JP5208348B2 - ナフトピジルを含有する医薬 - Google Patents

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Description

本発明は、ナフトピジルを含有する光安定性に優れた医薬に関する。
ナフトピジル(Naftopidil:[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]−3−(1−ナフチロキシ)プロパン−2−オール)は特公昭60−29712号公報に開示された物質であり、同公報には、ナフトピジル又はその塩が前立腺肥大における排尿困難治療に有用であることが開示されている。ナフトピジルは多数の臨床的研究において前立腺肥大に伴う排尿障害に対して改善作用を示すことが証明されており、すでに経口用錠剤(ナフトピジル錠、「フリバス」、旭化成ファーマ株式会社製造及び販売)として発売されている。ナフトピジル錠は前立腺肥大症に伴う排尿障害の成人に対してナフトピジルとして1日1回25mgより投与を始め、効果が不十分な場合は1ないし2週間の間隔をおいて50〜75mgに漸増し、1日1回服用することが臨床的試験結果から設定されている。ナフトピジル製剤の処方及び成分分量の事例としては、特公昭60−29712号公報や特開2001−288115号公報の実施例12に記載されている。
特公昭60−29712号 特公平6−2673号 特開2001−288115号
本発明者らは特公昭60−29712号公報及び特開2001−288115号公報に開示されたナフトピジル製剤の安定性を調べたところ、この製剤は通常の保存条件では一応満足すべき安定性を有しているものの、光によりわずかに変色することを確認した。
従って、本発明の課題は、光による変色のない安定なナフトピジル製剤を提供することにある。
従来、当業者には上記の問題点は知られていないことから、本発明者らは光による着色の原因を鋭意研究した。その結果、光による変色がナフトピジルと乳糖との共存により生ずることを新たに確認し、製剤の調製に用いられる製剤用添加物から乳糖を排除することによって光による着色を回避できることを見出した。また、本発明者らは上記の知見を基にしてさらに研究を続けた結果、製剤用添加物として糖アルコール類又は乳糖以外の糖類を用いた場合には光による着色のない製剤を提供できることを見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成された。
すなわち、本発明により下記の各発明が提供される。
(1)有効成分としてナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩と1以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物であって、該製剤用添加物のうちナフトピジルと接触する製剤用添加物として乳糖を含有しないことを特徴とする医薬組成物。
(2)有効成分としてナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩と1以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物であって、該製剤用添加物として乳糖を含有しないことを特徴とする医薬組成物。
(3)固体製剤の形態である上記(1)又は(2)に記載の医薬組成物。
(4)錠剤の形態である上記(3)に記載の医薬組成物。
(5)錠剤硬度が1kg以上である上記(4)に記載の医薬組成物。
(6)医薬組成物の全体がナフトピジルを含有する連続相からなる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医薬組成物。
(7)圧縮型口腔内崩壊製剤である上記(3)ないし(6)のいずれかに記載の医薬組成物。
(8)崩壊時間が1分以内である上記(3)ないし(7)のいずれかに記載の医薬組成物。
ナフトピジル製剤。
(9)製剤用添加物として糖アルコール類を含む上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の医薬組成物。
(10)製剤用添加物として乳糖以外の糖類を含む上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の医薬組成物。
(11)製剤用添加物として、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、及びフマル酸ステアリルナトリウムからなる群から選ばれる1又は2以上の製剤用添加物を含む上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の医薬組成物。
(12)製剤用添加物として、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、タルク、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、及びフマル酸ステアリルナトリウムからなる群から選ばれる1又は2以上の製剤用添加物を含む上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の医薬組成物。
(13)ナフトピジルの含有割合が医薬組成物の全重量に対して3〜60重量%である上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の医薬組成物。
(14)製剤用添加物がエリスリトールであり、該エリスリトールの含有割合が医薬組成物の全重量に対して20〜80重量%である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の医薬組成物。
(15)医薬組成物が圧縮型口腔内崩壊錠であり、該錠剤が下記の工程:
(a)ナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩と該製剤用添加物とを水溶性高分子結合剤を用いて造粒し、乾燥することにより造粒物を得る工程;及び
(b)上記工程(a)で得られた造粒物を圧縮成形した後に加湿し、さらに乾燥を行なう工程
により得ることができる錠剤である上記(7)ないし(14)のいずれかに記載の医薬組成物。
(16)該製剤用添加物が糖アルコール類である上記(15)に記載の医薬組成物。
(17)該製剤用添加物がエリスリトールである上記(16)に記載の医薬組成物。
(18)医薬組成物が圧縮型口腔内崩壊錠であり、該錠剤が下記の工程:
(a)ナフトピジルと糖アルコール類とを含む混合物を水溶性高分子結合剤を用いて造粒する工程;
(b)上記工程(a)で得られた造粒物に糖アルコール類を添加して造粒し、乾燥して造粒物を得る工程;及び
(c)上記工程(b)で得られた造粒物を圧縮成形した後に加湿し、さらに乾燥を行なう工程
により得ることができる錠剤である上記(7)ないし(14)のいずれかに記載の医薬組成物。
(19)該糖アルコール類がエリスリトールである上記(18)に記載の医薬組成物。
(20)医薬組成物が圧縮型口腔内崩壊錠であり、該錠剤が下記の工程:
(a)ナフトピジルと糖アルコール類とを含む混合物を水溶性高分子結合剤を用いて造粒し、乾燥して造粒物を得る工程;
(b)エリスリトールを水溶性高分子結合剤を用いて造粒し、乾燥して造粒物を得る工程(ただし該造粒物はナフトピジルを含まない造粒物である)、及び
(c)上記工程(a)で得られた造粒物、上記工程(b)で得られた造粒物、及び滑沢剤を混合して圧縮成形した後に加湿し、さらに乾燥を行なう工程
により得ることができる錠剤である上記(7)ないし(14)のいずれかに記載の医薬組成物。
(21)該糖アルコールがエリスリトールである上記(20)に記載の医薬組成物。
(22)上記工程(a)で得られた造粒物及び上記工程(b)で得られた造粒物の合計重量に対する上記工程(a)で得られた造粒物の含有割合が5重量%以上、100重量%未満である上記(20)又は(21)に記載の医薬組成物。
(23)医薬組成物が圧縮型口腔内崩壊錠であり、該錠剤が下記の工程:
(a)ナフトピジルとエリスリトールとを含む混合物を水溶性高分子結合剤を用いて造粒し、乾燥して造粒物を得る工程;及び
(b)上記工程(a)で得られた造粒物に、D−マンニトールを含む造粒物、セルロース類、クロスポビドン、及び滑沢剤を混合し、得られた混合物を圧縮成形する工程;
により得ることができる錠剤である上記(7)ないし(14)のいずれかに記載の医薬組成物。
(24)医薬組成物が圧縮型口腔内崩壊錠であり、該錠剤が下記の工程:
(a)ナフトピジルとD−マンニトールとを含む混合物を水溶性高分子結合剤を用いて造粒し、乾燥して造粒物を得る工程;及び
(b)上記工程(a)で得られた造粒物に、D−マンニトールを含む造粒物、セルロース類、クロスポビドン、及び滑沢剤を混合し、得られた混合物を圧縮成形する工程;
により得ることができる錠剤である上記(7)ないし(14)のいずれかに記載の医薬組成物。
(25)セルロース類が結晶セルロースである上記(23)又は(24)に記載の医薬組成物。
(26)光による着色が軽減ないし排除された上記(1)ないし(25)のいずれかに記載の医薬組成物。
(27)有効成分としてナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩と1以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物の製造方法であって、上記(15)ないし(25)のいずれかに記載の工程を含む方法。
(28)有効成分としてナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩と1以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物の光による着色を防止する方法であって、該製剤用添加物のうちナフトピジルと接触する状態で存在する製剤用添加物として乳糖を使用せずに該医薬組成物を調製する工程を含む方法。
(29)有効成分としてナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩と1以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物の光による着色を防止する方法であって、該製剤用添加物として乳糖を使用せずに該医薬組成物を調製する工程を含む方法。
本発明の医薬組成物は、通常の保存状態で安定であることに加えて、光による着色を生じないことから、保存条件によらずに極めて高い安定性を有するという特徴がある。
本発明の医薬組成物は、有効成分としてナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩と1以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物である。ナフトピジル(Naftopidil:[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]−3−(1−ナフチロキシ)プロパン−2−オール)は特公昭60−29712号公報に記載された物質であり、当業者が容易に入手できる物質である。本発明の医薬の有効成分としては、ナフトピジルの生理学的に許容される塩(例えば塩酸塩など)を用いてもよいが、好ましくは遊離形態の物質を用いることができる。ナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩の水和物又は溶媒和物を本発明の医薬組成物の有効成分として用いることもできる。
本発明の医薬組成物としては、液状形態の医薬組成物又は固体形態の医薬組成物のいずれであってもよい。液状形態の医薬組成物は、例えば、溶液状態又は懸濁状態のいずれであってもよく、例えば、注射用、点滴用、内服用、又は点眼用等に利用することができる。固形形態の医薬組成物としては、例えば、錠剤、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップ剤、散剤、カプセル剤、丸剤、パップ剤等が例示される。本発明の医薬組成物としては、固形形態の医薬組成物が好ましい。通常の場合、固形形態の医薬組成物は乾燥状態で提供されることが好ましい。例えば、医薬組成物中の水分量(水分含有率)として、20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは12以下、特に好ましくは10%以下が例示される。
本明細書において、製剤用添加物がナフトピジルと接触するとは、液状形態の医薬組成物であれば、例えば、溶液状態又は懸濁状態で存在する製剤用添加物が溶解又は懸濁状態のナフトピジルの分子又は微粒子に接触することを意味しており、また、固体状態の医薬組成物であれば、例えば、ナフトピジルと製剤用添加物とを含む混合物において、該混合物に含まれる上記製剤用添加物の粉末や造粒物がナフトピジルの粉末又は造粒物などに接触することを意味している。本発明の医薬組成物では、医薬組成物の調製に用いられる1又は2以上の製剤用添加物のうち、ナフトピジルと接触する製剤用添加物として乳糖を含有しないことを特徴としている。本発明の医薬組成物は、製剤用添加物として乳糖を全く含まないことが好ましい。
本明細書において、圧縮成形とは圧力をかけて粉体や造粒物などに何らかの形状を与えることを意味する。典型的には、粉末又は造粒物を打錠機にて圧縮して錠剤とする例が挙げられる。錠剤の硬度や製造時における圧縮の程度は、錠剤の形状等に応じて適宜決めることができる。本発明の医薬組成物としては、特に錠剤が好ましい。錠剤は用途により分類することができるが、本明細書で用いられる「錠剤」の用語には、例えば、口中で溶かし口腔粘膜や咽頭粘膜に適用する口中錠(トローチ)、口中で溶かし口腔粘膜から薬物を吸収させる口腔錠(バッカル錠、舌下錠)、口中で錠剤を崩し、水あるいは唾液とともに嚥下させ消化器官から薬物を吸収させる口腔内崩壊錠、皮下に移植して使用される植込錠、錠剤を溶解した液を服用したり、あるいは外用に用いたりする溶解錠等も包含される。
また、錠剤は構造上の観点から、例えば、素錠とコーティング錠に分類することができる。素錠は、圧縮成形して得られる錠剤の表面にコーティングが施されていない錠剤を意味しており、典型的には、錠剤全体がナフトピジルを含有する連続相からなる錠剤である。通常は、ある薬物を含有した粉末又は造粒物を打錠機により圧縮成形して得られる錠剤自体であると理解できる。コーティング錠は上記の素錠の表面に薬物を含まないコーティング層を形成した錠剤を意味している。コーティング錠としては、例えば、フィルムコーティング錠や糖衣錠、及び有核錠等が例示される。さらに、錠剤の一部に薬物を含まない層を形成する多層錠も例示される。本明細書で用いられる「錠剤」の用語にこれらの錠剤が包含されることは言うまでもない。
錠剤の形態として提供される本発明の医薬組成物は、製造工程や流通過程、あるいはPTP包装からの取り出しの際などに錠剤の破壊が生じないように、十分な錠剤硬度を有することが好ましい。錠剤硬度は特に限定されないが、その下限値は、通常、1Kg程度以上であり、2Kg程度以上であることが好ましく、3Kg以上であることがさらに好ましく、4kg以上であることが特に好ましい。また、場合によっては、1.5Kg程度以上であり、2.5Kg以上であることが好ましく、3.5Kg以上であることがさらに好ましく、4.5Kg程度以上であることが特に好ましい。さらに、場合によっては5Kg程度以上であることも極めて好しい例として挙げることができる。また、錠剤強度の上限値は、特に限定されないが、通常は20kg程度以下であることが好ましく、15kg程度以下であることが特に好ましく、更に好ましくは10kg程度以下であることが例示される。
口腔内崩壊錠は、例えば、成形された錠剤が口腔内で速やかに崩壊して細かな粒子状に懸濁分散し、あるいは錠剤の成分が一部又は全部溶解し、その後に嚥下されて有効成分が消化管から吸収される錠剤である。本発明により提供される口腔内崩壊錠の崩壊時間としては、例えば、口腔内で唾液による崩壊時間を測定することもできるが、より簡便な方法として、本明細書の実施例に記載したように日本薬局方の崩壊試験法に準じた測定方法(試験液として水を用いる)により測定することができる。崩壊時間は特に限定されないが、例えば、3分以内であり、通常は1分以内、好ましくは40秒以内、さらに好ましくは30秒以内、特に好ましくは20秒以内である。口腔内崩壊錠は製造方法から分類することもでき、より具体的には、懸濁分散した溶液を鋳型に充填した後、凍結乾燥法を用いて製造することができる非圧縮型の口腔内崩壊錠と、打錠機等を使用して粉末を圧縮して製造することができる圧縮型の口腔内崩壊錠とに分類することができる。本発明においては、圧縮型の口腔内崩壊錠が好ましい例として挙げられる。
本発明の医薬組成物の製造に用いられる製剤用添加物は、医薬組成物を調製する際に、賦形効果、コーティング効果、結合化効果、崩壊化効果、滑沢化効果等の機能付与のために添加する物質であり、医薬組成物に含まれる成分のうち有効成分を除いた全ての物質を包含している。製剤用添加物は使用目的により分類でき、例えば賦形効果を有する物質であれば賦形剤、コーティング効果を有する物質であればコーティング剤、結合化効果を有する物質であれば結合剤、崩壊化効果を有する物質であれば崩壊剤、滑沢化効果を有する物質であれば滑沢剤等に分類することができる。本明細書で用いられる製剤用添加物として、好ましくは「医薬品添加物辞典2000」(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)に収載されている物質を用いることができ、好ましくは乳糖以外の物質を用いることができる。
例えば、製剤用添加物として糖アルコール類及び/又は乳糖以外の糖類を使用することができる。糖アルコール類は糖類がもつカルボニル基を還元して得られる多価アルコールであり、例えば、グリセリン、D−ソルビトール、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトールが挙げられ、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトールが好ましい例として挙げられる。糖アルコール類として、1種類又は2種類以上を選択してもよい。また、乳糖以外の糖類としては、例えば、ブドウ糖、白糖、果糖、マルトース、またデンプンを酵素により糖化したアメ粉等が挙げられ、ブドウ糖、白糖が好ましい例として挙げられる。
本発明の医薬組成物の調製には、水溶性高分子結合剤を用いることができる。水溶性高分子結合剤は、水に溶解することで粘性が得られ、糊のような接着性を示す水溶性高分子からなる製剤用添加物のことである。水溶性高分子結合剤は、この性質を利用して粉末混合物を造粒する際に用いられる。その添加方法は特に制限されないが、例えば、造粒時に溶液として添加するか、あるいは粉末で添加することができる。水溶性高分子結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファー化デンプン、ゼラチン、プルラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム末等が例示される。水溶性高分子結合剤としては、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。このらのうち、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に好ましい例として挙げられる。
本発明の医薬組成物の調製には、さらに水溶性高分子結合剤以外の結合剤も用いてもよい。このような結合剤としては、例えば、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、無水沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が例示される。これらのうち、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。圧縮成形物が打錠部品に接着して容易に排出し難くなる現象(スティッキング:打錠の際に生じる)を回避するために用いられる滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、L−ロイシン等が例示される。これらのうち、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウムが特に好ましい。また、圧縮された錠剤を唾液中や胃液中で速やかに崩壊させるための崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、合成ヒドロタルサイト等が例示される。これらのうち、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。錠剤に甘味を付与して服用性を向上させるために甘味料を用いてもよい。甘味料としては、例えば、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルリチン酸モノアンモニウム酸、還元麦芽糖水アメ、精製ハチミツ等が例示される。これらのうち、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。錠剤に官能的に良好な臭いを付与して服用性を向上させるために香料を用いてもよい。香料としては、例えば、L−メントール、バニリン、ハッカ油、レモン油、バニラフレーバー、フルーツフレーバー、ミントフレーバー等が例示される。
錠剤の製造方法及び製造装置は特に限定されず、当業界で通常用いられる方法及び装置を使用することができる。より具体的には、混合工程では、V型混合機、クロスロータリー式混合機等が用いられる。造粒工程では、流動層造粒乾燥機、転動流動造粒コーティング装置、撹拌造粒機、円筒押出造粒機等が用いられる。圧縮成型(打錠)機は一般に錠剤の製造に用いられる装置であり、例えば、単発式打錠機等が挙げられる。
本発明により提供される口腔内崩壊錠では、口腔内における速やかな崩壊性を達成するための崩壊時間と、製造工程中、PTP包装からの取り出しの際、あるいは流通過程における錠剤の破壊を防止するための錠剤硬度とのバランスが要求され、その製造条件は普通錠と比べてより厳格に制限することが望ましい。例えば、圧縮成形時の圧力を通常の錠剤を成形するための成形圧力より小さくして、それにより錠剤の内部の隙間を大きくすることができる。打錠すべき粉末や造粒物の組成によって異なるが、成形圧力の下限値は1kg/杵程度以上であることが好ましく、5kg/杵程度以上であることが特に好ましく、更に好ましくは10kg/杵程度以上である。また、成形圧力の上限値は1500kg/杵程度以下であることが好ましく、1000kg/杵程度以下であることが特に好ましく、800kg/杵程度以下が更に好ましい。
錠剤硬度と崩壊時間とのバランスが良好な口腔内崩壊錠は、例えば、ナフトピジルを含有する粉末を上述の打錠圧力で圧縮することにより調製することもできるが、錠剤硬度と崩壊時間とのバランスを保つような打錠圧力の範囲が狭くなる場合がある。錠剤硬度と崩壊時間とのバランスを保つような打錠圧力範囲を広げるためには、例えば、ナフトピジル自体の撥水性を隠蔽する手段を採用することが望ましい。例えば、ナフトピジルを含有する造粒物を製造した後、製剤用添加物をナフトピジルを含有する造粒物にさらに添加した後に再造粒して造粒物を得る方法が例示される。また、予めナフトピジルを含有する造粒物とナフトピジルを含まない造粒物とを調製しておき、これら2種類の造粒物と滑沢剤とを混合して圧縮成形する方法が例示される。ナフトピジルを含有する造粒物及びナフトピジルを含まない造粒物の合計重量に対する前者の造粒物(ナフトピジル含有造粒物)の含有割合の上限値は特に限定されないが、例えば100重量%未満が例示され、90重量%以下、又は80重量%以下が好ましく、70重量%以下がさらに好ましく、また場合によっては60重量%以下を好ましい例として挙げることもできる。また、上記の含有割合の下限値も特に限定されないが、通常は5重量%以上が例示され、10重量%以上がより好ましく、30重量%以上が特に好ましく、50重量%以上を極めて好ましい例として挙げることができる。また、場合によっては、20重量%以上がより好ましく、40重量%以上が特に好ましく、60重量%以上を極めて好ましい例として挙げることができる。
圧縮成形後に成形物を加湿して錠剤表面を湿潤させた後、ただちに乾燥する製造方法を実施することにより、錠剤硬度を補うことができる。この手段は、一般的には、打錠工程、加湿工程、及びそれに続く乾燥工程を含む3つの工程により達成できる。加湿工程に用いる装置は特に限定されないが、例えば、マイクロ波加湿装置又は加熱蒸気式加湿装置等が例示される。乾燥工程に用いる装置も特に限定されないが、例えば、通風乾燥乾燥器、減圧乾燥乾燥器、遠赤外線乾燥器、マイクロ波乾燥器等が例示される。加湿後に乾燥する工程は、錠剤表面がいったん湿潤して、その後に乾燥する状態を達成できれば特に限定されないが、工業的生産においては短時間に効率的な処理をすることが望ましい。例えば、特開2000−95674号公報の図1に記載された製造装置を用いることも好ましい例として挙げられる。
加湿して湿潤する条件としては、例えば、温度の下限値は40℃以上が好ましく、43℃以上が特に好ましく、更に好ましくは45℃以上である。温度の上限値は65℃以下が好ましく、63℃以下がさらに好ましく、特に好ましくは60℃以下である。また、湿度の下限値は75%RH以上が好ましく、78%RH以上がさらに好ましく、特に好ましくは80%RH以上である。湿度の上限値は100%RH以下が好ましく、99%RH以下がさらに好ましく、特に好ましくは98%RH以下である。加湿時間の下限値は100秒以上が好ましく、さらに好ましくは110秒以上、特に好ましくは120秒以上である。加湿時間の上限値は300秒以下が好ましく、さらに好ましくは240秒以下、特に好ましくは180秒以下である。加湿後の乾燥条件は温度の下限値は50℃以上が好ましく、53℃以上がさらに好ましく、特に好ましくは55℃以上である。温度の上限値は80℃以下が好ましく、75℃以下がさらに好ましく、特に好ましくは70℃以下である。乾燥時間の下限値は5分以上が好ましく、さらに好ましくは7分以上、特に好ましくは10分以上である。加湿時間の上限値は20分以下が好ましく、さらに好ましくは17分以下、特に好ましくは15分以下である。
また、錠剤硬度と崩壊時間とのバランスを保つような打錠圧力範囲を広げるための別の手段として、ナフトピジルを含有する造粒物に対して、糖アルコール類を含む造粒物、水溶性高分子以外の結合剤、崩壊剤、及び滑沢剤を混合して、得られた混合物を圧縮成形して所望の口腔内崩壊錠を得る手段を採用することができる。糖アルコール類を含む造粒物としては、スプレードライ製法により製造することができる造粒されたD−マンニトール等が例示される。また、水溶性高分子以外の結合剤としては、例えば、水に溶けない性質のセルロース類が例示される。より、具体的には、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが例示される。特に、平均粒径が38〜75μmであって、目開き75μmの篩を通過する粒子における粒子の平均長径短径比(L/D)が2.0〜4.5である結晶セルロースを用いることが好ましく、市販されているセオラスKG−802(旭化成ケミカルズ)を使用することが好適である。
糖アルコール類を含む造粒物、好ましくは造粒されたD−マンニトールの含有割合としては、医薬組成物の全重量に対して15%以上が好ましく、17%以上がさらに好ましく、20%以上が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、例えば、90%以下が好ましく、85%以下がさらに好ましく、80%以下であることが特に好ましい。糖アルコール類を含む造粒物、好ましくは造粒されたD−マンニトールと結晶セルロースとの混合割合は、例えば、セルロース類、好ましくは結晶セルロースを1重量部としたとき、造粒されたD−マンニトールの添加量が通常は4重量部以下であり、3重量部以下であることが好ましく、2重量部以下であることがさらに好ましく、1重量部又はそれ以下であることが特に好ましい。崩壊剤及び滑沢剤としては上記に説明した製剤用添加物を用いることができるが、特に、崩壊剤としてはクロスポビドンが好ましく、具体的には、好ましいグレードとして、ポリプラスドンXL、ポリプラスドンXL−10、ポリプラスドンINF−10等が例示される。
本発明の医薬組成物において、有効成分であるナフトピジルの含有割合の下限値は特に限定されないが、例えば、医薬組成物の全重量に対して3重量%以上であることが好ましく、4重量%以上であることがさらに好ましく、特に好ましくは5重量%以上である。上記含有割合の上限値も特に限定されないが、医薬組成物の全重量に対して60重量%以下が好ましく、55重量%以下がさらに好ましく、特に好ましくは50重量%以下である。賦形剤の含有割合の下限値は、例えば、医薬組成物の全重量に対して45重量%以上が好ましく、50重量%以上がさらに好ましく、特に好ましくは55重量%以上である。賦形剤の含有割合の上限値は、例えば、医薬組成物の全重量に対して96重量%以下が好ましく、94重量%以下がさらに好ましく、特に好ましくは92重量%である。
単位投与形態中のナフトピジルの含有量は特に限定されないが、例えば、臨床用量を反映した量にすることが好ましい。例えば、単位投与形態である錠剤一錠中の含有量の下限値は20mg以上が好ましく、22mg以上がさらに好ましく、特に好ましくは25mg以上である。錠剤1錠中のナフトピジル含量の上限値は100mg以下であることが好ましく、80mg以下がさらに好ましく、特に好ましくは75mg以下である。
錠剤の形状は特に限定されず、服用し易い形状であればよい。例えば、円形、楕円形、多角形、カプレット(カプセルタイプ)の形状が例示される。また、サイズは指でつかみ易く、かつ口に含み易ければよく、長径(円形であれば直径)の上限値は25mm程度以下が好ましく、22mm程度以下がさらに好ましく、20mm程度以下が特に好ましい。また下限値は5mm程度以上が好ましく、6mm程度以上がさらに好ましく、7mm程度以上が特に好ましい。
医薬組成物を包装する場合の包装形態は特に限定されないが、例えば、遮光フィルム等を用いた遮光処理を行ってもよく、PTP(Press Through Package)包装、ストリップ包装、あるいはPTP包装にピロー包装を施した包装などを採用することができる。また包装材料としては、例えば、アルミ箔、ポリ塩化ビニール、環状ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエチレンが例示される。また、包装容器としては、遮光処理をしたポリエチレン瓶やガラス瓶が例示される。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。
1)硬度試験
錠剤硬度計(TS−50N 岡田精工製)を用いて測定した。試験は6回行い、その平均値を算出した。測定にあたり、錠剤等の被検体について縦及び横等の各方向の硬度を予め測定し、硬度の一番低い数値を与える方向から測定した。
2)日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間
日本薬局方第14改正に記載されている崩壊試験法の錠剤の項に準じて測定を行なった。試験液として水を用い、補助盤を使用しない条件下で測定を行い、被験試料の残留物がガラス管内に認められなくなった時点までの所要時間を崩壊時間とした。崩壊時間の値は被験試料6個の平均値として示した。
実施例1
ナフトピジル750g、エリスリトール(日研化学)2160gを攪拌造粒機(深江工業 ハイスピードミキサーFS−10)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達)60gを含む50%エタノール水溶液425gを加えて造粒し、さらに円筒造粒機(畑鉄工所 HU−G)で押し出し造粒した。その後、整粒及び乾燥工程を経て造粒物を得た。この混合物にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)30gを混合して打錠末を得た。この打錠末を打錠機(菊水製作所、CP−6型)を用い700Kg/杵の打錠圧で打錠し、直径8.5mm、錠剤重量200mgの隅角平面錠を得た。錠剤硬度は7.6Kg、崩壊時間は4.2分であった。
実施例2
実施例1で記載した打錠末を用い、打錠機(菊水製作所、CP−6型)で、錠剤硬度約1kg、約1.5kg、及び約2Kgの錠剤となるように打錠圧力を変動させた。得られた錠剤の崩壊時間は、それぞれ12.3秒、26.7秒、及び48.8秒であった。これらの錠剤について、半自動PTP包装機(大和化成製)を用い、PTP成形シート(VSL4501−B、住友ベークライト)に各錠剤を入れて厚み26μmのアルミシートを被せ、シートを熱着してPTP包装した。PTP包装から錠剤を取り出した時、錠剤硬度1kgの錠剤では10個中4個が破損した。錠剤硬度1.5kgの錠剤では10個中2個が破損した。錠剤硬度2Kgの錠剤では10個全てが破損せずに取り出すことができた。
実施例3
ナフトピジル750g、白糖(塩水港製糖)1860g、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ)300gを攪拌造粒機(深江工業 ハイスピードミキサーFS−10)に仕込み、以降は実施例1と同様な操作を行なって、直径8.5mm、錠剤重量200mgの隅角平面錠を得た。錠剤硬度は7.3Kg、崩壊時間は4.6分であった。
実施例4
実施例3で使用した白糖を、D−マンニトール(東和化成工業)に変更し、以降は実施例1と同様な操作を行なって、直径8.5mm、錠剤重量200mgの隅角平面錠を得た。錠剤硬度は6.1Kg、崩壊時間は3.4分であった。
実施例5
ナフトピジル750g、エリスリトール(日研化学)1935g、沈降炭酸カルシウム(備北粉化)225gを攪拌造粒機(深江工業 ハイスピードミキサーFS−10)に仕込み、以降は実施例1と同様な操作を行なって、直径8.5mm、錠剤重量200mgの隅角平面錠を得た。錠剤硬度は4.8Kg、崩壊時間は3.3分であった。
実施例6
実施例5で使用した沈降炭酸カルシウムを酸化マグネシウム(協和化学工業)に変更し、以降は実施例1と同様な操作を行なって、直径8.5mm、錠剤重量200mgの隅角平面錠を得た。錠剤硬度は5.8Kg、崩壊時間は2.8分であった。
実施例7
ナフトピジル7500g、エリスリトール(日研化学)4260gを攪拌造粒機(パウレック社 バーチカルグラニュレーターVG−50)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達)240gを含む50%エタノール水溶液1700gを加えて造粒した。その後、整粒及び乾燥工程を経て造粒物Aを得た。一方、エリスリトール17340gを攪拌造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース360gを含む95%エタノール水溶液2100gを加え造粒し、さらに円筒造粒機で押し出し造粒後、整粒、乾燥工程を経て造粒物Bを得た。造粒物A12000gと造粒物B17690g及びフマル酸ステアリルナトリウム(和光純薬)300g混合し,30から70Kg/杵の打錠圧で打錠した。その後、加湿を行い、その後に乾燥を行なった。加湿条件は、温度50℃、相対湿度85%以上に保ち、処理時間は120秒とした。乾燥条件は、温度60℃、相対湿度15%以下で処理時間は10分とし、直径9mm、重量200mgの円形錠剤を得た。錠剤の錠剤硬度は4.8kg、崩壊時間は17秒であった。
実施例8
ナフトピジル7500g、D−マンニトール2000g、エリスリトール(日研化学)2260gを攪拌造粒機(パウレック社 バーチカルグラニュレーターVG−50)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達)240gを含む50%エタノール水溶液1700gを加えて造粒した。その後、整粒及び乾燥工程を経て造粒物Cを得た。一方、D−マンニトール10000g、エリスリトール7340gを攪拌造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース360gを含む95%エタノール水溶液2100gを加えて造粒し、さらに円筒造粒機で押し出し造粒した後、整粒及び乾燥工程を経て造粒物Dを得た。造粒物C12000g、造粒物D17690g、及びフマル酸ステアリルナトリウム(和光純薬)300gを混合し、30から70Kg/杵の打錠圧で打錠し、その後、加湿及び乾燥を行なった。加湿条件は、温度50℃、相対湿度85%以上に保ち、処理時間は120秒とした。乾燥条件は、温度60℃、相対湿度15%以下で処理時間は10分とし、直径9mm、重量200mgの円形錠剤を得た。錠剤の錠剤硬度は5.3kg、崩壊時間は24秒であった。
実施例9
ナフトピジル7500g、D−マンニトール1000g、エリスリトール(日研化学)3260gを攪拌造粒機(パウレック社 バーチカルグラニュレーターVG−50)に仕込み、ポビドン(ISP製)240gを含む50%エタノール水溶液1700gを加えて造粒した。その後、整粒及び乾燥工程を経て造粒物Eを得た。一方、D−マンニトール5000g、エリスリトール12340gを攪拌造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース360gを含む95%エタノール水溶液2100gを加えて造粒し、さらに円筒造粒機で押し出し造粒した後、整粒及び乾燥工程を経て造粒物Fを得た。造粒物E12000g、造粒物F17690g、及びフマル酸ステアリルナトリウム(和光純薬)300gを混合し、30から70Kg/杵の打錠圧で打錠し、その後、加湿及び乾燥を行なった。加湿条件は、温度50℃、相対湿度85%以上に保ち、処理時間は120秒とした。乾燥条件は、温度60℃、相対湿度15%以下で処理時間は10分とし、直径9mm、重量200mgの円形錠剤を得た。錠剤の錠剤硬度は4.3kg、崩壊時間は16秒であった。
実施例10
ナフトピジル7500g、エリスリトール(日研化学)4260gを攪拌造粒機(パウレック社 バーチカルグラニュレーターVG−50)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達)240gを含む50%エタノール水溶液1700gを加え5分間造粒した。その後、エリスリトール17340gを添加し、ヒドロキシプロピルセルロース360gを含む95%エタノール水溶液2100gを加えてさらに造粒し、整粒及び乾燥工程を経て造粒物を得た。造粒物29690gとフマル酸ステアリルナトリウム(和光純薬)300gとを混合し, 30から70Kg/杵の打錠圧で打錠後、加湿及び乾燥を行なった。加湿条件は、温度50℃、相対湿度85%以上に保ち、処理時間は120秒とした。乾燥条件は、温度60℃、相対湿度15%以下で処理時間は10分とし、直径9mm、重量200mgの円形錠剤を得た。錠剤の錠剤硬度は4.8kg、崩壊時間は20秒であった。
実施例11
ナフトピジル7500g、D−マンニトール1950g、クロスポビドン(ISP社)810gを攪拌造粒機(パウレック社 バーチカルグラニュレーターVG−50)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達)240gを含む50%エタノール水溶液1700gを加えて造粒し、整粒及び乾燥工程を経て造粒物を得た。造粒物10500g、造粒されたD−マンニトール(メルク社、パーテックM200)11850g、結晶セルロース(旭化成、セオラスKG802)6000g、及びクロスポビドン1500gを混合し、その後、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)150gを混合して、打錠機(菊水製作所、CP−6型)を用いて打錠し、直径9mm、重量200mgの円形錠剤を得た。錠剤の錠剤硬度は4.2kg、崩壊時間は23秒であった。
実施例12
ナフトピジル7500g、D−マンニトール1950g、及びクロスポビドン(ISP社)810gを攪拌造粒機(パウレック社 バーチカルグラニュレーターVG−50)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達)240gを含む50%エタノール水溶液1700gを加えて造粒した。その後、整粒及び乾燥工程を経て造粒物を得た。造粒物10500g、造粒されたD−マンニトール(メルク社、パーテックM200)11850g、結晶セルロース(旭化成、セオラスKG802)6000g、及びクロスポビドン1500gを混合し、さらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)150gを混合して、打錠機(菊水製作所、CP−6型)を用いて打錠し、直径9mm、重量200mgの円形錠剤を得た。錠剤の錠剤硬度は4.8kg、崩壊時間は20秒であった。
実施例13
実施例12のD−マンニトールをエリスリトールに変更し、以降は同様に操作して直径9mm、重量200mgの円形錠剤を得た。錠剤の錠剤硬度は4.3kg、崩壊時間は28秒であった。
実施例14
実施例12のD−マンニトールをトレハロースに変更し、以降は同様に操作して直径9mm、重量200mgの円形錠剤を得た。錠剤の錠剤硬度は4.2kg、崩壊時間は18秒であった。
比較例1
実施例1で使用したエリスリトールを乳糖(DMV)に変更し、以降は実施例1と同様な操作を行なって直径8.5mm、錠剤重量200mgの隅角平面錠を得た。錠剤の錠剤硬度は6.2kg、崩壊時間は4.2分であった。
比較例2
ナフトピジル750g、乳糖300g、エリスリトール1635gを攪拌造粒機(深江工業 ハイスピードミキサーFS−10)に仕込み、以降は実施例1と同様な操作を行なって直径8.5mm、錠剤重量200mgの隅角平面錠を得た。錠剤の錠剤硬度は5.2kg、崩壊時間は4.0分であった。
試験例
本発明の効果をさらに具体的に説明するため、実施例で得られた製剤について下記の光試験を行なった。
光試験器(ナガノ科学製、LT−120D3CJ)を使用し、D65蛍光ランプを用いて200時間照射し、総照射量60万Lux・hr後の錠剤の外観を検査した。外観検査は、肉眼による観察で実施した。結果を表1に示す。
Figure 0005208348

Claims (2)

  1. 有効成分としてナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩と1又は2以上の製剤用添加物とを含みナフトピジルと乳糖との共存を原因とする光による着色を生じない圧縮型口腔内崩壊錠剤の形態の医薬組成物であって、錠剤硬度が1Kg以上であり、かつ白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、及びフマル酸ステアリルナトリウムからなる群から選ばれる1又は2以上の製剤用添加物とナフトピジルとからなる造粒物を含む医薬組成物。
  2. ナフトピジル、エリスリトール、及びヒドロキシプロピルセルロースからなる造粒物を含む請求項1に記載の医薬組成物。
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