JP5207194B2 - 自動車への収納装置 - Google Patents
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Description
本発明は、自動車のラゲージに車椅子、荷物その他の車載用収納物を収納する自動車への収納装置に関する。
自動車に介護者が車椅子を収納するための装置がある(例えば特許文献1乃至3)。
特許文献1には、構造が簡単で安価かつコンパクトな車載用クレーンが開示されている。図7は特許文献1に開示されている車載用クレーン50による収納手順を示す図である。この車載用クレーン50では、コラム51が車両フロア101上に車内方向と車外方向へ自転可能に立設されている。第1アーム52はコラム51の上端に基端が回動自在に結合されてコラム51に沿って位置する収納姿勢からコラム51の側方へ延びる使用姿勢へと回動させられ、第2アーム53が第1アーム52の先端に基端が回動自在に結合されて第1アーム52に沿って位置する収納姿勢から第1アーム52の延長方向に位置する使用姿勢へと回動させられ、図示省略の吊り上げフックが第2アーム53の先端から繰り出される吊りベルト54に設けられている。よって、第1、第2アーム52,53が使用姿勢の状態において、吊り上げフックにより車椅子60等の重量物を吊り上げることができる。
特許文献1には、構造が簡単で安価かつコンパクトな車載用クレーンが開示されている。図7は特許文献1に開示されている車載用クレーン50による収納手順を示す図である。この車載用クレーン50では、コラム51が車両フロア101上に車内方向と車外方向へ自転可能に立設されている。第1アーム52はコラム51の上端に基端が回動自在に結合されてコラム51に沿って位置する収納姿勢からコラム51の側方へ延びる使用姿勢へと回動させられ、第2アーム53が第1アーム52の先端に基端が回動自在に結合されて第1アーム52に沿って位置する収納姿勢から第1アーム52の延長方向に位置する使用姿勢へと回動させられ、図示省略の吊り上げフックが第2アーム53の先端から繰り出される吊りベルト54に設けられている。よって、第1、第2アーム52,53が使用姿勢の状態において、吊り上げフックにより車椅子60等の重量物を吊り上げることができる。
上記図7に示す車載用クレーン50による収納手順につい説明する。先ず、図7(A)に示されているように、バックドアを開け、ラゲージ101にガードマット102を貼り付け、ガードマット102がリア開口部103から外側に出て車両を保護する。次に、図7(B)に矢印で示されているように、折り畳まれている第1及び第2アーム52,53(点線図示)を展開する。すなわち、第1アーム52とコラム51とを連結する第1関節部を開いて、実線で示すように、第1アーム52を展開し、さらに第1アーム52と第2アーム53とを連結する第2関節部を開いて第2アーム53を展開する。そして、コラム51を鉛直回りに回す。すると、第2アーム53の先端が車両後方に張り出される。次に、第2アーム53の先端部に取り付けられている吊り上げ手段(図示せず)からベルト54を降ろす。所定の高さに降ろしたら、図7(C)に示されているように車椅子110をその車幅方向に折り畳み、図7(D)に示されているようにベルト54を車椅子110の左右のアームレスト部111に巻き付ける。そして図7(E)に示すようにベルト54を吊り上げ手段により巻き上げる。所定の高さまで巻き上げたら、図7(F)に示すようにコラム51を鉛直軸回りに回してラゲージ101に車椅子110を降ろす。その後、図7(G)に示すように、固定用ベルト105がラゲージ101の車幅左右側に取り付けられているので、固定用ベルト105を車椅子110に巻き付けて固定する。
上記した車載用クレーンのような車椅子収納装置については種々に開発されており、例えば特許文献2などにも開示されている。特許文献2には、使用時には大きくでき作業の自由度が高く、動力による装置の折畳み格納及び車椅子の収納が可能で、コンパクトに収納が可能な伸縮式車椅子収納装置について開示されている。この伸縮式車椅子収納装置では、ポール部が自動車のトランクルームの床に設置される固定ポールとこの固定ポールに対して上下動自在な可動ポールとで構成され、一方、アーム部が固定アームとこの固定アームに対してスライド自在な可動アームとで構成されており、可動ポール上端部と固定アームの後端部近傍とが枢軸にて枢着されている。可動アームの前端部には巻上げモータを内蔵した巻上げ装置が設置されている。これにより、可動ポール及び可動アームが伸縮し、アーム部がポール部に対して枢軸によって折り畳まれるので、使用時には自在に引き延ばして車椅子が置かれた位置に自在に対応させて収納する。
その他、自動車へ車椅子を収納する専用装置が特許文献3に開示されている。特許文献3では、車椅子の積込作業の改善、衣服や車椅子や自動車の汚れ防止及び傷付き防止並びに車載時の車椅子の安定性向上を図った自動車用車椅子収納装置が開示されている。この自動車用車椅子収納装置では、メインアームが荷室の開口部近付近に起立位置から倒伏位置の範囲で回動可能に支持されており、上記メインアームに回動可能に軸支された第1及び第2サブアームとこれらサブアームの先端に両端が回動可能に軸支された連結アームとにより平行リンク構造体が構成されて上記メインアームに対して相対移動し、上記連結アームにパイプ固定メンバを介して車椅子支持部材が取り付けられ、この車椅子支持部材が折畳状態の車椅子を挟持する。
以上のように自動車へ車椅子を収納する装置は各種開発されている。一方、ラゲージルームの空間を有効活用することができるラゲージシートも開発されている。特許文献4に開示されたラゲージシートは、ネット部とシート部とが接続されて一体に構成されており、ネット部とシート部の周縁部には車両に設けられた係止部材と係合されかつ長さ調整が可能なベルト部を有するフックが備えられている。このラゲージシートによれば、ベルト部により長さを調整することで、車両に設けられた所定の係止部材、例えばルーフレール、ヘッドレストの支柱及びリアフロアパネルに設けられたフロアフックなどとラゲージシートのフックとを確実に係合させることができ、車両の荷室空間を用意に任意の空間に仕切ることができ、荷室空間を有効活用することができる、とされている。
介護者が自動車のラゲージルームに車椅子を搭載する場合、車椅子を折り畳んだ後に車椅子をラゲージの高さまで持ち上げなくてはならない。しかし、車椅子は重量物であり、ラゲージの高さは自分の腰の位置よりも高いので、腰の高さ以上に持ち上げなくてはならず労力が伴う。
そこで、車椅子収納装置に求められている要請は、操作が簡便であり大きな力が不要であること、素早く搭載することができることである。さらに、自動車や車椅子を改造する必要がなく、自動車や車椅子の車種、寸法によらず、自動車に車椅子が収納可能なことが求められている。特別に改造するとなると、その分費用も掛かり経済的負担のほか心理的負担も生じ得る。さらに、車両や車椅子に傷をつけないことも、車椅子の車輪に付着した泥などにより車両のラゲージが汚れないことも要求されている。
前述の特許文献1乃至3に開示されている車椅子収納装置では、自動車のラゲージルームやトランクルームの床面等に固定しなければならず、一度車椅子収納装置を固定すると、車椅子収納装置の使用要否に拘わらず、自動車に設置されたままとなる。車椅子収納装置が例えば特許文献3に開示されているように大型化すると、荷物を載せるスペースが小さくなるばかりか、荷物の乗せ降ろしの際に邪魔になることもある。
従来の車椅子収納装置によっては、自動車のベースメンバーをそれ専用品に交換する必要があり、専用品のため高価となるばかりか、不要となったベースメンバーの使用もない。特許文献1、2のように車椅子を吊り上げる場合、重心が一軸方向に沿って移動するので、吊り上げフックと車椅子の重心との関係が吊り上げ毎に変化して安定した吊り上げができない。そのような場合、車椅子を自動車へ収納する際、自動車や車椅子に傷をつけたり汚したりしないよう、傷防止のカバーを用意したり、固定ベルトが必要となる。
このような自動車への車椅子を収納する装置は、次のような共通の課題がある。
第1に、車椅子収納装置が取り付けられている車両では、車椅子収納装置を取り外すことは容易ではなく、その車椅子収納装置を使用しない者が運転等するとき、車椅子収納装置が邪魔になる。
第2に、車椅子収納装置を自動車のラゲージルームに取り付けると、車椅子収納装置がラゲージの空間の一部を占領することになり、ラゲージルームの残りスペースが狭くなる。そのため、荷物をラゲージに収納し難くなり、荷室のユーティリティを維持することができない。
第3に、車椅子収納装置を自動車のラゲージルームに設置するためには、自動車のボディや内装の一部をその車椅子収納装置に対応した専用部材に取り替えなくてはならない。そのため、改造コストが生じるだけでなく、専用部材と置き換えられた車両のボディ、内装の一部が無駄となる。
第4に、車椅子収納装置は比較的大きく、車両の外部から車椅子収納装置を視認することができ、利用者に心理的な負担を強いることになる。
第1に、車椅子収納装置が取り付けられている車両では、車椅子収納装置を取り外すことは容易ではなく、その車椅子収納装置を使用しない者が運転等するとき、車椅子収納装置が邪魔になる。
第2に、車椅子収納装置を自動車のラゲージルームに取り付けると、車椅子収納装置がラゲージの空間の一部を占領することになり、ラゲージルームの残りスペースが狭くなる。そのため、荷物をラゲージに収納し難くなり、荷室のユーティリティを維持することができない。
第3に、車椅子収納装置を自動車のラゲージルームに設置するためには、自動車のボディや内装の一部をその車椅子収納装置に対応した専用部材に取り替えなくてはならない。そのため、改造コストが生じるだけでなく、専用部材と置き換えられた車両のボディ、内装の一部が無駄となる。
第4に、車椅子収納装置は比較的大きく、車両の外部から車椅子収納装置を視認することができ、利用者に心理的な負担を強いることになる。
そこで、本発明では、車椅子その他の荷物を自動車へ容易に収納することができ、必要でない場合には容易に取り外しができる、自動車への収納装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、自動車のラゲージルームに車幅方向に沿って配設される巻取り棒と、固定用ベルトその他の固定手段を装着しており巻取り棒に巻回されるシート部材と、巻取り棒に回転駆動力を与える駆動系と、を備え、巻取り棒に巻かれたシート部材を引き出し、シート部材に車椅子その他の収納物を固定用ベルトでシート部材に固定し、駆動系により巻取り棒が上記シート部材を巻き取ることにより車椅子その他の収納物をラゲージルームに収納する。
上記構成において、好ましくは、巻取り棒の軸方向一端部には巻取り棒を回転自在に支持するように取付支持部材が設けられ、取付支持部材にはその軸方向の長さを調整する長さ調整機構が設けられている。
上記構成において、好ましくは、巻取り棒の軸方向他端部には巻取り棒を回転自在に支持する取付支持部材が設けられ、取付支持部材には駆動系が内蔵されている。
本発明の自動車への収納装置によれば、巻取り棒をラゲージルームに車幅方向に架け渡し、巻取り棒に巻き取られているシート部材をラゲージルームから外側に引き出し、シート部材に装着されている固定用ベルトによって車椅子その他の収納物をシート部材に固定し、巻取り棒によりシート部材を巻き取ることにより、車椅子その他の収納物が上昇しラゲージルームに配置可能となる。その際、ラゲージルームの床面にシート部材を敷いた状態で車椅子その他の収納物が載置されるので、車椅子の車輪等に泥が付着していてもシート部材が汚れ防止カバーとして機能し、シート部材の厚さを調整したりシート部材にクッション材等を挟んで内蔵したりしておくことにより、シート部材が傷防止カバーとして機能する。
本発明の自動車への収納装置は、シート部材が巻取り棒に巻回されているので、コンパクトである。よって、収納装置の巻取り棒をラゲージルームに必要なときにだけ簡単に配設することができ、車椅子利用者でない者が運転する場合など収納装置が不要な場合には直ちにしかも容易に取り外しができる。収納装置が取り付けられる自動車の種類や寸法には制限がない。そのため、収納装置を幅広く適用することができ、自動車が借り物であっても容易にかつ迅速に収納装置を取り付けることも取り外すこともできる。収納装置の構成部品が少なくコンパクトであるので安価に提供でき、しかも収納装置によりラゲージルームが占領されるようなことがなくラゲージスペースを有効に活用することができる。また、収納装置をラゲージルームに設置するために特別の専用部材が必要ではないので、自動車を改造する必要がなく改造車であることを外部から視認されるようなこともない。また、車椅子はシート部材に固定用ベルトその他の固定手段により固定されるので、車椅子を改造する必要もない。車椅子その他の収納物をラゲージルームに収納するのに必要となるツール、例えば固定用ベルトなどの固定手段はシート部材に装着され得るので別途用意する必要もない。
特に、取付支持部材に長さ調整機構が設けられている場合には、両端に取付支持部材が取り付けられた状態で、これを所謂突っ張り棒のようにして、ラゲージルームの内装側壁に取付部材を押圧すればよいので、取付けも極めて簡単である。また、内装側壁にくぼみ等がある場合にはそのくぼみに押圧部を挿入してくぼみに引っ掛けるようにしてもよい。
特に、取付支持部材に駆動系が内蔵されている場合には、装置がより小型化でき、ラゲージルームの収納機能を失わせるようなこともないし、取り外したときに自動車のラゲージルームに寝かせておけばよいので、取り外したときの収容スペースにも困らない。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態に係る自動車への収納装置を模式的に示す斜視図である。本発明の実施形態に係る自動車100への収納装置1は、図1に示すように、自動車100のラゲージルームに車幅方向に配置される巻取り棒10と、固定用ベルト23を装着しており巻取り棒10に巻き取られるシート部材20と、巻取り棒11に回転駆動力を与える駆動系30とを備えて構成されている。固定用ベルト23は、面ファスナーなどの固定手段であってもよい。
図1は本発明の実施形態に係る自動車への収納装置を模式的に示す斜視図である。本発明の実施形態に係る自動車100への収納装置1は、図1に示すように、自動車100のラゲージルームに車幅方向に配置される巻取り棒10と、固定用ベルト23を装着しており巻取り棒10に巻き取られるシート部材20と、巻取り棒11に回転駆動力を与える駆動系30とを備えて構成されている。固定用ベルト23は、面ファスナーなどの固定手段であってもよい。
巻取り棒10は、少なくとも内周面が円筒形状である中空の本体部11を備えており、本体部11の軸方向一端には第1の取付支持部40が一部分挿入されており、本体部11の軸方向他端には第2の取付支持部45が一部分挿入されている。第1の取付支持部40及び第2の取付支持部45はそれぞれ自動車100のラゲージルームの内装壁面等に押圧され、巻取り棒10がラゲージルームに車幅方向に架け渡される。
第1の取付支持部40、第2の取付支持部45のうち本体部11の中空に挿入されている挿入部の外周面と本体部11の内周面とは、それぞれベアリング12,13が介在して連結されている。前述の駆動系30は第2の取付支持部45内に内蔵されている。駆動系30から出力される回転駆動力が本体部11の内周面に伝えられると、第1の取付支持部40及び第2の取付支持部45に対して本体部11が回転する。
本体部11の外周面にはシート部材20の縁部が本体部11の軸方向に沿って接着剤等により固定されている。よって、本体部11が回転すると、シート部20が本体部11に巻き取られ、本体部11が逆回転するとシート部材20が展開される。
シート部材20は布材で構成されていたり、図1に示すように布材22の表側に網材21が部分的に又は全面に張り付けられて構成されている。シート部材20には固定用ベルト23が一又は複数取り付けられている。固定用ベルト23は、車椅子等の収納物をシート部材20に連結するためのものである。そのため、車椅子等の収納物との連結箇所に応じて、例えば図1に示すようにシート部材20への固定用ベルト23の取付位置が互いに矩形の頂点に配置されるよう、複数の固定用ベルト23がシート部材20に固定される。固定用ベルト23は、ベルト部材23Aの一端を布材22に直接縫製により固定したり、ベルト部材23Aの一端を網材21のメッシュに通してベルト部材23Aをループ状にしてベルト部材に固定したりしている。
ベルト部材23Aは、バックル23Bを介して固定ベルトの長さを調整自在になっていることが好ましい。これにより車椅子等の収納物の寸法に応じて適宜対応することができる。また、固定用ベルト23の先端には金属製のフック23C等が取り付けられていることが好ましい。これにより、介護者等により車椅子を収納する際、フック23Cを車椅子に引っ掛けることで固定用ベルト23を介在して車椅子をシート部材20に固定することができる。
シート部材20に取り付けられている固定用ベルト23の数は、図1に示すように4個でも6個でも、収納物の種類、寸法に応じて適宜設定される。
図1に示す自動車への収納装置1の作用について説明する。巻取り棒10に巻かれたシート部材20を引き出し、シート部材20に車椅子その他の収納物を固定用ベルト23でシート部材20に固定し、駆動系30により巻取り棒10がシート部材20を巻き取ることにより収納物が上昇してラゲージルームに収納される。
ところで、シート部材20のうち巻取り棒10に固定されている側と逆側、即ち、シート部材20が展開される先端縁部の左右の各端部にも固定用ベルト24が取り付けられていることが好ましい。この固定用ベルト24は、ラゲージルームの床面両側に取り付けられているフックに固定用ベルト24を引っ掛けることにより、ラゲージルームに収納された車椅子等の収納物をシート部材20で部分的に覆う。これにより、シート部材20が張られた状態にすることができ、車椅子用の収納物が揺れたり動いたりせず、収納物の位置を安定化させることができる。
また、図1に示すように、シート部材20で、下側の固定用ベルト23の下側には左右に跨るように補助ベルト26が設けられていることが好ましい。後述するように、車椅子をラゲージルームから搬出する際に車椅子をシート部材20共々リア側に引き出して僅かに持ち上げたり、車椅子をラゲージルームに搬入する際に車椅子を僅かに持ち上げたりするときに、補助ベルト26が活用される。
図1に示す自動車への収納装置1のうち、巻取り棒10が第1の取付支持部材40、第2の取付支持部材50により回転自在に支持される構成については種々考えられる。この構成についての具体的な構成について詳細に説明する。図2は図1に示す自動車への収納装置について部分的に断面で表した構造図である。
第1の取付支持部40は、少なくとも軸方向外側の一端が開口した第1円筒部41と、この第1円筒部41の開口に挿入されて第1円筒部41に没入自在な第2円筒部42と、この第2円筒部42の外側端に接続される押圧部43と、を含んで構成されている。押圧部43は第1円筒部41よりも半径が大きく設定されている。押圧部43とラゲージルームの内装壁面等との接触面積を大きくすることで、車椅子等の収納物の自重に耐えるようにするためである。
第1円筒部41の開口端部にはナット44が設けられ、第2円筒部42の外周面にはネジ溝が刻設されている。ナット44がネジ溝に係合しながら軸方向に変位することにより、矢印で示す方向に第1の取付支持部40の軸方向の長さを調整することができる。つまり、第1の取付支持部材40には長さ調整機構40Aが設けられ、長さ調整機構40Aにより第1の取付支持部材40の軸方向の長さを調整することができる。なお、第1円筒部41の外周面と本体部11の内周面との間には複数のベアリング12が介在している。これにより、第1の取付支持部40がラゲージルームの内装側壁に固定されたままで、巻取り棒10が回転自在となる。
第2の取付部材45は、外周面が円筒状の駆動系収容部46の外側端に押圧部47を接続して構成されている。押圧部47は、駆動系収容部46よりも半径が大きく設定されている。押圧部47がラゲージルームの内装壁面等との接触面積を大きくし、車椅子等の収納物の自重に耐えるようにするためである。駆動系収容部46は本体部11の軸方向他端開口から部分的に挿入されている。駆動系収容部46には駆動系30が配置されている。つまり、第2の取付支持部材45には駆動系30が内蔵されている。
駆動系30について説明する。円盤状の伝達部31が駆動系収容部46の内側開口から突出するように配置され、伝達部31の外周面が本体部11の内周面に当接している。伝達部31はモータ32に装着されている。駆動系収容部46には、伝達部31側からモータ32、リレー33、充電池34がこの順に収容されている。このような駆動系30を外部から制御するための操作スイッチ35と、充電池34を充電するための充電ユニット36とが設けられている。操作スイッチ35はリレー33に配線接続される。リレー33は充電池34からモータ32に流す電流の向きを変えることにより、モータ32の回転を逆にするためのものである。充電ユニット36の配線が充電池34に接続されている。充電ユニット36は例えばシガーソケットに挿入されるプラブで構成されている。
よって、介護者等により、充電ユニット36により充電池34が充電された状態で、介護者等により操作スイッチ35が操作され、巻取り棒10を回転したり逆回転したり停止したりすることができる。
〔収納手順について〕
図3は図1に示す自動車100への収納装置1を用いて車椅子110をラゲージに収納する手順を示す図である。図4は図3に示す各手順の状態を側面から見た様子を模式的に示す図である。図3(A)及び図4(A)に示すように、自動車100のラゲージルーム内で後部座席シート106側に巻取り棒10が車幅方向に沿って配置されている。このとき、ラゲージルームの後端から所定の距離はなれたところに、巻取り棒10が配置される。所定の距離とは、少なくとも車椅子110を折り畳んだ状態で寝かさせた一辺の長さよりも長い。巻取り棒10一端の第1の取付支持部40がラゲージルームの内装側壁等に押圧され、巻取り棒10他端の第2の取付支持部45内の長さ調整機構40Aにより軸方向の長さが調整され、第2の取付支持部45がラゲージルームの内装側壁等に押圧される。図示のように、操作スイッチ35は例えばバックドア或いはボディ後部の内装など、操作しやすい箇所に取り付けられている。
図3は図1に示す自動車100への収納装置1を用いて車椅子110をラゲージに収納する手順を示す図である。図4は図3に示す各手順の状態を側面から見た様子を模式的に示す図である。図3(A)及び図4(A)に示すように、自動車100のラゲージルーム内で後部座席シート106側に巻取り棒10が車幅方向に沿って配置されている。このとき、ラゲージルームの後端から所定の距離はなれたところに、巻取り棒10が配置される。所定の距離とは、少なくとも車椅子110を折り畳んだ状態で寝かさせた一辺の長さよりも長い。巻取り棒10一端の第1の取付支持部40がラゲージルームの内装側壁等に押圧され、巻取り棒10他端の第2の取付支持部45内の長さ調整機構40Aにより軸方向の長さが調整され、第2の取付支持部45がラゲージルームの内装側壁等に押圧される。図示のように、操作スイッチ35は例えばバックドア或いはボディ後部の内装など、操作しやすい箇所に取り付けられている。
図3(A)及び図4(A)に示すように、シート部材20は巻取り棒10に巻かれている状態であるので、図3(B)及び図4(B)に示すように、操作スイッチ35を操作してモータ32を回転してシート部材20を展開する。
シート部材20の先端縁部には面ファスナー25が取り付けられているので、図3(C)及び図4(C)に示すように、シート部材20の先端縁部をラゲージルーム床面107の後端に面ファスナー25により固定する。この状態では、シート部材20のうちラゲージルーム内からリア側に張り出していない部分は後方斜め上方を向いており、ラゲージルーム床面107の後端外側で地面に向かって垂れ下がっている。シート部材20の先端縁部がラゲージルーム床面の後端に固定されているので、垂れ下がって地面に近接している部位は折り返している。シート部材20のうちラゲージルーム床面の後端近傍でリア側を向いて垂れ下がっている部位に、複数の固定用ベルト23が取り付けられている。
そこで、図3(D)及び図4(D)に示すように、車椅子110を折り畳んで、シート部材20に装着されている固定用ベルト23により車椅子110をシート部材20に固定する。固定用ベルト23の先端にフック23C等が取り付けられている場合には、フック23Cを車椅子110のフレームや車輪に引っ掛けるとよい。
次に、操作スイッチ35を操作してモータ32を逆に回転してシート部材20を巻取り棒10で巻き取る。すると、図3(E)及び図4(E)に示すように、車椅子110が上昇し、ラゲージルーム床面107にシート部材20を敷いた状態で車椅子110を横に寝せて、ラゲージルーム床面107に載せることができる。その際、シート部材20には左右に沿って補助ベルト26が設けられているので、この補助ベルト26を持ち上げたり、車椅子110をラゲージルーム側に押し入れる必要がある場合に、その作業を楽に行うことができる。
その後、シート部材20の先端縁部をラゲージルーム床面107の後端から外し、図3(F)及び図4(F)に示すように、シート部材20の先端縁部側を車椅子110に部分的にかぶせ、シート部材20の先端縁部の両端の固定用ベルト24をラゲージルーム床面107の左右のフック(図示せず)に引っ掛ける。このようにシート部材20の一部を車椅子110にかぶせて張ることにより車椅子110を安定させることができる。
〔搬出手順について〕
図5は図1に示す自動車への収納装置1を用いて、車椅子110をラゲージルームから搬出する手順を示す図である。図6は図5に示す各手順の状態を側面から見た様子を模式的に示す図である。
図5(A)及び図6(A)に示すように、ラゲージルームに車椅子110が寝かせて載せられており、シート部材20が後側から部分的にかぶさり、シート部材20の先端縁部の両端の固定用ベルト24がラゲージルーム床面107の左右のフック(図示せず)に引っ掛けられている。
図5は図1に示す自動車への収納装置1を用いて、車椅子110をラゲージルームから搬出する手順を示す図である。図6は図5に示す各手順の状態を側面から見た様子を模式的に示す図である。
図5(A)及び図6(A)に示すように、ラゲージルームに車椅子110が寝かせて載せられており、シート部材20が後側から部分的にかぶさり、シート部材20の先端縁部の両端の固定用ベルト24がラゲージルーム床面107の左右のフック(図示せず)に引っ掛けられている。
この状態で、固定用ベルト24をフックから解除し、図5(B)及び図6(B)に示すように、シート部材20の先端縁部をラゲージルーム床面107の後端に面ファスナー25により貼り付ける。
次に、巻取り棒10によりシート部材20を少し巻き取り、図5(C)及び図6(C)に示すように、車椅子110をラゲージルーム床面107から部分的に浮かせる。その際、シート部材20には左右に沿って補助ベルト26が設けられているので、この補助ベルト26を引っ張ることで、車椅子をシート部材20共々リア側に引き出して僅かに持ち上げることが楽に行うことができる。
その後、巻取り棒10を逆に回転してシート部材20を展開する。その際、図5(D)及び図6(D)に示すように、介護者は車椅子110を掴んで車椅子110の一部をバンパー108上に載せる。
さらに、巻取り棒10を逆に回転してシート部材20を展開し、シート部材20をラゲージルーム床面107の後端、バンパー108から垂れ下がるようにする。すると、図5(E)及び図6(E)に示すように、車椅子110は、垂れ下がったシート部材20の垂れ下がりに沿って地面に立つ。
その後、シート部材20の固定用ベルト23を車椅子110から解いたり、固定用ベルト23の先端のフック23C(図1参照)から車椅子110の引っ掛けを解除したりして、図5(F)及び図6(F)に示すように、車椅子110をシート部材20から外す。
以上の手順により車椅子110を車外に取り出すことができる。その後、操作スイッチ35を操作してシート部材20を巻取り棒10に巻き付ける。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る自動車への収納装置10は、ラゲージルームの内装側壁間に巻取り棒10を架け渡すだけでよいので、この収納装置10が必要でない場合には、簡単に取り外しができる。また、装置構成が単純でありシート部材20を巻取り棒10に巻かれた状態で巻取り棒10を取り外してラゲージルームに載せておくことができるので、ラゲージルームにおける荷物収納スペースが殆ど小さくならない。
本発明は上記の実施形態に限定されるものでなく、発明の範囲を逸脱しない範囲内で種々設計変更した形態が含まれる。本発明の実施形態では車椅子をラゲージルームに収納する場合を説明しているが、車椅子以外の他の収納物であってもシート部材の固定用ベルトなどでシート部材に固定することで、同様に収納物をラゲージルームに収納することができる。なお、本発明の実施形態では、バンパーがラゲージルーム床面とほぼ同じ高さに装着されかつラゲージルーム床面とバンパーとの間に車椅子等の収納物をラゲージルームの床面よりもはるかに引き上げる必要のない自動車に対して、車椅子その他の収納物を収納する際には、特に有効である。
1:収納装置
10:巻取り棒
11:本体部
12,13:ベアリング
20:シート部材
21:網材
22:布材
23,24:固定用ベルト(固定手段)
23A:ベルト部材
23B:バックル
23C:フック
25:面ファスナー
26:補助ベルト
30:駆動系
31:伝達部
32:モータ
33:リレー
34:充電池
35:操作スイッチ
36:充電ユニット
40:第1の取付支持部
40A:長さ調整機構
41:第1円筒部
42:第2円筒部
43:押圧部
44:ナット
45:第2の取付支持部
46:駆動系収容部
47:押圧部
100:自動車
106:後部座席シート
107:ラゲージルーム床面
108:バンパー
110:車椅子
10:巻取り棒
11:本体部
12,13:ベアリング
20:シート部材
21:網材
22:布材
23,24:固定用ベルト(固定手段)
23A:ベルト部材
23B:バックル
23C:フック
25:面ファスナー
26:補助ベルト
30:駆動系
31:伝達部
32:モータ
33:リレー
34:充電池
35:操作スイッチ
36:充電ユニット
40:第1の取付支持部
40A:長さ調整機構
41:第1円筒部
42:第2円筒部
43:押圧部
44:ナット
45:第2の取付支持部
46:駆動系収容部
47:押圧部
100:自動車
106:後部座席シート
107:ラゲージルーム床面
108:バンパー
110:車椅子
Claims (3)
- 自動車のラゲージルームに車幅方向に沿って配設される巻取り棒と、固定用ベルトその他の固定手段を装着しており上記巻取り棒に巻回されるシート部材と、上記巻取り棒に回転駆動力を与える駆動系と、を備え、
上記巻取り棒に巻かれた上記シート部材を引き出し、上記シート部材に車椅子その他の収納物を上記固定用ベルトその他の固定手段で上記シート部材に固定し、上記駆動系により上記巻取り棒が上記シート部材を巻き取ることにより上記車椅子その他の収納物をラゲージルームに収納する、自動車への収納装置。 - 前記巻取り棒の軸方向一端部には該巻取り棒を回転自在に支持するように取付支持部材が設けられ、該取付支持部材には該取付支持部材の軸方向の長さを調整する長さ調整機構が設けられている、請求項1に記載の自動車への収納装置。
- 前記巻取り棒の軸方向他端部には該巻取り棒を回転自在に支持する取付支持部材が設けられ、該取付支持部材には前記駆動系が内蔵されている、請求項1又は2に記載の自動車への収納装置。
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JP2010283738A JP5207194B2 (ja) | 2010-12-20 | 2010-12-20 | 自動車への収納装置 |
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JP4536575B2 (ja) * | 2005-04-12 | 2010-09-01 | 本田技研工業株式会社 | 車両用荷物積下装置 |
JP2009062021A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-03-26 | Ashimori Ind Co Ltd | トノボード装置 |
JP5161675B2 (ja) * | 2008-07-04 | 2013-03-13 | 林テレンプ株式会社 | 遮蔽装置 |
-
2010
- 2010-12-20 JP JP2010283738A patent/JP5207194B2/ja not_active Expired - Fee Related
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