JP5200644B2 - 溶融めっき付着量制御方法、連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル、連続溶融めっき装置及び溶融めっき金属帯 - Google Patents

溶融めっき付着量制御方法、連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル、連続溶融めっき装置及び溶融めっき金属帯 Download PDF

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Description

本発明は、溶融めっき付着量制御方法、連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル、連続溶融めっき装置及び溶融めっき金属帯に関する。
周知のように、金属帯(以降の説明では金属帯が鋼帯である場合を例にとる)の連続溶融めっきのめっき付着量の制御は、主に、溶融金属めっき浴から連続的に上方へ引き上げられる鋼帯を、めっき浴の直上に設けられた一対のワイピングノズルの間に通し、鋼帯の両面に、窒素等の高圧ガスや圧縮空気を噴射して溶融金属を吹き飛ばして付着量を絞ることによりめっき金属の付着量を制御する、いわゆるガスワイピング法により、行われる。
めっき浴から鋼帯に引きずられて持ち出されるめっき金属の付着量は、鋼帯の通板速度が高くなるほど増加する。したがって、通板速度が高くなるほど、あるいは、めっき付着量の設定値が小さい薄目付けになるほど、ワイピングノズルから噴射するワイピングガスの圧力を増大させる必要がある。
このガスワイピング法を用いためっき付着量の制御では、窒素等の高圧ガスや圧縮空気を溶融状態のめっき金属に吹き付けることからめっき金属の温度が不可避的に急激に低下し、めっき金属の流量性が急激に失われる。このため、これに起因して以下に列記する問題(a)〜(c)がある。
(a)溶融めっき鋼帯の表面に、さざ波模様等の表面欠陥が発生する。
(b)めっきの絞り性能が低下するので、ワイピングガスの吹き付け量を多量にする必要がある。
(c)めっきの固化位置である乾き線が低下し、例えばスパングル調整といった溶融めっき鋼帯の表面外観の制御が困難になる。
ガスワイピングによるめっき表面の温度低下に起因したこれらの問題の発生を防止するために、まず、ワイピングガスとして加熱ガスや燃焼廃ガス等の高温ガスをワイピングノズルに供給することが考えられる。しかし、高温ガスをワイピングノズルに供給することによる熱エネルギーの損失は大きく、めっき鋼板の製造コストを上昇させてしまう。
特許文献1には、ワイピングノズルのすぐ下流側でめっき鋼帯をバーナからの火炎により加熱する発明が開示されている。また、特許文献2には、バーナからの火炎そのものをワイピングガスの代わりに噴射する発明が開示されている。
さらに、ガスワイピング法を用いためっき付着量の制御においてワイピングガスに圧縮空気を用いると、めっき表面に酸化皮膜が形成され、表面外観が損なわれる。例えば、亜鉛は酸化され易いので、亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきの表面が酸化されると流量性が低下し、絞り性の低下やエッジ部の付着量過多といった不具合が発生する。そこで、特許文献3には、特に周囲空気の巻き込みにより酸化され易い鋼帯の両エッジ部において、めっき浴とワイピングノズルとの間にバーナを設置して空気を燃焼させることにより、鋼帯の両エッジ部での酸化を抑制する発明が開示されている。
また、特許文献4には、スリット状のワイピングノズルの周囲にバーナを設置してノズルの周囲で火炎を放射し、ワイピングガス噴流の回りの密度を下げ、流量抵抗を低下させることによって、ワイピングノズルの周辺でのワイピングガスの乱流化によるエネルギー損失を防止する発明が開示されている。
特開昭60−21368号公報 特開平3−97842号公報 特開平6−346212号公報 特開2002−348650号公報
特許文献1により開示された発明では、ガスワイピングの直後の火炎によりめっき鋼帯を加熱するので、スリットからのワイピングガスにより炎が吹かれ、失火もしくはムラとなり、熱膨張による圧力が有効にワイピング圧力となってワイピングガス流量を低減できる体積膨張作用を全く得られなくなる。
また、特許文献2により開示された発明は、ワイピングガスの代わりに火炎を吹きつけてめっき付着量を制御するので、この体積膨張作用を得られ難いばかりか、火炎に必要な流れとワイピングに必要な圧力とに差が生じ、目的である目付量を調整できなくなるという重大な課題を有する。
また、特許文献3、4により開示された発明も、バーナからの火炎を鋼帯に直接吹き付けるものであるため、特許文献1、2により開示された発明と事情は同じである。
さらに、特許文献1〜4により開示された発明では、ワイピングガスに高圧ガスを用いる場合には多量のガスが必要となり、一方、ワイピングガスに圧縮空気を用いる場合には大型のコンプレッサが必要となり、いずれもその実施に際してコストの上昇は否めない。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、上述した特許文献1〜4に開示されるようにバーナからの火炎を溶融めっき鋼帯に直接吹き付けるのではなく、ワイピングノズルのケーシングの内部に燃料を燃焼させるためのバーナを設置して内燃式ワイピングノズルとし、この内燃式ワイピングノズルの内部での燃焼により発生させた燃焼ガス(本発明において「燃焼ガス」とは、燃焼で生じたガス、すなわち、燃焼の廃ガスを意味する)を含むガスを、ワイピングノズルから溶融めっき鋼帯に吹き付けてめっき付着量を制御すれば上述した課題を解決できることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる金属帯の表面に向けてワイピングノズルから、このワイピングノズルの内部での燃焼により発生させた燃焼廃ガスを含むガスを吹き付けることによりめっき付着量を制御することを特徴とする溶融めっき付着量制御方法である。
この本発明に係る溶融めっき付着量制御方法では、(i)ワイピングノズルから吹き付けられるガスの全部が燃焼ガスであること、又は(ii)ワイピングノズルから吹き付けられるガスが、燃焼ガスと不活性ガス及び/又は圧縮空気との混合ガスであることが望ましい。
これらの本発明に係る溶融めっき付着量制御方法では、(iii)ワイピングノズルの出口におけるガスの温度が300℃以上であること、又は(iv)ワイピングノズルから吹き付けられるガスが非酸化性ガスであることが望ましい。本発明において「非酸化性」とは、ガス中の酸素濃度が10体積%以下であることを意味する。
別の観点からは、本発明は、ガス噴出口を有するケーシングと、このケーシングの内部に設けられる、ガス噴出口から噴出させる燃焼ガスを燃焼させるための燃焼バーナと、この燃焼バーナに燃料を供給する燃料供給系と、燃焼バーナに支燃性ガスを供給する支燃性ガス供給系とを有し、さらに、この燃料供給系による燃料の供給量、及び支燃性ガス供給系による支燃性ガスの供給量を制御することにより、ガス噴出口からの火炎の噴出を抑制する制御装置を備えることを特徴とする連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズルである。
この本発明に係る連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズルにより、ガス噴出口からの火炎の噴出を確実に抑制ないしは解消することができ、安定してめっき付着量を制御することができる。
これらの本発明に係る連続式溶融めっき用内燃式ワイピングノズルでは、ケーシングの内部に、不活性ガス及び/又は圧縮空気を供給するワイピング補助ガス供給系を備えることが望ましい。これにより、ワイピング能力を所望により自在に調整することができる。
別の観点からは、本発明は、上述した本発明に係る連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズルを備えることを特徴とする連続溶融めっき装置である。
別の観点からは、本発明は、上述した本発明に係る溶融めっき付着量制御方法によりめっき付着量を制御された、溶融めっき金属帯である。
さらに別の観点からは、本発明は、上述した本発明に係る連続溶融めっき装置により製造された溶融めっき金属帯である。
本発明によれば、高圧ガスや圧縮用の大型コンプレッサを用いることなく、ワイピング時の溶融めっき表面の急激な温度変化を防止することができ、これにより、さざ波模様等の溶融めっき鋼帯の表面欠陥の発生や、ワイピングガスの吹き付け量が多量になること、さらには乾き線の低下に起因した溶融めっき鋼帯の表面外観の劣化をいずれも解決できるとともに、ワイピングガスに圧縮空気を用いる場合に見られるめっき表面の酸化、特に亜鉛めっき表面の酸化を防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では金属帯が鋼帯である場合を例にとるが、本発明は鋼帯に限定されるものではなく、鋼帯以外の金属帯にも同様に適用可能である。また、本発明を適用される連続溶融めっきとしては、特に、亜鉛めっき、亜鉛合金めっき(例、5質量%および55質量%Al−Zn合金めっき)、合金化溶融亜鉛めっきさらにはアルミニウムめっき等が例示される。めっき付着量は、片面当たり20g/m以上200g/m以下の範囲である。
図1は、本発明に係る溶融めっき付着量制御方法を実施する際に用いる、本発明に係る連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル3の構成の概要を模式的に示す説明図である。また、図2は、この連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル3の構成をより具体的に示す説明図である。
図1に示すように、溶融めっき浴1の直上には、めっき浴から上方へ向けて引き上げられる鋼帯2を挟むとともに鋼帯2から所定距離離れて、本発明に係る一対の連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル3、3が設置される。
図1及び図2に示すように、この内燃式ワイピングノズル3は、本体をなすケーシング4を備える。ケーシング4の鋼帯2側には、鋼帯2の幅と同一の長さ、あるいは鋼帯2の幅よりやや長い長さを有するガス噴出口であるスリット式ノズル口5が設けられる。スリット式ノズル口5を介して、後述するようにこのケーシング4の内部に設けられた燃焼バーナ6により燃焼された燃焼廃ガス7を、鋼帯2の幅方向へ均一に噴射して、鋼帯2の表面に溶融状態で存在する付着金属の一部を吹き飛ばすことにより、めっき付着量を制御する。
ケーシング4の内部には、図1及び図2に示すように、燃焼バーナ6が配置される。燃焼バーナ6は、スリット式ノズル口5から噴出する燃焼ガス7を、ケーシング4の内部で燃焼させて生成するためのものである。
図2に示すように、燃焼バーナ6には燃料供給系8から燃料であるガスが供給される。図2に示す燃料供給系8は、図示しないガス供給源と、開閉バルブ8aと、レギュレータ8bと、電磁弁8cと、遠隔操作される流量調整弁8dと、開閉バルブ8eと、これらを接続する配管8fとにより構成される。
燃焼バーナ6のバーナ口(火炎吹き出し口)6aは、図2に示すように、スリット式ノズル口5の幅方向に均一な間隔で多数配置されることが好ましい。バーナ口6aの間隔は、燃焼バーナ6の口径にもよるが、1mm以上100mm以下程度とすることが好ましい。あるいは、バーナ口6aは、スリット式ノズル口5と同様に、鋼帯2の幅方向へ連続するスリット式のバーナ口としてもよい。
図1に示す例では、内燃式ワイピングノズル3の内部にバーナ口6aが上下方向に3段配置される。このようにバーナ口6aを上下方向に多段に設けることにより、燃料の燃焼により内燃式ワイピングノズル3のケーシング4の内部の空気がほぼ完全に消費され、スリット式ノズル口5から鋼帯2へ向けて吹き出される燃焼ガス7の酸化性を、実質的に消失させることができる。このため、例えば、亜鉛めっきのようにめっき金属が酸化され易い金属である場合であってもめっきの酸化を抑制または防止することができる。また、バーナ口6aを多段に設けることにより、燃焼ガス7の圧力や温度を高めることができるので、より大きな体積膨張作用を得ることができる。
上下方向のバーナ口6aの段数は、内燃式ワイピングノズル3の上下方向の寸法や、めっき金属の酸化性を勘案して適宜決定すればよく、例えば1段でもよく、あるいは3段以外の多段(例、図2に示す2段や、4段又はそれ以上)としてもよい。
また、図1では示していないが、燃焼バーナ6をマニホルド型(分岐管型)とし、1つの燃料供給配管から分岐管を経て多数のバーナ口6aに燃料を供給できるようにすることにより、各バーナ口6aへの燃料供給流量をより均一化できるので、好ましい。
また、図2に示すように、内燃式ワイピングノズル3は、ケーシング4の内部での燃焼ガス7の燃焼を支えるための酸素源(通常は空気)をケーシング4の内部に供給するための支燃性ガス供給系9を有する。
本実施の形態の支燃性ガス供給系9は、取り込む空気を除塵するフィルター9aと、ブロア9bと、流量調整弁9cと、開閉弁9d、これらを接続する配管9eとにより構成される。なお、例えば、燃料がガスである場合には、支燃性ガスである空気を燃料ガスと先に混合して燃料供給系8から供給するようにしてもよい。
図1に示すように、燃焼バーナ6で発生する火炎は、内燃式ワイピングノズル3のケーシング4の内部にとどまること、すなわち、火炎の先端が内燃式ワイピングノズル3のスリット式ノズル口5を超えないように調整することが好ましい。
内燃式ワイピングノズル3の内部で燃焼させる燃料は、ガス燃料であってもよいし、あるいは液体燃料であってもよい。ガス燃料は、燃焼性のガスであれば特に制限されないが、具体例としては天然ガス、ブタンガスさらにはプロパンガス等が例示される。一方、液体燃料としては、例えば、軽油、ガソリンさらには重油等を用いることができる。
燃料に対する空気の割合、すなわち空燃比は、都市ガスの場合には、通常、0.5以上1.2以下であり、0.95を基本値とすることが望ましい。
本実施の形態によれば、高温の燃焼ガス7による体積膨張作用により、圧縮空気を用いる場合の1/2程度の量の燃焼ガス7により、従来と同等程度のワイピング性能を得ることができる。
燃料の燃焼で生じた燃焼ガス7が内燃式ワイピングノズル3のスリット式ノズル口5から吹き出されるため、吹き出される燃焼ガス7は高温になっている。出口でのガス温度は、火炎先端とスリット式ノズル口5との距離によっても変動するものの、300℃以上であることが好ましく、より好ましくは350℃以上である。
内燃式ワイピングノズル3の出口から鋼帯2に吹き付けられるガスは、ケーシング4の内部での燃料の燃焼により生じた燃焼ガスであるので、空燃比が大きくなければガス中の酸素濃度が10%以下に低下して非酸化性のガスとなり、鋼帯の表面の溶融金属の酸化を生じなくなる。
ただし、燃料の燃焼で生じる燃焼ガスだけでは所定のめっき付着量を得るのに必要なガス噴射圧力が得られ難い場合には、図2に示すように、ケーシング4の内部に窒素等の不活性ガスや圧縮空気を供給するためのワイピング補助ガス供給系10を設け、このワイピング補助ガス供給系10を併用することにより内燃式ワイピングノズル3から噴射されるガスの圧力を高めるようにしてもよい。図2における符号10a、10b、10c、10dは、それぞれ、開閉バルブ、レギュレータと、電磁弁、これらを接続する配管を示す。
なお、図2に示す燃料供給系8、支燃性ガス供給系9及びワイピング補助ガス供給系10は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、当業者によって周知慣用の手法により構成すればよいことはいうまでもない。また、図1、2における符号11は、燃焼ガス7を浄化するためのキャタライザーを示す。
さらに、本実施の形態の内燃式ワイピングノズル3は、燃料供給系8による燃料の供給量、及び支燃性ガス供給系9による支燃性ガスの供給量を制御することにより、燃焼バーナ6で発生する火炎が、内燃式ワイピングノズル3のケーシング4の内部にとどまること、すなわち、火炎の先端が内燃式ワイピングノズル3のスリット式ノズル口5を超えないように調整するための制御装置を備える。本実施の形態では、この制御装置として、手動で遠隔操作される流量調整弁8d,9cを用いた。これらの流量調整弁8d,9cを操業時に手動で操作することにより、燃焼バーナ6で発生する火炎の先端が内燃式ワイピングノズル3のスリット式ノズル口5を超えないように調整することができる。
本実施の形態の連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル3は、以上のように構成される。次に、この連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル3を、連続溶融めっき装置に配置して、本発明に係る溶融めっき付着量制御方法によりめっき付着量を制御することにより、溶融めっき鋼帯を製造する状況を説明する。
本実施の形態では、図1、2に示すように、溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯2の表面に向けてワイピングノズル3から、このワイピングノズル3の内部での燃焼により発生させた燃焼ガス7、または燃焼ガス及びNガスの混合ガスを吹き付けることによりめっき付着量を制御することによって、溶融めっき付着量を制御する。
上述したように、鋼帯2の通板速度が速いほどめっき浴1から持ち上がる溶融金属の付着量は増加する。一方、内燃式ワイピングノズル3から噴射される燃焼ガス7により吹き飛ばされる溶融金属の量は燃焼ガス7の圧力が高いほど増加する。したがって、この内燃式ワイピングノズル3においても、鋼帯2の通板速度に応じて噴射する燃焼ガス7の圧力を変化させることにより、めっきの付着量(目付量)を所定の値に制御することができるのであり、この点は従来ノズルワイピングノズルと何ら相違しない。
本実施の形態では、ワイピングガスは、燃料の燃焼で生じた燃焼ガス7であるか、又はこの燃焼ガス7と不活性ガス及び/又は圧縮空気との混合ガスであり、圧縮空気だけを供給する場合に比べてワイピングガスの酸化性が非常に低くなる。したがって、めっき金属が亜鉛又は亜鉛合金のように酸化され易い金属である場合には、溶融めっきがワイピングガスにより酸化されることが防止され、めっき皮膜の表面が酸化されずに正常な状態に保持される。
したがって、本実施の形態では、内燃式ワイピングノズル3から吹き付けられるガスの全部が燃焼ガスであること、またはワイピングノズルから吹き付けられるガスが非酸化性ガスであることが、望ましい。
このようにして、本実施の形態によれば、内燃式ワイピングノズル3の内部で燃料を燃焼させて発生させた高温の燃焼ガス7をワイピングガスとして鋼帯2に吹き付けることにより、以下に列記する効果I〜IVが得られる。
(I)高温のワイピングガスのエネルギー損失を防止しつつ、高温でガスワイピングを行うことができる。これにより、従来のガスワイピングに伴う急激な温度低下に起因して生じる、さざ波模様等の溶融めっき鋼帯2の表面欠陥の発生や、ワイピングガスの吹き付け量が多量になること、さらには乾き線の低下に起因した溶融めっき鋼帯2の表面外観の劣化をいずれも解決でき、めっきの流量性を低下させずに、低圧の燃焼ガス7でめっき付着量を絞ることができる。また、火炎を鋼帯2に直接吹き付けることに起因して生じる、体積膨張作用を全く得られなくなることや、目付量を調整ができなくなることを回避できる。
(II)燃焼による還元性ガス雰囲気や、燃焼による酸素の消費により、めっき表面に形成される酸化皮膜が減少するので、美麗な表面外観を有するめっき鋼帯2を得ることができる。還元性雰囲気は、内燃式ワイピングノズル3の内部の空燃比を調整することにより、必要に応じて容易に調整することができる。
(III)ワイピングガスが内燃式ワイピングノズル3の内部で燃焼することにより、熱膨張による圧力(体積膨張作用)が発生し、これがワイピング圧力として有効にワイピングに寄与するため、燃焼ガス7が少量であっても所定のめっき付着量に制御できる。内燃式ワイピングノズル3の外部でガスを燃焼させても、温度降下により熱が十分に上がらず、また体積膨張作用も著しく減少するので、この効果を十分に得ることはできない。
(IV)本発明は、金属の溶融めっき設備に対して、既存のワイピングノズルの内部にバーナ6を付設するか、或いはワイピングノズルをバーナ内蔵型のワイピングノズル3に更新するだけで容易に実施できるので、安価な設備改造で実施できる。また、本発明の実施に際して、高圧ガスの使用や、空気圧縮用の大型コンプレッサの使用も不要であるので、工業化が容易であるとともに設備コストの上昇を抑制できる。
図1に示す内燃式ワイピングノズル3の内部に設けた9800kal/Nm3の燃焼バーナ6にて、圧200mmHg、常温の13Aガスを燃焼させ、温度600℃、酸素濃度4%、圧力4000mmHgの燃焼ガスを生成させた。
これを幅1450mmの鋼帯の連続溶融55%Al−Zn合金めっき装置におけるワイピングガスとして用いて、温度300℃、酸素濃度4%、圧力1300mmHgでガスワイピングを行ったところ、表面美麗で付着量の均一な150g/m2のめっき鋼帯が得られた。
このようにして得られためっき鋼帯を、窒素等の高圧ガスや圧縮空気を用いてガスワイピングを行われた従来のめっき鋼帯と比較すると、(A)さざ波模様等の表面欠陥の発生や乾き線の低下に起因した表面外観の劣化をいずれも解決でき、(B)少量の吹き付け量のワイピングガスであっても、さらに低圧のガスであってもめっきを絞って所定のめっき付着量に制御でき、(C)体積膨張作用を十分に得られるのでめっき付着量を確実に調整でき、(D)めっき表面に形成される酸化皮膜が減少するので、表面外観が向上し、さらに(E)低廉な設備改造費で確実に実施することができた。
本発明に係る連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズルの構成の概要を模式的に示す説明図である。 本発明に係る連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズルの構成をより具体的に示す説明図である。
符号の説明
1 溶融めっき浴
2 鋼帯
3 本発明に係る連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル
4 ケーシング
5 スリット式ノズル口
6 燃焼バーナ
6a バーナ口(火炎吹き出し口)
7 燃焼ガス
8 燃料供給系
8a 開閉バルブ
8b レギュレータ
8c 電磁弁
8d 流量調整弁
8e 開閉バルブ
8f 配管
9 支燃性ガス供給系
9a フィルター
9b ブロア
9c 流量調整弁
9d 開閉弁
9e 配管
10 ワイピング補助ガス供給系
10a 開閉バルブ
10b レギュレータ
10c 電磁弁
10d 配管
11 キャタライザー

Claims (10)

  1. 溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる金属帯の表面に向けてワイピングノズルから、該ワイピングノズルの内部での燃焼により発生させた燃焼ガスを含むガスを吹き付けることによりめっき付着量を制御することを特徴とする溶融めっき付着量制御方法。
  2. 前記ワイピングノズルから吹き付けられる前記ガスの全部が前記燃焼ガスである請求項1に記載の溶融めっき付着量制御方法。
  3. 前記ワイピングノズルから吹き付けられる前記ガスが、前記燃焼ガスと不活性ガス及び/又は圧縮空気との混合ガスである請求項1に記載の溶融めっき付着量制御方法。
  4. 前記ワイピングノズルの出口における前記ガスの温度は300℃以上である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の溶融めっき付着量制御方法。
  5. 前記ワイピングノズルから吹き付けられる前記ガスは非酸化性ガスである請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の溶融めっき付着量制御方法。
  6. ガス噴出口を有するケーシングと、該ケーシングの内部に設けられる、前記ガス噴出口から噴出させる燃焼ガスを燃焼させるための燃焼バーナと、該燃焼バーナに燃料を供給する燃料供給系と、前記燃焼バーナに支燃性ガスを供給する支燃性ガス供給系とを有し、さらに、該燃料供給系による燃料の供給量、及び前記支燃性ガス供給系による支燃性ガスの供給量を制御することにより、前記ガス噴出口からの火炎の噴出を抑制する制御装置を備えることを特徴とする連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル。
  7. 前記ケーシングの内部に、不活性ガス及び/又は圧縮空気を供給するワイピング補助ガス供給系を備える請求項6に記載の連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズル。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の連続溶融めっき用内燃式ワイピングノズルを備えることを特徴とする連続溶融めっき装置。
  9. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の溶融めっき付着量制御方法によりめっき付着量を制御された、溶融めっき金属帯。
  10. 請求項に記載の連続溶融めっき装置により製造された溶融めっき金属帯。
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