JP5169522B2 - バースト信号の受信装置と受信方法、及び、その受信装置を用いたponシステム - Google Patents

バースト信号の受信装置と受信方法、及び、その受信装置を用いたponシステム Download PDF

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本発明は、例えば、複数の宅側装置とともにPON(Passive Optical Network)システムを構成する局側装置のような、時分割で間欠的に送信されるバースト信号を受信する受信装置及び受信方法、並びに、その受信装置を用いたPONシステムに関する。
PONシステムは、集約局としての局側装置と、複数の加入者宅に設置された宅側装置とを、1本の光ファイバから光カプラを介して複数の光ファイバに分岐する光ファイバ網によって接続したものである(例えば、特許文献1参照)。
この場合、複数の宅側装置から局側装置への上り送信が同時に行われると、送信データが衝突するため、局側装置は、宅側装置に対して送信時期及び送信データ量に関する許可を与えるようになっている。各宅側装置は、局側装置からの許可を受けて、許可されたタイミングでかつ許可された量の上り送信を、局側装置に対して行う。
宅側装置から送信される上り信号(光信号)は2値信号に基づくバースト信号であり、局側装置が受信する上りバースト信号の強度は、局側装置と宅側装置との間の伝送距離や分岐数が各宅側装置の設置場所によって異なるため、一定ではない。
従って、局側装置には、種々の強度の光バースト信号が各宅側装置から時分割で間欠的に届くということになる。
上記光バースト信号を時分割で受信する局側装置の光受信装置は、光信号よりなるバースト信号を受信して電気信号のバースト信号に変換するフォトダイオードと、このフォトダイオードの出力するバースト信号を増幅する増幅器と、増幅されたバースト信号を閾値と比較して2値信号(デジタル信号)を出力する比較器とから構成される(例えば、特許文献2参照)。
かかる上りバースト信号は、先頭のプリアンブル区間と、それに続くデータ区間とによって構成されている。
特開2004−64749号公報(図4) 特開2005−175596号公報(図2)
上記PONシステムでは更なる高速化が望まれており、これに伴う種々の標準化も進展している。
例えばIEEE802.3avで標準化が進んでいる10G−EPONにおいては、送信信号に誤り訂正(FEC: Forward Error Correction)符号化を行い、受信側においてその符号化に対応する誤り訂正復号を行うことより、伝送速度の高速化に伴って不足するパワーバジェットを当該FECで補うようになっている。
そして、前述の通り、PONシステムにおいては、局側装置と宅側装置との間の伝送距離や分岐数によって線路の伝送損失が異なるため、局側装置が受信する上りバースト信号の信号強度が宅側装置ごとに異なる。そのため、宅側装置ごとに適正な誤り訂正能力を設定することが好ましい。
伝送損失が他より大きい宅側装置の場合には、他の伝送損失が小さい宅側装置に比べて誤り訂正能力を高めるために、より長い冗長コードを有する上りバースト信号が使用されることになる。
従って、伝送損失が大きいために誤り訂正能力が高い宅側装置が1つのPONシステムに含まれていると、その宅側装置があるために、システム全体の帯域の利用効率が悪化することになる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、誤り訂正能力が異なるバースト信号を受信する場合であっても、バースト信号の応答性を改善して帯域の利用効率の低下を緩和することができるバースト信号の受信装置等を提供することを目的とする。
本発明のバースト信号の受信装置(請求項1)は、誤り訂正能力が異なる複数種類のバースト信号を時分割で受信可能なバースト信号の受信装置であって、前記バースト信号のプリアンブル長の時間内において所定の時定数をもって前記バースト信号の振幅に追従するバースト受信部と、前記バースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定して、特定された前記誤り訂正能力と前記プリアンブル長を送信装置に通知し、前記バースト信号の受信時期に合わせて、特定された前記時定数にて前記バースト受信部を動作させる制御部と、を備えていることを特徴とする。
上記受信装置によれば、制御部が、バースト信号に適した誤り訂正能力と、この誤り訂正能力に適した時定数と当該バースト信号のプリアンブル長を予め特定し、特定された誤り訂正能力とプリアンブル長を送信装置に通知するとともに、そのバースト信号の受信時期に合わせて、特定された時定数にてバースト受信部を動作させるので、これから受信しようとするバースト信号の誤り訂正能力に適した時定数とプリアンブル長にて、当該バースト信号を受信することができる。
このため、時分割で受信する各バースト信号の誤り訂正能力が異なっていても、その冗長コードの変動に伴う帯域変動を、時定数とプリアンブル長の最適化によってカバーすることができ、帯域の利用効率を改善することができる。
前述の通り、ランダムに符号化された誤り訂正符号の訂正能力が高いほど、冗長コードが多くなって帯域の利用効率が悪化するが、この場合には、受信回路の時定数を短くしても特に差し支えがなく、その分だけプリアンブル長を短く設定することができる。
従って、本発明の受信装置において、前記制御部は、前記バースト信号の誤り訂正能力が高いほど、前記時定数と前記プリアンブル長がともに短くなるようにこれらを特定するものであることが好ましい(請求項2)。
この場合、時分割で受信する各バースト信号の一部に、他よりも誤り訂正能力が高いバースト信号が含まれていても、そのバースト信号の受信時期に合わせて、時定数とプリアンブル長がともに短い状態でバースト受信部を動作させることができるので、他よりも誤り訂正能力が高いバースト信号が含まれることによる、帯域の利用効率の悪化を緩和することができる。
本発明の受信装置において、前記バースト受信部の出力信号に対して誤り訂正復号を行う復号化部を備えている場合には、前記制御部は、前記バースト信号の受信時期に合わせて、当該バースト信号に対応する誤り訂正能力で前記復号化部を動作させるものを採用することができる(請求項3)。
この場合、制御部が、バースト信号の受信時期に合わせて、当該バースト信号に対応する誤り訂正能力で復号化部を動作させるので、時分割で受信する各バースト信号の誤り訂正能力が異なっていても、その各バースト信号に対応する適正な誤り訂正復号を行うことができる。
本発明のバースト信号の受信方法(請求項4)は、上記受信装置(請求項1)が行う受信方法であり、当該受信装置(請求項1)と同様の作用効果を奏する。
すなわち、この受信方法(請求項4)は、誤り訂正能力が異なる複数種類のバースト信号を時分割で受信するバースト信号の受信方法であって、前記バースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定して、特定した前記誤り訂正能力と前記プリアンブル長を送信装置に通知し、前記バースト信号の受信時期に合わせて、特定した前記時定数をもって前記バースト信号の振幅に追従した受信を行うことを特徴とする。
また、本発明の受信装置(請求項1)は、例えば、PONシステムの局側装置に採用することができ、かかる受信装置(請求項1)を採用した本発明のPONシステム(請求項5)は、当該受信装置(請求項1)と同様の作用効果を奏する。
すなわち、本発明のPONシステム(請求項5)は、前記局側装置が、前記上りバースト信号のプリアンブル長の時間内において所定の時定数をもって前記上りバースト信号の振幅に追従するバースト受信部と、前記バースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定して、特定された前記誤り訂正能力と前記プリアンブル長を宅側装置に通知し、前記バースト信号の受信時期に合わせて、特定された前記時定数にて前記バースト受信部を動作させる局側制御部と、を備えていることを特徴とする。
ところで、上記PONシステムにおいては、集約局である局側装置が各宅側装置の誤り訂正能力を把握している必要がある。しかし、未登録の宅側装置については、局宅間で何らかの情報交換を行わないと、局側装置は、宅側装置が送信する上りバースト信号の誤り訂正能力とプリアンブル長を把握することができない。
そこで、本発明のPONシステムにおいて、ディスカバリの手続中に局宅間での誤り訂正能力等に関する情報交換を行うようにすれば、局側装置がその情報を自動的に把握できるようになって好ましい。
例えば、前記宅側装置が、前記局側装置が送信した下り信号の強度の検出機能を有している場合には、検出された前記下り信号の強度を前記局側装置に通知し、通知された下り信号の強度に基づいて、前記局側装置が、前記上りバースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定するようにすればよい(請求項6)。
この場合、宅側装置は、例えばレポートに下り信号の強度を含めてその強度を局側装置に直接通知することができ、局側装置は通知された強度に基づいて、宅側装置との線路の伝送損失を見積もり、当該宅側装置が送信するバースト信号のプリアンブル長と誤り訂正能力を定めて当該宅側装置に通知することができる。宅側装置は、その局側装置からの通知に従って、送出する上りバースト信号のプリアンブル長と誤り訂正能力を設定する。
一方、下り信号の強度(受光レベル)は比較的容易に検出できるので、線路の伝送損失の推定を簡単に実装できるという利点があるが、伝送損失が大きくても局側装置における上りバースト信号の受信感度が良好であれば、エラーフリーで受信できる場合もあり得るので、線路の伝送損失だけを基準に誤り訂正能力を特定すると、不必要に誤り訂正を実施する恐れもある。
そこで、前記局側装置が、前記上りバースト信号に誤り訂正復号を行う場合の訂正数のカウント機能を有している場合には、カウントされた前記訂正数と前記宅側装置から通知された前記下り信号の強度に基づいて、前記上りバースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定することにしてもよい(請求項7)。
この場合、局側装置が、宅側装置から通知された下り信号の強度だけでなく、自身でカウントした誤り訂正復号を行う場合の訂正数をも参照して誤り訂正能力を特定するので、各宅側装置の誤り訂正能力がオーバースペックとなるのを防止することができる。
以上の通り、本発明によれば、誤り訂正能力が異なるバースト信号を受信する場合であっても、バースト信号の応答性を改善することができ、帯域の利用効率の低下を緩和することができる。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るPONシステムの接続図である。
図1において、局側装置1は、複数の宅側装置2,3,4に対する集約局として設置され、各宅側装置2,3,4は、それぞれPONシステムの加入者宅に設置されている。
局側装置1に接続された1本の光ファイバ(幹線)5は、光カプラ6を介して複数の光ファイバ(支線)7に分岐しており、これによって光ファイバ網が構成されている。その光カプラ6から分岐した各光ファイバ7の終端に、それぞれ宅側装置2,3,4が接続されている。
局側装置1は、上位ネットワーク8と接続され、各宅側装置2,3,4はそれぞれのユーザネットワーク9と接続されている。
なお、図1では、合計3個の宅側装置2,3,4を示しているが、1つの光カプラ6から例えば32分岐して32個の宅側装置を接続することが可能である。また、図1では、光カプラ6を1個だけ使用しているが、光カプラを縦列に複数段設けることにより、更に多くの宅側装置を局側装置1と接続することができる。
図1において、各宅側装置2,3,4から局側装置1への上り方向には、波長λ1の光信号によるデータが送信される。逆に、局側装置1から各宅側装置2,3,4への下り方向には、波長λ2の光信号によるデータが送信される。
これらの波長λ1及びλ2は、例えば、IEEE802.3avの10Gbps信号では以下の範囲の値が想定されている。
1260nm≦λ1≦1280nm
1574nm≦λ2≦1580nm
また、本実施形態では、上りバースト信号B2,B3,B4が、例えば、リードソロモン符号やターボ符号等の所定の誤り訂正(FEC: Forward Error Correction)符号によってランダムに符号化されていることを想定している。
例えば、図1の例では、誤り訂正符号を使用しない宅側装置2(FECなし)と、同符号を使用する宅側装置3,4(FECあり)とが混在しており、FECありの宅側装置3,4は、比較的訂正能力が低い宅側装置3(低FEC)と、比較的訂正能力が高い宅側装置4(高FEC)の2種類とがある。
すなわち、宅側装置2の場合には、局宅間の伝送距離が比較的短くパワーバジェットに余裕があるので、FECなしの上りバースト信号B2を送信する。
また、宅側装置3の場合には、局宅間の伝送距離がそれほど長くなく中間的であるので、誤り訂正能力が比較的低い低FECの上りバースト信号B3を送信し、宅側装置4の場合には、局宅間の伝送距離が遠くパワーバジェットに余り余裕がないので、誤り訂正能力が比較的高い高FECの上りバースト信号B4を送信する。
なお、図例では、宅側装置2,3,4が3台あり、この3台がそれぞれ異なる3種類の誤り訂正能力(以下、FEC能力ということがある。)を有するものとしたが、宅側装置の台数とFEC能力の種類には、他に種々のパターンがあり得る。
局側装置1は、前述の通り各宅側装置2,3,4に対する集約局として機能するので、宅側装置2,3,4における誤り訂正符号の使用状況も把握している。すなわち、局側装置1は、自身が管理するすべての宅側装置2,3,4のFEC能力を把握している。
また、図1に示すように、局側装置1は、宅側装置2,3,4に対応するFEC能力と、この各FEC能力に適した自身の受信回路の時定数、及び、上りバースト信号B2〜B4のプリアンブル長に関する情報とを規定した参照テーブル10を、自身の記憶装置に記憶している。
この参照テーブル10から明らかな通り、本実施形態では、上りバースト信号B2〜B4のFEC能力が高いほど、時定数とプリアンブル長がともに短くなるように規定されているが、その理由については後述する。
〔局側装置の構成〕
図2は、局側装置1の内部構成の概略を示すブロック図である。本実施形態の局側装置1の各部は、図2に示すように接続されている。
図2において、上位ネットワーク8からのフレームは上位ネットワーク側受信部101により受信され、データ中継処理部103に送られる。データ中継処理部103は、PON側送信部105へフレームを渡す。このフレームは、光送信部108において、波長λ2でかつ所定の伝送レート(10.3125Gbps)の光信号に変換され、合分波部110を通じて各宅側装置2〜4に送信される。
一方、宅側装置2,3,4から上り方向に送信された波長λ1の光信号は、合分波部110を通過して光受信部109により受信される。
この光受信部109は、内部に、光電変換素子111、増幅器112、時定数回路113及び比較器114を備えている。
光電変換素子111は、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオード等の半導体受光素子であり、上りバースト信号B2〜B4の受光量に対応するレベルのバースト電気信号を出力し、増幅器112はその電気信号を増幅して出力する。
時定数回路113は、増幅器112の増幅信号の振幅に可変の時定数をもって追従するものであり、比較器114は、時定数回路113の出力信号との比較結果を出力する。この比較器114の出力信号は、PON側受信部107に入力される。
なお、光受信部109のより詳細な回路構成については後述する。
前記PON側受信部107は、クロック・データ再生部115、FEC復号化部116、物理層復号化部117及びフレーム再生部118を内部に備えている。
クロック・データ再生部115は、光受信部109の比較器114から受けた2値の出力信号に同期してタイミング成分(クロック)とデータとを再生する。
FEC復号化部116は、再生されたデータに対して所定の誤り訂正復号を行い、物理層復号化部117は、再生されたデータに施されている所定の符号を復号する。
なお、FEC復号化部116が行う誤り訂正復号は、後述する宅側装置2,3,4のFEC符号化部211が生成した誤り訂正符号に対する復号処理であり、物理層復号化部117が行う復号は、後述する宅側装置2,3,4の物理層符号化部210が生成した符号に対する復号処理である。
また、FEC復号化部116は、誤り訂正復号の際の誤り訂正数のカウント機能を有していてもよく、FEC復号化部116が誤り訂正数をカウントした場合には、その誤り訂正数は局側信号処理部(局側制御部)104に送られる。
フレーム再生部118は、復号されたデータからフレームの境界を検出し、例えば、イーサネット(登録商標)フレームを復元する。また、フレーム再生部118は、フレームのヘッダ部分を読み取り、受信フレームがデータフレームであるか、或いは、メディアアクセス制御のための制御情報のフレームであるかを判定する。
上記制御情報の例としては、IEEE802.3avで想定されているMPCP(Multi-point Control Protocol)PDU(Protocol Data Unit)を挙げることができる。
局側装置1が宅側装置2,3,4に対して上りバースト信号B2〜B4の送出開始時刻及び送出許可量を指示する制御情報である「グラント」や、宅側装置2,3,4が局側装置1に対して上り方向データの蓄積量に関する値を通知する制御情報である「レポート」は、上記MPCP PDUの一種である。
フレーム種別の判定の結果、フレームがデータフレームであれば、フレーム再生部118は、これをデータ中継処理部103に送る。
データ中継処理部103は、データフレームのヘッダ情報の変更や、上位ネットワーク側送信部102に対する送信制御等の所定の中継処理を行い、処理後のフレームは、上位ネットワーク側送信部102から上位ネットワーク8へ送出される。
一方、フレーム種別の判定の結果、フレームがレポートフレームであれば、フレーム再生部118はこれを局側信号処理部104に送る。局側信号処理部104は、このレポートに基づいて制御情報としてのグラントフレームを生成し、このグラントフレームを、PON側送信部105及び光送信部108によって下り方向へ送信させる。
また、局側信号処理部(局側制御部)104は、各宅側装置2,3,4のFEC能力、及び、このFEC能力に適した時定数回路113の時定数と上りバースト信号B2〜B4のプリアンブル長に関する情報として、前記参照テーブル10を記憶しており、このテーブル10に基づいてそれらの対応関係を特定する。
すなわち、局側信号処理部104は、宅側装置2,3,4に配付するグラントに基づいて、その宅側装置2,3,4から次に上りバースト信号B2〜B4を受信する時期を特定し、その宅側装置2,3,4に対応するFEC能力と、このFEC能力に適した時定数を、前記参照テーブル10を参照して特定する。
そして、局側信号処理部104が特定したFEC能力がPON側受信部107に通知され、そのFEC能力に対応する時定数が光受信部109に通知される。
光受信部109とPON側受信部107は、宅側装置2,3,4から受ける上りバースト信号B2〜B4の受信時期に合わせて、自身の受信機能を、局側信号処理部104が特定したFEC能力、時定数及びプリアンブル長に対応させる。
具体的には、光受信部109は、局側信号処理部104から通知される時定数に時定数回路113の内部パラメータを切り替え、同グラントで宅側装置2,3,4に通知したプリアンブル長の時間内で増幅器112のゲイン等を所定値に切り替え、時定数回路113を収束させる。
また、PON側受信部107のFEC復号化部116は、局側信号処理部104から通知されるFEC能力に基づく誤り訂正復号を行う。なお、FECなしの上りバースト信号B2の場合(図1の宅側装置2の場合)には、FEC復号化部116は、誤り訂正復号を行わず、復号処理をスキップする。
また、物理層復号化部117は、上記グラントで通知したプリアンブル長を有するデータに対して、所定の復号を行う。
〔光受信部の構成〕
図3は、光受信部109の回路構成の一例を示す回路図である。
図3において、受光素子であるフォトダイオード111は、2値信号(デジタル信号)に基づく光信号よりなる上りバースト信号B2〜B4を受光し、これを電気信号の上りバースト信号に変換して出力する。
フォトダイオード111の出力信号は、フィードバック抵抗119が入出力間に接続された前記増幅器112によって増幅される。
増幅器112が出力する増幅されたバースト信号(増幅信号)は、そのまま信号電圧として比較器114の一方の入力端子(−)に入力される。また、当該バースト信号が時定数回路113を介して出力される電圧が、閾値電圧として比較器114の他方の入力端子(+)に入力される。
図3に示す時定数回路113は、外部からの制御信号により抵抗値が可変な抵抗器120と、この可変抵抗器120に一端が接続され、他端が接地電位であるコンデンサ121とによって構成されるローパスフィルタよりなる。
この場合、可変抵抗器120の抵抗値をR、コンデンサ121のキャパシタンスをCとすると、当該時定数回路113の時定数τは、τ=R・C となる。
比較器114は、信号電圧と閾値電圧とを比較して、その比較結果を0又は1の2値信号(デジタル信号)であるDout とその論理反転信号とを出力する。
可変抵抗器120の抵抗値Rは、局側信号処理部104からの制御信号で変化し、これにより、時定数回路113の時定数τを、τ1〜τ3(τ1<τ2<τ3)の3段階で切り替えることができる。
図4は、光受信部109の回路構成の別例を示す回路図である。
図4に示すように、この場合の時定数回路113は、増幅器112の出力端子と接地電位との間に設けられた、抵抗R0(抵抗値R0)及びコンデンサ121の直列体と、抵抗R0に対して並列接続された抵抗R1(抵抗値R1)及びスイッチング素子(例えばMOS−FET)122の直列体と、同様に抵抗R0に対して並列接続された抵抗R2(抵抗値R2)及びスイッチング素子123の直列体とを備えている。
スイッチング素子122,123の各制御端子(例えばMOS−FETのゲート)には前記局側信号処理部(局側制御部)104が接続され、この処理部104によってスイッチング素子122,123がオン・オフ制御される。
ここで、スイッチング素子122のオン抵抗をRs1、スイッチング素子123のオン抵抗をRs2とし、(R2+Rs3)<(R1+Rs1)の関係を満たすと仮定すると、各スイッチング素子122,123のオン・オフ切り替えにより、次の3通りの時定数τ1〜τ3を得ることができる。
(1)素子122→オフ、素子123→オンの場合
τ1={R0・(R2+Rs2)/(R0+R2+Rs2)}・C
(2)素子122→オン、素子123→オフの場合
τ2={R0・(R1+Rs1)/(R0+R1+Rs1)}・C
(3)素子122→オフ、素子123→オフの場合
τ3= R0・C
この場合、(R2+Rs3)<(R1+Rs1)の関係があるので、τ1<τ2<τ3となる。
従って、図4に示す光受信部109の場合も、局側信号処理部(局側制御部)104からのグラントに基づいて生成された制御信号により、時定数回路113の時定数τを、τ1〜τ3(τ1<τ2<τ3)の3段階で切り替えることができる。
〔誤り訂正能力と時定数及びプリアンブル長との関係〕
ところで、バースト信号を時定数回路113で追随して受信する場合、データ信号区間における局所的な0ビット/1ビットのアンバランスに影響されないようにするには、時定数をある程度長く設定する必要がある。
一方、バースト信号の受信回路は、バースト信号の受信開始時において、その信号のプリアンブル区間(プリアンブル長の時間)を利用して時定数回路113を収束させる必要があるため、設定された時定数に応じたプリアンブル長が必要とある。
そこで、誤り訂正符号化された信号のようなランダム信号を、安定して受信するために必要となる時定数τについて考える。
データ信号がランダムに符号化されている場合、0ビットと1ビットの割合は平均的に1:1となるが、局所的には正規分布に従った確率でアンバランスになり得る。このようにアンバランスに時定数回路113が応答して受信波形が揺らぐ現象は、「ベースラインワンダ(Baseline Wander)」と呼ばれている。
ここで、信号振幅をVpp(V)、1ビット区間をtbit(s)、時定数回路113の時定数をτ(s)とすると、ランダム信号に対するベースラインワンダの分散σは、次の式(1)で近似できることが知られている。
Figure 0005169522
また、ベースラインワンダの分散σによる、受信感度への影響(ペナルティ)は、次の式(2)のようになることが知られている。
Figure 0005169522

なお、上記式(2)において、Qはエラー関数、σはVpp/2で正規化されたもの、ISIRXは符号間干渉(ISI)の影響度を表すパラメータであり、ペナルティPBLWの単位はdBである。
そこで、局側装置1の光受信部109のような、光受信器のベースラインワンダを考えると、例えば10Gイーサネット(登録商標)においては、10-12のビットエラーレート(BER)での受信感度が規定されており、この場合の上記エラー関数Qの値は、Q=7.03となる。
他方、誤り訂正(FEC)符号を使用した場合には、光受信器はそのFEC能力に応じて、例えば10-3といった高いビットエラーレートで信号を受信することになる。
そして、このBER=10-3の場合には、エラー関数Qの値は、Q=3.09となる。
この場合、上記式(2)から分かるとおり、同じベースラインワンダでもペナルティは小さくなる。
このため、同じペナルティを見込んだ場合には、エラー関数Qが小さくなる高ビットエラーの時ほど、大きなベースラインワンダが許容できることになる。
つまり、訂正能力が高いFECを使用するほど、高ビットエラーでの受信が可能となり、同じペナルティを見込んだ場合には、許容できるベースラインワンダが大きくでき、前記(1)から明らかなように、時定数τを小さくすることができる。
従って、訂正能力が高いFECの場合ほど、付加される冗長コードが多くなって帯域の利用効率が悪化することになるが、時定数τを短く切り替えることで、短いプリアンブル長での受信が可能となり、帯域の利用効率を改善することができる。
本実施形態のPONシステムは、上記の知見に基づき、上りバースト信号B2〜B4の誤り訂正能力に対応して、時定数回路113の時定数と上りバースト信号B2〜B4のプリアンブル長を切り替えることで、誤り訂正符号を用いた上りバースト信号B2〜B4の場合でも、バースト応答性を改善して帯域の利用効率の低下を緩和するものである。
すなわち、上りバースト信号の誤り訂正能力が高い場合(例えば、BER=10-3の場合)には、その誤り訂正能力が低い場合に比べて、時定数回路113の時定数と上りバースト信号のプリアンブル長も短く設定すればよく、これにより、PONシステムに誤り訂正能力が高い宅側装置4(図1参照)が含まれていても、PONシステムの上り方向の帯域の利用効率を改善できる。
そこで、次に、どの程度までプリアンブル長を短くできるかについて検討する。
例えば、10G−EPONで想定されているリードソロモン(255,223)の場合には、BER=10-3の低ビットエラーの信号を訂正する能力が見込まれる。
ここで、BER=10-3の信号とBER=10-12の信号とで同じペナルティを想定した場合に、式(2)における(Q×σ)の項が等しくなるとして計算すると、次の式(3)に示すようになる。
Figure 0005169522
上記式(3)から明らかな通り、BER=10-3の信号では、BER=10-12の信号の場合に比べて、時定数τを約1/5に短縮できる。
従って、BER=10-3の信号の場合には、BER=10-12の信号の場合に比べて、プリアンブル長を約1/5まで短縮しても差し支えないということになる。
〔宅側装置の構成〕
図5は、宅側装置2の内部構成の概略を示すブロック図である。
本実施形態の宅側装置2の各部は、図5に示すように接続されている。なお、宅側装置3,4の場合も同様の構成である。
図5において、局側装置1から下り方向に送信されて来る光信号は、合分波部201を通過して、光受信部202により電気信号に変換され、更に、この電気信号はPON側受信部204により受信される。
光受信部202は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)機能を有し、下り受信信号の強度をモニタして、その検出情報を、PON側受信部204から後述する宅側信号処理部(宅側制御部)206に送る。
PON側受信部204は、受信したフレームのヘッダ部分(プリアンブル部分を含む)を読み取ることにより、当該フレームが自己宛(ここでは、自己又は自己の配下のユーザネットワーク9内の装置宛を意味する。)であるか否かを判定する。
判定の結果、自己宛であれば、当該フレームを取り込み、そうでなければ、当該フレームを廃棄する。例えば、上記の宛先判定を行うためのヘッダ情報の例として、IEEE802.3avで想定されている論理リンク識別子(LLID)を挙げることができる。
更に、PON側受信部204は、フレームのヘッダ部分を読み取ることにより、受信したフレームがデータフレームであるか、又は、グラントフレームであるかを判定する。
判定の結果、データフレームであれば、PON側受信部204はこれをデータ中継処理部207に送る。データ中継処理部207は、ユーザネットワーク側送信部208に対する送信制御等の所定の中継処理を行い、処理後のフレームはユーザネットワーク側送信部208からユーザネットワーク9へ送出される。
また、上記判定の結果、フレームがグラントフレームであれば、PON側受信部204はこれを宅側信号処理部206に転送する。宅側信号処理部206は、グラントフレームに基づいて上り方向の送出をデータ中継処理部207に指示する。
一方、ユーザネットワーク9からのフレームは、ユーザネットワーク側受信部209によって受信され、データ中継処理部207に転送される。転送されたフレームはデータ中継処理部207内のバッファメモリに一旦蓄積され、また、そのデータ量が宅側信号処理部206に通知される。
宅側信号処理部206は、PON側送信部205に対して送信制御を行い、所定のタイミングで、バッファメモリに蓄積されているフレームをPON側送信部205に出力させるとともに、通知されたバッファメモリ内のデータ蓄積量に基づいてレポートフレームを作成してPON側送信部205に出力させる。
PON側送信部203の出力は、光送信部203で光信号に変換され、波長λ1でかつ所定の伝送レート(10.3125Gbps)の光信号として、合分波部201を介して上り方向に送信される。また、PON側送信部203は、内部に、物理層符号化部210とFEC符号化部211とを備えている。
物理層符号化部210は、データ中継処理部207から送られてくるデータに対して所定の符号化を行い、FEC符号化部211は、符号化されたデータに対して更に冗長ビットを付加して所定の誤り訂正符号を生成する。
また、物理層符号化部210は、符号化と同時に、データに所定のパターン(IEEE802.3avでは10パターンの繰り返し)からなるプリアンブル長を付加する。このプリアンブル長は、宅側信号処理部206からの通知に応じて変更可能となっている。
宅側信号処理部206は、プリアンブル長に関する情報がグラントフレームに記載されている場合には、その情報に基づいて、物理層符号化部210が生成する符号のプリアンブル長を設定する。また、宅側信号処理部206は、訂正能力の変更情報がグラントフレームに記載されている場合には、その情報に基づいて、FEC符号化部211による誤り訂正能力を設定する。
〔制御フレームのやり取り〕
図6は、局側装置1と宅側装置2(宅側装置3,4についても同様)との間の制御フレームのやり取りを示すシーケンス図である。
図6に示すように、まず、局側装置1は、運用時間開始時刻T0の時点で宅側装置2に関するRTT(Round Trip Time)を既に計算している。
時刻Ta1において、局側装置1は送出要求量を通知させるために、宅側装置2に対してレポート送出開始時刻Tb2を含んだグラント(グラントフレーム)G1を送信する。
このレポート送出開始時刻Tb2は、他の宅側装置3,4から送信されるレポートと衝突しないように計算される。
宅側装置2は、自身に対するグラントG1を受信すると、データ中継処理部207のバッファメモリに蓄積されたデータ量を参照して送出要求量を算出し、グラントG1に含まれるレポート送出開始時刻Tb2に、局側装置1に対して送出要求量を含んだレポート(レポートフレーム)R1を送出する。
局側装置1はレポートR1を受信すると、固定または可変の最大送出許可量以下となり、かつ、レポートR1に含まれるバッファメモリ内データ量のデータをなるべく多く送れるような値を演算し、演算結果を送出許可量としてグラントG2に挿入する。
レポートR1に含まれる送出要求量がゼロの場合には、局側装置1による演算結果がゼロとなるため帯域が割当てられないが、宅側装置2にレポートR2を送出させる必要があるので、局側装置1は宅側装置2に対して必ずグラントG2を送出する。
グラントG2に含まれる送出開始時刻Tb4は、演算済みである前回の宅側装置データの受信予定時刻、前回の宅側装置2の送出許可量、現在の宅側装置2に関するRTT及び固定時間であるガードタイムを用い、データ及びレポートが他の宅側装置3,4からのデータまたはレポートと衝突しないように計算される。
なお、局側装置1は、送出許可量及び送出開始時刻Tb4を含むグラントG2を送出する時刻Ta3を、送出開始時刻Tb4までにグラントG2が宅側装置2に到着するように計算する。
宅側装置2は、自身に対するグラントG2を受信すると、グラントG2に含まれる送出開始時刻Tb4に、送出許可量分のデータDを、次回の送出要求量を含んだレポートR2とともに局側装置1に送出する。
このレポートR2はデータDの直前または直後に送出されるが、データDの直前に送出される場合には、送出要求量として局側装置1に報告する値は、バッファメモリに蓄積されているデータ量とデータDのデータ量との差分である。
局側装置1は、データD及びレポートR2を受信すると、データDを上位ネットワーク8に送出し、レポートR2についてはレポートR1に対する処理と同様の処理を行なう。以上説明したシーケンス処理は、全ての宅側装置2〜4に対して独立に行なわれ、運用時間が終了するまで時刻Ta3〜時刻Ta4の処理が繰り返される。
〔上り方向通信のシーケンス〕
図7は、上記PONシステムでの上り方向通信を示すシーケンス図であり、分散割当方式の一例を示している。
以下、図7の左側から右側に向かって時間が進行するとして、局側装置1を主体としたPONシステムの動作について説明する。
まず、局側装置1は、各宅側装置4,3,2に対して、それぞれ、グラントG41,G31,G21を順次送出する。
次に、局側装置1は、各宅側装置4,3,2からそれぞれレポートR41,R31,R21を受信すると、最初にデータの送出を許可する宅側装置4に対するグラントG42を送出する。
そして、局側装置1は、宅側装置4から送出されるデータD41及び次のレポートR42を受信すると、これと並行して宅側装置3に対するグラントG32を送出する。
局側装置1は、宅側装置3から送出されるデータD31及び次のレポートR32を受信すると、これと並行して宅側装置2に対するグラントG22を送出する。また、続いて、宅側装置4に対するグラントG43も送出する。
局側装置1は、宅側装置2から送出されるデータD21及び次のレポートR22を受信する。
また、局側装置1は、宅側装置4から送出されるデータD42及び次のレポートR43を受信するとともに、これと並行して宅側装置3に対するグラントG33を送出する。
更に、局側装置1は、宅側装置3から送出されるデータD32及び次のレポートR33を受信するとともに、これと並行して宅側装置2に対するグラントG23を送出する。
ここで、宅側装置2から送出されるデータがなければ、局側装置1は、次のレポートR23のみを受信する。
これ以降、同様の処理が繰返され、局側装置1は、順次宅側装置2,3,4に対して帯域を動的に割当てて、データの受信を繰り返す。
図7に示すシーケンスにおいて、例えば、高いFECの宅側装置4にグラントG42が送信されると、局側信号処理部104は、前記参照テーブル10に基づき、レポートR42を受信する前のバースト間ギャップの期間に、次に受信するバースト(レポートR42+データD41)に対応する高いFEC能力をPON側受信部107に通知し、この高FEC能力に適した短い時定数τ1を光受信部109に通知する。
この通知を受けた光受信部109では、時定数回路113の時定数が宅側装置4用の短い時定数τ1に設定する。また、PON側受信部107では、その内部のFEC復号化部116のFEC能力が宅側装置4用の高FECに設定される。
このさい、次に受信しようとするバースト(レポートR42+データD41)のプリアンブル長は、前述の通り短い誤り訂正能力に応じて短縮されているので、高FECであるためにバースト(レポートR42+データD41)の冗長コードが長くなっていても、プリアンブル長を短く設定した分だけ、帯域効率の悪化を防止することができる。
このように、本実施形態のPONシステムでは、高FECの宅側装置4からプリアンブル長が短く設定された上りバースト信号B4を受信した際、その到来時に、高FECの宅側装置4に適した短い時定数τ1での受信態勢が整っている。
同様に、宅側装置3にグラントG32が送出されたとき、局側信号処理部104は、前記参照テーブル10に基づき、データD41とレポートR32との間のバースト間ギャップの期間に、次に受信するバースト(レポートR32+データD31)に対応する低いFEC能力をPON側受信部107に通知し、この中FEC能力に適した中程度の時定数τ2を光受信部109に通知する。
この通知を受けた光受信部109では、時定数回路113の時定数を宅側装置3用の中程度の時定数τ2に設定する。また、PON側受信部107では、その内部のFEC復号化部116のFEC能力が宅側装置3用の低FECに設定される。
従って、低FECの宅側装置3からプリアンブル長が中程度に設定された上りバースト信号B3を受信した際、その到来時に、低FECの宅側装置3に適した、中程度の時定数τ2での受信態勢が整っており、迅速に同期を確立することができる。
以上説明したように、本実施形態の局側装置1では、宅側装置2,3,4にそれぞれ配布するグラントに基づいて、次の上りバースト信号B2〜B4の受信時期とその誤り訂正能力に加えて、当該誤り訂正能力に適した時定数とプリアンブル長とを、実際の受信前に得ることができる。
そして、時定数をFEC能力に合わせて最適化した受信機能にしてから上りバースト信号B2〜B4を受信するので、誤り訂正能力に応じてプリアンブル長が異なる上りバースト信号B2〜B4に対しても、迅速かつ効率的に同期を確立することができ、帯域の利用効率を改善することができる。
〔ディスカバリプロセス〕
以上の説明では、宅側装置2,3,4がいずれもPONシステムに既に加入済みであると仮定している。
しかし、実際には、例えば電源オフの状態から電源オンにより宅側装置2,3,4が局側装置1に認識され、PONシステムに加入する手順が存在し、この手順はディスカバリプロセスと呼ばれる。
局側装置1に認識される前の未登録の宅側装置は、グラントを与えられる機会がないので、すべての宅側装置2,3,4は、局側装置1から明示的にグラントが与えられない限り、上り方向通信を行うことができない。
そこで、局側装置1は、電源オフ(未接続も含む。)から電源オンになり、PONシステムに加入しようとする宅側装置2,3,4(以下、未登録宅側装置という。)を検出するためのディスカバリプロセスを周期的に実行し、未登録宅側装置に応答機会を与える。
図8は、局側装置と未登録宅側装置との間で行われる一般的なディスカバリプロセスを示すシーケンス図である。
図8において、局側装置は時刻T1においてディスカバリプロセスを開始し、下り方向にディスカバリゲートをブロードキャストする。
このディスカバリゲートには、これに対する応答が許されるディスカバリ期間の開始時刻と期間の長さの情報が含まれている。このディスカバリ期間は、ディスカバリウインドウと呼ばれ、例えば時刻T2からT4までの時間ΔTdとなる。
ディスカバリゲートを受け取った未登録宅側装置は、時刻T2(局側装置と同期している。)からランダム長の時間をもつランダム待ち時間ΔTwだけ待ち、時刻T3に、登録要求メッセージを局側装置に送信する。
このランダム待ち時間ΔTwは、登録要求メッセージがディスカバリウインドウに収まる範囲内で、ランダムな値となる。従って、仮に、PONシステムに加入しようとする未登録宅側装置が複数あった場合でも、複数の未登録宅側装置からの登録要求メッセージが相互に衝突する確率を低下させることができる。
登録要求メッセージには、その未登録宅側装置の個体識別番号としてのMACアドレスが含まれている。登録要求メッセージの受信に成功した局側装置は、PONシステム上の論理的なリンク番号(LLID)を当該未登録宅側装置に割り当て、MACアドレスとLLIDとを相互に関連付けて、PONシステムに登録する。
次に、局側装置は、新たに登録した宅側装置に対して、時刻T5において、登録メッセージを送信する。登録メッセージには、当該宅側装置のLLIDと、局側装置が上り方向のバースト通信を受信する際に必要な同期時間の情報とが含まれている。
その後、時刻T6において局側装置は、当該宅側装置に対して上り方向通信を許可するグラント(グラントゲート)を送信する。
グラントゲートを受信した未登録宅側装置は、そのグラントを用いて時刻T7に登録アクノレッジを局側装置に送信し、これを局側装置が受信してディスカバリプロセスが終了する。その後は、通常のPONシステムの通信が開始される。
図1に示す本実施形態のPONシステムにおいて、FEC能力の異なる各宅側装置2,3,4について上記と同じ通常のディスカバリプロセスが行われると、局側装置1は、宅側装置2,3,4からそれぞれ異なるFEC能力の登録要求メッセージを受け取ることになる。しかし、この場合、未登録の段階では、グラントに基づいて局側装置1の受信態勢(FEC能力、時定数及びプリアンブル長)を整えることができない。
そこで、FEC能力が不明の未登録の宅側装置2,3,4についても、これを自動的に登録する登録手順が望まれる。かかる自動登録の手順としては、例えば、次の2つの手順例1及び2が考えられる。
〔自動登録の手順例1〕
このうち、最初の手順例(手順例1)は以下の通りである。
(1) 上記ディスカバリプロセスにおいて、宅側装置2,3,4はFEC能力を最大でかつプリアンブル長を最長に設定し、この状態で登録要求メッセージを送信する。
局側装置1も、宅側装置2,3,4を登録する際には、FEC能力が最大であることを想定して登録要求メッセージを受信する。
(2) 従って、この場合、未登録の宅側装置2,3,4から局側装置1に対してディスカバリウインドウ(ΔTd)の期間内に届く登録要求メッセージは、すべて高FECで送られてくる。
(3) その後、宅側装置2,3,4は、ディスカバリゲートを受信した時の受信強度(RSSI)の情報を、局側装置1にレポートで通知することとする。
(4) 上記レポートを受信した局側装置1は、このレポートに含まれているRSSI情報に基づいて宅側装置2,3,4との線路の伝送損失を見積もり、FEC能力と、FEC能力に適した時定数とプリアンブル長を定め、前述の参照テーブルに登録する。そして、FEC能力とプリアンブル長、及び次の送信タイミングを宅側装置2,3,4にグラントで通知する。
(5) 宅側装置2,3,4は、局側装置1からのグラントの通知に従い、自身のFEC能力とプリアンブル長を変更し、登録アクノレッジを送信する。
〔自動登録の手順例2〕
一方、第2の手順例(手順例2)は次の通りである。
(1) この手順例2の場合も、手順例1の場合と同様に、上記ディスカバリプロセスにおいて、宅側装置2,3,4はFEC能力を最大でかつプリアンブル長を最長に設定し、この状態で登録要求メッセージを送信する。
局側装置1も、宅側装置2,3,4を登録する際には、FEC能力が最大であることを想定して登録要求メッセージを受信する。
(2) そして、局側装置1は、宅側装置2,3,4のレポートに含まれているRSSI情報に基づく伝送損失に加えて、更にFEC復号化部116の誤り訂正数に基づいて、局側信号処理部104において誤り訂正能力の適否を判定する。すなわち、伝送損失がある程度大きくなっていても、誤り訂正数が少なくてオーバースペックである場合には、訂正能力を下げ、逆に訂正数が多い場合には訂正能力を上げるように、FEC能力を切り替える。そして、FEC能力に適した時定数とプリアンブル長を定め、FEC能力とともに前述の参照テーブルに登録する。
また、局側装置1は、FEC能力と、そのFEC能力に対応するプリアンブル長と送信タイミングを宅側装置2,3,4にグラントで通知する。
(3) 宅側装置2,3,4は、局側装置1からのグラントの通知に従い、自身のFEC能力とプリアンブル長を変更し、登録アクノレッジを送信する。
上記実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更は、本発明の権利範囲に包含される。
例えば、上記実施形態では、誤り訂正能力が異なる複数種類のバースト信号を時分割で受信する受信装置が、PONシステムの局側装置である場合を例示したが、本発明の受信装置は無線通信システムに採用することもできる。
本発明の実施形態に係るPONシステムの接続図である。 局側装置の内部構成の概略を示すブロック図である。 光受信部の回路構成の一例を示す回路図である。 光受信部の回路構成の別例を示す回路図である。 宅側装置の内部構成の概略を示すブロック図である。 制御フレームのやり取りを示すシーケンス図である。 上り方向通信に関する制御フレームの送受信を示すシーケンス図である。 ディスカバリプロセスの一例を示すシーケンス図である。
符号の説明
1 局側装置(受信装置)
2 宅側装置(FECなし)
3 宅側装置(低FEC)
4 宅側装置(高FEC)
5 光ファイバ(幹線)
6 光カプラ
7 光ファイバ(支線)
10 参照テーブル
104 局側信号処理部(局側制御部)
109 光受信部(バースト受信部)
116 FEC復号化部(復号化部)
B2 上りバースト信号(FECなし)
B3 上りバースト信号(低FEC)
B4 上りバースト信号(高FEC)

Claims (7)

  1. 誤り訂正能力が異なる複数種類のバースト信号を時分割で受信する受信装置であって、
    前記バースト信号のプリアンブル長の時間内において所定の時定数をもって前記バースト信号の振幅に追従するバースト受信部と、
    前記バースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定して、特定された前記誤り訂正能力と前記プリアンブル長を送信装置に通知し、前記バースト信号の受信時期に合わせて、特定された前記時定数にて前記バースト受信部を動作させる制御部と、
    を備えていることを特徴とするバースト信号の受信装置。
  2. 前記制御部は、前記バースト信号の誤り訂正能力が高いほど、前記時定数と前記プリアンブル長がともに短くなるようにこれらを特定する請求項1に記載のバースト信号の受信装置。
  3. 前記バースト受信部の出力信号に対して誤り訂正復号を行う復号化部を備え、
    前記制御部は、前記バースト信号の受信時期に合わせて、当該バースト信号に対応する誤り訂正能力で前記復号化部を動作させる請求項1又は2に記載のバースト信号の受信装置。
  4. 誤り訂正能力が異なる複数種類のバースト信号を時分割で受信する受信方法であって、
    前記バースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定して、特定した前記誤り訂正能力と前記プリアンブル長を送信装置に通知し、前記バースト信号の受信時期に合わせて、特定した前記時定数をもって前記バースト信号の振幅に追従した受信を行うことを特徴とするバースト信号の受信方法。
  5. 局側装置と複数の宅側装置とが光ファイバを介してP2MP形態で接続され、前記局側装置が、誤り訂正能力が異なる複数種類の上りバースト信号を時分割で受信可能となっているPONシステムであって、
    前記局側装置が、前記上りバースト信号のプリアンブル長の時間内において所定の時定数をもって前記上りバースト信号の振幅に追従するバースト受信部と、
    前記バースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定して、特定された前記誤り訂正能力と前記プリアンブル長を宅側装置に通知し、前記バースト信号の受信時期に合わせて、特定された前記時定数にて前記バースト受信部を動作させる局側制御部と、を備えていることを特徴とするPONシステム。
  6. 前記宅側装置は、前記局側装置が送信した下り信号の強度の検出機能を有し、検出された前記下り信号の強度を前記局側装置に通知し、
    前記局側装置は、通知された下り信号の強度に基づいて、前記上りバースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定する請求項5に記載のPONシステム。
  7. 前記局側装置は、前記上りバースト信号に誤り訂正復号を行う場合の訂正数のカウント機能を有し、カウントされた前記訂正数と前記宅側装置から通知された前記下り信号の強度に基づいて、前記上りバースト信号に適した誤り訂正能力と、前記誤り訂正能力に適した時定数と前記プリアンブル長を予め特定する請求項6に記載のPONシステム。
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