JP5206358B2 - 光学シート及びそれを用いたバックライトユニット - Google Patents

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Description

本発明は、薄型で、かつ輝度向上特性に優れ、耐久試験下においても表面に形成した形状の変形、シートのカールおよび撓みのない光学シートおよびそれを用いたバックライトユニットに関するものである。
液晶表示装置は、ノートパソコンや携帯電話機器を始め、テレビ、モニター、カーナビゲーション等、多様な用途に用いられている。液晶表示装置には、光源となるバックライトユニットが組み込まれており、バックライトユニットからの光線を液晶セルに通して制御することにより、表示される仕組みとなっている。このバックライトユニットに求められる特性は、単に光を出射する光源としてだけではなく、画面全体を明るく且つ均一に光らせることである。
バックライトユニットの構成は大きく二つに分けることができる。1つは、直下型バックライトと称される方式である。これは、大型化・高輝度化が求められるテレビ用途に好ましく用いられる方式であるが、基本構成としては、画面奥に直接蛍光管を並べた構造が特徴である。画面奥に線状または一部線状の蛍光管を複数本平行に並べることにより、大画面にも対応可能で、さらに明るさも十分に確保できる。しかしながら、特徴でもある画面奥に設置された蛍光管による画面内の明るさムラ(輝度ムラ)が生じる。つまり、複数本並んでいる蛍光管の真上は明るく、隣接する蛍光管の間が暗くなる(管ムラ)。このため、直下型バックライトでは、この管ムラを解消するため、極めて強い光拡散性を有する拡散板を蛍光管の上側に設置し、画面の均一化を図っている。
また、もう1つの方式は、サイドライト型バックライトと称される方式である。これは、例えば薄型化・小型化が求められる携帯電話、ノートパソコン等に主に使用される方式であるが、基本構成として導光板を用いるのが特徴である。サイドライト型バックライトの場合、導光板の側面に蛍光管を設置し、側面から導光板に光線を入射させて、導光板内部を全反射させながら面内全体に光を伝搬しつつ、導光板の裏面に施された拡散ドット等により一部を全反射条件から離脱させて導光板前面から採光することにより、バックライトすなわち面光源として機能させるものである。サイドライト型バックライトの場合には、これら構成以外にも、導光板の裏面から漏れ出る光を反射させて再利用させる機能を担う反射フィルム、導光板前面から出射する光を均一化させる拡散シート、正面輝度を向上させるプリズムシートに代表される集光シート、そして液晶パネル上での輝度を向上させる輝度向上シートなど、多種類の光学フィルムが用いられている。その中で一般的に用いられるプリズムシートは、透明基材の上に光硬化樹脂を塗布しプリズムパターンを形成して作製したもの(特許文献1)、熱可塑性樹脂からなるシートに金型を熱プレスすることによりプリズムパターンを形成して作製したものなどが挙げられる(特許文献2)。
特許第2670518号 特開平9−21908号
しかしながら、特許文献1の光硬化性樹脂を用いて作製したプリズムシートは、加熱、あるいは加湿条件での耐久性試験においてプリズム層を形成している光硬化樹脂層の収縮に伴うカールが発生し、バックライトユニットに組み込んだ時に色むらなど表示品位上の問題が生じる。
液晶表示装置の用途として、携帯電話などの小型向けを想定した場合には、プリズムシートを初め、各種光学シートの薄型化が必須となる。前記、光硬化性樹脂を用いて作製したプリズムシートの場合、薄型化を目指して支持体の膜厚を薄くするに従って、耐久性試験時のカールがより顕著に発生してしまうという欠点を有する。
また、特許文献2の熱可塑性樹脂を用いて作製したプリズムシートは、光硬化性樹脂に比べると耐久性試験時のカールは抑制されるが、シート前面に渡って撓み、すなわち平面性の悪化がみられるようになる。特に、加湿条件下での試験においては、顕著に平面性が悪化し、表面に賦形した形状も変形してしまうという欠点を有していた。
そこで本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、成形性に優れ、薄型でありながら耐久試験下においても表面に形成した形状の変形、シートのカールおよび撓みのない光学シートを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の光学シートは、両側表面と支持体となるシートが異なる熱可塑性樹脂で構成され、かつ両側表面が同一の熱可塑性樹脂で構成された三層積層構造であり、少なくとも片側表面に凹凸形状が賦形された光学シートであって、該光学シートの全膜厚が20〜60μmで、かつ、該光学シートの吸水率が0〜0.1%を満たすものであり、かつ、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が100℃〜130℃であることを特徴とするものである。
また、本発明の光学シートの好ましい態様は、
(1)前記熱可塑性樹脂の動的粘弾性測定における動的貯蔵弾性率が、下記式を満たすこと、
0.2≦ log10(E’2/E’3)/log10(E’1/E’3) < 1
(ここで、Tg:熱可塑性樹脂のガラス転移温度、E’1:熱可塑性樹脂のTgにおける動的貯蔵弾性率、E’2:Tg+10℃における動的貯蔵弾性率、E’3:Tg+20℃における動的貯蔵弾性率、を表す)
(2)前記熱可塑性樹脂が環状ポリオレフィン系樹脂であること、
)前記光学シートの破断伸度が30%以上であること。
)前記凹凸形状が、断面形状が三角形をなす三角柱状のプリズムを略平行に複数形成してなるプリズムシート状のものであることである。
また、本発明のバックライトユニットは、かかる光学シートを用いて構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、成形性に優れ、薄型でありながら耐久試験下においても表面に形成した形状の変形、シートのカールおよび撓みのない光学シートを提供することが可能になり、本発明の光学シートを搭載すると、バックライトユニットの表示品位を高めることができる。
本発明は、前記課題、つまり成形性に優れ、薄型でありながら耐久試験下においても表面に形成した形状の変形、シートのカールおよび撓みのない光学シートについて鋭意検討し、該シートに用いる樹脂の特性として、特定のガラス転移温度と吸水率を有する熱可塑性樹脂からなる光学シートを用いてみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明し、本発明に到達したものである。
本発明の光学シートは、両側表面と支持体となるシートが異なる熱可塑性樹脂で構成され、かつ両側表面が同一の熱可塑性樹脂で構成された三層積層構造であり、少なくとも片側表面に凹凸形状が賦形された光学シートであって、該光学シートの全膜厚が20〜60μm、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が100℃〜130℃、光学シートの吸水率が0〜0.1%を満たすことを特徴とする。
本発明の光学シートは、両側表面と支持体となるシートが異なる熱可塑性樹脂で構成され、かつ両側表面が同一の熱可塑性樹脂で構成された三層積層構造であり、少なくとも表面に凹凸形状が賦形された光学シートである。本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、所望のガラス転移温度、吸水率の条件を満たす熱可塑性樹脂であれば、特に限定されることなく用いることができるが、特に環状ポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。かかる環状ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン性二重結合を環内に有する重合性の環状オレフィンをモノマー単位として有するものであり、環状オレフィンとして、例えば、ノルボルネン系モノマー(単環、多環)などを使用することができ、かかる環状ポリオレフィン系樹脂としては、上記環状オレフィンの単独重合体、二種以上の環状オレフィンの共重合体、又は環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体などが好ましく用いられる。また、これらの樹脂を単体または二種以上を混合して用いてもよい。
このような環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、下記式(1)で表される構成を用いることができる。
Figure 0005206358
上記式(1)において、Aは環状オレフィンモノマー、Bは鎖状共重合性モノマーを表している。式中のmは正の整数、nは0または正の整数を表す。
上記式(1)のAで表される環状オレフィンモノマーとしては、下記式(2)または(3)で表される構成単位を用いることができる。
Figure 0005206358
Figure 0005206358
上記式(2)において、aおよびbは0または正の整数を表す。また、R1〜R4は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン置換炭化水素基、−(CH)xCOOR(xは0又は正の整数を示し、Rは、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン置換炭化水素基を表す)を示す。
また、上記式(3)において、cおよびdは0または正の整数を表し、また、R5〜R8は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン置換炭化水素基、−(CH)xCOOR10(xは0又は正の整数を示し、R10は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン置換炭化水素基を表す)を示す。
上記Aで表される環状オレフィンモノマーとしては、1種類だけでなく2種類以上の環状オレフィンモノマーを共重合して用いることができる。
また、上記式(1)のBで表される鎖状共重合性モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどのα−オレフィン類、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、無水マレイン酸などを用いることができる。これらのうちでは、α−オレフィン類が好ましく用いられる。
本発明の光学シートに用いる熱可塑性樹脂としては、1種類の樹脂からなる構成であってもよいし、2種類以上の樹脂をブレンドして使用することも可能である。2種類以上の樹脂をブレンドする方法は、光学シートのガラス転移温度などの熱的物性、強伸度などの機械物性を制御することが可能となるため、好ましい態様である。
本発明の光学シートは、打ち抜き等の二次加工などにおけるハンドリング性の観点から破断伸度が30%以上であることが好ましい。破断伸度を向上させる手法としては、高伸度樹脂のポリマーブレンドや基層部に高伸度樹脂を設けた3層積層とすれば良い。
本発明では、かかる熱可塑性樹脂を用いることで、硬化性樹脂のような硬化収縮が発生しないため、シートのカールが抑制される。ここで、凹凸形状が形成される表面に、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂のような硬化性樹脂が用いられている場合、硬化時(加工時)に収縮が起こるばかりか、樹脂中の未硬化成分の反応が経時若しくは耐久性試験時に進行してさらに収縮したり、硬化時に蓄えられた硬化収縮応力が経時若しくは耐久性試験時に作用して収縮が生じやすいという問題がある。これら硬化性樹脂がシートの片面にのみ積層されている場合には、この収縮によりシートがカールする結果を招くことになる。このカールを抑制するため、両面に積層する方法もあるが、両側でバランス良く積層するのが難しいという問題がある。これら硬化性樹脂を用いる場合には、支持体となるシート上に積層して形成するのであるが、光学シートの薄型化を進めるために支持体の膜厚を薄くするに従い、支持体が収縮応力に耐えられなくなり、カールがより顕著に発生する結果を招くこととなる。この点、熱可塑性樹脂の場合には、カールの原因となる硬化収縮が発生しないため、本発明においては熱可塑性樹脂を用いている。
本発明の光学シートは、少なくとも両側の表面は同一の熱可塑性樹脂で構成されたシートであり、好ましくは両側表層に該熱可塑性樹脂が同膜厚で積層された三層積層構造、または全てが該熱可塑性樹脂からなる単層構造である。かかる熱可塑性樹脂からなるシートの場合、厚み方向に非対称な積層構造であると、熱収縮挙動がシートの表裏で異なるため、製膜直後、経時、耐久性試験時においてカールが生じやすくなる。またさらに、少なくとも両側表面を該熱可塑性樹脂で構成しないと、経時、耐久性試験時にカール、撓みが発生しやすくなるため、上記構成が好ましく用いられる。上記構成の中では、全てが該熱可塑性樹脂からなる単層構造のシートが好ましく使用される。
本発明の光学シートは全膜厚が20〜60μmであることが重要である。すなわち、表面に凹凸形状が賦形された光学シートとして、この膜厚は、耐久性試験時のカールおよび撓みを発生させないようにするために必須要件となるものである。この膜厚であれば、携帯電話用など小型の液晶表示装置向けの光学シートとして、十分な薄型化を達成する上でも重要である。
本発明の光学シートを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度(以下、Tg)は100〜130℃であることが重要である。
本発明において、かかるTgは示差走査熱量計(以下、DSC)測定により、下記手順にて求めた値である。すなわち、DSCとしてセイコー電子工業株式会社製ロボットDSC「RDSC220」、データ解析装置として同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用い、アルミニウム製受皿に5mgのサンプルを充填し、この試料を常温から20℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して5分間溶融させ、次いで液体窒素で急冷する。この過程で得られるTgを採用するものである。
液晶表示装置に用いる光学シートの場合、通常、耐久性試験として、加熱のみ、及び加熱加湿条件下での試験が実施される。温度としては60〜85℃、湿度としては80〜90%の範囲が採用されることが多い。
すなわち、熱可塑性樹脂からなるシートを加工して表面形状を賦形した場合には、Tg以上の温度に加熱されると、形状の変形が観測されるようになる。この変形を防止するには、使用する熱可塑性樹脂のTgとしては、前記試験温度よりも十分高い温度となるように設計する必要がある。よって、本発明においては、熱可塑性樹脂のTgは、100〜130℃であることが必須要件であり、より好ましくは100〜120℃のTgであるのがよい。
本発明において、光学シートを構成する熱可塑性樹脂が二種類以上の混合物からなる場合、前記Tgの範囲は各々の樹脂のTgではなく、光学シートを構成する熱可塑性樹脂混合物のTgのことをいう。互いに相溶しない熱可塑性樹脂の混合物のTgは、各々の樹脂のTgに対応する位置にTgが観測されるのであるが、本発明で用いる熱可塑性樹脂混合物の場合には、前記測定手法により観測されるガラス転移温度は1箇所においてのみ観測されるのが好ましい。すなわち、互いに相溶する樹脂の組合せを用いるのがよい。
かかるTgが100℃を下回ると、耐久性試験時にシート表面に賦形した形状の変形が観測される。また、Tgが130℃を越えると、Tgが高すぎるために表面賦形時の精度が高められず、プリズムシートのように頂部が尖った形状を賦形した場合、金型通りの形状には成形されず、頂部が丸まった低精度の成形品が得られることが多くなる。
また、本発明の光学シートの吸水率は0〜0.1%であることが必須要件である。かかる光学シートの吸水率は、好ましくは0〜0.05%、さらに好ましくは0〜0.02%、特に好ましくは0〜0.01%である。
本発明において吸水率は、ISO62に準拠し、23℃の水中にて24時間浸漬した後の水分率を測定して求めた値のことをいう。
前述したように、液晶表示装置に用いる光学シートの耐久性試験として、加熱加湿条件下での試験が行われる。高湿度下、特に80℃を越える高温かつ高湿の条件では、光学シートの吸水率に応じて、試験後のシートの平面性に影響が現れる。すなわち、吸水率が0.1%を越える光学シートの場合には、高湿度下の耐久試験では、撓みが顕著に生じ、光学シートの平面性が悪化する。平面性の悪化した光学シートをバックライトユニットに組み込むと、光学特性ムラとして観測されるため好ましくない。
また、本発明の光学シートは、光学シートを構成する熱可塑性樹脂の動的粘弾性測定における動的貯蔵弾性率が、下記式を満たすことが好ましい。
・ 0.2≦ log10(E’2/E’3)/log10(E’1/E’3) < 1
ここで、E’1:熱可塑性樹脂のTgにおける動的貯蔵弾性率、E’2:Tg+10℃における動的貯蔵弾性率、E’3:Tg+20℃における動的貯蔵弾性率を表す。
本発明において動的粘弾性測定は下記のように実施し、これにより求めた動的貯蔵弾性率の値を採用する。すなわち、JIS K−7244に準じた方法により、引張モード、チャック間距離5mm、歪振幅10μm、力振幅初期値100mN、昇温速度2℃/min、駆動周波数0.1Hz、温度範囲20℃〜Tg+30℃の測定条件にて動的貯蔵弾性率を測定する。ここでTgは、前記DSC測定により求めたTgを採用する。
上式は、本発明に用いる熱可塑性樹脂の動的貯蔵弾性率が、Tg〜Tg+20℃において好ましく満たすべき範囲を示すものである。熱可塑性樹脂にTgを越える温度が掛かった場合、Tgを境に樹脂の変形が生じやすくなるが、本発明の光学シートに用いる熱可塑性樹脂が上式を満たすことによって、Tgを越える温度であっても、急激な樹脂の変形がみられることなく、表面に賦形した場合でも形状変化が生じにくくなるため好ましい。
L=log10(E’2/E’3)/log10(E’1/E’3)と表したとき、0.2≦Lであると、Tgを境に急激な樹脂の変形が生じることがないので好ましい。また、L<1であると、樹脂内部で架橋反応などの反応が生じる可能性が低いため、賦形するための樹脂として好ましく使用することができる。さらに好ましくは、0.3≦L≦0.8、最も好ましくは0.3≦L≦0.5を満たすことである。
本発明の光学シートは表面に凹凸形状が形成されているものである。この凹凸形状を模式的に示す斜視図を図1(a)〜(e)に示す。表面に形成される凹凸形状のシート面内での配列構造としては、図1(a)〜(c)に示すようなストライプパターン、図1(d)(e)に示すように、ドーム状やピラミッド状などの形状が敷き詰められたパターンなどが好ましい例として挙げられる。
図1(a)〜(c)に例示されるストライプパターンについて説明する。図2には、ストライプパターンの長手方向に対して垂直な方向における断面形状を示しているが、個々のストライプの断面形状は、二等辺三角形、正三角形、直角二等辺三角形またはそれらを変形した三角形状(図2(a))、半円、半楕円、またはそれらを変形した円弧形状(図2(b))、規則的な正弦曲線、ランダム曲線などの波形形状(図2(c))等が好ましい例として挙げられる。
また、図2(a)(b)に示すように、個々のストライプの断面形状が同じ形状の繰り返しパターンでもよいし、図2(d)のように、異なるサイズの形状の規則的またはランダム配列のパターン、または図2(e)のように、異なる形状の規則的またはランダム配列のパターンなども好ましい態様である。このように異なるサイズまたは異なる形状の規則的またはランダム配列、および前記図2(c)のランダム曲線などの形状は、シート表面に形成された形状によって引き起こされる可能性のある光干渉縞やぎらつきを抑制する効果もあるため好ましい。
また、図2(f)のように、個々のストライプの断面において、隣接するパターン間に平坦部が形成された形状も用いる。しかしながら、この平坦部に入射した光は、角度変換されることなく素通りする可能性が高いため、より好ましくは、図2(a)〜(e)に例示しているように、隣接パターン間に平坦部が形成されないシートである。
また、個々のストライプの断面形状について、ストライプ長手方向に観察したときに、同じ形状・サイズが続く均一ストライプであってもよいし、同じ形状であるがサイズが異なる(すなわち高さが揺動している)ストライプであってもよいし、形状が変化するストライプのいずれも好ましく用いられる。
またさらに、シートの法線方向からストライプを観察したとき、個々のストライプが完全に直線状であってもよいし、例えば波状など直線でない場合も好ましく用いられる。よって、個々のストライプ間の距離(ピッチ)も規則的、ランダムのいずれも好ましく用いられる。
次に、図1(d)(e)に示すように、ドーム状やピラミッド状などの形状が敷き詰められたパターンについて説明する。好ましい形状としては、大きくはドーム状などの半球形状、ピラミッド状などの多角錐形状にわけることができる。
半球形状の場合、半球、半球を高さ方向に伸縮させた形状(半回転楕円体)などが挙げられ、シート面内で形状に異方性を有するものであってもよい。異方性を有する場合には、個々の形状の長軸方向を合致させて並べると、光学的に異方性を誘起することが可能となる。半球形状のシート面内での配列については、規則配列(最密充填など)、ランダム配列のいずれも好ましく用いられる。
また、多角錐形状の場合、三角錐、四角錐、六角錐、八角錐などが例として挙げられる。この場合も、シート面内での配列は規則配列、ランダム配列のいずれも好ましく用いられる。
これらの形状は、シート面内で同形状の均一パターンでもよいし、他種類の形状が配列した複合形状であってもよい。
例えば、図1(a)〜(c)に示すようなストライプパターンが表面に形成されている場合には、特にシートのカールに関してもストライプの方向に応じた異方性が生じることがあるため、本発明の光学シート構成にすることによる効果が大きい。すなわち、液晶表示装置用の光学シートとして、輝度向上効果を発揮させるために使用するプリズムシートを作製する場合に、本発明が有効に作用する。すなわち、前記凹凸形状が、断面形状が三角形をなす三角柱状のプリズムを略平行に複数形成してなるプリズムシート状のものとすすることができる。
プリズムシートは、断面形状が三角形をなす三角柱状のプリズムが略平行に複数形成されたものである。本発明の光学シートをプリズムシート状とする場合、前記断面の三角形の頂角は70〜110°であることが好ましく、より好ましくは80〜100°である。すなわち、頂角が70°未満および110°を越える場合には、バックライトユニットに組み込んだ場合の正面輝度向上効果が不十分であるため好ましくない。また、バックライトの構成によって選択することになるが、前記断面の三角形を二等辺三角形とすることによって、いずれの構成においても正面輝度向上効果に優れるため好ましい。
本発明の光学シートとして好ましく用いられるプリズムシート状のものとしては、断面の個々の三角形が同一形状の繰り返し配列、異種形状配列のいずれも好ましく用いられる。また、シート面に形成されたプリズムの膜厚方向の高さについては、プリズムの三角柱の長手方向にみて、一定であってもよいし、揺動していてもよい。さらに、シート面内において、プリズムの頂部のラインが直線状であってもよいし、波状に変化していてもよい。
本発明の光学シートとして好ましく用いられるプリズムシート状のものとしては、膜厚が20〜60μmであることも考慮すると、好ましいプリズムのピッチは2〜25μmである。プリズム形状賦形時の精度、およびバックライトユニットに組み込んだときの輝度を考慮すると、高精度の成形かつ高輝度を発現させるためには、より好ましくはピッチを10〜25μmに設定するのがよい。
次に、本発明の光学シートを製造するにあたって、基材となる熱可塑性樹脂シートを製膜する方法について説明する。
前記熱可塑性樹脂シートの製膜方法としては、公知の製膜方法を用いることが可能である。すなわち、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルション法、ホットプレス法などの製造方法が使用できるが、厚みムラ減少、異物削減の観点からT−ダイ法、流延法、ホットプレス法が好ましく使用できる。インフレーション法やT−ダイ法による製造法の場合、単軸あるいはニ軸押出しスクリューのついたエクストルーダ溶融押出し装置が使用できる。好ましくはL/D=25以上120以下のニ軸混練押出機が着色を防ぐことができる点で好ましい。また、溶融押出装置を使用し溶融混練する場合、着色抑制の観点から、ベントを使用し減圧下での溶融混練あるいは窒素気流下での溶融混練を行うことが好ましい。
押出温度としては(Tg + 100)〜(Tg + 200)℃の範囲のいずれかの温度で行うことができる。キャスト方法は溶融した樹脂をギアーポンプで計量した後にTダイ口金から吐出させ、冷却されたドラム上に、密着手段である静電印加法、エアーチャンバー法、エアーナイフ法、プレスロール法などでドラムなどの冷却媒体に密着冷却固化させて室温まで急冷し、未延伸フィルムを得ることが好ましい。良好な平面性や均一な厚み、光学特性が要求される場合には、静電印加法が特に好ましく用いられる。
本発明の光学シートの凹凸形状を形成する好ましい方法について、図3を用いて説明する。本発明の光学シートの基材となる熱可塑性樹脂シートと、該シートに賦形するパターンを反転した形状を有する金型とを、該シートと金型凹凸面とが相対するように設置し、該シートの表層を構成する熱可塑性樹脂のTg以上、Tg+60℃以下の温度範囲内に加熱する(図3(a))。熱可塑性樹脂シートと金型凹凸面を接近させ(図3(b))、そのまま所定圧力でプレス、所定時間保持する(図3(c))。次にプレスした状態を保持したまま降温する。最後にプレス圧力を解放して金型からシートを離型する(図3(d))。
パターン成形方法としては、図3に示したような平板をプレスする方法(平板プレス法)の他に、表面にパターンを形成したロール状の金型を用いて、ロール状の成形体を得るロールtoロールの連続成形も好ましい成形方法である。平板プレス法は、より微細で高アスペクト比のパターンを形成できる点において優れており、またロールtoロール連続成形の場合、生産性の点で平板プレス法より優れている。
次に、本発明の光学シートを用いたバックライトユニットについて説明する。本発明の光学シートは、直下型バックライトユニット、サイドライト型バックライトユニットのいずれの方式にも使用することが可能である。
直下型バックライトユニットの基本的な構成を説明する。画面奥に線状蛍光管が複数本平行に配置され、光源の下側(画面とは逆方向)に光反射フィルム、光源の上側(画面側)に、拡散板、拡散シート、プリズムシート、輝度向上シートなどの光学部材が設置される。光源の上側の光学部材の配置としては、光源の直上に拡散板、最上方に輝度向上シートが用いられることが好ましく、その2枚の部材間に、拡散シート又は/及びプリズムシートが、用途に合わせて任意の構成で用いられることが好ましい。
また、サイドライト型バックライトユニットの基本的な構成を説明する。このバックライトユニットの場合、光線を伝搬し面状に広げるための導光板を使用し、該導光板の側面に直線状(例えば蛍光管)または点状(例えばLED)などの光源を有し、該導光板の下側(画面とは逆方向)に光反射フィルム、該導光板の上側(画面側)に、拡散シート、プリズムシート、輝度向上シートなどの光学部材が設置される。
サイドライト型バックライトユニットの光源上側の光学部材の配置としては、最上方に輝度向上シートが用いられることが好ましく、導光板と輝度向上シートの間に、拡散シート又は/及びプリズムシートが、用途に合わせて任意の構成で用いられることが好ましい。
本発明の光学シートは、これまで例示してきた形状を付与することで、前記拡散シートやプリズムシートのような、光拡散性、集光性の効果を発揮することが可能となる。よって、直下型バックライトユニットにおいて、前記拡散シートやプリズムシートと同様の位置に設置することが可能である。
以下に各実施例・比較例、参考例の測定方法及び評価方法について説明する。以下の各測定において、それぞれ1つのサンプルで3回測定を実施して得られた値の平均値でもって評価した。また、以下の測定はすべて室温23℃、湿度65%の条件で行った。
(測定・評価方法)
A.Tg測定
示差走査熱量測定(DSC)として、セイコー電子工業株式会社製ロボットDSC「RDSC220」を用い、データ解析装置として、同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用いて、アルミニウム製受皿に5mgの組成物またはフィルムサンプルを充填する。この試料を常温から20℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して5分間溶融させる。次いで液体窒素で急冷し、この過程でガラス転移温度を測定した。また、フィルムサンプルは、表層を削り取って採取する。
B.吸水率
ISO62に準拠し23℃の水中にて24時間浸漬した後の水分率を測定して求めた。
C.断面観察
フィルムの断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡S−2100Aを用い500倍で写真を撮影して断面観察を行い、表面に賦形した凹凸形状の寸法(高さ、ピッチ)を測定した。
D.カール量測定
100mm×100mmサイズのサンプルを恒温恒湿試験機(タバイエスペック社製、PR−3SPW)に投入し、85℃・85%RH条件下で240時間放置した。恒温恒湿試験器から取り出した直後に凹凸形状を形成した面を上にして頂点4箇所のカール量(フィルム設置面からの高さ)を測定し、平均値をカール量とした。
E.平面性評価
100mm×100mmサイズのサンプルを恒温恒湿試験機(タバイエスペック社製、PR−3SPW)に投入し、85℃・85%RH条件下で240時間放置した。恒温恒湿試験器から取り出した後、賦形面を下向きにして机上に設置し、非賦形面を観察した。
評価方法は、二本の直線状蛍光管を点灯し、非賦形面に映り込む蛍光灯像を観察して、直線状蛍光管の像が歪むかどうかで判断した。評価は3名で行い、二人以上が歪むと判断した場合を×、一人が歪むと判断した場合を△、全員が歪みを感じない場合を○とした。
F.輝度評価
評価用7インチサイドライト型バックライト(筐体、反射フィルム、導光板)を点灯させ、1時間経過後に導光板の上に拡散シート(東レセハン製、TDF187)、サンプルシートを設置し、2次元輝度計(コニカミノルタセンシング製、CA−2000)を用いて、正面方向における輝度を測定した。輝度は、バックライトの中心部を中心とした1辺50mmの正方形の範囲の平均値で評価した。
また、輝度評価は、前記DおよびEに記載の85℃・85%RH条件下240時間の試験前後で行い、試験前の輝度を「初期輝度」、試験後の輝度を「試験後輝度」と定義する。
G.動的貯蔵弾性率
動的貯蔵弾性率は、JIS−K7244に従って、セイコーインスツルメンツ社製の動的粘弾性測定装置”DMS6100”を用いて求めた。引張モード、チャック間距離5mm、歪振幅10μm、力振幅初期値100mN、昇温速度2℃/min、温度範囲20℃〜Tg+30℃の測定条件にて測定した。この測定結果から、Tg、Tg+10℃、及びTg+20℃での動的貯蔵弾性率(それぞれ、E’1、E’2、E’3)を求めた。求めたE’1、E’2、E’3の値を、下記式Lに代入してLの値を求めた。
・ L=log10(E’2/E’3)/log10(E’1/E’3)
H.破断伸度
フィルム長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して用いた。JIS K−7127に規定された方法に従って、引っ張り試験機を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行いその破断伸度の平均値(X)を求めた。
各実施例、比較例、参考例で用いる熱可塑性樹脂は以下の通りである。
・熱可塑性樹脂1: 環状オレフィン樹脂‘TOPAS’6013、Tg130℃、吸水率0.01%、ポリプラスチックス(株)製
・熱可塑性樹脂2: 環状オレフィン樹脂‘TOPAS’8007、Tg78℃、吸水率0.01%、ポリプラスチックス(株)製
・熱可塑性樹脂3: 環状オレフィン樹脂‘ZEONOR’1020R、Tg105℃、吸水率0.01%、日本ゼオン(株)製
・熱可塑性樹脂4: 環状オレフィン樹脂‘TOPAS’6017、Tg170℃、吸水率0.01%、ポリプラスチックス(株)製。
参考例1)
熱可塑性樹脂1と熱可塑性樹脂2を重量で60:40にブレンドしたものを100℃で6時間乾燥した後に押出機に投入し、240℃に加熱して溶融させ、Tダイから100℃に保たれた金属ドラムにシート状に押出した。金属ドラムの速度を25m/分と設定して巻き取ることで、厚みが35μmの熱可塑性樹脂シート1を得た。
次に、下記金型1と前記熱可塑性樹脂シート1を135℃で1分加熱し、135℃を維持しながら圧力2MPaで、金型1と熱可塑性樹脂シート1とを30秒間圧着した。続いて70℃まで冷却後、金型を離型することにより、熱可塑性樹脂シート1面に下記金型1の形状を反転したパターンを有する光学シート1を得た。光学シート1の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また、光学シート1の吸水率は0.01%であった。
(金型1)
面内パターン :ストライプ状(図1(a))
個々の形状 :直角二等辺三角形(高さ10μm)
隣接パターン間のピッチ :20μm
サイズ :100mm×100mm(パターン領域)。
続いて、この光学シート1を温度85℃湿度85%のオーブンに入れ、240時間経過後に取り出した(光学シート1’)。光学シート1’は、温度85℃湿度85%で240時間経過後、カールおよびたわみともに発生していなかった。
また、前記光学シート1と光学シート1’を、評価用のバックライトに組み込んで、輝度を評価した。輝度特性評価結果を表1に示す。耐熱、耐湿熱試験後も、バックライトの輝度を保持していることを確認でき、耐熱性、耐湿熱性に優れていることがわかった。
参考例2)
熱可塑性樹脂1と熱可塑性樹脂2を重量で55:45にブレンドしたものを90℃で6時間乾燥した後に押出機に投入し、240℃に加熱して溶融させ、Tダイから90℃に保たれた金属ドラムにシート状に押出した。金属ドラムの速度を25m/分と設定して巻き取ることで、厚みが35μmの熱可塑性樹脂シート2を得た。
次に、前記金型1と前記熱可塑性樹脂シート2を130℃で1分加熱し、130℃を維持しながら圧力2MPaで、金型1と熱可塑性樹脂シート2とを30秒間圧着した。続いて70℃まで冷却後、金型を離型することにより、熱可塑性樹脂シート2面に前記金型1の形状を反転したパターンを有する光学シート2を得た。光学シート2の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また、光学シート2の吸水率は0.01%であった。
続いて、この光学シート2を温度85℃湿度85%のオーブンに入れ、240時間経過後に取り出した(光学シート2’)。光学シート2’は、温度85℃湿度85%で240時間経過後、カールおよびたわみともに発生していなかった。
また、前記光学シート2と光学シート2’を、評価用のバックライトに組み込んで、輝度を評価した。輝度特性評価結果を表1に示す。耐熱、耐湿熱試験後も、バックライトの輝度を保持していることを確認でき、耐熱性、耐湿熱性に優れていることがわかった。
参考例3)
熱可塑性樹脂1を100℃で6時間乾燥した後に押出機に投入し、270℃に加熱して溶融させ、Tダイから100℃に保たれた金属ドラムにシート状に押出した。金属ドラムの速度を25m/分と設定して巻き取ることで、厚みが35μmの熱可塑性樹脂シート3を得た。
次に、前記金型1と前記熱可塑性樹脂シート3を155℃で1分加熱し、155℃を維持しながら圧力2MPaで、金型1と熱可塑性樹脂シート1とを30秒間圧着した。続いて70℃まで冷却後、金型を離型することにより、熱可塑性樹脂シート3面に金型1の形状を反転したパターンを有する光学シート3を得た。光学シート3の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また、光学シート3の吸水率は0.01%であった。
続いて、この光学シート3を温度85℃湿度85%のオーブンに入れ、240時間経過後に取り出した(光学シート3’)。光学シート3’は、温度85℃湿度85%で240時間経過後、カールおよびたわみともに発生していなかった。
また、前記光学シート3と光学シート3’を、評価用のバックライトに組み込んで、輝度を評価した。輝度特性評価結果を表1に示す。耐熱、耐湿熱試験後も、バックライトの輝度を保持していることを確認でき、耐熱性、耐湿熱性に優れていることがわかった。
参考例4〜5)
参考例1において、前記金型1の代わりに、金型2(参考例4)、金型3(参考例5)を用いる以外は、参考例1と同様にして熱可塑性樹脂シートを得、該金型を用いて同様に光学シートを作製し、評価を実施した。評価結果を表1に示す。
(金型2)
面内パターン :ストライプ状(図1(a))
個々の形状 :直角二等辺三角形(高さ2.5μm)
隣接パターン間のピッチ :5μm
サイズ :100mm×100mm(パターン領域)
(金型3)
面内パターン :ストライプ状(図1(a))
個々の形状 :直角二等辺三角形(高さ5μm)
隣接パターン間のピッチ :10μm
サイズ :100mm×100mm(パターン領域)。
参考例6〜7)
参考例1において、熱可塑性樹脂シートの厚みを15μm(参考例6)、55μm(参考例7)となるように設定する以外は、参考例1と同様にして熱可塑性樹脂シートを得、光学シートを作製して評価を実施した。評価結果を表1に示す。
参考例8)
熱可塑性樹脂1と熱可塑性樹脂2を重量で60:40にブレンドしたものに、さらに熱可塑性樹脂3を重量で50:50にブレンドした樹脂を用いた事以外は参考例1と同様にして熱可塑性樹脂シートを得、光学シートを作製して評価を実施した。評価結果を表1に示す。
該シートは破断伸度が30%と高く、ハンドリング性に優れていた。
(実施例9)
熱可塑性樹脂1と熱可塑性樹脂2を重量で60:40にブレンドし、100℃で6時間乾燥した樹脂と、熱可塑性樹脂3とを、それぞれ別の押出機内260℃で溶融させ、溶融3層共押出口金から、ブレンド樹脂/熱可塑性樹脂3/ブレンド樹脂の3層積層構成(7.5μm/25μm/7.5μm 全膜厚40μm)にて押し出したこと以外は参考例1と同様にして熱可塑性樹脂シートを得、光学シートを作製して評価を実施した。評価結果を表1に示す。
該シートは破断伸度が40%と高く、ハンドリング性に優れていた。
(実施例10)
実施例9において積層構成を熱可塑性樹脂3/ブレンド樹脂/熱可塑性樹脂3とすること以外は実施例9と同様にして熱可塑性樹脂シートを得、光学シートを作製して評価を実施した。評価結果を表1に示す。
該シートは破断伸度が35%と高く、ハンドリング性に優れていた。
(比較例1)
熱可塑性樹脂2を60℃で6時間乾燥した後に押出機に投入し、230℃に加熱して溶融させ、Tダイから50℃に保たれた金属ドラムにシート状に押出した。金属ドラムの速度を25m/分と設定して巻き取ることで、厚みが35μmの熱可塑性樹脂シート10を得た。また、光学シート10の吸水率は0.01%であった。
次に、前記金型1と前記熱可塑性樹脂シート10を110℃で1分加熱し、110℃を維持しながら圧力2MPaで、金型1と熱可塑性樹脂シート10とを30秒間圧着した。続いて50℃まで冷却後、金型を離型することにより、熱可塑性樹脂シート1面に下記金型1の形状を反転したパターンを有する光学シート10を得た。光学シート10の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。
続いて、この光学シート10を温度85℃湿度85%のオーブンに入れ、240時間経過後に取り出した(光学シート10’)。光学シート10’は、温度85℃湿度85%で240時間経過後、カールは無かったがたわみが発生していた。
また、前記光学シート10と光学シート10’を、評価用のバックライトに組み込んで、輝度を評価した。輝度特性評価結果を表1に示す。耐熱、耐湿熱試験後に、バックライトの輝度が低下していることがわかった。
(比較例2)
熱可塑性樹脂4を60℃で6時間乾燥した後に押出機に投入し、260℃に加熱して溶融させ、Tダイから50℃に保たれた金属ドラムにシート状に押出した。金属ドラムの速度を25m/分と設定して巻き取ることで、厚みが35μmの熱可塑性樹脂シート20を得た。また、光学シート20の吸水率は0.01%であった。
次に、前記金型1と前記熱可塑性樹脂シート20を200℃で1分加熱し、200℃を維持しながら圧力2MPaで、金型1と熱可塑性樹脂シート20とを30秒間圧着した。続いて100℃まで冷却後、金型を離型することにより、熱可塑性樹脂シート20面に下記金型1の形状を反転したパターンを有する光学シート20を得た。光学シート20の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は35μmであった。
この光学シート20の断面をSEM観察したところ、賦形したプリズム形状の頂部が丸まり、高さが低くなっていることが確認された。
続いて、この光学シート20を温度85℃湿度85%のオーブンに入れ、240時間経過後に取り出した(光学シート20’)。光学シート20’は、温度85℃湿度85%で240時間経過後、カールおよびたわみともに発生しなかった。
また、前記光学シート20と光学シート20’を、評価用のバックライトに組み込んで、輝度を評価した。輝度特性評価結果を表1に示す。耐熱、耐湿熱試験後に、バックライトの輝度の低下はみられなかったが、試験前の輝度が低下していることがわかった。
(比較例3)
厚み35μmのポリメチルメタクリレート(以下PMMA。Tg110℃)のシートを用いる以外は、参考例1と同様にして金型1を用いて光学シート30を得た。光学シート30の吸水率は0.3%であった。光学シート30の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。
続いて、この光学シート30を温度85℃湿度85%のオーブンに入れ、240時間経過後に取り出した(光学シート30’)。光学シート30’は、温度85℃湿度85%で240時間経過後、たわみが発生した。
(比較例4)
厚み35μmのポリカーボネート(以下PC。Tg150℃)のシートを用いる以外は、参考例1と同様にして金型1を用いて光学シート40を得た。光学シート40の吸水率は0.24%であった。光学シート40の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は35mであった。
続いて、この光学シート40を温度85℃湿度85%のオーブンに入れ、240時間経過後に取り出した(光学シート40’)。光学シート40’は、温度85℃湿度85%で240時間経過後、たわみが発生した。
また、前記光学シート40と光学シート40’を、評価用のバックライトに組み込んで、輝度を評価した。輝度特性評価結果を表1に示す。耐熱、耐湿熱試験後に、バックライトの輝度の低下はみられなかったが、試験前の輝度が低下していることがわかった。
(比較例5)
前記金型1の凹凸面に下記塗剤1を充填し、その上に厚み30μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)をのせ、該PETフィルム側から超高圧水銀灯で1J/m照射して塗剤を硬化させ、金型を離型することで光学シート50を得た。光学シート50の吸水率は1.2%であった。また光学シート50の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。
(塗剤1)
KAYARAD R−551(日本化薬(株)製) 60質量部
KAYARAD R−128H(日本化薬(株)製) 40質量部
ダロキュア1173(チバ・ジャパン(株)製) 4質量部。
続いて、この光学シート50を温度85℃湿度85%のオーブンに入れ、240時間経過後に取り出した(光学シート50’)。光学シート50’は、温度85℃湿度85%で240時間経過後、顕著にカールが発生した(賦形面側にカール)。
また、前記光学シート50と光学シート50’を、評価用のバックライトに組み込んで、輝度評価を試みたが、カールしているために端部が浮き上がり評価できなかった。
Figure 0005206358
本発明の光学シートは液晶表示装置用部材など各種分野に適用可能である。
本発明の光学シートを模式的に示すものである。 本発明の光学シートの断面を模式的に示すものである。 本発明の光学シートの凹凸形状を賦形する方法を例示したものである。
符号の説明
1:本発明の光学シート
2:熱可塑性樹脂シート
3:金型

Claims (6)

  1. 両側表面と支持体となるシートが異なる熱可塑性樹脂で構成され、かつ両側表面が同一の熱可塑性樹脂で構成された三層積層構造であり、少なくとも片側表面に凹凸形状が賦形された光学シートであって、該光学シートの全膜厚が20〜60μmで、かつ、該光学シートの吸水率が0〜0.1%を満たすものであり、かつ、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が100℃〜130℃である光学シート。
  2. 前記熱可塑性樹脂の動的粘弾性測定における動的貯蔵弾性率が、下記式を満たす請求項1に記載の光学シート。
    0.2 ≦ log10(E’2/E’3)/log10(E’1/E’3) < 1
    (ここで、Tg:熱可塑性樹脂のガラス転移温度、E’1:熱可塑性樹脂のTgにおける動的貯蔵弾性率、E’2:Tg+10℃における動的貯蔵弾性率、E’3:Tg+20℃における動的貯蔵弾性率、を表す)
  3. 前記熱可塑性樹脂が、環状ポリオレフィン系樹脂である請求項1または2に記載の光学シート。
  4. 破断伸度が30%以上である請求項1〜のいずれかに記載の光学シート。
  5. 前記凹凸形状が、断面形状が三角形をなす三角柱状のプリズムを略平行に複数形成してなるプリズムシート状のものである請求項1〜のいずれかに記載の光学シート。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の光学シートを用いて構成されているバックライトユニット。
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