JPWO2017188157A1 - 腸内細菌叢構成比率調整剤、医薬品、飲食品及び腸内細菌叢構成比率の調整方法 - Google Patents

腸内細菌叢構成比率調整剤、医薬品、飲食品及び腸内細菌叢構成比率の調整方法 Download PDF

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Abstract

安全性の高い新たな腸内細菌叢構成比率調整剤を提供する。
本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、腸内細菌叢の構成比率を調整する腸内細菌叢構成比率調整剤であって、ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方を含むことを特徴とする。

Description

本発明は、腸内細菌叢構成比率調整剤、医薬品、飲食品及び腸内細菌叢構成比率の調整方法に関する。
近年、腸内細菌叢構成比率の調整により、肥満を改善可能なことが報告されている。例えば、特許文献1には、サラシア属植物の抽出物によって腸内細菌叢構成比率を調整する体重増加抑制剤、中性脂肪低減剤及び痩身剤が提案されている(特許文献1)。
特開2015−127340号公報
しかしながら、腸内細菌叢構成比率の調整には、新たな素材を用いた、安全性に優れる新たな手法が求められている。
そこで、本発明は、安全性の高い新たな腸内細菌叢構成比率調整剤及び腸内細菌叢構成比率の調整方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、腸内細菌叢の構成比率を調整する腸内細菌叢構成比率調整剤であって、
ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
本発明の腸内細菌叢構成比率の調整方法は、腸内細菌叢の構成比率を調整する方法であって、
ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方を含む腸内細菌叢構成比率調整剤を投与する工程を含むことを特徴とする。
前記目的を達成するために、本発明者は、一連の研究を重ねたところ、ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)(受託番号 NITE BP−644)BP0899株及びその培養物の少なくとも一方の投与により、腸内細菌叢構成比率を調整可能であることを見出し、本発明に到達した。ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方は、安全性が高く、長期にわたり投与可能である。
図1は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのバクテロイデス(Bacteroides)属の構成比率の変化を示すグラフである。 図2は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのラクトバシラス(Lactobacillus)属の構成比率の変化を示すグラフである。 図3は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのプレボテラ(Prevotella)属の構成比率の変化を示すグラフである。 図4は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのクロストリジウム クラスター XVIII(Clostridium claster XVIII)の構成比率の変化を示すグラフである。 図5は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのクロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)の構成比率の変化を示すグラフである。 図6は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのクロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)の構成比率の変化を示すグラフである。 図7は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのバクテロイデス(Bacteroides)属の構成比率の変化を示すグラフである。 図8は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのラクトバシラス(Lactobacillus)属の構成比率の変化を示すグラフである。 図9は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのプレボテラ(Prevotella)属の構成比率の変化を示すグラフである。 図10は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのクロストリジウム クラスター XVIII(Clostridium claster XVIII)の構成比率の変化を示すグラフである。 図11は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのクロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)の構成比率の変化を示すグラフである。 図12は、実施例における、マウスの腸内細菌叢でのクロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)の構成比率の変化を示すグラフである。
本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤において、前記ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方が、下記(1)〜(30)の菌学的特徴を有することが好ましい。なお、前記BP0899株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に受託番号 NITE P−644で寄託され(受託日:2008年 9月12日)、さらに、受託番号 NITE BP−644で国際寄託されている(移管日:2010年10月27日)。
(1)細胞の形:桿状形又は卵形
(2)多形性:なし
(3)細胞の大きさ:0.8μm×1.0μm
(4)運動性の有無:あり
(5)胞子の有無:なし
(6)普通寒天培養における光沢:あり
(7)普通寒天培養における色素産生:あり
(8)普通ブイヨン培養における表面発育の有無:なし
(9)普通ブイヨン培養における培地の混濁の有無:あり
(10)ゼラチン穿刺培養におけるゼラチン液化:陰性
(11)リトマス・ミルク培養における凝固:なし
(12)リトマス・ミルク培養における液化:なし
(13)グラム染色性:陰性
(14)硝酸塩の還元:なし
(15)脱窒反応:なし又はあり
(16)MRテスト:陰性
(17)インドール産生:なし
(18)硫化水素の生成:なし
(19)デンプンの加水分解:なし
(20)クエン酸の利用(Christensen):なし
(21)無機窒素源の利用(アンモニウム塩):あり
(22)カタラーゼの生成:陽性
(23)オキシダーゼの生成:陽性
(24)嫌気的生育性:あり
(25)O−Fテスト(酸化/発酵):陰性/陰性
(26)β−ガラクトシダーゼ活性:陰性
(27)アルギニンジヒドロラーゼ活性:陰性
(28)リジンデカルボキシラーゼ活性:陰性
(29)トリプトファンデアミナーゼ活性:陰性
(30)ゼラチナーゼ活性:陰性
本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤において、前記BP0899株の16S rRNAの塩基配列が、配列番号1で表される塩基配列であることが好ましい。
本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤において、バクテロイデス(Bacteroides)属、ラクトバシラス(Lactobacillus)属、プレボテラ(Prevotella)属、クロストリジウム クラスター XVIII(Clostridium claster XVIII)、クロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)及びクロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)からなる群から選択された少なくとも一つの腸内細菌の構成比率を増加させる、又は、構成比率の減少を抑制させることが好ましい。
本発明の医薬品は、腸内細菌叢構成比率の調整のための医薬品であって、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤を含むことを特徴とする。
本発明の飲食品は、腸内細菌叢構成比率の調整機能を有する飲食品であって、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤を含むことを特徴とする。
本発明について、以下に詳細に説明する。
本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、前述のように、腸内細菌叢の構成比率を調整する腸内細菌叢構成比率調整剤であって、前記BP0899株及びその培養物の少なくとも一方を含むことを特徴とする。なお、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、紅色非硫黄細菌及び前記紅色非硫黄細菌の培養物の少なくとも一方を含み、前記紅色非硫黄細菌が、ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)を含み、前記ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)が、ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)を含むものであってもよい。
<細菌>
本発明において、前記紅色非硫黄細菌である前記BP0899株及びその培養物の少なくとも一方は、前述のように、下記(1)〜(30)の菌学的特徴を有することが好ましい。
(1)細胞の形:桿状形又は卵形
(2)多形性:なし
(3)細胞の大きさ:0.8μm×1.0μm
(4)運動性の有無:あり
(5)胞子の有無:なし
(6)普通寒天培養における光沢:あり
(7)普通寒天培養における色素産生:あり
(8)普通ブイヨン培養における表面発育の有無:なし
(9)普通ブイヨン培養における培地の混濁の有無:あり
(10)ゼラチン穿刺培養におけるゼラチン液化:陰性
(11)リトマス・ミルク培養における凝固:なし
(12)リトマス・ミルク培養における液化:なし
(13)グラム染色性:陰性
(14)硝酸塩の還元:なし
(15)脱窒反応:なし又はあり
(16)MRテスト:陰性
(17)インドール産生:なし
(18)硫化水素の生成:なし
(19)デンプンの加水分解:なし
(20)クエン酸の利用(Christensen):なし
(21)無機窒素源の利用(アンモニウム塩):あり
(22)カタラーゼの生成:陽性
(23)オキシダーゼの生成:陽性
(24)嫌気的生育性:あり
(25)O−Fテスト(酸化/発酵):陰性/陰性
(26)β−ガラクトシダーゼ活性:陰性
(27)アルギニンジヒドロラーゼ活性:陰性
(28)リジンデカルボキシラーゼ活性:陰性
(29)トリプトファンデアミナーゼ活性:陰性
(30)ゼラチナーゼ活性:陰性
前記紅色非硫黄細菌である前記BP0899株及びその培養物の少なくとも一方は、暗所での好気培養条件下で、さらに、例えば、下記(31)の表に示す性質を示してもよい。なお、同表において、「−」は産生なしを、「+」は産生ありを示す。
(31)糖類からの酸産生及びガス産生
基質 酸産生/ガス産生
L−アラビノース −/−
D−グルコース −/−
D−フラクトース −/−
マルトース −/−
ラクトース −/−
D−ソルビトール −/−
イノシトール −/−
D−キシロース −/−
D−マンノース −/−
D−ガラクトース −/−
サッカロース −/−
トレハロース −/−
グリセリン −/−
前記菌学的特徴は、例えば、前培養後、さらに本培養した結果から評価してもよい。前記前培養は、例えば、普通寒天培地に前記紅色非硫黄細菌である前記BP0899株を植菌し、30℃で24時間培養して行ってもよい。前記本培養の条件は、各菌学的特徴の評価方法に応じて、適宜設定できる。具体的には、前記(1)〜(5)の培養条件は、例えば、普通寒天培地を用い、30℃、暗所での好気培養であり、前記(6)〜(7)の培養条件は、例えば、普通ブイヨン培地を用い、30℃、明所での嫌気培養であり、前記(8)〜(12)の培養条件は、例えば、各培地を用い、30℃、暗所での好気培養であり、前記(13)、(14)、(16)、(17)、(19)〜(23)、(25)の酸化テスト、(26)、(29)、(30)及び(31)は、例えば、暗所での好気培養であり、(15)、(18)、(24)、(25)の発酵テスト、(27)及び(28)は、例えば、暗所での嫌気培養である。これらの菌学的特徴の試験方法としては、特に制限されず、従来公知の方法を採用できる。具体的には、例えば、Barrow G.I.及びFeltham R.K.A.著「Cowan and Steel‘s Manual for the Identification of Medical Bacteria.」(イギリス)3rd edition Cambridge University Press 1993年、坂崎ら著「新 細菌培地学講座・下」(東京)第二版 近大出版 1988年、長谷川編著「微生物の分類と同定(下)」(東京)学会出版センター 1985年、土壌微生物研究会編「新編 土壌微生物学実験」(東京)養賢堂 1992年等に記載の方法が挙げられる。前記(15)の試験方法は、例えば、前記「微生物の分類と同定(下)」記載の駒形らの方法、Giltay培地を用いた前記「新編 土壌微生物学実験」記載の方法、PYN培地を用いた下水法等を採用できる。前記駒形らの方法は、1%硝酸ナトリウム肉汁を用いた嫌気培養条件下で、生育及びガス形成が認められたものを脱窒反応陽性と判定する。前記Giltay培地を用いた方法は、ダーラム管入り前記Giltay培地(pH7.0〜7.2)を用いた嫌気培養条件下で、ガス発生及び濃青色に呈色したものを脱窒反応陽性と判定する。なお、前記Giltay培地は、A液(KNO 1g、アスパラギン1g、1%ブロモチモールブルー・アルコール溶液5mL及び蒸留水500mL)及びB液(クエン酸ナトリウム8.5g、MgSO・7HO 1g、FeCl・6HO 0.05g、KHPO 1g、CaCl・6HO 0.2g及び蒸留水500mL)を混合した培地である。また、前記試験方法には、例えば、市販の細菌同定キットを使用してもよい。前記キットとしては、特に制限されないが、例えば、細菌同定キット API20E(ビオメリュー社製)等を使用できる。
前記紅色非硫黄細菌である前記BP0899株及びその培養物の少なくとも一方は、例えば、さらに、下記(32)〜(40)の菌学的特徴を有してもよい。
(32)コロニーの色:赤色
(33)ゼラチン穿刺培養:生育しない
(34)VPテスト:陰性
(35)クエン酸の利用(Koser):あり
(36)無機窒素源の利用(硝酸塩):あり
(37)ウレアーゼ活性:陰性
(38)生育するpH範囲:5〜9
(39)D−マンニトールからの酸産生:産生あり
(40)D−マンニトールからのガス産生:産生なし
前記(32)〜(40)の菌学的特徴の試験方法としては、特に制限されず、従来公知の方法を採用できる。具体的には、例えば、前述の文献等に記載の方法が挙げられる。また、前記試験方法には、例えば、市販の細菌同定キットを使用してもよい。前記キットとしては、特に制限されないが、例えば、前述の細菌同定キット等を使用できる。
本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、例えば、さらに、前記BP0899株及びその培養物の少なくとも一方以外の、他の紅色非硫黄細菌を含んでもよい。
前記他の紅色非硫黄細菌は、特に制限されないが、例えば、ロドスピルリム(Rhodospirillum)属、ロドシスタ(Rhodocista)属、ロドピラ(Rhodopila)属、ロドミクロビウム(Rhodomicrobium)属、ブラストクロリス(Blastochloris)属、ロドプラネス(Rhodoplanes)属、ロドビウム(Rhodobium)属、ロドシクルス(Rhodocyclus)属、ロドフェラクス(Rhodoferax)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属等の細菌が挙げられる。
また、前記他の紅色非硫黄細菌は、例えば、前記ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方以外のロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)、前記ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)以外のロドバクター(Rhodobacter)属の細菌であってもよい。
前記BP0899株を含めた紅色非硫黄細菌(以下、「紅色非硫黄細菌」ということがある。)の採取源としては、特に限定されず、例えば、土壌、海水、川水、湖水、沼水等が挙げられる。また、前記土壌としては、例えば、陸地、海底、川底、湖底及び沼底の土、砂及び泥土等が挙げられ、特に限定されない。
前記紅色非硫黄細菌の単離方法としては、例えば、従来公知の採取法、培養法等を用いることができ、特に制限されない。前記単離方法としては、例えば、採取源が湖水の場合、採取した湖水をフィルター等によりろ過し、このろ液を寒天培地等で培養し、得られたコロニーから前記紅色非硫黄細菌を単離してもよい。また、例えば、採取源が泥土の場合、採取した泥土を緩衝液等により懸濁後、この懸濁液を遠心分離し、得られた上清を寒天培地等で培養し、得られたコロニーから前記紅色非硫黄細菌を単離してもよい。前記単離した紅色非硫黄細菌は、さらに、例えば、液体培地中で培養してもよい。
本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、前記紅色非硫黄細菌以外に、さらに、他の細菌等を含有してもよい。前記他の細菌としては、特に制限されず、例えば、乳酸菌、酵母等が挙げられ、好ましくは、乳酸菌である。
前記乳酸菌としては、特に限定されないが、例えば、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ラクティス(Lactobacillus lactis)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ヘルベティクス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・デルブリュッキ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス・ラクティス(Streptococcus lactis)等が挙げられ、好ましくは、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス・ラクティス(Streptococcus lactis)等が挙げられる。
前記酵母としては、特に限定されないが、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロマイセス・エリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoideus)、サッカロマイセス・ロウキシ(Saccharomyces rouxii)等が挙げられる。
前記紅色非硫黄細菌の培養において、培地は、特に限定されず、例えば、低級脂肪酸添加培地、リンゴ酸添加培地、L−乾燥標品復元用培養基802「ダイゴ」(日本製薬社製)、MYS培地(平石及び北川、Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries、1984年、50巻、11号、p.1929−1937)、改変MYS培地、生育用培地等が挙げられ、好ましくは、低級脂肪酸添加培地、リンゴ酸添加培地、L−乾燥標品復元用培養基802「ダイゴ」(日本製薬社製)である。
前記低級脂肪酸添加培地及び前記リンゴ酸添加培地としては、例えば、下記表1の基礎培地に、ビオチン、ビタミンB、ニコチン酸、低級脂肪酸又はリンゴ酸のナトリウム塩を添加した培地が挙げられる。前記低級脂肪酸としては、特に制限されないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸等が好ましい。
Figure 2017188157
前記改変MYS培地、生育用培地としては、例えば、下記表2及び表3の組成の培地が挙げられる。
Figure 2017188157
Figure 2017188157
前記培養において、温度範囲は、特に限定されないが、例えば、23〜39℃、30℃である。
また、前記培養において、pH範囲は、特に限定されないが、例えば、pH5.5〜8.5、6.0〜8.5、7.0である。
前記培養は、例えば、好気的条件下で行ってもよく、嫌気的条件下で行ってもよく、特に制限されないが、好ましくは、嫌気的条件下である。また、前記培養時の光条件も、特に制限されず、例えば、暗黒条件でもよく、照明条件でもよいが、好ましくは、2000ルクス〜10000ルクスの照度下である。前記培養は、例えば、密閉照明式培養槽内で行ってもよい。また、前記密閉照明式培養槽内に備えられた撹拌装置を用いて、培養液を撹拌しながら培養してもよい。
前記培養時間は、特に制限されず、例えば、前記紅色非硫黄細菌の増殖が定常期に達するまでであってもよい。前記紅色非硫黄細菌の増殖が、約72時間以内に定常期に達する培養条件下の場合、前記培養時間は、例えば、72時間であってもよい。
なお、前記紅色非硫黄細菌の培養において、例えば、前記紅色非硫黄細菌のみを培養してもよく、さらに、他の細菌を同時に混合培養してもよい。前記他の細菌としては、特に制限されないが、例えば、前述の乳酸菌、酵母等が挙げられる。
前述のように、前記BP0899株の16S rRNAの塩基配列は、配列番号1で表される塩基配列であることが好ましい。
前記16S rRNAの塩基配列は、例えば、前述の方法等により、単離及び培養した前記BP0899株から、DNAを抽出し、プライマー等を用いて決定できる。前記DNAの抽出及び前記塩基配列の決定方法は、例えば、常法を用いることができ、特に制限されない。また、前記プライマーは、特に制限されないが、例えば、以下のプライマー等が挙げられる。
(プライマー)
9F (配列番号2)
5’−GAGTTTGATCCTGGCTCAG−3’
339F (配列番号3)
5’−CTCCTACGGGAGGCAGCAG−3’
785F (配列番号4)
5’−GGATTAGATACCCTGGTAGTC−3’
1099F (配列番号5)
5’−GCAACGAGCGCAACCC−3’
536R (配列番号6)
5’−GTATTACCGCGGCTGCTG−3’
802R (配列番号7)
5’−TACCAGGGTATCTAATCC−3’
1242R (配列番号8)
5’−CCATTGTAGCACGTGT−3’
1541R (配列番号9)
5’−AAGGAGGTGATCCAGCC−3’
<培養物>
前記紅色非硫黄細菌の培養物としては、例えば、前記紅色非硫黄細菌の菌体、前記紅色非硫黄細菌の培養上清、前記紅色非硫黄細菌の菌体抽出物等が挙げられ、特に限定されない。また、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、さらに、前記紅色非硫黄細菌以外の細菌の培養物を含んでいてもよい。前記紅色非硫黄細菌以外の細菌の培養物としては、特に制限されず、例えば、前述の他の細菌の菌体、前記他の細菌の培養上清、前記他の細菌の菌体抽出物等が挙げられる。前記紅色非硫黄細菌以外の細菌の培養物としては、具体的には、例えば、前述の乳酸菌、酵母等の乾燥菌体、抽出物等が挙げられる。
前記培養物は、例えば、前記菌体の処理物、前記培養上清の処理物、前記菌体抽出物の処理物等でもよく、特に限定されない。前記処理物としては、特に限定されないが、例えば、前記培養物の濃縮物、乾燥物、凍結乾燥物、溶媒処理物、界面活性剤処理物、酵素処理物、タンパク質分画物、超音波処理物、磨砕処理物等が挙げられる。また、前記培養物は、例えば、前記菌体、前記培養上清、前記菌体抽出物、前記菌体の処理物、前記培養上清の処理物、前記菌体抽出物の処理物等の混合物でもよい。前記混合物としては、任意の組み合わせ及び比率で混合することができ、特に制限されない。前記組み合わせとしては、特に制限されないが、例えば、前記菌体及び前記培養上清の混合物等が挙げられる。
本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、さらに、例えば、添加剤等の他の成分を含んでいてもよい。前記添加剤としては、特に制限されず、例えば、安定化剤等が挙げられる。前記腸内細菌叢構成比率調整剤の製造方法は、特に制限されず、例えば、通常用いられる製剤化技術等を採用できる。
後述の実施例で実証されているように、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤によれば、例えば、バクテロイデス(Bacteroides)属、ラクトバシラス(Lactobacillus)属、プレボテラ(Prevotella)属、クロストリジウム クラスター XVIII(Clostridium claster XVIII)、クロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)及びクロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)等の腸内細菌の構成比率を増加させる、又は、構成比率の減少を抑制させることが可能である。
福田らにより、腸内細菌の中には、それによって産生された酪酸等の短鎖脂肪酸が、脂肪細胞のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(Peroxisome Proliferator-Activated Receptor γ)を活性化し、その結果、糖尿病発症率を低下し、また、膵臓からのインスリン分泌や食欲抑制作用を促すものがあることが報告されており、具体的な腸内細菌として、クロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)が開示されている(福田ら(2014)、実験医学、32(5)、p.726−732「統合オミクスが解き明かす腸内細菌叢の機能」)。また、「特集 PPARγアゴニスト−基礎・臨床研究の最新動向−」、日本臨牀、2010年、第68巻、第2号、第176頁−360頁によれば、前記ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(Peroxisome Proliferator-Activated Receptor γ)の活性化が、抗血管不全や脂質代謝異常・動脈硬化等の心・血管系疾患、消化器疾患、腎疾患、悪性腫瘍及びアルツハイマー病を改善すること並びに免疫調節作用を有することも報告されている。本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤によれば、例えば、このような酪酸等の短鎖脂肪酸を産生する腸内細菌の構成比率を増加することができる。具体的には、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤の投与により、例えば、酪酸等の短鎖脂肪酸を産生するクロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)の構成比率を増加させることができる。このため、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、例えば、糖尿病、肥満、抗血管不全や脂質代謝異常・動脈硬化等の心・血管系疾患、消化器疾患、腎疾患、悪性腫瘍及びアルツハイマー病を改善可能であり、また、免疫調節作用を有する。また、特許文献1によれば、ヒトの肥満時において、腸内におけるバクテロイデス(Bacteroides)属の構成比率が減少することが報告されている。したがって、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤の投与により、バクテロイデス(Bacteroides)属の構成比率を増加させることで、例えば、肥満を改善可能であると考えられる。そして、Miyakeらによれば、多発性硬化症患者において、腸内におけるプレボテラ(Prevotella)属及びクロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)の構成比率が減少することが報告されている(Miyake S. et al (2015), PLOS One,10. e0137429)。したがって、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤の投与により、プレボテラ(Prevotella)属及びクロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)の少なくとも一方の構成比率を増加させることで、例えば、多発性硬化症を改善可能であると考えられる。さらに、Filipらによれば、パーキンソン病患者において、腸内におけるプレボテラ(Prevotella)属の構成比率が減少することが報告されている(Filip S. et al (2015), Movement Disorders, Vol.30, No.3, p.350-358)。したがって、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤の投与により、プレボテラ(Prevotella)属の構成比率を増加させることで、例えば、パーキンソン病を改善可能であると考えられる。さらに、ラクトバシラス(Lactobacillus)属も、善玉菌として広く知られている。したがって、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤の投与により、ラクトバシラス(Lactobacillus)属の構成比率を増加させることで、例えば、便秘等を改善可能であると考えられる。
<医薬品>
本発明の医薬品は、腸内細菌叢構成比率の調整のための医薬品であって、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤を含んでいる以外は、何ら制限されない。本発明において、医薬品とは、医薬品、医薬部外品を含む。
前記医薬品の剤形は、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、トローチ剤、液剤等が挙げられ、特に制限されない。また、前記医薬品の組成は、特に制限されず、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、吸収促進剤、乳化剤、安定化剤、防腐剤等の各種添加剤等を含んでいてもよい。また、前記医薬品は、通常用いられる製剤化技術等により製造可能である。前記医薬品を投与する動物種としては、特に制限されないが、例えば、ヒト、又は、サル、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等の非ヒトの哺乳類、ニワトリ等の鳥類、魚介類等が挙げられる。前記投与方法としては、特に制限されず、例えば、経口投与又は非経口投与が挙げられ、前記非経口投与は、例えば、経皮吸収、注射、座薬投与等が挙げられる。前記医薬品の投与量は、例えば、動物種、年齢等に応じて適宜設定でき、特に制限されない。本発明の腸内細菌叢構成比率の調整方法において、投与方法及び投与対象等は、例えば、同様である。
<飲食品>
本発明の飲食品は、腸内細菌叢構成比率の調整機能を有する飲食品であって、本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤を含んでいる以外は、何ら制限されない。本発明において、飲食品とは、一般食品、保健機能食品を含む。前記一般食品としては、特に限定されないが、例えば、穀物加工食品、野菜加工食品、果物加工食品、食肉加工食品、水産物加工食品、乳製品、飲料、健康食品等が挙げられる。また、本発明の飲食品は、前記腸内細菌叢構成比率調整剤を、例えば、素材、添加剤等として含んでいてもよい。前記穀物加工食品としては、特に制限されないが、例えば、小麦粉、米粉、シリアルバー、せんべい、あられ、クッキー等が挙げられる。前記野菜加工食品としては、特に制限されないが、例えば、野菜ペースト、乾燥野菜、野菜スープ等が挙げられる。前記果物加工食品としては、特に制限されないが、例えば、果物ピューレ、乾燥果物等が挙げられる。前記食肉加工食品としては、特に制限されないが、例えば、ハム、ベーコン、ソーセージ等が挙げられる。前記水産物加工食品としては、特に制限されないが、例えば、佃煮、塩干物、魚肉ソーセージ、はんぺん、かまぼこ、ちくわ等が挙げられる。前記乳製品としては、特に制限されないが、例えば、乳飲料、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズ等が挙げられる。前記飲料としては、特に制限されないが、例えば、清涼飲料、緑茶、紅茶、コーヒー等が挙げられる。また、前記保健機能食品は、一般に、機能性食品とも称される。前記保健機能食品としては、例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等が挙げられる。
前記飲食品の組成としては、特に制限されず、前記腸内細菌叢構成比率調整剤以外に、例えば、種々の食品素材、助剤、安定化剤等が挙げられる。また、前記飲食品は、通常用いられる製剤化技術等により製造可能である。前記飲食品の対象動物種は、特に制限されないが、例えば、ヒト、又は、サル、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等の非ヒトの哺乳類、ニワトリ等の鳥類、魚介類等が挙げられる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されない。
(1)マウスへのBP0899株懸濁液の投与
5週齢の雄性C57BL/6Jマウスに、通常食(CE−2固形試料、日本クレア社製)及び水を与え、2日間飼育した。さらに、通常食(AIN−93M精製試料、米国国立栄養研究所製)を与え、5日間飼育した。つぎに、前記BP0899株100mgに蒸留水を加えて10mLとし、ボルテックスミキサーにより撹拌して懸濁液を調製し、さらに前記懸濁液1mLに蒸留水9mLを加え、計10mLとし、これをBP0899株懸濁液とした。6週齢となった前記マウスを、前記BP0899株摂取量が10mg/kgとなる群(実施例1−1、7匹)と、100mg/kgとなる群(実施例1−2、7匹)とに分けた。そして、群分けした日の翌日を投与開始日(1日目)とし、1日目から14日目まで毎日、各群に、前記BP0899株懸濁液をゾンデにより経口投与した。また、前記BP0899株懸濁液に代えて、蒸留水を投与した以外は実施例1−1及び実施例1−2と同様に実験を行うコントロール群を比較例(比較例1、7匹)とした。そして、実施例1−1、実施例1−2及び比較例1の3群すべてに関して、下記に示すとおり、糞解析を行った。
(2)糞解析1(3日目における腸内細菌の構成比率(%)と、7日目における腸内細菌の構成比率(%)との比較)
3日目において、群内のマウス7匹すべての糞を集積し、検体数n=1としたものを、T−RFLP解析に供し、3日目における腸内細菌の構成比率(%)を測定した。また、7日目においても、同様にして群内のマウス7匹すべての糞を集積し、検体数n=1としたものを、T−RFLP解析に供し、7日目における腸内細菌の構成比率(%)を測定した。そして、以下のようにして、マウスの腸内細菌の構成比率の変化率を算出した。これらの結果を、図1〜図6に示す。
すなわち、バクテロイデス(Bacteroides)属の構成比率の変化については、7日目におけるバクテロイデス(Bacteroides)属の構成比率(%)を、3日目におけるバクテロイデス(Bacteroides)属の構成比率(%)で割った値を算出した。そして、比較例1における前記値を1としたときの、実施例1−1及び実施例1−2における相対値(変化率)を算出した。バクテロイデス(Bacteroides)属以外の腸内細菌の構成比率の変化率も、バクテロイデス(Bacteroides)属と同様にして算出した。
図1〜図6は、腸内細菌の種類毎に、実施例1−1、実施例1−2及び比較例1のマウスにおける腸内細菌の構成比率の変化を示したグラフである。図1は、バクテロイデス(Bacteroides)属の結果を、図2は、ラクトバシラス(Lactobacillus)属の結果を、図3は、プレボテラ(Prevotella)属の結果を、図4は、クロストリジウム クラスター XVIII(Clostridium claster XVIII)の結果を、図5は、クロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)の結果を、図6は、クロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)の結果を示す。図1〜図6において、縦軸は、前記変化率を示す。
図1では、実施例1−1において、前記変化率が1より大きく、バクテロイデス(Bacteroides)属の構成比率が、比較例1よりも高くなった。図2では、実施例1−1において、前記変化率が1を大きく上回り、ラクトバシラス(Lactobacillus)属の構成比率が、比較例1よりも極めて高くなった。また、実施例1−2では、実施例1−1の変化率をさらに上回り、前記BP0899株の投与量に応じたラクトバシラス(Lactobacillus)属の構成比率の増加が確認された。図3では、実施例1−1において、前記変化率が1より大きく、プレボテラ(Prevotella)属の構成比率が、比較例1よりも高くなった。また、実施例1−2では、実施例1−1の変化率をさらに上回り、前記BP0899株の投与量に応じたプレボテラ(Prevotella)属の構成比率の増加が確認された。図4では、実施例1−1及び実施例1−2において、前記変化率が1より大きく、クロストリジウム クラスター XVIII(Clostridium claster XVIII)の構成比率が、比較例1よりも高くなった。図5でも、実施例1−1及び実施例1−2において、前記変化率が1より大きく、クロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)の構成比率が、比較例1よりも高くなった。図6では、実施例1−2において、前記変化率が1より大きく、クロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)の構成比率が、比較例1よりも高くなった。なお、実施例1−1及び実施例1−2において前記変化率が1より大きかったことは、比較例1において対象の腸内細菌の構成比率が7日目において3日目より増加している場合、実施例1−1及び実施例1−2では、その増加の程度が比較例1より大きかったことを意味し、比較例1において対象の腸内細菌の構成比率が7日目において3日目より減少している場合、実施例1−1及び実施例1−2では、その減少の程度が比較例1より小さかった(すなわち、実施例1−1及び実施例1−2において対象の腸内細菌の減少が抑制された)、又は、実施例1−1及び実施例1−2では、比較例1では減少した対象の腸内細菌の構成比率が増加したことを意味する。
(3)糞解析2(3日目における腸内細菌の構成比率(%)と、8〜15日目における腸内細菌の構成比率(%)との比較)
8〜15日目における腸内細菌の構成比率(%)を、下記のようにして測定した。すなわち、群内のマウス7匹を2匹のグループ×3(n=3)に分けた。そして、マウス2匹分の糞を、8〜15日目まで集積し(すなわち、2匹分のマウスの糞を、8日分集積したこととなる)、検体数n=3としたものを、T−RFLP解析に供し、8〜15日目における腸内細菌の構成比率(%)を測定した。そして、前記(2)と同様にして、8〜15日目における腸内細菌の構成比率(%)を、3日目における腸内細菌の構成比率(%)で割った値を算出し、比較例1における前記値を1としたときの、実施例1−1及び実施例1−2における相対値(変化率)を算出した。これらの結果を、図7〜図12に示す。
図7〜図12は、腸内細菌の種類毎に、実施例1−1、実施例1−2及び比較例1のマウスにおける腸内細菌の構成比率の変化を示したグラフである。図7は、バクテロイデス(Bacteroides)属の結果を、図8は、ラクトバシラス(Lactobacillus)属の結果を、図9は、プレボテラ(Prevotella)属の結果を、図10は、クロストリジウム クラスター XVIII(Clostridium claster XVIII)の結果を、図11は、クロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)の結果を、図12は、クロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)の結果を示す。図7〜図12において、縦軸は、前記変化率を示す。
図7では、実施例1−1及び実施例1−2において、前記変化率が1より大きく、バクテロイデス(Bacteroides)属の構成比率が、比較例1よりも高くなった。図8では、実施例1−2において、前記変化率が1より大きく、ラクトバシラス(Lactobacillus)属の構成比率が、比較例1よりも高くなった。図9では、実施例1−1及び実施例1−2において、前記変化率が1より大きく、プレボテラ(Prevotella)属の構成比率が、比較例1よりも高くなった。図10でも、実施例1−1及び実施例1−2において、前記変化率が1より大きく、クロストリジウム クラスター XVIII(Clostridium claster XVIII)の構成比率が、比較例1よりも高くなった。図11では、実施例1−1及び実施例1−2において、前記変化率が1を大きく上回り、クロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)の構成比率が、比較例1よりも極めて高くなった。図12では、実施例1−1において、前記変化率が1を大きく上回り、クロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)の構成比率が、比較例1よりも極めて高くなった。また、実施例1−2では、実施例1−1の変化率をさらに上回り、前記BP0899株の投与量に応じたクロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)の構成比率の増加が認められた。
以上、実施形態及び実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
この出願は、2016年4月26日に出願された日本出願特願2016−088068を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上のように、本発明によれば、ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方により、腸内細菌叢構成比率を調整し、例えば、肥満、多発性硬化症等を改善することができる。本発明の腸内細菌叢構成比率調整剤は、安全性が高いため、長期にわたり投与できる。したがって、本発明によれば、有用かつ安全性の高い腸内細菌叢構成比率調整剤、医薬品及び飲食品を提供することができ、その適用範囲は制限されず広い。

Claims (7)

  1. 腸内細菌叢の構成比率を調整する腸内細菌叢構成比率調整剤であって、
    ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方を含むことを特徴とする腸内細菌叢構成比率調整剤。
  2. 前記ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方が、下記(1)〜(30)の菌学的特徴を有する、請求項1記載の腸内細菌叢構成比率調整剤。
    (1)細胞の形:桿状形又は卵形
    (2)多形性:なし
    (3)細胞の大きさ:0.8μm×1.0μm
    (4)運動性の有無:あり
    (5)胞子の有無:なし
    (6)普通寒天培養における光沢:あり
    (7)普通寒天培養における色素産生:あり
    (8)普通ブイヨン培養における表面発育の有無:なし
    (9)普通ブイヨン培養における培地の混濁の有無:あり
    (10)ゼラチン穿刺培養におけるゼラチン液化:陰性
    (11)リトマス・ミルク培養における凝固:なし
    (12)リトマス・ミルク培養における液化:なし
    (13)グラム染色性:陰性
    (14)硝酸塩の還元:なし
    (15)脱窒反応:なし又はあり
    (16)MRテスト:陰性
    (17)インドール産生:なし
    (18)硫化水素の生成:なし
    (19)デンプンの加水分解:なし
    (20)クエン酸の利用(Christensen):なし
    (21)無機窒素源の利用(アンモニウム塩):あり
    (22)カタラーゼの生成:陽性
    (23)オキシダーゼの生成:陽性
    (24)嫌気的生育性:あり
    (25)O−Fテスト(酸化/発酵):陰性/陰性
    (26)β−ガラクトシダーゼ活性:陰性
    (27)アルギニンジヒドロラーゼ活性:陰性
    (28)リジンデカルボキシラーゼ活性:陰性
    (29)トリプトファンデアミナーゼ活性:陰性
    (30)ゼラチナーゼ活性:陰性
  3. 前記ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)の塩基配列が、配列番号1で表される塩基配列である請求項1又は2記載の腸内細菌叢構成比率調整剤。
  4. バクテロイデス(Bacteroides)属、ラクトバシラス(Lactobacillus)属、プレボテラ(Prevotella)属、クロストリジウム クラスター XVIII(Clostridium claster XVIII)、クロストリジウム サブクラスター XIVa(Clostridium subclaster XIVa)及びクロストリジウム クラスター XI(Clostridium claster XI)からなる群から選択された少なくとも一つの腸内細菌の構成比率を増加させる、又は、構成比率の減少を抑制させる請求項1から3のいずれか一項に記載の腸内細菌叢構成比率調整剤。
  5. 腸内細菌叢構成比率の調整のための医薬品であって、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の腸内細菌叢構成比率調整剤を含む医薬品。
  6. 腸内細菌叢構成比率の調整機能を有する飲食品であって、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の腸内細菌叢構成比率調整剤を含む飲食品。
  7. 腸内細菌叢の構成比率を調整する方法であって、
    ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方を含む腸内細菌叢構成比率調整剤を投与する工程を含むことを特徴とする腸内細菌叢構成比率の調整方法。
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