JP6115283B2 - 光信号の受信装置及び受信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、PON(Passive Optical Network )システムを構成する宅側装置に好適に使用される、光信号の受信装置及び受信方法に関する。
PONシステムは、集約局としての局側装置と、複数の加入者宅に設置された宅側装置とを、1本の光ファイバから光カプラを介して複数の光ファイバに分岐する光ファイバ網によって接続したものである(例えば、特許文献1参照)。
かかるPONシステムでは、局側装置から宅側装置への下り方向通信の場合は、ブロードキャスト方式によって連続的な光信号が伝送され、宅側装置から局側装置への上り方向通信の場合は、光信号の衝突を避けるために、時分割方式によって間欠的な光信号(光バースト信号)が伝送される。
上記PONシステムで使用される光受信回路では、伝送速度の高速化に伴って高受信感度が要求されている。例えば10G−EPON(IEEE 802.3av)のPR30では、宅側装置にもアバランシェフォトダイオード(Avalanche Photodiode:以下、「APD」と略記することがある。)の使用が想定され、下り信号の高受信感度化が図られている。
また、10G−EPONでは、送信信号に前方誤り訂正(Forward Error Correction:以下、「FEC」ということがある。)によって符号化を行い、受信側においてその符号化に対応するFEC復号化を行うことにより、伝送速度の高速化に伴って不足するパワーバジェットを補う。
光通信用のAPDでは、増倍率がほぼ10付近となるバイアス電圧に設定すると最も高いSN比が得られる。しかし、増倍率が小さ過ぎると増倍効果が不十分になり、逆に増倍率が大き過ぎると、ショットノイズや暗電流が増加してSN比が劣化する。従って、最適なSN比を実現するためには、APDのバイアス電圧を適切に制御する必要がある。
また、APDのバイアス電圧は、大きな温度依存性を持つとともに、その特性のばらつきが大きいので、受信装置ごとにAPDの特性を検査しつつ、最適なバイアス電圧を設定する必要がある。
従来、受信装置の製造時に擬似ランダムビットシーケンス(Pseudo-random bit sequence:PRBS)等、既知の信号を受信しながらビットエラーレート(Bit Error Ratio:BER)を測定し、その値が最小となるようバイアス電圧を予め設定している。
しかし、かかる製造時におけるバイアス電圧の設定作業は、そもそも手間がかかるとともに、環境変化や経年変化によって受信特性が変化した場合には、これに対応できないという欠点がある。
また、従来では、APDのバイアス回路に温度センサを設けて、APDの温度をモニタし、その温度に応じてバイアス電圧を最適値に制御している。しかし、起動時など受信装置内部の温度変化が大きい場合には、温度センサが正しくAPDの温度を検出できず、バイアス電圧を最適値に制御することが難しい。
そこで、本出願人は、APDのバイアス電圧を誤り訂正符号の訂正頻度に基づいて最適化することにより、運用時においても光電変換素子に印加するバイアス電圧を自動的に改善することができる、光信号の受信装置を既に提案している(特許文献2参照)。
特開2004−64749号公報(図4) 特開2011−29803号公報
ところで、PONの宅側装置等に用いる光送受信器では、自己診断機能(Digital Diagnostic Monitoring:DDM)の1つとして、RSSI(Received Signal Strength Indicator)機能の実装が要求される。
かかるRSSI機能は、カレントミラー回路などを用いてモニタしたAPDの電流からAPDの光受信強度(受光パワー)を算出し、算出した光受信強度から光通信回線の状態やAPDの劣化などを診断する機能である。
ここで、特許文献2に記載の受信装置では、訂正頻度が比較的多い(10−4〜10−2程度)場合は、訂正頻度が最低(BERが最小)となるAPDバイアスに制御され、APDの増倍率がM=8〜12ぐらいに収束する安定した制御が行われる。
しかし、訂正頻度が比較的少ない(10−12〜10−10程度)場合には、所望の受信感度が得られていることから、現時点のバイアス電圧を維持又は低下させて、APDのバイアス電圧を適当に調整するようになっている。
この場合、訂正頻度が少ないことから光信号は十分に強いと考えられ、例えば、M=5程度であっても、エラーフリーでの光信号の受信が可能ではある。
しかし、現時点のバイアス電圧を維持又は低下させるだけでは、APDの増倍率の値が不定のままであるから、光信号の強度とAPD電流の相関を取ることができず、RSSI機能を実装できないという問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、データ信号の訂正頻度からAPDのバイアス電圧を改善させつつ光信号を受信する場合において、RSSI機能を受信装置に実装できるようにすることを目的とする。
(1) 本発明の受信装置は、FECによって符号化された光信号の受信装置であって、逆方向のバイアス電圧によって光電流の増倍率が変化する、前記光信号を光電変換する光電変換素子と、光電変換後の電気信号を二値化したデータ信号をFEC復号化するFEC復号化部と、前記光電変換素子の温度をモニタする温度センサと、所定の条件に応じて切り替えられる動作モードとして、前記光信号に含まれるエラーが相対的に多い場合に下記のエラー制御モードで動作し、そのエラーが相対的に少ない場合に下記の粗制御モードで動作する制御部と、を備える。
エラー制御モード:光電変換素子に印加するバイアス電圧の改善値を、データ信号の訂正頻度に基づいて決定する制御モード
粗制御モード:光電変換素子に印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧の電圧値を、当該光電変換素子の温度に基づいて決定する制御モード
なお、本発明の受信装置は、エラー制御モードと粗制御モードとを互いに切り替える場合が含まれることは勿論のこと、それらのモードの間に他の第三のモードが行われるものであっても良い。
また、本明細書において、バイアス電圧の「改善値」とは、バイアス電圧が現時点のものよりも特定の条件(例えば、訂正頻度がより低いこと。)に適合することとなるように、当該バイアス電圧を改善した電圧値のことをいう。
従って、後述の実施形態のように、エラー制御モードにおいて、訂正頻度を最小にするバイアス電圧の最適値を決定する場合には、その最適化処理によって得られた唯一のバイアス電圧の最適値も、上記改善値に含まれる。
本発明の受信装置によれば、制御部が、光信号に含まれるエラーが相対的に少ない場合に上記の粗制御モードで動作する。
そして、制御部は、かかる粗制御モードにおいて、APDに印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧の電圧値を決定するので、APDの増倍率の値が定まった電圧制御が可能となる。このため、光信号の強度とAPD電流の相関を取ることができ、RSSI機能を実装することができる。
また、本発明の受信装置によれば、光信号に含まれるエラーが相対的に少ない場合に行われる制御モードが、例えば、1つの温度における調整値を用いる比較的粗い温度制御モード(粗制御モード)でよく、この場合には、複数の温度における調整値を用いる温度制御モードの場合に比べて、APDにバイアス電圧を印加するバイアス回路の調整が容易であり、より簡便に実装できるという利点もある。
なお、本発明の受信装置において、APDの1つの温度における調整値を用いる粗制御モードで足りる理由は、次の通りである。
すなわち、RSSI機能において要求されるRSSIの精度は、±3dB(50〜200%)であり、この場合、増倍率の精度は±20%程度で足りるが、1つの温度における調整値のみでバイアス電圧を決定する粗い制御を行っても、増倍率の精度をその範囲内に収めることができ、特に問題は生じないからである。
また、粗制御モードはエラーが相対的に少ない場合に行われるため、増倍率の精度が±20%程度であれば、FEC復号化部で訂正できるエラーレート(10−3以下)に保つことができる。
(2) 本発明の受信装置において、光信号に含まれるエラーの多寡は、例えば、FEC復号化部によるデータ信号に対する訂正頻度の多寡で判定することができる。
この場合、前記制御部は、前記データ信号の訂正頻度が所定の閾値(例えば、10−7)よりも多い場合には、前記エラー制御モードで動作し、前記データ信号の訂正頻度が所定の閾値よりも少ない場合には、前記粗制御モードで動作するようにすればよい。
(3) また、本発明の受信装置において、前記光電変換素子のバイアス電流をモニタする電流モニタ部を更に備える場合には、光信号に含まれるエラーの多寡を、当該光電変換素子のバイアス電流の値で判定することにしてもよい。
この場合、前記制御部は、モニタされた前記バイアス電流が所定の閾値よりも少ない場合は、前記エラー制御モードで動作し、モニタされた前記バイアス電流が所定の閾値よりも多い場合は、前記粗制御モードで動作するようにすればよい。
(4) 本発明の受信装置において、前記制御部は、前記光電変換素子が特定温度において所定の増倍率となる前記バイアス電圧の基準値と、前記特定温度からの温度の差分を前記バイアス電圧に調整する温度係数とを保持するとともに、この温度係数が前記光電変換素子の代表値よりなることが好ましい。
この場合、前記粗制御モードは、保持された前記基準値及び前記温度係数の代表値と、前記温度センサがモニタした温度と基づいて、前記バイアス電圧を決定する処理となる。
本発明の受信装置によれば、特定温度からの温度の差分をバイアス電圧の差分に変換する温度係数が、APDの代表値よりなるので、雰囲気温度を複数に設定してバイアス回路を調整しつつ温度係数を求める必要がない。
このため、エラー制御モードの他に粗制御モードを行う本発明の受信装置を、簡便に実装できるという利点がある。
(5) 本発明の受信方法は、逆方向のバイアス電圧によって光電流の増倍率が変化する光電変換素子を用いて、FECによって符号化された光信号を受信する方法であって、本発明の受信装置が実行する受信方法に関する。このため、本発明の受信方法は、本発明の受信装置と同様の作用効果を奏する。
以上の通り、本発明によれば、APDに印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧の電圧値を、当該APDの温度に基づいて決定する粗制御モードを実行するので、光信号の強度とAPD電流の相関を取ることができる。
このため、データ信号の訂正頻度からAPDのバイアス電圧を改善させつつ光信号を受信する場合でも、RSSI機能を受信装置に実装できる。また、温度制御モードのみの場合に比べて、温度制御モードの精度を粗くでき、光電変換素子にバイアス電圧を印加するバイアス回路の調整が容易になり、簡便に実装することができる。
本発明の実施形態に係るPONシステムの接続図である。 宅側装置の内部構成の概略を示すブロック図である。 宅側装置における光受信部とPON側受信部の内部構成の一例を示すブロック図である。 局側装置の内部構成の概略を示すブロック図である。 APDのバイアス電圧と光電流(PD電流)の関係を示すグラフである。 APDのバイアス電圧と受信誤り率(訂正頻度)との関係を示すグラフである。 制御フレームのやり取りを示すシーケンス図である。 上り方向の通信制御を示すシーケンス図である。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るPONシステムの接続図である。
図1において、局側装置1は、複数の宅側装置2A〜2Cに対する集約局として設置され、各宅側装置2A〜2Cは、それぞれPONシステムの加入者宅に設置されている。
なお、本実施形態では、各宅側装置の共通事項を説明する場合には符号2を使用し、各宅側装置の個別事項を説明する場合には、符号2A〜2Cを使用する。
局側装置1に接続された1本の光ファイバ(幹線)5は、光カプラ6等よりなる受動光分岐ノードを介して複数の光ファイバ(支線)7に分岐しており、これによって光ファイバ網が構成されている。その光カプラ6から分岐した各光ファイバ7の終端に、それぞれ各宅側装置2が接続されている。
また、局側装置1は、上位ネットワーク8と接続され、各宅側装置2はそれぞれのユーザネットワーク9と接続されている。
なお、図1では、合計3個の宅側装置2A〜2Cを示しているが、1つの光カプラ6から例えば32分岐して32個の宅側装置を接続することが可能である。
また、図1では、光カプラ6を1個だけ使用しているが、光カプラを縦列に複数段設けることにより、更に多くの宅側装置を局側装置1と接続することができる。
図1において、宅側装置2から局側装置1への上り方向には、波長λ1の光信号によるデータが送信される。逆に、局側装置1から宅側装置2への下り方向には、波長λ2の光信号によるデータが送信される。
これらの波長λ1及びλ2は、例えば、IEEE802.3avの10.3125Gbps信号では、以下の範囲の値が想定されている。
1260nm≦λ1≦1280nm
1575nm≦λ2≦1580nm
本実施形態では、下り方向の連続的な光信号C1と、上り方向の間欠的な光バースト信号B1〜B3が、いずれも、リードソロモン符号やターボ符号等の所定の前方誤り訂正(FEC)符号によってランダムに符号化されることを想定している。
〔制御フレームのやり取り〕
図7は、局側装置1と宅側装置2A(宅側装置2B,2Cについても同様)との間の制御フレームのやり取りを示すシーケンス図である。
図7に示すように、まず、局側装置1は、運用時間開始時刻T0の時点で宅側装置2Aに関するRTT(Round Trip Time)を既に計算している。
時刻Ta1において、局側装置1は、宅側装置2Aに対して、送出要求量を通知させるために、レポート送出開始時刻Tb2を含んだゲートフレームG1を送信する。
このレポート送出開始時刻Tb2は、他の宅側装置2B,2Cから送信されるレポートと衝突しないように計算される。
宅側装置2Aは、時刻Tb1に自身に対するゲートG1を受信すると、データ中継処理部207(図2参照)のバッファメモリに蓄積されたデータ量を参照して送出要求量を算出し、ゲートトG1に含まれるレポート送出開始時刻Tb2に、局側装置1に対して送出要求量を含んだレポートフレーム(リクエストともいう。)R1を送出する。
局側装置1は、時刻Ta2に上記レポートR1を受信すると、固定または可変の最大送出許可量以下となり、かつ、レポートR1に含まれるバッファメモリ内データ量のデータをなるべく多く送れるような値を演算し(帯域割当)、演算結果を送出許可量としてゲートフレーム(グラント)G2に挿入する。
レポートR1に含まれる送出要求量がゼロの場合には、局側装置1による演算結果がゼロとなるため帯域が割当てられないが、宅側装置2AにレポートR2を送出させる必要があるので、局側装置1は宅側装置2Aに対して必ずゲートG2を送出する。
ゲートG2に含まれる送出開始時刻Tb4は、演算済みである前回の宅側装置2Aのデータの受信予定時刻、前回の宅側装置2の送出許可量、現在の宅側装置2Aに関するRTT及び固定時間であるガードタイムを用い、データ及びレポートが他の宅側装置2B,2Cからのデータ又はレポートと衝突しないように計算される。
なお、局側装置1は、自身がゲートG2を送出する時刻Ta3を、送出開始時刻Tb4までにゲートG2が宅側装置2Aに到着するように計算する。
宅側装置2Aは、時刻Tb3に自身に対するゲートG2を受信すると、そのゲートG2に含まれる送出開始時刻Tb4に、グラントされた送出許可量分のデータDを、次回の送出要求量を含んだレポートR2とともに局側装置1に送出する。
このレポートR2は、データDの直前または直後に送出されるが、データDの直前に送出される場合には、送出要求量として局側装置1に報告する値は、バッファメモリに蓄積されているデータ量とデータDのデータ量との差分である。
局側装置1は、時刻Ta4にデータD及びレポートR2を受信すると、データDを上位ネットワーク8に送出し、レポートR2についてはレポートR1の場合と同様の処理を行なう。
以上のシーケンスは、すべての宅側装置2A〜2Cに対して独立に行なわれ、運用時間が終了するまで、時刻Ta3〜時刻Ta4の処理が繰り返される。
〔上り方向通信のシーケンス〕
図8は、PONシステムでの上り方向通信を示すシーケンス図であり、分散割当方式の一例を示している。
以下、図8の左側から右側に向かって時間が進行するとして、局側装置1を主体としたPONシステムの動作について説明する。
まず、局側装置1は、各宅側装置2C,2B,2Aに対して、それぞれゲートGc1,Gb1,Ga1を順次送出する。
次に、局側装置1は、各宅側装置2C,2B,2AからそれぞれレポートRc1,Rb1,Ra1を受信すると、最初にデータの送出を許可する宅側装置2Cに対するゲートGc2を送出する。そして、局側装置1は、宅側装置2Cから送出されるデータDc1及び次のレポートRc2を受信すると、これと並行して、宅側装置2Bに対するゲートGb2を送出する。
局側装置1は、宅側装置2Bから送出されるデータDb1及び次のレポートRb2を受信すると、これと並行して、宅側装置2Aに対するグラントGa2を送出する。また、続いて、宅側装置2Cに対するグラントGc3も送出する。その後、局側装置1は、宅側装置2Aから送出されるデータDa1及び次のレポートRa2を受信する。
また、局側装置1は、宅側装置2Cから送出されるデータDc2及び次のレポートRc3を受信するとともに、これと並行して、宅側装置2Bに対するグラントGb3を送出する。
更に、局側装置1は、宅側装置2Bから送出されるデータDb2及び次のレポートRb3を受信するとともに、これと並行して、宅側装置2Aに対するグラントGa3を送出する。ここで、例えば宅側装置2Aから送出されるデータがなければ、図示のように、局側装置1は宅側装置2Aから次のレポートRa3のみを受信する。
これ以降、同様の処理が繰り返され、局側装置1は、順次各宅側装置2A〜2Cに対して帯域を動的に割り当てて、データの受信を繰り返す。
上記シーケンスの通り、PONシステムの局側装置1は、上り方向通信の時分割制御のために、自身が管理する各宅側装置2A〜2Cに送信許可を行うためのゲートGを配布するので、当該局側装置1は、各宅側装置2A〜2Cが次に送信する光バースト信号B1〜B3の受信時期を、実際の受信前に予め把握している。
〔宅側装置の構成〕
図2は、宅側装置2の内部構成の概略を示すブロック図である。
図2に示すように、宅側装置2は、PON側(図2左側)からユーザネットワーク9側に向かって順に、合分波部201、光受信部202、光送信部203、PON側受信部204、PON側送信部205、宅側信号処理部206、データ中継処理部207、ユーザネットワーク側送信部208、及びユーザネットワーク側受信部209を備えている。
図2において、局側装置1が送信した波長λ2の下り方向の光信号は、合分波部201を通過して光受信部202により電気信号に変換され、更に、この電気信号はPON側受信部204により受信される。
PON側受信部204は、受信したフレームのヘッダ部分を読み取ることにより、当該フレームが自己宛(ここでは、自己又は自己の配下のユーザネットワーク9内の装置宛を意味する。)であるか否かを判定する。
この判定の結果、自己宛であれば、PON側受信部204は当該フレームを取り込み、そうでなければ、当該フレームを廃棄する。例えば、上記の宛先判定を行うためのヘッダ情報の例として、IEEE802.3avで想定されている論理リンク識別子(LLID)を挙げることができる。
更に、PON側受信部204は、フレームのヘッダ部分を読み取ることにより、受信したフレームがデータフレームであるか、又は、ゲートフレームであるかを判定する。
この判定の結果、フレームがデータフレームであれば、PON側受信部204はこれをデータ中継処理部207に送る。データ中継処理部207は、ユーザネットワーク側送信部208に対する送信制御等の所定の中継処理を行い、処理後のフレームはユーザネットワーク側送信部208からユーザネットワーク9へ送出される。
また、上記判定の結果、フレームがゲートフレームであれば、PON側受信部204はこれを宅側信号処理部206に転送する。宅側信号処理部206は、ゲートフレームに基づいて上り方向の送出をデータ中継処理部207に指示する。
一方、ユーザネットワーク9からのフレームは、ユーザネットワーク側受信部209によって受信され、データ中継処理部207に転送される。転送されたフレームは、データ中継処理部207内のバッファメモリに一旦蓄積され、また、そのデータ量が宅側信号処理部206に通知される。
宅側信号処理部206は、PON側送信部205に対して送信制御を行い、所定のタイミングで、バッファメモリに蓄積されているフレームをPON側送信部205に出力させるとともに、通知されたバッファメモリ内のデータ蓄積量に基づいてレポートフレームを作成して、PON側送信部205に出力させる。
PON側送信部205の出力信号は、光送信部203で光信号に変換され、波長λ1でかつ所定の伝送レート(10.3125Gbps)の光信号として、合分波部201を介して上り方向に送信される。
また、図2に示すように、PON側送信部205は、内部に物理層符号化部210とFEC符号化部211とを備えている。
物理層符号化部210は、データ中継処理部207から送られてくるデータに対して64B/66B符号化を行い、FEC符号化部211は、符号化されたデータに対して更に冗長ビットを付加して所定の誤り訂正符号を生成する。
なお、物理層符号化部210は、64B/66B符号化と同時に、所定のパターン(IEEE802.3avでは66ビットの同期パターンの繰り返し)からなるプリアンブルをデータに付加する。プリアンブル長は、宅側信号処理部206からの通知に応じて変更可能となっている。
〔局側装置の構成〕
図4は、局側装置1の内部構成の概略を示すブロック図である。
図4に示すように、局側装置1は、PON側(図4の右側)から上位ネットワーク8側に向かって順に、合分波部101、光受信部102、光送信部103、PON側受信部104、PON側送信部105、局側信号処理部106、データ中継処理部107、上位ネットワーク側送信部108、及び上位ネットワーク側受信部109を備えている。
図4において、宅側装置2が上り方向に送信した波長λ1の光信号(光バースト信号)は、合分波部101を通過して光受信部102により電気信号に変換され、更に、この電気信号はPON側受信部104により受信される。
PON側受信部104は、受信したフレームのヘッダ部分を読み取ることにより、当該フレームがデータフレームであるか、又は、レポートフレームであるかを判定する。
この判定の結果、フレームがデータフレームであれば、PON側受信部104はこれをデータ中継処理部107に送る。データ中継処理部107は、上位ネットワーク側送信部108に対する送信制御等の所定の中継処理を行い、処理後のフレームは上位ネットワーク側送信部108から上位ネットワーク8へ送出される。
また、上記判定の結果、フレームがレポートフレームであれば、PON側受信部104はこれを局側信号処理部106に転送する。局側信号処理部106は、このレポートに基づいて制御情報としてのゲートフレームを生成し、このゲートフレームを、PON側送信部105及び光送信部103によって下り方向へ送信させる。
また、局側信号処理部106は、宅側装置2A〜2Cに配付するゲートフレームの生成に際して、その宅側装置2A〜2Cから次に上り方向の光バースト信号B1〜B3を受信する時期(受信タイミング)Trを、PON側受信部104に通知する。
一方、上位ネットワーク8からの下りフレームは、上位ネットワーク側受信部109により受信されて、データ中継処理部107に送られる。データ中継処理部107は、その下りフレームをPON側送信部105に渡す。
また、その下りフレームは、光送信部103において、波長λ2でかつ所定の伝送レート(10.3125Gbps)の光信号に変換され、合分波部101を介して下り方向に送信される。
また、図4に示すように、PON側送信部105は、内部に物理層符号化部110とFEC符号化部111とを備えている。
物理層符号化部110は、データ中継処理部107から送られてくるデータに対して64B/66B符号化を行い、FEC符号化部111は、符号化されたデータに対して更に冗長ビットを付加して所定の誤り訂正符号を生成する。
〔宅側装置の光受信部及びPON側受信部〕
図3は、宅側装置2の光受信部202とPON側受信部204の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、宅側装置2の光受信部202は、内部に、光電変換素子212、増幅器213、比較器214、クロック・データ再生部215、バイアス部216、カレントミラー回路217、電流モニタ部218、及び温度センサ221を備えている。
上記電流モニタ部218には、IV変換部219と、アナログデジタル変換部220とが含まれる。
また、宅側装置2のPON側受信部204は、内部に、FEC復号化部223、物理層復号化部224、フレーム再生部225、及びバイアス制御部226を備えている。
上記バイアス制御部226には、最適制御部227と、粗制御部228と、モード切替部229とが含まれる。
光受信部202の光電変換素子212は、半導体受光素子の一種であるアバランシェフォトダイオード(APD)よりなる。APD212は、下り方向の光信号C1の受光量に対応するレベルの電気信号を出力し、増幅器213は光電変換後の電気信号を増幅する。
比較器214は、増幅器213の出力信号を所定の閾値と比較して二値化する。クロック・データ再生部215は、比較器214から受けた二値信号に同期して、タイミング成分(クロック信号)とデータ信号とを再生する。
バイアス部216は、カレントミラー回路217を介して、APD212に逆方向のバイアス電圧Vbを付与するバイアス回路よりなる。バイアス部216は、後述するバイアス制御部226からの制御信号Sb(具体的には、最適制御部227が生成した制御信号S1又は粗制御部228が生成した制御信号S2)に対応して、APD212を適正な増倍率とするためのバイアス電圧Vbを生成する。
カレントミラー回路217は、APD212のカソードに抵抗Rを介して直列に接続され、APD212からバイアス部216に向かうAPD212の出力電流に対応するミラー電流を生成し、そのミラー電流を電流モニタ部218のIV変換部219に供給する。
電流モニタ部218は、カレントミラー回路217から供給された電流レベルから、デジタル値であるRSSIデータを生成し、生成したRSSIデータを外部に出力する。
すなわち、電流モニタ部218のIV変換部(電流電圧変換部)219は、供給されたミラー電流を電圧に変換し、その後段のアナログデジタル変換部220は、変換された電圧レベルをデジタル値に変換し、RSSIデータを出力する。
電流モニタ部218のRSSIデータは、宅側装置2に設けられたRSSI機能を含む自己診断機能(DDM)を担うCPU(図示せず)に入力される。このCPUは、入力されたRSSIデータから光通信回線の状態やAPD212の劣化などを診断する。
温度センサ221は、APD212の実温度を常にモニタしている。温度センサ221は、測定した温度の測定値Tsを、後述するバイアス制御部226の粗制御部228に供給する。
PON側受信部204のFEC復号化部223は、クロック・データ再生部215が再生したデータ信号に対して、所定の誤り訂正復号化(FEC復号化)を行い、物理層復号化部224は、再生されたデータ信号に対して64B/66B復号化を行う。
FEC復号化部223が行う誤り訂正復号は、局側装置1のFEC符号化部111(図4参照)が生成した誤り訂正符号に対応する復号化処理である。
また、FEC復号化部223は、誤り訂正復号の際の誤り訂正数のカウント機能を有している。FEC復号化部223がカウントした誤り訂正数は、後述するバイアス制御部226の最適制御部227とモード切替部229にそれぞれ通知される。
フレーム再生部225は、復号化されたデータからフレームの境界を検出し、例えば、イーサネット(登録商標)フレームを復元する。フレーム再生部225は、フレームのヘッダ部分を読み取り、受信フレームがデータフレームであるか、或いは、メディアアクセス制御のための制御情報であるゲートフレームであるかを判定する。
上記判定の結果、フレームがデータフレームであれば、フレーム再生部225はそれをデータ中継処理部207に送り、フレームがゲートフレームであれば、PON側受信部204はそれを宅側信号処理部206に転送する。
〔モード切替部による切り替え処理〕
前記した通り、FEC復号化部223は、誤り訂正復号化の処理と同時に、誤り訂正数を最適制御部227とモード切替部229にそれぞれ通知する。
モード切替部229は、通知された誤り訂正数を所定時間ごとにカウントすることによって訂正頻度(=誤り訂正数/データ信号のシンボル数)を算出し、算出した訂正頻度の多寡に応じて、制御モードとして次のいずれを採用するかを決定する。
エラー制御モード:APD212に印加するバイアス電圧Vbの改善値を、FEC復号化部223における訂正頻度に基づいて決定する制御モード。すなわち、最適制御部227が行う制御モード。
粗制御モード:APD212に印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧Vbの電圧値を、当該APD212の温度Tsに基づいて決定する制御モード。すなわち、粗制御部228が行う制御モード。
具体的には、モード切替部229は、算出した訂正頻度が所定の閾値(例えば、10−7)より多い場合には、最適制御部227による「エラー制御モード」を選択し、最適制御部227が生成する制御信号S1を、バイアス部216に通知する制御信号Sbとして採用する。
逆に、モード切替部229は、算出した訂正頻度が上記閾値より少ない場合には、粗制御部228による「粗制御モード」を選択し、粗制御部228が生成する制御信号S2を、バイアス部216に通知する制御信号Sbとして採用する。
なお、算出した訂正頻度が所定の閾値と同数である場合には、エラー制御モードと粗制御モードのいずれを選択することにしてもよい。
また、上記の「訂正頻度」の算出は、最適制御部227とモード切替部229のいずれか一方が行い、その算出結果を他方に通知することにしてもよいし、FEC復号化部223が「訂正頻度」の算出までを自身で行い、その算出結果を最適制御部227とモード切替部229にそれずれ通知することにしてもよい。
〔最適制御部によるエラー制御モード〕
最適制御部227は、自身が算出した又は通知された訂正頻度に基づいて、バイアス部216が出力するバイアス電圧Vbを最適化するための制御信号S1を生成する。以下、最適制御部227による最適化処理(エラー制御モード)の内容を説明する。
図5は、APD212の出力特性の1つである、バイアス電圧と光電流(PD電流)の関係を示すグラフである。
この図5に示すように、光通信用のAPD212では、バイアス電圧を高くすると、PD電流(図5では、平均で−30dBmの光信号を受信している例)も増加し、増倍効果により受信感度が改善されるが、暗電流も増加するため、増倍率Mがほぼ10程度で受信感度が最適値を示すようになっている。
このため、APD212のバイアス電圧を、最適な増倍率(M=10付近)に対応する電圧値(30V付近)から高くしても、ショットノイズや暗電流が増加してSN比が劣化すると考えられ、また、その電圧値から低くしても受信感度は不十分になる。
そこで、APD212のバイアス電圧と出力信号の受信誤り率BER(≒訂正頻度)との関係を求めると、例えば図6に示すように、そのBERは、APD212のバイアス電圧に対して凸関数の関係になる。
なお、図6(a)は、APD212の受信信号レベルが小さいために、BERが比較的高いレベル(10−4〜10−2)の場合のグラフを示しており、図6(b)は、APD212の受信信号レベルが大きいために、BERが比較的低いレベル(10−12〜10−10)の場合のグラフを示している。
このように、APD212のバイアス電圧は、受信信号のBERのレベルに拘わらず当該BERを最小にする最適値が存在し、BERと凸関数の関係になる。
本実施形態の最適化処理は、上記知見に基づき、FEC復号化部223での誤り訂正数を宅側装置2の運用中に監視し、その誤り訂正数から求めた訂正頻度(≒BER)に基づいて、訂正頻度が現状よりも小さくなる方向に、バイアス部216が生成するバイアス電圧Vbを改善することを本旨としている。
より具体的には、最適制御部227は、制御信号S1(=Sb)によりバイアス電圧Vbを前後に変化させて、その変化後の訂正頻度を取得する。
そして、最適制御部227は、バイアス電圧Vbの変化後の訂正頻度を現時点の訂正頻度と比較し、例えば山登り法等のロジックにより、訂正頻度が小さくなる方向にバイアス電圧Vbを変化させ、その値を改善する。
例えば、図6(a)のd2が現時点とすると、バイアス電圧Vbを前後に変化させ、d1とd3の訂正頻度を取得し、訂正頻度が小さくなるd3の方向にバイアス電圧Vbを変化させる。現時点がd3に移ると、バイアス電圧Vbを前後に変化させたd2、d4はともに訂正頻度が悪くなる方向にあるため、現時点のバイアス電圧を維持すればよい。
バイアス電圧Vbの調整範囲において、訂正頻度が凸関数を形成しているので、上記処理を行うことにより、バイアス電圧Vbが訂正頻度を最小にする最適値に収束する。
このように、下り方向の光信号C1の受信装置として機能する本実施形態の宅側装置2によれば、最適制御部227が、FEC復号化部223における訂正頻度に基づいてAPD212に印加するバイアス電圧Vbの最適値を決定するので、宅側装置2の運用状態であっても、APD212に印加するバイアス電圧Vbが自動的に最適化される。
このため、最適制御部227によるエラー制御モードにおいては、APD212の温度等を取得しなくても、バイアス電圧Vbを自動的に最適化することができる。
なお、APD212のバイアス電圧Vbが降伏電圧を超える値になると、過電流によってAPD212やプリアンプ等を破壊する恐れがある。従って、上記最適化処理を行うためにバイアス電圧Vbの値を調整する場合には、なるべく小さい値から大きい値に移行させることが好ましい。
そこで、本実施形態の制御部227は、起動時におけるバイアス電圧Vbの初期値を、当該バイアス電圧Vbの最適値よりも低い値に設定することが好ましい。
具体的には、例えば、図6に示すd1〜d5において、d3のバイアス電圧値が最適値であるとすると、最適制御部227は、起動時のバイアス電圧Vbの初期値をd2のバイアス電圧値或いはそれ未満に設定する。
このため、上記最適化処理を行うに当たって、バイアス電圧Vbの値の調整の際にその値が大きくなり過ぎることがなく、APD212やその他の回路素子の破損を未然に防止することができる。
なお、エラー制御モードにおけるバイアス電圧Vbの初期値として、次の粗制御モードにおけるバイアス電圧の決定値を用いても良い。
〔粗制御部による粗制御モード〕
ところで、現時点の訂正頻度が小さく、訂正頻度を精度よく取得できない場合には、バイアス電圧Vbの最適値を決定できない。
すなわち、図6(b)において、1012ビットの信号を受信するごとに訂正頻度を更新して取得するとすれば、BERが10−11以下(点線部分)では、訂正頻度を更新する時間間隔内に発生するエラー数が小さく、訂正頻度を精度よく取得できない。
また、d2とd3において時間間隔内にエラーが発生しなかったとすると、ともに訂正頻度が0となり、バイアス電圧Vbの最適値を決定できない。
そこで、従来の受信装置(特許文献2の受信装置)では、バイアス電圧Vbの最適値を特定不能な程度に低頻度の所定値(例えば、10−11以下の訂正頻度値)よりも訂正頻度が小さい場合には、現時点のバイアス電圧Vbの値をそのまま維持するか、現時点のバイアス電圧Vbの値を更に低下させるようにしている。
しかし、上記のように、現時点の訂正頻度が小さいためにその訂正頻度を正確に取得できない場合に、現時点のバイアス電圧を維持又は低下させるだけで、APD212の増倍率の値をそのまま放置すると、光信号の強度(受光パワー)とAPD電流との相関を取ることができず、RSSI機能を実装できなくなる。
すなわち、APD212の受光感度をR(A/W)とし、増倍率をMとし、受光パワーをPin(W)とすると、APD212の出力電流Iapdは、次の式で表される。
Iapd=Pin×M×R
従って、APD212の増倍率Mの値が不正確であると、RSSIデータから出力電流Iapdが判明しても、そのIapdに対応するPinの値が不正確になり、RSSIデータを用いた自己診断機能を適切に運用できなくなる。
そこで、本実施形態では、モード切替部229が、FEC復号化部223での訂正頻度が所定の閾値(=10−7)未満の場合には、粗制御部228がAPD212の1つの温度Tsに基づいて決定したバイアス電圧の電圧値を含む制御信号S2を、バイアス部216に入力する制御信号Sbとして選択する。
以下、APD212の温度を用いた粗制御部228による電圧制御(粗制御モード)の内容を説明する。
粗制御部228は、ある1つの特定温度(例えば、常温の25°C)において、APD212が所定の増倍率M(例えば、M=10)となるように調整されたバイアス電圧Vbの基準値V25と、特定温度からの温度の差分をバイアス電圧Vbの差分に変換するための温度係数αを、予めメモリに保持している。
なお、後述の通り、訂正頻度が相対的に少ない場合(光信号のエラーが相対的に少ない場合)には、APD212の増倍率Mはさほど正確である必要がないので、上記温度係数αは、APD212の品番等から特定可能な代表値で足りる。
粗制御部228は、温度センサ221から取得したモニタ温度Tsを、次式に代入し、バイアス部216に出力させる電圧値Voutを演算する。
Vout=V25+α×(Ts−25)
すなわち、粗制御部228は、保持された基準値V25及び温度係数αと、温度センサ221のモニタ温度Tsと基づいて、バイアス部216に出力させるバイアス電圧を決定する。
そして、粗制御部228は、演算した電圧値Voutを含む制御信号S2を、モード切替部229に通知する。
このため、FEC復号化部223での訂正頻度が所定の閾値(=10−7)より少ない場合には、モード切替部229は、粗制御部228から通知された電圧値Voutを含む制御信号S2(=Sb)をバイアス部216に通知し、バイアス部216は、APD212に印加するバイアス電圧Vbを通知された電圧値Voutに設定する。
上記の粗制御モードでは、予め定めた1つの代表温度(=25°C)でのバイアス部216の調整が必要になるが、常温での調整であれば、恒温槽などの設備は不要である。
また、本実施形態では、温度係数αにAPD212の代表値を用いるため、雰囲気温度を種々に変化させた上で、温度係数αを機器ごとに個別に求める必要はない。
もっとも、本実施形態において、粗制御モードに用いる温度係数αは、必ずしもAPD212の代表値を採用する必要はなく、機器ごとに個別に設定してもよい。
本実施形態のように、温度係数αにAPD212の代表値を用いる場合には、APD212の個体差によって、増倍率Mの誤差が生じ得る。
しかし、一般にRSSI機能に要求される精度は±3dB(50〜200%)であり、増倍率Mの精度が±20%であれば問題とならず、バイアス部216の出力をM=8〜12の範囲に設定できる。
〔宅側装置の効果〕
以上の通り、本実施形態の宅側装置2によれば、バイアス制御部226が、訂正頻度が所定の閾値(=10−7)より多い場合は、APD212に印加するバイアス電圧Vbの改善値を、光信号の訂正頻度に基づいて決定する「エラー制御モード」を実行し、訂正頻度が所定の閾値より少ない場合は、APD212に印加する所定の増倍率(例えば、10)におけるバイアス電圧Vbの電圧値を、当該APD212の1つの温度Tsに基づいて決定する「粗制御モード」を実行する。
従って、訂正頻度が相対的に少ない場合(10−7未満の場合)においても、APD212の増倍率の値が定まった温度に基づく電圧制御が行われ、APD212の光受信強度(受光パワー)とAPD電流(RSSIデータ)との相関を取ることができる。
このため、FEC復号化部223における訂正頻度に基づいてAPD212のバイアス電圧Vbを改善させつつ、光信号を受信する宅側装置2に対して、RSSI機能を実装することができる。
また、本実施形態の宅側装置2によれば、訂正頻度が相対的に少ない場合に行われる制御モードが、APD212の1つの温度を用いる比較的粗い温度制御モード(粗制御モード)よりなる。
このため、例えば、複数の温度を用いる温度制御モードの場合に比べて、APD212にバイアス電圧Vbを印加するバイアス回路(バイアス部216)に対して予め行う調整が容易になり、より簡便に実装できるという利点もある。
〔その他の変形例〕
上述の実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更は、本発明の権利範囲に包含される。
例えば、上述の実施形態では、「エラー制御モード」と「粗制御モード」のいずれで動作するかを、データ信号に対する訂正頻度の多寡によって決定しているが、APD212のバイアス電流(RSSIデータ)の多寡によってそれを決定してもよい。
すなわち、バイアス電流が小さいほど、光信号が弱くエラーが多くなり、バイアス電流が大きいほど、光信号が強くエラーが少なくなるので、光信号に含まれるエラーの多寡は、必ずしも訂正頻度で判定する必要はなく、バイアス電流(RSSIデータ)に基づいて判定することもできる。
この場合、モード切替部229は、電流モニタ部218からRSSIデータを取得し、そのデータ値が所定の閾値(例えば、15μA)より小さい場合は、最適制御部227による「エラー制御モード」を採用し、そのデータ値が所定の閾値より大きい場合は、粗制御部228による「粗制御モード」を採用することにすればよい。
また、上述の実施形態では、最適制御部227によるエラー制御モードにおいて、訂正頻度を最小にするバイアス電圧Vbの「最適値」を求める処理(最適化処理)が実行されるが、かかる「最適値」を求める場合だけでなく、訂正頻度を現時点よりも低くするバイアス電圧Vbの「改善値」を求めることにしてもよい。
すなわち、最適制御部227は、訂正頻度の最小値だけでなく、予め設定された閾値に到達するまで訂正頻度が小さくなるように、バイアス電圧Vbを改善させることにより、運用可能なバイアス電圧Vbの「改善値」を求めるようにしてもよく、バイアス電圧Vbが必ずしも唯一の最適値に到達する処理を行う必要はない。
また、上述の実施形態では、宅側装置2に本発明の受信装置を適用した場合を例示したが、局側装置1に本発明の受信装置を適用してもよい。
1 局側装置
2 宅側装置(受信装置)
5 光ファイバ(幹線)
6 光カプラ
7 光ファイバ(支線)
212 光電変換素子(APD)
217 カレントミラー回路
218 電流モニタ部
221 温度センサ
226 バイアス制御部(制御部)
227 最適制御部
228 粗制御部
229 モード切替部
C1 光信号(下り方向)

Claims (5)

  1. 前方誤り訂正(Forward Error Correction:以下、「FEC」という。)によって符号化された光信号の受信装置であって、
    逆方向のバイアス電圧によって光電流の増倍率が変化する、前記光信号を光電変換する光電変換素子と、
    光電変換後の電気信号を二値化したデータ信号をFEC復号化するFEC復号化部と、
    前記光電変換素子の温度をモニタする温度センサと、
    前記光信号に含まれるエラーが相対的に多い場合に下記のエラー制御モードで動作し、そのエラーが相対的に少ない場合に下記の粗制御モードで動作する制御部と、を備える光信号の受信装置。
    エラー制御モード:光電変換素子に印加するバイアス電圧の改善値を、データ信号の訂正頻度に基づいて決定する制御モード
    粗制御モード:光電変換素子に印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧の電圧値を、当該光電変換素子の温度に基づいて決定する制御モード
  2. 前記制御部は、前記データ信号の訂正頻度が所定の閾値よりも多い場合には、前記エラー制御モードで動作し、前記データ信号の訂正頻度が所定の閾値よりも少ない場合には、前記粗制御モードで動作する請求項1に記載の光信号の受信装置。
  3. 前記光電変換素子のバイアス電流をモニタする電流モニタ部を更に備え、
    前記制御部は、モニタされた前記バイアス電流が所定の閾値よりも小さい場合は、前記エラー制御モードで動作し、モニタされた前記バイアス電流が所定の閾値よりも大きい場合は、前記粗制御モードで動作する請求項1に記載の光信号の受信装置。
  4. 前記制御部は、前記光電変換素子が特定温度において所定の増倍率となる前記バイアス電圧の基準値と、前記特定温度からの温度の差分を前記バイアス電圧の差分に変換する温度係数とを保持するとともに、この温度係数が前記光電変換素子の代表値よりなり、
    前記粗制御モードは、保持された前記基準値及び前記温度係数の代表値と、前記温度センサがモニタした温度と基づいて、前記バイアス電圧を決定する処理である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光信号の受信装置。
  5. 逆方向のバイアス電圧によって光電流の増倍率が変化する光電変換素子を用いて、FECによって符号化された光信号を受信する方法であって、
    前記光信号に含まれるエラーが相対的に多い場合には、バイアス電圧の制御モードを下記のエラー制御モードとし、前記光信号に含まれるエラーが相対的に少ない場合には、バイアス電圧の制御モードを下記の粗制御モードとする光信号の受信方法。
    エラー制御モード:光電変換素子に印加するバイアス電圧の改善値を、データ信号の訂正頻度に基づいて決定する制御モード
    粗制御モード:光電変換素子に印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧の電圧値を、当該光電変換素子の温度に基づいて決定する制御モード
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