JP2002138055A - 口腔内速崩壊性圧縮成型物およびその製造方法 - Google Patents

口腔内速崩壊性圧縮成型物およびその製造方法

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JP2002138055A
JP2002138055A JP2000332446A JP2000332446A JP2002138055A JP 2002138055 A JP2002138055 A JP 2002138055A JP 2000332446 A JP2000332446 A JP 2000332446A JP 2000332446 A JP2000332446 A JP 2000332446A JP 2002138055 A JP2002138055 A JP 2002138055A
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Toshiya Kai
俊哉 甲斐
Hiroaki Kato
宏明 加藤
Makoto Sato
佐藤  誠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】服用に際し、飲用水の得られない状態下におい
ても、水分の少ない口腔内で適度に速い崩壊性を有し、
かつ製造時および流通時に欠け、割れまたは摩損等を生
じない十分な強度を有する口腔内速崩壊性圧縮成型物
を、特殊な製造方法を用いることなく製造する方法を提
供する。 【解決手段】少なくとも寒天末およびキシリトールを含
有し、さらに二糖類および/またはキシリトール以外の
糖アルコール並びにセルロースを含有してなる造粒物を
圧縮成型することによって得られる口腔内速崩壊性圧縮
成型物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、服用に際し、飲用
水の得られない状態下においても、水分の少ない口腔内
で、適度に速い崩壊性を有する口腔内速崩壊性圧縮成型
物およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から経口投与製剤として、錠剤、カ
プセル剤、散剤、シロップ剤等多くの剤形が開発されて
いる。最近では、医薬品の投与方法の簡易化および投与
された薬物の体内での分布部位の最適化等を目的とした
ドラッグデリバリーシステムの研究開発が盛んに行われ
ている。一方、高齢化社会の到来による嚥下能力の低い
患者の増加、また透析患者のように飲水制限のある患者
等、これまでの錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤等
の経口剤では服用が困難な患者のコンプライアンスの向
上を図った経口剤の開発も重要視されるようになってき
た。このような患者を対象に服用しやすい剤形として最
も注目されているのが、飲用水無しでも容易に服用する
ことが可能な口腔内速崩壊性製剤である。これまで多く
の研究機関や企業で研究開発がすすめられ、近年、いく
つか製品も上市されてきている。
【0003】その製造法としては、薬効成分を含むゼラ
チンを主成分とする水溶液または懸濁液を凍結し、これ
を凍結乾燥する方法(特公昭62−50445号公
報)、薬効成分と糖類と上記糖類の粒子表面が湿る程度
の水分を含む混合物を打錠する方法(特開平5−271
054号公報)、薬効成分と加湿により成型可能に湿潤
し、かつ成型後の乾燥によりその形状を維持する物質か
らなり、これらの成分を低密度で加湿し、成型する方法
(特開平9−48726号公報)、寒天水溶液に薬効成
分とマンニトール等の糖類を懸濁後、懸濁液を鋳型に充
填し、ゼリー状に固化された後、乾燥する方法(WO9
3/12769)、有機酸、炭酸塩、およびこれらとネ
ットワークを形成するネットワーク維持剤および着色防
止剤を混合し、成型後に加熱することにより有機酸と炭
酸塩等がネットワークされた口腔内崩壊型の硬化成型体
組成物を得る方法(特開平11−310539号公報)
等が提案されている。
【0004】しかしながら、特公昭62−50445号
公報においては、製造工程で凍結乾燥の設備が必要であ
り、コスト高となる。また、凍結乾燥で得られた製剤は
強度が小さいため、一般に取扱いが不便であるという課
題がある。特開平5−271054号公報においては、
打錠用の混合物に水分を添加し、湿った状態で打錠を行
うため、水に不安定な薬物には適しておらず、また、打
錠障害により生産性が十分でないという課題を残してい
る。特開平9−48726号公報においては、成型物を
加湿する製造工程が必要であり、この加湿工程で錠剤が
ふやけて錠剤の外観が損なわれるという課題がある。W
O93/12769明細書においては、製造工程に、懸
濁剤を鋳型に充填し、この懸濁剤を乾燥する工程が必要
であるため、特別な製造装置を必要として、一般の錠剤
の製造方法と異なりコスト高となり、また煩雑であると
いう課題がある。特開平11−310539号公報にお
いては、錠剤成型後に加熱する工程が必要であるため、
熱に不安定な薬物には適しておらず、また一般の錠剤の
製造方法と異なり煩雑であるという課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況をふま
え、特殊な製造技術および製造装置を必要とせず、通常
用いられている簡便な製造方法であって、取り扱い上、
十分な強度の得られる口腔内速崩壊性圧縮成型物の製造
方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水に溶け
やすい二糖類および/またはキシリトール以外の糖アル
コールを主賦形剤とし、水と接触すると膨潤する性質を
有する寒天末およびセルロースを、これら主賦形剤と特
定の配合比で混合し、キシリトール溶液で造粒後、圧縮
成型することにより、口腔内での早い崩壊性と、取り扱
い上、十分な強度を有する圧縮成型物が得られることを
見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、少なくとも寒天末お
よびキシリトールを含有する口腔内速崩壊性圧縮成型物
である。
【0008】また、本発明は、少なくとも寒天末および
キシリトールを含有する造粒物を圧縮成型することを特
徴とする口腔内速崩壊性圧縮成型物の製造方法である。
【0009】さらに、本発明は、寒天末、キシリトー
ル、二糖類および/またはキシリトール以外の糖アルコ
ール、セルロース並びに薬効成分を含有する造粒物を圧
縮成型することを特徴とする口腔内速崩壊性圧縮成型物
の製造方法である。
【0010】さらに、本発明は、寒天末、キシリトー
ル、二糖類および/またはキシリトール以外の糖アルコ
ール並びにセルロースを含有する造粒物に、薬効成分ま
たは薬効成分を含有する造粒物を混合し、圧縮成型する
ことを特徴とする口腔内速崩壊性圧縮成型物の製造方法
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、「口腔内速崩壊
性圧縮成型物」とは、人間等の哺乳類に経口投与される
際に、水を飲用することなく口腔内において2分以内、
好ましくは1分以内、更に好ましくは40秒以内に全量
が崩壊・分散する程度の速崩壊性を示す圧縮成型物をい
う。
【0012】本発明において、寒天末は、医薬分野で使
用されるグレードのもので十分であるが、さらに口腔内
での良好な崩壊性を得るために、より膨潤能の大きいも
のが好適である。寒天末含量は、口腔内速崩壊性圧縮成
型物の全体量に対して、約1〜10重量%、好ましくは
約3〜7重量%、より好ましくは約3〜5重量%であ
る。
【0013】本発明において、キシリトール含量は、口
腔内速崩壊性圧縮成型物の全体量に対して、約1〜10
重量%、好ましくは約1〜5重量%、より好ましくは約
1〜3重量%である。また、造粒時に用いるキシリトー
ル水溶液の濃度は、約10〜50重量%、好ましくは約
20〜40重量%、より好ましくは約20〜30重量%
である。
【0014】本発明において主賦形剤としては、水に溶
けやすい二糖類および/またはキシリトール以外の糖ア
ルコールを用いる。二糖類としては乳糖や白糖等が挙げ
られるが、着色しにくいものが好ましく、乳糖が好適で
ある。またキシリトール以外の糖アルコールとしてはマ
ンニトールおよびエリスリトールが好ましく、特にマン
ニトールが好適である。上記二糖類および/またはキシ
リトール以外の糖アルコールは混合して用いてもよく、
その総含有量は口腔内速崩壊性圧縮成型物の全体量に対
して、約10〜70重量%、好ましくは約30〜60重
量%、より好ましくは約40〜60重量%である。
【0015】本発明において、セルロースとしては、粉
末セルロース、または結晶セルロース等があげられ、特
に結晶セルロースが好ましい。結晶セルロースとして
は、通常、医薬分野で使用されるグレードのもので十分
であるが、微粉砕されたものを使用すると服用時の口内
感触に優れ、さらに好適である。セルロースの含有量と
しては、口腔内速崩壊性圧縮成型物の全体量に対して、
約10〜50重量%、好ましくは約20〜40重量%、
より好ましくは約20〜30重量%である。またセルロ
ースの配合量としては、二糖類および/またはキシリト
ール以外の糖アルコールの総重量の約1/2〜1(重量
比)であることが好ましい。
【0016】本発明において用いる薬効成分は、経口で
摂取できるいかなる医薬成分を含む。本発明において
は、苦味を有する物でも使用できる。このような薬効成
分としては、抗生物質、抗真菌剤、鎮痛剤、抗ヒスタミ
ン剤、向精神病薬、抗炎症剤、抗潰瘍薬、制酸剤、酵素
阻害剤、血圧降下剤、気管支拡張剤、糖尿病用薬等を挙
げることができる。本発明の圧縮成型物において、薬効
成分は、口腔内速崩壊性圧縮成型物の全体量に対して、
約0.05〜75重量%、好ましくは0.1〜60重量
%、より好ましくは0.1〜30重量%含有される。
【0017】本発明の口腔内速崩壊性圧縮成型物は、必
要により薬効成分の苦味や不快臭等をマスキングする目
的で適当な甘味料、酸味料や香料を添加することがで
き、またその他に、結合剤、発泡剤、着色剤、安定化
剤、滑沢剤等を任意に添加することも可能である。
【0018】本発明の製造方法においては、寒天末、キ
シリトール、二糖類および/またはキシリトール以外の
糖アルコール、セルロース並びに薬効成分を含有する造
粒物を圧縮成型するか、あるいは、寒天末、キシリトー
ル、二糖類および/またはキシリトール以外の糖アルコ
ール並びにセルロースを含有する造粒物に、薬効成分ま
たは薬効成分を含有する造粒物を混合し、圧縮成型する
ことができる。
【0019】本発明の製造方法において、薬効成分と他
の圧縮成型物構成成分との造粒方法は一般に用いられる
湿式造粒法、または乾式造粒法を用いることができる
が、混合、練合、乾燥および整粒等の工程からなる湿式
造粒法が好ましい。その例としては、バーチカルグラニ
ュレーター(パウレック社製)等を使用する攪拌造粒法
やフローコーター(フロイント産業社製)等を使用する
流動層造粒法等により製造することが可能である。
【0020】本発明の製造方法において、圧縮成型には
一般に錠剤の成型に使用される装置が使用できる。例え
ば、単発式錠剤機、ロータリー式錠剤機等が用いられ
る。圧縮成型圧は、通常用いられる圧縮成型圧の範囲内
であれば、特に問題はないが、約100〜1500kg
/cm2、好ましくは約200〜1000kg/cm2
より好ましくは約300〜600kg/cm2である。
取り扱い上、十分な強度を維持しつつ、さらに圧縮成型
物構成成分の結合力を弱めて崩壊性を向上させるため、
錠剤硬度が約2〜15kg、好ましくは約3〜10k
g、より好ましくは約3〜7kgの範囲となるように圧
縮成型圧を調整する。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例を用いて詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、各例で得られた錠剤は、錠剤硬
度、摩損度および口腔内崩壊性について評価した。各試
験は下記の方法により実施した。 (1)錠剤硬度 錠剤硬度計(Schleuniger社製MODEL
6D)を使用して、錠剤の直径方向に対し硬度を測定し
た(n=10)。 (2)摩損度試験 錠剤摩損度試験器(萱垣医理科工業社製)を使用し,錠
剤20錠について25rpmで4分間実施した後、錠剤
重量を測定し、試験前の重量からの減少率を算出し、摩
損度とした。 (3)口腔内崩壊性 健康な成人男子につき、各錠剤を1錠ずつ口の中に含
み、噛まずに放置して、口腔内の唾液のみにより錠剤形
状が完全に崩壊するまでの時間(秒)を測定した(n =
3)。
【0022】実施例1 攪拌造粒機(メカノミル:岡田精工社製)に、乳糖、結
晶セルロース、寒天末を各々表1に示した処方量で添加
し、約5分間混合した。これに29%キシリトール水溶
液63gを加えて練合し、得られた造粒物を流動層造粒
機(フローコーター FLO−1:フロイント産業社
製)を用いて60℃で20分間乾燥した。次いで、ステ
アリン酸マグネシウム6gを添加混合し、直径9.5m
mの杵を用いて、圧力765kg/cm2で圧縮成型
し、1錠370mgの錠剤を得た。得られた錠剤につい
て、上述の試験を行った結果を表1に示す。
【0023】実施例2 攪拌造粒機(メカノミル:岡田精工社製)に、乳糖、結
晶セルロース(微粉砕)、寒天末を各々表1に示した処
方量で添加し、約5分間混合した。これに29%キシリ
トール水溶液64gを加えて練合し、得られた造粒物を
フローコーターFLO−1(フロイント産業社製)を用
いて60℃で20分間乾燥した。次いで、ステアリン酸
マグネシウム6gを添加混合し、直径9.5mmの杵を
用いて、圧力770kg/cm2で圧縮成型し、1錠3
73mgの錠剤を得た。得られた錠剤について、上述の
試験を行った結果を表1に示す。
【0024】実施例3 攪拌造粒機(メカノミル:岡田精工社製)に、乳糖、結
晶セルロース(微粉砕)、寒天末を各々表1に示した処
方量で添加し、約5分間混合した。これに29%キシリ
トール水溶液64gを加えて練合し、得られた造粒物を
流動層造粒機(フローコーター FLO−1:フロイン
ト産業社製)を用いて60℃で20分間乾燥した。次い
で、ステアリン酸マグネシウム6gを添加混合し、直径
8mmの杵を用いて、圧力640または705kg/c
2で圧縮成型し、1錠223mgまたは234mgの
錠剤を得た。得られた錠剤について、上述の試験を行っ
た結果を表1に示す。
【0025】実施例4 攪拌造粒機(メカノミル:岡田精工社製)に、乳糖、結
晶セルロース(微粉砕)、寒天末を各々表1に示した処
方量で添加し、約5分間混合した。これに29%キシリ
トール水溶液63gを加えて練合し、得られた造粒物を
流動層造粒機(フローコーター FLO−1:フロイン
ト産業社製)を用いて60℃で20分間乾燥した。次い
で、ステアリン酸マグネシウム6gおよびl−メントー
ル0.3gを添加混合し、直径8mmの杵を用いて、圧
力940kg/cm2で圧縮成型し、1錠248mgの
錠剤を得た。得られた錠剤について、上述の試験を行っ
た結果を表1に示す。
【0026】実施例5 攪拌造粒機(メカノミル:岡田精工社製)に、乳糖、D
−マンニトール、結晶セルロース(微粉砕)、寒天末を
各々表1に示した処方量で添加し、約5分間混合した。
これに29%キシリトール水溶液60gを加えて練合
し、得られた造粒物を流動層造粒機(フローコーター
FLO−1:フロイント産業社製)を用いて60℃で2
0分間乾燥した。次いで、ステアリン酸マグネシウム6
gを添加混合し、直径8mmの杵を用いて、圧力610
kg/cm2で圧縮成型し、1錠227mgの錠剤を得
た。得られた錠剤について、上述の試験を行った結果を
表1に示す。
【0027】実施例6 攪拌造粒機(メカノミル:岡田精工社製)に、乳糖、D
−マンニトール、結晶セルロース(微粉砕)、寒天末を
各々表1に示した処方量で添加し、約5分間混合した。
これに29%キシリトール水溶液60gを加えて練合
し、得られた造粒物を流動層造粒機(フローコーター
FLO−1:フロイント産業社製)を用いて60℃で2
0分間乾燥した。次いで、ステアリン酸マグネシウム6
gを添加混合し、直径8mmの杵を用いて、圧力635
kg/cm2で圧縮成型し、1錠227mgの錠剤を得
た。得られた錠剤について、上述の試験を行った結果を
表1に示す。
【0028】実施例7 攪拌造粒機(メカノミル:岡田精工社製)に、乳糖、D
−マンニトール、結晶セルロース(微粉砕)、寒天末を
各々表1に示した処方量で添加し、約5分間混合した。
これに29%キシリトール水溶液60gを加えて練合
し、得られた造粒物をフローコーター FLO−1(フ
ロイント産業社製)を用いて60℃で20分間乾燥し
た。次いで、ステアリン酸マグネシウム6gを添加混合
し、直径8mmの杵を用いて、圧力680または775
kg/cm2で圧縮成型し、1錠230mgまたは23
9mgの錠剤を得た。得られた錠剤について、上述の試
験を行った結果を表1に示す。
【0029】実施例8 攪拌造粒機(メカノミル:岡田精工社製)に、D−マン
ニトール、結晶セルロース(微粉砕)、寒天末を各々表
1に示した処方量で添加し、約5分間混合した。これに
29%キシリトール水溶液49gを加えて練合し、得ら
れた造粒物をフローコーター FLO−1(フロイント
産業社製)を用いて60℃で20分間乾燥した。次い
で、ステアリン酸マグネシウム6gを添加混合し、直径
8mmの杵を用いて、圧力790または910kg/c
2で圧縮成型し、1錠237mgまたは245mgの
錠剤を得た。得られた錠剤について、上述の試験を行っ
た結果を表1に示す。
【0030】実施例9 攪拌造粒機(メカノミル:岡田精工社製)に、寒天末、
D−マンニトール、結晶セルロース(微粉砕)、L−ア
スコルビン酸を各々表1に示した処方量で添加し、約5
分間混合した。これに29%キシリトール水溶液38g
を加えて練合し、得られた造粒物をフローコーター F
LO−1(フロイント産業社製)を用いて60℃で20
分間乾燥した。次いで、ステアリン酸マグネシウム6g
を添加混合し、直径8mmの杵を用いて、圧力970k
g/cm2で圧縮成型し、1錠249mgの錠剤を得
た。得られた錠剤について、上述の試験を行った結果を
表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、本発明の錠剤
は、通常の圧縮成型圧力(610〜970kg/c
2)で十分な錠剤硬度(2.7〜6.5kg)が得ら
れ、摩損度試験ではいずれも摩損度0.8%以下を示
し、口腔内崩壊性においては60秒以内で崩壊し、早い
ものでは30秒以内で崩壊するという極めて良好な結果
を示した。
【0033】比較例1 寒天末を添加することなく、D−マンニトールおよび結
晶セルロース(微粉砕)を表2に示した処方量で、実施
例8と同様に混合した。これに29%キシリトール水溶
液36gを加えて練合し、実施例8と同様にして製し、
圧縮成型圧635、663または828kg/cm2
圧縮成型して錠剤を得た。得られた錠剤について、上述
の試験を行った結果を表2に示す。
【0034】比較例2 D−マンニトールおよび結晶セルロース(微粉砕)を表
2に示した処方量で、実施例8と同様に混合した。これ
に、キシリトール水溶液に代え、水を44g加えて練合
し、実施例8と同様にして製し、圧縮成型圧795、9
05または965kg/cm2で圧縮成型して錠剤を得
た。得られた錠剤について、上述の試験を行った結果を
表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】錠剤の成型性について評価するために、実
施例8、比較例1および比較例2の製剤の圧縮成型圧と
錠剤硬度を図1に示した。また、口腔内崩壊性について
評価するために、実施例8、比較例1および比較例2の
製剤の錠剤硬度と口腔内崩壊時間を図2に示した。
【0037】錠剤硬度に関しては、図1から明らかなよ
うに、同じ圧縮成型圧では、実施例8(寒天末およびキ
シリトールを含有する)は、比較例1(寒天末無添加)
に比べて硬度が低く、成型性は悪いが、比較例2(キシ
リトール無添加)に比べて硬度が高く、成型性は良い。
また、口内崩壊性に関しては、図2から明らかなよう
に、同じ圧縮成型圧では、実施例8は比較例1(寒天末
無添加)に比べて崩壊時間が短く、さらに比較例2(キ
シリトール無添加)よりも崩壊時間が短い。
【0038】すなわち、本発明において、寒天末を特定
量加えることにより錠剤の口腔内での崩壊性が良くなる
反面、成型性が悪くなり、錠剤の硬度が低くなる傾向が
あるが、キシリトール水溶液を用いて錠剤構成成分を湿
式造粒することにより、寒天末添加による優れた崩壊性
を維持したまま、錠剤の成型性を改善することが可能で
ある。
【0039】
【発明の効果】本発明の口腔内速崩壊性圧縮成型物は、
服用に際し、飲用水の全く得られない状態下でも、水分
の少ない口腔内で優れた崩壊性を示す極めて良好な口腔
内速崩壊性圧縮成型物であり、嚥下困難な患者・飲水制
限の患者等にとって服用しやすく、コンプライアンスの
向上に効果が期待される。また、本発明において、口腔
内速崩壊性圧縮成型物は、通常用いられている錠剤の製
造方法で生産が可能なため、生産性の向上も期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例8、比較例1および比較例2
の成型性(圧縮成型圧と錠剤硬度の関係)を示すグラフ
である。
【図2】 本発明の実施例8、比較例1および比較例2
の口腔内崩壊性(錠剤硬度と口腔内崩壊時間の関係)を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/38 A61K 47/38 A61P 1/04 A61P 1/04 3/10 3/10 5/00 5/00 9/12 9/12 11/08 11/08 29/00 29/00 31/04 31/04 31/10 31/10 43/00 111 43/00 111 Fターム(参考) 4C076 AA36 BB01 CC04 CC11 CC15 CC21 CC27 CC30 CC32 DD67A DD67B EE30A EE30B EE31A EE31B FF04 FF05 4C084 AA17 MA35 MA52 NA11 ZA081 ZA181 ZA421 ZA611 ZA691 ZB111 ZB261 ZB351 ZC131 ZC201 ZC351

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも寒天末およびキシリトールを
    含有する口腔内速崩壊性圧縮成型物。
  2. 【請求項2】 さらに、二糖類および/またはキシリト
    ール以外の糖アルコール並びにセルロースを含有してな
    る請求項1記載の口腔内速崩壊性圧縮成型物。
  3. 【請求項3】 前記二糖類が乳糖である請求項2記載の
    口腔内速崩壊性圧縮成型物。
  4. 【請求項4】 前記キシリトール以外の糖アルコールが
    マンニトールおよびエリスリトールからなる群から選ば
    れた糖アルコールである請求項2または3に記載の口腔
    内速崩壊性圧縮成型物。
  5. 【請求項5】 前記セルロースが結晶セルロースである
    請求項2〜4のいずれかに記載の口腔内速崩壊性圧縮成
    型物。
  6. 【請求項6】 前記寒天末含量は、口腔内速崩壊性圧縮
    成型物の全体量に対して、約1〜10重量%である請求
    項1〜5のいずれかに記載の口腔内速崩壊性圧縮成型
    物。
  7. 【請求項7】 前記キシリトール含量は、口腔内速崩壊
    性圧縮成型物の全体量に対して、約1〜10重量%であ
    る請求項1〜6のいずれかに記載の口腔内速崩壊性圧縮
    成型物。
  8. 【請求項8】 前記二糖類および/またはキシリトール
    以外の糖アルコールの含量は、口腔内速崩壊性圧縮成型
    物の全体量に対して、約10〜70重量%である請求項
    2〜7のいずれかに記載の口腔内速崩壊性圧縮成型物。
  9. 【請求項9】 前記セルロース含量は、口腔内速崩壊性
    圧縮成型物の全体量に対して、約10〜50重量%であ
    る請求項2〜8のいずれかに記載の口腔内速崩壊性圧縮
    成型物。
  10. 【請求項10】 前記セルロースの配合量は、二糖類お
    よび/またはキシリトール以外の糖アルコールの総重量
    の約1/2〜1である請求項2〜9のいずれかに記載の
    口腔内速崩壊性圧縮成型物。
  11. 【請求項11】 さらに薬効成分を含有する請求項1〜
    10のいずれかに記載の口腔内速崩壊性圧縮成型物。
  12. 【請求項12】 前記薬効成分含量は、口腔内速崩壊性
    圧縮成型物の全体量に対して、約0.05〜75重量%
    である請求項11に記載の口腔内速崩壊性圧縮成型物。
  13. 【請求項13】 少なくとも寒天末およびキシリトール
    を含有する造粒物を圧縮成型することを特徴とする口腔
    内速崩壊性圧縮成型物の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記造粒物は、二糖類および/または
    キシリトール以外の糖アルコール並びにセルロースを含
    有してなる請求項13記載の口腔内速崩壊性圧縮成型物
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 寒天末、キシリトール、二糖類および
    /またはキシリトール以外の糖アルコール、セルロース
    並びに薬効成分を含有する造粒物を圧縮成型することを
    特徴とする口腔内速崩壊性圧縮成型物の製造方法。
  16. 【請求項16】 寒天末、二糖類および/またはキシリ
    トール以外の糖アルコール、セルロース並びに薬効成分
    を混合し、次いで、得られた混合末をキシリトール溶液
    で湿式造粒する請求項15記載の口腔内速崩壊性圧縮成
    型物の製造方法。
  17. 【請求項17】 寒天末、キシリトール、二糖類および
    /またはキシリトール以外の糖アルコール並びにセルロ
    ースを含有する造粒物に、薬効成分または薬効成分を含
    有する造粒物を混合し、圧縮成型することを特徴とする
    口腔内速崩壊性圧縮成型物の製造方法。
  18. 【請求項18】 寒天末、二糖類および/またはキシリ
    トール以外の糖アルコール、セルロースを混合し、得ら
    れた混合末をキシリトール溶液で湿式造粒する請求項1
    7記載の口腔内速崩壊性圧縮成型物の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記キシリトール溶液がキシリトール
    水溶液である請求項16または18記載の口腔内速崩壊
    性圧縮成型物の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記キシリトール水溶液の濃度が約1
    5〜45重量%である請求項19記載の口腔内速崩壊性
    圧縮成型物の製造方法。
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