JP5200616B2 - 流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法 - Google Patents

流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5200616B2
JP5200616B2 JP2008080165A JP2008080165A JP5200616B2 JP 5200616 B2 JP5200616 B2 JP 5200616B2 JP 2008080165 A JP2008080165 A JP 2008080165A JP 2008080165 A JP2008080165 A JP 2008080165A JP 5200616 B2 JP5200616 B2 JP 5200616B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slit
fluid
flow
widening
wall surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008080165A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008273186A (ja
Inventor
孝行 宇都
俊一 長田
健 井ノ本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2008080165A priority Critical patent/JP5200616B2/ja
Publication of JP2008273186A publication Critical patent/JP2008273186A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5200616B2 publication Critical patent/JP5200616B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法に関する。
異なる経路を経て供給された流体を合流させ、多界面を形成するための流体積層装置は、多層構造を有するフィルムを効率的に得る手段として利用されている。それらの中に多層共押出フィードブロックに用いられる流体積層装置があり(たとえば特許文献1〜3)、その一例である流体積層装置1は、図1に示すように構成されている。図1はかかる流体積層装置の流体の流路のみを表示したものである。流体積層装置1は、その内部に、流体A、流体Bを導入する導入路2、3と、導入路2、3により導入された流体A、流体Bを積層方向に拡げるマニホールド4、5と、各マニホールド4、5らの各流体を下流側に導くスリット6、7の列とを有しており、さらに各スリット6、7の出口側には合流部8が設けられていて、各スリット6、7からの流体A、流体Bが交互に多層に積層されて積層流動を形成できるようになっている。各スリット6、7は、例えば、積層装置1の中央部に櫛状に図1には図示しないスリット加工したスリット板を設けることにより形成され、その両側に各樹脂のマニホールド4、5を設け、各樹脂がそれぞれスリット内に流入するようになっている。合流部以後においては、必要に応じて積層方向および奥行方向への縮小・拡幅を行い、目的とする形状にて装置外へと流出させる構造となっている。
しかし、これらの流体積層装置を含む装置を用いてフィルムを製膜する際には、積層する樹脂の融点、ガラス転移点、溶融粘度、親和性などの特性が異なる場合には、フィルム幅方向ならびに長手方向での積層フィルムの厚みムラや積層された層の層厚みのムラ(積層ムラ)が生じるという問題がある。特に、積層する樹脂の溶融粘度や親和性などの流動特性の差が大きい場合にはフィルムの厚みムラや積層ムラは顕著となる。このため、実際に積層できる樹脂の組合せは限られたものとなり、高い特性を有する積層フィルムを容易に製膜することが難しい。
上記のフィルムの厚みムラや積層ムラは、主に多層共押出フィードブロック内での流動の乱れに起因する。積層精度の向上を目的として、これまでにマニホールドの形状(たとえば特許文献1)、スリットの形状(たとえば特許文献2)、および積層完了後の導管の形状(特許文献3)などの適正化が図られている。しかし、これらの適正化では、フィルムの幅方向での樹脂の積層ムラの抑制は達成されるが、積層する樹脂の溶融粘度、親和性などの特性が大きく異なるときに発生する長手方向のフィルムの厚みムラならびに積層ムラを抑制するには至っていない。このため、積層する樹脂の流動特性の差が大きく異なる場合においても長手方向のフィルムの厚みムラならびに積層ムラを抑えるためのさらなる検討が必要となっている。
特開2006−69139号公報(第2頁) 特開2006−123541号公報(第2頁) 特開2006−212941号公報(第2頁)
発明者の知見によれば、上記のフィルム長手方向の厚みムラが生じる原因の1つは、スリットから流体が流出して界面を形成する際に、各スリットから流出した流体の流速が合流部内で急激に変化して流動に乱れが生じることに由来する。特に、壁面に隣接するスリットと隣り合うスリットにおいては、スリット部通過後の流動において壁面に接する流体が壁面抵抗を受けるため積層方向の端部のスリットから流出された流体の流速が大きく変化し、顕著な流動の乱れが発生する。さらに、流動特性が異なる流体が接する界面では流速の変化の影響により界面近傍での流動に乱れが生じやすくなる。
そこで、本発明においては、特に端部のスリットから流出した後の流速の変化が低減され、流動の乱れが生じにくい流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、複数の流体を前記流体の数よりも多い層数の層を形成するように積層する流体積層装置であって、前記各流体をそれぞれ供給する複数のマニホールドと、前記各マニホールドのいずれかひとつと連通し、前記各マニホールド内に供給された前記各流体を前記各マニホールドから前記各層に対応して流動方向に通過させる複数のスリットを有するスリット部と、該複数のスリットを通過した前記各流体を前記流動方向に直交する積層方向に重ね合わせながら合流させる合流部とを備え、前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記スリット部および前記合流部に属する流路の壁面に、前記スリット部から前記合流部にかけての前記積層方向の少なくとも一方の端部の壁面と前記中心軸とが成す角度αが前記流動方向の上流から下流に見て増大を開始する拡幅開始点であって、かつ前記拡幅開始点における前記壁面の接線よりも前記積層方向の外側に存在する流路拡幅部内において、前記拡幅開始点から前記接線の方向に前記拡幅開始点よりも端部スリットピッチだけ下流の位置までの範囲に存在する流路拡幅上流部の面積が前記端部における端部スリットピッチの2乗の0.04倍以上である拡幅開始点が存在し、かつ前記スリット部の前記流動方向の末端から前記流動方向上流側に端部スリットの長さの0.25倍の距離にある壁面から、前記末端から前記流動方向下流側に前記端部スリットピッチの10倍の距離にある壁面までの間の壁面において、前記拡幅開始点が存在し、かつ前記拡幅開始点における前記壁面の接線と前記流路拡幅部の壁面との距離の最大値が、前記端部スリットピッチの0.05倍以上であることを特徴とする流体積層装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記流路拡幅上流部の面積が前記端部における端部スリットピッチの2乗の10倍以下であることを特徴とする流体積層装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記少なくとも一方の端部の、前記合流部における端部スリット隔壁の内壁に接する接線と前記流路拡幅部の壁面との距離の最大値が、前記端部スリット隔壁の内壁に接する接線と前記端部スリット隔壁に隣接するスリット隔壁の内壁に接する接線との距離の1.05倍以上10倍以下であることを特徴とする流体合流装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記少なくとも一方の端部における前記拡幅開始点における前記壁面の接線と前記流路拡幅部の壁面との距離の最大値が、前記端部スリットピッチの9倍以下であることを特徴とする流体積層装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記流路拡幅部の各部における前記角度αが−85°以上90°以下であることを特徴とする流体積層装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記流路拡幅部の各部のいずれかが前記角度αが−85°以上0°以下であることを特徴とする流体積層装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記スリット部の前記流動方向末端における前記積層方向に向かい合う壁面の間隔は、奥行方向拡幅部入口における前記積層方向に向かい合う壁面の間隔より大きいことを特徴とする流体積層装置が提供される
また、本発明の好ましい形態によれば、前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記スリット部および前記合流部に属する流路の壁面に、前記スリット部から前記合流部にかけての前記積層方向の両方の端部のそれぞれにおいて、壁面と前記中心軸とが成す角度αが前記流動方向の上流から下流に見て増大を開始する拡幅開始点であって、かつ前記各拡幅開始点における前記壁面の接線よりも前記積層方向の外側に存在する流路拡幅部内において、前記開始点から前記接線の方向に前記拡幅開始点よりも端部スリットピッチだけ下流の位置までの範囲に存在する流路拡幅上流部の面積が前記各端部における端部スリットピッチの2乗の0.04倍以上である拡幅開始点が存在することを特徴とするを特徴とする流体積層装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記スリット部に含まれるスリットの数が5個以上300個未満である流体積層装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、上記のいずれかの流体積層装置を含むことを特徴とする積層フィルムの製造装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、複数の流体を前記流体の数よりも多い層数の層を形成するように積層する流体の合流方法であって、前記各流体をそれぞれ供給する複数のマニホールドを経由して、前記各マニホールドのいずれかひとつと連通し前記各層に対応して流動方向に通過させる複数のスリットを有するスリット部に供給し、該スリット部に連通する合流部において前記流動方向に直交する積層方向に重ね合わせながら合流させるに際し、前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記スリット部および前記合流部に属する流路の壁面に、前記スリット部から前記合流部にかけての前記積層方向の少なくとも一方の端部の壁面と前記中心軸とが成す角度αが前記流動方向の上流から下流に見て増大を開始する拡幅開始点であって、かつ前記拡幅開始点における前記壁面の接線よりも前記積層方向の外側に存在する流路拡幅部内において、前記開始点から前記接線の方向に前記拡幅開始点よりも端部スリットピッチだけ下流の位置までの範囲に存在する流路拡幅上流部の面積が前記端部における端部スリットピッチの2乗の0.04倍以上である拡幅開始点を有し、かつ前記スリット部の前記流動方向の末端から前記流動方向上流側に端部スリットの長さの0.25倍の距離にある壁面から、前記末端から前記流動方向下流側に前記端部スリットピッチの10倍の距離にある壁面までの間の壁面において、前記拡幅開始点が存在し、かつ前記拡幅開始点における前記壁面の接線と前記流路拡幅部の壁面との距離の最大値が、前記端部スリットピッチの0.05倍以上であるスリット部および合流部を用いることを特徴とする流体の積層方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、上記の流体の積層方法で流体を積層し、前記流体をシート状に形成させることを特徴とする積層フィルムの製造方法が提供される。
本発明におけるスリット部とは、流体積層装置内に設けられたすべてのスリットの中で流動方向において流動方向上流側の先端が最も上流に位置するスリットの上記先端(上流端点)を通り流路の中心軸に垂直な面と、積層方向の末端に位置する2つのスリットの流動方向下流側の先端を通り、奥行方向に平行な面に挟まれるスリット隔壁およびこのスリット隔壁に挟まれたスリットの空間を合わせたものである。ここで、スリット部における流動方向とは、スリット部から流体が流出する部位における流体の平均的な流れの方向をいう。図5に示したように、左右対称的に流体が積層され、下方に流出する形態のスリット部においては、通常、流動方向は図示のとおりのとなる。
本発明における合流部とは、スリット部末端から奥行方向拡幅部入口までの流路全般である。本発明における奥行方向拡幅部入口とは、スリット部の流動方向下流側末端以後の流路における流路の中心軸を含み奥行方向に平行な断面において、奥行方向に流路が拡幅を始める最上流の断面である。
なお、スリット部末端以後の流路において流路の奥行方向への拡幅が存在しない場合、流路拡幅部入口とは流路の装置外への出口であるとする。また、スリット部末端以降で流路が2つ以上の流路へと分岐または異なる流路との合流が生じる場合には、流路拡幅部入口とは分岐または合流の直前の流路の断面であるとする。
本発明の流体積層装置によれば、流体の合流後の流路の積層方向の端部において流路の拡幅が生じ、その結果特に壁面に隣接するスリットから流出した流体の流速を直ちに定常状態まで低減できることで、流動中における流速の変化が低減され、流動特性が異なる流体を合流させた際に生じる流動の乱れを抑制することができる。特に、積層する流体の粘度差が大きく、流動特性の異なる流体を積層する際に生じる界面近傍での流動の乱れの抑制には顕著な効果を示す。
以下に本発明の実施の形態について図面に基づいて詳細に述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施の形態に限定されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の変更は当然あり得る。
本発明においては、流体積層装置において同一の流路を経てスリット部に供給された流体を同一の流体として取扱う。すなわち、化学的な組成が全く同一の流体であっても、流体積層装置内でスリット部へ異なる経路を経て供給されたものであれば異なる流体として取扱い、化学的に異なる組成の流体を混合して作られた混合流体であっても、流体積層装置内で1つの流路を経てスリット部に供給されたものであれば同一の流体として取り扱う。
本発明における流体積層装置の一実施形態例として、2種類の流体を積層する流体積層装置の概略図を図2〜4に示す。図2aは、本実施形態の流体積層装置の各部品の概略図であり、各部品における奥行方向に垂直で、かつ奥行方向の長さの中点を通る断面での断面図である。図2aにおいて、紙面左右方向がスリット板中でスリットの配列している方向である積層方向(X方向)、紙面に垂直な方向が奥行方向(Y方向)、上下方向が流動方向(Z方向)である。なお、図2aでは流路の中心軸がスリット部から合流部までの流路において直線である装置を示しているが、曲線であってもよい。この場合、流路の中心軸と平行である向きに流動方向、流路の中心軸に対して垂直でかつスリット部でのスリットの配列している方向に対応する方向を積層方向、流路の中心軸および積層方向に垂直である方向を奥行方向とする。図2bは図2aに示す各部品の組立図である。図2cは流体積層装置の流路のみを示した概略図である。
なお、ここでは、2種類の流体を積層する流体積層装置について例示しているが、装置に供給される流体は3種類以上であってもよく、その流体が別々の供給源から供給された流体であっても、同一の供給源から分割した流体であってもよく、必要に応じては装置内で流体の経路を分割した流体であってもよい。重要なことは、流体合流装置内に設けられるスリット部に供給される経路が2つ以上あることである。
図2aに示す装置は、流体を流体積層装置1中に導入するための流体導入板11、15、マニホールドを有する側板12、14、スリット部ならびに合流部を有するスリット板13の5枚の部材からなる。この5枚の部材は、図2bのとおりに組み立てられ、適宜ダイなどを接合することで流体積層装置1を構成する。その結果、図2cに示しす流路を形成することができる。
流体導入板11、15には、流体積層装置に流体を供給し、側板12、14に流体を供給するための流体導入路16、17が設けられている。
側板12、14には、流体導入路16、17に連通する流体導入口18、19が設けられており、そこから積層方向に伸びるマニホールド20、21が設けられている。マニホールドを設けることで、供給された流体の流動の乱れや圧力損失を緩和し、スリット以後で生じる圧力損失にしたがって流体をスリットに安定して供給することができることから、精度良く流体を合流させることが可能となるので好ましい。より好ましくは、各々の流路に対して1つ以上のマニホールドを設けることである。各々の流路に対してマニホールドを設けることにより、合流させる全ての流体に対して供給された流体の流動の乱れや圧力損失を緩和し、スリット以後で生じる圧力損失にしたがって流体をスリットに安定して供給することができることから、より精度良く流体を合流させることが可能となる。
スリット板13には、多数のスリット22がスリット隔壁23により所定の間隔をもって配列しており、各々のスリットはマニホールド20もしくはマニホールド21に交互に連通している。各々のスリットがマニホールドと連通することにより、マニホールドで安定化された流体に乱れを生じさせることなくスリットに供給することが可能となり、合流させる流体を安定化させることが可能となることから、好ましい。
以下、図4を用いてスリット部の各部の寸法について説明する。図4は、本実施形態の流体積層装置の積層方向の端部におけるスリット部と合流部の斜視図である。
また、本発明におけるスリットの数は特に限定されるものではないが、スリットの数が増えるに従い装置が積層方向に大型化し、滞留部が生じたり積層方向の端部にあるスリットへの流体の供給量が不均一になることから、現実的には300個程度までが適当である。また、本発明による流動の乱れの抑制効果は、スリットの数が5個以上であるときにより顕著となる。
また、スリットの間隙は、10μm以上30000μm以下であることが好ましい。より好ましくは、100μm以上10000μm以下である。ここでいうスリットの間隙とは、各々のスリットにおいてスリットをなす両壁面が平行である部位の中で、最も平行である部位の面積が大きい部位の積層方向の幅31のことである。スリットの間隙が10μm未満である場合、加工精度限界のために均一な流量制御を行うことが難しくなる傾向にある。また、スリット間隙が30000μmよりも大きい場合、装置が積層方向に大型化しすぎたり、流体の流量や粘度によっては、各スリットで生じる圧力損失が小さくなりすぎるため、各スリットを流れる流量を均一にすることが出来なくなる場合がある。スリットの間隙が100μm以上10000μm以下であると、装置が大型化することも無く、精度高く流体を合流させることが可能となる。
また、スリットの長さは、20mm以上200mm以下であることが好ましい。より好ましくが、30mm以上100mm以下である。ここでいうスリットの長さとは、スリットの流動方向の長さ32である。スリットの長さが20mm未満である場合、スリットでの圧力損失が小さくなりすぎることや、スリット内での流速のムラが大きくなることから、各スリットを流れる流量を均一にすることが出来なくなる場合がある。また、スリットの長さが200mmより大きい場合には、圧力損失が大きくなりすぎるために、流体のもれが発生しやすくなったり、スリットの長さはスリット隔壁の長さと同様であるため、スリット隔壁が繰り返し使用時に変形するなどの耐久性に問題が生じることがあるために避けるほうが好ましい。
また、スリットの幅は、10mm以上200mm以下であることが好ましい。より好ましくは、10mm以上100mm以下である。ここでいうスリットの幅とは、スリットの奥行方向の長さ33である。スリットの幅が10mm未満である場合、スリットの幅がスリット隔壁の幅と同様であるため、スリット隔壁の強度が低下するため、変形が生じやすくなることから避けるほうが好ましい。また、スリットの幅が200mmより大きい場合には、スリット内での流速にムラが生じやすくなり、かつスリットの加工が難しくなることから避けるほうが好ましい。
また、スリット隔壁の厚みは、100μm以上であることが好ましい。より好ましくは、1000μm以上10000μm以下である。ここでいうスリット隔壁の厚みとは、各々のスリット隔壁において、スリット隔壁の積層方向の両壁面が平行である部位の中で、最も平行である部位の面積が大きい部位の積層方向の幅34のことである。スリット隔壁の厚みが100μm未満である場合、スリット隔壁の強度が低下するため、変形が生じやすくなることから避けるほうが好ましい。また、スリット隔壁の厚みの最大値については特に制限するものではないが、間隔が大きくなるに従い装置が積層方向に大型化するため、10000μm以下が適当である。
なお、上記のスリットの間隙、スリットの長さ、スリットの幅、スリット隔壁の厚みについては、用いる流体の粘度などの流動特性に応じて適正な値へ制御することにより、より精度良く流体を合流することが可能となる。また、本発明においては、あるスリットの間隔とそのスリットと隣り合うスリット隔壁のうち流路の中心軸側に位置するスリット隔壁の厚みの和をスリットピッチと呼称することとする。特に、積層方向の一番はしにあるスリットとこれと隣り合うスリット隔壁とによって定義されるスリットピッチを端部スリットピッチという。
各々のスリット22は、流動方向下流で合流部24と連通しており、この合流部24にて各スリットから流出した樹脂を合流させることが出来る構造となっている。合流部24は奥行方向拡幅部入口25に連通しており、そこから合流させた流体を奥行方向へと拡幅させる構造となっている。
本発明においては、流体の流路の中心軸を含み積層方向に平行な断面において、スリット部および合流部に属する流路のうち、スリット部から合流部にかけての積層方向の少なくとも一方の端部の壁面と中心軸とが成す角度αが流動方向の上流から下流に見て増大を開始する拡幅開始点が存在する。このように構成すると、流体の流路面積、特に壁面に接するスリットから流出された流体の流動幅が拡幅されることで、壁面近傍の流体の流速を低下させスリットから流出した流体の流速の変化を抑制することができ、結果として流動特性の異なる流体を合流させた際にも合流後の流動を安定化させることが可能である。より好ましくは、壁面と中心軸とが成す角度αが流動方向の上流から下流に見て連続して増大して角度αの変化が無くなるまでの過程において、拡幅開始前と拡幅終了時の角度αの変化量が30°以上90°以下である。角度αの変化量が大きくなるに従い合流部における流動の安定化効果は大きくなるが、角度αの変化量が90°よりも大きくなることで流動方向の変化が大きくなり、むしろ流動の不安定化の原因となる場合がある。角度αの変化量が30°以上90°以下であれば、より効果的に積層後の流動における流速の変化を抑制させることが可能となる。
以下、本明細書において流路等の形状について説明するときは、特記しない限り、流流路の合流中心面における形状等を議論する。
ここでいう流路の中心軸35、以下のとおりに定義されるものである。流路の中心軸とは、積層された流体の流れの代表的な経路を表すものである。図3は、流体積層装置1の合流中心面における断面図である。この中心軸は、流路の合流中心面内の点であって、スリット部の積層方向での両末端の壁面で最も流動方向の上流に位置する点を結んだ直線の中点で36を始点とし、奥行方向拡幅部入口における積層方向およびフィルム幅方向の中心に位置する点37を終点とする、一般には曲線となる線である。ここで、流路の合流中心面38とは、スリット部における積層方向を含む平面であって、流体積層装置のスリット部から奥行方向拡幅部入口に至るまでの流体の流路の容積を2分する平面をいう。図5は、流体積層装置1について、積層方向に垂直で、かつ積層方向の長さの中点を通る断面44における断面図である。この例のように、各流体が左右対称的に合流してくる構成の場合は、流路の合流中心面38は、流体積層装置1の流路空間を左右に2分する平面となる。もし、図5で左側の流路の容積が右側より大きいなら、中心面38は左に傾いたものとなる。
さて、流路の中心軸35は、上述のとおり、スリット部最上流における合流中心面内の点であって、流路の積層方向の中心点Gを起点とする。流路の中心軸上の次の点は、合流中心面内方向であって積層方向に直交する方向で下流の方向に微小長さΔだけ進んだ点G における上記下流の方向に垂直な平面Pと流路の交線に囲まれた平面図形(流路断面)の重心点Gである。流路の中心軸上のさらに次の点は、上記重心点Gを新たな起点とし先の中心点GからGに向かう流路方向Dに微小長さΔだけ進んだ点G における上記流路方向Dに垂直な平面Pと流路の交線に囲まれた平面図形の重心点Gである。以下同様に下流に向かう流路断面の重心点をつないだ曲線が流路の中心軸35となる。この様子を示したのが図6である。図6は、流路が積層方向に屈曲している場合における流路の中心軸35の決定方法を例示したものであり、流路の合流中心面における断面を図示したものである。この微小長さΔを限りなく小さくした極限が流路の中心軸35である。
次に、流路の中心軸35と壁面のなす角度αについて詳細に定義する。図3において、中心軸35と角度αを成す壁面39の部位は、中心軸35の各点xからその点における流路断面内に積層方向に伸ばした直線と壁面39とが交わる点wxとする。角度αは、この点における、上記直線と点xにおける流路方向Dx(流路の中心軸35の向いている方向)とを含む平面内での壁面39の向きDwxと流路方向Dxとがなす角度をもって定義する。この様子を示したのが図7である。図7は流路が積層方向に屈曲している場合における角度αの決定方法を例示したものであり、流路の積層方向と流路の中心軸35の方向(流路方向)を含む平面における断面を図示したものである。ただし、この壁面39は、流体が接する面であって、壁面の傷、凹み、壁表面の面粗度による凹凸、また温度などを測定するための穴などの加工および面取加工等は含まない。また、角度αは、流体の流れ方向に対して中心軸35と成す角度を表し、樹脂の流れが縮幅する方向をマイナス、拡幅する方向をプラス、中心軸35と平行な方向を0°として定義する。
また、拡幅開始点の決定方法の詳細について以下に示す。壁面上のある点y1について、流路の中心軸との成す角度をα1とし、壁面上をスリット部末端から流動方向下流方向へ微小長さΔだけ進んだ箇所の壁面上を点y2と、点y2における壁面と中心軸との成す角度をα2とする。なお、ここで用いるΔの値は、端部スリットピッチの0.1倍であるとする。その際に、角度α2から角度α1を引いた値をΔα1とすると、Δα1の値が1°以上179°以下である場合に拡幅が開始されたものと判定し、点y1を拡幅開始点とする。この様子を示したものが図8である。図8は、拡幅開始点を定義する説明図であり、流体積層装置の流路の合流中心面における断面図である。
本発明においては、積層方向の少なくとも一方の端部において、拡幅開始点における壁面の接線よりも積層方向の外側に存在する流路拡幅部内において、拡幅開始点から接線の方向に拡幅開始点よりも端部スリットピッチだけ下流の位置までの範囲に存在する流路拡幅上流部の面積が端部における端部スリットピッチの2乗の0.04倍以上となるよう流路が構成されている。ここでいう流路拡幅部とは、流体の流路の中心軸を含み積層方向に平行な断面上の拡幅開始点以後のスリット部ならびに合流部の流路において、拡幅開始点での接線とこの接線よりも積層方向の外側にある壁面に囲まれた部分全体のことであり、流路拡幅上流部とは流路拡幅部において、拡幅開始点における接線上を拡幅開始点から流動方向下流方向へ端部スリットピッチの長さ移動した点zで接線と垂直に交差する垂線よりも流動方向上流側の部分である。また、端部スリットピッチは前述のとおりである。複数の積層方向の末端の壁面がそれぞれ拡幅開始点を有する際には、端部スリットピッチはそれぞれの壁面固有の端部スリットピッチを用いて算出するものとする。流動拡幅部ならびに流動拡幅上流部の1例を、図9、10に示す。図9、10は、流路拡幅部の詳細についての1例を示した説明図であり、流体積層装置の流路の合流中心面における断面図である。流路拡幅上流部の面積が端部スリットピッチの2乗の0.04倍以上であることにより、流路の拡幅面積が十分に確保されて壁面近傍での流体の流速を低下させる効果が生じることで、合流以後の流動における流速の変動を抑制して流動を安定化させる効果が顕著となる。好ましくは、流路拡幅上流部の面積が端部スリットピッチの2乗の0.5倍以上であり、より好ましくは流路拡幅上流部の面積が端部スリットピッチの2乗の10倍以下である。流路拡幅上流部の面積が端部スリットピッチの2乗の0.5倍以上であることで、十分な流路の拡幅が生じ、流動の乱れを抑制することが可能となる。また、流路拡幅上流部の面積が端部スリットピッチの2乗の10倍以上となると、流速を低下させる効果が顕著であるが、流体の滞留や流路の急拡幅による流動の乱れの発生の原因となる場合があるため、10倍以下であることが好ましい。
また、流体の流路の中心軸を含み積層方向に平行な断面において、スリット部および合流部に属する流路のうち、スリット部から合流部にかけての積層方向の両方の端部の壁面と中心軸とが成す角度αが流動方向の上流から下流に見て増大を開始する拡幅開始点が存在することが好ましい。両方の端部の壁面において拡幅開始点を有することで流動安定化効果が顕著となり、流動特性の異なる流体を合流させる際の合流後の流動の乱れの発生をほぼ抑制することが可能となる。
また、端部の壁面と流路の中心軸のなす角度αが変化する点を屈曲開始点とするとき、スリット部および合流部に属する流路のうち、スリット部から合流部にかけての積層方向の全ての端部の壁面に存在する屈曲開始点の中で、最も上流に位置する屈曲開始点が拡幅開始点であることが好ましい。ここでいう屈曲開始点とは、拡幅開始点同様に決定される点であり、上述の拡幅開始点の決定と同様の方法で決定されるΔα1が−179°以上−1°以下もしくは1°以上179°以下である点である。つまり、拡幅開始点とは、屈曲開始点の中でΔα1が1°以上179°以下のものを限定して呼称するものである。最も上流に位置する屈曲開始点が拡幅開始点であることにより、流路幅の縮小が生じる以前に流路の拡幅が生じることとなり、特に壁面近傍での流動における流速の変化を抑制することが出来ることから、流動特性の異なる流体を合流させる際の合流後の流動の安定化の効果がより顕著となる。なお、図10に示したように、最初の屈曲開始点におけるΔαが負の場合でも、その下流に拡幅開始点があり上記規定の流路拡幅上流部が存在するならば、拡幅開始点近傍の局所的な流体の流れにおいては壁面に沿って流れている流体の流路が広がるため、やはりその部位で流速を小さくするという本発明の基本的な作用は得られる。
また、スリット部の流動方向末端から流動方向上流側に端部スリットS1の長さL1の0.25倍の距離にある壁面から、スリット部の下流の末端から流動方向下流側に端部スリットピッチの10倍の距離にある壁面までの間の壁面において、拡幅開始点が存在することが好ましい。図9に示した場合のように拡幅開始点がスリット部の末端よりも下流に存在するときは、スリット部の末端から拡幅が開始される位置までの距離が短くなるに従い、流路の拡幅による合流直後に生じる流動の乱れの発生をより効果的に抑制することが可能となるが、拡幅開始点がスリット部の末端から端部スリットピッチの10倍よりも大きい距離に存在する場合には、各々のスリットから流出した流体の合流が生じる箇所からの距離が大きくなり、合流直後に生じる流動の乱れの抑制の効果が減殺される傾向にある。より好ましくは、拡幅開始点がスリット部末端から下流に端部スリットピッチの1倍より小さい距離に存在することである。この場合、スリットから流出した流体に直ちに流路の拡幅が生じて流速の低下が生じるため、合流部の流速の低下による流動の乱れの発生をほぼ抑制することが出来る。一方、拡幅開始点がスリット部の末端よりも上流側で、かつ拡幅開始点がスリット部末端から端部スリットS1の長さL1の0.25倍の距離よりも流動方向上流側に存在する場合には、スリット内に生じる圧力損失の大きさが顕著に減少し、スリットから流出する流体の流量を制御することが難しくなる場合がある。好ましくは、拡幅開始点がスリット部末端から流動方向の上流に端部スリットS1の長さL1の0.10倍の距離以内に存在することである。この場合、スリットでの圧力損失に大きな影響を与えること無く流路を拡幅することが可能となる。
また、流体の流路の中心軸を含み積層方向に平行な断面において、合流部における端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と壁面との距離の最大値d1が、端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と端部スリット隔壁に隣接するスリット隔壁P2の内壁に接する接線との距離d2の1.05倍以上10倍以下であることが好ましい。ここでいう端部スリット隔壁P1とは、端部スリットS1の中心軸方向に隣接するスリット隔壁であり、スリット隔壁P2とは、端部スリット隔壁P1の中心軸方向にスリットS2を介して隣接するスリット隔壁であり。スリット隔壁の内壁とは、スリット隔壁の積層方向両端にある壁面の中で、流路の中心軸に近い位置にある壁面のことであり、スリット隔壁の内壁に接する接線とは、スリット隔壁の内壁の中で最も大きな長い直線部に接する接線である。また、端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と壁面との距離の最大値d1と端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と端部スリット隔壁に隣接するスリット隔壁P2の内壁に接する接線との距離d2の決定方法は、以下の通りである。流体の流路の中心軸を含み積層方向に平行な断面において、積層方向の末端に位置する任意の壁面上の点をXとし、点Xから端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線に下ろした垂線と該接線との交点を点Y、点Yからスリット隔壁P2の内壁に接する接線に下ろした垂線と該接線との交点を点Zとする。点Xが壁面上を移動する際に、線分XYの距離が最大となる位置における前文XYの長さをd1とし、d1を決定した位置から上述の方法で決定したZについて線分YZの長さをd2とする。その決定方法の詳細を図11に示す。図11は、端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と壁面との距離の最大値d1と、端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と端部スリット隔壁に隣接するスリット隔壁P2の内壁に接する接線との距離d2を定義する説明図であり、流体積層装置の流路の合流中心面における断面図である。スリットから流出した流体は、スリットおよび中心軸方向に隣接するスリット隔壁の幅の合計を流路幅として流動する。ここで、壁面に隣接するスリットS1から流出した流体の流路幅が、スリットS1とスリット隔壁P1を介して隣接するスリットS2から流出した流体の流路幅よりも広くなることで、スリット隔壁P1とP2からなるスリットS2から流出した流体の速度と比較して端部スリットS1から流出した壁面近傍の流体の流速を相対的に低下させ、積層後の流動における流速の変化が低減することが出来、積層後の流速の変化に起因する流動の乱れを抑制することが可能となる。なお、積層方向端部の壁面に沿って流れる流体(すなわち、スリットS1から吐出された流体)は、合流部から奥行方向拡幅部入口にいたるまでの壁面の抵抗を受ける。そのため、それよりも内側を流れる他の流体よりも流動抵抗が大きくなるから、流速が他の流体よりも遅くならざるを得ない。2つの流体の積層の界面においては、2つの流体の流速に差がないのが理想的であるが、本発明者らの知見によると、差が発生する場合でも、その差がスリット部から奥行方向拡幅部入口にかけて一定であれば両者の界面での乱れは発生しにくい。そこで、壁面に沿って流れる流体の流速をできるだけ早く奥行方向拡幅部入口における速度に近くなるように早い段階で遅くなるようにしてすることで、その後の流動速度の変化を和らげ、これに起因する流動の乱れを抑制できるのである。こうした観点から、より好ましくは、合流部における端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と壁面との距離の最大値d1が、端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と端部スリット隔壁に隣接するスリット隔壁P2の内壁に接する接線との距離d2の1.25倍以上2倍以下とする。この場合、スリットS1から流出した流体の流動に乱れを与えること無く適当な値まで流速を低下させることができ、積層後の流動での流速変化により生じる流動の乱れをほぼ抑制することが可能となる。
また、流体の流路の中心軸を含み積層方向に平行な断面において、拡幅開始点における壁面の接線と流路拡幅部の壁面との距離の最大値d0が、端部スリットピッチの0.05倍以上9倍以下であることが好ましい。d0がスリットピッチの0.05倍未満である場合には、流路の拡幅による壁面近傍での流速の変化の抑制効果は、ほとんど期待されない。一方、スリットピッチの9倍よりも大きい場合には、拡幅の程度が大きくなりすぎることで流体の滞留・蛇行の原因となり、むしろ壁面近傍での流体の流動の乱れを発生される場合があるため、避けるべきである。d0がスリットピッチの和の0.05倍以上9倍以下であることにより、壁面近傍での流速の変化を効果的に抑制することができ、流動の乱れの発生を抑制することが可能となる。より好ましくは、スリットピッチの和の0.25倍以上2倍以下である。この場合、スリットS1から流出した流体の流動に乱れを与えること無く適当な値まで流速を低下させることができ、積層後の流動での流速変化により生じる流動の乱れをほぼ抑制することが可能となる。
なお、前述の端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と壁面との距離d1が、端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線とスリット隔壁P2の内壁に接する接線の距離d2の1.05倍以上10倍以下である場合と、拡幅開始点において壁面と接する接線と流路拡幅部の壁面との距離の最大値d0が端部スリットピッチの0.05倍以上9倍以下である場合とを比較すると、d1とd2の比較は端部スリットS1から流出した流体の流路幅や流速とスリットS2から流出した流体の流路幅や流速の比較を行い、端部スリットS1から流出した流体のほうが流速が小さくなることにより流体の合流以後の流動を安定化させる効果があることを示している。一方、d0とスリットピッチを比較することで、端部スリットS1から流出した流体の流速が流路の拡幅により低下し、流動が安定化する効果のみを示している。最も好ましい形態としては、これらの要件を同時に満たすことであり、その場合には合流後の流動において生じる流動の乱れを抑制することが可能であるが、一方の要件を満たすことでも、合流後の流動の安定化効果を示す。
また、流体の流路の中心軸を含み積層方向に平行な断面において、流路拡幅部の各部における角度αがー85°以上90°以下であることが好ましい。角度αが90°よりも大きくなる場合には、流動方向上流側への流路の拡幅が生じるため、流路の拡幅の効果は90°以下である場合と同程度であるにも関わらず、流体の滞留や蛇行によりむしろ流体の流動に乱れが生じる原因となる場合がある。同様に、角度αが−85°よりも小さい場合には、流路の急縮小による流動の乱れや流体が滞留する原因となる可能性がある。
また、流体の流路の中心軸を含み積層方向に平行な断面において、流路拡幅部の各部のいずれかが角度αがー85°以上0°以下であることが好ましい。流路拡幅部が存在することにより、合流後の流動を安定化する効果があるが、流路がそのまま拡幅することで圧力損失が小さくなり、逆に流動が不安定化する要因となる。角度αがー85°以上0°以下となる壁面が存在することにより、流路をある幅に抑えて適当な圧力損失にすることが可能となり、流動を安定に保つことができるようになる。より好ましくは、流路拡幅部の各部のいずれかが角度αがー85°以上5°以下である。この場合には、流路の拡幅により合流後の流動の安定化を図ると共に、その後の流路の縮小により適当な圧力損失をかけることも可能となるため、合流部における流動の乱れの発生をほぼ抑制することが出来る。
また、スリット部の流動方向末端における積層方向に向かい合う壁面の間隔Wsは、奥行方向拡幅部入口における積層方向に向かい合う壁面の間隔Woより大きいことが好ましい。ここでいうスリット部の流動方向末端における積層方向に向かい合う壁面の間隔Wsとは、スリット部の流動方向末端をなす平面において流路の中心軸を通りスリット部の積層方向の両末端に位置する壁面とを結ぶ線分の長さのことであり、奥行方向拡幅部入口における積層方向に向かい合う壁面の間隔Woとは、奥行方向拡幅部入口における流路の中心軸に対して垂直な面において、流路の中心軸を通り積層方向の両壁面を結ぶ線分の長さのことである。スリット部の流動方向の末端における積層方向に向かい合う壁面の間隔Wsが奥行方向拡幅部入口における積層方向に向かい合う壁面の間隔Woより大きいことにより、合流直後に拡幅された流体に適当な圧力損失を生じさせることができるため、流動を安定に保つことが可能となり、流動の乱れの発生を抑制することが出来る。
以下、図2、3に記載の流体積層装置を用い、流体として2種類の熱可塑性樹脂を用いて多層積層フィルムを製膜した際のフィルムの厚みムラや積層ムラを測定し、本発明における流体積層装置の効果を検証した結果について、さらに説明する。下記に本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)積層厚み、積層数、積層構造
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。なお、拡大倍率10000倍で撮影し、コントラストを高く得るために、公知のRuOを使用した染色方法を用いた。
積層構造の具体的な求め方を、説明する。TEM写真画像を、CanonScanD123Uを用いて画像サイズ720dpi(1dotあたり空間分解能4nm)で取り込んだ。画像をJPEG形式で保存し、次いで画像処理ソフトImage−Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このJPGファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、ラインプロファイルモードで、積層方向に平行なライン上での明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(マイクロソフト社のExcel2003)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBAプログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして層厚みを算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。
(2)溶融粘度の測定
回転式粘度計 MR−300ソリキッドメーター(レオロジ製)を用いて動的粘弾性測定を行った。測定には、平行円板(直径18mm)を用い、N雰囲気下、270℃、振幅1°、せん断速度0.6〜31s−1の条件で測定を行った。得られたデータのうち、せん断速度15s−1での複素粘性率をせん断粘度とした。なお、実施例にて乾燥して製膜に用いた樹脂については、本測定においても同様の条件にて乾燥を行った。
(3)フィルムの厚みムラの測定
フィルムシックネステスタ「KG601A」および電子マイクロメータ「K306C」(共にアンリツ製)を用い、フィルム移動速度1.5m/minの速度にてフィルムを巻き取る際のフィルムの厚みを10Hz周期にて1分間測定した。得られたフィルムの全ての箇所でのフィルム厚みについて、その最大厚みをdmax、最小厚みをdmin、平均厚みをdavとし、厚みムラを(dmax−dmin)/davとした。測定はフィルムの長手方向に対して行い、測定箇所は幅方向に対して等間隔に5箇所について測定して得られたフィルム厚みのムラの中で最も大きな値をフィルムの厚みムラとする。表1には、フィルム厚みのムラが0.05未満のものを◎、0.05以上0.1未満のものを○、0.1以上0.2未満のものを△、0.2以上のものを×として記す。
(4)積層厚みのムラの定義 (3)の測定にてフィルム厚みムラの値が最も大きくなる幅方向での位置について、最もフィルム厚みが厚い箇所と最も薄い箇所のフィルムの流動方向への断面をそれぞれ作成し、(1)に記載の手法にて断面の層厚みプロファイルを作成した。得られた層厚みプロファイルを元に、積層されている各層について、フィルム厚みの大きい箇所での層の厚みをWmax、小さい箇所でのフィルム厚みをWminとし、その層の積層厚みのムラは(Wmax−Wmin)/(Wmax+Wmin)とする。積層ムラはすべての層について算出し、その中で最も大きな値をフィルムの積層厚みのムラとする。表1には、フィルム厚みのムラが0.1未満のものを◎、0.1以上0.2未満のものを○、0.2以上0.5未満のものを△、0.5以上のものを×として記す。
(実施例1)
流体として、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを準備した。樹脂Aとして、熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)を真空下・180℃の条件で乾燥した後に用いた。上記PET樹脂は、以下に記す方法にて重合されたものである。まず、ジメチルテレフタレート100重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、エステル交換反応触媒として酢酸カルシウムを添加し、加熱昇温してメタノールを留出させてエステル交換反応を行った。次いで、該エステル交換反応生成物に、重合触媒として三酸化アンチモン、熱安定剤としてリン酸を加え重縮合反応槽に移行した。次いで、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧し、290℃減圧下で内部を攪拌しメタノールを留出させながら重合し、PET樹脂を得た。また樹脂Bとして、ポリカーボネート(PC)[出光興産製タフロンA2200]を空気中、120℃の条件で乾燥して用いた。これらの樹脂を別々の押出機に供給した。
熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押出機にて270℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルターを介した後、図12に示す導入路2、3を経て流体導入部16、17へと導入された。なお、ギアポンプから吐出される樹脂の量は両樹脂について同一とする。用いた流体積層装置1は、図2に示したとおり、2枚の流体導入板11、15、2枚の側板12、14、スリット板13と図12に示す導管40、Tダイ41からなる。
スリット板の詳細な構造は表1に示すとおりである。本装置においては、最大3つの屈曲開始点が存在し、上流側から屈曲開始点1、2、3と呼ぶこととする。なお、本装置においては、合流部以後が流路の中心軸を含み積層方向に平行な面について面対称であり、流路の中心軸を含み奥行方向に平行な面について面対称である。
上記流体積層装置を用いて作製された積層流動はシート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャストドラム42上で急冷固化して、未延伸フィルム43とした。得られたフィルムは、幅600mm、厚み200μmで、PETとPCが交互に51層積層されたものであり、フィルムの厚みムラ、積層ムラともに非常に良好なものであった。結果について、表1に示す。
(実施例2)
表1に示す特徴を有する流体積層装置1を用いた以外は、実施例1と同様の装置・条件にて製膜し、未延伸フィルムとした。得られたフィルムは、幅600mm、厚み200μmで、PETとPCが交互に51層積層されたものであり、フィルムの厚みムラ、積層ムラともに非常に良好なものであった。結果について、表1に示す。
(実施例3)
表1に示す特徴を有する流体積層装置1を用いた以外は、実施例1と同様の装置・条件にて製膜し、未延伸フィルムとした。得られたフィルムは、幅600mm、厚み200μmで、PETとPCが交互に51層積層されたものであり、フィルムの厚みムラ、積層ムラともに良好なものであった。結果について、表1に示す。
(実施例4)
表1に示す特徴を有する流体積層装置1を用いた以外は、実施例1と同様の装置・条件にて製膜し、未延伸フィルムとした。得られたフィルムは、幅600mm、厚み200μmで、PETとPCが交互に51層積層されたものであり、若干のフィルムの厚みムラを有するものの積層ムラは良好なものであった。結果について、表1に示す。
(比較例1)
表1に示す特徴を有する流体積層装置1を用いた以外は、実施例1と同様の装置・条件にて製膜し、未延伸フィルムとした。得られたフィルムは、幅600mm、厚み200μmで、PETとPCが交互に51層積層されたものであり、顕著なフィルムの厚みムラ、積層ムラを有するものであった。結果について、表1に示す。
本発明は、多層積層フィルムの製膜に応用されるものであるが、流動の乱れを生ずることなく合流させることが要求される用途に関しては、いかなる用途においても利用可能なものである。
Figure 0005200616
2つの経路を経て供給された流体を積層状に合流させるための流体積層装置の概略図である。 2つの経路を経て供給された流体を積層状に合流させるための流体積層装置の各部品の概略図であり、各部品における奥行方向に垂直で、かつ奥行方向の長さの中点を通る断面での断面図である。 図2aに示す各部品の組み立てについての図である。 流体積層装置の流路のみを示した概略図である。 流体積層装置1の合流中心面における断面図である。 スリット板の端部のスリット部についての詳細な説明図である。 流体積層装置について、積層方向に垂直で、かつ積層方向の長さの中点を通る断面における断面図である。 中心軸を定義する説明図であり、流体積層装置の流路の合流中心面における断面図である。 壁面の角度を定義する説明図であり、流体積層装置の流路の合流中心面における断面図である。 拡幅開始点を定義する説明図であり、流体積層装置の流路の合流中心面における断面図である。 流路拡幅部の詳細についての1例を示した説明図であり、流体積層装置の流路の合流中心面における断面図である。 流路拡幅部の詳細についての1例を示した説明図であり、流体積層装置の流路の合流中心面における断面図である。 端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と壁面との距離の最大値d1と、端部スリット隔壁P1の内壁に接する接線と端部スリット隔壁に隣接するスリット隔壁P2の内壁に接する接線との距離d2を定義する説明図であり、流体積層装置の流路の合流中心面における断面図である。 流体積層装置を用いる多層積層フィルムの製膜装置の概略図である。
符号の説明
1:流体積層装置
2:流体導入路
3:流体導入路
4:マニホールド
5:マニホールド
6:スリット
7:スリット
8:合流部
11:流体導入板
12:側板
13:スリット板
14:側板
15:流体導入板
16:流体導入路
17:流体導入路
18:流体導入口
19:流体導入口
20:マニホールド
21:マニホールド
22:スリット
23:スリット隔壁
24:合流部
25:奥行方向拡幅部入口
31:スリットの間隔
32:スリットの長さ
33:スリットの幅
34:スリット隔壁の厚み
35:流路の中心軸
36:流路の中心軸の始点
37:流路の中心軸の終点
38:合流中心面
39:壁面
40:導管
41:Tダイ
42:キャストドラム
43:未延伸フィルム
44:流体積層装置1について、積層方向に垂直で、かつ積層方向の長さの中点を通る断面

Claims (12)

  1. 複数の流体を前記流体の数よりも多い層数の層を形成するように積層する流体積層装置であって、前記各流体をそれぞれ供給する複数のマニホールドと、前記各マニホールドのいずれかひとつと連通し、前記各マニホールド内に供給された前記各流体を前記各マニホールドから前記各層に対応して流動方向に通過させる複数のスリットを有するスリット部と、該複数のスリットを通過した前記各流体を前記流動方向に直交する積層方向に重ね合わせながら合流させる合流部とを備え、前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記スリット部および前記合流部に属する流路の壁面に、前記スリット部から前記合流部にかけての前記積層方向の少なくとも一方の端部の壁面と前記中心軸とが成す角度αが前記流動方向の上流から下流に見て増大を開始する拡幅開始点であって、かつ前記拡幅開始点における前記壁面の接線よりも前記積層方向の外側に存在する流路拡幅部内において、前記拡幅開始点から前記接線の方向に前記拡幅開始点よりも端部スリットピッチだけ下流の位置までの範囲に存在する流路拡幅上流部の面積が前記端部における端部スリットピッチの2乗の0.04倍以上である拡幅開始点が存在し、かつ前記スリット部の前記流動方向の末端から前記流動方向上流側に端部スリットの長さの0.25倍の距離にある壁面から、前記末端から前記流動方向下流側に前記端部スリットピッチの10倍の距離にある壁面までの間の壁面において、前記拡幅開始点が存在し、かつ前記拡幅開始点における前記壁面の接線と前記流路拡幅部の壁面との距離の最大値が、前記端部スリットピッチの0.05倍以上であることを特徴とする流体積層装置。
  2. 前記流路拡幅上流部の面積が前記端部における端部スリットピッチの2乗の10倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の流体積層装置。
  3. 前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記少なくとも一方の端部の、前記合流部における端部スリット隔壁の内壁に接する接線と前記流路拡幅部の壁面との距離の最大値が、前記端部スリット隔壁の内壁に接する接線と前記端部スリット隔壁に隣接するスリット隔壁の内壁に接する接線との距離の1.05倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の流体合流装置。
  4. 前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記少なくとも一方の端部における前記拡幅開始点における前記壁面の接線と前記流路拡幅部の壁面との距離の最大値が、前記端部スリットピッチの9倍以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流体積層装置。
  5. 前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記流路拡幅部の各部における前記角度αが−85°以上90°以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の流体積層装置。
  6. 前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記流路拡幅部の各部のいずれかが前記角度αが−85°以上0°以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の流体積層装置。
  7. 前記スリット部の前記流動方向末端における前記積層方向に向かい合う壁面の間隔は、奥行方向拡幅部入口における前記積層方向に向かい合う壁面の間隔より大きいことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の流体積層装置。
  8. 前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記スリット部および前記合流部に属する流路の壁面に、前記スリット部から前記合流部にかけての前記積層方向の両方の端部のそれぞれにおいて、壁面と前記中心軸とが成す角度αが前記流動方向の上流から下流に見て増大を開始する拡幅開始点であって、かつ前記各拡幅開始点における前記壁面の接線よりも前記積層方向の外側に存在する流路拡幅部内において、前記開始点から前記接線の方向に前記拡幅開始点よりも端部スリットピッチだけ下流の位置までの範囲に存在する流路拡幅上流部の面積が前記各端部における端部スリットピッチの2乗の0.04倍以上である拡幅開始点が存在することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の流体積層装置。
  9. 前記スリット部に含まれるスリットの数が5個以上300個未満である請求項1〜のいずれかに記載の流体積層装置。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の流体積層装置を含むことを特徴とする積層フィルムの製造装置。
  11. 複数の流体を前記流体の数よりも多い層数の層を形成するように積層する流体の合流方法であって、前記各流体をそれぞれ供給する複数のマニホールドを経由して、前記各マニホールドのいずれかひとつと連通し前記各層に対応して流動方向に通過させる複数のスリットを有するスリット部に供給し、該スリット部に連通する合流部において前記流動方向に直交する積層方向に重ね合わせながら合流させるに際し、前記流体の流路の中心軸を含み前記積層方向に平行な断面において、前記スリット部および前記合流部に属する流路の壁面に、前記スリット部から前記合流部にかけての前記積層方向の少なくとも一方の端部の壁面と前記中心軸とが成す角度αが前記流動方向の上流から下流に見て増大を開始する拡幅開始点であって、かつ前記拡幅開始点における前記壁面の接線よりも前記積層方向の外側に存在する流路拡幅部内において、前記開始点から前記接線の方向に前記拡幅開始点よりも端部スリットピッチだけ下流の位置までの範囲に存在する流路拡幅上流部の面積が前記端部における端部スリットピッチの2乗の0.04倍以上である拡幅開始点を有し、かつ前記スリット部の前記流動方向の末端から前記流動方向上流側に端部スリットの長さの0.25倍の距離にある壁面から、前記末端から前記流動方向下流側に前記端部スリットピッチの10倍の距離にある壁面までの間の壁面において、前記拡幅開始点が存在し、かつ前記拡幅開始点における前記壁面の接線と前記流路拡幅部の壁面との距離の最大値が、前記端部スリットピッチの0.05倍以上であるスリット部および合流部を用いることを特徴とする流体の積層方法。
  12. 請求項11に記載の流体の積層方法で流体を積層し、前記流体をシート状に形成させることを特徴とする積層フィルムの製造方法。
JP2008080165A 2007-03-30 2008-03-26 流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法 Expired - Fee Related JP5200616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008080165A JP5200616B2 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007091091 2007-03-30
JP2007091091 2007-03-30
JP2008080165A JP5200616B2 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008273186A JP2008273186A (ja) 2008-11-13
JP5200616B2 true JP5200616B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=40051763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008080165A Expired - Fee Related JP5200616B2 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5200616B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5239511B2 (ja) * 2007-05-29 2013-07-17 東レ株式会社 流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法
US9162406B2 (en) 2010-05-07 2015-10-20 3M Innovative Properties Company Feedblock for manufacturing multilayer polymeric films
JP6348786B2 (ja) * 2014-07-01 2018-06-27 デンカ株式会社 多層シートの製造装置と製造方法
JP6783153B2 (ja) * 2017-01-13 2020-11-11 アークレイ株式会社 フローセル及び測定装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4720409B2 (ja) * 2004-09-30 2011-07-13 東レ株式会社 積層シートの製造装置および製造方法
JP4600066B2 (ja) * 2005-02-04 2010-12-15 東レ株式会社 積層フィルムの製造装置および製造方法
JP4702012B2 (ja) * 2005-11-29 2011-06-15 東レ株式会社 積層流の形成装置、積層シートの製造装置および製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008273186A (ja) 2008-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5200616B2 (ja) 流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法
EP1757429B1 (en) Liquid flow converging device and method of manufacturing multi-layer film
JP4720409B2 (ja) 積層シートの製造装置および製造方法
JP5912762B2 (ja) ダイコーター及び塗布膜の製造方法
EP0572329A1 (en) Apparatus and method for coextruding film layers
KR102491325B1 (ko) 도공 장치 및 도공막의 제조 방법
JP5239511B2 (ja) 流体積層装置および流体積層方法ならびに積層フィルムの製造装置および製造方法
JP5249621B2 (ja) 塗布方法
JPH05200345A (ja) 写真用被覆装置のための液体分布装置
JP6769249B2 (ja) 塗布装置、塗膜付ウェブの製造装置および製造方法
KR101489518B1 (ko) 압출성형용 다이 및 다이 유로 결정방법
JP4600066B2 (ja) 積層フィルムの製造装置および製造方法
WO2015199238A1 (ja) ストランド製造装置、ペレット製造装置、ストランド製造方法、およびペレット製造方法
JPH05104054A (ja) 塗布方法及び装置
JP5763628B2 (ja) 複積層体の製造方法及びその製造装置、複積層体
JP2009056797A (ja) 積層シートの製造装置および製造方法
WO2007001012A1 (ja) フラットダイ、並びに、積層樹脂フィルム又はシートの製造方法
EP4151319A1 (en) Multiple slot die coater
US5759627A (en) Coating Apparatus
JP5720139B2 (ja) カーテン塗布装置及びカーテン塗布方法
JP4702012B2 (ja) 積層流の形成装置、積層シートの製造装置および製造方法
CN103372960A (zh) 用于制造多层薄膜的系统和方法以及层倍增装置
JP4830754B2 (ja) 塗布装置および塗膜の形成方法
JP5135834B2 (ja) 流体流の分岐合流方法および装置
JP2008068521A (ja) 積層フィルムおよびフィードブロック

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121016

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130128

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5200616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees