JP5208673B2 - 光塩基発生剤及び光硬化型樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1]N−メチル−2−アミノ−3,5,7−トリホルミルトロポン、N−メチル−2−アミノ−3,7−ジホルミルトロポン、N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピル−7−ホルミルトロポン、及びN−メチル−7−アミノ−3−イソプロピル−6−ホルミルトロポンからなる群より選ばれた少なくとも1種の2−アミノトロポン誘導体を含有する光塩基発生剤。
[2]上記2−アミノトロポン誘導体の0.04mMシクロヘキサン溶液に対して窒素雰囲気下で紫外線(365nm)を35mW/cm2の強度で照射して測定される半減期が3.3秒未満である、[1]の光塩基発生剤。
[3][1]又は[2]の光塩基発生剤と、アニオン硬化型樹脂と、を少なくとも含有する光硬化型樹脂組成物。
[4]上記アニオン硬化型樹脂100質量部に対して、上記光塩基発生剤を0.001〜100質量部含有する[3]の光硬化型樹脂組成物。
[5]上記アニオン硬化型樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂である[3]又は[4]の光硬化型樹脂組成物。
[6]ポリチオールを更に含有する[3]〜[5]のいずれか一つの光硬化型樹脂組成物。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などがあげられ、イソプロピル基が好ましい。アルケニル基としては、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基などがあげられる。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などがあげられる。アラルキル基としては、ベンジル基などがあげられる。アリール基としては、フェニル基が好ましい。
R1とR2の両方が水素原子である場合を1級アミンの2−アミノトロポン誘導体とする。
R1とR2のいずれか一方が水素原子である場合を2級アミンの2−アミノトロポン誘導体とする。2級アミノトロポン誘導体のうち、その硬化性能の観点から、N−メチル−2−アミノトロポン誘導体であることが好ましい。
R1とR2の両方がアルキル基である場合を3級アミンの2−アミノトロポン誘導体とする。3級アミンの2−アミノトロポン誘導体のうち、その硬化性能の観点から、N,N’−ジメチル−2−アミノトロポン誘導体であることが好ましい。一般にR1やR2を嵩高くない置換基とすることでより優れた硬化性能を得ることができる。
R3〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ホルミル基、アシル基、ニトロ基、ニトロソ基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルキルスルファニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はアミノ基を表す。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボキシル基、ヒドロキシエトキシカルボニル基などがあげられ、メトキシカルボニル基が好ましい。
アシル基としては、アセチル基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プロペニル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ブテニル基、イソブテニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基などがあげられ、メチル基とイソプロピル基が好ましい。
アルケニル基としては、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基などがあげられる。
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などがあげられる。
アラルキル基としては、ベンジル基などがあげられる。
アルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、1−メチルスルフィド−メチル基、2−メチルスルフィド−エチル基、3−メチルスルフィド−プロピル基などがあげられる。
アリール基としてはフェニル基が好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などがあげられ、メトキシ基が好ましい。
ハロゲン原子としては、塩素又は臭素が好ましい。
アミノ基としては、無置換のアミノ基の他、モノ置換アミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェニルアミノ基などがあげられ、メチルアミノ基が好ましい。
ジ置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基などがあげられ、ジメチルアミノ基が好ましい。
R1〜R7は、互いに結合し飽和環若しくは不飽和環、例えば、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環などのアゾール環を形成していてもよい。また、R1〜R7は式(1)又は式(2)で表される誘導体からなる基であって1つの水素原子が脱離した1価の基を置換基として有してもよい。例えば、R1〜R7は式(1)及び/又は式(2)に表される分子と結合していてもよい。このように、式(1)で表される化合物は、1分子中に2−アミノトロポン構造を2以上有する構造であってもよい。
Zは酸素原子又は硫黄原子を表す。保存時の安定性の高さの観点から、Zは酸素原子が好ましい。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボキシル基、ヒドロキシエトキシカルボニル基などがあげられ、メトキシカルボニル基が好ましい。
アシル基としては、アセチル基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プロペニル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ブテニル基、イソブテニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基などがあげられ、メチル基とイソプロピル基が好ましい。
アルケニル基としては、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基などがあげられる。
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などがあげられる。
アラルキル基としては、ベンジル基などがあげられる。
アルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、2−メチルスルフィド−エチル基、3−メチルスルフィド−プロピル基などがあげられる。
アリール基としては、フェニル基が好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などがあげられ、メトキシ基が好ましい。
ハロゲン原子としては、塩素又は臭素が好ましい。
アミノ基としては、無置換のアミノ基の他、モノ置換アミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェニルアミノ基があげられ、メチルアミノ基が好ましい。
ジ置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基などがあげられ、ジメチルアミノ基が好ましい。
R1〜R8は互いに結合して飽和又は不飽和環を形成してもよいし、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環などのアゾール環を形成していてもよい。
また、R1〜R7は式(1)又は式(2)で表される誘導体からなる基であって1つの水素原子が脱離した1価の基を置換基として有してもよい。例えば、R1〜R7は式(1)及び/又は式(2)に表される分子と結合していてもよい。このように、式(2)で表される化合物は、1分子中に2−アミノトロポン構造を2以上有する構造も包含する。
そして、Hammett則において安息香酸の水溶液の25℃における解離定数 K0とパラ置換安息香酸の解離定数をKとした時に、下記式(7)によりσpを定義する。
光照射を行う雰囲気は空気中又は不活性ガス中などであってもかまわないが、好ましくは不活性ガス中、より好ましくは窒素ガス雰囲気下である。
また、加熱を行う場合の加熱時間は、特に限定されないが、硬化を十分に行う観点から、1秒間〜3時間であることが好ましく、30秒間〜1時間であることがより好ましい。加熱を行う雰囲気は限定されず、例えば、空気中あるいは不活性ガス中で行うことができる。
まず、種々の条件で光塩基発生剤を配合した光硬化型樹脂組成物を製造した。そして、これらに対して光照射や加熱を行ってその物性を評価した。
[光塩基発生剤1の製造]
N−メチル−2−アミノ−3,5,7−トリホルミルトロポンの合成を以下のようにして行った。
トロポロン(和光純薬工業(株)製)1.04gと、水2mLと、8M KOH1.6mLと、36%ホルマリン水溶液13.8gを混合し、70℃で10時間反応させた。反応終了後、溶液のpHを3〜4にするとクリーム色固体が析出した。これを吸引ろ過して回収し真空乾燥して、中間体(1−1)を得た。
中間体(1−1)200mgと、10%トリメチルシリルジアゾメタン/ヘキサン溶液6.3mLと、20%メタノール/ベンゼン溶液6mLを混合し、室温にて20時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去して中間体(1−2)を得た。
次に、中間体(1−2)200mgと、40%メチルアミン水溶液400mgと、エタノール10mLを混合し、還流状態で3時間反応を行った。反応終了後、溶媒を留去して中間体(1−3)を得た。
次に、中間体(1−3)200mgと、MnO2 3.1gと、ベンゼン4mLを混合し、室温にて24時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにて溶媒除去を行った後、塩化メチレン2mLと、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物(EDTA・2Na・2H2O)1g溶解させた1N NaOH水溶液12mLを添加する。1時間攪拌した後、静置して、分相し、油相を回収する。回収した油相に硫酸マグネシウム0.5g添加し、1時間撹拌する。その後、ろ過にてろ液を回収し、ろ液をエバポレーターにて溶媒除去をした。
そして、溶媒除去したろ液をカラムにて分離精製して目的物であるN−メチル−2−アミノ−3,5,7−トリホルミルトロポン(141mg、0.6mmol、茶褐色、固体)を得た。
[光硬化型樹脂組成物1の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物1を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・N−メチル−2−アミノ−3,5,7−トリホルミルトロポン(光塩基発生剤1) 0.12g
なお、N−メチル−2−アミノ−3,5,7−トリホルミルトロポンの置換基定数は0.66であった。
[光塩基発生剤2の製造]
N−メチル−2−アミノ−3,7−ジホルミルトロポンの合成を以下のようにして行った。
新実験化学講座14 有機化学の合成と反応[II]、日本化学会編、丸善株式会社、p919の記載の方法にて、トロポロンから5−アミノトロポロンを合成した。5−アミノトロポロンから、新実験化学講座14 有機化学の合成と反応[II]、日本化学会編、丸善株式会社、p920の記載の方法にて5−クロロトロポロンを合成した。
5−クロロトロポロン900mgと、0.5M KOH/MeOH溶液20mLを混合し、完全に均一にした後、溶媒を留去して5−アミノトロポロンのカリウム塩を得た。これに36%ホルマリン水溶液12gに水50mLを添加し、70℃で8時間反応させた。反応終了後、反応液に塩化アンモニウム60gと塩化メチレン100mLを添加し、撹拌混合した。その後、反応液を静置して分相し、油相を回収した。回収した油相に硫酸マグネシウム2g添加して1時間撹拌した後、ろ過してろ液を回収した。このろ液から溶媒を留去して中間体(2−1)を得た。
続いて、中間体(2−1)200mgと、10%トリメチルシリルジアゾメタン/ヘキサン溶液6.3mLと、20%メタノール/ベンゼン溶液6mLを混合し、室温にて20時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去して、中間体(2−2)を得た。
中間体(2−2)150mgと、8M KOH水溶液3.2mLと、水3mLを添加し、撹拌して中間体(2−2)を溶解させた。この溶液にパラジウム−カーボン(Pd担持5wt%)0.38gを添加した。そして、反応器内に水素ガスを張り込み、常温・常圧にて24時間反応させて水素添加反応を行った。反応終了後、ろ過にてろ液を回収して、このろ液に30%塩酸水溶液0.75mLを添加した。続いて、酢酸エチル100mLを添加して撹拌混合したこの溶液を静置して分相し、油相を回収した。この油相に硫酸マグネシウム2gを添加し、1時間撹拌した後、ろ過してろ液を回収した。得られたろ液から溶媒を留去して、中間体(2−3)を得た。
次に、中間体(2−3)150mgと40%メチルアミン水溶液300mgと、エタノール10mLを混合し、還流状態で3時間反応を行った。反応終了後、溶媒を留去して中間体(2−4)を得た。
次に、中間体(2−4)150mgと、MnO2 2.3gと、ベンゼン3mLを混合し、室温にて24時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにて溶媒除去を行った後、塩化メチレン2mLと、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物(EDTA・2Na・2H2O)0.8g溶解させた1N NaOH水溶液8mLを添加する。1時間撹拌した後、静置して、分相し、油相を回収する。回収した油相に硫酸マグネシウム0.5g添加し、1時間撹拌する。その後、ろ過にてろ液を回収し、ろ液をエバポレーターにて溶媒除去をした。
そして、溶媒除去したろ液をカラムにて分離精製し、目的物であるN−メチル−2−アミノ−3,7−ジホルミルトロポン(122mg、0.6mmol、茶褐色、固体)を得た。
[光硬化型樹脂組成物2の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物2を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・N−メチル−2−アミノ−3,7−ジホルミルトロポン(光塩基発生剤2) 0.12g
なお、N−メチル−2−アミノ−3,7−ジホルミルトロポンの置換基定数は0.44であった。
[光塩基発生剤3の製造]
N−メチル−2−アミノ−メチルアセテートトロポンの合成を以下のようにして行った。
まず、Tetrahedron,Vol.31,p1483−1489,(1975) に記載の方法にて、5−シアノトロポンからN−メチル−2−アミノ−5−シアノトロポンを合成した。
続いて、Tetrahedron,Vol.31,p1483−1489,(1975) に記載の方法にて、N−メチル−2−アミノ−5−シアノトロポンから2−メチル−5−カルボキシルトロポンを合成した。
更に、Tetrahedron,Vol.31,p1483−1489,(1975) に記載の方法にて、2−メチル−5−カルボキシルトロポンから目的物であるN−メチル−2−アミノ−5−メチルアセテートトロポンを合成した。
[光硬化型樹脂組成物3の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物3を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・N−メチル−2−アミノ−5−メチルアセテートトロポン(光塩基発生剤3) 0.12g
なお、N−メチル−2−アミノ−5−メチルアセテートトロポンの置換基定数は0.44であった。
[光塩基発生剤4の製造]
メチルアミノ−ホルミル−イソプロピルトロポン(N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピル−7−ホルミルトロポンとN−メチル−7−アミノ−3−イソプロピル−6−ホルミルトロポンの混合物)の合成を以下のようにして行った。
4−イソプロピルトロポロン(旭化成ファインケム(株)製、ヒノキチオール)5.0gと、8M KOH水溶液4.9mLを混合し溶解させた。これに水5mLと、36%ホルマリン水溶液3.5gを添加し、70℃で撹拌し、24時間反応させた。反応終了後、30%塩酸水溶液30mLと、酢酸エチル70mLを添加し、撹拌混合した。反応液を静置し、分相し油相を回収した。回収した油相に硫酸マグネシウム2g添加し、1時間撹拌後、ろ過してろ液を回収した。ろ液から溶媒を留去し、反応物を回収して中間体(3−1)を得た。
中間体(3−1)2.0gと、10%トリメチルシリルジアゾメタン/ヘキサン溶液20.6mLと、20%MeOH/ベンゼン溶液30mLを混合撹拌し、室温で16.5時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去して中間体(3−2)を得た。
中間体(3−2)400mgと、40%メチルアミン水溶液745mgと、エタノール10mLを混合し、還流状態で3時間反応を行った。反応終了後、溶媒を留去して中間体(3−3)を得た。
中間体(3−3)310mgと、ベンゼン6mLと、MnO24.8gを混合し、撹拌しながら室温にて2時間反応させた。この反応液をろ過してろ液を得た。このろ液から溶媒を留去して回収物を得た。この回収物を塩化メチレン3mLに溶解させ、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物(EDTA・2Na・2H2O)1.5gと、1N NaOH水溶液18mLを添加して1時間撹拌した。撹拌後、反応液を静置、分相し、油相を回収した。この油相に硫酸マグネシウム0.5gを添加し、1時間撹拌した。そして、反応液をろ過回収した後、溶媒を留去して、目的物であるメチルアミノ−ホルミル−イソプロピルトロポン(N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピル−7−ホルミルトロポンとN−メチル−7−アミノ−3−イソプロピル−6−ホルミルトロポンの混合物)(220mg、1.2mmol、茶褐色、固体)を得た。
[光硬化型樹脂組成物4の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物4を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・メチルアミノ−ホルミル−イソプロピルトロポン(N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピル−7−ホルミルトロポンとN−メチル−7−アミノ−3−イソプロピル−6−ホルミルトロポンの混合物)(光塩基発生剤4) 0.12g
なお、メチルアミノ−ホルミル−イソプロピルトロポン(N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピル−7−ホルミルトロポンとN−メチル−7−アミノ−3−イソプロピル−6−ホルミルトロポンの混合物)の置換基定数は0.07であった。
[光塩基発生剤5の製造]
N,N’−ジメチル−2−アミノ−7−アセトキシトロポンの合成を以下のようにして行った。
トロポロン(和光純薬工業(株)製)30gをピリジン90gに溶解させた。これへp−トルエンスルホニルクロリド50.3gを添加し、室温で5時間反応させた。反応終了後、30%塩酸水溶液107gを添加した。続いて、水100gとジエチルエーテル100mLを添加し撹拌混合した。その後、反応液を静置して分相し、油相を回収する。この油相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100gで洗浄した。続いて、これを静置して分相し、油相を回収した。この油相に硫酸マグネシウム1g添加し1時間撹拌した。撹拌後、ろ過してろ液を回収した後、溶媒を留去して中間体(5−1)を得た。
中間体(5−1)2gと、50%ジメチルアミン水溶液2.0gと、エタノール60mLを混合し、還流状態で2.5時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、水100mLと、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液7mLと、酢酸エチル100mLを添加し撹拌した。その後、静置して分相し、油相を回収した。回収した油相へ硫酸マグネシウム1g添加して1時間撹拌した。その後、ろ過して、ろ液を回収した。そして、溶媒を留去し、N,N’−ジメチル−2−アミノトロポンを得た。
続いて、Chem,Pharm,Bull,39 (7),P1843−1845 (1991)に記載の方法で、N,N’−ジメチル−2−アミノトロポンから目的物であるN,N’−ジメチル−2−アミノ−7−アセトキシトロポンを得た。
[光硬化型樹脂組成物5の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物5を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.35g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.15g
・N,N’ −ジメチル−2−アミノ−7−アセトキシトロポン(光塩基発生剤5) 0.12g
なお、N,N’−ジメチル−2−アミノ−7−アセトキシトロポンの置換基定数は0.5であった。
[光硬化型樹脂組成物6の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物6を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・メチルアミノ−ホルミル−イソプロピルトロポン(N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピル−7−ホルミルトロポンとN−メチル−7−アミノ−3−イソプロピル−6−ホルミルトロポンの混合物)(光塩基発生剤4) 0.035g
なお、メチルアミノ−ホルミル−イソプロピルトロポン(N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピル−7−ホルミルトロポンとN−メチル−7−アミノ−3−イソプロピル−6−ホルミルトロポンの混合物)の置換基定数は0.07であった。
[光塩基発生剤7の製造]
N−メチル−2−アミノトロポンの合成を以下のようにして行った。
トロポロン(和光純薬工業(株)製)7.6gをピリジン25mLに溶解し、p−トルエンスルホニルクロリド12.5gを加え、室温で20時間撹拌して反応させた。その後、水200mLを加え十分に撹拌した後、吸引ろ過、水洗、乾燥を行い、トロポロンのトシラートを固形物として得た。得られたトシラート1.65gにエタノール50mLとメチルアミンの40重量%水溶液1.4gを加え、2時間加熱還流した。減圧下にエタノールを留去し、水20mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2mLを加えて撹拌した後、ジエチルエーテル30mLで2回抽出した。得られたジエチルエーテル溶液に硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた後、これをろ過した。そしてジエチルエーテルを留去し、目的物であるN−メチル−2−アミノトロポン(630mg、4.7mmol、黄色、固体)を得た。
[光硬化型樹脂組成物7の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物6を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・N−メチル−2−アミノトロポン(光塩基発生剤7) 0.076g
なお、N−メチル−2−アミノトロポンの置換基定数は0であった。
[光塩基発生剤8の製造]
メチルアミノ−イソプロピルトロポンの合成を以下のようにして行った。
4−イソプロピルトロポロン(旭化成ファインケム(株)製、ヒノキチオール)5.1gをピリジン12mLに溶解し、p−トルエンスルホニルクロリド6.24gを加え、室温で時間撹拌した。続いて、水80mLを加えた後、濃塩酸11mLを加え十分に撹拌した後、ジエチルエーテル30mLで2回抽出した。得られたジエチルエーテル溶液に硫酸マグネシウムを加えて乾燥しろ過した後、ジエチルエーテルを留去し、4−イソプロピルトロポロンのトシラートを得た。
得られたトシラート1.9gにエタノール50mLとメチルアミンの40wt%水溶液1.4gを加え、2時間加熱還流した。減圧下にエタノールを留去し、水20mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2mLを加えて撹拌した後、ジエチルエーテル/酢酸エチル20mL/20mLで2回抽出した。得られたジエチルエーテル/酢酸エチル溶液に硫酸マグネシウムを加えて乾燥しろ過した後、ジエチルエーテル/酢酸エチルを減圧留去し、目的物であるメチルアミノ−イソプロピルトロポン(2−メチルアミノ−4−イソプロピルトロポンと2−メチルアミノ−6−イソプロピルトロポンの混合物)(0.98g、5.5mmol、褐色、高粘度液体)を得た。
[光硬化型樹脂組成物8の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物8を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・メチルアミノ−イソプロピルトロポン(N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピルトロポンとN−メチル−2−アミノ−6−イソプロピルトロポンの混合物)(光塩基発生剤8) 0.10g
なお、メチルアミノ−イソプロピルトロポン(N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピルトロポンとN−メチル−2−アミノ−6−イソプロピルトロポンの混合物)の置換基定数は−0.15であった。
[光塩基発生剤9の製造]
N−メチル−2−アミノ−3,7−ジメチルトロポンの合成を以下のようにして行った。
中間体(2−1)50mgと、酢酸1.6gと、水0.15gと、赤燐100mgと、ヨウ素100mgを混合撹拌し、110℃で4時間反応させた。そして、1N NaOH水溶液15.7gと、0.5N チオ硫酸ナトリウム1gを反応液へ添加し、撹拌した。続いて酢酸0.1g、酢酸エチル20mLを添加し撹拌した。その後、反応液を静置して分相し、油相を回収した。油相へ硫酸マグネシウム1g添加し、1時間撹拌した後、ろ過してろ液を回収した。このろ液を溶媒留去し、反応物を回収した。これを繰り返し中間体(9−1)を得た。
中間体(9−1)900mgと、8M KOH水溶液18.7mLを混合して溶解させた。この溶液にパラジウム−カーボン2gを添加した。そして、反応器内に水素ガスを張り込み、常温・常圧にて24時間水素添加反応を行った。反応終了後、ろ過にてろ液を回収した。このろ液に30%塩酸水溶液4.5mLを添加した。続いて、酢酸エチル200mLを添加し、撹拌混合した。この反応液を静置して分相し、油相を回収した。回収した油相に硫酸マグネシウム2g添加し、1時間撹拌した後、ろ過してろ液を回収した。ろ液から溶媒を留去して、中間体(9−2)を得た。
中間体(9−2)200mgと、20%メタノール/ベンゼン溶液13mLと、10%トリメチルシリルジアゾメタン/ヘキサン溶液9mLを混合撹拌し、室温で48時間反応させた。反応終了後、得られた反応液から溶媒を留去し、中間体(9−3)を得た。
中間体(9−3)200mgと、エタノール18mLと、40%メチルアミン水溶液1.9gを混合し、還流状態で6時間反応させた。反応終了後、反応液から溶媒を留去し、N−メチル−2−アミノ−3,7−ジメチルトロポン(218mg、1.3mmol、褐色、高粘度液体)を得た。
[光硬化型樹脂組成物9の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物9を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・N−メチル−2−アミノ−3,7−ジメチルトロポン(光塩基発生剤9) 0.092g
なお、N−メチル−2−アミノ−3,7−ジメチルトロポンの置換基定数は−0.34であった。
[光塩基発生剤10の製造]
N−メチル−2−アミノ−7−メトキシトロポンの合成は以下のようにして行った。
Bull.Chem.Soc.Jap.,51(8) ,2338,(1978)に記載の方法により、トロポロンからN−メチル−3−アミノトロポロンを合成した。
N−メチル−3−アミノトロポン120mgと、10%トリメチルシリルジアゾメタン/ヘキサン溶液10mLと、20%メタノール/ベンゼン溶液20mLを混合し、室温にて24時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去して、反応物を回収した。これをカラムにより精製し、目的物であるN−メチル−2−アミノ−7−メトキシトロポン(0.1g、0.61mmol、褐色、固体)を得た。
[光硬化型樹脂組成物10の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物10を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・N−メチル−2−アミノ−7−メトキシトロポン(光塩基発生剤10) 0.093g
なお、N−メチル−2−アミノ−7−メトキシトロポンの置換基定数は−0.27であった。
[光塩基発生剤11の製造]
N,N’−ジメチル−2−アミノトロポンの合成は以下のようにして行った。
中間体(5−1)2gと、50%ジメチルアミン水溶液2.0gと、エタノール60mLを混合し、還流状態で2.5時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、水100mLと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液7mLと、酢酸エチル100mLを添加して撹拌した。その後、静置して分相し、油相を回収した。回収した油相へ硫酸マグネシウム1g添加して1時間撹拌した。その後、ろ過して、ろ液を回収した。このろ液の溶媒を留去して反応物を回収した。この反応物をカラムにて分離精製し、N,N’−ジメチル−2−アミノトロポン(2.2g、14.8mmol、黄色、固体)を得た。
[光硬化型樹脂組成物11の製造]
以下の配合で化合物を混合し、光硬化型樹脂組成物11を得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「AER250」) 0.70g
・テトラキス(メルカプト酢酸)ペンタエリトリトール(和光純薬工業(株)製) 0.30g
・N,N’−ジメチル−2−アミノトロポン(光塩基発生剤11) 0.084g
なお、N,N’−ジメチル−2−アミノトロポンの置換基定数は0であった。
各化合物の光化学反応の速度の指標として、半減期を測定した。
各化合物をシクロヘキサンの0.04mM溶液としてサンプルとした。各サンプルは窒素置換により十分に脱酸素した。
石英ガラス容器(1cm×1cm×5cm)にサンプル(0.04mMシクロヘキサン溶液)を4.5mL充填し、窒素雰囲気下で紫外線照射する。紫外線は365nmで35mW/cm2の強度で照射して、サンプルのUV吸収スペクトルから化合物の濃度を測定した。この化合物の濃度が0.02mMとなったときの時間を計測し、その時間を半減期(s)とした。UV吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計(日本分光製、「V−550」)を使用した。
各化合物の塩基性の潜在化の有無の評価には、紫外線照射をせずに加熱した際の硬化性と、紫外線照射をした後に加熱した際の硬化性をそれぞれ評価し、(1)紫外線を照射せずに加熱しただけでは硬化せず、紫外線を照射した後に加熱をした際に硬化するものを塩基性の潜在化がなされているものと評価し、
(2)紫外線を照射せずに加熱をしただけで硬化するものを塩基性の潜在化がなされていないものとして評価した。
[N−メチル−2−アミノ−3,5,7−トリホルミルトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物1の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この塗膜に対し、紫外線照射をせずに120℃で加熱したが30分経過しても硬化せず、液状のままであり強固な塗膜は得られなかった。
一方、上記と同様に作成した液膜に対し、窒素雰囲気下で10J/cm2の紫外線(365nm)を照射したところ、硬化反応が進行し半固体状の塗膜となった。この塗膜を120℃で7分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
N−メチル−2−アミノ−3,5,7−トリホルミルトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射して、その半減期を測定した結果、3.02秒であった。
[N−メチル−2−アミノ−3,7−ジホルミルトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物2の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この塗膜に対し、紫外線照射をせずに120℃で加熱したが30分経過しても硬化せず、液状のままであり強固な塗膜は得られなかった。
一方、上記と同様に作成した液膜に対し、窒素雰囲気下で9J/cm2の紫外線(365nm)を照射したところ、硬化反応が進行し半固体状の塗膜となった。この塗膜を120℃で4分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
N−メチル−2−アミノ−3,7−ジホルミルトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射して、その半減期を測定した結果、1.83秒であった。
[N−メチル−2−アミノ−メチルアセテートトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物3の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この塗膜に対し、紫外線照射をせずに120℃で加熱したが30分経過しても硬化せず、液状のままであり強固な塗膜は得られなかった。
一方、上記と同様に作成した液膜に対し、窒素雰囲気下で9J/cm2の紫外線(365nm)を照射したところ、硬化反応が進行し半固体状の塗膜となった。この塗膜を120℃で5分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
N−メチル−2−アミノ−メチルアセテートトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射して、その半減期を
測定した結果、2.35秒であった。
[メチルアミノ−ホルミル−イソプロピルトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物4の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この塗膜に対し、紫外線照射をせずに120℃で加熱したが60分経過しても硬化せず、液状のままであり強固な塗膜は得られなかった。
一方、上記と同様に作成した液膜に対し、窒素雰囲気下で6J/cm2の紫外線(365nm)を照射したところ、硬化反応が進行し半固体状の塗膜となった。この塗膜を120℃で7分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
メチルアミノ−ホルミル−イソプロピルトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射して、その半減期を測定
した結果、2.93秒であった。
[N−ジメチル−2−アミノ−7−アセトキシトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物5の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この塗膜に対し、紫外線照射をせずに120℃で加熱したが30分経過しても硬化せず、液状のままであり強固な塗膜は得られなかった。
一方、上記と同様に作成した液膜に対し、窒素雰囲気下で9J/cm2の紫外線(365nm)を照射したところ、硬化反応が進行し半固体状の塗膜となった。この塗膜を120℃で19分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
N−ジメチル−2−アミノ−7−アセトキシトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射し、その半減期を測定した結果、30.1秒であった。
[メチルアミノ−ホルミル−イソプロピルトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物6を厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この塗膜に対し、紫外線照射をせずに120℃で加熱したが60分経過しても硬化せず、液状のままであり強固な塗膜は得られなかった。
一方、上記と同様に作成した液膜に対し、窒素雰囲気下で20J/cm2の紫外線(365nm)を照射したところ、硬化反応が進行し半固体状の塗膜となった。この塗膜を120℃で9分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
[N−メチル−2−アミノトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物7の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この塗膜に対し、紫外線照射をせずに120℃で加熱したが30分経過しても硬化せず、液状のままであり強固な塗膜は得られなかった。
一方、上記と同様に作成した液膜に対し、窒素雰囲気下で9J/cm2の紫外線(365nm)を照射したところ、硬化反応が進行し半固体状の塗膜となった。この塗膜を120℃で10分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
N−メチル−2−アミノトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射し、その半減期を測定した結果、3.32秒であった。
[メチルアミノ−イゾプロピルトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物8の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この塗膜に対し、紫外線照射をせずに120℃で加熱したが30分経過しても硬化せず、液状のままであり強固な塗膜は得られなかった。
一方、上記と同様に作成した液膜に対し、窒素雰囲気下で6J/cm2の紫外線(365nm)を照射したところ、硬化反応が進行し半固体状の塗膜となった。この塗膜を120℃で10分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
メチルアミノ−イゾプロピルトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射し、その半減期を測定した結果、3.46秒であった。
[N−メチル−2−アミノ−3,7−ジメチルトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物9の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この液膜に対し、紫外線照射をせずに120℃で1.5分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
N−メチル−2−アミノ−3,7−ジメチルトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射し、その半減期を測定した結果、5.76秒であった。
[N−メチル−2−アミノ−7−メトキシトロポンを光塩基発生剤として用いた場合]
光硬化型樹脂組成物10の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この液膜に対し紫外線照射をせずに120℃で1.5分加熱すると完全に硬化し、強固な塗膜が得られた。
N−メチル−2−アミノ−7−メトキシトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射し、その半減期を測定した結果、9.49秒であった。
[N,N’−ジメチル−2−アミノトロポンの場合]
光硬化型樹脂組成物11の厚さ100μmの液膜を、ガラス板(パイレックス製(登録商標) 60mm×60mm×2mm)上に形成した。この液膜に対し紫外線照射をせずに120℃で1.5分加熱すると完全硬化し、強固な塗膜が得られた。
N,N’−ジメチル−2−アミノトロポンのシクロヘキサン溶液(0.04mM)に対し、365nmの紫外線を35mW/cm2の強度で照射し、その半減期を測定した結果、31.2秒であった。
各化合物における、塩基性の潜在化の測定結果を表2、表3に示す。
置換基定数が0よりも大きい実施例1〜4は置換基定数が0以下の比較例1〜4と比較していずれも半減期が短い結果であり、塩基の発生が早く硬化性能も良好であった。
また、比較例1、2は塩基性の潜在化はなされているものの、実施例1〜4と比較して半減期がやや長いので、紫外線照射後の加熱による硬化に時間を要した。
一方、比較例3、4は半減期が長いことに加えて塩基性の潜在化がなされていないため、潜在性硬化剤としての働きを有していなかった。
置換基定数が0よりも大きい参考例2は、置換基定数が0である比較例5よりも半減期が短い結果となった。また、参考例2は塩基性の潜在化がなされているが、比較例5は塩基性の潜在化がなされていなかった。
Claims (6)
- N−メチル−2−アミノ−3,5,7−トリホルミルトロポン、N−メチル−2−アミノ−3,7−ジホルミルトロポン、N−メチル−2−アミノ−4−イソプロピル−7−ホルミルトロポン、及びN−メチル−7−アミノ−3−イソプロピル−6−ホルミルトロポンからなる群より選ばれた少なくとも1種の2−アミノトロポン誘導体を含有する光塩基発生剤。
- 前記2−アミノトロポン誘導体の0.04mMシクロヘキサン溶液に対して窒素雰囲気下で紫外線(365nm)を35mW/cm2の強度で照射して測定される半減期が3.3秒未満である、請求項1に記載の光塩基発生剤。
- 請求項1又は2に記載の光塩基発生剤と、アニオン硬化型樹脂と、を少なくとも含有する光硬化型樹脂組成物。
- 前記アニオン硬化型樹脂100質量部に対して、前記光塩基発生剤を0.001〜100質量部含有する請求項3に記載の光硬化型樹脂組成物。
- 前記アニオン硬化型樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂である請求項3又は4に記載の光硬化型樹脂組成物。
- ポリチオールを更に含有する請求項3〜5のいずれか一項に記載の光硬化型樹脂組成物。
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