光通信の分野においては、光信号を電気信号に、また逆に電気信号を光信号に変換する装置が必要である。この内、光信号を電気信号に変換するための光電変換素子としてAPDが使用されることが多い。たとえば、光ファイバで構成される光伝送路の途中に増幅機能のようなアクティブ機能を有していない受動部品である光カプラを使用して光ファイバを分岐させるPDS(Passive Double Star)と称される方式を適用したEPON(Ethernet Passive Network System)用の光信号受信装置にもAPDが利用されている。
EPONシステムはEthernet(登録商標)に準拠した光通信システムであり、OLT(Optical Line Terminal:主端局) から個々のONU(Optical Network Unit:宅内装置) へ光信号を送信し、また個々のONUから送信された光信号をOLTが受信することにより、ブロードバンドサービスを実現する。OLTとONUとの間の伝送路は一心の光ファイバが利用され、下り方向(OLT側から各ONU側への通信方向)の信号と、上り方向(各ONU側からOLT側への通信方向)の信号とは波長多重(WDM)方式による全二重双方向通信で送受信される。
なお、OLTから個々のONUへの下り方向信号は宛先のONUを指定したブロードキャスト方式で送信され、個々のONUが自身宛の信号を選択的に受信する。逆に、個々のONUからOLTへの上り方向の信号は、信号の衝突を防ぐために、OLTから送信を許可されたONUが時分割多重方式により送信を行なうことにより、それぞれのONUからの送信タイミングを調整している。
ところで、OLTと個々のONUとの間を接続する光ファイバは、光信号を分岐する分岐装置により順次的に分岐され、分岐された光ファイバの末端に個々のONUが接続される状態になる。従って、OLT側でONUから送信された光信号を受信する場合、個々のONU毎に、OLTとの間に介在する分岐装置の数,光ファイバの距離等が異なるため、受信信号の光強度が異なるという問題があった。以下、具体的に説明する。
図6は本発明の光通信システムの適用対象であるEPONシステムのOLTとONUとの接続状態の一例を示す模式図である。この例では、OLT1から延出された光ファイバ11-0は最初の光分岐装置3-1 で二分岐され、光ファイバ11-1を介してその一方は光分岐装置3-2 と、他方は光ファイバ11-2を介して光分岐装置3-3 と接続されている。一方の光分岐装置3-2 には3個のONU2-1, 2-2, 2-3 がそれぞれ光ファイバ11-3, 11-4, 11-5を介して接続されており、他方の光分岐装置3-3 には2個のONU2-4, 2-5と1個の光分岐装置3-4がそれぞれ光ファイバ11-6, 11-7, 11-8を介して接続されている。更に、光分岐装置3-4には2個のONU2-6, 2-7がそれぞれ光ファイバ11-9, 11-10 を介して接続されている。
上述の各光分岐装置3-1, 3-2…(以下、総称して光分岐装置3という)はEPONでは受動型が使用されるため、それぞれの光分岐装置3において信号強度の増幅等は行なわれない。従って、個々のONU2-1, 2-2…(以下、総称してONU2という)とOLT1との間は、介在する光分岐装置3の数が異なり、また光ファイバの総延長距離も異なるので、いわゆる連結損失が異なる状態になっている。このため、OLT1側で個々のONU2から受信する光信号の光強度は両者間に介在する光分岐装置の数及び光ファイバの総延長距離(伝送距離)に応じて異なることになる。換言すれば、全てのONU2が同一の光強度の光信号をOLT1へ送信したとしても、それらがOLT1に到達した時点での光強度、換言すればOLT1による受信信号の光強度は異なることになる。
図7はOLT1が個々のONU2から受信した光信号の光強度を例示するグラフである。なお、図7の左側には図6に示したONU2-1からの、中央には図6に示したONU2-7からの、右側には図6に示したONU2-2からの受信信号の光強度をそれぞれ例示してある。なお、OLT1における受信信号の光強度は現実には、光分岐装置の数,光ファイバの距離のみならず、たとえば光ファイバの接続部の有無及び数、周囲環境等の影響も受けることは周知の事実である。
この図7に示す例では、図6に示したONU2-1 から受信した光信号の光強度が最も大きく、ONU2-7 から受信した光信号の光強度が最も小さく、ONU2-2 から受信した光信号の光強度がONU2-1 からのそれに比してやや小さい。
ONU2-7 は図6に示したように、OLT1との間に3個の光分岐装置3-1, 3-3, 3-4 が介在し、また伝送距離も他のONUに比して最も長いため、連結損失が最も大きく、従ってOLT1側で受信する光信号の光強度は最も小さくなる。これに対して、ONU2-1 は図6に示したように、OLT1との間に2個の光分岐装置3-1, 3-2が介在するのみであり、また伝送距離も他のONUに比して最も短いため、連結損失も最も小さく、従ってOLT1側で受信する光信号の光強度は最も大きくなる。更に、ONU2-2 は図6に示したように、OLT1との間にONU2-1 と同様に2個の光分岐装置3-1, 3-2が介在するのみであり、また伝送距離はONU2-1 よりも若干長いのみであるため、連結損失もONU2-1 に比して若干小さいのみであり、従ってOLT1側で受信する光信号の光強度はONU2-1 のそれよりも若干小さくなるのみである。
このように、OLT1では個々のONU2からの光強度が異なる光信号を受信するが、このような問題に対する従来の最も簡単な対応策は、広いダイナミックレンジを有するAPDを使用することであった。しかし、広いダイナミックレンジを有するAPDを使用した場合には、光強度が大幅に異なる光信号を受信して電気信号に変換することができるものの、最も光強度が小さい光信号に合わせて判定しきい値(デジタルデータの「1」、「0」を判定するためのしきい値)を設定する必要が生じ、より光強度が大きい光信号の判定に関する信頼性の面で問題があった。
これに対して、図7に太線で示すように、判定しきい値をそれぞれのONU2からの受信信号の光強度に応じて適宜に設定することにより、受信信号の異なる光強度に対応することも考えられる。しかしこの場合には、個々のONUから信号を受信する都度、そのピークを検出し、この検出結果に最適化させたしきい値を設定する必要があり、処理が複雑になるという問題があった。
これとは別に、APDの電流増倍率を変化させるためのバイアス電圧を変更する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、APDのバイアス電圧を調整することにより、APDからの出力信号が被測定光の光強度に対して直線性を示すようにした光検出装置の技術も知られている(たとえば、特許文献2参照)。しかし、光通信の分野において、光信号を電気信号に変換するためにO/E変換素子(光電変換素子)として使用されているAPDの電流増倍率を切り換えるためのバイアス電圧を受信光信号の光強度に応じて調整する技術は従来は知られていない。
特開2002−84235号公報
特開平9−162437号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、光通信の分野において、受信信号の光強度に応じて、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子のバイアス電圧を変更することにより、受信信号の光強度の差に対応可能な光信号受信方法、光信号受信装置の提供を主たる目的とする。
また本発明は更に、受信信号の光強度に応じて、換言すれば受信信号の送信元の端末装置に応じて光電変換素子のバイアス電圧を変更することにより、複数の端末装置から送信されてくる光強度が異なる光信号を確実に受信できるようにした光通信装置、及びそのような光通信装置を主端局とした光通信システムの提供を目的とする。
本発明に係る光信号受信方法は、光強度が異なる光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する光信号受信方法において、受信した光信号の光強度に対応して光電変換素子に印加するバイアス電圧を変化させることを特徴とする。
このような本発明の光信号受信方法では、光強度が異なる光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する場合に、受信した光信号の光強度に対応して前記光電変換素子に印加するバイアス電圧が変化し、これに応じて光電変換素子の電流増倍率も変化する。
また本発明に係る光信号受信方法は上述の発明において、前記光電変換素子に印加するバイアス電圧を複数段階に変化させることを特徴とする。
このような本発明の光信号受信方法では上述の発明において、光電変換素子に印加されるバイアス電圧が複数段階に変化し、これに応じて光電変換素子の電流増倍率も複数段階に変化する。
更に本発明に係る光信号受信方法は前述の発明において、前記光電変換素子に印加するバイアス電圧を2段階に変化させることを特徴とする。
このような本発明の光信号受信方法では前述の発明において、光電変換素子に印加されるバイアス電圧が2段階に変化し、これに応じて光電変換素子の電流増倍率も2段階に変化する。
また更に本発明に係る光信号受信装置は、光強度が異なる光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する光信号受信装置において、受信した光信号の光強度を検出する受信光強度検出手段と、前記受信光強度検出手段による検出結果に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を変化させるバイアス電圧制御手段とを備えたことを特徴とする。
このような本発明の光信号受信装置では、光強度が異なる光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する際に、受信した光信号の光強度を受信光強度検出手段が検出し、この検出結果に応じてバイアス電圧制御手段により光電変換素子に印加されるバイアス電圧が変化する。
また本発明に係る光信号受信装置は上述の発明において、前記受信光強度検出手段による検出結果を複数段階に分級する手段を更に備え、前記バイアス電圧制御手段は分級結果の段階に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を段階的に変化させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の光信号受信装置では上述の発明において、受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度が複数段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による複数段階の分級それぞれに応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を段階的に変化させる。なお、受信光強度検出手段による検出結果を複数段階に分級する手段としては、受信光強度検出手段そのものでもよいし、別途適宜の手段、たとえば演算手段等を設けてもよい。
更に本発明に係る光信号受信装置は前述の発明において、前記受信光強度検出手段による検出結果を所定のしきい値で2段階に分級する手段を更に備え、前記バイアス電圧制御手段は分級結果の2段階に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を2段階に変化させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の光信号受信装置では上述の発明において、受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度の検出結果が所定のしきい値で2段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による2段階の分級に応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を2段階に変化させる。
また更に本発明に係る光通信装置は、複数の端末装置に対して送信許可を与え、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する光通信装置において、受信した光信号の光強度を検出する受信光強度検出手段と、光信号を受信した場合に、前記光信号を送信した端末装置と前記受信光強度検出手段による検出結果とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を変化させるバイアス電圧制御手段と、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信する期間に、前記送信許可を与えた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を前記バイアス電圧制御手段に設定する手段とを備えたことを特徴とする。
このような本発明の光通信装置では、複数の端末装置に対して送信許可を与え、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する際に、受信した光信号の光強度を受信光強度検出手段が検出し、光信号を受信した場合に、光信号を送信した端末装置と受信光強度検出手段による検出結果とを対応付けて記憶手段が記憶している。そして、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信する期間に、送信許可を与えた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧がバイアス電圧制御手段に設定され、この設定されたバイアス電圧で光信号を受信して光電変換する。
また本発明に係る光通信装置は上述の発明において、前記受信光強度検出手段による検出結果を複数段階に分級する手段を更に備え、前記バイアス電圧制御手段は分級結果の段階に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を段階的に変化させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の光通信装置では上述の発明において、受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度が複数段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による複数段階の分級それぞれに応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を段階的に変化させる。なお、受信光強度検出手段による検出結果を複数段階に分級する手段としては、受信光強度検出手段そのものでもよいし、別途適宜の手段、たとえば演算手段等を設けてもよい。
更に本発明に係る光通信装置は上述の発明において、前記受信光強度検出手段による検出結果を所定のしきい値で2段階に分級する手段を更に備え、前記バイアス電圧制御手段は分級結果の2段階に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を2段階に変化させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の光通信装置では前述の発明において、受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度の検出結果が所定のしきい値で2段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による2段階の分級に応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を2段階に変化させる。なお、受信光強度検出手段による検出結果を2段階に分級する手段としては、受信光強度検出手段そのものでもよいし、別途適宜の手段、たとえば演算手段等を設けてもよい。
また更に本発明に係る光通信装置は上述の各発明において、前記受信光強度検出手段による光強度の検出及び該検出結果と光信号を送信した端末装置とを対応付けた前記記憶手段への記憶を行なった後に、複数の端末装置に対して送信許可を与え、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信する期間に、前記送信許可を与えた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を前記バイアス電圧制御手段に設定するようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の光通信装置では上述の各発明において、受信光強度検出手段による光強度の検出及びこの検出結果と光信号を送信した端末装置とを対応付けた記憶手段への記憶が初期設定として行なわれる。このようにして初期設定が行なわれた後、複数の端末装置に対して送信許可が与えられ、送信許可が与えられた端末装置から光信号を受信する期間に、送信許可が与えられた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧がバイアス電圧制御手段に設定される。
更にまた本発明に係る光通信システムは、送信許可が与えられた場合に光信号を送信する複数の端末装置と、これらの端末装置それぞれに対して送信許可を与え、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する光通信装置とを含む光信号システムにおいて、前記光通信装置は、受信した光信号の光強度を検出する受信光強度検出手段と、光信号を受信した場合に、前記光信号を送信した端末装置と前記受信光強度検出手段による検出結果とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を変化させるバイアス電圧制御手段と、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信する期間に、前記送信許可を与えた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を前記バイアス電圧制御手段に設定する手段とを備え、前記受信光強度検出手段による光強度の検出及び該検出結果と光信号を送信した端末装置とを対応付けた前記記憶手段への記憶を行なった後に、複数の端末装置に対して送信許可を与え、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信する期間に、前記送信許可を与えた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を前記バイアス電圧制御手段に設定することにより、各端末装置が送信した光信号を受信するようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の光通信システムでは、複数の端末装置に対して送信許可を与え、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する際に、受信した光信号の光強度を受信光強度検出手段が検出し、光信号を受信した場合に、光信号を送信した端末装置と受信光強度検出手段による検出結果とを対応付けた記憶手段への記憶が初期設定として行なわれる。このようにして初期設定が行なわれた後、複数の端末装置に対して送信許可が与えられ、送信許可が与えられた端末装置から光信号を受信する期間に、送信許可が与えられた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧がバイアス電圧制御手段に設定され、各端末装置が送信した光信号が受信される。
また本発明に係る光通信システムは上述の発明において、前記光通信装置は、前記受信光強度検出手段による検出結果を複数段階に分級する手段を更に備え、前記バイアス電圧制御手段は分級結果の段階に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を段階的に変化させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の光通信システムでは上述の発明において、光通信装置に備えられている受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度が複数段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による複数段階の分級それぞれに応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を段階的に変化させる。なお、受信光強度検出手段による検出結果を複数段階に分級する手段としては、受信光強度検出手段そのものでもよいし、別途適宜の手段、たとえば演算手段等を設けてもよい。
更に本発明に係る光通信システムは上述の発明において、前記光通信装置は、前記受信光強度検出手段による検出結果を所定のしきい値で2段階に分級する手段を更に備え、前記バイアス電圧制御手段は分級結果の2段階に応じて前記光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を2段階に変化させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の光通信システムでは前述の発明において、光通信装置に備えられている受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度の検出結果が所定のしきい値で2段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による2段階の分級に応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧を2段階に変化させる。なお、受信光強度検出手段による検出結果を2段階に分級する手段としては、受信光強度検出手段そのものでもよいし、別途適宜の手段、たとえば演算手段等を設けてもよい。
以上のような本発明に係る光信号受信方法によれば、光強度が異なる光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する場合に、受信した光信号の光強度に対応して光電変換素子に印加するバイアス電圧が変化し、これに応じて光電変換素子の電流増倍率も変化するので、受信信号の光強度が異なる場合にもほぼ一定のレベルの信号を結果的に受信することが可能になる。
また本発明の光信号受信方法によれば上述の発明において、光電変換素子に印加されるバイアス電圧を複数段階に変化させるので、比較的簡易に実施することが可能になる。
更に本発明の光信号受信方法によれば前述の発明において、光電変換素子に印加されるバイアス電圧を2段階に変化させるので、非常に簡易に実施することが可能になる。
また更に本発明の光信号受信装置によれば、光強度が異なる光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する際に、受信した光信号の光強度を受信光強度検出手段が検出し、この検出結果に応じてバイアス電圧制御手段が光電変換素子に印加するバイアス電圧を変化させるので、受信信号の光強度が異なる場合にもほぼ一定のレベルの信号を結果的に受信することが可能になる。
また本発明の光信号受信装置によれば上述の発明において、受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度の検出結果が複数段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による複数段階の分級それぞれに応じて光電変換素子に印加するバイアス電圧を段階的に変化させるので、比較的簡易な構成とすることが可能になる。なお、受信光強度検出手段による検出結果を複数段階に分級する手段としては、受信光強度検出手段そのものでもよいし、別途適宜の手段、たとえば演算手段等を設けてもよい。
また本発明の光信号受信装置によれば上述の発明において、受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度の検出結果が所定のしきい値で2段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による2段階の分級に応じて光電変換素子に印加するバイアス電圧を2段階に変化させるので、非常に簡易な構成とすることが可能になる。特に、このように受信信号の光強度を2段階に分級する場合は受信光強度検出手段をたとえばピークホールド回路とコンパレータのみの簡単な構成で実現できる。
更にまた本発明の光通信装置によれば、複数の端末装置に対して送信許可を与え、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信し、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子で電気信号に変換する際に、受信した光信号の光強度を受信光強度検出手段が検出し、光信号を受信した場合に、光信号を送信した端末装置と受信光強度検出手段による検出結果とを対応付けて記憶手段が記憶している。そして、送信許可を与えた端末装置から光信号を受信する期間に、送信許可を与えた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧がバイアス電圧制御手段に設定され、この設定されたバイアス電圧で光信号を受信して光電変換する。従って、受信信号の光強度が異なる場合にもほぼ一定のレベルの信号を結果的に受信することが可能になる。
また本発明の光通信装置によれば上述の発明において、受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度の検出結果が複数段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による複数段階の分級それぞれに応じて光電変換素子に印加するバイアス電圧を段階的に変化させるので、比較的簡易な構成とすることが可能になる。なお、受信光強度検出手段による検出結果を複数段階に分級する手段としては、受信光強度検出手段そのものでもよいし、別途適宜の手段、たとえば演算手段等を設けてもよい。
また本発明の光通信装置によれば前述の発明において、受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度の検出結果が所定のしきい値で2段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による2段階の分級に応じて光電変換素子に印加するバイアス電圧を2段階に変化させるので、非常に簡易な構成とすることが可能になる。特に、このように受信信号の光強度を2段階に分級する場合は受信光強度検出手段をたとえばピークホールド回路とコンパレータのみの簡単な構成で実現できる。
また更に本発明の光通信装置によれば上述の各発明において、受信光強度検出手段による光強度の検出及びこの検出結果と光信号を送信した端末装置とを対応付けた記憶手段への記憶が初期設定として行なわれる。このようにして初期設定が行なわれた後、複数の端末装置に対して送信許可が与えられ、送信許可が与えられた端末装置から光信号を受信する期間に、送信許可が与えられた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧がバイアス電圧制御手段により最適な電圧値に設定される。従って、たとえば新たな端末装置が追加接続されたような場合にも初期設定を再実行するのみにて自動的に光電変換素子の最適なバイアス電圧の再設定が行なわれ、また定期的に初期設定を行うことにより、光分岐装置,端末装置の発光素子(レーザダイオード等)の経年変化による伝送損失に対応することが容易に可能である。
また本発明の光通信システムによれば、システムを構成する光通信装置が備える受信光強度検出手段による光強度の検出及びこの検出結果と光信号を送信した端末装置とを対応付けた記憶手段への記憶が初期設定として行なわれる。このようにして初期設定が行なわれた後、複数の端末装置に対して送信許可が与えられ、送信許可が与えられた端末装置から光信号を受信する期間に、送信許可が与えられた端末装置に対応付けて記憶手段が記憶している検出結果に応じて光電変換素子に印加すべきバイアス電圧がバイアス電圧制御手段により最適な電圧値に設定される。従って、たとえば新たな端末装置が追加接続されたような場合にも初期設定を再実行するのみにて自動的に光電変換素子の最適なバイアス電圧の再設定が行なわれ、また定期的に初期設定を行うことにより、光分岐装置,端末装置の発光素子(レーザダイオード等)の経年変化による伝送損失に対応することが容易に可能である。
また本発明の光通信システムによれば上述の発明において、システムを構成する光通信装置が備える受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度の検出結果が複数段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による複数段階の分級それぞれに応じて光電変換素子に印加するバイアス電圧を段階的に変化させるので、比較的簡易な構成とすることが可能になる。なお、受信光強度検出手段による検出結果を複数段階に分級する手段としては、受信光強度検出手段そのものでもよいし、別途適宜の手段、たとえば演算手段等を設けてもよい。
また本発明の光通信システムによれば前述の発明において、システムを構成する光通信装置が備える受信光強度検出手段が受信した光信号の光強度の検出結果が所定のしきい値で2段階に分級され、バイアス電圧制御手段も受信光強度検出手段による2段階の分級に応じて光電変換素子に印加するバイアス電圧を2段階に変化させるので、非常に簡易な構成とすることが可能になる。特に、このように受信信号の光強度を2段階に分級する場合は受信光強度検出手段をたとえばピークホールド回路とコンパレータのみの簡単な構成で実現できる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述するが、まず最初に本発明方法の原理について図1を参照して説明する。また本発明方法の実施対象としての本発明の光通信システムは、便宜上、図6に示されたEPONシステムと同一であるとする。
図1(a) は前述の図7と同一のOLT1が個々のONU2から受信した光信号の光強度を例示するグラフであり、左側には図6に示したONU2-1からの、中央には図6に示したONU2-7からの、右側には図6に示したONU2-2からの受信信号の光強度をそれぞれ例示してある。
この図1(a) に示す例では、図6に示したONU2-1 から受信した光信号の光強度が最も大きく、ONU2-7 から受信した光信号の光強度が最も小さく、ONU2-2 から受信した光信号の光強度がONU2-1 からのそれに比してやや小さい。その理由については前述したので、ここでは省略する。
図6に示したEPONシステムのOLT1では個々のONU2からの光強度が異なる光信号を受信するが、図1(b) に示すように、それぞれのONU2からの受信信号の光強度に応じた、より具体的には逆比例させたバイアス電圧を、具体的には光強度が大である場合には図1(b) の両側に示すようにローレベルのバイアス電圧を、逆に光強度が小である場合には図1(b) の中央に示すようにハイレベルのバイアス電圧を、印加されるバイアス電圧に応じて電流増倍率が変化する光電変換素子、具体的にはAPD(Avalanche Photo Diode:アバランシェフォトダイオード)に印加すれば、APDから出力される信号の電流値は図1(c) に示すように大きなバラツキはなくなるので、実線にて示すような一定の判定しきい値でデジタルデータとして取り込むことが可能になる。
なお、図1に示した例では、APDに印加するバイアス電圧を、受信信号の光強度に応じて2段階に変化させるようにしているが、より多数の段階に変化させるようにしてもよいし、また受信信号の光強度に完全に逆比例させて連続的に変化させてもよいことはいうまでもない。
以上が本発明方法の基本的な原理であるが、以下、実際のOLTに適用した場合の実施の形態について説明する。
図2は本発明に係る光信号受信装置をその構成要素として含む光信号送受信装置の構成例を示すブロック図であり、図6に示す光通信システムを構成する本発明の光通信装置としてのOLT1内に内蔵されている。
光信号送受信装置10の内部構成は大きくは、本発明に係る光信号受信装置としての上り方向の信号に関与する部分、即ち個々のONU2から送信された光信号を受信して処理する部分と、下り方向の信号に関与する部分、即ち個々のONU2へ光信号をブロードキャストする部分とに分かれている。また、光信号送受信装置10のONU2と接続している側の逆側には、OLT1内の他の回路と電気信号で接続するための部分が構成されている。
光信号送受信装置10はOLT1内の他の回路とはフレームバッファ43を介して接続されており、フレームバッファ43と光信号送受信装置10との間は物理層のインタフェイス(PHY)42を介して接続されている。なお、フレームバッファ43及びPHY42はMPU41が所定のソフトウェアに従って制御する。
光信号送受信装置10がOLT1内の他の回路から受信した信号は一旦フレームバッファ43にバッファリングされ、PHY42で符号化されてEPON用のフォーマットの信号に変換され、E/O変換素子(電光変換素子)31へ送られる。E/O変換素子31は入力された電気信号に応じてLD(レーザダイオード)32に光信号を発生させる。このようにしてLD32が発生した光信号はWDM(波長多重)カプラ12から光ファイバ11-0へ出力され、図6に示されているように、各ONU2へブロードキャストされる。
一方、各ONU2からの上り方向の光信号は最終的には光ファイバ11-0を介してWDMカプラ12へ入力され、APD(Avalanche Photo Diode:アバランシェフォトダイオード)23で電流信号に変換され、プリアンプ24でデジタルデータの「1」、「0」に対応する電圧信号に変換される。プリアンプ24から出力される電圧信号はAGC(自動ゲイン制御)機能を有するポストアンプ25で増幅されてPHY42で他の回路との通信のために逆符号化(復号化)される。逆符号化された信号は一旦フレームバッファ43でバッファリングされ、MPU41によりタイミング調整されて外部へ出力される。
なお、プリアンプ24が出力する電圧信号は上述のポストアンプ25へ入力される他、受信光強度検出部26へも入力される。この受信光強度検出部26はAPD23が受信した光信号の光強度をプリアンプ24から入力される電圧信号に基づいて検出し、その検出結果をMPU41に与える。MPU41はこの受信光強度検出部26から与えられる光信号の光強度の検出結果それぞれがいずれのONU2からの受信信号のものであるかを対応付けて内部メモリ4Mに記憶する。なお、個々の受信信号の光強度の検出結果とその信号を送信したONU2とを対応させる方法に関しては後述する。
ところで、APD23には電流増倍率を切り換えるためのバイアス電圧(厳密には逆バイアス電圧)を印加する必要があるが、高電圧発生回路21が発生した高電圧がAPDバイアス電圧制御回路22で制御されてAPD23にバイアス電圧として印加される。なお、APDバイアス電圧制御回路22は後述するようにMPU41により制御されて、APD23に印加するバイアス電圧を変化させるが、このMPU41によるAPDバイアス電圧制御回路22の制御の方法に関しても後述する。
次に、上述のような図2に示した構成の本発明の光信号受信装置をその一部として含む光信号送受信装置、及びこれを含む光通信装置であるOLT1の動作について説明する。まず、第1の実施の形態について、OLT1全体の動作手順を示す図3のフローチャートを参照して説明する。
OLT1が何らかの事情で初期化された場合、または遮断されていた電源が投入された場合(ステップS11)、全てのONU2から所定の信号をOLT1へ送信させる指示信号を、MPU41がフレームバッファ43,PHY42を制御して全てのONU2へブロードキャストする(ステップS12)。
このブロードキャスト信号を受信した各ONU2は予めたとえばそれぞれに設定されているID番号(具体的には、LLID:Logical link ID)等に応じて時分割多重アクセス方式で順次的に所定の信号をOLT1へ送信する(ステップS13)。このようにして各ONU2から時分割多重アクセス方式で順次的に送信された所定の信号はOLT1に受信されるので、受信光強度検出部26がそれぞれの信号の光強度を検出し(ステップS14)、MPU41は受信光強度検出部26が検出した光強度とそれぞれの信号を送信したONU2とを対応付けて内部メモリ4Mに記憶する(ステップS15)。この際の個々のONU2を特定する情報としては前述のID番号が利用可能である。
なお、この第1の実施の形態では、受信光強度検出部26による受信信号の光強度の検出は、プリアンプ24から出力された電圧信号の絶対値を検出するものとし、この際にAPD23に印加されるバイアス電圧は所定の値が予め設定されているものとする。
次に、MPU41は全てのONU2からの受信信号の光強度の検出結果が得られると、全ONU2について受信光強度検出部26による検出結果、換言すれば受信信号の光強度、に対応してAPD23からの出力信号の電流値がほぼ一定となるようなAPD23に印加すべきバイアス電圧を設定し、それぞれのONU2に対応付けて内部メモリ4Mに記憶する (ステップS16)。
以上のようにして全ONU2についてのバイアス電圧の設定が行なわれた後に、実際の通信が可能になる。即ち、MPU41は各ONU2に所定順序で送信を許可する信号をブロードキャストし(ステップS17)、各ONU2からの送信信号の受信期間に合わせて、それぞれのONU2に設定されているバイアス電圧を内部メモリ4Mから読み出してAPDバイアス電圧制御回路22に指示する (ステップS18)。
以上により、APD23は、OLT1からブロードキャストされた送信許可信号に応じて各ONU2からそれぞれ送信された信号を受信する期間において、それぞれのONU2からの受信信号の光強度に対応させて予め設定されているバイアス電圧をAPDバイアス電圧制御回路22から印加されることになるので、APD23からはいずれのONU2からの信号を受信した場合にもほぼ一定の電流値の信号が出力される。
次に、前述のような図2に示した構成の本発明の光信号受信装置をその一部として含む光信号送受信装置の動作の第2の実施の形態について、本発明の光通信システム全体の動作手順を示す図4,図5のフローチャートを参照して説明する。
なお、本第2の実施の形態では、各ONU2からの受信信号の光強度をある程度の限られた段階に分級し、APD23に印加されるバイアス電圧もこの段階と対応させて段階的にする。但し、図4,図5に示す実際の実施の形態においては、各ONU2からの受信信号の光強度を2段階に分級し、APD23に印加されるバイアス電圧も2段階としている。また、図4のステップS31乃至S34までの動作手順は前述の第1の実施の形態の図3のステップS11乃至S14と同一であるので、説明を省略する。
但し、本実施の形態では、ステップS34での受信光強度検出部26による検出は、プリアンプ24から出力された電圧信号を所定のしきい値で「強」と「弱」との2段階に分級して検出するようにしている。このような構成を採る場合には、受信光強度検出部26をたとえばピークホールド回路とコンパレータとのみの簡単な構成で実現できる。
なお、ステップS34においては、前述の第1の実施の形態の場合と同様に、受信光強度検出部26がプリアンプ24から出力された電圧信号の絶対値を検出するようにしてもよい。この場合は、その後にMPU41が受信信号の光強度が所定値以上であるかまたは所定未満であるか(または所定値を越えるか所定以下であるか)に応じて「強」と「弱」との2段階に分級すればよい。
このようにして各ONU2からの受信信号の光強度が2段階に分級されると、MPU41はそれぞれの信号を送信したONU2とを対応付けて内部メモリ4Mに記憶する(ステップS35)。なおこの際の個々のONU2を特定する情報としては前述のID番号が利用可能である。
次に、MPU41は全てのONU2からの受信信号の光強度の分級結果が得られると、全ONU2をHグループとLグループとに2分類する(ステップS36)。ここで、HグループのONU2は受信信号が所定値以上である(または所定値を越える)グループであり、このHグループのONU2からOLT1が信号を受信する場合にはMPU41からの指示によりAPDバイアス電圧制御回路22がAPD24のバイアス値をローレベルに設定する。一方、LグループのONU2は受信信号が所定値未満である(または所定値以下である)グループであり、このLグループのONU2からOLT1が信号を受信する場合にはMPU41からの指示によりAPDバイアス電圧制御回路22がAPD24のバイアス値をハイレベルに設定する。
以上のようにして全ONU2の分類が行なわれた後に、実際の通信が可能になる。即ち、MPU41はまずHグループのONU2に送信許可を与える信号をブロードキャストし(ステップS37)、APD23にローレベルのバイアス電圧を印加するようにAPDバイアス電圧制御回路22に指示を与える(ステップS38)。これによりAPD23にはローレベルのバイアス電圧が印加された状態になり(ステップS39)、この状態においてONU2からの信号を受信する(ステップS40)。但し、先のステップS37においてHグループのONU2に送信許可を与える信号がブロードキャストされているので、ステップS40においてOLT1が受信する信号はHグループのONU2からの信号のみになる。
このような状態においては、OLT1が受信する信号はローレベルのバイアス電圧時のAPD23に対応した光強度の信号であるので、全ての受信信号を問題なしに受信することが可能である。
このようにしてHグループの全てのONU2からの信号を受信した場合には、MPU41は次にLグループの全てのONU2に送信許可を与える信号をブロードキャストし(ステップS41)、APD23にハイレベルのバイアス電圧を印加するようにAPDバイアス電圧制御回路22に指示を与える(ステップS42)。これによりAPD23にはハイレベルのバイアス電圧が印加された状態になり(ステップS43)、この状態においてONU2からの信号を受信する(ステップS44)。但し、先のステップS41においてLグループのONU2に送信許可を与える信号がブロードキャストされているので、ステップS44においてOLT1が受信する信号はLグループのONU2からの信号のみになる。
このような状態においては、OLT1が受信する信号はハイレベルのバイアス電圧時のAPD23に対応した光強度の信号であるので、全ての受信信号を問題なしに受信することが可能である。
なお、上述の実施の形態においては、各ONU2をそのOLT1での受信信号の光強度に応じて2分類したが、これに限定する必要はなく、3段階以上に受信信号の光強度を分級し、それぞれの受信信号の光強度に応して各ONU2を複数のグループに分類し、それぞれのグループに応じた段階的なバイアス電圧をAPDバイアス電圧制御回路22がAPD23に設定するようにしてもよいことは言うまでもない。
なお、新たなONUがOLT1に追加接続されたような場合、または光ファイバ,光分岐装置等の経年変化による影響を較正するような場合にはステップS11乃至S16、またはステップS31乃至S36のような初期化を行なえばよい。