JP5205787B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池に関する。
燃料電池を製造する際には、たとえば、膜電極接合体と、多孔体と、セパレータとが積層される。燃料電池の運転時には、反応ガスが供給され、膜電極接合体とセパレータとに挟まれた多孔体内を流通する。その際、反応ガスが膜電極接合体と接触することによって、発電が行われる。多孔体の周囲は、燃料電池外に反応ガスが漏れ出さないように、シール部材でシールされている。
さらに、シール部材の内側において反応ガスが多孔体内を通過せずに多孔体の周囲(多孔体とシール部材の隙間)を通過して排出されてしまうことがないように、多孔体の周囲には、反応ガスを通さない物質が充填される。たとえば、ある従来技術においては、ガスシール材19,21とガス拡散層電極9,11との間に、熱硬化性樹脂69が充填される(特許文献1)。そのような構成が複数組、積層されて、加圧された状態で固定されることにより、燃料電池が製造される。
特開2005−183210号公報 特開2005−174875号公報 特開2005−158690号公報 特開2002−221276号公報
しかし、充填材がある程度以上、硬い場合には、以下のような問題が生じる。すなわち、充填材の量が多すぎると、多孔体とシール部材の隙間において、その充填材によって構成される部分が想定された厚さよりも厚くなる。すると、膜電極接合体、多孔体、およびセパレータを積層し、それらを圧縮して燃料電池を形成する際に、充填材の部分が想定値よりも多い荷重を受ける。そして、膜電極接合体と多孔体とに十分な荷重がかからなくなる。その結果、膜電極接合体と多孔体との間の接触抵抗が大きくなり、発電効率が低下する。
一方で、充填材の量が少ないと、多孔体の周囲に隙間ができる。すると、燃料電池の運転時に、反応ガスが多孔体内を通過せずに多孔体の周囲を通過して排出されてしまう。その結果、やはり発電効率が大幅に低下する。
また、充填材がある程度以上、柔らかい場合には、以下のような問題が生じる。すなわち、ある程度以上、柔らかい充填材は、多くの場合、表面の粘着性も高い。このため、カーボンペーパやカーボンクロスで生成される拡散層と接触している部分においては、充填材が拡散層と密着し、さらには、充填材の一部が、カーボンペーパやカーボンクロスの繊維の間に進出してしまう。言い換えれば、カーボンペーパやカーボンクロスの繊維が、充填材の内部に取り込まれてしまう。
このため、膜電極接合体、多孔体、セパレータなどの燃料電池のいずれかの構成に不具合が生じて、各構成を分解する必要が生じた場合に、充填材を拡散層から剥離することができない。すなわち、充填材を拡散層から剥離しようとすると、カーボンペーパやカーボンクロスで生成される拡散層の一部が、充填材に取り込まれたまま充填材側に剥離する可能性がある。また、充填材がちぎれて、一部が拡散層側に残ってしまう可能性もある。このような問題は、柔軟な素材で多孔体をシールしている様々な構成において生じうる。
本発明は、上述した従来の課題の少なくとも一部を取り扱うものであり、多孔体をシールするための充填材において、多孔体への粘着性の低減と柔軟性の確保の両立を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施態様としての燃料電池は、以下のような構成を有する。すなわち、その燃料電池は、反応ガスと接触して発電を行う電解質膜と、電解質膜に反応ガスを供給するための多孔体部であって電解質膜と接触して配される拡散層部を含む多孔体部と、反応ガスを透過しない素材を使用して構成され、多孔体部に対して電解質膜とは逆の側に配されるセパレータと、多孔体部およびセパレータと密着し電解質膜とセパレータとの間において多孔体部をシールする可変部材と、を有する。可変部材は、拡散層部と接触する第1の部分と、拡散層部と接触せず第1の部分よりも柔らかい素材で構成される第2の部分と、を有する。
このような態様とすれば、第2の部分を容易に変形できる程度の柔らかさとすることで、可変部材が想定値よりも多い荷重を受ける事態を防止できる。その結果、膜電極接合体と多孔体部とに十分な荷重がかからなくなり、発電効率が低下する事態を防止できる。また、拡散層部と接触する第1の部分は、第2の部分よりも硬い素材で構成されるため、拡散層部に浸透しにくい。その結果、拡散層部と可変部材のいずれも破壊することなく、拡散層部と可変部材とを剥離できる可能性が高い。なお、多孔体部は、拡散層部以外に、たとえば多孔質金属などの、拡散層部よりも硬い素材で構成される部分を有することが好ましい。
なお、可変部材は、第1の部分は第2の部分を覆っている構成とすることが好ましい。このような態様とすれば、第2の部分の素材が拡散層部と接してしまう可能性を低減することができる。
また、可変部材は、−30°C〜120°C程度の環境下において不可逆な変質を起こさない素材で構成されることが好ましい。このような態様とすれば、たとえば、燃料電池が屋外におかれて屋外の温度と同じ温度となっている運転停止状態から、燃料電池を運転している状態までの温度範囲において、燃料電池が性能を発揮することができる。
なお、第1の部分は、硫酸との間で反応を起こさない素材で構成されることが好ましい。このような態様とすれば、発電のための電気化学反応によって硫酸が生成された場合にも、多孔体部を流通すべき反応ガスが想定外の他の部分を流通する可能性が低い。
第1の部分は、シリコンゴム、EPDM、フッ素系ゴムなどとすることができ、第2の部分は、熱可塑性エラストマーとすることができる。第1の部分は、より具体的には、シリコンゴム、EPDM、フッ素系ゴムからなる集合から選択された1以上の要素を含むことができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池の製造方法、燃料電池における面圧の均一化方法や、燃料電池を搭載した車両などの形態で実現することが可能である。
A.実施例:
図1は、本発明の一実施例である燃料電池1の断面図である。この燃料電池1は、膜電極接合体一体型シール部20と、セパレータ30とを交互に積層して構成される。膜電極接合体一体型シール部20とセパレータ30との間には、ガス流路部26または27が配される。なお、以下では、膜電極接合体一体型シール部20を「MEA(Membrane Electrode Assembly)一体型シール部20」と表記する。
これらMEA一体型シール部20、ガス流路部26,27、ならびにセパレータ30を含む積層体の積層方向の両端には、エンドプレート(図示せず)が配される。その両端のエンドプレートが互いに締結されることによって、MEA一体型シール部20、ガス流路部26,27、ならびにセパレータ30は、積層方向Asに加圧される。
MEA一体型シール部20は、長方形の略板状の部材である。MEA一体型シール部20は、膜電極接合体22と、膜電極接合体22の両側に構成されたガス拡散層24,25と、膜電極接合体22ならびにガス拡散層24,25の外周部にそれらと一体で構成されたシール部28と、を有する。なお、以下では、膜電極接合体22を、「MEA(Membrane Electrode Assembly)22」と表記する。
MEA22は、電解質膜と、電解質膜の両面に構成された触媒層と、を有する。電解質膜は、水素イオンと水を透過しやすい素材で設けられた長方形の膜である。この電解質膜は、酸素を含む酸化ガスと、水素を含む燃料ガスとをほとんど透過しない。電解質膜は、たとえば、パーフルオロスルホン酸膜とすることができる。なお、発電のための電気化学反応に使用される酸化ガスと燃料ガスとを区別せずに表す場合には、「反応ガス」という名称を用いる。
触媒層は、カーボンブラックに白金を担持させて設けられた層である。触媒層によって、酸化ガスの反応および燃料ガスの反応が促進される。
ガス拡散層24,25は、互いに連通した空隙を有する多孔体である。ただし、このガス拡散層24,25は、多孔質金属に比べて柔らかい素材で構成される。ガス拡散層24,25は、たとえば、厚さ約200μmの長方形のカーボンペーパとすることができる。ガス拡散層24,25は、MEA22の両側において、MEA22に接して配される。ガス拡散層24,25はカーボンペーパで設けられているため、MEA22と接触させて、その後加圧しても、MEA22を損傷させにくい。
これらのガス拡散層24,25は、それぞれ酸化ガスと、燃料ガスとを透過することができる。ガス拡散層24は、酸化ガスを触媒層および電解質膜に伝える。ガス拡散層25は、燃料ガスを触媒層および電解質膜に伝える。
図2は、MEA一体型シール部20の平面図である。図1に示されるMEA一体型シール部20の断面図は、図2のA−A断面の断面図に相当する。それぞれ長方形に構成され、互いに積層されるMEA22とガス拡散層24,25の外周には、シール部28が構成される。シール部28は、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴムなどの絶縁性樹脂材料によって形成される。シール部28は、射出成形により、MEA22と一体で形成される。
シール部28には、MEA22とガス拡散層24,25の積層方向にシール部28を貫通する穴40〜45が設けられている。穴40と穴41は、MEA22をはさんで逆の側に設けられている。そして、穴40と穴41は、長方形のMEA一体型シール部20において、向かい合う2辺の近傍に設けられている。
燃料電池1において穴40は、電気化学反応に供するための酸化ガスをMEA22に供給するための酸化ガス供給マニホールドMOpの一部を形成する(図1参照)。なお、図1において、矢印AOiは、MEA22に供給される酸化ガスの流れを示す。
また、燃料電池1において穴41は、電気化学反応に供された後の酸化ガスを燃料電池1外に排出するための酸化ガス排出マニホールドMOeの一部を形成する(図1参照)。なお、図1において、矢印AOoは、MEA22から排出される酸化ガスの流れを示す。
穴43と穴44も、MEA22をはさんで逆の側に設けられている。ただし、穴43と穴44はそれぞれ、長方形のMEA一体型シール部20において、穴40と穴41がその近傍に設けられている2辺とは異なる辺の近傍に設けられている。
燃料電池1において穴44は、電気化学反応に供するための燃料ガスをMEA22に供給するための燃料ガス供給マニホールドの一部を形成する。また、燃料電池1において穴43は、電気化学反応に供された後の燃料ガスを燃料電池1外に排出するための燃料ガス排出マニホールドの一部を形成する。
穴42と穴45も、MEA22をはさんで逆の側に設けられている。ただし、穴42と穴45はそれぞれ、長方形のMEA一体型シール部20において、穴43と穴44がその近傍に設けられている2辺と同じ辺の近傍に設けられている。
燃料電池1において、穴42は、セパレータ30内の冷媒流路を流通する冷媒を供給するための冷媒供給マニホールドの一部を形成する。燃料電池1において、穴45は、セパレータ30内の冷媒流路を流通した冷媒を燃料電池1外に排出するための冷媒排出マニホールドの一部を形成する。
これらの穴40〜45は、シール部28の一部であって、尾根部281によってそれぞれ外周を囲まれている。尾根部281は、シール部28において、MEA一体型シール部20とセパレータ30との積層方向の両側(図2の紙面方向の手前および奥の向き)に突出している。その結果、セパレータ30とセパレータ30の間においては、穴40〜45は、それぞれ独立にシールされている(図1および図2参照)。
同様に、ガス拡散層24,25のうちMEA一体型シール部20の中央部分において外面に露出している部分も、その外周を尾根部281によって囲まれている。その結果、セパレータ30とセパレータ30の間においては、ガス拡散層24,25もそれぞれ独立にシールされている。
ガス流路部26,27は、互いに連通した空隙を有する多孔体である。ガス流路部26,27は、たとえば、耐食性の高い多孔質金属で構成することができる。ガス流路部26,27は、MEA22の両側において、ガス拡散層24,25に接して配される。そして、ガス流路部26,27は、MEA一体型シール部20とセパレータ30とに挟まれる。すなわち、あるセパレータ30は、ガス拡散層24およびガス流路部26に対して、MEA一体型シール部20とは逆の側に配される(図1参照)。また、他のセパレータ30は、ガス拡散層25およびガス流路部27に対して、MEA一体型シール部20とは逆の側に配される。
これらのガス流路部26,27は、それぞれ酸化ガスと、燃料ガスとを透過することができる。ガス流路部26は、酸化ガスをガス拡散層24に伝える。ガス流路部27は、燃料ガスをガス拡散層25に伝える。(図1参照)。
MEA一体型シール部20とセパレータ30との間において、ガス流路部26,27のうちMEA一体型シール部20またはセパレータ30と接触しない部分(たとえば外周端部26e,27e)は、充填材60によって密閉される。充填材60は、酸化ガスおよび燃料ガスを通さないエラストマー素材によって構成される。
なお、本明細書においては「エラストマー」とは、外力を加えられない状態で所定の形状を維持でき、外力に応じて任意の形状に変形できるとともに、外力が除去されるともとの形に近づくようにふたたび変形する素材をいうものとする。典型的なエラストマーの素材とは、3次元網目構造と媒体とから構成される物質である。
充填材60は、充填材60の外周部分を構成する第1の部分61と、第1の部分61に覆われている中心部分を構成する第2の部分62と、を有する(図1参照)。すなわち、第2の部分62は、充填材60の表面に露出していない。第1の部分61は、シリコンゴムで設けられている。第2の部分は、熱可塑性エラストマー(以下、「TPE」(Thermoplastic Elatromer)と表記する)で設けられている。
本実施例において第2の部分62を構成するTPEは、第1の部分61を構成するシリコンゴムに比べて、柔らかい。なお、第1の部分61を構成する素材と、第2の部分62を構成する素材との柔らかさ(硬さ)の比較は、同一形状(たとえば直方体)に整形した各素材のサンプルを、JIS K 6253に準処した同一のデュロメータで測定することにより、行うものとする。
また、本実施例において第1の部分61を構成するシリコンゴムは、第2の部分62を構成するTPEに比べて、粘着性が低い。なお、第1の部分61を構成する素材と、第2の部分62を構成する素材との粘着性の比較は、以下のようにして行うものとする。すなわち、(1)同一形状(たとえば直方体)に整形した各素材のサンプルを、同一の素材で設けられた平面の上に載せる。(2)さらにそのサンプルの上から同一の素材および底面が平らな同一の形状で設けられた分銅を載せる。(3)一定時間経過後に、平面に垂直な方向に沿って各サンプルからその分銅を引き離すのに要する力を測定する。そのようにして得られた測定値を比較することによって、両素材の粘着性の比較を行うことができる。すなわち、剥離に要する力が大きい方が粘着性が高い。
なお、充填材60の第1の部分61を構成するシリコンゴムと、第2の部分62を構成するTPEとは、それぞれ−30°C〜120°C程度の環境下で不可逆な変質を起こさず、かつ、硫酸と反応しない。
この充填材60は、図1に示すように、ガス流路部26,27の外周端部26e,27eのほか、ガス拡散層24,25の一部、ならびにシール部28の一部とも接する。その結果、燃料電池1において、セパレータ30から供給される燃料ガスおよび酸化ガスは、シール部28とガス流路部26,27との間の隙間を流通することなく、ガス流路部26,27内を流通する(図1の矢印AOi参照)。
なお、シール部28の尾根部281と充填材60との間には、空間81が存在する。すなわち、充填材60は、MEA22と、シール部28と、セパレータ30と、ガス流路部26,27の外周端部26e,27eと、で構成される空間を埋め尽くしているわけではない。
セパレータ30は、形状および大きさがMEA一体型シール部20とほぼ等しい板状部材である。セパレータ30は、カソード側プレート31と、アノード側プレート33と、カソード側プレート31およびアノード側プレート33の間に位置する中間プレート32と、を備える。
各プレートは、酸化ガスおよび反応ガスを透過しない素材、例えばステンレスで構成される。各プレートは、セパレータ30がMEA一体型シール部20と積層された際にMEA一体型シール部20の穴40〜45と重なる位置に、穴を有している。MEA一体型シール部20の穴40〜45にそれぞれ対応する位置にあるカソード側プレート31の穴を穴3140〜3145と呼ぶ。MEA一体型シール部20の穴40〜45にそれぞれ対応する位置にあるアノード側プレート33の穴を穴3340〜3345と呼ぶ。
各穴3140〜3145,3340〜3345は、MEA一体型シール部20の穴40〜45とともに、酸化ガス供給マニホールドMOp、酸化ガス排出マニホールドMOe、燃料ガス供給マニホールド、燃料ガス排出マニホールド、冷媒供給マニホールド、冷媒排出マニホールドを形成する。
セパレータ30は、カソード側プレート31とアノード側プレート33の間の空隙である空隙55に酸化ガス供給マニホールドMOpから供給される酸化ガスを受け取る(図1の下段の矢印AOi参照)。そして、その酸化ガスを、カソード側プレート31に設けられた穴50を介してガス流路部26に供給する。
また、セパレータ30は、カソード側プレート31に設けられた穴51を介して、反応に使用された酸化ガスをガス流路部26から受け取る(図1の下段の矢印AOo参照)。そして、その酸化ガスを、カソード側プレート31とアノード側プレート33の間の空隙である空隙56に受け取って、酸化ガス排出マニホールドMOeに排出する。
また、セパレータ30は、燃料ガス供給マニホールド(図2の穴44参照)からカソード側プレート31とアノード側プレート33の間の空隙に燃料ガスを受け取る。そして、アノード側プレート33に設けられた穴を介してガス流路部27に供給する。燃料ガスは、ガス流路部27内を図1の紙面に垂直な方向に沿って手前から奥に向かって流通する。
そして、セパレータ30は、アノード側プレート33に設けられた穴を介して、ガス流路部27からカソード側プレート31とアノード側プレート33の間の空隙に、反応に使用された燃料ガスを受け取る。そして、その燃料ガスを、燃料ガス排出マニホールド(図2の穴43参照)に排出する。
さらに、セパレータ30は、カソード側プレート31とアノード側プレート33の間に冷媒流路34を有する。冷媒供給マニホールド(図2の穴42参照)から供給された冷媒は、冷媒流路34を流通し、ガス流路部26,27から熱を受け取る。そして、冷媒は、冷媒排出マニホールド(図2の穴45参照)を通って燃料電池1外に排出される。
図3は、MEA一体型シール部20と、セパレータ30と、ガス流路部26,27との積層方法を示す図である。まず、MEA一体型シール部20と、セパレータ30と、ガス流路部26,27とを準備する。そして、図3の上段および下段に示すように、ガス流路部26,27をセパレータ30に対して接合する。一方、MEA一体型シール部20上(図3において、MEA一体型シール部20の上下両面)に、充填材60を付ける。その後、ガス流路部26,27が接合されたセパレータ30と、MEA一体型シール部20とを接合する。
なお、MEA一体型シール部20のガス拡散層24,25は、カーボンペーパで構成されている。このガス拡散層24,25は、射出成形によってその端部にシール部28が設けられMEA一体型シール部20が製造される際には、圧縮されている。このため、ガス拡散層24,25の端部は、圧縮された状態でシール部28と接続されている。
一方、ガス拡散層24,25のシール部28との接合部以外の部分は、MEA一体型シール部20と、セパレータ30と、ガス流路部26,27とが積層される前の時点では、荷重を受けていない。このため、ガス拡散層24,25は、シール部28と接続されている端部以外の部分は、積層前の状態ではふくらんでいる(図3の中段参照)。
MEA一体型シール部20と、セパレータ30と、ガス流路部26,27との積層に先立って、MEA一体型シール部20には、充填材60が配される(図3の中段参照)。充填材60は、ガス拡散層24,25とシール部28との境界部分に配される。この時点で、充填材60は、ガス拡散層24とシール部28の両方、またはガス拡散層25とシール部28の両方に接している。また、充填材60は、シール部28の尾根部281には接触していない。すなわち、MEA一体型シール部20とセパレータ30との積層の方向Asとは垂直な方向Ap(図3において一点鎖線で示す)について、充填材60と尾根部281の間には空間82が存在する。
図4は、MEA一体型シール部20上に配された充填材60を示す図である。図4に示すように、複数の充填材60が、ガス拡散層24,25の外周部に沿って配されている。なお、図4において充填材60の表面に表れているのは、充填材60の第1の部分61である。図3の中段に示すMEA一体型シール部20の断面図は、図4のB−B断面の断面図である。
図3および図4に示すようにMEA一体型シール部20に充填材60が配された後、MEA一体型シール部20と、ガス流路部26,27が接合されたセパレータ30と、が接合される。すると、図1に示すように、ガス拡散層24の外周部に配された複数の充填材60は、ガス流路部26の外周端面26eと、セパレータ30のカソード側プレート31とに密着する。さらに、それら複数の充填材60は、各構成の積層方向(図1のAs方向)に圧縮されて、積層方向に垂直な平面内で広がることにより、互いに隣接する充填材60と密着する。その結果、ガス拡散層24に配された充填材60は、シール部28とともに、ガス流路部26およびガス拡散層24を、MEA22とセパレータ30との間においてシールする。
一方、ガス拡散層25の外周部に配された複数の充填材60は、ガス流路部27の外周端面27eと、セパレータ30のアノード側プレート33とに密着する(図1参照)。さらに、上述のように、それら複数の充填材60は、互いに隣接する充填材60と密着する。その結果、ガス拡散層25に配された充填材60は、シール部28とともに、ガス流路部27およびガス拡散層25を、MEA22とセパレータ30との間においてシールする。
なお、各構成の積層後には、ガス拡散層24,25は圧縮され、積層前の状態に比べて薄くなっている(図1および図3参照)。また、少なくとも一部において、シール部28の尾根部281と充填材60との間には、空間81が残っている。
本実施例においては、充填材60の内部を構成する第2の部分62は、充填材60の表面を構成する第1の部分61の素材よりも柔らかい素材で設けられる。このため、充填材60の全体を第1の部分61の素材で構成する態様に比べて、充填材60全体を、荷重によって変形しやすいように設けることができる。
その結果、本実施例においては、各構成の積層後に(図1参照)、充填材60が想定値よりも多くの荷重を受けてしまい、MEA22と、ガス拡散層24,25と、ガス流路部26,27と、が受ける圧縮荷重が小さくなってしまう可能性が少ない。すなわち、膜電極接合体と多孔体との間の接触抵抗が大きくなり、発電効率が低下してしまう可能性が低い。
また、本実施例においては、充填材60の表面を構成する第1の部分61は、充填材60の内部を構成する第2の部分62の素材よりも硬く、粘着性の低い素材で設けられる。このため、充填材60の全体を第2の部分62の素材で構成する態様に比べて、充填材60がカーボンペーパであるガス拡散層24,25の繊維の一部を取り込みにくい。よって、各構成の積層後、何らかの理由により充填材60とガス拡散層24,25とを分離する必要が生じた場合にも、充填材60およびガス拡散層24,25を、破壊することなく、分離することができる。
また、本実施例においては、各構成の積層の前と後で形状が変化しうるガス拡散層24,25に、あらかじめ充填材60が配されている。このため、ガス拡散層24,25以外の構成に充填材60が配されて各構成が積層される態様に比べて、積層後に、より確実にガス拡散層24,25に充填材60を密着させることができる。また、ガス拡散層24,25以外の構成は、ガス拡散層24,25に比べて積層前後で変形しにくい。このため、本実施例によれば、ガス拡散層24,25およびガス流路部26,27をシールする際の不確実性をより低減することができる。言い換えれば、ガス拡散層24,25以外の構成に充填材60を配する態様に比べて、燃料電池の製造工程において、充填材60の量と、積層後に充填材60が占める空間の大きさと、ガス拡散層24,25およびガス流路部26,27のシール性と、をより正確に制御できる。
このため、本実施例においては、積層後に充填材60の厚みが想定値よりも厚くなり、その結果、MEA22と、ガス拡散層24,25と、ガス流路部26,27と、が受ける圧縮荷重が小さくなってしまう可能性が少ない。よって、製造される燃料電池の発電効率のばらつきが少ない燃料電池の製造工程を実現することができる。
また、燃料電池の製造工程においては、充填材60の量が設計値よりも増える場合がある。そして、ガス流路部26,27やMEA一体型シール部20、セパレータ30の寸法誤差に起因して、MEA22と、シール部28と、セパレータ30と、ガス流路部26,27の外周端部と、で構成される空間(燃料電池1において充填材60が存在する空間)が、設計値よりも小さくなることもある。さらに、ガス流路部26,27とセパレータ30の相対的な位置決め誤差に起因して、上記の充填材60が存在すべき空間が、設計値よりも小さくなることがある。
本実施例は、充填材60が存在すべき空間は、シール部28の尾根部281側に余剰部分を有している。すなわち、各構成を積層する前には、シール部28の尾根部281と充填材60との間には、空間82が存在する(図3参照)。そして、積層後においても、シール部28の尾根部281と充填材60との間には、空間81が残存する(図1参照)。すなわち、充填材60は、MEA22と、シール部28と、セパレータ30と、ガス流路部26,27の外周端部と、で構成される空間を埋め尽くしているわけではない。
本実施例は上記のような構成を有するため、製造工程上の誤差に起因して、充填材60が存在すべき空間の大きさが設計値よりも小さくなった場合にも、充填材60によって構成される部分の厚みが想定よりも厚くなりにくい。このため、充填材60のために、MEA22と、ガス拡散層24,25と、ガス流路部26,27と、が受ける圧縮荷重が小さくなってしまう可能性が少ない。よって、本実施例によれば、この点からも、発電効率のばらつきが少ない燃料電池の製造工程を実現することができる。
B.変形例:
この発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
図5は、変形例におけるMEA一体型シール部20と、セパレータ30と、ガス流路部26,27との積層方法を示す図である。上記実施例においては、粘着性が低い第1の部分61は、第2の部分62全体を覆っている。しかし、可変部材(上記実施例において充填材60)の第1の部分と第2の部分とは、他の態様をすることもできる。
たとえば、図5に示すように、第2の部分62の一部が第1の部分61によって覆われていない態様とすることもできる。そのような態様においては、第2の部分62は、セパレータ30やガス流路部26,27に直接、密着する。ただし、第2の部分62は、ガス拡散層24,25には接していない。このような態様においても、充填材60をガス拡散層24,25から容易に剥離することができる。
すなわち、ガス流路部26,27やガス拡散層24,25をシールするための可変部材は、拡散層部(上記実施例においてガス拡散層24,25)と接触する第1の部分が、拡散層部と接触しない第2の部分よりも粘着性が低い素材で設けられていればよい。そのような態様としても、可変部材全体が第2の部分の素材で設けられている態様に比べて、容易に拡散層部と可変部材とを剥離することができる。
ただし、粘着性が低い第1の部分61が第2の部分62全体を覆っている態様は、第2の部分62が燃料電池内において移動して、拡散層部(上記実施例においてガス拡散層24,25)に接してしまう可能性が低い。すなわち、拡散層部と可変部材とを剥離する際に、拡散層部と可変部材とが破壊されてしまう可能性が低い。第1の部分61が第2の部分62全体を覆っている態様は、また、第1の部分61が第2の部分62の表面の一部と接して設けられる態様に比べて、製造が容易である。
B2.変形例2:
上記実施例では、充填材60は、第1の部分61と、第1の部分に覆われる第2の部分と、を有している。しかし、充填材60は、互いに異なる素材で構成される3以上の部分を有する態様とすることもできる。そのような態様においては、3以上の部分のうち、ガス拡散層24,25と接する第1の部分は、ガス拡散層24,25と接しない第2の部分に比べて粘着性が低い素材で設けられることが好ましい。
B3.変形例3:
ガス流路部26,27やガス拡散層24,25をシールするための可変部材(上記実施例において充填材60)は、外力によって任意の形状とすることができる素材で構成することができる。また、ガス流路部26,27やガス拡散層24,25をシールするための可変部材は、外力によってある程度まで変形できるが、いったん複数の部材に切り離された場合には再び一体の部材とはなりえない部材として構成することもできる。なお、そのような態様においては、ガス流路部26,27やガス拡散層24,25をシールするための部材は、あらかじめ環状の状態で配することが好ましい。すなわち、ガス流路部26,27やガス拡散層24,25をシールするための部材は、柔軟性があり、反応ガスを透過しない素材で構成することができる。
上記実施例においては、充填材60の第1の部分61は、シリコンゴムで設けられている。しかし、充填材60の第1の部分61は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)やフッ素ゴムなどの、他の素材で設けることができる。
また、上記実施例においては、充填材60の第2の部分62は、TPEで設けられている。しかし、充填材60の第2の部分62は、ゴム系素材などの他の素材で設けることができる。
なお、充填材60の第2の部分62をTPEで設ける場合には、その素材としてのTPEは、たとえば、SEBS(ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)−ポリスチレン)のブロック共重合体、SEPS(ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)−ポリスチレン)のブロック共重合体、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)のブロック共重合体などを採用することができる。
また、第1の部分と第2の部分にそれぞれ含まれる軟化剤成分の割合を変えることによって、第1の部分と、第1の部分よりも柔らかい素材で構成される第2の部分とを設けることもできる。なお、軟化剤成分としては、たとえば、パラフィン系オイル材料(石ろう、鉱物油などの高パラフィン含量のオイル材料)を採用することができる。
すなわち、可変部材(上記実施例において充填材60)の第2の部分は、第1の部分よりも柔らかい任意の素材で構成することができる。なお、可変部材の第1の部分は、第2の部分よりも粘着性が低い素材で設けることが好ましい。
B4.変形例4:
上記実施例では、充填材60の第1の部分61と第2の部分62とは、それぞれ−30°C〜120°C程度の環境下で不可逆な変質を起こさない素材で設けられる。しかし、可変部材(上記実施例において充填材60)の第1の部分と第2の部分は、他の特性を備える素材で設けることもできる。
ただし、充填材60の第1の部分61と第2の部分62とは、それぞれ−50°C〜120°Cの環境下で不可逆な変質を起こさないことが好ましく、−30°C〜100°Cの環境下で不可逆な変質を起こさないことがより好ましい。そして、−10°C〜90°Cの環境下で不可逆な変質を起こさないことがさらに好ましい。
B5.変形例5:
上記実施例では、充填材60の第1の部分61と第2の部分62とは、それぞれ−30°C〜120°C程度の環境下で硫酸と反応しない素材で設けられる。しかし、可変部材(上記実施例において充填材60)の第1の部分と第2の部分は、他の特性を備える素材で設けることもできる。
たとえば、第2の部分が第1の部分で覆われており、充填材60において外部に露出していない態様においては、第2の部分を、上記の不可逆な変成を起こさない温度環境下で硫酸と反応しうる素材で構成することもできる。ただし、充填材60の第1の部分61と第2の部分62とは、上記の不可逆な変成を起こさない温度環境下で、硫酸などの各種の酸と反応しない素材で設けることがより好ましい。
B6.変形例6:
上記実施例においては、充填材60は、ガス拡散層24,25の外周部に沿って複数の部分に配される。しかし、充填材60は、ガス拡散層24,25の外周部の全周にわたって連続的に(言い換えれば環状に)、配することもできる。そのような態様とすれば、MEA一体型シール部20(MEA22)とセパレータ30の間において、より確実にガス流路部26,27ならびにガス拡散層24,25をシールすることができる。
ただし、図4のように、充填材60をガス拡散層24,25の外周部に沿って複数の部分に配する態様においては、それぞれ第1の部分61が第2の部分62を覆う構成を有する充填材60を容易に製造し、配置することができる。なお、このような態様においては、充填材60は、いったん複数の部分に切り離された後に、第1の部分61同士が接合して再び一体となりえる素材で構成することが好ましい。
このような態様においては、圧縮時に複数の充填材60が互いにつながって、ガス流路部26,27およびガス拡散層24,25のシールが達成される。このため、製造誤差に起因して、MEA22と、ガス流路部26,27およびガス拡散層24,25と、セパレータ30とで構成される空間の大きさが想定よりも小さくなった場合には、複数の可変部材の接続部分が太くなる。また、その空間の大きさが想定よりも大きくなった場合には、複数の充填材60の接続部分が細くなる。すなわち、上記の空間の大きさの変動を、複数の充填材60の接続部分の大きさの変化で吸収することができる。このため、充填材60が上記の空間を埋めてしまって、積層時に想定よりも多い荷重を受けてしまう可能性を低減することができる。
B7.変形例7:
上記実施例では、MEA一体型シール部20の両面に、ガス拡散層24およびシール部28に接する充填材60と、ガス拡散層25およびシール部28に接する充填材60と、を設けた。しかし、ガスを流通させる多孔体部と接するように配する可変部材は、各構成の積層前において、MEA一体型シール部20側ではなく、セパレータ30やガス流路部26,27に接して配することもできる(図5上段参照)。
そして、そのような状態のセパレータ30およびガス流路部26、またはセパレータ30およびガス流路部27に対して、可変部材が配されていないMEA一体型シール部20を接合することもできる(図5参照)。このような態様としても、各構成を積層した後に、可変部材と拡散層部(上記実施例においてガス拡散層24,25)とを容易に剥離させることができる。
なお、各構成の積層前において、MEAのいずれか一方の側において、可変部材が拡散層部(上記実施例においてガス拡散層24,25)およびシール部材と接して配されており、他方の側では、セパレータ30やガス流路部26,27と接して配されている態様とすることもできる。たとえば、セパレータ30、ガス流路部26,27ならびにMEA一体型シール部20を鉛直方向に積層する場合には、可変部材をセパレータ30およびMEA一体型シール部20の上側に配して積層することも好ましい。
B8.変形例8:
上記実施例では、まず、ガス流路部26,27とセパレータ30とが接合される(図3参照)。しかし、MEA一体型シール部20と、セパレータ30と、ガス流路部26,27との接合の順番は、この順番に限られない。たとえば、MEA一体型シール部20に対して、まずガス流路部26やガス流路部27を接合し、その後、セパレータ30を接合することもできる。
B9.変形例9:
上記実施例においては、酸化ガスを触媒層および電解質膜に伝える構成は、多孔体で構成されるガス流路部26とカーボンペーパで構成されるガス拡散層24であった。また、燃料ガスを触媒層および電解質膜に伝える構成は、多孔体で構成されるガス流路部27とカーボンペーパで構成されるガス拡散層25であった。
しかし、酸化ガスや燃料ガスを電解質膜に送るための構成は、他の態様とすることもできる。たとえば、酸化ガスや燃料ガスを電解質膜に送るための構成は、多孔質金属などの多孔体で構成される部分を有さず、カーボンペーパやカーボンクロスで構成される部分を有する態様とすることもできる。また、ガスを流通させるための溝部を有するセパレータと、セパレータとMEAの間に配されカーボンペーパやカーボンクロスで構成される部分と、を有する構成とすることもできる。すなわち、酸化ガスや燃料ガスを電解質膜に送るための構成は、連通した空隙を有するさまざまな態様とすることができる。
ただし、酸化ガスや燃料ガスを電解質膜に送るための構成のうち、MEAと接する第1の部分は、MEAを破壊しない程度に柔らかいことが好ましい。また、酸化ガスや燃料ガスを電解質膜に送るための構成は、MEAと接する第1の部分よりも硬い第2の部分を有することが好ましい。そのような態様とすれば、セパレータやMEAが積層され圧縮されても、一定量のガスを流通させることができる。
B10.変形例10:
上記実施例では、セパレータ30は、ステンレスで構成されている。しかし、セパレータは、ステンレス以外にも、耐腐食性の高い金属やカーボンなど、他の素材で構成することもできる。ただし、セパレータは、酸化ガスおよび燃料ガスを透過せず、かつ、酸化ガスおよび燃料ガスならびにそれらの電気化学反応の結果として生成される物質と反応しない素材を使用して構成することが好ましい。ただし、セパレータの一部であってそれらの物質と接触しない部分については、それら酸化ガスおよび燃料ガスならびにそれらの電気化学反応の結果として生成される物質と反応する素材や、それらの物質を透過する素材を使用することもできる。
B11.変形例11:
上記実施例では、セパレータとして、平坦な3枚のプレートを積層して構成される三層構造セパレータを用いている。しかし、セパレータは、他の構成とすることもできる。すなわち、セパレータは、ガス拡散層24,25(拡散層部)に反応ガスを供給し、ガス拡散層24,25から受け取った反応ガスを排出し、それら供給および排出のための流路以外の箇所においてセパレータの一方の側から他方の側に反応ガスを漏出させない構成であれば、任意の構成を採用することができる。
本発明の一実施例である燃料電池1の断面図。 MEA一体型シール部20の平面図。 MEA一体型シール部20と、セパレータ30と、ガス流路部26,27との積層方法を示す図。 MEA一体型シール部20上に配された充填材60を示す図。 変形例におけるMEA一体型シール部20と、セパレータ30と、ガス流路部26,27との積層方法を示す図。
符号の説明
20…MEA一体型シール部(膜電極接合体一体型シール部)
22…MEA(膜電極接合体)
24,25…ガス拡散層
26,27…ガス流路部
26e,27e…ガス流路部26,27の外周端部
28…シール部
30…セパレータ
31…カソード側プレート
32…中間プレート
33…アノード側プレート
34…冷媒流路
40〜45…穴
40…穴(酸化ガス供給マニホールドMOp)
41…穴(酸化ガス排出マニホールドMOe)
42…穴(冷媒供給マニホールド)
43…穴(燃料ガス排出マニホールド)
44…穴(燃料ガス供給マニホールド)
45…穴(冷媒排出マニホールド)
50…酸化ガス供給用の穴
51…酸化ガス排出用の穴
55…カソード側プレート31とアノード側プレート33の間の空隙
56…カソード側プレート31とアノード側プレート33の間の空隙
60…充填材
61…第1の部分
62…第2の部分
81…尾根部281と充填材60との間の空間
82…尾根部281と充填材60との間の空間
281…尾根部
3140〜3145,3340〜3345…穴
3140〜3145…カソード側プレート31の穴
3340〜3345…アノード側プレート33の穴
AOi…MEA22に供給される酸化ガスの流れを示す矢印
AOo…MEA22から排出される酸化ガスの流れを示す矢印
Ap…MEA一体型シール部20とセパレータ30の積層方向に垂直な方向を示す矢印
As…MEA一体型シール部20とセパレータ30の積層方向を示す矢印
MOe…酸化ガス排出マニホールド
MOp…酸化ガス供給マニホールド

Claims (4)

  1. 反応ガスと接触して発電を行う電解質膜と、
    前記電解質膜に前記反応ガスを供給するための多孔体部であって前記電解質膜と接触して配される拡散層部を含む多孔体部と、
    前記反応ガスを透過しない素材を使用して構成され、前記多孔体部に対して前記電解質膜とは逆の側に配されるセパレータと、
    前記多孔体部および前記セパレータと密着し前記電解質膜と前記セパレータとの間において前記多孔体部をシールする可変部材であって、前記拡散層部と接触する第1の部分と、前記拡散層部と接触せず前記第1の部分よりも柔らかい素材で構成される第2の部分と、を有する可変部材と、を備え
    前記第1の部分は、シリコンゴム、EPDM、フッ素系ゴムであり
    前記第2の部分は、熱可塑性エラストマーである、燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記可変部材において、前記第1の部分は前記第2の部分を覆っている、燃料電池。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池であって、
    前記可変部材は、−30°C〜120°C程度の環境下において不可逆な変質を起こさない素材で構成される、燃料電池。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記第1の部分は、硫酸との間で反応を起こさない素材で構成される、燃料電池。
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