JP5206028B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、MOSFET,IGBTなどの絶縁ゲート型トランジスタ素子を備えた半導体装置に関するものである。
従来、インダクタンス性の負荷をスイッチング駆動する絶縁ゲート型トランジスタ素子を高速でスイッチングさせると、急激な電流変化に伴ってラジオノイズが発生するという問題がある。
このラジオノイズの発生を抑制するために、ゲート抵抗を調整することによって、電流変化を制御する方法が提案されている。しかしながら、この方法ではスイッチング時間が長くなってしまうために、スイッチング損失が増大するという問題がある。
そこで、例えば特許文献1に示されるように、半導体素子の第2主電極と第1主電極との間に絶縁膜を設けてキャパシタを形成することにより、電流変化に伴って生じるラジオノイズの発生を抑制するようにした半導体装置が提案されている。
特開2004―14547号公報
しかしながら、特許文献1に示される半導体装置では、半導体素子の第2主電極と第1主電極との間に絶縁膜を設けてキャパシタとするために、半導体装置のチップサイズが大きくなってしまうという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、体格を大きくせずに、スイッチング損失の増大を抑制しつつ、ラジオノイズの発生を抑制することのできる半導体装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、半導体基板の表面上に対をなして設けられた第1電極及び第2電極と、第1制御電極とを有し、第1制御電極と第1電極との間に入力される制御信号によって、第1電極と第2電極との間を流れる電流が制御されるトランジスタ素子を備えた半導体装置であって、第1制御電極には、制御信号が入力される部位と、半導体基板におけるチャネル形成領域と対向する領域であって第1電極側の端部との間に第1電位障壁が設けられ、制御信号に応じて、第1制御電極と第1電極との間の容量部の少なくとも一部が、第1電位障壁を介して充放電され、第1電位障壁は、第1制御電極において、半導体基板のチャネル形成領域と対向する領域内に設けられ、第1電位障壁は、第1制御電極において、半導体基板のチャネル形成領域と、該チャネル形成領域に制御信号が入力される部位側で隣接する半導体基板のドリフト領域との境界上に設けられていることを特徴する。
このように本発明によれば、第1制御電極内に第1電位障壁が設けられており、該第1電位障壁を介して、第1制御電極と第1電極との間の容量部(以下、第1容量部と示す)の少なくとも一部が、充放電される構成となっている。これにより、トランジスタ素子を高速にスイッチングさせたとしても、該第1電位障壁によって第1容量部を充電する電流(以下、充電電流と示す)、及び、第1容量部から放電される電流(以下、放電電流と示す)の少なくとも一方を小さくすることができる。すなわち、ターンオン時及びターンオフ時の少なくとも一方において、第1電極と第2電極との間を流れる電流の変化を小さくし(電流変化時間を長くし)、ひいては、急激な電流変化に伴って生じるラジオノイズの発生を抑制することができる。
また、第1制御電極における第1電位障壁が、制御信号が入力される部位と、半導体基板におけるチャネル形成領域と対向する領域であって第1電極側の端部との間に設けられている。これにより、ゲート抵抗を調整することによって電流変化を制御する従来の方法に比べて、第1制御電極と第2電極との間の容量部(以下、第2容量部と示す)の充放電の遅延を抑制することができる。すなわち、電圧変化時間の遅延を抑制し、ひいては、スイッチング損失の増大を抑制することができる。
また、電位障壁を第1制御電極内に設けたので、半導体素子の第2主電極と第1主電極との間に絶縁膜を設けてキャパシタを形成する従来の半導体装置に比べて、体格の増大が抑制された構成となっている。更に言えば、第1電位障壁が、第1制御電極において、半導体基板のチャネル形成領域と対向する領域内に設けられている。これによれば、第2容量部を充放電する電流が第1電位障壁によって低減されないので、スイッチング損失の増大を効果的に抑制することができる。また、第1電位障壁が、第1制御電極において、半導体基板のチャネル形成領域と、該チャネル形成領域に制御信号が入力される部位側で隣接する半導体基板のドリフト領域との境界上に設けられている。これによれば、第2容量部を充放電する電流が第1電位障壁によって低減されるのを抑制するとともに、第1容量部の充電電流、及び、第1容量部からの放電電流の少なくとも一方を第1電位障壁によって効率よく低減することができる。
請求項1に記載の発明においては、請求項2に記載のように、第1制御電極が、制御信号を生成する電圧制御部と接続され、第2電極が、インダクタンス性の負荷と直列に接続され、負荷には、還流ダイオードが並列に接続された構成としても良い。また、請求項1に記載の発明においては、請求項3に記載のように、第1制御電極が、制御信号を生成する電圧制御部と接続され、第1電極が、インダクタンス性の負荷と直列に接続され、負荷には、還流ダイオードが並列に接続された構成としても良い。
このような構成においては、還流ダイオードがインダクタンス性の負荷(以下、単に負荷と示す)に流れる電流を還流している状態からトランジスタ素子をターンオンさせると、第1電極と第2電極との間に形成される電流経路(チャネル)に、負荷を流れている電流が流れ込もうとする。電流変化が急激である場合には、それに伴って発生するラジオノイズも大きくなってしまう。しかしながら、第1容量部の充電電流が第1電位障壁によって低減される構成の場合には、チャネルの形成を遅らせることができる。これによりトランジスタ素子での電流変化を抑制し、ラジオノイズの発生を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、半導体基板の表面上に対をなして設けられた第1電極及び第2電極と、第1制御電極とを有し、第1制御電極と第1電極との間に入力される制御信号によって、第1電極と第2電極との間を流れる電流が制御されるトランジスタ素子を備えた半導体装置であって、第1制御電極には、制御信号が入力される部位と、半導体基板におけるチャネル形成領域と対向する領域であって第1電極側の端部との間に第1電位障壁が設けられ、制御信号に応じて、第1制御電極と第1電極との間の容量部の少なくとも一部が、第1電位障壁を介して充放電され、第1電位障壁は、PN接合であり、第1制御電極には、半導体基板におけるチャネル形成領域と対向する領域であって第1電極側の端部と第1電位障壁との間に、第2電位障壁としてのPN接合が設けられていることを特徴とする。これによれば、第1容量部の充電電流、若しくは、第1容量部からの放電電流を、PN接合によって低減することができる。また、第1容量部の充電電流、及び、第1容量部からの放電電流の一方を、第1電位障壁であるPN接合により低減し、他方を第2電位障壁であるPN接合により低減することができる。
請求項に記載の発明においては、請求項に記載のように、トランジスタ素子が、第1制御電極上に設けられ、第1電位障壁及び第2電位障壁を介して第1制御電極に流れる電流を制御する第2制御電極を有する構成とすると良い。
これによれば、第2制御電極によって第1制御電極に流れる電流量を精密に制御することができる。特に、第2容量部を充電している期間(スイッチング期間)の後に、この第2制御電極によって第1制御電極に流れる電流量を増大させ、第1容量部の電圧を駆動信号と同電位まで素早く上昇させることにより、スイッチング時間を短くし、スイッチング損失の増大を抑制することができる。
請求項1〜いずれかに記載の発明においては、請求項に記載のように、第1電位障壁として、ショットキー接合を採用しても良い。これによれば、第1容量部の充電電流、若しくは、第1容量部からの放電電流を、ショットキー接合によって低減することができる。なお、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明と同等の作用効果を奏するので、その記載を省略する。
請求項1〜いずれかに記載の発明においては、請求項に記載のように、第1電位障壁として、同一導電型の2つの高濃度領域を隔てる同一導電型の低濃度領域を採用してもよい。これによれば、第1容量部の充電電流、及び、第1容量部からの放電電流を低濃度領域によって低減することができる。なお、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明と同等の作用効果を奏するので、その記載を省略する。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、半導体装置100は、半導体基板10に構成されたMOSトランジスタ素子70を有しており、その要部として、第1電極としてのソース電極30、第2電極としてのドレイン電極31、第1制御電極としてのゲート電極50を有している。本実施形態では、MOSトランジスタ素子70としてNチャネル型のLDMOSトランジスタ素子を採用している。
半導体基板10は、N導電型(N−)の単結晶シリコンによって構成されており、該半導体基板10の一表面10a上に絶縁膜11及びLOCOS12が形成されている。本実施形態においては、半導体基板10の不純物濃度が1×1016〜1×1017cm−3程度となっており、絶縁膜11及びLOCOS12はシリコン酸化膜によって形成されている。
半導体基板10における表面10a側の表層の一部には、P導電型(P−)のウェル領域13及びN導電型(N+)のドレイン領域14がLOCOS12を間に挟んで互いに離れた位置に形成されている。本実施形態において、ウェル領域13の不純物濃度は1×1016〜1×1018cm−3程度となっている。また、ドレイン領域14は、その不純物濃度が1×1019〜4×1020cm−3程度となっており、ドレイン電極31と電気的に接続されている。
ウェル領域13の表層の一部には、N導電型(N+)のソース領域15及びP導電型(P+)のボディコンタクト領域16が形成されている。ソース領域15は、その不純物濃度が1×1019〜4×1020cm−3程度となっており、ソース電極30と電気的に接続されている。ボディコンタクト領域16は、その不純物濃度が1×1019〜4×1020cm−3程度となっており、ボディ電極32と電気的に接続されている。
また、半導体基板10における表面10a上であって、ソース領域15の一部、ウェル領域13におけるチャネルが形成される領域17(以下、チャネル形成領域17と示す)、及び、該チャネル形成領域17と隣接するドリフト領域18の一部と対向する位置に、絶縁膜11及びLOCOS12を介して、ゲート電極50が形成されている。このゲート電極50には、ゲート駆動信号をゲート電極50に入力するためのゲート配線51が接続されている。本実施形態において、ゲート電極50は、ポリシリコンに不純物を導入して形成されており、半導体基板10の表面10a上に並設された2つの半導体領域として、ゲート配線51と接続されるN導電型(N+)の第1ゲート部52、該第1ゲート部52と隣接するP導電型(P+)の第2ゲート部53を有している。これら第1ゲート部52及び第2ゲート部53の不純物濃度はそれぞれ1×1019〜4×1020cm−3程度である。第1ゲート部52はLOCOS12及び絶縁膜11を介してドリフト領域18と対向する位置に形成され、第2ゲート部53は絶縁膜11を介してチャネル形成領域17及びソース領域15の一部と対向する位置に形成されている。これら第1ゲート部52と第2ゲート部53は、ドリフト領域18とチャネル形成領域17との境界19上で接合されており、その接合部54(以下、PN接合部54と示す)が、第1容量部を充電する電流(充電電流)を低減させる第1電位障壁としての機能を果たす。
第1容量部としてのゲート・ソース間容量Cgs(以下、単に容量Cgsと示す)は、絶縁膜11を介して互いに対向するウェル領域13及びゲート電極50の部位と、その間に介在された絶縁膜11により構成されている。第2容量部としてのゲート・ドレイン間容量Cgd(以下、単に容量Cgdと示す)は、絶縁膜11,LOCOS12を介して互いに対向するドリフト領域18及びゲート電極50の部位と、その間に介在された絶縁膜11,LOCOS12により構成されている。本実施形態においては、第2ゲート部53がウェル領域13の一部(ソース領域15の一部及びチャネル形成領域17)と対向する位置に形成され、第1ゲート部52がドリフト領域18の一部と対向する位置に形成されている。したがって、第2ゲート部53、該第2ゲート部53と対向する絶縁膜11、及びウェル領域13によって容量Cgsが構成され、第1ゲート部52、該第1ゲート部52と対向する絶縁膜11,LOCOS12、及びドリフト領域18によって容量Cgdが構成されている。
次に、このように構成されるMOSトランジスタ素子70によって負荷をスイッチング駆動する動作を、図2及び図3に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係るトランジスタ素子を備えた定電流出力インダクタンス負荷の回路構成を示す模式図である。図3は、図2に示す回路の動作を説明するためのタイムチャートである。図3において、(a)は、ゲート駆動信号をロー(Lo)からハイ(Hi)に切替えた時を示し、(b)はゲート・ソース間電圧が閾値電圧Vtになった時を示し、(c)はゲート・ソース間電圧Vgsがオン電圧Vgonに達した時を示し、(d)はゲート・ドレイン間容量Cgdが十分放電された時を示している。
本実施形態に係る回路は、図2に示すように、インダクタンス性の負荷103(以下、単に負荷103と示す)が、ローサイド側に配置されたMOSトランジスタ素子70によってスイッチングされるローサイド駆動となっている。具体的には、MOSトランジスタ素子70におけるソース電極30が接地されており、ゲート電極50がゲート抵抗101を介して電圧制御部としてのゲート電圧制御部102と接続されている。そして、ドレイン電極31が、負荷103の一端側と接続されており、負荷103の他端側が電源104と接続されている。また、負荷103には、ターンオフ時に負荷103に流れている電流を還流するための還流ダイオード105が並列に接続されている。
このような回路において、還流ダイオード105が負荷103に流れる電流を還流している状態から、MOSトランジスタ素子70をターンオンさせる場合を説明する。図3に示すように、ゲート駆動信号をLoからHiに切替える前の状態では、還流ダイオード105及び負荷103を電流が流れており、それぞれを流れる電流は、自身の抵抗によって逓減している。
そして、ゲート電圧制御部102がゲート駆動信号をLoからHiに切替える(図3(a))と、このゲート駆動信号によって容量Cgs及び容量Cgdの充電が開始される。上記したが、本実施形態においては、第2ゲート部53、該第2ゲート部53と対向する絶縁膜11、及びウェル領域13によって容量Cgsが形成され、第1ゲート部52、該第1ゲート部52と対向する絶縁膜11,LOCOS12、及びドリフト領域18によって容量Cgdが形成されている。したがって、容量Cgsは第2ゲート部53を流れる充電電流によって充電され、容量Cgdは第1ゲート部52を流れる充電電流によって充電されることとなる。第1ゲート部52にはゲート電圧制御部102からのゲート駆動信号を入力するためのゲート配線51が接続されているので、容量Cgdにはゲート駆動信号が直接印加される。しかしながら、第2ゲート部53には、第1電位障壁としてのPN接合部54を介してゲート駆動信号が印加されるので、PN接合部54によって低減されたゲート駆動信号が容量Cgsに印加されることとなる。すなわち、PN接合部54のリーク電流によって容量Cgsが充電されるため、容量Cgsの充電時間及びチャネル形成時間が長くなり、図3に示すようにゲート・ソース間電圧Vgs(以下、単に電圧Vgsと示す)の変化が遅くなる。なお、図3に示す(a)〜(b)の期間では、チャネルが形成されていないので、MOSトランジスタ素子70に電流(チャネル電流)は流れていない。
電圧Vgsが閾値電圧Vtに達する(図3(b))と、チャネル形成領域17にチャネルが形成され、ドレイン領域14とソース領域15間に電流Idsが流れ始める。上記したように、容量Cgsの充電時間が長くなっているので、電流Idsの時間変化も小さくなる。このチャネルの形成によって、MOSトランジスタ素子70のドレイン・ソース間に、負荷103及び還流ダイオード105を還流している電流が流れ込もうとする。電流変化が急激である場合には、それに伴って発生するラジオノイズも大きくなる。しかしながら、上記したように、チャネル形成時間が遅くなっているので、ソース・ドレイン間に流れ込む電流量も小さくなる。これにより、電流Idsの時間変化が抑制され、ラジオノイズの発生が抑制される。
電圧Vgsがオン電圧Vgonに達した時点(図3(c))で、還流ダイオード105を通じて還流していた電流が、MOSトランジスタ素子70を通じて流れるようになる。電圧Vgsが、オン電圧Vgonに達した後、ドレイン・ソース間電圧Vdsが電源電圧からオン抵抗×電流Idsに移行する間、容量Cgdが放電されるため、電圧Vgsは一定となる。
容量Cgdが十分放電されると(図3(d))、容量Cgsの充電が再開され、電圧Vgsが上昇していき、それに伴ってオン抵抗がさらに低下する。電圧Vgsはゲート駆動信号と同電位になるまで上昇する。
次に、このように構成される半導体装置100の効果を説明する。本実施形態においては、ゲート電極50が、ゲート配線51と接続されるN導電型(N+)の第1ゲート部52、該第1ゲート部52と接続されるP導電型(P+)の第2ゲート部53を有しており、そのPN接合部54が、容量Cgsに流れこむ電流を低減させる第1電位障壁としての機能を果たしている。これにより、MOSトランジスタ素子70を高速にターンオンさせたとしても、PN接合部54によって容量Cgsの充電電流を小さくすることができる。すなわち、容量Cgsを充電する際の電流を小さくし、電流Idsの時間変化を小さくすることができる。このように、本発明によれば、電流Idsの急激な電流変化に伴って生じるラジオノイズの発生を抑制することができる。
また、PN接合部54をゲート電極50内に設けたので、キャパシタを設けて電流変化を抑制する従来の構成に比べて、体格の増大が抑制された構成となっている。
また、PN接合部54が、ゲート電極50における、半導体基板10のチャネル形成領域17と、該チャネル形成領域17と隣接する半導体基板10のドリフト領域18との境界19上に設けられている。これにより、PN接合部54によって、容量Cgdを充放電する電流が低減されないので、ゲート抵抗を調整することによって電流変化を制御する従来方法に比べて、スイッチング時間の遅延を抑制し、スイッチング損失の増大を抑制することができる。しかしながら、PN接合部54の位置は、上記例に限定されるものではない。例えば、PN接合部54がゲート配線51との接続部位と境界19と対向するゲート電極50の部位との間に形成される構成としても良い。このような構成においても、従来方法に比べて、スイッチング時間の遅延を抑制し、スイッチング損失の増大を抑制することができる。また、容量Cgsを充電する際の電流を小さくし、電流Idsの時間変化を小さくすることもできる。しかしながら、容量Cgdの一部分に印加されるゲート駆動信号がPN接合部54によって低減されてしまうので、上記構成に比べて、容量Cgdの充電時間(スイッチング時間)が長くなってしまい、スイッチング損失の増大を抑制する効果が弱くなる。また、図4に示すように、PN接合部54が、ゲート電極50におけるチャネル形成領域17上の部位に設けられた構成としても良い。このような構成においても、従来方法に比べて、スイッチング時間の遅延を抑制し、スイッチング損失の増大を抑制することができる。また、容量Cgsを充電する際の電流を小さくし、電流Idsの時間変化を小さくすることもできる。しかしながら、容量Cgsの一部分に、PN接合部54によって低減されていないゲート駆動信号が印加されてしまうので、上記構成に比べて、容量Cgsの充電時間(チャネル形成時間)が短くなってしまい、電流変化を小さくする効果が弱くなる。したがって、PN接合部54は、境界19上に形成されるのが好ましい。図4は、半導体装置の変形例を示す断面図である。
なお、本実施形態においては、MOSトランジスタ素子70としてNチャネル型のMOSトランジスタ素子を採用する例を示した。しかしながら、図5に示すように、Pチャネル型のMOSトランジスタ素子を採用しても良い。この場合、チャネル形成領域17にチャネルを形成するために、ゲート電極50に印加される駆動信号の極性が反対になる。そのため、電極50を流れる電流の方向が逆になるので、ゲート駆動信号をHiからLoへ切替えた時(ターンオフ時)に、容量Cgsから放電される放電電流を小さくすることができる。図5は、半導体装置の変形例を示す断面図である。
また、本実施形態においては、ゲート電極50として、ゲート配線51と接続されるN導電型(N+)の第1ゲート部52、該第1ゲート部52と隣接するP導電型(P+)の第2ゲート部53を有する例を示した。しかしながら、図6に示すように、ゲート電極50として、P導電型(P+)の第1ゲート部52、N導電型(N+)の第2ゲート部53を採用しても良い。この場合、P導電型とN導電型の配置が逆になるので、ゲート駆動信号をHiからLoへ切替えた時(ターンオフ時)に、容量Cgsから放電される放電電流を小さくすることができる。これにより、急激な電流変化に伴って生じるラジオノイズの発生を抑制することができる。図6は、半導体装置の変形例を示す断面図である。
また、本実施形態においては、MOSトランジスタ素子70として、LDMOSトランジスタ素子の例を示した。しかしながら、図7に示すように、ドレイン領域14が、表面10aの裏面10b側の表層に形成されたVDMOSトランジスタ素子を採用しても良い。図7は、半導体装置の変形例を示す断面図である。
また、本実施形態においては、ゲート電極50がポリシリコンによって形成される例を示した。しかしながら、ゲート電極50を単結晶シリコンによって形成しても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図8に基づいて説明する。図8は、第2実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図1に対応している。
第2実施形態に係る半導体装置は、第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態では、第1電位障壁として、ゲート電極50にPN接合部54が形成されている例を示した。これに対し、本実施形態においては、第1電位障壁として、ゲート電極にショットキー接合部が形成されている点を特徴とする。なお、ゲート電極50の構成以外は第1実施形態(図1)と同様である。
図8に示すように、ゲート電極50は、半導体基板10の表面10a上に並設された2つの半導体領域として、金属からなり、ゲート配線51と接続される第1ゲート部52、該第1ゲート部52と隣接するP導電型の第2ゲート部53を有している。第2ゲート部53は、ポリシリコンに不純物を導入してなり、その不純物濃度は1×1014〜1×1017cm−3程度である。
第1ゲート部52はLOCOS12及び絶縁膜11を介してドリフト領域18と対向する位置に形成され、第2ゲート部53は絶縁膜11を介してチャネル形成領域17及びソース領域15の一部と対向する位置に形成されている。これら第1ゲート部52と第2ゲート部53は、ドリフト領域18とチャネル形成領域17との境界19上で接合されており、その接合部55(以下、ショットキー接合部55と示す)が、容量Cgsから放電される放電電流を低減させる第1電位障壁としての機能を果たす。
容量Cgsは、絶縁膜11を介して互いに対向するウェル領域13及びゲート電極50の部位と、その間に介在された絶縁膜11により構成されている。容量Cgdは、絶縁膜11,LOCOS12を介して互いに対向するドリフト領域18及びゲート電極50の部位と、その間に介在された絶縁膜11,LOCOS12により構成されている。本実施形態においては、第2ゲート部53がウェル領域13の一部(ソース領域15の一部及びチャネル形成領域17)と対向する位置に形成され、第1ゲート部52がドリフト領域18の一部と対向する位置に形成されている。したがって、第2ゲート部53、該第2ゲート部53と対向する絶縁膜11、及びウェル領域13によって容量Cgsが構成され、第1ゲート部52、該第1ゲート部52と対向する絶縁膜11,LOCOS12、及びドリフト領域18によって容量Cgdが構成されている。このように、容量Cgdは第1電位障壁によって影響されずに充放電され、容量Cgsはショットキー接合部55を介して充放電されるようになっている。
上記構成において、ゲート駆動信号をLoからHiに切替える場合(ターンオン)を説明する。この場合、容量Cgdを充電する充電電流はショットキー接合部55によって低減されない。しかしながら、容量Cgsの充電電流は、第1電位障壁であるショットキー接合部55によって低減される。これにより、容量Cgsの充電時間及びチャネル形成時間を長くすることができる。すなわち、容量Cgsを充電する際の充電電流を小さくし、電流Idsの時間変化を小さくすることができる。このように、本発明によれば、電流Idsの急激な電流変化に伴って生じるラジオノイズの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、ゲート電極50として、ゲート配線51と接続される金属の第1ゲート部52、該第1ゲート部52と隣接するP導電型の第2ゲート部53を有する例を示した。しかしながら、ゲート電極50として、P導電型の第1ゲート部52、金属の第2ゲート部53を採用しても良い。この場合、P導電型と金属の配置が逆になるので、ゲート駆動信号をHiからLoへ切替えた時(ターンオフ時)に、容量Cgsを放電する放電電流を小さくすることができる。これにより、容量Cgsの放電時間及びチャネル消失時間を長くすることができる。すなわち、容量Cgsから放電される際の放電電流を小さくし、電流Idsの時間変化を小さくすることができる。これにより、電流Idsの急激な電流変化に伴って生じるラジオノイズの発生を抑制することができる。
また、本実施形態においては、金属の第1ゲート部52とP導電型の第2ゲート部53との接合部としてショットキー接合部55を有する例を示した。しかしながら、ショットキー接合部55としては、導電型に依らず、例えば、金属の第1ゲート部52とN導電型の第2ゲート部53との接合部をショットキー接合55としても良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図9に基づいて説明する。図9は、第3実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図1に対応している。
第3実施形態に係る半導体装置は、第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態では、ゲート電極50に1つのPN接合部54が形成される例を示した。これに対し、本実施形態においては、ゲート電極に2つのPN接合部が形成される点を特徴とする。なお、ゲート電極50の構成以外は第1実施形態(図1)と同様である。
図9に示すように、ゲート電極50は、ポリシリコンに不純物を導入して形成されており、半導体基板10の表面10a上に並設される3つの半導体領域として、ゲート配線51と接続されるN導電型(N+)の第1ゲート部52、該第1ゲート部52と隣接するP導電型(P+)の第2ゲート部53、及び第1ゲート部52との間に第2ゲート部53が介在されるように、第2ゲート部53と隣接するN導電型(N+)の第3ゲート部56を有している。これら第1ゲート部52、第2ゲート部53、及び第3ゲート部56の不純物濃度はそれぞれ1×1019〜4×1020cm−3程度である。
第1ゲート部52はLOCOS12及び絶縁膜11を介してドリフト領域18と対向する位置に形成され、第2ゲート部53は絶縁膜11を介してチャネル形成領域17の一部と対向する位置に形成されている。また、第3ゲート部56は絶縁膜11を介してチャネル形成領域17及びソース領域15の一部と対向する位置に形成されている。これら第1ゲート部52と第2ゲート部53は、ドリフト領域18とチャネル形成領域17との境界19上で接合されており、その接合部である第1電位障壁としての第1PN接合部54が、容量Cgs充電する充電電流を低減させる第1電位障壁としての機能を果たす。また、第2ゲート部53と第3ゲート部56は、チャネル形成領域17上で接合されており、その接合部である第2電位障壁としての第2PN接合部57が、容量Cgsから放電される放電電流を低減させる機能を果たす。
容量Cgsは、絶縁膜11を介して互いに対向するウェル領域13及びゲート電極50の部位と、その間に介在された絶縁膜11により構成されている。容量Cgdは、絶縁膜11,LOCOS12を介して互いに対向するドリフト領域18及びゲート電極50の部位と、その間に介在された絶縁膜11,LOCOS12により構成されている。本実施形態においては、第3ゲート部56がウェル領域13の一部(ソース領域15の一部及びチャネル形成領域17)と対向する位置に形成され、第2ゲート部52がチャネル形成領域17の一部と対向する位置に形成されている。また、第1ゲート部52がドリフト領域18の一部と対向する位置に形成されている。したがって、第3ゲート部56及び第2ゲート部53、これらゲート部53,56と対向する絶縁膜11、及びウェル領域13によって容量Cgsが構成され、第1ゲート部52、該第1ゲート部52と対向する絶縁膜11,LOCOS12、及びドリフト領域18によって容量Cgdが構成されている。したがって、容量Cgdは第1PN接合部54及び第2PN接合部57を介さずに充放電され、容量Cgsは第1PN接合部54を介して充放電され、その一部が第2PN接合部57を介して放電されるようになっている。
上記構成において、ゲート駆動信号をLoからHiに切替える場合を説明する。容量Cgdは第1ゲート部52を流れる電流によって充電されるので、第1PN接合部54及び第2PN接合部57によって、充電電流は低減されない。しかしながら、容量Cgsを充電する充電電流が、第1PN接合部54によって低減される。そのため、容量Cgsの充電時間及びチャネル形成時間が長くなり、電流Idsの時間変化が小さくなる。
次に、ゲート駆動信号をHiからLoに切替える場合を説明する。この場合、容量Cgdの放電電流は第1PN接合部54及び第2PN接合部57によって低減されない。しかしながら、容量Cgsから放電される電流の一部が、第2PN接合部57によって低減される。そのため、容量Cgsの放電時間及びチャネル消失時間が長くなり、電流Idsの時間変化が小さくなる。
以上説明したように、本実施形態においては、第1実施形態同様、ゲート電極50が、ゲート配線51と接続するN導電型(N+)の第1ゲート部52、該第1ゲート部52と隣接するP導電型(P+)の第2ゲート部53を有しており、第1PN接合部54が、容量Cgsを充電する充電電流を低減させる第1電位障壁としての機能を果たしている。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、MOSトランジスタ素子70を高速にターンオンさせたとしても、第1PN接合部54によって容量Cgsを充電する充電電流を小さくし、電流Idsの時間変化を小さくすることができる。また、本実施形態において、ゲート電極50は、P導電型(P+)の第2ゲート部53と、該第2ゲート部53と隣接する第3ゲート部56を有しており、第2PN接合部57が、容量Cgsから放電される放電電流を低減させる第2電位障壁としての機能を果たしている。これにより、MOSトランジスタ素子70を高速にターンオフさせたとしても、第2PN接合部57によって容量Cgsから放電される放電電流を小さくし、電流Idsの時間変化を小さくすることができる。このように、本発明によれば、電流Idsの急激な電流変化に伴って生じるラジオノイズの発生を、ターンオン及びターンオフ時に抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第1PN接合部54が境界19上に形成され、第2PN接合部57がチャネル形成領域17上に形成される例を示した。しかしながら、第1PN接合部54、第2PN接合部57の配置は、上記例に限定されるものではない。例えば、図10に示すように、第1PN接合部54がドリフト領域18上に形成され、第2PN接合部57が境界19上に形成される構成としても良い。これによれば、第2PN接合部57が境界19上に形成されているので、容量Cgs全体から放電される放電電流を低減し、放電時間及びチャネル消失時間を短くして、ラジオノイズの発生を効果的に抑制することができる。しかしながら、第1PN接合部54がドリフト領域18上に形成されているので、容量Cgdの一部分に、第1PN接合部54によって低減されたゲート駆動信号が印加されてしまうこととなる。そのため、容量Cgdの充電時間(スイッチング時間)が長くなってしまい、スイッチング損失の増大を抑制する効果が弱くなる。なお、図10は、半導体装置の変形例を示す断面図である。
また、本実施形態においては、ゲート電極50が、N導電型(N+)の第1ゲート部52、P導電型(P+)の第2ゲート部53、及びN導電型(N+)の第3ゲート部56を有する例を示した。しかしながら、ゲート電極50が、P導電型(P+)の第1ゲート部52、N導電型(N+)の第2ゲート部53、及びP導電型(P+)の第3ゲート部56を有する構成としても良い。この場合、P導電型とN導電型の配置が逆になるので、第1電位障壁である第1PN接合部54が容量Cgsから放電される放電電流を低減させる機能を果たし、第2電位障壁である第2PN接合部57が容量Cgsを充電する充電電流を低減させる機能を果たす。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図11に基づいて説明する。図11は、第4実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
第4実施形態に係る半導体装置は、上述した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上述した各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第3実施形態においては、電位障壁として2つのPN接合部54,57をゲート電極50に設ける例を示した。これに対し、本実施形態においては、電位障壁として、低濃度領域をゲート電極に設ける点を特徴とする。なお、ゲート電極50の構成以外は第1実施形態と同様である。
図11に示すように、ゲート電極50は、ポリシリコンに不純物を導入して形成されており、半導体基板10の表面10a上に並設された同一導電型の3つの半導体領域として、ゲート配線51と接続されるN導電型(N+)の第1ゲート部52、該第1ゲート部52と隣接する第1ゲート部52よりも不純物濃度が低いN導電型(N−)の第2ゲート部53、及び第1ゲート部52との間に第2ゲート部53が介在されるように第2ゲート部53に隣接し、第1ゲート部52と不純物濃度が同程度のN導電型(N+)の第3ゲート部56を有している。すなわち、2つの半導体領域52,56により、これら領域よりも低濃度である半導体領域53(高濃度領域)が挟まれた構成となっている。第1ゲート部52及び第3ゲート部56の不純物濃度はそれぞれ1×1019〜4×1020cm−3程度であり、第2ゲート部53の不純物濃度は1×1014〜1×1017cm−3程度である。
第1ゲート部52はLOCOS12及び絶縁膜11を介してドリフト領域18と対向する位置に形成され、第2ゲート部53は絶縁膜11を介してチャネル形成領域17の一部と対向する位置に形成されている。また、第3ゲート部56は絶縁膜11を介してチャネル形成領域17及びソース領域15の一部と対向する位置に形成されている。これら第1ゲート部52と第2ゲート部53は、ドリフト領域18とチャネル形成領域17との境界19上で接合されており、第2ゲート部53と第3ゲート部56は、チャネル形成領域17上で接合されている。すなわち、第1ゲート部52と第2ゲート部53の境界58が境界19上に形成されており、第2ゲート部53と第3ゲート部の境界59がチャネル形成領域17上に形成されている。この第2ゲート部53が、容量Cgsの充電時、放電時に流れる電流を低減させる第1電位障壁としての機能を果たす。
上記したように、高抵抗である第2ゲート部53が第1ゲート部52と第3ゲート部56の間に挟まれた構成となっているので、スイッチング駆動時にゲート電極50内を流れる電流が第2ゲート部53によって低減され、容量Cgsの充放電時間が長くなる。これにより、容量Cgsを充放電する際の電流量が小さくなり、電流Idsの時間変化を小さくすることができる。
このように本実施形態に係る半導体装置100によれば、第3実施形態で示した効果と同様の効果を得ることができる。つまり、電流Idsの急激な電流変化に伴って生じるラジオノイズの発生を、ターンオン、及び、ターンオフ時に抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第1ゲート部52はLOCOS12及び絶縁膜11を介してドリフト領域18と対向する位置に形成され、第2ゲート部53は絶縁膜11を介してチャネル形成領域17の一部と対向する位置に形成され、第3ゲート部56は絶縁膜11を介してチャネル形成領域17及びソース領域15の一部と対向する位置に形成されている。例を示した。しかしながら、低濃度領域である第2ゲート部53が、境界19をまたいでドリフト領域18及びチャネル形成領域17上に形成される構成でも良い。これによっても、ゲート抵抗を調節することによって電流変化を制御する従来方法に比べて、スイッチング時間の遅延を抑制し、スイッチング損失の増大を抑制することができる。しかしながら、容量Cgdの一部分に印加されるゲート駆動信号が第2ゲート部53によって低減されてしまうので、上記構成に比べて、容量Cgdの充電時間(スイッチング時間)が長くなってしまい、スイッチング損失の増大を抑制する効果が弱まる。また、ターンオフ時において、容量Cgdの一部から放電される放電電流が第2ゲート部53によって低減されてしまう。したがって、低濃度領域である第2ゲート部53が、チャネル形成領域17上に形成されており、第1ゲート部52と第2ゲート部53との境界58が境界19上に位置する構成が好ましい。
また、本実施形態においては、ゲート電極50としてN導電型の例を示した。しかしながら、ゲート電極50としてP導電型を採用することもできる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を、図12に基づいて説明する。図12は、第5実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
第5実施形態に係る半導体装置は、上述した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上述した各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第3実施形態においては、電位障壁として2つのPN接合部54,57がゲート電極50に設けられた例を示した。これに対し、本実施形態においては、ゲート電極に流れる電流を制御する第2制御電極をゲート電極上に設けた点を特徴とする。なお、第2制御電極及び第2ゲート部53以外は、第3実施形態と同様の構成となっている。ゲート電極50は、N導電型(N+)の第1ゲート部52、P導電型(P−)の第2ゲート部53、及びN導電型(N+)の第3ゲート部56を有しており、第2ゲート部53の不純物濃度が1×1014〜1×1018cm−3程度となっている。そして、第1ゲート部52と第2ゲート部53との接合部である第1PN接合部54が境界19上に形成され、第2ゲート部53と第3ゲート部56との接合部である第2PN接合部57がチャネル形成領域17上に形成されている。
図12に示すように、ゲート電極50に流れる電流を制御する第2制御電極としての第2ゲート電極60は、図示されない絶縁膜を介して、第1ゲート電極50上に、第2ゲート部53をまたぐように形成されている。この第2ゲート電極60は、図示されない配線を介して図示されないゲート電圧制御部(図2参照)と接続されている。このように、第2ゲート電極60によって、第1ゲート部52と第3ゲート部56との間を流れる電流を制御するMOS構造が形成されている。
このように本実施形態に係る半導体装置100によれば、ゲート電極50内を流れる電流を第2ゲート電極60によって制御することができる。すなわち、第2ゲート電極60によって、第1ゲート部52と第3ゲート部56との間を流れる電流を、第2ゲート部53の表層にチャネルを形成することによって制御することができる。これにより、容量Cgsの充電時及び放電時に流れる電流量を精密に制御し、電流Idsの時間変化を制御することができる。このように、本発明によれば、電流Idsの急激な電流変化に伴って生じるラジオノイズの発生を、ターンオン及びターンオフ時に精度よく抑制することができ、且つオン抵抗による損失の上昇を抑制することができる。
特に、電圧Vgsが一定となる期間(図3における(c)〜(d)の期間)に、この第2ゲート電極60によって第2ゲート部53の表層にチャネルを形成し、第1ゲート電極50内を流れる電流量を増大させ、スイッチング終了後に電圧Vgsをゲート駆動信号と同電位まで素早く上昇させることにより、オン抵抗による損失の増大を効果的に抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態においては、トランジスタ素子として、MOSトランジスタ素子70を採用する例を示した。しかしながら、図13に示すように、IGBT素子170を採用することもできる。図13に示す符号113は、半導体基板10の表面10a側の表層において、ウェル領域13とは離れた位置に形成されたP導電型(P−)のウェル領域である。このウェル領域113の表層には、P導電型(P+)のコレクタ領域114が形成されており、このコレクタ領域114にコレクタ電極131が接続されている。また、ウェル領域13の表層に、ソース領域15に代えてN導電型(N+)のエミッタ領域115が形成されており、このエミッタ領域115にエミッタ電極130が接続されている。図13は、半導体装置の変形例を示す断面図である。
本実施形態においては、負荷103が、ローサイド側に配置されたMOSトランジスタ素子70によってスイッチングされるローサイド駆動の例を示した。しかしながら、図14に示すように、負荷103が、ハイサイド側に配置されたMOSトランジスタ素子70によってスイッチングされるハイサイド駆動の回路構成としても良い。図14は、回路の変形例を示す模式図である。
本実施形態においては、半導体基板10の一表面10a上にLOCOS12が形成される例を示した。しかしながら、LOCOS12はなくとも良い。
本実施形態においては、ウェル領域13の表層の一部に、ボディコンタクト領域16が形成される例を示した。しかしながら、ボディコンタクト領域16はなくとも良い。しかしながら、ウェル領域13の電位を安定させるために、ボディコンタクト領域16が形成されているほうが好ましい。
本実施形態においては、定電流出力インダクタンス負荷の回路構成におけるスイッチング動作を説明した。しかしながら、回路構成は上記例に限定されるものではない。少なくとも、本実施形態で示したトランジスタ素子であれば、電位障壁(PN接合、ショットキー接合、低濃度領域)によって、ターンオン若しくはターンオフ時の少なくとも一方の電流変化を小さくすることができる。
第1実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。 トランジスタ素子を備えた定電流出力インダクタンス負荷の回路構成を示す模式図である。 図2に示す回路の動作を説明するためのタイムチャートである。 半導体装置の変形例を示す断面図である。 半導体装置の変形例を示す断面図である。 半導体装置の変形例を示す断面図である。 半導体装置の変形例を示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。 第3実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。 半導体装置の変形例を示す断面図である。 第4実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。 第5実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。 半導体装置の変形例を示す断面図である。 回路の変形例を示す断面図である。
符号の説明
14・・・ドレイン領域
15・・・ソース領域
17・・・チャネル形成領域
30・・・ソース電極
31・・・ドレイン電極
50・・・ゲート電極
51・・・ゲート配線
52・・・第1ゲート部
53・・・第2ゲート部
54・・・PN接合部
70・・・MOSトランジスタ素子
100・・・半導体装置

Claims (9)

  1. 半導体基板の表面上に対をなして設けられた第1電極及び第2電極と、第1制御電極とを有し、前記第1制御電極と前記第1電極との間に入力される制御信号によって、前記第1電極と前記第2電極との間を流れる電流が制御されるトランジスタ素子を備えた半導体装置であって、
    前記第1制御電極には、前記制御信号が入力される部位と、前記半導体基板におけるチャネル形成領域と対向する領域であって前記第1電極側の端部との間に第1電位障壁が設けられ、
    前記制御信号に応じて、前記第1制御電極と前記第1電極との間の容量部の少なくとも一部が、前記第1電位障壁を介して充放電され
    前記第1電位障壁は、前記第1制御電極において、前記半導体基板のチャネル形成領域と対向する領域内に設けられ、
    前記第1電位障壁は、前記第1制御電極において、前記半導体基板のチャネル形成領域と、該チャネル形成領域に前記制御信号が入力される部位側で隣接する前記半導体基板のドリフト領域との境界上に設けられていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1制御電極は、前記制御信号を生成する電圧制御部と接続され、
    前記第2電極は、インダクタンス性の負荷と直列に接続され、
    前記負荷には、還流ダイオードが並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1制御電極は、前記制御信号を生成する電圧制御部と接続され、
    前記第1電極は、インダクタンス性の負荷と直列に接続され、
    前記負荷には、還流ダイオードが並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 半導体基板の表面上に対をなして設けられた第1電極及び第2電極と、第1制御電極とを有し、前記第1制御電極と前記第1電極との間に入力される制御信号によって、前記第1電極と前記第2電極との間を流れる電流が制御されるトランジスタ素子を備えた半導体装置であって、
    前記第1制御電極には、前記制御信号が入力される部位と、前記半導体基板におけるチャネル形成領域と対向する領域であって前記第1電極側の端部との間に第1電位障壁が設けられ、
    前記制御信号に応じて、前記第1制御電極と前記第1電極との間の容量部の少なくとも一部が、前記第1電位障壁を介して充放電され、
    前記第1電位障壁は、PN接合であり、
    前記第1制御電極には、前記半導体基板におけるチャネル形成領域と対向する領域であって前記第1電極側の端部と前記第1電位障壁との間に、第2電位障壁としてのPN接合が設けられていることを特徴とする半導体装置。
  5. 前記トランジスタ素子は、前記第1制御電極上に設けられ、前記第1電位障壁及び前記第2電位障壁を介して前記第1制御電極に流れる電流を制御する第2制御電極を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記第1電位障壁は、ショットキー接合であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 半導体基板の表面上に対をなして設けられた第1電極及び第2電極と、第1制御電極とを有し、前記第1制御電極と前記第1電極との間に入力される制御信号によって、前記第1電極と前記第2電極との間を流れる電流が制御されるトランジスタ素子を備えた半導体装置であって、
    前記第1制御電極には、前記制御信号が入力される部位と、前記半導体基板におけるチャネル形成領域と対向する領域であって前記第1電極側の端部との間に第1電位障壁が設けられ、
    前記制御信号に応じて、前記第1制御電極と前記第1電極との間の容量部の少なくとも一部が、前記第1電位障壁を介して充放電され、
    前記第1電位障壁は、ショットキー接合であることを特徴とする半導体装置。
  8. 前記第1電位障壁は、同一導電型の2つの高濃度領域を隔てる同一導電型の低濃度領域であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 半導体基板の表面上に対をなして設けられた第1電極及び第2電極と、第1制御電極とを有し、前記第1制御電極と前記第1電極との間に入力される制御信号によって、前記第1電極と前記第2電極との間を流れる電流が制御されるトランジスタ素子を備えた半導体装置であって、
    前記第1制御電極には、前記制御信号が入力される部位と、前記半導体基板におけるチャネル形成領域と対向する領域であって前記第1電極側の端部との間に第1電位障壁が設けられ、
    前記制御信号に応じて、前記第1制御電極と前記第1電極との間の容量部の少なくとも一部が、前記第1電位障壁を介して充放電され、
    前記第1電位障壁は、同一導電型の2つの高濃度領域を隔てる同一導電型の低濃度領域であることを特徴とする半導体装置。
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