JP5201407B2 - 導電性インクジェットインク - Google Patents

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Description

本発明は、電子素子の製造に相応しく使用できる、導電性インクジェットインクに関する。
従来、IC、LSIなどの微細な電気回路を作製するには、導電層が積層された回路基材の前記導電層上にフォトレジスト剤を用いてフォトレジスト層を形成し、導電回路パターンを有するフォトマスクを用いて光照射し、例えば電気回路パターン状に形成されたレジスト層以外の導電層を除去して電気回路を形成し、必要に応じて不要のフォトレジスト層を除去するフォトリソグラフによる方法が行われている。しかしながら、フォトマスクを用いて光照射するなど多数の工程を要するので煩雑であり、工程数が多く工程費用が高価となるという問題点があった。またIC、LSIに使用されるトランジスタはテレビやコンピューター機器を構成する重要な電子素子として広く活用されており、現在、シリコン等の無機物を主材料にして製造されている。近年、こうしたトランジスタの部材に有機物を使った有機トランジスタが注目を集めている。有機トランジスタは、柔らかくフレキシブルである上、単位面積当たりで考えると原料が低価格で生産できるというメリットがあり、ユビキタス時代の必須アイテム、すなわち、フレキシブル且つ低コスト端末の実現には欠かせない構成要素と考えられている。有機トランジスタの一般的な素子構造は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極等の電極層、有機半導体層、絶縁層を有する。この中で、今回の発明は、特に電極層を形成するための導電性インクジェットインクに関する。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極等の電極層の形成法には、ウエットプロセス(印刷法)とドライプロセス(真空蒸着やスパッタリング)があるが、低価格化の観点からウエットプロセスが好ましい。近年、インクジェット方式で導電層を形成する方法として、例えば、鱗片状の銀細片を用いたインクジェットインク(以降、ジェットインクと略記)が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、粒径が大きく安定した分散性が得られないという点で、十分な吐出性が得られなかった。また鱗片状の銀細片を用いた場合、導電部分は点接触となり回路の断線の危険性が高かった。又、小粒径の導電粒子として、アミン還元析出を利用したナノ銀を用いた塗料組成物が知られている(例えば特許文献2参照)。この場合、被印刷物が特定の高分子フィルム基材の時に熱収縮率差で印刷部にクラックが入り断線しやすく接着性も悪いという問題点があった。また顔料親和性基に銀超微粒子が吸着すると親水性基のみが溶媒と親和するという点で、ジェットインクに使用できる溶媒の選択性が狭く、水・アルコールを主溶剤とせねばならず、用途が限られてしまうという問題点があった。
又、銀コロイドを含有した導電性インキが知られている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、銀コロイド形成するための分散剤でジェットインキの主溶剤が決定してしまうため上記特許文献2と同様の問題点があった。また分散剤がインクジェットノズル表面で乾燥してしまうと固着してしまうためジェットインク用に適用するには、再溶解性に問題がある。
特開平11−323223号公報 特開平11−080647号公報 特開2001−325831号公報
本発明の課題は、インク皮膜の導電率はもとより、インクの再溶解性、被印刷基材への接着性に優れる導電性インクジェットインクを提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、ポリアルキレンイミン鎖(a)と、親水性セグメント(b)を有する高分子化合物(X)の分散体と、金属ナノ粒子(Y)とを含有する金属ナノ粒子分散体(A)、多価アルコール(B)を含有することを特徴とする導電性インクジェットインクを提供する。
本発明により、インク皮膜の導電率はもとより、インクの再溶解性、被印刷基材への接着性に優れる導電性インクジェットインクが得られる。
本発明の導電性インクジェットインクは、ポリアルキレンイミン鎖(a)と、親水性セグメント(b)を有する高分子化合物(X)の分散体と、金属ナノ粒子(Y)とを含有する金属ナノ粒子分散体(A)、多価アルコール(B)を含有する導電性インクジェットインクである。
本発明の導電性インクジェットインクには、更に、溶剤として、水を含有することが出来る。又、特に基材との密着性を重視する場合には、樹脂成分として、例えば、メラミン樹脂を添加することも出来る。
本発明の導電性インクジェットインクに用いる、金属ナノ粒子分散体(A)は、ポリアルキレンイミン鎖(a)と、親水性セグメント(b)を有する高分子化合物(X)の分散体と、金属ナノ粒子(Y)とを含有する金属ナノ粒子分散体(A)である。
本発明において使用する高分子化合物(X)を構成するポリアルキレンイミン鎖(a)は、該鎖中のアルキレンイミン単位が金属又は金属イオンと配位結合可能であることから、金属をナノ粒子として固定化できる高分子鎖である。その構造は第二級アミンのアルキレンイミン単位を主な繰り返し単位とするポリマーであり、直鎖構造、分岐構造のいずれであってもよい。
導電性インクジェットインクの分散安定性を向上させるために、該高分子化合物(X)を小粒径化する場合、分岐構造が好ましい。
ポリアルキレンイミン鎖(a)の重合度としては特に限定されるものではないが、低すぎると、高分子化合物(X)の分散体中に含有する金属ナノ粒子の量やその安定的な保持が不十分であり、高すぎると高分子化合物(X)が巨大な会合体となるため、保存安定性に支障をきたすこととなる。従って、得られる金属ナノ粒子分散体中の金属ナノ粒子の固定化能力や分散体の粒径の巨大化を防ぐ能力等がより優れた金属ナノ粒子分散体を得るためには、前記ポリアルキレンイミン鎖(a)の重合度としては通常1〜10,000の範囲であり、3〜3,000の範囲であることが好ましく、5〜1,000の範囲であることがより好ましい。
前記ポリアルキレンイミン鎖(a)は一般的に市販、又は合成可能なものであれば、特に限定されることなく使用することができるが、工業的な入手の容易さ等から、ポリエチレンイミン鎖、ポリプロピレンイミン鎖であることが好ましい。
本発明において使用する高分子化合物(X)を構成する親水性セグメント(b)は、該高分子化合物(X)を水等の親水性溶媒中に分散した場合には、溶媒との高い親和性を有し、分散体を形成した際に分散安定性を保持するセグメントである。また疎水性溶媒中に分散した場合は、該親水性セグメント(b)の分子内又は分子間相互の強い会合力により、分散体のコアを形成する役割を有する。親水性セグメント(b)の重合度としては特に限定されるものではないが、親水性溶媒中に分散させる場合は、重合度が低すぎると分散安定性が悪化し、高すぎると分散体同士が凝集してしまう可能性が考えられ、また疎水性溶媒中に分散させる場合は、重合度が低すぎると分散体の会合力が乏しくなり、高すぎると溶媒との親和性を保持できなくなる。これらの観点から、親水性セグメント(b)の重合度としては通常1〜10,000であり、3〜3,000であることが好ましく、製造方法の容易さ等の点から5〜1,000であることがより好ましい。さらにポリオキシアルキレン鎖である場合の重合度としては5〜500であることが特に好ましい。
親水性セグメント(b)は一般的に市販、又は合成可能な親水性のポリマー鎖からなるものであれば特に限定されることなく使用することができる。特に親水性溶媒中では、安定性に優れた分散体が得られる点から、ノニオン性のポリマーからなるものであることが好ましい。
親水性セグメント(b)としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類からなるポリマー鎖、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の水溶性のポリ(メタ)アクリル酸エステル類からなるポリマー鎖、ポリアセチルエチレンイミン、ポリアセチルプロピレンイミン、ポリプロピオニルエチレンイミン、ポリプロピオニルプロピレンイミン等の親水性置換基を有するポリアシルアルキレンイミン鎖、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のポリアクリルアミド類からなるポリマー鎖等を挙げることができ、これらの中でも、安定性に特に優れた分散体が得られ、また、工業的入手が容易である点から、ポリオキシアルキレン鎖であることが好ましい。
前記した金属ナノ粒子分散体(A)は、ポリアルキレンイミン鎖(a)、親水性セグメント(b)に、更に、疎水性セグメント(c)を有する高分子化合物(X)の分散体と、金属ナノ粒子(Y)とを含有する金属ナノ粒子分散体(A)であってもよい。
本発明において使用する高分子化合物(X)を構成する疎水性セグメント(c)は、該高分子化合物(X)を水等の親水性溶媒中に分散した場合には、分子内又は分子間相互の強い会合力により、分散体のコアを形成し、安定な分散体を形成する役割を有する。また疎水性溶媒中に分散した場合は、溶媒との高い親和性を有し、分散体を形成した際の分散安定性を保持するセグメントである。
疎水性セグメント(c)は一般的に市販、又は合成可能な疎水性の化合物の残基からなるものであれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリクロロメチルスチレン、ポリブロモメチルスチレン等のポリスチレン類、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシルエステル、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシルエステル等の非水溶性のポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリベンゾイルエチレンイミン、ポリベンゾイルプロピレンイミン、ポリ(メタ)アクリロイルエチレンイミン、ポリ(メタ)アクリロイルプロピレンイミン、ポリ〔N−{3−(パーフルオロオクチル)プロピオニル}エチレンイミン〕、ポリ〔N−{3−(パーフルオロオクチル)プロピオニル}プロピレンイミン〕等の疎水性置換基を有するポリアシルアルキレンイミン類のポリマーの残基や、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート等の樹脂の残基等が挙げられ、単独の化合物の残基でも、2種以上の異なる化合物を予め反応させて得られる化合物の残基であっても良い。
前記エポキシ樹脂としては、市販、又は合成可能なものであれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、特開2003−201333号記載のキサンテン型エポキシ樹脂等が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。これらの中でも、得られる金属ナノ粒子分散体を導電性インクジェットインクの構成成分として用いた際に、基板との密着性に優れる等の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の残基であることが好ましく、親水性溶媒中での会合力が強く、分散安定性・保存安定性に優れる分散体が得られる点から、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂等の3官能以上のエポキシ樹脂の残基であることが好ましい。また、これらのエポキシ樹脂は、そのまま高分子化合物(X)の原料としても良く、更には目的とする高分子化合物(X)の構造等に応じて、種々の変性を加えたものであっても良い。
前記ポリウレタンとしては、市販、又は合成可能なものであれば特に限定されることなく使用することができる。一般にポリウレタンはポリオールとポリイソシアネートとを付加反応させて得られるポリマーである。前記ポリオールとしては、例えば、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリゴール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジオール、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、n−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ポリブタジエンジポリオール、トリメチロールプロパン、ジヒドロキシベンゼン、2官能以上のグリシジル基を有する化合物、及び上記エポキシ樹脂から変性した化合物等が挙げられ、単独でも2種以上を混合して用いても良い。
また、ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、単独でも、2種以上を混合して用いても良い。
これらの中でも、得られる金属ナノ粒子分散体を導電性インクジェットインクの構成成分として用いた際に、種々の基板との密着性に優れる等の観点から、ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA型エポキシ樹脂変性ポリオール等が好ましく、ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が好ましく、これら好ましい原料を組み合わせて得られるポリウレタンを用いる事が最も好ましい。また、これらのポリウレタンは、そのまま高分子化合物(X)の原料としても良く、更には目的とする高分子化合物(X)の構造等に応じて、種々の変性を加えたものであっても良い。
前記ポリカーボネート類としては、市販、又は合成可能なものであれば特に限定されることなく使用することができる。一般にポリカーボネートはビスフェノールAとホスゲン、又はジフェニルカーボネート等との縮合反応から製造されるポリマーである。前記ポリカーボネート類とはポリカーボネートが代表例であるが、ポリカーボネート類の原料であるビスフェノールAの代わりに、前記ポリウレタン類の原料であるポリオールで例示した種々の原料を用いて製造できる種々のカーボネート系ポリマーも、ポリカーボネート類の例として挙げることができる。
ポリカーボネート類は、そのまま高分子化合物(X)の原料としても良く、更には目的とする高分子化合物(X)の構造等に応じて、種々の変性を加えたものであっても良い。
以上に挙げた疎水性セグメント(c)のなかでも、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、疎水性の置換基を有するポリアシルアルキレンイミンから選ばれる一種以上の化合物の残基は、原料として用いるそれぞれの化合物の工業的入手容易性、取り扱いの容易さだけでなく、高分子化合物(X)としたときの疎水性会合力の高さ等、総合的に判断して好ましい疎水性セグメントであり、特に高分子化合物(X)の工業的製法に優れ、且つ、コスト面、入手の容易さ等から、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、エポキシ樹脂類、ポリウレタン類の残基であることがより好ましく、エポキシ樹脂類の残基であることが最も好ましい。
また、疎水性セグメント(c)の重合度としては特に限定されるものではないが、親水性溶媒中に分散させる場合は、低すぎると分散安定性が悪化し、高すぎると分散体同士が凝集してしまう可能性が考えられ、また疎水性溶媒中に分散させる場合は、低すぎると分散体の分散性が乏しくなり、高すぎると溶媒との親和性が保持できなくなる。これらの観点から、疎水性セグメント(c)の重合度としては通常1〜10,000であり、ポリスチレン類、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、疎水性置換基を有するポリアシルアルキレンイミン類等の場合には3〜3,000であることが好ましく、10〜1,000であることがより好ましい。また、エポキシ樹脂類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類等の樹脂の残基からなる場合は、その重合度としては通常1〜50であり、1〜30であることが好ましく、特に1〜20であることが好ましい。
本発明で用いる高分子化合物(X)の製造方法としては、特に限定されるものではない。
分岐状ポリアルキレンイミン鎖は前述したとおり、市販又は合成したものを好適に用いることができる。
分岐状ポリアルキレンイミン鎖の合成は種々な方法で行ってよく、特に限定されるものではないが、一般的にはエチレンイミンを、酸触媒を用いて開環重合させる方法が挙げられる。分岐状ポリエチレンイミンの末端は第一級アミンとなっているため、親水性セグメントが第一級アミンと反応する官能基を有したものであれば、逐次、或いは同時に反応させることによって、本発明で用いる事ができる高分子化合物を合成することができる。第一級アミンと反応する官能基としては、特に限定されるものではなく、例えば、アルデヒド基、カルボキシル基、イソシアネート基、トシル基、エポキシ基、グリシジル基、イソチオシアネート基、ハロゲン、酸クロライド、スルホン酸クロライド等が挙げられる。なかでもカルボキシル基、イソシアネート基、トシル基、エポキシ基、グリシジル基は反応性、取扱い易さ等、製法上有利であり、好ましい官能基である。
また第一級アミンと直接反応する官能基でなくとも、種々の処理を行うことによって第一級アミンと反応可能な官能基にできるものであれば良く、例えば、ヒドロキシル基を有するものであれば、これをグリシジル化する等の手法でポリエチレンイミン鎖と反応させても良い。更には、分岐状ポリアルキレンアミン鎖の第一級アミンを、親水性セグメントが有する官能基と反応可能な他の官能基に変換する処理を施した後、これらを反応させて高分子化合物(X)を合成することも可能である。
高分子化合物(X)の代表的な合成例を記す。(I)分岐状ポリアルキレンイミンは市販品を用い、親水性ポリマーとしてはポリエチレングリコールモノメチルエーテルのトシル体を用いる。該親水性ポリマーは例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとトシルクロライドを極性溶媒中、ピリジンの存在下で反応させることによって得ることができる。更に疎水性ポリマーを用いる場合は、疎水性ポリマーとしては末端にエポキシ基を有するエポキシ樹脂を用いる。この組み合わせの場合には、はじめにポリエチレンイミンを極性溶媒に溶解し、炭酸カリウム等の塩基存在下で、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのトシル体と100℃で反応させ、ポリエチレングリコールとポリエチレンイミン構造を有する化合物を合成し、この後、アセトンとメタノールとの混合溶媒中、エポキシ樹脂を加えて、60℃で反応させることにより、ポリエチレングリコール−ポリエチレンイミン−エポキシ樹脂の構造を有する高分子化合物を得ることができる。
本発明で用いる高分子化合物(X)中の各成分の割合は、例えば、分岐状ポリアルキレンイミン鎖の場合で、且つ、三元系の場合、分岐状ポリアルキレンイミン鎖(a)、親水性セグメント(b)、疎水性セグメント(c)の各成分の鎖を構成するポリマーの重合度の比(a):(b):(c)としては、特に限定されるものではないが、得られる金属ナノ粒子分散体の会合力、分散安定性及び保存安定性に優れる点から、通常5,000:5〜5,000,000:1〜5,000,000の範囲であり、特に5000:25〜400,000:5〜1,000,000が好ましい。また、分岐状ポリアルキレンイミン鎖の重合度を5000とした時、好ましい例として親水性セグメント(b)にポリオキシアルキレン鎖を用いると、その比率の範囲は25〜200,000がより好ましく、且つ疎水性セグメント(c)にポリスチレン類、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、疎水性置換基を有するポリアシルアルキレンイミン類等を用いると、その比率の範囲は15〜1,000,000がより好ましく、エポキシ樹脂類、ポリウレタン、ポリカーボネート等の樹脂の残基等からなる化合物を用いると、その比率の範囲は5〜20,000がより好ましい。
本発明で用いる高分子化合物(X)中の各成分の割合は、例えば、直鎖状ポリアルキレンイミン鎖の場合で、且つ、三元系の場合、直鎖状ポリアルキレンイミン鎖(a)、親水性セグメント(b)、疎水性セグメント(c)の各成分の鎖を構成するポリマーの重合度の比(a):(b):(c)としては、特に限定されるものではないが、得られる金属ナノ粒子分散体の会合力、分散安定性及び保存安定性に優れる点から、通常5,000:5〜5,000,000:1〜5,000,000の範囲であり、特に5,000:80〜1,000,000:10〜50,000が好ましい。また、直鎖状ポリアルキレンイミン鎖の重合度を5000とした時、好ましい例として親水性セグメント(b)にポリオキシアルキレン鎖を用いると、その比率の範囲は80〜500,000がより好ましく、且つ疎水性セグメント(c)としてのエポキシ樹脂残基は10〜50,000がより好ましい。
金属ナノ粒子分散体(A)を構成する金属ナノ粒子(Y)の金属種としては、その金属又はイオンが分岐状ポリアルキレンイミン鎖(a)と配位結合できるものであれば制限されず、遷移金属系の金属化合物等の金属種を使用できる。なかでもイオン性の遷移金属であることが好ましく、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト等の遷移金属であることがより好ましい。また金属ナノ粒子分散体(A)を構成する金属ナノ粒子(Y)は一種類であっても、二種類以上であってもよい。例示した遷移金属の中でも特に銀、金、パラジウム、白金は、その金属イオンがポリエチレンイミンに配位した後、室温または加熱状態で自発的に還元されるため特に好ましい。さらにその中でも還元反応の容易さ、取扱い易さ等の面から銀、金、白金が最も好ましい遷移金属である。
金属ナノ粒子分散体(A)中の金属ナノ粒子(Y)の含有量としては、特に限定されるものではないが、含有量が少なすぎると分散体中の金属ナノ粒子の特性が現れにくく、また多すぎると分散体中の金属ナノ粒子の相対重量が増し、その相対重量と分散体の分散保持力との兼ね合いによって、金属ナノ粒子分散体が沈降することが予想される観点、ならびに、高分子化合物(X)中のアルキレンイミン単位による、還元能力や配位能力等の観点から、該金属ナノ粒子(Y)の含有率としては、ポリアルキレンイミン鎖(a)を形成する全窒素原子数を100molとしたとき、金属ナノ粒子(Y)は通常1〜20,000molの範囲であり、1〜10,000molの範囲であることが好ましく、特に、後述の製造方法において、還元剤を併用する場合には50〜7,000mol、還元剤を併用しない場合には、5〜70molであることが好ましい。
高分子化合物(X)の含有量は、前記金属ナノ粒子(Y)に対して、1〜5質量%の範囲にあることが好ましく、特に好ましくは、3〜5質量%である。
金属ナノ粒子分散体(A)を構成する金属ナノ粒子(Y)の粒子径としては、特に限定されるものではないが、金属ナノ粒子分散体がより高い分散安定性を有するためには、本発明の金属ナノ粒子分散体を構成する金属ナノ粒子(Y)の粒子径は1〜50nmの微粒子であることが好ましく、5〜30nmの範囲であることがより好ましい。
本発明に用いる金属ナノ粒子分散体の製造方法は、ポリアルキレンイミン鎖と、親水性セグメントを有する化合物を分散した媒体中に、金属の塩又は金属のイオン溶液を加え、該金属イオンを還元し、金属ナノ粒子として安定化することを特徴とする。このようにして製造した金属ナノ粒子分散体は、分散安定性、保存特性に優れ、金属ナノ粒子が有する発色、触媒、電気的機能等、様々な金属含有機能性分散体としての能力を有している。
ここで使用できる金属イオンとしては、水溶性金属化合物であればよく、金属カチオンと対アニオンとの塩類のもの、あるいは金属が対アニオン中に含まれるものなどを用いることができ、遷移金属等の金属種を有する金属イオンを好ましく使用できる。
これら金属イオンの中でも、上記したように、特に銀、金、パラジウム、白金の金属イオンはポリエチレンイミンに配位された後、室温または加熱状態で自発的に還元され、非イオン性の金属ナノ粒子に変換されるため好ましい。
自発的に還元しない金属、あるいは自発的な還元が不十分である金属を使用する場合、または、分散体中に多くの金属を取り込ませたい場合等には、更に還元剤により、金属イオンを還元させる工程を経ることにより金属ナノ粒子分散体を形成させることもできる。
前記還元剤としては、種々の還元剤を用いる事ができ、特に限定されるものではなく、得られる金属ナノ粒子分散体の使用用途や、含有させる金属種等により還元剤を選択することが好ましい。用いる事ができる還元剤としては、例えば、水素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素アンモニウム等のホウ素化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類、アスコルビン酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム等の酸類、プロピルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン等のアミン類、ヒドラジン、炭酸ヒドラジン等のヒドラジン類等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手のし易さ、取扱い面等からより好ましいものとしては、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、クエン酸ナトリウム、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール等である。
本発明の導電性インクジェットインクはジェットインク特有の適性である、再溶解性の向上(乾燥防止)を主な目的として多価アルコールを必須としている。多価アルコールとしては、沸点100℃以上の溶媒が好ましく、具体的には、例えばグリコール(グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール)やグリコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)など、およびこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。例えばジェットインクに適度な粘性を付与できるグリコールを挙げることができ、その中でも粘性が高いグリセリンが好適である。
また物性調整のためメタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、3―メトキシブチルアセテート、3−メトキシー3−メチルーブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、nヘキサン、イソオクタン、nオクタン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤を併用することが出来る。
換気設備の無い環境で使用される場合は、安全性の高い溶剤が好ましい。本発明の導電性インクジェットインクの主溶剤として水を用いることもできる。水の含有量としては限定されるものではなくジェットインクの粘度が8〜12(mPa・s)に調整できればよい。
主溶剤を水とした場合、多価アルコールだけで粘度調整できない事もあるため、少ない添加量で粘度を上昇させる増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム等を加えて粘度調整することもできる。また必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤を添加することもできる。防腐剤としてはベンゾトリアゾール化合物が好適である。
本発明の導電性インクジェットインクには、更に、密着性の更なる向上のために、メラミン樹脂を含有することが出来る。メラミン樹脂としては、無触媒で熱硬化の機能を有して、例えば、メラミンに含まれる残基がメチロール基あるいはイミノ基を有するものが挙げられる。メラミン樹脂を添加する場合、メラミン樹脂のインキ中の含有量は0.1〜2%程度が望ましい。添加量が少ない場合、被印刷物との充分な接着性が得られない場合があり、また添加量が多い場合、充分な導電性を維持できない可能性がある。導電性を意図すると、0.1〜0.4%がより好ましい。
他の成分として、インキの分散安定性を向上させる上で分散剤を必要に応じて添加することができる。具体的なものとして、Solsperse シリーズ(商品名 Lubrisol社製)、DISPER BYKシリーズ(商品名 ビックケミー社製)を必要に応じて添加することが出来る。
本発明の導電性インクジェットインクの製造方法は、高分子化合物(X−1)に硝酸銀を添加して作製した高分子化合物(X−1)及び銀を含む銀粒子エタノール分散液(A−1)、多価アルコールを配合し、定法にしたがって攪拌することで調製することができる。必要に応じて、水、メラミン樹脂を添加することも出来る。
本発明の導電性インクジェットインクは、長期間安定に分散しているため、その用途としては限定されるものではなく、例えば、各種電子材料、磁気材料、光学材料、各種センサー、色材用途等の非常に幅広い分野で使用可能である。含有させ得る金属種やその割合も、容易に調整可能である点から、目的に応じた効果を効率的に発現可能である。更に、長期にわたり安定に分散している点からも、長期使用・長期保存に対応できるものであって、有用性が高い。また本発明の導電性インクジェットインクの製造方法は、複雑な工程や緻密な条件設定等をほとんど必要としないため、工業的製法として優位性が高いものである。
(高分子化合物の合成)
合成例1(PEG−分岐PEI構造を有する高分子化合物(X−1)の合成)
1−1 [トシル化ポリエチレングリコールの合成]
クロロホルム150mlにPEGM〔数平均分子量(Mn)5000〕(アルドリッチ社製)150g〔30mmol〕とピリジン24g(300mmol)とを混合した溶液と、トシルクロライド29g(150mmol)とクロロホルム30mlとを均一に混合した溶液をそれぞれ調製した。
PEGMとピリジンの混合溶液を20℃で攪拌しながら、ここにトシルクロライドのトルエン溶液を滴下した。滴下終了後、40℃で2時間反応させた。反応終了後、クロロホルム150ml加えて希釈し、5%HCl水溶液250ml(340mmol)で洗浄後、飽和食塩水と水で洗浄した。得られたクロロホルム溶液を硫酸ナトリウムで乾燥した後、エバポレータで溶媒を留去し、さらに乾燥した。収率は100%であった。1H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い(2.4ppm:トシル基中のメチル基、3.3ppm:PEGM末端のメチル基、3.6ppm:PEGのEG鎖、7.3〜7.8ppm:トシル基中のベンゼン環)、トシル化ポリエチレングリコールであることを確認した。
1−2 [PEG−分岐PEI構造を有する高分子化合物の合成]
上記1−1で得られたトシル化ポリエチレングリコール23.2g(4.5mmol)と、分岐状ポリエチレンイミン(日本触媒株式会社製、エポミンSP200)15.0g(1.5mmol)をDMA180mlに溶解後、炭酸カリウム0.12gを加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間反応させた。反応終了後、固形残渣を除去し、酢酸エチル150mlとヘキサン450mlの混合溶媒を加え、沈殿物を得た。該沈殿物をクロロホルム100mlに溶解し、再度酢酸エチル150mlとヘキサン450mlの混合溶媒を加えて再沈させた。これをろ過し、減圧下で乾燥した。1H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い(2.3〜2.7ppm:分岐PEIのエチレン、3.3ppm:PEG末端のメチル基、3.6ppm:PEGのEG鎖)、PEG−分岐PEI構造を有する高分子化合物であることを確認した。収率は99%であった。
(実施例1)
合成例1で得られた、分岐状ポリエチレンイミン鎖(a)と親水性ポリエチレングリコール鎖(b)の比が1:3の高分子化合物(X−1)0.94gに、ナノ銀粒子原料としての硝酸銀水溶液を加え、平均粒径30nmの銀29質量%を含む銀粒子エタノール分散液(A−1)100.0gを得た。更に、精製グリセリン98.9g、サイメル325(日本サイディックインダストリーズ社製、イミノタイプのメラミン樹脂)80mass%のイソブタノール溶液1.1gを配合し、分散攪拌機にて10分間撹拌し、実施例1インキを調製した。
(実施例2)
合成例1で得られた、分岐状ポリエチレンイミン鎖(a)と親水性ポリエチレングリコール鎖(b)の比が1:3の高分子化合物(X−1)0.94gに、ナノ銀粒子原料としての硝酸銀水溶液を加え、平均粒径30nmの銀29質量%を含む銀粒子エタノール分散液(A−1)100.0gを得た。更に、精製グリセリン100.0gを配合し、分散攪拌機にて10分間撹拌し、実施例2インキを調製した。
(比較例1)
合成例1で得られた、分岐状ポリエチレンイミン鎖(a)と親水性ポリエチレングリコール鎖(b)の比が1:3の高分子化合物(X−1)0.94gに、ナノ銀粒子原料としての硝酸銀水溶液を加え、平均粒径30nmの銀29質量%を含む銀粒子エタノール分散液(A−1)100.0gを得た。更に、テルソルブPTPH(TERPENECHEMICAL社製テルピン油)10mass%エタノール溶液98.9g、サイメル325(日本サイディックインダストリーズ社製、イミノタイプのメラミン樹脂)80mass%のイソブタノール溶液1.1gを配合し、分散攪拌機にて10分間撹拌し、比較例1インキを調製した。
(比較例2)
合成例1で得られた、分岐状ポリエチレンイミン鎖(a)と親水性ポリエチレングリコール鎖(b)の比が1:3の高分子化合物(X−1)0.94gに、ナノ銀粒子原料としての硝酸銀水溶液を加え、平均粒径30nmの銀29質量%を含む銀粒子エタノール分散液(A−1)100.0gを得た。更に、エタノール98.9g、サイメル325(日本サイディックインダストリーズ社製、イミノタイプのメラミン樹脂)80mass%のイソブタノール溶液1.1gを配合し、分散攪拌機にて10分間撹拌し、比較例2インキを調製した。
(比較例3)
ファインスフェアSVE102(日本ペイント製ナノ銀エタノール分散体)100.0g、精製グリセリン98.9g、サイメル325(日本サイディックインダストリーズ社製、イミノタイプのメラミン樹脂)80mass%のイソブタノール溶液1.1gを配合し、分散攪拌機にて10分間撹拌し、比較例3インキを調製した。
(評価サンプルの調製1)
調製した各実施例インキ、比較例インキを、インクジェットプリンター(コニカミノルタ製インクジェット試験機EB100)により、被印刷基材としてガラス基板上に(評価用プリンタヘッドKM512L(吐出量42pl))でベタ印刷し、60℃、1時間の条件で乾燥して、再溶解性評価のための、評価サンプルを得た。また180℃、30分間加熱焼成し、体積抵抗率1用評価サンプルとした。
(評価サンプルの調製2)
調製した各実施例インキ、比較例インキを、インクジェットプリンター(コニカミノルタ製インクジェット試験機EB100)により、被印刷基材としてPENフィルム上に(乾燥膜厚0.5μm)ベタ印刷し、180℃、30分間加熱焼成し、解像度評価以外のための、ベタ印刷物の評価サンプルを得た。
(体積抵抗率の測定1)−被印刷基材:ガラス
評価サンプルの調整1で前述したベタ印刷物の評価サンプルを体積抵抗率測定用サンプルに調製した。体積抵抗率測定は、三菱化学製の体積抵抗率測定器ローレスターを用い、4端子法で測定した。尚、測定用プローブはPSPタイプを使用して測定を実施した。
(体積抵抗率の測定2)−被印刷基材:PENフィルム
評価サンプルの調整2で前述したベタ印刷物の評価サンプルを体積抵抗率測定用サンプルに調製した。体積抵抗率測定は、三菱化学製の体積抵抗率測定器ローレスターを用い、4端子法で測定した。尚、測定用プローブはPSPタイプを使用して測定を実施した。
(再溶解性評価)
評価サンプルの調整1で前述した評価サンプルを幅1cm×長さ4cmの短冊とし、エタノールに浸漬した状態で超音波洗浄機にて30秒間塗膜の印字部分の溶解性を調べた。
(接着性)
ベタ印刷物の塗膜表面をJIS−K5400に準拠した碁盤目接着性試験を行った。尚、本試験の評価の基準は表1に示す通りである。
Figure 0005201407
以上の結果を表2に示す。
Figure 0005201407
本発明により、インク皮膜の導電率はもとより、インクの再溶解性、被印刷基材への接着性に優れる導電性インクジェットインクを提供することができる。同インキは、その優れた導電性により、有機トランジスタ等の電子素子に広く適用できる。

Claims (5)

  1. 分岐状ポリアルキレンイミン鎖(a)と親水性セグメント(b)を有する高分子化合物(X)の分散体と、金属ナノ粒子(Y)とを含有する金属ナノ粒子分散体(A)、多価アルコール(B)を含有することを特徴とする導電性インクジェットインク。
  2. 前記した金属ナノ粒子(Y)が、粒径1nm〜50nmの銀粒子である請求項1記載の導電性インクジェットインク。
  3. 前記した金属ナノ粒子(Y)が、分岐状ポリアルキレンイミン鎖と、ポリオキシアルレン鎖とからなる親水性セグメントを有する高分子化合物を分散した媒体中に、銀の塩又は銀のイオン溶液を加え、該銀イオンを還元し、銀ナノ粒子として安定化した粒径1nm〜50nmの銀粒子である請求項1または2に記載の導電性インクジェットインク。
  4. 前記高分子化合物(X)の含有量が、前記金属ナノ粒子(Y)に対して、1〜5質量%の範囲にある請求項1〜3の何れかに記載の導電性インクジェットインク。
  5. 溶剤として、更に水を含有する請求項1〜4の何れかに記載の導電性インクジェットインク。
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