JP2007300445A - マルチレートponシステムに使用可能な局側装置及び端末装置、並びに、同システムにおける網同期方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 下り方向通信が複数種類の伝送レートで行われるマルチレートPONシステムにおいても、網同期を正確にして上り信号の衝突を回避できるようにする。
【解決手段】 複数の端末装置2,3,4と光ファイバ5,7,8,9を介してP2MP形態で接続され、その複数の端末装置2,3,4との間で網同期をとるための基準レートを含む複数の伝送レートで下り方向通信を行うマルチレートPONシステムに使用可能な局側装置1において、この局側装置1に、自身の基準クロックと各端末装置2,3,4,のローカルクロックとの周波数差により蓄積される位相差の絶対値が網同期をとるために用いる下り信号の1/2周期を超えない最大インターバル時間Ti以下のインターバルで、基準レートの下り信号を各端末装置2,3,4に送信させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数の端末装置2,3,4と光ファイバ5,7,8,9を介してP2MP形態で接続され、その複数の端末装置2,3,4との間で網同期をとるための基準レートを含む複数の伝送レートで下り方向通信を行うマルチレートPONシステムに使用可能な局側装置1において、この局側装置1に、自身の基準クロックと各端末装置2,3,4,のローカルクロックとの周波数差により蓄積される位相差の絶対値が網同期をとるために用いる下り信号の1/2周期を超えない最大インターバル時間Ti以下のインターバルで、基準レートの下り信号を各端末装置2,3,4に送信させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、時分割多重方式でかつ下り信号の伝送レートを動的に変更するマルチレートPONシステムに特に好適に使用することができる局側装置及び端末装置、並びに、同システムにおける網同期方法に関する。
PONシステム(Passive Optical Network System)は、一つの局側装置(OLT:Optical Line Terminal)と複数のユーザ端末装置(ONU:Optical Network Unit)を光カプラ等のパッシブ素子を介して接続されたP2MP(Point To Multipoint)形態の光ファイバネットワークシステムである。このPONシステムのうち、GE−PON(Gigabit Ethernet-PON)は、イーサネット(Ethernet:登録商標)技術をベースとしたギガビットクラスの伝送システムを経済的に実現するもので、IEEE802.3ahTMとして2004年6月に標準化された高速光アクセス方式の一つである。
上記PONシステムでは、局側装置から各端末装置に送信される下り信号については、各端末装置向けの信号を整列させて伝送するTDM(Time Division Multiplexing)方式が採用され、各端末装置から局側装置に送信される上り信号については、互いの信号が衝突しないような正しいタイミングで光信号を送出するTDMA(Time Division Multiple Access)方式が採用されている。このTDMA方式での信号送出のタイミングを正確に行うには、端末装置の時計と局側装置の時計が正確に同期している必要がある。
このため、例えば上記IEEE802.3ahTMによる標準規格では、局側装置はローカルクロックをカウントして局側装置の時計(以下、PONカウンタという。)を生成すること、PON下り信号の伝送クロックをローカルクロックに同期させること、及び、端末装置に送信するPON制御フレームには送信時点のPONカウンタの値をタイムスタンプ(以下、TSと略記することがある。)として記すことが規定されている。
また、端末装置としては、ローカルクロックをPON受信信号に内包されるクロックに同期させること、ローカルクロックをカウントして端末装置のPONカウンタを生成するとともに、PON制御フレームを受信したときはそのフレームに記されているタイムスタンプの値でPONカウンタを更新すること、送信許可はPONカウンタの値で指示され、端末装置は自身のPONカウンタが指示された範囲にあるときPONに送信すること、このときの伝送クロックをローカルクロックに同期させることが規定されている(非特許文献1参照)。
また、端末装置としては、ローカルクロックをPON受信信号に内包されるクロックに同期させること、ローカルクロックをカウントして端末装置のPONカウンタを生成するとともに、PON制御フレームを受信したときはそのフレームに記されているタイムスタンプの値でPONカウンタを更新すること、送信許可はPONカウンタの値で指示され、端末装置は自身のPONカウンタが指示された範囲にあるときPONに送信すること、このときの伝送クロックをローカルクロックに同期させることが規定されている(非特許文献1参照)。
一方、PONシステムにおいては今後さらに伝送速度の高速化が予想されるが、かかる高速化の要請に対応するため、タイムスロットごとに異なるレートの信号を生成するマルチレート・バースト回路を付加することにより、端末装置ごとにサービス容量を増加させるようにしたPONシステムにおけるサービス容量の増加方式が知られている(特許文献1参照)。
このように、特定の端末装置に対する伝送速度を高速化する場合でも、既存のサービスを維持したまま新たな高速サービスを導入できるようにして、複数の伝送レートを共存させる必要があり、この場合は、局側装置と各端末装置との通信が異なる複数の伝送レートで行われることになる(以下、マルチレートPONという。)。
このように、特定の端末装置に対する伝送速度を高速化する場合でも、既存のサービスを維持したまま新たな高速サービスを導入できるようにして、複数の伝送レートを共存させる必要があり、この場合は、局側装置と各端末装置との通信が異なる複数の伝送レートで行われることになる(以下、マルチレートPONという。)。
かかる複数の伝送レートが共存するマルチレートPONシステムにおいても、クロックとデータを安定して生成させて正確な網同期が図られる必要がある。
そこで、マルチレート信号から正確なクロックとデータの再生を可能とすべく、マルチレート信号に含まれるパケットのうち、そのパケットの再生に要するクロック再生動作を乱す可能性のあるパケットを排除するパケット選択回路を設け、この選択回路から出力された信号に基づいて、パケットの再生に要するクロックを再生することにより、所望の基準レート信号以外の信号をマスクする方法が知られている(特許文献2参照)。
そこで、マルチレート信号から正確なクロックとデータの再生を可能とすべく、マルチレート信号に含まれるパケットのうち、そのパケットの再生に要するクロック再生動作を乱す可能性のあるパケットを排除するパケット選択回路を設け、この選択回路から出力された信号に基づいて、パケットの再生に要するクロックを再生することにより、所望の基準レート信号以外の信号をマスクする方法が知られている(特許文献2参照)。
IEEE Std 802.3ah(TM)-2004 (64. Multipoint MAC Control)
特開平8−8954号公報
特開2000−261421号公報
前記した通り、TDMA方式のPONシステムにおいては、各端末装置が送出する上り信号が互いに衝突せず、かつ、稠密に時分割多重されるように、局側装置と端末装置の間でクロックの同期(網同期)が図られている必要がある。この場合、固定レートの場合のTDMA方式のPONシステムでは、局側装置が送出する信号に内包されるベースバンドクロックを基準に網同期が図られる。
しかし、前記特許文献2の課題でも指摘されている通り、複数の伝送レートが共存するマルチレートPONシステムでは、下り方向通信において、端末装置が必要とするレート以外の他の伝送レートの信号も受信することから、正確なクロックとデータの再生が損なわれることがある。このため、当該特許文献2に記載の発明では、パケット選択回路で所望のレート以外の期間をマスクした信号をクロック再生回路に入力している。
しかし、前記特許文献2の課題でも指摘されている通り、複数の伝送レートが共存するマルチレートPONシステムでは、下り方向通信において、端末装置が必要とするレート以外の他の伝送レートの信号も受信することから、正確なクロックとデータの再生が損なわれることがある。このため、当該特許文献2に記載の発明では、パケット選択回路で所望のレート以外の期間をマスクした信号をクロック再生回路に入力している。
一方、前記特許文献2では、クロック再生回路の詳細は開示されていないが、その回路としては、一般に公知のPLL(Phase Locked Loop)方式のものが使用される。かかるPLL方式のクロック再生回路では、発振周波数が制御信号の電圧で制御できる電圧制御型発振器(VCOやVCXO)でクロックが生成され、このクロックの位相と入力信号の位相が位相比較器で比較されてずれの方向とずれ量が出力される。この出力信号はループフィルタによって平滑化された後、電圧制御型発振器の制御信号となる。
不要な伝送レートの信号をマスクすることによって電圧制御型発振器への入力信号が変化しなくなった場合には、当該発振器は論理的にはそのときの周波数を維持するが、物理的には制御信号の微小なバイアスやノイズによって、周波数はドリフトする。
この場合、フィードバックループが機能しないため、周波数のドリフトはマスクによる無信号期間が長くなればなるほど大きくなる。マスクによる無信号期間に電圧制御型発振器が生成したクロックパルスの数は、局側装置の基準クロックのパルス数と一致しなくなり、また、このずれは端末装置ごとにばらつくことになる。その後、所望の伝送レートの入力信号が来れば、PLLは本来の動作を回復し、しかるべき調整期間の後で受信信号に再度同期する。
この場合、フィードバックループが機能しないため、周波数のドリフトはマスクによる無信号期間が長くなればなるほど大きくなる。マスクによる無信号期間に電圧制御型発振器が生成したクロックパルスの数は、局側装置の基準クロックのパルス数と一致しなくなり、また、このずれは端末装置ごとにばらつくことになる。その後、所望の伝送レートの入力信号が来れば、PLLは本来の動作を回復し、しかるべき調整期間の後で受信信号に再度同期する。
しかしながら、この同期は電圧制御型発振器の位相と受信信号の位相をその1周期内(±πの範囲内)で一致させるように作用するので、受信信号がビット単位に基づく場合には1ビットの範囲でしか同期をとることができず、クロックパルスのずれ自体はそのままになる。このため、無信号期間が繰り返されることでクロックパルスのずれが蓄積してしまい、その結果、端末装置が送出する上り信号が衝突する恐れがある。
本発明は、このような実情に鑑み、下り方向通信が複数種類の伝送レートで行われるマルチレートPONシステムにおいても、網同期を正確にして上り信号の衝突を回避できるようにすることを目的とする。
本発明は、複数の端末装置と光ファイバを介して接続され、網同期をとるための基準レートを含む複数の伝送レートで局側装置から端末装置への下り方向通信が行われるマルチレートPONシステムに使用可能な局側装置であって、自身の基準クロックと前記各端末装置のローカルクロックとの周波数差により蓄積される位相差の絶対値が網同期をとるために用いる下り信号の1/2周期を越えない最大インターバル時間以下のインターバルで、前記基準レートの下り信号を各端末装置に送信することを特徴とするものである。
本発明によれば、局側装置が、自身の基準クロックと各端末装置のローカルクロックとの周波数差により蓄積される位相差の絶対値が網同期をとるために用いる下り信号の1/2周期を越えない最大インターバル時間以下のインターバルで、網同期をとるための基準レートの下り信号を各端末装置に送信するので、基準レート以外の伝送レートの下り信号の送信期間が長く継続することに伴う基準クロックとローカルクロックとのずれの発生がなくなり、網同期を正確に維持することができる。
一方、前記した通り、端末装置が通常採用するPLL方式のクロック再生回路では、下り信号に対する位相合わせを1周期の範囲で行うので、網同期をとるための基準レートの下り信号がビット単位である場合には、±1/2ビット時間を超えたクロック位相のずれを回復することができない。
また、この場合、基準レート信号の1ビット時間に対応して前記最大インターバル時間を極めて短時間に設定する必要があるが、これでは基準レート期間のインターバルの時間的な自由度が短くなり、下り信号の帯域割当の自由度が低減することになる。
また、この場合、基準レート信号の1ビット時間に対応して前記最大インターバル時間を極めて短時間に設定する必要があるが、これでは基準レート期間のインターバルの時間的な自由度が短くなり、下り信号の帯域割当の自由度が低減することになる。
そこで、網同期をとるための基準レートの下り信号は、複数のビット列で構成されたブロック符号に基づいていることが好ましく、この場合には、各端末装置において、例えばブロック符号の境界信号を検出する符号同期回路をPLL方式のクロック再生回路の手前に配置することで、基準レート期間(基準レートの下り信号を受信している期間)はその下り信号に含まれるブロック符号の境界信号に位相同期させ、他レート期間(基準レート以外の伝送レートの下り信号を受信している期間)は自身のローカルクロックに位相同期させることにより、局側装置との網同期を図ることができる。
このような位相同期を行う端末装置を採用すれば、ブロック符号の±1/2周期以内のクロック位相のずれを回復することができるので、網同期の精度を向上することができる。
また、この場合、ブロック符号のビット数時間に対応して前記最大インターバル時間を設定することができるので、基準レート期間のインターバルの時間的な自由度も広がり、下り信号の帯域割当の自由度を向上させることができる。
また、この場合、ブロック符号のビット数時間に対応して前記最大インターバル時間を設定することができるので、基準レート期間のインターバルの時間的な自由度も広がり、下り信号の帯域割当の自由度を向上させることができる。
同様の理由で、網同期をとるための基準レートの下り信号は、複数のブロック符号で構成された特有の符号シーケンスを有していることが好ましい。
この場合には、各端末装置において、例えば上記符号シーケンスの境界信号を検出する符号同期回路をPLL方式のクロック再生回路の手前に配置することで、基準レート期間はその下り信号に含まれる符号シーケンスの境界信号に位相同期させ、他レート期間は自身のローカルクロックに位相同期させることにより、局側装置との網同期を図ることができる。
この場合には、各端末装置において、例えば上記符号シーケンスの境界信号を検出する符号同期回路をPLL方式のクロック再生回路の手前に配置することで、基準レート期間はその下り信号に含まれる符号シーケンスの境界信号に位相同期させ、他レート期間は自身のローカルクロックに位相同期させることにより、局側装置との網同期を図ることができる。
このような位相同期を行う端末装置を採用すれば、ブロック符号のビット数相当よりも更に大きい符号シーケンスの±1/2周期以内のクロック位相のずれを回復することができ、網同期の精度をより向上することができる。
また、この場合、ブロック符号のビット数時間よりも更に長い符号シーケンスのビット数時間に対応して前記最大インターバル時間を設定することができるので、基準レート期間のインターバルの時間的な自由度が更に広がり、下り信号の帯域割当の自由度をより向上させることができる。
また、この場合、ブロック符号のビット数時間よりも更に長い符号シーケンスのビット数時間に対応して前記最大インターバル時間を設定することができるので、基準レート期間のインターバルの時間的な自由度が更に広がり、下り信号の帯域割当の自由度をより向上させることができる。
本発明において、局側装置が、基準レート以外の伝送レートの下り信号が送信される他レート期間を、当該基準レートに含ませた特殊コードで各端末装置に予告するようにしてもよい。
この場合には、端末装置において、上記特殊コードを利用して基準レート以外の伝送レートの下り信号をマスクし、基準レートの下り信号に含まれるブロック符号の境界信号又は複数のブロック符号で構成された符号シーケンスの境界信号に位相同期させることができる。従って、端末装置が位相同期を行う対象を切り替える必要がなく、その切り替え時に懸念される瞬間的なずれの発生を抑えることができ、端末装置においてより安定した網同期クロックを生成することができる。
この場合には、端末装置において、上記特殊コードを利用して基準レート以外の伝送レートの下り信号をマスクし、基準レートの下り信号に含まれるブロック符号の境界信号又は複数のブロック符号で構成された符号シーケンスの境界信号に位相同期させることができる。従って、端末装置が位相同期を行う対象を切り替える必要がなく、その切り替え時に懸念される瞬間的なずれの発生を抑えることができ、端末装置においてより安定した網同期クロックを生成することができる。
以上の通り、本発明によれば、複数の伝送レートで下り方向通信が行われるマルチレートPONシステムにおいても、網同期を正確にとることができるので、上り信号の衝突を回避することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
〔PONシステムの全体構成〕
図1は、本発明が想定するマルチレートPONシステムの概略構成図である。
図1において、局側装置(OLT)1は、複数の端末装置(ONU)2,3,4に対する集約局として電話局等に設置されており、各端末装置2,3,4は、それぞれPONシステムの加入者宅に設置されている。局側装置1には1本の光ファイバ(幹線)5が接続されている。この光ファイバ5は光カプラ6を介して複数の光ファイバ(支線)7,8,9に分岐した構成になっており、これによって光ファイバ網10が構成されている。分岐した各光ファイバ7,8,9の終端にはそれぞれ前記端末装置2,3,4が接続されて、これによってP2MP形態のPONシステムが構成されている。また、局側装置1は上位ネットワーク11と接続され、各端末装置2,3,4はそれぞれのユーザネットワーク12,13,14と接続されている。
〔PONシステムの全体構成〕
図1は、本発明が想定するマルチレートPONシステムの概略構成図である。
図1において、局側装置(OLT)1は、複数の端末装置(ONU)2,3,4に対する集約局として電話局等に設置されており、各端末装置2,3,4は、それぞれPONシステムの加入者宅に設置されている。局側装置1には1本の光ファイバ(幹線)5が接続されている。この光ファイバ5は光カプラ6を介して複数の光ファイバ(支線)7,8,9に分岐した構成になっており、これによって光ファイバ網10が構成されている。分岐した各光ファイバ7,8,9の終端にはそれぞれ前記端末装置2,3,4が接続されて、これによってP2MP形態のPONシステムが構成されている。また、局側装置1は上位ネットワーク11と接続され、各端末装置2,3,4はそれぞれのユーザネットワーク12,13,14と接続されている。
図1では、簡単のために3個の端末装置2,3,4が接続された形態を例示しているが、実際には、一つの光カプラ6から32分岐して32個の端末装置を接続することが可能である。また、図1では光カプラ6が一つだけのトポロジーを例示しているが、分岐数の少ない光カプラ6を縦列に複数段配置することにより、広い地域に分散している端末装置を短い光ファイバで局側装置1と接続することもできる。
このPONシステムでは、下りの光波長と上りの光波長を分けて波長分割多重(WDM)している。すなわち、局側装置1と端末装置2,3,4間の上り方向通信には単一の波長λ1のレーザ光が使用され、下り方向通信にはその波長λ1とは異なる単一の波長λ2のレーザ光が使用されている。
このPONシステムでは、下りの光波長と上りの光波長を分けて波長分割多重(WDM)している。すなわち、局側装置1と端末装置2,3,4間の上り方向通信には単一の波長λ1のレーザ光が使用され、下り方向通信にはその波長λ1とは異なる単一の波長λ2のレーザ光が使用されている。
従って、PONメディア(光ファイバ5,7,8,9)と局側装置1及び各端末装置2,3,4の送受信器の間にはWDMフィルタが備えられており、受信すべき波長成分のみ受信器に送られ、かつ、送信器が出力する光信号はWDMフィルタを介して受信光と多重されて光ファイバ5,7,8,9に送られる。なお、上記各波長λ1,λ2は、IEEE Std 802.3ah-2004のClause60に従う場合には、1260nm≦λ1≦1360、及び、1480nm≦λ2≦1500の範囲で選択することができる。
このPONシステムは下り方向の所定の単一波長λ2を使って、下り方向についてマルチレートでバースト送信が行われるTDMマルチレートPONシステムであって、各端末装置2,3,4への下り方向の伝送レートが互いに異なっている。図1の例では、各端末装置2,3,4の情報通信レートはそれぞれ1G、2G及び10Gbpsであり、1GbpsのGE−PONをベースとして、2Gbpsの信号及び10Gbpsの信号が時分割多重化されたマルチレート信号を、局側装置1が各端末装置2,3,4に送信するようになっている。なお、本発明は上り方向のマルチレート化を妨げるものではない。
また、本実施形態の局側装置及び端末装置は、マルチレートPONシステムに好適に使用されるものであるが、マルチレート専用である必要はなく、単一レートのPONシステムにも使用することを除外するものではない。
また、本実施形態の局側装置及び端末装置は、マルチレートPONシステムに好適に使用されるものであるが、マルチレート専用である必要はなく、単一レートのPONシステムにも使用することを除外するものではない。
〔局側装置の構成例〕
図2は、本発明に係る局側装置1の一例を示している。
この局側装置1では、上位ネットワーク11から送られたフレームは受信部16を経由して、一旦バッファ17に保存された後、PON送信部18を経由し、光信号としてWDMフィルタ19を通過してPONの光ファイバ5に送信される。PONの光ファイバ5では1心双方向波長多重されており、PONの光ファイバ5から送られてきた光信号はWDMフィルタ19で送信光と分離され、PON受信部20に送られる。
PON受信部20において復元されたフレームは、フレーム種別判定部21によって主信号フレームF1と管理系フレームF2とに識別され、それぞれ一旦バッファ22に分別保存される。その後、主信号フレームF1はユーザのためのデータとして送信部23を経由して上位ネットワーク11に送信される。
図2は、本発明に係る局側装置1の一例を示している。
この局側装置1では、上位ネットワーク11から送られたフレームは受信部16を経由して、一旦バッファ17に保存された後、PON送信部18を経由し、光信号としてWDMフィルタ19を通過してPONの光ファイバ5に送信される。PONの光ファイバ5では1心双方向波長多重されており、PONの光ファイバ5から送られてきた光信号はWDMフィルタ19で送信光と分離され、PON受信部20に送られる。
PON受信部20において復元されたフレームは、フレーム種別判定部21によって主信号フレームF1と管理系フレームF2とに識別され、それぞれ一旦バッファ22に分別保存される。その後、主信号フレームF1はユーザのためのデータとして送信部23を経由して上位ネットワーク11に送信される。
一方、管理系フレームF2は管理系通信処理部24に送られる。管理系フレームF2には、PON制御フレームやOAMフレームが含まれる。管理系通信処理部24はPON制御フレームを端末装置2,3,4との間でやりとりすることによって、端末装置2,3,4の登録や上りアクセス制御を主管する。ここで、上りアクセス制御において端末装置2,3,4に与える送信許可は、端末装置2,3,4からの要求と網運用ポリシーを勘案して、動的帯域割当部25が決定する。
OAMフレームのやりとりは、OAM処理部26が主管する。端末装置2,3,4に送信すべきPON制御フレームやOAMフレームは、バッファ17、PON送信部18、WDMフィルタ19を経由して、主信号フレームF1列の間に割り込む形で端末装置2,3,4に送信される。
OAMフレームのやりとりは、OAM処理部26が主管する。端末装置2,3,4に送信すべきPON制御フレームやOAMフレームは、バッファ17、PON送信部18、WDMフィルタ19を経由して、主信号フレームF1列の間に割り込む形で端末装置2,3,4に送信される。
前記PON送信部18は、1Gまたは2Gのレートで8B/10B変換を行う符号化部27と、10Gのレートで64B/66B変換を行う10G符号化部28と、電気的な2値信号を光のオンオフ信号に変換するE/O変換部29と、送信スケジューラ30とから構成されている。
バッファ17の状態は送信スケジューラ30が管理しており、この送信スケジューラ30はバッファ17内に格納されているフレームのPONへの送信順序を決定する。この送信スケジューラ30は、管理系通信処理部24からの通知により、端末装置2,3,4との接続状態と端末装置2,3,4ごとの送信レートを認識している。
バッファ17の状態は送信スケジューラ30が管理しており、この送信スケジューラ30はバッファ17内に格納されているフレームのPONへの送信順序を決定する。この送信スケジューラ30は、管理系通信処理部24からの通知により、端末装置2,3,4との接続状態と端末装置2,3,4ごとの送信レートを認識している。
また、この送信スケジューラ30は、自ら決定した送信順序に従い、10G符号化部28と符号化部27にいずれを有効にするかを指示し、さらに、符号化部27を有効にする場合は、1Gと2Gのいずれで動作するかを指示する。そのうえで、送信スケジューラ30はバッファ17にフレームの取り出しを指示する。
前記PON受信部20は、光のオンオフ信号を電気的な2値信号に変換するO/E変換部32と、1Gまたは2Gのレートに同期して2値情報を復元するデータリカバリ33と、その2値情報から8B/10B符号を同期しつつ10B/8B変換してフレームを復元する符号同期部34と、10Gのレートに同期して2値情報を復元する10G−CDR35と、その2値情報から66B/64B変換しつつフレームを復元する10G符号同期部36と、受信スケジューラ37とから構成されている。
前記PON受信部20は、光のオンオフ信号を電気的な2値信号に変換するO/E変換部32と、1Gまたは2Gのレートに同期して2値情報を復元するデータリカバリ33と、その2値情報から8B/10B符号を同期しつつ10B/8B変換してフレームを復元する符号同期部34と、10Gのレートに同期して2値情報を復元する10G−CDR35と、その2値情報から66B/64B変換しつつフレームを復元する10G符号同期部36と、受信スケジューラ37とから構成されている。
受信スケジューラ37には、管理系通信処理部24から、上り信号が到着する期間と信号のレートが予告されている。受信スケジューラ37は、上り信号が到着する前に、データリカバリ33と符号同期部34の復元系統と、10G−CDR35と10G符号同期部36の復元系統のいずれを有効にするか指示する。前者を有効にする場合は、受信スケジューラ80は、更に1Gか2Gのいずれのレートで情報を復元するかを指示する。
なお、図1では図示を省略しているが、局側装置1は、自己の基準クロックを独立して発生させる、例えばPLL方式のクロック生成回路を備えており、この生成回路で生成した基準クロックに基づいて、上記送信スケジューラ30や受信スケジューラ37等の各部の動作タイミングが決定される。
なお、図1では図示を省略しているが、局側装置1は、自己の基準クロックを独立して発生させる、例えばPLL方式のクロック生成回路を備えており、この生成回路で生成した基準クロックに基づいて、上記送信スケジューラ30や受信スケジューラ37等の各部の動作タイミングが決定される。
〔下り信号フレーム〕
図3は、基準レートに統一してPON制御通信等の管理系通信を行う、本発明のマルチレートPONの下り信号フレームの一例を示したものである。
図3に示すように、この下り信号フレームでは、情報通信レート1Gbps/伝送レート1.25GbpsのGE-PONをベース(基準レート)とし、これに情報通信レート2Gbpsの信号および情報通信レート10Gbpsの信号がTDMされている。情報通信レート1Gbpsの期間(以下、これを「1G期間」と表記する。2G、10Gについても同様。)においては、基本的にGE-PONの伝送方式に則る。
図3は、基準レートに統一してPON制御通信等の管理系通信を行う、本発明のマルチレートPONの下り信号フレームの一例を示したものである。
図3に示すように、この下り信号フレームでは、情報通信レート1Gbps/伝送レート1.25GbpsのGE-PONをベース(基準レート)とし、これに情報通信レート2Gbpsの信号および情報通信レート10Gbpsの信号がTDMされている。情報通信レート1Gbpsの期間(以下、これを「1G期間」と表記する。2G、10Gについても同様。)においては、基本的にGE-PONの伝送方式に則る。
すなわち、前記局側装置1において、通信情報1オクテットが8B/10B変換によって10ビットの伝送情報に変換され、さらにシリアル化された10ビット列が1.25GbpsのNRZ信号およびそれに対応した光のオンオフ信号として伝送される。
本実施形態のマルチレートPONにおいては、1G期間(基準レート期間)はある定められた時間(後述する最大インターバル時間Ti)を超えないインターバルで現れるようになっており、10ビット列の位相はすべての1G期間にわたって、あたかも1G期間が続いていたかのように揃うようにしている。
本実施形態のマルチレートPONにおいては、1G期間(基準レート期間)はある定められた時間(後述する最大インターバル時間Ti)を超えないインターバルで現れるようになっており、10ビット列の位相はすべての1G期間にわたって、あたかも1G期間が続いていたかのように揃うようにしている。
従って、PON上り方向のアクセス制御を行うための制御用通信はGE-PON方式に則って行われる。すなわち、端末装置2,3,4に対する送信許可は基準レートに含まれるPONカウンタの値で指示される。このとき、PONカウンタの網同期は、1G期間内に間欠的に送られる制御フレーム(ゲートフレーム)に記されているタイムスタンプTSで端末装置2,3,4自身のPONカウンタを更新することによって行われる。
このように、本実施形態では、予め規定できないような超高速信号をマルチレートPONに将来共存させることを担保するために、端末装置2,3,4はすべてのレートに追随して網同期を維持するのではなく、間欠的に現れる1G期間の信号を用いて網同期を維持する。
このように、本実施形態では、予め規定できないような超高速信号をマルチレートPONに将来共存させることを担保するために、端末装置2,3,4はすべてのレートに追随して網同期を維持するのではなく、間欠的に現れる1G期間の信号を用いて網同期を維持する。
また、PONにおいては、下り信号はすべての端末装置2,3,4が受信するが、受信回路の構成によっては想定外のレート(この場合は2Gや10G)から想定内のレート(この場合は1G)に切り替わった場合、改めて行われる同期に時間がかかる。そこで、図3に示す下り信号フレームでは、局側装置1が各端末装置2,3,4にレートの変更を予告するようになっている。
この場合、端末装置2,3,4は、後述の通り、想定外のレート期間の受信信号をマスクしたり(図4のマスク回路41参照)、或いは、受信対象レートのデータを素早く切り替えて再生できるよう準備することができる(図5参照)。
この場合、端末装置2,3,4は、後述の通り、想定外のレート期間の受信信号をマスクしたり(図4のマスク回路41参照)、或いは、受信対象レートのデータを素早く切り替えて再生できるよう準備することができる(図5参照)。
図3に示すように、局側装置1によるレート変更の予告は、1G期間の特殊シーケンス(Ca/Cb/Lh/Ll)で各端末装置2,3,4に通知することによって行う。
図例のCa/Cbは、レート予告の特殊シーケンスが始まることと、レートの種別を表す特殊符合である。Lh/Llはレートが変更される期間を表す。
この通信手順においては、1Gを基準レートとしているので、すべての端末装置2,3,4が少なくとも1G信号の受信能力を有することを前提としている。1G以外の他レート期間が以下に述べる最大インターバル時間Tiを超える前に、一旦1G期間に戻すものとしている。
図例のCa/Cbは、レート予告の特殊シーケンスが始まることと、レートの種別を表す特殊符合である。Lh/Llはレートが変更される期間を表す。
この通信手順においては、1Gを基準レートとしているので、すべての端末装置2,3,4が少なくとも1G信号の受信能力を有することを前提としている。1G以外の他レート期間が以下に述べる最大インターバル時間Tiを超える前に、一旦1G期間に戻すものとしている。
〔最大インターバル時間〕
すなわち、1G期間のインターバルは、局側装置1の基準クロックと各端末装置2,3,4のローカルクロックとの周波数差dfによって蓄積される位相差の絶対値が網同期をとるために用いる下り信号の1/2周期を超えない最大インターバル期間Ti以下になるように設定されており、これにより、基準レート(1G)以外の伝送レート(本実施形態では2G及び10G)の下り信号の送信期間が長く継続することに伴う、局側装置1の基準クロックと端末装置2,3,4のローカルクロックとのずれの発生をなくしている。
すなわち、1G期間のインターバルは、局側装置1の基準クロックと各端末装置2,3,4のローカルクロックとの周波数差dfによって蓄積される位相差の絶対値が網同期をとるために用いる下り信号の1/2周期を超えない最大インターバル期間Ti以下になるように設定されており、これにより、基準レート(1G)以外の伝送レート(本実施形態では2G及び10G)の下り信号の送信期間が長く継続することに伴う、局側装置1の基準クロックと端末装置2,3,4のローカルクロックとのずれの発生をなくしている。
図3に示すように、基準レートの下り信号は、Mビットのブロック符号BLに基づいているものとし、1ビット時間をTbとすると、ブロック符号BLのビット数時間はM×Tbとなる。本実施形態では基準レート(1G)のブロック符号BLは8B/10Bであるから、M=10である。また、局側装置1の基準クロックと端末装置2,3,4のローカルクロックの周波数差dfの最大値をdfmax(単位はppm)とする。
この場合、前記最大インターバル時間をTiとすると、端末装置2,3,4において下り信号に対してビット単位での同期をとる場合には、Ti=(1/2)×Tb/dfmaxとなる。
この場合、前記最大インターバル時間をTiとすると、端末装置2,3,4において下り信号に対してビット単位での同期をとる場合には、Ti=(1/2)×Tb/dfmaxとなる。
1Gの基準レートの場合はTb=0.8(ns)であり、dfmaxは通常200(ppm)程度であるから、ビット単位で同期をとる場合には、Ti=2(μs)となる。このように、端末装置2,3,4が基準レートの下り信号に対してビット単位で同期すると、最大インターバル時間Tiを極めて短時間に設定せざるを得ず、これでは1G期間のインターバルの時間的余裕が少なくなり、下り信号の帯域割当の自由度が低減する。
そこで、本実施形態では、基準レート(1G)の下り信号が10ビット列で構成されたブロック符号BLに基づいているのを利用して、端末装置2,3,4において1Gレート信号のブロック位相に同期させることとした。
そこで、本実施形態では、基準レート(1G)の下り信号が10ビット列で構成されたブロック符号BLに基づいているのを利用して、端末装置2,3,4において1Gレート信号のブロック位相に同期させることとした。
この場合には、Ti=(1/2)×(Tb×10)/dfmax=20(μs)となり、端末装置2,3,4がビット単位で同期する場合に比べて、最大インターバル時間Tiが10倍になる。このため、1G期間のインターバルの時間的な自由度が広がり、下り信号の帯域割当の自由度が向上する。
また、局側装置1が、例えば20ビットで構成されるアイドルシーケンスのような、複数のブロック符号BLで構成された特有の符号シーケンスを有する基準レートの下り信号を送出し、各端末装置2,3,4がこの符号シーケンスに同期することにしてもよい。
この場合には、ブロック符号BLで同期する場合に比べて最大インターバル時間Tiが更に大きくなる。このため、1G期間のインターバルの時間的な自由度が更に広がり、下り信号の帯域割当の自由度がより向上する。
また、局側装置1が、例えば20ビットで構成されるアイドルシーケンスのような、複数のブロック符号BLで構成された特有の符号シーケンスを有する基準レートの下り信号を送出し、各端末装置2,3,4がこの符号シーケンスに同期することにしてもよい。
この場合には、ブロック符号BLで同期する場合に比べて最大インターバル時間Tiが更に大きくなる。このため、1G期間のインターバルの時間的な自由度が更に広がり、下り信号の帯域割当の自由度がより向上する。
〔端末装置の網同期クロック生成回路〕
図4は、本発明の第一実施形態に係る端末装置2,3,4の網同期クロック生成回路を示している。
本実施形態の網同期クロック生成回路40は、下り信号から所望の信号を再生する図示しないCDR(Clock Data Recovery)とは独立したものであり、下りの受信信号(電気信号)が入力されるマスク回路41と、その後段のブロック境界検出回路42と、その後段のPLL方式のクロック再生回路43とから構成されている。
図4は、本発明の第一実施形態に係る端末装置2,3,4の網同期クロック生成回路を示している。
本実施形態の網同期クロック生成回路40は、下り信号から所望の信号を再生する図示しないCDR(Clock Data Recovery)とは独立したものであり、下りの受信信号(電気信号)が入力されるマスク回路41と、その後段のブロック境界検出回路42と、その後段のPLL方式のクロック再生回路43とから構成されている。
PONから受信した光信号は図示しない受信器によって電気信号に変換され、上記マスク回路41に入力される。マスク回路41は、端末装置2,3,4が網同期のための受信対象とはしないレートの信号(この場合は、2G及び10Gの信号)をマスクする。マスク回路41の出力は、その後段のブロック境界検出回路42内のCDR44に入力され、クロックとデータが復元される。
上記CDR44の後段には符号同期回路45が接続されている。この回路45は、復元されたクロックとデータから8B/10B符号の境界を検出する。
上記CDR44の後段には符号同期回路45が接続されている。この回路45は、復元されたクロックとデータから8B/10B符号の境界を検出する。
このとき、8B/10B符号の特殊記号で表現されている、前記した図3に示すレート変更予告(Ca/Cb/Lh/Ll)を解釈し、受信対象としないレートの信号をマスクする指示を前記マスク回路41に送る。このマスクはCDR44が想定外の信号を受けて誤動作することを防ぐためのものである。すなわち、マスク回路41は想定外の超高速信号によりCDR44の内部状態が異常になり、想定内の信号に切り替わった後の再同期時間が長くなることを防ぐためのものである。
ブロック境界検出回路42は10ビット列の境界を検出し、10ビットごとにトグルするブロック符号BLの境界信号を生成し、クロック再生回路43の位相比較器46に入力する。
ブロック境界検出回路42は10ビット列の境界を検出し、10ビットごとにトグルするブロック符号BLの境界信号を生成し、クロック再生回路43の位相比較器46に入力する。
クロック再生回路(PLL)43は、位相比較器46と、その後段のループフィルタ47と、その後段の電圧制御型水晶発振器(VCXO)48とから構成されている。
本実施形態では、網同期のためのローカルクロックは125MHzを基本周波数とする上記VCXO48によって生成される。なお、図4に示すVc0はVCXO48を例えば125MHzで発振させるための基準電圧である。
網同期クロックとブロック境界信号は位相比較器46に入力され、網同期クロックの位相がブロック境界信号の位相に一致するようVCXO48の入力電圧が調整され、網同期クロックの周波数は、受信したオクテットレートに同期する。
本実施形態では、網同期のためのローカルクロックは125MHzを基本周波数とする上記VCXO48によって生成される。なお、図4に示すVc0はVCXO48を例えば125MHzで発振させるための基準電圧である。
網同期クロックとブロック境界信号は位相比較器46に入力され、網同期クロックの位相がブロック境界信号の位相に一致するようVCXO48の入力電圧が調整され、網同期クロックの周波数は、受信したオクテットレートに同期する。
ブロック境界検出回路42では、CDR44が入力信号に同期したクロックとデータを生成し、符号同期回路45が10ビット列の境界を検出する。8B/10Bコードにおいては、アイドル期間にコンマ(7b0011111或いはその反転)を連続的に捕捉できるので、符号同期を確立することができる。なお、信号初期のマスク制御信号は無効であり、マスク期間中は、CDR44は端末装置2,3,4固有のローカルクロックをベースに1.25GHzのクロックを生成する。
各端末装置2,3,4は、VCXO48が生成する網同期クロックをベースとしてPONタイマを生成する。上り方向の送信タイミングはPONタイマの値を指定する上位プロトコルによって局側装置1から指示され、端末装置2,3,4はPONタイマで定義された期間に上り信号を送出する。
なお、本実施形態において、端末装置2,3,4の上り信号の伝送レートもバーストごとに異なってよい。上り信号の伝送クロックは、上記網同期クロックを逓倍したものでもよいし、各端末装置2,3,4固有のものであってもよい。
なお、本実施形態において、端末装置2,3,4の上り信号の伝送レートもバーストごとに異なってよい。上り信号の伝送クロックは、上記網同期クロックを逓倍したものでもよいし、各端末装置2,3,4固有のものであってもよい。
図4に示す網同期クロック生成回路40において、マスク期間(2G期間又は10G期間)は、VCXO48の周波数はVc0に向かって収束しようとし、位相もずれはじめる。しかし、位相が±πずれる前に1G期間が到来してマスクが解除されれば、VCXO48の位相はジャンプすることなく、再びブロック境界信号の位相に追随されることになる。
このさい、本実施形態では、10ビット境界(ブロック符号BLの境界)の検出を対象とするブロック境界検出回路42をPLL43の前段に配置し、PLL43をブロック符号BLの境界信号に位相同期させるようにしているので、ブロック符号BLのビット数相当のクロックのずれを回復することができる。
このさい、本実施形態では、10ビット境界(ブロック符号BLの境界)の検出を対象とするブロック境界検出回路42をPLL43の前段に配置し、PLL43をブロック符号BLの境界信号に位相同期させるようにしているので、ブロック符号BLのビット数相当のクロックのずれを回復することができる。
もっとも、ブロック境界検出回路42は、10ビット境界(前記ブロック符号BLの境界)の検出を対象とするものだけでなく、局側装置1との間での取り決めに従い、もっと長い符号シーケンスの境界を検出するものでもよい。
例えば、前述の通り、アイドルシーケンスが20ビットの切れ目を保って送られるように局側装置1からの1G信号を調整する場合には、20ビットで構成されるアイドルシーケンスを検出対象とすることができ、この場合、より大きい位相のずれを回復することができる。なお、ブロック境界が更に長くなる場合、VCXO48と位相比較器46との間に分周回路を挿入し、位相比較器46に入力されるクロック信号の周波数を揃える構成にしてもよい。
例えば、前述の通り、アイドルシーケンスが20ビットの切れ目を保って送られるように局側装置1からの1G信号を調整する場合には、20ビットで構成されるアイドルシーケンスを検出対象とすることができ、この場合、より大きい位相のずれを回復することができる。なお、ブロック境界が更に長くなる場合、VCXO48と位相比較器46との間に分周回路を挿入し、位相比較器46に入力されるクロック信号の周波数を揃える構成にしてもよい。
図5は、本発明の第二実施形態に係る端末装置2,3,4の網同期クロック生成回路を示している。
本実施形態の網同期クロック生成回路50は、VCXO48の代わりに電圧制御型発振器(VCO)51を使用している点と、このVCO51を制御するクロック再生回路(PLL)52の回路構成が、図4の第一実施形態の場合と異なる。
すなわち、この場合のクロック生成回路50は、ループフィルタ47への入力信号を選択可能とするための二つの位相比較器53,54を備えており、その選択された位相比較器53,54、ループフィルタ47及びVCO51がPLL52を構成する。
本実施形態の網同期クロック生成回路50は、VCXO48の代わりに電圧制御型発振器(VCO)51を使用している点と、このVCO51を制御するクロック再生回路(PLL)52の回路構成が、図4の第一実施形態の場合と異なる。
すなわち、この場合のクロック生成回路50は、ループフィルタ47への入力信号を選択可能とするための二つの位相比較器53,54を備えており、その選択された位相比較器53,54、ループフィルタ47及びVCO51がPLL52を構成する。
二つの位相比較器53,54のうち、第一位相比較器53はVCO51の出力とブロック境界信号を比較するのに対して、第二位相比較器54はVCO51の出力と125MHzに設定された外部からの参照クロックとを比較する。参照クロックとVCO51の出力は周波数比較回路55にも入力され、周波数差が定められた範囲内にあるか判定される(範囲内でない場合は不一致)。
周波数比較回路55の出力とブロック境界検出回路42の出力は、ORゲートよりなる切り替えスイッチ56に接続されている。この切り替えスイッチ56は、周波数比較回路56における周波数が不一致の場合か、ブロック境界検出回路42の出力が基準レート(1G)以外の場合に、PLL52のループとして第二位相比較器54を選択する。
周波数比較回路55の出力とブロック境界検出回路42の出力は、ORゲートよりなる切り替えスイッチ56に接続されている。この切り替えスイッチ56は、周波数比較回路56における周波数が不一致の場合か、ブロック境界検出回路42の出力が基準レート(1G)以外の場合に、PLL52のループとして第二位相比較器54を選択する。
すなわち、受信信号のレートが基準レートである1G期間は、切り替えスイッチ56がオフとなって♯1が選択される。この場合には、第一位相比較器53が機能し、PLL52がブロック符号BLの境界信号と位相同期して網同期が図られる。
他方、周波数が不一致の場合か、受信信号のレートが基準レート以外である2G期間や10G期間の場合は、切り替えスイッチがオンとなって♯2が選択される。この場合には、第二位相比較器54が機能し、PLL52が自身のローカルクロックである参照クロックに位相同期する。
他方、周波数が不一致の場合か、受信信号のレートが基準レート以外である2G期間や10G期間の場合は、切り替えスイッチがオンとなって♯2が選択される。この場合には、第二位相比較器54が機能し、PLL52が自身のローカルクロックである参照クロックに位相同期する。
このため、本実施形態の網同期クロック生成回路50によれば、2Gや10Gといった基準レート以外の信号や、その信号以外にも不正な信号が下りの受信信号に含まれていても、VCO51の周波数が発散するのを防止することができる。
なお、本実施形態の網同期クロック生成回路50のブロック境界検出回路42も、第一実施形態と同様に、10ビット境界(前記ブロック符号BLの境界)の検出を対象とするものだけでなく、アイドルシーケンス等のより長い符号シーケンスを検出対象とすることができる。
なお、本実施形態の網同期クロック生成回路50のブロック境界検出回路42も、第一実施形態と同様に、10ビット境界(前記ブロック符号BLの境界)の検出を対象とするものだけでなく、アイドルシーケンス等のより長い符号シーケンスを検出対象とすることができる。
また、本実施形態の網同期クロック生成回路50では、1G期間以外は自身のローカルクロックに位相同期するように切り替えられるので、1G期間以外で受信信号をマスクする必要はなく、図5に破線で示すように、マスク回路41の存在は任意である。ただし、ブロック符号BLやアイドルシーケンスの境界検出を公知のCDR技術に拠る場合は、マスク回路41を内包する。
1 局側装置
2 端末装置(1G用)
3 端末装置(2G用)
4 端末装置(10G用)
5 光ファイバ
6 光カプラ
7 光ファイバ
8 光ファイバ
9 光ファイバ
10 光ファイバ網
40 網同期クロック生成回路
50 網同期クロック生成回路
BL ブロック符号
Ti 最大インターバル時間
2 端末装置(1G用)
3 端末装置(2G用)
4 端末装置(10G用)
5 光ファイバ
6 光カプラ
7 光ファイバ
8 光ファイバ
9 光ファイバ
10 光ファイバ網
40 網同期クロック生成回路
50 網同期クロック生成回路
BL ブロック符号
Ti 最大インターバル時間
Claims (8)
- 複数の端末装置と光ファイバを介して接続され、網同期をとるための基準レートを含む複数の伝送レートで局側装置から端末装置への下り方向通信が行われる、マルチレートPONシステムに使用可能な局側装置であって、
自身の基準クロックと前記各端末装置のローカルクロックとの周波数差により蓄積される位相差の絶対値が網同期をとるために用いる下り信号の1/2周期を越えない最大インターバル時間以下のインターバルで、前記基準レートの下り信号を各端末装置に送信することを特徴とする局側装置。 - 前記基準レートの下り信号が、ブロック符号に基づいている請求項1に記載の局側装置。
- 前記基準レートの下り信号が、更に、複数のブロック符号で構成された特有の符号シーケンスを有している請求項2に記載の局側装置。
- 前記基準レート以外の伝送レートの下り信号が送信される他レート期間を、当該基準レートに含ませた特殊コードで前記各端末装置に予告する請求項1〜3のいずれか1項に記載の局側装置。
- 局側装置と光ファイバを介して接続され、網同期をとるための基準レートを含む複数の伝送レートで局側装置から端末装置への下り方向通信が行われる、マルチレートPONシステムに使用可能な端末装置であって、
前記基準レートの下り信号を受信している基準レート期間は、その下り信号に含まれるブロック符号の境界信号に位相同期することを特徴とする端末装置。 - 局側装置と光ファイバを介して接続され、網同期をとるための基準レートを含む複数の伝送レートで局側装置から端末装置への下り方向通信が行われる、マルチレートPONシステムに使用可能な端末装置であって、
前記基準レートの下り信号を受信している基準レート期間は、その下り信号に含まれる複数のブロック符号で構成された符号シーケンスの境界信号に位相同期することを特徴とする端末装置。 - 前記基準レート以外の下り信号を受信している他レート期間は、その基準レート以外の下り信号をマスクする、又は、位相同期の対象を自身のローカルクロックに切り替える請求項5又は6に記載の端末装置。
- 局側装置と、この局側装置に接続された光ファイバから光カプラを介して複数の光ファイバに分岐した構成を成す光ファイバ網と、その分岐した各光ファイバの終端にそれぞれ接続された複数の端末装置とを含み、網同期をとるための基準レートを含む複数の伝送レートで下り方向通信が行われるマルチレートPONシステムにおいて、
前記局側装置が、自身の基準クロックと前記各端末装置のローカルクロックとの周波数差により蓄積される位相差の絶対値が網同期をとるために用いる下り信号の1/2周期を越えない最大インターバル時間以下のインターバルで、ブロック符号に基づく前記基準レートの下り信号を各端末装置に送信し、
前記各端末装置が、前記ブロック符号の境界信号又は複数の同ブロック符号で構成された符号シーケンスの境界信号に位相同期することを特徴とするマルチレートPONシステムの網同期方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006127211A JP2007300445A (ja) | 2006-05-01 | 2006-05-01 | マルチレートponシステムに使用可能な局側装置及び端末装置、並びに、同システムにおける網同期方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009116168A1 (ja) * | 2008-03-21 | 2009-09-24 | 三菱電機株式会社 | 受信装置 |
JP4820880B2 (ja) * | 2006-11-30 | 2011-11-24 | 富士通株式会社 | 局側終端装置 |
JP5416844B2 (ja) * | 2010-09-06 | 2014-02-12 | 株式会社日立製作所 | Ponシステム,およびolt |
-
2006
- 2006-05-01 JP JP2006127211A patent/JP2007300445A/ja active Pending
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