JP5205376B2 - 眼内挿入用レンズの挿入器具及び眼内挿入用レンズ内装型挿入器具 - Google Patents

眼内挿入用レンズの挿入器具及び眼内挿入用レンズ内装型挿入器具 Download PDF

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Description

本発明は、白内障で摘出された水晶体の代わりに挿入されたり、屈折異常を矯正する等の目的で眼内に挿入されたりする眼内挿入用レンズを眼内に挿入するための挿入器具に関する。
技術背景
現在の白内障の手術では、まず、眼球に小さな切開創を形成し、該切開創から挿入した手術器具によって前嚢の中心部を切除する。次に、超音波乳化吸引装置に接続されたフェイコハンドチップを該切開創から眼内に挿入し、白濁した水晶体を破砕(乳化)して除去(吸引)する。続いて、超音波乳化吸引装置では除去しきれなかった皮質を、後発白内障の予防のために、超音波乳化吸引装置に接続して該切開創から挿入したI/Aチップ(灌漑吸引チップ)によって除去する。こうして水晶体及び皮質を除去した箇所に、人工の眼内挿入用レンズ(以下、単にレンズと記す)を配置する。レンズを眼内に配置する際には、該レンズの可撓性を利用して折り畳む等して小さく変形させて、切開創から眼内に挿入する。
実際の手術においては、専用のレンズ挿入器具が用いられることが多い。該挿入器具は、その本体内に装填されたレンズを、押出し軸によって押して該本体内を移動させながら小さく変形させ、切開創に差し込まれた挿入筒(ノズル)の先端開口から眼内に押し出す。このような挿入器具は、白内障の手術だけではなく、視力補正治療等での眼内挿入用レンズの挿入手術においても用いられる。
挿入器具を用いてレンズを眼内に挿入する際には、レンズが挿入器具内でスムーズに移動し、かつ変形するように、本体内にヒアルロン酸ナトリウム等の粘弾性物質が潤滑剤として注入される(特許文献1参照)。粘弾性物質には、挿入筒を通して眼内に注入されることで、レンズが挿入される眼球の前房内の空間を膨らませる(広げる)という役割もある。 また、最近では、粘弾性物質に代えて、それよりも安価に入手可能な生理食塩水を使用したいとの要望もある。
ところで、眼球内から水晶体を除去するために超音波乳化吸引装置を用いる場合には、眼球に形成した切開創に対する該乳化吸引装置(フェイコハンドチップとI/Aチップ)の抜き差しが最低でも2回行われる。さらに、レンズ挿入器具によってレンズを眼内に挿入する場合には、切開創に対する該乳化吸引装置と該挿入器具の抜き差しが少なくとも計3回行われる。このため、切開創が形成された眼球への負担が大きい。
特開2004−351196号公報
本発明は、切開創が形成された眼球への負担を少なくすることができる眼内挿入用レンズの挿入器具を提供する。
本発明の一側面としての眼内挿入用レンズの挿入器具は、レンズを収容するレンズ収容部およびレンズを眼内に送り出すノズル部を有する本体と、レンズをレンズ収容部から移動させて、前記ノズル部の先端開口を通して眼内に押し出す押出し軸とを有する。該挿入器具は、ノズル部の先端開口と該先端開口とは別に設けられた開口部との間で液体を流すための流路を有し、さらに該流路とは別に、ノズル部の先端開口から突出した位置と該挿入器具の外部との間で液体を流すための流路を有することを特徴とする。
また、上記挿入器具と、レンズ収容部内において保持された眼内挿入用レンズとを含む眼内挿入用レンズ内装型挿入器具も本発明の他の一側面を構成する。さらに、上記挿入器具を準備する工程と、眼内挿入用レンズをレンズ収容部内に保持させる工程とを含むこと眼内挿入用レンズ内装型挿入器具の製造方法も本発明の他の一側面を構成する。
本発明の他の目的と更なる特徴は、以下、添付図面を参照して説明される実施例において明らかになるであろう。
本発明の実施例である眼内挿入用レンズの挿入器具の上面図及び側面図。 実施例の挿入器具におけるノズル付本体のレンズ収容部の断面図。 実施例の挿入器具におけるノズル付本体のノズル部の断面図。 実施例の挿入器具におけるノズル付本体と押出し軸と吸引軸の組み立て前の状態を示す上面図及び側面図。 実施例における吸引軸の先端部の拡大図。 実施例において、レンズが折り畳まれたノズル内に空間がある状態を示す図。 実施例において、レンズが折り畳まれたノズル内に空間がない状態を示す図。 従来の挿入器具におけるノズル付本体と押出し軸の組み立て前の状態を示す上面図及び断面図。 従来の挿入器具におけるレンズ保持部材の一例を示す上面図及び側面図。 実施例の挿入器具におけるレンズ保持部材(連動部材)の上面断面図及び側面断面図。 図7の連動部材を用いた場合のレンズの押し出しの様子を示す図。 レンズずれ防止用の垂直面とレンズの外形とが相似である場合を示す上面図。 レンズ保持部材の先端とレンズの外形とが相似形状である場合を示す側面図。 押出し軸の位置ずれを防止するための形状を示す図。 挿入器具が搬送用ケース内に配置された形態を示す図。 実施例の挿入器具における押出し軸と吸引軸と超音波乳化吸引装置との配管図。 実施例の挿入器具における押出し軸と吸引軸の断面図。 実施例の挿入器具の全体を示す図。 実施例の挿入器具を用いた白内障手術のI/A工程を示す図。 従来の挿入器具におけるノズル付本体のレンズ収容部の断面図。 従来の挿入器具におけるノズル付本体のノズル部の断面図。 実施例の挿入器具におけるレンズ収容部の断面図。 従来の挿入器具に設けられたレンズガイド用突起の断面図。 熱を加えながらレンズ収容部を変形させる様子を示す図。 一定圧を加えてレンズ収容部を変形させる様子を示す図。 実施例の挿入器具において、I/A工程の終了後に吸引軸を取り外す様子を示す図。 実施例の挿入器具でのレンズ押出し時における第1状態を示す図。 実施例の挿入器具でのレンズ押出し時における第2状態を示す図。 実施例の挿入器具でのレンズ押出し時における第3状態を示す図。 実施例の挿入器具でのレンズ押出し時における第4状態を示す図。 実施例の挿入器具でのレンズ押出し時における第5状態を示す図。 実施例の挿入器具から眼内にレンズが射出される様子を示す図。 実施例の挿入器具における引き抜き後の吸引軸の固定方法を示す上面図及び側面図。 実施例の挿入器具における引き抜き後の吸引軸の固定部を示す外観図。 上記固定部を示す断面図。 実施例の眼内挿入用レンズ内装型挿入器具の製造方法を示すフローチャート。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1Aには、本発明の実施例である眼内挿入用レンズ(以下、単にレンズと記す)の挿入器具を示す。図1Aの上側の図は上面図、下側の図は側面図である。また、図2Aには、挿入器具の本体に対して押出し軸を組み付ける前の状態を示す。図2Aの上側の図は上面図、下側の図は側面図である(図の紙面の関係上、それぞれを軸方向に圧縮して示している)。なお、以下の説明において、ノズル側を先端側又は先方といい、ノズル側とは反対側を後端側又は後方という。また、先端側と後端側に延びる方向を該挿入器具の軸方向といい、軸方向に直交する方向を上下方向や左右方向又は径方向という。さらに、軸方向に平行でノズル付き本体の内側空間又はレンズの中心を通る軸を中心軸とし、該中心軸回りの方向を周方向という。
挿入器具2は、基本的には、ノズル付き本体(以下、単に本体という)12と、レンズ保持部材28と、押出し軸16と、吸引軸(吸引管)30とで構成されている。
本体12は、挿入器具2を手で持つのに適した外径を有する手持ち部としての外筒部12aと、該外筒部12aよりも先端側に設けられ、レンズ保持部材28を収容するレンズ収容部12bと、該レンズ収容部12bよりも先端側に設けられた挿入筒部としてのノズル部12cとを有する。外筒部12aの後部には、押出し軸16を押し込み操作する際に、手で支える部分としてのツバ部12dが形成されている。該本体12は、一体成形部品である。本体12は中空形状を有し、その後端開口12iからレンズ保持部材28と押出し軸16とが挿入される。
外筒部12aは、その先端からツバ部12dと外筒部12aとの間の位置までの部分に円筒形状の第1内周面12eを有する。第1内周面12eの後方には、該第1内周面12eよりも若干内径が小さな円筒形状の第2内周面12gが形成されている。さらに、第2内周面12gよりも後方には、後端側ほど内径が広がる円錐面12fが形成されている。円錐面12fの後方には、後端開口12iまで、第1内周面12eより内径が大きな円筒形状の第3内周面が形成されている。
ノズル部12cは、先端方向に向かって徐々に内外径が小さくなっていく形状を有し、先端開口12jから所定の長さの部分までは、眼球に形成された切開創を通して眼内に挿入される眼内挿入部分として、ノズル部12cのうち最も細く形成されている。そして、この眼内挿入部分の後端外周には、ゴム等の弾性部材で作られたカバーリング(Oリング)13が取り付けられている。ノズル部12cにおけるカバーリング13の後側には、該カバーリング13の後方への移動を阻止するために眼内挿入部分よりも外径が大きい段部12c1が形成されている。
レンズ収容部12bは、基本的に、軸方向視において、上下方向の寸法が横方向の寸法よりも小さな中空平板状の断面形状を有する。但し、外筒部12aとの境界付近であるレンズ収容部12bの下面後部は、補強のために後方に向かって径が大きくなる半円錐形状を有している。レンズ保持部材28を後端開口12iから挿入するため、外筒部12aの内面とレンズ収容部12bの内面のつなぎ目部分がテーパ形状となって連続していれば、レンズ保持部材28の挿入時に案内形状が存在することになるため、レンズ保持部材28の挿入が容易である。
レンズ収容部12bは、その後端から挿入されるレンズ保持部材28の受け入れが可能で、挿入後のレンズ保持部材28を安定的に保持可能な内面形状を有する。
図1Bおよび図1Cにそれぞれレンズ収容部12bおよびノズル部12cの軸直交方向断面を示すように、レンズ収容部12bからノズル部12cにかけての周壁12b1,12c4は、開口および隙間を持たない一体壁として構成されている。言い換えれば、その内部空間を囲む四方(上下左右)の壁が周方向に連続し、穴等の開口や組み合わせ部に隙間ができる分割可能又は開閉可能な部位を持たないように一体に形成されている。図1C中の29は、ノズル部12c内を通るレンズ1をガイドするためのレールである。
なお、本実施例では、本体12を少なくともレンズ収容部12bからノズル部12cにかけての周壁12b1,12c4が開口や隙間を持たないように一体成形部品として製作した場合について説明するが、本発明はこの場合に限らない。例えば、先端から後端にかけて上下に2分割された部品を熱溶着や接着によって接合することで本体12を構成するように一体化し、本体12として完成した後(レンズ保持部材28の挿入前)は少なくともレンズ収容部12bとノズル部12cの周壁に隙間等を持たない一体部品となるように製作してもよい。
また、分割形成されたレンズ収容部12b、ノズル部12cおよび外筒部12aを熱溶着や接着によって接合することで、本体12として完成した後(レンズ保持部材28の挿入前)は少なくともレンズ収容部12bからノズル部12cにかけての周壁に隙間等を持たない一体部品となるように製作してもよい。
図1Aの上面図に点線で示すように、外筒部12aの先端付近の周壁には、小さな穴12hが形成されている。この穴12hは、本体12の製造上、すなわち本体12を樹脂で一体成形する際に、本体12の内面を形成するための型を支持する部材を配置するために必然的に形成される穴である。
本実施例では、この穴12hを塞ぐために、外筒部12aの外周にゴム等の弾性部材で作られたOリング17を取り付けている。これにより、本体12は、外筒部12aの後端開口12iとノズル部12cの先端開口12j以外に開口を有さない状態となる。
なお、外筒部12aの外周面におけるOリング17の取り付け面は、その先端側および後端側よりも径が小さい。これにより、Oリング17が外筒部12a上で軸方向に移動することが阻止される。このOリング17が設けられた位置は、挿入器具2を持つ手術者の手が触れることが多い位置である。このため、Oリング17は、穴12hを塞ぐ機能とともに、挿入器具2を持つ手を滑りにくくする機能を有する。但し、穴12hを塞がなくても、後述する液体の流れに直接影響を及ぼさないようであれば、機能面では特に問題は無い。
穴12hをOリング17で塞ぐことは、レンズ1がノズル部12c内で折り畳まれた際に、図3に示すようにノズル部12c内に空間Sがある場合に有効である。ただし、レンズの度数や材質によってレンズの厚さが異なるため、図4に示すように、レンズ1がノズル部12c内で折り畳まれた際にノズル部12c内に空間が少なくなる又はなくなる場合には、液体の排出口として穴12hを開けておくとよい。
押出し軸16は、図2Aに詳しく示すように、その先端にレンズを把持するための二股部16aが形成され、ノズル部12c内を通過するために外径が細い細軸部16bと、本体12の第1内周面12e内を通過する太軸部16cと、押出し軸16を押込むためのツバ部16dとを有する。
また、太軸部16c内には、ツバ部16dにて開口(16h)する太軸孔16gが形成されており、細軸部16b内にも太軸孔16gに繋がる細軸孔16fが形成されている。また、細軸孔16fは、二股部16aにて開口(16e)している。さらに、細軸部16bと太軸部16cとの間には、太軸孔16gから押出し軸16の外部につながる中間孔16iが形成されている。
さらに、太軸部16cには、その外周面から突出するように形成された灌流チューブ接続部16mが形成されており、該灌流チューブ接続部16m内には、その後端にて開口(16l)する灌流チューブ接続孔16jが形成されている。灌流チューブ接続孔16jは、太軸孔16gに繋がっている。また、接続孔16jのうち、後端側の部分は、後方に向かって内径が広がる円錐孔部16kが形成されている。
太軸部16cは、太軸孔16gの後端側の部分(灌流チューブ接続孔16jの太軸孔16gにつながる部分の開口と太軸孔16gの後端開口16hとの間の部分)の内径が、そこよりも先端側の部分に比べて内径が若干小さくなるように形成されている。そして、この内径が小さい部分には、後述する吸引軸30の太軸部30cが圧入される。すなわち、太軸孔16gが形成された太軸部16cのうち後端側部分は、押出し軸16(つまりは挿入器具2)に対する吸引軸30の接続が可能な吸引軸接続部(吸引管接続部)を構成する。
押出し軸16の太軸部16cの先端には、本体12の第1内周面12eに対して摺動抵抗を発生するシールキャップ44が装着されている。これにより、押出し軸16の適度な操作性を得るとともに、本体12と太軸部16cとの間からの液漏れを防止する。シールキャップ44には、上述した中間孔16iにつながってシールキャップ44の外面にて開口する孔が形成されている。
また、太軸部16c上には、本体12の後端開口12iから本体12内に挿入されて該本体12に組み付けられた際に、本体12の第3内周面に圧接して押出し軸16の軸方向以外の動きを制限するガタ防止Oリング43が取り付けられている。ガタ防止Oリング43は、太軸部16c上を軸方向に摺動することができる。
吸引軸30は、図2Aに詳しく示すように、白内障手術の際に皮質を除去するため眼内に挿入される先端部30aを有する細軸部30bと、該細軸部30bよりも後方に形成された太軸部30cとを有する。太軸部30cの後端側部分には、吸引チューブ33の一端の内側に圧入されて吸引チューブ33を吸引軸30に接続するための円錐部30eが形成されている。また、太軸部30cの外周には、後述する本体12内に満たされる灌流液の漏れを防止するためのOリング30dが取り付けられている。吸引チューブ33の他端は、不図示の超音波乳化吸引装置に接続されている。
吸引軸30の先端部30aには、図2Bに示すように、眼内の皮質を吸込むための穴30a1が形成されている。この穴30a1は細軸部30b内に形成された細軸孔と、太軸部30c内に形成された太軸孔とを通じて、太軸部30cの後端に形成された後端開口30fに繋がっている。
このように形成された吸引軸30は、押出し軸16の後端開口16hから太軸孔16g内に挿入することができる。吸引軸30の細軸部30bは、さらに押出し軸16の細軸孔16fを通って、二股部16aに形成された開口16eから押出し軸16外に突出することができる。
図5には、従来の挿入器具の組立て前の状態を示している。この図において、本実施例の構成部品と共通する機能を有する構成部品には、本実施例と同符号を付している。
本実施例において後述するレンズ保持部材と基本的に同様の構造を有するレンズ保持部材28は、図6に示すように、レンズ1を下側から支える第1の保持部材28Aと、該第1の保持部材28Aに組み合わされて、レンズ1を上側から押さえる第2の保持部材28Bにより構成される。図6の上側の図は、第1の保持部材28Aを上側から見た図であり、図6の下側の図は、第1の保持部材28Aと第2の保持部材28Bを側方から見た図である。
ここではまず、レンズ保持部28にて保持されるレンズ1の構成について説明する。レンズ1は、上面視において円形形状を有し、レンズとしての機能を有する光学部1aと、該光学部1aの両側から延出した2つの支持部1bとにより構成されている。各支持部1bは、該レンズ1が眼内に挿入された後、光学部1aを眼内で弾性的に支持するための線状の部分である。
光学部1aの周囲には、互いに平行な上下の面を有する辺縁部1cがリング状に形成されている。
図6に示すように、第1の保持部材28Aは、一部を除き、レンズ1の光学部1aの中心Oを通る中心軸CAについて左右方向にて対称形状となるように形成されている。第1の保持部材28Aの下部における左右には、支持面28aが形成されている。該支持面28aは、左右方向(幅方向)における外側よりも内側が下がるように傾斜した斜面として形成されている。
ここで、図6の上面図において、レンズ辺縁部1cのうち光学部1aの中心Oから先端方向にある位置(中心軸CA上の位置)を0°位置とする。左右の支持面28aは、レンズ辺縁部1cのうち0°位置から周方向両側に周方向角度60°後退した位置(60°位置、以下同様に表記する)と90°後退した90°位置との間の円弧領域に当接し、該円弧領域を下から支える。
また、第1の保持部材28Aの軸方向中間部の左右には、レンズ辺縁部1cのうち支持面28aによって支持される円弧領域よりも後方である135°位置から165°位置までの間の円弧領域を支持する支持突起28bが形成されている。両支持突起28bの間の空間は、押出し軸16(押し軸部16c)が通過するための空間である。該空間はわずか30°の角度範囲であるので、両支持突起28bは、レンズ辺縁部1cの180°位置を中心とした90°の角度範囲の円弧領域を支持しているとみなすこともできる。つまり、第1の保持部材28Aは、左右の60°位置と180°位置とを含む120°間隔の3箇所でレンズ辺縁部1cを支持していることと等価である。
なお、各支持突起28bは、レンズ辺縁部1cが載置される水平面と、この水平面の後方においてレンズ辺縁部1cの外周端面に当接又は近接する垂直面とを有し、レンズ辺縁部1cを下から支えるとともに、レンズ1の後方への移動を阻止する。
さらに、第1の保持部材28Aの先端側の左右には、レンズ辺縁部1cの外周端面における60°位置に当接又は近接する垂直面28eが形成されている。該垂直面28eは、レンズ1の押出し前の状態において光学部1aの先端方向への移動を阻止するためのものである。
なお、第1の保持部材28Aの先端における上部には、右側から左側(図6の上面図における下側から上側)に向かって延びるアーム28cが形成されており、さらに該アーム28cの左端には、先端側の支持部1bを下側から支えるための突起28dが先端方向に延びるように形成されている。
また、第1の保持部材28Aの後部には、後端側の支持部1bを下側から支えるための斜面28fが、後端側ほど上に位置するように形成されている。
第2の保持部材28Bは、第1の保持部材28Aの上側に配置される。第1および第2の保持部材28A,28Bは、レンズ1を保持した状態でレンズ収容部12b内に挿入されることで、該レンズ収容部12b内の天井面と底面との間に挟まれることにより、互いに位置ずれがないように保持される。
第2の保持部材28Bは、図には表れていないが、中心軸CAについて左右方向に対称形状に形成されている。第2の保持部材28Bの下面における左右には、レンズ辺縁部1cのうち左右の90°位置から120°位置までの円弧領域と、135°位置から165°位置までの円弧領域とに当接又は近接する押さえ突起28gが形成されている。180°位置を挟んだ左右の押さえ突起28gの間には、押出し軸16(押し軸部16c)が通過するための空間が形成されている。
押さえ突起28gの先端側の部分は、レンズ辺縁部1cのうち第1の保持部材28Aに設けられた支持面28aに当接する円弧領域よりも後方の円弧領域を上から押さえ、後端側の部分は、レンズ辺縁部1cのうち第1の保持部材28Aに設けられた支持突起28bによって下から支えられる円弧領域を上から押さえる。
図6の側面図に示すように、第2の保持部材28Bを第1の保持部材28Aの上側に組み合わせることで、レンズ辺縁部1cは、60°位置から90°位置までの円弧領域が第1の保持部材28Aの支持面28aによって下から支えられ、90°位置から120°位置までの円弧領域が第2の保持部材28Bの押さえ突起28gの先端側部分によって上から押さえられる。また、135°位置から165°位置までの円弧領域は、第1の保持部材28Aに設けられた支持突起28bの水平面と第2の保持部材28Bに設けられた押さえ突起28gの後端側部分によって上下方向において挟まれるように保持される。このような保持構造により、レンズ1はその光学部1aが水平状態を保ち、自重や外力による実質的な応力がかからない状態で支持される。
ここにいうレンズ1の光学部に実質的に応力が作用しない状態とは、光学部に全く応力が作用しない状態だけでなく、保持状態でレンズ1が長期間保管されたとしても、眼内挿入後の光学部1aの光学作用に影響を与えるような変形が残らない程度に微小な応力が作用する状態も含む意味である。言い換えれば、光学部1aの光学的機能に影響するような応力や変形が生じない状態をいう。
また、レンズ1は、レンズ辺縁部1cの外周端面のうち60°位置に当接する垂直面28eと、135°位置から165°位置までの範囲に当接する支持突起28bの垂直面とによって、先端方向および後方への位置ずれが阻止される。しかも、レンズ辺縁部1cの先端側は、左右の垂直面28eが60°位置に設けられることで、120°開放されている。このため、レンズ1の押出し時には、レンズ1をレンズ保持部材28からスムーズに先端方向に移動させることができる。
また、第2の保持部材28Bの押さえ突起28gのうちレンズ辺縁部1cを押さえる部分よりも後方には、第1の保持部材28Aの斜面28fに平行に延び、該斜面28fとの間で後端側の支持部1bを挟む傾斜部が形成されている。さらに、第1の保持部材28Aの垂直面28eは、先端側の支持部1bの外側面に沿って先端方向に延びるように形成されている。この垂直面28eによる先端側支持部1bとの当接と、斜面28fおよび押さえ突起28gの傾斜部による後端側支持部1bの挟み込みとによって、レンズ1の回転が阻止される。
なお、ここに説明したレンズ保持部材28の構成は例に過ぎず、本発明におけるレンズ収容部12b内でのレンズ1の保持方法(又はレンズ1を保持する部材の構造)はこれに限定されるものではない。
例えば、図7及び図9A,9Bには、本体12(レンズ収容部12b)内で押出し軸16とともに移動する連動部材45によりレンズ1を保持する例を示す。連動部材(レンズ保持部材)45には、レンズ1を保持する二股部20と、後側に設けられた支持部1bの角度(光学部1aから斜め上に向かって延びる角度)を保持する傾斜面15とを有する。
二股部20は、その内面によりレンズ1の光学部1cを挟み込んで保持し、かつ二股部20の内側に円弧状に形成された垂直面20aがレンズ1の光学部1aの外縁に当接することでレンズ1の後方への位置ずれを防止する。図9Aに示すように、垂直面20aが、上面視においてレンズ1の光学部1aの外縁の円弧形状と相似な円弧形状を有することで、レンズ1を安定的に保持することができる。また、図9Bに示すように、二股部20の内面形状が、側方視において光学部1aの形状と相似な形状であれば、レンズ1をより安定的に保持することができる。
なお、上述した初期状態において、連動部材45によりレンズ1を保持しておくためには、本体12に対する押出し軸16の押し込みを防止する必要がある。このため、押出し軸16に、図10に2つの例を示すような、本体12に当接するロック部21を形成したり、押出し軸16上に取り付けられたシールキャップ44の本体12に対する抵抗を増加させたりすればよい。また、図11に示すように、挿入器具2の工場出荷時から手術の直前まで(搬送時ともいう)、初期状態の挿入器具2をケース46内に収納し、該ケースの内面形状を初期状態の挿入器具2における押出し軸16の位置及び形状に合わせることで、押出し軸16を本体12に対して固定しておくこともできる。
図8に示すように、本体12に対して押出し軸16をまだ押し込んでいない初期状態(上段の図参照)から、押出し軸16を押し込むと、押出し軸16とともに連動部材45とレンズ1とがレンズ収容部12b内を移動する(中段の図参照)。そして、連動部材45の先端が、図7に示すようにレンズ収容部12bの内部に形成されたテーパ部12pに当接すると、連動部材45のそれ以上の移動が阻止され、レンズ1のみが押出し軸16によってノズル部12c内で折り畳まれながら先端開口12jに向かって移動する。こうして、レンズ1が眼内に挿入される。下段の図は、レンズ1が眼内に挿入され、押出し軸16の先端が先端開口12jから突出している状態を示す。
なお、ここでは、連動部材45にのみレンズ1の後方への位置ずれ及び支持部1bの角度を維持する形状を設けた場合について説明したが、同様の機能を有する形状を、押出し軸16にも設けてもよい。
図12には、本実施例の挿入器具2に、上述した吸引軸30と、灌流チューブ32が接続されたコネクタ31とを接続した状態を示している。
具体的には、前述したように、押出し軸16の後端開口16hから押出し軸16の太軸孔16gおよび細軸孔16f内に吸引軸30の太軸部30cと細軸部30bをそれぞれ挿入し、吸引軸30の太軸部30cを押出し軸16の太軸部16c(太軸孔16g)の後端側部分(吸引軸接続部)に対して圧入する。吸引軸30上に取り付けられたOリング30dが押出し軸16の太軸孔16gの内面に圧接する位置まで、吸引軸30を挿入することで、吸引軸30の細軸部30bの先端部30aが押出し軸16の先端開口16eから突出する。このようにして、吸引軸30が押出し軸16、つまりは挿入器具に接続される。
また、押出し軸16に設けられた灌流チューブ接続部16mの灌流チューブ接続孔16j(円錐孔部16k)には、コネクタ31が圧入される。該コネクタ31には、超音波乳化吸引装置からの灌流液(液体)を通す灌流チューブ32が接続される。
図13には、吸引軸30を押出し軸16に接続した状態での太軸部16cの断面を示している。太軸部16c(太軸孔16g)の内周面と吸引軸30の太軸部30cの外周面との間には、灌流チューブ接続孔16jにつながる灌流路34が形成されている。この灌流路34は、押出し軸16に形成された中間孔16iまでつながる。
なお、ここでは、吸引軸30を押出し軸16に挿入することで灌流路34が形成されるように説明したが、灌流路34として用いられる空間(太軸孔16g)は吸引軸30を押出し軸16に挿入する前に形成されており、この意味において、吸引軸30が挿入されていない挿入器具2も灌流路を有すると言える。また。押出し軸16の細軸孔16f内は、吸引軸30の細軸部30bによってほぼ占められる。
なお、図13では、吸引軸30が押出し軸16に対して同心状に配置される場合について説明したが、本発明は、押出し軸内に灌流路が形成されるのであれば、これに限られない。例えば、押出し軸内の太軸孔が吸引軸の太軸部によって2分割され、該分割された一方の領域に灌流路が形成されるようにしてもよい。
図14には、挿入器具2に吸引チューブ33と灌流チューブ32を接続した状態を示している。灌流液を超音波乳化吸引装置(挿入器具2の外部)から挿入器具2内の灌流路34に流入させると、押出し軸16の中間孔16i(シールキャップ44に形成された孔)から流出した灌流液が本体12内に満たされる。その後、ノズル部12cの先端開口12jから灌流液が流出する。
図15には、白内障手術の際に、白濁した水晶体をフェイコチップにより除去した後、吸引軸30の先端部30aがノズル部12jの先端開口12jから突出した状態で、ノズル部12jを眼に形成された切開創を通して眼内に挿入している様子を示している。この状態で、白内障手術のI/A工程が行われる。すなわち、フェイコチップにより除去しきれなかった皮質とともに眼内に存在する灌流液を、眼内に挿入されているノズル部12jの先端開口12jから先端部30aが突出した吸引軸30および吸引チューブ33を通じて超音波乳化吸引装置により吸引する。
ところで、本実施例の挿入器具2は、レンズ1がレンズ収容部12b内に設置された状態で工場から出荷され、かつ病院で手術時まで保管される眼内挿入用レンズ内装型挿入器具(プリロードタイプ挿入器具)である。
プリロードタイプ挿入器具では、押出し軸16によって押される前の状態のレンズ1は図16Aに示すように変形していない状態になっており、押出し軸16によってノズル部12c内に押し込まれるにつれて、図16Bに示すように折り畳まれて小さく変形する。
ただし、本実施例では、押出し軸16の内部に吸引軸30が挿入されるため、押出し軸16と同軸上にレンズ1を保持しておくと、レンズ1と吸引軸30の細軸部30bとが干渉してしまう。そこで、本実施例では、図17に示すように、連動部材45を用いて、押出し軸16によって押される前の状態のレンズ1を、吸引軸30の細軸部30bと干渉しない位置に保持する。図17に示した連動部材45は、図8および図9A,9Bに示す連動部材45を、レンズ1の保持位置が吸引軸30の細軸部30bが通る位置よりも上方に位置するように変更したものに相当する。
また、このような連動部材45を用いる場合、後述するように吸引軸30を引き抜いた後、レンズ1を押出し軸16と同軸上の位置に降ろすためには、レンズ収容部12bの軸方向中間位置の上面に、図18に示す突起27を設ける必要がある。ただし、ノズル部12cを一体に有し、かつノズル部12cの内側にレンズ1をガイドするためのレール29が形成されたノズル付き本体12においては、このような比較的大きな突起27を形成することが金型構造上困難な場合がある。
すなわち、ノズル付き本体12の内面を1つの金型で作製する場合には、該金型をノズル付き本体12のうち開口が大きい後方にスライドさせて離型させる必要がある。このため、ノズル部12c内のレール29とは別に、レンズ収容部12bの軸方向中間位置に必要な大きさを有する突起27を形成することはきわめて困難である。
そこで、本実施例では、ノズル付き本体12の内面を形成した金型を離型させた後、レンズ収容部12bの軸方向中間位置においてノズル付き本体12の上面を外側から内側に向かって加熱変形させることで、レンズ1を所定の方向に変形させるために十分な大きさを有する突起27を形成する。
医療機器用の滅菌品は加熱することがあるため、この方法によって突起27を形成する方が好ましい。突起27を形成するために、図19に示すように、加熱押圧装置30をノズル付き本体12の上面に押し当てるとよい。例えば、ノズル付き本体12のうち加熱押圧装置30を押し当てる箇所の肉厚が0.5mmであった場合、120℃程度に加熱して一定圧で押し込むことにより、突起27を安定した形状に形成することができる。
また、突起27を、図20に示すように、一定圧が加わるポンチ36を用いて形成してもよい。
白内障手術のI/A工程を終了した後は、図21に示すように、挿入器具2のノズル部12cを眼内に挿入したまま、吸引軸30を挿入器具2から後方に引き抜いて取り外す。
その後、図22Aに示す状態(第1状態)から押出し軸16を押し込んで、レンズ1とともに連動部材45を前進させる。これにより、レンズ1は、図22Bに示すように、突起27によって押し下げられるとともに、ノズル付き本体12の上面に形成された不図示の突起によって下向きに凸形状となるように変形される(第2状態)。そして、図22Cに示すように、連動部材45が本体12の内側に形成されたテーパ部12pに当接して押出し軸16との連動が解除されるタイミングで、レンズ1が押出し軸16と同軸上の位置に配置される(第3状態)。
第3状態からさらに押出し軸16が押し込まれることによって、図22Dに示すように、レンズ1はノズル部12c内で折り畳まれ(第4状態)、最終的に図22Eに示すようにノズル部12cの先端開口12jからレンズ1が射出される(第5状態)。図23には、レンズ1が眼内に射出される様子を示している。
なお、吸引軸30を挿入器具2から後方に引き抜いて取り外した後は、押出し軸16の太軸部16cに形成された後端開口16hを指等により塞ぎながら押出し軸16を操作すればよい。また、第1状態から第5状態までの工程中は、押出し軸16の灌流チューブ接続部16mの後端開口16lを介して超音波乳化吸引装置で調節された適量の灌流液が挿入器具2内に導入されている。
押出し軸16から取り外された吸引軸30は、手術の邪魔にならないように、図24に示すように挿入器具2に固定するとよい。具体的には、図25に示すように、本体12のツバ部12dの両側面に凹部37を形成し、該凹部37内に吸引軸30を後方又は側方から差し込んで固定する。凹部37は、挿入器具2に固定された吸引軸30の先端部30aがノズル部12cの先端開口12jよりも前方に突き出さないように、図26に示すように、吸引軸30の細軸部30bと太軸部30cとの間に形成された円錐面と形状が一致する内面形状を有する。
また、挿入器具2に対して吸引軸30を固定する側は、手術者の利腕と反対側であることが好ましい。このため、図25に示すように、ツバ部12dの左右両側に凹部37を形成し、いずれの凹部37も使用できるようにしている。また、吸引軸30の細軸部30bと太軸部30cとの間に形成された円錐面に雄ねじを形成し、凹部37の内面に雌ねじを形成してこれらを係合させることにより、吸引軸30を挿入器具2に対してより強固に固定することができる。
図27には、本実施例のプリロードタイプ挿入器具2の製造方法を示している。挿入器具2は、レンズ1を収容する前の挿入器具(本体12、押出し軸16、連動部材45等)を準備する工程(ステップS1)と、レンズ1をレンズ収容部12c内に収容及び保持させる、すなわち設置する工程(ステップSS2)とを経て製造される。吸引軸30をセットとして挿入器具とする場合には、ステップS1で吸引軸30も準備する。この場合、ステップS2で、吸引軸30を図24に示すように挿入器具2に固定してもよい。レンズ1を収容した挿入器具2を滅菌処理し、包装することで、製造工程が完了する(ステップS3)
以上説明したように、本実施例の挿入器具2は、I/A工程で眼内から皮質や灌流液を吸引する機能とレンズ1を眼内に挿入する機能の両方を有する。このため、眼球に形成された切開創への器具の抜き差し回数を3回から2回へと減少させることができ、眼球への負担を軽減させることができる。
以上説明した実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、上記実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、眼内挿入用レンズを眼内に挿入する際の眼球への負担を少なくすることができる眼内挿入用レンズの挿入器具を提供することができる。

Claims (3)

  1. 眼内挿入用レンズを収容するレンズ収容部および前記レンズを眼内に送り出すノズル部を有する本体と、
    前記レンズを前記レンズ収容部から移動させて前記ノズル部の先端開口を通して眼内に押し出す押出し軸とを有する眼内挿入用レンズの挿入器具であって、
    該挿入器具は、
    前記先端開口と該先端開口とは別に設けられた開口部との間で液体を流すための流路を有し、
    さらに前記流路とは別に、前記先端開口から突出した位置と該挿入器具の外部との間で液体を流すための流路を有することを特徴とする眼内挿入用レンズの挿入器具。
  2. 請求項1に記載の挿入器具と、
    前記レンズ収容部内において保持された前記眼内挿入用レンズとを含むことを特徴とする眼内挿入用レンズ内装型挿入器具。
  3. 請求項1に記載の挿入器具を準備する工程と、
    前記眼内挿入用レンズを前記レンズ収容部内に保持させる工程とを含むことを特徴とする眼内挿入用レンズ内装型挿入器具の製造方法。
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