以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の包装用箱10は、紙製のシートを打ち抜いて形成された箱体形成片12を組み立てて設けられている。図2は、箱体形成片12を表面から見た展開図であり、箱体形成片12は、筒体に組み立てられる側壁である正面14と、側面16、背面18、側面20が、互いに平行に連接して形成されている。正面14、側面16、背面18、側面20はほぼ同じ矩形であり、さらに正面14の側縁部には、包装用箱10の組立状態で側面20の表面に糊付けされ側壁である糊付側面22が設けられ、糊付側面22も正面14、側面16、背面18、側面20とほぼ同じ矩形である。糊付側面22、正面14、側面16、背面18、側面20は、各々折罫線24,26,28,30で区切られて設けられている。
正面14において、糊付側面22と側面16の連接方向に対して直角な方向の一端部には、矩形の上蓋片32が折罫線34で区切られて設けられている。上蓋片32の、折罫線34とは反対側の端部には、差込片36が折罫線38で区切られて設けられている。上蓋片32の、折罫線34に対して略直角に位置する一対の側縁部には、折罫線24の延長線上に位置する一方には折罫線38に近い位置に矩形のくぼみ32aが形成され、他方の折罫線26の延長線上に位置する一方には、折罫線38に近い位置に円弧形のくぼみ32bが形成されている。くぼみ32a,32bは、上蓋片32の中央側に、箱体形成片12厚み分以上の深さでくぼんで形成されている。
正面14の、折罫線34とは反対側の端部には、第一底蓋片40が折罫線42で区切られて設けられている。第一底蓋片40は、折罫線42を下底とする台形状に形成され、折罫線42に対して平行な上底である端部40aは、折罫線26よりも折罫線24の近くに位置し、変形した台形となる。折罫線42から端部40aまでの長さは、包装用箱10の組立状態で底部の中心線を超えて対向する背面18に近い位置に達する長さである。折罫線42の端部から端部40aの端部を連結する一対の斜辺の、折罫線26側に位置する斜辺には、折罫線42に近い位置に、略三角形状の底部糊付片44が折罫線46で区切られて設けられている。底部糊付片44の折罫線42とは反対側の側縁部と第一底蓋片40の斜辺が交差する位置は、包装用箱10の組立状態で底部の中心に位置するものである。
側面16の、正面14の折罫線34に連接する端部には、台形状のフラップ48が折罫線50で区切られて設けられている。フラップ48の、折罫線50から、折罫線50とは反対側の端部48aまでの長さは、包装用箱10の組立状態で、上方の開口部の中心線を超えて対向する側面20に近い位置に達する長さに設けられている。フラップ48の、折罫線50に交差し上蓋片32に近い一方の側縁部は、折罫線50に対してほぼ直角であり、上蓋片32の側縁部に沿っている。他方の側縁部は、折罫線50から離れるに従って折罫線28の延長線から離れる傾斜した直線で形成され、折罫線50と交差する位置には小さい突起が形成されている。折罫線50には、折罫線28に近い位置に切断線52が形成されている。切断線52は、スリット等の細長い切断部から成り、折罫線50に沿う直線部52aで設けられ、直線部52aの両端には側面16側へ折れ曲がるような短い傾斜線部52bが各々設けられている。側面16の、折罫線50とは反対側の端部には、三角形状の底フラップ54が折罫線56で区切られて設けられている。
背面18の、上方の端部は、折罫線50よりも上方に移動して罫線50に対して平行に位置し、背面18は側面16よりも縦方向に長い矩形である。背面18の、折罫線50よりも上方に突出する部分は、包装用箱10の組立状態で箱体から上方に突出する看板部19となり、表面には収容物についての情報が印刷された印刷部59が設けられている。背面18の上方のこの端部には、矩形の表示片58が折罫線60で区切られて設けられている。表示片58は、折罫線60で二つ折りして背面18の裏面に重ねられるものであり、表示片58の、折罫線60から、折罫線60とは反対側の端部58aまでの長さは、背面18に折り重ねた時に、端部58aが側面16の折罫線50の延長線よりも少し下方に達する長さである。表示片58の表面にも、収容物についての情報が印刷された印刷部59が設けられている。
背面18の、折罫線60とは反対側の端部には、第二底蓋片62が折罫線64で区切られて設けられている。第二底蓋片62は、折罫線64を下底とする台形状に形成され、折罫線64に対して平行な上底である端部62aは、折罫線30よりも折罫線28の近くに位置し、変形した台形となる。折罫線64から端部62aまでの長さは、包装用箱10の組立状態で底部の中心線を超えて対向する正面14に近い位置に達する長さである。折罫線64の端部から端部62aの端部を連結する一対の斜辺の、折罫線30側に位置する斜辺には、折罫線64に近い位置に、略三角形状の底部糊付片66が折罫線68で区切られて設けられている。底部糊付片66の折罫線64とは反対側の側縁部と第二底蓋片62の斜辺が交差する位置は、包装用箱10の組立状態で底部の中心に位置するものである。
側面20の、上方の端部は、側面16の折罫線50の延長線上に位置し、この端部には、台形状のフラップ70が折罫線72で区切られて設けられている。フラップ70の、折罫線72から、折罫線72とは反対側の端部70aまでの長さは、包装用箱10の組立状態で、上方の開口部の中心線を超えて対向する側面16に近い位置に達する長さに設けられている。フラップ70の、折罫線72に交差し背面18に近い一方の側縁部は、折罫線72から離れるに従って折罫線30の延長線から離れる傾斜した直線で形成され、折罫線72と交差する位置には小さい突起が形成されている。側面20の、折罫線30とは反対側の側縁部20aに近い他方の側縁部は、側縁部20aに対してほぼ直角な直線である。側面20の、折罫線72とは反対側の端部には、三角形状の底フラップ74が折罫線76で区切られて設けられている。
糊付側面22において、正面14の折罫線34に隣接する端部22aには、長細い帯体のロック用フラップであるロック片78が切取用の破断線80で区切られて設けられている。ロック片78は、端部22aに対して平行な方向の幅は端部22aの約半分であり、端部22aに対して直角な方向の長さは上蓋片32とほぼ同じ長さである。ロック片78は、糊付側面22の、折罫線24とは反対側の側縁部22bと連続し側縁部22bの延長方向に延出して設けられている。ロック片78の、側縁部22bに連続する側縁部78aは、側縁部22bに対して平行な直線であり、側縁部78aとは反対側の側縁部78bは、ロック片78の内側にくぼむ円弧で形成されている。ロック片78の、破断線80とは反対側の端部78cは破断線80に対して平行な直線であり、端部78cの中心には、矢印形の突片である係止片82が折罫線84で区切られて設けられている。係止片82の、端部78cに対して平行な方向に両側に張り出す部分は、後述する切断線52に差し込まれて係止される突起部82aとなる。
次に、この実施形態の包装用箱10の組立方法について説明する。なお、ここでは図2が包装用箱10の箱体形成片12の表面を見たものであり、箱体形成片12の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
まず、折罫線42,56,64,76で、第一底蓋片40、底フラップ54、第二底蓋片62、底フラップ74を正折りし、次に第一底蓋片40の折罫線46と、第二底蓋片62の折罫線68を逆折りし、底部糊付片44,66の裏面に、それぞれ糊88を塗布する。次に、糊付側面22の裏面に糊90を塗布し、折罫線30を正折りし、次に折罫線26を正折りする。これにより、側面20の表面に糊付側面22が糊90で糊付けされ、第一底蓋片40の底部糊付片44の裏面は、糊88により底フラップ54の表面に糊付けされ、第二底蓋片62の底部糊付片66の裏面は、糊88により底フラップ74の表面に糊付けされる。これにより、箱体形成片12は折り畳み状態となり、この状態で出荷される。
次に、収容物を収容し包装する工場等において、折罫線24,26,28,30を各々90°に正折りして四角形の箱体にする。この時、第一底蓋片40の底部糊付片44は底フラップ54に、第二底蓋片62の底部糊付片66は底フラップ74に糊付けされているため、二つ折りされていた折罫線42,56,64,76は自動的に引き起こされてほぼ90°に開き、ワンタッチで底部が形成される。そして、第一底蓋片40の端部40aは底フラップ74の裏面に重なり、第二底蓋片62の端部62aは底フラップ54の裏面に重なり、互に係止される。これにより底部が確実に係止され箱体の底部の形状を保ち、折り畳み状態にもどることを防ぎ、図1(a)に示す状態となる。
次に、折罫線60で表示片58を正折りして看板部19と背面18の裏面に折り重ね、図1(b)に示すように、商品についての情報を印刷した印刷部59が正面14側から見て視認な状態となる。背面18の上方に突出した部分である看板部19にも印刷部59が設けられ、背面18の方から見ても視認される。
この後、包装用箱10の中に図示しない収容物を入れ、折罫線50,72でフラップ48,70を90°に正折りし、この時フラップ48,70の端部48a,70a同士は互いに重なる。そして、折罫線34で上蓋片32を90°に正折りし、さらに折罫線38で差込片36を90°に正折りし、背面18に折り重ねられた表示片58に沿って差し込み、閉鎖して図1(c)に示す状態とする。次に、破断線80でロック片78を90°に正折りし、折罫線84で係止片82を90°に正折りし、係止片82を側面16の端部に設けられた切断線52に差し込む。これにより、係止片82の矢印形に張り出した左右の突起部82aが、切断線52の両端の傾斜線部52bの裏面に係止され、引抜が不可能となる。さらに、ロック片78が上蓋片32の外側の表面であって開封を行う端部側である折罫線38側に渡され、上蓋片32が開封されないようにロックが施された図1(d)に示す状態となり、包装が完了する。
包装用箱10を店頭で陳列する時は、正面14が消費者の近くに位置し、背面18は遠い方に位置する向きに陳列する。背面18の裏面に折り重ねられた表示片58の印刷部59が、消費者から視認される。ロック片78は、消費者から遠い方に位置する。
包装用箱10を開封する時は、破断線80を切断してロック片78を外す。そして上蓋片32を開き、フラップ48,70を開いて収容物を取り出す。ロック片78を開く時は、係止片82の突起部82aが切断線52の傾斜線部52bの裏側に位置し、折罫線50に当接しているため引き抜くことが不可能であり、破断線80を切断しなければならず、開封した痕跡が必ず残る。
この実施形態の包装用箱10によれば、外観が良好であり、高い改ざん防止効果がある。開封する際には、ロック片78の破断線80を切断しなければならず、開封した痕跡が残り、開封したことを容易に判別することができる。箱体の上方に看板部19と表示片58が突出し、看板部19と表示片58には印刷部59が設けられ、消費者に強い印象を与えることができる。店頭で、表示片58が消費者の方を向くように正面14を手前にして陳列した時、ロック片78は上蓋片32の表示片58に近い位置にあり、消費者から遠いため、紙製のシートの厚みの断面が目立つことが無く、外観も良好である。上蓋片32の側縁部には、ロック片78の紙面の厚みを避けるくぼみ32a,32bが形成されているため、ロック片78を重ねやすい。フラップ48,70は、閉鎖した時に端部48a,70aどうしが互いに重なり、更にフラップ48,70の表面に上蓋片32とロック片78が重ねられるため、上方から力が加えられても内側に沈みにくく、強度が高い。
さらに、この実施形態の包装用箱10は、開封した後、差込片36を背面18の裏面に差し込むことで上蓋片32を再封することができ、開封と再封をくり返して使用することができ、便利である。ロック片78は、従来の封緘テープの代替として使用することが可能であり、封緘テープの資材及び作業を減らすことができる。ロック片78の側縁部78bは円弧で形成され、正面14から見た時に外観を損なわない。しかし、円弧以外でも良く、デザインの一部として好ましい形状に変更可能である。
なお、この実施形態の包装用箱10は、開封するためにロック片78を切断する破断線80は、これ以外の位置にあってもよく、複数個設けられてもよく、また他の形状でも良い。例えば、図3に示すように、ロック片78は、端部22aに沿う折罫線92で区切られて設けられ、折罫線92よりもロック片78の端部78cに少し近づいた位置に、ロック片78を切断する破断線94が設けられているものでもよい。破断線94は、端部22aに対して平行に設けられている。
また、図4に示すように、糊付側面22の端部22aに沿う破断線80が設けられ、その他にも、係止片82を端部78cから区切る折罫線84の代わりに、破断線96が設けられているものでもよい。
また、図5に示すように、糊付側面22に、開封用の破断線100が設けられてもよい。破断線100は、折罫線24に対して平行な直線であり、一方の端部は端部22aの、ロック片78の側縁部78bとの交点付近に位置し、他方の端部は端部22aとは反対側の端部22cに達している。糊付側面22の、側縁部22bと端部22cが交差する角部には、面取りするように傾斜した直線の開封用折曲線102が設けられている。糊付側面22の裏面に塗布する糊90は、破断線100と折罫線24の間の部分のみに塗布し、側面20に糊付けする。開封する時は、糊付側面22の、側縁部22bと端部22cが交差する角部を摘まみ、引き上げて破断線100を切断する。角部には開封用折曲線102が設けられているため、摘まみやすい。破断線100を切断すると、糊付側面22が分割され、ロック片78に連続する部分が箱体から切り離され、ロック片78が箱体から外れる。ロック片78を外した後は、容易に上蓋片32を開いて開封することができる。
なお、糊付側面22に破断線100を設ける場合、図6に示すように、側面20に表示スペース104を設けてもよい。糊付側面22には、開封用の破断線100が設けられ、破断線100を切断して開封した後、側面20の露出した部分に表示スペース104が設けられている。正面14、側面16、背面18、側面20、糊付側面22を、上下方向に長い矩形にし、表示スペース104を上下に長く設けている。
なお、この実施形態の包装用箱10は、図7に示すように、表示片58が設けられていないものでもよい。背面18の上部分である看板部19の端部には、何も設けられていない。看板部19の裏面にも印刷部59を設けることで、正面14から見て商品の情報を得ることができる。
また、図8に示すように、表示片58と看板部19が設けられていないものでも良い。背面18は、側面16,側面20の折罫線50,72と連続する位置に端部18aが設けられている。端部18aには、何も設けられていない。組立状態ではシンプルな箱体となり、外観がすっきりとする。
次にこの発明の第二実施形態について図9に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱106の箱体形成片は、互いに連接する糊付側面22、正面14、側面16、背面18、側面20が、第一実施形態の包装用箱10の箱体形成片12の、紙面の左右方向を逆にした並び順になっている。紙面左から、側面20、背面18、側面16、正面14、糊付側面22の順で並んで設けられ、各々折罫線30,28,26,24で区切られている。側面20、背面18、側面16、正面14、糊付側面22の上方の端部には、左からフラップ70、表示片58、フラップ48、上蓋片32、ロック片78が各々連続して設けられている。下方の端部には、左から第一底蓋片40、底フラップ54、第二底蓋片62、底フラップ74が各々連続して設けられている。
この包装用箱106の組立方法は、第一実施形態の包装用箱10とほぼ同様であり、使用方法も同様である。側面20、背面18、側面16、正面14、糊付側面22の連接する順番や底部を形成する蓋片や底フラップの順番は、変更可能である。
この実施形態の包装用箱106においても、上記実施形態と同様の変形例を構成することも可能であり、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
次にこの発明の第三実施形態について図10、図11に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱108は、陳列した時に消費者の近くに位置する正面14の上部分に、箱体の上方に突出する看板部19が設けられ、看板部19の裏面に表示片58が折り重ねられて設けられている。
この実施形態の包装用箱108の箱体形成片は、図11に示すように、互いに連接する糊付側面22、正面14、側面16、背面18、側面20が、紙面左から順に並んで設けられ、各々折罫線24,26,28,30で区切られている。糊付側面22、正面14、側面16、背面18、側面20の上方の端部には、左からロック片78、表示片58、フラップ48、上蓋片32、フラップ70が各々連続して設けられている。下方の端部には、糊付側面22には何も設けられておらず、正面14、側面16、背面18、側面20には、左から第一底蓋片40、底フラップ54、第二底蓋片62、底フラップ74が各々連続して設けられている。
この包装用箱108の組立方法は、第一実施形態の包装用箱10とほぼ同様である。包装用箱108を店頭で陳列する時は、正面14が消費者の近くに位置し、背面18が遠くに位置する向きに陳列する。正面14に連続する看板部19の印刷部59が、消費者から視認される。ロック片78は、看板部19の裏側に位置する。
この実施形態の包装用箱108によれば、看板部19が消費者に近い位置にあり、消費者に強い印象を与えることができる。さらに、ロック片78は看板部19の裏側に位置するため、消費者から見えず、外観がすっきりする。
次に、この発明の第四実施形態について図12に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱110は、底部がワンタッチで組み立てられるものではなく、下フラップ124,130、内側底蓋片116、外側底蓋片126で組み立てられるものである。この実施形態の包装用箱110の箱体形成片は、第二実施形態の包装用箱106と同様に、互に連接する側面20、背面18、側面16、正面14、糊付側面22が、紙面左から順に並んで設けられ、各々折罫線30,28,26,112で区切られている。
側面20の上方の端部には、矩形の上フラップ114が折罫線115で区切られて設けられている。側面20の下方の端部には、何も設けられていない。
背面18の上部分に、箱体の上方に突出する看板部19が設けられ、看板部19の上端部に表示片58が折罫線60で区切られて上方に突出して設けられている。背面18の下方の端部には、底部を形成する矩形の内側底蓋片116が折罫線118で区切られて設けられている。折罫線118の中心には、後述する差込片128が差し込まれて係止される切断線120が設けられている。切断線120は、折罫線118に沿う直線部で設けられ、直線部の両端には背面18側へ折れ曲がるような短い傾斜線部が各々設けられている。
側面16の上方の端部には、矩形の上フラップ122が折罫線123で区切られて設けられ、折罫線123には、背面18に近い位置に、切断線52が形成されている。側面16の下方の端部には、内側底蓋片116よりも少し小さい矩形の下フラップ124が折罫線で区切られて設けられている。
正面14の上方の端部には、上蓋片32と差込片36が各々折罫線34,38で区切られて設けられている。正面14の下方の端部には、内側底蓋片116よりも大きく上蓋片32と同じ大きさの外側底蓋片126が折罫線で区切られて設けられている。外側底蓋片126の端部126aの中心には、矢印形の差込片128が折罫線で区切られて設けられている。
糊付側面22の上方の端部22aには、ロック片78が設けられている。ロック片78は、端部22aの、正面14から遠い位置に設けられている。糊付側面22の下方の端部には、下フラップ124と同じ大きさの下フラップ130が折罫線で区切られて設けられている。
次に、この実施形態の包装用箱110の組立方法について説明する。まず、糊付側面22の裏面に糊90を塗布し、折罫線28を正折りし、次に折罫線112を正折りし、糊付側面22の裏面は側面20の表面に糊付けされ、折り畳み状態となる。次に、収容物を収容し包装する工場等において、折罫線30,28,26,112を各々90°に正折りして四角形の箱体にする。下フラップ124,130を、90°に正折りし、内側底蓋片116を90°に正折りし、さらに外側底蓋片126を内側底蓋片116の外側に重ねるようにして90°に正折りする。そして、外側底蓋片126の差込片128を、背面18の切断線120に差し込む。差込片128の矢印形に張り出した左右の突起部が、切断線120の両端の傾斜線部の裏面に係止され、引抜が不可能となる。外側底蓋片126が開かないようにロックされ、底部が形成される。
次に、折罫線60で表示片58を正折りして看板部19と背面18の裏面に重ねる。包装用箱110の中に図示しない収容物を入れ、上フラップ114,122を90°に正折りし、上蓋片32を90°に正折りし、さらに折罫線38で差込片36を90°に正折りし、背面18に折り重ねられた表示片58に沿って差し込み、閉鎖する。次に、破断線80でロック片78を90°に正折りし、係止片82を側面16の端部に設けられた切断線52に差し込み、引抜が不可能となる。ロック片78が上蓋片32の開封する端部側である折罫線38側に渡され、上蓋片32が開封されないようにロックし、包装が完了する。
この実施形態の包装用箱110によれば、底部の構造がシンプルであり、底部の糊付けが不要で組み立てやすく、なおかつ底部の保形性が高い。底部から開封すると、差込片128が破断され、開封した痕跡が残り、改ざん防止効果がある。
次に、この発明の第五実施形態について図13に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱132は、第四実施形態の包装用箱110と同様に、互に連接する側面20、背面18、側面16、正面14、糊付側面22が、紙面左から順に並んで設けられ、各々折罫線30,28,26,112で区切られている。
側面20の上方の端部には、上フラップ114が折罫線115で区切られて設けられ、この折罫線には折り曲げ易いように破断線が設けられている。側面20の下方の端部には、何も設けられていない。
背面18の上部分に、看板部19が設けられ、看板部19の上端部に表示片58が折罫線60で区切られて設けられている。背面18の下方の端部には、内側底蓋片116が折罫線118で区切られて設けられている。折罫線118の中心には、切断線120が設けられている。
側面16の上方の端部には、上フラップ122が設けられている。側面16の下方の端部には下フラップ124が設けられている。
正面14の上方の端部には、上蓋片32と差込片36が各々折罫線で区切られて設けられ、上蓋片32と差込片36の間の折罫線38の中心には、後述する係止片140が差し込まれて係止される切断線134が設けられている。切断線134は、折罫線38に沿う直線部で設けられ、直線部の両端には差込片36側へ折れ曲がるような短い傾斜線部が各々設けられている。正面14の下方の端部には、外側底蓋片126が設けられ、外側底蓋片126の端部126aの中心には、差込片128が設けられている。
糊付側面22の上方の端部22aには、略直角三角形のロック片136が設けられている。ロック片136は、端部22aの、折罫線112から遠い位置に設けられ、糊付側面22の、折罫線112とは反対側の側縁部22bと交差する角部に隣接する直角の角部を有している。ロック片136は端部22aの長さの半分以上の長さの辺で端部22aに接し、破断線138で区切られている。側縁部22bの延長線上に位置する辺136aは、端部22aに破断線138を介して接する辺とほぼ同じ長さであり、破断線138から遠い位置には、辺136aから略直角に側方へ突出する矢印形の係止片140が折罫線で区切られて設けられている。ロック片136の、直角の角部に接しない辺136bは、僅かに外側へ膨らむ円弧で形成されている。糊付側面22の下方の端部には、下フラップ130が設けられている。
この実施形態の包装用箱132の組立方法について説明する。まず、糊付側面22の裏面に糊90を塗布し、折罫線28を正折りし、次に折罫線112を正折りし、糊付側面22の裏面は側面20の表面に糊付けされ、折り畳み状態となる。次に、折罫線26,28,30,112を各々90°に正折りして四角形の箱体にする。下フラップ124,130を、90°に正折りし、内側底蓋片116を90°に正折りし、さらに外側底蓋片126を内側底蓋片116の外側に重ねるようにして90°に正折りする。そして、外側底蓋片126の差込片128を、背面18の切断線120に差し込む。外側底蓋片126が開かないようにロックされ、底部が形成される。
次に、折罫線60で表示片58を正折りして看板部19と背面18の裏面に重ねる。包装用箱132の中に図示しない収容物を入れ、上フラップ114,122を90°に正折りし、上蓋片32を90°に正折りし、さらに折罫線38で差込片36を90°に正折りし、背面18に折り重ねられた表示片58に沿って差し込み、閉鎖する。次に、破断線138でロック片136を90°に正折りし、係止片140を上蓋片32の端部に設けられた切断線134に差し込み、引抜が不可となる。ロック片136が上蓋片32の開封する端部を含む角部を三角形で覆い、上蓋片32が開封されないようにロックし、包装が完了する。
この実施形態の包装用箱132によれば、ロック片136が上蓋片32の開封する端部を含む角部を広い面積の三角形で覆い、開封する際に、ロック片136の破断線138を切断しなければならず、開封した痕跡が残り、開封したことを容易に判別することができる。また、係止片140は、側面18の裏側に位置する上蓋片32の、切断線134に差し込まれてロックされるため、改ざん防止効果が高い。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上蓋片や底蓋片、各フラップ等の形状や大きさ、数等、適宜変更可能である。収容物は、色々なものに使用することができる。ロック片が設けられる位置は、蓋片を覆って封止可能な位置であれば良く、フラップが位置した側壁や、フラップの一部がロック片に置き換えられたものでも良い。ロック片が蓋片を覆う位置は、蓋片の差込片が設けられた箇所を覆うものであればよい。さらに、ロック片の大きさや形状は上記以外でも良く、確実に上蓋片をロックするものでなおかつ外観を損ねないものであれば良い。ロック片や底蓋片に設けられた差込片と、差込片を差し込んで係止する切断線は、差し込んだ後に引抜不可となる形状であれば適宜変更可能である。各折罫線は、折り曲げやすくするために破断線等で設けてもよい。ロック片を切断する破断線の形状や位置は上記以外でも良く、ジッパー線やミシン線、ハーフカット線等、切断しやすいものであれば良い。箱体形成片の素材は、紙以外に合成樹脂や合成樹脂と紙を積層したもの等、自由に選択可能である。