JP5093290B2 - 光受信装置及び光信号の受信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、PON(Passive Optical Network )システムを構成する局側装置ないし宅側装置に好適に使用される、光受信装置及び光信号の受信方法に関する。
PONシステムは、集約局としての局側装置と、複数の加入者宅に設置された宅側装置とを、1本の光ファイバから光カプラを介して複数の光ファイバに分岐する光ファイバ網によって接続したものである(例えば、特許文献1参照)。
かかるPONシステムでは、局側装置から宅側装置への下り方向通信の場合は、ブロードキャスト方式によって連続的な光信号が伝送され、宅側装置から局側装置への上り方向通信の場合は、光信号の衝突を避けるために、時分割方式によって間欠的な光信号(光バースト信号)が伝送される。
このため、各宅側装置は、局側装置から同じ下り方向の光信号を受信するようになっており、下り信号のフレームが自己宛であればこれを取り込み、そうでなければフレームを廃棄する。
また、局側装置は、上り方向の送信時期及び送信データ量に関する許可(グラント)を予め宅側装置ごとに通知するようになっており、このグラントに従って各宅側装置が送信した上り方向の光信号を時分割で受信する。従って、局側装置には、種々の強度の光バースト信号が間欠的に届くことになる。
一方、局側装置の光受信回路は、光信号を光電変換するアバランシェフォトダイオード(Avalanche Photodiode:以下、「APD」と略記することがある。)と、この素子が出力する電気信号を増幅する増幅器と、増幅された電気信号を閾値と比較して二値信号(デジタル信号)を出力する比較器とを備えている(例えば、特許文献2参照)。
上記APDは、高い逆方向のバイアス電圧(以下、単に「バイアス電圧」ということがある。)を印加することで光電流が増倍される高感度のフォトダイオードである。このため、上記光受信回路には、APDが最適な増倍率になるようにバイアス電圧を制御するためのバイアス回路が設けられる(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−64749号公報(図4) 特開2005−175596号公報(図2) 特開2007−74397号公報
上記PONシステムで使用される光受信回路では、伝送速度の高速化に伴って高受信感度が要求されている。例えば10G−EPON(IEEE 802.3av)のPR30においては、宅側装置にもAPDの使用が想定されており、下り信号の高受信感度化が図られている。
また、10G−EPONにおいては、送信信号に前方誤り訂正(Forward Error Correction:以下、「FEC」ということがある。)によって符号化を行い、受信側においてその符号化に対応するFEC復号化を行うことにより、伝送速度の高速化に伴って不足するパワーバジェットを補うようになっている。
ところで、光通信用のAPDでは、増倍率がほぼ10付近となるバイアス電圧に設定すると最も高いSN比が得られるが、増倍率が小さ過ぎると増倍効果が不十分になり、逆に増倍率が大き過ぎると、ショットノイズや暗電流が増加してSN比が劣化する。
従って、最適なSN比を実現するためには、APDのバイアス電圧を適切に制御する必要がある。また、APDのバイアス電圧は、大きな温度依存性を持つとともに、その特性のばらつきが大きいので、受信装置ごとにAPDの特性を検査しつつ最適なバイアス電圧を設定する必要がある。
このため、従来では、受信装置の製造時に擬似ランダムビットシーケンス(Pseudo-random bit sequence:PRBS)等の、既知の信号を受信しながらビットエラーレート(Bit Error Ratio:BER)を測定し、その値が最小となるようにバイアス電圧を予め設定している。
しかしながら、かかる製造時におけるバイアス電圧の設定作業は、そもそも手間がかかるとともに、環境変化や経年変化によって受信特性が変化した場合には、これに対応できないという欠点がある。
そこで、例えば、FEC復号化の際に演算可能な訂正頻度(≒誤り率)を用いて、APDに印加するバイアス電圧の改善値を探索することにより、受信側の運用状態において、APDの受信感度を自動的に調整する制御を行うことが考えられる。
しかし、PONシステムの宅側装置では、送信先が自己宛とそれ以外の下りフレームを局側装置から時分割で連続的に受信する。この際、宅側装置ごとに伝送距離が異なるためにFEC符号の冗長度が送信先ごとに相違していると、宅側装置が受信する下り信号の誤り率が自己宛とそれ以外の場合とで変化することがある。
また、PONシステムの局側装置では、複数の宅側装置から送信する上りフレームを時分割で間欠的に受信する。この際、宅側装置ごとに伝送距離が異なるためにFEC符号の冗長度が送信元ごとに相違していると、局側装置が受信する上り信号の誤り率が送信元によって変化することがある。
このように、PONシステムでは、下り信号の送信先や上り信号の送信元の相違によって受信側での誤り率が変化し得るので、それらの相違を考慮せずに、誤り率に基づくAPDに対する受信感度の調整を一律に行っても、その調整を適切に行うことができない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、光信号の送信先や送信元が異なっていても、誤り率に基づく光受信素子に対する受信感度の調整を適切に実行できる光信号の受信装置等を提供することを目的とする。
(1) 本発明の光受信装置は、1本の光ファイバを分岐させた1対多の双方向光通信を、誤り訂正符号付きの光信号を時分割多重で送受信することによって行う光通信システムに用いる光受信装置であって、前記光信号の受信感度を調整可能な光受信素子と、受信した前記光信号の誤り率を測定する測定手段と、測定した前記誤り率に応じて前記受信感度を調整する感度調整手段とを備えており、前記感度調整手段は、前記光信号の送信先の相違及び送信元の相違のいずれか一方又は双方に応じて異なった感度調整を実行することを特徴とする。
本発明の光受信装置によれば、上記感度調整手段が、光信号の送信先の相違及び送信元の相違のいずれか一方又は双方に応じて異なった感度調整を実行するので、例えば、PONシステムの宅側装置や局側装置に搭載される光受信装置のように、光信号の送信先や送信元が異なる場合であっても、光受信素子に対する感度調整を適切に実行することができる。
(2) 本発明の光受信装置において、前記感度調整としては、例えば、前記光受信素子に対する制御電圧に変更を加えて前記誤り率を測定することにより、前記制御電圧の改善値を探索するトライアンドエラー方式による調整方法を採用することができる。
(3) ところで、PONシステムの宅側装置の光受信装置は、自己宛の下りフレームだけでなく、それ以外の下りフレームを局側装置から連続的に受信するが、光受信素子の受信感度を正確に調整するには、自己宛の下りフレームのみを使用すれば足りる。
しかし、その一方で、宅側装置の光送信装置では、上り方向へのバースト送信のために発光素子を頻繁にオン・オフするので、局側装置に比べて装置内部の温度が変化し易く、このため、光受信素子の受信感度も変動し易いという特質がある。
そこで、本発明の光受信装置がPONシステムの宅側装置に搭載されている場合には、前記感度調整手段は、送信先が自己宛である下り方向の前記光信号と、送信先が自己宛以外である下り方向の前記光信号とを用いて前記改善値を探索することが好ましい。
この場合、上記感度調整手段が、送信先が自己宛以外である下り方向の光信号をも利用して改善値を探索するので、温度変化に伴って光受信素子の受信感度の変動が発生し易い宅側装置の場合でも、その受信感度を安定させることができる。
(4) また、この場合、送信先が自己宛以外である下り方向の前記光信号の前記制御電圧の変更幅については、送信先が自己宛である下り方向の前記光信号の場合よりも広めに設定されていることが好ましい。
その理由は、自己宛の光信号の場合には、制御電圧の変更幅を比較的狭く設定することで、改善値の探索を慎重かつ正確に行うべきであるのに対し、自己宛以外の光信号の場合には、余り正確な改善値を期待できないので、制御電圧の変更幅を比較的広く設定することで、改善値の探索を大胆かつ迅速に行うことが好ましいからである。
(5) 一方、本発明の光受信装置がPONシステムの局側装置に搭載されている場合には、前記感度調整手段は、受信した上り方向の前記光信号の送信元別に前記受信感度の調整を実行することが好ましい。
この場合、上記感度調整手段が、受信した上り方向の前記光信号の送信元別に前記受信感度の調整を実行するので、上り方向の光信号の送信先が異なる場合であっても、光受信素子に対する感度調整を適切に実行することができる。
(6) また、本発明の光受信装置において、前記感度調節手段は、前記誤り率の許容範囲内において前記改善値を探索することが好ましい。
その理由は、上記許容範囲を超えて制御電圧の改善値を探索すると、これによって運用中における光信号の誤り率が大幅に落ち込み、当該光信号を適切に受信できなくなる恐れがあるからである。
(7) 第1の本発明方法は、1つのノード(例えばPONの局側装置)が複数のノード(例えばPONの宅側装置)に時分割多重で下り方向に送信した誤り訂正符号付きの光信号を、当該複数のノードが受信する光信号の受信方法であって、受信した下り方向の前記光信号の誤り率を測定する第1のステップと、測定した前記誤り率に応じて光受信素子による受信感度を調整する第2のステップとを含み、前記第2のステップにおける前記受信感度の調整を、下り方向の前記光信号の送信先の相違に応じて実行することを特徴とする。
上記受信方法によれば、第2のステップにおける受信感度の調整を、下り方向の光信号の送信先の相違に応じて実行するので、下り方向の光信号の送信先が異なる場合であっても、光受信素子に対する感度調整を適切に実行することができる。
(8) 第2の本発明方法は、複数のノード(例えばPONの宅側装置)が1つのノード(例えばPONの局側装置)に対して時分割多重で上り方向に送信した誤り訂正符号付きの光信号を、当該1つのノードが受信する光信号の受信方法であって、受信した上り方向の前記光信号の誤り率を測定する第1のステップと、測定した前記誤り率に応じて光受信素子による受信感度を調整する第2のステップとを含み、前記第2のステップにおける前記受信感度の調整を、上り方向の前記光信号の送信元の相違に応じて実行することを特徴とする。
上記受信方法によれば、第2のステップにおける受信感度の調整を、上り方向の光信号の送信先の相違に応じて実行するので、上り方向の光信号の送信元が異なる場合であっても、光受信素子に対する感度調整を適切に実行することができる。
以上の通り、本発明によれば、光信号の送信先や送信元が異なっていても、誤り率に基づく光受信素子に対する感度調整を適切に実行できるので、運用中の光受信装置の光受信素子に対する感度調整を正確に行うことができる。
本発明の実施形態に係るPONシステムの接続図である。 局側装置の内部構成を示すブロック図である。 宅側装置の内部構成を示すブロック図である。 局側装置が実行する感度調整制御のフローチャート(前段)である。 局側装置が実行する感度調整制御のフローチャート(後段)である。 宅側装置が実行する感度調整制御のフローチャート(前段)である。 宅側装置が実行する感度調整制御のフローチャート(後段)である。 (a)は局側装置のルックアップテーブルの概念図であり、(b)は宅側装置のルックアップテーブルの概念図である。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るPONシステムの接続図である。
図1において、局側装置1は、複数の宅側装置2A〜2Cに対する集約局として設置され、各宅側装置2A〜2Cは、それぞれPONシステムの加入者宅に設置されている。
なお、本実施形態では、各宅側装置の共通事項を説明する場合には符号2を使用し、各宅側装置の個別事項を説明する場合には、符号2A〜2Cを使用する。
局側装置1に接続された1本の光ファイバ(幹線)5は、光カプラ6等よりなる受動光分岐ノードを介して複数の光ファイバ(支線)7に分岐しており、これによって光ファイバ網が構成されている。その光カプラ6から分岐した各光ファイバ7の終端に、それぞれ各宅側装置2が接続されている。
また、局側装置1は、上位ネットワーク8と接続され、各宅側装置2はそれぞれのユーザネットワーク9と接続されている。
なお、図1では、合計3個の宅側装置2A〜2Cを示しているが、1つの光カプラ6から例えば32分岐して32個の宅側装置を接続することが可能である。
また、図1では、光カプラ6を1個だけ使用しているが、光カプラ6を縦列に複数段設けることにより、更に多くの宅側装置を局側装置1と接続することができる。
図1において、宅側装置2から局側装置1への上り方向には、波長λ1の光信号によるデータが送信される。逆に、局側装置1から宅側装置2への下り方向には、波長λ2の光信号によるデータが送信される。これらの波長λ1及びλ2は、例えば、IEEE802.3avの10.3125Gbps信号では、以下の範囲の値が想定されている。
1260nm≦λ1≦1280nm
1575nm≦λ2≦1580nm
また、PONシステムでは、局側装置1が、各宅側装置2A〜2C宛の下りフレームが連続した光信号C1を下り方向に同報送信し、各宅側装置2A〜2Cが、上りフレームよりなる光信号B1〜B3を上り方向に個別送信するが、本実施形態では、これら上りと下りの双方の光信号B1〜B3,C1が、いずれもリードソロモン符号やターボ符号等よりなる所定の前方誤り訂正(FEC)符号によって、ランダムに符号化されていることを想定している。
〔局側装置の構成〕
図2は、局側装置1の内部構成の概略を示すブロック図である。
図2に示すように、局側装置1は、上位側(図2左側)からPON側に向かって順に、SNI(Service Node Interface)11、データ中継制御部12、スケジュール挿入部13、光送信部14、光受信部15及び光合分波器16を備えている。
図2において、上位ネットワーク8からの下りフレームは、SNI11を経てデータ中継制御部12に送られる。
データ中継制御部12は、その下りフレームをスケジュール挿入部13に渡すとともに、PON制御フレームであるゲートフレームを自身で生成した場合には、そのゲートフレームについてもスケジュール挿入部13に渡す。
スケジュール挿入部13は、下りフレームがゲートフレームである場合には、どの宅側装置2にどのタイミングで下り送信を行うかのスケジュール情報をその中に格納して、当該ゲートフレームを後段の光送信部14に送る。
下りフレームは、光送信部14において、波長λ2でかつ所定の伝送レート(10.3125Gbps)の光信号に変換され、光合分波器16を介してPON側に向けて下り方向に送信される。
光送信部14には、物理層符号化部とFEC符号化部(図示せず)とが含まれている。このうち、物理層符号化部は、データ中継制御部12から送られる下りのデータに対して64B/66B符号化を行い、FEC符号化部は、符号化されたデータに対して更に冗長ビットを付加して所定の誤り訂正符号を生成する。
また、図2において、宅側装置2が上り方向に送信した波長λ1の光信号(光バースト信号)は、光合分波器16を通過して光受信部15により電気信号に変換され、変換された電気信号はデータ中継制御部12に送られる。
データ中継処理部12は、上り下り双方のフレームの中継機能の他、PONの規約に従った、LLID(Logical Link ID)による宅側装置2の識別機能、MPCP(Multi-Pont Control Protocol)機能を有し、自身と宅側装置2との間でゲートとレポートをやり取りして上り方向の送信タイミングを多重制御する。
従って、データ中継制御部12は、受信した上りフレームのヘッダ部分を読み取ることにより、当該上りフレームがデータフレームであるか、或いはレポートフレームであるかを判定する。
この判定の結果、上りフレームがデータフレームであれば、データ中継制御部12は、SNI11に対する送信制御等の所定の中継処理を行い、処理後のフレームはSNI11から上位ネットワーク8へ送出される。
また、上記判定の結果、フレームがレポートフレームであれば、データ中継制御部12は、このレポートに基づいて多重制御情報としてのゲートフレームを生成し、このゲートフレームをスケジュール挿入部13に送る。
更に、データ中継制御部12は、各宅側装置2A〜2Cに配付するゲートフレームの生成に際して、その宅側装置2A〜2Cから次に光信号B1〜B3を受信する、自身に対する上り方向の受信スケジュールをスケジュール管理部26に記憶させる。
〔局側装置の光受信部(光受信装置)〕
図2に示すように、局側装置1の光受信部15は、光電変換素子18、増幅器19、二値化回路(比較器)20、誤り率測定部(FEC復号化部等)21、電圧制御回路22、及び電圧調整部23を内部に備えている。
光受信部15の光電変換素子18は、半導体受光素子の一種であるアバランシェフォトダイオード(APD)よりなる。
上記APD18は、受信感度を調整可能な受光素子の一種であり、バイアス電圧を変化させることでPD電流を所定の増倍率(受信感度)で可変に設定可能となっている。このAPD18は、上りの光信号B1〜B3の受光量に対応するレベルの電気信号(電流)を出力し、増幅器19は光電変換後の電流を電圧に変換して増幅する。
また、二値化回路20は、増幅器18の出力信号(電圧)を所定の閾値と比較して二値信号を生成する。
なお、図2には図示していないが、二値化回路20と誤り率測定部21の間には、クロック・データ再生部が設けられている。この再生部は、二値化回路20から受けた二値信号に同期して、タイミング成分(クロック信号)とデータ信号とを再生する。
電圧制御回路22は、増倍率に影響する制御電圧である、逆方向のバイアス電圧をAPD18に印加するバイアス回路よりなる。この電圧制御回路22は、後述する電圧調整部23が調整した改善値に相当するバイアス電圧をAPD18に印加する。
一方、誤り率測定部21は、再生されたデータ信号に対して所定の誤り訂正復号化(FEC復号化)を行うFEC復号化部と、再生されたデータ信号に対して64B/66B復号化を行う物理層復号化部とを内部に備えている。
上記FEC復号化部が行う誤り訂正復号は、宅側装置2の光送信部34(図3参照)が生成した誤り訂正符号に対応する復号化処理である。FEC復号化部は、誤り訂正復号の際の誤り訂正数を所定時間ごとにカウントし、その訂正数をその期間のデータ信号のシンボル数で除した訂正頻度(≒誤り率)の演算機能を有する。このFEC復号化部が求めた誤り率は、電圧調整部23に入力される。
本実施形態の局側装置1は、電圧調整部23が実行するAPD18の感度調整制御のための入力情報の生成手段として、温度測定部24、ルックアップテーブル25、スケジュール管理部26、及び受光パワー測定部27を備えている。
このうち、温度測定部24は、APD18の近傍に設置されたサーミスタ等よりなり、その測定値(温度)は電圧調整部23に入力される。
受光パワー測定部27は、APD18の出力電流の振幅に基づいてAPD18の受光パワーを測定する電流計等よりなり、その測定値(受光パワー)も電圧調整部23に入力される。
スケジュール管理部26は、データ中継制御部12が生成した各宅側装置2A〜2Cから受信する上り方向の受信スケジュールを一次的に記憶するメモリ等よりなり、電圧調整部23は、記憶されたその受信スケジュールを管理部26から読み出すことができる。
また、ルックアップテーブル25は、宅側装置2A〜2Cごと及びAPD18の温度ごとに、電圧設定値その他の必要データを一時的に記憶するメモリ等に格納されている。図8(a)は、この局側装置1のルックアップテーブル25の概念図である。
同図に示すように、ルックアップテーブル25は、宅側装置2のLLIDと温度区分を変数として2次元配列されたデータ構造になっており、その配列の各要素に、バイアス回路22に対する電圧設定値と、前回の制御サイクルでの誤り率と、その電圧設定値の変化方向(増加又は減少)を格納可能となっている。
局側装置1の電圧調整部23は、上記温度測定部24、ルックアップテーブル25、スケジュール管理部26及び受光パワー測定部27から取得した各入力情報に基づいて、バイアス回路22の電圧設定値を改善する感度調整制御を実行する。なお、この電圧調整部23の制御内容(図4及び図5)については後述する。
〔宅側装置の構成〕
図3は、宅側装置2の内部構成の概略を示すブロック図である。
図3に示すように、宅側装置2は、ユーザ側(図3右側)からPON側に向かって順に、UNI(User-Network Interface)31、データ中継制御部22、スケジュール取得部33、光送信部34、光受信部35及び光合分波器36を備えている。
図3において、ユーザネットワーク9からの上りフレームは、UNI31を経てデータ中継制御部32に送られる。
データ中継制御部32は、その上りフレームを光送信部34に渡すとともに、PON制御フレームであるレポートフレームを自身で生成した場合には、そのレポートフレームについても光送信部34に渡す。
上りフレームは、光送信部34において、波長λ1でかつ所定の伝送レート(10.3125Gbps)の光信号に変換され、光合分波器36を介してPON側に向けて下り方向に送信される。
光送信部44には、物理層符号化部とFEC符号化部(図示せず)とが含まれている。このうち、物理層符号化部は、データ中継制御部32から送られる上りのデータに対して64B/66B符号化を行い、FEC符号化部は、符号化されたデータに対して更に冗長ビットを付加して所定の誤り訂正符号を生成する。
また、図3において、局側装置1が下り方向に送信した波長λ2の光信号(連続した光信号)は、光合分波器36を通過して光受信部35により電気信号に変換され、変換された電気信号は、スケジュール取得部33を通じてデータ中継制御部32に送られる。
データ中継制御部32は、自己宛のゲートフレームに従って自身による上り方向の送信タイミングと送信データ量を決定するため、受信した下りフレームのヘッダ部分を読み取ることにより、当該下りフレームがデータフレームであるか、或いは、ゲートフレームであるかを判定する。
この判定の結果、上りフレームがデータフレームであれば、データ中継制御部32は、UNI31に対する送信制御等の所定の中継処理を行い、処理後のフレームはUNI31からユーザネットワーク9へ送出される。
また、上記判定の結果、フレームがゲートフレームであれば、データ中継制御部32は、このゲートに記された制御情報から所定のデータ量(送信時間長)の上りフレームを生成し、この上りフレームを所定の送信開始時刻に光送信部34から送信させる。
スケジュール取得部33は、光受信部35からの下りフレームがゲートフレームである場合には、局側装置1のスケジュール挿入部13が格納したスケジュール情報を当該フレームから抽出し、抽出したスケジュール情報を後述する変更幅切替部46に送る。
〔宅側装置の光受信部(光受信装置)〕
図3に示すように、宅側装置2の光受信部35は、光電変換素子38、増幅器39、二値化回路(比較器)40、誤り率測定部(FEC復号化等)41、電圧制御回路42、及び電圧調整部43を内部に備えている。
宅側装置2の場合も、光受信部35の光電変換素子38は、半導体受光素子の一種であるアバランシェフォトダイオード(APD)よりなり、バイアス電圧を変更することによって増倍率(受信感度)の調整が可能である。
また、宅側装置2の場合においても、二値化回路40は増幅器38の出力信号(電圧)を所定の閾値と比較して二値信号を生成し、この二値化回路40と誤り率測定部41の間に図示しないクロック・データ再生部が設けられている。
更に、電圧制御回路42も、APD38に逆方向のバイアス電圧を付与するバイアス回路よりなり、後述する電圧調整部43が調整した改善値に相当するバイアス電圧をAPD38に印加する。
誤り率測定部41の内部構成も局側装置1の場合と同様であり、再生されたデータ信号に対して所定の誤り訂正復号化(FEC復号化)を行うFEC復号化部と、再生されたデータ信号に対して64B/66B復号化を行う物理層復号化部とを内部に備えている。
上記FEC復号化部が行う誤り訂正復号は、局側装置1の光送信部14(図2参照)が生成した誤り訂正符号に対応する復号化処理である。このFEC復号化部も、訂正頻度の演算機能を有し、演算された訂正頻度は電圧調整部43に入力される。
本実施形態の宅側装置2は、電圧調整部43が実行するAPD38の感度調整制御のための入力情報の生成手段として、温度測定部44、ルックアップテーブル45、スケジュール管理部46、及び変更幅切替部47を備えている。
このうち、宅側装置2の温度測定部44も、APD38の近傍に設置されたサーミスタ等よりなり、その測定値(温度)は電圧調整部43に入力される。
ルックアップテーブル45は、APD38の温度ごとに、電圧設定値その他の必要データを一時的に記憶するメモリ等に格納されている。図8(b)は、この宅側装置2のルックアップテーブル45の概念図である。
同図に示すように、ルックアップテーブル45は、温度区分を変数として1次元配列されたデータ構造になっており、その配列の各要素に、バイアス回路42に対する電圧設定値と、その電圧設定値の変化方向(増加又は減少)を格納可能となっている。
変更幅切替部46は、スケジュール取得部33から取得した到着タイミングに基づいて下りの光信号C1の宛先が自装置宛か否かを判定し、その判定結果に応じて電圧設定値の変更幅を切り替える。
具体的には、下り信号が自装置宛の場合には、電圧設定値の変更幅が比較的小さめに切り替えられ、他装置宛の場合にはその変更幅が比較的大きめに切り替えられる。
宅側装置2の電圧調整部43は、上記温度測定部44、ルックアップテーブル45及び変更幅切替部27から取得した各入力情報に基づいて、バイアス回路42の電圧設定値を最適化する感度調整制御を実行する。なお、この電圧調整部43の制御内容(図6及び図7)については後述する。
〔局側装置における感度調整制御〕
図4及び図5は、局側装置1が実行する感度調整制御のフローチャートである。
この感度調整制御は、誤り率測定部21で検出される誤り率を運用中に監視し、その誤り率が現状よりも小さくなる方向に、電圧制御回路(バイアス回路)22に設定するバイアス電圧の改善値を探索するものである。以下、その制御内容を説明する。
なお、局側装置1が実行する感度調整制御の制御サイクルは、概ね1μs〜数μ秒であればよいが、上り方向の無信号期間の長さに応じて可変に設定してもよい。
図4に示すように、まず、局側装置1の電圧調整部23は、ルックアップテーブル25を初期化して(ステップST1)、当該テーブル25のONUポインタと温度ポインタを前回の初期位置に設定するとともに(ステップST2)、前回の受光パワーの値を「0」に設定する(ステップST3)。
その後、電圧調整部23は、温度測定部24の測定値を参照して、前回から所定値以上の温度変化があったか否かを判定する(ステップST4,ST5)。
上記判定結果が肯定的である場合には、電圧調整部23は、測定温度に合わせて温度ポインタを移動し(ステップST6)、当該温度における電圧設定値の初期値をルックアップテーブル25からロードしてから(ステップST7)、受光パワーを測定する(ステップST8)。
なお、上記判定結果が否定的である場合は、電圧調整部23は、測定温度に応じた電圧設定値の初期値のロードを行わずに、受光パワーを測定する(スケジュールST8)。
次に、図5に示すように、局側装置1の電圧調整部23は、測定した今回の受光パワーが「0」であるか「0以外」であるかを判定するとともに(ステップST9)、それぞれの場合について、前回の受光パワーが「0」であったか「0以外」であったかを判定する(ステップST10,ST11)。
ここで、今回パワーが「0以外」でかつ前回パワーが「0」である場合には、前回から今回までの期間中に、ある特定の宅側装置2による上り送信が開始したと判断することができる(ステップST12)。
そこで、この場合、局側装置1の電圧調整部23は、今回の制御サイクルにおいて上り信号を送出した宅側装置2に合わせてONUポインタを移動させ(ステップST13)、その宅側装置2に対応する電圧設定値の初期値をルックアップテーブル25からロードする(ステップST14)。
また、この場合、電圧調整部23は、上記宅側装置2における前回の誤り率を読み出し(ステップST15)、後述する電圧設定値の改善処理(ステップST20〜ST24)を実行する。
これに対して、今回パワーと前回パワーがいずれも「0以外」の場合には、特定の宅側装置2による上り送信が継続していると判断できるので(ステップST16)、この場合、局側装置1の電圧調整部23は、ルックアップテーブル25からのデータの読み出しを行わずに現状維持し、後述する電圧設定値の改善処理(ステップST20〜ST24)を実行する。
一方、今回パワーが「0」でかつ前回パワーが「0以外」の場合には、前回から今回までの期間中に、特定の宅側装置2による上り送信が終了したと判断することができる(ステップST17)。
そこで、この場合、局側装置1の電圧調整部23は、当該宅側装置2について今回使用した電圧設定値を初期値としてセーブし(ステップST18)、電圧設定値の変更処理(ステップST20〜24)を実行せずに、その電圧設定値をルックアップテーブル25に保存する(ステップST25)。
これに対して、今回パワーと前回パワーがいずれも「0」の合には、上り方向が無信号であると判断できるので(ステップST19)、この場合、局側装置1の電圧調整部23は、電圧設定値の改善処理(ステップST20〜ST24)及び誤り率の保存(ステップST25)を実行せずに、感度調整制御の処理を温度測定(ステップST4)にまで戻し、次回以降に発生する受光パワーの変化を待つ。
次に、局側装置1の電圧調整部23が行う電圧設定値の改善処理(ステップST20〜ST24)について説明する。
この改善処理において、電圧調整部23は、まず、その時の温度区分及び宅側装置2に対応する電圧変化の向き(増加又は減少)をルックアップテーブル25から読み出し、その読み出した向きで電圧設定値を一定量だけ変更してから(ステップST20)、上り信号の誤り率を測定する(ステップST21)。
その後、電圧調整部23は、測定した誤り率を前回の誤り率と比較する(ステップST22)。この比較結果のうち、誤り率の変動が予め設定された一定量以内である場合には、敢えて電圧設定値を変更する必要がないので、電圧調整部23は、変更した電圧設定値を元に戻す(ステップST23)。
また、誤り率が上記一定量を超えて増加した場合には、前回の電圧変化の向きでは誤り率が悪くなるから、電圧調整部23は、変更した電圧設定値を元に戻すとともに、逆の電圧変化の向きをルックアップテーブル25の対応位置に書き込む(ステップST24)。
更に、誤り率が減少した場合には、今回行った電圧設定値の変更によって誤り率が良くなるから、電圧調整部23は、変更した電圧設定値をルックアップテーブル25の対応位置に書き込んで、今回の誤り率としてルックアップテーブル25に保存する(ステップST25)。
以上の感度調整制御を所定の制御サイクルで繰り返すことにより、電圧制御回路22に対するバイアス電圧の改善値がトライアンドエラー方式によって探索される。
なお、本実施形態の局側装置1では、電圧設定値の改善処理(ステップST20〜ST24)を行う場合の、宅側装置2ごとの誤り率の許容範囲が予めメモリ等に記録されており、電圧調整部23は、この許容範囲内において改善値の探索を行う。
例えば、受信レベルが比較的小さい遠隔地の宅側装置2Cの場合には、上記許容範囲を10−4〜10−2程度に設定し、受信レベルが比較的大きい近隣の宅側装置2Aの場合には、上記許容範囲を10−12〜10−10程度に設定すればよい。
〔局側装置の光受信部の効果〕
以上の通り、本実施形態に係る局側装置1の光受信部15によれば、電圧調整部(感度調整手段)23が、測定した誤り率に応じてAPD18による受信感度を調整するに当たって、上り方向の光信号B1〜B3の送信元の相違に応じて異なった感度調整を実行するので、光信号B1〜B3の送信元が異なる場合であっても、APD18に対する感度調整を適切に実行することができる。このため、運用中の光受信部15のAPD18に対する感度調整を正確に行うことができる。
また、本実施形態に係る局側装置1の光受信部15によれば、電圧調整部(感度調節手段)23が、誤り率の許容範囲内においてバイアス電圧の改善値を探索するので、トライアンドエラー方式の探索を行うことによって運用中における光信号B1〜B3の誤り率が大幅に落ち込むことがなく、光信号B1〜B3の受信不良を未然に防止できるという利点もある。
〔宅側装置における感度調整制御〕
図6及び図7は、宅側装置2が実行する感度調整制御のフローチャートである。
この感度調整制御は、誤り率測定部41で検出される誤り率を宅側装置2の運用中に監視し、その誤り率が現状よりも小さくなる方向に電圧制御回路(バイアス回路)42に生成させるバイアス電圧を改善するものである。以下、その制御内容を説明する。
なお、宅側装置2が実行する当該感度調整制御の制御サイクルも、概ね1μs〜数μ秒であればよいが、下り方向の自身宛の受信期間の長さに応じて可変に設定してもよい。
図6に示すように、まず、宅側装置2の電圧調整部43は、ルックアップテーブル45を初期化して(ステップST1)、当該テーブル45の温度ポインタを前回の初期位置に設定してから(ステップST2)、温度測定部44の測定値を参照して、前回から所定値以上の温度変化があったか否かを判定する(ステップST3,ST4)。
上記判定結果が肯定的である場合(温度変化ありの場合)には、電圧調整部43は、測定温度に合わせて温度ポインタを移動し(ステップST5)、当該温度における電圧設定値の初期値をルックアップテーブル45からロードし(ステップST6)、受信スケジュールを取得する(ステップST7)。
なお、上記判定結果が否定的である場合は、電圧調整部43は、測定温度に応じた電圧設定値の初期値のロードを行わずに、受信スケジュールを測定する(ステップST7)。
次に、宅側装置2の電圧調整部43が実行する行う電圧設定値の改善処理(ステップST8〜ST14)について説明する。
この改善処理において、電圧調整部43は、まず、その時の温度区分に対応する電圧変化の向き(増加又は減少)をルックアップテーブル45から読み出すとともに、取得した受信スケジュールに基づいて、現在受信している下り信号が、どの宅側装置2宛ての時間帯であるか否かを判定する(ステップST8)。
この判定結果のうち、下り信号が自己宛である場合には、電圧調整部43は、電圧設定値の変化幅を小さめ(例えば割合で1%)に設定して、ルックアップテーブル45から読み出した向きで、その変更幅の分だけ電圧設定値を変更する(ステップST9)。
また、下り信号が自己宛以外である合には、電圧調整部43は、電圧設定値の変化幅を大きめ(例えば割合で4%)に設定して、ルックアップテーブル45から読み出した向きで、その変更幅の分だけ電圧設定値を変更する(ステップST10)。
上記電圧設定値の変更が完了すると、宅側装置2の電圧調整部43は、下り信号の誤り率を測定し(ステップST11)、測定した誤り率を前回の誤り率と比較する(ステップST12)。
この比較結果のうち、誤り率の変動が予め設定された一定量以内である場合には、敢えて電圧設定値を変更する必要がないので、電圧調整部43は、変更した電圧設定値を元に戻す(ステップST13)。
また、誤り率が上記一定量を超えて増加した場合には、前回の電圧設定値では誤り率が悪くなるから、電圧調整部43は、変更した電圧設定値を元に戻すとともに、逆の電圧変化の向きをルックアップテーブル45の対応位置に書き込む(ステップST14)。
更に、誤り率が減少した場合には、今回行った電圧設定値の変更によって誤り率が良くなるから、電圧調整部43は、変更した電圧設定値をルックアップテーブル45の対応位置に書き込んで、今回の誤り率としてルックアップテーブル45に保存する(ステップST15)。
以上の感度調整制御を所定の制御サイクルで繰り返すことにより、電圧制御回路42に対するバイアス電圧の改善値がトライアンドエラー方式によって探索される。
なお、本実施形態の宅側装置2においても、電圧設定値の改善処理(ステップST8〜ST14)を行う場合の、誤り率の許容範囲が予めメモリ等に記録されており、電圧調整部23は、この許容範囲内において改善値の探索を行う。
〔宅側装置の光受信部の効果〕
以上の通り、本実施形態に係る宅側装置2の光受信部35によれば、電圧調整部(感度調整手段)43が、測定した誤り率に応じてAPD38による受信感度を調整するに当たって、下り方向の光信号C1の送信先の相違(すなわち、送信先が自己宛かそれ以外かの相違)に応じて異なった感度調整を実行するので、光信号C1の送信先が異なる場合であっても、APD38に対する感度調整を適切に実行することができる。このため、運用中の光受信部15のAPD18に対する感度調整を正確に行うことができる。
また、本実施形態では、電圧調整部43が、送信先が自己宛である下り方向の光信号C1だけでなく、送信先が自己宛以外である下り方向の光信号C1をも利用して改善値を探索するので、温度変化に伴ってAPD38の受信感度の変動が発生し易い宅側装置2Aの場合であっても、その受信感度を安定させることができる。
更に、本実施形態では、送信先が自己宛以外である下り方向の光信号C1の電圧設定値の変更幅が、送信先が自己宛である下り方向の光信号C1の場合よりも広めに設定されているので、自己宛の光信号C1によって改善値の探索をより慎重かつ正確に行うことができるとともに、自己宛以外の光信号C1によって改善値の探索をより大胆かつ迅速に行うことができる。
また、本実施形態に係る宅側装置2の光受信部25の場合も、電圧調整部(感度調節手段)43が、誤り率の許容範囲内においてバイアス電圧の改善値を探索するので、トライアンドエラー方式の探索を行うことによって運用中における光信号C1の誤り率が大幅に落ち込むことがなく、光信号C1の受信不良を未然に防止できるという利点がある。
〔その他の変形例〕
上記実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更は、本発明の権利範囲に包含される。
例えば、上記実施形態では、局側装置1と宅側装置2の双方に本発明の光受信装置を適用した場合を例示したが、それらのうちのいずれか一方のみに、本発明の光受信装置を適用してもよい。
1 局側装置
2 宅側装置
2A 宅側装置
2B 宅側装置
2C 宅側装置
5 光ファイバ(幹線)
6 光カプラ
7 光ファイバ(支線)
15 光受信部(局側の光受信装置)
18 光受信素子(APD)
21 誤り率測定部(測定手段)
23 電圧調整部(感度調整手段)
35 光受信部(宅側の光受信装置)
38 光受信素子(APD)
41 誤り率測定部(測定手段)
43 電圧調整部(感度調整手段)
C1 光信号(下り方向)
B1 光信号(上り方向)
B2 光信号(上り方向)
B3 光信号(上り方向)

Claims (3)

  1. 1本の光ファイバを分岐させた1対多の双方向光通信を、誤り訂正符号付きの光信号を時分割多重で送受信することによって行う、PONシステムの宅側装置に搭載された光受信装置であって、
    下り方向の前記光信号の受信感度を調整可能な光受信素子と、
    受信した下り方向の前記光信号の誤り率を測定する測定手段と、
    測定した前記誤り率に応じて前記受信感度を調整する感度調整手段とを備えており、
    前記感度調整手段は、下り方向の前記光信号の送信先に応じて異なった感度調整を実行し、前記感度調整は、前記光受信素子に対する制御電圧に変更を加えて前記誤り率を測定することにより、前記制御電圧の改善値を探索するものであり、
    前記感度調整手段は、送信先が自己宛である下り方向の前記光信号と、送信先が自己宛以外である下り方向の前記光信号とを用いて前記改善値を探索するに当たり、送信先が自己宛以外である下り方向の前記光信号の前記制御電圧の変更幅を、送信先が自己宛である下り方向の前記光信号の場合よりも広めに設定することを特徴とする光受信装置。
  2. 前記感度調節手段は、前記誤り率の許容範囲内において前記改善値を探索することを特徴とする請求項に記載の光受信装置。
  3. 1つのノードが複数のノードに時分割多重で下り方向に送信した誤り訂正符号付きの光信号を、当該複数のノードが受信する光信号の受信方法であって、
    受信した下り方向の前記光信号の誤り率を測定する第1のステップと、
    測定した前記誤り率に応じて光受信素子による受信感度を調整する第2のステップとを含み、
    前記第2のステップにおける前記受信感度の調整は、下り方向の前記光信号の前記送信先が自己宛か自己宛以外かに応じて、前記光受信素子に対する制御電圧に異なる変更を加えて前記誤り率を測定することにより、前記制御電圧の改善値を探索するものであり、
    かつ、送信先が自己宛以外である場合の前記制御電圧の変更幅を、送信先が自己宛である場合よりも広めに設定するものであることを特徴とする光信号の受信方法。
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