した雨水を壁部外面側へと流下させることができる。かかる打継埋め込み部材を用いる打継部の構造も同様である(請求項5)。
請求項4に係る打継埋め込み部材は、さらに目地棒係合部から上面板および底面板を分離するための分離部を有している。したがって該打継埋め込み部材は、外型枠に固定された打継目地棒に目地棒係合部を係合したのち、目地棒係合部に上面板および前記底面板を係合することで、施工を容易にして建築工期を短縮することができる。かかる打継埋め込み部材を用いる打継部の構造も同様である(請求項5)。
以上のように本発明にかかる打継埋め込み部材は、水平スリットとともに上層階壁部と下層階壁部のそれぞれのコンクリートの間に介在して、打継部に作用する剪断応力等を緩和することができ、また打継部に浸水した雨水などを壁部外面側へ向けて排水することに優れ、さらに水平スリットと壁部外面との間の領域にコンクリートを良好に打設することを可能して打継部に欠落等が生じることを防ぐことができ、また目地棒係合部を分離可能にすることによって、建築工期の短縮を実現できる。本発明にかかる打継部の構造も同様である。
以下、図面を参照し本発明にかかる打継埋め込み部材および打継部の構造を説明する。
本発明にかかる打継埋め込み部材の一実施例を、図1ないし図4を用いて説明する。ここで、図1は、打継埋め込み部材10の断面概略構成を示すものであり、図2は、打継埋め込み部材10の斜視図を示すものであり、図3は、打継埋め込み部材10を水平スリット20とともに打継部50に埋め込む工程および打継部の構造を説明するための図であり、そして図4は、打継埋め込み部材10を水平スリット20とともに打継部50に埋め込んだときの打継部50の近傍における打継部50の概略断面構造を示す図である。なお従来の打継部における構成要素と同様の機能を有する構成要素には、同一の符号を附してそれらの説明を省略する。
(打継埋め込み部材)
図1に示すように、打継埋め込み部材10は、目地棒係合部11、スリット押さえ部12、上面板13および底面板14を有しており、目地棒係合部11とスリット押さえ部12は、上面板13と底面板14によって一体化されている。ここで目地棒係合部11は、その上部に位置する上面部材11aと下部に位置する底面部材11bと間に、リブ15aが上面部材11aと直角に連結されて介在し、断面が横略H字形状を有しており、上面部材11aと底面部材11bの間隔はスリット押さえ部12に向け狭くなっている。そして上面板13が目地棒係合部11の上面部材11aとスリット位置決め部12bの下部の間を一体的に連結し、底面板14が目地棒係合部11の底面部材11bとスリット支持部12aの先端部の間を一体的に連結している。
水平スリット20を位置づけるスリット押さえ部12は、水平スリット20の底面20aに当接するスリット支持部12a(断面において例えば幅20mm)と、水平スリット20の一の側面20bに当接するスリット位置決め部12b(例えば高さ20mm)を有している。もちろんスリット位置決め部12bは、スリット支持部12aに対し、垂直に立設している。
またリブ15bおよび15cが上面板13(断面において例えば幅40mm)と底面板14との間に介在して、打継埋め込み部材10を補強している。ここでスリット押さえ部12に最も近いリブ15bは、上面板13、底面板14およびスリット押さえ部12とともに打継埋め込み部材10の内部空間16を画している。そしてリブ15cは、リブ15bとリブ15aとの間に介在して、上面板13、底面板14およびリブ15bとともに内部空間16’を画し、上面板13、底面板14およびリブ15aとともに内部空間16”を画している。底面板14は、少なくとも内部空間16において、目地棒係合部11に向け下降する斜面14aを形成している。
スリット押さえ部12には、内部空間16に連通する通水孔12s(例えば幅5mm)が形成されており、スリット位置決め部12bの上部には、目地棒係合部11側に向け(例えば5mm)折り返された水返し12rが形成されている。したがって、上面板13に流下等した浸水は、スリット位置決め部12b、さらには水返し12rに阻止されてスリット押さえ部12(室内側)に回り込み難く、仮にスリット押さえ部12に回り込んだとしても通水孔12sを経て打継埋め込み部材10の内部空間16へと流下する。なお打継埋め込み部材10は、左右にそれぞれ端部10tを有し、その長さ(定尺)Lは、例えば2mであり(図2)、例えば塩化ビニールなどの樹脂で形成されている。
(打継部への打継埋め込み部材等の埋め込み)
次に打継部50への打継埋め込み部材10等の埋め込み工程等を、図3に基づき説明する。まず外型枠60と内型枠62からなる型枠を設置したのち、打継部50を形成することになる外型枠内面60aに、断面台形状の打継目地棒61を釘などで固定したのち、打継埋め込み部材10を打継目地棒61に係合する(図3(a))。
ここで打継目地棒61は、図1に示すように、互いに平行する面61aおよび面61bに面61cが直交し、さらに面61dが面61aと面61bとを連結して、面61aを底面とする断面台形状を形成している(例えば図1中、面61aは断面長さが25mm、面61bおよび面61cは同じく20mmである)。打継目地棒61は、面61cを上にして面61aが外型枠内面60aに接するように固定されて、面61cと外型枠60とがなす角は直角になり、面61dは外型枠60に向け下降する斜面を形成する。
図1に示すように打継目地棒61への打継埋め込み部材10の係合は、目地棒係合部11の上面部材11aが打継目地棒61の面61cと接し、目地棒係合部11の底面部材11bが打継目地棒61の面61dと接し、さらにリブ15aが打継目地棒61の面61bと接するように行われる(リブ15aの高さは、打継目地棒61の面61bの高さ例えば20mmに適合している)。そうすると打継埋め込み部材10の上面板13は、図1に示すように外型枠60と直角に位置づけられ、打継埋め込み部材10の底面板14は、外型枠60側に向け下降する斜面を有するように位置づけられる(底面板14は、内部空間16に外型枠60側に向け下降する斜面を形成する)。
つぎに、スリット支持部12aの表面とコンクリートの上面が一致するように、型枠内にコンクリートを打設して下層階壁部40を形成する(図3(b))。そうすると下層階壁部40の上部には、打継目地棒61および打継埋め込み部材10で覆われた部分と、打継埋め込み部材10のスリット押さえ部12の先端と内型枠内面62aとの間に露出した上面40cを有する部分が形成される。なお図3(b)中の41は上層階壁部30および下層階壁部40に埋め込まれる鉄筋である。また下層階壁部40は、図3(b)および(c)中において、その右側が床のコンクリート部分等と接することになる。
下層階壁部40のコンクリートが硬化した後、下層階壁部40の上面40cの上に水平スリット20を位置づける(図3(c))。ここで水平スリット20は、その幅方向中央部に伸縮自在の耐火部材20dを有して、スリット支持部12aと内型枠内面62aとの間隔Wに適合するものであり、間隔Wよりも若干広い幅を有している。したがって水平スリット20は、一の側面20bがスリット位置決め部12bと接し、底面20aが下層階壁部40の上面40cに接し(底面20aの一部はスリット支持部12aと接する)、他の側面20cが内型枠内面62aと接して、下層階壁部40の上面40cの全域を覆うことになる。
一方、水平スリット20と外枠型60との間には、上面板13(例えば幅40mm)および打継目地棒61に係合した目地棒係合部11が介在して、水平スリット20と外枠型内面60aとの間隔を打継目地棒61の厚さ(例えば約20mm)よりも拡げている(例えば70mm)。
こうして水平スリット20を位置づけたのち、下層階壁部40の上方に上層階壁部30を形成するためのコンクリートを打設する。このとき水平スリット20と外枠型内面60aとの間の領域は、間隔が広いのでコンクリートを確実に打設することができる。そして下層階壁部40と上層階壁部30の間に目地棒係合部11および水平スリット20が介在して、両者のコンクリートが直接接することがない。下層階壁部40のコンクリートが硬化した後、外型枠61、打継目地棒61および内型枠62を取り外し、図4に示すように、打継目地棒61があった部分にコーキングを充填する(コーキング部51を形成する)。
このように、外型枠内面60aに固定された打継目地棒61に打継埋め込み部材10を係合し、内型枠内面62aと打継埋め込み部材10が有するスリット押さえ部12との間に水平スリット20を位置づけて、コンクリートを型枠内に打設して打継部50を形成すれば、下層階壁部40と上層階壁部30の間に目地棒係合部11および水平スリット20が介在して、両者のコンクリートが直接接することがないため、打継部50に作用する剪断応力が緩和される。もちろん水平スリット20は、厚さ方向(壁部30の高さ方向)に弾性を有して剪断応力以外の応力も緩和することができる。
(浸水の排水)
かくして形成された打継部50の概略断面構造(打継埋め込み部材10の近傍における概略断面構造)を図4に示す。ところで豪雨などの場合には、上層階壁部外面30aなどから上層階壁部30の内部に雨水が浸透することが否めない。こうした浸水は、上層階壁部外面30aの近傍内部を流下するなどして打継部50に達する。ここで打継埋め込み部材10は、その上面板13で浸水が下層階壁部40に流下することを阻止し、またスリット位置決め部12bで浸水がスリット押さえ部12に回り込むことを阻止する。こうして流下等を阻止された浸水は、打継部50の近傍の上層階壁部外面30aから外気中に蒸発等する。
それにも拘わらずスリット押さえ部12に回り込んだ浸水は、通水孔12sを経て内部空間16へと流下して、内部空間16にいったん蓄えられる。ここで底面板14の内面は、上層階壁部外面30aへ向け下降する斜面14aを形成しているから、内部空間16に蓄えられた浸水は、打継埋め込み部材10の左右の端部10tから、打継部50の近傍の下層階壁部外面40aに向け流下して外気中に蒸発等する。なおリブ15aおよび15bに貫通孔を設けておけば、通水孔12sを経て内部空間16へと流下した浸水は、内部空間16’および内部空間16”へと流下するから、より下層階壁部外面40aに向け流下しやすくなる。なおコーキング部51の下部面51dは、下層階壁部外面40aへ向け下降する斜面だから雨水の浸水を阻止することに優れる一方、打継埋め込み部材10の左右の端部10tからの流下する浸水を打継部50の近傍の下層階壁部外面40aへ向けて排水することに優れている。
つぎに本発明にかかる打継埋め込み部材の他の実施例(実施例2)を、図5を用いて説明する。ここで図5は、打継埋め込み部材10’の断面概略構成を示すものである。なお実施例1と同様の機能を有する構成要素には、同一の符号を附してそれらの説明を省略する。
打継埋め込み部材10’では、上面板13がスリット押さえ部12側(室内側)に向けて上昇する斜面(外枠型内面60aに向け下降する斜面)を有している。すなわち、打継埋め込み部材10’を水平スリット20とともに打継部50に埋め込む際、水平スリット20と外枠型60との間には、上面板13および目地棒係合部11が介在して、水平スリット20と外枠型内面60aとの間隔が拡がることに加え、外枠型内面60aに向け下降する斜面が形成されるから、打設されたコンクリートが上面板13上を外枠型内面60aへと流れるようになる(水平スリット20と外枠型内面60aとの間の領域にコンクリートをさらに容易且つ確実に打設することができる)。こうして形成された打継部50では、上層階壁部外面30aの近傍内部を流下などして、打継部50に達した浸水が打継埋め込み部材10’の上面板13で階下に流下することを阻止され、しかも上面板13の傾斜によって、打継部50の近傍の上層階壁部外面30aに向け流下しやすいから、浸水の外気中への蒸発等がさらに促進される。
つぎに本発明にかかる打継埋め込み部材の他の実施例(実施例3)について説明する。打継埋め込み部材10”は、分離部17を有して目地棒係合部11と、上面板13および底面板14との間を分離可能に構成したものであり、分離部17以外は、実施例1または実施例2と同様に構成することができるものである。したがって、目地棒係合部11近傍の断面概略構成図(図6)に基づき、打継埋め込み部材10”について説明する。なお他の実施例と同様の機能を有する構成要素には、同一の符号を附してそれらの説明を省略する。
打継埋め込み部材10”の目地棒係合部11は、その上面部材11aおよび底面部材11bに係合爪11cおよび11dを有している。より具体的には、上面部材11aの上面板13側端部には、その表面(図6中、上面部材11aの上側面)に、上面板13に向け下降する斜面を有する係合爪11cが形成されており、また底面部材11bの底面板14側端部には、その表面(図6中、底面部材11bの下側面)に、底面板14に向け上昇する斜面を有する係合爪11dが形成されている。
もちろん上面板13および底面板14は、係合爪11cおよび係合爪11dに係合する係合爪13cおよび14cを有して、目地棒係合部11に係合できるようになっている。より具体的には、上面板13は、目地棒係合部11側端部において、その斜め上方(図6中、上面板13の斜め上方)に延伸した上面板端部13tを形成し、この上面板端部13tは、その先端部下面にリブ15cに向け下降する斜面を有する係合爪13cを形成している。また底面板14は、目地棒係合部11側端部において、その斜め下方(図6中、底面板14の斜め下方)に延伸した底面板端部14tを形成し、この底面板端部14tは、その先端部上面にリブ15cに向け上昇する斜面を有する係合爪14cを形成している。かくして上面板端部13tの係合爪13cは、目地棒係合部11の上面部材11aの係合爪11cと係合することができ、底面板端部14tの係合爪14cは、目地棒係合部11の底面部材11bの係合爪11dと係合することができる(すなわち打継埋め込み部材10”の分離部17を係合することができる)。
かかる打継埋め込み部材10”の打継目地棒61への取り付けは、つぎのようにして行う。まず実施例1と同様にして目地棒係合部11を打継目地棒61に係合する。さらに目地棒係合部11のリブ15bに補助部材18を押し当てて、リブ15bを打継目地棒61と補助部材18とで挟むようにして無頭釘19でこれらを一体的に固定する。
こうして目地棒係合部11を打継目地棒61に固定係合したのち、分離部17を係合する。そうすると、打継埋め込み部材10”の上面板13は、型枠内において外型枠60と直角に位置づけられ、同じく底面板14は、外型枠60側に向けて下降する斜面を有するように位置づけられる。かかるのち、実施例1と同様に下層階壁部40のコンクリートを打設すればよい。なおコンクリート硬化後、外枠60および打継目地棒61を取り外し、さらに無頭釘19を抜いたのち、打継目地棒61が存した部分にコーキング剤を充填する。
このように打継埋め込み部材10”は、打継目地棒61への係合を簡便且つ確実に行うことができるから、建築工期の短縮を実現するができる。もちろん分離部17は、本実施例に限定されるものではない。
なお本発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することができる。
本発明の一実施例(実施例1)にかかる打継埋め込み部材の断面概略構成を示す図である。 図1の打継埋め込み部材の斜視図である。 図1の打継埋め込み部材を水平スリットとともに打継部に埋め込む工程および打継部の構造を説明するための図である。 図1の打継埋め込み部材を水平スリットとともに打継部に埋め込んだときの打継部近傍における打継部の概略断面構造を示す図である。 本発明の他の実施例(実施例2)にかかる打継埋め込み部材の断面概略構成を示すものである。 本発明の他の実施例(実施例3)にかかる打継埋め込み部材の分離部近傍の断面概略構成を示すものである。 従来の打継部の断面概略構造の一例を示す図である。
符号の説明
10、10’、10” 打継埋め込み部材
11 目地棒係合部
12 スリット押さえ部
12a スリット支持部
12b スリット位置決め部
12s 通水孔
12r 水返し
13 上面板
14 底面板
14a 斜面
16 内部空間
17 分離部
20 水平スリット
20a 水平スリットの底面
20b 水平スリットの一の側面(水平スリットの外型枠側側面)
20c 水平スリットの他の側面
30 上層階壁部
30a 上層階壁部外面
40 下層階壁部
40a 下層階壁部外面
50 打継部
60 外型枠
60a 外型枠内面
61 打継目地棒
62 内型枠
62a 内型枠内面

Claims (5)

  1. 外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して形成される壁部の打継部に水平スリットを埋設するための打継埋め込み部材であって、
    スリット押さえ部と、外型枠に固定された打継目地棒に係合する目地棒係合部を有し、
    前記スリット押さえ部は、前記水平スリットの底面を支持するスリット支持部と、前記水平スリットの一側面と当接し、前記水平スリットを該打継埋め込み部材と前記内型枠との間に位置決めするスリット位置決め部を有し、
    前記目地棒係合部と前記スリット押さえ部との間には、上面板と底面板が介在して前記目地棒係合部と前記スリット押さえ部とが連結され、端部が開放した内部空間を形成し、
    前記スリット支持部には、前記上面板、前記底面板および前記スリット押さえ部で規定される前記内部空間と連通する通水孔が形成され、
    前記底面板は、該打継埋め込み部材が前記打継部に埋め込まれた状態において、前記内部空間の底面に前記壁部の外面に向けて下降する斜面を形成して、前記壁部の外面から浸透し、前記スリット位置決め部を経て、前記通水孔から前記内部空間に流下した水分を、当該内部空間の開放した端部から前記壁部の外面方向へ向け排水させることを特徴とする打継埋め込み部材。
  2. 前記スリット位置決め部の上部が前記目地棒係合部側に折り曲がって水返し部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の打継埋め込み部材。
  3. 該打継埋め込み部材は、前記打継部に埋め込まれた状態において、前記上面板が室内側に向けて上昇する斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の打継埋め込み部材。
  4. 請求項1または3に記載の打継埋め込み部材において、
    該打継埋め込み部材がさらに前記目地棒係合部から前記上面板および前記底面板を分離する分離部を有して、
    前記打継目地棒に前記目地棒係合部を係合したのち、前記目地棒係合部に、前記上面板および前記底面板を係合することができることを特徴とする打継埋め込み部材。
  5. 外型枠に固定された打継目地棒に打継埋め込み部材を係合し、内型枠と前記打継埋め込み部材が有するスリット押さえ部との間に水平スリットを位置づけて、コンクリートを型枠内に打設して形成される前記打継埋め込み部材と前記水平スリットを埋設してなる壁部の打継部の構造において、
    前記打継埋め込み部材が請求項1ないし4に記載のいずれかの打継埋め込み部材であることを特徴とする打継部の構造。
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