JP5200585B2 - 電気化学デバイス及び電気化学デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学デバイス及び電気化学デバイスの製造方法に関する。
電気化学デバイスの一種であるリチウムイオン二次電池では、負極表面におけるLiデンドライトの形成や負極表面と異物(電池の製造時に電池内部に混入した金属粉等)との接触によって、電池の内部抵抗(インピーダンス)が増加したり、正負極間の短絡が発生し、その結果、電池温度が上昇し、電気化学反応が制御不能になって暴走し、電池が破裂又は爆発したりすることが問題となっている。これらの問題の防止策として、下記特許文献1〜3には、多孔質材からなる絶縁層を電極表面に形成することが開示されている。
特開平06−36800号公報 特許第3371301号公報 特開2005−183179号公報
上記特許文献1〜3に示された電池では、絶縁層が多孔質であり、絶縁層の細孔内をLiイオンが移動できるため、正負極間のLiイオンの伝導性(絶縁層に対するLiイオンの透過性)が担保されるが、電池の充放電を繰り返すほど、細孔にLiイオンが滞留してLiデンドライトが成長し易く、このLiデンドライトがインピーダンスの増加や短絡を引き起こす傾向がある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、インピーダンスの増加及び短絡を共に防止できる電気化学デバイス、及び電気化学デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電気化学デバイスは、正極集電体と、正極活物質を含む正極活物質層と、を有する正極と、負極集電体と、負極活物質を含む負極活物質層と、を有する負極と、正極活物質層と負極活物質層との間に位置するセパレータと、負極、正極、及びセパレータに接触している電解質と、を備え、正極活物質層の表面のうちセパレータに対向する面、及び負極活物質層の表面のうちセパレータに対向する面、の少なくとも一方の面が、絶縁層で被覆され、絶縁層表面の単位面積1cm当たりに形成されている細孔の数が0以上1000以下であり、絶縁層の厚さが1〜1000nmであり、細孔の数が少ないほど、絶縁層が薄く、細孔の数が0であるとき、絶縁層の厚さが1nmである。なお、本発明において、「細孔」とは、孔径が2〜1000nmである孔を意味する。また、細孔の孔径は、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して求める。
本発明では、絶縁層は、その表面の単位面積1cm当たりに形成されている細孔の数が1000以下であり、従来の電池が備える多孔質の絶縁層に比べて緻密である。そのため、細孔におけるLiデンドライトの形成が抑制される。また本発明では、正極活物質層の表面のうちセパレータに対向する面、又は負極活物質層の表面のうちセパレータに対向する面が、絶縁層で被覆されているため、各電極表面と異物との接触、及び正負極同士の接触が防止される。
以上の理由により、本発明では、インピーダンスの増加及び短絡を共に防止できる。なお、正極活物質層よりもLiデンドライトが形成され易い負極活物質層の表面に絶縁層が形成されている方が、インピーダンスの増加及び短絡をより確実に防止できる。
絶縁層を上記範囲内に薄くすることによって、絶縁層が緻密であっても絶縁層に対するLiイオンの透過性を確保できるため、インピーダンスの増加をより確実に防止できる。
上記本発明では、絶縁層が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化けい素(SiO、1<x≦2)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、又は酸化すず(SnO、1<x≦2)からなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましい。なお、これらの酸化物は、リチウムイオンを吸蔵、放出する酸化物であってもそうでなくても良い。リチウムイオンを吸蔵すると酸化物は電子伝導性を少し帯びると考えられるが、金属並みの良伝導体にはならないので、本発明の効果を損なうことにはならない。
絶縁層に、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化けい素(SiO、1<x≦2)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、又は酸化すず(SnO、1<x≦2)からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有させることによって、絶縁層が緻密になり易いため、Liデンドライトの形成をより確実に抑制できると共に、絶縁層の絶縁性を確保し易くなる。その結果、インピーダンスの増加及び短絡をより確実に防止できる。
上記本発明では、正極集電体の表面のうち正極活物質層に被覆されていない面、又は負極集電体の表面のうち負極活物質層に被覆されていない面が、絶縁層で被覆されていることが好ましい。
これにより、正極集電体と負極集電体とが直に接触し難くなり、正負極間の短絡をより確実に防止できる。
上記本発明では、正極活物質層の端面、及び負極活物質層の端面、の少なくともいずれかが、絶縁層で更に被覆されていることが好ましい。
これにより、各電極と異物との接触、及び正負極同士の接触をより確実に防止できる。
本発明に係る電気化学デバイスの製造方法は、上記本発明の電気化学デバイスの製造方法であって、正極活物質層の表面のうちセパレータに対向する面、及び負極活物質層の表面のうちセパレータに対向する面、の少なくとも一方の面に、アークプラズマ法を用いて絶縁層を構成する成分を供給することによって、絶縁層を形成する工程を備え、絶縁層の厚さが1〜1000nmとなるように被覆層を形成する。
アークプラズマ法を用いることによって、絶縁層を構成する成分(以下、場合により「スピーシーズ」(種)と記す。)を分子又は原子のスケールで形成し、これらを絶縁層の被形成面へ付着させることができる。そのため、単位面積1cm当たりに形成されている細孔の数が1000以下であり、緻密で連続的な(場合によっては結晶性を有する)絶縁層を形成することができる。
絶縁層の厚さが上記範囲内となるように絶縁層を形成することによって、絶縁層が緻密であっても絶縁層に対するLiイオンの透過性を確保できるため、インピーダンスの増加をより確実に防止できる電気化学デバイスを得ることができる。
本発明によれば、インピーダンスの増加及び短絡の発生を共に防止できる電気化学デバイス、及び電気化学デバイスの製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(リチウムイオン二次電池)
図1は、本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態であるリチウムイオン二次電池1が備える発電要素60の模式断面図であり、図2は、リチウムイオン二次電池1の正面図である。図3は、図2のリチウムイオン二次電池1をX−X線に沿って切断した断面の模式図である。なお、図2、図3では、図示の便宜上、後述する絶縁層2を省略する。
図1〜図3に示すように、リチウムイオン二次電池1は、主として、互いに対向する板状の負極10及び板状の正極20と、負極10と正極20との間に隣接して配置される板状のセパレータ40と、を備える発電要素60と、リチウムイオンを含む電解質溶液(本実施形態では非水電解質溶液)と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出される負極リード12と、正極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出される正極リード22とから構成されている。
図1に示すように、負極10は、負極集電体16と、負極集電体16上に形成された負極活物質層18と、を有する。また、正極20は、正極集電体26と、正極集電体26上に形成された正極活物質層28と、を有する。セパレータ40は、負極活物質層18と正極活物質層28との間に位置している。
負極活物質層18の表面のうちセパレータ40に対向する面は、絶縁層2で被覆されている。さらに、負極活物質層18の端面も絶縁層2で被覆されている。絶縁層2表面の単位面積1cm当たりに形成されている細孔の数(以下、「開孔度」と記す。)は、0以上1000以下であり、好ましくは0〜700である。なお、本実施形態において、「細孔」とは、孔径が2〜1000nmである孔を意味する。
開孔度は、例えば、次のようにして求める。まず、セパレータ40に接触していない状態にある絶縁層2の表面をTEM(透過型電子顕微鏡)又はSEM(走査型電子顕微鏡)等の電子顕微鏡で観察する。なお、電子顕微鏡の分解能は0.2nm(TEM)、1.5nm(SEM)程度である。電子顕微鏡で観察される2700nm〜150μmの領域(以下、「観察領域」と記す。)内に形成されている細孔の数を計測する。このような計測を複数の観察領域で行い、各観察領域で計測された細孔の数を求め、これから下記式(1)により開孔度を算出する。なお、観察領域の数(サンプル数)、観察領域同士の位置関係は、絶縁層2の全面積、形状等に応じて適宜設定する。
開孔度={(観察領域1の細孔の数)/(観察領域1の面積)+(観察領域2の細孔の数)/(観察領域2の面積)+・・・+(観察領域nの細孔の数)/(観察領域nの面積)}/n・・・式(1)
なお、上記式(1)中で、nは観察領域の数(サンプル数)であり、観察領域の面積の単位はcmで表す。
本実施形態では、絶縁層2は、その開孔度が1000以下であり、従来の電池が備える多孔質の絶縁層に比べて緻密で、細孔の数が少ない。換言すれば、本実施形態における絶縁層2は、従来の多孔質の絶縁層に比べて、実質的な連続体である。そのため、本実施形態では、従来のように多孔質の絶縁層を電極表面に備える電池に比べて、細孔におけるLiデンドライトの形成が抑制される。また本実施形態では、負極活物質層18の表面のうちセパレータ40に対向する面が、絶縁層2で被覆されているため、負極10と異物とが直に接触することが防止され、また負極10と正極20とが直に接触することも防止される。以上の理由から、本実施形態では、インピーダンスの増加及び短絡を共に防止できる。
細孔の孔径は、2〜1000nmである。これにより、本発明の効果を得易くなる。細孔の孔径が小さ過ぎる場合、絶縁層2に対するLiイオンの透過性が低下して、インピーダンスが増加する傾向があり、細孔の孔径が大き過ぎる場合、デンドライトが形成され易くなり、インピーダンスの増加及び短絡を防止する効果が小さくなる傾向がある。
本実施形態では、負極集電体16の表面のうち負極活物質層18に被覆されていない面(負極集電体16の端部)も、絶縁層2で被覆されている。そのため、リチウムイオン二次電池1が外部から加えられた力によって変形するような場合であっても、負極集電体16と正極集電体26とが直に接触し難くなり、これらの短絡をより確実に防止できる。なお、負極集電体16の表面のうち負極活物質層18に被覆されていない面のうち、後述する負極リード12と接続する部分には、絶縁層2が形成されていない。
絶縁層2の厚さは、1〜1000nmであり、10〜100nmであることがより好ましく、20〜70nmであることが更に好ましく、30〜50nmであることが特に好ましい。
絶縁層2を上記範囲内に薄くすることによって、絶縁層2が緻密であっても絶縁層2に対するLiイオンの透過性を確保できるため、インピーダンスの増加をより確実に防止できる。絶縁層2の厚さが小さ過ぎる場合、絶縁層2の絶縁性が低下したり、Liデンドライトの形成を抑制する効果が低下したりする傾向がある。絶縁層2の厚さが大き過ぎる場合、絶縁層2に対するLiイオンの透過性が低下して、インピーダンスの増加を抑制する効果が小さくなる傾向がある。
絶縁層2を構成する物質としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化けい素(SiO、1<x≦2)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化すず(SnO、1<x≦2)が挙げられ、これらを組み合わせて用いてもよい。これらの酸化物は、リチウムイオンを吸蔵、放出する酸化物であってもそうでなくても良い。リチウムイオンを吸蔵すると酸化物は電子伝導性を少し帯びると考えられるが、金属並みの良伝導体にはならないので、本発明の効果を損なうことにはならない。また、絶縁層2は、一般式ZrO(xは正の実数)で表される酸化アルミニウム、又は一般式Al(yは正の実数)で表される酸化アルミニウムを含むことが好ましく、酸化アルミニウム単独又は酸化ジルコニウム単独からなることがより好ましい。
絶縁層2に酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムを含有させることによって、絶縁層2が緻密になり易く、絶縁層2が酸化アルミニウム単独又は酸化ジルコニウム単独からなることによって、絶縁層2がより緻密になり易い。そのため、Liデンドライトの形成をより確実に抑制できると共に、絶縁層2の絶縁性を確保し易くなり、インピーダンスの増加及び短絡をより確実に防止できる。
負極10の負極活物質層18は、主として、負極活物質と、結着剤(バインダー)とから構成されている。また、負極活物質層18は、更に導電助剤を含有していることが好ましい。
負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の負極活物質を使用できる。このような活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn、Si等のリチウムと化合することのできる金属、SiO(1<x≦2)、SnO(1<x≦2)等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)、TiOが挙げられる。
負極に用いられる結着剤としては、公知の結着剤を特に制限なく使用することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)等のフッ素樹脂・フッ素ゴムが挙げられる。
更に、上記の他に、結着剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。また、導電性高分子を用いてもよい。
必要に応じて用いられる導電助剤としては特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属粉、炭素材料及び金属粉の混合物、ITOのような導電性酸化物が挙げられる。
正極活物質層28は、主として、正極活物質と、結着剤(バインダー)とから構成されている。また、正極活物質層28は、更に導電助剤を含有していることが好ましい。
正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素またはVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)等の複合金属酸化物が挙げられる。
正極20に用いられる結着剤としては、負極10に用いられる結着剤と同様のものを使用することができる。また、正極20に必要に応じて用いられる導電助剤としては、負極10に用いられる導電助剤と同様のものを使用することができる。
負極集電体16及び正極集電体26は、負極活物質層18及び正極活物質層28への電荷の移動を充分に行うことができる良導体であって、負極集電体の場合はリチウムと合金を作らないもの、正極集電体の場合は腐食しないものであれば特に限定されない。例えば、負極集電体16及び正極集電体26としては、それぞれ銅、アルミニウム等の金属箔が挙げられる。
負極集電体16は、負極リード12の一端に電気的に接続され、図2に示すように、負極リード12の他端がケース50の外部に延びている。また、正極20の正極集電体26は、正極リード22の一端に電気的に接続され、図2に示すように、正極リード22の他端がケース50の外部に延びている。
シール部50に接触する負極リード12の部分には、負極リード12とケース50の金属層との接触を防止するための絶縁体14が被覆され、シール部50に接触する正極リード22の部分には、正極リード22とケース50の金属層との接触を防止するための絶縁体24が被覆されている。また、絶縁体14、24の他の役目は、ケース50の最内層とリード12、22との密着性を向上させるためでもある。
負極10と正極20との間に配置されるセパレータ40は、電子的絶縁性を有する多孔体から形成されていれば特に限定されない。かかるセパレータ40としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や、上記高分子の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも一種の構成材料からなる繊維不織布等が挙げられる。
電解質溶液(図示せず)はケース50の内部空間に充填され、その一部は、負極10、正極20、及びセパレータ40の内部に含有されている。電解質溶液は、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解質溶液が使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)等の塩が使用される。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、電解質溶液は、高分子等を添加することによりゲル状としてもよい。
リチウム塩を溶解する有機溶媒は、例えば、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、ラクトン類、エステル類などの単独溶媒または混合溶媒を使用することができる。より具体的には、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
ケース50は、図3に示すように、互いに対向する一対のフィルム(第1のフィルム51及び第2のフィルム52)を用いて形成されている。対向して重なるフィルムの縁部は、接着剤又はヒートシールによって封止され、シール部50Aを形成している。
第1のフィルム51及び第2のフィルム52を構成するフィルムは、可とう性を有するフィルムである。これらのフィルムは、可とう性を有するフィルムであれば特に限定されないが、ケースの十分な機械的強度と軽量性とを確保しつつ、ケース50外部からケース50内部への水分や空気の侵入及びケース50内部からケース50外部への電解質成分の逸散を効果的に防止する観点から、発電要素60に接触する高分子製の最内部の層と、最内部の層の発電要素と接する側の反対側に配置される金属層とを少なくとも有することが好ましい。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
上述したリチウムイオン二次電池1は、例えば、以下の手順で製造できる。
まず、負極集電体16と、負極集電体16上に形成された負極活物質層18と、を備える負極10を作製する。また正極集電体26と、正極集電体26上に形成された正極活物質層28と、を備える正極20を作製する。
次に、負極10が備える負極活物質層18の表面、及び負極集電体16の表面のうち負極活物質層18に被覆されていない面(負極集電体16の端部表面)に対して、アークプラズマ法を用いて絶縁層2を構成する成分を供給する。これにより、負極活物質層18の表面及び負極集電体16の端部表面に絶縁層2を形成する。なお、負極集電体16の表面のうち、後工程において負極リード12を接続する部分には、絶縁層2を形成しない。
アークプラズマ法を用いることによって、絶縁層2のスピーシーズ(化学種)を分子又は原子のスケールで形成し、これらを絶縁層2の被形成面(負極活物質層18の表面及び負極集電体16の端部表面)へ付着させることができる。また、アークプラズマ法では、絶縁層2の被形成面の被覆レートが、被形成面へのスピーシーズの到達確率のみに依存する。そのため、単位面積1cm当たりに形成されている細孔の数が1000以下であり、緻密で連続的な(場合によっては結晶性を有する)絶縁層2を、均一な厚さで、且つ短時間に形成することができる。なお、仮にアークプラズマ法ではない蒸着法で絶縁層を形成した場合、絶縁層2のスピーシーズが、未分解の多分子クラスタ又は結晶子として、絶縁層の被形成面に到達し、絶縁層2にピンホールが形成され易くなるため、得られる絶縁層の厚みが不均一となり、また絶縁層が負極から剥離し易くなると共に、絶縁層2の開孔度を1000以下とすることが困難となる。また、絶縁層の成分を含む塗料を負極活物質層18の表面に塗布し、これを乾燥することによって絶縁層を形成した場合、絶縁層の開孔度が1000を超え、絶縁層が疎な多孔体となる傾向がある。
具体的なアークプラズマ法としては、例えば、アークプラズマガン装置を用いる方法が挙げられる。アークプラズマガン装置では、成膜用チャンバー(絶縁層形成用チャンバー)内に、アークプラズマガンと、被成膜体(負極10)とが、設置される。アークプラズマガンの照準は、絶縁層2の被形成面(負極10の負極活物質層18)に合わせる。アークプラズマガンが備える陰極の近傍には、絶縁層2のスピーシーズを形成するための金属材料(例えば、金属アルミニウム又は金属ジルコニウム等)を、陽極(ターゲット)として設置する。また、成膜用チャンバー内には、スピーシーズを形成するためのガス(例えば、酸素ガス等)を充填する。このような状態で、アークプラズマガンが備える陰極と陽極(金属材料)との間でアーク放電を行うことによって、金属材料及びチャンバーに充填されたガスがプラズマ(スピーシーズ)となる。このプラズマが絶縁層2の被形成面に付着することによって、絶縁層2が形成される。
絶縁層2の開孔度は、絶縁層2のスピーシーズを形成するための金属材料及びガスの種類に応じて、アーク放電の電圧、ガス圧、被成膜体の温度、ターゲットと被成膜体との距離、被成膜体の回転数、アークプラズマを発生する間隔、アークプラズマの発生(ショット)数、プラズマを発生させるときのコンデンサー容量を適宜調整するによって制御することができる。例えば、酸化アルミニウムからなる絶縁層2を形成する場合、絶縁層2の開孔度を1000以下とするためには、アーク放電の電圧=200V、酸素ガス圧=1〜20Pa、被成膜体の温度=100〜500℃、ターゲットと被成膜体との距離=100〜300mm、被成膜体の回転数=1〜50rpm、アークプラズマを発生する間隔=0.1〜10Hz、アークプラズマの発生(ショット)数=10〜100000ショット、アークプラズマ装置のコンデンサー容量=1000〜20000μFとすることが好ましい。また、酸化ジルコニウムからなる絶縁層2を形成する場合、絶縁層2の開孔度を1000以下とするためには、酸化アルミニウムの場合と同条件とすることが好ましい。
絶縁層2は、その厚さが、1〜1000nm、より好ましくは10〜100nm、更に好ましくは20〜70nm、特に好ましくは30〜50nmとなるように形成することが好ましい。なお、絶縁層2の厚さは、上述のアークプラズマガンのショット数を適宜設定することにより、所望の厚さとすることができる。
次に、絶縁層が形成された負極10及び正極20それぞれに対して、負極リード12及び正極リード22を電気的に接続する。その後、負極10と正極20との間に、セパレータ40を接触した状態で配置し、発電要素60を形成する。このとき、負極10の負極活物質層18側の面、及び正極20の正極活物質層28側の面が、セパレータ40と接触するように配置する。
次に、重ね合わせた第1のフィルム51及び第2のフィルム52の縁部を、接着剤又はヒートシールによって封止(シール)して、ケース50を作製する。このとき、後工程において発電要素60をケース50中に導入するための開口部を確保するために、一部封止を行わない部分を設けておく。これにより開口部を有した状態のケース50が得られる。
開口部を有した状態のケース50の内部に、負極リード12及び正極リード22が電気的に接続された発電要素60を挿入し、更に電解質溶液を注入する。続いて、負極リード12、正極リード22の一部をそれぞれケース50内に挿入した状態で、ケース50の開口部を封止することにより、リチウムイオン二次電池2が完成する。
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、リチウムイオン二次電池1が、ケース50の内部に、図4に示す発電要素60aを備えても良い。発電要素60aが有する負極10aでは、負極集電体16の両面に負極活物質層18が形成されている。さらに、両方の負極活物質層18の表面、及び負極集電体16の端部が、絶縁層2で被覆されている。また、発電要素60aが有する正極20aでは、正極集電体26の両面に正極活物質層28が形成されている。このように、集電体の両面に活物質層を備える負極10a及び正極20aがセパレータ40を介して積層された構造を有する発電要素60aを備えるリチウムイオン二次電池1では、上記本発明の効果を奏することができると共に、電池の出力又は容量が向上する。
また、上記実施形態では、負極活物質層18の表面のうちセパレータ40に対向する面、及び負極集電体16の表面のうち負極活物質層18に被覆されていない面に絶縁層2が形成されているが、正極活物質層28の表面のうちセパレータ40に対向する面、及び正極集電体26の表面のうち正極活物質層28に被覆されていない面に絶縁層2が形成されていてもよい。この場合も上記本発明の効果を奏することができる。なお、Liデンドライトは負極10側に形成され易いことから、絶縁層2は、正極活物質層28の表面よりは負極活物質層18の表面に形成されている方が、本発明の効果を得易くなる。また、負極活物質層18の表面及び正極活物質層28の表面の両方に絶縁層2が形成されていてもよい。
また、上記実施形態の説明においては、電気化学デバイスがリチウムイオン二次電池の場合について説明したが、本発明の電気化学デバイスはリチウムイオン二次電池に限定されるものではなく、金属リチウム二次電池等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、リチウムキャパシタ等の電気化学キャパシタ等であってもよい。また、本発明の電気化学デバイスは、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途にも使用することが可能である。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、上述な形状のものに限定されず、円筒形等の形状でもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、負極集電体として、厚さ15μm、幅100mmである板状の銅箔のリールを準備した。この負極集電体の片面に、厚さ50μmの負極活物質層を塗布形成し、乾燥後、圧延して負極を作製した。負極活物質には、天然黒鉛を用いた。また、正極集電体として、厚さ15μm、幅100mmのアルミニウムのリールを準備した。この正極集電体の片面に、厚さ50μmの正極活物質層を塗布形成し、乾燥後、圧延して正極を作製した。正極活物質としては、LiCoOを用いた。
次に、以下に示すように、アークプラズマガン装置(アルバック社製、型式:UEP−2000−APG−1)を用いて、負極が備える負極活物質層の表面に絶縁層を形成した。
アークプラズマガン装置では、陽極(ターゲット)として金属ジルコニウムを成膜用チャンバー内に設置した。また、成膜用チャンバー内におけるアークプラズマガンと負極活物質層の表面との距離は200mmとした。また、スピーシーズを形成するためのガスとして、酸素ガス(ガス圧5Pa)を成膜用チャンバー内に導入した。このような状態で、アークプラズマガンの陰極と陽極(金属材料)との間に200Vの電圧を印加してアーク放電を行うことによって、プラズマを発生させ、このプラズマを負極活物質層の表面に照射(ショット)した。ショット1回当たりの時間は0.5秒であり、1785回ショットを行った。すなわち、絶縁層の形成時間(成膜時間)を892.5秒とした。
絶縁層を形成した後の負極を、EDS(エネルギー分散型X線分光法)によって分析した結果、負極活物質層の表面に、化学式ZrO(xは正の実数)で表される酸化ジルコニウムからなる絶縁層が形成されていることが確認された。また、絶縁層を形成した後の負極の断面を、TEMで観察した結果、絶縁層の厚さは、均一であり、その平均値は50nmであることが確認された。
次に、絶縁層表面の単位面積1cm当たりに形成されている細孔の数(開孔度)を、以下に示す方法により計測した。なお、細孔とは、孔径が2〜1000nmである孔を意味する。開孔度の計測には、SEM及びTEMを用いた。SEM及びTEMで観察される2700nm〜150μmの観察領域内に形成されている細孔の数を計測した。このような計測を複数の観察領域で行い、各観察領域で計測された細孔の数を求め、下記式(1)により、開孔度を算出した。
開孔度={(観察領域1の細孔の数)/(観察領域1の面積)+(観察領域2の細孔の数)/(観察領域2の面積)+・・・+(観察領域nの細孔の数)/(観察領域nの面積)}/n・・・式(1)
なお、上記式中で、サンプル数nは5とし、観察領域の面積の単位はcmとした。
以上の方法により計測された開孔度は、50であった。
次に、絶縁層が形成された負極及び正極それぞれに対して、負極リード及び正極リードを電気的に接続し、負極と正極との間に、厚さが20μmであるセパレータを接触した状態で配置し、発電要素を形成した。このとき、負極活物質層及び正極活物質層がそれぞれセパレータと接触するように配置した。また、セパレータとしては、ポリエチレン製セパレータを用いた。
電池のケースの内部に、発電要素を挿入し、更に電解質溶液を注入した。電解質溶液としては、EC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)との混合溶媒(ECとDECの体積比は3:7)にLiPFを1Mの濃度に溶解させたものを用いた。続いて、負極リード、正極リードの一部をそれぞれケース内に挿入した状態で、ケースの開口部を真空封止することにより、容量が100mAhである実施例1のリチウムイオン二次電池を完成させた。
(実施例2〜5、比較例1)
絶縁層の平均厚さ及び開孔度を表1に示す値としたこと以外は実施例1と同様に、実施例2〜5及び比較例1の各リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2)
比較例2のリチウムイオン二次電池として、絶縁層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様のリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例3)
比較例3では、平均粒径0.1μmのZrO粒子と、バインダー(PVDF(ポリふっ化ビニリデン))と、有機溶媒であるNMP(N−メチル−ピロリジノン)とを混合して得た塗料を負極活物質層の表面に塗布したものを乾燥し、有機溶媒を除去することによって、平均厚さ700nmの絶縁層を形成した。絶縁層の形成に要した時間は、約半日であった。また、比較例3の絶縁層の開孔度は3152であった。これらの事項以外は実施例1と同様に、比較例3のリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例4、5)
比較例4、5の各リチウムイオン二次電池として、絶縁層の平均厚さ及び開孔度を表1に示す値としたこと以外は比較例3と同様のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例6〜10、比較例6)
実施例6〜10及び比較例6では、アークプラズマガンの陽極(ターゲット)として金属アルミニウムを用い、アークプラズマガンが備える陰極と陽極との間に200Vの電圧を印加してアーク放電を行うことによって、化学式Al(yは正の実数)で表される酸化アルミニウムからなる絶縁層を負極活物質層の表面に形成した。また、実施例6〜10及び比較例6では、絶縁層の平均厚さ及び開孔度を、表1に示す値とした。これらの事項以外は実施例1と同様に、実施例6〜10及び比較例6の各リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例7〜9)
比較例7〜9の各リチウムイオン二次電池として、平均粒径0.1μmのZrO粒子の代わりに平均粒径0.1μmのAl粒子を用い、絶縁層の平均厚さ及び開孔度を表1に示す値としたこと以外は、比較例3と同様のリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例10)
スパッター法を用いて、化学式ZrO(xは正の実数)で表される酸化ジルコニウムからなる絶縁層を負極活物質層の表面に形成し、絶縁層の平均厚さ及び開孔度を表1に示す値としたこと以外は実施例1と同様に、比較例10のリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例11)
スパッター法を用いて、化学式Al(yは正の実数)で表される酸化アルミニウムからなる絶縁層を負極活物質層の表面に形成し、絶縁層の平均厚さ及び開孔度を表1に示す値としたこと以外は実施例1と同様に、比較例11のリチウムイオン二次電池を作製した。
(リチウムイオン二次電池の評価)
実施例1〜10及び比較例1〜11の各リチウムイオン二次電池のインピーダンス(内部抵抗)を測定した。結果を表1に示す。また、実施例1〜10及び比較例1〜11の各リチウムイオン二次電池に対して釘刺し試験を行った。釘刺し試験では、各電池を4.2Vまで充電した後、各電池に釘を貫通させた。釘の貫通によって電池が発熱した際に、電池表面における最高温度(以下、「釘刺し温度」と記す。)を測定した。結果を表1に示す。なお、釘刺し温度が低いほど、電池の負極と正極とは短絡し難い。
Figure 0005200585
表1の結果から、開孔度が1000以下である実施例1〜10では、インピーダンス及び釘刺し温度のいずれも低いことが確認された。一方、絶縁層を備えない比較例2、開孔度が1000を超える比較例1、3〜11では、インピーダンス又は釘刺し温度のいずれかが、実施例1〜10よりも高くなった。すなわち、比較例1〜11では、インピーダンスと釘刺し温度とを共に低くすることはできないことが確認された。
本発明の一実施形態であるリチウムイオン二次電池が備える発電要素の模式断面図である。 本発明の一実施形態であるリチウムイオン二次電池の正面図である。 図2に示すリチウムイオン二次電池を図2のX−X線に沿って切断した模式断面図である。 本発明の他の実施形態であるリチウムイオン二次電池が備える発電要素の模式断面図である。
符号の説明
1・・・リチウムイオン二次電池(電気化学デバイス)、2・・・絶縁層、10・・・負極、12・・・負極リード、14・・・絶縁体、16・・・負極集電体、18・・・負極活物質層、20・・・正極、22・・・正極リード、24・・・絶縁体、26・・・正極集電体、28・・・正極活物質層、40・・・セパレータ、50・・・ケース、60・・・発電要素。

Claims (5)

  1. 正極集電体と、正極活物質を含む正極活物質層と、を有する正極と、
    負極集電体と、負極活物質を含む負極活物質層と、を有する負極と、
    前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に位置するセパレータと、
    前記負極、前記正極、及び前記セパレータに接触している電解質と、を備え、
    前記正極活物質層の表面のうち前記セパレータに対向する面、及び前記負極活物質層の表面のうち前記セパレータに対向する面、の少なくとも一方の面が、絶縁層で被覆され、
    前記絶縁層表面の単位面積1cm当たりに形成されている細孔の数が0以上1000以下であり、
    前記細孔の孔径が2〜1000nmであり、
    前記絶縁層の厚さが1〜1000nmであり、
    前記細孔の数が少ないほど、前記絶縁層が薄く、
    前記細孔の数が0であるとき、前記絶縁層の厚さが1nmである、
    電気化学デバイス。
  2. 前記絶縁層が酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムを含む、請求項に記載の電気化学デバイス。
  3. 前記正極集電体の表面のうち前記正極活物質層に被覆されていない面、又は前記負極集電体の表面のうち前記負極活物質層に被覆されていない面が、前記絶縁層で被覆されている、請求項1又は2に記載の電気化学デバイス。
  4. 前記正極活物質層の端面、及び前記負極活物質層の端面、の少なくともいずれかが、前記絶縁層で更に被覆されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の電気化学デバイス。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電気化学デバイスの製造方法であって、
    前記正極活物質層の表面のうち前記セパレータに対向する面、及び前記負極活物質層の表面のうち前記セパレータに対向する面、の少なくとも一方の面に、アークプラズマ法を用いて前記絶縁層を構成する成分を供給することによって、前記絶縁層を形成する工程を備え
    前記絶縁層の厚さが1〜1000nmとなるように前記被覆層を形成する、
    電気化学デバイスの製造方法。
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