JP5203149B2 - 膜分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固液分離膜を持つ膜モジュールによって固液分離を行う膜分離装置に関し、特に詳細には、膜モジュールを気泡によって洗浄する機能を有する膜分離装置に関するものである。
例えば下水や産業排水等を、活性汚泥法などの浮遊法や凝集剤添加による凝集分離法で処理する水処理装置において、処理水から活性汚泥を分離させる等のために様々な固液分離装置が用いられている。従来、そのような固液分離装置の一つとして、固液分離膜を用いる膜分離装置が公知となっている。上記の固液分離膜としては、平面状の平膜、チューブタイプの管状膜、中空糸状で束にして使用される多孔質中空糸膜等が知られているが、いずれのタイプでも、使用を重ねるうちに膜面に付着した固形物を除去する洗浄処理が必要になる。
その種の洗浄処理の一つとして、例えば特許文献1および2に示されているように、気泡を利用するものが公知となっている。その洗浄処理は、固液分離膜を有する膜モジュールを液体中に浸漬させて用いるタイプの膜分離装置を対象とするもので、液体中で上下方向に延びている膜面に沿って気泡を上昇させるようにしたものである。そのように膜モジュールの膜面に沿って気泡を上昇させると、動く気泡による剪断力によって膜面から固形物が剥がされたり、あるいは膜面が振動することで、そこに付着している固形物が除去されるようになる。
特許第3341427号公報 特許第3645814号公報
上記のようにして膜面を洗浄する膜分離装置においては、通常、ノズル等からなる気泡放出部にブロワ等から給気して気泡を発生させているが、従来、そのブロワ等の動力のために多大な運転コストがかかるという問題が認められている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、膜面の洗浄効果を良好に確保した上で、運転コストを低減できる膜分離装置を提供することを目的とする。
本発明による膜分離装置は、膜モジュールの左右両側において気泡を間欠的に上昇させ、その上でそれらの気泡が膜モジュールの左右両側を互いにずれたタイミングで上昇するようにしたものである。
すなわちより具体的に、本発明による膜分離装置は、
固液分離膜を有し、その膜面が上下方向に延びる向きにして液体中に浸漬される膜モジュールと、
前記液体中において、前記膜モジュールの膜面に沿って上昇する気泡を発生させる膜洗浄手段とを有する膜分離装置において、
前記膜洗浄手段が、
前記膜モジュールを間に置いて互いに反対側から各々気泡を放出させる第1および第2の気泡放出部と、
これらの気泡放出部に空気等の気体を供給する給気手段と、
前記第1および第2の気泡放出部からの気泡放出を、互いにタイミングをずらした上で各々間欠的に行わせるタイミング設定手段とを有することを特徴とするものである。
なお、上記のタイミング設定手段は、前記第1および第2の気泡放出部から放出された気泡が互いに上下方向に完全に離れるだけの時間、これら両気泡放出部からの気泡放出タイミングをずらすように構成されているのが望ましい。
また、本発明の膜分離装置において、特に膜モジュールが水平方向に並べて複数配設されている場合は、相隣接する2つの膜モジュールの間に、それらの一方に対する前記第1の気泡放出部および他方に対する前記第2の気泡放出部を兼ねる1つだけの気泡放出部が配置されることが望ましい。
また、本発明の膜分離装置においては、
前記第1および第2の気泡放出部の少なくとも一方が複数系統設けられ、
これら複数系統の気泡放出部が上流側において1つの配管に合流されており、
前記タイミング設定手段が、前記1つの配管における気体流通のタイミングを設定するように構成されていることが特に望ましい。
さらに、本発明の膜分離装置においては、
前記第1の気泡放出部が第1の配管を介して、前記第2の気泡放出部が前記第1の配管とは別の第2の配管を介して前記給気手段に接続されるとともに、
この給気手段が発する気体を前記第1、第2の配管のいずれか一方に選択的に送る流路切替手段が、前記タイミング設定手段として設けられていることが望ましい。
本発明の膜分離装置においては、膜洗浄手段が、膜モジュールを間に置いて互いに反対側から各々気泡を放出させる第1および第2の気泡放出部と、これらの気泡放出部に空気等の気体を供給する給気手段と、第1および第2の気泡放出部からの気泡放出を、互いにタイミングをずらした上で各々間欠的に行わせるタイミング設定手段とから構成されているので、膜モジュールの両側において気泡は間隔を置いて上昇し、そしてそれらの気泡は膜モジュールの一方の側方(以下、これを分かりやすく右側という)と、反対側の側方(以下、これを分かりやすく左側という)とで互いに上下方向に位置がずれた状態で上昇するようになる。こうして気泡の位置が膜モジュールの右側と左側とで互いにずれていると、膜モジュールは右側の気泡によって左方に押され、次に左側の気泡によって右方に押され、次に再度右側の気泡によって左方に押され・・・という状態が繰り返される。それにより膜モジュールは横方向、つまりその膜面が延びる方向と交わる方向に大きく振動するようになるので、その膜面に付いていた固形の付着物が効率良く除去されるようになる。
こうして本発明の膜分離装置によれば、少ない給気量でも極めて効率良く膜モジュールを洗浄可能となり、その一方、給気量が少なくて済むことから給気手段の所要動力が少なくなるので、装置の運転コストを低減可能となる。
なお、本発明の膜分離装置において特に、前記タイミング設定手段が、第1および第2の気泡放出部から放出された気泡が互いに上下方向に完全に離れるだけの時間、これら両気泡放出部からの気泡放出タイミングをずらすように構成されている場合は、膜モジュールが横方向に大きく振動するようになるので、より良好な洗浄効果が得られる。本発明者の実験によれば、より具体的に、1つの膜モジュールの右側を上昇する気泡と、左側を上昇する気泡との間に、膜モジュールの膜面高さの1/5〜1/2の間隔ができる程度に気泡放出タイミングがずれていると、好ましい結果が得られる。
また、本発明の膜分離装置において、特に膜モジュールが水平方向に並べて複数配設されている場合、相隣接する2つの膜モジュールの間に、それらの一方に対する前記第1の気泡放出部および他方に対する前記第2の気泡放出部を兼ねる1つだけの気泡放出部を配置するようにすれば、気泡放出部の全体の個数を少なく抑えることができるので、装置の製造コスト、運転コストを低減可能となる。
また、本発明の膜分離装置において特に、第1および第2の気泡放出部の少なくとも一方が複数系統設けられ、これら複数系統の気泡放出部が上流側において1つの配管に合流され、前記タイミング設定手段が、前記1つの配管における気体流通のタイミングを設定するように構成されている場合は、複数系統の気泡放出部に対して1つだけタイミング設定手段を設ければよくなるので、装置の製造コストを低く抑えることができる。
また本発明の膜分離装置において特に、第1の気泡放出部が第1の配管を介して、第2の気泡放出部が前記第1の配管とは別の第2の配管を介して給気手段に接続されるとともに、この給気手段が発する気体を第1、第2の配管のいずれか一方に選択的に送る流路切替手段が、前記タイミング設定手段として設けられている場合は、タイミング設定手段の構成が簡素化されるので、それにより、この場合も装置の製造コストを低く抑える効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による膜分離装置の基本構成を示すものである。本実施形態の膜分離装置10は、例えば水深が2m程度の水槽20と、その中に配置された一例として4個の膜モジュール11、12、13、14と、膜モジュール11と12との間の間隙の下方に配置された気泡放出管21と、膜モジュール12と13との間の間隙の下方に配置された気泡放出管22と、膜モジュール13と14との間の間隙の下方に配置された気泡放出管23と、気泡放出管21、22、23にそれぞれ接続された配管31、32、33と、これらの配管31、32、33に各々介設された電磁弁等からなる制御弁41、42、43と、配管31、32、33の各上流端が接続する主配管40と、この主配管40に連通する給気手段としてのブロワ50と、上記制御弁41、42、43の動作を制御するタイミング設定手段としての制御回路60とを有している。
膜モジュール11、12、13、14はそれぞれ、例えば図中上下方向に延びる多数の多孔質中空糸膜が図の紙面と直角な方向に並べて接合されてシート状とされたもので、一例として高さ1.5m×幅(上記中空糸膜の並び方向のサイズ)1mに形成されている。これらの膜モジュール11、12、13、14の図中左右の側面はそれぞれ、固液分離を行う多孔質の膜面Mとなっている。
水槽20内に、固形物を含む液体70が供給されると、膜モジュール11、12、13、14はその液体70内に浸漬された状態となる。なお膜モジュール11、12、13、14は、互いの間に例えば10mmの間隔を置いて配置されている。そして、膜モジュール11、12、13、14を構成する各中空糸膜の下端は閉じられ、開放した上端は図示外の配管を介して、図示外のポンプの吸込口に連通されている。
なお上述のような液体70としては、例えば水処理装置により処理された後の活性汚泥を含む処理水等が挙げられるが、本発明の膜分離装置はそのような処理水に限らず、その他の固形物を含む液体を対象として固液分離に適用可能であることは勿論である。
一方気泡放出管21、22、23はそれぞれ、膜モジュール11、12、13、14の幅(=1m)と同程度、あるいはそれよりも少し長い程度の管の両端を閉じ、そしてその上部管壁に直径6mmの孔を複数、適宜間隔を置いて1列に穿設してなるものである。ここで気泡放出管21は、膜モジュール11に対する第1の気泡放出部と、その隣の膜モジュール12に対する第2の気泡放出部とを兼ねている。すなわちこの気泡放出管21は、そこに主配管40および配管41を介してブロワ50から空気が供給されると、上記複数の孔から、膜モジュール11の右側の膜面Mおよび、その隣の膜モジュール12の左側の膜面Mに沿って上昇する気泡Bを発生させる。以上の点は、その他の気泡放出管22、23に関しても同様である。
次に、上記構成の膜分離装置10の作用について説明する。固形物を含む液体70が水槽20内に供給された後に前述のポンプが駆動されると、膜モジュール11、12、13、14の膜面Mを通してろ過された液体のみが中空糸膜内に吸入される。つまりこの膜面Mにおいて固液分離がなされる。こうして中空糸膜内に吸入された液体は、上記ポンプによって所定の槽等に送られる。なお中空糸膜の上端を閉じるとともに、開放している下端を所定の集水管等に連通させることにより、上述のポンプは使用せずに、膜面Mを通過した液体を自然落下によって集水することも可能である。
膜モジュール11、12、13、14の膜面Mを洗浄する際には、ブロワ50が駆動され、主配管40および配管31、32、33を介して、空気が気泡放出管21、22、23に送られる。このとき、配管31、32、33に各々介設された制御弁41、42、43は、制御回路60により制御されて、図2に示す通りのタイミングでON−OFFされる。本例の場合、「ON」により弁開状態となり、「OFF」により弁閉状態となる。また図2の「偶数系列」とは、並設された複数の配管31、32、33のうち、一方の端から偶数番目に位置する配管に介設された制御弁(本実施形態ならば制御弁42)を示し、「奇数系列」とは、並設された複数の配管31、32、33のうち、一方の端から奇数番目に位置する配管に介設された制御弁(本実施形態ならば制御弁41、43)を示している。
制御弁41、42、43の開閉が上述のように制御されることにより、気泡放出管21、22、23からは、図示のように間欠的に気泡Bが放出される。また1つの膜モジュール12に着目すると、その右側の膜面Mに沿って上昇する気泡Bと、その左側の膜面Mに沿って上昇する気泡Bとは、互いに上下方向に位置がずれた状態で上昇するようになる。そうであると、膜モジュール12は右側の気泡によって左方に押され、次に左側の気泡によって右方に押され、次に再度右側の気泡によって左方に押され・・・という状態が繰り返される。それにより膜モジュール12は左右方向に大きく振動するようになるので、その膜面Mに付いていた付着物(固形物)が効率良く除去されるようになる。これは、膜モジュール13においても同様である。
こうして本実施形態の膜分離装置10によれば、少ない給気量でも極めて効率良く膜モジュール12、13を洗浄可能となり、その一方、給気量が少なくて済むことからブロワ50の所要動力が少なくなるので、装置の運転コストを低減可能となる。なお、膜モジュール11の左側、膜モジュール14の右側にもそれぞれ気泡放出管を付加配設し、それらからの気泡放出タイミングを図2のように制御すれば、当然、膜モジュール11、14に横方向の振動を発生させて、その洗浄効果を高めることが可能である。
ただし、上述のように気泡放出管を付加配設しなくても、膜モジュール11の右側、膜モジュール14の左側を膜面Mに沿って気泡Bが上昇しているから、従来装置におけるのと同様の洗浄作用は得られる。すなわち、それらの気泡Bによる剪断力や、それらが膜面Mに沿って動いて該膜面Mを振動させることで、該膜面Mに付着している固形物が除去される。この作用は、前述のように左右に大きく振動させるようにした膜モジュール12、13においても同様に得られる。
なお、以上の説明から明らかなように本実施形態においては、制御弁41、42、43および制御回路60から、気泡放出タイミングを設定するタイミング設定手段が構成されている。
ここで、本実施形態の膜分離装置10においては、図2にハッチングを付して示す期間は、どの気泡放出管からも気泡Bが放出されない。つまり、例えば隣どうしの気泡放出管21と22から放出された気泡Bが互いに上下方向に完全に離れるだけの時間、これら両気泡放出管21、22からの気泡放出タイミングがずらされている。そうであると、膜モジュール12が横方向に大きく振動するようになるので、より良好な洗浄効果が得られる。これは、気泡放出管22と23、およびそれらの間に有る膜モジュール13に関しても同様である。
ただし、上述のようにすることは必ずしも必要ではなく、例えば図3に示すように気泡放出タイミングを設定することも可能である。その場合は、1つの膜モジュールの右側を上昇する気泡の下端位置と、左側を上昇する気泡の上端位置とが略一致する程度だけ気泡位置がずれることになるが、そのようになっていても、膜モジュールに横方向の振動を与えることが可能である。
なお気泡放出タイミングはその他、例えば図4に示すように設定してもよい。この場合は、例えば1つの膜モジュールの右側を上昇する気泡が上下方向に比較的大きく拡がり、その一部と向かい合う位置に、膜モジュールの左側を上昇する比較的小さな気泡が存在するようになるが、そのようになっていても、膜モジュールに横方向の振動を与えることが可能である。
また、3系統の気泡放出管21、22、23からの気泡放出タイミングは、例えば図5に示すように設定してもよい。図6は、このように気泡放出タイミングを設定した、本発明の第2の実施形態による膜分離装置80を示すものである。なおこの図6において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。この膜分離装置80において、気泡放出管21、22、23から放出される各気泡Bの位置は図示の通りとなるが、この場合も、膜モジュール12、13に横方向の振動を与えることが可能である。
なお、本実施形態の膜分離装置10においては、前述した通り、1つの気泡放出管21、22あるいは23が、各々の左側に有る膜モジュールと、右側に有る膜モジュールを洗浄する手段を兼ねていることから、気泡放出管の全体の個数を少なく抑えることができるので、装置の製造コスト、運転コストを低減可能となる。
また気泡Bは、1つの粗大な気泡であってもよいし、いくつかの微細気泡が集まった気泡塊であってもよい。洗浄効果を重視する場合は、粗大気泡とするのが好ましいが、例えば液体70が前述の下水処理水等であって、そこに含まれる活性汚泥に対する酸素供給効果を同時に期待する場合は、微細気泡とするのが好ましい。
次に図7を参照して、本発明の第3の実施形態による膜分離装置90について説明する。この膜分離装置90は、5つの膜モジュール11、12、13、14、15と、各膜モジュールの左右に位置するように配置された6つの気泡放出管21、22、23、24、25、26とを有している。奇数系列の3つの気泡放出管21、23、25はそれぞれ配管31、33、35を介して1本の主配管45に接続され、偶数系列の3つの気泡放出管22、24、26はそれぞれ配管32、34、36を介して別の1本の主配管46に接続されている。そして2本の主配管45、46の各上流端は、制御回路60によって駆動される自動三方弁47の出口に接続されている。また、制御回路60とともにタイミング設定手段を構成する自動三方弁47の入口には主配管40が接続され、この主配管40はブロワ50に連通している。
上記構成の膜分離装置90において、ブロワ50から主配管40を介して送られる空気は、上記自動三方弁47によって、主配管45、46のいずれかに選択的に送られるように流路が切り替えられる。この場合、自動三方弁47の切替タイミングすなわち気泡放出タイミングは、例えば前述の図2に示したように設定される。それにより、気泡放出管21〜26から放出される気泡Bの位置は、図7に示すようなものとなる。そこで本実施形態においては、5つの膜モジュール11〜15の全てが左右方向に振動するようになり、少ない給気量で良好な洗浄効果が得られる。またこの場合も、給気量が少なくて済むことからブロワ50の所要動力が少なくなるので、装置の運転コストを低減可能となる。
また、本実施形態の膜分離装置90においては、奇数系列の3つの気泡放出管21、23、25が第1の主配管45に接続され、偶数系列の3つの気泡放出管22、24、26が第2の主配管46に接続されるとともに、ブロワ50が送る空気をそれら第1、第2の主配管45、46のいずれか一方に選択的に送る自動三方弁47が設けられているので、タイミング設定手段の構成が簡素化される。それにより、膜分離装置90の製造コストを低く抑える効果が得られる。
なお、上述のような自動三方弁47は用いずに、第1、第2の主配管45、46にそれぞれ制御弁を介設して、気泡放出のタイミングを設定するようにしてもよい。そうする場合でも、3つの気泡放出管21、23、25に対して1つの制御弁を、また別の3つの気泡放出管22、24、26に対して1つの制御弁を設ければよいので、タイミング設定手段を構成するそれら制御弁の使用数を少なくして、装置の製造コストを低く抑えることができる。
以上の説明から明らかなように本実施形態においては、自動三方弁47および制御回路60から、気泡放出タイミングを設定するタイミング設定手段が構成されている。
ここで、図7のものと基本的に同じ構成を有する評価用の膜分離装置を作製し、それにおける膜モジュールの洗浄効果を調べた結果について説明する。この膜分離装置において、膜モジュールおよび気泡放出管の構成は、図1に示した膜分離装置10におけるものと同様である。また、膜モジュールは10枚設置し、それに対応させて気泡放出管は11個設置した。そしてそれらの気泡放出管のうち、奇数系列の6個を第1の主配管45に、また偶数系列の5個を第2の主配管46にそれぞれ接続し、自動三方弁47で気泡放出のタイミングを設定した。
このとき、ブロワ50により膜洗浄用空気を5Nm3/h(時)で供給し、自動三方弁47により空気流路を1秒間隔で切り替えたところ、比較的微細な気泡からなる気泡塊が0.5m/s(秒)の速さで上昇した。そしてそれらの気泡塊は、図7のようにほぼ0.5m置きに間欠的に、そして隣合う気泡放出管の間では互い違いになるように発生した。それにより、膜モジュールの膜面Mの洗浄効果を良好に保ちながら、必要な洗浄空気量を少なく抑えることができた。
以上、多数の中空糸膜が接合されてシート状とされた膜モジュールを用いる実施形態について説明したが、本発明の膜分離装置においてはその他のタイプの膜モジュール、つまり平膜やシート型の膜モジュールを適用することも可能である。
本発明の第1の実施形態による膜分離装置を示す概略側面図 本発明の膜分離装置における気泡放出タイミングの一例を示す図 本発明の膜分離装置における気泡放出タイミングの別の例を示す図 本発明の膜分離装置における気泡放出タイミングのさらに別の例を示す図 本発明の膜分離装置における気泡放出タイミングのさらに別の例を示す図 本発明の第2の実施形態による膜分離装置を示す概略側面図 本発明の第3の実施形態による膜分離装置を示す概略側面図
符号の説明
10、80、90 膜分離装置
11、12、13、14、15 膜モジュール
21、22、23、24、25、26 気泡放出管
31、32、33、34、35、36 配管
40、45、46 主配管
41、42、43 制御弁
47 自動三方弁
50 ブロワ
60 制御回路
70 液体
B 気泡
M 膜面

Claims (5)

  1. 固液分離膜を有し、その膜面が上下方向に延びる向きにして液体中に浸漬される膜モジュールと、
    前記液体中において、前記膜モジュールの膜面に沿って上昇する気泡を発生させる膜洗浄手段とを有する膜分離装置において、
    前記膜洗浄手段が、
    前記膜モジュールを間に置いて互いに反対側から各々気泡を放出させる第1および第2の気泡放出部と、
    これらの気泡放出部に配管を介して気体を供給する給気手段と、
    前記第1および第2の気泡放出部からの気泡放出を、少なくとも前記膜モジュールの両側において共に膜面の下端から上端まで気泡が上昇している期間において、互いにタイミングをずらした上で各々間欠的に行わせる、前記配管に介設された弁を含むタイミング設定手段とを有することを特徴とする膜分離装置。
  2. 前記タイミング設定手段が、前記第1および第2の気泡放出部から放出された気泡が互いに上下方向に完全に離れるだけの時間、これら両気泡放出部からの気泡放出タイミングをずらすものであることを特徴とする請求項1記載の膜分離装置。
  3. 前記膜モジュールが水平方向に並べて複数配設され、
    相隣接する2つの膜モジュールの間に、それらの一方に対する前記第1の気泡放出部および他方に対する前記第2の気泡放出部を兼ねる1つだけの気泡放出部が配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の膜分離装置。
  4. 前記第1および第2の気泡放出部の少なくとも一方が複数系統設けられ、
    これら複数系統の気泡放出部が上流側において1つの配管に合流されており、
    前記タイミング設定手段が、前記1つの配管における気体流通のタイミングを設定するように構成されていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の膜分離装置。
  5. 前記第1の気泡放出部が第1の配管を介して、前記第2の気泡放出部が前記第1の配管とは別の第2の配管を介して前記給気手段に接続されるとともに、
    この給気手段が発する気体を前記第1、第2の配管のいずれか一方に選択的に送る流路切替手段が、前記タイミング設定手段として設けられていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の膜分離装置。
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