JP5198909B2 - 油浄化装置と油浄化方法 - Google Patents

油浄化装置と油浄化方法 Download PDF

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Description

本発明は、油中の金属粉を除去することで油を浄化する技術に関する。
この種の技術として特許文献1(特開平5−177116号公報)は、油状物の処理方法を開示する。この処理方法は、本特許文献1の段落番号0014や本特許文献1の図5に示されるように、多孔質中空糸の内壁に形成されるナノスケールのスリット状微細孔により原液を濾すことを特徴としている。この多孔質中空糸の断面が、参考として、図4に示されている。
また、特許文献2(実開平5−30512号公報)は、永久磁石を用いてオイル中の金属固体微粒子を吸着する技術を開示する。
しかし、上記特許文献1に開示の処理方法においては、多孔質中空糸に捕捉された粉粒体を該多孔質中空糸から離脱させるために、多孔質中空糸における油の流れの向きを逆転させる必要がある。本特許文献1の段落番号0019や本特許文献1の図1を参照されたい。従って構造が複雑である。
なお、上記特許文献2に開示の技術は、強磁性体である金属固体微粒子のみが対象とされるものの、金属固体微粒子を回収する手法として有用であり、参考になる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、簡素な構成で、かつ、油中の金属粉が強磁性体であるか非磁性体(本願明細書において「非磁性体」は、反磁性体・常磁性体・反強磁性体の総称である。)であるかに拘わらず、油中から金属粉を除去することで油を浄化する油浄化装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、本願発明者は、鋭意研究の末、例えば10μm以下程度の金属粉を油中から除去するには、油に流速を付与すると共に、この油の流れに対して渦流を付与することが有効であることを見出し、以下の発明を完成させた。
即ち、本願発明の第一の観点によれば、油中の金属粉を除去することで油を浄化する油浄化装置は、以下のように構成される。前記油浄化装置は、油収容槽と、この油収容槽に対して金属粉を含む油を供給する油供給手段と、この油収容槽に連通する油貯槽から、金属粉が除去された油を排出する油排出手段と、前記の油供給手段と油排出手段との間であって、上記油収容槽内の底面側に、その全体が前記油収容槽の油レベルの下方に位置するように沈めて設けられ、前記の油供給手段と油排出手段によって形成される前記油の流れに対して渦流を付与する渦流付与手段と、を備え、前記油収容槽は、前記渦流付与手段の上方に、前記の油供給手段から油排出手段に向かって流動させるように油を収容するものであり、前記渦流付与手段は、上側に開口する複数の筒体を含んで構成され、前記流動の下方へと沈殿する金属粉を前記筒体内に捕捉させるものである。
以上の構成によれば、前記油に含まれる前記金属粉は上記の渦流に捕捉されて沈殿するの
で、前記金属粉の少ない前記油が得られる。また、この作用効果は、前記金属粉が強磁性
体であるか非磁性体であるかに拘わらず奏される。また、前記筒体の内部に渦流が形成されるので、前記渦流付与手段が極めて簡素な構成で実現される。
前記複数の筒体は、高さが異なることが好ましい。以上の構成によれば、前記筒体間の高低差の存在によって、前記油の上記流れが前記筒体の外周面に衝突し、もって、上記の渦流が多様な態様で形成される。
前記複数の筒体は、前記油の上記流れの方向において、高さが異なることが好ましい。以上の構成によれば、前記油が前記筒体の外周面に対して一層厚く衝突することになるので、上記の渦流が一層、形成される。
前記筒体は、前記油収容槽の底面に対して離間可能であると共に、前記油収容槽の底面に対して開口することが好ましい。以上の構成で、前記筒体を前記油収容槽の底面に対して離間させると、前記筒体の内部で沈殿した前記金属粉は前記油収容槽の底面に取り残される。従って、前記金属粉の容易な回収が実現される。
前記複数の筒体は相互に連結されることが好ましい。以上の構成によれば、前記金属粉を回収する際の、前記複数の筒体を前記油収容槽の底面から離間させる作業が楽になる。
前記油の上記流れの下流側において前記油収容槽と連通する油貯溜槽を設け、前記油排出手段の吸入口は前記油貯溜槽内に配し、前記の油収容槽と油貯溜槽の間には、前記油収容槽内で沈殿した前記金属粉が前記油貯溜槽へと流入しないよう、仕切り板が設けられることが好ましい。以上の構成によれば、前記油収容槽内で沈殿した前記金属粉が前記油排出手段によって排出されてしまうのを一層抑制できる。
前記金属粉は例えばアルミニウムなどの非磁性体である。このように前記金属粉が非磁性体であるとき、本願発明の意義が一層明瞭となる。
また、本願発明の第二の観点によれば、油中の金属粉を除去することで油を浄化する油浄化は、以下のような方法で行われる。金属粉を含む油を油収容槽に供給すると共に、この供給された油を前記油収容槽から排出することで前記油収容槽内の上方に前記油の流れを形成し、前記油収容槽の底面側に、その全体が前記油収容槽の油レベルの下方に位置するように上側に開口する筒体を複数で設けることで、前記油の上記流れの下方に対して渦流を付与し、前記流れの中で下方に沈殿しようとする金属粉を前記筒体内に捕捉させる。これによれば、前記油に含まれる前記金属粉は上記の渦流に捕捉されて沈殿するので、前記金属粉の少ない前記油が得られる。また、この作用効果は、前記金属粉が強磁性体であるか非磁性体であるかに拘わらず奏される。また、前記油収容槽の底面側に筒体を複数で設けることで、前記油の上記流れに対して渦流を付与するので、前記油の上記流れに対して容易に渦流を付与できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本願発明の一実施形態に係る油浄化装置の斜視図である。図5は、図1の5−5線矢視断面図である。
先ず、図1を参照されたい。本図に示される油浄化装置1は、切削油の中に含まれるアルミニウム粉を除去することで切削油を浄化し、もって、切削油の再利用を実現するのに供されるものである。
本願明細書においては、一例として、再利用の対象たる油は切削油であり、この油の中に含まれる金属粉はアルミニウム粉であるとして以下、説明する。即ち、例えばアルミニウム材に対してタッピング加工をすると、粒径が概ね10ミクロン〜2mm程度のアルミニウム粉が発生する。このアルミニウム粉のうち粒径が概ね1mm程度以上のものは汎用フィルターによって容易に除去できるが、粒径が概ね1mm程度未満のものは汎用フィルターでは除去できない。そこで、本実施形態に係る油浄化装置1は、主として、この汎用フィルターでは除去できない、粒径が概ね1mm程度未満のアルミニウム粉を切削油から取り除くことに関して、技術上の意義を有する。
<構成の概説>
さて、本図に示されるように、本実施形態に係る油浄化装置1は、切削油を収容するための油収容槽2と、この油収容槽2に対してアルミニウム粉を含む切削油を供給する油供給手段3と、この油収容槽2から上記の切削油を排出する油排出手段4と、後ほど詳しく説明する渦流付与手段5と、を主たる構成として備える。油供給手段3から油収容槽2へ供給される切削油は、油収容槽2内で緩やかに流動し、やがて、油排出手段4によって外部へ排出される。
ここで、以下の説明に供される用語を定義する。即ち、油供給手段3と油排出手段4によって油収容槽2内で形成される切削油の流れのうち最も代表的な(局所的でない、マクロ的な)流れの方向を「油流動方向F」と定義し、図1に示す。この「油流動方向F」に対して垂直な方向は、本願明細書において「油浄化装置1の幅方向」と称することとする。
上記の油流動方向Fの下流側において油浄化装置1は、油収容槽2と連通する油貯溜槽6を更に備える。上記の油排出手段4の吸入口7は、この油貯溜槽6内に配される。
上記の油流動方向Fの上流において油収容槽2には、油供給手段3によって送油される切削油に含まれるアルミニウム粉のうち粒径が概ね1mm程度以上のものを当該切削油から取り除くための第一フィルター8が覆設される。また、前述の油収容槽2と油貯溜槽6とは第二フィルター9によって区画される。第二フィルター9の下端には、図5に示される仕切り板10が油収容槽2の底面2aと密着するように設けられる。
<構成の詳説>
次に、上記の各構成要素を、切削油の上流側から下流側へ向かって順に説明する。
油供給手段3は、略示のポンプ11に接続される油送管12から成り、油送管12の吐出口13は第一フィルター8の直上に配される。
第一フィルター8は、油供給手段3によって送油される切削油が直接的に油収容槽2内へ供給されず確実に濾されるように、十分な面積を伴って油収容槽2に対して覆設される。この第一フィルター8の開口率は、概ね2.5〜3.0メッシュ程度とされる。
油収容槽2と油貯溜槽6は、有底であって上方を開口する略直方体状の油浄化装置本体14内に上述の第二フィルター9を設け、油浄化装置本体14内の空間を第二フィルター9によって区画することで形成される。即ち、油浄化装置本体14内の空間を第二フィルター9によって区画することで、上流側に油収容槽2が形成され、下流側に油貯溜槽6が形成される。油浄化装置本体14の油流動方向F長さは概ね1600mmとされ、油浄化装置1の幅方向における油浄化装置本体14の長さは概ね1060mmとされる。
渦流付与手段5は、切削油の送油方向に着目すれば、油供給手段3と油排出手段4の間に設けられる。渦流付与手段5は二点鎖線で略示される一対の渦流付与ユニット15から成り、この一対の渦流付与ユニット15は、油収容槽2の底面2aに対して離間可能に、かつ、油流動方向Fに沿って一つずつ、載置される。この一対の渦流付与ユニット15は、油収容槽2の底面2a上に載置された状態で、底面2aの大部分を覆うように十分な面積を伴い、更に、作業員が渦流付与ユニット15を容易に持ち上げられるよう図示しない取っ手を有する。
第二フィルター9の開口率は、第一フィルター8の開口率とほぼ同値とされる。仕切り板10(図5を併せて参照されたい。)は、油収容槽2の底面2aに対して接続されると共に、第二フィルター9に対して適宜の手段により締結されて固定される。仕切り板10の高さは概ね所定のオイルレベルの1/4程度とされる。
油排出手段4は、略示のポンプ16に接続される油送管17から成り、油送管17の上記吸入口7は、油貯溜槽6内の切削油中に浸漬される。
以上の構成で、例えばフライス盤やタッピング加工機などの機械加工機から適宜の手段により回収された切削油は、油供給手段3によって第一フィルター8上へ送油される。この第一フィルター8によって濾されることで、切削油に含まれるアルミニウム粉のうち粒径が概ね1mm程度以上のものは取り除かれ、粒径が概ね1mm程度未満のアルミニウム粉のみを含む切削油が油収容槽2内へ供給される。油収容槽2内へ供給された切削油は、ポンプ容量から計算すると極めて緩やかな速さで第二フィルター9へ向かって流動する。この流動の際、切削油の流れに対して渦流が渦流付与手段5によって付与され、切削油に含まれる粒径が概ね1mm程度未満のアルミニウム粉は油収容槽2の底面2a上に沈殿する。油収容槽2内を流動する切削油は、やがて、第二フィルター9を通過することで油貯溜槽6内へ導かれ、油排出手段4によって上澄みが外部へ排出される。
<渦流付与手段5の詳説>
次に、上述の渦流付与手段5の構成を詳細に説明する。前述のように、渦流付与手段5は一対の渦流付与ユニット15により構成され、一対の渦流付与ユニット15は本実施形態において同一の形状であることから、ここでは、一対の渦流付与ユニット15のうち一方の渦流付与ユニット15の構成のみを説明する。図2を参照されたい。図2は、上記の油浄化装置に組み込まれる渦流付与ユニットの斜視図である。
本実施形態において渦流付与ユニット15は、高さの異なる多数の筒体18を、下端を揃え、相互に隙間なく碁盤状に並べ、相互に溶接すると共に結束バンド19によって相互に結束し連結することで形成される。
各筒体18は、中空かつ筒状であって、内部に形成される空間は略直方体状とされる。筒体18の両端は閉塞されずに開口される。この筒体18は、継目なし管製造法や溶接鋼管製造法、押出し法、引抜き法などによって汎用鋼から製造される。結束バンド19も汎用鋼であって、複数の筒体18を相互に結束させると共に、筒体18に対して適宜に溶接される。
図示されるように、筒体18は、高さ(延在長さ)に着目すると、最も背の高い第一筒体18aと、この第一筒体18aの高さの概ね2/3程度の高さを有する第二筒体18bと、この第二筒体18bの高さの概ね2/3程度の高さを有する第三筒体18cと、に大別される。最も背の高い第一筒体18aは、その上端が概ね油収容槽2の底面2aと所定のオイルレベルとの中間に位置するような高さとされる。これは、切削油中のアルミニウム粉の大部分が、概ね油収容槽2の底面2aと所定のオイルレベルとの中間以下に存在するからである。そして、これら第一筒体18a及び第二筒体18b、第三筒体18cは、特異な態様で碁盤状にかつ周期的に配設される。続いて、この筒体18の特異な配設態様を説明する。
本図に示されるように上記の第一筒体18a及び第二筒体18b、第三筒体18cは、油流動方向Fにおいても、油流動方向Fと垂直な方向においても、一定の周期性を伴って現れる。ここで、図3と図4を参照されたい。図3は、図2の3−3線矢視断面図である。図4は、図3に類似する図であって、図2の4−4線矢視断面図である。図2〜4を総合的に考察すれば、図3に断面が示される第一筒体グループ20と、図4に断面が示される第二筒体グループ21と、が油流動方向Fと垂直な方向で交互に現れることが判る。従って、説明の便宜上、複数の筒体18の特異な配設態様の説明は、図3に係る第一筒体グループ20内の筒体18の配設態様の説明と、図4に係る第二筒体グループ21内の筒体18の配設態様の説明と、に代える。
即ち、図3に示されるように、第一筒体グループ20内において筒体18は、油流動方向Fへ、第一筒体18a、第二筒体18b、第三筒体18c、第一筒体18a、第二筒体18b、・・・と、油流動方向Fにおいて高さが異なるように配設される。また、図4に示されるように、第二筒体グループ21内において筒体18は、油流動方向Fへ、第三筒体18c、第二筒体18b、第一筒体18a、第三筒体18c、第二筒体18b、・・・と、同様に油流動方向Fにおいて高さが異なるように配設される。なお、図2〜4に示されるように、第二筒体18bは、油流動方向Fと垂直な方向に隙間なく連続的に敷き詰められる。
<油浄化装置1の作動>
次に、本実施形態に係る油浄化装置1の作動を、図5及び図6に基づいて説明する。図5は、図1の5−5線矢視断面図である。図6は、図5に類似する図であって、油収容槽から渦流付与ユニットを取り除いた様子を示す図である。なお、油浄化装置1のおおまかな作動、即ち、切削油のおおまかな流れは既に説明しているので、ここでは、アルミニウム粉が如何にして沈殿し、いかにして回収されるか、の点を詳しく説明する。
図5に示される油浄化装置1の浄化作動時においては、切削油に含まれるアルミニウム粉は、概ね、油収容槽2の底面2aと、オイルレベルと、の中間よりも底面2a側に存在している。各筒体18の内部は、切削油の入れ替わりが殆どない状態、即ち、澱んだ状態となっている。そして、筒体18の上端側の開口の近傍を流動する切削油がひとたび第一筒体18aや第二筒体18b、第三筒体18cの内部へ流入すると、行き場をなくしてその場で旋回する多様な形態の渦流が形成され、筒体18の内部は、まもなく、切削油の入れ替わりが殆どない元の状態へと戻る。従って、一旦、筒体18内に沈殿して捕捉されたアルミニウム粉は、殆どの場合、再び筒体18の外部へ排出されることはない。また、筒体18間の高低差の存在により渦流付与手段5の近傍において切削油の流動には渦流が形成されている。従って、アルミニウム粉が筒体18内に沈殿して捕捉される機会が比して多く、つまり、筒体18内に沈殿し易くなる。なお、油収容槽2の底面2a近傍に沈殿しているアルミニウム粉は仕切り板10の存在により油収容槽2側で堰き止められ、油貯溜槽6へ流入することはなく、従って、油排出手段4によって排出される切削油にアルミニウム粉が混じり難い。
図6に示される油浄化装置1のアルミニウム粉回収時においては、先ず、油供給手段3による切削油の供給を停止すると共に、油排出手段4を用いて油貯溜槽6内の上澄みを極力、再利用可能な切削油として外部へ排出することで回収する。次に、渦流付与手段5を油収容槽2から取り除く。このとき、渦流付与手段5を構成する各筒体18は、油収容槽2の底面2aに対して開口しているので、各筒体18の内部で沈殿したアルミニウム粉は図示するように油収容槽2の底面2aに取り残される。また、油収容槽2内で未だ沈殿しているアルミニウム粉は、仕切り板10の存在により油収容槽2側で堰き止められる。次に、図略の油排出弁を介して、油浄化装置1内に残っている、アルミニウム粉を高い濃度で含む切削油を廃棄物として外部へ排出する。
再び、油浄化装置1の浄化作動を開始するには、図5に示されるように油収容槽2の底面2a上へ渦流付与手段5を載置し、油供給手段3による切削油の供給と、油排出手段4による切削油の排出と、を開始すればよい。このときも、渦流付与手段5の存在により、油供給手段3から供給された切削油は、油供給手段3による切削油の供給を開始する前に油収容槽2の底面2aに堆積して残っているアルミニウム粉(ペースト状である。)をあまり舞い上げることはない。
なお、実際に、本願発明者が油浄化装置1を作製し、上記の浄化作動とアルミニウム粉回収を実施したところ、浄化前の切削油に含まれているアルミニウム粉の概ね70〜90wt%を除去することに成功した。
以上に、油浄化装置1の作動を説明したが、ここで、本願発明に想到する過程において、本願発明者が考案した別の油浄化装置を紹介する。図7は、図5に類似する図であって、本願発明者が考案した他の油浄化装置を比較例として示す図である。本比較例では、上記実施形態に係る渦流付与手段5に代えて、油収容槽2の底面2aから上方へ向かって延びる仕切り板22と、油収容槽2の上方から底面2aへ向かって延びる仕切り板23と、が油流動方向Fへ交互に配設されている。これによって、油供給手段3から油収容槽2へ供給された切削油は、油収容槽2の底面2aへ向かって近づくように下方へ流動し、仕切り板23と底面2aとの間の隙間を通過し、底面2aから離れる方向へ流動し、仕切り板22の上方を通過し、・・・といったようにジグザグに流動するようになっている。しかし、本変形例においては、油収容槽2内において切削油には殆ど渦流が形成されることがなく、また、検証実験によれば、油収容槽2の底面2a上にはアルミニウム粉の沈殿は殆ど見られなかった。即ち、切削油からアルミニウム粉を取り除くことができなかった。この比較例を踏まえると、上記実施形態に係る渦流付与手段5の有する技術的な意義が一層明瞭となる。
(まとめ)
以上説明したように上記実施形態において、切削油中のアルミニウム粉を除去することで油を浄化する油浄化装置1は、以下のように構成される。前記油浄化装置1は、油収容槽2と、この油収容槽2に対してアルミニウム粉を含む油を供給する油供給手段3と、この油収容槽2から前記切削油を排出する油排出手段4と、前記の油供給手段3と油排出手段4の間に設けられ、前記の油供給手段3と油排出手段4によって形成される前記切削油の流れに対して渦流を付与する渦流付与手段5と、を備える。以上の構成によれば、前記切削油に含まれる前記アルミニウム粉は上記の渦流に捕捉されて沈殿するので、前記アルミニウム粉の少ない前記切削油が得られる。また、この作用効果は、前記切削油中に含まれる金属粉が例示のアルミニウム粉などの非磁性体である場合のみならず、強磁性体である場合にも有用に奏される。
なお、油浄化装置1が浄化できる油は上記実施形態に例示の切削油に限られず、例えば、潤滑油や作動油、燃料油などに対しても問題なく適用できる。また、油浄化装置1が油から除去できる金属粉は上記実施形態に例示のアルミニウム粉に限られず、例えば、鉄粉や銅粉などの切粉なども該当し得る。付言するならば、上記実施形態に係る油浄化装置1は、特に、汎用的なフィルターでは除去できないような微小な(例えば概ね1mm程度未満)金属粉を油中から除去できる点に技術上の大きな意義を有する。
上記油浄化装置1は、更に、以下のように構成される。即ち、前記渦流付与手段5は、前記油収容槽2の底面2aに複数で設けられる筒体18を含んで構成される。即ち、前記筒体18の内部に渦流が形成されるので、以上の構成によれば、前記渦流付与手段5が極めて簡素な構成で実現される。
なお、筒体18の形状は、図2に例示の角筒状に限られず、例えば円筒状や三角筒状、楕円筒状であってもよい。また、上記実施形態において各筒体18は下端が開口されるとしたが、これに代えて、各筒体18の下端は閉塞することが考えられる。また、図2に示されるように各筒体18は相互に隙間なく敷き詰められているが、隣り合う筒体18間に若干の間隙を設けてもよい。更に、複数の筒体18は、図2の如く碁盤状に配設されることに代えて、無秩序に配設してもよい。複数の筒体18の配設態様は、例示の周期性を有する場合と、周期性を有さない場合と、が考えられる。
上記油浄化装置1は、更に、以下のように構成される。前記複数の筒体18は、高さが異なる。以上の構成によれば、前記筒体18間の高低差の存在によって、前記切削油の上記流れが筒体18の外周面に衝突し、もって、上記の渦流が多様な態様で形成される。
なお、図2に示されるように上記実施形態において筒体18は、高さの異なる三つのカテゴリー(18a、18b、18c)に分類できるとしたが、これに代えて、更に多様な高さのバラツキを採用してもよい。
上記油浄化装置1は、更に、以下のように構成される。前記複数の筒体18は、前記切削油の上記流れの方向において、高さが異なる。以上の構成によれば、前記切削油が前記筒体18の外周面に対して一層厚く衝突することになるので、上記の渦流が一層、形成される。また、第一筒体18aと第二筒体18bがこの順で油流動方向Fに隣接する場合は、第一筒体18aの油流動方向F下流側に剥離流が形成され、渦流となる。
上記油浄化装置1は、更に、以下のように構成される。前記筒体18は、前記油収容槽2の底面2aに対して離間可能であると共に、前記油収容槽2の底面2aに対して開口する。以上の構成で、前記筒体18を前記油収容槽2の底面2aに対して離間させると、前記筒体18の内部で沈殿した前記アルミニウム粉は前記油収容槽2の底面2aに取り残される。従って、前記アルミニウム粉の容易な回収が実現される。
上記油浄化装置1は、更に、以下のように構成される。前記複数の筒体18は相互に連結される。以上の構成によれば、前記アルミニウム粉を回収する際の、前記複数の筒体18を前記油収容槽2の底面2aから離間させる作業が楽になる。
なお、上記の連結には、図2に例示の結束バンド19によるものに代えて、耐油エラストマー性バンドを採用してもよい。また、結束バンド19を省略し、各筒体18間相互の溶接のみによって各筒体18を相互に連結することも考えられる。
上記油浄化装置1は、更に、以下のように構成される。前記切削油の上記流れの下流側において前記油収容槽2と連通する油貯溜槽6を設け、前記油排出手段4の吸入口7は前記油貯溜槽6内に配し、前記の油収容槽2と油貯溜槽6の間には、前記油収容槽2内で沈殿した前記アルミニウム粉が前記油貯溜槽6へと流入しないよう、仕切り板10が設けられる。以上の構成によれば、前記油収容槽2内で沈殿した前記アルミニウム粉が前記油排出手段4によって排出されてしまうのを一層抑制できる。
また、上記実施形態において油浄化装置1が切削油から取り除く金属粉は、例えばアルミニウムなどの非磁性体であるとした。このように金属粉が非磁性体であるとき、本願発明の意義が一層明瞭となる。なお、非磁性体としては、例示のアルミニウムの他に、例えば、セラミックスや樹脂、ゴムなどが該当する。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
即ち、例えば、図5にしめされるように上記実施形態において渦流付与手段5は、油収容槽2の底面2a上に載置されることとしたが、これに代えて、渦流付与手段5は、油収容槽2の底面2aに対して例えば5cm程度、間隙を空けて設置してもよい。即ち、油収容槽2の底面2aと渦流付与手段5とは、上記実施形態のように接触している場合と、本変形例のように接触していない場合と、が考えられる。
また、上記実施形態において渦流付与手段5は、一対の渦流付与ユニット15を別個に並べて構成したが、これに代えて、一対の渦流付与ユニット15を相互に更に連結してもよい。
本願発明の一実施形態に係る油浄化装置の斜視図 上記の油浄化装置に組み込まれる渦流付与ユニットの斜視図 図2の3−3線矢視断面図 図3に類似する図であって、図2の4−4線矢視断面図 図1の5−5線矢視断面図 図5に類似する図であって、油収容槽から渦流付与ユニットを取り除いた様子を示す図 図5に類似する図であって、本願発明者が考案した他の油浄化装置を比較例として示す図
符号の説明
1 油浄化装置
2 油収容槽
3 油供給手段
4 油排出手段
5 渦流付与手段

Claims (9)

  1. 油中の金属粉を除去することで油を浄化する油浄化装置であって、
    油収容槽と、
    この油収容槽に対して金属粉を含む油を供給する油供給手段と、
    この油収容槽に連通する油貯槽から、金属粉が除去された油を排出する油排出手段と、
    前記の油供給手段と油排出手段との間であって、上記油収容槽内の底面側に、その全体が前記油収容槽の油レベルの下方に位置するように沈めて設けられ、前記の油供給手段と油排出手段によって形成される前記油の流れに対して渦流を付与する渦流付与手段と、を備え、
    前記油収容槽は、前記渦流付与手段の上方に、前記の油供給手段から油排出手段に向かって流動させるように油を収容するものであり、
    前記渦流付与手段は、上側に開口する複数の筒体を含んで構成され、前記流動の下方へと沈殿する金属粉を前記筒体内に捕捉させるものである、
    ことを特徴とする油浄化装置
  2. 請求項1に記載の油浄化装置において、
    前記複数の筒体は、高さが異なる、ことを特徴とする油浄化装置
  3. 請求項2に記載の油浄化装置において、
    前記複数の筒体は、前記油の上記流れの方向において、高さが異なる、ことを特徴とする油浄化装置
  4. 請求項1〜3の何れか一に記載の油浄化装置において、
    前記筒体は、前記油収容槽の底面に対して離間可能であると共に、前記油収容槽の底面に対して開口する、ことを特徴とする油浄化装置
  5. 請求項4に記載の油浄化装置において、
    前記複数の筒体は相互に連結される、ことを特徴とする油浄化装置
  6. 請求項1〜5の何れか一に記載の油浄化装置において、
    前記油の上記流れの下流側において前記油収容槽と連通する前記油貯溜槽を設け、
    前記油排出手段の吸入口は前記油貯溜槽内に配し、
    前記の油収容槽と油貯溜槽の間には、前記油収容槽内で沈殿した前記金属粉が前記油貯溜槽へと流入しないよう、仕切り板が設けられる、
    ことを特徴とする油浄化装置
  7. 請求項1〜6の何れか一に記載の油浄化装置において、
    前記金属粉は非磁性体である、ことを特徴とする油浄化装置
  8. 請求項7に記載の油浄化装置において、
    前記金属粉はアルミニウムである、ことを特徴とする油浄化装置
  9. 油中の金属粉を除去することで油を浄化する油浄化方法であって、
    金属粉を含む油を油収容槽に供給すると共に、この供給された油を前記油収容槽から排出することで前記油収容槽内の上方に前記油の流れを形成し、
    前記油収容槽の底面側に、その全体が前記油収容槽の油レベルの下方に位置するように上側に開口する筒体を複数で設けることで、前記油の上記流れの下方に対して渦流を付与し、前記流れの中で下方に沈殿しようとする金属粉を前記筒体内に捕捉させる、
    ことを特徴とする油浄化方法
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