JP5204986B2 - 植物系乳酸菌の使用方法及びその植物系乳酸菌を含む医薬品及び食品及びそれらの製造方法 - Google Patents

植物系乳酸菌の使用方法及びその植物系乳酸菌を含む医薬品及び食品及びそれらの製造方法 Download PDF

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本発明は、生体の免疫能昂進作用及び抗腫瘍作用を有する食品又は医薬品を製造するための植物系乳酸菌の使用、その植物系乳酸菌を含む医薬品及び食品に関する。詳細には市販の漬け物より分離され、その安全性が既に認められている乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40の生菌体及び/或いは死菌体を経口的に摂取することができる医薬品や健康食品に関する。
生体に於ける免疫系は、微妙なバランスの上に成立し、このバランスの乱れは様々な疾病の引き金となる。具体的に述べると、免疫細胞の中でもヘルパーT細胞は、産生するサイトカインの種類によってヘルパー1型と2型に分けられ、1型は細胞性免疫に、2型は液性免疫に関与し、この両者のバランスが保たれて初めて健康的な生活をおくることが可能となる。
しかしながら近年、我が国の生活環境は昔に比べて大きく変化し、特に衛生面並びに栄養面での格段の進歩の結果、細胞性免疫の活性によって抑制される疾病の典型で、かつては国民病とまで言われた結核等が激減した。これが原因の一つともなって上記1型と2型のバランスが崩れ、現代の日本人に於いては2型が優位なタイプが増加し、その結果、現代を特徴づけるいくつかの疾病、例えば杉花粉症やアトピー疾患等の増加に結びついている、と考える研究者も数多い。
さらに、細胞性免疫は、癌の抑制にも大きく関与しているため、ヘルパー1型の劣勢を回復し、寧ろこれを優位に保つことによって、上記アトピー等の疾病の改善のみならず、現代日本人の死亡原因の第一位である癌に対しても、予防効果を期待することが出来る。
上述したように、癌等の疾病の予防にはヘルパー1型の活性化が必要であるが、ヘルパー1型が増加するためにはインターロイキン12(IL−12)が生体内で産生される必要がある。インターロイキン12(IL−12)は、マクロファージ等によって産生され、これが引き金となってヘルパー1型細胞の増加と活性化をもたらす。ヘルパー1型細胞は、その後インターロイキン2(IL−2)やガンマーインターフェロン等を産生し、これらがNK細胞等の効果細胞を活性化させ、最終的に癌細胞をたたく、と考えられている。従って、生体内のインターロイキン12(IL−12)の産生を促すことによって、癌に対する抑制が期待出来る。
インターロイキン12(IL−12)の産生を高めることにより、生体の免疫能を昂進し、その結果抗腫瘍効果が期待される物質としては、医薬品の分野ではレンチナンやPSK等のキノコ由来製剤や、BCGやOK−432等の細菌製剤が知られ、これらは一括してBiological Response Modifiers、略してBRMと総称されている。食品分野ではアガリクスがよく知られ、健康食品として販売されている。また、ある種の乳酸菌にも同様の作用があることが知られており、ラクトバシラス・カゼイ・シロタ株や、エンテロコッカス・フェカーリスNF−1011株(特開平8−27010号公報)等が知られている。
特開平8−27010号公報(従来技術1)
上述のように、生体の免疫を活性化することにより抗腫瘍効果を期待する物質は多いが、一般的に、これらの物質は日常的に少量ずつでも毎日摂取して初めて効果が期待されるものである。この観点から言うと、レンチナンやPSKは医薬品であるため手軽に入手、使用するのに困難性がある。
また、アガリクス類は健康食品として市販されているので入手は容易であるが、一般的に高額であるため、金銭的な面で負担が大きい課題がある。
乳酸菌の場合は、医薬品ではないため日常的な摂取が容易で、しかも培養によって大量に生産出来るため、比較的安価に供給出来る。しかしながら、上述したような免疫賦活能と抗腫瘍作用を有すると認められている乳酸菌株の種類は多いとは言えず、このため、産業上の利用において制約があった。
上記課題を解決するため、植物系乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40(受託番号NITE P−335)の生菌体及び/或いは死菌体、生体の免疫能昂進作用及び抗腫瘍作用を有する食品又は医薬品を製造するための使用を提案する。なお、この明細書に記載された乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40(Lactobacillus curvatus KN−40)は、この出願の願書に添付した発明者の一人である寄託者中山雅晴宛の独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターの受託証(通知年月日2007年3月20日、通知番号06−176)のコピーに記載の通り、2007年3月13日付で寄託した受領番号NITE AP−335に基づく受託番号NITE P−335により寄託されたものである。
また、植物系乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40(受託番号NITE P−335)の生菌体及び/或いは死菌体を含むことを特徴とする食品及びその製造方法を提案する。更に、植物系乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40(受託番号NITE P−335)の生菌体及び/或いは死菌体を含むことを特徴とする医薬品及びその製造方法を提案する。
この発明によれば以下に記すような多様な効果を有する。この発明の医薬品又は健康食品に使用される乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40株は、平成12年11月から平成13年6月にかけて市販の漬け物や糠床等から分離された133種に及ぶ乳酸菌の中から、マクロファージのIL−12産生促進試験、マウスNK細胞活性化試験、さらにB16−F10黒色細胞腫肺転移抑制試験を行って、いずれの試験に於いても高い成績を示した菌株として選別されたものであるため、これを日常的に摂取することにより免疫能が活性化し、その結果、抗腫瘍効果が期待出来る。
また、植物系乳酸菌であるため、大豆粉や豆乳等の植物由来のペプチドを窒素源とした培地に良く生えると同時に、一般的な乳酸菌用の培地に於いても良好な発育を示すため、健康食品等の素材として比較的安価に提供できるという効果がある。
しかも市販の漬け物由来(メロンの醤油漬け)であるため、安全性にも問題がない。さらに、この培養液を高圧滅菌して得られた死菌体でも上記活性が衰える事が無いため、生きたまま腸に到達させる必要が無い。従って、培養液を加熱滅菌して販売することが可能となり、製品の品質保持並びに流通に於いて、極めて有利となる。さらに、死菌体のみを回収して他の諸形態の食品等に添加して使用することが可能となるため、製品形態の幅が広がる。すなわち、当該菌株は健康食品等の原材料の一つとして比較的容易に用いることが出来るため、これを提供することは、健康食品産業上の選択の幅が広がる事を意味する。
次に、この発明の実施形態について説明する。
最初に植物系乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40(受託番号NITE P−335)の生菌体及び/或いは死菌体の選別法を具体的に述べる。市販の漬け物並びに自家製糠床から、133種類の乳酸菌株を分離した。分離法は、基本的に岡田らの方法(乳酸菌の科学と技術:学会出版センター)に従った。具体的には、GYP寒天培地に上記試料のホモジネートを適量接種し、30℃で48時間好気的に培養した。培地の透明環の発現を指標として集落を釣菌し、これをさらに同培地に接種し、単集落を形成させた。単集落を釣菌し、これをMRS液体培地に接種し、30℃、24時間培養した。同培地で2回継代した後、3,500回転で20分遠心し、菌体を回収。新鮮滅菌MRS液体培地に再浮遊させ、これを1mlずつ滅菌バイアルに分注し、−80℃の冷凍庫に保存した。試験に於いてはこれを解凍し、適宜BL寒天培地或いはMRS液体培地に接種し、上記条件で培養後、試験に供した。尚、当該菌株は、平成13年6月8日に、市販のメロンの醤油漬けより分離されたものの一つである。
次に、この発明の植物系乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40(受託番号NITE P−335)の生菌体及び/或いは死菌体の菌学的特徴を以下に述べる。
乳酸菌菌属の同定において要求される一般的性状は以下の通りである。
GYP寒天培地に於いて透明環を形成する白色円形光沢のある菌集落、通性嫌気性、湾曲性形態を示すグラム(+)桿菌。MRS寒天培地、或いはBL寒天培地において、30℃での48時間培養により、上記特徴を示す明瞭な菌集落を形成する。運動性(±)、芽胞(−)、カタラーゼ(−)、ガスの産生(−)、産生乳酸の型(DL)。
乳酸菌菌種の同定に於いて要求される糖分解試験の結果は、以下の通りである。
(API 50CHによる:日本ビオメリュー社):
グリセロール(−)、エリスリトール(−)、Dアラビノース(−)、Lアラビノース(−)、リボース(+)、Dキシロース(−)、Lキシロース(−)、アドニトール(−)、ベータメチルDキシロシド(−)、ガラクトース(+)、グルコース(+)、フラクトース(+)、マンノース(+)、ソルボース(−)、ラムノース(−)、ズルシトール(−)、イノシトール(−)、マンニトール(−)、ソルビトール(−)、アルファーメチルDマンノシド(−)、アルファーメチルDグルコシド(+)、Nアセチルグルコサミン(+)、アミダグリン(−)、アルブチン(−)、エスクリン(+)、サリシン(+)、セロビオース(−)、マルトース(+)、ラクトース(−)、メリビオース(−)、スクロース(−)、トレハロース(−)、イヌリン(−)、メレジトース(−)、ラフィノース(−)、スターチ(−)、グリコーゲン(−)、キシリトール(−)、ゲンチオビオース(−)、Dチュラノース(−)、Dリクソース(−)、Dタガトース(−)、Dフコース(−)、Dアラビトール(−)、Lアラビトール(−)、グルコネート(−)、2ケトグルコネート(−)、5ケトグルコネート(−)
以上の結果を基にしてアピラボソフト(日本ビオメリュー社)で解析したところ、99.9%の確率をもってラクトバシラス・クルバータスであると同定され、EXCELLENT IDENTIFICATION の評価が得られた。
16SrRNA遺伝子の部分塩基配列約500bpの解析結果:
TGGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGGACGAACGCTGGCGGCGTGCCTAATACATGCAAGTCGAACGCACTCTCGTTAGATTGAAGAAGCTTGCTTCTGATTGATAACATTTGAGTGAGTGGCGGACGGGTGAGTAACACGTGGGTAACCTGCCCTAAAGTGGGGGATAACATTTGGAAACAGATGCTAATACCGCATAAAACCTAGCACCGCATGGTGCAAGGTTGAAAGATGGTTTCGGCTATCACTTTAGGATGGACCCGCGGTGCATTAGTTAGTTGGTGAGGTAAAGGCTCACCAAGACCGTGATGCATAGCCGACCTGAGAGGGTAATCGGCCACACTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTAGGGAATCTTCCACAATGGACGAAAGTCTGATGGAGCAACGCCGCGTGAGTGAAGAAGGTTTTCGGATCGTAAAACTCTGTTGTTGGAGAAGAACGTATTTGATAGTAACTGATCAGGTAGTGACGGTATCCAACCAGAAAGCCACGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAAT
以上の配列を細菌基準株データベースのBLASTを用いて基準菌株との相同性を検索したところ、100%の確率でラクトバシラス・クルバータス・サブスピーシーズ・クルバータスJCM−1096株と一致した。
以上の結果から、当該菌株はラクトバシラス・クルバータスと同定した。さらに、ラクトバシラス・クルバータスの基準菌株(タイプストレイン)であるラクトバシラス・クルバータスJCM−1096株と糖分解の性状を比較した。その結果、アルファーメチルDグルコシド、セロビオース、ラクトースの3点で分解性状に違いが見られた。この結果から、当該菌株はラクトバシラス・クルバータス種に属する新株であると考えられ、ラクトバシラス・クルバータスKN−40と命名し、2007年3月13日付でNITE特許微生物寄託センターに寄託した(受託番号NITE P−335)。
市販の漬け物並びに自家製糠床から分離した133種類の乳酸菌株から、マクロファージのIL−12産生を促進する株を選別した。マクロファージとしては細胞株のJ774A−1株を用い(東北大学加齢医学研究所付属医用細胞資源センターより分与) 、分離乳酸菌133株に対照としてその他30株を加え、総計163の菌株を試験した。J774A−1株を10%FBS加RPMI1640培地(日水製薬株式会社)に懸濁し、5%二酸化炭素ガス下で37℃、48時間培養後、96wellマイクロプレートに5×10個/wellに接種した。乳酸菌試料として、各菌株をMRS培地で30℃、18 ̄24時間培養後、115℃、20分間高圧滅菌したものを用いた。これを3,500回転、20分間遠心し、死菌体を回収した。PBS(−)で死菌体を2回洗浄後、10%FBS加RPMI1640培地に最終濁度0.008(650nm)に調整し、各100μl/wellに加えた。プレートを5%炭酸ガス孵卵器内で24時間培養し、well中のIL−12量をGenzyme社製のマウスIL−12用ELISAキットを用いて測定した。その後、ELISA reader(Labsystems社、Labscan MS)により450nmの吸光度を測定し、IL−12の検量線に従ってIL−12量に換算し、pg/mlとして表した。顕著にIL−12の産生を促した数株のうち、同定が確実であったラクトバシラス・クルバータスKN−40(以下KN−40と表示する)を選び、さらなる試験を行った。
図1は、KN−40並びに他の菌株数株を代表して選び、加熱死菌体のマクロファージ細胞株J774A−1に対するIL−12量(IL−12産生刺激能)を比較したグラフである。図1では、KN−40の陽性対照として大腸菌由来LPS(Sigma社)、陰性対照としてコンカナバリンA(和光純薬工業株式会社)を用いた。図1に示すグラフには試験を行なった163菌株のうち、代表例を選んで示した。図1に示すグラフから解るようにKN−40の加熱死菌体は、極めて低濃度でマクロファージ細胞株であるJ774A−1をin vitroで刺激し、IL−12の産生を顕著に促した。
(実験例1) 次に本発明者らは、KN−40のマウスへの経口摂取がマウス脾臓NK細胞を活性化するか否かを調べた。NK細胞はIL−12の刺激によって活性化し、感染防御のみならず、癌細胞の抑制に於いても効果細胞として働くと考えられている免疫細胞群である。KN−40の加熱死菌体をマウス用の餌である粉体MF(オリエンタル酵母工業株式会社)に混ぜ、ビスケット状に形を整えて乾燥させたものを作り、これを試料とした。死菌体の濃度は、0%、0.0025%、0.005%、0.01%、0.02%(重量%)の5種類用意した。動物にはC57BL/6マウスの雄(日本チャールズリバー社)を用い、各試料につき8匹をもって一群とした。試料は解剖日までの3週間与え、飲水と共に自由採餌とした。採餌期間の終了後、マウスを解剖し、脾臓を摘出した。脾臓細胞を採取後、0.83%塩化アンモニウム溶液で溶血し、PBS(−)で3回洗浄した。洗浄後、10%FBS加RPMI1640培地に浮遊させ、25cmの平底フラスコ(Nunc社)に播種し、5%炭酸ガス孵卵器で30分間放置した。その後、フラスコ内の浮遊細胞群を回収し、これのYAC−1細胞に対する細胞傷害性を測定して、NK活性とした。YAC−1細胞は−80℃で保存しておいたものを解凍し、PBS(−)で3回洗浄後、10%FBS加RPMI1640培地に浮遊させ、5%炭酸ガス孵卵器で培養した。対数増殖期にあるYAC−1細胞を回収し、脾臓細胞(Effector:E)とYAC−1細胞(Target:T)とをET比50:1、乃至は25:1となるように各々50μl/wellずつ混じ、U字型の96welマイクロプレート(Nunc社)に接種した。同時にMTS(tetrazolium化合物、Promega社)を20μl/wellに加え、5%炭酸ガス孵卵器内で4時間培養した。4時間後、プレートの492nmに於ける吸光度をELISA readerで測定した。結果は、KN−40は容量依存的にマウス脾臓細胞のNK活性を増強した。最大値は0.01%濃度に於いて見られ、この時0%対照に比較して59%の活性の増加を見た。一方で0.02%では活性の低下が見られた。以上の結果から、KN−40株の経口摂取はマウス脾臓NK活性を、容量依存的かつ一峰性に増強することが明らかとなった。図2に結果を示す。
(実験例2) KN−40の経口摂取がNK細胞を活性化することが明らかとなったことから、同菌の摂取が腫瘍の抑制に繋がる事が期待された。マウスを用いた癌の実験系には多くの種類があるが、中でもマウス黒色細胞腫を用いた転移抑制実験は、免疫系との関連が明らかとなっているモデルである。本発明者らはこれを用いて、KN−40のマウスへの経口摂取が腫瘍細胞の転移を抑制するか否かを調べた。試料には、実施例−2と同じく、0.1%、0.01%にKN−40の加熱死菌体を混じたMFビスケットを用いた。これをC57BL/6雄マウス5週齢に4週間与えた。試料は飲水と共に自由採餌とした。対照には、菌体無添加MFビスケットを与えた。−80℃で凍結保存してあった黒色細胞腫の一つであるB16−F10細胞(東北大学加齢医学研究所付属医用細胞資源センターより分与)を解凍し、PBS(−)で3回洗浄後10%FBS加RPMI1640培地に浮遊させ、5%炭酸ガス孵卵器内で培養した。対数増殖期に収穫し、PBS(−)で3回洗浄後、同液に4×10個/0.2ml/匹に浮遊し、試料給餌開始2週目に尾静脈より接種した。細胞接種2週後にマウスを解剖し、肺を採取して、Bouin液にて固定した。固定終了後、転移したB16−F10細胞の転移結節数を実体顕微鏡下で数えた。結果は、KN−40の経口摂取は容量依存的に転移を抑制し、0.01%で51%、0.1%で77%の抑制率を示した。図3に結果を示す。
市販の漬け物から分離された乳酸菌株であるラクトバシラス・クルバータスKN−40株は、その菌体を食することによって、免疫賦活効果並びに腫瘍抑制効果を期待する事が出来る。市販の漬け物由来であるため安全性も高い。しかも加熱死菌体においても上記の効果を示すため、加熱滅菌した培養液をそのまま飲用として用いることはもちろん、菌体を分離して医薬品として用いたり、健康食品に添加して使用することが可能である。
ラクトバシラス・クルバータスKN−40とその他の代表菌株のマクロファージJ774A−1株に対するIL−12量(IL−12産生刺激能)の比較を示すグラフ ラクトバシラス・クルバータスKN−40の加熱死菌体の経口投与によるC57BL/6マウスの脾臓NK細胞活性化試験の結果を示す比較グラフ ラクトバシラス・クルバータスKN−40の加熱死菌体の経口投与によるC57BL/6マウスのB16−F10黒色細胞腫肺転移抑制試験の結果を示す比較グラフ

Claims (3)

  1. 体の免疫能昂進作用及び抗腫瘍作用を有する食品又は医薬品を製造するための、植物系乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40(受託番号NITE P−335)の生菌体及び/或いは死菌体の使用。
  2. 植物系乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40(受託番号NITE P−335)の生菌体及び/或いは死菌体を含むことを特徴とする食品。
  3. 植物系乳酸菌ラクトバシラス・クルバータスKN−40(受託番号NITE P−335)の生菌体及び/或いは死菌体を含むことを特徴とする医薬品。
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