JP6115283B2 - 光信号の受信装置及び受信方法 - Google Patents
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Description
かかるPONシステムでは、局側装置から宅側装置への下り方向通信の場合は、ブロードキャスト方式によって連続的な光信号が伝送され、宅側装置から局側装置への上り方向通信の場合は、光信号の衝突を避けるために、時分割方式によって間欠的な光信号(光バースト信号)が伝送される。
また、10G−EPONでは、送信信号に前方誤り訂正(Forward Error Correction:以下、「FEC」ということがある。)によって符号化を行い、受信側においてその符号化に対応するFEC復号化を行うことにより、伝送速度の高速化に伴って不足するパワーバジェットを補う。
また、APDのバイアス電圧は、大きな温度依存性を持つとともに、その特性のばらつきが大きいので、受信装置ごとにAPDの特性を検査しつつ、最適なバイアス電圧を設定する必要がある。
しかし、かかる製造時におけるバイアス電圧の設定作業は、そもそも手間がかかるとともに、環境変化や経年変化によって受信特性が変化した場合には、これに対応できないという欠点がある。
そこで、本出願人は、APDのバイアス電圧を誤り訂正符号の訂正頻度に基づいて最適化することにより、運用時においても光電変換素子に印加するバイアス電圧を自動的に改善することができる、光信号の受信装置を既に提案している(特許文献2参照)。
かかるRSSI機能は、カレントミラー回路などを用いてモニタしたAPDの電流からAPDの光受信強度(受光パワー)を算出し、算出した光受信強度から光通信回線の状態やAPDの劣化などを診断する機能である。
しかし、訂正頻度が比較的少ない(10−12〜10−10程度)場合には、所望の受信感度が得られていることから、現時点のバイアス電圧を維持又は低下させて、APDのバイアス電圧を適当に調整するようになっている。
しかし、現時点のバイアス電圧を維持又は低下させるだけでは、APDの増倍率の値が不定のままであるから、光信号の強度とAPD電流の相関を取ることができず、RSSI機能を実装できないという問題がある。
粗制御モード:光電変換素子に印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧の電圧値を、当該光電変換素子の温度に基づいて決定する制御モード
また、本明細書において、バイアス電圧の「改善値」とは、バイアス電圧が現時点のものよりも特定の条件(例えば、訂正頻度がより低いこと。)に適合することとなるように、当該バイアス電圧を改善した電圧値のことをいう。
従って、後述の実施形態のように、エラー制御モードにおいて、訂正頻度を最小にするバイアス電圧の最適値を決定する場合には、その最適化処理によって得られた唯一のバイアス電圧の最適値も、上記改善値に含まれる。
そして、制御部は、かかる粗制御モードにおいて、APDに印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧の電圧値を決定するので、APDの増倍率の値が定まった電圧制御が可能となる。このため、光信号の強度とAPD電流の相関を取ることができ、RSSI機能を実装することができる。
すなわち、RSSI機能において要求されるRSSIの精度は、±3dB(50〜200%)であり、この場合、増倍率の精度は±20%程度で足りるが、1つの温度における調整値のみでバイアス電圧を決定する粗い制御を行っても、増倍率の精度をその範囲内に収めることができ、特に問題は生じないからである。
また、粗制御モードはエラーが相対的に少ない場合に行われるため、増倍率の精度が±20%程度であれば、FEC復号化部で訂正できるエラーレート(10−3以下)に保つことができる。
この場合、前記制御部は、前記データ信号の訂正頻度が所定の閾値(例えば、10−7)よりも多い場合には、前記エラー制御モードで動作し、前記データ信号の訂正頻度が所定の閾値よりも少ない場合には、前記粗制御モードで動作するようにすればよい。
この場合、前記制御部は、モニタされた前記バイアス電流が所定の閾値よりも少ない場合は、前記エラー制御モードで動作し、モニタされた前記バイアス電流が所定の閾値よりも多い場合は、前記粗制御モードで動作するようにすればよい。
この場合、前記粗制御モードは、保持された前記基準値及び前記温度係数の代表値と、前記温度センサがモニタした温度と基づいて、前記バイアス電圧を決定する処理となる。
このため、エラー制御モードの他に粗制御モードを行う本発明の受信装置を、簡便に実装できるという利点がある。
このため、データ信号の訂正頻度からAPDのバイアス電圧を改善させつつ光信号を受信する場合でも、RSSI機能を受信装置に実装できる。また、温度制御モードのみの場合に比べて、温度制御モードの精度を粗くでき、光電変換素子にバイアス電圧を印加するバイアス回路の調整が容易になり、簡便に実装することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るPONシステムの接続図である。
図1において、局側装置1は、複数の宅側装置2A〜2Cに対する集約局として設置され、各宅側装置2A〜2Cは、それぞれPONシステムの加入者宅に設置されている。
なお、本実施形態では、各宅側装置の共通事項を説明する場合には符号2を使用し、各宅側装置の個別事項を説明する場合には、符号2A〜2Cを使用する。
また、局側装置1は、上位ネットワーク8と接続され、各宅側装置2はそれぞれのユーザネットワーク9と接続されている。
また、図1では、光カプラ6を1個だけ使用しているが、光カプラを縦列に複数段設けることにより、更に多くの宅側装置を局側装置1と接続することができる。
これらの波長λ1及びλ2は、例えば、IEEE802.3avの10.3125Gbps信号では、以下の範囲の値が想定されている。
1260nm≦λ1≦1280nm
1575nm≦λ2≦1580nm
図7は、局側装置1と宅側装置2A(宅側装置2B,2Cについても同様)との間の制御フレームのやり取りを示すシーケンス図である。
図7に示すように、まず、局側装置1は、運用時間開始時刻T0の時点で宅側装置2Aに関するRTT(Round Trip Time)を既に計算している。
時刻Ta1において、局側装置1は、宅側装置2Aに対して、送出要求量を通知させるために、レポート送出開始時刻Tb2を含んだゲートフレームG1を送信する。
宅側装置2Aは、時刻Tb1に自身に対するゲートG1を受信すると、データ中継処理部207(図2参照)のバッファメモリに蓄積されたデータ量を参照して送出要求量を算出し、ゲートトG1に含まれるレポート送出開始時刻Tb2に、局側装置1に対して送出要求量を含んだレポートフレーム(リクエストともいう。)R1を送出する。
レポートR1に含まれる送出要求量がゼロの場合には、局側装置1による演算結果がゼロとなるため帯域が割当てられないが、宅側装置2AにレポートR2を送出させる必要があるので、局側装置1は宅側装置2Aに対して必ずゲートG2を送出する。
なお、局側装置1は、自身がゲートG2を送出する時刻Ta3を、送出開始時刻Tb4までにゲートG2が宅側装置2Aに到着するように計算する。
このレポートR2は、データDの直前または直後に送出されるが、データDの直前に送出される場合には、送出要求量として局側装置1に報告する値は、バッファメモリに蓄積されているデータ量とデータDのデータ量との差分である。
以上のシーケンスは、すべての宅側装置2A〜2Cに対して独立に行なわれ、運用時間が終了するまで、時刻Ta3〜時刻Ta4の処理が繰り返される。
図8は、PONシステムでの上り方向通信を示すシーケンス図であり、分散割当方式の一例を示している。
以下、図8の左側から右側に向かって時間が進行するとして、局側装置1を主体としたPONシステムの動作について説明する。
次に、局側装置1は、各宅側装置2C,2B,2AからそれぞれレポートRc1,Rb1,Ra1を受信すると、最初にデータの送出を許可する宅側装置2Cに対するゲートGc2を送出する。そして、局側装置1は、宅側装置2Cから送出されるデータDc1及び次のレポートRc2を受信すると、これと並行して、宅側装置2Bに対するゲートGb2を送出する。
また、局側装置1は、宅側装置2Cから送出されるデータDc2及び次のレポートRc3を受信するとともに、これと並行して、宅側装置2Bに対するグラントGb3を送出する。
これ以降、同様の処理が繰り返され、局側装置1は、順次各宅側装置2A〜2Cに対して帯域を動的に割り当てて、データの受信を繰り返す。
図2は、宅側装置2の内部構成の概略を示すブロック図である。
図2に示すように、宅側装置2は、PON側(図2左側)からユーザネットワーク9側に向かって順に、合分波部201、光受信部202、光送信部203、PON側受信部204、PON側送信部205、宅側信号処理部206、データ中継処理部207、ユーザネットワーク側送信部208、及びユーザネットワーク側受信部209を備えている。
PON側受信部204は、受信したフレームのヘッダ部分を読み取ることにより、当該フレームが自己宛(ここでは、自己又は自己の配下のユーザネットワーク9内の装置宛を意味する。)であるか否かを判定する。
更に、PON側受信部204は、フレームのヘッダ部分を読み取ることにより、受信したフレームがデータフレームであるか、又は、ゲートフレームであるかを判定する。
また、上記判定の結果、フレームがゲートフレームであれば、PON側受信部204はこれを宅側信号処理部206に転送する。宅側信号処理部206は、ゲートフレームに基づいて上り方向の送出をデータ中継処理部207に指示する。
宅側信号処理部206は、PON側送信部205に対して送信制御を行い、所定のタイミングで、バッファメモリに蓄積されているフレームをPON側送信部205に出力させるとともに、通知されたバッファメモリ内のデータ蓄積量に基づいてレポートフレームを作成して、PON側送信部205に出力させる。
また、図2に示すように、PON側送信部205は、内部に物理層符号化部210とFEC符号化部211とを備えている。
物理層符号化部210は、データ中継処理部207から送られてくるデータに対して64B/66B符号化を行い、FEC符号化部211は、符号化されたデータに対して更に冗長ビットを付加して所定の誤り訂正符号を生成する。
図4は、局側装置1の内部構成の概略を示すブロック図である。
図4に示すように、局側装置1は、PON側(図4の右側)から上位ネットワーク8側に向かって順に、合分波部101、光受信部102、光送信部103、PON側受信部104、PON側送信部105、局側信号処理部106、データ中継処理部107、上位ネットワーク側送信部108、及び上位ネットワーク側受信部109を備えている。
PON側受信部104は、受信したフレームのヘッダ部分を読み取ることにより、当該フレームがデータフレームであるか、又は、レポートフレームであるかを判定する。
また、上記判定の結果、フレームがレポートフレームであれば、PON側受信部104はこれを局側信号処理部106に転送する。局側信号処理部106は、このレポートに基づいて制御情報としてのゲートフレームを生成し、このゲートフレームを、PON側送信部105及び光送信部103によって下り方向へ送信させる。
また、その下りフレームは、光送信部103において、波長λ2でかつ所定の伝送レート(10.3125Gbps)の光信号に変換され、合分波部101を介して下り方向に送信される。
物理層符号化部110は、データ中継処理部107から送られてくるデータに対して64B/66B符号化を行い、FEC符号化部111は、符号化されたデータに対して更に冗長ビットを付加して所定の誤り訂正符号を生成する。
図3は、宅側装置2の光受信部202とPON側受信部204の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、宅側装置2の光受信部202は、内部に、光電変換素子212、増幅器213、比較器214、クロック・データ再生部215、バイアス部216、カレントミラー回路217、電流モニタ部218、及び温度センサ221を備えている。
また、宅側装置2のPON側受信部204は、内部に、FEC復号化部223、物理層復号化部224、フレーム再生部225、及びバイアス制御部226を備えている。
上記バイアス制御部226には、最適制御部227と、粗制御部228と、モード切替部229とが含まれる。
比較器214は、増幅器213の出力信号を所定の閾値と比較して二値化する。クロック・データ再生部215は、比較器214から受けた二値信号に同期して、タイミング成分(クロック信号)とデータ信号とを再生する。
電流モニタ部218は、カレントミラー回路217から供給された電流レベルから、デジタル値であるRSSIデータを生成し、生成したRSSIデータを外部に出力する。
電流モニタ部218のRSSIデータは、宅側装置2に設けられたRSSI機能を含む自己診断機能(DDM)を担うCPU(図示せず)に入力される。このCPUは、入力されたRSSIデータから光通信回線の状態やAPD212の劣化などを診断する。
FEC復号化部223が行う誤り訂正復号は、局側装置1のFEC符号化部111(図4参照)が生成した誤り訂正符号に対応する復号化処理である。
上記判定の結果、フレームがデータフレームであれば、フレーム再生部225はそれをデータ中継処理部207に送り、フレームがゲートフレームであれば、PON側受信部204はそれを宅側信号処理部206に転送する。
前記した通り、FEC復号化部223は、誤り訂正復号化の処理と同時に、誤り訂正数を最適制御部227とモード切替部229にそれぞれ通知する。
モード切替部229は、通知された誤り訂正数を所定時間ごとにカウントすることによって訂正頻度(=誤り訂正数/データ信号のシンボル数)を算出し、算出した訂正頻度の多寡に応じて、制御モードとして次のいずれを採用するかを決定する。
粗制御モード:APD212に印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧Vbの電圧値を、当該APD212の温度Tsに基づいて決定する制御モード。すなわち、粗制御部228が行う制御モード。
逆に、モード切替部229は、算出した訂正頻度が上記閾値より少ない場合には、粗制御部228による「粗制御モード」を選択し、粗制御部228が生成する制御信号S2を、バイアス部216に通知する制御信号Sbとして採用する。
また、上記の「訂正頻度」の算出は、最適制御部227とモード切替部229のいずれか一方が行い、その算出結果を他方に通知することにしてもよいし、FEC復号化部223が「訂正頻度」の算出までを自身で行い、その算出結果を最適制御部227とモード切替部229にそれずれ通知することにしてもよい。
最適制御部227は、自身が算出した又は通知された訂正頻度に基づいて、バイアス部216が出力するバイアス電圧Vbを最適化するための制御信号S1を生成する。以下、最適制御部227による最適化処理(エラー制御モード)の内容を説明する。
この図5に示すように、光通信用のAPD212では、バイアス電圧を高くすると、PD電流(図5では、平均で−30dBmの光信号を受信している例)も増加し、増倍効果により受信感度が改善されるが、暗電流も増加するため、増倍率Mがほぼ10程度で受信感度が最適値を示すようになっている。
そこで、APD212のバイアス電圧と出力信号の受信誤り率BER(≒訂正頻度)との関係を求めると、例えば図6に示すように、そのBERは、APD212のバイアス電圧に対して凸関数の関係になる。
このように、APD212のバイアス電圧は、受信信号のBERのレベルに拘わらず当該BERを最小にする最適値が存在し、BERと凸関数の関係になる。
そして、最適制御部227は、バイアス電圧Vbの変化後の訂正頻度を現時点の訂正頻度と比較し、例えば山登り法等のロジックにより、訂正頻度が小さくなる方向にバイアス電圧Vbを変化させ、その値を改善する。
バイアス電圧Vbの調整範囲において、訂正頻度が凸関数を形成しているので、上記処理を行うことにより、バイアス電圧Vbが訂正頻度を最小にする最適値に収束する。
このため、最適制御部227によるエラー制御モードにおいては、APD212の温度等を取得しなくても、バイアス電圧Vbを自動的に最適化することができる。
そこで、本実施形態の制御部227は、起動時におけるバイアス電圧Vbの初期値を、当該バイアス電圧Vbの最適値よりも低い値に設定することが好ましい。
このため、上記最適化処理を行うに当たって、バイアス電圧Vbの値の調整の際にその値が大きくなり過ぎることがなく、APD212やその他の回路素子の破損を未然に防止することができる。
なお、エラー制御モードにおけるバイアス電圧Vbの初期値として、次の粗制御モードにおけるバイアス電圧の決定値を用いても良い。
ところで、現時点の訂正頻度が小さく、訂正頻度を精度よく取得できない場合には、バイアス電圧Vbの最適値を決定できない。
すなわち、図6(b)において、1012ビットの信号を受信するごとに訂正頻度を更新して取得するとすれば、BERが10−11以下(点線部分)では、訂正頻度を更新する時間間隔内に発生するエラー数が小さく、訂正頻度を精度よく取得できない。
そこで、従来の受信装置(特許文献2の受信装置)では、バイアス電圧Vbの最適値を特定不能な程度に低頻度の所定値(例えば、10−11以下の訂正頻度値)よりも訂正頻度が小さい場合には、現時点のバイアス電圧Vbの値をそのまま維持するか、現時点のバイアス電圧Vbの値を更に低下させるようにしている。
Iapd=Pin×M×R
従って、APD212の増倍率Mの値が不正確であると、RSSIデータから出力電流Iapdが判明しても、そのIapdに対応するPinの値が不正確になり、RSSIデータを用いた自己診断機能を適切に運用できなくなる。
以下、APD212の温度を用いた粗制御部228による電圧制御(粗制御モード)の内容を説明する。
なお、後述の通り、訂正頻度が相対的に少ない場合(光信号のエラーが相対的に少ない場合)には、APD212の増倍率Mはさほど正確である必要がないので、上記温度係数αは、APD212の品番等から特定可能な代表値で足りる。
Vout=V25+α×(Ts−25)
すなわち、粗制御部228は、保持された基準値V25及び温度係数αと、温度センサ221のモニタ温度Tsと基づいて、バイアス部216に出力させるバイアス電圧を決定する。
このため、FEC復号化部223での訂正頻度が所定の閾値(=10−7)より少ない場合には、モード切替部229は、粗制御部228から通知された電圧値Voutを含む制御信号S2(=Sb)をバイアス部216に通知し、バイアス部216は、APD212に印加するバイアス電圧Vbを通知された電圧値Voutに設定する。
また、本実施形態では、温度係数αにAPD212の代表値を用いるため、雰囲気温度を種々に変化させた上で、温度係数αを機器ごとに個別に求める必要はない。
もっとも、本実施形態において、粗制御モードに用いる温度係数αは、必ずしもAPD212の代表値を採用する必要はなく、機器ごとに個別に設定してもよい。
しかし、一般にRSSI機能に要求される精度は±3dB(50〜200%)であり、増倍率Mの精度が±20%であれば問題とならず、バイアス部216の出力をM=8〜12の範囲に設定できる。
以上の通り、本実施形態の宅側装置2によれば、バイアス制御部226が、訂正頻度が所定の閾値(=10−7)より多い場合は、APD212に印加するバイアス電圧Vbの改善値を、光信号の訂正頻度に基づいて決定する「エラー制御モード」を実行し、訂正頻度が所定の閾値より少ない場合は、APD212に印加する所定の増倍率(例えば、10)におけるバイアス電圧Vbの電圧値を、当該APD212の1つの温度Tsに基づいて決定する「粗制御モード」を実行する。
このため、FEC復号化部223における訂正頻度に基づいてAPD212のバイアス電圧Vbを改善させつつ、光信号を受信する宅側装置2に対して、RSSI機能を実装することができる。
このため、例えば、複数の温度を用いる温度制御モードの場合に比べて、APD212にバイアス電圧Vbを印加するバイアス回路(バイアス部216)に対して予め行う調整が容易になり、より簡便に実装できるという利点もある。
上述の実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更は、本発明の権利範囲に包含される。
例えば、上述の実施形態では、「エラー制御モード」と「粗制御モード」のいずれで動作するかを、データ信号に対する訂正頻度の多寡によって決定しているが、APD212のバイアス電流(RSSIデータ)の多寡によってそれを決定してもよい。
この場合、モード切替部229は、電流モニタ部218からRSSIデータを取得し、そのデータ値が所定の閾値(例えば、15μA)より小さい場合は、最適制御部227による「エラー制御モード」を採用し、そのデータ値が所定の閾値より大きい場合は、粗制御部228による「粗制御モード」を採用することにすればよい。
また、上述の実施形態では、宅側装置2に本発明の受信装置を適用した場合を例示したが、局側装置1に本発明の受信装置を適用してもよい。
2 宅側装置(受信装置)
5 光ファイバ(幹線)
6 光カプラ
7 光ファイバ(支線)
212 光電変換素子(APD)
217 カレントミラー回路
218 電流モニタ部
221 温度センサ
226 バイアス制御部(制御部)
227 最適制御部
228 粗制御部
229 モード切替部
C1 光信号(下り方向)
Claims (5)
- 前方誤り訂正(Forward Error Correction:以下、「FEC」という。)によって符号化された光信号の受信装置であって、
逆方向のバイアス電圧によって光電流の増倍率が変化する、前記光信号を光電変換する光電変換素子と、
光電変換後の電気信号を二値化したデータ信号をFEC復号化するFEC復号化部と、
前記光電変換素子の温度をモニタする温度センサと、
前記光信号に含まれるエラーが相対的に多い場合に下記のエラー制御モードで動作し、そのエラーが相対的に少ない場合に下記の粗制御モードで動作する制御部と、を備える光信号の受信装置。
エラー制御モード:光電変換素子に印加するバイアス電圧の改善値を、データ信号の訂正頻度に基づいて決定する制御モード
粗制御モード:光電変換素子に印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧の電圧値を、当該光電変換素子の温度に基づいて決定する制御モード - 前記制御部は、前記データ信号の訂正頻度が所定の閾値よりも多い場合には、前記エラー制御モードで動作し、前記データ信号の訂正頻度が所定の閾値よりも少ない場合には、前記粗制御モードで動作する請求項1に記載の光信号の受信装置。
- 前記光電変換素子のバイアス電流をモニタする電流モニタ部を更に備え、
前記制御部は、モニタされた前記バイアス電流が所定の閾値よりも小さい場合は、前記エラー制御モードで動作し、モニタされた前記バイアス電流が所定の閾値よりも大きい場合は、前記粗制御モードで動作する請求項1に記載の光信号の受信装置。 - 前記制御部は、前記光電変換素子が特定温度において所定の増倍率となる前記バイアス電圧の基準値と、前記特定温度からの温度の差分を前記バイアス電圧の差分に変換する温度係数とを保持するとともに、この温度係数が前記光電変換素子の代表値よりなり、
前記粗制御モードは、保持された前記基準値及び前記温度係数の代表値と、前記温度センサがモニタした温度と基づいて、前記バイアス電圧を決定する処理である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光信号の受信装置。 - 逆方向のバイアス電圧によって光電流の増倍率が変化する光電変換素子を用いて、FECによって符号化された光信号を受信する方法であって、
前記光信号に含まれるエラーが相対的に多い場合には、バイアス電圧の制御モードを下記のエラー制御モードとし、前記光信号に含まれるエラーが相対的に少ない場合には、バイアス電圧の制御モードを下記の粗制御モードとする光信号の受信方法。
エラー制御モード:光電変換素子に印加するバイアス電圧の改善値を、データ信号の訂正頻度に基づいて決定する制御モード
粗制御モード:光電変換素子に印加する所定の増倍率におけるバイアス電圧の電圧値を、当該光電変換素子の温度に基づいて決定する制御モード
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