JP5206136B2 - 車両のホース用クリップ及びそのクリップを用いた車両のホース固定構造 - Google Patents

車両のホース用クリップ及びそのクリップを用いた車両のホース固定構造 Download PDF

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Description

この発明は、車両に設けられた挟持部に挟持されるホースの外周面と上記挟持部の内周面との間に装着可能に構成される車両のホース用クリップ及びそのクリップを用いた車両のホース固定構造に関する。
従来から、自動車内に配設されたホースを、挟持部を備えたクリップで挟持することにより、クリップを介して相手部材に固定する構造が知られている。
この場合、車両走行時等の車体の振動やエンジンの振動等によってホースが変形または変位することを抑制でき、相手部材からホースが外れてしまうことを防止できる。
このような構成をなすものとしては、例えば下記特許文献1に開示された構造が挙げられる。下記特許文献1では、伸縮可能な樹脂製の網状筒体をホースの外周面に装着するとともに、この網状筒体の外周側をクリップにより挟持することで、ホース外周面とクリップの内周面との間に網状筒体を介在させるようにしたものが開示されている。
この場合、ホース外周面とクリップの内周面との間に介在物が存在することで、両者間の隙間を適切に埋めることができる。このため、ホースをクリップによって確実に所定位置に拘束することができ、振動によるホースの外れを抑制することが可能になる。
特開2001−32964号公報
しかしながら、網状筒体のような介在物をホースとクリップの間に介在させたとしても、両者間の隙間の程度や、上記振動の程度が大きい場合には、依然としてホースおよび網状筒体がクリップの挟持部から抜け出してしまう虞があり、ホースがクリップ、つまりは相手部材から外れることを確実に抑制するには不十分であった。
また、上記特許文献1に開示された従来構造の場合、ホースを相手部材に固定する作業では、先ず、ホースの端部から網状筒体を通し、これをホースに沿って所定位置までスライド移動させるという煩雑な作業を行わなければならなかった。
この発明は、ホースが挟持部から抜け出すことを確実に防止するとともに、ホースの固定作業を簡素化することを可能にする車両のホース用クリップ及びそのクリップを用いた車両のホース固定構造を提供することを目的とする。
この発明の車両のホース用クリップは、車両に設けられた挟持部に挟持されるホースの外周面と上記挟持部の内周面との間に装着され伸縮可能に構成される装着部と、上記装着部の両端に径方向に突出するように形成され、端同士を互いに係合可能な一対の係合部と、上記係合部に、上記挟持部に形成される保持受け部に固定可能に構成される保持部と、を有し、上記係合部同士の係合によって装着部が筒状をなすことにより、上記ホースを挟んだ状態で装着部が上記挟持部に押し込まれて挟持されると共に、上記係合部の保持部が保持受け部に固定されるものである。
この構成によれば、クリップが、上記挟持部に形成される保持受け部に固定可能に構成される保持部を有することで、該保持部の固定によりクリップおよびホースを所定位置に強固に固定することができ、車体等の振動に起因してホース(クリップ)が挟持部からの抜け出すことを確実に防止できる。
さらに、係合部の係合により装着部を筒状にし、ホースを装着部の間に挟んだ状態にしてクリップを装着することができるため、クリップをホースの所定位置に容易に位置決めすることができ、ホースに対するクリップ装着作業、つまり、ホースの固定作業を簡素化することができる。
この発明の一実施態様においては、上記装着部の外周面に、上記挟持部によって回転方向への動きが規制される回り止め部を設けたものである。
この構成によれば、クリップが挟持部により挟持されている状態では、回り止め部によりホースの回転方向(捩れ方向)の動きを規制することができ、回転方向の摩擦に起因するホースの耗を確実に抑制できる。
この発明の一実施態様においては、上記挟持部が、上記クリップの外周方向に延設される凸部が備えられた2つの挟持片を有し、上記回り止め部は、上記2つの挟持片の凸部の中心を結ぶ直線に対し対角線上に設けられ、上記挟持片の凸部の左右の側面の片側にのみ保持されるものである。
この構成によれば、回り止め部を、2つの挟持片の凸部の中心を結ぶ直線に対し対角線上に設けることで、クリップの型抜き成形時には、クリップの円筒部分の延び方向に沿って適切に型抜きを行うことができ、これによって成形作業が容易になる。
さらに、上記挟持片の凸部の左右の側面の片側にのみ保持されるように構成されるように回り止め部を設けることで、挟持片が、クリップの外周方向に延設される凸部を備える場合には、必要最小限の回り止め部でホースの回転方向の動きを確実に規制することが可能になる。このため、回り止め部の数の削減により構成の簡素化が図れ、クリップの製造コスト削減を図ることができる。
さらに、2つの挟持片の凸部の左右側方に回り止め部が1つずつ設けられることになるため、ホースの延設方向の振動についてもこれを確実に抑制することができる。
この発明の車両のホース固定構造は、車両に設けられた挟持部での挟持によりホースを固定する車両のホース固定構造であって、上記挟持部に挟持されたホースの外周面と上記挟持部の内周面との間に装着され伸縮可能に構成される装着部を有するホース用クリップを備え、該クリップは、上記装着部の両端に径方向に突出するように形成され、端同士を互いに係合可能な一対の係合部と、該係合部に形成した保持部とを有し、上記挟持部には、上記保持部に対応する保持受け部が形成され、上記クリップは、上記係合部同士の係合によって上記装着部が筒状をなすことにより、上記ホースを挟んだ状態で装着部が上記挟持部に押し込まれて挟持されると共に、上記係合部の保持部が保持受け部に固定されるものである。
この構成によれば、クリップが、上記挟持部に形成される保持受け部に固定可能に構成される保持部を有することで、該保持部の固定によりクリップおよびホースを所定位置に強固に固定することができ、車体等の振動に起因してホース(クリップ)が挟持部からの抜け出すことを確実に防止できる。
さらに、係合部の係合により装着部を筒状にし、ホースを装着部の間に挟んだ状態にしてクリップを装着することができるため、クリップをホースの所定位置に容易に位置決めすることができ、ホースに対するクリップ装着作業、つまり、ホースの固定作業を簡素化することができる。
この発明の一実施態様においては、上記挟持部の内周面と上記クリップの装着部の外周面との間の摩擦係数が、上記ホースの外周面と上記クリップの装着部の内周面との間の摩擦係数よりも小さくなるように、上記挟持部と上記クリップとを構成するものである。
この構成によれば、クリップの装着部の内周面とホースの外周面との関係においては、摩擦係数が大きく設定されることにより、振動発生時においてホースがクリップに対して相対的に変位することを抑制でき、両者の摩擦に起因するホースの摩耗を抑制することができる。
さらに、装着部のクリップの外周面と挟持部の内周面との関係においては、摩擦係数が小さく設定されることにより、ホースおよびクリップを挟持部に嵌め込む際、その嵌め込みを円滑に行うことができ、これによって作業者の負担を軽減することができる。
この発明の一実施態様においては、上記クリップには、上記装着部の外周面に、上記挟持部によって回転方向への動きが規制される回り止め部が設けられるものである。
この構成によれば、クリップが挟持部により挟持されている状態では、回り止め部によりホースの回転方向(捩れ方向)の動きを規制することができ、回転方向の摩擦に起因するホースの耗を確実に抑制できる。
この発明の一実施態様においては、上記挟持部が、上記クリップの外周方向に延設される凸部が備えられた2つの挟持片を有するとともに、上記回り止め部は、上記2つの挟持片の凸部の中心を結ぶ直線に対し対角線上に設けられ、上記挟持片の凸部の左右の側面の片側にのみ保持されるものである。
この構成によれば、上記回り止め部が、上記2つの挟持部の凸部の中心を結ぶ直線に対し対角線上に設けられ、上記挟持片の凸部の左右の側面の片側にのみ保持されるように構成されることで、必要最小限の回り止め部でホースの回転方向の動きを確実に規制することが可能になる。このため、回り止め部の数の削減により構成の簡素化が図れ、クリップの製造コスト削減を図ることができる。
さらに、2つの挟持片の凸部の左右側方に回り止め部が1つずつ設けられることになるため、ホースの延設方向の振動についてもこれを確実に抑制することができる。
この発明の一実施態様においては、上記ホースが、ラジエタホースであり、上記挟持部によってラジエタのシュラウドに沿うように固定されるものである。
この構成によれば、エンジンの振動の影響を受け易いラジエタ接続用のホースをシュラウドに沿うように保持する場合、クリップの使用によるホースの抜け防止の効果がより顕著となる。
この発明によれば、クリップが、上記挟持部に形成される保持受け部に固定可能に構成される保持部を有することで、該保持部の固定によりクリップおよびホースを所定位置に強固に固定することができ、車体等の振動に起因してホース(クリップ)が挟持部からの抜け出すことを確実に防止できる。
さらに、係合部の係合により装着部を筒状にし、ホースを装着部の間に挟んだ状態にしてクリップを装着することができるため、クリップをホースの所定位置に容易に位置決めすることができ、ホースに対するクリップ装着作業、つまり、ホースの固定作業を簡素化することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係るホース固定構造を備えた車両のエンジンルームを示す平面図であり、図2は、図1のラジエタ周辺の構成を拡大して示す斜視図である。なお、図中において矢印(F)は車両前方、矢印(R)は車両後方を示す。
エンジンルームERは、バンパ1の後部に設けられたラジエタ2およびシュラウドパネル(図示せず)で構成された前壁、車体の左右側方に配置されたホイールエプロン(図示せず)で構成された側壁、エンジンルームERと客室とを仕切るダッシュパネル(図示せず)で構成された後壁の以上の四方で囲まれることにより形成された空間である。
ラジエタ2は、エンジン3を冷却するものであり、ラジエタ2の上端部は、その車幅方向両端において、支持部材4とマウントラバー(図示せず)とを介してシュラウドアッパメンバ5に支持されている。さらに、ラジエタ2は、その下端部が、クロスメンバ(図示せず)に接合されたブラケットおよびマウントラバーの孔部に挿入されることにより、上記ブラケットを介して上記クロスメンバに支持されている。
また、車両には、エンジンルームER内において、ラジエタ2の後方に、図2に示すような空調用のアドファン61と、エンジン冷却用の電動ファン62とを備えたファンシュラウド6が設けられている。なお、図1においては、図示の便宜上、アドファン61および電動ファン62の図示を省略しており、これらを図2のみに示している。
ラジエタ2には、図1、図2に示すように、エンジン3へ冷却水を送る往路を構成するラバー製のホース7と、エンジン3からの冷却水が戻る復路を構成するラバー製のホース8と、ラバー製の中間ホース9とが連結されている。このうち、中間ホース9は、エンジン冷却水を気水分離するディガスタンク10をホース7に連結し、このホース7を介してディガスタンク10をラジエタ2に連結している。
ここで、ラジエタ2から導出されたエンジン冷却水は、ホース7を介してエンジン3内に入り、エンジン3内を循環した後ホース8に導出され、該ホース8を介してラジエタ2に戻る。
ところで、本実施形態では、車両走行時等の車体の振動、またはエンジン3の振動等によるホース7に起因してその位置が変化することのないように、ホース7が、後述するクリップ部材11を介してファンシュラウド6の下部の挟持部63に挟持されており、これによってホース7はファンシュラウド6に沿った所定位置に固定されている。
図3は、本発明の実施形態に係るホース固定構造を示す要部拡大斜視図であり、図4、図5は、それぞれ挟持部を車両後方、前方から見た斜視図である。図3〜図5に示すように、挟持部63は、その上下において互いが対向するように2つの挟持片63a、63aを有しており、両挟持片63a、63aの間には、開口部63bが形成されている。
挟持片63aは、ホース7の延設方向(ここでは、車幅方向)中央部からクリップ部材11の外周方向に延設される挟持凸部63a1を備えており、挟持凸部63a1の、ホース7の延設方向(左右)両側方には、挟持凸部63a1よりも相対的に車両前方に退避した側面部63a2が形成されている。
また、開口部63bにおいては、図4、図5に示すように、車両前方側に向かって半円弧状に凹む開口縁部63c、63cが車幅方向両側に形成されており、この開口縁部63c、63cの隙間を通じて、車両前側と連通している。
また、挟持部63には、図5に示すように、ファンシュラウド6の車両前面側において凹部63dが形成されており、開口縁部63cは、挟持部63の他の部位よりも薄肉とされている。
ところで、ホース7の外周面には、該ホース7の形状に合わせて円筒状に形成されたクリップ部材11が装着されており、ホース7は、クリップ部材11が挟持部63に挟持されることによって、ホース7の外周面と挟持部63の内周面との間にクリップ部材11が装着されている。
図6は、クリップ部材を示す三面図であり、(a)側面図、(b)正面図、(c)底面図である。クリップ部材11には、図3および図6に示すように、断面半円弧状に装着部11a、11aが形成されており、クリップ部材11は、この2つの装着部11a、11aによりホース7を挟みながらその外周面を筒状に覆うように装着されている。
そして、装着部11a、11aの外周面には、円筒部分の延び方向両端部において、径方向に突出する回り止め部11b、11bが形成されている。
図3に示すホース7の固定状態では、回り止め部11bが上下2つの挟持凸部63a1の中心を結ぶ直線Xに対し対角線上に設けられており、この回り止め部11bは、挟持凸部63a1の左右の側面部63a2の片側にのみ当接し、これに保持されている。
ところで、クリップ部材11は、図6に示すように、上述した2つの装着部11a、11aがヒンジ部11cにより接続され、これらが一体的に形成されている。そして、クリップ部材11は、例えばナイロン等の樹脂製とされており、これにより全体的に可撓性を有している。それ故に、装着部11a、11aは、ヒンジ部11cの可撓性変形によってこれを中心に回動可能となっており、このヒンジ部11cを中心とした回動によって、端同士を互いに後述する一対の係合部11d、11eで係合させることが可能になっている。
両装着部11a、11aの自由端側には、径方向に突出する係合部11d、11eが形成されており、それぞれ係合凸部11f、被係合凹部11gを有している。これにより、両装着部11a、11aを互いに近接させる方向に回動させ、一方の係合凸部11fを他方の被係合凹部11gに嵌め込んで係合させることにより、図7に示すように、クリップ部材11は筒状をなすようになっている。
また、係合部11d、11eの側面には、爪部11h、11hが一体的に形成されている。
ここで、ホース7をファンシュラウド6の挟持部63において固定させる際には、先ず、図6に示すように係合部11d、11eが互いに離反した状態で、挟持部63の位置に対応するホース7の部位を装着部11a間に配置する。そして、両装着部11aを回動させて係合凸部11fと被係合凹部11gとを係合させ、図7に示すように、ホース7の一部を装着部11aで挟みながら筒状に覆い、クリップ部材11をホース7に装着する。
ここで、クリップ部材11は、上述したように可撓性を有することにより、装着部11aが径方向に伸縮可能とされており、装着部11aおよびホース7を上下方向に収縮させて扁平状に変形させることが可能になっている。クリップ部材11の装着後は、装着部11aおよびホース7を扁平状に変形させたままの状態で、係合部11d、11eがファンシュラウド6側を向くようにし、クリップ部材11を挟持部63の挟持片63aの間に挿入する。
この時、装着部11aの回り止め部11bが挟持片63aの側面部63a2に当接するまでクリップ部材11を押し込むと、クリップ部材11が挟持片63aによって挟持されるとともに、係合部11d、係合部11eの爪部11h、11hが、挟持部63の開口縁部63cと当接し、その先端部同士の互いの距離が狭まる方向に変形させられるようになっている。
そして、さらなるクリップ部材11の押し込みによって爪部11hの先端部が開口縁部63cを乗り越えた時、爪部11hは、図8、図9(図9は、図8におけるA−A線矢視断面図)、および図10(図10は、図9に示すB−B線矢視断面図)に示すように、薄肉に形成された開口縁部63cにて固定されるようになっている。
このように、クリップ部材11を用いてホース7をファンシュラウド6に固定するものにおいて、クリップ部材11が、挟持部63に形成される開口縁部63cに固定可能に構成される爪部11hを有することで、爪部11hの固定によりクリップ部材11およびホース7を所定位置に強固に固定することができ、車体等の振動に起因してホース7(クリップ部材11)が挟持部63(ファンシュラウド6)からの抜け出すことを確実に防止できる。
さらに、係合部11d、11eの係合により装着部11aを筒状にし、ホース7を装着部11aの間に挟んだ状態にしてクリップ部材11を装着することができるため、クリップ部材11をホース7の所定位置に容易に位置決めすることができる。従って、従来の網状筒体のように、ホースの端から通した後、これに沿って所定位置までスライド移動させるといった煩雑な作業が不要となり、ホース7に対するクリップ部材11の装着作業、つまり、ホース7の固定作業を簡素化することができる。
また、本実施形態では、ホース7がラバー製とされる一方、その他クリップ部材11、挟持部63(ファンシュラウド6)が、例えばナイロン、ポリプロピレン(PPともいう)といった素材からなる樹脂製とされ、クリップ部材11の装着部11aの外周面、内周面において、装着部11aの外周面と挟持部63の内周面との間の摩擦係数が、装着部11aの内周面とホース7の外周面との間の摩擦係数よりも小さく設定されている。
この場合、装着部11aの内周面とホース7の外周面との関係においては、摩擦係数が大きく設定されることにより、振動発生時においてホース7がクリップ部材11に対して相対的に変位することを抑制でき、両者の摩擦に起因するホース7の摩耗を抑制することができる。
さらに、装着部11aの外周面と挟持部63の内周面との関係においては、摩擦係数が小さく設定されることにより、ホース7およびクリップ部材11を挟持部63に嵌め込む際、その嵌め込みを円滑に行うことができ、これによって作業者の負担を軽減することができる。
また、クリップ部材11が挟持部63により挟持されている状態では、回り止め部11bが側面部63a2に保持されることにより、ホース7の回転方向(捩れ方向)の動きを規制することができる。このため、回転方向の摩擦に起因するホース7の耗を確実に抑制できる。
ところで、クリップ部材11に関し、その型抜き成形を行う場合には、係合部11d、11e等の成形を考慮すると、型抜きの方向が、図11に示すように円筒部分の延び方向となるが、この場合、直線Xに対し回り止め部11bを対角線上に設けることで、図11(a)にて太矢印で示すように、円筒部分の延び方向に沿った型抜きを適切に行うことができ、成形作業が容易になる。
一方、図11(b)に示す回り止め部11b′のように、回り止め部を筒状部分の同じ角度位置に形成することも考えられるが、この場合、円筒部分の延び方向に沿って型抜きしようとしても、いずれか一方の回り止め部11b′により、型抜きが阻止されることになってしまう。このため、図中の破線で囲んだ領域Y、つまり2つの回り止め部11b′、11b′により挟まれた領域の型抜きはできないことになる。
また、図11(b)に示す構成では、全ての側面部63a2に対応して回り止め部11b′が形成される構成となっているが、ホース7(クリップ部材11)の回転方向の動きを規制するのであれば、図11(a)に示す本実施形態のように、回り止め部11bは、左右の側面部63a2のれかに対応して少なくとも1つ形成されていればよく、図11(b)に示す構成では、回り止め部11b′が必要以上に形成されていることになる。
つまり、本実施形態のように、回り止め部11bを直線Xに対し対角線上に設け、これが挟持凸部63a1の左右の側面部63a2の片側にのみ保持されるように構成することで、必要最小限の回り止め部11bでホース7の回転方向の動きを確実に規制することが可能になり、回り止め部11bの数の削減により構成の簡素化が図れ、クリップ部材11の製造コスト削減を図ることができる。
さらに、この場合、2つの挟持凸部63a1の左右側方に回り止め部11bが1つずつ設けられることになるため、ホース7の延設方向の振動についてもこれを確実に抑制することができる。
また、車両においては、エンジンルームER内が特にエンジン3の振動の影響を受け易い領域であるために、他の部位よりも重点的に振動対策を施すことが求められる。そこで、本実施形態のように、ラジエタ2との接続用にエンジンルームER内に配設されるホース7をファンシュラウド6に沿うように保持するものに対して、本発明のクリップ部材11を使用すれば、ホース7の抜け防止の効果はより顕著なものとなる。
ただし、本発明は、上述のようにラジエタ2の接続用に配設されるホース7の固定構造に対して適用することに必ずしも限定されるものではない。少なくとも車体等の振動の影響を受ける部位であって、ホースを、ファンシュラウド6のような樹脂製の相手部材に固定する構造であれば本発明を適用することができる。
また、上述した実施形態では、クリップ部材11側に保持部としての爪部11h、挟持部63側に保持受け部としての開口縁部63cを形成することとしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、挟持部63に保持受け部としての爪部、クリップ部材11側にこの爪部に対応する保持部を形成してもよい。
また、上述した実施形態では、クリップ部材11の装着部11a同士をヒンジ部11cにより接続する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、2つの装着部を完全に分離可能に構成し、ヒンジ部11cの代わりに第2の係合部対を形成して、2箇所の係合により両者を連結させるようにしてもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の一対の係合部は、係合部11d、11eに対応し、
以下同様に、
保持受け部は、開口縁部63cに対応し、
保持部は、爪部11hに対応し、
凸部は、挟持凸部63a1に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
この発明の実施形態に係るホース固定構造を備えた車両のエンジンルームを示す平面図。 図1のラジエタ周辺の構成を拡大して示す斜視図。 本発明の実施形態に係るホース固定構造を示す要部拡大斜視図。 挟持部を車両後方から見た斜視図。 挟持部を車両前方から見た斜視図。 クリップ部材を示す三面図であり、(a)側面図、(b)正面図、(c)底面図。 クリップ部材の装着部の端同士を係合した状態を示す斜視図。 クリップ部材の爪部を挟持部の開口縁部に固定した状態を示す斜視図。 図8におけるA−A線矢視断面図。 図9におけるB−B線矢視断面図。 クリップ部材の片抜き成形を説明するための説明図であり、(a)本発明実施形態に係るクリップ部材の場合を示す図、(b)回り止め部が円筒部分の同じ角度位置に配置されたクリップ部材の場合を示す図。
2…ラジエタ
6…ファンシュラウド
7、8…ホース
11…クリップ部材
11a…装着部
11b…回り止め部
11d、11e…係合部
11h…爪部(保持部)
63…挟持部
63a…挟持片
63a1…挟持凸部(凸部)
63c…開口縁部(保持受け部)

Claims (8)

  1. 車両に設けられた挟持部に挟持されるホースの外周面と上記挟持部の内周面との間に装着され伸縮可能に構成される装着部と、
    上記装着部の両端に径方向に突出するように形成され、端同士を互いに係合可能な一対の係合部と、
    上記係合部に、上記挟持部に形成される保持受け部に固定可能に構成される保持部と、を有し、
    上記係合部同士の係合によって装着部が筒状をなすことにより、上記ホースを挟んだ状態で装着部が上記挟持部に押し込まれて挟持されると共に、上記係合部の保持部が保持受け部に固定される
    車両のホース用クリップ。
  2. 上記装着部の外周面に、上記挟持部によって回転方向への動きが規制される回り止め部を設けた
    請求項1記載の車両のホース用クリップ。
  3. 上記挟持部は、上記クリップの外周方向に延設される凸部が備えられた2つの挟持片を有し、
    上記回り止め部は、上記2つの挟持片の凸部の中心を結ぶ直線に対し対角線上に設けられ、
    上記挟持片の凸部の左右の側面の片側にのみ保持される
    請求項2記載の車両のホース用クリップ。
  4. 車両に設けられた挟持部での挟持によりホースを固定する車両のホース固定構造であって、
    上記挟持部に挟持されたホースの外周面と上記挟持部の内周面との間に装着され伸縮可能に構成される装着部を有するホース用クリップを備え、
    該クリップは、上記装着部の両端に径方向に突出するように形成され、端同士を互いに係合可能な一対の係合部と、
    該係合部に形成した保持部とを有し、
    上記挟持部には、上記保持部に対応する保持受け部が形成され、
    上記クリップは、上記係合部同士の係合によって上記装着部が筒状をなすことにより、上記ホースを挟んだ状態で装着部が上記挟持部に押し込まれて挟持されると共に、上記係合部の保持部が保持受け部に固定される
    クリップを用いた車両のホース固定構造。
  5. 上記挟持部の内周面と上記クリップの装着部の外周面との間の摩擦係数が、上記ホースの外周面と上記クリップの装着部の内周面との間の摩擦係数よりも小さくなるように、上記挟持部と上記クリップとを構成する
    請求項4記載のクリップを用いた車両のホース固定構造。
  6. 上記クリップには、上記装着部の外周面に、上記挟持部によって回転方向への動きが規制される回り止め部が設けられる
    請求項5記載のクリップを用いた車両のホース固定構造。
  7. 上記挟持部は、上記クリップの外周方向に延設される凸部が備えられた2つの挟持片を有するとともに、
    上記回り止め部は、上記2つの挟持片の凸部の中心を結ぶ直線に対し対角線上に設けられ、
    上記挟持片の凸部の左右の側面の片側にのみ保持される
    請求項6記載のクリップを用いた車両のホース固定構造。
  8. 上記ホースは、ラジエタホースであり、上記挟持部によってラジエタのシュラウドに沿うように固定される
    請求項4〜7のいずれか一項に記載のクリップを用いた車両のホース固定構造。
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