JP4737528B2 - 光通信システムにおける制御局側装置及び端末局側装置 - Google Patents
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また、PONシステムにおいて、イーサネット(Ethernet)(登録商標)技術を取り込み、数多くの機器との接続親和性を向上させ、光ファイバのアクセス区間通信を実現する技術であるGE−PON(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)システムが実用化されている。
例えば、特許文献1に記載の通信システムでは、PONシステムを利用する制御局OLTと複数の端末局ONUとの通信において、これらの局間の距離に応じて、この誤り訂正符号化方式の実行/非実行の設定を行う通信システムが提案されている。
この適用のための手順を説明すると、次のようになる。制御局側装置は、個々の端末局側装置に向けて、誤り訂正能力を判定する材料としての評価用データを送信するように要求する。この要求を受けた端末局側装置は、制御局側装置に向けて、評価用データを送信する。これにより、制御局側装置は、このデータから、エラーレートを測定することができる。
その後、制御局側装置は、前記(a)のとおり、当該端末局側装置に向けて送信する信号に対して、前記判定された誤り訂正符号化の程度を設定して、データを送信する。また、前記(b)のように前記端末局側装置に向けて、誤り訂正符号化の設定情報を通知してもよい。
制御局側装置は、このような判定処理を個々の端末局側装置ごとに行うことにより、任意の端末局側装置との間で良好な誤り訂正処理を行うことができるようになるので、光通信システム全体のスループットを向上することができる。
前記端末局側装置から前記制御局側装置に向けて送信する信号に対して、(c)前記判定された誤り訂正符号化の程度に対応する誤り訂正符号化データを送信するか、又は、(d)前記制御局側装置に向けて、前記判定された誤り訂正符号化の程度を示す情報を含むデータを送信する送信手段と、を有している。
この適用のための手順を説明すると、次のようになる。個々の端末局側装置は、制御局側装置に対して、誤り訂正能力を判定する材料としての評価用データを送信するように要求する。この要求を受けた制御局側装置は、当該端末局側装置に向けて、評価用データを送信する。これにより、当該端末局側装置は、このデータから、エラーレートを測定することができる。
その後、当該端末極側装置は、前記(c)のように制御局側装置に向けて送信する信号に対して、前記判定された誤り訂正符号化の程度を設定して、データを送信する。また、前記(d)のように制御局側装置に向けて、誤り訂正符号化の設定情報を通知してもよい。
このような判定処理を個々の端末局側装置が行うことにより、任意の端末局側装置と制御局側装置との間で、当該信号伝送に良好な誤り訂正処理を行うことができるようになるので、光通信システム全体のスループットを向上することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる制御局OLT10と複数の端末局ONU90との間に、光スプリッタを介して光ファイバで接続している光通信システムの構成例を示す概略図である。
光通信システムとしてのPONシステム1は、制御局側局舎が備える制御局側装置(以下、単に「制御局」という)OLT10と、複数の加入者宅が備える端末局側装置(以下、単に「端末局」という)ONU90(90A〜90E)とを備えている。また、PONシステム1では、制御局OLT10と端末局ONU90とが、幹線光ファイバ70、光スプリッタ80や支線光ファイバ71を介して接続されている。
光スプリッタ80は、外部からの電源供給を特に必要とせず、光ファイバ(70や71)から入力された信号を、受動的に分岐・多重化して出力することができるスターカプラからなっている。
まず、インターネット網などの上位のネットワークから制御局OLT10へ送られてくる下りフレーム信号は、制御局OLT10で所定のブリッジ処理が行われ、中継されるべき論理リンクが特定される。このとき、制御局OLT10は、フレーム信号に、論理リンク識別子を含むGE−PONヘッダを付加している。そして、制御局OLT10で光信号に変換されて、幹線光ファイバ70に送られる。幹線光ファイバ70に送られた光信号は、複数の光スプリッタ80で分岐され、支線光ファイバ71を介して端末局ONU90に送られる。このとき、当該論理リンクを含んでいる端末局ONU90のみが、所定の光信号を取り込むことができる。そして、当該フレーム信号を取り込んだ端末局ONU90は、宅内ネットワークインタフェースを中継し、図示しないパーソナルコンピュータなどの端末装置に、データを送る。
例えば、図示のPONシステム1のネットワークにおいて、制御局OLT10と端末局ONU90B,90D,90Eとの間の光ファイバ伝送路は、制御局OLT10と端末局ONU90A,90C1〜90C4との光ファイバ伝送路よりも、その距離が比較的短いことや、光スプリッタ80による分岐階数が少ないことで、光損失を比較的少なくできることによる。よって、端末局ONU90B,90D,90Eにおいて、短い冗長データ(例えば、16シンボル分)を付加することで、エラーレートを仕様の範囲を満たすことができる。この「冗長データ」とは、所定の長さ(例えば、239バイト)に分割された元データにおいて、符号化計算によって算出されるデータのことであり、分割された元データに付加され、符号語長(例えば、255バイト)を有するデータとして、生成される。また、この冗長データ部分の長さによって、誤り訂正可能なバイト数が決定される。
制御局OLT10は、上位のネットワークとの通信や、端末局ONU90ごとに発せられるフレーム信号の制御が行われる伝送制御部11と、伝送制御部11からの電気信号としてのフレーム信号を光信号に変換する光信号発生器12と、端末局ONU90から光ファイバを介して送られた光信号を分離する波長多重化フィルタ13と、波長多重化フィルタ13を介して送られた端末局ONU90からの光信号を電気信号に変換するための受光器14とを備えている。
制御局OLT10の波長多重化フィルタ13は、端末局ONU90から発せられ光ファイバ70を介して到達する光信号を分離して、受光器14に導く。受光器14は、光信号から電気信号に変換するためのフォトダイオードなどの受光素子部材によって、端末局ONU90からの光信号を電気信号に変換し、その電気信号をフレーム信号として伝送制御部11に送る。そして、伝送制御部11は、端末局ONU90からの信号をインターネット網に送ることができる。
一方、伝送制御部11は、上位のネットワークから受信したフレーム信号に、端末局ONU90に送るためのGE−PONヘッダを付加する。そして、フレーム信号を光信号発生器12に送る。
次に、波長多重化フィルタ13は、光信号発生器12で発生した光信号を受け取り、光信号を幹線光ファイバ70に導く。そして、光信号は、幹線光ファイバ70、光スプリッタ80および支線光ファイバ71を介して、端末局ONU90に送られる。
そして、所定のヘッダなどが付加された信号は、光信号発生器94に送られ、電気信号から光信号へ変換される。光信号発生器94は、光信号発生器12が発光する波長と違う波長特性を有するレーザダイオードによって、所定の波長を有する光(具体的には、約1310nmの波長域の光)を発する。光信号発生器94での光信号への変換は、例えば、受け取った電気信号をレーザダイオードの駆動電流にし、このレーザダイオードの発光を制御することにより行われる。
ここでは、制御局OLT10における下り通信に用いる光の波長域と、端末局ONU90における上り通信に用いる光の波長域とは異なるので、制御局OLT10と端末局ONU90とを1本の光ファイバで接続することができる。
本発明では、個々の端末局ONU90が置かれている光ファイバ伝送路の特性に合わせて、符号化処理における冗長データを設定する。これにより、例えば、光ファイバ伝送路の特性が良い場合は、冗長データを無駄に長くしないことにより伝送速度が低下することを避けることができる。一方、光ファイバ伝送路の特性が悪い場合は、冗長データを長くして、通信品質を保つことができる。これにより、端末局ONU90ごとに誤り訂正処理を良好に行うことができ、結果として、PONシステム1全体のスループットを向上させることができる。
例えば、4つのランク(ランク1〜4)により振り分けるものとし、ランク1を光ファイバ伝送路の特性をあまり受けておらず、光損失が比較的認められない光ファイバ伝送路とし、ランク4を光ファイバの特性をよく受けており、光損失が比較的大きい光ファイバ伝送路、とする。
まず、制御局OLT10および所定の端末局ONU90(ここでは、端末局ONU90C2)が、お互いにデータを送受信している状況を考える。
制御局OLT10は、端末局ONU90C2に向けて、誤り訂正符号化の程度を判定する材料としての評価用のデータを送信するように要求する。この要求を受けた端末局ONU90C2は、制御局OLT10に向けて、評価用のデータを送信する。これにより、制御局OLT10は、このデータから、エラーレートを測定することができる。
その後、制御局OLT10は、端末局ONU90C2に対して、送信データに対して、ランク2として既定された長さの冗長データを付加した誤り訂正符号化をしてデータを送信する。
一方、上述の誤り訂正符号化の程度の判定は、制御局OLT10から所定の端末局ONU90に対する要求により行われたが、制御局OLT10からの要求なしに行うことができる。このとき、制御局OLT10が端末局ONU90C2から受信した任意のデータのエラーレートを測定することで、制御局OLT10は、制御局OLT10と端末局ONU90C2との光ファイバ伝送路のおおよその光損失がわかり、上り伝送路の誤り訂正符号化の程度を判定することができる。ここでは、ランク3が選択されたとする。
端末局ONU90C2は、ランク3として既定された長さの冗長データを付加した誤り訂正符号化データを受信したり、ランク3であることの情報を含んだデータを受信したりすることによって、当該ランクの値を知ることができる。
このようにして、制御局OLT10は、所定の端末局ONU90から、適正に誤り訂正符号化されたデータを良好に受信することができる。
ここでの判定作業は、判定要素として、ラウンドトリップタイム、エラーレートの値が用いられる。また、誤り訂正符号化の程度は、具体的には、リード・ソロモン符号化の冗長データの長さを変化させるものとする。
図3は、ラウンドトリップ時間を説明するための図である。
ラウンドトリップ時間とは、制御局OLT10と端末局ONU90との往復の通信に費やす時間を表している。
次に、端末局ONU90は、制御局OLT10に向けて送信するデータの送信時、そのデータに送信時刻T1から計時した送信時刻としての時刻T2の情報を含める(c)。制御局OLT10は、このデータを受け取った時刻T3を記憶する(d)。
このラウンドトリップ時間により、制御局OLT10と所定の端末局ONU90との往復の通信に費やす時間がわかるので、制御局OLT10と端末局ONU90とのおおよその距離を測定することができる。これにより、光ファイバ伝送路の距離と光損失との関係はわかっていることから、制御局OLT10が、所定の端末局ONU90に適した誤り訂正符号化の程度を判定することができる。
図4は、フレームエラーレートを用いたエラーレートの算出方法を説明するための図である。
まず、データストリーム上で、プリアンブルにあるCRC8フィールドを読み取る。このCRC8フィールドには、送信側での8bitCRC符号化の計算値が格納されている。これにより、受信側での8bitからCRC符号化を行ったときの計算値と、送信時のCRC8フィールドに格納されている値とを比較し、不一致のときにカウントを行うことで、制御局OLT10と所定の端末局ONU90とのエラーレートが測定できる。
図5は、8B10B符号化復元不能割合を用いたエラーレートの算出方法を説明するための図である。
まず、送信側において、データを送信時に信号化を行う際に、送信側のMACフレームとしてのデータストリームに含まれるバイナリデータを、10bitのデータに変換する(a)。ここでの、8bitデータから10bitデータへは、所定の変換則によって、変換がなされる。そして、10bitのデータからNRZ信号に変換する(b)。
受信側のデータストリームは、NRZ信号から10bitへの変換(d)、そして、この10bitデータから、バイナリデータへの変換が行われる(e)。ここでの10bitから8bitへの変換は、所定の変換則により変換される。
しかし、10bitデータの中に含まれるビットにおいて、少なくともひとつ以上の反転があると、(e)において、対応したバイナリデータに復元することができなくなる。これにより、データストリームに含まれるバイナリデータの数に対する、8B10B符号化復元化ができなかったバイナリデータの数をカウントすることで、エラーレートとして算出する。
極端に通信品質が悪くない場合には、上述のような8B10B符号化復元のように、受信10bitデータにひとつ以上の反転が存在することは非常にまれである。ビットエラーレートとは、上述の8B10B符号化復元不能割合から、ビットエラーレートを算出するものである。
図4〜図6の処理により、制御局OLT10と端末局ONU90との光ファイバ伝送路に対するエラーレートを算出することができる。
MACフレームは、送信時、冗長データPと併せて、所定の符号語長とするように、分割される。ここでの誤り訂正符号化はリード・ソロモン符号化を用い、8bit(1バイト)を1シンボルとし、255バイトを符号語長とした。符号語には、255バイト以下の長さのデータDと、符号化計算を行う過程で算出される冗長データPとが含まれている。
ブロックB1には、有効データD1の239バイトと、有効データD1から算出された冗長データP1の16バイトとの255バイトが含まれている。
ブロックB5には、有効データD5の144バイトと、有効データD5から算出された冗長データP5の16バイトとが含まれている。そして、ブロックB5を255バイトにするために、有効データD5や冗長データP5が含まれていない部分には、「0」のビットが埋まった0パッドという領域が形成され、結果として、ブロックB5は、255バイトの情報量となる。
例えば、冗長データPの長さを短くすることで、有効データDに対する情報量が減少し、誤り訂正能力が下がる。このとき、例えば、光ファイバ伝送路が比較的短くあり、光損失が比較的少ないときに、冗長データPを短くすることで、スループットを向上することができる。
上述の説明では、制御局OLT10側の伝送制御部11により行われる制御を対象にしていたが、それとは逆に、同様な方法により、端末局ONU90が制御局OLT10から受信した下り信号のエラーレート測定結果に基づいて、当該下り送信データに対して、制御局OLT10において所定の長さの冗長データを付加した誤り訂正符号化をすることもできる。
次に、端末局ONU90C2は、制御局OLT10に向けて、誤り訂正能力を判定する材料としての評価用データを送信するように要求する。この要求を受けた制御局OLT10は、端末局ONU90C2に向けて、評価用データを送信する。これにより、端末局ONU90C2は、このデータから、エラーレートを測定することができる。
その後、端末局ONU90C2は、上り送信データに対して、例えば、ランク2として既定された長さの冗長データを付加した誤り訂正符号化をして送信する。この送信は、ランクを制御局OLT10に通知するために行うのである。または、制御局OLT10向けの上り送信データに対して、単に、所定の長さの冗長データを含む情報を付加して送信してもよい。
制御局OLT10は、ランクの既定された冗長データ、又はランクそのものの情報を受信することにより、当該ランクを知ることができる。そこで、そのランクに該当する誤り訂正符号化の程度を設定して、次回以後、当該端末局ONU90に送信する下り信号を誤り訂正符号化して送信することができる。
なお、上述のラウンドトリップ時間や各種エラーレートの測定以外にも、受信信号強度、送信光度、ジッターの値を用いて、誤り訂正符号化の程度を判定してもよい。
また、光ファイバ伝送路の特性が変化した場合にも、適用する誤り訂正能力は、判定作業により、適宜、変更することができる。
10 制御局側装置OLT
11 伝送制御部
12 光信号発生器
90 端末局側装置ONU
93 伝送制御部
94 光信号発生器
D1〜D5 有効データ
P1〜P5 冗長データ
Claims (2)
- 光通信システムに含まれており、光ファイバ伝送路を通じて端末局側装置と通信を行うことができる制御局側装置であって、
前記端末局側装置に向けて送信する信号の伝送のために良好な誤り訂正符号化の程度を、誤り訂正符号化の必要性が認められない段階と、誤り訂正符号化の必要性が最も大きく認められる段階と、それらの中間の段階とを含む複数段階に分けて判定する判定手段と、
前記制御局側装置から前記端末局側装置に向けて送信する信号に対して、前記判定された誤り訂正符号化の程度に対応する誤り訂正符号化データを送信するか、又は、前記端末局側装置に向けて、前記判定された誤り訂正符号化の程度を示す情報を含むデータを送信する送信手段と、を有する制御局側装置。 - 光通信システムに含まれており、光ファイバを通じて制御局側装置と通信を行うことができる端末局側装置であって、
前記制御局側装置に向けて送信する信号の伝送のために良好な誤り訂正符号化の程度を、誤り訂正符号化の必要性が認められない段階と、誤り訂正符号化の必要性が最も大きく認められる段階と、それらの中間の段階とを含む複数段階に分けて判定する判定手段と、
前記端末局側装置から前記制御局側装置に向けて送信する信号に対して、前記判定された誤り訂正符号化の程度に対応する誤り訂正符号化データを送信するか、又は、前記制御局側装置に向けて、前記判定された誤り訂正符号化の程度を示す情報を含むデータを送信する送信手段と、を有する端末局側装置。
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