JP5206230B2 - 不正開封防止機能付き組箱 - Google Patents

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Description

この発明は、底部から商品の不正開封を防止する機能を有した組箱(この明細書では、不正開封防止機能付き組箱という)に関するものである。
不正開封防止機能付き組箱については、例えば特許文献1に示すようなものがある。この組箱では組箱の上蓋を開封して、内部の商品を不正に抜き取られるのを防止するような工夫がなされている。
しかしながら、上記の如く上蓋を開封して商品を抜き取る方法では、商品抜き取り後に立てた状態で戻すと一目で不正に商品が抜き取られていることが判るため、近年では外部から判りにくい底部からの抜き取りが多くなっている。
なお、上記組箱では、底部において一対の接合点相互が噛み合っていると共に適所に糊付けされているが、外部に露出している小片を底フラップから引き離して更に強く引っ張ると、簡単に底部が不正開封されてしまうという問題が発生していた(特許文献1の図2参照)。
上記の如く底部で不正開封された状態では、商品の抜き取り後、組箱を立てた状態にもどされると、抜き取りの事実を知ることが困難であり、商品が抜き取られた事実を見つけることが遅れてしまう。
実用新案登録第3102811号
そこで、この発明では、底部からの荷抜きに対する不正開封の防止・抑止に多大な効果が得られる不正開封防止機能付き組箱を提供することを課題とする。
この発明の不正開封防止機能付き組箱は、上面視方形状の組箱であって、各側壁片の下縁に設けられた底フラップを90度折り畳んだとき、接合点で互いの小片が相手側の下に入るように交差結合して成り、隣合う一方の底フラップの糊代が他の底フラップの小片の糊代に重なって接着されると共に、前記とは別の隣合う一方の底フラップの糊代が他の底フラップの小片の糊代に重なって接着され、前記小片を有さない底フラップの先端部に延長部を設けてあり、組箱の展開図において、延長部の先端位置までの長さを、底フラップの先端位置までの長さと一致又は略一致させてあり、延長部の先端部分は、円弧状に形成されており、先端の円弧状部から離れた位置に凹部を設けてあり、前記両方の凹部相互の引っ掛かりにより、二番目の交差結合がなし得るようにしてあり、前記組箱の上面視形状は正方形である。
この発明は上記のような構成であり、次の効果を有する。
この不正開封防止機能付き組箱によると、底部からの荷抜きに対する不正開封の防止・抑止に多大な効果が得られる。
以下、この発明の不正開封防止機能付き組箱を実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの不正開封防止機能付き組箱の主として上部側から見た斜視図、図2は前記組箱を主として底面側から見た斜視図、図3は前記組箱の展開図を、示している。
(この実施例の不正開封防止機能付き組箱の基本的構成について)
この不正開封防止機能付き組箱の上部に位置する商品取り出し部は以下のように構成されている。
この組箱は、図1や図3に示すように、上部側を正規の商品取り出し部としてあり、図3に示すように、側壁片1、2、3、4及び糊代片5から成る平面視正方形の筒体であり、両サイドに設けた蓋フラップ11、31を内側へ折り畳んだ状態で差込板42を有した上蓋41により上端開放部を塞ぐようにしている。なお、側壁片2の上端にジグザグ部23を設けてある。
ここで、組箱の正面となる開封部を上記の如くジグザグ部23の形状としているのは、これに貼られる図示しない封緘シールを破り難くすると共に不正開封された痕跡を残りやすくするためである。また、糊代片5(接着部)の上部を伸ばして(伸ばした部分を符号58で示す)蓋フラップ11の内面側に貼りつける形状とすることにより、ナイフなどによる糊代片5の切り離しが防止されるようにしている。
他方、この不正開封防止機能付き組箱の下部側は以下のように構成されている。
この組箱の下部側は、底フラップ24,44は、各側壁片1、2、3、4を90度折り畳んだとき、接合点26、46で互いの小片25、45が相手側の下に入るように交差結合して成り、また底フラップ14の糊代17は小片25の糊代27に重なると共に、底フラップ34の糊代37は小片45の糊代47に重なって接着されるようにしてある。ここで、この不正開封防止機能付き組箱には、図3、図5、図6に示すように、本件の最大の特徴部分である底フラップ14の先端部に延長部15が設けられており、また底フラップ34の先端部に延長部35が設けられている。前記延長部15は、図3に示すように、その先端部15が円弧状に形成されていると共に先端の円弧状部から離れた位置に凹部15aを設けてあり、前記両方の凹部15a、15a相互の引っ掛かりにより、二番目の交差結合がなし得るようにしてある。
(不正開封防止機能付き組箱の展開図の説明)
図3は、不正開封防止機能付き組箱の展開図を示しているが、この展開図は内面側を示している。
この不正開封防止機能付き組箱は、図3に示すように、上下方向中央部に側壁片1、2、3、4と、前記側壁片4と隣合う糊代片5を設けてあり、これらはそれぞれ折り畳み線(符号a,b,c,d)を介して接続してある。
上記側壁片1には、図3に示すように、上部側には蓋フラップ11を、下部側には底フラップ14をそれぞれ設けてあり、これらはそれぞれ折り畳み線(符号10、12)を介して接続してある。
上記側壁片2には、図3に示すように、その上辺部に上記したジグザグ部23を具えていると共に、下部側には底フラップ24を、折り畳み線(符号22)を介して接続してある
上記側壁板3には、図3に示すように、その上部側に蓋フラップ31を、下部側には底フラップ34をそれぞれ設けてあり、これらはそれぞれ折り畳み線(符号30、32)を介して接続してある。
上記側壁板4には、図3に示すように、その上部側に上蓋41及び差込板42を、下部側には底フラップ44を、さらに横側には糊代辺5を、それぞれ折り畳み線(符号40、42、d)を介して接続してある。
また、図3に示すように、上記側壁辺1に内面側に上下方向に伸びる糊代19を設けてあり、さらに糊代片5の外側面に上下方向に伸びる糊代59を設けてある。
次に、底フラップ14、24、34、44について具体的に説明する。
図3に示すように、上記底フラップ14、24、34、44はその先端部の長さを略一致させてあり、また底フラップ14、34は同一形状に、底フラップ24、44は同一形に形成してある。
底フラップ14、34は、図3に示すように、その先端部にそれぞれ円弧状の延長部15、35を設けてあり、また前記延長部15、35を除いた位置であって表面側に縦方向に伸びる糊代17、37を設けてある。
底フラップ24、44には、図3に示すように、折り畳み線29、49を介して小片25,45を有しており、また前記小片25,45には横方向に伸びる糊代27,47を設けてある。なお、前記底フラップ24、44と小片25,45とによりそれぞれ接合点26,46(ロック部)が形成されている。
(上記組箱の下部側部の組立方法について)
(1)図4(a)に示すように、組箱を構成する紙片を展開した状態とする(上面は内側の面である)。
(2)図4(b)に示すように、全ての底フラップ15、24、34、44を折り畳み線12、22、32、42のところで畳み込む。
(3)図4(c)に示すように、小片25、45を折り畳み線29、49で折り畳む。この状態では、糊代17、27、37、47が全て前面を向いている。
(4)図4(d)に示すように、糊代59の部分を側壁片1の下方に挿入させて、上部から全体を押圧する。すると、糊代19、59相互が貼着状態になると共に、糊代17、27相互、及び糊代37、47相互がそれぞれ貼着状態になる。
(5)上記図4(d)の折り畳まれた状態からその状態を解いていく(開いていく)と、底部は図5に示す状態に組みあがる。この状態においては、接合点26、46相互は交差結合しており、延長部15は底フラップ24上に、延長部35は底フラップ44上に位置している。この種の組箱では、図5や図6に示すように、底フラップ24の先端上に底フラップ14の延長部15が大きく重なり、底フラップ44先端上に底フラップ34の延長部35が大きく重なっている。
(不正開封防止機能付き組箱の優れた効果について)
上記した如く従来の上記不正開封防止機能付き組箱では、底部において一対の接合点相互が噛み合っていると共に適所に糊付けされているが、外部に露出している小片を底フラップから引き離して更に強く引っ張ると、簡単に底部が不正開封されてしまうという問題が発生していた。
これに対して、この実施例の不正開封防止機能付き組箱では、外部に露出している小片25、45を底フラップ24、44から引き離して、小片25、45を強く引っ張った場合でも、図6に示すように前記両方の凹部15a、15a相互の引っ掛かりにより、強固な交差結合が生じることになる。(接合点26、46相互が噛み合い以外の二つ目のロック)。
よって、簡単に底部が不正開封されるという事態は生じない。
なお、たとえ延長部15、35相互が完全に当接しない場合であっても十分にロックがかかることが明らかになっている。
(延長部15、35の大きさ等について)
延長部15、35はできるだけ幅が広く、長さも長い方がよいが、特に長さについては大きすぎると、(上記組箱の下部側部の組立方法)による円滑な組立ができなくなることを考慮すべきである。接合点26、46の位置(正方形の中心位置)から正方形の組箱の四分の一程度前記接合点26、46から突出していることが好ましい。
なお、図7は最も理想的な底フラップ14、24、34、44の寸法を示しているが、適正な基準となるのは側壁片1の幅寸法Dである。この幅寸法Dを基準としてD×αを計算し、図3の如き展開図を製作すれば、組立円滑で且つ交差結合(ロック)が十分なものにできる。
この発明の実施例の不正開封防止機能付き組箱の主として上部側から見た斜視図。 前記組箱を主として底面側から見た斜視図。 前記組箱の展開図。 前記組箱の下部側部の組立方法を示した工程図。 前記組箱の下部側部の組立てた直後の平面図。 両方の凹部相互の引っ掛かりにより、強固な交差結合が生じた状態を示す平面図。 理想的な底フラップの寸法を製作するための基準となる式を示す図。
符号の説明
1〜4 側壁片
5 糊代片
11、31 蓋フラップ
41 上蓋
42 差込板
14、24、34、44 底フラップ
15、35 延長部
25、45 小片
26、46 接合点
17、27、37、47 糊代

Claims (1)

  1. 上面視方形状の組箱であって、各側壁片の下縁に設けられた底フラップを90度折り畳んだとき、接合点で互いの小片が相手側の下に入るように交差結合して成り、隣合う一方の底フラップの糊代が他の底フラップの小片の糊代に重なって接着されると共に、前記とは別の隣合う一方の底フラップの糊代が他の底フラップの小片の糊代に重なって接着され、前記小片を有さない底フラップの先端部に延長部を設けた不正開封防止機能付き組箱であって、組箱の展開図において、延長部の先端位置までの長さを、底フラップの先端位置までの長さと一致又は略一致させてあり、延長部の先端部分は、円弧状に形成されており、先端の円弧状部から離れた位置に凹部を設けてあり、前記両方の凹部相互の引っ掛かりにより、二番目の交差結合がなし得るようにしてあり、前記組箱の上面視形状は正方形であることを特徴とする不正開封防止機能付き組箱。
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