JP5200381B2 - Ponシステムの局側装置、受信部、クロック及びデータ再生部、及び、ponシステムの上り方向通信方法 - Google Patents
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Description
しかし、上り方向の伝送レートが複数種類であるマルチレートPONシステムの局側装置に上記再生回路を適用すると、時分割多重されて各端末装置から送信されるマルチレートバーストパケットを局側装置が受信した際に、パケット選択回路が所望の伝送速度以外のパケットを全て排除するため、同一のクロック及びデータ再生回路おいてマルチレートパケットを連続して再生できなくなる。
また、上り方向通信の場合、ある伝送レートでの同期が確立されるまでの時間内には、他の伝送レートにおいて有効なデータ通信が行えないので、この時間が長いほど上り方向通信の効率が悪くなる。
この場合、上記制御器が、管理部が特定した伝送レートを表すレート選択信号に基づいてクロック及びデータ再生回路を作動させるので、伝送レートの切り替えを迅速に行うことができる。そして、このレート選択信号は管理部が生成する信号であるから、局側装置が受信する上り信号の伝送レートを判定する回路を別途設ける必要がなく、回路構成が容易になる。
このため、レート選択信号の検出のみに基づいてクロック及びデータ再生回路の作動開始時を決定すると、実際の上り信号の受信時とは異なるタイミングでクロック及びデータ再生回路の作動が開始されてしまう恐れがある。
この場合、レート選択信号とデータ検出信号がアンド条件で揃った時にクロック及びデータ再生回路の作動が開始されるので、その作動開始時と実際の上り信号の受信タイミングとの時間差をほぼ無くすことができ、クロック及びデータ再生回路の作動開始時をより正確に設定することができる。なお、かかるデータ検出信号は、再生部の前段に設けられる光受信部の増幅器に生成させることができ(図5参照)、この場合、新たな検出回路を設ける必要がなく、回路構成が容易になる。
この場合、前記制御器が、前記レート選択信号で選択されていない前記クロック及びデータ再生回路の作動ループを前記周波数ロックループに切り替えるようにすれば、当該クロック及びデータ再生回路が想定する伝送レート以外の信号(ノイズを含む)が入力されている間は、上記周波数ロックループによって自己の発振周波数を安定化することができ、想定外の信号の入力によって発振周波数が乱れるのを防止することができる。
この場合、クロック及びデータ再生部の後段の回路ブロックに対して、高速なシリアル信号ではなく低速のパラレル信号が送信されることになるので、後段の回路ブロックにおいて再度クロック及びデータの再生を行う必要がなくなり、後段の回路ブロックの負担を軽減させることができる。また、複数あるクロック及びデータ再生回路のそれぞれがデシリアライザを備えることにより、一つのデシリアライザを共用した場合に生じ得る、伝送レートの切り替え時の乱れを回避することができる。
また、そのように特定された時期及び伝送レートに合わせてその伝送レートに対応するクロック及びデータ再生回路を作動させることにより、各々のクロック及びデータ再生回路が、上り信号に対して自己の発振周波数を位相同期させてその上り信号からクロック及びデータ再生を行うので、各伝送レートの上り信号に対して迅速に同期を確立することができる。
なお、上記管理部が再生部の各クロック及びデータ再生回路に対して行う作動タイミングの設定は、前述の通り、例えば、各端末装置に付与するグラントに対応する次の上り信号を受信する時期及びその伝送レートを再生部に送ることによって行うことができる。
〔PONシステムの全体構成〕
図1において、局側装置1は、複数の端末装置2〜4に対する集約局として設置される。端末装置2〜4はそれぞれ、PONシステムの加入者宅に設置される。局側装置1に接続された伝送路である一本の光ファイバ5(幹線)から光カプラ6を介して複数の光ファイバ(支線)7〜9に分岐した構成を成す光ファイバ網(5〜9)が構成され、分岐した光ファイバ7〜9の終端にそれぞれ端末装置2〜4が接続されている。更に、局側装置1は上位ネットワーク11と接続され、端末装置2〜4はそれぞれのユーザネットワーク12〜14と接続されている。
図1において、各端末装置2〜4から局側装置1への上り方向には波長λ1でデータが送信される。逆に、局側装置1から端末装置2〜4への下り方向には波長λ2でデータが送信される。これらの波長λ1及びλ2は、IEEE規格802.3ah−2004のClause60に基づいて、以下の範囲の値とすることができる。
1260nm≦λ1≦1360nm
1480nm≦λ2≦1500nm
一方、局側装置1における下り方向通信の伝送レートはD[Gbps]1種類であり、Dの値は例えば1である。なお、本実施形態では端末装置を3台として、互いに異なる3種類の伝送レートとしたが、端末装置の台数及び異なる伝送レートの数は種々のパターンがあり得る。
図2は、上記PONシステムを構成する局側装置1の内部構成の概略を示すブロック図であり、局側装置1内の各部(101〜115)は、図示のように接続されている。
図2において、上位ネットワーク11からのフレームは、上位ネットワーク側受信部101により受信され、データ中継処理部103に送られる。データ中継処理部104は、PON側送信部105へフレームを渡し、これが、光送信部108において下り方向の光信号(下り信号:波長λ2及び伝送レートD[Gbps])に変換され、合分波部110を介して端末装置2〜4に送られる。
光受信部109は、光電変換素子111及び増幅器112を内部に備えている。光電変換素子111は、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオード等の半導体受光素子であり、受光量に応じた電気信号を出力する。増幅器112は、電気信号を増幅して出力し、その出力信号はPON側受信部107に入力される。
物理層符号化/復号化部114は、再生されたデータに施されている符号を復号する。フレーム再生部115は、復号されたデータからフレームの境界を検出して例えば、イーサネット(登録商標)フレームを復元する。
なお、制御情報の例として、IEEE規格802.3ah−2004のClause 64に記載のMPCP(Multi-point Control Protocol) PDU(Protocol Data Unit)を挙げることができる。局側装置1が端末装置2〜4に対して上り方向データの送出開始時刻および送出許可量を指示するため制御情報であるグラントや、端末装置2〜4が局側装置1に対して上り方向データの蓄積量に関する値を通知するための制御情報であるレポートは、このMPCP PDUの一種である。
また、上記判定の結果、フレームがレポートフレームであれば、フレーム再生部115はこれを制御信号処理部104に送る。制御信号処理部104はこのレポートに基づいて、制御情報としてのグラントフレームを生成し、これが、PON側送信部105及び光送信部108から合分波部110を介して、波長λ2、伝送レートD[Gbps]で、下り方向に送信される。
そして、特定された伝送レートは、光受信部109及びPON側受信部107に通知される。光受信部109及びPON側受信部107は、その時期に合わせて、特定された伝送レート用のものとして受信機能を対応させることができる。
例えば、端末装置2〜4が同一の線路条件で接続されており(必要な光のパワーバジェットが同じであり)、同じビット誤り率の伝送品質を満足させなければならないような場合において、端末装置2,3と比較して伝送レートが高い端末装置4から受信するとき、光受信部109のゲインを下げ、帯域を拡げる。
さらにまた、1.25Gbps及び10.3125Gbpsに対してそれぞれ8B/10B符号及び64B/66B符号で物理層符号化/復号化を行うことが前提となっている場合には、次のバーストに対して使用すべき復号化回路を簡単かつ確実に選択することができる。
また、光受光部109の増幅器112は、上り信号が当該増幅器112に入力されたことを示すデータ検出信号S2を生成し、その生成と同時に当該検出信号S2をPON側受信部107のクロック・データ再生部113に送信する。
図3は、端末装置2(伝送レートL[Gbps])について、その内部構成の概略を示すブロック図であり、端末装置2内の各部(201〜209)は、図示のように接続されている。
図3において、局側装置1(図1)から下り方向に送信されて来る光信号は、合分波部201を通過して、光受信部202により電気信号に変換され、さらに、この電気信号はPON側受信部204により受信される。
判定の結果、自己宛であれば当該フレームを取り込み、そうでなければ当該フレームを廃棄する。例えば、上記の宛先判定を行うためのヘッダ情報の例として、IEEE規格802.3ah−2004に記載の論理リンク識別子(LLID)を挙げることができる。
判定の結果、データフレームであれば、PON側受信部204はこれをデータ中継処理部207に送る。データ中継処理部207は、ユーザネットワーク側送信部208に対する送信制御等の所定の中継処理を行い、処理後のフレームはユーザネットワーク側送信部208からユーザネットワーク12へ送出される。
また、上記判定の結果、フレームがグラントフレームであれば、PON側受信部204はこれを制御信号処理部206に転送する。制御信号処理部206は、グラントフレームに基づいて上り方向の送出をデータ中継処理部207に指示する。
制御信号処理部206は、PON側送信部205に対して送信制御を行い、所定のタイミングで、バッファメモリに蓄積されているフレームをPON側送信部205に出力させるとともに、通知されたバッファメモリ内のデータ蓄積量に基づいてレポートフレームを作成してPON側送信部205に出力させる。PON側送信部203の出力は光送信部203で光信号に変換され、波長λ1、伝送レートL[Gbps]の信号として、合分波部201を介して上り方向に送信される。
図3の端末装置2(伝送レートL[Gbps])との相違は、制御信号処理部406と光受信部403との間に登録要求送信部411を設けた点と、PON側送信部405と登録要求送信部411とを送信部切替判定部410によって切り替えることができるようにした点、及び、この送信部切替判定部410は制御信号処理部406の指令を受けて送信部切替を行うようにした点である。
図5は、前記局側装置1のクロック・データ再生部113の回路構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、この再生部113は、複数種類の上り方向の伝送レートに対応して、その各伝送レートの上り信号からそれぞれクロック及びデータ再生を行う複数のクロック及びデータ再生回路51L,51Hを備えており、図5に示す例では、低速の伝送レートL[Gbps]用のクロック及びデータ再生回路51Lと、高速の伝送レートH[Gbps]用のクロック及びデータ再生回路51Hとが設けられている。
なお、更に中速の伝送レートM[Gbps]に対応するには、当該伝送レートM用のクロック及びデータ再生回路を並列的に追加すればよい。
光受信部109の増幅器112からの上り信号は、各クロック及びデータ再生回路51L,51Hの位相比較器53にそれぞれ入力される。この位相比較器53は、切り替え器54、ループフィルタ55及び発振器56とともに、上り信号のクロック及びデータ再生を行う位相ロックループ59を構成している。
各クロック及びデータ再生回路51L,51Hの切り替え器54は、位相ロックループ59又は周波数ロックループ60のいずれか一方に切り替えるためのスイッチング素子よりなり、アンド回路等の論理回路よりなる制御器61によってスイッチングされる。この制御器61は、前記レート選択信号S1とデータ検出信号S2がアンド条件で揃った時に、クロック及びデータ再生回路51L,51Hの作動ループが位相ロックループ59になるように切り替え器54をスイッチングする。
また、図6(b)に示すように、高速用のクロック及びデータ再生回路51Hの場合は、レート選択信号S1の識別符号がH(高速)になりかつデータ検出信号S2が立ち上がった時に、クロック及びデータ再生回路51Hの作動ループが位相ロックループ59に切り替わり、それ以外の時には、クロック及びデータ再生回路51Hの作動ループは周波数ロックループ60になっている。
また、増幅器112から入力される上り信号の伝送レートが高速Hの場合には、高速用のクロック及びデータ再生回路51Hの位相ロックループ59が作動し、高速の伝送レートHでのクロック及びデータ再生が行われ、このさい、低速用のクロック及びデータ再生回路51Lは周波数ロックループ60になっていて、自己の発振周波数を参照クロックに同期させている。
図7は、上記デシリアライザ58の回路構成の一例を示している。図7に示すように、本実施形態のデシリアライザ58は、複数のDフリップフロップ63よりなるシフトレジスタ64と、このシフトレジスタ64の後段に配置されたラッチ回路65とから構成されている。
このように、本実施形態のクロック・データ再生部113では、再生したデータをパラレル信号化して出力するデシリアライザ58を内蔵しているので、クロック・データ再生部113の後段の回路ブロックに対して、高速なシリアル信号ではなく低速のパラレル信号が送信される。このため、後段の回路ブロックにおいて再度クロック及びデータの再生を行う必要がなくなり、後段の回路ブロックの負担を軽減させることができる。
また、本実施形態のクロック・データ再生部113では、複数あるクロック及びデータ再生回路51L,51Hのそれぞれがデシリアライザ58を備えているので、一つのデシリアライザ58を共用した場合に生じ得る、伝送レートの切り替え時の乱れを回避できるという利点もある。
次に、上記のように構成されたPONシステムにおける動作手順について、図8のシーケンス図を参照して説明する。なお、このシーケンス図は、局側装置1と端末装置2(伝送レートL[Gbps])との間での動作についてのものであるが、他の端末装置3,4についても同様である。
図8において、局側装置1は、運用時間開始時刻T0の時点で端末装置2に関するRTT(Round Trip Time)を既に計算している。時刻Ta1において、局側装置1は送出要求量を通知させるために、端末装置2に対してレポート送出開始時刻Tb2を含んだグラント(グラントフレーム)G1を送信する。このレポート送出開始時刻Tb2は、他の端末装置3,4から送信されるレポートと衝突しないように計算される。
局側装置1はレポートR1を受信すると、固定または可変の最大送出許可量以下となり、かつ、レポートR1に含まれるバッファメモリ内データ量のデータをなるべく多く送れるような値を演算し、演算結果を送出許可量としてグラントG2に挿入する。
グラントG2に含まれる送出開始時刻Tb4は、演算済みである前回の端末装置データの受信予定時刻、前回の端末装置2の送出許可量、現在の端末装置2に関するRTT及び固定時間であるガードタイムを用い、データ及びレポートが他の端末装置3,4からのデータまたはレポートと衝突しないように計算される。
端末装置2は、自身に対するグラントG2を受信すると、グラントG2に含まれる送出開始時刻Tb4に、送出許可量分のデータDを、次回の送出要求量を含んだレポートR2とともに局側装置1に送出する。
局側装置1は、データD及びレポートR2を受信すると、データDを上位ネットワーク11に送出し、レポートR2についてはレポートR1に対する処理と同様の処理を行なう。以上説明したシーケンス処理は、全ての端末装置2〜4に対して独立に行なわれ、運用時間が終了するまで時刻Ta3〜時刻Ta4の処理が繰返される。
この図9では、分散割当方式の一例を示している。図の左側から右側へ時間が進行するものとして、局側装置1を主体として見たシステムの動作について説明する。
まず、局側装置1は、端末装置4,3,2に対してそれぞれ、グラントG41,G31,G21を順次送出する。そして局側装置1は、端末装置4,3,2からレポートR41,R31,R21を受信すると、最初にデータの送出を許可する端末装置4に対するグラントG42を送出する。
さらに、局側装置1は、端末装置3から送出されるデータD32及び次のレポートR33を受信するとともに、これと並行して、端末装置2に対するグラントG23を送出する。ここで、端末装置2から送出されるデータがなければ、局側装置1は、次のレポートR23のみを受信する。これ以降、同様の処理が繰返され、局側装置1は、順次端末装置2〜4に対して帯域を割当てて、データの受信を繰返す。
従って、端末装置内のバッファにおける待ち時間を、許容される時間内に抑えられるように、局側装置1は端末装置2〜4からの送出データ量を制御する必要がある。
従って、当該バースト到来時に、高速伝送レートHに対応した受信態勢が整っており、極めて迅速に同期を確立することができる。
従って、当該バースト到来時に、低速の伝送レートLに対応した受信態勢が整っており、極めて迅速に同期を確立することができる。
従って、本実施形態の送受信バースト判定部(管理部)106は、局側装置1が各端末装置2〜4に対して設定する時分割多重と同じ時系列で、各伝送レート(L,M,H)の上り信号の受信タイミングに合わせて、クロック・データ再生部112に設けられた複数のクロック及びデータ再生回路51L,51Hの作動タイミングを設定する管理部として機能する。
従って、上り方向の伝送レートがマルチレートである上り方向通信の通信効率を向上することができる。
また、光受信部109とPON側受信部107とからなる「受信手段」は、その時期に合わせて、特定された伝送レートに受信状態を対応させる機能を有する。
この場合、端末装置に与えるグラントに基づいて、次に受信する上り方向の信号の符号化の種類を、実際の受信前に知ることができる。また、その符号化の種類に受信機能を対応させた状態で信号を受信すれば、迅速に復号化を行うことができる。さらに、符号化されたものが誤り訂正符号であれば、端末装置の光送信パワーに関して、同じ送信パワーで伝送できる距離を伸ばすことが可能となる。
この場合、端末装置に与えるグラントに基づいて、次に受信する上り方向の信号の暗号化の種類を、実際の受信前に知ることができる。また、その暗号化の種類に受信機能を対応させた状態で信号を受信すれば、迅速に暗号解読を行うことができる。従って、特定の端末装置との通信の秘匿性を高めることができる。
以上説明した実施形態では、複数の端末装置2〜4が既にPONシステムに加入しているものと仮定している。ところが、実際には、局側装置1に認識されていない電源オフの状態から、電源オンにより局側装置1に認識され、PONシステムに加入する手順が存在する。
この手順はディスカバリプロセスと呼ばれるものであり、IEEE規格802.3ah−2004のClause 64に規定されている。以下、このディスカバリプロセスに関して説明する。
そこで、局側装置1は、電源オフ(未接続も含む。)から電源オンになり、PONシステムに加入しようとする端末装置(以下、未登録端末装置という。)を検出するためのディスカバリプロセスを周期的に実行し、未登録端末装置に応答の機会を与える。
図10において、局側装置は時刻T1においてディスカバリプロセスを開始し、下り方向にディスカバリゲートメッセージをブロードキャストする。
このディスカバリゲートメッセージには、これに対する応答が許されるディスカバリ期間の開始時刻と期間の長さの情報が含まれている。このディスカバリ期間は、ディスカバリウインドウと呼ばれ、例えば時刻T2からT4までの時間ΔTdとなる。
従って、仮に、PONシステムに加入しようとする未登録端末装置が複数あった場合でも、複数の未登録端末装置からの登録要求メッセージが相互に衝突する確率を低下させることができる。
次に、局側装置は、新たに登録した端末装置に対して、時刻T5において、登録メッセージを送信する。登録メッセージには、当該端末装置のLLIDと、局側装置が上り方向のバースト通信を受信する際に必要な同期時間の情報とが含まれている。
グラントを受信した未登録端末装置は、そのグラントを用いて時刻T7に登録アクノレッジを局側装置に送信し、これを局側装置が受信してディスカバリプロセスが終了となる。 その後は、通常のPONシステムの通信が開始される。
端末装置2〜4がPONシステムに加入した後の通常のPON通信では、前述のように、グラントに基づいて局側装置1の受信態勢を整える(受信機能を伝送レートに対応させる)ことができるが、未登録の段階ではこれができない。
そこで、局側装置1は、例えば以下のようにして、未登録端末装置からの上り方向通信(登録要求メッセージ)を受信する。
一方、図4に示す伝送レートHの端末装置4は、ディスカバリゲートメッセージを受け取ると、このメッセージを制御信号処理部406から送信部切替判定部410に送る。これにより、送信部切替判定部410は、送信機能をPON側送信部405から登録要求送信部411に切り替える。そして、制御信号処理部406は、登録要求送信部411から伝送レートLで、登録要求メッセージを送信させる。
同様に、通常のPON通信では伝送レートMの端末装置3が、登録要求メッセージ等に関しては、伝送レートLで送信を行う。
一方、局側装置1の次受信バースト判定部106は、ディスカバリゲートメッセージに対して、次に受信するバースト(登録要求メッセージ)の伝送レートLを、光受信部109及びPON側受信部107に通知する。通知を受けた光受信部109及びPON側受信部107は、受信機能を伝送レートLに対応させ、登録要求メッセージを待つ。
なお、登録アクノレッジに関しては、通常のPON通信の場合と同様に、その前に端末装置2〜4に対して与えられるグラントに基づいて、局側装置1の受信機能を伝送レートに対応させることができる。
2〜4 端末装置
5,7〜9 光ファイバ
106 次受信バースト判定部(管理部)
107 クロック・データ再生部(再生部)
51L クロック及びデータ再生回路
51H クロック及びデータ再生回路
58 デシリアライザ
59 位相ロックループ
60 周波数ロックループ
61 制御器
Claims (7)
- 光ファイバを介して一対多接続された複数の端末装置と共にPONシステムを構成し、当該端末装置から送信される複数の伝送レートの上り信号を時分割多重方式で受信する局側装置であって、
前記複数の伝送レートを記憶して前記端末装置に上り方向への通信のグラントを与えるとともに、当該グラントに対応する次の上り信号を受信する時期及びその伝送レートを特定する管理部と、
この管理部で特定された時期及び伝送レートに合わせて上り信号のクロック及びデータ再生を行う再生部と、を備えており、
前記再生部は、複数の伝送レートのうちの一つの伝送レートの上り信号に対して自己の発振周波数を位相同期させてその上り信号からクロック及びデータ再生を行うクロック及びデータ再生回路を、当該複数の伝送レートに対応して複数有するとともに、
前記管理部が特定した伝送レートを示す信号として当該管理部が生成したレート選択信号に基づいて、この選択信号に対応する前記クロック及びデータ再生回路を作動させる制御器を有することを特徴とする局側装置。 - 前記制御器は、前記レート選択信号と、上り信号が実際に到達したことを表すデータ検出信号との双方に基づいて、前記クロック及びデータ再生回路の作動を開始させる請求項1に記載の局側装置。
- 前記複数のクロック及びデータ再生回路は、位相同期方式によって上り信号のクロック及びデータ再生を行う位相ロックループと、自己の発振周波数を参照クロックに同期させる周波数ロックループとを備えており、
前記制御器は、前記レート選択信号で選択されていない前記クロック及びデータ再生回路の作動ループを前記周波数ロックループに切り替えるものである請求項1又は2に記載の局側装置。 - マルチレートのバースト信号を時分割多重方式で受信するPON受信部であって、
複数の伝送レートのうちの一つの伝送レートのバースト信号に対して自己の発振周波数を位相同期させてそのバースト信号からクロック及びデータ再生を行うクロック及びデータ再生回路を、当該複数の伝送レートに対応して複数備えており、
グラントに対応する次のバースト信号を受信する時期及び伝送レートに合わせてその伝送レートに対応する前記クロック及びデータ再生回路を作動させることにより、バースト信号のクロック及びデータ再生を行うことを特徴とするPON受信部。 - 複数の端末装置と光ファイバを介して一対多接続された局側装置が、前記端末装置から送信される複数の伝送レートの上り信号を時分割多重方式で受信するPONシステムの上り方向通信方法であって、
前記複数の伝送レートのうちのいずれか一つの伝送レートの上り信号に対して自己の発振周波数を位相同期させてその上り信号からクロック及びデータ再生を行うクロック及びデータ再生回路を、当該伝送レートに対応して複数用意しておき、
前記複数の伝送レートを記憶して前記端末装置に上り方向への通信のグラントを与えるとともに、当該グラントに対応する次の上り信号を受信する時期及びその伝送レートを特定し、
特定された時期及び伝送レートに合わせてその伝送レートに対応する前記クロック及びデータ再生回路を作動させることにより、上り信号のクロック及びデータ再生を行うことを特徴とするPONシステムの上り方向通信方法。 - 光ファイバを介して一対多接続された複数の端末装置と共にPONシステムを構成し、前記端末装置から送信される複数の伝送レートの上り信号を時分割多重方式で受信する局側装置であって、
複数の伝送レートのうちの一つの伝送レートの上り信号に対して自己の発振周波数を位相同期させてその上り信号からクロック及びデータ再生を行うクロック及びデータ再生回路を、当該複数の伝送レートに対応して複数備えた再生部と、
複数の前記クロック及びデータ再生回路の作動タイミングを各伝送レートの上り信号の受信タイミングに合わせて設定する管理部と、
を備えていることを特徴とする局側装置。 - マルチレートのバースト信号うちの一つの伝送レートのバースト信号に対して自己の発振周波数を位相同期させてそのバースト信号からクロック及びデータ再生を行うクロック及びデータ再生回路を、当該複数の伝送レートに対応して複数備えたクロック及びデータ再生部であって、
複数の前記クロック及びデータ再生回路の作動タイミングを各伝送レートのバースト信号の受信タイミングに合わせることを特徴とするクロック及びデータ再生部。
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